説明

媒体処理装置、媒体処理装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】記録位置に媒体が位置していない状態で記録のための動作が行われることを確実に防止した上で、当該防止のために所定の処理を行った媒体を他の媒体から区別できるようにすると共に、処理に係るスループットの低下を抑制することを目的とする。
【解決手段】複合処理装置1の処理制御部70aは、小切手に記録する画像の搬送方向における長さが、小切手4の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、記録領域に収まる範囲の画像を記録し、小切手を排出する排出部を切り替え、収納部に収納された次の小切手に対し搬送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を搬送し、搬送中の媒体に記録する媒体処理装置、当該媒体処理装置の制御方法、及び、当該媒体処理装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手等の媒体を搬送すると共に、搬送中、媒体に画像を記録する媒体処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の媒体処理装置では、収納部に複数枚の媒体を収納し、これら複数枚の媒体に対して、搬送、及び、記録を含む一連の処理を実行するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−255393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した媒体処理装置のように搬送中の媒体に対して記録するものでは、記録位置に媒体が位置していない状態で記録のための動作を実行した場合、何らかの不具合が発生する原因となり得る。例えば、インクジェットヘッドによってインクを吐出して画像を記録する装置では、インクの吐出位置に媒体が位置していない状態で、インクジェットヘッドからインクを吐出したとすると、媒体、装置の汚れ等の原因となり得る。また例えば、サーマルヘッドによって画像を記録する装置では、記録位置に媒体が位置していない状態で画像の記録に係る動作を実行した場合、発熱素子の寿命等に悪影響を与える可能性がある。従って、記録位置に媒体が位置していない状態で記録のための動作を行うことを確実に防止する必要がある。これを踏まえ、ある1の媒体について、当該1の媒体に記録すべき画像が、当該1の媒体の記録領域に収まりきれず、何も対応しなかったとすると当該媒体が記録位置に位置していない状態で記録に係る動作を実行してしまうような状況の場合は、当該動作を防止するための特別な処理を行うことが考えられる。そして、複数の媒体について連続して処理するために、複数の媒体の中に、当該特別の処理を行った媒体が存在する場合は、当該媒体を他の媒体から明確に区別し、後に当該媒体を選別できるようにしておく必要がある。さらに、上述した媒体処理装置のように、複数の媒体について連続して処理するためには、連続処理を中断すると、全ての媒体の処理に要する時間が長くなり、スループットの著しい低下を招くことがあるため、できるだけこのようなスループットの低下を抑制したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録位置に媒体が位置していない状態で記録のための動作が行われることを確実に防止した上で、当該防止のために所定の処理を行った媒体を他の媒体から区別できるようにすると共に、連続して処理できるようにして処理に係るスループットの低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能な媒体処理装置であって、複数の媒体を収納可能な収納部と、前記収納部に連通し、前記媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路に連通可能であり、前記媒体が排出される複数の排出部と、前記媒体を排出する前記排出部を切り替える切替部と、前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部へ、前記媒体を搬送する搬送部と、前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、前記切替部、前記搬送部、及び、前記記録部を制御する処理制御部と、を備え、前記処理制御部は、前記媒体に記録する画像の搬送方向における長さが、前記媒体の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、前記記録領域に収まる範囲の前記画像を前記記録部により記録し、前記画像の長さより前記記録領域の長さが短い場合と長い場合とにおいて、前記媒体が排出される前記排出部が異なるように、前記切替部により前記排出部を切り替え、前記収納部に収納された次の前記媒体に対し前記搬送部による搬送を行うことを特徴とする。
この構成によれば、処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、記録領域に収まる範囲で当該画像を記録するため、このような場合であっても、当該媒体が記録位置に位置していない状態で、記録のための動作が行われることを確実に防止可能である。さらに、上記構成によれば、記録領域に記録できる範囲で画像を記録した媒体については、そうではない媒体と異なる排出部に排出されるため、当該媒体を他の媒体から明確に区別することが可能である。さらに、1の媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合であっても、エラーが発生しているとして処理自体を停止するのではなく、収納部に収納された次の媒体に対する搬送を行い、当該次の媒体に対する処理を連続して行う構成のため、スループットの低下を効果的に抑制可能である。
また、上記構成によれば、処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、当該媒体に対して画像を記録しないのではなく、当該媒体が記録位置に位置していない状態で記録のための動作が実行されることを防止した上で、記録領域に収まる範囲で画像が記録される。ここで、媒体に記録される画像の性質によっては、画像の一部が記録されなかった場合であっても、許容されるケースがあるため、上記構成によれば、このようなケースに適切に対応可能である。
【0006】
また、本発明は、前記記録部の上流側に設けられ、前記媒体を検出するセンサーをさらに備え、前記処理制御部は、前記センサーにより前記媒体の後端を検出して、前記記録部による前記媒体の前記後端に対応する位置の上流側への画像の記録を禁止することによって、前記画像の長さが前記記録領域の長さよりも長い場合に、前記記録領域に記録できる範囲で前記画像を記録することを特徴とする。
この構成によれば、センサーを利用して媒体の後端を検出した上で、後端の位置を管理し、この後端に対応する位置の上流側への画像の記録を禁止するため、容易な手段で、媒体の後端を上流側に越えて画像が記録されることを確実に防止できる。
【0007】
また、本発明は、前記搬送部により搬送される前記媒体の長さを検出する検出部をさらに備え、前記処理制御部は、前記制御装置から受信した前記画像に係るデータに基づき、前記媒体に記録する前記画像の前記搬送方向における長さを算出し、算出した前記画像の長さと、前記検出部が検出した前記媒体の前記搬送方向における長さによって規定される前記記録領域の長さとを比較し、前記画像の長さが長い場合は、前記記録領域に納まる範囲の前記画像を前記記録部により記録することを特徴とする。
この構成によれば、搬送路を搬送される媒体の実際の長さを反映して、的確に、当該媒体の長さと、当該媒体に記録すべき画像の長さとの長短を判別できる。
【0008】
また、本発明は、前記処理制御部は、前記画像の長さが前記記録領域の長さよりも長く、前記記録領域に記録できる範囲で前記画像を記録した場合、その旨、及び、前記収納部に収納された次の前記媒体について処理が可能である旨を、前記制御装置に通知することを特徴とする。
