説明

嫌気性消化システムの立上げ方法

【課題】少量の種汚泥を用いて短期間で立ち上げ可能な嫌気性消化システムの立上げ方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、嫌気性消化システムの立上げ方法を提供し、該方法は、(i)嫌気性消化槽に水を投入し、嫌気状態にする工程、(ii)該嫌気性消化槽に、種汚泥を投入する工程、(iii)該嫌気性消化槽中の汚泥の一部を抜き出し、該汚泥の抜き出し量に相当する量の基質を投入する工程、(iv)該抜き出し汚泥を固液分離して、脱水汚泥と分離液とに分離する工程、および(v)該脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嫌気性消化システムの立上げ方法に関する。より詳細には、少量の種汚泥を用いて短期間で立ち上げることが可能な嫌気性消化システムの立上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
嫌気性消化は、有機性廃棄物などからメタンガス、水素ガスなどのエネルギーガスを回収することができる処理方法であり、近年、バイオマスエネルギーの回収という観点から注目されている。この嫌気性消化は、一般に、発酵槽(消化槽)に、嫌気性微生物を含む汚泥(種汚泥)および有機性廃棄物などの基質を投入した後、嫌気性微生物を十分に増殖・馴致させる立上げ期間を経てから、定常運転に移行される。しかし、嫌気性微生物、特にメタン発酵菌の増殖速度は、著しく遅いため、嫌気性消化システムの立上げには長時間を要する。
【0003】
このような背景の下、立上げ期間を短縮化する試みがなされている。例えば、特許文献1には、有機性汚泥の嫌気性消化槽の運転立ち上げ開始時に、米糠、おから若しくは生ゴミ等の嫌気性消化菌により分解されやすい繊維分の少ない物質を最初に投入してメタンガス化菌(メタン発酵菌)の活性を増大させた後、該消化槽に有機性汚泥を投入して、該汚泥の容積負荷を段階的に増大させながら、定格負荷に移行させることを特徴とする有機性汚泥の嫌気性消化槽の運転立ち上げ方法が開示されている。この方法は、繊維分の少ない物質を用いることによって、メタン発酵菌の活性を増大させ、嫌気性消化槽の立上げ時間を短縮化している。
【0004】
ところで、立上げ期間を短縮化する観点から、嫌気性消化には、通常、大量の種汚泥が用いられる。したがって、消化槽の容量が大きくなると、さらに大量の種汚泥が必要となり、種汚泥を他の施設などから調達する必要がある。そのため、種汚泥の運搬コストがかさむ。少量の種汚泥で嫌気性消化システムを立上げることが望まれているものの、立上げまでにあまりにも長期間を要するため、ほとんど検討されていないのが現状である。
【特許文献1】特開2002−273490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少量の種汚泥を用いて短期間で立ち上げ可能な嫌気性消化システムの立上げ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、嫌気性消化システムの立上げ方法を提供し、該方法は、(i)嫌気性消化槽に水を投入し、嫌気状態にする工程、(ii)該嫌気性消化槽に、種汚泥を投入する工程、(iii)該嫌気性消化槽中の汚泥の一部を抜き出し、該汚泥の抜き出し量に相当する量の基質を投入する工程、(iv)該抜き出し汚泥を固液分離して、脱水汚泥と分離液とに分離する工程、および(v)該脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程
を包含する。
【0007】
ある実施態様においては、さらに(vi)上記工程(iii)から上記工程(v)を繰り返す工程を包含する。
【0008】
本発明はまた、嫌気性消化システムの立上げ方法を提供し、該方法は、(i)嫌気性消化槽に水を投入し、嫌気状態にする工程、(ii)該嫌気性消化槽に、種汚泥を投入する工程、(iii)該嫌気性消化槽中の汚泥の一部を抜き出し、該汚泥の抜き出し量に相当する量の基質を投入する工程、(iv)該抜き出し汚泥を固液分離して、脱水汚泥と分離液とに分離する工程、(v)該分離液を好気処理する工程、(vi)該好気処理により得られる余剰汚泥を固液分離して、余剰脱水汚泥を得る工程、および(vii)該脱水汚泥および該余剰脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程を包含する。
