説明

好熱性好酸性菌の識別方法

【課題】好熱性好酸性菌アリサイクロバチルス・アシドテレストリスの芽胞耐熱性を迅速かつ簡便に識別する方法の提供。
【解決手段】特定の塩基配列における、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの遺伝子多型を検出することを含む、試料中の好熱性好酸性菌を識別する方法。(1)塩基番号67の塩基がC若しくはTである遺伝子多型(2)塩基番号68の塩基がG若しくはTである遺伝子多型(3)塩基番号73の塩基がT若しくはGである遺伝子多型(4)塩基番号175の塩基がC若しくはGである遺伝子多型(5)塩基番号176の塩基がT若しくはCである遺伝子多型(6)塩基番号195の塩基がT若しくはAである遺伝子多型(7)塩基番号239の塩基がA若しくはGである遺伝子多型。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好熱性好酸性菌の識別方法、特に該菌の芽胞耐熱性の識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
好熱性好酸性菌は土壌や温泉等から分離され、好気的に高温・酸性下で増殖する芽胞形成細菌である。土壌等に存在する好熱性好酸性菌芽胞が果汁に混入した場合、その果汁を使用した飲料水や食品において、製造工程で加熱殺菌が行われていたとしても、菌の耐熱性芽胞が生き残り、製品中で発芽・増殖し、変敗事故を引き起こす可能性がある。
【0003】
好熱性好酸性菌アリサイクロバチルス属細菌は、アリサイクロバチルス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris、以下、A. acidoterrestrisとも記載)、アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)等種々の菌種が分離されているが、そのうち異臭物質グアヤコールを生成するアリサイクロバチルス・アシドテレストリス菌が、汚染事故の原因菌として報告されており、問題視されている。
【0004】
好熱性好酸性菌による汚染事故を未然に防ぐために、アリサイクロバチルス属細菌の検出方法が提案されてきた。例えば、選択培地(非特許文献1、2)が報告されているが、検査結果を得るまでに数日を必要とする他、詳細な菌種同定のためには生化学試験等が必要である。
【0005】
そこで、近年、遺伝子解析的手法を用いた検出方法が提案されてきた。例えば、16S rDNA配列の比較による方法(非特許文献3)、PCR法を用いた方法(特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献4)、LAMP法を用いた方法(特許文献4、特許文献5)などである。
【0006】
これらの方法で、試料中に好熱性好酸性菌、特にアリサイクロバチルス・アシドテレストリスが混入しているか否かを迅速且つ簡便に検出できるが、アリサイクロバチルス・アシドテレストリスの詳細な菌株、特に芽胞耐熱性を識別することは不可能であった。
【0007】
芽胞耐熱性評価は、従来、培養による芽胞形成と耐熱性試験に依存してきた。しかし、これらの検査は時間がかかる、検査結果が培養条件等の影響を受けやすい、などの問題があった。
【0008】
【特許文献1】国際特許公開WO01/68914号
【特許文献2】特開平11−137259号
【特許文献3】特開2005−46035号
【特許文献4】特開2005−110587号
【特許文献5】特開2006−87407号
【非特許文献1】G.Deinhard et al., System. Appl. Microbiol., 10, 47-53, 1987
【非特許文献2】B.Hippchen et al., Arch. Microbiol., 129, 53-55, 1981
【非特許文献3】K.Goto et al., J. Gen. Appl. Microbiol., 48, 243-250, 2002
【非特許文献4】K.Yamazaki et al., Lett. Appl. Microbiol., 23, 350-354, 1996
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
好熱性好酸性菌の識別、その菌株の識別、特に芽胞耐熱性の識別は、酸性飲料の変敗事故を未然に防止する上で欠かせない技術である。本発明は、好熱性好酸性菌アリサイクロバチルス・アシドテレストリス菌株の芽胞耐熱性を迅速かつ簡便に識別する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、好熱性好酸性菌アリサイクロバチルス・アシドテレストリスにおいて芽胞耐熱性が高い菌株と低い菌株が存在することを見出した。更にアリサイクロバチルス・アシドテレストリスの16S rDNA塩基配列について、5箇所・7塩基の相違を見出し、検出された配列に基づいて前記アリサイクロバチルス・アシドテレストリス菌株の芽胞耐熱性を識別することに成功した。本発明はこの成果に基づいて完成された。
【0011】
