説明

嫌気性処理方法及び装置

【課題】反応槽内に流動性を持つ非生物担体を充填し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて嫌気条件下で被処理水を通水して嫌気性処理するに当たり、反応槽内の担体の浮上、固着による閉塞を防止すると共に、気泡の付着で浮上した担体の沈降性を簡易な手段で効果的に回復させて安定な高負荷処理を行う。
【解決手段】反応槽に充填する流動性非生物担体として、大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrのものを用い、反応槽で浮上、流出した担体に付着した気泡を、落差50cm以上の配管に下向流で流通させることにより、分離除去した後、反応槽に返送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応槽内に流動性を持つ非生物担体を充填し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて嫌気条件下で被処理水を通水して処理する嫌気性処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機性排水の嫌気性処理方法として、反応槽内に高密度で沈降性の大きいグラニュール汚泥を形成し、溶解性BODを含む有機性排水を上向流通水して、スラッジブランケットを形成した状態で接触させて高負荷高速処理を行うUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流嫌気性スラッジブランケット)法が採用されている。この方法は、消化速度の遅い固形有機物を分離して別途処理し、消化速度の速い溶解性有機物のみを、嫌気性微生物密度の高いグラニュール汚泥を用いる嫌気性処理によって高負荷で高速処理する方法である。また、このUASB法を発展させたものとして、高さの高い反応槽を用いてさらに高流速で通水し、スラッジブランケットを高展開率で展開して、さらに高負荷で嫌気性処理を行うEGSB(Expanded Granule Sludge Blanket)法も行われている。
【0003】
UASB法、EGSB法などのグラニュール汚泥を用いる嫌気性処理は、嫌気性微生物を含む汚泥をグラニュール状に維持、増殖させて処理する方法である。この方法は担体に汚泥を保持する固定床や流動床による処理と比較して高い汚泥保持濃度を達成することができるため、高負荷運転が可能であり、また、既に稼働中の処理系から余剰汚泥を調達することにより短期間で立上げが可能であり、最も効率的な嫌気性処理法として一般にも認識されている。
【0004】
しかし、これらグラニュール汚泥を用いる方法は、排水のCOD濃度が高い(CODCr濃度として概ね2000mg/L以上)場合には非常に効率が高いが、COD濃度が低い場合(CODCr濃度として概ね2000mg/L以下)には反応槽に多くの水量を流す必要が生じ、グラニュールが流出してしまう危険性が増し、安定した性能を発揮し得ない傾向がある。
【0005】
また、排水の種類によってはグラニュールが形成されにくい排水が存在し、初期に投入したグラニュールが徐々に解体してしまい、運転不能となる場合があることも知られている。
【0006】
これに対し、流動性の非生物担体を用いる方法では、スクリーン等の機械的な方法で反応槽からの担体の流出を防ぐことができ、また、担体表面は常に微生物の生育場所として確保できるため、低濃度のCOD排水やグラニュールが解体してしまうような排水に対しても適用できるという利点がある。
【0007】
また、非生物担体であれば比重や大きさの設計の自由度が高く、グラニュールと比較すると沈降速度を非常に大きく設定することも可能である。沈降速度の大きな担体を利用すると、グラニュール法において必要とされる固液分離のための機構(GSS)が不要となり、反応槽の有効体積を大きくするとともに建設コストも大幅に抑えることができるという利点もある。
【0008】
しかしながら、流動性の非生物担体を用いる方法では、担体に微生物が付着して担体の表面に生物膜が形成され、生物膜内部でガスが発生する反応が進行し、発生したガスが担体に付着する結果、担体の見かけ比重が小さくなって担体が反応槽内で浮上し、処理水と共に流出してしまうという問題がある。このような問題は、比重が大きく、沈降速度の大きい担体を用いることにより軽減することは可能であるが、比重が過度に大きく、沈降速度が過度に大きい担体では、被処理水との接触効率が悪く十分な処理効率が得られず、また、沈降した担体の堆積層に固形物が蓄積して流路が閉塞するといった問題があり、一方で、このような問題のない担体を用いた場合、上述の発生ガスによる担体の浮上、流出を避けることは困難である。
【0009】
従来、担体の浮上を防止するために、反応槽内を撹拌翼で撹拌し、撹拌による旋回流で担体に付着した気泡を分離除去して担体の沈降性を回復させる方法が提案されているが、この方法では撹拌翼と担体との衝突による担体の破損の問題がある。
