説明

孔内起振源

【課題】小孔径のボーリング孔内で、限りなく点に近い狭い場所での時間遅れのない起振を可能とし、それによって位置及び時刻精度を向上させ、数m程度の狭い範囲での弾性波トモグラフィ調査を実施できるようにする。
【解決手段】圧縮空気によってピストンを孔軸方向に押し出す打撃エネルギー発生部10と、該ピストンの孔軸方向の突出動作を利用して孔壁に打撃力を付与する打撃ハンマー部12とを備えている。打撃ハンマー部は、ピストン22による孔軸方向の打撃力を孔軸に直交する方向に変換する回転リンク機構40と、外向きにバネで付勢された状態で保持され回転リンク機構を介して加振される加振ハンマー42とを具備し、それら回転リンク機構と加振ハンマーとの組み合わせを、複数、円周上で均等に配置し、打撃エネルギー発生部の単一のピストンにより各加振ハンマーを加振して孔軸に直交方向の孔壁面を円周方向の複数箇所で同時に直接打撃する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーリング孔内で振動を発生させる装置に関し、更に詳しく述べると、圧縮空気によりピストンを孔軸方向に駆動し、該ピストンによる打撃力を孔軸に直交する方向に変換して孔壁に直接的に打撃力を付与する方式の孔内起振源に関するものである。この技術は、特に位置及び時刻に関して高い精度が要求される弾性波トモグラフィ調査のための起振源として有用である。
【背景技術】
【0002】
高レベル放射性廃棄物の地層処分場のような地下構造物の力学的安定性評価には、構造物周辺岩盤の探査が重要である。このような岩盤に対する物理探査手法の一つに弾性波トモグラフィ調査がある。これは、調査対象となる範囲に設置した多くの起振源と受振器の間を伝わる弾性波の走時(初動が到達するのにかかった時間)から調査対象となる岩盤の状態を可視化する手法である。
【0003】
弾性波の起振には、ダイナマイト(雷管)、重錘落下、ハンマー打撃、エアーガンなど様々な方法が用いられる。起振場所は、地下での調査の場合、坑道内部あるいはボーリング孔内部となる。
【0004】
例えば高レベル放射性廃棄物の地層処分場では、小孔径のボーリング孔を利用して坑道近傍を詳細に調査する。そのためには、数m〜10m程度の距離を弾性波が伝わる十分に大きなエネルギーを有することが必要となる。また、ボーリング孔を占有することができないために、ボーリング孔内を移動することのできる構造でなければならない。更に、岩盤が可燃性ガスを含有している場合には、ボーリング孔内は常に可燃性ガスが高濃度で存在する環境となる恐れがあるため、防爆仕様にすることなく使用できる機構にすることが望ましい。更に、無水孔内での起振が可能なこと、水平孔内でも使用でき、孔内で方向を制御できること、などの要件も必要である。
【0005】
ところで従来技術として、空気などの流体圧を利用してピストンを孔軸方向に駆動し、該ピストンの孔軸方向の突出動作を回転ハンマーで孔軸に直交する方向の運動に変換してケーシングの側面を打撃する構造の孔内起振源が開発されている(特許文献1参照)。このような構造は、ピストンを孔軸方向に駆動する方式であることから、必要なストロークがとれ、大きな打撃エネルギーを発生できる利点がある。しかし、この孔内起振源は、ボーリング孔径よりもかなり小さな外径のケーシング内に組み込まれており、該ケーシングを圧着用パッカーで孔壁面に押し付けた状態で孔壁面を間接的に起振する。そのため、発生する弾性波は一方向(圧着した孔壁面の方向)に偏ったものとなるほか、ハンマーの回転動作を要しケーシングを介しての間接的な打撃となることから孔壁面に打撃エネルギーが到達するまでの時間遅れが大きく、また打撃面が大きくなり、鉛直孔において数10mから100m程度の範囲を調査するための起振源としては使用できるが、10m未満程度の範囲を対象とする坑道近傍の詳細な調査には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−46954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、小孔径のボーリング孔内で、限りなく点に近い狭い場所での