この構成によれば、媒体に記録すべき画像の長さが当該媒体の記録領域の長さよりも長く、記録領域に記録できる範囲で画像を記録した場合、制御装置側で、表示部にその旨表示してオペレーターに通知する等の対応する処理を実行可能となる。さらに、エラーによっては媒体処理装置による媒体の連続処理を停止する必要があるものがあるが、上記構成によれば、記録領域に記録できる範囲で画像を記録した場合、収納部に収納された次の媒体について処理が可能である旨制御装置に通知されるため、制御装置は、連続した媒体の処理に応じた制御が可能となり、これにより、媒体の連続処理が継続し、スループットの低下を抑制できる。
【0009】
また、本発明は、前記画像の長さが前記記録領域の長さよりも長く、前記記録領域に記録できる範囲で前記画像を記録した場合、前記画像の元データのうち、記録されなかった部分について、破棄することを特徴とする。
この構成によれば、前記画像の元データのうち、記録されなかった部分について、所定の記憶領域に記憶しておく場合と比較し、記憶領域の効率的な使用が可能となる。
【0010】
また、本発明は、前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取る読取部をさらに備え、前記処理制御部は、前記切替部、前記搬送部、前記記録部、及び、前記読取部を制御して、前記収納部に収納された複数の前記媒体に対して、前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部への搬送、搬送中の前記媒体に対する前記記録部による記録、及び、搬送中の前記媒体に対する前記読取部による読み取りを含む一連の処理を、連続して実行することを特徴とする。
ここで、上記構成のように、搬送される媒体への記録のほか、媒体の読み取りを行う媒体処理装置では、媒体の読み取りの成否が最重要とされ、媒体への記録については画像の一部が記録されない状況であっても、許容されるケースがある。この場合、画像の一部が記録されない場合であっても、一連の処理の連続した実行を継続した方が、処理効率の向上という観点からは、有利である。以上を踏まえ、上記構成によれば、一連の処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の長さが当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、当該媒体に対して全く画像を記録しないのではなく、当該媒体が記録位置に位置していない状態で記録のための動作を行うことを防止した上で記録領域に収まる範囲で画像が記録され、媒体の読み取りを含む一連の処理の連続した実行が継続するため、上記ケースに適切に対応できると共に、処理効率を向上できる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能であり、複数の媒体を収納可能な収納部と、前記収納部に連通し、前記媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路に連通可能であり、前記媒体が排出される複数の排出部と、前記媒体を排出する前記排出部を切り替える切替部と、前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部へ、前記媒体を搬送する搬送部と、前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、を備える媒体処理装置の制御方法であって、前記媒体に記録する画像の搬送方向における長さが、前記媒体の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、前記記録領域に収まる範囲の前記画像を前記記録部により記録し、前記画像の長さより前記記録領域の長さが短い場合と長い場合とにおいて、前記媒体が排出される前記排出部が異なるように、前記切替部により前記排出部を切り替え、前記収納部に収納された次の前記媒体に対し前記搬送部による搬送を行うことを特徴とする。
この制御方法によれば、処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、記録領域に収まる範囲で当該画像を記録するため、このような場合であっても、当該媒体が記録位置に位置していない状態で、記録のための動作が行われることを確実に防止可能である。さらに、上記制御方法によれば、記録領域に記録できる範囲で画像を記録した媒体については、そうではない媒体と異なる排出部に排出されるため、当該媒体を他の媒体から明確に区別することが可能である。さらに、1の媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合であっても、エラーが発生しているとして処理自体を停止するのではなく、収納部に収納された次の媒体に対する搬送を行い、当該次の媒体に対する処理を連続して行う構成のため、スループットの低下を効果的に抑制可能である。
また、上記制御方法によれば、処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、当該媒体に対して画像を記録しないのではなく、当該媒体が記録位置に位置していない状態で記録のための動作が実行されることを防止した上で、記録領域に収まる範囲で画像が記録される。ここで、媒体に記録される画像の性質によっては、画像の一部が記録されなかった場合であっても、許容されるケースがあるため、上記によれば、このようなケースに適切に対応可能である。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能であり、複数の媒体を収納可能な収納部と、前記収納部に連通し、前記媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路に連通可能であり、前記媒体が排出される複数の排出部と、前記媒体を排出する前記排出部を切り替える切替部と、前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部へ、前記媒体を搬送する搬送部と、前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、を備える媒体処理装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記切替部、前記搬送部、及び、前記記録部を制御して、前記媒体に記録する画像の搬送方向における長さが、前記媒体の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、前記記録領域に収まる範囲の前記画像を前記記録部により記録し、前記画像の長さより前記記録領域の長さが短い場合と長い場合とにおいて、前記媒体が排出される前記排出部が異なるように、前記切替部により前記排出部を切り替え、前記収納部に収納された次の前記媒体に対し前記搬送部による搬送を行う処理制御部として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、記録領域に収まる範囲で当該画像を記録するため、このような場合であっても、当該媒体が記録位置に位置していない状態で、記録のための動作が行われることを確実に防止可能である。さらに、上記プログラムを実行すれば、記録領域に記録できる範囲で画像を記録した媒体については、そうではない媒体と異なる排出部に排出されるため、当該媒体を他の媒体から明確に区別することが可能である。さらに、1の媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合であっても、エラーが発生しているとして処理自体を停止するのではなく、収納部に収納された次の媒体に対する搬送を行い、当該次の媒体に対する処理を連続して行う構成のため、スループットの低下を効果的に抑制可能である。
また、上記プログラムを実行すれば、処理の対象となっている媒体について、当該媒体に記録すべき画像の搬送方向における長さが、当該媒体の記録領域の長さよりも長い場合、当該媒体に対して画像を記録しないのではなく、当該媒体が記録位置に位置していない状態で記録のための動作が実行されることを防止した上で、記録領域に収まる範囲で画像が記録される。ここで、媒体に記録される画像の性質によっては、画像の一部が記録されなかった場合であっても、許容されるケースがあるため、上記によれば、このようなケースに適切に対応可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録位置に媒体が位置していない状態で記録のための動作が行われることを確実に防止した上で、当該防止のために所定の処理を行った媒体を他の媒体から区別できるようにすると共に、処理に係るスループットの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】複合処理装置の外観斜視図である。
