説明

好熱性ポリエステル分解菌

【課題】ポリエステル,特に芳香族脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエステルを高い効率で分解する能力を有する微生物,及びこれを用いたポリエステルの分解処理方法を提供すること。
【解決手段】受託番号FERM BP−10827,FERM BP−10828,FERM BP−10829,及びFERM P−21507である各菌株より選ばれる菌株,及び該菌株の何れかを,分解処理すべきポリエステルの表面及び/又は該ポリエステルを埋設する堆肥に適用し,該ポリエステルを該堆肥中に埋設することにより,該菌株による該ポリエステルの促進された生分解反応を行なわせることを特徴とする,ポリエステルの分解処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ポリエステルを分解する新規の菌株に関し,より詳しくは,堆肥より分離された,ポリエステルを分解することのできる好熱性の菌株及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に芳香族ポリエステルは生分解性がなく,一方脂肪族ポリエステルは生分解性を有することが知られている。芳香族ポリエステル,すなわち芳香族化合物,特にテレフタル酸をモノマーとして用いたポリエステル(例えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートその他)は,繊維,不織布,ボトル,結紮テープ,紙コート,フィルムその他広範囲にわたり,膨大な量の様々な製品に使用されている。それらの製品は,使用済みとなった後,かなりの割合が焼却や埋め立てにより処分されている。芳香族ポリエステルの焼却は高温を発して焼却炉を傷め易く,焼却炉内で不完全燃焼を起こし易く,排気ガスの処理にもコストを要する上,焼却により温暖化ガスの一つである二酸化炭素を大気中に大量に放出してしまうという問題もある。一方,埋め立てによる処分は,処分場確保が益々困難になっており,また処分後にも自然に分解することがないため,そのままの形で残り続け,別の形で環境を汚染するという問題がある。従って,一つの重要な解決方向は,それらポリエステルを生分解により処理できるようにすることである。
【0003】
このような事情を背景に,これまで多くの生分解性ポリマーが開発されてきた。実用的な生分解性ポリマーは,基本的にはポリエステル(ポリラクトン)である。それらは大きく,(1)微生物産生ポリエステル,(2)合成ポリエステル,及び(3)半合成ポリエステル(例えば,発酵生産物の乳酸を化学合成させたポリエステル)に分けることができる。このうち,(2)の合成ポリエステルに関しては,脂肪族ポリエステルからポリエチレンテレフタレートの類まで,種々の開発が行われてきた。しかしながら,脂肪族ポリエステルは生分解性に優れるものの,物性が劣っており,そのため用途が限定される。また常温で生分解性が高いものは,使用時に徐々に崩壊するため,実用性が低い。他方,芳香族ポリエステルであるポリエチレンテレフタレートについては,土壌からスクリーニングされた生育温度30℃の分解菌(トリコスポロンFERM BP−6445およびアルスロバクターFERM BP−6444)が報告されている(特許文献1参照)。
【0004】
尤も,ポリエチレンテレフタレートに関しては,現在までのところボトルとしての使用が主であるためリサイクルが行い易く,使用後に回収し,化学的に分解して原料を再生し,これを用いて再度芳香族ポリエステルを製造する等の形でリサイクルするシステムが確立されているため,これを徹底させることにより大半は処理できると見込まれる。また,芳香族脂肪族ポリエステル(本明細書において,原料モノマーのジカルボン酸として,芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸の双方を含むポリエステルをいう。)であるエコフレックス〔Ecoflex(登録商標):BASF製〕は,テレフタル酸,1,4−ブタンジオール及びアジピン酸のランダムコポリマーよりなるものであるが,堆肥より分離した好熱性放線菌Thermobifida fuscaなどにより分解されることが報告されている(非特許文献2参照)。
【0005】
一方,強度,耐熱性その他の物性で優れ且つ生分解性を謳った芳香族脂肪族ポリエステルとして,バイオマックス(Biomax,登録商標,デュポン製)が市販されている。バイオマックスは,テレフタル酸,エチレングリコールオリゴマー及び脂肪族ジカルボン酸をモノマーとするポリマーであり,ポリエチレンテレフタレートに近い構造及び物性を有する。このポリマーは,常温で長期間変質することなく,しかも熱に強いため,繊維に加工してアイロン掛けも可能であることから,いずれ非常に広範な用途に大量使用されるようになると予測される。
【0006】
