説明

安否確認システム

【課題】個人情報となり得る安否情報を適切に取り扱うことで、プライバシーの保護を重視した安否確認システムを提供する。
【解決手段】移動通信端末50は、安否情報を取得するとともに、ユーザの「無事」を伝える情報を安否情報管理サーバ10に送信する。安否確認用端末40は、移動通信端末50のユーザの安否情報の公開を要求することができる。安否情報管理サーバ10は、移動通信端末からの安否情報を管理するとともに、安否確認用端末40からの安否情報公開要求を受け付け、移動通信端末50からの「無事」を伝える情報の有無によって、安否情報の公開を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の安否の確認ができない場合にのみ安否情報を公開するための安否確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
位置情報取得機能を搭載した移動通信端末の普及に伴い、様々な場面での位置情報を利用したサービスが提案されている。例えば、サーバで移動通信端末の位置情報を管理することで災害発生エリアにいる対象者を特定する技術が提案されている。このような技術を用いることで、連絡を取ることができない場合でも災害に巻き込まれたか否かの手がかりを得ることができる。また、安否不明時にも居場所を特定することができるため、対象者を捜索しやすいというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−258638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの技術においては災害発生時に対象者の意思とは関係なく位置情報が公開されてしまうためプライバシーが守られないという問題があり、位置情報等の個人情報を扱う安否確認サービスはユーザに受け入れられにくいという傾向にあった。
【0005】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、対象者が無事である場合には安否情報の公開は行われず、一定時間が経過しても安否が確認できない場合にのみ安否情報を公開することで個人情報を扱う安否確認サービスの普及を促進することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明は、安否情報(位置情報、静止画像、動画像、音声等)を取得する1以上の移動通信端末と、移動通信端末から送られてくる安否情報を管理する安否情報管理サーバと、安否情報管理サーバで管理されている移動通信端末の安否情報を確認するための1以上の安否確認用端末とを有する安否確認システムであって、安否情報管理サーバは、移動通信端末から安否情報と、「無事」を伝える無事情報と、安否確認用端末から安否情報の公開を要求する情報公開要求とを受信し、安否確認用端末から情報公開要求があったことを移動通信端末に知らせるための要求通知情報と、安否確認用端末に安否情報とを送信するデータ送受信手段と、1以上の移動通信端末のユーザ毎に安否情報と、無事情報の有無と、データ送受信手段が情報公開要求を受信してから安否確認用端末に対象となる移動通信端末のユーザの安否情報を公開するまでの時間である情報公開猶予時間と、情報公開要求を受信した時刻に情報公開猶予時間を加算した情報公開開始時刻とを記録するデータ格納手段と、データ送受信手段が安否確認用端末から情報公開要求を受信した時刻と、情報公開開始時刻とをカウントするタイマー手段と、データ送受信手段が情報公開開始時刻までに安否情報の公開対象となっている移動通信端末から無事情報を受信した場合には移動通信端末のユーザの安否情報を公開せず、情報公開開始時刻までに安否情報の公開対象となっている移動通信端末から無事情報を受信しなかった場合には移動通信端末のユーザの安否情報を公開するという制御を行う中央制御手段とを備え、移動通信端末は、安否情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段が取得した安否情報と、移動通信端末のユーザが「無事」である場合に無事情報とを安否情報管理サーバに送信し、安否情報管理サーバから要求通知情報を受信するデータ送受信手段と、情報公開猶予時間と、情報公開開始時刻とを記録するデータ格納手段と、情報公開開始時刻が経過したことを通知するタイマー手段と、移動通信端末のユーザが「無事」であることを登録するための入力手段と、情報取得手段と、データ送受信手段と、データ格納手段と、タイマー手段と、入力手段等を一括で管理し、制御を行う中央制御手段とを備えることを特徴とした安否確認システムである。
【0007】
また、本発明の安否確認システムは、移動通信端末の情報取得手段において、予め設定された情報取得間隔(時間間隔、移動距離間隔、事前に指定したイベント毎等)で前記安否情報を取得することを特徴とする安否確認システムである。
【0008】
かかる構成により、必要最低限の情報を扱い、情報の処理数を制御することで、移動通信端末が実行する処理、または安否情報管理サーバが実行する処理、または通信ネットワークの通信量を削減することができる。
【0009】
本発明に係る安否確認システムによれば、個人情報となる安否情報を収集し、それを管理するシステムであるが、災害等の非常時のみに安否情報を公開することで個人のプライバシーを確実に保護することができる。
【0010】
かかる構成により、移動通信端末のユーザの安否情報を予め決められた間隔で収集し、それらの安否情報を安否情報管理サーバで管理することができる。さらに、災害時等で移動通信端末のユーザと連絡が取れない場合でも、安否確認用端末から安否情報管理サーバにアクセスすることで、移動通信端末のユーザが災害発生時にどのような状況にあるのかを知ることができる。但し、移動通信端末のユーザの安否情報は個人情報を含むものであり、安易に公開することはできない。そこで、安否情報の公開要求があってから実際に安否情報が公開されるまで一定の時間間隔(情報公開猶予時間)を設け、その時間間隔内に移動通信端末のユーザから安否情報管理サーバに無事を知らせる情報が入れば、安否情報管理サーバは安否情報の公開を中止し、その時間間隔内に移動通信端末のユーザから安否情報管理サーバに無事を知らせる情報が入らなければ、安否情報管理サーバは安否情報を公開する。これにより、移動通信端末のユーザのプライバシーを守りつつ、安否情報の収集が可能となる。
【0011】
また、本発明の安否確認システムは、安否情報管理サーバの中央制御手段において、安否情報管理サーバのデータ送受信手段が移動通信端末から無事情報を受信すると、安否確認用端末に対して安否情報を公開している場合は公開を中止し、また安否確認用端末に対して安否情報を公開する予定である場合は予定を取消し、移動通信端末のユーザが無事であることを安否確認用端末に公開する時間である無事公開時間が経過するまで、あるいは安否確認用端末が安否情報管理サーバにアクセスし、移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容を確認するまで、移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容を公開し、安否確認用端末が行った情報公開要求に対する処理を終了することを特徴とする安否確認システムである。
【0012】
かかる構成により、移動通信端末のユーザが「無事」であることを安否情報管理サーバに伝えた場合、つまり移動通信端末から無事情報が安否情報管理サーバに送信された場合、安否確認用端末のユーザは移動通信端末のユーザの安否情報を確認することができないが、移動通信端末のユーザが「無事」であるという事実だけは知ることができる。
【0013】
また、本発明の安否確認システムは、安否情報管理サーバの中央制御手段において、安否情報管理サーバの中央制御手段は、安否確認用端末から情報公開要求を受信していないとき、あるいは安否確認用端末から情報公開要求を受信してから情報公開開始時刻が経過するまでの間、あるいは安否確認用端末が行った安否情報の公開要求に対する処理が終了した後は、安否情報の一部、または全てに所定のマスク処理を行ったものを公開することで、安否情報の内容を公開することなく、安否情報管理サーバに安否情報が正しく記録されていることの確認ができることを特徴とする安否確認システムである。
【0014】
かかる構成により、安否確認用端末が安否情報の公開要求を行っていない場合、あるいは安否確認用端末が安否情報の公開を待っている間であっても、安否確認用端末の利用者に対して、移動通信端末のユーザの安否情報の詳細を公開することなく、安否情報管理サーバに移動通信端末の安否情報が正しく記録されていることを確認させることができる。
【0015】
また、本発明の安否確認システムは、前記移動通信端末において、データ送受信手段が要求通知情報を受信したことを移動通信端末のユーザに通知する通知手段を有することを特徴とする安否確認システムである。
【0016】
かかる構成により、移動通信端末のユーザは、安否確認用端末の利用者が安否情報の公開要求を行ったことを確実に知ることができる。
【0017】
また、本発明の安否確認システムは、移動通信端末の通知手段において、情報公開開始時刻までに、移動通信端末のユーザが前記入力手段から「無事」であることを登録し、安否情報管理サーバに無事情報が送信されない場合、移動通信端末のユーザに警告動作を実行し、安否情報管理サーバが安否確認用端末に対して移動通信端末のユーザの安否情報を公開していること通知することを特徴とする安否確認システムである。
