定着装置および画像形成装置
【課題】熱対流および熱気流により装置外に放出される熱エネルギーを効果的に抑制することが可能な定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置110の筐体28には、筐体28の上部側に搬出口24が設けられ、反対側の下部側に搬入口26が設けられる。搬出口24に付設された閉塞機構45を設ける。閉塞機構45は、閉塞部材であるシート状の弾性部材であるマイラーフィルム30,32を用いて熱対流の流れを堰き止める。
【解決手段】定着装置110の筐体28には、筐体28の上部側に搬出口24が設けられ、反対側の下部側に搬入口26が設けられる。搬出口24に付設された閉塞機構45を設ける。閉塞機構45は、閉塞部材であるシート状の弾性部材であるマイラーフィルム30,32を用いて熱対流の流れを堰き止める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関し、特に、画像形成装置に内蔵される定着装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム上をほぼ一様に帯電させた後、当該感光体ドラムをレーザースキャニングユニット等により露光して画像信号に応じた静電潜像を形成し、その後、現像器により帯電されたトナーを感光体ドラム上に供給して顕像化し、そのトナー像を転写紙などの記録部材に転写する。記録部材に転写されたトナー像は、記録部材上に担持されているだけであって固定されていないため、画像形成装置に備えられた定着器によりトナー像を加熱加圧し、トナー像を熱溶融定着させて記録部材上に固定された画像を形成する。
【0003】
従来の定着器の基本構成として、筐体の内部に、ハロゲンランプが内蔵された加熱部材と、加熱部材に圧接された加圧部材と、加熱部材の温度を検知するサーミスタとがそれぞれ設けられた構成からなっている。この定着器によれば、加熱部材と加圧部材とが圧接されて形成されたニップ部を通過するトナー像は、ハロゲンランプの輻射熱によって加熱された加熱部材の熱によって加熱されるとともに、加熱部材と加圧部材との圧接によって加圧され、記録部材に定着される。筐体には、記録部材が搬入される搬入口及び記録部材が搬出される搬出口がそれぞれ形成されており、搬入口からトナー像を担持する記録部材が筐体内に搬入され、搬出口から定着済みの記録部材が筐体外に搬出される。
【0004】
一方で、従来より、定着装置で発生した熱の拡散を防止し、保温効果を向上させる方式が採用されてきた。
【0005】
例えば、特許文献1においては、保温効果を向上させるために空気層が滞留し易い形状の枠体を設ける構成が示されている。
【0006】
また、特許文献2においても、凹凸の部位を設けて自然対流を阻害する構成が示されている。
【0007】
また、特許文献3においても、フレームの内部空間における空気の対流を抑制する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−177573号公報
【特許文献2】特開2004−109626号公報
【特許文献3】特開2001−166621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記構成では、空気の対流を抑制することは可能であるが、より効率的に断熱することはできない。
【0010】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、熱対流および熱気流により装置外に放出される熱エネルギーを効果的に抑制することが可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に従うトナー像を記録部材に定着させる定着装置において、記録部材を加熱するための加熱部材と、加熱部材との圧接により加圧する加圧部材と、加熱部材および加圧部材が収納され、かつ、記録部材を搬入する搬入口および記録部材を搬出する搬出口がそれぞれ形成された筐体と、搬出口に付設された筐体の温度を保温するために設けられた断熱部とを備える。筐体は、加熱部材および加圧部材をそれぞれ覆うように設けられた第1および第2の筐体ユニットを含む。断熱部は、搬出口における加熱部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第1の閉塞部材と、搬出口における加圧部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第2の閉塞部材とを有する。
【0012】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材は、加熱部材と加圧部材とにより形成されるニップ領域の記録部材の搬送方向下流側の端部近傍に設けられる。
【0013】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材は、加熱部材および加圧部材にそれぞれ接触する弾性部材に相当する。
【0014】
特に、弾性部材は、搬出口側の弾性部材の赤外線輻射率が0.5以下となる材料で成型される。
