説明

定着装置および画像形成装置

【課題】定着ベルトに設けられた抵抗発熱層に外部から安定した電力供給を行うことができる定着装置を提供すること。
【解決手段】定着ベルトの抵抗発熱層上であり、通紙領域Mを挟んで軸方向の両側に設けられた一対の電極層159a、159bは、これらを平面展開して平面視したときに、通紙領域側の側縁181a、181bの形状が、軸方向Yに振幅W、周方向に周期Tを有する正弦波の形状であり、周方向にどの位置においても電極層159aと159b間の軸方向における電極間距離Uが同じ長さになるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未定着画像が形成されたシートを定着ニップに通して、当該未定着画像を当該シート上に熱定着する定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の画像形成装置の定着装置に用いられる筒状の定着ベルトの構成例を示す図であり、(a)は平面図を、(b)は縦断面図を示している。
両図に示すように、定着ベルト500は、筒状の基層555の外周面に抵抗発熱層556が積層され、抵抗発熱層556の外周面には軸Oに平行な方向(軸方向)両端部を除く中央部に離型層557が積層され、両端部には、離型層557に代えて電極層559a、559bが全周に亘って積層されてなる。
【0003】
電極層559a、559bには、給電ブラシ570a、570bが当接しており、この給電ブラシ570a、570bに外部電源580からの電力が供給されると、給電ブラシ570a、570bから電極層559a、559bを介して抵抗発熱層556に通電されることにより、抵抗発熱層556が発熱する。
定着ベルト500を用いる構成では、ベルト自体が発熱するので、別の専用ヒータでベルトを加熱する構成よりも熱容量が小さくて済み、昇温速度が速くなって目標の定着温度に達するまでに要する時間を短縮できるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−272223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の定着ベルト500を用いると、電極層559aから抵抗発熱層556を介して電極層559bに電流が流れるときに、電極層559a、559bにおいて、軸方向に相手側の電極層に近い側の端部(内側端部:図11(b)の丸印で示す部分)560の電流密度が局所的に大きくなることが生じる。
このように局所的に電流密度が大きくなるのは、軸方向に電極層559aから抵抗発熱層556を介して電極層559bに至るまでの間では、電極層559aの内側端部と電極層559bの内側端部との間を通るルートが最小の電気抵抗値になるので、電極層559aから抵抗発熱層556を介して電極層559bに電流が流れる際に、電流がその最小の電気抵抗値のルートを通ろうとして集中するからである。
【0006】
電極層559a、559bは、抵抗発熱層556よりも電気抵抗値が小さいので、電極層559a、559bの内部では電流が流れても抵抗発熱層556に比べると発熱量が少なく、抵抗発熱層556の内部では、図11(b)に示すように電流が分散するので、電流が局所的に集中することが生じない。
電流が流れることによる発熱量(ジュール熱)は、電流値の二乗に比例して大きくなるので、電流が集中して、かつ抵抗値の大きい部分、すなわち抵抗発熱層556において電極層559a、559bの内側端部(エッジ)と接触している部分(丸印の部分)560が局所的に過剰に昇温されることが生じる(過昇温)。
【0007】
定着ベルトに局所的な過昇温が生じると、早期のベルト破損に繋がるおそれがあり、ベルト寿命が短くなるという問題がある。このような問題は、抵抗発熱層が定着ベルトに設けられる構成に限られず、ローラなどの回転体に設けられる構成について同様に生じる。
本発明は、回転体に設けられた抵抗発熱層の局所的な過昇温をできるだけ防止することにより、回転体の長寿命化を図ることが可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、抵抗発熱層が設けられた第1回転体とこれに圧接される第2回転体の間に定着ニップを確保し、給電部からの電力により前記抵抗発熱層に通電して当該抵抗発熱層を発熱させ、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通して熱定着する定着装置であって、前記抵抗発熱層の周面の、前記第1回転体の軸方向に前記シートの通紙領域を挟んだ第1と第2の位置のそれぞれにおいて周方向に沿って延設され、前記給電部から受電した電力を前記抵抗発熱層に与える第1と第2の電極層を有し、前記第1の電極層の、前記シートの通紙領域側の側縁を第1側縁、前記第2の電極層の、前記シートの通紙領域側の側縁を第2側縁としたとき、前記第1側縁と第2側縁の少なくとも一方は、平面展開したときに平面視で、前記軸に直交する仮想直線に対して斜めに交差する部分を含む形状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記平面視において前記第1側縁と第2側縁の両方が周方向に沿って蛇行して伸びる蛇行形状に形成されていることを特徴とする。