時間遅れのない起振を可能とし、それによって位置及び時刻精度を向上させ、数m程度の狭い範囲での弾性波トモグラフィ調査を実施できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、圧縮空気によりピストンを孔軸方向に駆動する打撃エネルギー発生部と、前記ピストンの孔軸方向の突出動作を利用して孔壁に打撃力を付与する打撃ハンマー部とを備えている孔内起振源において、前記打撃ハンマー部は、ピストンの孔軸方向の突出動作による打撃力を孔軸に直交する方向に変換する回転リンク機構と、外向きにバネで付勢された状態で孔壁に圧着保持され前記回転リンク機構を介して駆動される加振ハンマーとを具備し、それら回転リンク機構と加振ハンマーとの組み合わせを、複数、円周上で均等に配置し、前記打撃エネルギー発生部の単一のピストンにより各加振ハンマーを加振して孔軸に直交方向の孔壁面を円周方向の複数箇所で同時に直接打撃するようにしたことを特徴とする孔内起振源である。
【0009】
ここで加振ハンマーは、その頭部で、基端側を起振源躯体に固定し先端側を先端カバーに取り付けた孔軸方向に延びる板バネに固定され、前記加振ハンマーの向きが常に孔軸に直交する方向を維持するように外向きに付勢されて支えられている構造が好ましい。
【0010】
また前記回転リンク機構は、平面的に見たときに直角な2辺を備えた板状の剛性回転コマと、その一方の辺の両端近傍に位置する固定枢軸と可動枢軸を有し、固定枢軸で起振源躯体に軸支され、可動枢軸では加振ハンマーの基端部を軸支し、他方の辺にピストンが衝突する構造になっているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る孔内起振源は、ピストンの孔軸方向の突出動作による打撃力を孔軸に直交する方向に変換する回転リンク機構と、外向きにバネで付勢された状態で孔壁に圧着保持され前記回転リンク機構を介して駆動される加振ハンマーとを具備し、それら回転リンク機構と加振ハンマーとの組み合わせが、複数、円周上で均等に配置されているので、打撃エネルギー発生部の単一のピストンにより各加振ハンマーを加振して孔軸に直交方向の孔壁面を同時に直接打撃することができる。回転リンク機構と加振ハンマーとが常に機械的に結合し、場所によって変化するボーリング孔の孔径によらず、前記加振ハンマーの頭部が孔壁面に押し付けられているため、ピストンによる打撃力が回転リンク機構から加振ハンマーを経て孔壁面へと瞬時に伝搬することになり、ピストンの突出動作と孔壁面の打撃時刻に遅れが生じることがほとんどなく、高い時刻精度で打撃の瞬間を計測することができる。また、従来技術のようなケーシングや圧着用パッカーを必要とせず、加振ハンマーの頭部が孔壁面に当接する構造なので、小孔径のボーリング孔内で打撃面を非常に小さくできるため、限りなく点に近い発振点での起振が可能となり、数m程度の範囲内におけるトモグラフィ調査を精度良く実施できる。なお、本発明の孔内起振源は、水平孔内でも使用でき、孔内での方向も制御できるし、孔壁の崩壊などの孔の状態に柔軟に対応できる。更に、加振ハンマーが、孔軸に直交方向の孔壁面を直接打撃する構造のため、ボーリング孔内が水などの弾性媒質で満たされていない気中での起振も可能である。
【0012】
勿論、本発明も、起振に圧縮空気を使用する方式を採用しているため、完全な防爆化を図ることができ、安全性が向上するし、起振源の使用に際して認可申請や届け出などの法律上の手続を必要としないので、作業性も向上する。また、圧縮空気によりピストンを孔軸方向に駆動することで打撃エネルギーを発生させる方式なので、容易に同一地点で繰り返し起振できるし、小孔径のボーリング孔内でも大きな打撃力を生じさせることができ、しかもストロークを調整することにより打撃力を調整可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る孔内起振源の一実施例を示す説明図。
【図2】その打撃エネルギー発生部の説明図。
【図3】その孔内起振源の動作説明図。
【図4】その孔内起振源のボーリング孔径変化に対する順応性を示す説明図。
【実施例】
【0014】
