説明

学習指導支援装置、学習指導支援システム、及び学習指導支援プログラム

【課題】指導者の指導状況を客観的に把握し、学習者の学習効果を高めることが可能な学習指導支援装置、学習指導支援システム、及び学習指導支援プログラムを提供すること。
【解決手段】指導者が学習者の学習指導を行う指導期間の、指導者の生体情報、及び当該生体情報に基づき推定されるその指導者の心理状態を表す情報の少なくとも一方を含む指導者情報、並びに、指導期間の、学習者の生体情報、及び当該生体情報に基づき推定されるその学習者の心理状態を表す情報の少なくとも一方を含む学習者情報を、指導期間とともに記憶した記憶装置を参照して、同じ指導期間の指導者情報及び学習者情報を取得する(S717)。S717において取得した指導者情報及び学習者情報を、対応付けて提示する(S730)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習指導支援装置、学習指導支援システム、及び学習指導支援プログラムに関し、さらに詳しくは、指導者が学習者を指導している指導期間の、指導者の指導状況及び学習者の学習状況をモニタして提示する学習指導支援装置、学習指導支援システム、及び学習指導支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、学校等の教育現場では、学習者の学習効果を高めることが求められている。学習者の学習効果を評価する場合、従来はテストによる方法が主であった。この評価方法では、学習者が学習課題を理解しているか否かの評価をすることが可能である。しかし、指導者が学習者を指導している指導期間の学習者の集中度等の学習状況を客観的に把握することはできない。そこで、指導期間における学習者の学習状況をより客観的に把握する、学習時状況判断プログラム及びユーザ状況判断システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このユーザ状況判断システムによれば、学習者の集中度等を含めた学習状況をリアルタイムに把握することができる。そして指導者はこの学習状況を適宜参照して、指導の改善を図ることが可能である。
【特許文献1】特開2004−229948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のユーザ状況判断システムでは、学習者の学習状況の把握に注力してしまい、指導者の指導状況を客観的に把握することが困難であった。このため、どのような指導を行えば、学習者の学習状況が改善され、学習者の学習効果を高めることができるかについては、把握することができなかった。指導者の指導状況が学習者の学習状況に与える影響を把握する手段として、例えば、学習者からアンケートをとることが考えられる。しかしこの方法では、アンケートの項目を指導者が作成することになるため、学習者から客観的な意見が得られない場合がある。また学校のように集団で学習する場合には、周りの学習者の意見に影響を受け、学習者自身の意見が反映されない虞があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、指導者の指導状況を客観的に把握し、学習者の学習効果を高めることが可能な学習指導支援装置、学習指導支援システム、及び学習指導支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の学習指導支援装置は、指導者が学習者の学習指導を行う指導期間の、当該指導者の生体情報、及び当該生体情報に基づき推定されるその指導者の心理状態を表す情報の少なくとも一方を含む指導者情報、並びに、前記指導期間の、前記学習者の生体情報、及び当該生体情報に基づき推定されるその学習者の心理状態を表す情報の少なくとも一方を含む学習者情報を、前記指導期間とともに記憶した記憶装置を参照して、同じ前記指導期間の前記指導者情報及び前記学習者情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報を、対応付けて提示する情報提示手段とを備えている。
【0006】
また、請求項2に係る発明の学習指導支援装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報について、当該指導者情報を分類したカテゴリ毎に、当該学習者情報を集計したテーブルを作成して提示することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明の学習指導支援装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報について、当該学習者情報を分類したカテゴリ毎に、当該指導者情報を集計したテーブルを作成して提示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明の学習指導支援装置は、請求項2又は3に記載の発明の構成に加え、前記カテゴリは、さらに、前記指導期間の教科毎に分類されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る発明の学習指導支援装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方に基づき、前記指導者と前記学習者との相性度を算出する相性度作成手段を備え、前記情報提示手段は、前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方として、前記相性度作成手段が作成した前記相性度を提示することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係る発明の学習指導支援装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報に基づき、前記指導者の指導状況が前記学習者に与える影響度を算出する影響度作成手段を備え、前記情報提示手段は、前記影響度作成手段が作成した前記影響度を提示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7に係る発明の学習指導支援装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記記憶装置を参照して、所定期間内に前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方が所定以上変化した場合を検出する変化検出手段を備え、前記情報取得手段は、前記変化検出手段により変化が検出された場合に、当該変化が検出された前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方を取得し、前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方を提示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に係る発明の学習指導支援システムは、指導者が学習者の学習指導を行う指導期間の、当該指導者の生体情報を取得する指導者生体情報取得手段と、前記指導期間の、前記学習者の生体情報を取得する学習者生体情報取得手段と、前記指導者生体情報取得手段により取得した前記指導者の生体情報、及び、その生体情報から推定されるその指導者の心理状態を示す情報の少なくとも一方を含む指導者情報と、前記学習者生体情報取得手段により取得した前記学習者の生体情報、及び、その生体情報から推定されるその学習者の心理状態を示す情報の少なくとも一方を含む学習者情報とを、前記指導期間と対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記指導者情報及び前記学習者情報のうち、同じ前記指導期間の前記指導者情報及び前記学習者情報を、前記記憶手段から取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報を、対応付けて提示する情報提示手段とを備えている。
【0013】
また、請求項9に係る発明の学習指導支援プログラムは、請求項1乃至7のいずれかに記載の学習指導支援装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明の学習指導支援装置によれば、同じ指導期間の指導者情報及び学習者情報を提示する。指導者情報は、指導者が学習者の学習指導を行う指導期間の、指導者の生体情報、及びその生体情報に基づき推定されるその指導者の心理状態の少なくとも一方を表す。同様に、学習者情報は、指導期間の学習者の生体情報、及びその生体情報に基づき推定されるその学習者の心理状態の少なくとも一方を表す。よって、例えば、指導者情報として指導者のストレス値、学習者情報として学習者の集中度を用いた場合、提示された情報により、指導者のストレス値が学習者の集中度に与える影響を把握することができる。また例えば、指導者情報として指導者の声の大きさ、学習者情報として学習者の集中度を用いた場合、提示された情報により、指導者の声の大きさが学習者の集中度に与える影響を把握することができる。このように、どのような指導を行った場合に、学習者の学習状況が良好な状態になり、学習効果を高めることができるかを客観的に分析することができる。したがって、指導者は自己の指導状況を客観的に把握し、指導状況を改善するための努力を集中的に行うことにより、より良い指導を実現し、学習者の学習効果を高めることが可能である。尚、指導状況とは、指導期間中の、指導者の姿勢、態度、話し方を含む指導の仕方、心理状態等を総合したものである。同様に、学習状況とは、指導期間中の学習者の姿勢、態度、話し方、心理状態等を総合したものである。
【0015】
請求項2に係る発明の学習指導支援装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、提示された情報に基づき、指導者の指導状況が、学習者の学習状況に与える影響を容易に把握することができる。
【0016】
請求項3に係る発明の学習指導支援装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、提示された情報に基づき、学習者の学習状況を改善させるために、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。
【0017】
請求項4に係る発明の学習指導支援装置によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果に加え、提示された情報に基づき、教科毎に、指導者の指導状況と学習者の学習状況との関係を容易に把握することができる。
【0018】
請求項5に係る発明の学習指導支援装置によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、指導者情報及び学習者情報の少なくとも一方として、指導者と学習者との相性度が提示される。相性度は、指導者情報及び学習者情報の少なくとも一方に基づき推定される。相性度が、学習者情報に基づき推定された場合には、相性度は学習者情報として提示される。同様に、相性度が、指導者情報に基づき推定された場合には、相性度は指導者情報として提示される。相性度が、指導者情報及び学習者情報に基づき推定された場合には、相性度は指導者情報及び学習者情報を対応付けた情報として提示される。即ち、相性度は、相性度を求めるために用いた情報として提示される。よって、提示される相性度に基づき、指導者と学習者との相性の善し悪しを客観的に把握できる。また相性度が通常よりも良い指導期間と相性度が通常よりも悪い指導期間とを比較した場合には、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。
【0019】
請求項6に係る発明の学習指導支援装置によれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、指導者の指導状況が学習者に与える影響度が提示される。影響度は、指導者情報及び学習者情報に基づき推定される。この影響度は、指導者情報及び学習者情報を対応付けた情報として提示される。よって、提示される影響度に基づき、指導者の指導状況が学習者に与える影響を客観的に把握できる。また通常よりも良い影響を与えている指導期間と、通常よりも悪い影響を与えている指導期間とを比較した場合には、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。
【0020】
請求項7に係る発明の学習指導支援装置によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、指導者情報及び学習者情報の少なくともいずれかが変化した場合を自動的に検出することができる。このため、指導者の指導状況又は学習者の学習状況の変化を確実に把握することができる。そして、指導者は、検出した変化に応じて指導状況を改善し、学習効果を高めることができる。また、変化があった時のみ通知させれば、逐一自分で指導者情報又は学習者情報をチェックする必要がない。
【0021】
請求項8に係る発明の学習指導支援システムによれば、同じ指導期間の指導者情報及び学習者情報を提示する。よって、例えば、指導者情報として指導者のストレス値、学習者情報として学習者の集中度を用いた場合、提示された情報により、指導者のストレス値が学習者の集中度に与える影響を把握することができる。また例えば、指導者情報として指導者の声の大きさ、学習者情報として学習者の集中度を用いた場合、提示された情報により、指導者の声の大きさが学習者の集中度に与える影響を把握することができる。このように、どのような指導を行った場合に、学習者の学習状況が良好な状態になり、学習効果を高めることができるかを客観的に分析することができる。したがって、指導者は自己の指導状況を客観的に把握し、指導状況を改善するための努力を集中的に行うことにより、より良い指導を実現し、学習者の学習効果を高めることが可能である。
【0022】
請求項9に係る発明の学習指導支援プログラムによれば、コンピュータに実行させることにより請求項1乃至7のいずれかに記載の学習指導支援装置の各種処理手段としての作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
<1.第1の実施形態>
以下、本発明を適用した一例として、第1〜第4の実施形態の学習指導支援システムを、図面を参照して順に説明する。まず、第1の実施形態の学習指導支援システム1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、学習指導支援システム1の構成を示す構成図である。尚、以下の説明において、学習者端末10のユーザを「学習者」と言う。また、指導者端末50のユーザを指導者と言う。
【0024】
図1に示すように、学習指導支援システム1は学習者端末10と、指導者端末50と、学習情報管理端末70と、センサ端末30,40,90とを備えている。そして、学習者端末10と、指導者端末50と、学習情報管理端末70とは、ネットワーク5を介して、相互に接続可能である。学習者端末10は、学習者が使用する、携帯用の端末である。学習者端末10には、センサ端末30,及びセンサ端末40が接続されている。一方、指導者端末50は、学習者を指導する指導者が使用する、携帯用の端末である。指導者端末50には、センサ端末90が接続されている。尚、図1には、学習者端末10と、指導者端末50と、学習情報管理端末70とが、それぞれ1つずつしか図示されていないが、これらの端末の数は適宜変更可能である。また、学習者端末10に接続するセンサ端末の数、及び指導者端末50に接続するセンサ端末の数も、適宜変更可能である。また、ネットワーク5は、複数の異なるネットワークを備えてもよい。例えば、学習者端末10と指導者端末50との間で行われる通信に利用されるネットワークとは別に、指導者端末50と学習情報管理端末70との間で行われる通信に利用されるネットワークが設けられていてもよい。