ここで、前記蛇行形状は、周期関数で表される形状であることを特徴とする。
さらに、前記周期関数で表される形状は、正弦波であることを特徴とする。
また、前記平面視において前記第1側縁と第2側縁の両方が、前記仮想直線に対して所定の角度で傾斜する直線形状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記第1側縁と第2側縁の前記軸方向における間隔が、前記周方向のどの位置でも等しいことを特徴とする。
また、前記第1と第2の電極層のそれぞれが前記抵抗発熱層の全周に亘って設けられていることを特徴とする。
さらに、前記第1回転体は、基層を有する無端ベルトであり、前記抵抗発熱層は、前記基層の表面側に設けられており、前記第1と第2の電極層は、前記抵抗発熱層の表面に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、上記の定着装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように構成すれば、従来の構成に比べて、電極層の側縁の長さを長くとることができ、側縁に電流が集中してもその側縁が長くなる分、単位長さ当たりの電流密度が抑制され、電流密度が抑制されると、その電流の抑制量の二乗分、ジュール熱による発熱量が低減することになり、温度上昇を従来よりも低く抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プリンタ全体の構成を示す断面概略図である。
【図2】プリンタに備えられる定着部の構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【図3】定着部の側面図である。
【図4】定着部の軸方向における縦断面図である。
【図5】定着部に備えられる定着ベルトの平面図である。
【図6】定着ベルトに設けられる電極層の平面展開図である。
【図7】ベルト端部の過昇温の様子を示すグラフである。
【図8】電極エッジ長と温度ギャップの関係を示すグラフである。
【図9】電極エッジの形状の変形例を示す平面展開図である。
【図10】変形例に係る定着ベルトの構成例を示す斜視図である。
【図11】従来の定着ベルトの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
〔1〕プリンタの全体構成
図1は、プリンタ1の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタ1は、電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部3と、給紙部4と、定着部5と、これらの動作を統括的に制御する制御部6などを備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
【0015】
画像プロセス部3は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部3Y〜3Kを備えている。
作像部3Yは、感光体ドラム31と、その周囲に配設された帯電器32、現像器33、一次転写ローラ34、感光体ドラム31を清掃するためのクリーナ35などを備えており、感光体ドラム31上にY色のトナー像を作像する。他の作像部3M〜3Kについても、作像部3Yと同様の構成になっており、同図では符号を省略している。
【0016】
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13に張架されて矢印A方向に回転駆動される。
光学部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部6からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y〜3K毎に感光体ドラム31を露光走査させる。
【0017】
この露光走査により、作像部3Y〜3K毎に、帯電器32により帯電された感光体ドラム31上に静電潜像が形成される。各静電潜像は、作像部3Y〜3K毎に、現像器33により現像されて感光体ドラム31上にY〜K色のトナー像が、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。
作像部3Y〜3K毎に、一次転写ローラ34により作用する静電力により中間転写ベルト11上に各色のトナー像が順次、転写されて、フルカラーのトナー像が形成され、さらに二次転写位置46の方向に向かって移動する。
【0018】
一方、給紙部4は、記録シートSを収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の記録シートSを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された記録シートSを二次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対44などを備えており、中間転写ベルト11上のトナー像の移動タイミングに合わせて給紙部4から記録シートSを二次転写位置46に給送し、二次転写ローラ45の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シートS上に二次転写される。
