安全スイッチ付き扉ロック装置
【課題】 扉を確実にロックすることのできる安全スイッチ付き扉ロック装置を提供する。
【解決手段】 回動ハンドル22の閉塞操作によって連結部材5が回動軸23を中心に回動して係合部51が固定部材41と係合するため、防護扉の開閉方向を含むX,Y矢印の2方向への防護扉の移動が規制されるため、防護扉が、スライド式、回動式扉のいずれであっても、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動を規制しているので、確実に防護扉を閉塞状態にロックすることができる。また、誤操作等により防護扉を強引に開放しようとしたとしても、防護扉を開放しようとする力はスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることがないため、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【解決手段】 回動ハンドル22の閉塞操作によって連結部材5が回動軸23を中心に回動して係合部51が固定部材41と係合するため、防護扉の開閉方向を含むX,Y矢印の2方向への防護扉の移動が規制されるため、防護扉が、スライド式、回動式扉のいずれであっても、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動を規制しているので、確実に防護扉を閉塞状態にロックすることができる。また、誤操作等により防護扉を強引に開放しようとしたとしても、防護扉を開放しようとする力はスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることがないため、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば産業機械等の防護扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付き扉ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仕切壁で仕切られた作業領域内に工作機械や工作ロボット等の産業機械を設置し、その出入口(開口部)を閉塞する防護扉などには、作業領域内での作業者の事故防止を目的として、防護扉が開いているときには、産業機械への通電を遮断する安全スイッチが設けられている。このような安全スイッチの一例として、例えば、特許文献1に記載の安全スイッチのように、防護扉に配設された回動ハンドルを操作してアクチュエータを安全スイッチから引抜く操作をしなければ防護扉が閉鎖状態にロックされたままとなり、防護扉の開放を防止する安全スイッチ付き扉ロック装置を備えているものがある。
【0003】
この種の安全スイッチ付き扉ロック装置は、防護扉が閉じられ産業機械が動作している場合には、仕切壁の出入口に設けられた安全スイッチに、扉に取り付けられたアクチュエータを挿入状態に保持することで、安全スイッチとアクチュエータとを係合させて防護扉を閉塞状態にロックし、該防護扉が開放するのを防止している。また、作業者が作業領域に進入する場合には、作業者が扉を開閉操作するための回動ハンドルを垂直姿勢から水平姿勢へ回動することで、回動ハンドルの操作に連動してアクチュエータがロック機構部の内部に格納されてアクチュエータが安全スイッチから引抜かれる。その結果、停止信号が発せられて産業機械が動作不可能な状態となるとともに、防護扉はアクチュエータによるロック状態が解除されて開放可能な状態となる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−353849号公報([0018]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の安全スイッチ付き扉ロック装置をスライド式の防護扉に採用した場合、次のような問題が生じることがあった。すなわち、アクチュエータのスイッチ本体への挿入・引抜の方向と、防護扉が開閉する移動方向とが同じ方向になるため、産業機械の振動や、防護扉を閉塞する際の衝撃等によって、安全スイッチへのアクチュエータの挿入だけで防護扉を閉塞状態に確実にロックすることができず、防護扉が勝手に開いて産業機械への通電が突然遮断されて産業機械が予想外の動きをすることが考えられる。
【0006】
また、回動式の防護扉に従来の安全スイッチ付き扉ロック装置を採用した場合には、アクチュエータが安全スイッチに挿入されることによって防護扉を閉塞状態にロックできるが、次のような問題が生じることがあった。例えば、作業者が誤って回動ハンドルを操作せずに防護扉を開放しようとすると、作業者が加える力を安全スイッチのアクチュエータ挿入口とアクチュエータとの係合部分だけで受けることとなり、安全スイッチやアクチュエータに負担がかかって、安全スイッチやアクチュエータの変形や破損を招くことがあった。
【0007】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、扉を確実にロックすることのできる安全スイッチ付き扉ロック装置を提供することを第1の目的とする。
【0008】
また、この発明は、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックするとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることのできる安全スイッチ付き扉ロック装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するため、この発明は、工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付き扉ロック装置において、前記扉の開放操作および閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられ前記工作機械や工作ロボット等の動作を制御するための安全スイッチに対して挿入・引抜されて前記安全スイッチ内の開閉器を開閉させる部分を有するアクチュエータロック機構とを備え、前記アクチュエータロック機構は、前記操作部の閉塞操作により前記扉の移動方向と異なる方向に移動して前記仕切壁側に掛止することで前記扉を閉塞状態にロックする特徴としている(請求項1)。
【0010】
このように構成すると、操作部の閉塞操作によりアクチュエータロック機構が仕切壁側に掛止して扉を閉塞状態にロックする。この状態で、扉を開放しようとしても、扉が移動する方向とアクチュエータロック機構が移動する方向とが異なるため、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態が保持されて扉の開放が阻止される。したがって、扉がスライド方式であっても、回動方式のいずれであっても、アクチュエータロック機構が仕切壁側に掛止するために移動する方向と、扉が開閉する移動方向とが異なるため、扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。
【0011】
また、前記操作部の操作時に、前記アクチュエータロック機構は前記扉の移動方向と異なる方向に回動移動する構成でもよい(請求項2)。このような構成とすれば、操作部の閉塞操作により、扉を閉塞するとともに、アクチュエータロック機構を扉の移動方向とは異なる方向で回動移動させ、仕切壁側に掛止させて扉をロックすることができる。また、操作部の開放操作により、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態を解除して扉のロックを解除し、扉を開放することができる。したがって、簡単な操作で扉の開閉および閉塞状態でのロックを確実に行うことができる。
【0012】
また、上記第2の目的を達成するため、この発明は、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた固定部材をさらに備え、前記アクチュエータロック機構は、前記操作部の閉塞操作時に前記固定部材に係脱自在に係合し閉塞状態の前記扉をロックするロック部と、前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータとを有することを特徴としている(請求項3)。
【0013】
このように構成すると、操作部の閉塞操作により、扉を閉塞するとともに、アクチュエータを安全スイッチ挿入させてロック部を固定部材に係合させ、扉を閉塞状態にロックすることができる。そのため、扉がロックされた状態で扉を開放しようと力を加えても、ロック部が固定部材と係合して扉が閉塞状態に確実にロックされるため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることはない。したがって、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックするとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【0014】
また、前記操作部の閉塞操作時に、前記ロック部が前記固定部材に係合した後に、前記アクチュエータが前記安全スイッチに挿入される構成としてもよい(請求項4)。このような構成とすれば、操作部による扉の閉塞操作が行われると、まずロック部が固定部材に係合して扉が閉塞状態にロックされるため扉が振動するのを防止できる。そして、このように扉の振動が防止された状態なので、アクチュエータの安全スイッチへの挿入を確実に行えるため、安全スイッチおよびアクチュエータの破損を防止することができる。
【0015】
また、前記ロック部は、一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材を有し、前記連結部材の回動により前記連結部材が前記固定部材に係合することで、前記扉を閉塞状態にロックする構成でもよい(請求項5)。このような構成とすれば、操作部の閉塞操作によって連結部材が回動軸を中心に回動して固定部材と係合するとともにアクチュエータが安全スイッチに挿入される。このように、操作部の閉塞操作を行うことにより、扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータの安全スイッチへの挿入とを同時に行うことができ、アクチュエータロック機構を簡単な構成で実現することができる。また、扉を開放しようと力を加えても、連結部材と固定部材とが係合することで扉が閉塞状態にロックされているため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることがない。このとき、安全スイッチやアクチュエータとは関係なく、連結部材および固定部材の材質、あるいは厚さや太さを変更することで扉のロック強度を簡単に変更することができる。したがって、安全スイッチやアクチュエータの強度を向上させるために安全スイッチを大型化する必要がない。
【0016】
また、前記アクチュエータロック機構は、前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータと、一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材とを備え、前記アクチュエータは、前記連結部材の他端部に回動自在に支持されている構成でもよい(請求項6)。このような構成とすれば、アクチュエータが連結部材に回動自在に支持されていない場合に比べて安全スイッチに挿入されるアクチュエータの他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータの安全スイッチへの挿入を滑らかにすることができる。
【0017】
また、前記操作部は前記連結部材の回動軸に結合された回動部材であり、前記回動部材の回動に前記連結部材が連動して回動する構成でもよい(請求項7)。このような構成とすれば、作業者の回動部材の回動操作に連動して連結部材(アクチュエータロック機構)が回動するため、簡易な構成で連結部材を回動させることができる。
【0018】
また、前記扉に設けられ、前記操作部の開放操作により前記アクチュエータロック機構が内部に収納される収納ケースと、前記収納ケース内に設けられ、前記アクチュエータロック機構を前記収納ケースの収納方向へ付勢する付勢部材とをさらに備える構成でもよい(請求項8)。このような構成とすれば、操作部の開放操作により扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、付勢部材の付勢力によってアクチュエータロック機構は収納ケースに収納される。したがって、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータロック機構に引っ掛かってアクチュエータロック機構が破損することを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、操作部の閉塞操作によりアクチュエータロック機構が仕切壁側に掛止して扉を閉塞状態にロックした状態で、扉を開放しようとしても、扉が移動する方向とアクチュエータロック機構が移動する方向とが異なるため、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態が保持されて扉の開放が阻止されるため、扉がスライド方式であっても、回動方式のいずれであっても、扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、操作部の閉塞操作により、扉を閉塞するとともに、アクチュエータロック機構を扉の移動方向とは異なる方向で回動移動させ、仕切壁側に掛止させて扉をロックすることができ、操作部の開放操作により、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態を解除して扉のロックを解除し、扉を開放することができるため、簡単な操作で扉の開閉および閉塞状態でのロックを確実に行うことができる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明によれば、扉がロックされた状態で扉を開放しようと力を加えても、ロック部が固定部材と係合して扉が閉塞状態に確実にロックされるため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることがないので、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックするとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【0022】