【0009】
ある実施態様においては、さらに(viii)上記工程(iii)から上記工程(vii)を繰り返す工程を包含する。
【0010】
ある実施態様においては、上記工程(viii)の繰り返し工程において、上記工程(iv)の抜き出し汚泥の固液分離と、上記工程(vi)の余剰汚泥の固液分離とが同時に行われる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によれば、基質を投入する際に嫌気性消化槽から抜き出した汚泥を廃棄せず、脱水汚泥として嫌気性消化槽に返送するため、抜き出した汚泥による嫌気性微生物(特にメタン発酵菌)の損失がなく、嫌気性消化槽内の微生物濃度を効率的に高めることができる。そのため、少量の種汚泥でも嫌気性消化システムを短期間で立ち上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に用いられる一実施態様のシステムの構成を図1に示す。このシステムは、種汚泥と基質とを投入して嫌気性微生物を馴養する嫌気性消化槽1、および嫌気性消化槽1から抜き出した汚泥を、脱水汚泥と分離液とに分離する固液分離装置2を備え、脱水汚泥を嫌気性消化槽1に返送するように構成されている。
【0013】
本発明に用いられる別の実施態様のシステムの構成を図2に示す。このシステムは、図1のシステムにさらに、固液分離装置2により得られる分離液を好気処理する好気処理装置3、および好気処理装置3より得られる余剰汚泥から余剰脱水汚泥を回収する固液分離装置4を備えている。このシステムにより得られる余剰脱水汚泥は、好気性の汚泥でありながら、メタン発酵菌なども存在し、嫌気発酵することによりガス(特にメタンガス)を発生するため、単独でも嫌気性消化槽1の種汚泥として用いることができる。したがって、この実施態様のシステムは、好気処理装置3より得られる余剰汚泥を固液分離装置4により余剰脱水汚泥とし、この余剰脱水汚泥を、上記脱水汚泥とともに嫌気性消化槽1に返送するように構成される。これによって、より効率的な立上げが可能となる。
【0014】
以下、図1および図2を参照しながら、本発明の方法について説明する。
【0015】
本発明に用いられる種汚泥は、嫌気性微生物、例えば、メタン発酵菌、水素発酵菌などを含む汚泥であればよく、特に制限されない。例えば、下水汚泥の嫌気性消化液、またはその脱水汚泥、その他有機性廃棄物の消化汚泥などが挙げられる。本発明においては、図2に示す好気処理装置3から得られる余剰脱水汚泥を種汚泥として用いることができる。種汚泥中の固形分量は、特に制限されない。例えば、種汚泥が脱水汚泥である場合には、通常、15〜25容量%程度の固形分が含まれている。
【0016】
本発明に用いられる基質としては、いわゆるバイオマスが用いられる。本明細書で、バイオマスとは、生物由来の有機資源を意味する。好ましくは、有機性廃棄物、資源作物あるいはその廃棄物などの有機性物質が用いられる。有機性廃棄物としては、例えば、食品工業、製紙工業、畜産業などにおける有機性廃水、有機廃棄物、あるいは糞尿、または都市下水の汚泥などが例示されるが、有機物を含む廃棄物であれば、これらに制限されない。資源作物としては、例えば、とうもろこし、さとうきびなどが挙げられ、さらにこれらの処理工程で発生する廃棄物なども、本発明に使用される。具体的には、有機性廃棄物として、焼酎粕(芋焼酎粕、麦焼酎粕など)、生ごみ、おからなどが挙げられる。
【0017】
まず、上記種汚泥および基質を嫌気性消化槽1に投入する。嫌気性消化槽1には、予め水が投入される。水の投入量は特に制限されないが、通常、種汚泥と水との合計量が、ほぼ上記消化槽1の容量となるように設定される。上記消化槽1内はさらに、例えば、窒素ガスで置換することなどにより嫌気状態にしておくことが好ましい。
【0018】