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕配列番号1又は2に示される塩基配列における、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの遺伝子多型を検出することを含む、試料中の好熱性好酸性菌を識別する方法。
(1)塩基番号67の塩基がC若しくはTである遺伝子多型
(2)塩基番号68の塩基がG若しくはTである遺伝子多型
(3)塩基番号73の塩基がT若しくはGである遺伝子多型
(4)塩基番号175の塩基がC若しくはGである遺伝子多型
(5)塩基番号176の塩基がT若しくはCである遺伝子多型
(6)塩基番号195の塩基がT若しくはAである遺伝子多型
(7)塩基番号239の塩基がA若しくはGである遺伝子多型
【0012】
〔2〕前記好熱性好酸性菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリスである、〔1〕に記載の方法。
〔3〕下記(a)〜(g)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌が芽胞耐熱性の低い菌であると判定することを更に含む、〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
(a)塩基番号67の塩基がC
(b)塩基番号68の塩基がG
(c)塩基番号73の塩基がT
(d)塩基番号175の塩基がC
(e)塩基番号176の塩基がT
(f)塩基番号195の塩基がT
(g)塩基番号239の塩基がA
【0013】
〔4〕下記(h)〜(n)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌が芽胞耐熱性の高い菌であると判定することを更に含む、〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
(h)塩基番号67の塩基がT
(i)塩基番号68の塩基がT
(j)塩基番号73の塩基がG
(k)塩基番号175の塩基がG
(l)塩基番号176の塩基がC
(m)塩基番号195の塩基がA
(n)塩基番号239の塩基がG
【0014】
〔5〕下記(a)〜(g)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリスIAM15087株、DSM3922株、DSM3923株及びDSM3924株のいずれかであると識別することを更に含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
(a)塩基番号67の塩基がC
(b)塩基番号68の塩基がG
(c)塩基番号73の塩基がT
(d)塩基番号175の塩基がC
(e)塩基番号176の塩基がT
(f)塩基番号195の塩基がT
(g)塩基番号239の塩基がA
【0015】
〔6〕下記(h)〜(n)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリスIAM15085株、IAM15086株及びDSM2498株のいずれかであると識別することを更に含む、〔1〕、〔2〕及び〔4〕のいずれかに記載の方法。
(h)塩基番号67の塩基がT
(i)塩基番号68の塩基がT
(j)塩基番号73の塩基がG
(k)塩基番号175の塩基がG
(l)塩基番号176の塩基がC
(m)塩基番号195の塩基がA
(n)塩基番号239の塩基がG
【0016】
〔7〕配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの塩基の5’側にある5〜50塩基長の部分配列と、前記塩基の3’側にある5〜50塩基長の部分配列に相補的な配列とからなる、前記塩基を含む塩基配列断片を増幅し得る1対のプライマーセット。
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
【0017】
〔8〕配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの塩基を含む5〜50塩基長の部分配列からなる、オリゴヌクレオチド又はその標識物。
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
【0018】
〔9〕配列番号1又は2に示される塩基配列に相補的な配列において、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの塩基に相補的な塩基を含む5〜50塩基長の部分配列からなる、オリゴヌクレオチド又はその標識物。
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
【0019】
〔10〕〔8〕又は〔9〕に記載のオリゴヌクレオチドを固定化した固定化基板。
〔11〕〔7〕に記載のプライマーセット、〔8〕若しくは〔9〕に記載のオリゴヌクレオチド又はその標識物及び〔10〕に記載の固定化基板の少なくとも1つを含む、好熱性好酸性菌検出キット。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、好熱性好酸性菌、特にアリサイクロバチルス・アシドテレストリスの検出、アリサイクロバチルス・アシドテレストリス菌株の識別、更に芽胞耐熱性の識別を、迅速、簡便かつ高精度に行なうことを可能にする。本発明によれば、煩雑で不正確な耐熱性試験を行なわずにして、芽胞耐熱性の識別が可能となる。