【0019】
二次転写位置46を通過した記録シートSは、定着部5に搬送され、記録シートS上のトナー像(未定着画像)が、定着部5における加熱・加圧により記録シートSに定着された後、排出ローラ対71を介して排出トレイ72上に排出される。
〔2〕定着部5の構成
図2は、定着部5の構成を示す部分断面斜視図であり、図3は、その側面図であり、図4は、図3のC−C´線で切断したときの断面図である。
【0020】
各図に示すように、定着部5は、定着ベルト154と、押圧ローラ150と、加圧ローラ160と、給電部材170a、170bとを備える。
定着ベルト154は、筒状であり、押圧ローラ150は、定着ベルト154に内嵌(ベルト周回経路の内側に配置)されている。加圧ローラ160は、定着ベルト154の外側(ベルト周回経路の外側)に配置されており、定着ベルト154の外側から定着ベルト154を介して押圧ローラ150を押圧する。
【0021】
これにより、加圧ローラ160表面と定着ベルト154表面との間に定着ニップNが確保される。定着ニップNが確保されている状態で、定着ベルト154の裏面のうち、周方向に定着ニップN以外の部分が押圧ローラ150の表面(外周面)と離間しており、定着ベルト154の裏面と押圧ローラ150の表面との間に空間153が形成されている。
この空間153を有する構成をとることにより、定着ベルト154の裏面全体が押圧ローラ150の表面に密着している構成に比べて、定着ベルト154から発せられる熱が押圧ローラ150に逃げるのを抑制して、さらなる小熱容量化を図ることができる。
【0022】
以下、各部材の構成を具体的に説明する。
<押圧ローラについて>
押圧ローラ150は、長尺で円柱状のローラ軸151の周囲に弾性層152が形成されてなる。
ローラ軸151は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等からなる外径が約18mmの円柱体であり、その軸方向における両端部は、図示しない定着部5の本体フレームの軸受部に回転自在に軸支されている。
【0023】
弾性層152は、耐熱性及び断熱性の高い、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の発泡弾性体などからなり、その厚みは、1mm以上、20mm以下であり、ここでは5mmに設定されている。押圧ローラ150の外径は、20mm以上、100mm以下に設定される。弾性層152のY軸(ローラ軸)方向長さは、350mmとなっている。
<加圧ローラについて>
加圧ローラ160は、ローラ軸161の周面に、弾性層162と、接着層163と、離型層164とが、この順に離型層164が外周側となるように積層されてなり、外径が例えば20〜100mmのものが用いられている。
【0024】
ローラ軸161は、その軸方向における両端部が定着部5の本体フレームの軸受部に回転自在に軸支されており、不図示の駆動機構により回転駆動され、例えば、外径が約30mmのアルミニウム製の中実シャフトである。
弾性層162は、耐熱性の高いシリコーンゴムやフッ素ゴムからなる円筒体であり、Y軸方向の長さは、ここでは310mmとなっており、Y軸方向における通紙領域M(最大サイズのシートのシート幅に相当)よりもやや長くなっている。なお、弾性層162の材料は、シリコーンゴムの他、フッ素ゴムなどの耐熱性の高い材料を用いてもよい。弾性層162の厚みとしては、1mm以上、20mm以下が望ましく、ここでは、2mmに設定されている。
【0025】
離型層164は、厚みが5μm以上、100μm以下のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂からなる。
接着層163は、シリコーン接着剤などからなり、当該接着剤が弾性層162の表面に塗布されることにより形成される。弾性層162、接着層163、離型層164のY軸方向の長さは、310mmとなっており、記録シートの最大通紙幅よりも大きく設定されている。
<給電部材について>
給電部材170a、170bは、Y軸方向に定着ベルト154の両端側に配置されており、それぞれがリード線175a、175bを介して外部の電源180に電気的に接続され、定着ベルト154のY軸方向両端に設けられた1対の電極層159a、159bに接触して、電源180からの電力を与えるものである。
【0026】
電源180は、例えば電圧100V、周波数が50Hzもしくは60Hzの商用電源である。なお、リード線175aには、制御部6の指示でON・OFFするリレースイッチ(不図示)が挿設されており、必要に応じて通電される構成になっている。
給電部材170aは、ブラシ部171aと板バネ172aからなり、ブラシ部171aは、例えばY軸方向における長さが12mm、Y軸方向と直交する方向の幅が10mm、厚みが15mmの直方体状のブロックであり、摺動性と導伝性を有する銅黒鉛質、炭素黒鉛質などの材料からなる、いわゆるカーボンブラシである。
【0027】