【0015】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、加熱部材および加圧部材のうちの対応する部材と接触する回転部材に相当する。
【0016】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、加熱部材および加圧部材のうちの対応する部材に対向して設けられた回転部材に相当し、回転部材は、対応する部材と非接触状態を維持しつつ、対応する部材の回転方向と逆方向に回転する。
【0017】
特に、回転部材は、赤外線輻射率が0.5以下の低輻射層と、低輻射層の外周側に設けられた離型層とで成型される。
【0018】
好ましくは、第1および第2の筐体ユニットの少なくとも一方の筐体ユニットの外周との間で搬入口付近の余剰熱流を排出するための排出経路を形成する排出経路部材をさらに備える。
【0019】
好ましくは、断熱部は、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する離間機構をさらに含む。
【0020】
特に、離間機構は、記録部材のサイズが小さいサイズである場合に連続印刷が実行される場合に、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する。
【0021】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、トナー像を形成する画像形成手段と、形成されたトナー像を記録部材に定着させる上記に記載の定着装置とを備える。
【発明の効果】
【0022】
上記の構成に従えば、定着装置において、搬出口に付設された筐体の温度を保温するために設けられた断熱部が設けられ、断熱部は、搬出口における加熱部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第1の閉塞部材と、搬出口における加圧部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第2の閉塞部材とを有するため、筐体と加熱部材側および筐体と加圧部材側の熱対流を堰き止めることが可能となり、熱対流および熱気流により装置外に放出される熱エネルギーを効果的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成装置の構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う定着装置110における熱対流および熱気流について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う定着装置110の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例1に従う定着装置112の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例2に従う定着装置114の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例3に従う定着装置116の断面図である。
【図7】マイラーフィルムの構成を説明する図である。
【図8】回転部材34等の構成を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例6に従う定着装置118の断面図である。
【図10】本実施の形態の変形例7に従う加熱ローラ22と接触するマイラーフィルムの機構について説明する図である。
【図11】本実施の形態の変形例8に従う駆動部を制御するフローについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0025】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置の構成を説明する図である。
【0026】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置100は、装置本体部全体を覆うように外装カバー101が設けられており、装置本体部内でプリントされた記録部材が排出口108から搬出される。
【0027】
装置本体部として、本例においては一例として、カラー画像を形成するタンデム型のカラープリンタが示されている。
【0028】
具体的には、画像形成のために例えばそれぞれが回転する4つの感光体104と、感光体104のそれぞれの転写位置にて順次形成されるトナー像を順次に積層して転写する中間転写ベルト105と、中間転写ベルト105の移動面まわりに設定される転写位置に設けられた転写ローラ106とが示されている。そして、当該転写位置に給紙カセット102に格納されている記録部材を給紙ローラ103を用いて搬送する。
【0029】
画像形成装置100は、記録部材に印字する画像データに基づいて、感光体104に静電潜像を形成する。そして、感光体104に形成された静電潜像が中間転写ベルト105に順次に積層される。中間転写ベルト105上に静電転写され合成し終わったトナー像は、転写位置にて転写ローラ106からの静電的な吸引によって記録部材の上に静電的に一括して転写される。そして、転写後の転写紙(記録部材)を定着装置110を通して熱と圧力を加えて画像を定着させる。当該工程により画像形成が完了する。そして、排出口108から記録部材を排出する。