【0010】
これに対して、特許文献1,2では、浮上した担体を反応槽から抜き出し、抜き出した担体を反応槽外部に引き回した循環配管で再度反応槽に戻すようにした装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−117777号公報
【特許文献2】特開平2−138960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
浮上した担体を反応槽から抜き出して循環配管で反応槽に循環させることにより、この循環配管を流通する過程で担体に付着した気泡を分離除去することは可能であるが、本発明者らの検討により、従来においては、担体の沈降性についての考慮がなされていないために、単に担体を循環するのみでは、反応槽内での担体の浮上や固着の問題を解決し得ないことが判明した。また、担体の沈降性と循環手段との関係が考慮されていないために、循環のために、複雑な機構が必要となり、設備構成が煩雑であることにより、保守管理の負担が大きいという問題もあった。例えば、特許文献1では、担体の循環のために複雑な回収、還流管と液流ジェット機構を設けているが、このような機構は既存の反応槽には容易に取り付けることはできない上に、故障し易く、また、保守管理が煩雑となる。また、特許文献2でも、担体の循環配管にエゼクター機構を設けているが、このような機構でも同様の問題がある。
【0013】
本発明は上記従来の問題点を解決し、反応槽内に流動性を持つ非生物担体を充填し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて嫌気条件下で被処理水を通水して嫌気性処理するに当たり、反応槽内の担体の浮上、固着による閉塞を防止すると共に、気泡の付着で浮上した担体の沈降性を簡易な手段で効果的に回復させて安定な高負荷処理を実現する嫌気性処理方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、流動性非生物担体として、特定の大きさと沈降速度を満たすものを用いることにより、担体の浮上、固着による閉塞を防止し、また、気泡の付着で浮上した担体の沈降性を簡易な手段で容易に回復させることができることを見出した。
【0015】
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0016】
[1] 流動性の非生物担体を充填した反応槽に嫌気条件下で被処理水を通水し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて被処理水を処理する嫌気性処理方法において、大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrの非生物担体を該反応槽に充填し、該反応槽から流出した処理水に含まれる該担体に付着した気泡を分離除去した後、該担体を該反応槽に返送することを特徴とする嫌気性処理方法。
【0017】
[2] [1]において、該反応槽から流出した該担体を含む処理水を、落差50cm以上の配管に下向流で流通させることにより、該担体に付着した気泡を分離除去することを特徴とする嫌気性処理方法。
【0018】
[3] [1]又は[2]において、該気泡を分離除去した担体と処理水とをスクリーン又は沈殿槽で分離した後、ポンプにより該反応槽に返送することを特徴とする嫌気性処理方法。
【0019】
[4] 流動性の非生物担体を充填した反応槽に嫌気条件下で被処理水を通水し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて被処理水を処理する嫌気性処理装置において、該反応槽に充填される担体の大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrであり、該反応槽から流出した処理水に含まれる該担体に付着した気泡を分離除去する手段と、該気泡が分離除去された担体を該反応槽に返送する手段とを有することを特徴とする嫌気性処理装置。
【0020】
[5] [4]において、該担体に付着した気泡を分離除去する手段が、該反応槽から流出した該担体を含む処理水が下向流で流通される落差50cm以上の配管であることを特徴とする嫌気性処理装置。
【0021】
[6] [4]又は[5]において、該気泡が分離除去された担体を該反応槽に返送する手段が、該気泡が分離除去された担体と処理水とを分離するためのスクリーン又は沈殿槽と、該スクリーン又は沈殿槽を経た担体を該反応槽に返送するためのポンプとを備えることを特徴とする嫌気性処理装置。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、反応槽内に流動性を持つ非生物担体を充填し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて嫌気条件下で被処理水を通水して嫌気性処理するに当たり、反応槽内の担体の浮上、固着による閉塞を防止すると共に、気泡の付着で浮上した担体の沈降性を簡易な手段で効果的に回復させて安定な高負荷処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の嫌気性処理装置の実施の形態を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