バイオマックスは,その50μmの微細粒子が堆肥抽出液を接種したバイオリアクター中で58℃にて分解されることが示されており,またその際のバイオリアクター中の菌の解析が行われているが,分解菌の特定には成功していない(非特許文献2参照)。またバイオマックスは,その優れた多用途性のため種々の製品に用いられるようになると考えられることから,ポリエチレンテレフタレートのような単純な形のリサイクルシステムには乗りにくく,回収したバイオマックスから直接に原料を再生して利用するという形のリサイクルシステムが処理の主流になる可能性は低い。このため,バイオマックスを用いた製品は,生分解性という特徴を利用して,多くは使用後に埋設処分されることが主流になると予想される。従って一旦は埋設されることから,処分場確保が容易でないことを考慮すれば,埋設処分されたバイオマックスが,埋設環境中で急速に生分解されることが非常に重要である。埋設処分されたバイオマックスの生分解速度が遅いと,処分場に次々と持ち込まれる廃棄物量の生分解が追いつかず,処分場内の未分解のバイオマックス量が急速に蓄積して,処分場の使用寿命を短縮する等の問題を生ずるからである。
【0007】
一方,バイオマックスは,堆肥中で生分解性ではあるものの,もともと長期安定性が高く,且つ熱にも強いポリマーでもあるためか堆肥中の生分解の速度は遅い。しかしながら,もし堆肥中でのバイオマックスの生分解を速やかに進めることが可能になれば,同ポリマーをそれにより効率よく生分解することで,これを一原料とする堆肥の製造ができるようになる。このことは,同ポリマーを利用したリサイクル,すなわち,同ポリマーを原料に用いて堆肥を作成し,その堆肥により植物を育て,育てた植物からポリエステル原料となるモノマーを発酵等の方法により生産し,得られたモノマーを用いて再度同ポリマーを合成するというリサイクルが可能となることを意味する。ポリエステルの原料となるグリコールを植物原料から生産する方法は,既に知られている。従って,同ポリマーの堆肥中への埋設後の生分解を大きく促進させる何らかの手段があれば,その現実的なリサイクルへの途が切り拓かれることとなる。
【0008】
通常,ポリマーの分解菌を得る方法としてハロー形成菌の検索が行われる。すなわち,ポリマーを溶剤に溶かして,無機塩などを含む寒天培地と混釈して乳濁寒天培地を作成する。これに微生物試料を塗布して出現するコロニーのうち,透明環(ハロー)を形成するものを分解菌とする方法である。しかしながら,バイオマックスは,アセトン,クロロホルム,テトラヒドロフラン等に溶解せず,乳濁寒天培地が作成できない。従って,如何にして分解菌を見つけるかという方法が全く確立されていなかった。
【特許文献1】特開2000−143868号公報
【非特許文献1】Kleeberg et al. 1998, Appl. Environ. Microbiol., 64, 1731-1735.
【非特許文献2】Nagarajan et al.2006, J. Polym. Environ. 14, 281-287.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記背景において,本発明は,ポリエステル,特に芳香族脂肪族ポリエステル,取り分けバイオマックスまたはエコフレックスに代表される,テレフタル酸とグリコールモノマーまたはオリゴマー及び脂肪族ジカルボン酸(C2〜C12)をモノマーとして重合した芳香族脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエステルを高い効率で分解する能力を有する微生物,及びこれを用いたポリエステルの分解処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは,上記能力を有する微生物を求めて検討し,堆肥中にそのような分解菌として放線菌株及び細菌株を見出し,それらを初めて単離し同定することに成功した。またそれらの菌の懸濁液を同ポリマーに適用すると堆肥に埋設したとき,菌の懸濁液を塗布せずに堆肥に埋設した対照ポリマーに較べて,極めて効率的に生分解されることから,これを同ポリマーの生分解促進を目的として使用できることも見出した。本発明は,これらの発見に基づいて完成されたものである。
【0011】
すなわち,本発明は以下を提供する。
1.受託番号FERM BP−10827,FERM BP−10828,FERM BP−10829,及びFERM P−21507である各菌株より選ばれる菌株。
2.上記1の菌株であって,ポリエステル分解性を有し,該ポリエステルが芳香族脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリエステルであってよいものである,菌株。
3.該芳香族脂肪族ポリエステルが,芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を,ジオールとしてグリコールモノマーまたはオリゴマーを,及び脂肪族ジカルボン酸としてHOC(O)(CH2)nC(O)OH(ここに,nは0〜10の整数を表す。)を含んでなるモノマーの重合したポリエステルである,上記2の菌株。