【0030】
また、定着装置110と転写ローラ106との間に搬送される記録部材を検知する用紙検知センサ107と、定着装置110と排出口108との間に搬送される記録部材を検知する用紙検知センサ109とを設ける。用紙検知センサ107は、転写ローラ106を通過した記録部材の先端部の通過を検知する。用紙検知センサ109は、定着装置110を通過した記録部材の後端部の通過を検知する。また、本例においては、画像形成装置100全体を制御する制御手段としてコントローラ10が示されており、当該コントローラ10は、メモリ12に格納されたアプリケーションプログラムを読み込むことにより後述するフローが実現される。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に従う定着装置110における熱対流および熱気流について説明する図である。
【0032】
図2を参照して、ここでは、定着装置110における筐体28と、加熱ローラ(加熱部材)22と、加圧ローラ(加圧部材)20とが設けられている場合が示されている。筐体28は、記録部材を搬入する搬入口26と、記録部材を搬出するための搬出口24とが設けられる。
【0033】
ここで示されているように、回転する加熱ローラ22および加圧ローラ20の周囲には熱に伴う上昇気流と回転に伴う熱対流とが生じることになる。さらに、搬入口26から記録部材が搬送されることに伴い記録部材の搬出方向へと熱気流が生じることになる。これらが筐体28の搬出口から定着装置110外に放出されることになる。そして、今度は、その熱気流のあとを埋めるために搬入口26から定着装置110外の冷えた空気が流入してくることになり、熱エネルギーを消費してしまうことになる。
【0034】
したがって、本発明の実施の形態においては、筐体28の搬出口に付設された筐体の温度を保温するための断熱部(閉塞機構)を設ける。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態に従う定着装置110の斜視図である。
図3を参照して、定着装置110は、略全体が筐体28に覆われるとともに、筐体28の上部側(記録部材の搬送方向下流側)に搬出口24が設けられ、反対側の下部側(記録部材の搬送方向上流側)に搬入口26が設けられる。筐体28は、加熱ローラ22を覆うように設けられた筐体ユニット28Pと、加圧ローラ20を覆うように設けられた筐体ユニット28Qとで成型されているものとする。なお、筐体ユニット28P,28Qは、一体として成型されていても良いし、別体で成型されていても良い。なお、以下の変形例等の構成についても同様である。
【0036】
そして、筐体28には、図示しないハロゲンランプを内蔵する加熱ローラ22と、加圧ローラ20とが設けられる。
【0037】
筐体28の下部側の搬入口26から搬入された記録部材は、加熱ローラ22および加圧ローラ20により加熱および加圧されてトナー像を定着させて搬出口24から搬出する。
【0038】
本発明の実施の形態においては、搬出口24に付設された閉塞機構45を設ける。
具体的には、閉塞機構45は、閉塞部材であるシート状の弾性部材であるマイラーフィルム30,32を用いて熱対流の流れを堰き止める。
【0039】
本例においては、筐体ユニット28Pと加熱ローラ22との間の開口をマイラーフィルム30により塞ぐ。具体的には、マイラーフィルム30の一端側を筐体28、他端側を加熱ローラ22と接触させる。当該方式により、筐体28内の加熱ローラ側の熱対流を堰き止めることが可能となる。
【0040】
同様に、筐体ユニット28Qと加圧ローラ20との間の開口をマイラーフィルム32により塞ぐ。具体的には、マイラーフィルム32の一端側を筐体28、他端側を加圧ローラ20と接触させる。当該方式により筐体28内の加圧ローラ側の熱対流を堰き止めることが可能となる。
【0041】
そして、本例においては、マイラーフィルム30と加熱ローラ22とを接触させる地点を加熱ローラ22および加圧ローラ20で形成されるニップ領域の端部(記録部材の搬送方向下流側)の近傍とする。一例として、加熱ローラ22のローラ周距離でニップ領域の端部から10mm以内等でマイラーフィルム30を接触させるものとする。
【0042】
同様に、マイラーフィルム32と加圧ローラ20についても同様に設けることが可能である。
【0043】
ニップ領域の端部の近傍でマイラーフィルムを接触させることにより、記録部材を搬出する搬出口24の領域を可能な限りマイラーフィルムにより狭くすることが可能となる。すなわち、加熱ローラ22および加圧ローラ20から搬出口24に対して放熱する領域を狭くすることにより保温効果を高めることが可能となる。
【0044】
これにより、定着装置110内の温度上昇をさらに早めることが可能であるためウォームアップ時間の短縮や加熱ローラの温度低下を鈍らせる効果がありエネルギー効率改善により省エネ化,ランニングコスト低減を達成することができる。
【0045】
(変形例1)
図4は、本発明の実施の形態の変形例1に従う定着装置112の断面図である。
【0046】
