説明

定圧ボールジョイント

【課題】ジョイントボールロックネジをランダムに弛めても半固定状態を維持し、誰もが簡単な操作で確実に好みの位置に調整することを可能にするボールジョイントの確立。
【解決手段】ジョイントボール後方にさらばねを配置することで常時一定の圧力をかけ半固定状態を保てるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジョイントボールに接続機器を取り付けた状態で固定解除した時に起きる重力による垂れ下がりを防止するために、板バネの配置により常に抵抗が掛かるようにした。これにより接続機器を安定して最適な位置に固定することを可能にした定圧ボールジョイントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来ボールジョイントはフリー状態にすると取り付け機器の重さにより突然垂れ下がってしまっていた。ロックネジを弛め固定状態から垂れ下がらない半固定状態へ移行させるにはロックネジの微妙な調整が必要であり、特定のポイントのみであった。そのため機器の破損に気を使う必要があり、最適位置に固定するには習練を必要としていた。
【0003】
また、アジャストネジキャップ(6)でジョイントボール(2)に圧力をかける事により、ジョイントボールロックネジ(7)を弛めた状態でも半固定状態にすることできたが、ボール部の精度によって圧力抜けが生じるので接続機器を取り付けた状態での負荷調整はたいへんシビアであった。一般ユーザーにとって、安定して好みの位置に調整することは難しかった。
【0004】
接続機器をジョイントボール(2)に取り付けた状態でジョイントボールロックネジ(7)を弛めても、急な垂れ下がりがなく、誰もが簡単な操作で安定して好みの位置に調整することのできるボールジョイントが求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、ジョイントボールロックネジ(7)をランダムに弛めても半固定状態を維持し、誰もが簡単な操作で確実に好みの位置に調整することを可能にするボールジョイントの確立である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ジョイントボール(2)にアジャストネジキャップ(6)で直接圧力を加え摩擦力を得る形態ではジョイントボールの精度のばらつきや摩耗による圧力抜けが生じていた。そこでジョイントボール(2)後方にさらばね(4)を配置することで常時一定の圧力をかけ半固定状態を保てるようにした。
【0007】
多角形ボールケース(10)と多角形ボール押さえカップ(11)を多角形にすることでジョイントボール(2)とボール押さえカップ(3)が供回りしてしまうのを防ぐ事ができる。よってジョイントボールロックネジ(7)を締め込んだ時にジョイントボール(2)の固定力を向上させることを可能にした。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、難しい操作を必要とせず、アジャストネジキャップ(6)で半固定状態の調整後はジョイントボールロックネジ(7)の締め付けのみで工具を使わなくても、簡単確実に好みの位置を調整できるようになる。さらに多角形ボール押さえカップ(11)、多角形ボールケース(10)によりジョイントボールロックネジ(7)を締め上げた時にジョイントボール(2)の固定力を向上させることが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ボールジョイントにさらばねで圧力をかけることにより機器取り付け後も重力により垂れ下がりにくい状態で最適位置を調整しやすい。
【実施例1】
【0010】
図1、図2に示されるように、本体のボールケース1にジョイントボール2をセットしボール押さえカップ3さらばね4を入れる。アジャストネジキャップ6をボールケース1にねじ込む。
ジョイントボール2の抵抗調整は アジャストネジキャップ6のねじ込み具合により行う。この仮固定状態を維持するためのロックナット5を取り付ける。最後にジョイントボールロックネジ7を組み込む。
【産業上の利用可能性】
【0011】
ジョイントボールロックネジ(7)を弛めた状態でも、片手で調整可能なので誰もが簡単に安定して好みの位置に調整できる。安全性や操作時間の短縮など見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】定圧ボールジョイント斜視図
【図2】定圧ボールジョイント断面図
【図3】定圧ボールジョイント構成部品の斜視図
【図4】定圧ボールジョイント構成部品の断面図
【図5】手動リング付アジャストネジキャップの断面図
【図6】手動リング付アジャストネジキャップの斜視図
【図7】多角形ボールケースの斜視図
【図8】多角形ボールケースの断面図
【図9】多角形ボール押さえカップの斜視図
【符号の説明】
【0013】
1 ボールケース
2 ジョイントボール
3 ボール押さえカップ
4 さらばね
5 ロックナット
6 アジャストネジキャップ
7 ジョイントボールロックネジ
8 手動リング付ロックナット
9 手動リング付アジャストネジキャップ
10多角形ボールケース
11多角形ボール押さえカップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1、図2に示されるように、本体のボールケース(1)にジョイントボール(2)をセットしボール押さえカップ(3)さらばね(4)を入れる。アジャストネジキャップ(6)をボールケース(1)にねじ込む。
ジョイントボール(2)の抵抗調整は アジャストネジキャップ(6)のねじ込み具合により行う。この仮固定状態を維持するためのロックナット(5)を取り付ける。最後にジョイントボールロックネジ(7)を組み込む。以上の如く構成された、ボールジョイント。
【請求項2】
アジャストネジキャップ(6)を工具の使用がなくても手動リング付アジャストネジキャップ(8)に置き換えてより使いやすくしたボールジョイント。
【請求項3】
同様の動作で可動状態を半固定にするためにバネでボールに圧力をかける構造のボールジョイント。
【請求項4】
ジョイントボール(2)とボール押さえカップ(3)が共回りしてしまうのを防ぐため、多角形にした、多角形ボールケース(10)と多角形ボール押さえカップ(11)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−308072(P2006−308072A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240769(P2005−240769)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(304049455)
【Fターム(参考)】