孔内起振源は、ボーリング孔内で何らかの方法でエネルギーを放出することにより孔壁面及びその周辺に直接的あるいは間接的に弾性変形を与えることにより、弾性的な波動または非弾性的な波動を発生させるものである。この実施例では、次のような条件を満たす設計仕様で孔内起振源を製作した。
・必要なボーリング孔径をφ86mmとする(一般的なコアボーリングの孔径)。
・ボーリング孔内は可燃性のメタンガスが発生するため、非爆薬、非電気式であること。
・ボーリング孔壁を直接打撃できること。
・同じ起振位置で繰り返し打撃が行えること。
そこで、本発明では、駆動源として高圧ガス保安法の適用を受けない範囲の低圧の圧縮空気を用いる方式を採用している。圧縮空気は、供給・排出が簡単なため、孔内の1箇所で繰り返し何度でも容易に起振できるからである。
【0015】
本発明に係る孔内起振源の一実施例を図1に示す。Aは一部カット断面であり、Bはそのx−x断面である。この孔内起振源は、打撃エネルギー発生部10と打撃ハンマー部12とから構成される。打撃エネルギー発生部12は、圧縮空気によりピストンを孔軸方向(図1のAでは図面水平方向)に駆動する部分であり、打撃ハンマー部12は、前記ピストンの孔軸方向の突出動作による打撃力を孔軸に直交する方向に変換して孔壁に打撃力を付与する部分である。
【0016】
まず、打撃エネルギー発生部10について説明する。打撃エネルギー発生部10の詳細を図2に示す。孔軸方向に延びるシリンダー20の内部にピストン22が移動自在に組み込まれ、シリンダー20の先端部からピストン22が突出する構成である。シリンダー20は、後端部に空気口24が開口し、該空気口24に連通してシリンダー内部に空気溜まり26が設けられ、それに連続して段差を経て小孔径のピストン出入孔28が形成されている構造である。また、空気溜まり28の後部壁に磁石30が組み込まれている。ピストン22は、後端部に大径のフランジ部32を備え、該フランジ部32の外周にOリングシール34が装着されて空気溜まり26の気密状態が維持できる構造である。ピストン基端側の、前記フランジ部と段差との間にピストン戻し用のコイルバネ36が装着され、ピストン22に基端側方向(図面左手方向)への弾撥力が作用するようになっている。なお、フランジ部自体もしくはその一部は強磁性体からなり、前記磁石30への磁気的引力が作用するように構成されている。
【0017】
この打撃エネルギー発生部10の動作は次の如くである。ピストン22は、磁石30とコイルバネ36の力によって通常は後方(図面左手側)に留まっている。圧縮空気を空気口24から注入すると、圧縮空気は空気溜まり26に溜まる。磁石30の吸引力を超えて圧縮空気が溜まると、ピストン22はその圧力によって勢いよく前方(図面右手方向)へ駆動される。その後、圧縮空気が抜けると、コイルバネ36と磁石30の力によりピストン22は元の後方の位置に戻る。従って、圧縮空気を繰り返し注入することで、繰り返し打撃エネルギーを発生させることができる。ボーリング孔が小径でも、シリンダー20を狭い孔径方向ではなく十分な長さをとることのできる孔軸方向に長くすることにより、打撃エネルギーを増大させることができる。
【0018】
次に、打撃ハンマー部12について説明する。図1に立ち戻って、打撃ハンマー部12は、前記ピストン22の孔軸方向の突出動作による打撃力を孔軸に直交する方向に変換する回転リンク機構40と、外向きにバネで付勢された状態で保持され前記回転リンク機構40を介して駆動される加振ハンマー42とを具備している。図1のBに示すように、それら回転リンク機構40と加振ハンマー42との組み合わせが、4組、円周上で90°ずつ角度を変えて均等に配置されている。そして、前記打撃エネルギー発生部10の単一のピストン22により各加振ハンマー42を一斉に加振して孔軸に直交方向の孔壁面を同時に直接打撃するように構成されている。
【0019】