4.該芳香族脂肪族ポリエステルがバイオマックス又はエコフレックスである,上記2又は3の菌株。
5.該バイオマックスが,バイオマックス4024,4026又は4027であり,該エコフレックスがF又はSグレードである,上記4の菌株。
6.上記1ないし5の何れかの菌株を,分解処理すべきポリエステルの表面及び/又は該ポリエステルを埋設する堆肥に適用し,該ポリエステルを該堆肥中に埋設することにより,該菌株による該ポリエステルの促進された生分解反応を行なわせることを特徴とする,ポリエステルの分解処理方法。
7.該芳香族脂肪族ポリエステルが,芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を,ジオールとしてグリコールモノマーまたはオリゴマーを,及び脂肪族ジカルボン酸としてHOC(O)(CH2)nC(O)OH(ここに,nは0〜10の整数を表す。)を含んでなるモノマーの重合したポリエステルである,上記6の方法。
8.該芳香族脂肪族ポリエステルがバイオマックス及びエコフレックスである,上記6又は7の方法。
9.該バイオマックスが,バイオマックス4024,4026又は4027であり,該エコフレックスがエコフレックF及びSグレードである,上記8の方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明は,広くポリエステル全般の分解,特に好ましくはバイオマックス,エコフレックス等のような芳香族脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエステルの生分解の促進により,これらの素材の減量化という形で廃棄物の処理に寄与する。更には,本発明の菌株は温度の高い堆肥中で特に効率的に増殖してポリエステルを生分解するため,本発明の菌株を加えて堆肥中でそれらのポリエステルを生分解させることにより,ポリエステルを一原料とする堆肥を製造することができる。従って,本発明は,ポリエステルをリサイクルさせること,すなわち,ポリエステル廃材を一原料として用いて堆肥を作成し,これを利用して植物を育成し,育った植物からポリエステル原料となるモノマーを発酵等により製造し,これを用いて。ポリエステルを再生産するという形でのリサイクルを実現可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明において,「ポリエステル」とは,芳香族,芳香族脂肪族及び脂肪族ポリエステルを含み,好ましくは芳香族脂肪族及び脂肪族ポリエステルを対象とする。これらのうち,芳香族脂肪族ポリエステルとして好ましい一例は,芳香族ジカルボン酸として,特にテレフタル酸を用い,ジオールとしてC2〜C4のグリコールモノマー及び/又はオリゴマーを用い,更に,脂肪族ジカルボン酸としてHOC(O)(CH2)nC(O)OH(ここに,nは0〜10の整数を表す。)含む原料を重合させることにより製造したポリエステルである。特に好ましい例としては市販のバイオマックス(Biomax(登録商標),デュポン製),例えばバイオマックス4024,4026,4027等,及びエコフレックス〔Ecoflex(登録商標):BASF製〕,例えばエコフレックスF及びSグレードである。
【0014】
本発明において,上記芳香族脂肪族ポリエステル,特にバイオマックスの分解菌の探索及び同定は次のようにして行うことができる。すなわち,分解の有無を調べようとする芳香族脂肪族ポリエステルのフィルムを堆肥中に適当な期間(例えば約2週間)埋設する。フィルムに分解が認められたとき,分解部位に菌が付着しているか否かを確認する。菌が付着していることが確認できたときは,付着菌を,変性ゲル濃度勾配電気泳動を用いる等の適宜の手段で解析する。フィルムを引き続き堆肥中に埋設して分解を進行させ,十分に分解菌が付着したフィルム取り出して緩衝液中にてミキサーで撹拌することにより付着菌を分離させ,50℃にて一夜保温する。この液(懸濁液)を,約0.1重量%の割合で上記ポリエステルの粉末を含有する培地(例えば,LB培地)に塗布し,出現するコロニーをそれぞれ採取して単離する。各単離菌について,次の方法で該ポリエステルの分解に関する菌の特性を確認する。すなわち:
(1) 該ポリエステルのフィルムに菌体懸濁液を塗り付け,内部温度60 C前後の堆肥に埋設し,約2週間後に回収して何も塗布していないフィルムと比較して分解促進を肉眼観察と分子量測定で判定する。
(2) 該ポリエステル粉末をオートクレーブ(121 C,6時間)処理して部分水解し,部分水解物を得る(元のポリマー粒子は水中で直ぐに沈殿し懸濁液を作らないが,この条件での部分水解に付したポリマー粒子は,水中で懸濁状態を形成するものと沈殿するものとに分離する。このうち,懸濁状態を保った上清を沈殿から分離して,部分水解物とする。部分水解物には元の分子量に近いポリマーからオリゴマーまでが含まれる。)。この部分水解物を無機塩培地に添加し,これに菌体を加えて,濁度の減少を観察する。
(3) 上記(2)の培地に生成するテレフタル酸の増加を260nmの吸光度で測定する。