【図2】複合処理装置の内部構造を示す図である。
【図3】複合処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】小切手への画像の記録を説明するため、小切手を示す図である。
【図6】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートの説明に利用する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る複合処理装置1(媒体処理装置)の外観斜視図である。
複合処理装置1は、読取対象媒体であるシート状の小切手4(媒体)や帳票類に対し、この読取対象物に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象物の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象物への画像の記録を行う装置である。また、複合処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱ロール紙に画像を記録して切断することにより、画像が記録された所定の紙片を発行する機能を備えている。
【0016】
本実施形態では、読取対象物として小切手4を処理する場合を例に挙げて説明する。小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシート(用紙)に金額、振出人、通し番号、サインなどが印字または記載された帳票である。これら金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aにあり、裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る所定の画像が記録される。また、表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。小切手4の短辺方向及び長辺方向のサイズは規格化されているものの、多様な規格が存在するため、実際には様々なサイズがある。複合処理装置1では、一般的な小切手4のサイズをほぼ包含し得る最大サイズを規定し、この最大サイズ内の小切手4であれば処理できる。
【0017】
複合処理装置1は、本体下部を覆う下部ケース11、及び下部ケース11に被せられるカバー12からなる外装を有し、外装の内部に複合処理装置1の本体13が収容されている。複合処理装置1の前面には、小切手4を挿入する挿入口14が開口しており、挿入口14の奥には複数の小切手4を積層して収納できるストッカー15(収納部)が設けられている。このストッカー15は、前面側へ向かって引き出し自在に構成されており、ストッカー15に収納すべき小切手4のサイズに応じてストッカー15を引き出した上で、このストッカー15に小切手4を収納させることが可能である。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4の搬送路Wとなるスリット18が形成されている。スリット18は、上述したストッカー15に連通すると共に、スリット18は複合処理装置1の前面側に設けられたポケット19(排出部)に連通している。ストッカー15に収納された小切手4は、後述するように1枚ずつ複合処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を収納することができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMCRヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMCRヘッド22によって読み取る。
【0018】
図2は、複合処理装置1の外装内部に収容されている本体13の構成を示す平面図である。ストッカー15の一側面にはホッパー25が設けられている。このホッパー25は、ホッパー駆動モーター26(図3)により、図中矢印方向に回動可能に構成されており、ストッカー15に貯留された小切手4を他方の側面側に付勢する。
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
【0019】
ストッカー15の所定の位置には、ASF用紙検出器31(図3)が設けられている。ASF用紙検出器31は、例えば透過型光センサーで構成され、ストッカー15における小切手4の有無を検出する。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に付勢されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
【0020】
また、搬送路W上においてアシストローラー37とMICRヘッド35との間には、用紙長検出器38が配置されている。用紙長検出器38は、例えば反射型光センサーで構成され、搬送路W上を通る小切手4の検出位置における有無を検出することにより、小切手4の先端及び後端を検出する。用紙長検出器38の検出値は後述する制御部70により取得され、この検出値の変化に基づいて小切手4の長さが求められる。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44へ搬送される。
【0021】
インクジェットプリンターユニット44は、インクジェットヘッド10を備えている。インクジェットヘッド10は、本体13の前部に収容されているインクカートリッジ45からインクの供給を受けて、小切手4にインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドである。このインクジェットヘッド10は、いわゆるラインインクジェットヘッドであり、小切手4に対する記録の際は、一定の速度で搬送される小切手4の裏面4bに対して、固定された状態のインクジェットヘッド10からインクが吐出されて、画像が記録される。この小切手4の裏面4bに記録される画像は、いわゆる裏書きと呼ばれる文字や記号等である。
インクジェットヘッド10の上流側であって、インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46(センサー)が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0022】
インクジェットヘッド10の下流には、小切手4を光学的に読み取るCIS(Contact Image Sensor)ユニットが配置されている。このCISユニットは、小切手4の表面4aを読み取る表面CISユニット47と、裏面4bを読み取る裏面CISユニット48とを有し、小切手4の両面を光学的に読み取り可能である。表面CISユニット47と裏面CISユニット48は搬送路Wを挟んで対向配置されており、これらユニットの上流側には第1CISローラー50が配置され、また、下流側には第2CISローラー51が配置されている。これら第1CISローラー50、及び、第2CISローラー51は、搬送モーター42によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによってCISユニットによって読み取り中の小切手4が安定して搬送される。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0023】
表面CISユニット47、裏面CISユニット48の下流側には上述したポケット19が設けられている。ポケット19は、メインポケット19a(排出部)と、サブポケット19b(排出部)とに区画されており、スリット18が分岐して、それぞれのポケット19に連通している。これらメインポケット19a、及び、サブポケット19bには、それぞれ複数の小切手4を収納できる。
そして、スリット18が分岐した位置には、小切手4を排出すべきポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに連通する経路とサブポケット19bに連通する経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55によって駆動される。切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、複合処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