【0025】
次に、学習者端末10,及び学習者端末10に接続されているセンサ端末30,40の電気的構成について、図2を参照して説明する。図2は、学習者端末10,及び学習者端末10に接続されているセンサ端末30,40の電気的構成を示す概念図である。まず、学習者端末10の電気的構成について説明する。図2に示すように、学習者端末10は、バス17によって相互に接続されたCPU12,ROM13,RAM14,ハードディスク装置(HDD)20,入力装置15,表示装置16,及び通信用のI/F11を備えている。ROM13は、BIOS等、学習者端末10を動作させるための各種のプログラムを記憶しており、CPU12は、ROM13又はHDD20に記憶されたプログラムに従って、学習者端末10の動作を制御する。RAM14は、各種データを一時的に記憶するための記憶素子である。I/F11は、後述するセンサ端末30,40を含む外部機器との間でデータの送受信を行うためのものである。入力装置15は、学習者端末10に各種指示を入力するものである。入力装置15として、例えば、マウス等のポインティングデバイスや、キーボード、タッチパネルが用いられる。表示装置16として、例えば、液晶ディスプレイ、電気泳動表示パネルが用いられる。学習者端末10は、必要に応じて図示外の計時装置を備える。計時装置は、時間の記録や、時間の計測に用いられる。
【0026】
ここで、図2を参照して、HDD20が備える記憶エリアについて説明する。図2に示すように、HDD20は、プログラム記憶エリア21,生体情報記憶エリア22,心理情報記憶エリア23,その他の情報記憶エリア24を含む複数の記憶エリアを備えている。プログラム記憶エリア21には、後述するメイン処理を含む各種処理を学習者端末10に実行させるための各種プログラムが記憶されている。生体情報記憶エリア22には、センサ端末30,40から送信された、学習者の生理情報が記憶されている。具体的には、図5を参照して後述するテーブル100,及び図6を参照して後述するテーブル110が記憶されている。心理情報記憶エリア23には、学習者情報として、学習者の心理情報が記憶されている。学習者の心理情報は、生体情報記憶エリア22に記憶されている、学習者の生理情報に基づき求められる。具体的には、心理情報記憶エリア23には、図11を参照して後述するテーブル140が記憶されている。その他の情報記憶エリア24には、後述するメイン処理を含む各種処理の実行時に用いる設定値等が記憶されている。
【0027】
次に、センサ端末30の電気的構成を、図2を参照して説明する。センサ端末30は、学習者の生体情報を取得するセンサ38,39を備える携帯型の端末である。図1に示すように、センサ端末30は、バス37によって相互に接続されたCPU32,ROM33,RAM34,入力装置35,及び通信用のI/F31を備えている。ROM33は、センサ端末30を動作させるための各種のプログラムを記憶しており、CPU32は、ROM33に記憶されたプログラムに従って、センサ端末30の動作を制御する。RAM34は、各種データを一時的に記憶するための記憶素子である。I/F31は、学習者端末10との間でデータの送受信を行うためのものである。入力装置35は、センサ38,39からセンシングデータを受信するものである。センサ38,39は、学習者の心拍データを計測するセンサである。より具体的には、センサ38,39は、学習者の毛細血管に赤外線を照射し、その反射量に基づき、へモグラビン量を測定する。そしてセンサ端末30では、測定したヘモグロビン量の増減に基づき、ヘモグロビン量のピーク値の間隔(秒)を、心拍データとして算出する。
【0028】
次に、センサ端末40の電気的構成を、図2を参照して説明する。センサ端末40が備える各構成は、センサ端末30が備える構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。センサ端末40は、学習者の生体情報を取得するセンサ48,49を備える携帯型の端末である。センサ端末40は、バス47によって相互に接続されたCPU42,ROM43,RAM44,入力装置45,及び通信用のI/F41を備えている。センサ48,49は、学習者の皮膚表面温度を計測するセンサである。
【0029】
尚、上記センサ端末30,40が備えるセンサ38,39,48,49の種類は、生体情報に応じて適宜変更可能である。センサ端末30,40が備えるセンサ38,39,48,49は、学習者の手首、手、耳等の学習者の体の一部、学習者が座る椅子等の学習者が接触する物、又は学習者の周囲に取り付けられる。
【0030】
次に、指導者端末50,及び指導者端末50に接続されているセンサ端末90の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、指導者端末50,及び指導者端末50に接続されているセンサ端末90の電気的構成を示す概念図である。まず、指導者端末50の電気的構成について説明する。図3に示すように、指導者端末50は、学習者端末10と同様な構成を有する。よって、詳細な説明は省略する。指導者端末50は、バス57によって相互に接続されたCPU52,ROM53,RAM54,ハードディスク装置(HDD)60,入力装置55,表示装置56,及び通信用のI/F51を備えている。指導者端末50は、必要に応じて図示外の計時装置を備える。計時装置は、時間の記録や、時間の計測に用いられる。
【0031】
ここで、図3を参照して、HDD60が備える記憶エリアについて説明する。図3に示すように、HDD60は、プログラム記憶エリア61,生体情報記憶エリア62,授業情報記憶エリア63,その他の情報記憶エリア64を含む複数の記憶エリアを備えている。プログラム記憶エリア61には、後述するメイン処理を含む各種処理を指導者端末50に実行させるための各種プログラムが記憶されている。生体情報記憶エリア62には、センサ端末90から送信された指導者の生体情報が記憶されている。具体的には、図19を参照して後述するテーブル210,及び図20を参照して後述するテーブル220が記憶されている。授業情報記憶エリア63には、授業情報テーブルが記憶されている。授業情報テーブルには、指導期間の学習者情報及び指導者情報が含まれる。指導期間は、授業開始時刻から授業終了時刻までの期間である。学習者情報は、学習者端末10から送信される。一方指導者情報は、生体情報記憶エリア62に記憶されている指導者の生体情報に基づき算出される。具体的には、授業情報記憶エリア63には、図17を参照して後述するテーブル200が記憶されている。その他の情報記憶エリア64には、後述するメイン処理を含む各種処理の実行時に用いる設定値等が記憶されている。
【0032】
次に、センサ端末90の電気的構成を、図3を参照して説明する。センサ端末90が備える各構成は、図2に示すセンサ端末30が備える構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。センサ端末90は、学習者の生体情報を取得するセンサ98,99を備える携帯型の端末である。センサ端末90は、学習者の生体情報を取得するセンサ98,99を備える携帯型の端末である。センサ端末40は、バス47によって相互に接続されたCPU92,ROM93,RAM94,入力装置95,及び通信用のI/F91を備えている。センサ98,99は、指導者の声量、及び、話す速さ(単位時間当たりの語数)を計測するセンサである。
【0033】
尚、センサ端末30,40と同様、センサ端末90が備えるセンサ98,99の種類は、生体情報に応じて適宜変更可能である。センサ端末90が備えるセンサ98,99は、指導者の手首、手、耳等の指導者の体の一部、指導者が座る椅子等の指導者が接触する物、又は指導者の周囲に取り付けられる。
【0034】
次に、学習情報管理端末70の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、学習情報管理端末70の電気的構成を示す概念図である。学習情報管理端末70は、所謂パーソナルコンピュータであり、汎用型の装置である。この学習情報管理端末70は、本発明の学習指導支援装置としての機能を有する。図4に示すように、学習情報管理端末70は、バス77によって相互に接続されたCPU72,ROM73,RAM74,ハードディスク装置(HDD)80,入力装置75,表示装置76,及び通信用のI/F71を備えている。ROM73は、BIOS等、学習者端末10を動作させるための各種のプログラムを記憶しており、CPU72は、ROM73又はHDD80に記憶されたプログラムに従って、学習情報管理端末70の動作を制御する。RAM74は、各種データを一時的に記憶するための記憶素子である。I/F71は、指導者端末50,及び学習者端末10を含む外部機器との間でデータの送受信を行うためのものである。入力装置75は、学習情報管理端末70に各種指示を入力するものである。表示装置76として、例えば、液晶ディスプレイ、電気泳動表示パネルが用いられる。学習情報管理端末70は、必要に応じて図示外の計時装置を備える。計時装置は、時間の記録や、時間の計測に用いられる。
【0035】
ここで、図4を参照して、HDD80が備える記憶エリアについて説明する。図4に示すように、HDD80は、プログラム記憶エリア81,学習情報記憶エリア82,その他の情報記憶エリア83を含む複数の記憶エリアを備えている。プログラム記憶エリア81には、後述するメイン処理を含む各種処理を学習情報管理端末70に実行させるための各種プログラムが記憶されている。学習情報記憶エリア82には、学習情報テーブルが記憶されている。学習情報テーブルには、複数の指導者端末50から、送付された授業情報テーブルが記憶されている。具体的には、学習情報記憶エリア82には、図27を参照して後述するテーブル300が記憶されている。その他の情報記憶エリア83には、後述するメイン処理を含む各種処理の実行時に用いる設定値等が記憶されている。
【0036】
次に、第1の実施形態として、上述の構成を有する学習指導支援システム1において実行される処理について図面を参照して説明する。まず、図5〜図11を参照して、学習者端末10において実行される処理について説明する。次に、図12及び図13を参照して、センサ端末30及びセンサ端末40において実行される処理について説明する。次に、図14〜図22を参照して、指導者端末50において実行される処理について説明する。次に、図23及び図24を参照して、センサ端末90において実行される処理について説明する。次に、図25〜図34を参照して、学習情報管理端末70において実行される処理について説明する。
【0037】
まず、図5〜図11を参照して、学習者端末10において実行される処理について説明する。図5は、学習者端末10において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。図6は、図5に示すメイン処理において起動される学習者生体情報受信制御処理の流れを示すフローチャートである。図7は、図6に示す学習者生体情報受信制御処理において起動される学習者生体情報受信処理の流れを示すフローチャートである。図8は、生体情報記憶エリア22に記憶されたテーブル100を例示する説明図である。図9は、生体情報記憶エリア22に記憶されたテーブル110を例示する説明図である。図10は、図7に示す学習者生体情報受信処理において実行される学習者心理状態推論処理の流れを示すフローチャートである。図11は、心理情報テーブルを例示する説明図である。尚、図5〜図7,及び図10に示す各処理を実行させるプログラムは、HDD20のプログラム記憶エリア21に記憶されており、図2に示すCPU12により実行される。
【0038】
学習者端末10において実行される処理の内、まず、学習者端末10のメイン処理を、図5を参照して説明する。学習者端末10の電源がONにされると、CPU12は、図5に示すメイン処理を起動し、初期化を行う(S5)。続いて、学習者生体情報受信制御処理を起動させる(S10)。学習者生体情報受信制御処理では、センサ端末30,40から学習者の生体情報を取得する処理の開始、及び終了を制御する処理が実行される。この学習者生体情報受信制御処理の詳細は、図6を参照して後述する。続いて、電源がOFFにされるまで待機する(S15:No)。電源がOFFにされた場合には(S15:Yes)、学習者端末10において起動中の全処理を停止させ(S20)、メイン処理を終了する。
【0039】
以上のように、図2に示すCPU12は、学習者端末10のメイン処理を実行する。次に、学習者生体情報受信制御処理について、図6を参照して説明する。学習者生体情報受信制御処理は、図5に示すメイン処理のS10において起動されてから、S20において停止されるまで、繰り返し実行される。
【0040】
図6に示すように、学習者生体情報受信制御処理では、まず、CPU12は、開始通知を受信したか否かを判断する(S25)。開始通知は、学習者の生体情報を取得する処理を実行させることを指示する通知である。この開始通知は、図15を参照して後述するように、指導者端末50から、学習者端末10,及びセンサ端末30,40,90に送信される。開始通知を受信した場合には(S25:Yes)、続いて、学習者生体情報受信処理を起動させる(S35)。学習者生体情報受信処理では、センサ端末30,40から送信される学習者の生体情報を取得する処理が実行される。この学習者生体情報受信処理の詳細は、図7を参照して後述する。一方、開始通知を受信していない場合には(S25:No)、続いて、終了通知を受信したか否かを判断する(S30)。終了通知は、学習者の生体情報を取得する処理を終了させることを指示する通知である。この終了通知は、図15を参照して後述するように、指導者端末50から学習者端末10,及びセンサ端末30,40,90に送信される。終了通知を受信していない場合には(S30:No)、続いて、S25に戻り処理を繰り返す。終了通知を受信した場合には(S30:Yes)、学習者生体情報受信処理を停止させる(S40)。S35,又はS40に続いて、S25に戻り処理を繰り返す。
【0041】
以上のように、図2に示すCPU12は、学習者生体情報受信制御処理を実行する。次に、学習者生体情報受信処理について、図7を参照して説明する。学習者生体情報受信処理は、図6に示す学習者生体情報受信制御処理のS35において起動されてから、S40において停止されるまで、繰り返し実行される。
【0042】
図7に示すように、学習者生体情報受信処理では、まず、センサ端末30,又はセンサ端末40から、学習者の生体情報を受信するまで待機する(S50:No)。図13を参照して後述するように、センサ端末30,40では、所定期間毎に、学習者の生体情報を学習者端末10に送信する処理が実行される。センサ端末30,又はセンサ端末40では、学習者の生体情報とともに、生体情報の取得期間を学習者端末10に送信する。学習者の生体情報を受信した場合には(S50:Yes)、受信した学習者の生体情報を、取得期間とともに、生体情報記憶エリア22に記憶させる(S55)。第1の実施形態では、センサ端末30から受信した心拍データを(S50:Yes)、図8に示すテーブル100に記憶させる(S55)。また、センサ端末40から受信した皮膚表面温度を(S50:Yes)、図9に示すテーブル110に記憶させる(S55)。
【0043】