板バネ172aは、導電性および弾性を有する、りん青銅やステンレスなどからなる矩形の板体であって、一方の端部が装置本体側の絶縁体(不図示)に固定されており、他方の端部が導電性を有する接着剤などでブラシ部171aと電気的に接続されている。
給電部材170bは、ブラシ部171bと板バネ172bからなり、基本的に給電部材170aと同じ構成になっている。
【0028】
板バネ172aは、ブラシ部171aを定着ベルト154の電極層159aの外周面に弾性力で押し付け、板バネ172bは、ブラシ部171bを定着ベルト154の電極層159bの外周面に弾性力で押し付けることにより、ブラシ部171aと電極層159aを電気的に接続させると共に、ブラシ部171bと電極層159bを電気的に接続させる。
<定着ベルトについて>
図4に示すように、定着ベルト154は、内側から外側にかけて補強層155、抵抗発熱層156、弾性層157、離型層158がこの順に積層されてなり、材質の異なる膜体が複数積層されてなる弾性変形可能な無端ベルトである。なお、弾性層157と離型層158は、Y軸方向両端部を除く中央領域にのみ設けられており、Y軸方向両端部には、電極層159a、159bが設けられている。
【0029】
補強層155は、絶縁性の材料、例えばPI(ポリイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などのいずれかからなる膜体であって、その厚みは5μm以上、200μm以下が望ましく、ここでは、70μmに設定されている。
抵抗発熱層156は、厚みが約5〜100μmの膜体であり、ベース材としてのPI製樹脂に、電気抵抗率の異なる導電フィラーを一種類もしくは複数種類分散させてなる。ベース材は、PIに限られず、例えばPPSやPEEKなどの耐熱性絶縁樹脂を使用することもできるが、PIがもっとも高い耐熱性を有するので、PIを用いることが望ましい。
【0030】
導電フィラーとしては、Ag、Cu、Al、MgおよびNiなどの金属、もしくは、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどのカーボン系の炭素化合物粉末と、ヨウ化銀、ヨウ化銅等の無機化合物中の高イオン導電体粉末を用いることが望ましい。その形状としては、単位含有量あたりの導電フィラー同士の接触する確率を高めたり、導電フィラーにベース材を浸透させ易くしたりするために、繊維状にすることが望ましい。
【0031】
導電フィラーの構成要素である、上述の金属は、温度が上昇するにつれて体積抵抗値が上昇するPTC(positive temperature coefficient )特性を有しており、また、炭素化合物粉末および高イオン導電体粉末は、温度が上昇するにつれて体積抵抗値が減少するNTC(negative temperature coefficient )特性を有しているので、性質の相反するこれらフィラーの配合比率を調整することにより、所望の体積抵抗率に設定される。
【0032】
金属微粒子は、特に針状やフレーク状の銀やニッケルが望ましく、粒径は0.01〜10μmが好ましい。炭素化合物や高イオン導電体と線状に絡み合うことで均一な体積抵抗率を有する抵抗発熱体層を成型できる。耐熱樹脂中に分散される導電フィラーは、耐熱樹脂重量に対して金属微粒子が50〜300重量%、炭素化合物と高イオン導電体が5〜100重量%であることが好ましい、
電気抵抗率は、抵抗発熱層132への印加電圧、供給電力、層厚、定着ベルトの径、定着ベルトのローラ軸方向長さなどにより予め適正値が決められる。例えば、1.0×10−6〜1.0×10−2Ω・m程度、より望ましくは、1.0×10−5〜5.0×10−3Ω・mとするとしても良い。
【0033】
弾性層157は、例えばシリコーンゴムなどの弾性および耐熱性を有する材料からなり、その厚みは約200μmである。なお、弾性層157の材質は、シリコーンゴムの他、フッ素ゴム等を用いても構わない。
離型層158は、例えばPTFEもしくはPFA等のフッ素系樹脂などの離型性を有する材料からなる膜体であり、厚みは、5μm以上、100μm以下である。弾性層157と離型層158のY軸方向長さは、ここでは310mmになっている。
【0034】
電極層159a、159bは、抵抗発熱層156より電気抵抗率の低い材料、例えばCu、Ni、Ag、Al、Au、Mg、真鍮、リン青銅等、もしくはそれらの合金などを材料とする膜体であり、抵抗発熱層156の外周面の、弾性層157と離型層158の設けられていない両端側(軸方向に通紙領域Mを挟んだ第1と第2の位置)に周方向の全周に亘って設けられており、抵抗発熱層156と電気的に接続されている。電極層159a、159bは、例えばメッキもしくはこれらの金属が分散された導電性インキなどを塗布して乾燥させることなどにより形成される。特に、CuやNiが望ましく、Cuを化学メッキ、電気メッキした上に、Niメッキを施すとさらに良い。また、CuやNi箔を導電性接着剤で接着する構成でも良い。
【0035】
体積抵抗率としては、1.0×10−8Ω・m〜1.0×10−4Ω・mが望ましく、厚みは、1μm以上、100μm以下であることが望ましく、ここでは20μmに設定されている。
