説明

安全確認システム

【課題】各作業者のID情報を予め入力し、かつ各作業者が携行するようにしたタグと、管理者側に備えた無線通信装置及び制御装置との間で個人情報のやり取りを無線で通信を行い、その通信内容を表示及び記録を行うことにより、迅速で確実に安全確認を行うようにした安全確認システムを提供すること。
【解決手段】作業者MのID情報を予め入力した携行可能なタグ1と、このタグ1ヘの無線通信を行う無線通信装置2と、この無線通信装置2との通信及び表示、記録を行う制御装置3からなる安全確認システムにおいて、タグ1には肯定又は否定を指示する指示手段13、14、無線装置、表示器12を設け、無線通信装置2には無線装置、ID認証用データベース23、制御装置3との通信手段を設け、制御装置3には無線通信装置2との通信手段、データ記録手段、データ表示手段をそれぞれ設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全確認システムに関し、特に、個人情報を入力したIDタグを携行する作業者に対して、電波方式認識を用いて各作業者の出席状況、資格要件の確認、工具などの所持状況把握などを、迅速に、確実に確認するようにした安全確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生産工場、建設工事現場等において管理者又は監督者は作業開始前に点呼による作業者の出席状況把握、資格証の所持を含む資格の有無調査、工具などの所持調査を行っている。これらは各作業者一人一人に手渡した調査用紙等に記入させたり、又は各項目毎に口頭で質問を行い、各作業者に回答を求め、監督者がその結果の集計や記録を行うなどにより実施していた。
【0003】
しかしながら、この調査用紙への記入や口頭での質問に対する回答等を得る安全確認方式においては、特に多くの作業者がいる場合には、各項目すべてに渡って回答を求め、またそれらの記録、集計を実施するのに多大の時間を要するものとなっている。
したがって、これらの記録、集計時間を短縮せんとすれば監督者側に焦りが生じ、このため、記録ミスや集計ミス等が発生し、すべての点で正確な安全確認ができないどの問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の安全確認システムの問題点を解決するために、各作業者のID情報を予め入力し、かつ各作業者が携行するようにしたタグと、管理者側に備えた無線通信装置及び制御装置との間で個人情報のやり取りを無線で通信を行い、その通信内容を表示及び記録を行うことにより、迅速で確実に安全確認を行うようにした安全確認システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の安全確認システムは、作業者のID情報を予め入力した携行可能なタグと、タグヘの無線通信を行う無線通信装置と、無線通信装置との通信及び表示、記録を行う制御装置からなる安全確認システムにおいて、タグには肯定又は否定を指示する指示手段、無線装置、表示器を設け、無線通信装置には無線装置、ID認証用データベース、制御装置との通信手段を設け、制御装置には無線通信装置との通信手段、データ記録手段、データ表示手段をそれぞれ設けて構成したことを特徴とする。
【0006】
この場合において、作業者のID情報として各作業者の保持するタグに予め名前、年齢、資格情報などを記憶させておくことができる。
【0007】
また、無線通信装置に、各作業者のID情報として名前、年齢、資格情報などを記憶させておくことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の安全確認システムによれば、作業者のID情報を予め入力した携行可能なタグと、タグヘの無線通信を行う無線通信装置と、無線通信装置との通信及び表示、記録を行う制御装置からなる安全確認システムにおいて、タグには肯定又は否定を指示する指示手段、無線装置、表示器を設け、無線通信装置には無線装置、ID認証用データベース、制御装置との通信手段を設け、制御装置には無線通信装置との通信手段、データ記録手段、データ表示手段をそれぞれ設けているので、管理者又は監督者は無線通信装置と接続された制御装置を用いて、タグを携行した各作業者に対して、出席状況の把握、資格証の所持を含む資格の有無調査、工具などの所持調査などを迅速で簡単に行い、自動記録することが可能となるため、多くの作業者がいる場合でも作業前の安全確認作業が迅速で非常に簡単に、かつ正確に行えるとともに、記録ミスや集計ミス等の発生を防止して、すべての点での正確な安全確認を行うことができる。
【0009】
また、作業者のID情報として各作業者の保持するタグに予め名前、年齢、資格情報などを記憶させておくことにより、当日の作業者に対して予め名前などの情報が入ったタグを手渡すことにより、安全確認動作をスムーズに実施することができる。