【0021】
更に本発明によれば、特に、酸性飲料の生産において適切な殺菌条件を設定することにより変敗事故を未然に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の好熱性好酸性菌を識別する方法は、試料中の好熱性好酸性菌の遺伝子の塩基配列、具体的には16S rDNA塩基配列を判別して、好熱性好酸性菌のアリサイクロバチルス・アシドテレストリスを識別し、更にその菌株及び芽胞耐熱性を識別する方法である。
【0023】
本明細書中において、「遺伝子多型」には、いわゆる単一ヌクレオチド多型(1塩基多型:single nucleotide polymorphism:SNP)、及び連続した複数ヌクレオチドにわたる多型、の両方を含むものとする。すなわち、ある塩基配列を基準として、該塩基配列の1又は複数の特定部位に、1又は複数ヌクレオチドの置換、欠失、挿入、転位、逆位等の変異が存在するとき、その変異を「遺伝子多型」とする。
【0024】
「遺伝子」という用語には、DNAのみならずそのmRNA、cDNA及びcRNAも含むものとする。従って、本発明の遺伝子には、これらのDNA、mRNA、cDNA、及びcRNAの全てが含まれる。
【0025】
配列表の塩基配列はすべてDNA配列として記載し、それにより特定される塩基配列及びオリゴヌクレオチドはDNAで示されるが、配列表の塩基配列をRNAに読み替えた場合も本発明に含まれる。従って、配列表の塩基配列、それにより特定される塩基配列及びオリゴヌクレオチドがRNAを示す場合は、配列表中の塩基記号「t」を「u」に読み替えるものとする。
【0026】
また、配列の検出若しくは判別とは、識別、分類を行う好熱性好酸性菌の核酸について、多型を有する配列を検出することをいい、また、多型部位の塩基を検出、判定することでもある。更に、該配列に相補的な配列において、多型を有する配列を検出し、多型部位の塩基を検出、判定することも含む。
【0027】
試料とは、好適には、好熱性好酸性菌細胞の遺伝子を含む試料をいう。好熱性好酸性菌細胞からの遺伝子を含む試料の調製は、例えば、通常公知の核酸の抽出・精製方法(例えば、Sambrook, J. et al. (1989):“Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.)” Cold Spring Harbor Laboratory, NY)に従って行なうことが可能である。例えば、核酸を含む溶液にプロテイナーゼKとドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加えてタンパク質を分解、変性させた後、フェノール/クロロホルム抽出を行うことによりゲノム核酸を得る。また、市販の核酸の抽出・精製キットを用いて、遺伝子を含む試料の調製を行なうことも可能である。
【0028】
本発明において利用される好熱性好酸性菌の遺伝子多型は、アリサイクロバチルス・アシドテレストリスの16S rDNA塩基配列の、配列番号1と2に示された塩基配列における塩基の違いであって、具体的には下記(1)〜(7)である。本発明では、このうち少なくとも1つの多型を検出する。
(1)塩基番号67の塩基がC若しくはTである遺伝子多型
(2)塩基番号68の塩基がG若しくはTである遺伝子多型
(3)塩基番号73の塩基がT若しくはGである遺伝子多型
(4)塩基番号175の塩基がC若しくはGである遺伝子多型
(5)塩基番号176の塩基がT若しくはCである遺伝子多型
(6)塩基番号195の塩基がT若しくはAである遺伝子多型
(7)塩基番号239の塩基がA若しくはGである遺伝子多型
【0029】
上記(1)〜(7)は、多型の存在に感受性が認められる手段を駆使することにより得ることができる。具体的には、ダイレクト・シーケンシング法(Biotechniques, 11, 246-249 (1991))、DHPLC(Denaturing High Performance Liquid Chromatography)法(Underhill, P.A. et al., Genome Res. 7:996-1005 (1997))、Surveyor Nucleaseを用いる方法(Qui P, et al., Biotechniques, 2004 Apr;36(4);702-7)、TaqMan PCR法(Genet. Anal., 14, 143-149 (1999), J. Clin. Microbiol., 34, 2933-2936 (1996))、Invader法(Science, 5109, 778-783(1993), J. Biol. Chem., 30, 21387-21394 (1999), Nat. Biotechnol., 17, 292-296 (1999))、プライマー伸長法(米国特許第6,210,884号、同第6,183,960号、Lizardi, P. M. et