電極層159a、159bには、電源180からの電力が給電部材170a、170bを介して供給され、この供給された電力が電極層159a、159bから抵抗発熱層156に供給される。ここでは、定着ベルト154の周囲に、定着ベルト154の表面温度を検出するためのセンサー(不図示)が配置されており、センサーによる検出値に基づいて定着ベルト154の表面温度が定着の目標温度に維持されるように、リレースイッチの断続による抵抗発熱層156に供給される電力量が制御される。
【0036】
図5は、電極層159a、159bを図4の矢印Fで示す方向から見たときの平面図であり、図6は、電極層159a、159bをY軸に沿って切り開いたときの平面展開図である。なお、図5における軸Oは、定着ベルト154を円筒形にした場合における中心軸を示しており、図6における符号Pは、電極層159a、159bを周方向における位置PでY軸に沿って切ったときのその切断位置を示している。
【0037】
両図に示すように電極層159a、159bは、Y軸方向において通紙領域M側に位置する側縁181a、181bがそれぞれ、Y軸方向に同じ大きさの振幅をもって周方向に蛇行して伸びる蛇行形状の例として、ここでは中心線191a、191bに対して振幅Wを有し、同じ周期の正弦波の形状に形成されている。中心線191a、191bは、平面展開時において軸方向に直交する仮想直線に相当し、側縁181a、181bは、電極層159a、159bにおける通紙領域側の輪郭線であり、電極層の縁(エッジ)に相当する。以下、側縁を電極エッジという。
【0038】
図6に示すように、電極エッジ181a、181bの平面視形状である正弦波の周期Tが、電極層159a、159bの周長Qの半分であり、電極層159a、159bのY軸方向における間隔(電極間距離)Uが、周方向のどの位置でも同じ長さになっている。
このように電極エッジ181a、181bの形状を正弦波とする構成をとることにより、従来の直線(中心線191a、191bに相当)形状とする構成よりも電極エッジの周方向長さ(電極エッジ長)を長くすることができる。すなわち、従来の直線形状の場合、電極エッジ長は、図6の周長Qに等しくなるが、本実施の形態のように正弦波形状とすることにより、電極エッジ長を周長Qよりも長くとることができる。
【0039】
直線形状の構成と正弦波形状の構成とで、電極層に流れる電流量を同じとすると、電極エッジから抵抗発熱層156に流れる、電極エッジの単位長さ当たりの電流量は、正弦波形状の方が直線形状よりも電極エッジ長が長くなった分だけ、少なくなる。
一方で、電極エッジ長を長くすると、その分、温度の上昇する部分が増えることになるが、電極エッジでの発熱量は、電流値が低減した分の二乗に反比例して小さくなる。
【0040】
例えば、電流量が同じと仮定して、電極エッジ長を2倍にすると電極エッジの単位長さ当たりの電流量が1/2倍になり、単位長さ当たりの発熱量は1/4に低減する。電極エッジ長が2倍に長くなると、その分、エッジ全長からの発熱量は増えるはずであるが、単位長さ当たりの発熱量が1/4に低減しているので、電極エッジ長が2倍になっても、電極エッジでの全体の発熱量は、元の発熱量の1/2倍に抑制されることになる。
【0041】
このことから、電極エッジ長をより長くとることにより、電極エッジと抵抗発熱層との接触部分における局所的な過昇温の防止を図ることができる。
また、電極エッジを平面展開したときに直線形状の構成をとれば、定着ベルト154が回転しても、電極エッジの位置がY軸方向に変化しない。従って、図4に示すようにY軸方向に電極エッジ181aの位置する部分だけに電極エッジ181aを流れる電流により生じる熱が集中して、電極エッジ181aが局所的に過昇温に至り易くなる。このことは、他方の電極エッジ181b側でも同じことである。
【0042】
これに対して、本実施の形態のように振幅Wを有する正弦波形状とすることにより、定着ベルト154が回転すれば、図4に示すようにY軸方向に幅2Wの範囲内で電極エッジ181aの位置が変位するので、電極エッジ181aからの熱が定着ベルト154の内周面と押圧ローラ150の外周面とが接している領域152aに伝わりつつその領域152aに分散され易くなる。このことは、他方の電極エッジ181bでも同じである。
【0043】
従って、電極エッジ181a、181bの温度が過昇温に至らない範囲内で、ある程度高くなっても、直線形状の構成のように一部分だけに熱が集中することがないので、局所的に過昇温に至るためにベルト寿命が短くなるといったことを防止することができる。
また、電極エッジ181a、181bの形状を正弦波形状にするには、電極層159a、159bを例えばメッキにより形成する場合にそのマスキング領域の電極エッジに相当する側縁の形状を従来の直線形に代えて上記のような正弦波形になるようにマスキングを行えば良い。他の導電性インキの塗布により形成する場合などでも、塗布する際の形状が変わるだけであり、製造方法自体が従来と変わることはなく、極めて簡易である。
【0044】