【0010】
また、無線通信装置に、作業者のID情報として名前、年齢、資格情報などを記憶させておくことにより、各作業者の持参するタグからの個人情報と照合することができるので各作業者の年齢、資格情報などの情報をわざわざ入力する手間が省ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の安全確認システムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1〜図5に、本発明の安全確認システムの一実施例を示す。
本発明の安全確認システムは、1人もしくは複数の作業者Mと、少なくとも1人の管理者、例えば、現場監督Bとの間で、作業開始前に安全確認、作業手順の打合せなどを無線により行うシステムで、これは各作業者Mが携帯するタグ1と、管理者Bが携行もしくは身近に備えて各作業者にそれぞれ必要な指示等を与えられるように構成した制御装置3と、この制御装置3と各タグ1間を必要な情報のやり取りを無線にて通信を行うようにした無線通信装置2とで構成する。
【0013】
このタグ1は、個人ID番号以外の認証情報として、特に限定されるものではないが、例えば、名前、所属部署、年齢、資格の有無などを予め入力しておくものとし、さらにはこのタグ1を作業者Mが作業に支障を与えないように所持又は携行できるよう、名札やバッチの如く形成して胸に装着する、首から吊り下げる、ヘルメットに取り付ける等、人が携行しやすい大きさ、形状とする。これにより、各作業者Mは個人情報を予め入力したタグ1をそれぞれ携行するようにする。
【0014】
また、タグ1には、図2(A)に示すように、外部から操作できるようにして肯定又は否定を指示する指示手段、これは特に限定されるものではないが、例えば、「はい」のスイッチ13、又は「いいえ」のスイッチ14の2つのスイッチ13、14と、無線通信装置2間との通信を行うためのアンテナ11と、特に限定されるものではないが、例えば、発光ダイオード等の表示器(表示装置)12とを備え、また内部回路としては、図2(B)に示すように、「はい」のスイッチ13又は「いいえ」のスイッチ14のいずれか1つからの押下信号と、タグ1に記憶していたID(個人情報)番号とを信号合成する信号合成回路15と、この信号合成をアンテナ11より無線発信するためのRFID(Radio Frequency Identification(電波方式認識))発信器16と、またアンテナ11にて信号を受信するようにしたRFID受信器17と、この受信信号を受け、表示器12を点灯させる表示器点灯回路18とより構成する。
【0015】
無線通信装置2は、図4に示すように、無線信号をタグ1に対して発信又はタグ1から受信するためのアンテナ21を無線通信装置2の器匡(図示省略)外に突設するとともに、器匡内には、アンテナ21にてタグ1からの押下信号を受信したこの無線信号を伝達するRFID受信器22と、内蔵している認証用データベース24の登録IDとこの受信信号とを照合してID(個人情報)認証を行うID認証回路23と、この認証結果に基づいたデータをデータ転送回路26を介して制御装置3へ転送したり、さらにこれをアンテナ21から発信するよう制御する制御回路25と、制御回路25からの信号にてタグ1側の表示器12を点灯させるようにした表示器点灯信号回路27と、これをアンテナ21より発信できるようにするRFID発信器28とより構成する。
【0016】
制御装置3は、特に限定されるものではないが、例えば、タッチパネル式のパソコンを用いることにより、現場で使い易いものとすることができる。
この制御装置3のタッチパネルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、図3に示すように、主な操作キーとして上段に「更新」キー31、「戻る」キー32、「進む」キー33、「訂正」キー34を、また下段右角には「終了」キー35をそれぞれ配設し、また中央部には安全確認を行うための作業表36を配置し、かつ作業表36にはその横方向に各作業者の「出席」及び「安全帯」、「資格」、「工具」などの有無を確認する「確認欄」37を、縦方向に各作業者の「氏名」を記入する「氏名欄」38、「合計」を記入する「合計欄」39を配設し、さらに表の最下段には表を横方向にスクロールするための「スクロールバー」50と「スクロールキー」51、52を、また表の右端には作業表36を縦方向にスクロールするための「スクロールバー」40と「スクロールキー」41、42を配設して構成している。