この水を投入した消化槽1に種汚泥を投入する。嫌気性消化槽1に投入される種汚泥の量は、特に制限されない。種汚泥は、上記消化槽1の全液量中に、好ましくは100容量%未満(消化槽有効容量の100%未満)、より好ましくは10〜90容量%、さらに好ましくは10〜50容量%、最も好ましくは10〜20容量%となるように投入される。この種汚泥量は、従来のシステムでは、消化槽有効容量の100%の種汚泥量を必要とするのに比べて少量でよい。消化槽の容量が大きくなる場合に、種汚泥の輸送コストがかさむことなどを考慮すると、本発明の方法は、種汚泥量の点で有益である。
【0019】
次に基質を投入する。嫌気性消化槽1中の種汚泥が未消化汚泥(有機酸を含む汚泥)の場合、正常な嫌気発酵が行われないおそれがある。そのため、予め嫌気性消化槽1内でガス(メタンガス)が発生したことを確認してから基質を投入することが好ましい。このようなガスの発生は、例えば、ガスクロマトグラフによりモニターすることができる。
【0020】
嫌気性消化槽1に投入される基質の量は、特に制限されない。立上げ時には、投入限度量(定格負荷量)の1/20〜1/5(5%〜20%)、好ましくは1/10〜1/5(10%〜20%)程度がまず投入され、徐々に投入量(負荷量)を増加させる。
【0021】
一方で、消化槽1の容量の関係から、基質を投入すると、容量がオーバーするため、汚泥を抜き出す必要がある。汚泥の抜き出しおよび基質の投入の順序、ならびにそれらの量については特に制限されない。通常、まず、消化槽1中の汚泥の一部を抜き出し、次いで、この汚泥の抜き出し量に相当する量(汚泥の抜き出し量と同量)の基質が投入される。
【0022】
基質の投入は、さらに嫌気性微生物の増殖を考慮して、段階的に行うことが好ましい。基質(例えば、有機性廃棄物)の全量を一度に投入すると、消化槽1内に有機酸が蓄積し、基質の処理能力が著しく低下することがある。したがって、例えば、まず、基質を投入限度量(定格負荷量)の約1/20〜1/10(5%〜10%)程度投入し、嫌気性消化槽1内のガスの発生量、あるいは有機酸の蓄積量を分析する。次に、これらの分析値を考慮して、徐々に基質量を増加して投入することが好ましい。例えば、分析値を考慮して、1週間毎に前回の投入量に10%負荷を増大させた量を投入する方法で徐々に投入量を増加し、定格負荷量に近づけながら投入する。
【0023】
上記嫌気性消化槽1内の温度およびpHは、種汚泥中に含まれる嫌気性微生物(メタン発酵菌)の種類に応じて適宜設定される。温度は、一般的には、25〜65℃、好ましくは30〜40℃である。高温菌の場合は50〜60℃が好ましい。pHは、一般的には、6〜8.5、好ましくは7〜8である。pHは、発酵が良好であればpH7〜8に保たれる。しかし、有機酸が蓄積する場合、あるいはアルカリ度が不足する場合は、pHの調整が必要である。pHの調整は、当業者が通常用いるpH調整剤を用いて行われる。
【0024】
上記基質の添加のために抜き出した汚泥を固液分離装置2に投入し、脱水汚泥と分離液とに分離する。固液分離装置2は、通常、汚泥などの分離に用いる脱水機で、十分な固液分離能を有するものであればよく、特に制限されない。このような固液分離装置としては、例えば、遠心脱水機、スクリュープレス脱水機、ロータリープレス脱水機などが挙げられる。得られる脱水汚泥の水分含量は、通常、85質量%以下、好ましくは75〜80質量%程度である。
【0025】
上記脱水汚泥を、嫌気性消化槽1に返送する。この脱水汚泥中には、嫌気性微生物(特にメタン発酵菌)が主に含まれている。そのため、嫌気性消化槽1に返送することによって、汚泥の抜き出しによる嫌気性微生物の損失を抑制し、消化槽1中の嫌気性微生物濃度を効率的に高め、立上げ期間を短縮することができる。
【0026】
上記固液分離により得られる分離液は、当該技術分野で通常行われる処理に供される。特に、図2に示されるように、曝気装置、接触酸化装置などの好気処理装置3に供することが好ましい。好気処理装置3には汚泥が含まれており、分離液の処理により余剰汚泥が発生する。この余剰汚泥は、好気性の汚泥であるが、これを嫌気発酵することによってメタンガスを発生し得る。したがって、この余剰汚泥を固液分離装置4に投入して得られる余剰脱水汚泥は、単独で種汚泥として用いることができる。この余剰脱水汚泥を嫌気性消化槽1に返送することによって、さらに効率的な嫌気性消化システムの立上げが可能となる。