そして、電極間距離Uが全周に亘ってどの位置でも同じ長さになるように形成することにより、一方の電極層から抵抗発熱層156を介して他方の電極層に電流が流れる際の、周方向のそれぞれの位置における抵抗発熱層156を流れる電流の電流密度を均等化することができる。これにより、抵抗発熱層156において、周方向においてどの位置でも発熱量を同程度にすることができ、定着ニップNの温度が定着ベルト154の1周の間に発熱量の違いにより変動するといったことが生ぜず、定着ニップNの温度変動による定着ムラの発生を防止することもできる。
【0045】
図7は、定着ニップNにおけるY軸方向の温度分布の様子を示すグラフであり、横軸がY軸方向、縦軸が温度を示す。同図では、実験において定着ニップNの通紙領域における温度が目標温度(例えば、180℃)まで昇温する途中における50℃、100℃、150℃の各温度になった時点での温度波形を別々に例示している。
同図に示すように、各温度波形を見ると、横軸の方向の両側に温度が極端に上昇している部分(ピーク)が存在するが、このピークの温度が電極エッジの部分の温度である。
【0046】
例えば、100℃に対応する温度波形を見ると、横軸の方向の中央部(定着ニップNにおける通紙領域に相当)の温度が約100℃付近であるのに対して、電極エッジの部分の温度は、120℃を少し超える温度にまで上昇していることが判る。なお、電極エッジよりも横軸の方向に外側(両端側)に移るに連れて温度がピークから急激に低下しているが、これは電極エッジよりも外側に移るほど電極層から抵抗発熱層156に流れる電流量が少なくなるため、それに合わせて発熱量も少なくなっていくからである。
【0047】
100℃に対応する温度波形と同様に、他の50℃、150℃に対する温度波形もピーク部分の温度が中央部の温度よりも約20℃程度高くなっており、この実験機では目標温度に達するまでの間、電極エッジと中央部との両者間に約20℃の温度差が生じていることになる。この温度差は、図示していないが、中央部の温度が目標温度に達してからも同様に存在する。以下、この温度差を温度ギャップという。
【0048】
図8は、電極エッジ長と温度ギャップの関係を示す図であり、横軸が電極エッジ長〔mm〕を、縦軸が温度ギャップ〔℃〕を示している。ここでは、実験において電極エッジ長が異なる5つの定着ベルトを用意し、上記の定着部5において定着ベルトだけを順に置き換えて、定着ベルト毎に、その定着ベルトを装着したときの温度ギャップを測定した結果をプロット80〜84でそれぞれ示している。各定着ベルトに対して同じ大きさ(1000W)の電力を供給し、150〔℃〕に達したときの温度ギャップを測定した。
【0049】
同図のプロット80(電極エッジ長=95〔mm〕)が、電極エッジを直線形状にした構成(比較例)の測定結果であり、プロット81〜84(電極エッジ長=102、110、118、125〔mm〕)が、電極エッジを正弦波形状にした構成(実施例)の測定結果である。
プロット80〜84から比較例と実施例の温度ギャップの大きさを見ると、比較例の温度ギャップ(プロット80)が約22℃で最も大きく(図7のピーク波形に相当)、これよりも電極エッジ長が長くなる実施例では、電極エッジ長が長くなるに連れて温度ギャップが段々小さくなっていき、電極エッジ長が最も長い構成の温度ギャップ(プロット84)で約10℃まで低減していることが判る。同図の曲線のグラフは、プロット80〜84から電極エッジ長と温度ギャップの関係を曲線近似して示したものである。
【0050】
実施例において電極エッジ長が長くなるほど温度ギャップが低減しているのは、電極エッジ長が長くなるほど、上記のように電極エッジにおける全体の発熱量が抑制されると共に、電極エッジのY軸方向における振幅量が大きくなって、定着ニップNにおける熱の分散が促進されるからであると考えられる。
このように本実施の形態では、定着ベルト154における電極エッジの部分の温度を、従来よりも下げることができるようになり、過昇温によるベルト寿命の低下を抑制して高寿命化を図ることができ、さらに、熱変形を抑制することができる。
【0051】
〔変形例〕
本発明は、上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記実施の形態では、電極エッジ181a、181bの平面展開時の形状を周期関数の一例としての正弦波の形状とした例を説明したが、従来の直線形状(仮想直線:中心線191a、191bに相当)に対して、これよりも電極エッジ長が長くなる構成であれば良い。例えば、矩形波形状などが考えられる。なお、正弦波の周期Tや振幅Wの大きさが上記のものに限られず、装置構成に応じて適した周期等が実験などから設定される。
【0052】
また、電極エッジ181a、181bの平面展開時の形状が周期関数を示す形状に限られることもない。平面展開したときに仮想直線に対して斜めに交差する部分を含む形状に電極エッジを形成すれば、上記の単位長さ当たりにおける電流密度の低減を実現することができる。
例えば、図9(a)のように電極エッジ181a、181bをそれぞれ、平面展開したときの平面視でV字状になるように形成するとしても良い。V字状に代えて、円弧状とすることもできる。また、図9(b)に示すように中心線191a、191bに対して所定の角度で傾斜する直線形状とするとしても良い。なお、電極間距離Uは、上記同様に周方向にどの位置でも同じになるようにすることが望ましいが、これに限られることもない。
【0053】