本発明は、流動性の非生物担体を充填した反応槽に嫌気条件下で被処理水を通水し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて被処理水を嫌気性処理するに当たり、担体として大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrのものを用い、反応槽内で浮上して処理水と共に流出した担体に付着した気泡を分離除去した後、該反応槽に返送することを特徴とする。
【0026】
まず、本発明で用いる流動性非生物担体について説明する。
【0027】
本発明で用いる流動性非生物担体は、大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrのものである。なお、ここで、担体の大きさ、沈降速度とは、反応槽に充填される、微生物や気泡が付着していない担体の大きさと沈降速度をさす。
【0028】
担体の大きさが大き過ぎると反応槽体積当りの表面積が小さくなり、小さ過ぎると沈降速度が遅くなり、処理水との分離が困難になる。本発明で用いる担体の好ましい大きさは2.5〜4.0mmである。
【0029】
なお、ここで、担体の大きさとは、通常「粒径」と称されるものであり、例えば直方体形状の担体であればその長辺の長さをさし、立方体形状の担体であればその一辺の長さをさし、円柱形状の担体であれば直径又は円柱の高さのうちいずれか大きい方をさす。また、これらの形状以外の異形形状の担体であれば、担体を2枚の平行な板で挟んだときに、この板の間隔が最も大きくなる部位の板の間隔をさす。
本発明において、担体の大きさは、その平均値が1.0〜5.0mm、好ましくは2.5〜4.0mmの範囲であればよく、すべての担体の大きさがこの範囲でなくてもよい。
【0030】
また、担体の沈降速度が小さすぎると、水流や発生ガスにより浮上し易く、逆に、担体の沈降速度が大きすぎると被処理水との接触効率が悪くなり、十分な処理効率が得られない、或いは担体の堆積層に固形物が蓄積して流路が閉塞するといった弊害が出る。本発明で用いる担体の好ましい沈降速度は200〜500m/hrである。
【0031】
なお、ここで、担体の沈降速度とは、担体を水(水道水等の清水)に浸して沈んだものを取り出し、これを水(水道水等の清水)に入れたメスシリンダーに投入し、単位時間当たりの沈降距離を測定して求められた値であり、本発明においては、10〜20個の担体について測定を行い、その平均値を沈降速度とした。
【0032】
本発明で用いる担体は、その大きさと沈降速度が上記範囲を満たすものであればよく、担体の構成材料には特に制限はないが、例えば、以下の(I)及び/又は(II)の発泡体が挙げられ、このような樹脂発泡体よりなるものであれば、比重や粒径の調整が容易である点においても好ましい。
(I) ポリオレフィン系樹脂を主体とする樹脂成分30〜95重量%と、セルロース系粉末の親水化剤5〜70重量%とを含む発泡体であって、表面がメルトフラクチャー状態を有する発泡体(以下「発泡体(I)」と記載する場合がある。)
(II) ポリオレフィン系樹脂を主体とする樹脂成分30〜95重量%と、セルロース系粉末の親水化剤4〜69重量%と、無機粉末1〜30重量%とを含む発泡体であって、表面がメルトフラクチャー状態を有する発泡体(以下「発泡体(II)」と記載する場合がある。)
【0033】
ここでメルトフラクチャーとは、プラスチック成形時に、成形品の表面に凹凸が生じる現象(平滑な表面を有さない状態)として、一般的に知られている。例えば、プラスチック材料の押出成形において、押出機の内圧が著しく高くなったり、押出速度が著しく大きくなったり、或いは、プラスチック材料の温度が低くなりすぎたりしたとき、成形品の表面に不規則な凹凸が生じたり、表面の光沢を失ったりする現象をいう。
【0034】
本発明に係る担体の好ましいメルトフラクチャー状態は、下記式(1)で示される比表面積比を満たすものである。
B/A=1.5〜4.0 ・・・(1)
【0035】
ここで、Aは発泡体の見かけの比表面積、Bは発泡体の実比表面積を示す。
発泡体の見かけの比表面積Aとは、発泡体の表面が平滑な状態、つまり、メルトフラクチャーを生じていない状態での比表面積を示し、実比表面積Bとは、メルトフラクチャーが生じている状態での実際の比表面積を示す。即ち、上記式(1)で示されるB/Aの値は、メルトフラクチャーを生じることによる比表面積の増加の割合を示すものであり、B/Aが1であるものは、表面にメルトフラクチャーによる凹凸が全くないことを意味する。