この作業表36の表示内容で、特に限定されるものではないが、例えば、横方向の最上欄には「氏名」、「出席」、「安全帯」、「資格1」、「工具1」を、また、縦方向の最左欄には、例えば、予め作業者の氏名「氏名1」〜「氏名6」などを登録しておき、氏名の数が1ページに入り切らない場合は、スクロールバー40の上部又は下部へのドラッグ、又はスクロールキー41、42のクリックにより上下にスクロールする。また、横方向の資格や工具の欄がやはり1ページに入り切らない場合は、スクロールバー50の左部、右部へのドラッグ、又はスクロールキー51、52のクリックにより左右にスクロールするようにする。これにより、多くの作業確認数や作業者数がある場合にも簡易にその安全確認を行うことができ、またその数を任意に増すことができる。
【0017】
タグ1を携帯した作業者Mは、管理者としての現場監督者Bによる質問に対して、タグ1に設けた「はい」のスイッチ13、又は「いいえ」のスイッチ14を用いて回答を行う。その回答結果の信号は無線によりアンテナ11から発信されると、無線通信装置2のアンテナ21がその信号を受信し、そして正しく受信した旨の無線信号をアンテナ21より発信する。その信号はアンテナ11により受信し、表示器12が点灯することにより、作業者Mは回答を行った結果が管理者の現場監督者Bに届いたことを確認することができる。
また、この無線通信装置2には制御装置3が接続されているので、必要な情報の保存、演算、無線通信装置のデータ表示、無線通信装置との信号の授受などを行うことができる。
【0018】
次に、本発明の安全確認システムの作用について説明する。
管理者としての現場監督者Bは作業者全員を集合させた後、まず、「出席」キーを押して、出欠の確認をする。出席している作業者Mは、各自携行しているタグ1において「はい」のスイッチ13を押すと、その信号は無線を介して無線通信装置2に通信される。無線通信装置2は受信した結果に対して、確認のため受信信号を「はい」のスイッチ13を押されたタグに送信し、表示器12が点灯するので、作業者Mは「はい」のスイッチ13を押した結果が現場監督者Bに通信されたことを知ることができる。
また、同時に「はい」のスイッチ13を押された結果は、該当する作業者の欄に○(例えば、氏名1の出席欄)で表示される。そして、ある一定時間経過後、「更新」キー31を押すと、例えば、「氏名6」が欠席の場合はいつまで経っても「はい」のスイッチ13を押されることは無いので、「氏名6」欄全体が色分け表示されると共に、「合計」欄39に出席者の合計人数が表示される。このように色分け表示と、合計人数の表示により、結果は一目瞭然、わかり易いものとなる。
【0019】
次に現場監督者Bは「進む」キー33又は、「確認欄」37の「安全帯」を押して安全帯の準備及び異常の有無確認を行う。各作業者Mは安全帯の準備及び異常の有無確認を行い、問題が無ければ「はい」のスイッチ13を押すと、その信号は無線を介して無線通信装置2に通信され、その結果は該当する「安全帯」の欄に○で表示される。現場監督者Bは一定時間経過後、「更新」キー31を押すと、「安全帯」欄の欠席者を除くすべての欄に○(又は×)が入り、○の合計数が「合計」欄39に集計される。
なお、一定時間経過後、「はい」のスイッチ13も、「いいえ」のスイッチ14も押されなかった場合は自動的に×表示を行う。
【0020】
次に「資格1」の有無及び資格証の携帯確認を行う。各作業者Mは「資格1」の有無及び資格証の携帯確認を行い、問題が無ければ「はい」のスイッチ13を、「資格1」の無い、又は資格証を携帯していない場合、「いいえ」のスイッチ14を押すと、それらの信号は無線を介して無線通信装置2に通信され、その結果は該当作業者の欄に○、×で表示される。 また、現場監督者Bは一定時間経過後、「更新」キー31を押すと、「資格1」欄の欠席者を除くすべての欄に○、×が入り、○の合計数が「合計」欄39に集計される。
なお、一定時間経過後、「はい」のスイッチ13も、「いいえ」のスイッチ14も押されなかった場合は、自動的に該当者の欄に×表示を行う。その結果、現場監督者Bは「資格1」を有する氏名、及びその合計数を一目瞭然把握することができ、例えば、当日の作業内容に必要な「資格1」の数などが容易に確認できる効果がある。
なお、氏名に対して、資格の有無がはっきりしている場合には、氏名の登録時に予め「資格1」欄に色分け表示しておき、当日の○との比較確認により、資格証を携帯していないなどの不具合を即座に、簡単に知ることができる効果を有する。
また、「資格2」などに関しても同様に行い、かつその作用、効果は同様である。
【0021】
次に、「工具1」の異常の有無、及び携帯の確認を行う。各作業者Mは「工具1」の異常の有無及び携帯の確認を行い、異常が無ければ「はい」のスイッチ13を押す。「工具1」を携帯していない場合、「いいえ」のスイッチ14を押すと、それらの信号は無線を介して無線通信装置2に通信され、その結果は各作業者の該当欄にO、×で表示される。