al., Nature Genet., 19, 225-232 (1998); Piated, A. S. et al., Nature Biotech., 16, 359-363 (1998))、SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)法(Biotechniques, 16,296-297 (1994), Biotechniques, 21, 510-514 (1996))、DNAチップを用いる方法、RFLP(制限酵素切断断片長多型)法、ASO(Allele Specific Oligonucleotide)ハイブリダイゼーション法(Clin. Chim. Acta, 189, 153-157 (1990))、ARMS(Amplification Refracting Mutation System)法(Nuc. Acids. Res., 19, 3561-3567 (1991), Nuc. Acids. Res., 20, 4831-4837 (1992))、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis)法(Biotechniques, 27, 1016-1018 (1999))、RNaseA切断法(DNA Cell. Biol., 14, 87-94 (1995))、化学切断法(Biotechniques, 21, 216-218 (1996))、DOL(Dye-labeled Oligonucleotide Ligation)法(Genome Res., 8, 549-556 (1998))、MALDI−TOF/MS(Matrix Assisted Laser Desorption-time of Flight/Mass Spectrometry)法(Genome Res., 7, 378-388 (1997), Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem., 35, 545-548 (1997))、TDI(Template-directed Dye-terminator Incorporation)法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 10756-10761 (1997))、モレキュラー・ビーコン(Molecular Beacons)法(Nat. Biotechnol.,1, p49-53 (1998)、遺伝子医学、4, p46-48(2000))、ダイナミック・アレルスペシフィック・ハイブリダイゼーション法(Dynamic Allele-Specific Hybridization(DASH))法(Nat. Biotechnol.,1, p87-88, (1999)、遺伝子医学, 4, p47-48 (2000))、パドロック・プローブ(Padlock Probe)法(Nat. Genet., 3, p225-232 (1998)、遺伝子医学, 4, p50-51 (2000))、UCAN法、ECA(Electrochemical Array)法(Anal. Chem., 72, p1334-1341, 2000)等を例示することができる。
【0030】
例えば、DHPLC法及びSurveyor Nucleaseを用いる方法については、Transgenomic社(USA)の製品を用い、そのプロトコールに従って行なうことができる。
【0031】
TaqMan PCR法及びInvader法に関しては、例えば「SNP 遺伝子多型の戦略」(編集:中村祐輔、中山書店)p.94〜105の記載に従って行うことができる。
【0032】
またプライマー伸長法に関しては、例えば「SNP 遺伝子多型の戦略」(編集:中村祐輔、中山書店)p.106〜117の記載に従って行なうことができる。
【0033】
SSCP法に関しては、例えばBio Rad社のDCodeシステムを用いて、そのプロトコールに従って行なうことができる。
【0034】
DNAチップを用いる方法に関しては、例えば「SNP 遺伝子多型の戦略」(編集:中村祐輔、中山書店)p.128〜135の記載に従って行なうことができる。その際、DNAチップに貼り付けるオリゴヌクレオチドプローブとしては、例えば、後述の多型の存在する塩基を含む5〜50ヌクレオチドを用いることができる。
【0035】
本発明において最も典型的、かつ、好適な手段として、例えば配列番号1又は2に示される塩基配列を含む領域を後述の増幅可能な遺伝子増幅用プライマーを用いて増幅し、BigDye Terminator v1.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ)及びGeneAmp PCRシステム9700(アプライドバイオシステムズ)を用いて、定法に従って遺伝子増幅産物のDNA塩基配列をダイレクト・シーケンシング法により決定し、所望する配列の判別方法として用いる方法が挙げられる。
【0036】
また、本発明の好熱性好酸性菌を識別する方法は、アリサイクロバチルス・アシドテレストリスが芽胞耐熱性の低い菌であるか、高い菌であるかを判定することを更に含むことができる。