また、請求項4に記載の発明によれば、操作部による扉の閉塞操作が行われると、まずロック部が固定部材に係合して扉が閉塞状態にロックされ、扉が振動するのが防止された状態でアクチュエータを安全スイッチへ確実に挿入することができるため、安全スイッチおよびアクチュエータの破損を防止することができる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作部の閉塞操作を行うことにより、扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータの安全スイッチへの挿入とを同時に行うことができ、アクチュエータロック機構を簡単な構成で実現することができる。また、連結部材と固定部材とが係合することで扉が閉塞状態にロックされているため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることがないので、安全スイッチやアクチュエータとは関係なく、連結部材および固定部材の材質、あるいは厚さや太さを変更することで扉のロック強度を簡単に変更することができる。したがって、安全スイッチやアクチュエータの強度を向上させるために安全スイッチを大型化する必要がない。
【0024】
また、請求項6に記載の発明によれば、アクチュエータが連結部材に回動自在に支持されていない場合に比べて安全スイッチに挿入されるアクチュエータの他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータの安全スイッチへの挿入を滑らかにすることができる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明によれば、作業者の回動部材の回動操作に連動して連結部材(アクチュエータロック機構)が回動するため、簡易な構成で連結部材を回動させることができる。
【0026】
また、請求項8に記載の発明によれば、操作部の開放操作により扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、付勢部材の付勢力によってアクチュエータロック機構は収納ケースに収納されるので、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータロック機構に引っ掛かってアクチュエータロック機構が破損することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1および図2を参照して説明する。図1および図2は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図1は防護扉のロックが解除された状態を示し、図2は防護扉がロックされた状態を示す。図1(a)、図2(a1),(a2)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図1(b)、図2(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外からみた正面図の部分断面図、図1(c)、図2(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外から見た正面図、図1(d)、図2(d)は安全スイッチ付き扉ロック装置の右側面図である。なお、図2(a1)は防護扉周縁を形成するアルミフレームに配設されている安全スイッチ付き扉ロック装置のロック機構部のみを示している。
【0028】
本発明における安全スイッチ付き扉ロック装置は、図1に示すように、ロボット等の産業機械にケーブル11を介して電気的に接続されるスイッチ本体1(本発明の「安全スイッチ」に相当)とロック機構部2とを備えている。また、ロック機構部2は、スイッチ本体1にアクチュエータ挿入口12から挿入・引抜されてして図示省略するスイッチ本体1内に配設された開閉器の開閉状態を切り換えるアクチュエータ3と、アクチュエータ3および連結部材5が内部に収納される収納ケース21と、回動ハンドル22とを備えている。スイッチ本体1は工作機械や工作ロボット等の産業機械が動作する作業領域を仕切る仕切壁の開口部(出入口)周縁を形成する例えばアルミニウム製のフレームWに取り付けられた平面視コ字状の固定部材4を介して配設されている。スイッチ本体1の上面にはアクチュエータ挿入口12が形成されており、下面からはスイッチ本体1内部に配設された開閉器(図示せず)に接続されたケーブル11がケーブル引き出し口からスイッチ本体1の外部に引き出され、ロボット等の産業機械に接続されている。このとき、開閉器の開閉により、例えば、産業機械への電源の供給、遮断が切り換えられて産業機械の動作が制御される。また、固定部材4には後述する連結部材5の係合部51と係合する係合溝41が形成されている。
【0029】
また、ロック機構部2を構成する収納ケース21は仕切壁の開口部を開閉自在に配設された防護扉の周縁を形成する例えばアルミニウム製のフレームDに配設されている。収納ケース21の内部には一端部に回動ハンドル22(本発明の「操作部」、「回動部材」に相当)と結合された回動軸23が設けられ、他端部にアクチュエータ3の一端が回動自在に支持されている連結部材5が、回動ハンドル22の回動に連動して回動可能に配設されている。連結部材5の中央部には上記した固定部材4の係合溝41と係脱自在に係合部51が形成されており、図2(c)中の実線矢印のLK方向への回動ハンドル22の回動に連動して連結部材5が回動することで係合溝41と係合し、これとは逆に図2(c)中の実線矢印ULK方向への回動ハンドル22の回動に連動して連結部材5が回動することで、図1(c)に示すように係合溝41との係合が解除されるように構成されている。また、このように回動ハンドル22を回動させて防護扉の閉塞操作を行うことにより、図2(a2)に示すように連結部材5が連動して回動ハンドル22と同方向に回動して係合部51と係合溝41とが係合し、固定部材4と連結部材5とが係止され、これにより図2(a2)中のX矢印の方向およびY矢印の方向の防護扉の開閉方向を含む2方向への連結部材5の移動が規制され、防護扉が閉塞状態にロックされた状態となる。このように、連結部材5が本発明の「ロック部」として機能している。また、連結部材5には、後述する凸部25と係脱自在に凹部52が板状の連結部材5の両面に形成されている。
【0030】
また、アクチュエータ3は一端が連結部材5にねじりコイルバネ53を介して支持ピン54によって回動自在に支持されており、図1(b)に示すように、このねじりコイルバネ53によって他端が連結部材5の回動軸23に近接する方向に付勢されている。そして、アクチュエータ3は、図2(c)に示すように、回動ハンドル22を回動させて防護扉の閉塞操作を行うことにより、連結部材5と連動して回動ハンドル22と同方向に回動移動して他端側からアクチュエータ挿入口12を介してスイッチ本体1に挿入される。このとき、アクチュエータ3はねじりコイルバネ53の付勢に抗して支持ピン54を回動中心として回動しつつスイッチ本体1に挿入される。このように、連結部材5およびアクチュエータ3が本発明の「アクチュエータロック機構」として機能している。
【0031】
また、収納ケース21内部には、図1(b)に示すように、連結部材5およびアクチュエータ3を収納ケース21の収納方向へ付勢するねじりコイルバネ24(本発明の「付勢部材」に相当)が配設されている。そのため、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のULK方向に回動させて防護扉の開放操作を行うことにより、連結部材5およびアクチュエータ3が回動ハンドル22に連動して回動ハンドル22と同方向に回動移動して収納ケース21内に確実に収納される。また、収納ケース21には上記した連結部材5の両面に形成された凹部52と係脱自在であって、連結部材5を挟持するように凸部25が設けられている。この凸部25は図2(b)に示すように、連結部材5を挟持した状態で凹部52と係合して、ねじりコイルバネ24の連結部材5への付勢に抗してアクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態を保持するように構成されている。また、凸部25は収納ケース21の内壁面から出没自在に設けられており、バネ等(板バネ、圧縮バネ、引張りバネ、ゴム、空気圧、油圧、磁石等)の付勢力で収納ケース部材21の内壁面から突出されている。そのため、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のLK方向に回動させた際、まず、凸部25は収納ケース22の内壁面内に没しつつ回動ハンドル22に連動して回動移動する連結部材5と摺接する。そして、回動ハンドル22を所定の位置まで回動して、連結部材5の係合部51と係合溝41とが係合状態となったときに凹部52の位置が凸部25の位置と一致する。そして、凸部25がバネ等の付勢力で収納ケース21の内壁面から突出し、凹部52と係合することでねじりコイルバネ24の連結部材5への付勢に抗してアクチュエータ3がスイッチ本体1へ挿入された状態を保持する。このように、凸部25および凹部52が保持部として機能している。
【0032】
次に、動作について説明する。まず、図1に示すように回動ハンドル22を把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞することで、ロック機構部2とスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のLK方向に回動させると、回動ハンドル22の回動に連動して連結部材5が同じ方向に回動し、まず、係合部51が係合溝41と係合して、連結部材5のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらに回動ハンドル22を回動させることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される。
【0033】
また、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のULK方向に回動させると、回動ハンドル22に連動して連結部材5が回動移動してアクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51と係合溝41との係合状態が解除され、連結部材5がX,Y矢印の両方向に移動可能な状態となる。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉がロック解除されて開放可能になる。
【0034】
以上のように、この実施形態では、回転ハンドル22の閉塞操作により、防護扉を閉塞するとともに、アクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入させて連結部材5の係合部51を固定部材4の係合溝41に係合させ、防護扉を閉塞状態にロックすることができる。そのため、防護扉がロックされた状態で、誤操作等により防護扉を強引に開放しようとしたとしても、係合部51が固定部材4の係合溝41に係合して防護扉を閉塞状態にロックしているため防護扉を開放しようとする力がスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることはない。また、作業領域内で動作している産業機械の振動によって防護扉等が振動したとしても、このような振動がスイッチ本体1とアクチュエータ3に直接加わるのを防止することができる。したがって、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックできるとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【0035】
また、この実施形態では、連結部材5の他端部に支持されたアクチュエータ3がスイッチ本体1の操作部に挿入される。そして、連結部材5の係合部51が係合溝41と係合することで、連結部材5がX,Y矢印の両方向の2方向に移動するのを規制することができる。回動ハンドル22の閉塞操作によって連結部材5が回動軸23を中心に回動して連結部材5の係合部51が固定部材4の係合溝41と係合するとともに、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されて連結部材5の係合部51が固定部材41と係合するため、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動が規制され、防護扉をがたつくことなく閉塞状態に、より確実にロックすることができる。したがって、防護扉の開放方向が、X矢印方向となるスライド式扉、あるいはY矢印方向となる回動式扉のいずれであっても、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動を規制しているので、確実に防護扉を閉塞状態にロックすることができる。
【0036】
また、回動ハンドル22の閉塞操作を行うことにより、防護扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入とを同時に行うことができる。また、防護扉を開放しようと力を加えても、仕切壁の開口部周縁を構成するフレームWに取り付けられた固定部材4に連結部材5の係合部51が係合することで、防護扉の移動が規制され防護扉が閉塞状態にロックされているため、防護扉を開放しようとする力がスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることがない。このとき、スイッチ本体1やアクチュエータ3とは関係なく、連結部材5および固定部材4の材質(金属、プラスチック等)、あるいは厚さや太さを変更することで防護扉のロック強度を目的に応じて簡単に変更することができる。したがって、スイッチ本体1やアクチュエータ3の強度を向上させるために安全スイッチを大型化する必要がない。