【0024】
また、図1及び図2に示すように、複合処理装置1の中央部には、画像が記録された紙片を発行するサーマルプリンターユニット60が設けられている。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、ユニット本体の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、感熱ロール紙を収容可能な空間であるロール紙収容部62(図3)が露出し、感熱ロール紙の補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容された感熱ロール紙は、排紙口63を介して、排出される。
サーマルプリンターユニット60は、ロール紙収容部62に収容した感熱ロール紙を繰り出して搬送路上を搬送させるローラー状のプラテン(不図示)と、プラテンに対向配置されたサーマルヘッド65(図3)と、搬送方向に対し直交する方向に感熱ロール紙を切断するカッターユニット66とを備えている。紙片の発行に際し、サーマルプリンターユニット60は、プラテンを駆動して感熱ロール紙を搬送方向に搬送しつつ、サーマルヘッド65により感熱ロール紙に画像を記録し、カッターユニット66によって所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、紙片を発行する。
【0025】
図3は、複合処理装置1とホストコンピューター5(制御装置)とを接続して構成される読取システム8の機能的構成を示すブロック図である。
複合処理装置1は、複合処理装置1全体を制御するCPU、RAM、フラッシュROM等により構成される制御部70と、インクジェットプリンターユニット44及びサーマルプリンターユニット60を制御するプリンター制御部71と、ヘッド駆動回路72と、モータードライバー73と、読取制御回路74と、センサー駆動回路75と、インターフェイス部76とを有し、これらの各部は相互に通信可能に接続されている。
【0026】
制御部70は、フラッシュROMに記憶されている制御プログラムをCPUにより読み出して実行することにより、複合処理装置1の各部を制御する。制御部70は、処理制御部70aを備えているが、これについては後述する。また、制御部70には、画像バッファー70bが接続されているが、これについては後述する。
プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してインクジェットヘッド10に駆動電流を供給し、小切手4への記録を行う。これら制御部70、プリンター制御部71、ヘッド駆動回路72、その他の装置、機構が協働して、搬送部により搬送路W上を搬送される小切手4(媒体)に記録する記録部として機能する。
また、プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してサーマルヘッド65に駆動電流を供給し、感熱ロール紙への記録を行う。
モータードライバー73は、ホッパー駆動モーター26に接続され、制御部70の制御に従ってホッパー25を回動させる。また、モータードライバー73は、ASFモーター27、及び、搬送モーター42に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを出力して、制御部70の制御に従いこれらモーターを動作させて、これらモーターに接続されたローラーを駆動する。
これら制御部70や、モータードライバー73、ホッパー駆動モーター26、ホッパー25、ASFモーター27、搬送モーター42、これらモーターに接続されたローラー、その他の機構、装置が協働して、ストッカー15(収納部)に収納された媒体を、ストッカー15(収納部)に連通する搬送路W上を搬送させ、搬送路Wにそれぞれ連通するメインポケット19a、サブポケット19b(2つの排出部)のいずれかに排出する搬送部として機能する。
また、モータードライバー73は、切替板駆動モーター55に接続され、当該モーターに駆動電流や駆動パルスを出力して、制御部70の制御に従い当該モーターを駆動して、切替板54を、メインポケット19a側、又は、サブポケット19b側に切り替える。これら制御部70や、モータードライバー73,切替板駆動モーター55、切替板54が協働して、小切手4(媒体)が排出されるポケット19(排出部)を切り替える切替部として機能する。
【0027】
読取制御回路74は、MCRヘッド22、MICRヘッド35、表面CISユニット47、及び、裏面CISユニット48に接続されている。読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、カードスリット21(図1)にカード類が通される際にMCRヘッド22によって磁気情報を読み取らせ、MCRヘッド22が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。
同様に、読取制御回路74は、制御部70の制御に従ってMICRヘッド35によって磁気情報を読み取らせ、MICRヘッド35が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48に、小切手4の表面4a及び裏面4bの読み取りを実行させる。この際、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48の各々から出力される信号をデジタルデータ化し、制御部70に出力する。
これら制御部70や、読取制御回路74、MICRヘッド35,表面CISユニット47、裏面CISユニット、その他の機構、装置が協働して、搬送部により搬送路W上を搬送される小切手4(媒体)を読み取る読取部として機能する。
センサー駆動回路75は、ASF用紙検出器31、ホッパー位置検出器32、用紙長検出器38、中間検出器46、及び、排出検出器52に接続され、これらの各検出器に電流を供給して、所定周期で出力値を取得し、取得した出力値をデジタルデータに変換して制御部70に出力する。
インターフェイス部76は、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続され、制御部70の制御に従って、ホストコンピューター5との間で制御データを含む各種データを送受信する。
【0028】
次いで、小切手4を処理する際の複合処理装置1の基本的な動作について説明する。
上述したように、ストッカー15には、複数枚の小切手4を収納可能である。そして、本実施形態に係る複合処理装置1は、ストッカー15に収納された複数の小切手4について、所定のタイミングで、順次、搬送路W上に繰り出し、以下で説明する一連の処理を、各小切手4について連続して実行可能である。
【0029】
図4は、ある1枚の小切手4に対して実行される一連の処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、複合処理装置1の制御部70の処理制御部70aは、ホストコンピューター5から小切手4の処理開始を指示するコマンドを受信すると(ステップS11)、ホッパー位置検出器32の検出値や、ASF用紙検出器31の検出値を監視しつつ、ホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27を駆動して、ストッカー15に収納された小切手4のうち1枚を搬送路Wに繰り出して、小切手4の搬送を開始する(ステップS12)。
この処理制御部70aの機能は、CPUがファームウェアを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
次いで、処理制御部70aは、用紙長検出器38の検出値を監視することにより小切手4の位置を管理しつつ、MICRヘッド35によって、小切手4の磁気インク文字列4cを読み取る(ステップS13)。
次いで、処理制御部70aは、MICRヘッド35の読み取り結果に基づいて、小切手4が上下裏表逆にセットされることなく、正しくセットされているか否かを判別する(ステップS14)。詳細には、処理制御部70aは、磁気インク文字列4cを構成する磁気インク文字について、磁気インク文字を読み取って得られる検出波形と、基準波形との比較による磁気インク文字認識を行って、磁気インク文字認識の成否により、小切手4が正しくセットされているか否かを判別する。