続いて、学習者の心理状態を推定するのに必要な生体情報を受信したか否かを判断する(S60)。第1の実施形態では、学習者の心拍データ及び皮膚表面温度を用いて、学習者のストレス値を算出する。よって、学習者の生体情報として、学習者の心拍データ及び皮膚表面温度のいずれかを受信していない場合には(S60:No)、S50に戻り処理を繰り返す。一方、学習者の生体情報として、学習者の心拍データ及び皮膚表面温度の双方を受信した場合には(S60:Yes)、続いて、学習者心理状態推論処理を実行する(S65)。この学習者心理状態推論処理では、学習者の心拍データ及び皮膚表面温度を用いて、学習者のストレス値を算出する。この学習者心理状態推論処理は、図10を参照して後述する。S65に続いて、S50に戻り処理を繰り返す。
【0044】
以上のように、図2に示すCPU12は、学習者生体情報受信処理を実行する。次に、図7に示す学習者生体情報受信処理において実行される、学習者心理状態推論処理について、図10を参照して説明する。
【0045】
図10に示すように、学習者心理状態推論処理では、まず、CPU12は、学習者の生体情報に基づき、学習者の心理状態を推論する(S70)。学習者の生体情報に基づき、学習者の心理状態を推論する処理は、公知の方法を採用可能である。第1の実施形態では、S50において受信した学習者の生体情報と、生体情報と心理状態との対応関係を記憶したテーブルとを参照して、学習者の心理状態を示す数値を心理情報として求める。対応関係を記憶したテーブルは、その他の情報記憶エリア24に記憶されている。この処理において、例えば、図8に示すデータ101と、図9に示すデータ111とから、図11に示すデータ121が算出される。このストレス値は、1〜10の10段階で求められる値であり、値が大きいほど、値が小さい場合に比べ、ストレスが大きいと推定される状態であることを表す。心理情報は、図11に示すように、心理情報を算出するのに用いた生体情報の取得日時とともに、心理情報記憶エリア23に記憶される。
【0046】
続いて、CPU12は、S70において求めた学習者の心理情報を、取得日時、及び学習者端末10を使用する学習者の識別情報とともに、指導者端末50に送信する。(S75)。この処理では、図6に示す学習者生体情報受信制御処理のS25において受信した開始通知を送信した指導者端末50に、心理情報を送信する。指導者端末50のアドレス情報は、その他の情報記エリア24に記憶されている。続いて、学習者心理状態推論処理を終了し、図7に示す学習者生体情報受信処理に戻る。以上のように、図2に示すCPU12は、学習者心理状態推論処理を実行する。
【0047】
次に、センサ端末30,40のメイン処理について、図12及び図13を参照して説明する。センサ端末30,40では、同様なメイン処が実行される。よって、センサ端末30で実行されるメイン処理について説明し、センサ端末40のメイン処理については説明を省略する。図12は、センサ端末30のメイン処理の流れを示すフローチャートである。図13は、図12に示すメイン処理において起動される学習者生体情報取得処理の流れを示すフローチャートである。尚、図12及び図13に示す各処理を実行させるプログラムは、ROM33(図2参照)に記憶されており、図2に示すCPU32が実行する。
【0048】
図12に示すように、センサ端末30の電源がONにされると、CPU32はメイン処理を起動させ、初期化を行う(S105)。この処理において、「生体情報送信間隔」に10秒をセットし、RAM34に記憶させる。生体情報送信間隔は、生体情報をセンサ端末30と接続されている学習者端末10に送信する時間間隔である。また、「サンプリング間隔」に、生体情報に応じた時間をセットし、RAM34に記憶させる。サンプリング間隔は、生体情報を取得する間隔である。第1の実施形態では、生体情報として心拍データを取得するセンサ端末30の場合、サンプリング間隔に10ミリ秒をセットする。また、生体情報として皮膚表面温度を取得するセンサ端末40の場合、サンプリング間隔に10秒をセットする。生体情報送信間隔及びサンプリング間隔は、予め設定され、ROM33に記憶されている。尚、生体情報送信間隔及びサンプリング間隔は、適宜変更可能である。
【0049】
続いてCPU32は、学習者生体情報取得処理を起動させる(S110)。この処理において起動される学習者生体情報取得処理では、サンプリング間隔毎に、学習者の生体情報を取得する処理が実行される。この学習者生体情報取得処理の詳細は、図13を参照して後述する。続いて、電源がOFFにされるまで待機する(S115:No)。電源がOFFにされた場合には(S115:Yes)、センサ端末30において起動中の全処理を停止させ(S120)、メイン処理を終了する。以上のように、図2に示すCPU32は、センサ端末30のメイン処理を実行する。
【0050】
次に、図12に示す、センサ端末30のメイン処理において起動される、学習者生体情報取得処理について、図13を参照して説明する。図13に示すように、学習者生体情報取得処理ではまず、開始通知を受信したか否かを判断する(S150)。前述のように、この開始通知は指導者端末50から送信される。開始通知を受信していない場合には(S150:No)、続いて、S150に戻り処理を繰り返す。一方、開始通知を受信した場合(S150:Yes)、続いて、生体情報送信タイマをスタートさせる(S155)。生体情報送信タイマは、生体情報送信間隔に従い生体情報を学習者端末10に送信するのに用いられる。続いて、サンプリングタイマをスタートさせる(S160)。サンプリングタイマは、サンプリング間隔に従い、生体情報を取得するのに用いられる。生体情報送信タイマ、及びサンプリングタイマは、別途実行されるプログラムにより、所定時間毎(例えば、1ミリ秒毎)にカウントアップされ、タイマをスタートさせてからの経過時間がRAM34に記憶される。
【0051】
続いて、CPU32は、サンプリングタイマを参照し、S160においてサンプリングタイマをスタートさせてから、サンプリング間隔を経過しているか否かを判断する(S165)。サンプリング間隔を経過していない場合(S165:No)、続いて、終了通知を受信していなければ(S170:No)、S165に戻り、サンプリング間隔を経過するまで待機する。終了通知は、前述のように、指導者端末50から送信される。終了通知を受信した場合には(S170:Yes)、RAM34に記憶されているセンシングデータを削除する(S205)。RAM34に記憶されているセンシングデータは、開始通知を受信してから(S150:Yes)、終了通知を受信するまで(S170:Yes)に取得されたセンシングデータである。続いて、S150に戻り処理を繰り返す。
【0052】
S165において、サンプリング間隔を経過している場合には(S165:Yes)、センサ38,39からセンシングデータを取得し、RAM34に記憶させる(S175)。続いて、生体情報送信タイマを参照し、S155において生体情報送信タイマをスタートさせてから、生体情報送信間隔を経過しているか否かを判断する(S180)。生体情報送信間隔を経過していない場合(S180:No)、終了通知を受信していなければ(S210:No)、S160に戻り処理を繰り返す。一方、終了通知を受信した場合には(S210:Yes)、続いて、S205と同様に、センシングデータを削除し(S215)、S150に戻り処理を繰り返す。
【0053】
S180において、生体情報送信タイマをスタートさせてから、生体情報送信間隔を経過している場合には(S180:Yes)、RAM34に記憶されているセンシングデータに基づき生体情報を算出する(S185)。センサ端末30では、センシングデータから心拍データを算出する。センサ端末40では、生体情報送信間隔と、サンプリング間隔とが等しいので、S175において記憶したセンシングデータをそのまま生体情報とする。続いて、S185において算出した生体情報を取得日時とともに、学習者端末10に送信する(S190)。この処理により、処理を実行しているセンサ端末30と接続している学習者端末10に、生体情報が送信される。取得日時は生体情報を求めるためのセンシングデータを取得し始めた時刻から、取得し終えた時刻までの期間で表される。センシングデータを取得し始めた時刻は、S160においてサンプリングタイマをスタートさせた時刻である。センシングデータを取得し終えた時刻は、S180においてサンプリングタイマをスタートさせた時刻を経過したと判断された時刻である。続いて、終了通知を受信していなければ(S200:No)、S155に戻り処理を繰り返す。一方、終了通知を受信した場合には(S200:Yes)、続いて、前述のS205の処理を行った後、S150に戻り処理を繰り返す。以上のように、図2に示すCPU32は、学習者生体情報取得処理を実行する。
【0054】
次に、図14〜図22を参照して、指導者端末50において実行される処理について説明する。図14は、指導者端末50のメイン処理の流れを示すフローチャートである。図15は、図14に示すメイン処理において起動される、授業開始・終了判断処理の流れを示すフローチャートである。図16は、図15に示す授業開始・終了判断処理において起動される学習者心理情報受信処理の流れを示すフローチャートである。図17は、授業情報テーブルを例示する説明図である。図18は、図15に示す授業開始・終了判断処理において起動される指導者生体情報受信処理の流れを示すフローチャートである。図19は、生体情報記憶エリア62に記憶されている声量テーブルを例示する説明図である。図20は、生体情報記憶エリア62に記憶されている発言語数テーブルを例示する説明図である。図21は、図18に示す指導者生体情報受信処理において実行される指導タイプ推論処理の流れを示すフローチャートである。図22は、生体情報と、指導タイプとを対応付けるテーブルを例示する説明図である。尚、図14〜図16,図18,及び図21に示す各処理を実行させるプログラムは、HDD60のプログラム記憶エリア61に記憶されており、図3に示すCPU52により実行される。
【0055】
指導者端末50において実行される処理の内、まず、指導者端末50のメイン処理を、図14を参照して説明する。指導者端末50の電源がONにされると、CPU52は、図14に示すメイン処理を起動し、初期化を行う(S305)。続いて、授業開始・終了判断処理を起動させる(S310)。授業開始・終了判断処理では、その他の情報記憶エリア64に記憶されている時間割テーブルを参照して、授業中であるか否かを判断する処理が実行される。そして、現在時刻が授業開始時刻である場合には、学習者及び指導者の生体情報を取得する処理を開始させる処理を実行する。また、現在時刻が授業終了時刻である場合には、学習者及び指導者の生体情報を取得する処理を終了させる処理を実行する。この授業開始・終了判断処理の詳細は、図15を参照して後述する。続いて、電源がOFFにされるまで待機する(S315:No)。電源がOFFにされた場合には(S315:Yes)、指導者端末50において起動中の全処理を停止させ(S320)、メイン処理を終了する。以上のように、図3に示すCPU52は、指導者端末50のメイン処理を実行する。
【0056】
次に、授業開始・終了判断処理について、図15を参照して説明する。この授業開始・終了判断処理は、図14に示すメイン処理のS310において起動されてから、S320において停止されるまでの間、繰り返し実行される。
【0057】
図15に示すように、授業開始・終了判断処理では、まず、CPU52は、初期化処理を実行する(S350)。続いて、現在時刻が授業開始時刻であるか否かを判断する(S355)。現在時刻は、計時装置(図示せず)から取得する。授業開始時刻は、その他の情報記憶エリア64に記憶されている時間割テーブルから取得する。時間割テーブルには、指導者が指導を行う授業の授業開始時刻及び授業終了時刻が含まれる。現在時刻が授業開始時刻ではない場合(S355:No)の処理は後述する。一方、現在時刻が授業開始時刻である場合(S355:Yes)、続いて、開始通知を、学習者端末10,及びセンサ端末30,40,90に送信する(S360)。この処理により、指導者が指導を行う授業に参加する学習者が使用する学習者端末10に開始通知が送信される。指導者が指導を行う授業に参加する学習者は、その他の情報記憶エリア64に、時間割テーブルと対応付けて記憶されている。また、指導者が指導を行う授業に参加する学習者が使用する学習者端末10に接続しているセンサ端末30,40に、開始通知が送信される。また、処理を実行している指導者端末50に接続されているセンサ端末90に開始通知が送信される。学習者が使用する学習者端末10,及びセンサ端末30,40,90のアドレス情報は、その他の情報記憶エリア64に記憶されている。続いて、学習者心理情報受信処理を起動させる(S365)。学習者心理情報受信処理では、学習者端末10から送信される学習者の心理情報を受信する処理が実行される。この学習者心理情報受信処理の詳細は、図16を参照して後述する。続いて、指導者生体情報受信処理を起動する(S370)。指導者生体情報受信処理では、センサ端末90から、指導者の生体情報を受信する処理が実行される。この指導者生体情報受信処理の詳細は、図18を参照して後述する。続いて、S355に戻り処理を繰り返す。
【0058】
S355において、現在時刻が授業開始時刻ではない場合(S355:No)、続いて、現在時刻が授業終了時刻であるか否かを判断する(S375)。授業終了時刻は、その他の情報記憶エリア64に記憶されている時間割テーブルから取得する。現在時刻が授業終了時刻ではない場合(S375:No)、S355に戻り処理を繰り返す。一方、現在時刻が授業終了時刻である場合(S375:Yes)、終了通知を、学習者端末10,及びセンサ端末30,40,90に送信する(S380)。この処理において、終了通知を送信する学習者端末10,及びセンサ端末30,40,90は、S360において開始通知の送信先と同様である。この処理により、学習者端末10において、開始通知が受信されてから、終了通知が受信されるまでの期間、図7に示す学習者生体情報受信処理を実行させることができる。同様に、図13に示す学習者生体情報取得処理において、開始通知が受信されてから、終了通知が受信されるまでの期間、学習者の生体情報を取得する処理を実行させることができる。また、図18を参照して後述する指導者生体情報取得処理において、開始通知が受信されてから、終了通知が受信されるまでの期間、指導者の生体情報を取得する処理を実行させることができる。よって、指導期間内に学習者及び指導者の生体情報を取得することができる。
【0059】
続いて、学習者心理情報受信処理を停止させる(S385)。続いて、指導者生体情報受信処理を停止させる(S390)。続いて、授業情報記憶エリア63に記憶されている授業情報テーブルを、学習情報管理端末70に送信する(S395)。学習情報管理端末70のアドレス情報は、その他の情報記憶エリア64に記憶されている。第1の実施形態の授業情報テーブルについては、図17を参照して後述する。続いて、S355に戻り処理を繰り返す。以上のように、図3に示すCPU52は、授業開始・終了判断処理を実行する。
【0060】
次に、学習者心理情報受信処理について、図16を参照して説明する。この学習者心理情報受信処理は、図15に示す授業開始・終了判断処理のS365において起動されてから、S385において停止されるまでの間、繰り返し実行される。
【0061】
図16に示すように、学習者心理情報受信処理では、まず、CPU52は、学習者端末10から送信された学習者の心理情報を受信したか否かを判断する(S400)。学習者の心理情報は、図10を参照して前述の学習者心理状態推論処理のS75において、学習者端末10から送信される。より具体的には、図15に示す授業開始・終了判断処理のS360において指導者端末50が開始通知を送信した学習者端末10から、学習者の心理情報が送信される。この心理情報には、取得日時と、学習者の識別情報とが付随している。心理情報を受信していない場合には(S400:No)、心理情報を受信するまで待機する。一方、心理情報を受信した場合には(S400:Yes)、受信した心理情報を、授業情報記憶エリア63に記憶させる(S405)。