【0037】
具体的には、配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(a)〜(g):
(a)塩基番号67の塩基がC
(b)塩基番号68の塩基がG
(c)塩基番号73の塩基がT
(d)塩基番号175の塩基がC
(e)塩基番号176の塩基がT
(f)塩基番号195の塩基がT
(g)塩基番号239の塩基がA
の少なくとも1つの塩基が検出された場合、好熱性好酸性菌は、芽胞耐熱性の低い菌であると判定でき、下記(h)〜(n):
(h)塩基番号67の塩基がT
(i)塩基番号68の塩基がT
(j)塩基番号73の塩基がG
(k)塩基番号175の塩基がG
(l)塩基番号176の塩基がC
(m)塩基番号195の塩基がA
(n)塩基番号239の塩基がG
の少なくとも1つの塩基が検出された場合、好熱性好酸性菌は、芽胞耐熱性の高い菌であると判定できる。
【0038】
更に、本発明の好熱性好酸性菌を識別する方法は、アリサイクロバチルス・アシドテレストリスが芽胞耐熱性の低い菌株であるIAM15087株、DSM3922株、DSM3923株及びDSM3924株のいずれかであるか、又は芽胞耐熱性の高い菌株であるIAM15085株、IAM15086株及びDSM2498株のいずれかであるかを識別することを更に含むことができる。
【0039】
例えば、配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(a)〜(g):
(a)塩基番号67の塩基がC
(b)塩基番号68の塩基がG
(c)塩基番号73の塩基がT
(d)塩基番号175の塩基がC
(e)塩基番号176の塩基がT
(f)塩基番号195の塩基がT
(g)塩基番号239の塩基がA
の少なくとも1つの塩基が検出された場合、好熱性好酸性菌は、芽胞耐熱性の低いIAM15087株、DSM3922株、DSM3923株及びDSM3924株のいずれかであると識別でき、下記(h)〜(n):
(h)塩基番号67の塩基がT
(i)塩基番号68の塩基がT
(j)塩基番号73の塩基がG
(k)塩基番号175の塩基がG
(l)塩基番号176の塩基がC
(m)塩基番号195の塩基がA
(n)塩基番号239の塩基がG
の少なくとも1つの塩基が検出された場合、好熱性好酸性菌は、芽胞耐熱性の高いIAM15085株、IAM15086株及びDSM2498株のいずれかであると識別できる。
【0040】
本発明は、上記多型部位を含む塩基配列断片を増幅する、1対のプライマーセットを含み、具体的に以下のものが挙げられる。
配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(1)〜(7):
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
から選ばれる少なくとも1つの塩基の5’側にある5〜50塩基長の部分配列と、前記塩基の3’側にある5〜50塩基長の部分配列に相補的な配列とからなる、前記塩基を含む塩基配列断片を増幅し得る1対のプライマーセット。
【0041】
本発明のプライマーセットの設計は、(i)配列番号1又は2に示される塩基配列において、上記(1)〜(7)の少なくとも1つの多型部位の塩基の5’側にある5〜50塩基長の連続した部分配列と、(ii)配列番号1又は2に示される塩基配列において、(i)で選択した多型部位の塩基の3’側にある5〜50塩基長の連続した部分配列に相補的な配列とを、プライマーとしてセットにすればよい。
【0042】
また、上記多型部位の塩基が2つ以上含まれる塩基配列断片を増幅するプライマーを設計する場合、上記(i)では、それらの塩基のうち一番5’側に存在する塩基の5’側の、5〜50塩基長の連続した部分配列をプライマーとすればよく、上記(ii)では、それらの塩基のうち一番3’側に存在する塩基の3’側の、5〜50塩基長の連続した部分配列に相補的な配列をプライマーとすればよい。
【0043】
更に、上記少なくとも1つの多型部位の塩基を含む塩基配列断片を増幅するためのプライマー配列中に、他の多型部位の塩基を含んでいてもよい。
【0044】
プライマーを構成する塩基の数は、5〜50、好ましくは10〜30、更に好ましくは14〜25である。また、増幅させる塩基配列の長さは限定されない。プライマーを用いたDNAの増幅は、公知の手法で行うことができる。
【0045】
プライマーセットの配列の具体例としては、例えば
5’−AGTTTGATCCTGGCTCA−3’(配列番号3)と5’−ACCGCGGCTGCTGGC−3’(配列番号4)、
5’−TGGCTCAGGACGAACGCTGG−3’(配列番号5)と5’−GGCACGTAGTTAGCCGGGGC−3’(配列番号6)、
5’−GCGTGCCTAATACATGCAAG−3’(配列番号7)と5’−TCCTCACTCGGTACCGTCTC−3’(配列番号8)、
5’−GATCCTGGCTCAGGACGAACG−3’(配列番号9)と5’−ACAAGGAGCTTTCCACTCTC−3’(配列番号10)
などが挙げられる。
【0046】