【0037】
また、この実施形態では、回動ハンドル22の開放操作により防護扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、ねじりコイルバネ34の付勢力によってアクチュエータ3は収納ケース21に収納される。したがって、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータ3に引っ掛かってアクチュエータ3を破損することを防止できる。
【0038】
また、この実施形態では、回動ハンドル22の閉塞操作によって防護扉が閉塞状態にロックされたときに、凸部25と凹部52とが係合することでアクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入された状態にアクチュエータ3を保持できるため、ねじりコイルバネ24の付勢力によりアクチュエータ3がスイッチ本体1から簡単に引抜かれることを防止できる。
【0039】
また、この実施形態では、回動ハンドル22の閉塞操作を行う前であって、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれた状態のときには、アクチュエータ3の他端側がねじりコイルバネ53によって連結部材5の回動軸23に近接する方向に付勢されている。そして、回動ハンドル23の閉塞操作により、アクチュエータ3の他端がスイッチ本体1に挿入される際には、アクチュエータ3はねじりコイルバネ53による付勢に抗してアクチュエータ3の他端が連結部材5の回動軸23から離間する方向へ回動しながらスイッチ本体1に挿入される。このように、連結部材5に対してアクチュエータ3が回動自在に支持され、アクチュエータ3は連結部材5に対して回動しつつスイッチ本体1へ挿入されるため、アクチュエータ3が回動自在に支持されていない場合に比べてスイッチ本体1に挿入されるアクチュエータ3の他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータ3を含む連結部材5の回動のために確保すべきスペースが少なくて済み、しかも、アクチュエータ3が挿入されるべきスイッチ本体1側のアクチュエータ挿入口12も余裕を見込んで大きくする必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入を滑らかにすることができる。
【0040】
また、この実施形態では、回動ハンドル22による防護扉の閉塞操作が行われると、まず係合部51が係合溝41に係合して防護扉が閉塞状態にロックされるため防護扉が振動するのを防止できる。そして、このように防護扉の振動が防止された状態で、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されるため、アクチュエータ3が操作部に挿入される際におけるアクチュエータ3のスイッチ本体1の本体ケースとの接触等を防止することができる。したがって、アクチュエータ3のスイッチ本体1の操作部への挿入を確実に行えるため、アクチュエータ3のスイッチ本体1との接触等による破損を確実に防止することができる。
【0041】
また、この実施形態では、作業者の回動ハンドル22の回動に連動し連結部材5が回動するため、簡易な構成で連結部材5を回動させることができる。
【0042】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図3および図4を参照して説明する。図3および図4は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図3は防護扉のロックが解除された状態を示し、図4は防護扉がロックされた状態を示す。図3(a)、図4(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図3(b)、図4(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図3(c)、図4(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0043】
この第2実施形態が、上記第1実施形態と大きく異なる点は、ロック機構部2aがスライドハンドル22a、スライドギア26aおよび回動ギア27a,28aで構成されている点であり、その他の構成および動作は、上記第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態について詳細に述べる。なお、第1実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0044】
図3に示すように、収納ケース21aにはスライド溝29aが形成されており、スライドハンドル22aがスライド溝29aに沿って図4の矢印S1の方向にスライド自在に配設されている。また、図3に示すように、収納ケース21内にはスライドハンドル22aに結合されたスライドギア26a、連結部材5aの回動軸23aに結合された回動ギア28a、およびスライドギア26aの直線運動を回動運動として回動ギア28aに伝動する回動ギア27aが配設されている。したがって、スライドハンドル22aが図3(b)に示す位置から図4(b)に示す位置へ矢印S1の方向にスライドされると、スライドハンドル22aに連動してスライドギア26aが矢印S1の方向に移動する。そして、スライドギア26aの矢印S1の方向への移動に従動して回動ギア27aが図4(b)に示す軸方向から見て反時計回りに回動する。さらに回動ギア28aが回動ギア27aに従動して反対方向に回動し、連結部材5aが図4(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0045】
次に、動作について説明する。まず、図3に示すようにスライドハンドル22aを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2aとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、スライドハンドル22aを図4(b)に示す位置まで矢印S1の方向へスライドさせるスライド操作を行うことで、スライドハンドル22aのスライド移動に連動して連結部材5aが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51aが係合溝41と係合して、連結部材5aの図4(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22aをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図4参照)。
【0046】
また、図3に示すようにスライドハンドル22aを矢印S1と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引き抜かれるとともに、係合部51aと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0047】
以上のように、この実施形態では、1つのスライドハンドル22aで開口部の防護扉による開閉と、防護扉の閉塞状態でのロックを行うことができるため、防護扉の閉塞操作を簡単に行うことができる。また、防護扉としてスライド式の扉を採用した場合、ハンドル22aを把持して防護扉を開閉する際、スライドハンドル22aがスライド溝29aの内周面に当接して押圧することで防護扉をスライド方向(X矢印の方向)に開閉することができる。
【0048】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図5および図6を参照して説明する。図5および図6は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図5は防護扉のロックが解除された状態を示し、図6は防護扉がロックされた状態を示す。図5(a)、図6(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図5(b)、図6(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図5(c)、図6(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0049】
この第3実施形態が、上記第2実施形態と大きく異なる点は、スライドハンドル22bのスライド方向が矢印S2の水平方向である点であり、その他の構成および動作は、上記第1および第2実施形態と同様である。以下、第2実施形態との相違点を中心に第3実施形態について詳細に述べる。なお、第1および第2実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0050】
図5に示すように、収納ケース21bにはスライド溝29bが形成されており、スライドハンドル22bがスライド溝29bに沿って図6の矢印S2の方向にスライド自在に配設されている。また、図5に示すように、収納ケース21b内にはスライドハンドル22bに結合されたスライドギア26b、連結部材5bの回動軸23bに結合された回動ギア28b、およびスライドギア26bの直線運動を回動運動として回動ギア28bに伝動する回動ギア27bが配設されている。したがって、スライドハンドル22bが矢印S2の方向にスライドされると、スライドハンドル22bに連動してスライドギア26bが矢印S2の方向に移動する。そして、スライドギア26bの矢印S2の方向への移動に従動して回動ギア27bが図6(b)に示す軸方向から見て反時計回りに回動する。さらに回動ギア28bが回動ギア27bに従動して反対方向に回動し、連結部材5bが図6(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0051】
また、この実施形態では、スライド溝29bに突起部6が設けられている。この突起部6は収納ケース21bに出没自在に構成されており、バネ等の所定の付勢力によってスライド溝29bに突出するとともに、突起部6を付勢する力以上の力を加えることで、この突起部6を収納ケース21b内に押し込むことができるように構成されている。
【0052】
次に、動作について説明する。まず、図5に示すようにスライドハンドル22bを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2bとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、突起部6を付勢する付勢力以上の力をスライドハンドル22bに加えて突起部6を収納ケース21内に押し込んで、スライドハンドル22bを矢印S2の方向へスライドするスライド操作を行うことで、スライドハンドル22aのスライド移動に連動して連結部材5bが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51bが係合溝41と係合して、連結部材5bの図6(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22bをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図6参照)。
【0053】
また、図5に示すようにスライドハンドル22bを矢印S2と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51bと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0054】
以上のように、この実施形態では、突起部6を設けることで、スライドハンドル22bと突起部6とが係合することで、防護扉をスライドハンドル22によってスライド方向(X矢印の方向)に移動させることができるため、防護扉としてスライド方式および回動方式のいずれをも採用することができる。
【0055】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について図7および図8を参照して説明する。図7および図8は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図7は防護扉のロックが解除された状態を示し、図8は防護扉がロックされた状態を示す。図7(a)、図8(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図7(b)、図8(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図7(c)、図8(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0056】
この第4実施形態が、上記第3実施形態と大きく異なる点は、作業領域への開口部を防護扉で閉塞した後、スライドハンドル22cを矢印S3の方向にスライドさせて防護扉を閉塞状態にロックする点であり、その他の構成および動作は、上記第1ないし第3実施形態と同様である。以下、第3実施形態との相違点を中心に第4実施形態について詳細に述べる。なお、第1ないし第3実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0057】
図7に示すように、収納ケース21cにはスライド溝29cが形成されており、スライドハンドル22cがスライド溝29cに沿って図8の矢印S3の方向にスライド自在に配設されている。また、図7(b)に示すように、収納ケース21c内にはスライドハンドル22cに結合されたスライドギア26c、連結部材5bの回動軸23cに結合された回動ギア28cが従動するように配設されている。したがって、スライドハンドル22cが矢印S3の方向にスライドされると、スライドハンドル22cに連動してスライドギア26cが矢印S3の方向に移動する。そして、スライドギア26cの矢印S3の方向への移動に従動して回動ギア28cが図8(b)に示す軸方向から見て時計回りに回動し、連結部材5cが図8(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0058】