次いで、処理制御部70aは、ステップS14の判別結果に基づいて、切替板駆動モーター55を駆動して、切替板54を切り替える(ステップS15)。すなわち、制御部70は、小切手4が正しくセットされている場合は、切替板54をメインポケット19a側に切り替え、一方、小切手4が正しくセットされていない場合は、切替板54をサブポケット19b側に切り替える。なお、ステップS14、S15の処理は、以下のステップS16、S17の処理と並行して行われる。
【0030】
次いで、処理制御部70aは、中間検出器46の検出値を監視することにより小切手4の位置を監視しつつ、搬送モーター42の駆動により各種モーターを駆動して小切手4を搬送し、インクジェットヘッド10により、小切手4の裏面4bに所定の画像を記録する(ステップS16)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップS16において、画像の記録を行わないようにしてもよい。
次いで、処理制御部70aは、表面CISユニット47によって小切手4の表面4aをスキャンすると共に、裏面CISユニット48によって裏面4bをスキャンし、スキャン結果をホストコンピューター5に出力する(ステップS17)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップSA7において、スキャンを行わないようにしてもよい。
次いで、処理制御部70aは、排出検出器52の検出値を監視することにより小切手4が正常に排紙されたか否かを監視しつつ、搬送モーター42を駆動することにより各種モーターを駆動して小切手4をポケット19に排出する(ステップS18)。その際、小切手4は、切替板54に導かれてメインポケット19a、サブポケット19bのうちMICRヘッド35の読み取り結果に応じた適切なポケット19に排出される。
【0031】
次いで、インクジェットヘッド10による小切手4への記録について詳細に説明する。
小切手4への画像の記録に際し、まず、ホストコンピューター5から複合処理装置1に対して、小切手4への所定の画像の記録を指示する制御コマンドが入力される。この制御コマンドには、小切手4に記録すべき画像の画像データ(ビットマップデータ等の、画素ごとに色に関する情報を保持するデータ)が含まれている。
制御コマンドが入力されると、処理制御部70aは、当該制御コマンドに含まれる画像データを画像バッファー70bに展開し、展開した画像データに基づいて以下のようにして画像を記録する。
【0032】
図5は、小切手4への画像の記録時の動作の説明に利用する図であり、小切手4の裏面4b(画像が記録される側の面)を模式的に示している。
図5に示す小切手4では、左側の端が先端4dであり、右側の端が後端4eであり、搬送路Wにおいて、小切手4は、搬送方向YJ1(搬送路Wにおいてストッカー15からポケット19へ向かう方向)に搬送されるものとする。
ここで、インクジェットヘッド10では、搬送方向YJ1と交わる方向のノズル列方向YJ2(=搬送される小切手4の短手方向)に複数のノズルが延在して形成された1又は複数のノズル列が形成されている。
画像の記録に際し、処理制御部70aは、搬送モーター42や、その他の機構を駆動して、小切手4を、図5の搬送方向YJ1に一定の速度で搬送する。そして、処理制御部70aは、小切手4を搬送方向YJ1へ搬送しつつ、画像バッファー70bに展開した画像データに基づいて、所定のタイミングで、ノズル列の所定のノズルから、所定量のインクを吐出することにより、小切手4の裏面4bにドットの組み合わせからなる画像を記録する。
【0033】
ところで、1の小切手4への画像の記録において、当該1の小切手4への記録のためにホストコンピューター5から複合処理装置1に入力される画像データが示す画像の搬送方向YJ1における長さ(以下、「画像長L1」という。)は、通常、小切手4の記録領域A1の搬送方向YJ1における長さ(以下、「記録領域長L2」という。)以下とされる。記録領域A1とは、図5に示すように、小切手4の裏面の記録開始位置T1(小切手4の先端側における画像の記録の開始位置。)から、記録可能末端T2(小切手4の後端4eからマージンMだけ離間した位置。マージンMは、小切手4への画像の記録に際し、小切手4の後端4eを越えてインクが吐出されることを確実に防止するために必要な最小限のマージン。)に延在する領域のことである。この記録領域長L2は、小切手4の搬送方向の長さによって規定される。
仮に、画像長L1の方が、記録領域長L2よりも長かった場合であって何ら対応する処理を行わない場合、図5において斜線で示すように、画像の記録に際し、小切手4の外側にインクが吐出される事態が生じ、装置や、次に搬送されてくる小切手4の汚れ、機構、装置の不具合の発生等を招く可能性がある。
しかしながら、オペレーターのミス、その他の原因により、ホストコンピューター5から入力された画像データが示す画像の画像長L1が、処理対象となっている小切手4の記録領域長L2よりも長い場合が稀にある。このような場合であっても、汚れや不具合の原因となるため、小切手4の外側にインクが吐出されることを確実に防止する必要がある。
また、処理対象となっている小切手4について、画像長L1が、記録領域長L2よりも長い場合は、小切手4の外側にインクが吐出されることを防止するための特別な処理を実行することが考えられるが、当該特別な処理を実行した場合、このような小切手4を他の小切手4と明確に区別し、後に当該媒体を選別できるようにしておく必要がある。
また、上述したように、複合処理装置1は、ストッカー15に収納された複数の小切手4について連続して処理できる構成となっている。これは、複数の小切手4を連続して処理可能とすることにより、複数の小切手4の処理に要する時間を短縮し、商品としての価値、魅力の向上や、顧客満足度、利便性を図ることを目的としたものである。従って、複合処理装置1においては、不必要にスループットが低下するのを抑制することが強く求められる。
以上を踏まえ、本実施形態に係る複合処理装置1は、以下の動作を実行する。
【0034】
図6は、図4のステップS16における小切手4への画像の記録の実行時における複合処理装置1の動作を詳細に示すフローチャートである。
また、図7は、図6のフローチャートの動作の説明に利用する図である。
以下の説明では、説明の明確化のため、処理対象となっている小切手4について、当該小切手4に記録すべき画像の画像長L1が、当該小切手4の記録領域長L2よりも長いものとする。
図6を参照し、複合処理装置1の制御部70の処理制御部70aは、ホストコンピューター5から入力された制御コマンドに基づいて、小切手4を搬送方向YJ1に搬送しつつ、インクジェットヘッド10のノズル列からインクを吐出することにより、画像の記録を開始する(ステップS21)。処理制御部70aは、小切手4への画像の記録中、小切手4を一定の速度で搬送する。
図7(A)は、画像の記録の開始直後における小切手4と、ノズル列N1と、中間検出器46によって小切手4の有無が検出される検出位置T3との関係を模式的に示している。なお、図7では、1つのノズル列を図示しているが、インクジェットヘッド10に複数のノズル列が設けられていてもよい。
図7(A)に示すように、画像の記録の開始直後は、小切手4の後端4eは、検出位置T3よりも搬送方向YJ1の上流側に位置した状態であり、ノズル列N1によって、記録開始位置T1から順次ドットが形成され画像が記録される。
【0035】
画像の記録が進行し、搬送方向YJ1への小切手4の搬送が進むと、小切手4の後端4eが、検出位置T3に至る。小切手4の後端4eが、検出位置T3に至ると、処理制御部70aは、中間検出器46の検出値の変化に基づいて、そのことを検出する(ステップS22)。
図7(B)は、小切手4の後端4eが検出位置T3に至ったときの、小切手4と、ノズル列N1と、検出位置T3の関係を模式的に示している。
図7(B)に示すように、小切手4の後端4eが検出位置T3に至った場合、小切手4の記録可能末端T2と、ノズル列N1との離間距離は、固定値である距離L3となる。従って、小切手4の後端4eが検出位置T3に至った後、距離L3分搬送した場合、記録可能末端T2が、ノズル列N1に至ることとなる。
【0036】
中間検出器46の検出位置T3に小切手4の後端4eが至ると、処理制御部70aは、その後の小切手4の搬送量の管理を開始する(ステップS23)。本実施形態では、搬送モーター42は、ステッピングモーターにより構成されており、当該モーターのステップ数を管理することにより、小切手4の搬送量を管理可能である。なお、処理制御部70aは、小切手4の搬送量を管理することにより、搬送される小切手4の後端4eの位置を管理している。