【0036】
B/Aの値が1.5より小さいと、被処理水と担体との接触面積が小さくなるため、処理能力が小さくなり好ましくない。B/Aの値が4.0より大きいと、表面のメルトフラクチャーが使用時における担体同士の接触により容易に削られてしまい、好ましくない。なお、見かけの比表面積A及び実比表面積Bは、自動比表面積/細孔分布測定装置〔Tristar3000、(株)島津製作所製〕で測定した値を用いることができる。
【0037】
発泡体を構成する樹脂成分は、メルトフローインデックスが5〜25g/10minであるものが好ましい。メルトフローインデックスが5g/10minより小さいと樹脂成分の流動性に欠けるため、発泡体の成形に不向きであり、また、25g/10minより大きいと発泡成形時に潰れる現象が生じるおそれがある。
【0038】
ここでメルトフローインデックス(以下、単に「MFI」と略記する場合がある。)とは、溶融状態にある樹脂の流動性を示す尺度の一つで、一定圧力,一定温度の下に、規定の寸法をもつノズル(オリフィス)から樹脂が流出する量を測定し、10分間当たりの重量(単位:g/10min)で表した指数として一般的に知られている。本発明では、230℃、21.6N荷重(DIN53735)での値を採用する。
【0039】
発泡体(I),(II)を構成する樹脂成分として好ましいものは、ポリエチレン(以下、単に「PE」と略記する場合がある。)、ポリプロピレン(以下、単に「PP」と略記する場合がある。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、単に「EVA」と略記する場合がある。)等が挙げられる。これらの樹脂を単独で用いてもよく、適宜組み合わせた混合物として用いてもよい。また、発泡体(I),(II)を構成する樹脂成分は、ポリオレフィン系樹脂に他の熱可塑性樹脂成分を加えたものであってもよい。他の熱可塑性樹脂成分として、ポリスチレン(以下、単に「PS」と略記する場合がある。)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ乳酸、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂等が挙げられる。
【0040】
発泡体(I),(II)を構成する樹脂成分としてはポリエチレンが特に好ましいが、上記のMFIの範囲内であれば、PEと他のポリオレフィン系樹脂等との混合物、例えば、PEとPPの混合物、PEとEVAの混合物、PEとPPとEVAの混合物、PEとPPとPSの混合物、PEとPPとEVAとPSの混合物、或いはこれらに更に他の熱可塑性樹脂を混合した混合物でもよい。具体的には、PE、PP、EVA、PSを含む他の熱可塑性樹脂の組成比(重量比)が、樹脂全体を100として、PE:PP:EVA:PSを含む他の熱可塑性樹脂=100〜60:40〜0:20〜0:15〜0となることが好ましい。なお、担体の耐摩耗性を高めるためには、樹脂成分中にEVAを10重量%以上含有させることが好ましい。また、これらの樹脂成分は再生樹脂であってもよい。
【0041】
一方、親水化剤としてのセルロース系粉末としては、木粉、セルロース粉末、麻セルロース粉末などが挙げられ、おがくず、アビセル、アーボセル、紙粉、セルロースビーズ、微結晶セルロース、ミクロフィブリル化セルロースなどが例示されるが、特に木粉を用いることが好ましい。これらはいずれかを単独で用いてもよく、また、2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0042】
親水化剤の形状は、球状、楕円状、くさび状、ウィスカー状、繊維状などであるが、これら以外の形状であってもよい。また、親水化剤の粒径は200メッシュパス品、好ましくは100メッシュパス品、さらに好ましくは40メッシュパス品がよい。
【0043】
本発明において、親水化剤は、独立気泡を有する発泡体に対し、水浸透機能を付与する役割を有するが、そのためには親水化剤は、発泡体の表面に露出ないし突出していることが望ましい。ここで露出とは、発泡体表面に親水化剤の表面の一部が出現していることを意味し、突出とは、発泡体表面から親水化剤の一部が突き出ていることを意味する。即ち、露出ないし突出しているとは、発泡体中に親水化剤の全体あるいは一部が埋没しており、かつ、発泡体表面に親水化剤の表面の一部が現れている状態、あるいは、親水化剤の一部が発泡体表面に突き出ている状態を意味する。
【0044】
また、発泡体(II)に用いられる無機粉末としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ゼオライト、タルク、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミニウム等が挙げられ、特に硫酸バリウムを用いることが好ましい。これらの無機粉末は、いずれかを単独で用いてもよく、2種類以上の無機粉末を用いてもよい。
