説明

安否情報取得装置

【課題】本発明は、被災者が被災地で活動する中で効率的に精度の高い安否情報を取得し、それを遠隔地から確認することができる技術の提供を目的とする。
【解決手段】被災者が自動販売機側端末500,520,530に個人情報を記憶したカード等でアクセスすると、それがインターネット300経由で安否情報のデータベースサーバ200に送られる。第三者は、携帯電話302を用いて安否情報のデータベースサーバ200にアクセスし、上記の安否情報を閲覧することができる。これにより、被災者の安否確認が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時等における被災者等の安否を遠隔地から確認することができるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害時等における被災者等の安否を確認するシステムとして、電話回線を介してデータベースに音声データを記憶し、この音声データを遠隔地から後で聞き出すことができる伝言形式のものが知られている。また、ICカード読み取り機能付きの自動販売機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−41787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被災地でない地域の者(例えば、家族、親戚、友人等)が知りたい被災者(あるいは被災したと心配される人)の安否情報は、第1に「何時」、「何処にいて」、「どのような状態であるのか」、に関する情報である。
【0005】
ところで、伝言形式のシステムは、伝言を残したい者が携帯電話(もちろん通常の電話でもよい)を操作してサーバにアクセスする操作が必要となる。これは、インターネット回線を用いて自らの安否情報を文字情報として入力する場合も同じである。
【0006】
しかしながら、災害時には、身の回の事に忙しく、また回線の混雑があり、なかなか回線が繋がらない等のこともあり、自ら安否情報をデータベースに入力する余裕の確保や頻繁なデータ入力を行えない場合が多い。また、携帯電話を用いた通信は、バッテリー切れの問題があり、継続的な安否情報の入力は困難である場合が多い。このような理由により、安否情報の精度がなかなか得られず、仮に安否情報があったとしてもデータが古く(例えば、最初の入力から数日間データの入力がない等)の問題がある。
【0007】
このような背景において、本発明は、被災者の安否情報を効率的に高い精度で取得し、それを遠隔地から確認することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、自動販売機に併設または自動販売機に内蔵された装置であって、個人情報を記憶した媒体から当該個人情報を取得する個人情報取得手段と、インターネット回線を経由して前記個人情報取得手段が取得した個人情報をサーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とする安否情報取得装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記個人情報取得手段は、個人情報識別機能を有した装置から前記個人情報の取得を行うことを特徴とする。個人情報識別機能を有した装置としては、個人情報を記録したプリペイドカード、クレジットカード、電子定期券、身分証明書、各種の免許証、社員証、学生証、赤外線通信が可能な携帯電話や各種の携帯電子機器等が挙げられる。また、各種の電子決済機能や料金の支払い機能を有したカードや携帯電話にも個人情報は記録されており、これらを個人情報識別機能を有した装置として用いることもできる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記個人情報取得手段は、特定の個人が前記自動販売機にアクセスした履歴を取得することを特徴とする。ここで、特定の個人の自動販売機へのアクセスには、自動販売機側への個人情報の入力のみ、自動販売機を利用しての物品の入手(無料であっても有料であってもよい)に伴う個人情報の自動販売機側での取得の場合が含まれる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、災害時に利用者に対して前記自動販売機を利用した個人情報の入力を促す情報を出力する情報出力装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被災者が被災地で活動する中で効率的に精度の高い安否情報の取得が行われ、それを遠隔地から確認することができる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態のブロック図である。
【図2】データベースサーバのブロック図である。
【図3】自動販売機側端末のブロック図である。
【図4】他の自動販売機側端末のブロック図である。
【図5】自動販売機側での処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】サーバ側での処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(構成)