図4を参照して、本発明の実施の形態の変形例1に従う定着装置112は、図3で説明した定着装置110と比較して、筐体ユニット28Pを筐体ユニット28Aに変更した点と、マイラーフィルム30を回転部材34に変更した点とが異なる。その他の点については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0047】
本変形例1においては、マイラーフィルム30の代わりの閉塞部材として回転部材34を設ける。
【0048】
具体的には、筐体ユニット28Aと加熱ローラ22との間の開口を回転部材34により塞ぐ。そして、回転部材34を加熱ローラ22と同一方向となるように回転させる。
【0049】
当該方式により、筐体ユニット28A内の加熱ローラ側の熱対流を堰き止めることが可能となる。なお、回転部材34は、加熱ローラ22の従動ローラとして配置するようにしても良い。
【0050】
また、本例においては、マイラーフィルム30の代わりに回転部材34を設けた構成とした。上記の図3の構成では、マイラーフィルム30と加熱ローラ22とが接触する部分において加熱ローラ22の表面の汚れ(紙紛やトナー等)が溜まるという可能性があり、その汚れにより定着光沢スジが画像に発生する可能性があったが回転部材34が回転することにより当該部分において汚れが溜まる現象を抑制して定着光沢スジが画像に発生しないようにすることが可能である。
【0051】
(変形例2)
図5は、本発明の実施の形態の変形例2に従う定着装置114の断面図である。
【0052】
図5を参照して、本発明の実施の形態の変形例2に従う定着装置114は、図3で説明した定着装置110と比較して、筐体ユニット28P,Qを筐体ユニット28A,28Bに置換した点と、マイラーフィルム30,32を回転部材34,36に変更した点とが異なる。その他の点については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0053】
本変形例2においては、マイラーフィルム30,32の代わりの閉塞部材として回転部材34,36を設ける。
【0054】
具体的には、筐体ユニット28Aと加熱ローラ22との間の開口を回転部材34により塞ぐ。また、そして、筐体ユニット28Bと加圧ローラ20との間の開口を回転部材36により塞ぐ。回転部材34,36を加熱ローラ22,20とそれぞれ同一方向となるように回転させる。
【0055】
当該方式においても上記と同様の効果を得ることが可能である。
(変形例3)
図6は、本発明の実施の形態の変形例3に従う定着装置116の断面図である。
【0056】
図6を参照して、本発明の実施の形態の変形例3に従う定着装置116は、図3で説明した定着装置112と比較して、筐体ユニット28Pを筐体ユニット28Cに変更した点と、回転部材34を回転部材38に変更した点と配置とが異なる。その他の点については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0057】
本変形例3においては、回転部材38を加熱ローラ22に接触させない場合について説明する。なお、回転部材38と加熱ローラ22との間は1mm以下の空隙が生じているものとする。
【0058】
回転部材38は、筐体ユニット28Cと加熱ローラ22との間に設けられ、筐体ユニット28Cとは接触しているが、加熱ローラ22とは接触していない。
【0059】
また、回転部材38の回転方向は、加熱ローラ22とカウンタ方向となる向きで回転する。
【0060】
回転部材38の回転方向は、加熱ローラ22とカウンタ方向であり、筐体ユニット28C内の空気はわずかな空隙を介して排出されるが、空隙はわずかであり、筐体ユニット28C内の加熱ローラ22側の熱対流の大部分は堰き止めることが可能である。
【0061】
また、当該構成において、加熱ローラ22および加圧ローラ20のニップ領域を通過した熱気流の一部の粘性流は加熱ローラ22の回転方向に従って加熱ローラ22の外周の表層に沿って回転部材38の方向に流れ込む。
【0062】
この加熱ローラ22の外周に沿って流れこむ粘性流と、回転部材38の回転に伴う排出気流とが空隙部分で衝突することになる。
【0063】
したがって、この空隙部分における衝突により筐体ユニット28C内に粘性流が流れ込むことを防止することが可能となる。また、筐体ユニット28Cの筐体ユニット内の加熱ローラ22側の熱気流が外部の搬出口から流れ出すことを抑制することが可能となる。
【0064】
さらに、当該構成は、回転部材38は、加熱ローラ22と接触していないため加熱ローラ22との接触に起因する磨耗を抑制することが可能となる。
【0065】
(変形例4)
本実施の形態の変形例4においては、閉塞部材の輻射による放熱を抑制する場合について説明する。
【0066】
図7は、マイラーフィルムの構成を説明する図である。
図7を参照して、マイラーフィルムは、加熱ローラ22と接触する側から基材701と、低輻射層702と、保護層703とで成型されているものとする。
【0067】
低輻射層702は、定着装置内部の熱を定着装置の外部に輻射放熱することを防ぐために設けられる。低輻射層702の赤外線輻射率は0.5以下であるものとする。一例としてアルミ層を挙げることができる。