【0045】
発泡体(I),(II)において、樹脂成分の割合が上記範囲よりも多く、親水化剤の割合が少ないと、親水化剤を用いることによる水浸透機能の付与効果が十分でなく、水中に沈降する状態とするのに長い時間が必要となり、逆に樹脂成分の割合が上位範囲よりも少なく、親水化剤の割合が多いと担体の強度が低下してしまう。
【0046】
また、発泡体(II)において、無機粉末は発泡の際の核材、ならびに比重調整のために配合されるが、更に樹脂成分や親水化剤の使用量を減らして製造コストの低減化を図るものである。無機粉末の割合が上記範囲よりも少ないとこのような無機粉末の配合効果を十分に得ることができず、多いと比重が高くなりすぎてしまう。
【0047】
発泡体(I),(II)は、後述のように、発泡剤を用いて発泡形成されるが、その発泡倍率は2〜10倍で、見かけ容積から求められる比重が0.10〜0.80g/mlであることが好ましい。
【0048】
発泡体(I),(II)の発泡倍率が上記下限より小さいと、比重が大きくなりすぎるため、水中で流動させる際に大きな力を必要とするため好ましくない。また、発泡倍率が上記上限より大きいと、比重が小さくなるため、水面に浮き易くなり、好ましくない。
【0049】
また、見かけ容積から求められる比重が上記下限より小さくても大きくても、前述の本発明で規定される沈降速度を満足し得なくなる場合がある。なお、ここで発泡体の見かけ容積から求められる比重とは、発泡体を50mlメスシリンダーに見かけ容積で30ml量り取り、その重量から算出して求めた値(単位:g/ml)であって、実質的な比重を示すものとする。これは、発泡体(I),(II)が、その表面にメルトラクチャー状態を有しているため、真の体積を測定するのが非常に困難なためである。以下において、発泡体の見かけ容積から求められる比重を、単に「比重」と称す。
【0050】
発泡体(I),(II)は、前述のポリオレフィン系樹脂、親水化剤、更には無機粉末を溶融混練し、更に発泡剤を溶融混練して得られた混合物を発泡させた後、所定の大きさにカットすることにより製造することができる。
【0051】
発泡剤としては、重炭酸ナトリウム(重曹)、アゾジカルボンアミドなどが挙げられる。発泡剤は、これらに制限されるものではなく、化学的発泡剤や物理的発泡剤などが挙げられる。
化学的発泡剤としては、例えば、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物、イソシアネート化合物、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩、炭酸塩、亜硝酸塩、水素化物、重炭酸ナトリウムと酸の混合物(例えば、重炭酸ナトリウムとクエン酸等)、過酸化水素と酵素との混合物、亜鉛粉末と酸との混合物などが挙げられる。また、物理発泡剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサンなど)、塩化炭化水素類(例えば、ジクロロエタン、ジクロロメタンなど)、フッ化塩化炭化水素類(例えば、トリクロロモノフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、ジクロロモノフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタンなど)、代替フロン類、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水などが挙げられる。中でも、分解温度が低く、安価であるという点から、重炭酸ナトリウム(重曹)を用いることが特に好ましい。
【0052】
更に、発泡剤として、いわゆる自立発泡剤(独立発泡剤、マイクロスフィア、熱膨張性マイクロカプセルともいう)を用いることができる。この自立発泡剤は、発泡により発泡剤自身が外壁面を有する中空球状粒子となることから、樹脂組成物を水中に押し出し発泡させる代わりに気相中(例えば、空気中)に押し出し発泡させても、発泡体の中空部分が潰れることなく維持され、所望の発泡倍率を有する発泡体が得られる。自立発泡剤としては、外壁用のポリマーとして例えば塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体やアクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合体等を使用し、これに内包する揮発性の液体として例えばイソブタン、イソペンタン等を使用したものが挙げられる。具体的にはエクスパンセル(日本フィライト株式会社)やEPD−03(永和化成工業株式会社)などを例示することができる。なお、本発明では、セルロース系粉末の親水化剤の存在によって、自立発泡剤による発泡体へも水が透過することから、得られる発泡体は水透過性に優れたものとなる。