すなわち、電極エッジの形状を周方向においてある位置と別の位置とで電極間距離Uが異なるように形成する場合でも、従来の直線形状よりも電極エッジ長を長くとれれば、少なくとも電極エッジにおける電流集中による温度上昇を従来よりも低減することができるという効果を得ることができるからである。この意味で、例えば、一対の電極層159a、159bのうち、平面展開したときの平面視において、一方の電極層の電極エッジを仮想直線に対して斜めに交差する部分を含む形状(正弦波、蛇行など)にすると共に、他方の電極層の電極エッジを従来相当の直線形状とする構成でも、電流集中による温度上昇の抑制という効果をある程度は得られることになる。
【0054】
なお、電極間距離Uが周方向において、ある位置では極端に短く、別の位置では極端に長くなるなどの構成をとれば、電極間距離Uの短い部分では電流が流れ易く、電極間距離Uの長い部分では流れ難くなって、周方向の位置によって発熱量が異なり、その発熱量の差分による温度ムラが生じ易くなることが考えられる。従って、電極間距離Uが周方向の位置によって異なる構成において、周方向の位置によって発熱量に差が生じるような場合には、その発熱量の差分の大きさが熱定着に支障のない範囲内に収まるように、電極エッジの形状および電極間距離Uの可変量の大きさを実験などから決めることが望ましい。
【0055】
(2)上記実施の形態では、定着ベルト154は、基層としての補強層155と、抵抗発熱層156と、弾性層157と、離型層158と、電極層159とを有していたが、これに限らず、少なくとも抵抗発熱層156と電極層159とを有していればよい。
また、定着ベルト154の周回経路内側に押圧ローラ150を配置し、定着ベルト154の内径が押圧ローラ150の外径よりも大きくなるように構成することにより、定着ニップN以外の部分において周方向に沿って定着ベルト154の内周面と押圧ローラ150の外周面とが離間する構成をとったが、これに限られない。例えば、定着ベルト154の周回経路内側に押圧ローラと、これとは別の張架部材(ローラなど)を配置して、これら2つの部材で定着ベルト154を張架する構成をとっても良い。また、定着ベルト154の内周面と押圧ローラ150の外周面が密着する構成としても良い。
【0056】
さらに、第1回転体としての定着ベルト154に抵抗発熱層156を設けるとしたが、これに限られない。例えば、定着ベルト154を備えずに、定着ローラと加圧ローラとで定着ニップを確保する構成であれば、この定着ローラを第1回転体として、加圧ローラを第2回転体として、第1回転体としての定着ローラに抵抗発熱層を設けると共に一対の電極層を軸方向に通紙領域Mを挟んで設ける構成をとるとしても良い。また、第1回転体を押圧して定着ニップを確保する第2回転体として、加圧ローラ160を用いた構成例を説明したが、これに限られず、例えばベルトを用いるとしても良い。
【0057】
(3)上記実施の形態では、外部電源からの電力を電極層159a、159bに給電する構成として、ブロック状のブラシ部171a、171bが定着ベルト154の電極層159a、159bを摺動する構成例を説明したが、これに限らない。例えば、ブラシ部の代わりに金属ローラを用いて、摩擦を低減させながら、電極層との電気的接触を保つ構成をとることもできる。
【0058】
また、図10に示すように誘導電流を利用する構成をとることもできる。すなわち、電源180にリード線175を介して1次コイル271を接続し、定着ベルト254には軸方向一方の端部に2次コイル272を巻き付けるようにして設ける。そして、2次コイル272を構成する巻き線の一方の端272aを電極層159aに電気的に接続し、巻き線の他方の端272bを電極層159bに電気的に接続する。
【0059】
1次コイル271と2次コイル272を対向配置するようにして、1次コイル271に交流電流を流して、2次コイルに誘導電流を発生させ、発生した誘導電流を電極層159a、159bを介して抵抗発熱層156に供給するものである。外部電源と電極層とを非接触状態にして給電を行うことができる。
(4)上記実施の形態では、抵抗発熱層156を導電フィラーの構成要素であるPTC特性を有する材料と、NTC特性を有する材料の配合比率を調整して所望の体積抵抗率に設定するとしたが、これ以外の目的で配合比率を調整しても構わない。
【0060】
例えば、多数枚の小サイズのシートを連続してプリントする場合、定着ベルト154のうち、ベルト幅方向に当該シートが通過しない両端側の部分(非通紙部)の温度が、当該シートに熱が奪われないために温度が上昇する傾向にあるが、非通紙部にNTC特性の導電フィラーを多く含有させることで、非通紙部の温度が上がったときに非通紙部の抵抗値が低下して、通紙領域に比べて非通紙領域の発熱量が低下することにより、非通紙部の温度を上昇し難くすることができる。特に高イオン導電体としてAgIまたはCuIを用いた場合、抵抗変化率が大きく変化するので、過昇温の防止効果が顕著になる。
【0061】
(5)上記実施の形態では、一対の電極層159a、159bは、それぞれが定着ベルト154の周方向に全周に亘って延設されるとしたが、給電が可能であれば全周に限らず、例えば一周のうち、周方向の一部に電極層の設けられていない絶縁部分が存在する形状であっても良い。