【0018】
かかる構成により、移動通信端末のユーザに安否情報が公開された事実を確実に通知することができるだけでなく、移動通信端末のユーザが意図的に「無事」を伝えなかったことで安否情報が公開されてしまうことを防止する、つまり移動通信端末のユーザが「無事」である場合には安否情報管理サーバに「無事」を伝えない限り、警告動作を止めることができないため、安否情報が意図的に公開されることを防止することができる。
【0019】
また、本発明の安否確認システムは、移動通信端末の通知手段が情報公開開始時刻の経過後に実行する警告動作において、移動通信端末のユーザが入力手段から「無事」であることを登録し、安否情報管理サーバに無事情報が送信されるまで、あるいは予め設定された時間である警告動作終了時間を経過しないと止まらないことを特徴とする安否確認システムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る安否確認システムによれば、個人情報となる安否情報を収集し、それを管理するシステムであるが、災害等の非常時のみに安否情報を公開することで個人のプライバシーを確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の実施形態である安否確認システムの概略構成図である。
【図2】図2はその安否確認システムにおける安否情報管理サーバと移動通信端末の概略ブロック図である。
【図3】図3(a)は安否情報管理サーバのデータ格納手段の安否情報格納手段に格納される安否情報データベースを説明するための図、図3(b)は安否情報管理サーバのデータ格納手段の設定情報格納手段に格納される設定情報データベースを説明するための図である。
【図4】図4は移動通信端末のデータ格納手段の設定情報格納手段に格納される設定情報データベースを説明するための図である。
【図5】図5は移動通信端末に表示されるメイン画面を説明するための図である。
【図6】図6は移動通信端末に表示される設定画面を説明するための図である。
【図7】図7は移動通信端末に表示される安否情報公開要求通知画面を説明するための図である。
【図8】図8は移動通信端末に表示される安否通知完了画面を説明するための図である。
【図9】図9は安否確認用端末に表示されるログイン画面を説明するための図である。
【図10】図10は安否確認用端末に表示される安否確認画面を説明するための図である。
【図11】図11は安否確認用端末に表示される安否確認画面を説明するための図である。
【図12】図12は安否確認用端末に表示される安否確認画面を説明するための図である。
【図13】図13は本実施形態の安否確認システムにおいて安否情報管理サーバと各移動通信端末の間で行われる処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】図14は本実施形態の安否確認システムにおいて安否情報管理サーバと各安否確認用端末の間で行われる処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の実施形態である安否確認システムの概略構成図である。
【0023】
本実施形態の安否確認システムは、図1に示すように、安否情報管理サーバ10と、バックアップサーバ20と、通信ネットワーク30と、複数の安否確認用端末40,40,・・・と、複数の移動通信端末50,50,・・・とを備える。かかる安否確認システムは、各移動通信端末50が取得した安否情報(位置情報、静止画像、動画像、音声等)を安否情報管理サーバ10で管理することで、災害等の緊急時に安否確認用端末40から移動通信端末のユーザの安否情報を確認することができるという特徴を有している。但し、本発明である安否確認システムは、対象となる移動通信端末50のユーザが「無事」である場合には安否確認用端末40に対して安否情報を公開しないため、移動通信端末50のユーザのプライバシーを守ることができる。安否情報管理サーバ10、バクアップサーバ20、各安否確認用端末40,40,・・・及び各移動通信端末50,50,・・・は通信ネットワーク30に接続されている。通信ネットワーク30としては、例えばインターネット等を用いることができる。安否情報としては、移動通信端末に内蔵されているGPS機能等によって取得できる位置情報、カメラ機能によって取得できる静止画像や動画像、音声マイク機能によって取得できる音声等を利用することができる。本実施形態では、GPS機能等によって取得できる位置情報を取り上げて説明を行う。
【0024】
安否情報管理サーバ10は、各移動通信端末50から送信されてくる位置情報と位置情報が取得された時間(時間情報)を管理するとともに、安否確認用端末40から移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求である情報公開要求を受け付ける。また、安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から情報公開要求を受信すると、移動通信端末50に要求通知情報を送信し、位置情報の公開要求があることを伝える。その後、安否情報管理サーバ10は、情報公開要求を受信してから事前に決められた時間(情報公開猶予時間)が経過すると、安否確認用端末40に対して位置情報を公開する。但し、情報公開猶予時間が経過する前に、移動通信端末50から「無事」を示す信号である無事情報が安否情報管理サーバ10に送られてきた場合は安否確認用端末40に対して位置情報ではなく「無事」を示す内容を公開する。
【0025】
バックアップサーバ20は、安否情報管理サーバ10とは別の箇所に設置された安否情報管理サーバ10のバックアップを行うためのものである。災害時に安否情報管理サーバ10が利用できなくなった場合でも、安否確認用端末40はバックアップサーバ20にアクセスすることで移動通信端末50のユーザの安否情報を確認することができる。サーバのバックアップ方法については、既に公知の技術であるため、詳しい説明は省略する。
【0026】
各安否確認用端末40は、安否情報管理サーバ10にアクセスし、移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求を行うことができる。また、安否情報管理サーバ10が位置情報を公開すれば、移動通信端末50のユーザの安否情報を確認することができる。さらに、移動通信端末50から安否情報管理サーバ10に対して無事情報が送られてきている場合は、移動通信端末50のユーザの「無事」を確認することができる。ここで、安否確認用端末40としては、Webブラウザが利用できる通信端末装置であればどのようなものでも良い。例えばパソコンや携帯電話等のインターネットに接続できる装置である。
【0027】
各移動通信端末50は、位置情報の公開対象となる、つまり安否確認用端末の利用者が安否を確認したいユーザが有する情報処理端末である。移動通信端末50としては、データ送受信機能、データ格納機能、表示機能、入力機能、通知機能、GPS等の位置情報取得機能、プログラムの実行機能を有するものであれば、どのような情報処理端末でも用いることができる。具体的には、携帯電話機、携帯ゲーム機、携帯型のパーソナルコンピュータ等である。本実施形態では、移動通信端末50として携帯電話機を用いた場合について説明する。各移動通信端末50は、位置情報取得機能を用いて、予め設定された情報取得間隔(時間間隔、移動距離間隔、事前に指定したイベント毎等)で位置情報を取得し、それらを安否情報管理サーバ10に送信する。本実施形態では、情報取得間隔として時間間隔を用い、一定時間毎に位置情報を取得するものとして説明する。
【0028】
図2は、本発明である安否確認システムにおける安否情報管理サーバ10と移動通信端末50の概略ブロックである。
【0029】
まず、安否情報管理サーバ10の構成について詳しく説明する。安否情報管理サーバ10は、図2に示すように、データ送受信手段11と、データ格納手段12と、タイマー手段13と、中央制御手段14とを備える。
【0030】
データ送受信部11は、通信ネットワーク30を介してバックアップサーバ20、各安否確認用端末40、各移動通信端末50と各種データのやり取りを行うものである。データ送受信部11は、各移動通信端末50からの位置情報と位置情報を取得した時間である時間情報と、「無事」を伝える無事情報と、各安否確認用端末40からの位置情報の公開要求である情報公開要求とを受信する。また、各移動通信端末50に対して安否確認用端末40から情報公開要求があったことを伝える要求通知情報と、各安否確認用端末40へ移動通信端末50の位置情報と時間情報、さらに各安否確認用端末40に表示させる画面の画面情報等を送信する。
【0031】
データ格納手段12は、本発明である安否確認システムにおいて安否情報管理サーバ10が各処理で使用するデータを格納しておくためのものであり、安否情報格納手段12(a)と、設定情報格納手段12(b)と、画面情報格納手段12(c)から成る。
【0032】
安否情報格納手段12(a)は、各移動通信端末50から送られてきた位置情報と位置情報を取得した時間である時間情報とを各移動通信端末50のユーザ毎に記録するためのものである。安否情報格納手段12(a)に記録される位置情報の数は、各移動通信端末50のユーザにつき、予め固定された数であり、各移動通信端末から送られてくる位置情報がその数を超える場合には最も古い位置情報から順番に削除され、新しい位置情報が記録される。本実施形態では、各移動通信端末50につき5地点分の位置情報が記録されるものとし、記録されている位置情報が5地点を超えると、最も古い位置情報が削除され、新しく受信した位置情報が記録される。