また、現場監督者Bは一定時間経過後、「更新」キー31を押すと、「工具1」欄の欠席者を除くすべての欄に○、×が入り、○の合計数が「合計」欄39に集計される。すなわち、一定時間経過後、「はい」のスイッチ13も、「いいえ」のスイッチ14も押されなかった場合は自動的に×表示を行う。その結果、現場監督者Bは「工具1」を有する氏名、及びその合計数を一目瞭然把握することができ、例えば、当日の作業内容に必要な「工具1」の数などが容易に確認できる効果がある。
なお、「工具1」が脚立など、共用で使用する場合は、その責任者が代表して「はい」を押すように事前に申し合わせておくと良い。
「工具2」などに関しても同様にその作業に行い、またその作用、効果は同様である。
【0022】
なお、「更新」キー31はその時間までに押された「はい」に対してO、「いいえ」又は押されなかった場合に対して×を表示し、○の合計数を表示する機能を有する。また、「戻る」キー32は、その直前のキー操作に戻す機能を有する。
また、「進む」キー33は1つ右の欄に進む機能を有する。なお、「更新」キー31を押さないで「進む」キー32を押した場合は、自動的に「更新」の機能を実施した後、1つ右の欄に進む機能を有するようにすれば、現場監督者の手間が省け、効率的である。
「訂正」キー34は訂正を行う場合に必要なキーであり、「訂正」キー34を押した後、訂正の必要な欄、例えば、「出席」、「安全帯」などを押す。又は「訂正」キー34を押した後、訂正の必要な作業者の氏名を押すと、その氏名のデータ全体が色変化し、訂正が可能となる。又は訂正個所がはっきりしている場合は、その作業者の、その欄を押すことにより、○が×に訂正、×ならOに訂正することができる。このことにより、データの訂正も容易に行うことができる。
【0023】
タグ1を携行する作業者Mと無線通信装置2を持つ管理者としての現場監督者Bとの間の通信において、現場監督Bの質問に対して、例えば、作業者Mが「はい」のスイッチ13(又は「いいえ」のスイッチ14)を押すと、元々そのタグに記憶していたID(個人情報)番号と押された信号とを信号合成し、RFID発信器によりその信号をアンテナ11より無線発信する。
その信号は、図4に示すように、無線通信装置2のアンテナ21で受信し、RFID受信器22に伝達される。次に、内蔵している認証用データベース24と照合し、予め登録されたID(個人情報)認証を行う。その結果により、予め登録されたID番号に対する氏名、資格の有無などを確認し、制御回路25により、ID番号と押下信号を組み合わせたデータを制御装置3にデータ転送2を介して転送する。同時に、押下信号を受信したことをタグ1の保持者に連絡するため、表示器点灯信号27をID番号と共に生成し、RFID発信器28によりアンテナ21よりそのID番号を持つタグ1に対して発信する。その信号は、タグ1のアンテナ11で受信し、RFID受信器17に伝達され、表示器点灯回路18により、表示器12を予め定めた、例えば、1秒間点灯する。これにより、タグ1保持者は自らの「はい」のスイッチ13(又は「いいえ」のスイッチ14)を押した信号が現場監督者Bの有する制御装置3に通じたことを確認することができる。
【0024】
次に、これら一連の動作を、図5に示すフロー図で説明する。
制御装置3において、電源を入れて立ち上げスタートSする。まず現場監督者Bは出席確認aを行い、出席している作業者は各自タグ1の「はい」のスイッチ13を押下する。現場監督者Bは出席者全員の回答を確認bする。次に「安全帯」の確認cを行う。作業者は各自タグ1の「はい」のスイッチ13又は「いいえ」のスイッチ14の押下により、出席者全員の回答を確認d後、同様にして次に「資格1」の確認eを行う。作業者は各自タグ1の「はい」のスイッチ13又は「いいえ」のスイッチ14の押下により、出席者全員の回答を確認f後、次に「資格2」の確認gを行う。作業者は各自タグ1の「はい」のスイッチ13又は「いいえ」のスイッチ14の押下により、出席者全員の回答を確認h後、次に「工具1」の確認iを行う。
また、作業者は各自タグ1の「はい」のスイッチ13又は「いいえ」のスイッチ14の押下により、出席者全員の回答を確認j後、次に「工具2」の確認kを行う。同様にして作業者は各自タグ1の「はい」のスイッチ13又は「いいえ」のスイッチ14の押下により、出席者全員の回答を確認lし、一連の確認作業をストップNする。
【0025】
したがって、上述の如く構成する本発明の安全確認システムによれば、各作業者の持つタグ1と、現場監督などが管理する無線通信装置2及び制御装置3を用いて必要な情報の交換を行うことにより、複数の作業者Mに対する朝礼時の情報取得を短時間で、かつ信頼性良く入手することができる。すなわち、まずは出席確認に始まり、安全帯の有無確認、資格証などの有無確認、必要な有資格者の数確認、道工具などの持参の有無確認、必要な道工具の数確認などを各作業者が現場監督の質問に対して肯定(はい)、否定(いいえ)するキー操作(押下)のみにより、簡単に情報取得でき、また集計も容易に実施することができる。