以下、本発明を利用した一例を説明する。図1には、本発明を利用した安否確認システム100が示されている。安否確認システム100において、インターネット回線300に安否情報のデータベースサーバ200が接続されている。図2に安否情報のデータベースサーバ200の概要を示す。安否情報のデータベースサーバ200は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク装置等の記憶装置を備えたコンピュータとしての機能を有し、後述する処理を行う。図2に示すように、安否情報のデータベースサーバ200は、機能部として、個人情報データベース201、取得情報データベース202、2次安否情報生成部203、2次安否情報データベース204を有している。これらの機能部は、汎用型のサーバシステムにおいてソフトウェア的に構成されていてもよいし、専用のハードウェアで構成されていてもよい。
【0015】
個人情報データベース201は、基礎データとして、各種の個人情報を記憶している。この各種の個人情報には、氏名、住所、年齢、性別、当該個人情報を記憶した媒体を識別する識別コード等が含まれる。この個人情報は、プリペイドカード、クレジットカード、電子定期券、身分証明書、各種の免許証、社員証、学生証、携帯電話の赤外線通信で得られる個人情報であり、予め取得されたものが基礎データとして個人情報データベースに記憶されている。
【0016】
取得情報データベース202は、後述する自動販売機側端末が取得した情報を記憶する。自動販売機側端末が取得する情報には、被災者のアクセス日時、当該自動販売機側端末の設置場所、当該自動販売機側端末が読み取った個人情報等が含まれる。2次安否情報生成部203は、個人情報データベース201のデータと取得情報データベース202のデータとを照合し、2次安否情報を生成する。この2次安否情報は、個人情報データベース201に記憶されたより個人を特定し易いデータと照合することで得ているので、より精度の高い安否情報を得ることができる。
【0017】
安否情報データベース204には、インターネット回線300を介して、第三者がアクセスすることができる。例えば、図1には、インターネット接続が可能な携帯電話302,303やパソコン304を用いて、安否情報データベース204にアクセスが可能な状態が示されている。この例によれば、携帯電話302,303やノート型パソコン304を用いて、後述する表1に例示されるような安否情報を当該被災者以外の者(例えば、表1の場合でいうと日本太郎氏以外の者)が見ることができる。
【0018】
図1に示すインターネット回線300には、CATV回線を介して、複数の自動販売機側端末が接続されている。ここでは、CATV回線を介して自動販売機側端末のインターネット回線300への接続を行う例が示されているが、使用する回線の形態は限定されず、CATV回線以外の回線であってもよい。
【0019】
図1には、自動販売機側端末500,520,530の3台が示されているが、システムに接続される自動販売機端末の数は、制限されない。自動販売機側端末500,520,530は、各種の自動販売機に併設または内蔵される端末である。なお、全てが同じ自動販売機である必要はない。例えば、自動販売機端末500が清涼飲料の自動販売機に係る端末であり、自動販売機端末520が煙草の自動販売機に係る端末であってもよい。
【0020】
以下、自動販売機端末の一例を説明する。図3には、一例として自動販売機端末500が示されている。図3には、一般的な自動販売機に併設される自動販売機端末の例を説明するが、後述するように当該端末機能を自動販売機の中に組み込んだ構造も可能である。
【0021】
図3に示す自動販売機端末500は、モニタ501、読み取りセンサ502、データ記憶部503、制御部504、CATV通信部505を備えている。モニタ501は、液晶ディスプレイ等の情報出力装置の一例であり、通常は、CATV回線経由で取得した各種の広告画像、地域情報、天気情報といったものを画像表示する。災害時には、モニタ501に関係する各種の情報の表示が行われ、また後述する安否情報の取得に係る案内が表示される。モニタ501以外の情報出力装置としては、LEDによる文字情報の表示装置、音声情報を出力する音声出力装置等が挙げられる。また、被災者が自動販売機端末500に文字情報や音声情報を入力できるように、自動販売機端末500に文字情報入力装置や音声情報入力装置を配置してもよい。
【0022】
読み取りセンサ502は、個人情報記憶媒体510から個人情報を読み取り、自動販売機側端末500にそれを取り込む個人情報データ読み取り部(あるいは個人情報入力部)である。個人情報記憶媒体510は、個人情報を記憶した媒体であり、プリペイドカード、クレジットカード、電子定期券、身分証明書、携帯電話等に含まれる個人情報を記憶した記憶媒体である。個人情報記憶媒体510におけるデータの記憶の形式としては、電子式、磁気式、光学式等の各種のものが挙げられるが、その形態は特に限定されない。なお、読み取りセンサ502は、個人情報記憶媒体510の記憶形式に対応している必要がある。また、複数の記憶形式に対応するために、読み取りセンサ502が複数のセンサを備えた構造(例えば、光学センサと磁気センサを共に備えた構造)であってもよい。