次に、動作について説明する。まず、図7に示すようにスライドハンドル22cを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2cとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、スライドハンドル22cを矢印S3の方向へスライドするスライド操作を行うことで、スライドハンドル22cのスライド移動に連動して連結部材5cが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51cが係合溝41と係合して、連結部材5cの図8(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22cをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図8参照)。
【0059】
また、図7に示すようにスライドハンドル22cを矢印S3と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51cと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0060】
以上のように、この実施形態では、1つのスライドハンドル22cで開口部の防護扉による開閉と、防護扉の閉塞状態でのロックを行うことができるため、防護扉の閉塞操作を簡単に行うことができる。
【0061】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について図9および図10を参照して説明する。図9および図10は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図9は防護扉のロックが解除された状態を示し、図10は防護扉がロックされた状態を示す。図9(a)、図10(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図9(b)、図10(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図9(c)、図10(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0062】
この第5実施形態が、上記第4実施形態と大きく異なる点は、スライドハンドル22dを連結部材5dに形成されたカム溝55dに連通することで、スライドハンドル22dの移動に連動させて連結部材5dを回動軸23dを回動中心として回動移動させている点である。その他の構成および動作は、上記第1ないし第4実施形態と同様である。以下、第4実施形態との相違点を中心に第5実施形態について詳細に述べる。なお、第1ないし第4実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0063】
図9に示すように、収納ケース21dにはスライド溝29dが形成されており、スライドハンドル22dがスライド溝29dに沿って図10の矢印S4の方向にスライド自在に配設されている。また、図9(b)に示すように、収納ケース21d内には連結部材5dが回動軸23dを回動中心として回動自在に配設されているとともに、ねじりコイルバネ24dによって収納ケース21dの収納方向へ付勢されている。また、連結部材5dの一端部には円弧状のカム溝55dが形成されており、スライドハンドル22dがカム溝55dに沿って移動自在に配設されている。したがって、図10に示すように、スライドハンドル22dが矢印S4の方向にスライドされると、スライドハンドル22dがカム溝55dを摺接することで、連結部材5dが連動して回動軸23dを回動中心として図10(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0064】
次に、動作について説明する。まず、図9に示すようにスライドハンドル22dを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2dとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、スライドハンドル22dを矢印S4の方向へスライドするスライド操作を行うことで、スライドハンドル22dのスライド移動に連動して連結部材5cが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51dが係合溝41と係合して、連結部材5dの図10(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22dをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図10参照)。
【0065】
また、図9に示すようにスライドハンドル22dを矢印S4と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51dと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0066】
以上のように、この実施形態では、1つのスライドハンドル22dで開口部の防護扉による開閉と、防護扉の閉塞状態でのロックを行うことができるため、防護扉の閉塞操作を簡単に行うことができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記した実施形態では、アクチュエータロック機構をアクチュエータ3と連結部材5とで構成して、連結部材5と固定部材4とを係合させて防護扉を閉塞状態にロックしているが、アクチュエータ3とスイッチ本体1とを掛止状態として防護扉を閉塞状態にロックする構成でもよい。すなわち、アクチュエータロック機構をアクチュエータ3のみで構成してもよい。このような構成とすれば、防護扉が仕切壁の開口部を閉塞した状態でアクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入される。この状態で、防護扉を開放しようとしても、防護扉が移動する方向とアクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれる方向とが異なるため、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれずに掛止状態に保持されて防護扉の開放が阻止される。したがって、防護扉がスライド方式であっても、回動方式のいずれであっても、アクチュエータがスイッチ本体1に挿入・引抜される方向と、防護扉が開閉する移動方向とが異なるため、防護扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。このように、アクチュエータロック機構が仕切壁側(スイッチ本体1、固定部材4)に掛止するために移動する方向と防護扉が開閉する移動方向とが異なるため、防護扉を開放しようとしても、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態が保持されて扉の開放が阻止され扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。
【0068】
また、防護扉の開放操作および閉塞操作をするための操作部が防護扉に設けられ、操作部の操作時に、アクチュエータロック機構が防護扉の移動方向と異なる方向に回動移動して操作部に挿入・引抜される構成であるため、操作部の閉塞操作により、防護扉を閉塞するとともに、アクチュエータロック機構を防護扉の移動方向とは異なる方向で回動移動させ、仕切壁側(スイッチ本体1、固定部材4)に掛止させて扉をロックすることができる。また、操作部の開放操作により、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態を解除して防護扉のロックを解除し、防護扉を開放することができる。したがって、簡単な操作で防護扉の開閉及び閉塞状態でのロックを確実に行うことができる。
【0069】
また、上記した実施形態では、固定部材4に係合溝41を形成し、連結部材に係合溝41に係脱自在な係合部を形成しているが、連結部材の係合部を溝状に形成して、固定部材4をこの溝状の係合部と係脱自在な形状としてもよいし、係合部を係合溝41と係脱自在な溝状に形成してもよい。すなわち、係合部を有する連結部材の、防護扉の移動方向を含む2方向への移動が規制されるように係合部と固定部材とが係合すれば、係合部分の形状はどのようなものであってもよい。
【0070】
また、上記した実施形態のように、連結部材は一端に回動軸を設けるとともに他端にアクチュエータが支持され、中央部が固定部材4に係合する構成とすれば、容易に、ロック部(連結部材)を固定部材4に係合させた後にアクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入させることができる。しかしながら、連結部材の一端に回動軸を設けるとともに中央部にアクチュエータが支持され、他端が固定部材4に係合する構成としてももちろんよい。
【0071】
また、操作部は回動ハンドルやスライドハンドルに限定されず、ドアノブ等、作業者の操作に連動してアクチュエータロック機構を回動させるものであればどのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の第1実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図2】この発明の第1実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図3】この発明の第2実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図4】この発明の第2実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図5】この発明の第3実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図6】この発明の第3実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図7】この発明の第4実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図8】この発明の第4実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図9】この発明の第5実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図10】この発明の第5実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1…スイッチ本体(安全スイッチ)
22…回動ハンドル(操作部、回動部材)
22a,22b,22c,22d…スライドハンドル(操作部)
24,24a,24b,24d…ねじりコイルバネ(付勢部材)
3…アクチュエータ(アクチュエータロック機構)
4…固定部材
5,5a,5b,5c,5d…連結部材(ロック部、アクチュエータロック機構)
51,51a,51b,51c,51d…係合部
53,53a,53b,53c,53d…ねじりコイルバネ
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば産業機械等の防護扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付き扉ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仕切壁で仕切られた作業領域内に工作機械や工作ロボット等の産業機械を設置し、その出入口(開口部)を閉塞する防護扉などには、作業領域内での作業者の事故防止を目的として、防護扉が開いているときには、産業機械への通電を遮断する安全スイッチが設けられている。このような安全スイッチの一例として、例えば、特許文献1に記載の安全スイッチのように、防護扉に配設された回動ハンドルを操作してアクチュエータを安全スイッチから引抜く操作をしなければ防護扉が閉鎖状態にロックされたままとなり、防護扉の開放を防止する安全スイッチ付き扉ロック装置を備えているものがある。
【0003】
この種の安全スイッチ付き扉ロック装置は、防護扉が閉じられ産業機械が動作している場合には、仕切壁の出入口に設けられた安全スイッチに、扉に取り付けられたアクチュエータを挿入状態に保持することで、安全スイッチとアクチュエータとを係合させて防護扉を閉塞状態にロックし、該防護扉が開放するのを防止している。また、作業者が作業領域に進入する場合には、作業者が扉を開閉操作するための回動ハンドルを垂直姿勢から水平姿勢へ回動することで、回動ハンドルの操作に連動してアクチュエータがロック機構部の内部に格納されてアクチュエータが安全スイッチから引抜かれる。その結果、停止信号が発せられて産業機械が動作不可能な状態となるとともに、防護扉はアクチュエータによるロック状態が解除されて開放可能な状態となる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−353849号公報([0018]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の安全スイッチ付き扉ロック装置をスライド式の防護扉に採用した場合、次のような問題が生じることがあった。すなわち、アクチュエータのスイッチ本体への挿入・引抜の方向と、防護扉が開閉する移動方向とが同じ方向になるため、産業機械の振動や、防護扉を閉塞する際の衝撃等によって、安全スイッチへのアクチュエータの挿入だけで防護扉を閉塞状態に確実にロックすることができず、防護扉が勝手に開いて産業機械への通電が突然遮断されて産業機械が予想外の動きをすることが考えられる。