【0068】
保護層703については、赤外線輻射率が低いものが望ましい。
また、基材701については、加熱ローラ22と接触するため離型性を有するものが望ましい。例えば、PFA層等を用いるようにしても良い。
【0069】
本例においては、外部への輻射熱704よりも内部への輻射熱706が大きい場合が示されている。
【0070】
当該構成により閉塞部材の輻射による放熱を抑制して熱エネルギーの損失をさらに抑えることが可能となる。
【0071】
(変形例5)
本実施の形態の変形例5においては、回転部材の輻射による放熱を抑制する場合について説明する。
【0072】
図8は、回転部材34等の構成を説明する図である。
図8を参照して、回転部材は、基材801と、低輻射層802と、保護層803とで成型されているものとする。
【0073】
低輻射層802は、定着装置内部の熱を定着装置の外部に輻射放熱することを防ぐために設けられる。低輻射層802の赤外線輻射率は0.5以下であるものとする。一例としてアルミ層を挙げることができる。
【0074】
そして、保護層803は、離型性を有するものが望ましい。また、保護層803についても赤外線輻射率が低いものが望ましい。具体的には、厚み30μm以下のPFA層等を使用することが可能である。
【0075】
当該構成により回転部材の輻射による放熱を抑制して熱エネルギーの損失をさらに抑えることが可能となる。
【0076】
(変形例6)
本実施の形態の変形例6においては、余剰熱流に適切に対処する方式について説明する。
【0077】
図9は、本発明の実施の形態の変形例6に従う定着装置118の断面図である。
図9を参照して、本発明の実施の形態の変形例6に従う定着装置118は、図6の定着装置116と比較して、定着装置118の筐体ユニット28Cの外部に筐体ユニット28Cの外周との間で搬入口付近の余剰熱流を排出するための排出経路を形成するための経路部材29がさらに設けられた点で異なる。その他の点については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0078】
経路部材29は、筐体ユニット28Cとの間で排出経路を形成する。すなわち、搬入口26付近の余剰熱流が排出される経路が経路部材29により形成される。
【0079】
本例において、定着装置118の筐体ユニット28C内の空間容積によっては、定着装置118における加熱前後で定着装置118の筐体ユニット28C内の空気が膨張するため定着装置118から熱せられた空気が定着装置118から溢れ出ることになる。
【0080】
上述したように、搬出口24側(記録部材の搬送方向下流側)は閉塞されているため、熱せされた空気は、搬入口26側から溢れだすことになり、予期しない画像形成装置の部位に影響を与える可能性も考えられる。例えば、トナー貯蔵部の温度を上げてしまう等の問題が考えられる。
【0081】
したがって、溢れ出た熱せられた空気を誘導するための排出経路を形成することにより予期しない画像形成装置の部位に影響を与えない、有効な定着装置を実現することが可能である。
【0082】
本変形例6においては、変形例3の構成を用いて説明したが他の構成についても同様に適用可能である。また、1つの排出経路を設ける場合について説明したが、対向側に別の排出経路を設ける構成とすることも可能である。
【0083】
(変形例7)
本実施の形態7においては、定着装置のローラ端部の温度上昇に対応する構成について説明する。
【0084】
図10は、本実施の形態の変形例7に従う加熱ローラ22と接触するマイラーフィルムの機構について説明する図である。
【0085】
図10(A)を参照して、ここでは、加熱ローラ22と接触するマイラーフィルムとして3つに分離した構成が示されている。具体的には、固定のマイラーフィルム903と、固定のマイラーフィルムを間に挟んだ加熱ローラ22の両端部に対応する可動式のマイラーフィルム902,904とが示されている。
【0086】
マイラーフィルム902,904は可動式である。具体的には、マイラーフィルム902を軸支する部分がギア906と連結されているものとする。ギア906は、駆動部908からの指示に従って回転するものとする。
【0087】
図10(B)を参照して、ここでは、駆動部908からの指示に従ってギア906が回転する場合が示されている。ギア906の回転に伴い、ギア906と連結しているマイラーフィルムを軸支する部分が回転する。そして、軸支部分を中心にマイラーフィルムが上方に可動する。
【0088】
当該構成により、加熱ローラ22の端部に対応するマイラーフィルム902の接触/非接触を制御することが可能となる。
【0089】
本例においては、マイラーフィルム902の可動について説明したが、マイラーフィルム904についても同様の構成として可動するものとする。
【0090】
図11は、本実施の形態の変形例8に従う駆動部を制御するフローについて説明する図である。本例においては、駆動部は、コントローラ10からの指示にしたがって駆動するものとする。以下に示すフローは、メモリ12に格納されたプログラムをコントローラ10が読み込むことにより実行されるものとする。
【0091】