【0033】
設定情報格納手段12(b)は、各移動通信端末50のユーザの設定情報を記録するためのものである。設定情報としては、ユーザID、安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から情報公開要求を受け付けてから位置情報を公開するまでの時間である情報公開猶予時間、安否確認用端末40に位置情報が公開される時刻、つまり安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から情報公開要求を受け付けた時刻に情報公開猶予時間を加算した時刻である情報公開開始時刻、安否情報管理サーバ10が移動通信端末50から無事情報を受信してから、安否確認用端末40に対して「無事」であることを公開する時間である無事公開時間、安否情報管理サーバ10が移動通信端末50から無事情報を受信した時刻に無事公開時間を加算した無事公開終了時刻等が記録されている。ここで、ユーザID、情報公開猶予時間、無事公開時間は、各移動通信端末50のユーザが自由に設定変更できる値である。
【0034】
画面情報格納手段12(c)は、各安否確認用端末40の画面に表示させる画面情報(HTMLファイル等)を保存するためのものである。各安否確認用端末40に表示される画面の詳細については後述する。
【0035】
タイマー手段13は、時間を正確にカウントする機能を有するものである。安否情報管理サーバ10のデータ送受信手段11が安否確認用端末40から情報公開要求を受信した時刻と、それに情報公開猶予時間を加算した情報公開開始時刻と、安否情報管理サーバ10のデータ送受信手段11が移動通信端末50から無事情報を受信した時刻と、それに無事公開時間を加算した無事公開終了時刻等をカウントする。
【0036】
中央制御手段14は、安否情報管理サーバ10の各部を統括し、制御するものであり、データ管理制御手段14(a)と、情報マスク制御手段14(b)から成る。
【0037】
データ管理制御手段14(a)は、データ送受信手段11が移動通信端末50からの位置情報と時間情報を受け取ると、移動通信端末50のユーザ毎に安否情報格納手段12(a)に記録し、データ送受信手段11が移動通信端末50からの無事情報を受け取ると、タイマー手段13から時刻を読み出し、無事公開時刻を加算して無事公開終了時間として設定情報格納手段12(b)に記録し、データ送受信手段11が安否確認用端末40からの情報公開要求を受け取ると、タイマー手段13から時刻を読み出し、情報公開猶予時間を加算して情報公開開始時刻として設定情報格納手段12(b)に記録するとともに、データ送受信手段11に移動通信端末50に位置情報の公開要求があったことを通知する要求通知情報を送信させる。
【0038】
また、データ管理制御手段14(a)は、安否確認用端末40からアクセスがあると、まず無事公開終了時刻を確認し、無事公開終了時刻が記録されていない場合は、まだ移動通信端末50から無事情報を受信していない(移動通信端末のユーザの安否は不明)と判断する。次に情報公開開始時刻を確認し、情報公開開始時刻が記録されていない場合は、移動通信端末50のユーザに対して位置情報の公開要求が行われていないものと判断し、画面情報格納手段12(c)から位置情報の公開要求を実施するための画面情報を読み出すとともに、それをデータ送受信手段11から安否確認用端末40に送信する。ここで、後述する中央制御手段14の情報マスク制御手段14(b)によってマスクされた位置情報と時間情報を同時に送ることで、安否確認用端末40の利用者に位置情報が安否情報管理サーバ10に正しく記録されていることを示しても良い。
【0039】
また、データ管理制御手段14(a)は、安否確認用端末40からアクセスがあると、まず無事公開終了時刻を確認し、無事公開終了時刻が記録されていない場合は、まだ移動通信端末50から無事情報を受信していない(移動通信端末のユーザの安否は不明)と判断する。次に情報公開開始時刻を確認し、タイマー手段13の時刻が情報公開開始時刻より前であれば、後述する中央制御手段14の情報マスク制御手段14(b)によってマスクされた位置情報と、画面情報格納手段12(c)から読み出した所定の画面情報とをデータ送受信手段11から安否確認用端末40に送信する。
【0040】
また、データ管理制御手段14(a)は、安否確認用端末40からアクセスがあると、まず無事公開終了時刻を確認し、無事公開終了時刻が記録されていない場合は、まだ移動通信端末50から無事情報を受信していない(移動通信端末のユーザの安否は不明)と判断する。次に情報公開開始時刻を確認し、タイマー手段13の時刻が情報公開開始時刻を経過していれば、安否情報格納手段12(a)から読み出した対象となる移動通信端末50のユーザの位置情報(マスク処理なし)と、画面情報格納手段12(c)から読み出した所定の画面情報とをデータ送受信手段11から安否確認用端末40に送信する。
【0041】
また、データ管理制御手段14(a)は、安否確認用端末40からアクセスがあると、まず無事公開終了時刻を確認し、無事公開終了時刻が記録されている場合は、移動通信端末50から無事情報を受信した(移動通信端末50のユーザは「無事」である)と判断する。次に情報公開開始時刻を確認し、情報公開開始時刻が記録されている場合、または記録されていない場合にも、後述する中央制御手段14の情報マスク制御手段14(b)によってマスクされた位置情報と、画面情報格納手段12(c)から読み出した所定の画面情報とをデータ送受信手段11から安否確認用端末40に送信する。ここで、移動通信端末50のユーザが「無事」であると判断されている場合、つまり移動通信端末50から安否情報管理サーバ10に無事情報が送信され、設定情報格納手段12(b)に無事公開時刻の記録がある場合は、情報マスク制御手段14(b)によって位置情報を「無事」という文字に変換し、安否確認用端末40に送信することで、移動通信端末50のユーザが「無事」であるという事実を伝えるようにしても良い(図12参照)。
【0042】
また、データ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)の無事公開終了時刻を確認し、タイマー手段13が示す時刻より過去の時刻が記録されている場合は、それを削除する。
【0043】
情報マスク制御手段14(b)は、データ管理制御手段14(a)の指示に従って、安否情報格納手段12(a)から位置情報を読み出し、その位置情報にマスク処理を行う機能を有するものである。例えば、ある移動通信端末50のユーザのある位置情報が、安否情報格納手段12(a)に、(緯度)北緯35.658704度、(経度)東経139.745408度と記録されている場合、情報マスク制御手段14(b)は、(緯度)北緯**.***704度、(経度)東経***.***408度の様に、下3桁以外を「*印」等の記号でマスクした情報に変換し、データ送受信手段11から安否確認用端末40や移動通信端末50に送信する。これにより、マスクされた位置情報を受信した安否確認用端末40の利用者や移動通信端末50のユーザは、安否情報管理サーバ10に正確な位置は特定できないが、安否情報管理サーバに位置情報が安否情報として正しく記録されていることを確かめることができる。つまり、移動通信端末50のユーザのプライバシーを守りながら、本発明である安否確認システムの動作を確認することができる。また、情報マスク制御手段14(b)は、移動通信端末50のユーザが「無事」であると判断されている場合、設定情報格納手段12(b)に無事公開時刻の記録がある場合は、位置情報を「無事」という文字に変換し、安否確認用端末40に送信することで、移動通信端末50のユーザが「無事」であるという事実を伝えるようにしても良い。
【0044】
次に、各移動通信端末50の構成について詳しく説明する。各移動通信端末50は、図2に示すように、データ送受信手段51と、データ格納手段52と、表示手段53と、入力手段54と、タイマー手段55と、情報取得手段56と、通知手段57と、中央制御手段58とを備える。
【0045】
データ送受信手段51は、通信ネットワーク30を介して安否情報管理サーバ10と各種データのやり取りを行うものである。データ送受信手段51は、安否情報管理サーバ10に位置情報と位置情報を取得した時間である時間情報と、「無事」を伝える無事情報とを送信し、安否確認用端末40から情報公開要求があったことを伝える要求通知情報を安否情報管理サーバ10から受信する。
【0046】
データ格納手段52は、本発明である安否確認システムにおいて移動通信端末50が各処理で使用するデータを格納しておくためのものであり、設定情報格納手段52(a)と、画面情報格納手段52(b)から成る。
【0047】
設定情報格納手段52(a)は、移動通信端末50の設定情報を記録するためのものである。設定情報として、ユーザID、情報取得間隔、情報公開猶予時間、情報公開開始時刻、無事公開時間、無事公開終了時刻、通知動作等がある。通知動作とは、情報公開開始時刻までに移動通信端末50のユーザが後述する入力手段54から「無事」を伝える内容を入力しなかった場合に、後述する通知手段57が実行する動作である。通知手段57が実行する動作としては、例えば携帯電話機の着信音機能、着信ライト機能、バイブレータ機能等がある。ユーザID、情報公開猶予時間、無事公開時間、安否不明時動作は、各移動通信端末50のユーザによって設定変更ができる値である。このうち、ユーザID、情報公開猶予時間、無事公開時間が、移動通信端末50のユーザによって変更された場合は、データ送受信手段51から安否情報管理サーバ10に伝えられ、安否情報管理サーバ10の設定情報格納手段12(b)の値も更新される。