【0006】
また、回動式の防護扉に従来の安全スイッチ付き扉ロック装置を採用した場合には、アクチュエータが安全スイッチに挿入されることによって防護扉を閉塞状態にロックできるが、次のような問題が生じることがあった。例えば、作業者が誤って回動ハンドルを操作せずに防護扉を開放しようとすると、作業者が加える力を安全スイッチのアクチュエータ挿入口とアクチュエータとの係合部分だけで受けることとなり、安全スイッチやアクチュエータに負担がかかって、安全スイッチやアクチュエータの変形や破損を招くことがあった。
【0007】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、扉を確実にロックすることのできる安全スイッチ付き扉ロック装置を提供することを第1の目的とする。
【0008】
また、この発明は、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックするとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることのできる安全スイッチ付き扉ロック装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するため、この発明は、工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付き扉ロック装置において、前記扉の開放操作および閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられ前記工作機械や工作ロボット等の動作を制御するための安全スイッチに対して挿入・引抜されて前記安全スイッチ内の開閉器を開閉させる部分を有するアクチュエータロック機構とを備え、前記アクチュエータロック機構は、前記操作部の閉塞操作により前記扉の移動方向と異なる方向に移動して前記仕切壁側に掛止することで前記扉を閉塞状態にロックする特徴としている(請求項1)。
【0010】
このように構成すると、操作部の閉塞操作によりアクチュエータロック機構が仕切壁側に掛止して扉を閉塞状態にロックする。この状態で、扉を開放しようとしても、扉が移動する方向とアクチュエータロック機構が移動する方向とが異なるため、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態が保持されて扉の開放が阻止される。したがって、扉がスライド方式であっても、回動方式のいずれであっても、アクチュエータロック機構が仕切壁側に掛止するために移動する方向と、扉が開閉する移動方向とが異なるため、扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。
【0011】
また、前記操作部の操作時に、前記アクチュエータロック機構は前記扉の移動方向と異なる方向に回動移動する構成でもよい(請求項2)。このような構成とすれば、操作部の閉塞操作により、扉を閉塞するとともに、アクチュエータロック機構を扉の移動方向とは異なる方向で回動移動させ、仕切壁側に掛止させて扉をロックすることができる。また、操作部の開放操作により、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態を解除して扉のロックを解除し、扉を開放することができる。したがって、簡単な操作で扉の開閉および閉塞状態でのロックを確実に行うことができる。
【0012】
また、上記第2の目的を達成するため、この発明は、前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた固定部材をさらに備え、前記アクチュエータロック機構は、前記操作部の閉塞操作時に前記固定部材に係脱自在に係合し閉塞状態の前記扉をロックするロック部と、前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータとを有することを特徴としている(請求項3)。
【0013】
このように構成すると、操作部の閉塞操作により、扉を閉塞するとともに、アクチュエータを安全スイッチ挿入させてロック部を固定部材に係合させ、扉を閉塞状態にロックすることができる。そのため、扉がロックされた状態で扉を開放しようと力を加えても、ロック部が固定部材と係合して扉が閉塞状態に確実にロックされるため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることはない。したがって、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックするとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【0014】
また、前記操作部の閉塞操作時に、前記ロック部が前記固定部材に係合した後に、前記アクチュエータが前記安全スイッチに挿入される構成としてもよい(請求項4)。このような構成とすれば、操作部による扉の閉塞操作が行われると、まずロック部が固定部材に係合して扉が閉塞状態にロックされるため扉が振動するのを防止できる。そして、このように扉の振動が防止された状態なので、アクチュエータの安全スイッチへの挿入を確実に行えるため、安全スイッチおよびアクチュエータの破損を防止することができる。
【0015】
また、前記ロック部は、一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材を有し、前記連結部材の回動により前記連結部材が前記固定部材に係合することで、前記扉を閉塞状態にロックする構成でもよい(請求項5)。このような構成とすれば、操作部の閉塞操作によって連結部材が回動軸を中心に回動して固定部材と係合するとともにアクチュエータが安全スイッチに挿入される。このように、操作部の閉塞操作を行うことにより、扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータの安全スイッチへの挿入とを同時に行うことができ、アクチュエータロック機構を簡単な構成で実現することができる。また、扉を開放しようと力を加えても、連結部材と固定部材とが係合することで扉が閉塞状態にロックされているため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることがない。このとき、安全スイッチやアクチュエータとは関係なく、連結部材および固定部材の材質、あるいは厚さや太さを変更することで扉のロック強度を簡単に変更することができる。したがって、安全スイッチやアクチュエータの強度を向上させるために安全スイッチを大型化する必要がない。
【0016】
また、前記アクチュエータロック機構は、前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータと、一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材とを備え、前記アクチュエータは、前記連結部材の他端部に回動自在に支持されている構成でもよい(請求項6)。このような構成とすれば、アクチュエータが連結部材に回動自在に支持されていない場合に比べて安全スイッチに挿入されるアクチュエータの他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータの安全スイッチへの挿入を滑らかにすることができる。
【0017】
また、前記操作部は前記連結部材の回動軸に結合された回動部材であり、前記回動部材の回動に前記連結部材が連動して回動する構成でもよい(請求項7)。このような構成とすれば、作業者の回動部材の回動操作に連動して連結部材(アクチュエータロック機構)が回動するため、簡易な構成で連結部材を回動させることができる。
【0018】
また、前記扉に設けられ、前記操作部の開放操作により前記アクチュエータロック機構が内部に収納される収納ケースと、前記収納ケース内に設けられ、前記アクチュエータロック機構を前記収納ケースの収納方向へ付勢する付勢部材とをさらに備える構成でもよい(請求項8)。このような構成とすれば、操作部の開放操作により扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、付勢部材の付勢力によってアクチュエータロック機構は収納ケースに収納される。したがって、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータロック機構に引っ掛かってアクチュエータロック機構が破損することを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、操作部の閉塞操作によりアクチュエータロック機構が仕切壁側に掛止して扉を閉塞状態にロックした状態で、扉を開放しようとしても、扉が移動する方向とアクチュエータロック機構が移動する方向とが異なるため、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態が保持されて扉の開放が阻止されるため、扉がスライド方式であっても、回動方式のいずれであっても、扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、操作部の閉塞操作により、扉を閉塞するとともに、アクチュエータロック機構を扉の移動方向とは異なる方向で回動移動させ、仕切壁側に掛止させて扉をロックすることができ、操作部の開放操作により、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態を解除して扉のロックを解除し、扉を開放することができるため、簡単な操作で扉の開閉および閉塞状態でのロックを確実に行うことができる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明によれば、扉がロックされた状態で扉を開放しようと力を加えても、ロック部が固定部材と係合して扉が閉塞状態に確実にロックされるため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることがないので、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックするとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【0022】
また、請求項4に記載の発明によれば、操作部による扉の閉塞操作が行われると、まずロック部が固定部材に係合して扉が閉塞状態にロックされ、扉が振動するのが防止された状態でアクチュエータを安全スイッチへ確実に挿入することができるため、安全スイッチおよびアクチュエータの破損を防止することができる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明によれば、操作部の閉塞操作を行うことにより、扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータの安全スイッチへの挿入とを同時に行うことができ、アクチュエータロック機構を簡単な構成で実現することができる。また、連結部材と固定部材とが係合することで扉が閉塞状態にロックされているため、扉を開放しようとする力が安全スイッチやアクチュエータに直接加わることがないので、安全スイッチやアクチュエータとは関係なく、連結部材および固定部材の材質、あるいは厚さや太さを変更することで扉のロック強度を簡単に変更することができる。したがって、安全スイッチやアクチュエータの強度を向上させるために安全スイッチを大型化する必要がない。
【0024】
また、請求項6に記載の発明によれば、アクチュエータが連結部材に回動自在に支持されていない場合に比べて安全スイッチに挿入されるアクチュエータの他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータの安全スイッチへの挿入を滑らかにすることができる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明によれば、作業者の回動部材の回動操作に連動して連結部材(アクチュエータロック機構)が回動するため、簡易な構成で連結部材を回動させることができる。
【0026】
また、請求項8に記載の発明によれば、操作部の開放操作により扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、付勢部材の付勢力によってアクチュエータロック機構は収納ケースに収納されるので、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータロック機構に引っ掛かってアクチュエータロック機構が破損することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1および図2を参照して説明する。図1および図2は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図1は防護扉のロックが解除された状態を示し、図2は防護扉がロックされた状態を示す。図1(a)、図2(a1),(a2)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図1(b)、図2(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外からみた正面図の部分断面図、図1(c)、図2(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外から見た正面図、図1(d)、図2(d)は安全スイッチ付き扉ロック装置の右側面図である。なお、図2(a1)は防護扉周縁を形成するアルミフレームに配設されている安全スイッチ付き扉ロック装置のロック機構部のみを示している。
【0028】