これらの方法に基づき,分解菌を分離する。分離された菌は,16S rDNA解析に基づき同定を行うことができる。これら3種の分解確認方法の全てで分解が確認されたものを,目的のポリエステル分解菌とする。〔但し,この項目(3)は細菌に関しては除外する。細菌の生育は濁度を増加させるため,ポリマー濁度の減少と相殺されるためである。〕
【0015】
本発明のポリエステル分解菌は,ポリエステル廃材を堆肥に埋設するに際して,ポリエステル廃材の表面に塗布,噴霧などすることにより適用してもよく,又は堆肥に噴霧,注入する等して適用してもよく,或いはポリエステル廃材と堆肥との双方に適用してもよい。こうして堆肥中に埋設されたポリエステル廃材は,堆肥中の高温で好適に増殖する本発明の分解菌により,堆肥中の高温条件下に速やかに生分解されて堆肥の一部となることができる。
【実施例】
【0016】
以下,実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが,本発明が当該実施例に限定されることは意図しない。
【0017】
〔実施例1〕
1.分解菌の探索及び同定
芳香族脂肪族ポリエステルとしてバイオマックス〔Biomax(登録商標)〕4024,4026及び4027製の市販のフィルム(0.040mm厚)を入手した。バイオマックスはエコフレックス〔Ecoflex(登録商標),BASF製〕よりも耐熱性がはるかに高く,より難生分解性である。当該フィルムを7×7cmのサイズに切断し,メッシュ袋に入れ,これをプラスチック製の鎖に括りつけて,内部温度約60℃の堆肥に埋設し,約2〜3週間放置した後,フィルムを取り出した。外観を観察し,何れのフィルムも,フィルムの一部,特に周辺部が分解していることが確認された。各フィルムから付着している菌を採取し,以下に述べるようにして16S rDNAに基づく変性剤ゲル濃度勾配電気泳動(DGGE;Denaturing Gradient Gel Electrophoresis)により解析した。DGGE用プライマーとしては、配列番号1及び2に示すものを用いた。
【0018】
堆肥から取り出した各フィルムからDNAを,PowerSoil DNA Isolation kit (MO BIO)を使い,キットに添付のプロトコルに従って抽出した。抽出したDNAはエタノール沈殿で精製し,30μLのTE緩衝液(10mM Tris−HCl,1mM EDTA,pH8.0)に溶解した。このうち5ng分を使ってPCRを行った。PCRに使用したプライマーは,16S-338-f-GC(配列番号3)及び16S-517-r(配列番号4)(Muyzer, G. et al., Profiling of complex microbial populations by denaturing gradient gel electrophoresis analysis of polymerase chain reaction-amplified genes coding for 16S rRNA. Appl Environ Microbiol. 59. pp.695-700(1993).)である。DNAポリメラーゼにはExTaq(TaKaRa)を用い,緩衝液としては粗精製DNA用のAmpdirect(登録商標)(Shimadzu)を使用した。PCR産物はエタノール沈殿後,20μLのTE緩衝液に溶解した。変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法には10μLを使用した。
【0019】
PCR条件は以下のとおりであった。
〔反応液組成〕
DNA溶液・・・・・・5μL
5× Ampdirect・・・10μL
dNTP・・・・・・・4μL
16S-338-f-GC ・・・・2.5μL
16S-517-r ・・・・・・2.5μL
ExTaq ・・・・・・・・0.25μL
超純水・・・・・・・25.75μl
全量・・・・・・・・50μL
〔反応温度及び時間〕
(1) 94℃2分,次いで
(2) 94℃30秒,55℃1分及び72℃1分の35サイクル,及び
(3) 72℃2分
【0020】
DGGEゲルは,8%ポリアクリルアミドで,変性剤濃度は35−65%であった(変性剤濃度100%は,7M 尿素及び40%(v/v)ホルムアミドを含む)。泳動は,1xTAE緩衝液(40mM Tris-acetate,1mM EDTA,pH8.0)を用い,60℃,75Vで,750分行った。泳動後,ゲルは,超純水(Milli-Q水,MILLIPORE CORP.)で希釈したSYBR Green I (INVITROGEN)で30分間染色した。バンドはカッターで切り出し,0.2mL PCRチューブに入れた300μL程度の超純水で洗浄後,30μL程度のTE緩衝液中−20℃で保存した。
【0021】
各バンドの塩基配列を決定するため,DNA断片のPCR再増幅を行った。TE緩衝液中で保存しておいたDGGEバンドをイエローチップの先で砕き,1μLをPCRテンプレートとした。