【0048】
画面情報格納手段52(b)は、後述する移動通信端末50の表示手段53に表示させる画面情報(HTMLファイル等)を保存するためのものである。各移動通信端末50に表示される画面の詳細については後述する。
【0049】
表示手段53は、本発明である安否確認システムにおいて移動通信端末50のユーザが閲覧する画面を表示するためのものである。表示手段53としては、例えば、液晶表示装置等がある。
【0050】
入力手段54は、本発明である安否確認システムにおいて移動通信端末50のユーザが「無事」を示す内容を登録する、つまり移動通信端末50のユーザが移動通信端末50から安否情報管理サーバへ無事情報を送信する、または各種設定情報の入力等をするためのものである。入力手段54としては、例えば、キーボードやマウス等がある。また、表示手段53と入力手段54を合わせたタッチパネル等も利用することができる。
【0051】
タイマー手段55は、時間を正確にカウントする機能を有するものである。情報取得手段56が位置情報を取得する情報取得間隔(時間間隔)、情報公開開始時刻、無事公開終了時刻等をカウントする。
【0052】
情報取得手段56は、GPS機能等の位置情報取得機能を有するものである。つまり、情報取得手段56は、GPS衛星からの電波を受信して現在位置を測位することにより移動通信端末50の位置情報を取得する機能を有する。また、情報取得手段56は、設定情報格納手段52(a)に記録されている情報取得間隔(時間間隔)に従って位置情報を定期的に取得することができる。本実施形態では、GPS機能を用いた場合を想定して説明するが、携帯電話の基地局、IPアドレス、またはWi−Fi(Wireless fidelity)等を用いて位置情報を取得する方法であっても良い。
【0053】
通知手段57は、移動通信端末50のデータ送受信手段51が安否情報管理サーバ10から情報を受信したとき、また情報公開開始時刻が経過したとき等、安否確認システムにおいて移動通信端末50のユーザに各種情報を通知するためのものである。通知手段57としては、例えば携帯電話機の着信音機能、着信ライト機能、バイブレータ機能等がある。
【0054】
中央制御手段58は、移動通信端末50の各部を統括し、制御するものであり、データ管理制御手段58(a)と、情報取得制御手段58(b)と、通知制御手段58(c)とから成る。
【0055】
データ管理制御手段58(a)は、データ送受信手段51が安否情報管理サーバ10から要求通知情報として情報公開開始時刻を受け取ると、設定情報格納手段52(a)に記録する。本実施形態では、安否情報管理サーバ10から情報公開開始時刻を受信することで、要求通知情報を受信したものとして処理を行っている。但し、本来は要求通知情報には情報公開開始時刻が含まれる。
【0056】
データ管理制御手段58(a)は、入力手段54から「無事」を示す内容が入力された場合に無事情報をデータ送受信手段51から送信する。
【0057】
情報取得制御手段58(b)は、設定情報格納手段52(a)から読み出した情報取得間隔をタイマー手段55にカウントさせ、そのタイミングで情報取得手段56に位置情報を取得させる。また、取得した位置情報はデータ送受信手段51から安否情報管理サーバ10に送信される。
【0058】
通知制御手段58(c)は、データ送受信手段51が安否情報管理サーバ10から要求通知情報(情報公開開始時刻)を受信すると、設定情報格納手段52(a)に記録してある通知動作を読み込み、通知手段に実行させる。また、情報公開開始時刻までに入力手段54から「無事」を伝える内容を入力しなかった場合にも、設定情報格納手段52(a)に記録してある通知動作を読み込み、通知手段に実行させる。
【0059】
次に、安否情報管理サーバ10のデータ格納手段12に格納されている情報について説明する。図3の(a)は、安否情報格納手段12(a)の安否情報データベース、図3の(b)は、設定情報格納手段12(b)の設定情報データベースを説明するものである。
【0060】
図3の(a)の安否情報データベースには、ユーザIDと、位置情報を取得した時間である時間情報と、位置情報とが記録されている。位置情報は、さらに緯度と経度が記録されている。本実施形態では、ユーザ毎に5地点分の位置情報を記録できることとしているが、ここではそのうちの2地点分の位置情報を例として示した。図3の(b)の設定情報データベースには、ユーザIDと、情報公開猶予時間と、情報公開開始時刻と、無事公開時間と、無事公開終了時刻とが記録されている。
【0061】
次に、移動通信端末50のデータ格納手段52に格納されている情報について説明する。図4は、設定情報格納手段55(a)の設定情報データベースを説明するためのものである。
【0062】
図4の設定情報データベースには、ユーザIDと、情報取得間隔と、情報公開猶予時間と、情報公開開始時刻と、無事公開時間と、無事公開終了時刻と、通知動作とが記録されている。
【0063】
次に、移動通信端末50の表示手段53に表示される、安否確認システムで使用する画面について詳しく説明する。かかる安否確認システムにおいて移動通信端末50が使用する画面としては、メイン画面、設定画面、安否情報公開要求通知画面、安否通知完了画面等がある。図5はメイン画面を説明するための図、図6は設定画面を説明するための図、図7は安否情報公開要求通知画面を説明するための図、図8は安否通知完了画面を説明するための図である。
【0064】
移動通信端末50の表示手段53に表示されるメイン画面510は、安否確認システムにおいてメインとなる画面である。図5に示すように、位置情報が表示される位置情報表示部511と、「設定」ボタン512と、「停止」ボタン513と、「無事」ボタン514とが設けられている。位置情報表示部511には、安否情報管理サーバ10の情報マスク制御手段14(b)によって位置情報がマスクされたものと時間情報が表示されている。このマスクされた位置情報と時間情報は、メイン画面510が表示されるたびに移動通信端末50のデータ送受信手段51が安否情報管理サーバ10にアクセスし、取得することで得られる。ここで、サーバから必要な情報を取得し、表示画面に表示させる技術については既に公知の技術であるため、本実施形態では説明を省略する。また、メイン画面510が表示される度に安否情報管理サーバ10にアクセスし、位置情報と時間情報等を取得すると説明したが、移動通信端末50に安否情報を格納する格納手段と、位置情報をマスクする情報マスク手段を設けることで、メイン画面510が表示される度に安否情報管理サーバ10へアクセスしないようにしても良い。「設定」ボタン512は、安否確認システムを利用するために移動通信端末50上で必要な条件を設定する画面(図6の設定画面520参照)に移動するためのボタンである。「停止」ボタン513は、位置情報の取得を停止するためのボタンである。「無事」ボタン514は、移動通信端末50のユーザが何事もなく「無事」である場合に押すボタンであり、入力手段54から「無事」ボタン514を選択することで、データ送受信手段51から無事情報が安否情報管理サーバ10へ送られることになる。
【0065】
移動通信端末50の表示手段53に表示される設定画面520は、各画面にある「設定」ボタンを選択することで表示される。図6に示すように、各種設定情報を入力する設定情報入力部521と、「戻る」ボタン522と、「停止」ボタン523と、「登録」ボタン524とが設けられている。設定情報入力部521のユーザIDは、移動通信端末50のユーザが自由に設定できる値である。但し、他のユーザと重複するものは設定できないものとする。本実施形態において、安否確認用端末40の利用者が、移動通信端末50のユーザの安否情報を確認したい場合は、安否確認用端末40から安否情報管理サーバ10にアクセスし、この移動通信端末50のユーザが設定したユーザIDを入力することになる。そのため、移動通信端末50のユーザが設定したユーザIDは、安否情報を確認してもらいたい人に教えておく必要がある。設定情報入力部521の情報取得間隔は、移動通信端末50の情報取得手段56が位置情報を取得する時間間隔であり、例えば図6にある「5分間隔」である場合は、位置情報は5分間隔で取得されることになる。設定情報入力部521の情報公開猶予時間は、安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から情報公開要求を受信してから、安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40に対して位置情報を公開するまでの時間である。移動通信端末50のユーザは、要求通知情報を受信してからから情報公開猶予時間が過ぎるまでに「無事」を示す内容を入力手段54から登録しなければ、位置情報が公開される。設定情報入力部521の無事公開時間は、移動通信端末50のユーザによって、「無事」を示す内容が入力手段54から登録されると、位置情報の公開は中止される、安否情報管理サーバ10が移動通信情報50のユーザは「無事」であるという内容を公開するが、この「無事」という内容が公開される時間を指定したものである。設定情報入力部521の通知動作は、移動通信端末50が安否情報管理サーバ10から要求通知情報として情報公開開始時刻を受信したこと、情報公開開始時刻になったこと等を通知手段57が移動通信端末50のユーザに知らせるために行う動作を指定するものである。また、「戻る」ボタン522は、メイン画面510に戻るためのボタン、「停止」ボタン513は、位置情報の取得を停止するためのボタンである。「登録」ボタン524は、設定情報入力部521の設定内容を登録するためのボタンであり、このボタンを選択することで、設定情報入力部521に入力された内容が、データ管理制御手段58(a)によって設定情報格納手段52(a)に登録されると同時に、データ送受信手段51から安否情報管理サーバ10に送信され、安否情報管理サーバ10の設定情報格納手段12(b)も更新される。