【0037】
画像の記録が進行し、搬送方向YJ1への小切手4の搬送が進むと、処理制御部70aは、中間検出器46の検出位置T3に小切手4の後端4eが至った後、距離L3分、小切手4が搬送されたことを検出する(ステップS24)。
図7(C)は、中間検出器46の検出位置T3に小切手4の後端4eが至った後、距離L3分、小切手4が搬送されときの、小切手4と、ノズル列N1と、検出位置T3の関係を模式的に示している。
図7(C)に示すように、距離L3分、小切手4が搬送されると、ノズル列N1に対応する位置に、小切手4の記録可能末端T2が至ることとなり、ノズル列N1と、小切手4の後端4eとの離間量が、マージンMだけとなる。上述したように、マージンMは、小切手4への画像の記録に際し、小切手4の後端4eを越えてインクが吐出されることを確実に防止するために必要な最小限のマージンである。
【0038】
距離L3分、小切手4が搬送された場合、処理制御部70aは、以後のインクの吐出を禁止する(ステップS25)。
このように、本実施形態では、処理制御部70aは、中間検出器46の検出位置T3に小切手4の後端4eが至った後に距離L3分小切手4が搬送された場合は、以後のインクの吐出を禁止する。これにより、小切手4について、記録可能末端T2よりも上流側にインクが吐出されることが禁止され、小切手4の外側にインクが吐出されることが確実に防止される。
【0039】
次いで、処理制御部70aは、ステップS28においてインクの吐出を禁止することによって、画像の一部が記録されなかった場合(=画像長L1が、記録領域長L2よりも長かった場合)は、切替板54をメインポケット19a側へ切り替え、一方、ステップS28におけるインクの吐出の禁止前に画像の全てが記録された場合(=画像長L1が、記録領域長L2よりも短かった場合)は、切替板54をサブポケット19b側へ切り替える(ステップS26)。
すなわち、本実施形態では、他の条件が同じであるならば、画像長L1が記録領域長L2よりも短く全ての画像が記録された小切手4についてはメインポケット19aに排出され、一方、画像長L1が記録領域長L2よりも長く一部の画像が記録されなかった小切手4についてはサブポケット19bに排出される。このように、画像長L1が記録領域長L2よりも長く一部の画像が記録されなかった小切手4は、サブポケット19bに排出されるため、画像の全てが記録された他の小切手4と明確に区別することが可能である。
【0040】
次いで、処理制御部70aは、記録に係る処理の結果をホストコンピューター5に通知する(ステップS27)。その際、処理制御部70aは、画像の記録の対象となった小切手4について、画像長L1が記録領域長L2よりも長く記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録したこと、及び、ストッカー15に収納された他の小切手4について、引き続き連続して処理可能であることを通知する。例えば、上記通知に際し、処理制御部70aからホストコンピューター5に出力されるコマンドに、画像長L1が記録領域長L2よりも長く記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録したことを示すフラグ、及び、ストッカー15に収納された他の小切手4について引き続き連続して処理可能であることを示すフラグが設けられており、処理制御部70aは、これら各フラグを立てた上で、コマンドを出力する。
このように、画像長L1が記録領域長L2よりも長く記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、処理制御部70aが、そのこと、及び、ストッカー15に収納された他の小切手4について、引き続き連続して処理可能であることを通知することにより、以下の効果を奏する。
すなわち、画像長L1が記録領域長L2よりも長く、記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、ホストコンピューター5でそのことを把握し、例えば、自身が備える表示部にその旨表示してオペレーターに通知する等の適切な処理を実行可能となる。
さらに、画像の記録に係る処理中に発生したエラーの中には、複合処理装置1による小切手4の連続処理を停止する必要があるものがあるが、ストッカー15に収納された他の小切手4について、引き続き連続して処理可能であることが通知されるため、ホストコンピューター5は、引き続き、連続した媒体の処理に応じた制御が可能となり、これにより、小切手4の連続した処理が継続して行われ、スループットの低下を抑制できる。
ここで、画像長L1が記録領域長L2よりも長く記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、小切手4に対して画像の一部が記録されていないものの、何らかの機構や、部品に、小切手4の連続した処理を妨げるようなエラーが発生したわけではなく、従って、処理を中断することなく上記連続した処理を継続して実行可能である。そして、複数の小切手4に対する連続した処理を中断した場合は、スループットの著しい低下を招く可能性があるが、本実施形態では、不必要に上記連続した処理の中断が行われないため、スループットの低下を効果的に抑制可能である。
【0041】
さて、ステップS27におけるホストコンピューター5への通知後、処理制御部70aは、画像バッファー70bをクリアーし、画像バッファー70bに展開されなかった画像データのうち、記録されなかった部分について、破棄する(ステップS28)。これにより、バッファー内にデータを残存させる場合と比較して、次に処理対象となる小切手4に記録すべき画像の画像データを、効率よく画像バッファー70bに展開できる。
【0042】
なお、本実施形態では、画像長L1が記録領域長L2よりも長く、画像の一部について記録できない場合は、画像の全てを記録しないのではなく、記録領域A1に収まる範囲で画像を記録する。これにより、以下のような効果を奏する。すなわち、複合処理装置1のように、搬送される小切手4への裏書きに係る画像の記録のほか、小切手4の読み取りを行うものでは、小切手4の磁気的、光学的な読み取りの成否が最重要とされ、裏書きに係る画像については、その一部に記録されない部分があったとしても許容されるケースがある。この場合、裏書きに係る画像の一部が記録されない場合であっても、一連の処理の連続した実行を継続した方が、処理効率の向上という観点からは、有利である。以上を踏まえ、本実施形態によれば、処理の対象となっている小切手4について、画像長L1が記録領域長L2よりも長い場合、当該媒体に対して全く画像を記録しないのではなく、記録領域A1に収まる範囲で画像を記録し、その上で、一連の処理の連続した実行を継続するため、上記ケースに適切に対応できると共に、処理効率を向上できる。
【0043】
さて、図4を参照し、図6のステップS21〜ステップS28を実行することにより、画像の記録に係る処理を実行した後(ステップS16)、複合処理装置1の処理制御部70aは、小切手4に対してスキャンを実行し(ステップS17)、ポケット19に排出する(ステップS18)。そして、複合処理装置1の処理制御部70aは、適切なタイミングで、ストッカー15に収容された次の小切手4について、搬送を開始し、図4に示す一連の処理を実行する。その際、ホストコンピューター5は、複合処理装置1が連続して小切手4を処理することを前提として、適切な制御コマンドを出力する。
このように、本実施形態では、ある1の小切手4について、画像長L1が記録領域長L2よりも長く、画像の一部について記録されなかった場合であっても、次の小切手4の搬送を開始して、連続した処理を継続して実行し、スループットの低下を抑制している。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る処理制御部70aは、処理対象の小切手4について、画像長L1が、記録領域長L2よりも長い場合、記録領域A1に収まる範囲の画像を記録し、画像長L1さより記録領域長L2が短い場合と長い場合とにおいて、小切手4が排出されるポケット19が異なるように、排出すべきポケット19を切り替え、ストッカー15に収納された次の小切手4に対し搬送を行う。