【0062】
第1の実施形態では、図17に示すテーブル200に示すように、学習者の心理情報が、取得日時、及び学習者毎に分類して記憶される。図17に示すように、テーブル200は、取得日時201,指導者名202,指導タイプ203,学習者のストレス値204を備える。指導者名202には、指導者端末50を使用する指導者を識別する情報が記憶される。指導タイプ203には、センサ端末90から取得した指導者の生体情報に基づき、指導者の話し方をA〜Jに分類した情報が記憶される。この指導タイプの算出方法については、図21を参照して後述する。学習者のストレス値204には、学習者端末10から取得した学習者の心理情報が、学習者を識別する情報毎に記憶される。取得日時201は、指導タイプ203を求める際に用いた生体情報の取得日時、及び学習者のストレス値204を求める際に用いた取得日時が記憶される。この取得日時201に基づき、同じ指導期間の指導タイプ203と、学習者のストレス値204とが対応付けられる。S405に続いて、CPU52は、S400に戻り処理を繰り返す。以上のように、CPU52は、学習者心理情報受信処理を実行する。
【0063】
次に、指導者生体情報受信処理について、図18を参照して説明する。この指導者生体情報受信処理は、図15に示す授業開始・終了判断処理のS370において起動されてから、S390において停止されるまでの間、繰り返し実行される。
【0064】
図18に示すように、指導者生体情報受信処理では、まず、CPU52は、センサ端末90から送信された指導者の生体情報を受信するまで待機する(S450:No)。指導者の生体情報を受信した場合(S450:Yes)、続いて、受信した生体情報を、生体情報記憶エリア62のテーブルに記憶させる(S455)。第1の実施形態では、指導タイプを算出するのに用いる生体情報として、取得期間中の指導者の声量の平均値と、指導者の話す速さとが、センサ端末90から送信される。声量の平均値を受信した場合、声量の平均値は、取得日時とともに、図19に示すテーブル210に記憶される。話す速さ(単位時間当たりの発言語数)を受信した場合、話す速さは、取得日時とともに、図20に示すテーブル220に記憶される。
【0065】
続いて、指導タイプを算出するのに用いる生体情報を全て受信したか否かを判断する(S460)。第1の実施形態では、声量の平均値、及び話す速さのいずれかを受信していない場合には(S460:No)、S450に戻り処理を繰り返す。一方、声量の平均値、及び話す速さの双方を受信した場合には(S460:Yes)、指導タイプ推論処理を実行する。指導タイプ推論処理では、S450において受信した指導者の生体情報に基づき、指導者の話し方をA〜Jに分類する処理が実行される。この指導タイプ推論処理の詳細については、図21を参照して後述する。続いて、S450に戻り処理を繰り返す。以上のように、CPU52は、指導者生体情報受信処理を実行する。
【0066】
次に、図18に示す指導者生体情報受信処理において実行される指導タイプ推論処理について、図21を参照して説明する。図21に示すように、指導タイプ推論処理では、まず、CPU52は、指導者の生体情報に基づき、指導者の指導タイプを推論する。指導者の生体情報に基づき、指導者の指導タイプを推論する処理は、公知の方法を採用可能である。第1の実施形態では、図22に示すテーブル230と、テーブル210,220に記憶されている生体情報とを比較して、指導タイプを求める。テーブル230は、指導者の生体情報と、指導タイプとを対応付けたテーブルである。例えば、CPU52は、データ211,及びデータ221と、テーブル230とを比較して、指導タイプ「A」を求める。続いて、S480において求めた指導タイプを、授業情報記憶エリア63に記憶させる(S485)。データ211,及びデータ221に基づき求めた、指導タイプ「A」は、図17のデータ205の指導タイプ203に記憶される。続いて、指導タイプ推論処理を終了し、図18に示す指導者生体情報受信処理に戻る。以上のように、CPU52は、指導者生体情報受信処理を実行する。
【0067】
次に、図23及び図24を参照して、センサ端末90において実行される処理について説明する。図23は、センサ端末90のメイン処理の流れを示すフローチャートである。図24は、図23のメイン処理において起動される指導者生体情報取得処理の流れを示すフローチャートである。尚、図23及び図24に示す各処理を実行させるプログラムは、ROM93(図3参照)に記憶されており、図3に示すCPU92が実行する。
【0068】
センサ端末90において実行される処理うち、まず、センサ端末90のメイン処理について、図23を参照して説明する。図23に示すように、センサ端末90の電源がONにされると、CPU92は、メイン処理を起動させ、初期化を行う(S505)。この処理において、「生体情報送信間隔」に30秒をセットし、RAM94に記憶させる。生体情報送信間隔は、予め設定され、ROM93に記憶されている。尚、生体情報送信間隔は、適宜変更可能である。
【0069】
続いてCPU92は、指導者生体情報取得処理を起動させる(S510)。この処理において起動される指導者生体情報取得処理では、生体情報送信間隔毎に、指導者の生体情報を送信する処理が実行される。この指導者生体情報取得処理の詳細は、図24を参照して後述する。続いて、電源がOFFにされるまで待機する(S515:No)。電源がOFFにされた場合には(S515:Yes)、センサ端末90において起動中の全処理を停止させ(S520)、メイン処理を終了する。以上のように、図3に示すCPU92は、センサ端末90のメイン処理を実行する。
【0070】
次に、図23に示す、センサ端末90のメイン処理において起動される、指導者生体情報取得処理について、図24を参照して説明する。図24に示すように、指導者生体情報取得処理ではまず、CPU92は、開始通知を受信したか否かを判断する(S530)。この開始通知は、図15を参照して前述したように、指導者端末50から送信される。開始通知を受信していない場合には(S530:No)、続いて、S530に戻り、開始通知を受信するまで待機する。一方、開始通知を受信した場合(S530:Yes)、続いて、生体情報送信タイマをスタートさせる(S535)。生体情報送信タイマは、生体情報送信間隔に従い生体情報を指導者端末50に送信するためのタイマである。この生体情報送信タイマは、別途実行されるプログラムにより、所定時間毎(例えば、1ミリ秒毎)にカウントアップされ、タイマをスタートさせてからの経過時間がRAM94に記憶される。
【0071】
続いて、CPU92は、録音をスタートさせる(S540)。指導者の声が録音され、RAM94に記憶される。続いて、S535において生体情報送信タイマをスタートさせてから、生体情報送信間隔を経過しているか否かを判断する(S545)。生体情報送信間隔を経過していない場合(S545:No)、終了通知を受信していなければ(S575:No)、S545に戻り、生体情報送信間隔を経過するまで待機する。一方、終了通知を受信した場合には(S575:Yes)、続いて、録音を停止させ(S565)、RAM94の録音データを削除する(S570)。続いて、S530に戻り処理を繰り返す。
【0072】
S545において、生体情報送信間隔を経過している場合には(S545:Yes)、RAM94に記憶されている録音データに基づき生体情報を算出する(S550)。センサ端末90では、録音データから声量の平均値及び話す速さを算出する。録音データから声量の平均値及び話す速さを算出する方法は、公知の方法を採用可能である。算出に用いられる録音データは、取得開始時刻から取得終了時刻までに録音されたデータである。取得開始時刻は、S540において録音をスタートさせた時刻である。取得終了時刻は、S545において生体情報送信間隔を経過したと判断された時刻である。続いて、S550において求めた生体情報を、取得日時とともに、指導者端末50に送信する(S555)。この処理により、S530において受信した開始通知を送信した指導者端末50に、指導者の生体情報が送信される。取得日時は、取得開始時刻から取得終了時刻までの期間である。続いて、終了通知を受信していなければ(S560:No)、S535に戻り処理を繰り返す。一方、終了通知を受信した場合には(S560:Yes)、続いて、前述のS565,S570の処理を行った後、S530に戻り処理を繰り返す。以上のように、図2に示すCPU92は、指導者生体情報取得処理を実行する。
【0073】
次に、学習情報管理端末70において実行される処理について、図25〜図34を参照して説明する。図25は、学習情報管理端末70のメイン処理の流れを示すフローチャートである。図26は、図25に示すメイン処理において起動される授業情報受信処理の流れを示すフローチャートである。図27は、学習情報テーブルを例示する説明図である。図28は、図25に示すメイン処理において起動される相性度表示処理の流れを示すフローチャートである。図29は、学習者のストレス値と、学習者と、指導者との相性度の対応関係を例示する説明図である。図30〜図32及び図34は、図28に示す相性度表示処理において出力されるテーブルを例示する説明図である。図33は、図28に示す相性度表示処理において出力されるグラフを例示する説明図である。尚、図25,図26及び図28に示す各処理を実行させるプログラムは、HDD80のプログラム記憶エリア81(図4参照)に記憶されており、図4に示すCPU72が実行する。また、図25,図26及び図28に示す各処理において、CPU72が取得した情報や、演算結果は、CPU72が適宜HDD80又はRAM74に記憶させるものとする。
【0074】
学習情報管理端末70において実行される処理の内、まず、学習情報管理端末70のメイン処理について、図25を参照して説明する。図25に示すように、学習情報管理端末70の電源がONにされると、CPU72はメイン処理を起動させ、初期化を行う(S605)。続いて、授業情報受信処理を起動させる(S610)。授業情報受信処理では、指導者端末50から送信される授業情報を受信する処理が実行される。この授業情報受信処理の詳細は、図26を参照して後述する。
【0075】
続いて、相性度表示処理を起動させる(S615)。相性度表示処理では、閲覧者からの要求に応じて、指導期間中の指導者と学習者との相性度を出力する処理が実行される。この相性度表示処理の詳細は、図28を参照して後述する。続いて、電源がOFFにされるまで待機する(S620:No)。電源がOFFにされた場合には(S620:Yes)、学習情報管理端末70において起動中の全処理を停止させ(S630)、メイン処理を終了する。以上のように、図4に示すCPU72は、学習情報管理端末70のメイン処理を実行する。
【0076】
次に、授業情報受信処理について、図26を参照して説明する。この授業情報受信処理は、図25に示すメイン処理のS610において起動されてから、S630において停止されるまで繰り返し実行される。
【0077】
図26に示すように、授業情報受信処理では、まず、CPU72は、授業情報を受信するまで待機する(S655:No)。授業情報は、図15に示す授業開始・終了判断処理のS395において、指導者端末50から送信される。授業情報には、図17に示すテーブル200のデータが含まれる。授業情報を受信した場合には(S655:Yes)、受信した授業情報を学習情報記憶エリア82のテーブル300に記憶させる(S660)。この処理において授業情報は、テーブル300に示すように、指導者毎に分類して記憶される。テーブル300は、取得日時301と、指導者毎のデータ302,303とを備えている。続いて、S655に戻り処理を繰り返す。以上のように、図4に示すCPU72は、授業情報受信処理を実行する。
【0078】
次に、相性度表示処理について、図28を参照して説明する。この相性度表示処理は、図25に示すメイン処理のS615において起動されてから、S630において停止されるまで繰り返し実行される。以下の説明において、相性度表示処理を実行させる、学習情報管理端末70のユーザを「閲覧者」と言う。閲覧者は、指導者又は学習者であってもよいし、その他の人であってもよい。
【0079】
図28に示すように、相性度表示処理では、CPU72は、まず、相性度表示要求が入力されるまで待機する(S705:No)。相性度表示要求は、学習者と指導者との相性度を表示することを指示するコマンドである。この相性度表示要求は、学習情報管理端末70の閲覧者が、入力装置75を用いて所定の操作を実行した場合に入力される。相性度表示要求が入力された場合には(S705:Yes)、閲覧者の指示に基づき、相性度を表示する際の表示形式を特定する(S710)。この処理では、まず、表示形式の候補を表示装置76に表示する。表示形式の候補は、予め定められその他の情報記憶エリア83に記憶されている。
【0080】
第1の実施形態では、表示形式として、次の表示形式1〜7を設定している。表示形式1が選択された場合、指定された学習者(以下、「指定学習者」と言う。)と、指導者との相性度を表したテーブルを表示する。表示形式2が選択された場合、指定学習者と、指導者との相性度を、指導タイプ毎に表したテーブルを表示する。表示形式3が選択された場合、指定された授業(以下、「指定授業」と言う。)に参加した全学習者と、指定授業の指導者との相性度を求めたテーブルを表示する。表示形式4が選択された場合、指定授業に参加した全学習者と、指導者との相性度を、指導タイプ毎に求めたテーブルを表示する。表示形式5が選択された場合、指定した指導者(以下、「指定指導者」と言う。)と、学習者との相性度を、指導タイプ毎に求めたテーブルを表示する。表示形式6では、指定指導者と学習者との相性度の推移を示すグラフを表示する。表示形式7では、学習者と指定指導者との相性度を、学習者毎に求めたテーブルを表示する。閲覧者は、表示装置76に表示された表示形式1〜7の中から、所望の表示形式を選択する。すると、CPU72は、閲覧者により選択された表示形式を特定する。予め設定される表示形式の種類や、数は適宜変更可能である。
【0081】
続いて、相性度の算出条件として、指定情報を取得する(S715)。この処理では、まず、指定項目の候補を表示装置76に表示させる。指定項目の候補は、表示形式に応じて、予め定められ、その他の情報記憶エリア83に記憶されている。第1の実施形態では、指定項目として、表示形式に応じて、取得日時、学習者、指導者、授業が設定されている。閲覧者は、表示装置76に表示された指定項目の候補のうち、所望の指定項目を限定する。すると、CPU72は、閲覧者により入力された指定情報を取得する。
【0082】
続いて、学習情報記憶エリア82を参照して、S715において取得した指定情報に応じて学習情報を取得する(S717)。この処理において取得する学習情報は、指導期間(取得日時)が同じ、学習者情報及び指導者情報である。第1の実施形態の学習者情報は、学習者の生体情報(心拍データ、及び皮膚表面温度)に基づき算出したストレス値である。また、第1の実施形態の指導者情報は、指導者の生体情報(声量データ、及び話す速さ)に基づき求めた指導タイプである。例えば、S715において、学習者が指定されている場合には、指定学習者のストレス値を取得する。また例えば、S715において、指導期間が指定されている場合には、学習者のストレス値の内、取得日時が指定された指導期間内であるストレス値を取得する。また例えば、S715において授業が指定されている場合、指定授業に参加した学習者を指定学習者とし、且つ、授業期間中のストレス値を取得する。
【0083】