【0066】
移動通信端末50の表示手段53に表示される安否情報公開要求通知画面530は、移動通信端末50が安否情報管理サーバ10から要求通知情報として情報公開開始時刻を受信した際に表示される。図7に示すように、位置情報公開予定通知部531、位置情報表示部532、「設定」ボタン532と、「停止」ボタン533と、「無事」ボタン534とが設けられている。位置情報公開予定通知部531には、安否情報の公開要求があったことを示す内容、位置情報が公開される時刻(情報公開開始時刻)、「無事」ボタン535を押すことを促す内容等が表示されている。位置情報表示部532には、安否情報管理サーバ10にあるマスクされた位置情報とその位置情報が取得された時間が一覧表示される。「設定」ボタン533は、安否確認システムを利用するために移動通信端末50上で必要な条件を設定する画面(設定画面520)に移動するためのボタンである。「停止」ボタン534は、位置情報の取得を停止するためのボタンである。「無事」ボタン535は、移動通信端末50のユーザが何事もなく「無事」である場合に押すボタンであり、入力手段54から「無事」ボタン535を選択することで、データ送受信手段51から無事情報が安否情報管理サーバ10へ送られることになる。
【0067】
移動通信端末50の表示手段53に表示される安否通知完了画面540は、移動通信端末50のユーザがメイン画面510において「無事」ボタン514、または安否情報公開要求通知画面530において「無事」ボタン535を押した場合に移動通信端末50の表示手段53に表示される画面である。図8に示すように、位置情報が表示される位置情報表示部541と、「設定」ボタン542と、「停止」ボタン543と、「終了」ボタン544とが設けられている。安否通知完了画面540においては、位置情報表示部541に位置情報は表示されずに、位置情報が全て「無事」という文字で表示されている。これは、メイン画面510において「無事」ボタン514、または安否情報公開要求通知画面530において「無事」ボタン535が押されることにより、安否情報管理サーバ10が位置情報を公開せずに、移動通信端末50のユーザが「無事」であるという内容を公開している、つまり移動通信端末50のユーザのプライバシーが守られていることを確認するためのものである。
【0068】
次に、安否確認用端末40に表示される、安否確認システムで使用する画面について詳しく説明する。かかる安否確認システムにおいて安否確認用端末40が使用する画面としては、ログイン画面、安否確認画面等がある。図9はログイン画面を説明するための図、図10、図11、図12は安否確認画面を説明するための図である。
【0069】
安否確認用端末40に表示されるログイン画面410は、移動通信端末50のユーザの安否を確認したい場合に、安否確認用端末40から安否情報管理サーバ10にアクセスした場合に表示される画面である。図9に示すように、ユーザID入力部411と、「ログイン」ボタン412とが設けられている。ユーザID入力部411に安否を確認したい移動通信端末50のユーザのユーザIDを入力し、「ログイン」ボタン412を押すと安否確認用端末40は、安否情報管理サーバ10にアクセスし、トップ画面を表示するための情報(安否確認画面の画面情報とマスクされた位置情報と時間情報等)を入手することができる。本実施形態では、通信端末におけるWebブラウザ等からWebサーバにアクセスし、必要な情報を表示させる技術は既に公知の技術であるため、詳しい説明は省略する。
【0070】
安否確認用端末40に表示される安否確認画面420は、ログイン画面410で入力したユーザIDのユーザの位置情報の公開状況の確認と安否情報の公開要求を行うために使用する画面である。図10に示すように、位置情報表示部421と、「位置情報公開要求」ボタン422とが設けられている。これは、安否確認用端末40に表示されたログイン画面410から安否情報を確認したい移動通信端末50のユーザのユーザIDを入力することで安否情報管理サーバ10にログインし、安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)が、設定情報格納手段12(b)の情報公開開始時刻に記録がないと判断した場合に安否確認用端末40で表示される画面である。但し、設定情報格納手段12(b)に無事公開終了時刻の記録がある場合は、情報公開開始時刻の記録があっても表示しても良い。また、設定情報格納手段12(b)において、無事公開終了時刻の記録の有無に関係なく、記録されている情報公開開始時刻の経過前であれば、表示しても良い。
【0071】
図11に示す安否確認画面420は、図10と同様に安否確認画面420を示すが、位置情報表示部421に完全な位置情報が表示されている。これは、情報公開開始時刻を経過しても移動通信端末50から安否情報管理サーバ10に無事情報が送られてこなかった場合に表示される画面である。つまり、安否確認用端末40に表示されたログイン画面410から安否情報を確認したい移動通信端末50のユーザのユーザIDを入力することで安否情報管理サーバ10にログインし、安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)が、設定情報格納手段12(b)の無事公開終了時刻と情報公開開始時刻を確認し、無事公開終了時刻がない場合、かつ情報公開開始時刻を経過している場合に安否確認用端末40で表示される画面である。
【0072】
図12に示す安否確認画面420は、図10と同様に安否確認画面420を示すが、位置情報表示部421に「無事」という文字が表示されている。これは、移動通信端末50から安否情報管理サーバ10に無事情報が送られてきている場合に表示される画面である。つまり、安否確認用端末40に表示されたログイン画面410から安否情報を確認したい移動通信端末50のユーザのユーザIDを入力することで安否情報管理サーバ10にログインし、安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)が、設定情報格納手段12(b)の無事公開終了時刻を確認し、無事公開終了時刻が記録されている場合に安否確認用端末40で表示される画面である。ここで、位置情報表示部の位置情報が「無事」という文字に変更されているのは、安否情報管理サーバ10の情報マスク制御手段14(b)が、設定情報格納手段12(b)に無事公開時刻の記録があったことで、位置情報を「無事」という文字に変換し、安否確認用端末40に送信したためである。但し、無事公開終了時刻は、経過するとデータ管理制御手段14(a)によって削除されるものとする。
【0073】
次に、本発明である安否確認システムにおける安否情報管理サーバ10と移動通信端末50の間で行われる処理の手順について説明する。図13は、本実施形態の安否確認システムにおいて、安否情報管理サーバ10が移動通信端末50から受信した位置情報を記録する処理の手順、安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から位置情報の公開要求を受けた場合に位置情報の公開要求があることを移動通信端末50へ伝える処理の手順、移動通信端末50のユーザが「無事」である場合に位置情報を公開せずに「無事」であることだけを安否確認用端末40に伝えるために行う処理の手順、移動通信端末50のユーザが「無事」を伝えることができない場合に移動通信端末50上で通知動作を開始させる処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0074】
まず、安否情報管理サーバ10が移動通信端末50から受信した位置情報を記録する処理の手順について説明する。
【0075】
(ステップS101)移動通信端末50の情報取得制御手段58(b)は、設定情報格納手段52(a)に記録された情報取得間隔に従って、位置情報を取得する時間間隔をタイマー手段55にカウントさせ、そのタイミングで情報取得部56に位置情報と時間情報を取得させる。
【0076】
(ステップS102)移動通信端末50の情報取得制御手段58(b)は、データ送受信手段51に情報取得部56が取得した位置情報と時間情報を安否情報管理サーバ10へ送信させる。このとき、位置情報と時間情報の受信先である安否情報管理サーバ10が、どの移動通信端末50からの位置情報と時間情報であるかを識別できるように、ユーザIDも同時に送信するものとする。本実施形態では、データ通信において、送信データとともに送信元の識別情報を一緒に送信し、受信先で受信したデータの送信元を識別する技術は既に公知の技術であるため、詳しい説明を省略する。そのため、以降の説明では、ユーザIDを各種データと一緒に送信する内容については明記しないものとする。また、ここでは安否情報管理サーバ10が移動通信端末50を識別するため、ユーザIDを利用して説明したが、携帯電話の個体識別番号等を利用して識別させても良い。また、ここでは位置情報を取得した時刻は、GPS衛星からの時刻を想定しているが、移動通信端末50のタイマー部56の時刻を利用しても良い。