本発明における安全スイッチ付き扉ロック装置は、図1に示すように、ロボット等の産業機械にケーブル11を介して電気的に接続されるスイッチ本体1(本発明の「安全スイッチ」に相当)とロック機構部2とを備えている。また、ロック機構部2は、スイッチ本体1にアクチュエータ挿入口12から挿入・引抜されてして図示省略するスイッチ本体1内に配設された開閉器の開閉状態を切り換えるアクチュエータ3と、アクチュエータ3および連結部材5が内部に収納される収納ケース21と、回動ハンドル22とを備えている。スイッチ本体1は工作機械や工作ロボット等の産業機械が動作する作業領域を仕切る仕切壁の開口部(出入口)周縁を形成する例えばアルミニウム製のフレームWに取り付けられた平面視コ字状の固定部材4を介して配設されている。スイッチ本体1の上面にはアクチュエータ挿入口12が形成されており、下面からはスイッチ本体1内部に配設された開閉器(図示せず)に接続されたケーブル11がケーブル引き出し口からスイッチ本体1の外部に引き出され、ロボット等の産業機械に接続されている。このとき、開閉器の開閉により、例えば、産業機械への電源の供給、遮断が切り換えられて産業機械の動作が制御される。また、固定部材4には後述する連結部材5の係合部51と係合する係合溝41が形成されている。
【0029】
また、ロック機構部2を構成する収納ケース21は仕切壁の開口部を開閉自在に配設された防護扉の周縁を形成する例えばアルミニウム製のフレームDに配設されている。収納ケース21の内部には一端部に回動ハンドル22(本発明の「操作部」、「回動部材」に相当)と結合された回動軸23が設けられ、他端部にアクチュエータ3の一端が回動自在に支持されている連結部材5が、回動ハンドル22の回動に連動して回動可能に配設されている。連結部材5の中央部には上記した固定部材4の係合溝41と係脱自在に係合部51が形成されており、図2(c)中の実線矢印のLK方向への回動ハンドル22の回動に連動して連結部材5が回動することで係合溝41と係合し、これとは逆に図2(c)中の実線矢印ULK方向への回動ハンドル22の回動に連動して連結部材5が回動することで、図1(c)に示すように係合溝41との係合が解除されるように構成されている。また、このように回動ハンドル22を回動させて防護扉の閉塞操作を行うことにより、図2(a2)に示すように連結部材5が連動して回動ハンドル22と同方向に回動して係合部51と係合溝41とが係合し、固定部材4と連結部材5とが係止され、これにより図2(a2)中のX矢印の方向およびY矢印の方向の防護扉の開閉方向を含む2方向への連結部材5の移動が規制され、防護扉が閉塞状態にロックされた状態となる。このように、連結部材5が本発明の「ロック部」として機能している。また、連結部材5には、後述する凸部25と係脱自在に凹部52が板状の連結部材5の両面に形成されている。
【0030】
また、アクチュエータ3は一端が連結部材5にねじりコイルバネ53を介して支持ピン54によって回動自在に支持されており、図1(b)に示すように、このねじりコイルバネ53によって他端が連結部材5の回動軸23に近接する方向に付勢されている。そして、アクチュエータ3は、図2(c)に示すように、回動ハンドル22を回動させて防護扉の閉塞操作を行うことにより、連結部材5と連動して回動ハンドル22と同方向に回動移動して他端側からアクチュエータ挿入口12を介してスイッチ本体1に挿入される。このとき、アクチュエータ3はねじりコイルバネ53の付勢に抗して支持ピン54を回動中心として回動しつつスイッチ本体1に挿入される。このように、連結部材5およびアクチュエータ3が本発明の「アクチュエータロック機構」として機能している。
【0031】
また、収納ケース21内部には、図1(b)に示すように、連結部材5およびアクチュエータ3を収納ケース21の収納方向へ付勢するねじりコイルバネ24(本発明の「付勢部材」に相当)が配設されている。そのため、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のULK方向に回動させて防護扉の開放操作を行うことにより、連結部材5およびアクチュエータ3が回動ハンドル22に連動して回動ハンドル22と同方向に回動移動して収納ケース21内に確実に収納される。また、収納ケース21には上記した連結部材5の両面に形成された凹部52と係脱自在であって、連結部材5を挟持するように凸部25が設けられている。この凸部25は図2(b)に示すように、連結部材5を挟持した状態で凹部52と係合して、ねじりコイルバネ24の連結部材5への付勢に抗してアクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態を保持するように構成されている。また、凸部25は収納ケース21の内壁面から出没自在に設けられており、バネ等(板バネ、圧縮バネ、引張りバネ、ゴム、空気圧、油圧、磁石等)の付勢力で収納ケース部材21の内壁面から突出されている。そのため、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のLK方向に回動させた際、まず、凸部25は収納ケース22の内壁面内に没しつつ回動ハンドル22に連動して回動移動する連結部材5と摺接する。そして、回動ハンドル22を所定の位置まで回動して、連結部材5の係合部51と係合溝41とが係合状態となったときに凹部52の位置が凸部25の位置と一致する。そして、凸部25がバネ等の付勢力で収納ケース21の内壁面から突出し、凹部52と係合することでねじりコイルバネ24の連結部材5への付勢に抗してアクチュエータ3がスイッチ本体1へ挿入された状態を保持する。このように、凸部25および凹部52が保持部として機能している。
【0032】
次に、動作について説明する。まず、図1に示すように回動ハンドル22を把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞することで、ロック機構部2とスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のLK方向に回動させると、回動ハンドル22の回動に連動して連結部材5が同じ方向に回動し、まず、係合部51が係合溝41と係合して、連結部材5のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらに回動ハンドル22を回動させることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される。
【0033】
また、回動ハンドル22を図2(c)中の実線矢印のULK方向に回動させると、回動ハンドル22に連動して連結部材5が回動移動してアクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51と係合溝41との係合状態が解除され、連結部材5がX,Y矢印の両方向に移動可能な状態となる。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉がロック解除されて開放可能になる。
【0034】
以上のように、この実施形態では、回転ハンドル22の閉塞操作により、防護扉を閉塞するとともに、アクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入させて連結部材5の係合部51を固定部材4の係合溝41に係合させ、防護扉を閉塞状態にロックすることができる。そのため、防護扉がロックされた状態で、誤操作等により防護扉を強引に開放しようとしたとしても、係合部51が固定部材4の係合溝41に係合して防護扉を閉塞状態にロックしているため防護扉を開放しようとする力がスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることはない。また、作業領域内で動作している産業機械の振動によって防護扉等が振動したとしても、このような振動がスイッチ本体1とアクチュエータ3に直接加わるのを防止することができる。したがって、安全スイッチならびにアクチュエータに負担をかけることなく扉を確実にロックできるとともに、安全スイッチの耐久性の向上を図ることができる。
【0035】
また、この実施形態では、連結部材5の他端部に支持されたアクチュエータ3がスイッチ本体1の操作部に挿入される。そして、連結部材5の係合部51が係合溝41と係合することで、連結部材5がX,Y矢印の両方向の2方向に移動するのを規制することができる。回動ハンドル22の閉塞操作によって連結部材5が回動軸23を中心に回動して連結部材5の係合部51が固定部材4の係合溝41と係合するとともに、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されて連結部材5の係合部51が固定部材41と係合するため、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動が規制され、防護扉をがたつくことなく閉塞状態に、より確実にロックすることができる。したがって、防護扉の開放方向が、X矢印方向となるスライド式扉、あるいはY矢印方向となる回動式扉のいずれであっても、防護扉の開閉方向を含む2方向への防護扉の移動を規制しているので、確実に防護扉を閉塞状態にロックすることができる。
【0036】
また、回動ハンドル22の閉塞操作を行うことにより、防護扉の閉塞状態でのロックと、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入とを同時に行うことができる。また、防護扉を開放しようと力を加えても、仕切壁の開口部周縁を構成するフレームWに取り付けられた固定部材4に連結部材5の係合部51が係合することで、防護扉の移動が規制され防護扉が閉塞状態にロックされているため、防護扉を開放しようとする力がスイッチ本体1やアクチュエータ3に直接加わることがない。このとき、スイッチ本体1やアクチュエータ3とは関係なく、連結部材5および固定部材4の材質(金属、プラスチック等)、あるいは厚さや太さを変更することで防護扉のロック強度を目的に応じて簡単に変更することができる。したがって、スイッチ本体1やアクチュエータ3の強度を向上させるために安全スイッチを大型化する必要がない。
【0037】
また、この実施形態では、回動ハンドル22の開放操作により防護扉のロック状態が解除されて開口部が開放された際、ねじりコイルバネ34の付勢力によってアクチュエータ3は収納ケース21に収納される。したがって、物資等が作業領域に進入する際にアクチュエータ3に引っ掛かってアクチュエータ3を破損することを防止できる。
【0038】
また、この実施形態では、回動ハンドル22の閉塞操作によって防護扉が閉塞状態にロックされたときに、凸部25と凹部52とが係合することでアクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入された状態にアクチュエータ3を保持できるため、ねじりコイルバネ24の付勢力によりアクチュエータ3がスイッチ本体1から簡単に引抜かれることを防止できる。
【0039】
また、この実施形態では、回動ハンドル22の閉塞操作を行う前であって、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれた状態のときには、アクチュエータ3の他端側がねじりコイルバネ53によって連結部材5の回動軸23に近接する方向に付勢されている。そして、回動ハンドル23の閉塞操作により、アクチュエータ3の他端がスイッチ本体1に挿入される際には、アクチュエータ3はねじりコイルバネ53による付勢に抗してアクチュエータ3の他端が連結部材5の回動軸23から離間する方向へ回動しながらスイッチ本体1に挿入される。このように、連結部材5に対してアクチュエータ3が回動自在に支持され、アクチュエータ3は連結部材5に対して回動しつつスイッチ本体1へ挿入されるため、アクチュエータ3が回動自在に支持されていない場合に比べてスイッチ本体1に挿入されるアクチュエータ3の他端の出っ張りが抑えられ、アクチュエータ3を含む連結部材5の回動のために確保すべきスペースが少なくて済み、しかも、アクチュエータ3が挿入されるべきスイッチ本体1側のアクチュエータ挿入口12も余裕を見込んで大きくする必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入を滑らかにすることができる。
【0040】
また、この実施形態では、回動ハンドル22による防護扉の閉塞操作が行われると、まず係合部51が係合溝41に係合して防護扉が閉塞状態にロックされるため防護扉が振動するのを防止できる。そして、このように防護扉の振動が防止された状態で、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されるため、アクチュエータ3が操作部に挿入される際におけるアクチュエータ3のスイッチ本体1の本体ケースとの接触等を防止することができる。したがって、アクチュエータ3のスイッチ本体1の操作部への挿入を確実に行えるため、アクチュエータ3のスイッチ本体1との接触等による破損を確実に防止することができる。
【0041】
また、この実施形態では、作業者の回動ハンドル22の回動に連動し連結部材5が回動するため、簡易な構成で連結部材5を回動させることができる。
【0042】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図3および図4を参照して説明する。図3および図4は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図3は防護扉のロックが解除された状態を示し、図4は防護扉がロックされた状態を示す。図3(a)、図4(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図3(b)、図4(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図3(c)、図4(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0043】
この第2実施形態が、上記第1実施形態と大きく異なる点は、ロック機構部2aがスライドハンドル22a、スライドギア26aおよび回動ギア27a,28aで構成されている点であり、その他の構成および動作は、上記第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態について詳細に述べる。なお、第1実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0044】