【0023】
データ記憶部503は、読み取りセンサ502が個人情報記憶媒体510から読み取ったデータをその読み取り時間に関連付けて記憶する。また、データ記憶部503には、自動販売機側端末500が設置されている場所を特定する情報も記憶されている。更に、データ記憶部503は、図示しない文字情報入力装置から入力された情報を記憶する。
【0024】
制御部504は、コンピュータとしての機能を有し、自動販売機側端末500の動作を制御する。CATV通信部505は、CATV回線を介してモニタ501に表示する画像を受け付ける。また、CATV通信部505は、図1のCATV基地局のデータ変換装置400と通信を行い、インターネット回線300を介して安否情報のデータベースサーバ200に向けてデータ記憶部503に記憶されているデータを送信する。
【0025】
次に、自動販売機側端末の別の例を説明する。図4には、自動販売機の中に自動販売機側端末が組み込まれている場合の例が示されている。この場合、個人情報を記憶し、料金の支払いが可能な各種のカードや携帯電話等を用いての料金の支払い(電子決済)が可能な装置を利用して、商品の購入が可能な自動販売機を用いることもできる。
【0026】
図4には、自動販売機600が示されている。自動販売機600は、例えば清涼飲料水の自動販売機であり、料金の支払いが可能なカードや携帯電話等601を用いての代金の支払いが可能な機能を有している。自動販売機600は、通信部602を備えている。通信部602は、通信の対象である料金の支払いが可能なカードや携帯電話等601との間で通信を行い、当該通信の対象からの料金の引き落としに係るデータの読み取り、当該通信の対象からの個人情報の読み取り、当該通信の対象への引き落とす料金に係るデータの送信を行う。通信の方式は、赤外線を用いた方式や電波を用いた方式を挙げることができる。料金清算部603は、料金の精算に係る演算処理を行う。自動販売機制御部604は、商品の排出や商品の管理といった自動販売機600の自動販売機能の制御を行う。
【0027】
自動販売機600は、自動販売機側端末520を備えている。自動販売機側端末520は、図3の自動販売機側端末500から読み取りセンサ502を除いた構成を有している。扱うデータが通信部602で行われる点を除いて、自動販売機側端末520の機能は、自動販売機側端末500と同じである。自動販売機側端末500と同じ符号の部分における自動販売機側端末520内部の各機能部については、自動販売機側端末500の場合と同じであるので、説明は省略する。
【0028】
(動作の一例:自動販売機側端末での処理その1)
図5には、自動販売機側で行われる処理の手順の一例が記載されている。以下の処理は、データ記憶部503に記憶されている動作プログラムに従って、制御部504において統括されて実行される。まず、図3に示す自動販売機側端末500における処理の一例を説明する。
【0029】
災害が発生すると、安否情報のデータベースサーバ200から安否情報提供サービスの開始を指示する信号が、インターネット回線300を経由して自動販売機側端末500に送信される(勿論、他の端末にも同様の信号が送信される)。自動販売機側端末500は、この信号を受信すると、図5の処理を開始する(S101)。
【0030】
図5の処理が開始されると、モニタに安否情報提供サービスが実行中である旨、およびその簡単な説明や操作方法についての説明が表示される(ステップS102)。この際、表示を点滅させる等して注意を引く画像表示の状態としてもよい。
【0031】
そして、図3の読み取りセンサ502に個人情報記憶媒体510からの個人情報の読み取りが行われたか否か、が判定される(ステップS103)。なお、読み取りセンサ502は、ユーザがセンサ部にカード等を押し当てたり、かざしたりし、個人情報記憶媒体510からのデータの読み取りが可能な状態となると自動的にデータの読み取りを行う設定とされている。
【0032】
個人情報記憶媒体510からの個人情報の読み取りが行われた場合、ステップS104に進み、そうでない場合はステップS103の前段階に戻る。ステップS104では、個人情報記憶媒体510から読み出した個人情報、この読み出しが行われた日時のデータ、および自動販売機側端末500の場所のデータを関連付けし、それを1次安否情報としてデータ記憶部503に記憶する。なお、メッセージ等の文字入力のデータがある場合は、それも1次安否情報に含めて記憶する。1次安否情報の一例を下記表1に示す。なお、識別コードは、例えば当該個人情報を記憶したカード等を特定する番号(勿論、文字を含んでもよい)である。
【0033】
【表1】

【0034】
ステップS104の後、安否情報のデータベースサーバ200へのアクセスが可能で、安否情報のデータベースサーバ200に上述の1次安否情報の送信が可能であるのか否か、が判定される(ステップS105)。安否情報のデータベースサーバ200への送信ができない場合、未送信1次安否情報として、データ記憶部503に記憶する(ステップS106)。未送信1次安否情報は、一定時間毎に再送信を試みる処理が行われる。安否情報のデータベースサーバ200に向けてのデータの送信が行えない場合の要因としては、災害による回線の切断、混雑、回線を保有する事業者による回線数の制限等が挙げられる。