【0077】
(ステップS103)安否情報管理サーバ10のデータ送受信部11が、移動通信端末50からの位置情報と時間情報を受信するとともに、位置情報と時間情報を受信したことをデータ管理制御手段14(a)に通知する。
【0078】
(ステップS104)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、データ送受信部11が位置情報と時間情報を受信すると、それを安否情報格納手段12(a)に記録する。安否情報格納手段12(a)に記録されるデータについては図3に示す。また、位置情報を取得した時間情報は、安否情報管理サーバ10が位置情報を受信した時刻であっても良い。
【0079】
(ステップS105)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)に格納されたデータの中から、ステップS103で受信した位置情報と時間情報の送信元であるユーザの設定情報に情報公開開始時刻が記録されているか否かを判別し、情報公開開始時刻が記録されている場合はステップS106の処理を実行し、情報公開開始時刻が記録されていない場合は処理を終了する。
【0080】
(ステップS106)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、データ送受信部11から設定情報格納手段12(b)に記録されていた情報公開開始時刻を移動通信端末50へ送信させる。ここで、設定情報格納手段12(b)の設定情報に記録されている情報公開開始時刻は、安否確認用端末40から安否情報管理サーバ10に対して移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求があった場合、つまり情報公開要求があった場合に記録されることから、本実施形態では、安否情報管理サーバ10から移動通信端末へ要求通知情報として情報公開開始時刻を送信することとする。
【0081】
(ステップS107)情報公開開始時刻を移動通信端末50に送信させた安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)から該当するユーザの設定情報に無事公開終了時刻の記録があるか否かを確認する。無事公開終了時刻がある場合はステップS108の処理を実行し、無事公開終了時刻がない場合は処理を終了する。
【0082】
(ステップS108)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)から該当するユーザの設定情報の無事公開終了時刻を読み出し、タイマー手段13の時刻がその時刻を既に経過しているか否かを判断する。無事公開終了時刻が経過している場合はステップS109の処理を実行し、情報公開終了時刻がまだ経過していない場合は処理を終了する。
【0083】
(ステップS109)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)の該当するユーザのユーザ情報に記録された情報公開開始時刻と無事公開終了時刻を削除し、処理を終了する。
【0084】
次に、安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から位置情報の公開要求を受けた場合に位置情報の公開要求があることを移動通信端末50へ伝える処理の手順について説明する。
【0085】
(ステップS110)移動通信端末50のデータ送受信部51が、安否情報管理サーバ10から要求通知情報として情報公開開始時刻を受信するとともに、情報公開開始時刻を受信したことをデータ管理制御手段58(a)に通知する。
【0086】
(ステップS111)移動通信端末50のデータ管理制御手段58(a)は、データ送受信部51が受信した情報公開開始時刻を設定情報格納手段52(a)の該当するユーザの設定情報に記録する。
【0087】
(ステップS112)移動通信端末50のデータ管理制御手段58(a)は、移動通信端末50のユーザに安否確認用端末40から位置情報の公開要求があることを通知するため、移動通信端末50の表示手段53に位置情報の公開要求がある内容の画面を表示させる。この画面については図7の安否情報公開要求通知画面530に示す。さらに、移動通信端末50のユーザに対して位置情報の公開要求があることを確実に通知するため、移動通信端末50の設定情報格納手段52(a)に記録されている通知動作を通知手段57に行わせても良い。
【0088】
次に、移動通信端末50のユーザが「無事」である場合に位置情報を公開せずに「無事」であることだけを安否確認用端末40に伝えるために行う処理の手順について説明する。
【0089】
(ステップS113)位置情報の公開要求があることを通知された移動通信端末50のユーザは、「無事」を伝える処理を実行することで完全な位置情報の公開を回避することができる。ここで完全な位置情報の公開とは、安否情報管理サーバ10の情報マスク制御手段14(b)によってマスクされていない位置情報を意味する。「無事」を伝えて完全な位置情報の公開を回避する場合はステップS114、移動通信端末50のユーザが位置情報の公開要求の通知に気付かない、または「無事」を伝えることができない場合はステップS117の処理が実行される。本実施形態において、「無事」を伝える処理とは、位置情報の公開要求があることを通知するための画面である図7の安否情報公開要求通知画面530に設けられた「無事」ボタンを押すことである。これによりデータ送受信手段51から無事情報が安否情報管理サーバ10に送信される。
【0090】
(ステップS114)移動通信端末50のユーザによって「無事」を伝える処理が実行(安否情報公開要求通知画面530に設けられた「無事」ボタンを押す)されれば、データ管理制御手段58(a)は、データ送受信部51に無事情報を安否情報管理サーバ10へ送信させる。このとき、タイマー手段55から無事情報を送信した時刻と、設定情報格納手段52(a)から無事公開時間とを読み取り、無事情報を送信した時刻に無事公開時間を加算した時刻を設定情報格納手段52(a)に無事公開終了時刻として記録する。
【0091】
(ステップS115)安否情報管理サーバ10のデータ送受信部11は、移動通信端末50から無事情報を受信するとともに、無事情報を受信したことをデータ管理制御手段14(a)に通知する。
【0092】
(ステップS116)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、無事情報を受信した時刻をタイマー手段13から、さらに無事公開時間を設定情報格納手段12(b)から読み出し、無事情報を受信した時刻に無事公開時間を加算した時間を無事公開終了時刻として設定情報格納手段12(b)に記録する。その後、処理を終了する。
【0093】
次に、移動通信端末50のユーザが「無事」を伝えることができない場合に移動通信端末50上で通知動作を開始させる処理の手順について説明する。
【0094】
(ステップS117)移動通信端末50のデータ管理制御手段58(a)は、設定情報格納手段52(a)に記録されている情報公開開始時刻を読み出し、タイマー手段55の時刻が情報公開開始時刻を既に経過しているか否かを判断する。情報公開開始時刻を経過している場合はステップS118の処理を実行し、情報公開開始時刻がまだ経過していない場合はステップS111の処理を再度実行する。
【0095】
(ステップS118)移動通信端末50のデータ管理制御手段58(a)は、設定情報格納手段52(a)に記録されている通知動作を読み出し、その動作を通知手段57に実行させ処理を終了する。ここで、本実施形態において、「無事」ボタンが押されるまでステップS118の通知動作を行うこととする。これは、位置情報の公開をできる限り回避するためであり、通知動作がない場合は位置情報の公開に気付かないことを防ぐ、あるいは安否確認用端末40の利用者に位置情報を意図的に公開し続けることを要求されることを防ぐ目的がある。
【0096】
次に、本発明である安否確認システムにおける安否情報管理サーバ10と安否確認用端末40の間で行われる処理の手順について説明する。図14は、本実施形態の安否確認システムにおいて、安否情報管理サーバ10に対して安否確認用端末40が移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求を行う処理の手順、安否情報管理サーバ10に対して安否確認用端末40が移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求を行った後の処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0097】
まず、安否情報管理サーバ10に対して安否確認用端末40が移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求を行う処理の手順について説明する。
【0098】
(ステップS201)安否確認用端末40から安否情報管理サーバ10へのログイン画面を開き、位置情報(安否情報)の公開を要求したい移動通信端末50のユーザのユーザIDを入力する。
【0099】
(ステップS202)安否確認用端末40は、入力されたユーザIDを安否情報管理サーバ10へ送信する。
【0100】
(ステップS203)安否情報管理サーバ10のデータ送受信部11は、安否確認用端末40からユーザIDを受信するとともに、ユーザIDを受信したことをデータ管理制御手段14(a)に通知する。
【0101】