続いて、S717において取得した学習情報を用いて、表示形式に応じて、学習者のストレス値の平均値を算出する(S720)。第1の実施形態では、学習者のストレス値の平均値に基づき、学習者と指導者との相性度を求める。例えば、表示形式2が選択された場合、S717において取得した学習情報を用いて、指導タイプ毎に、相性度の平均値が算出される。また例えば、表示形式1が選択された場合、S717において取得した学習情報を用いて、指導者毎に、相性度の平均値が算出される。
【0084】
続いて、学習者と指導者との相性度を推定する(S725)。相性度は、学習者と指導者との相性の善し悪しを把握可能な、数値、文字、記号等で表される。相性度は、学習者情報及び指導者情報の少なくとも一方を用いて算出される。第1の実施形態では、S720において算出した、学習者のストレス値と、図29に示すテーブル310とに基づき、相性度を求める。テーブル310は、学習者と指導者との相性の善し悪しを、学習者のストレス値に基づき5段階に分類したテーブルである。テーブル310は、その他の情報記憶エリア83に記憶されている。
【0085】
続いて、S725において求めた相性度を、表示装置76に表示させる(S730)。この処理では、まず、S710において特定された表示形式を満たし、且つ、S715において取得した指定情報を満たすデータに基づき表示データを作成する。そして、表示データを表示装置76に表示させる。例えば、S710において、表示形式2が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「aさん」であり、指定指導者が「全指導者」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/8/7」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図30に示すテーブル330が表示される。テーブル330では、指導タイプと、相性度とが対応付けられている。指導者の生体情報を分類した指導タイプは、指導者情報として提示されている。学習者の心理情報に基づき分類した相性度は学習者情報として提示されている。テーブル330によれば、学習者「aさん」は、指導者の話し方が「B」又は「C」である時に、ストレス値が低く、指導者との相性がよいことが推定される。
【0086】
また例えば、S710において、表示形式1が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「bさん」であり、指定指導者が「全指導者」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/7/30」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図31に示すテーブル340が表示される。テーブル340では、最も傾向が強い指導タイプと、相性度とが対応付けられている。テーブル330と同様に、テーブル340では、指導タイプは指導者情報として提示され、相性度は学習者情報として提示されている。テーブル340によれば、学習者「bさん」は、話し方の傾向が「B」である指導者「Bさん」との相性は良好であるが、話し方の傾向が「G」である指導者「Gさん」との相性は悪いことが推定される。
【0087】
また例えば、S710において、表示形式4が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「指定授業に参加した全学習者」であり、指定指導者が「指定授業の指導者」であり、指導期間が指定授業の実施期間「2007/5/10 10:30〜2007/5/10 12:00」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図30に示すテーブル330が表示される。テーブル330によれば、指定授業に参加した学習者は、指導者の話し方が「B」又は「C」である時に、ストレス値が低く、指導者との相性がよい傾向にあることが推定される。
【0088】
また例えば、S710において、表示形式5が特定された場合を想定する。また、S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「全学習者」であり、指定指導者が「Aさん」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/7/31」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図32に示すテーブル350が表示される。テーブル350では、指導タイプと、相性度とが対応付けられている。指導タイプの割合は、指導タイプ毎に、授業時間に占める割合を求めたものである。テーブル330と同様に、テーブル350では、指導タイプは指導者情報として提示され、相性度は学習者情報として提示されている。テーブル350によれば、指導者「Aさん」は、話し方の傾向が「A」である割合が最も多く、その際の学習者との相性は、悪いことが推定される。
【0089】
また例えば、S710において、表示形式6が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「全学習者」であり、指定指導者が「Aさん」であり、指導期間が「2007/5/10〜2007/6/15」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図33に示すグラフ360が表示される。グラフ360では、相性度の経時変化を示すグラフに、相性度を求めた期間の指導タイプが対応付けられている。テーブル330と同様に、グラフ360では、指導タイプは指導者情報として提示され、相性度は学習者情報として提示されている。グラフ360によれば、指導者「Aさん」は、声量に変化はないが、2007/5/26以降は、2007/5/10〜2007/5/17の期間に比べ、話す速さが速くなっている傾向にある。そして、2007/5/26以降は、2007/5/10〜2007/5/17の期間に比べ、学習者との相性度が改善傾向にあることが推定される。
【0090】
また例えば、S710において、表示形式7が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「全学習者」であり、指定指導者が「Aさん」であり、指導期間が「2007/5/10〜2007/6/15」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図34に示すテーブル370が表示される。テーブル370では、最も相性の良い指導タイプと、相性度とが対応付けられている。テーブル330と同様に、テーブル370では、指導タイプは指導者情報として提示され、相性度は学習者情報として提示されている。テーブル370によれば、指導者「Aさん」の話し方は、学習者「bさん」には好まれているが、学習者「aさん」には好まれていないことが推定される。
【0091】
図28のS730に続いて、S705に戻り処理を繰り返す。以上のように、図4に示すCPU72は、相性度表示処理を実行する。
【0092】
尚、授業開始時刻から授業終了時刻までの指導期間の、指導者の生体情報を取得する、図3に示すセンサ端末90のCPU92は、本発明の指導者生体情報取得手段として機能する。また、指導期間の、学習者の生体情報を取得する、図2に示すセンサ端末30のCPU32,及びセンサ端末40のCPU42は、本発明の学習者生体情報取得手段として機能する。センサ端末90から送信された指導者の生体情報と、センサ端末30,40から取得された学習者の生体情報から推定されるその学習者の心理状態を示す心理情報とを、取得日時と対応付けて記憶する、学習情報管理端末70が備えるHDD80の学習情報記憶エリア82は、本発明の記憶手段に相当する。図28に示す相性度表示処理において、学習情報記憶エリア82を参照し、学習情報として、指導期間(取得日時)が同じ、指導タイプと、学習者のストレス値とを取得する(S717)CPU72は、本発明の情報取得手段として機能する。
【0093】
また相性度表示処理のS725において、S717において取得した学習情報に基づき、指導者と学習者との相性度を算出するCPU72は、本発明の相性度作成手段として機能する。また相性度表示処理において、S725において求めた相性度を、表示装置76に表示させるCPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。また相性度表示処理のS730において、指導タイプを分類したカテゴリ毎に、相性度を集計したテーブルを作成して表示装置76に表示させるCPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。また相性度表示処理において、学習者毎に、相性度を集計したテーブルを作成して表示装置76に表示させるCPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。また相性度表示処理のS730において、S725において求めた相性度を、表示装置76に表示させるCPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。
【0094】
以上詳述した第1の実施形態の学習指導支援システム1では、閲覧者からの指示に応じて、指導者と学習者との相性度が、指導者の指導タイプと対応付けて提示される。第1の実施形態では、相性度は、学習者情報に基づき推定され、学習者情報として提示される。第1の実施形態の指導者情報は、指導者の声量及び話す速さに基づき分類した指導タイプである。また第1の実施形態の学習者情報は、学習者のストレス値である。ストレス値は、学習者の心拍データ及び皮膚表面温度から算出される。このため、提示された相性度に基づき、指導者と学習者との相性の善し悪しを客観的に把握することができる。
【0095】
図33に示すグラフ360のように、相性度が通常よりも良い指導期間と相性度が通常よりも悪い指導期間とを比較した場合には、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。そして、どのような話し方で指導した場合に、学習者との相性が良好な状態になり、学習効果を高めることができるかを客観的に分析することができる。また、図30に示すテーブル330,図31に示すテーブル340,図32に示すテーブル350を提示した場合には、指導者の話し方が、学習者との相性度に与える影響を容易に把握することができる。また、図34に示すテーブル370を提示した場合には、学習者との相性度を改善させることにより学習状況を改善させるために、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。尚、指導者情報のみを提示した場合には、指導者の指導状況を把握することができ、学習者の学習者情報のみを提示した場合には、学習者の学習状況を把握することができる。しかし、指導者情報又は学習者情報のいずれか一方のみからは、上述の例のように、指導者の話し方が、学習者との相性度に与える影響や、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを把握することは困難である。これに対し、第1の実施形態の学習指導支援システム1によれば、提示された情報に基づき、指導者は自己の指導状況を客観的に把握することができる。よって、指導状況を改善するための努力を集中的に行うことにより、より良い指導を実現し、学習者の学習効果を高めることが可能である。
【0096】
<2.第2の実施形態>
次に、閲覧者の要求に応じて、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を表示させる、第2の実施形態の学習指導支援システム2について、図面を参照して説明する。まず、図35を参照して、第2の実施形態の学習指導支援システム2の構成を説明する。図35は、第2の実施形態の学習指導支援システム2の構成を示す構成図である。図35に示すように、第2の実施形態の学習指導支援システム2の構成は、第1の実施形態の学習指導支援システム1と基本構成が同じである。ただし、第2の実施形態の学習指導支援システム2の構成は、指導者端末50に接続されているセンサ端末が、センサ端末30,40である点で、第1の実施形態の学習指導支援システム1と異なる。センサ端末30,40は、学習者端末10に接続しているセンサ端末30,40と同様な構成であるため、説明を省略する。
【0097】
次に、第2の実施形態の学習指導支援システム2において実行される処理について説明する。第2の実施形態の学習指導支援システム2において実行される処理のうち、学習者端末10,及びセンサ端末30,40において実行される処理は、第1の実施形態と同様である。よって、説明を省略する。指導者端末50において実行される処理は、第1の実施形態と一部異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理が行われる処理については説明を省略し、第1の実施形態において実行される処理と異なる処理について、図を参照して説明する。また、指導者端末50に接続されたセンサ端末30,40において実行される処理は、学習者端末10に接続されたセンサ端末30,40において実行される処理と同様である。よって、説明を省略する。尚、指導者端末50に接続されたセンサ端末30,40では、指導者の生体情報を取得する処理が実行され、取得した生体情報は、指導者端末50に送信される。また、学習情報管理端末70において実行される処理は、第1の実施形態と一部異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理が行われる処理については説明を省略し、第1の実施形態において実行される処理と異なる処理について、図を参照して説明する。
【0098】
まず、指導者端末50において実行される処理について、図36〜図38を参照して説明する。図36は、第2の実施形態の指導者端末50の指導者生体情報受信処理の流れを示すフローチャートである。図37は、授業情報テーブルを例示する説明図である。図38は、学習情報テーブルを例示する説明図である。尚、図36に示す指導者生体情報受信処理を実行させるプログラムは、HDD60のプログラム記憶エリア61(図3参照)に記憶されており、図3に示すCPU52が実行する。また、図36において、図18に示す第1の実施形態の指導者端末50の指導者生体情報受信処理と同様な処理を行う処理には、同じステップ番号を付与している。
【0099】
第2の実施形態の指導者端末50において実行される処理は、指導者生体情報受信処理において、第1の実施形態と異なる。他の処理は、第1の実施形態と同様である。図36に示すように、第2の実施形態の指導者端末50の指導者生体情報受信処理は、S465に替えてS466の処理を実行する点で、第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同様な処理が実行される処理については、説明を省略する。S466では、指導者端末50に接続されたセンサ端末30,40から取得した生体情報に基づき、指導者の心理状態を表す心理情報を算出する処理が実行される。図示しないが、この処理では、図10に示す学習者心理状態推論処理と同様な処理が実行される。算出した心理情報は、図37に示すテーブル400に記憶される。
【0100】
以上のように、図3に示すCPU52は、第2の実施形態の指導者端末50のメイン処理を実行する。尚、第2の実施形態の指導者端末50では、図15に示す授業開始・終了判断処理のS395において、図37に示すテーブル400を、学習情報管理端末70に送信する処理が実行される。学習情報管理端末70では、受信したテーブル400を、図38に示すテーブル410に記憶させる処理が実行される。この処理において授業情報は、テーブル410に示すように、指導者毎に分類して記憶される。テーブル410は、取得日時411と、指導者毎のデータ412,413とを備えている。