【0053】
これらの発泡剤は1種のみを用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。発泡剤は、前述の好適な発泡倍率を得るために、発泡体(I)においてはポリオレフィン系樹脂と親水化剤の合計100重量部に対して、発泡体(II)においてはポリオレフィン系樹脂と親水化剤と無機粉末の合計100重量部に対して、それぞれ0.5〜8重量部の割合で用いることが好ましい。
【0054】
上述のような、大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrの非生物担体を反応槽に充填して嫌気処理を行った場合、通常は担体が大量に浮上してくることはほとんどないが、大きな負荷変動があった時などに、担体表面に微細な気泡が付着し、見かけ比重が軽くなることにより担体が浮上して、処理水と共に反応槽外に流出してしまうことがある。
【0055】
本発明においては、反応槽内で浮上して、処理水と共に反応槽から流出した担体に付着した気泡を分離除去し、担体の沈降性を回復させた後、反応槽に返送する。
【0056】
この気泡の分離除去方法としては、特に制限はないが、例えば、次のような方法を採用することができる。
(1) 50cm以上の落差を有する配管(以下、「気泡分離配管」と称す場合がある。)に、担体を含む処理水を下向流で流通させることにより、水流の落差を利用して気泡をはずす。
(2) スクリーンを設けた水槽に担体を含む処理水を導入し、水流、スクリーン洗浄用の気泡等の効果により気泡をはずす。即ち、スクリーンの下部には洗浄のための曝気装置が設けられているため、この曝気流によって気泡をはずすことができる。
【0057】
このうち、特に、簡易な構成で気泡を効率的に分離除去することができることから、上記(1)の気泡分離配管を利用する方法を採用することが好ましい。
【0058】
上記(1)の方法において、気泡分離配管とは、鉛直方向に50cm以上の高低差のある配管であれば、途中に水平部を有していたり、鉛直方向に対して若干の傾きを有していてもよいが、気泡の分離除去効率の面から、気泡分離配管の鉛直方向に対する傾きは30°以下であることが好ましく、水平部等のない直管状であることが好ましい。
【0059】
また、この気泡分離配管の落差は、過度に小さいと気泡を十分に分離除去し得ず、過度に大きいと、配管回りが過大となることから、50〜500cm、特に100〜200cm程度であることが好ましい。
【0060】
また、気泡分離配管は、断面積が小さ過ぎると担体を含む処理水を円滑に流通させることが困難であるが、断面積が大き過ぎると、配管内で気泡の分離除去効果の高い下向流を形成し得ず、気泡の分離除去効果を十分に得ることができない場合があるため、この配管の断面積は、流通させる処理水量によっても異なるが、呼び径150A〜500A程度とすることが好ましく、特に担体を含む処理水が0.5〜3m/secの流速で流下するような大きさであることが好ましい。
【0061】
本発明で用いる特定の大きさ及び沈降速度を有する担体は、このような気泡分離配管を流下する間に、気泡がはずれることにより沈降性が回復し、更に速い速度で流下、沈降することにより、より一層高い気泡の分離除去効果を得ることができる。
【0062】
このようにして気泡を分離除去した担体は、反応槽に返送されるが、その際、処理水を分離して、担体濃度の高い水を反応槽に返送することが水処理効率の面で好ましい。
【0063】
従って、気泡を分離除去した担体を含む処理水は、スクリーン又は沈殿槽(傾斜面を設けた槽など)で固液分離し、担体濃度を高めた処理水を反応槽に返送することが好ましい。本発明で用いる担体はそれ自体沈降速度が比較的大きく、従って、気泡をはずした担体は、直ちに沈降し、簡易な構成の固液分離手段で容易に濃縮することができる。
【0064】
この担体の反応槽への返送は、ポンプ移送により円滑に行うことができる。担体の移送に用いるポンプの種類には特に制限はないが、移送される担体は汚泥よりも硬いため、粒状固体を含む水を移送できるポンプを用いて返送することができる。
【0065】
このような気泡の分離除去、固液分離、ポンプ移送などの処理を、造粒汚泥であるグラニュールに対して行うと、グラニュールの崩壊、分散の問題があるが、非生物担体であれば、このような問題を引き起こすことなく、気泡の分離除去、固液分離、及びポンプ移送を行うことができる。
【0066】
なお、反応槽への返送処理水量を抑えた上で担体を含む処理水を円滑にポンプ移送するために、反応槽に返送される水中の担体濃度としては体積%として1〜30%程度であることが好ましい。
【0067】
本発明において処理対象となる被処理水は、嫌気性微生物と接触させて嫌気性処理を行うことにより処理可能な有機物を含む液であればよく、組成や濃度には特に制限は無い。
【0068】