なお、プライマーの塩基配列に上記多型部位の塩基が含まれる場合は、アリサイクロバチルス・アシドテレストリスの上記多型、菌株又は萌芽耐熱性を識別するプローブとして用いてもよい。
【0047】
本発明は、上記多型を判別し、好熱性好酸性菌アリサイクロバチルス・アシドテレストリスの菌株を識別し、芽胞耐熱性を識別する、プローブとして用いられるオリゴヌクレオチド又はその標識物を含む。
【0048】
本発明のオリゴヌクレオチド又はその標識物は、具体的に以下のものが挙げられる。
配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(1)〜(7):
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
から選ばれる少なくとも1つの塩基を含む5〜50塩基長の部分配列からなる、オリゴヌクレオチド又はその標識物、
配列番号1又は2に示される塩基配列に相補的な配列において、下記(1)〜(7)
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
から選ばれる少なくとも1つの塩基に相補的な塩基を含む5〜50塩基長の部分配列からなる、オリゴヌクレオチド又はその標識物。
【0049】
上記オリゴヌクレオチド又はその標識物は、上記(1)〜(7)の多型部位の塩基の複数を含んでいてもよい。また、上記オリゴヌクレオチド又はその標識物を構成する塩基の数は5〜50、好ましくは10〜30、更に好ましくは15〜25である。
【0050】
上記オリゴヌクレオチド又はその標識物をプローブとして用いるハイブリダイゼーションアッセイは、公知の手法で行うことができる。
【0051】
オリゴヌクレオチド又はその標識物の配列の具体例としては、例えば
5’−GCGAGCCCTTCGGGGCT−3’(配列番号11)、
5’−GCGAGCCCTTTTGGGCG−3’(配列番号12)、
5’−CTTGTGTTGAAAGATG−3’(配列番号13)、
5’−GCTGTGTTGAAAGATG−3’(配列番号14)
などが挙げられる。
【0052】
本発明のオリゴヌクレオチドは化学合成により作製することもできるし、上記プライマーを用いてPCR等により遺伝子を増幅させた増幅産物として作製することもできる。本発明のオリゴヌクレオチドは、検出のために、例えば蛍光色素、酵素、タンパク、放射性同位体、化学発光物質、ビオチン等で標識されていてもよい。標識に用いる標識物質は、公知のものを用い、公知の方法で標識することができる(Nature Biotechnology, 14, p303-308 (1996)参照)。また、市販の蛍光標識キットを使用することもできる(例えば、アマシャム・ファルマシア社製 オリゴヌクレオチドECL 3’-オリゴラベリングシステム等)。蛍光物質としては、例えば、Cy3、Cy5、ローダミン、フルオレセイン等が挙げられる。
【0053】
なお、上記オリゴヌクレオチドは、任意に組合わせてプライマーとして用いることもできる。
【0054】
更に、本発明は上記オリゴヌクレオチドを固定化した固定化基板を含む。オリゴヌクレオチドを固定化する基板としては、スライドガラス、ニトロセルロース膜、マイクロビーズ等種々のものを用いることができる。固定化基板上に複数のオリゴヌクレオチドを整列固定化した場合、該固定化基板は、DNAマイクロアレイ又はDNAチップとして用いることができる。また、オリゴヌクレオチドは基板上で合成してもよいし、また合成したオリゴヌクレオチドを基板上に固定化してもよい。基板上への固定化は、例えば市販のスポッター(Amersham社製等)やアレイヤーを用いて行うことができ、オリゴヌクレオチドの固定化は吸着や共有結合を介した結合により行うことができ、共有結合を介した結合により固定化する場合は、基板表面及びオリゴヌクレオチドに共有結合用のアミノ基、SH基等の官能基を導入すればよい。
【0055】
オリゴヌクレオチドを固定化した固定化基板を用いる上記配列の検出は公知の方法で行うことができる。
【0056】
本発明の好熱性好酸性菌検出キットは、上記プライマーセット、上記オリゴヌクレオチド又はその標識物及び上記固定化基板の少なくとも1つを含む。本発明のキットは、必要に応じて、ハイブリダイゼーション、プローブの標識、ラベル体の検出等、本発明の識別方法に必要な他の試薬、器具等を適宜含んでいてもよい。
【0057】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0058】
A. acidoterrestris芽胞の調製
A. acidoterrestris保存菌株(IAM15085、IAM15086、IAM15087、DSM2498、DSM3922、DSM3923、DSM3924)をYSG平板培地(酵母エキス0.2%、グルコース0.1%、可溶性でんぷん0.2%、寒天1.5%、pH3.7)で45℃で2日間培養した。平板培地上の菌体を滅菌水に懸濁し、新たなYSG平板培地に塗布し、45℃で5日間培養した。平板上の菌体をかきとり、滅菌水に懸濁し、遠心分離後、上清を除去した。滅菌水に懸濁し、遠心分離後、上清を除去する操作を3回行い、PBSに懸濁した。
【0059】