【0022】
PCR条件は以下のとおりであった。
〔反応液組成〕
DNA溶液・・・・・・・・1μL
10× ExTaq緩衝液・・・・1.5μL
dNTP(25mM)・・・1.2μL
16S-338-f-GC ・・・・・・0.75μL
16S-517-r ・・・・・・・・0.75μL
ExTaq ・・・・・・・・・・0.25μL
超純水・・・・・・・・・・9.55μL
全量・・・・・・・・・・15μL
〔反応温度及び時間〕
(1) 94℃2分,次いで
(2) 94℃30秒,55℃30分及び72℃1分の25サイクル,及び
(3) 72℃2分
【0023】
PCR産物は再びDGGEを行い,増幅産物が単一のバンドになっているか否かを確認した。単一でない場合,再び目的のバンドを切り出し,再増幅,DGGE解析を行った。単一のバンドとなったサンプルは,シークエンス解析を行った。シークエンス解析を行うPCR産物は,2%アガロースゲルで泳動後,ゲルから切り出し,MagExtractor(磁性ビーズ利用核酸抽出・精製キット,TOYOBO)を用いて精製した。12μLのTE緩衝液でPCR断片を溶出した。16S-338-fプライマー(配列番号5)を用いてBigDye Terminator v1.1 (APPLIED BIOSYSTEMS)でシークエンス反応を行った後,ABI3100(APPLIED BIOSYSTEMS)で解析を行った。
【0024】
表1及び図1に結果を示す。
【0025】
【表1】

【0026】
これらの結果から,バチルス属細菌および放線菌が同ポリマーの分解に関わっていることが推定された。十分量の菌が付着するよう上記の堆肥中により長期間(4週間)埋設しておいた上記ポリマー(バイオマックス4024,4026,4027)の各シートにつき数断片を取り出し,50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)50mLに加え,スターラーで撹拌して付着菌を分離させ,菌液を50℃にて一夜保温した。この菌液(懸濁液)を,上記ポリマーの粉末(Biomax(登録商標)4026粉末,平均粒径250μm)の部分水解物(調製方法は前記に同じ。)を0.1%の濃度で含有するLB寒天培地(pH7.5)に塗布し,50℃で培養して,出現したコロニーを観察した。出現したコロニーを同寒天培地上で繰り返し培養して純培養を得た。
【0027】
上記で分離した菌について,上記ポリマーの分解能力に関し次の(1)〜(3)の方法を用いて確認した。すなわち:
(1)上記ポリマーのフィルム(各7×7cm)のそれぞれに,上記で分離した各菌体懸濁液(培養液換算で4〜5mL/片面)を塗り付けた。これらの菌体塗布フィルムと,無処置のフィルム(対照フィルム)とを,メッシュ袋に入れ,これをプラスチック製の鎖に括りつけたものを,内部温度約60℃の堆肥に埋設し,約2〜3週間放置した後,フィルムを取り出した。菌の懸濁液を塗布したフィルムと,何も塗布しなかった対照フィルムの外観を肉眼観察して比較すると共に,分子量測定により判定した。方法及び判定基準は次のとおりである。
〔分子量測定方法〕
分子量測定は,ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography)により,以下の条件で行い,対照フィルムと比べて分子量低下の認められたものを分解促進と判定した。
GPC装置:Shodex GPC104
カラム:Shodex GPC HFIP606M ×2(2本連結)
溶出液:5mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
速度:0.3mL/分
カラム温度:40℃
検出:RI
分子量標準:ポリメタクリル酸メチル(Polymer Laboratories, USA)
(2)上記ポリマー粉末の部分水解物(調製方法は前記に同じ。)を下記の無機塩培地にポリマー濃度約0.1%(A610 約1.0)になるように添加して分散させた。これに予めLB培地で生育させておいた菌を数%接種して,50〜60℃にて2週間培養し,懸濁状態のポリマー粉末の分解による濁度の減少を観察した。
〔無機塩培地〕
KH2PO4 ・・・・・・・・・・ 4.5g
Na2HPO4 ・・・・・・・・・ 4.7g
NH4Cl ・・・・・・・・・・・ 1.0g
MgSO4・7H2O ・・・・・・ 0.5g
クエン酸第二鉄アンモニウム ・・ 50.0mg
CaCl2・2H2O ・・・・・・・ 5.0mg
酵母エキス ・・・・・・・ 0.5g
カゼイン加水分解物 ・・・・・・・ 0.1g
pH 7.5
(3)上記(2)の培地に生成するテレフタル酸の増加を260nmの吸光度で測定した。
【0028】
上記3種の確認方法において(但し細菌については生育に伴って濁度が増加するため,(2)は適用できないことから,項目から除外)において芳香族ポリエステルの実質的な分解能力が確認された菌を,芳香族ポリエステル分解菌として分離し,AHK109(放線菌),AHK119(放線菌),及びBHK25(細菌)とした。