図3に示すように、収納ケース21aにはスライド溝29aが形成されており、スライドハンドル22aがスライド溝29aに沿って図4の矢印S1の方向にスライド自在に配設されている。また、図3に示すように、収納ケース21内にはスライドハンドル22aに結合されたスライドギア26a、連結部材5aの回動軸23aに結合された回動ギア28a、およびスライドギア26aの直線運動を回動運動として回動ギア28aに伝動する回動ギア27aが配設されている。したがって、スライドハンドル22aが図3(b)に示す位置から図4(b)に示す位置へ矢印S1の方向にスライドされると、スライドハンドル22aに連動してスライドギア26aが矢印S1の方向に移動する。そして、スライドギア26aの矢印S1の方向への移動に従動して回動ギア27aが図4(b)に示す軸方向から見て反時計回りに回動する。さらに回動ギア28aが回動ギア27aに従動して反対方向に回動し、連結部材5aが図4(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0045】
次に、動作について説明する。まず、図3に示すようにスライドハンドル22aを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2aとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、スライドハンドル22aを図4(b)に示す位置まで矢印S1の方向へスライドさせるスライド操作を行うことで、スライドハンドル22aのスライド移動に連動して連結部材5aが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51aが係合溝41と係合して、連結部材5aの図4(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22aをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図4参照)。
【0046】
また、図3に示すようにスライドハンドル22aを矢印S1と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引き抜かれるとともに、係合部51aと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0047】
以上のように、この実施形態では、1つのスライドハンドル22aで開口部の防護扉による開閉と、防護扉の閉塞状態でのロックを行うことができるため、防護扉の閉塞操作を簡単に行うことができる。また、防護扉としてスライド式の扉を採用した場合、ハンドル22aを把持して防護扉を開閉する際、スライドハンドル22aがスライド溝29aの内周面に当接して押圧することで防護扉をスライド方向(X矢印の方向)に開閉することができる。
【0048】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図5および図6を参照して説明する。図5および図6は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図5は防護扉のロックが解除された状態を示し、図6は防護扉がロックされた状態を示す。図5(a)、図6(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図5(b)、図6(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図5(c)、図6(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0049】
この第3実施形態が、上記第2実施形態と大きく異なる点は、スライドハンドル22bのスライド方向が矢印S2の水平方向である点であり、その他の構成および動作は、上記第1および第2実施形態と同様である。以下、第2実施形態との相違点を中心に第3実施形態について詳細に述べる。なお、第1および第2実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0050】
図5に示すように、収納ケース21bにはスライド溝29bが形成されており、スライドハンドル22bがスライド溝29bに沿って図6の矢印S2の方向にスライド自在に配設されている。また、図5に示すように、収納ケース21b内にはスライドハンドル22bに結合されたスライドギア26b、連結部材5bの回動軸23bに結合された回動ギア28b、およびスライドギア26bの直線運動を回動運動として回動ギア28bに伝動する回動ギア27bが配設されている。したがって、スライドハンドル22bが矢印S2の方向にスライドされると、スライドハンドル22bに連動してスライドギア26bが矢印S2の方向に移動する。そして、スライドギア26bの矢印S2の方向への移動に従動して回動ギア27bが図6(b)に示す軸方向から見て反時計回りに回動する。さらに回動ギア28bが回動ギア27bに従動して反対方向に回動し、連結部材5bが図6(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0051】
また、この実施形態では、スライド溝29bに突起部6が設けられている。この突起部6は収納ケース21bに出没自在に構成されており、バネ等の所定の付勢力によってスライド溝29bに突出するとともに、突起部6を付勢する力以上の力を加えることで、この突起部6を収納ケース21b内に押し込むことができるように構成されている。
【0052】
次に、動作について説明する。まず、図5に示すようにスライドハンドル22bを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2bとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、突起部6を付勢する付勢力以上の力をスライドハンドル22bに加えて突起部6を収納ケース21内に押し込んで、スライドハンドル22bを矢印S2の方向へスライドするスライド操作を行うことで、スライドハンドル22aのスライド移動に連動して連結部材5bが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51bが係合溝41と係合して、連結部材5bの図6(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22bをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図6参照)。
【0053】
また、図5に示すようにスライドハンドル22bを矢印S2と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51bと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0054】
以上のように、この実施形態では、突起部6を設けることで、スライドハンドル22bと突起部6とが係合することで、防護扉をスライドハンドル22によってスライド方向(X矢印の方向)に移動させることができるため、防護扉としてスライド方式および回動方式のいずれをも採用することができる。
【0055】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について図7および図8を参照して説明する。図7および図8は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図7は防護扉のロックが解除された状態を示し、図8は防護扉がロックされた状態を示す。図7(a)、図8(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図7(b)、図8(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図7(c)、図8(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0056】
この第4実施形態が、上記第3実施形態と大きく異なる点は、作業領域への開口部を防護扉で閉塞した後、スライドハンドル22cを矢印S3の方向にスライドさせて防護扉を閉塞状態にロックする点であり、その他の構成および動作は、上記第1ないし第3実施形態と同様である。以下、第3実施形態との相違点を中心に第4実施形態について詳細に述べる。なお、第1ないし第3実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0057】
図7に示すように、収納ケース21cにはスライド溝29cが形成されており、スライドハンドル22cがスライド溝29cに沿って図8の矢印S3の方向にスライド自在に配設されている。また、図7(b)に示すように、収納ケース21c内にはスライドハンドル22cに結合されたスライドギア26c、連結部材5bの回動軸23cに結合された回動ギア28cが従動するように配設されている。したがって、スライドハンドル22cが矢印S3の方向にスライドされると、スライドハンドル22cに連動してスライドギア26cが矢印S3の方向に移動する。そして、スライドギア26cの矢印S3の方向への移動に従動して回動ギア28cが図8(b)に示す軸方向から見て時計回りに回動し、連結部材5cが図8(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0058】
次に、動作について説明する。まず、図7に示すようにスライドハンドル22cを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2cとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、スライドハンドル22cを矢印S3の方向へスライドするスライド操作を行うことで、スライドハンドル22cのスライド移動に連動して連結部材5cが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51cが係合溝41と係合して、連結部材5cの図8(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22cをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図8参照)。
【0059】
また、図7に示すようにスライドハンドル22cを矢印S3と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51cと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0060】
以上のように、この実施形態では、1つのスライドハンドル22cで開口部の防護扉による開閉と、防護扉の閉塞状態でのロックを行うことができるため、防護扉の閉塞操作を簡単に行うことができる。
【0061】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について図9および図10を参照して説明する。図9および図10は本発明にかかる安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図であり、図9は防護扉のロックが解除された状態を示し、図10は防護扉がロックされた状態を示す。図9(a)、図10(a)は安全スイッチ付き扉ロック装置を上側から見た平面図、図9(b)、図10(b)は安全スイッチ付き扉ロック装置のハンドル部分を作業領域の外側の正面から見た正面図の部分断面図、図9(c)、図10(c)は安全スイッチ付き扉ロック装置を作業領域の外側から見た正面図である。
【0062】
この第5実施形態が、上記第4実施形態と大きく異なる点は、スライドハンドル22dを連結部材5dに形成されたカム溝55dに連通することで、スライドハンドル22dの移動に連動させて連結部材5dを回動軸23dを回動中心として回動移動させている点である。その他の構成および動作は、上記第1ないし第4実施形態と同様である。以下、第4実施形態との相違点を中心に第5実施形態について詳細に述べる。なお、第1ないし第4実施形態と同一な構成および動作については、相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。
【0063】
図9に示すように、収納ケース21dにはスライド溝29dが形成されており、スライドハンドル22dがスライド溝29dに沿って図10の矢印S4の方向にスライド自在に配設されている。また、図9(b)に示すように、収納ケース21d内には連結部材5dが回動軸23dを回動中心として回動自在に配設されているとともに、ねじりコイルバネ24dによって収納ケース21dの収納方向へ付勢されている。また、連結部材5dの一端部には円弧状のカム溝55dが形成されており、スライドハンドル22dがカム溝55dに沿って移動自在に配設されている。したがって、図10に示すように、スライドハンドル22dが矢印S4の方向にスライドされると、スライドハンドル22dがカム溝55dを摺接することで、連結部材5dが連動して回動軸23dを回動中心として図10(b)中の矢印Rの方向へ回動する。
【0064】
次に、動作について説明する。まず、図9に示すようにスライドハンドル22dを把持して、作業領域への開口部を防護扉で閉塞する閉塞操作を行うことで、ロック機構部2dとスイッチ本体1とが隣接した状態となる。続いて、スライドハンドル22dを矢印S4の方向へスライドするスライド操作を行うことで、スライドハンドル22dのスライド移動に連動して連結部材5cが矢印Rの方向に回動移動する。そして、係合部51dが係合溝41と係合して、連結部材5dの図10(a)中のX,Y矢印の両方向への移動が規制されて防護扉がロックされる。続いて、さらにスライドハンドル22dをスライドさせることで、アクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入されてスイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械へ電源が供給されるとともに、凸部25および凹部52とが係合することによって、アクチュエータ3のスイッチ本体1への挿入状態が保持される(図10参照)。