調製した芽胞の95℃での耐熱性をスポア実験マニュアル(近藤雅臣と渡部一仁編集、技報堂出版)の55〜59ページに記載された方法に従って調べた。加熱処理した芽胞溶液をYSG平板培地培養し、生存芽胞を計数した。95℃でのD値(ある温度において生存数を10分の1に減少させるのに要する加熱時間、スポア実験マニュアル(近藤雅臣と渡部一仁編集、技報堂出版の58〜59ページ)を以下に示す。
IAM15087 3.85分
DSM3922 3.20分
DSM3923 3.66分
DSM3924 2.92分
IAM15085 8.40分
IAM15086 9.56分
DSM2498 9.60分
【0060】
95℃でのD値が3〜4分の菌株(IAM15087、DSM3922、DSM3923、DSM3924)と、8〜10分の菌株(IAM15085、IAM15086、DSM2498)が見られた。
【実施例2】
【0061】
A. acidoterrestris 16S rDNA塩基配列の決定
A. acidoterrestris保存菌株(IAM15085、IAM15086、IAM15087、DSM2498、DSM3922、DSM3923、DSM3924)をYSG液体培地で45℃、24時間振とう培養した。培養液0.1mlを遠心分離し、培養上清を除去した。得られた菌体からPrepManTMUltra Reagent(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、ゲノムDNAを調製した。
【0062】
得られたゲノムDNAを鋳型としてA. acidoterrestris 16S rDNAの5’上流約0.5kbをPCRにて増幅した。PCRのためのプライマーとして20F:5’−AGTTTGATCCTGGCTCA−3’(配列番号3)と531R:5’−ACCGCGGCTGCTGGC−3’(配列番号4)、DNAポリメラーゼとしてEx-Taq(タカラバイオ社)を用いた。
【0063】
PCR条件は、94℃30秒間、55℃60秒間、72℃30秒間を30サイクル繰り返した。High Pure PCR Product Purification Kit(ロッシュ社)を用いて、増幅DNA断片を精製した。増幅DNA断片を鋳型としてBigDye Terminator v1.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ社)を用いてDNAシーケンシング反応を行なった。
【0064】
得られたDNA塩基配列を比較したところ、2種類の配列(前述の95℃でのD値が3〜4分の菌株(IAM15087、DSM3922、DSM3923、DSM3924)から得られる配列と8〜10分の菌株(IAM15085、IAM15086、DSM2498)から得られる配列)が得られた(図1)。
【0065】
すなわち、配列番号1及び2の塩基番号67の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではC、芽胞耐熱性の高い菌株ではTであり、塩基番号68の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではG、芽胞耐熱性の高い菌株ではTであり、塩基番号73の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではT、芽胞耐熱性の高い菌株ではGであり、塩基番号175の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではC、芽胞耐熱性の高い菌株ではGであり、176の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではT、芽胞耐熱性の高い菌株ではCであり、塩基番号195の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではT、芽胞耐熱性の高い菌株ではAであり、塩基番号239の位置に存在する塩基が芽胞耐熱性の低い菌株ではA、芽胞耐熱性の高い菌株ではGであった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の好熱性好酸性菌を識別する方法は、特に飲食品における検査、品質管理などに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】A. acidoterrestris株のDNA塩基配列(配列番号1及び2の塩基番号1から塩基番号270)比較を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1又は2に示される塩基配列における、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの遺伝子多型を検出することを含む、試料中の好熱性好酸性菌を識別する方法。
(1)塩基番号67の塩基がC若しくはTである遺伝子多型
(2)塩基番号68の塩基がG若しくはTである遺伝子多型
(3)塩基番号73の塩基がT若しくはGである遺伝子多型
(4)塩基番号175の塩基がC若しくはGである遺伝子多型
(5)塩基番号176の塩基がT若しくはCである遺伝子多型