被処理水のCOD濃度としては特に制限はないが、担体を用いる嫌気性処理は、前述の如く、UASB法やEGSB法のようなグラニュールを用いた処理への適用が困難な低濃度排水の処理において特に優れた効果を発揮することから、本発明における被処理水としては、CODCr濃度が2000mg/L以下、例えば500〜2000mg/Lの低濃度排水の処理に有効である。
このような排水としては、食品工場等の製造廃水、化学工場等の有機性廃水、一般下水等が含まれるが、何らこれらに限定されるものではない。
【0069】
被処理水中に糖、タンパク等の高分子成分が含まれる場合には、後掲の図1に示す嫌気性処理装置のように、流動性非生物担体を充填した反応槽の前処理手段として高分子を酢酸やプロピオン酸といった低分子有機酸まで分解する酸生成槽を設けてもよい。
【0070】
この場合、酸生成槽の処理条件としては、被処理水の生分解性等の条件により異なるが、pH5〜8、好ましくは5.5〜7.0、温度20〜40℃、好ましくは25〜35℃、HRT2〜24hr、好ましくは2〜8hrが適当である。
このような酸生成槽により低分子化が十分進行していると、後段の流動性非生物担体を充填した反応槽における処理が良好に進行する。
【0071】
メタノール、酢酸等のメタン生成細菌が直接利用可能な化合物のみを含む排水の場合には、酸生成槽は必要なく、被処理水を直接流動性非生物担体を充填した反応槽に通水することができる。
【0072】
本発明において、前述の流動性非生物担体が充填され、被処理水が通水される反応槽としては、攪拌機等を用いる完全混合型反応槽、水流と発生ガスにより槽内を混合する上向流型反応槽等を利用することができるが、特に反応槽の高さ、形を自由に設定でき、担体を多く投入できることから上向流型反応槽を用いることが好ましい。前述の如く、担体を用いる方法では、グラニュール法のような気固液分離機構(GSS)が不要となり、例えば水深5m程度の上向流型反応槽であっても槽負荷15〜20kg−CODCr/m/day或いはそれ以上の高負荷処理を行うことができる。
【0073】
完全混合型反応槽、上向流型反応槽における処理条件としては、所望の処理効率を得ることができる範囲において、特に制限はないが、例えば以下のような条件を設定することができる。
【0074】
<完全混合型反応槽>
担体充填率:10〜30%
HRT:1.0〜24hr
槽負荷:4.0〜12.0kg−CODCr/m/day
汚泥負荷:0.8〜3.0kg−CODCr/kg−VSS/day
pH:6.5〜7.5
温度:25〜38℃
<上向流型反応槽>
担体充填率:10〜80%
HRT:1.0〜24hr
上昇流速(LV):1.0〜20m/h
槽負荷:4.0〜32kg−CODCr/m/day
汚泥負荷:0.8〜3.0kg−CODCr/kg−VSS/day
pH:6.5〜7.5
温度:25〜38℃
【0075】
以下に図1を参照して本発明の嫌気性処理装置の一例を説明するが、本発明の嫌気性処理装置は何ら図1に示すものに限定されるものではない。
【0076】
この嫌気性処理装置は、被処理水(原水)を酸生成槽1で処理した後、pH調整槽2に送給してpH調整し、pH調整水をポンプPにより流動性非生物担体4を充填した反応槽3に上向流で通水して処理するものである。反応槽3の上部側壁には、反応槽3内の処理水を浮上した担体と共に抜き出す流出配管5Aが設けられ、この流出配管5Aに、50cm以上の落差を有する気泡分離配管5が鉛直方向に連結されている。
気泡分離配管5の流出口側は、底面が傾斜面とされた処理水槽6内に開口する。6Aはスクリーンである。反応槽3から流出する浮上担体を含む処理水は、流出配管5Aを経て気泡分離配管5を流下した後、スクリーン6Aを有する処理水槽6に送給される。反応槽3から流出した処理水中の担体は、気泡分離配管5を流下する間に気泡が分離除去されることにより沈降性が回復し、処理水槽6内で速やかに沈降する。処理水槽6のスクリーン6Aの透過水の一部は、処理水として系外へ排出され、残部は酸生成槽1に循環される。一方、処理水槽6で沈降した担体は、ポンプPにより処理水と共に反応槽4に返送される。1A,2AはpH計である。なお、図1では、スクリーン6Aは処理水槽6の内部に設けているが、流出配管5Aの途中にスクリーンボックス(図示せず)を設けて担体を分離して反応槽3に戻すようにして処理水槽を省略することもできる。
【実施例】
【0077】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0078】
[実施例1、比較例1,2]
図1に示す嫌気性処理装置により、糖とタンパクを主体とする合成排水(CODCr濃度:2000mg/L、pH7.0)を原水として通水試験を行った。