【0065】
また、図9に示すようにスライドハンドル22dを矢印S4と反対方向にスライドさせると、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれるとともに、係合部51dと係合溝41との係合状態が解除される。したがって、スイッチ本体1内の開閉器の開閉状態が切り換わり、産業機械への電源が遮断されるとともに、防護扉のロックが解除される。
【0066】
以上のように、この実施形態では、1つのスライドハンドル22dで開口部の防護扉による開閉と、防護扉の閉塞状態でのロックを行うことができるため、防護扉の閉塞操作を簡単に行うことができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記した実施形態では、アクチュエータロック機構をアクチュエータ3と連結部材5とで構成して、連結部材5と固定部材4とを係合させて防護扉を閉塞状態にロックしているが、アクチュエータ3とスイッチ本体1とを掛止状態として防護扉を閉塞状態にロックする構成でもよい。すなわち、アクチュエータロック機構をアクチュエータ3のみで構成してもよい。このような構成とすれば、防護扉が仕切壁の開口部を閉塞した状態でアクチュエータ3がスイッチ本体1に挿入される。この状態で、防護扉を開放しようとしても、防護扉が移動する方向とアクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれる方向とが異なるため、アクチュエータ3がスイッチ本体1から引抜かれずに掛止状態に保持されて防護扉の開放が阻止される。したがって、防護扉がスライド方式であっても、回動方式のいずれであっても、アクチュエータがスイッチ本体1に挿入・引抜される方向と、防護扉が開閉する移動方向とが異なるため、防護扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。このように、アクチュエータロック機構が仕切壁側(スイッチ本体1、固定部材4)に掛止するために移動する方向と防護扉が開閉する移動方向とが異なるため、防護扉を開放しようとしても、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態が保持されて扉の開放が阻止され扉を閉塞状態で確実にロックすることができる。
【0068】
また、防護扉の開放操作および閉塞操作をするための操作部が防護扉に設けられ、操作部の操作時に、アクチュエータロック機構が防護扉の移動方向と異なる方向に回動移動して操作部に挿入・引抜される構成であるため、操作部の閉塞操作により、防護扉を閉塞するとともに、アクチュエータロック機構を防護扉の移動方向とは異なる方向で回動移動させ、仕切壁側(スイッチ本体1、固定部材4)に掛止させて扉をロックすることができる。また、操作部の開放操作により、アクチュエータロック機構と仕切壁側との掛止状態を解除して防護扉のロックを解除し、防護扉を開放することができる。したがって、簡単な操作で防護扉の開閉及び閉塞状態でのロックを確実に行うことができる。
【0069】
また、上記した実施形態では、固定部材4に係合溝41を形成し、連結部材に係合溝41に係脱自在な係合部を形成しているが、連結部材の係合部を溝状に形成して、固定部材4をこの溝状の係合部と係脱自在な形状としてもよいし、係合部を係合溝41と係脱自在な溝状に形成してもよい。すなわち、係合部を有する連結部材の、防護扉の移動方向を含む2方向への移動が規制されるように係合部と固定部材とが係合すれば、係合部分の形状はどのようなものであってもよい。
【0070】
また、上記した実施形態のように、連結部材は一端に回動軸を設けるとともに他端にアクチュエータが支持され、中央部が固定部材4に係合する構成とすれば、容易に、ロック部(連結部材)を固定部材4に係合させた後にアクチュエータ3をスイッチ本体1に挿入させることができる。しかしながら、連結部材の一端に回動軸を設けるとともに中央部にアクチュエータが支持され、他端が固定部材4に係合する構成としてももちろんよい。
【0071】
また、操作部は回動ハンドルやスライドハンドルに限定されず、ドアノブ等、作業者の操作に連動してアクチュエータロック機構を回動させるものであればどのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の第1実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図2】この発明の第1実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図3】この発明の第2実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図4】この発明の第2実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図5】この発明の第3実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図6】この発明の第3実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図7】この発明の第4実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図8】この発明の第4実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図9】この発明の第5実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【図10】この発明の第5実施形態における安全スイッチ付き扉ロック装置を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1…スイッチ本体(安全スイッチ)
22…回動ハンドル(操作部、回動部材)
22a,22b,22c,22d…スライドハンドル(操作部)
24,24a,24b,24d…ねじりコイルバネ(付勢部材)
3…アクチュエータ(アクチュエータロック機構)
4…固定部材
5,5a,5b,5c,5d…連結部材(ロック部、アクチュエータロック機構)
51,51a,51b,51c,51d…係合部
53,53a,53b,53c,53d…ねじりコイルバネ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付き扉ロック装置において、
前記扉の開放操作および閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、
前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられ前記工作機械や工作ロボット等の動作を制御するための安全スイッチに対して挿入・引抜されて前記安全スイッチ内の開閉器を開閉させる部分を有するアクチュエータロック機構とを備え、
前記アクチュエータロック機構は、前記操作部の閉塞操作により前記扉の移動方向と異なる方向に移動して前記仕切壁側に掛止することで前記扉を閉塞状態にロックすることを特徴とする安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項2】
前記操作部の操作時に、前記アクチュエータロック機構は前記扉の移動方向と異なる方向に回動移動することを特徴とする請求項1に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項3】
前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた固定部材をさらに備え、
前記アクチュエータロック機構は、
前記操作部の閉塞操作時に前記固定部材に係脱自在に係合し閉塞状態の前記扉をロックするロック部と、
前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータと
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項4】
前記操作部の閉塞操作時に、前記ロック部が前記固定部材に係合した後に、前記アクチュエータが前記安全スイッチに挿入されることを特徴とする請求項3に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項5】
前記ロック部は、一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材を有し、
前記連結部材の回動により前記連結部材が前記固定部材に係合することで、前記扉を閉塞状態にロックすることを特徴とする請求項3または4に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項6】
前記アクチュエータロック機構は、
前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータと、
一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材とを備え、
前記アクチュエータは、前記連結部材の他端部に回動自在に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項7】
前記操作部は前記連結部材の回動軸に結合された回動部材であり、前記回動部材の回動に前記連結部材が連動して回動することを特徴とする請求項5または6に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項8】
前記扉に設けられ、前記操作部の開放操作により前記アクチュエータロック機構が内部に収納される収納ケースと、
前記収納ケース内に設けられ、前記アクチュエータロック機構を前記収納ケースの収納方向へ付勢する付勢部材と
をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項1】
工作機械やロボット等の所定の作業領域を仕切る仕切壁の開口部に開閉自在に設けられた扉を閉塞状態にロックする安全スイッチ付き扉ロック装置において、
前記扉の開放操作および閉塞操作をするために前記扉に設けられた操作部と、
前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられ前記工作機械や工作ロボット等の動作を制御するための安全スイッチに対して挿入・引抜されて前記安全スイッチ内の開閉器を開閉させる部分を有するアクチュエータロック機構とを備え、
前記アクチュエータロック機構は、前記操作部の閉塞操作により前記扉の移動方向と異なる方向に移動して前記仕切壁側に掛止することで前記扉を閉塞状態にロックすることを特徴とする安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項2】
前記操作部の操作時に、前記アクチュエータロック機構は前記扉の移動方向と異なる方向に回動移動することを特徴とする請求項1に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項3】
前記開口部周縁の前記仕切壁に設けられた固定部材をさらに備え、
前記アクチュエータロック機構は、
前記操作部の閉塞操作時に前記固定部材に係脱自在に係合し閉塞状態の前記扉をロックするロック部と、
前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータと
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項4】
前記操作部の閉塞操作時に、前記ロック部が前記固定部材に係合した後に、前記アクチュエータが前記安全スイッチに挿入されることを特徴とする請求項3に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項5】
前記ロック部は、一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材を有し、
前記連結部材の回動により前記連結部材が前記固定部材に係合することで、前記扉を閉塞状態にロックすることを特徴とする請求項3または4に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項6】
前記アクチュエータロック機構は、
前記安全スイッチに対して挿入・引抜されるアクチュエータと、
一端部に設けられた回動軸を回動中心に前記操作部の操作に連動して回動し、他端部に前記アクチュエータの一端が支持された連結部材とを備え、
前記アクチュエータは、前記連結部材の他端部に回動自在に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項7】
前記操作部は前記連結部材の回動軸に結合された回動部材であり、前記回動部材の回動に前記連結部材が連動して回動することを特徴とする請求項5または6に記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【請求項8】
前記扉に設けられ、前記操作部の開放操作により前記アクチュエータロック機構が内部に収納される収納ケースと、
前記収納ケース内に設けられ、前記アクチュエータロック機構を前記収納ケースの収納方向へ付勢する付勢部材と
をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の安全スイッチ付き扉ロック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−23534(P2007−23534A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204236(P2005−204236)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]