各タグ1には表示機能を設けているため、各作業者Mによる肯定、否定のキー操作信号が現場監督の無線通信装置に万一届いていなかった場合にもすぐ確認でき、操作ミスを防止することができる。
【0026】
また、これにより、監督者Bは無線通信装置2と接続された制御装置3を用いて、タグ1を携行した各作業者Mに対して、出席状況の把握、資格証の所持を含む資格の有無調査、工具などの所持調査などを簡単に行い、自動記録することが可能となる。その結果、作業前の安全確認作業が非常に簡単で、間違いの防止にもつながる効果を有する。
【0027】
また、作業者MのID情報として各作業者の保持するタグ1に予め名前、年齢、資格情報などを記憶させているので、当日の作業者Mに対して予め名前などの情報が入ったタグ1を手渡すことにより、安全確認動作をスムーズに実施することができる。
【0028】
また、無線通信装置2に、作業者のID情報として名前、年齢、資格情報などを記憶させているので、各作業者の持参するタグ1からの個人情報と照合することにより、年齢、資格情報などの情報をわざわざ入力する手間が省けるなどの効果がある。
【0029】
以上、本発明の安全確認システムについて、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成、すなわち、出席確認、安全帯の有無確認、資格の有無確認、工具の有無確認に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の安全確認システムは、作業者に対する出席確認、安全帯の有無確認、資格の有無確認、工具の有無確認などを各作業者が持参のタグにおけるスイッチを押下することにより簡単で、かつ自動的にデータ採取するものであり、特に大勢の作業者が存在する場合の安全確認システムの用途に好適に用いることができるほか、例えば、生産工場などにおける作業の確認の用途にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の安全確認システムの一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の安全確認システムで用いるタグを示し、(A)は外観図、(B)はブロック構成図である。
【図3】本発明の安全確認システムで用いるタッチパネル式の制御装置を示す詳細説明図である。
【図4】本発明の安全確認システムで用いる無線通信装置の詳細説明図である。
【図5】本発明の同安全確認システムの機能フロー説明図である。
【符号の説明】
【0032】
M 作業者
B 管理者(現場監督者)
1 タグ
11 アンテナ
12 表示器
13 「はい」のスイッチ
14 「いいえ」のスイッチ
15 信号合成
16 RFID発信器
17 RFID受信器
18 表示器点灯回路
2 無線通信装置
21 アンテナ
22 RFID受信器
23 ID認証
24 認証用データベース
25 制御回路
26 データ転送
27 表示器点灯信号
28 RFID発信器
3 制御装置
31 「更新」キー
32 「戻る」キー
33 「進む」キー
34 「訂正」キー
35 「終了」キー
36 作業確認表
37 項目記載欄
38 氏名記載行
39 合計欄
40 スクロールバー
41 スクロールキー
42 スクロールキー
50 スクロールバー
51 スクロールキー
52 スクロールキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者のID情報を予め入力した携行可能なタグと、タグヘの無線通信を行う無線通信装置と、無線通信装置との通信及び表示、記録を行う制御装置からなる安全確認システムにおいて、タグには肯定又は否定を指示する指示手段、無線装置、表示器を設け、無線通信装置には無線装置、ID認証用データベース、制御装置との通信手段を設け、制御装置には無線通信装置との通信手段、データ記録手段、データ表示手段をそれぞれ設けたことを特徴とする安全確認システム。
【請求項2】
作業者のID情報として各作業者の保持するタグに予め名前、年齢、資格情報などを記憶したことを特徴とする請求項1記載の安全確認システム。
【請求項3】
無線通信装置に、各作業者のID情報として名前、年齢、資格情報などを記憶したことを特徴とする請求項1記載の安全確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−207065(P2007−207065A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26704(P2006−26704)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】