【0027】
本発明の方法において、基質を段階的に投入する場合、基質を投入する毎に、上記嫌気性消化槽中の汚泥の一部を抜き出す工程、この抜き出し汚泥を固液分離して、脱水汚泥と分離液とに分離する工程、およびこの脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程を繰り返すことが好ましい。さらに上記固液分離により得られる分離液を好気処理する工程、この好気処理により得られる余剰汚泥を固液分離して、余剰脱水汚泥を得る工程、および余剰脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程を繰り返すことが好ましい。これらの工程を繰り返すことによって、活性の高い汚泥が回収され、基質の嫌気性消化に用いられる。
【0028】
本発明の方法が上記繰り返し工程を包含する場合、効率の観点から、抜き出し汚泥の固液分離と、余剰汚泥の固液分離とを同時に行ってもよい。この場合、例えば、図2に示すシステムにおいて、好気処理装置3で生じる余剰汚泥の固液分離が、固液分離装置2で行われる。具体的なシステムの構成を図3に示す。
【0029】
上記脱水汚泥または余剰脱水汚泥の返送は、例えば、嫌気性消化槽1内の汚泥の固形分濃度が所望の濃度に達し、ほぼ一定になる(あるいは基質の投入量が定格になる)まで行われる。所望の汚泥の固形分濃度は、例えば、1.5〜5質量%、好ましくは2〜4質量%程度である。
【0030】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明がこの実施例に制限されることはない。
【実施例】
【0031】
(実施例1)
図1に示すようなシステムを準備した。このシステムは、1000mの嫌気性消化槽および遠心分離装置を備えている。消化槽に850mの水を投入し、さらに槽内を窒素置換して嫌気状態にした後、150mの下水消化汚泥(固形分濃度2.4質量%)を種汚泥として投入した(消化槽内固形分濃度は、0.36質量%)。
【0032】
消化槽内の温度を35℃にて保持したところ、メタンガスの発生が確認された。このメタンガスの発生が検知された日を立上げ開始日(第0週目)として、2.5m(定格負荷量の5%負荷)の焼酎粕(基質:固形分濃度10質量%以下)を投入すると同時に、焼酎粕の投入量と同量(2.5m)の汚泥を消化槽から抜き出した。次いで、抜き出した汚泥を遠心分離装置に導入し、固液分離して脱水汚泥と分離液とに分離し、脱水汚泥の全量を嫌気性消化槽に返送した。
【0033】
1週間毎に、前回の投入量の10質量%増加した量の焼酎粕を投入した。そして、焼酎粕の投入毎に、上記と同様にして脱水汚泥を得、この脱水汚泥の全量を嫌気性消化槽に返送した。消化槽内の汚泥の固形分濃度の経時変化を図4に示す。
【0034】
図4から明らかなように、立上げ開始から120日後(約4カ月後)に、目標の固形分濃度2.5質量%に到達した。その後、汚泥返送を行わなくても固形分濃度は維持された。
【0035】
(比較例1)
脱水汚泥を嫌気性消化槽に返送しないこと以外は、実施例1と同様にして、嫌気発酵を行った。図には示さないが、立上げ開始から180日後(約6カ月後)に、目標の固形分濃度2.5質量%に到達した。
【0036】
(実施例2:余剰脱水汚泥のメタン活性の検討)
実施例1において、固液分離により得られた分離液を曝気槽に導入して処理した。この処理により得られた余剰汚泥を固液分離して、余剰脱水汚泥を得た。
【0037】
この余剰脱水汚泥を水で10倍希釈した。この希釈汚泥50mLを120mL容のバイアル瓶に投入した後、気相部を窒素ガスで置換し、嫌気状態とした。35℃にて所定期間、80rpmの振盪培養を行い、発生ガス量をガラスシリンジのガス平衡により測定した。各ガス(水素、メタン、および二酸化炭素)の濃度をTCDガスクロマトグラフで測定した。ガス発生量の推移を図5に示す。
【0038】