【0029】
分離されたこれら分解菌についての確認試験結果を表2に示す。また,確認試験(1)におけるポリマーフィルム分解状態についての典型例を図面代用写真である図2(対照),図3(菌株AHK109),図4(菌株AHK119),図5(菌株BHK25)に,また確認試験(2)の濁度低下例の外観の図面代用写真を図6に示す(左側;菌培養液,右側;対照)。
【0030】
【表2】

【0031】
注1)菌体を付着させなかった対照と比較して目視および分子量測定の結果,分解に実質的促進が認められたものを+とし,分解の程度に応じて,++(中等度の促進),+++(甚だしく促進してフィルムが断片化)とした。フィルムが断片化したものは,フィルムの分子量も低下していた。
注2)この方法は,菌が分解物に生育する場合は菌体による濁度増加とポリマー粒子の減少が相殺されるため,利用できない。放線菌は菌糸をつくるため,濁度への影響は小さいが,細菌は粒子と細胞の区別がつかない。N.D.:菌体増殖と相殺されて測定不可能。
注3)対照と比べて,260nmの吸収が顕著に認められたものを「+」とした。
注4)上記1)〜3)の結果と分解で生じるテレフタル酸への生育から総合的に判定。
【0032】
上記の図に見られるように,本発明の菌の懸濁液を塗布せずに堆肥中に2週間埋設したバイオマックスフィルムでは周辺部が分解したに止まったのに対し,本発明の菌株の何れを塗布して堆肥中に同期間埋設したバイオマックスフィルムも,細かな断片群へと分解されており,このことは,本発明の菌株が試験した芳香族ポリエステルを分解する高い能力を有することを示している。またAHK109及びBHK25は,テレフタル酸も資化した。
【0033】
これらの菌株の各々につき,16S rDNAの塩基配列を決定し。これを日本DNAデータバンク(DNA Data Bank of Japan:DDBJ)に,次の登録番号で登録した。各16S rDNAの塩基配列を併せて示す。なお既存の菌株のデータバンクに完全同一のものは見出せず,本発明の菌株が新規の菌株であることが確認された。
寄託菌の16S rDNA登録(DDBJ)
(1)AHK109: AB300432(配列番号6)
(2)AHK119: AB298783(配列番号7)
(3)BHK25: AB300774(配列番号8)
【0034】
上記の芳香族ポリエステル分解菌AHK109,AHK119及びBHK25は,特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に基づき,2007年5月17日付けで,独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに,それぞれ次の受託番号を以って国際寄託されている。
(1)菌株AHK109: FERM BP−10828
(2)菌株AHK119: FERM BP−10829
(3)菌株BHK25: FERM BP−10827
【0035】
上記及び以下の試験結果に基づいて,これら各菌株の分類学上の位置を次のとおりに判定した。
(1)菌株AHK109: Streptomyces sp.
(2)菌株AHK119: Thermobifida alba
(3)菌株BHK25: Ureibacillus thermosphaericus
(なお上記国際寄託の申請に際して,菌株AHK119の分類学上の位置をThermomonospora sp.としたが,その後の16S rDNA及び生理試験の結果に基づき上記のThermobifida albaに修正し,2007年6月26日付で上記国際寄託について当該変更を届け出てある。)
【0036】
本発明の芳香族ポリエステル分解菌株AHK119及びAHK109の菌学的性質を以下に示す。
【0037】
【表3−1】

【0038】
【表3−2】

【0039】
上記において,各ISP培地の組成は次のとおりである。
(1)ISP培地No.2(イースト・麦芽寒天培地)
イーストエキス ・・・・・・ 4g
麦芽エキス ・・・・・・・ 10g
グルコース ・・・・・・・・ 4g
脱イオン水 ・・・・・ 1000mL
寒天 ・・・・・・・・ 15〜20g
pH7.3
(2)ISP培地No.3(オートミール寒天培地)
オートミール ・・・・・・・・ 20g
微量塩液* ・・・・・・・・・・・ 1mL
脱イオン水 ・・・・・・・ 1000mL
寒天 ・・・・・・・・・・・・ 18g
pH7.2
オートミールを脱イオン水1000mL中で20分間煮た後,チーズ濾布で濾過し,減量分を脱イオン水で補う。これに微量塩液を加えてpHを調整した後,寒天を加える。
*)微量塩液
FeSO4・7H2O ・・・・・ 0.1g
MnCl2・4H2O ・・・・・ 0.1g
ZnSO4・7H2O ・・・・・ 0.1g
脱イオン水 ・・・・・・・・ 100mL
(3)ISP培地No.4(スターチ・無機塩寒天培地)
液I:可溶性デンプン10gを少量の冷脱イオン水でペースト状とし,さらに薄めて500mLとする。
液II:
2HPO4 ・・・・・・・・・ 1g
MgSO472O ・・・・・・ 1g
NaCl ・・・・・・・・・・・ 1g
(NH42SO4 ・・・・・・・ 2g
CaCO3 ・・・・・・・・・・ 2g
脱イオン水 ・・・・・・・・ 500mL
微量塩液(上記(2)に同じ)・・・ 1mL
上記液I及び液IIを混合し,寒天15〜20gを加える。
(4)ISP培地No.5(グリセリン・アスパラギン寒天培地)
グリセリン ・・・・・・・・・・ 10g
L−アスパラギン ・・・・・・・・ 1g
2HPO4 ・・・・・・・・・・・ 1g
脱イオン水 ・・・・・・・・ 1000mL
微量塩液(上記(2)に同じ)・・・ 1mL
寒天 ・・・・・・・・・・・・・・ 15〜20g
pH7.0〜7.4
(5)ISP培地No.6(ペプトン・イースト・鉄寒天培地)
(I)ペプトン・鉄寒天* ・・・・・・ 36.58g
(II)イーストエキス ・・・・・・・・ 1g
(III)脱イオン水 ・・・・・・・ 1000mL
pH7.0〜7.2
上記(I)〜(III)を混和しpH7.0〜7.2とする。
*)ペプトン・鉄寒天
ペプトン ・・・・・・・・・・・ 15g
プロテオース・ペプトン ・・・・・ 5g
クエン酸鉄アンモニウム ・・・・・ 0.5g
2HPO4 ・・・・・・・・・・・ 1g
Na223 ・・・・・・・・・・ 0.08g
寒天 ・・・・・・・・・・・・・ 15g
(6)ISP培地No.7(チロシン寒天培地)
グリセリン ・・・・・・・・・・ 15g
L−チロシン ・・・・・・・・・・ 0.5g
L−アスパラギン ・・・・・・・・ 1g
2HPO4 ・・・・・・・・・・ 0.5g
MgSO4・7H2O ・・・・・・ 0.5g
NaCl ・・・・・・・・・・・・ 0.5g
FeSO4・7H2O ・・・・・・ 10mg
脱イオン水 ・・・・・・・・ 1000mL
微量塩液(上記(2)に同じ)・・・ 1mL
寒天 ・・・・・・・・・・ 15〜20g
pH7.2〜7.4
(7)ISP培地No.9(プリドハム・ゴトリーブ寒天培地)
(NH42SO4 ・・・・・・・・・・ 2.64g
KH2PO4 ・・・・・・・・・・・・・ 2.38g
2HPO4 ・・・・・・・・・・・・・ 5.65g
MgSO4・7H2O ・・・・・・・・・ 1g
脱イオン水 ・・・・・・・・・・・ 1000mL
プリドハム・ゴトリーブ微量塩液* ・・・ 1mL
*)プリドハム・ゴトリーブ微量塩液
CuSO4・5H2O ・・・・・0.64g
FeSO4・7H2O ・・・・・0.11g
MnCl2・4H2O ・・・・・0.79g
ZnSO4・7H2O ・・・・・0.15g
脱イオン水 ・・・・・・・・・・100mL
【0040】
また,本発明の芳香族ポリエステル分解菌株BHK25の菌学的性質を以下に示す。培養条件は次のとおりであった。
〔培養条件〕
培地 LB寒天(Becton Dickinson, MD, USA)
培養温度 50℃
培養時間 24時間
【0041】
【表4】

【0042】
注4)グリセロール,エリスリトール,D≡アラビノース,L≡アラビノース,リボース,D≡キシロース,L≡キシロース,アドニトール,β≡メチル−D≡キシロシド,ガラクトース,グルコース,フラクトース,マンノース,ソルボース,ラムノース,ズルシトール,イノシトール,マンニトール,ソルビトール,α≡メチル−D≡マンノシド, α≡メチル−D≡グルコシド,N−アセチルグルコサミン,アミグダリン,アルブチン,エスクリン,サリシン,セロビオース,マルトース,乳糖,メリビオース,白糖,トレハロース,イヌリン,メレチトース,ラフィノース,澱粉,グリコーゲン,キシリトール,ゲンチオビオース,D≡ツラノース,D≡リキソース,D≡タガトース,D≡フコース,L≡フコース,D≡アラビトール,L≡アラビトール,グルコネート,2≡ケトグルコン酸,5≡ケトグルコン酸。
【0043】
〔実施例2〕
1.分解菌の探索及び同定
実施例1と同様の手順で,バイオマックス〔Biomax(登録商標)〕フィルムを堆肥に長期間埋設しておいた後に取り出し,付着菌を分離して,菌液(懸濁液)を,バイオマックスの粉末の部分水解物を含有するLB寒天培地に塗布し,培養して,出現したコロニーを観察し,1個のコロニーを同寒天培地上で繰り返し培養して純培養を得た。こうして得られた分離菌(AHK190)について,実施例1と同様の方法で,バイオマックスに対する分解能力を確認した。結果を表5に示す。
【0044】
【表5】

【0045】
表5に見られるとおり,この菌株AHK190は,バイオマックスフィルムに対して,実施例1の3菌株と同等の優れた分解能力を示した。
【0046】
得られた菌株について決定した16S rDNAの塩基配列を,日本DNAデータバンク(DNA Data Bank of Japan:DDBJ)に,次の登録番号で登録した。その塩基配列を併せて示す。既存の菌株のデータバンクに完全同一のものは見出せず,本発明の菌株が新規の菌株であることが確認された。