図11を参照して、まず、印刷が開始(スタート)されたかどうかを判断する(ステップS2)。具体的には、印刷ジョブが投入されたかどうかを判断する。印刷が開始されていない場合には、ステップS2を維持する。
【0092】
次に、印刷ジョブが投入された場合には、次に印刷用紙が小サイズであるかどうかを判断する(ステップS4)。具体的には、印刷ジョブの内容を確認して指示された印刷用紙(記録部材)のサイズが小サイズであるかどうかを判断する。例えば、B5サイズ、B6サイズ等が指定された場合に小サイズであると判断するようにしても良い。なお、印刷用紙が小サイズでないと判断された場合には、ステップS2に戻る。
【0093】
ステップS4において、印刷用紙のサイズが小サイズであると判断された場合(ステップS4においてYES)には、印刷枚数がM枚以上であるかどうかを判断する(ステップS6)。具体的には、印刷ジョブの内容を確認して、指示された印刷枚数がM枚以上であるかどうかを判断する。例えば、M枚の一例として10枚以上とするようにしても良い。なお、印刷枚数がM枚未満であると判断された場合には、ステップS2に戻る。
【0094】
印刷枚数がM枚以上であると判断した場合(ステップS6においてYES)には、駆動部908に指示する(ステップS8)。具体的には、マイラーフィルム902が加熱ローラ22と非接触となるように指示する。駆動部908は、指示に応答してギア906を回転させてマイラーフィルム902を上方に可動して、加熱ローラ22と非接触状態とする。マイラーフィルム904についても同様である。
【0095】
そして、次に、印刷が終了したかどうかを判断する(ステップS10)。
ステップS10において、印刷が終了したと判断した場合には、駆動部908に指示する(ステップS12)。具体的には、マイラーフィルム902が加熱ローラ22と接触となるように指示する。駆動部908は、指示に応答してギア906を回転させてマイラーフィルム902を下方に可動して、加熱ローラ22と接触状態とする。マイラーフィルム904についても同様である。そして、再び、ステップS2に戻る。
【0096】
上記のフローにおいては、印刷ジョブにおいて、印刷用紙が小サイズで印刷枚数がM枚以上の連続印刷の場合には、駆動部908に指示してマイラーフィルム902,904を可動して加熱ローラ22と非接触状態とする場合について説明した。印刷用紙が小サイズである場合には、加熱ローラ22の端部からは熱は奪われないため加熱ローラ22の端部の温度が中央部と比べて上昇してしまう可能性がある。特に連続印刷の場合には、加熱ローラ22の端部の温度と、印刷用紙が通過する中央部との温度差に開きが大きくなる可能性が高い。
【0097】
そこで、本実施の形態の変形例8においては、印刷ジョブにおいて、印刷用紙が小サイズで印刷枚数がM枚以上の連続印刷の場合には、駆動部908に指示してマイラーフィルム902,904を可動して加熱ローラ22と非接触状態(開放状態)とすることにより、加熱ローラ22の端部の温度上昇を抑制することが可能となり、有効な定着装置を実現することが可能である。
【0098】
なお、本例においては加熱ローラ22側のマイラーフィルムについて説明したが加圧ローラ20側のマイラーフィルムについても同様に適用することが可能であり、組み合わせることも当然に可能である。
【0099】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
20 加圧ローラ、22 加熱ローラ、24 搬出口、26 搬入口、28,28A〜28C 筐体、29 経路部材、34,36,38 回転部材、110,112,114,116,118 定着装置、906 ギア、908 駆動部。
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関し、特に、画像形成装置に内蔵される定着装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム上をほぼ一様に帯電させた後、当該感光体ドラムをレーザースキャニングユニット等により露光して画像信号に応じた静電潜像を形成し、その後、現像器により帯電されたトナーを感光体ドラム上に供給して顕像化し、そのトナー像を転写紙などの記録部材に転写する。記録部材に転写されたトナー像は、記録部材上に担持されているだけであって固定されていないため、画像形成装置に備えられた定着器によりトナー像を加熱加圧し、トナー像を熱溶融定着させて記録部材上に固定された画像を形成する。
【0003】
従来の定着器の基本構成として、筐体の内部に、ハロゲンランプが内蔵された加熱部材と、加熱部材に圧接された加圧部材と、加熱部材の温度を検知するサーミスタとがそれぞれ設けられた構成からなっている。この定着器によれば、加熱部材と加圧部材とが圧接されて形成されたニップ部を通過するトナー像は、ハロゲンランプの輻射熱によって加熱された加熱部材の熱によって加熱されるとともに、加熱部材と加圧部材との圧接によって加圧され、記録部材に定着される。筐体には、記録部材が搬入される搬入口及び記録部材が搬出される搬出口がそれぞれ形成されており、搬入口からトナー像を担持する記録部材が筐体内に搬入され、搬出口から定着済みの記録部材が筐体外に搬出される。
【0004】