(ステップS204)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)に格納されたデータの中から、ステップS203で受信したユーザIDのユーザの設定情報に情報公開開始時刻が記録されているか否かを判別し、情報公開開始時刻が記録されている場合はステップS213の処理を実行し、情報公開開始時刻が記録されていない場合はステップ205の処理を実行する。
【0102】
(ステップS205)安否情報管理サーバ10の情報マスク制御手段14(b)は、安否情報格納手段12(a)から該当するユーザの位置情報と時間情報を読み出し、位置情報にマスク処理を行う。但し、設定情報格納手段12(b)に無事公開終了時刻が記録されている場合は、位置情報を「無事」という文字に変更するものとする。
【0103】
(ステップS206)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、画面情報格納手段12(c)から安否確認用端末40に表示させる安否確認画面420の画面情報(HTMLファイル等)を読み出し、データ送受信手段11にステップS205で読み出した時間情報と、ステップS205でマスクした位置情報とともに安否確認用端末40に送信させる。
【0104】
(ステップS207)安否確認用端末40は、安否確認画面420の画面情報と、時間情報と、マスクされた位置情報を受信する。
【0105】
(ステップS208)安否確認用端末40は、ステップS207で受信した安否確認画面420を表示する。このとき、ステップ207で受信した時間情報とマスクされた位置情報は安否確認画面420の位置情報表示部421取り込まれているものとする。
【0106】
(ステップS209)安否確認用端末40の利用者は、安否確認用端末40に表示された安否確認画面420から移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求を行うことができる。位置情報の公開要求を行う場合はステップS210の処理を実行し、位置情報の公開要求を行わない場合は処理を終了する。本実施形態では、安否確認画面420に「位置情報公開要求」ボタンを設け、安否確認用端末40の利用者がそれを押すことで安否情報管理サーバ10に位置情報の公開要求が行われる。つまり、「位置情報公開要求」ボタンを押すことで安否情報管理サーバ10に情報公開要求が送信される。
【0107】
(ステップS210)安否確認用端末40は、安否情報管理サーバ10に情報公開要求を送信する。
【0108】
(ステップS211)安否情報管理サーバ10のデータ送受信部11は、情報公開要求を受信するとともに、情報公開要求を受信したことをデータ管理制御手段14(a)に通知する。
【0109】
(ステップS212)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、タイマー手段13から情報公開要求を受信した時刻を、設定情報格納手段12(b)の該当するユーザの設定情報から情報公開猶予時間を読み出し、タイマー手段13から読み出した時刻に情報公開猶予時間を加算した時刻を情報公開開始時刻として記録する。
【0110】
次に、安否情報管理サーバ10に対して安否確認用端末40が移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求を行った後の処理の手順について説明する。ステップS212の処理で説明したように、設定情報格納手段12(b)に格納されている設定情報に情報公開開始時刻が記録されているということは、安否確認用端末40から移動通信端末50のユーザの位置情報の公開要求があったこと、つまり安否情報管理サーバ10が安否確認用端末40から情報公開要求を受信したことを示している。
【0111】
(ステップS213)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、設定情報格納手段12(b)の中から、ステップS203で受信したユーザIDのユーザの設定情報の情報公開開始時刻を読み出し、タイマー手段13の時刻がその時刻を既に経過しているか否かを判断する。情報公開開始時刻を経過している場合はステップS214の処理を実行し、情報公開開始時刻がまだ経過していない場合はステップS205の処理を実行する。
【0112】
(ステップS214)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は設定情報格納手段12(b)の中から、ステップS203で受信したユーザIDのユーザの設定情報に無事公開終了時刻が記録されているか否かを判別し、無事公開終了時刻が記録されていない場合はステップS215の処理を実行し、無事公開終了時刻が記録されている場合はステップ205の処理を実行する。
【0113】
(ステップS215)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、安否情報格納手段12(a)からステップS203で受信したユーザIDのユーザの位置情報(マスクなし)と時間情報を、画面情報格納手段12(c)から安否確認用端末40に表示させる安否確認画面420の情報(HTMLファイル等)を読み出す。
【0114】
(ステップS216)安否情報管理サーバ10のデータ管理制御手段14(a)は、データ送受信部11にステップS215で読み出した位置情報と、時間情報と、安否確認画面420の画面情報とを安否確認用端末40に送信させる。
【0115】
(ステップS217)安否確認用端末40は、位置情報と、時間情報と、安否確認画面420の画面情報とを受信する。
【0116】
(ステップS218)安否確認用端末40は、ステップS217で受信した位置情報と時間情報とともに安否確認画面420を表示させる。その後、処理を終了する。
【0117】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0118】
例えば、上記の実施形態では、安否情報として移動通信端末の位置情報を取り上げたが、移動通信端末のカメラ機能から取得できる静止画像や動画像等、または音声マイク機能から取得できる音声等でも良い。静止画像である場合は、安否情報として移動通信端末のユーザが取得した静止画像を、あるいはカメラを一定方向に向けておく、または自動的に周囲に向くように設定しておくことで自動的に取得した静止画像を安否情報管理サーバに送信するようにすることができる。動画像や音声である場合は、カメラや音声マイクを移動通信端末のユーザが一定の方向に向けておく、または自動的に周囲に向くように設定しておくことで自動的に取得、あるいはリアルタイムに取得された動画像や音声を安否情報管理サーバに送信するようにすることができる。さらに、安否情報として移動通信端末等からメールやテキスト等に安否の状況等を入力し、安否情報管理サーバに送信しても良い。
【0119】
また、上記の実施形態では、安否情報の取得間隔を移動通信端末が決定した時間間隔としたが、位置情報取得機能によって取得した位置情報から移動通信端末の移動距離を計測し、予め設定した距離を移動した地点で自動的に安否情報を取得するようにしても良い。また、移動通信端末に内蔵された加速度センサを利用し、移動通信端末のユーザが移動した瞬間や静止した瞬間距離等の所定の動作を行ったときに安否情報を取得し、安否情報管理サーバに送信するようにしても良い。また、位置情報取得機能、あるいは加速度センサ等を利用し、移動通信端末のユーザが交差点を曲がったタイミングで安否情報を取得するようにしても良い。
【0120】
また、上記の実施形態では、安否情報管理サーバが移動通信端末から受信した安否情報を全て記録し、安否情報が送られてくる度に情報を更新するものとして説明したが、安否情報管理サーバのメモリ等の一時記憶手段に一時的に記録しておき、安否情報が届かなくなったタイミングで一時記憶手段に一時的に記録されている過去の安否情報を正式に安否情報格納手段に記録するようにしても良い。
【0121】
また、上記の実施形態では、移動通信端末は安否情報を取得する度に安否情報管理サーバへ安否情報を送信するものとして説明したが、移動通信端末のメモリ等の一時記憶手段に一時的に記録しておき、一定量の安否情報が取得できた場合等にまとめて安否情報管理サーバに送信するようにしても良い。
【0122】
また、上記の実施形態では、安否情報管理サーバが安否確認用端末に公開する移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容は、安否確認用端末が安否情報管理サーバにアクセスした場合に公開するものとして説明したが、安否情報管理サーバが移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す無事情報を受信した時点で、予め設定された連絡手段(メール、FAX等)を利用して通知するようにしても良い。また、安否情報管理サーバが安否確認用端末に公開する安否情報についても、安否確認用端末が安否情報管理サーバにアクセスした場合に公開するものとして説明したが、安否情報管理サーバが安否情報を公開した時点で、予め設定された連絡手段(メール、FAX等)を利用して通知するようにしても良い。また、安否情報管理サーバが移動通信端末に送信する要求通知情報に関しても、移動通信端末が安否情報管理サーバにアクセスした場合に伝えるものとして説明したが、安否情報管理サーバが安否確認用端末から情報公開要求を受信した時点で、予め設定された連絡手段(メール、FAX等)を利用して移動通信端末に通知するようにしても良い。