これによれば、処理制御部70aは、処理の対象となっている小切手4について、画像長L1が、記録領域長L2よりも長い場合、記録領域A1に収まる範囲で画像を記録するため、このような場合であっても、小切手4の外側にインクジェットヘッド10からインクが吐出されること(媒体が記録位置に位置していない状態で、記録のための動作が行われること)を確実に防止可能である。さらに、上記構成によれば、記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した小切手4については、そうではない小切手4と異なるポケット19に排出されるため、当該小切手4を他の小切手4から明確に区別することが可能である。さらに、画像長L1が、記録領域長L2よりも長い場合であっても、エラーが発生しているとして処理自体を停止するのではなく、ストッカー15に収納された次の小切手4に対する搬送を行い、当該次の小切手4に対する処理を連続して行う構成のため、スループットの低下を効果的に抑制可能である。
【0045】
また、本実施形態に係る複合処理装置1は、インクジェットヘッド10の上流側に設けられ、小切手4の有無を検出する中間検出器46(センサー)を備えている。そして、処理制御部70aは、中間検出器46により小切手4の後端4eを検出して後端4eの位置を管理し、小切手4の後端4eに対応する位置(マージンMを考慮した記録可能末端T2)の上流側へのインクの吐出を禁止することによって、画像長L1が記録領域長L2よりも長い場合に、記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録する。
これによれば、中間検出器46を利用して小切手4の後端4eを検出した上で、後端4eの位置を管理し、この後端4eに対応する位置の上流側へのインクの吐出を禁止するため、容易な手段で、小切手4の後端4eを上流側に越えてインクが吐出されることを確実に防止できる。
【0046】
また、本実施形態に係る処理制御部70aは、画像長L1が記録領域長L2よりも長く、記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、その旨、及び、ストッカー15に収納された次の小切手4について処理が可能である旨を、ホストコンピューター5に通知する。
これにより、画像長L1が記録領域長L2よりも長く、記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、ホストコンピューター5でそのことを把握し、例えば、自身が備える表示部にその旨表示してオペレーターに通知する等の適切な処理を実行可能となる。
さらに、画像の記録に係る処理中に発生したエラーの中には、複合処理装置1による小切手4の連続処理を停止する必要があるものがあるが、ストッカー15に収納された他の小切手4について、引き続き連続して処理可能であることが通知されるため、ホストコンピューター5は、引き続き、連続した媒体の処理に応じた制御が可能となり、これにより、小切手4の連続した処理が継続して行われ、スループットの低下を抑制できる。
ここで、画像長L1が記録領域長L2よりも長く記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、小切手4に対して画像の一部が記録されていないものの、何らかの機構や、部品に、小切手4の連続した処理を妨げるようなエラーが発生したわけではなく、従って、処理を中断することなく上記連続した処理を継続して実行可能である。そして、複数の小切手4に対する連続した処理を中断した場合は、スループットの著しい低下を招く可能性があるが、本実施形態では、不必要に上記連続した処理の中断が行われないため、スループットの低下を効果的に抑制可能である。
【0047】
また、本実施形態では、画像長L1が記録領域長L2よりも長く、記録領域A1に記録できる範囲で画像を記録した場合、画像バッファー70bに展開された画像データのうち、記録されなかった部分については、破棄する。
これにより、バッファー内にデータを残存させる場合と比較して、次に処理対象となる小切手4に記録すべき画像の画像データを、効率よく画像バッファー70bに展開できる。
【0048】
また、本実施形態に係る複合処理装置1は、小切手4を磁気的、光学的に読み取る読取部を備えている。そして、処理制御部70aは、切替部、搬送部、記録部、及び、読取部を制御して、ストッカー15に収納された複数の小切手4に対して、ストッカー15から搬送路Wを経由してポケット19への搬送、搬送中の小切手4に対する画像の記録、及び、搬送中の小切手4に対する読み取りを含む一連の処理を、連続して実行する。
ここで、本実施形態に係る複合処理装置1のように、搬送される小切手4への裏書きに係る画像の記録のほか、小切手4の読み取りを行うものでは、小切手4の磁気的、光学的な読み取りの成否が最重要とされ、裏書きに係る画像については、その一部に記録されない部分があったとしても許容されるケースがある。この場合、裏書きに係る画像の一部が記録されない場合であっても、一連の処理の連続した実行を継続した方が、処理効率の向上という観点からは、有利である。以上を踏まえ、本実施形態によれば、処理の対象となっている小切手4について、画像長L1が記録領域長L2よりも長い場合、当該媒体に対して全く画像を記録しないのではなく、記録領域A1に収まる範囲で画像を記録し、その上で、一連の処理の連続した実行を継続するため、上記ケースに適切に対応できると共に、処理効率を向上できる。
【0049】
次いで、別の実施形態について説明する。
上述した実施形態では、小切手4への画像の記録に際し、中間検出器46により小切手4の後端4eを検出し、後端4eの位置を管理し、後端4eに対応する位置から上流側へのインクの吐出を禁止することにより、小切手4の外側へのインクの吐出を防止していた。
一方で、この別の実施形態では、以下のようにして、小切手4の外側へのインクの吐出を防止する。
すなわち、まず、小切手4の搬送が開始された後、複合処理装置1の制御部70は、用紙長検出器38の検出値に基づいて、小切手4の長手方向(=搬送方向)の長さを検出する。このとき制御部70は、検出部として機能する。
次いで、処理制御部70aは、検出された小切手4の長手方向の長さと、小切手4における記録開始位置T1との関係から、記録領域A1の記録領域長L2を算出する。
さらに、ホストコンピューター5から画像の記録を指示する制御コマンドが入力されると、処理制御部70aは、制御コマンドに含まれる画像データに基づいて、画像データが示す画像の画像長L1を算出する。
そして、処理制御部70aは、算出した画像長L1と、記録領域長L2とを比較し、画像長L1の方が記録領域長L2よりも短い場合は通常通り画像の全てを記録する。一方、画像長L1の方が記録領域長L2よりも長い場合は、画像のうち、記録領域A1に収まる範囲を特定し、特定した範囲で画像を記録する。これにより、小切手4の外側へのインクの吐出を確実に防止できると共に、上述した実施形態で述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、画像データのうち、画像として記録されなかった部分については、データを保持するのではなく、消去し、破棄する。これにより、データを保持する場合と比較して、記憶領域の効率的な使用が可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、検出部として機能する制御部70は、用紙長検出器38の検出値に基づいて、搬送される小切手4の長さを検出する。そして、処理制御部70aは、ホストコンピューター5から受信した画像に係るデータに基づき、小切手4に記録する画像の画像長L1さを算出し、算出した画像長L1と、小切手4の搬送方向における長さによって規定される記録領域A1の長さである記録領域長L2とを比較し、画像長L1が長い場合は、記録領域A1に納まる範囲の画像を記録する。
これによれば、搬送路Wを搬送される小切手4の実際の長さを反映して、的確に、画像長L1と、記録領域長L2との長短を判別した上で、画像の記録を実行できる。
【0051】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、複合処理装置1は、搬送路W上を搬送される小切手4に対して、インクジェットヘッド10によってインクを吐出することにより画像を記録していた。しかしながら、インクジェットヘッド10に限らず、サーマルヘッドや、ドットインパクト式のヘッドによって小切手4に対して画像を記録する構成であってもよい。すなわち、媒体が記録位置に位置していない状態で、記録に係る動作が行われることを避けるべき全ての装置に対して、本願発明を適用可能である。