【0101】
次に、第2の実施形態の学習情報管理端末70において実行される処理について、図39〜図45を参照して説明する。図39は、学習情報管理端末70のメイン処理の流れを示すフローチャートである。図40は、学習情報管理端末70のメイン処理において起動される影響度表示処理の流れを示すフローチャートである。図41は、指導期間中の指導者のストレス値と、学習者のストレス値との差と、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度との対応関係を示すテーブルである。図42〜図45は、図40に示す影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。尚、図39及び図40に示す各処理を実行させるプログラムは、HDD80のプログラム記憶エリア81(図4参照)に記憶されており、図4に示すCPU72が実行する。また、図39及び図40に示す各処理において、CPU72が取得した情報や、演算結果は、CPU72が適宜HDD80又はRAM74に記憶させるものとする。また、図39において、図25に示す第1の実施形態の学習情報管理端末70のメイン処理と同様な処理を行う処理には、同じステップ番号を付与している。
【0102】
第2の実施形態の学習情報管理端末70において実行される処理は、図39に示すように、学習情報管理端末70のメイン処理において、S615に替えてS616の処理を実行する点で、第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同様な処理が実行される処理については、説明を省略する。図39に示すメイン処理のS616では、影響度表示処理が起動される。影響度表示処理では、閲覧者の要求に応じて、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を表示させる処理が実行される。この影響度表示処理の詳細を、図40を参照して説明する。
【0103】
図40に示すように、影響度表示処理では、CPU72は、まず、影響度表示要求が入力されるまで待機する(S740:No)。影響度表示要求は、影響度を表示することを指示するコマンドである。影響度は、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響を示し、後述するS760の処理により算出される。この影響度表示要求は、学習情報管理端末70の閲覧者が、入力装置75を用いて所定の操作を実行した場合に入力される。影響度表示要求が入力された場合には(S740:Yes)、閲覧者の指示に基づき、影響度を表示する際の表示形式を特定する(S745)。この処理では、まず、表示形式の候補を表示装置76に表示させる。表示形式の候補は、予め定められその他の情報記憶エリア83に記憶されている。
【0104】
第2の実施形態では、表示形式として、次の表示形式10〜13を設定している。表示形式10が選択された場合、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を指導者毎に求めたテーブルを表示する。表示形式11が選択された場合、指導者の心理状態が、指定学習者の心理状態に与える影響度を指導者毎に求めたテーブルを表示する。表示形式12が選択された場合、指定授業において、指定指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を求めたテーブルを表示する。表示形式13が選択された場合、指定指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を、学習者毎に求めたテーブルを表示する。閲覧者は、表示装置76に表示された表示形式10〜13の中から、所望の表示形式を選択する。すると、CPU72は、閲覧者により選択された表示形式を特定する(S745)。
【0105】
続いて、影響度の算出条件として、指定情報を取得する(S750)。この処理では、まず、指定項目の候補を表示装置76に表示させる。指定項目の候補は、予め定められその他の情報記憶エリア83に記憶されている。第2の実施形態では、指定項目として、表示形式に応じて、取得日時、学習者、指導者、授業が設定されている。閲覧者は、表示装置76に表示された指定項目の候補のうち、所望の指定項目を限定する。すると、CPU72は、閲覧者により入力された指定情報を取得する。
【0106】
続いて、学習情報記憶エリア82を参照して、S750において取得した指定情報に応じて、学習情報を取得する(S752)。第2の実施形態の学習者情報は、学習者の生体情報(心拍データ、及び皮膚表面温度)に基づき算出したストレス値である。また、第2の実施形態の指導者情報は、指導者の生体情報(心拍データ、及び皮膚表面温度)に基づき算出したストレス値である。例えば、S750において、学習者が指定されている場合には、指定学習者のストレス値を取得する。同様に、指導者が指定されている場合には、指定学習者のストレス値を取得する。また、S750において、期間が指定されている場合には、学習者及び指導者のストレス値の内、取得日時が指定された期間内であるストレス値を取得する。
【0107】
続いて、S752において取得した学習情報に基づき、表示形式に応じて、指導者のストレス値の平均値と、学習者のストレスの平均値との差を算出する(S755)。第2の実施形態では、指導者のストレス値の平均値と、学習者のストレスの平均値との差に基づき、影響度を求める。例えば、表示形式10が選択された場合には、指導者毎にストレス値の平均値を算出する。また、指導者毎に指導を行った学習者を分類し、分類された学習者をひとまとまりとして、各まとまりについて学習者のストレスの平均値を算出する。そして、指導者毎に、指導者のストレス値の平均値と、その指導者が指導を行った学習者のストレス値の平均値との差を算出する(S755)。
【0108】
続いて、影響度を推定する(S760)。第2の実施形態では、S755において算出した、指導者のストレス値の平均値と、学習者のストレスの平均値との差と、図41に示すテーブル420とに基づき、影響度を求める。テーブル420は、その他の情報記憶エリア83に記憶されている。
【0109】
続いて、S760において求めた影響度を、表示装置76に表示させる(S765)。この処理では、まず、S745において特定された表示形式と、S760において算出した影響度とに基づき、表示データを作成する。そして、表示データを表示装置76に表示させる。例えば、S745において、表示形式10が特定された場合を想定する。S750において、指定情報として影響度の算出に用いるデータが、学習者及び指導者のストレス値であり、指定学習者が「全学習者」であり、指定指導者が「全指導者」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/8/7」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図42に示すテーブル430が表示される。テーブル430では、影響度が指導者毎に表示されている。指導者と学習者とのストレス値の差は、S755において求めた値である。指導者と学習者とのストレス値の差の割合は、S755において求めた差の値毎に、全体に占める割合を計算した値である。テーブル430では、指導者の心理情報と、学習者の心理情報とに基づき求めた影響度は、指導者情報及び学習者情報を対応付けた情報として提示されている。テーブル430によれば、指導者「Aさん」及び「Bさん」の心理状態は、学習者の心理状態に非常に影響を与えやすいことが推定される。
【0110】
また例えば、S745において、表示形式11が特定された場合を想定する。S745において、指定情報として影響度の算出に用いるデータが、学習者及び指導者のストレス値であり、指定学習者が「bさん」であり、指定指導者が「全指導者」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/5/30」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図43に示すテーブル440が表示される。テーブル440では、影響度が指導者毎に表示されている。テーブル430と同様に、テーブル440では、影響度は、指導者情報及び学習者情報を対応付けた情報として提示されている。テーブル440によれば、学習者「bさん」は、指導者「Aさん」及び「Bさん」心理状態からの影響を非常に受けやすいことが推定される。
【0111】
また例えば、S745において、表示形式12が特定された場合を想定する。S745において、指定情報として影響度の算出に用いるデータが、学習者及び指導者のストレス値であり、指定学習者が「指定授業に参加した全学習者」であり、指定指導者が「指定授業の指導者」であり、指導期間が指定授業の実施期間「2007/7/20 10:30〜2007/5/10 12:00」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図44に示すテーブル450が表示される。テーブル430と同様に、テーブル450では、影響度は、指導者情報及び学習者情報を対応付けた情報として提示されている。テーブル450によれば、指定授業に参加した学習者は、指定指導者の心理状態に影響を受けやすいことが推定される。
【0112】
また例えば、S710において、表示形式13が特定された場合を想定する。また、S715において、指定情報として影響度の算出に用いるデータが、学習者及び指導者のストレス値であり、指定学習者が「指定授業に参加した全学習者」であり、指定指導者が「指定授業の指導者」であり、指導期間が指定授業の実施期間「2007/7/20 10:30〜2007/5/10 12:00」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図46に示すテーブル460が表示される。テーブル460では、影響度と、ストレス値の平均とが学習者毎に表示されている。テーブル430と同様に、テーブル460では、影響度は、指導者情報及び学習者情報を対応付けた情報として提示されている。また、ストレス値は、学習者情報として提示されている。テーブル460によれば、指定授業において、学習者「aさん」は、指定指導者の心理状態の影響を非常に強く受けたが、学習者「cさん」は、指定指導者の心理状態の影響をほとんど受けなかったことが推定される。
【0113】
図28のS765に続いて、S740に戻り処理を繰り返す。以上のように、図4に示すCPU72は、影響度表示処理を実行する。
【0114】
尚、授業開始時刻から授業終了時刻までの指導期間の、指導者の生体情報を取得する、図2に示すセンサ端末30のCPU32,及びセンサ端末40のCPU42は、本発明の指導者生体情報取得手段として機能する。また、指導期間の、学習者の生体情報を取得する、図2に示すセンサ端末30のCPU32,及びセンサ端末40のCPU42は、本発明の学習者生体情報取得手段として機能する。指導期間中の指導者のストレス値と、学習者のストレス値とを、取得日時と対応付けて記憶する、学習情報管理端末70が備えるHDD80の学習情報記憶エリア82は、本発明の記憶手段に相当する。図40に示す影響度表示処理において、学習情報記憶エリア82を参照し、学習情報として、指導期間(取得日時)が同じ、指導者のストレス値と、学習者のストレス値とを取得する(S752)CPU72は、本発明の情報取得手段として機能する。また影響度表示処理のS760において、S717において取得した学習情報に基づき、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を算出するCPU72は、本発明の影響度作成手段として機能する。また影響度表示処理において、S760において求めた影響度を、表示装置76に表示させるCPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。また、影響度表示処理のS765において、指導タイプを分類したカテゴリ毎に、影響度を集計したテーブルを作成して表示装置76に表示させるCPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。また、学習者毎に、影響度を集計したテーブルを作成して表示装置76に表示させる(S765)CPU72は、本発明の情報提示手段として機能する。
【0115】
以上詳述した第2の実施形態の学習指導支援システム2によれば、指導者情報及び学習者情報に基づき推定された指導者の指導状況が学習者に与える影響度が提示される。よって、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を客観的に把握できる。また通常よりもよい影響を与えている指導期間と、通常よりも悪い影響を与えている指導期間とを比較した場合には、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。例えば、図41に示すテーブル430に基づき、指導者「Aさん」及び「指導者「Bさん」は、学習者の心理状態に与える影響度が高いため、授業中の心理状態を改善する必要があることが示唆される。以上のように、第2の実施形態の学習指導支援システム2によれば、指導者は自己の指導状況を客観的に把握することができる。よって、指導状況を改善するための努力を集中的に行うことにより、より良い指導を実現し、学習者の学習効果を高めることが可能である。
【0116】
<3.第3の実施形態>
ところで、閲覧者の要求に応じて表示する、指導者と学習者との相性度、又は、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度は、教科毎に分類して表示させてもよい。以下、第3の実施形態として、指導者と学習者との相性度を指導期間中の教科毎に分類して表示させる場合について、図46〜図49を参照して説明する。図46は、授業情報テーブルを例示する説明図である。図47は、学習情報テーブルを例示する説明図である。図48及び図49は、相性度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【0117】
第3の実施形態の学習指導支援システム1の構成は、第1の実施形態の学習指導支援システム1と同様である。よって、説明を省略する。また、第3の実施形態の学習指導支援システム1において実行される処理は、基本的に、第1の実施形態の学習指導支援システム1と同様である。
【0118】
図21に示す指導タイプ推論処理のS485では、S480において求めた指導タイプを、指導者、授業科目とともに、授業情報テーブルに記憶させる(S485)。よって、図45に示すように、第3の実施形態のテーブル500は、取得日時201,指導者名202,指導タイプ203,学習者のストレス値204の他、授業科目501を備える。そして、図15に示す、授業開始・終了判断処理では、授業科目501を含むテーブル500を学習情報管理端末70に送信する。尚、授業科目は、本発明の「教科」に相当する。
【0119】
学習情報管理端末70では、図26に示す授業情報受信処理において授業情報を受信した場合(S655)、授業科目501を含む授業情報テーブルを学習情報テーブルに記憶させる(S660)。よって、図47に示すように、第3の実施形態のテーブル510は、取得日時511,指導者毎のデータ512,513を備えている。そして、データ512,513にはそれぞれ、授業科目が含まれる。
【0120】
図28に示す相性度表示処理では、表示形式として、第1の実施形態で例示した表示形式1〜7に加え、表示形式21及び22を選択可能となっている。表示形式21が選択された場合、指定学習者と、指導者との相性度を、指導者の指導タイプ毎、科目毎に分類したテーブを表示する。表示形式22が選択された場合、指定学習者と指導者の相性度を、指導者毎、科目毎に分類したテーブルを表示する。