AHK190: AB376228(配列番号9)
16S rDNA配列と生理試験に基づいて、当該菌株の分類学上の位置をSaccharomonospora viridis.と判定した。
得られた菌は,2008年2月13日付けで,独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに,受託番号FERM P−21507を以って国内寄託されている。
【0047】
この芳香族ポリエステル分解菌AHK190の菌学的性質を次の表に示す。
【0048】
【表6−1】

【0049】
【表6−2】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の菌株は,テレフタル酸とグリコールモノマーまたはオリゴマー及び脂肪族ジカルボン酸をモノマーとして用いた芳香族脂肪族ポリエステルに作用して分解を促進し,且つ堆肥中で高い分解能力を有するため,同ポリマー廃材を用いた堆肥の生産,得られた堆肥による植物の育成,育成された植物からのポリエステル原料の製造,使用,廃棄処分後の堆肥生産への利用という形でのリサイクルを実現するために用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】フィルム付着菌の16S rDNAに基づく変性ゲル濃度勾配電気泳動結果を示す
【図2】対照フィルムの分解状態を示す図面代用写真
【図3】AHK109菌体塗布フィルムの分解状態を示す図面代用写真
【図4】AHK119菌体塗布フィルムの分解状態を示す図面代用写真
【図5】BHK25菌体塗布フィルムの分解状態を示す図面代用写真
【図6】懸濁ポリマー粉末の分解による濁度の減少例を示す図面代用写真
【図7】菌株AHK109のコロニー表面形状を示す図面代用写真
【図8】菌株AHK119のコロニー表面形状を示す図面代用写真
【図9】菌株AHK109の気菌糸の形状及び胞子形成を示す図面代用写真
【図10】菌株AHK119の気菌糸の形状及び胞子形成を示す図面代用写真
【図11】菌株AHK190のコロニー表面形状を示す図面代用写真
【図12】菌株AHK190の気菌糸の形状及び胞子形成を示す図面代用写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受託番号FERM BP−10827,FERM BP−10828,FERM BP−10829,及びFERM P−21507である各菌株より選ばれる菌株。
【請求項2】
請求項1の菌株であって,ポリエステル分解性を有し,該ポリエステルが芳香族脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリエステルであってよいものである,菌株。
【請求項3】
該芳香族脂肪族ポリエステルが,芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を、ジオールとしてグリコールモノマーまたはオリゴマーを、及び脂肪族ジカルボン酸としてHOC(O)(CH2)nC(O)OH(ここに,nは0〜10の整数を表す。)を含んでなるモノマーの重合したポリエステルである,請求項2の菌株。
【請求項4】
該芳香族脂肪族ポリエステルがバイオマックス又はエコフレックスである,請求項2又は3の菌株。
【請求項5】
該バイオマックスが,バイオマックス4024,4026又は4027であり、該エコフレックスがF又はSグレードである,請求項4の菌株。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れかの菌株を,分解処理すべきポリエステルの表面及び/又は該ポリエステルを埋設する堆肥に適用し,該ポリエステルを該堆肥中に埋設することにより,該菌株による該ポリエステルの促進された生分解反応を行なわせることを特徴とする,ポリエステルの分解処理方法。
【請求項7】
該芳香族脂肪族ポリエステルが,芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を、ジオールとしてグリコールモノマーまたはオリゴマーを、及び脂肪族ジカルボン酸としてHOC(O)(CH2)nC(O)OH(ここに,nは0〜10の整数を表す。)を含んでなるモノマーの重合したポリエステルである,請求項6の方法。
【請求項8】
該芳香族脂肪族ポリエステルがバイオマックス及びエコフレックスである,請求項6又は7の方法。
【請求項9】
該バイオマックスが,バイオマックス4024,4026又は4027であり、該エコフレックスがエコフレックF及びSグレードである,請求項8の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−39095(P2009−39095A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145029(P2008−145029)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】