【0123】
また、上記の実施形態では、安否情報管理サーバのデータ送受信手段が移動通信端末から無事情報を受信すると、安否情報の公開を中止し、あるいは安否情報の公開前である場合には安否情報の公開予定を取り消し、事前に決められた時間である無事公開時間の間、移動通信端末のユーザが「無事」であることを公開するものとして説明したが、安否確認用端末が安否情報管理サーバにアクセスし、移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容を確認するまで、移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容を公開し、その後、安否確認用端末が行った情報公開要求に対する処理を終了するようにしても良い。
【0124】
また、本発明は上記の実施形態の安否確認システムの各手段の機能をコンピュータ(又はCPU、MPU)に実現させるためのプログラムを含むプログラム・プロダクトであっても良い。ここで、プログラム・プロダクトというのは、コンピュータ・プログラムだけでなく、プログラムを記録した記録媒体あるいはコンピュータを含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0125】
以上説明したように、本発明の安否確認システムによれば、各移動通信端末のユーザの安否情報を自動的に安否情報管理サーバに記録しておくことで、災害等の非常時に安否確認用端末からそれらの移動通信端末のユーザの安否情報を確認することができある。また、それらの安否情報は、安否確認用端末から安否情報の公開要求が行われてから、情報公開猶予時間である事前に決められた所定の時間が経過するまで、実際の安否情報の公開は実施されないことになっており、情報公開猶予時間が経過するまえに移動通信端末のユーザが「無事」を示す無事情報を移動通信端末から安否情報管理サーバに送ることで安否情報の公開は行われず、安否確認用端末には「無事」という情報のみが公開される仕組みになっている。このように、本発明は個人情報となる安否情報を自動収集するにもかかわらず、実際に安否情報が確認できない場合のみ安否情報が公開されること個人のプライバシーを守ることができる安否確認システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0126】
10 安否情報管理サーバ
11 データ送受信手段
12 データ格納手段
13 タイマー手段
14 中央制御手段
20 バックアップサーバ
30 通信ネットワーク
40 安否確認用端末
50 移動通信端末
51 データ送受信手段
52 データ格納手段
53 表示手段
54 入力手段
55 タイマー手段
56 情報取得手段
57 通知手段
58 中央制御手段
410 ログイン画面
411 ユーザID入力欄
412 「ログイン」ボタン
420 安否確認画面
421 位置情報表示部
422 「位置情報公開要求」ボタン
510 メイン画面
511 位置情報表示部
512 「設定」ボタン
513 「停止」ボタン
514 「無事」ボタン
520 設定画面
521 設定情報入力部
522 「設定」ボタン
533 「停止」ボタン
534 「登録」ボタン
530 安否情報公開要求通知画面
531 位置情報公開予定通知部
532 位置情報表示部
532 「設定」ボタン
533 「停止」ボタン
534 「無事」ボタン
540 安否通知完了画面
541 設定情報入力部
542 「設定」ボタン
543 「停止」ボタン
544 「終了」ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安否情報(位置情報、静止画像、動画像、音声等)を取得する1以上の移動通信端末と、前記移動通信端末から送られてくる前記安否情報を管理する安否情報管理サーバと、前記安否情報管理サーバで管理されている前記移動通信端末の前記安否情報を確認するための1以上の安否確認用端末とを有する安否確認システムであって、
前記安否情報管理サーバは、
前記移動通信端末から前記安否情報と、「無事」を伝える無事情報と、前記安否確認用端末から前記安否情報の公開を要求する情報公開要求とを受信し、前記安否確認用端末から前記情報公開要求があったことを前記移動通信端末に知らせるための要求通知情報と、前記安否確認用端末に前記安否情報とを送信するデータ送受信手段と、
1以上の前記移動通信端末のユーザ毎に前記安否情報と、前記無事情報の有無と、前記データ送受信手段が前記情報公開要求を受信してから前記安否確認用端末に対象となる前記移動通信端末のユーザの前記安否情報を公開するまでの時間である情報公開猶予時間と、当該情報公開要求を受信した時刻に当該情報公開猶予時間を加算した情報公開開始時刻とを記録するデータ格納手段と、
前記データ送受信手段が前記安否確認用端末から前記情報公開要求を受信した時刻と、前記情報公開開始時刻とをカウントするタイマー手段と、
前記データ送受信手段が前記情報公開開始時刻までに前記安否情報の公開対象となっている前記移動通信端末から前記無事情報を受信した場合には当該移動通信端末のユーザの前記安否情報を公開せず、前記情報公開開始時刻までに前記安否情報の公開対象となっている前記移動通信端末から前記無事情報を受信しなかった場合には当該移動通信端末のユーザの前記安否情報を公開するという制御を行う中央制御手段とを備え、
前記移動通信端末は、
前記安否情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記安否情報と、前記移動通信端末のユーザが「無事」である場合に前記無事情報とを前記安否情報管理サーバに送信し、前記安否情報管理サーバから前記要求通知情報を受信するデータ送受信手段と、
前記情報公開猶予時間と、前記情報公開開始時刻とを記録するデータ格納手段と、
前記情報公開開始時刻が経過したことを通知するタイマー手段と、
前記移動通信端末のユーザが「無事」であることを登録するための入力手段と、
前記情報取得手段と、前記データ送受信手段と、データ格納手段と、前記タイマー手段と、前記入力手段等を一括で管理し、制御を行う中央制御手段とを備えることを特徴とした安否確認システム。
【請求項2】
前記安否情報管理サーバの中央制御手段は、
当該安否情報管理サーバの前記データ送受信手段が前記移動通信端末から前記無事情報を受信すると、前記安否確認用端末に対して前記安否情報を公開している場合は公開を中止し、また前記安否確認用端末に対して前記安否情報を公開する予定である場合は当該予定を取消し、前記移動通信端末のユーザが無事であることを前記安否確認用端末に公開する時間である無事公開時間が経過するまで、あるいは前記安否確認用端末が前記安否情報管理サーバにアクセスし、前記移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容を確認するまで、当該移動通信端末のユーザが「無事」であることを示す内容を公開し、当該安否確認用端末が行った前記情報公開要求に対する処理を終了することを特徴とする安否確認システム。
【請求項3】
前記安否情報管理サーバの中央制御手段は、前記安否確認用端末から前記情報公開要求を受信していないとき、あるいは前記安否確認用端末から前記情報公開要求を受信してから前記情報公開開始時刻が経過するまでの間、あるいは前記安否確認用端末が行った安否情報の公開要求に対する処理が終了した後は、前記安否情報の一部、または全てに所定のマスク処理を行ったものを公開することで、前記安否情報の内容を公開することなく、前記安否情報管理サーバに前記安否情報が正しく記録されていることの確認ができることを特徴とする安否確認システム。
【請求項4】
前記移動通信端末は、
更に前記データ送受信手段が前記要求通知情報を受信したことを前記移動通信端末のユーザに通知する通知手段を有することを特徴とする安否確認システム。
【請求項5】
前記移動通信端末の前記通知手段は、
前記情報公開開始時刻までに、当該移動通信端末のユーザが前記入力手段から「無事」であることを登録し、前記安否情報管理サーバに前記無事情報が送信されない場合、当該移動通信端末のユーザに警告動作を実行し、前記安否情報管理サーバが前記安否確認用端末に対して当該移動通信端末のユーザの前記安否情報を公開していること通知することを特徴とする安否確認システム。
【請求項6】
前記移動通信端末の前記通知手段が前記情報公開開始時刻の経過後に実行する前記警告動作は、当該移動通信端末のユーザが前記入力手段から「無事」であることを登録し、前記安否情報管理サーバに前記無事情報が送信されるまで、あるいは予め設定された時間である警告動作終了時間を経過しないと止まらないことを特徴とする安否確認システム。
【請求項7】
前記移動通信端末の前記情報取得手段は、予め設定された情報取得間隔(時間間隔、移動距離間隔、事前に指定したイベント毎等)で前記安否情報を取得することを特徴とする安否確認システム。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の安否確認システムの各手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−221071(P2012−221071A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84122(P2011−84122)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(510166940)
【Fターム(参考)】