【0121】
例えば、S710において、表示形式21が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「aさん」であり、指定指導者が「全指導者」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/8/7」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図48に示すテーブル520が表示される。テーブル520では、指導タイプと、教科毎に分類された相性度とが対応付けられている。指導者の生体情報を分類した指導タイプは、指導者情報として提示されている。学習者の心理情報に基づき分類した相性度は学習者情報として提示されている。テーブル520によれば、学習者「aさん」は、指導者の話し方が「B」又は「C」、且つ、授業科目が「数学」である時に、ストレス値が低く、指導者との相性がよいことが推定される。
【0122】
また例えば、S710において、表示形式22が特定された場合を想定する。S715において、指定情報として相性度の算出に用いるデータが、学習者のストレス値であり、指定学習者が「bさん」であり、指定指導者が「全指導者」であり、指導期間が「2007/4/1〜2007/7/30」である条件が取得されたものとする。この場合、例えば、図49に示すテーブル530が表示される。テーブル530では、傾向が最も強い指導タイプと、相性度と、教科とが対応付けられている。テーブル520と同様、テーブル530では、指導タイプは、指導者情報として提示され、相性度は学習者情報として提示されている。テーブル530によれば、学習者「bさん」は、話し方の傾向が「B」、且つ、授業科目が「数学」である指導者「Bさん」との相性は良好であるが、話し方の傾向が「G」であり、且つ、授業科目が「日本史」である指導者「Gさん」との相性は悪いことが推定される。
【0123】
以上のように、第3の実施形態の学習指導支援システム1では、指導者と学習者との相性度を指導期間中の教科毎に分類して表示させる。尚、同様な処理により、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を、教科毎に表示させてもよい。指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を、教科毎に表示させた場合のテーブルの例を、図50を参照して説明する。図50は、影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。図50に示すテーブル540に示すように、表示形式として、学習者が最も影響を受けやすい教科を、学習者毎、授業科目毎に分類したテーブルを表示させてもよい。テーブル540では、最も影響を受けやすい教科と、影響度とが学習者毎に対応付けられている。テーブル540では、影響度は、指導者情報及び学習者情報の対応を表す情報として提示されている。
【0124】
尚、第3の実施形態の学習指導支援システム1において、指導者と学習者との相性度を、教科毎に分類して表示させるCPU72(図28のS730)は、本発明の情報提示手段に相当する。また、第3の実施形態の学習指導支援システム1において、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を、教科毎に分類して表示させるCPU72(図40のS765)は、本発明の情報提示手段に相当する。
【0125】
以上詳述した第3の実施形態の学習指導支援システム1によれば、教科毎に、学習者と指導者との相性度、又は指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度が提示される。よって、指導者の指導状況と学習者の学習状況学習者との関係を容易に把握することができる。
【0126】
<4.第4の実施形態>
ところで、上記第1〜第3の実施形態では、閲覧者の要求に応じて、指導者と学習者との相性度、又は、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度を表示させていた。この第1〜第3の実施形態の方法では、閲覧者が希望する時に、所望の相性度、又は影響度を表示させる利点がある。一方で、閲覧のタイミングや、表示形式、指定項目が、閲覧者により決定されるので、相性度や影響度に変化がある場合に、閲覧者がその変化を把握できるとは限らなかった。そこで、第4の実施形態では、相性度や影響度に所定の変化があった場合に、その変化を自動的に検出し、閲覧者に通知する処理を実行する。一例として、相性度が所定量変化した場合に閲覧者に通知する場合について説明する。影響度が所定量変化した場合に閲覧者に通知する処理についても、同様な処理により実行させることができる。
【0127】
第4の実施形態の学習指導支援システム1の構成は、第1の実施形態の学習指導支援システム1の構成と、同様であるので説明を省略する。また、第4の実施形態の学習指導支援システム1において実行される処理の内、学習者端末10,指導者端末50,及びセンサ端末30,40,90において実行される処理は、第1の実施形態の処理と同様である。一方、学習情報管理端末70において実行される処理は、第1の実施形態と異なる。よって、以下、学習情報管理端末70の処理を、図51〜図54を参照して説明する。図51は、学習情報管理端末70の流れを示すフローチャートである。図52は、図51に示すメイン処理において起動される相性度通知処理の流れを示すフローチャートである。図53及び図54は、図52に示す相性度通知処理において通知されるテーブルを例示する説明図である。尚、図51及び図52に示す各処理を実行させるプログラムは、HDD80のプログラム記憶エリア82(図4参照)に記憶されており、図4に示すCPU72が実行する。また、図51及び図52に示す各処理において、CPU72が取得した情報や、演算結果は、CPU72が適宜HDD80又はRAM74に記憶させるものとする。また、図51において、図25に示す第1の実施形態の学習情報管理端末70のメイン処理と、同様な処理を行う処理には、同じステップ番号を付与している。
【0128】
図51に示すように、第4の実施形態の学習情報管理端末70のメイン処理は、S615の相性度表示処理に替えて、S617の相性度通知処理を実行する点で、第1の実施形態のメイン処理とは異なる。第1の実施形態と同様な処理が実行される処理については、説明を省略する。S617の相性度通知処理では、相性度が所定量変化しているかを監視し、相性度が所定量変化した場合には、閲覧者に通知する処理が実行される。この相性度通知処理の詳細を、図52を参照して説明する。相性度を求める対象となる指導者及び学習者、相性度を求める際の表示形式、指示情報等は、予め閲覧者により指定される。具体例として、変化を検出する際の条件(以下、「変化検出条件」と言う。)として、以下の条件が定められている場合について説明する。具体例では、変化検出条件として、閲覧者が指導者「Aさん」であり、指導者「Aさん」と指導者「Aさん」の授業を受講する学習者との相性度の変化を検出する条件が定められている。また、変化検出条件として、直近の1週間の相性度と、14日〜8日前の相性度とが異なる場合に、変化していると判断する条件が定められている。この変化検出期間は、閲覧者により予め設定され、その他の情報記憶エリア83に記憶されている。
【0129】
図52に示すように、相性度通知処理では、まず、後述するS815の処理を実行してから、相性度変化チェック期間が経過するまで待機する(S805:No)。相性度変化チェック期間は、相性度が変化したかを判断する処理の実施間隔を規定するものである。この相性度変化チェック期間は、予め設定され、その他の情報記憶エリア83に記憶されている。前回相性度が変化したかを判断する処理を実行させた時間は、RAM74又はその他の情報記憶エリア83に記憶されている。
【0130】
相性度変化チェック期間が経過した場合(S805:Yes)、続いて、学習情報記憶エリア82及び図29に示すテーブル29を参照して、相性度の平均値を算出する(S810)。この処理では、相性度に変化が生じているか否かを検討するために、所定期間内の相性度の平均値を求める。例えば、相性度変化チェック期間として、1週間が設定されている場合、直近の1週間の相性度の平均値を求める。この所定期間、並びに、相性度を求める対象となる指導者及び学習者は、予め閲覧者により設定され、その他の情報記憶領域83に記憶されている。具体例では、この処理において、指導者「Aさん」と指導者「Aさん」の授業を受講する学習者との、直近の1週間(7日前〜今日)の相性度の平均値を算出する。同様に、14日前〜8日前の相性度の平均値を算出する。算出した相性度の平均値は、RAM74に記憶させる。
【0131】
続いて、RAM74を参照し、直近の1週間の相性度の平均値と、14日前〜8日前の相性度の平均値とが等しいか否かを判断する(S815)。直近の1週間の相性度の平均値と、14日前〜8日前の相性度の平均値とが等しい場合には(S815:No)、続いて、S805に戻り処理を繰り返す。一方、直近の1週間の相性度の平均値と、14日前〜8日前の相性度の平均値とが異なる場合(S815:Yes)、続いて、相性度の変化が検出された旨示す情報を、閲覧者「Aさん」が使用する指導者端末50に送信する(S820)。相性度の変化が検出された旨示す情報は、変化が検出された情報(指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方)が含まれていればよい。
【0132】
相性度の変化が検出された旨示す情報としては、例えば、図53に示すテーブル600が挙げられる。このテーブル600は、2007/5/17〜2007/5/23における相性度の平均値は、2007/5/10〜2007/5/16における相性度の平均値に比べ改善したことを示している。また例えば、相性度の変化が検出された旨示す情報として、例えば、図54に示すテーブル610を通知してもよい。このテーブル610では、2007/5/17〜2007/5/23における相性度の平均値は、2007/5/10〜2007/5/16における相性度の平均値に比べ悪化したことを示している。また例えば、相性度の変化が検出された旨示す情報として、相性度の変化を示すグラフを通知してもよい。このテーブル600及びテーブル610に含まれる相性度は、変化が検出された学習者情報として提示される。S820に続いて、S805に戻り処理を繰り返す。
【0133】
以上詳述した、第4の実施形態の学習指導支援システム1によれば、指導者情報及び学習者情報の少なくともいずれかが変化した場合を自動的に検出することができる。このため、指導者の指導状況又は学習者の学習状況の変化を確実に把握することができる。そして、指導者は、検出した変化に応じて指導状況を改善し、学習効果を高めることができる。また、第4の実施形態の学習指導支援システム1のように、変化があった時のみ通知させれば、逐一自分で指導者情報又は学習者情報をチェックする必要がない。
【0134】
<5.変形例>
尚、本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、次の(1)〜(12)に示す変形を適宜加えてもよい。
【0135】
(1)上記実施形態の学習指導支援システム1又は2は、学習者端末10,指導者端末50,及び学習情報管理端末70を備えていたが、これに限定されない。例えば、学習情報管理端末70の機能を指導者端末50が備えてもよい。具体的には、指導者が自分の指導者情報と、自分が指導を行う学習者の学習者情報とを対応付けて表示させたい場合、指導者端末50の授業情報記憶エリア63を参照して、相性度表示処理又は影響度表示処理を実行させてもよい。この場合、上記実施形態のように指導者毎に相性度及び影響度等を求める処理は実行できないが、構成及び処理を簡略化させることができる。
【0136】
(2)上記実施形態の学習指導支援システム1又2では、学習者端末10から、学習者情報を一旦指導者端末50に送信するようにしていたが、これに限定されない。例えば、学習者端末10から学習者情報を学習情報管理端末70に送信してもよい。また、センサ端末30,40が送信機能を有する場合には、センサ端末30,40から、学習者の生体情報を学習情報管理端末70に送信してもよい。
【0137】
(3)上記実施形態のセンサ端末30,40,90により取得される生体情報の種類、数、取得頻度は適宜変更可能である。生体情報の種類としては、例えば、心拍数、体温、呼吸数、皮膚電位、皮膚表面温度、発汗量、脳波が挙げられる。
【0138】
(4)上記実施形態の学習者端末10は、表示装置76を介して、相性度又は影響度を提示していたが、これに限定されない。例えば、相性度又は影響度を表示させるためのデータを、指導者端末50,及び学習者端末10等の外部装置に送信させてもよい。また、印刷装置を介して相性度又は影響度を閲覧者に提示してもよい。
【0139】
(5)上記実施形態では、図10に示す学習者心理状態推論処理を、学習者端末10において実行させていた。しかし、センサ端末30,40において生体情報に基づき心理情報を求める処理の一部又は全部を、学習者端末10以外の装置において実行させてもよい。例えば、学習者心理状態推論処理を、指導者端末50において実行させてもよいし、学習情報管理端末70において実行させてもよい。同様に、図21に示す指導タイプ推論処理、又は、学習者心理状態推論処理と同様の指導者心理状態推論処理は、学習情報管理端末70において実行させてもよい。
【0140】
(6)上記実施形態では、学習者又は指導者の心理状態を表す情報としてストレス値を用いていたが、これに限定されない。例えば、心理情報として、学習者のストレス値の他、集中度、眠気、興奮度を用いてもよい。また、学習者情報として、学習者の生体情報を用いてもよい。同様に、指導者情報として、指導者の生体情報を用いてもよい。
【0141】
また、学習者情報として、学習者の生体情報を用いる場合、例えば、生体情報として心拍数を取得する場合を想定する。一般に、心拍数はストレス値と密接な係わりがある。具体的には、心拍数が通常時よりも多いと、通常時よりもストレス値が高いと推定される。このように、生体情報をそのまま状況情報として提示した場合にも、学習状況を客観的に把握することが可能である。指導者情報として、指導者の生体情報を用いる場合も同様である。
【0142】
(7)上記実施形態では、指導期間が同じ学習者情報及び指導者情報を提示する際に、相性度又は影響度を提示していたがこれに限定されない。単に、学習者情報及び指導者情報を対応付けて提示してもよい。学習者情報及び指導者情報を対応付けた情報としては、上記実施形態に例示したような、テーブル、グラフの他、学習者情報及び指導者情報を表す文字や記号であってもよい。
【0143】
(8)また、第3〜第5の実施形態では、学習者情報に基づき相性度を算出していた。このようにすれば、学習者の嗜好を客観的に把握することができ、学習者の嗜好を考慮して指導状況を改善することが可能である。相性度には、学習者情報及び指導者情報の少なくとも一方を用いればよく、相性度の算出方法は適宜変更可能である。例えば、指導者情報に基づき相性度を算出してもよい。この場合には、指導者の嗜好を客観的に把握することができる。また相性度を、学習者情報及び指導者情報に基づき算出しても良い。この場合、双方の嗜好を客観的に把握することができる。
【0144】