(6)塩基番号195の塩基がT若しくはAである遺伝子多型
(7)塩基番号239の塩基がA若しくはGである遺伝子多型
【請求項2】
前記好熱性好酸性菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
下記(a)〜(g)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌が芽胞耐熱性の低い菌であると判定することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
(a)塩基番号67の塩基がC
(b)塩基番号68の塩基がG
(c)塩基番号73の塩基がT
(d)塩基番号175の塩基がC
(e)塩基番号176の塩基がT
(f)塩基番号195の塩基がT
(g)塩基番号239の塩基がA
【請求項4】
下記(h)〜(n)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌が芽胞耐熱性の高い菌であると判定することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
(h)塩基番号67の塩基がT
(i)塩基番号68の塩基がT
(j)塩基番号73の塩基がG
(k)塩基番号175の塩基がG
(l)塩基番号176の塩基がC
(m)塩基番号195の塩基がA
(n)塩基番号239の塩基がG
【請求項5】
下記(a)〜(g)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリスIAM15087株、DSM3922株、DSM3923株及びDSM3924株のいずれかであると識別することを更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(a)塩基番号67の塩基がC
(b)塩基番号68の塩基がG
(c)塩基番号73の塩基がT
(d)塩基番号175の塩基がC
(e)塩基番号176の塩基がT
(f)塩基番号195の塩基がT
(g)塩基番号239の塩基がA
【請求項6】
下記(h)〜(n)から選ばれる少なくとも1つの塩基が検出された場合に、前記好熱性好酸性菌がアリサイクロバチルス・アシドテレストリスIAM15085株、IAM15086株及びDSM2498株のいずれかであると識別することを更に含む、請求項1、2及び4のいずれか1項に記載の方法。
(h)塩基番号67の塩基がT
(i)塩基番号68の塩基がT
(j)塩基番号73の塩基がG
(k)塩基番号175の塩基がG
(l)塩基番号176の塩基がC
(m)塩基番号195の塩基がA
(n)塩基番号239の塩基がG
【請求項7】
配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの塩基の5’側にある5〜50塩基長の部分配列と、前記塩基の3’側にある5〜50塩基長の部分配列に相補的な配列とからなる、前記塩基を含む塩基配列断片を増幅し得る1対のプライマーセット。
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
【請求項8】
配列番号1又は2に示される塩基配列において、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの塩基を含む5〜50塩基長の部分配列からなる、オリゴヌクレオチド又はその標識物。
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
【請求項9】
配列番号1又は2に示される塩基配列に相補的な配列において、下記(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1つの塩基に相補的な塩基を含む5〜50塩基長の部分配列からなる、オリゴヌクレオチド又はその標識物。
(1)配列番号1又は2の塩基番号67の塩基
(2)配列番号1又は2の塩基番号68の塩基
(3)配列番号1又は2の塩基番号73の塩基
(4)配列番号1又は2の塩基番号175の塩基
(5)配列番号1又は2の塩基番号176の塩基
(6)配列番号1又は2の塩基番号195の塩基
(7)配列番号1又は2の塩基番号239の塩基
【請求項10】
請求項8又は9に記載のオリゴヌクレオチドを固定化した固定化基板。
【請求項11】
請求項7に記載のプライマーセット、請求項8若しくは9に記載のオリゴヌクレオチド又はその標識物及び請求項10に記載の固定化基板の少なくとも1つを含む、好熱性好酸性菌検出キット。

【図1】
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【公開番号】特開2008−289365(P2008−289365A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134869(P2007−134869)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000253503)キリンホールディングス株式会社 (247)
【出願人】(391058381)キリンビバレッジ株式会社 (94)
【Fターム(参考)】