【0035】
安否情報のデータベースサーバ200に向けての1次安否情報の送信が可能な場合、当該自動販売機側端末500の設置場所の情報、アクセス日時、および読み取った個人情報を1次安否情報として安否情報のデータベースサーバ200に向けて送信する(ステップS107)。ここで、当該自動販売機側端末500にメッセージ等の文字情報の入力があった場合、そのデータも同時に送信する。
【0036】
災害から時間が経過する等し、安否情報提供サービスを停止する場合は、その旨の指示信号が安否情報のデータベースサーバ200から送信され、それを受信すると、ステップS108からステップS109に進み処理を終了する。また、安否情報提供サービスの停止を指示する信号が受け付けない場合は、ステップS103以下の処理が繰り返される。なお、安否情報の悪用を防止するために、安否情報提供サービスを停止した状態では、安否情報のデータベースサーバ200はクローズされ、第三者が安否情報にアクセスすることができない設定とされている。
【0037】
(動作の一例:自動販売機側端末での処理その2)
次に、図4の自動販売機600を用いた処理の一例を説明する。この場合、処理の流れの概略は、図5に示す処理の流れと同じであり、図3の構成を用いた場合と同じである。以下、図5を参照して、図4の自動販売機600を用いた場合の処理の一例を説明する。なお、特に説明しない点は、図3の構成を用いた場合と同じである。
【0038】
災害が発生すると、安否情報のデータベースサーバ200からの指示により、自動販売機側端末600において図5の処理が開始される(S101)。図5の処理が開始されると、モニタに安否情報提供サービスが実行中である旨、およびその簡単な説明や操作方法についての説明が表示される。
【0039】
そして、図4の通信部602において、料金の支払いが可能なカードや携帯電話等601との間で通信が行われ、個人情報の受け取りが行われたか否か、が判定される(ステップS103)。通信部602が個人情報を受け付けた場合、ステップS104に進み、そうでない場合はステップS103の前段階に戻る。ステップS104では、通信部602が入手した個人情報およびこの通信が行われた日時をデータ記憶部503に記憶する。ステップS104の後の処理は、図3の構成を採用した場合と同じであるので、説明は省略する。
【0040】
(動作の一例:サーバ側での処理)
次に、図1に示す安否情報のデータベースサーバ200の側で行われる処理の一例を説明する。図6には、安否情報のデータベースサーバ200の側で行われる処理の一例が示されている。災害が発生すると、図6に示す安否情報提供サービスが開始される(ステップS201)。処理の開始は、オペレータの操作による手動による方法でもよいし、ある条件を満たした場合に自動的に開始される場合であってもよい。
【0041】
処理が開始されると、安否情報提供サービスの開始を指示する信号が自動販売機側端末500,520,530に向けて送信される(ステップS202)。そして自動販売機側端末500,520,530からの1次安否情報の入力があるか否かの判定が行われる(ステップS203)。1次安否情報の入力がある場合、ステップS204に進み、そうでない場合は、ステップS203を再度実行する。
【0042】
ステップS204では、自動販売機側から入力された1次安否情報と個人情報データベース201(図2参照)に予め記憶しておいた個人情報とを照合する(ステップS204)。2系統の情報が照合できた場合、ステップS206に進み、照合ができなかった場合、自動販売機から取得した1次安否情報を取得情報データベース202に記憶する(ステップS207)。なお、自動販売機から取得し、上記の照合ができた1次安否情報も取得情報データベース202に記憶しておく。
【0043】
ステップS206では、個人情報データベース201(図2)の内容と取得情報データベース202の内容とに基づき、2次安否情報生成部で2次安否情報を生成する(ステップS206)。すなわち、予め用意しておいた基礎個人情報のデータと自動販売機側から入手した1次安否情報とを組み合わせ、より精度の高い2次安否情報を作成する。そして、この2次安否情報を2次安否情報データベース204に記憶する(ステップS208)。2次安否情報の一例を下記表2に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
当該サービスの提供期間中において、この表2に例示される2次安否情報は、第三者がインターネットを介して閲覧することができる。第三者としては、行政のような任意的な第三者や知り合いのような一般的な第三者の例が挙げられる。
【0046】
表3に2次安否情報の他の例を示す。表3には、特定の自動販売機側端末が収集した安否情報を纏めたものが示されている。
【0047】
【表3】



【0048】
例えば、行政がこの2次安否情報にアクセスすることで、特定の場所における被災者についての知見を得ることができる。表3には、特定の自動販売機側端末について集計した例が示されているが、特定の地域で集計した2次安否情報を作成することで、地域ごとにおける被災者の分布情報等についての知見を得ることもできる。