また、電極層159a、159bが定着ベルト154の外周に設ける構成に限られず、例えば内周に設ける構成であって良い。この場合、ブラシ部171a、171bも定着ベルト154の周回経路内側において、その電極層159a、159bに接触される。
【0062】
(6)上記実施の形態では、本発明に係る定着装置および画像形成装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関らず、抵抗発熱層を有する第1の回転体を、第2の回転体で押圧して第1と第2の回転体間に定着ニップを確保すると共に、給電部により抵抗発熱層に給電して抵抗発熱層に流れる電流により抵抗発熱層を発熱させる構成の定着装置、およびこの定着装置を備える画像形成装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
【0063】
また、定着ベルト154、押圧ローラ150、加圧ローラ160、電極層159a、159b、給電部材170a、170bなどの各部材の形状、材料、大きさ、長さ、厚みなどが上記のものに限られないことはいうまでもなく、装置構成に応じて、その構成に適した形状、材料、寸法等が決められる。抵抗発熱層156に供給される電力も交流に限られず、直流の構成をとるとしても良い。
【0064】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、抵抗発熱層とこれに給電するための電極層を含むベルトを用いた定着装置および当該定着装置を用いた画像形成装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 プリンタ
5 定着部
150 押圧ローラ
151、161 ローラ軸
154、254 定着ベルト
156 抵抗発熱層
159a、159b 電極層
160 加圧ローラ
170a、170b 給電部材
180 電源
181a、181b 電極エッジ(電極層の、シートの通紙領域側の側縁)
191a、191b 中心線(仮想直線)
M シートの通紙領域
N 定着ニップ
O 軸
Q 電極層の周長
S 記録シート
T 周期
U 電極間距離
W 振幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗発熱層が設けられた第1回転体とこれに圧接される第2回転体の間に定着ニップを確保し、給電部からの電力により前記抵抗発熱層に通電して当該抵抗発熱層を発熱させ、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通して熱定着する定着装置であって、
前記抵抗発熱層の周面の、前記第1回転体の軸方向に前記シートの通紙領域を挟んだ第1と第2の位置のそれぞれにおいて周方向に沿って延設され、前記給電部から受電した電力を前記抵抗発熱層に与える第1と第2の電極層を有し、
前記第1の電極層の、前記シートの通紙領域側の側縁を第1側縁、前記第2の電極層の、前記シートの通紙領域側の側縁を第2側縁としたとき、
前記第1側縁と第2側縁の少なくとも一方は、
平面展開したときに平面視で、前記軸に直交する仮想直線に対して斜めに交差する部分を含む形状に形成されていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記平面視において前記第1側縁と第2側縁の両方が周方向に沿って蛇行して伸びる蛇行形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記蛇行形状は、
周期関数で表される形状であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記周期関数で表される形状は、
正弦波であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記平面視において前記第1側縁と第2側縁の両方が、前記仮想直線に対して所定の角度で傾斜する直線形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項6】
前記第1側縁と第2側縁の前記軸方向における間隔が、前記周方向のどの位置でも等しいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項7】
前記第1と第2の電極層のそれぞれが前記抵抗発熱層の全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項8】
前記第1回転体は、基層を有する無端ベルトであり、
前記抵抗発熱層は、前記基層の表面側に設けられており、
前記第1と第2の電極層は、前記抵抗発熱層の表面に設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−252946(P2011−252946A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124681(P2010−124681)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】