(9)上記実施形態では、指導期間が同じ指導者情報及び学習者情報を提示するテーブルとして、指導者情報を分類した指導タイプ毎に、学習者情報に基づき求めた相性度を集計したテーブルを例示した(例えば、図30のテーブル330)。しかし、学習者情報を分類したカテゴリ毎に、指導者情報を集計したテーブルを作成して提示してもよい。このようなテーブルとして、例えば、図55に示すように、指定学習者「bさん」の学習者情報に基づき求めた相性度毎に、指導者「Aさん」の指導者情報に基づき求めた指導タイプを集計したテーブル550を作成して提示してもよい。図55は、学習者情報を分類したカテゴリ毎に、指導者情報を集計したテーブルを例示する説明図である。テーブル550では、相性度と、指導タイプとが対応付けられている。指導者の生体情報を分類した指導タイプは、指導者情報として提示されている。学習者の心理情報に基づき分類した相性度は学習者情報として提示されている。このテーブル550によれば、学習者「bさん」との相性度を高めるには、指導者「Aさん」は、指導タイプがA又はBとなるような話し方をすればよいことが把握できる。このように、学習者情報を分類したカテゴリ毎に、指導者情報を集計したテーブルを提示した場合には、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。学習者情報を分類したカテゴリ毎に、指導者情報を集計したテーブルは、さらに教科毎に集計されていても良い。このようにした場合には、教科を考慮して、指導者の指導状況をどのように改善すればよいかを容易に把握することができる。
【0145】
(10)第2の実施形態では、学習者のストレス値の平均と、指導者のストレス値の平均との差、及び図41に示すテーブル420に基づき、影響度を算出していた。影響度の算出に用いる、学習者情報及び指導者情報は適宜変更可能である。また、影響度の算出方法は適宜変更可能である。例えば、学習者の生体情報に基づき算出した集中度と、指導者の生体情報に基づき分類した話し方とを、所定の方程式に当てはめて、影響度を算出してもよい。
【0146】
(11)第4の実施形態では、図52に示す相性度通知処理を実施し、相性度が変化している場合を検出していた。この相性度通知処理における、変化検出条件は適宜変更可能である。例えば、相性度変化チェック期間は、例示した1週間に限定されず、適宜変更可能である。また例えば、相性度を比較する対象となる指定指導者、指定学習者は適宜変更可能である。また例えばS815において、変化したと判断する場合の基準を変更してもよい。具体的には、例えば、相性度が2段階(例えば、図29に示すテーブル310において、「非常に良い」から「普通」に変化した場合)変化した場合に、相性度が変化したと判断してもよい。さらに、変化検出の対象は、第5の実施形態で例示した相性度、及び影響度の他、学習者情報、及び指導者情報の少なくともいずれかとしてもよい。具体的には、例えば、学習者の生体情報から算出したストレス値を変化検出の対象としてもよい。
【0147】
(12)上記第1〜4の実施形態は、適宜組み合わせて実行させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】学習指導支援システム1の構成を示す構成図である。
【図2】学習者端末10,及び学習者端末10に接続されているセンサ端末30,40の電気的構成を示す概念図である。
【図3】指導者端末50,及び指導者端末50に接続されているセンサ端末90の電気的構成を示す概念図である。
【図4】学習情報管理端末70の電気的構成を示す概念図である。
【図5】学習者端末10において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5に示すメイン処理において起動される学習者生体情報受信制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6に示す学習者生体情報受信制御処理において起動される学習者生体情報受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】生体情報記憶エリア22に記憶されたテーブル100を例示する説明図である。
【図9】生体情報記憶エリア22に記憶されたテーブル110を例示する説明図である。
【図10】図7に示す学習者生体情報受信処理において実行される学習者心理状態推論処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】心理情報テーブルを例示する説明図である。
【図12】センサ端末30のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図12に示すメイン処理において起動される学習者生体情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】指導者端末50のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14に示すメイン処理において起動される、授業開始・終了判断処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】図15に示す授業開始・終了判断処理において起動される学習者心理情報受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】授業情報テーブルを例示する説明図である。
【図18】図15に示す授業開始・終了判断処理において起動される指導者生体情報受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】生体情報記憶エリア62に記憶されている声量テーブルを例示する説明図である。
【図20】生体情報記憶エリア62に記憶されている発言語数テーブルを例示する説明図である。
【図21】図18に示す指導者生体情報受信処理において実行される指導タイプ推論処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】生体情報と、指導タイプとを対応付けるテーブルを例示する説明図である。
【図23】センサ端末90のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】図23のメイン処理において起動される指導者生体情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】学習情報管理端末70のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】図25に示すメイン処理において起動される授業情報受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】学習情報テーブルを例示する説明図である。
【図28】図25に示すメイン処理において起動される相性度表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図29】学習者のストレス値と、学習者と、指導者との相性度の対応関係を例示する説明図である。
【図30】図28に示す相性度表示処理において出力されるテーブルを例示する説明図である。
【図31】図28に示す相性度表示処理において出力されるテーブルを例示する説明図である。
【図32】図28に示す相性度表示処理において出力されるテーブルを例示する説明図である。
【図33】図28に示す相性度表示処理において出力されるグラフを例示する説明図である。
【図34】図28に示す相性度表示処理において出力されるテーブルを例示する説明図である。
【図35】第2の実施形態の学習指導支援システム2の構成を示す構成図である。
【図36】第2の実施形態の指導者端末50の指導者生体情報受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図37】授業情報テーブルを例示する説明図である。図38は、学習情報テーブルを例示する説明図である。
【図38】学習情報テーブルを例示する説明図である。
【図39】学習情報管理端末70のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図40】学習情報管理端末70のメイン処理において起動される影響度表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図41】指導期間中の指導者のストレス値と、学習者のストレス値との差と、指導者の心理状態が学習者の心理状態に与える影響度との対応関係を示すテーブルである。
【図42】図40に示す影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図43】図40に示す影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図44】図40に示す影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図45】図40に示す影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図46】授業情報テーブルを例示する説明図である。
【図47】学習情報テーブルを例示する説明図である。
【図48】相性度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図49】相性度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図50】影響度表示処理において表示されるテーブルを例示する説明図である。
【図51】学習情報管理端末70の流れを示すフローチャートである。
【図52】図51に示すメイン処理において起動される相性度通知処理の流れを示すフローチャートである。
【図53】図52に示す相性度通知処理において通知されるテーブルを例示する説明図である。
【図54】図52に示す相性度通知処理において通知されるテーブルを例示する説明図である。
【図55】学習者情報を分類したカテゴリ毎に、指導者情報を集計したテーブルを例示する説明図である。
【符号の説明】
【0149】
1,2 学習指導支援システム
5 ネットワーク
10 学習者端末
12,32,42,52,72,92 CPU
13,33,43,53,73,93 ROM
14,34,44,54,74,94 RAM
20,60,80 ハードディスク装置
21,61.81 プログラム記憶エリア
21 プログラム記憶エリア
22,62 生体情報記憶エリア
23 心理情報記憶エリア
30,40,90 センサ端末
50 指導者端末
63 授業情報記憶エリア
70 学習情報管理端末
75 入力装置
76 表示装置
82 学習情報記憶エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指導者が学習者の学習指導を行う指導期間の、当該指導者の生体情報、及び当該生体情報に基づき推定されるその指導者の心理状態を表す情報の少なくとも一方を含む指導者情報、並びに、前記指導期間の、前記学習者の生体情報、及び当該生体情報に基づき推定されるその学習者の心理状態を表す情報の少なくとも一方を含む学習者情報を、前記指導期間とともに記憶した記憶装置を参照して、同じ前記指導期間の前記指導者情報及び前記学習者情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報を、対応付けて提示する情報提示手段と
を備えることを特徴とする学習指導支援装置。
【請求項2】
前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報について、当該指導者情報を分類したカテゴリ毎に、当該学習者情報を集計したテーブルを作成して提示することを特徴とする請求項1に記載の学習指導支援装置。
【請求項3】
前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報について、当該学習者情報を分類したカテゴリ毎に、当該指導者情報を集計したテーブルを作成して提示することを特徴とする請求項1又は2に記載の学習指導支援装置。
【請求項4】
前記カテゴリは、さらに、前記指導期間の教科毎に分類されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の学習指導支援装置。
【請求項5】
前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方に基づき、前記指導者と前記学習者との相性度を算出する相性度作成手段を備え、
前記情報提示手段は、前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方として、前記相性度作成手段が作成した前記相性度を提示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の学習指導支援装置。
【請求項6】
前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報に基づき、前記指導者の指導状況が前記学習者に与える影響度を算出する影響度作成手段を備え、
前記情報提示手段は、前記影響度作成手段が作成した前記影響度を提示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の学習指導支援装置。
【請求項7】
前記記憶装置を参照して、所定期間内に前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方が所定以上変化した場合を検出する変化検出手段を備え、
前記情報取得手段は、前記変化検出手段により変化が検出された場合に、当該変化が検出された前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方を取得し、
前記情報提示手段は、前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報の少なくとも一方を提示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の学習指導支援装置。
【請求項8】
指導者が学習者の学習指導を行う指導期間の、当該指導者の生体情報を取得する指導者生体情報取得手段と、
前記指導期間の、前記学習者の生体情報を取得する学習者生体情報取得手段と、
前記指導者生体情報取得手段により取得した前記指導者の生体情報、及び、その生体情報から推定されるその指導者の心理状態を示す情報の少なくとも一方を含む指導者情報と、前記学習者生体情報取得手段により取得した前記学習者の生体情報、及び、その生体情報から推定されるその学習者の心理状態を示す情報の少なくとも一方を含む学習者情報とを、前記指導期間と対応付けて記憶する記憶手段と
前記記憶手段に記憶されている前記指導者情報及び前記学習者情報のうち、同じ前記指導期間の前記指導者情報及び前記学習者情報を、前記記憶手段から取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記指導者情報及び前記学習者情報を、対応付けて提示する情報提示手段と
を備えることを特徴とする学習指導支援システム。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の学習指導支援装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための学習指導支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公開番号】特開2009−86881(P2009−86881A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254056(P2007−254056)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】