前記回転リンク機構40は、矩形板状(従って、平面的に見たときに互いに直角な2辺を備えている)の剛性回転コマ44と、その一辺(孔軸に平行な外側の方の辺)の両端近傍に位置する固定枢軸(変位しない枢軸)rと可動枢軸(変位可能な枢軸)sを有し、固定枢軸rで起振源躯体に軸支され、可動枢軸sでは加振ハンマー42の基端部を軸支し、他方の辺(孔軸に直交する後方の辺)にピストン22が衝突する構造となっている。具体的には、剛性回転コマ44が軸支されている起振源躯体は、打撃エネルギー発生部10のシリンダー20の先端面から前方に突設されている4本の角柱状の支持部材46であり、各支持部材46の先端部に位置する固定枢軸rでそれぞれ剛性回転コマ44が軸支されている。
【0020】
前記加振ハンマー42は、支柱の先端に偏平な大径の頭部を設けた形状であり、その頭部で、基端側を起振源躯体に固定した孔軸方向に延びる板バネ48に固定されている。具体的には、板バネ48の基端側はシリンダー20に固定され、先端側はフリーの状態にある先端カバー50に取り付けられている。
【0021】
前記4本の支持部材48で囲まれた領域がピストン移動空間となる。そのピストン移動空間において、シリンダー20の先端面と剛性回転コマ40のピストン衝突面との間に、コイルバネ52がピストン22を囲むように巻装されている。このコイルバネ52は、剛性回転コマ44のピストン衝突面に弾撥力を付勢し、各剛性回転コマ44に回転力を付与して、加振ハンマー42の頭部をボーリング孔壁面に押し付ける機能を果たしている。
【0022】
前記板バネ48は、加振ハンマー42の向きが常に孔軸に直交する方向を維持するように(加振ハンマー42の頭部がボーリング孔壁面に常に正対するように)、加振ハンマー42の姿勢を適正に保持する機能を果たす。また、この板バネ48は、滑り面となって、孔内起振源のボーリング孔内への挿入、取り出しを円滑にする機能も有している。更に、4枚の板バネ48が先端側で先端カバー50で束ねられ、該先端カバー50が板バネ48で支えられているだけのフリーな状態になっているので、孔内起振源の挿入位置がボーリング孔内で偏心していてもセントラライズされることになり、その点でも孔内起振源をボーリング孔内へ挿入し易くなる。従って、この板バネの効果は、ボーリング孔壁が一部損傷しているような場合に、特に有効に作用する。
【0023】
孔壁打撃の機構について、図3により説明する。図3では、分かりやすいように一方向の回転リンク機構と加振ハンマーのみを表し、力の伝達方向を矢印で示している。圧縮空気によるエネルギーはピストン22を押し出す。該ピストン22は剛性回転コマ44を打撃する。固定枢軸rと可動枢軸sによって、打撃エネルギーは剛性回転コマ44を介して加振ハンマー42に伝わる。その際、可動枢軸sにより加振ハンマー42は孔壁面hに対して垂直を維持しているため、ボーリング孔軸方向の打撃力が、剛性回転コマ44により向きを90°変えて加振ハンマー42に加わり、孔壁面を垂直に打撃する。図1のB(x−x断面)に示されているように、4方向に配置されている加振ハンマー42が同時に加振されるため、4方向の孔壁面が同時に打撃されることになる。その際、回転リンク機構と加振ハンマーとが常に機械的に結合し、場所によって変化するボーリング孔の孔径によらず、前記加振ハンマーの先端部が孔壁面に押し付けられているため、ピストンによる打撃力が回転リンク機構から加振ハンマーを経て孔壁面へと瞬時に伝搬することになり、ピストンの突出動作と孔壁面の打撃時刻に遅れが生じることがほとんどなく、1マイクロ秒程度以下の時刻精度で打撃の瞬間を計測することができる。また、孔壁面に当接する加振ハンマーの頭部を小さくすることができるため、1cm×2cm程度の小さな面を発振点とする起振が可能となる。更に、シリンダの長さでボーリング孔軸方向のストロークを自由に設定できるため、打撃エネルギー発生部10の容量によって孔壁面を打撃するエネルギーの大きさを自由に調整することができる。
【0024】
この孔内起振源は、ボーリング孔径変化にも順応できる。その様子を図4に示す。掘削後のボーリング孔は、掘削後に時間が経過することにより、孔径が変化することがありえる。Aは孔径が掘削直後で設計仕様通りの場合であり、Bは孔壁の崩壊などで孔径が大きくなった場合である。ボーリング孔径が拡大した場合でも適切にボーリング孔の中心に位置し、加振ハンマーが孔壁面に当接する必要がある。加振ハンマー42に取り付けられている板バネ48と、2つの枢軸を備えている剛性回転コマ44と、該剛性回転コマ44を押し付けるコイルバネ52が、そのセントラライザー機能を果たしている。