また例えば、上述した実施形態では、複合処理装置1は、搬送路W上に、MICRヘッド35、インクジェットヘッド10、及び、CISユニットが順次配置された構造であったが、装置の配置順番や、装置の具体的構造は、これに限らない。
また例えば、図3に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、制御部70の機能を、複合処理装置1に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図4、図6で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…複合処理装置(媒体処理装置)、4…小切手(媒体)、5…ホストコンピューター(制御装置)、10…インクジェットヘッド(記録部)、15…ストッカー(収納部)、19…ポケット(排出部)、19a…メインポケット(排出部)、19b…サブポケット(排出部)、35…MICRヘッド(読取部)、42…搬送モーター(搬送部)、46…中間検出器(センサー)、47…表面CISユニット(読取部)、48…裏面CISユニット(読取部)、54…切替板(切替部)、55…切替板駆動モーター(切替部)、70…制御部(搬送部、記録部、切替部、読取部、検出部)、70a…処理制御部、72…ヘッド駆動回路(記録部)、73…モータードライバー(搬送部、切替部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置に接続可能な媒体処理装置であって、
複数の媒体を収納可能な収納部と、
前記収納部に連通し、前記媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路に連通可能であり、前記媒体が排出される複数の排出部と、
前記媒体を排出する前記排出部を切り替える切替部と、
前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部へ、前記媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、
前記切替部、前記搬送部、及び、前記記録部を制御する処理制御部と、を備え、
前記処理制御部は、
前記媒体に記録する画像の搬送方向における長さが、前記媒体の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、前記記録領域に収まる範囲の前記画像を前記記録部により記録し、
前記画像の長さより前記記録領域の長さが短い場合と長い場合とにおいて、前記媒体が排出される前記排出部が異なるように、前記切替部により前記排出部を切り替え、
前記収納部に収納された次の前記媒体に対し前記搬送部による搬送を行うことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記記録部の上流側に設けられ、前記媒体を検出するセンサーをさらに備え、
前記処理制御部は、
前記センサーにより前記媒体の後端を検出し、前記記録部による前記媒体の前記後端に対応する位置の上流側への画像の記録を禁止することによって、前記画像の長さが前記記録領域の長さよりも長い場合に、前記記録領域に記録できる範囲で前記画像を記録することを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記搬送部により搬送される前記媒体の長さを検出する検出部をさらに備え、
前記処理制御部は、
前記制御装置から受信した前記画像に係るデータに基づき、前記媒体に記録する前記画像の前記搬送方向における長さを算出し、算出した前記画像の長さと、前記検出部が検出した前記媒体の前記搬送方向における長さによって規定される前記記録領域の長さとを比較し、前記画像の長さが長い場合は、前記記録領域に納まる範囲の前記画像を前記記録部により記録することを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記処理制御部は、
前記画像の長さが前記記録領域の長さよりも長く、前記記録領域に記録できる範囲で前記画像を記録した場合、その旨、及び、前記収納部に収納された次の前記媒体について処理が可能である旨を、前記制御装置に通知することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記画像の長さが前記記録領域の長さよりも長く、前記記録領域に記録できる範囲で前記画像を記録した場合、前記画像の元データのうち、記録されなかった部分について、破棄することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取る読取部をさらに備え、
前記処理制御部は、
前記切替部、前記搬送部、前記記録部、及び、前記読取部を制御して、前記収納部に収納された複数の前記媒体に対して、前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部への搬送、搬送中の前記媒体に対する前記記録部による記録、及び、搬送中の前記媒体に対する前記読取部による読み取りを含む一連の処理を、連続して実行することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項7】
制御装置に接続可能であり、
複数の媒体を収納可能な収納部と、
前記収納部に連通し、前記媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路に連通可能であり、前記媒体が排出される複数の排出部と、
前記媒体を排出する前記排出部を切り替える切替部と、
前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部へ、前記媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、
を備える媒体処理装置の制御方法であって、
前記媒体に記録する画像の搬送方向における長さが、前記媒体の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、前記記録領域に収まる範囲の前記画像を前記記録部により記録し、
前記画像の長さより前記記録領域の長さが短い場合と長い場合とにおいて、前記媒体が排出される前記排出部が異なるように、前記切替部により前記排出部を切り替え、
前記収納部に収納された次の前記媒体に対し前記搬送部による搬送を行うことを特徴とする媒体処理装置の制御方法。
【請求項8】
制御装置に接続可能であり、
複数の媒体を収納可能な収納部と、
前記収納部に連通し、前記媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路に連通可能であり、前記媒体が排出される複数の排出部と、
前記媒体を排出する前記排出部を切り替える切替部と、
前記収納部から前記搬送路を経由して前記排出部へ、前記媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送路に配置され、前記搬送部により搬送される前記媒体に記録を行う記録部と、
を備える媒体処理装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記切替部、前記搬送部、及び、前記記録部を制御して、
前記媒体に記録する画像の搬送方向における長さが、前記媒体の搬送方向における長さによって規定される記録領域の長さよりも長い場合、前記記録領域に収まる範囲の前記画像を前記記録部により記録し、
前記画像の長さより前記記録領域の長さが短い場合と長い場合とにおいて、前記媒体が排出される前記排出部が異なるように、前記切替部により前記排出部を切り替え、
前記収納部に収納された次の前記媒体に対し前記搬送部による搬送を行う処理制御部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−71414(P2013−71414A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214100(P2011−214100)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】