図5から明らかなように、培養開始10日目でメタンガスの発生が確認された。そして培養開始36日目には、総ガス(水素、メタン、および二酸化炭素)発生量は3160mL/L汚泥に達し、このうち、メタンガス発生量は1860mL/L汚泥(メタンガス濃度59%)であった。すなわち、分離液を好気処理して得られる余剰汚泥は、好気汚泥であるが、嫌気状態にすることによりメタンガスを発生した。このことは、余剰汚泥(好気汚泥)を単独で種汚泥または返送汚泥として用いることができることを示す。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、嫌気性消化システムの立上げ方法において、少量の種汚泥を用いて短期間で立ち上げることが可能である。本発明の方法は、基質を投入する際に嫌気性消化槽から抜き出した汚泥を廃棄せず、脱水汚泥にして嫌気性消化槽に返送するため、抜き出し汚泥による嫌気性微生物の損失がなく、嫌気性消化槽内の微生物濃度を高めることができる。そのため、少量の種汚泥でも嫌気性消化システムを効率的に立ち上げることができる。したがって、嫌気性消化システムの立上げの際の種汚泥の輸送コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の方法に用いられる嫌気性消化システムの一実施態様を示すブロック図である。
【図2】本発明の方法に用いられる嫌気性消化システムの一実施態様を示すブロック図である。
【図3】本発明の方法に用いられる嫌気性消化システムの一実施態様を示すブロック図である。
【図4】嫌気性消化槽中の汚泥の固形分濃度の経時変化を示すグラフである。
【図5】嫌気条件下における余剰汚泥からのガス発生量の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 嫌気性消化槽
2 固液分離装置
3 好気処理装置
4 固液分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
嫌気性消化システムの立上げ方法であって、
(i)嫌気性消化槽に水を投入し、嫌気状態にする工程、
(ii)該嫌気性消化槽に、種汚泥を投入する工程、
(iii)該嫌気性消化槽中の汚泥の一部を抜き出し、該汚泥の抜き出し量に相当する量の基質を投入する工程、
(iv)該抜き出し汚泥を固液分離して、脱水汚泥と分離液とに分離する工程、および
(v)該脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
さらに(vi)前記工程(iii)から前記工程(v)を繰り返す工程を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
嫌気性消化システムの立上げ方法であって、
(i)嫌気性消化槽に水を投入し、嫌気状態にする工程、
(ii)該嫌気性消化槽に、種汚泥を投入する工程、
(iii)該嫌気性消化槽中の汚泥の一部を抜き出し、該汚泥の抜き出し量に相当する量の基質を投入する工程、
(iv)該抜き出し汚泥を固液分離して、脱水汚泥と分離液とに分離する工程、
(v)該分離液を好気処理する工程、
(vi)該好気処理により得られる余剰汚泥を固液分離して、余剰脱水汚泥を得る工程、および
(vii)該脱水汚泥および該余剰脱水汚泥を該嫌気性消化槽に返送する工程
を包含する、方法。
【請求項4】
さらに(viii)前記工程(iii)から前記工程(vii)を繰り返す工程を包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(viii)の繰り返し工程において、前記工程(iv)の抜き出し汚泥の固液分離と、前記工程(vi)の余剰汚泥の固液分離とが同時に行われる、請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−11993(P2009−11993A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180247(P2007−180247)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000133032)株式会社タクマ (308)
【Fターム(参考)】