この嫌気性処理装置は、原水を酸生成槽1で処理した後、pH調整槽(容量0.5L)2に送給してpH調整し、pH調整水をポンプPにより流動性非生物担体4を充填した反応槽3に上向流で通水して処理するものである。反応槽3の流出水は、気泡分離配管5を流下した後、スクリーン6Aを有する処理水槽6に送給される。反応槽3からは、反応槽3内で浮上した担体が処理水と共に流出するが、この流出水中の担体は、気泡分離配管5を流下する間に気泡が分離除去されることにより沈降性が回復し、処理水槽6内で速やかに沈降する。処理水槽6のスクリーン6Aの透過水の一部は、処理水として系外へ排出され、残部は酸生成槽1に循環される。一方、処理水槽6で沈降した担体は、ポンプPにより処理水と共に反応槽4に返送される。
【0079】
酸生成槽1及び反応槽3の処理条件は以下の通りとした。
<酸生成槽>
容量:200L
HRT:2.0hr
pH:6.5
温度:30℃
【0080】
<反応槽>
容量:約400L
HRT:6.0hr
上昇流速(LV):10m/hr
pH:7.0
担体充填率:40%
【0081】
また、気泡分離配管5の仕様及び条件は次の通りである。
<気泡分離配管>
落差(鉛直部長さ):50cm
直径:15cm
断面積:177cm
気泡分離配管内流速(LV):1.0m/hr
【0082】
また、処理水槽6から反応槽4へ返送される処理水中の担体濃度は1.0〜10.0%であった。
【0083】
反応槽に充填する担体としては、表1に示す大きさ(円柱の高さの寸法)及び沈降速度のポリオレフィン系樹脂担体を用い、処理の開始に当っては種汚泥として分散状の嫌気汚泥を反応槽3に投入した。また、原水の通水開始から、得られた処理水のCODCr濃度を測定し、処理水CODCr濃度200mg/L以下となるような条件で徐々に負荷を上げてゆく処理を行った。
【0084】
各々の処理結果を表1に示した。
【0085】
【表1】

【0086】
以上の結果から、本発明によれば、非生物担体を用いた嫌気性処理において、微細な気泡が付着することにより担体が浮上、流出してしまう現象が起きた場合でも、特定の大きさと沈降速度を有する非生物担体を用い、反応槽から流出した担体の表面に付着した気泡を除去することにより沈降させ、処理水と分離してからポンプを用いて反応槽に返送することにより、高負荷で安定した処理を行えることが分かる。
【符号の説明】
【0087】
1 酸生成槽
2 pH調整槽
3 反応槽
4 流動性非生物担体
5 気泡分離配管
6 処理水槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性の非生物担体を充填した反応槽に嫌気条件下で被処理水を通水し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて被処理水を処理する嫌気性処理方法において、
大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrの非生物担体を該反応槽に充填し、
該反応槽から流出した処理水に含まれる該担体に付着した気泡を分離除去した後、該担体を該反応槽に返送することを特徴とする嫌気性処理方法。
【請求項2】
請求項1において、該反応槽から流出した該担体を含む処理水を、落差50cm以上の配管に下向流で流通させることにより、該担体に付着した気泡を分離除去することを特徴とする嫌気性処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、該気泡を分離除去した担体と処理水とをスクリーン又は沈殿槽で分離した後、ポンプにより該反応槽に返送することを特徴とする嫌気性処理方法。
【請求項4】
流動性の非生物担体を充填した反応槽に嫌気条件下で被処理水を通水し、該非生物担体の表面に生物膜を形成させて被処理水を処理する嫌気性処理装置において、
該反応槽に充填される担体の大きさが1.0〜5.0mmで、沈降速度が200〜500m/hrであり、
該反応槽から流出した処理水に含まれる該担体に付着した気泡を分離除去する手段と、該気泡が分離除去された担体を該反応槽に返送する手段とを有することを特徴とする嫌気性処理装置。
【請求項5】
請求項4において、該担体に付着した気泡を分離除去する手段が、該反応槽から流出した該担体を含む処理水が下向流で流通される落差50cm以上の配管であることを特徴とする嫌気性処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5において、該気泡が分離除去された担体を該反応槽に返送する手段が、該気泡が分離除去された担体と処理水とを分離するためのスクリーン又は沈殿槽と、該スクリーン又は沈殿槽を経た担体を該反応槽に返送するためのポンプとを備えることを特徴とする嫌気性処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−110820(P2012−110820A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261349(P2010−261349)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】