【0025】
加振ハンマー42は、ボーリング孔内においては板バネ48とコイルバネ52により、その頭部が孔壁に押さえつけられた状態を維持する。Bに示すように、ボーリング孔径が拡大した場合は、コイルバネ52が剛性回転コマ44を前方に押す。その際、固定枢軸rを中心として各剛性回転コマ44が回転し、加振ハンマー42を外向きに押し出す。可動枢軸sで加振ハンマー42の向きも回転する。コイルバネ52と板バネ48とのバランスによって、加振ハンマー42は孔壁に対して垂直な姿勢を維持する。このような形で打撃ハンマー部12の外径が拡大する。この時、4個の剛性回転コマ44は同じように回転して外形が変形するため、ピストン22の打撃エネルギーは、各剛性回転コマ44を介して均等に各加振ハンマー42に伝わることになる。
【0026】
このように、本実施例では打撃ハンマー部12は、孔軸方向に2〜3cmの長さで円周方向で4方向を4個の加振ハンマー42により同時に打撃する機構を備えているので、できる限り孔壁面の円周方向にわたってまんべんなく打撃でき、数m程度の範囲におけるトモグラフィ調査を行う上でも限りなく点に近い発振点となり、あたかもボーリング孔内で発破をしたように円周方向に等しくエネルギーが放出される状態となるため、精度のよい調査が可能となる。
【0027】
なお、上記の実施例では4個の加振ハンマーを円周上で90°均等に配置する構成であるが、例えば3個の加振ハンマーを円周上で120°均等に配置する構成とすることも、あるいは8個の加振ハンマーを円周上で45°均等に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0028】
10 打撃エネルギー発生部
12 打撃ハンマー部
20 シリンダー
22 ピストン
40 回転リンク機構
42 加振ハンマー
44 剛性回転コマ
46 支持部材
48 板バネ
50 先端カバー
52 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気によりピストンを孔軸方向に駆動する打撃エネルギー発生部と、前記ピストンの孔軸方向の突出動作を利用して孔壁に打撃力を付与する打撃ハンマー部とを備えている孔内起振源において、
前記打撃ハンマー部は、ピストンの孔軸方向の突出動作による打撃力を孔軸に直交する方向に変換する回転リンク機構と、外向きにバネで付勢された状態で孔壁に圧着保持され前記回転リンク機構を介して加振される加振ハンマーとを具備し、それら回転リンク機構と加振ハンマーとの組み合わせを、複数、円周上で均等に配置し、前記打撃エネルギー発生部の単一のピストンにより各加振ハンマーを加振して孔軸に直交方向の孔壁面を円周方向の複数箇所で同時に直接打撃するようにしたことを特徴とする孔内起振源。
【請求項2】
加振ハンマーは、その頭部で、基端側を起振源躯体に固定し先端側を先端カバーに取り付けた孔軸方向に延びる板バネに固定され、前記加振ハンマーの向きが常に孔軸に直交する方向を維持するように外向きに付勢されて支えられている請求項1記載の孔内起振源。
【請求項3】
回転リンク機構は、平面的に見たときに直角な2辺を備えた板状の剛性回転コマと、その一方の辺の両端近傍に位置する固定枢軸と可動枢軸を有し、固定枢軸で起振源躯体に軸支され、可動枢軸では加振ハンマーの基端部を軸支し、他方の辺にピストンが衝突する構造になっている請求項1又は2記載の孔内起振源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−242340(P2011−242340A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116655(P2010−116655)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(505374783)独立行政法人日本原子力研究開発機構 (727)
【出願人】(597024522)サンコーコンサルタント株式会社 (14)
【Fターム(参考)】