【0049】
ステップS208の後、安否情報提供サービスを停止する指示がある場合は、ステップS209からステップS210に進み処理を終了する。また、安否情報提供サービスを停止しない場合は、ステップS203以下の処理を再度実行する。
【0050】
(具体例1)
以下、具体的な災害時を想定した具体例を説明する。仮に、ある地域で災害が発生し、本システムを稼動させた場合を考える。この際、被災者が電子決済機能付き携帯電話や携帯電話の赤外線通信を用いて当該被災地に設置された図3の自動販売機側端末500にアクセスしたとする。このアクセスにより、表1に例示する1次安否情報が自動販売機側端末500で取得され、それが遠隔地にある安否情報のデータベースサーバ200(図1参照)に送られる。データベースサーバ200は、取得した1次安否情報に基づき、表2に例示する2次安否情報を作成し、それを図1に示す第三者の携帯電話302や303、パソコン304を用いて閲覧できるようにする。表2に例示するように、第三者が閲覧可能な2次安否情報は、だれが、何時、どこに居たのかを時系列に従って確認できる情報である。こうして、第三者が当該被災者の安否を確認することができる。
【0051】
(具体例2)
仮に、ある地域で災害が発生し、本システムを稼動させた場合を考える。この際、被災者が電子決済機能付き携帯電話を用いて当該被災地に設置された図3の自動販売機側端末600で飲料水を買い求めたとする。この際、電子決済機能により、表1に例示する1次安否情報が自動販売機側端末500で取得され、それが遠隔地にある安否情報のデータベースサーバ200(図1参照)に送られる。この場合も(具体例1)の場合と同様に、第三者が当該被災者の安否を確認することができる。
【0052】
なお、電子決済が実際に行われるのか否かに関係なく、電子決済機能付き携帯電話による通信部602(図4参照)へのアクセスがあれば、上記の処理を行うことができる。例えば、災害対応型の自動販売機として、災害時に商品を無料で提供する機能を持ったものがある。この場合、代金の決済は行われなくても、モニタ501に電子決済機能付き携帯電話を当該自動販売機の通信部分に押し当てる操作を促す内容を表示させ、当該被災者が保持する電子決済機能付き携帯電話と通信部602との間で通信を行われるようにする。こうすることで、仮に自動販売機から無料で商品を購入した場合であっても、被災者の1次安否情報の取得が可能となる。
【0053】
(優位性)
被災者が個人情報を記憶したカードや携帯電話を用いて自動販売機側端末にアクセスするだけで、被災者の1次安否情報の収集が行われ、それに基づく2次安否情報を第三者がインターネット上で閲覧することができる。被災者が携帯電話を用いて安否情報を自ら発信することは、携帯電話の電池切れや回線の混雑に起因して困難である場合がある。本発明では、このような問題が回避される。
【0054】
また、カードや携帯電話の電子決済機能を利用して効率よく被災者の1次安否情報の収集が行われる。被災地での自動販売機の利用は、行われる可能性が極めて大きいので、この方法による1次安否情報の収集は、極めて効率的となる。また、時系列で安否が確認できる優位性がある。
【0055】
(その他)
本人確認のために購買者を撮影するカメラを備えた自動販売機を用いた場合、安否情報として被災者の顔写真を利用することもできる。本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、安否確認を行う技術に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機に併設または自動販売機に内蔵された装置であって、
個人情報を記憶した媒体から当該個人情報を取得する個人情報取得手段と、
インターネット回線を経由して前記個人情報取得手段が取得した個人情報をサーバに送信する送信手段と
を備えることを特徴とする安否情報取得装置。
【請求項2】
前記個人情報取得手段は、個人情報識別機能を有した装置から前記個人情報の取得を行うことを特徴とする請求項1に記載の安否情報取得装置。
【請求項3】
前記個人情報取得手段は、特定の個人が前記自動販売機にアクセスした履歴を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の安否情報取得装置。
【請求項4】
災害時に利用者に対して前記自動販売機を利用した個人情報の入力を促す情報を出力する情報出力装置を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の安否情報取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−84194(P2013−84194A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224861(P2011−224861)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(510297624)株式会社トータルプランニングオフィス (1)
【出願人】(503223681)株式会社 サテライトコミュニケーションズネットワーク (1)
【Fターム(参考)】