一方で、従来より、定着装置で発生した熱の拡散を防止し、保温効果を向上させる方式が採用されてきた。
【0005】
例えば、特許文献1においては、保温効果を向上させるために空気層が滞留し易い形状の枠体を設ける構成が示されている。
【0006】
また、特許文献2においても、凹凸の部位を設けて自然対流を阻害する構成が示されている。
【0007】
また、特許文献3においても、フレームの内部空間における空気の対流を抑制する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−177573号公報
【特許文献2】特開2004−109626号公報
【特許文献3】特開2001−166621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記構成では、空気の対流を抑制することは可能であるが、より効率的に断熱することはできない。
【0010】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、熱対流および熱気流により装置外に放出される熱エネルギーを効果的に抑制することが可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に従うトナー像を記録部材に定着させる定着装置において、記録部材を加熱するための加熱部材と、加熱部材との圧接により加圧する加圧部材と、加熱部材および加圧部材が収納され、かつ、記録部材を搬入する搬入口および記録部材を搬出する搬出口がそれぞれ形成された筐体と、搬出口に付設された筐体の温度を保温するために設けられた断熱部とを備える。筐体は、加熱部材および加圧部材をそれぞれ覆うように設けられた第1および第2の筐体ユニットを含む。断熱部は、搬出口における加熱部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第1の閉塞部材と、搬出口における加圧部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第2の閉塞部材とを有する。
【0012】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材は、加熱部材と加圧部材とにより形成されるニップ領域の記録部材の搬送方向下流側の端部近傍に設けられる。
【0013】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材は、加熱部材および加圧部材にそれぞれ接触する弾性部材に相当する。
【0014】
特に、弾性部材は、搬出口側の弾性部材の赤外線輻射率が0.5以下となる材料で成型される。
【0015】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、加熱部材および加圧部材のうちの対応する部材と接触する回転部材に相当する。
【0016】
好ましくは、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、加熱部材および加圧部材のうちの対応する部材に対向して設けられた回転部材に相当し、回転部材は、対応する部材と非接触状態を維持しつつ、対応する部材の回転方向と逆方向に回転する。
【0017】
特に、回転部材は、赤外線輻射率が0.5以下の低輻射層と、低輻射層の外周側に設けられた離型層とで成型される。
【0018】
好ましくは、第1および第2の筐体ユニットの少なくとも一方の筐体ユニットの外周との間で搬入口付近の余剰熱流を排出するための排出経路を形成する排出経路部材をさらに備える。
【0019】
好ましくは、断熱部は、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する離間機構をさらに含む。
【0020】
特に、離間機構は、記録部材のサイズが小さいサイズである場合に連続印刷が実行される場合に、第1および第2の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する。
【0021】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、トナー像を形成する画像形成手段と、形成されたトナー像を記録部材に定着させる上記に記載の定着装置とを備える。
【発明の効果】
【0022】
上記の構成に従えば、定着装置において、搬出口に付設された筐体の温度を保温するために設けられた断熱部が設けられ、断熱部は、搬出口における加熱部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第1の閉塞部材と、搬出口における加圧部材と筐体との間の開口を塞ぐために設けられた第2の閉塞部材とを有するため、筐体と加熱部材側および筐体と加圧部材側の熱対流を堰き止めることが可能となり、熱対流および熱気流により装置外に放出される熱エネルギーを効果的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成装置の構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う定着装置110における熱対流および熱気流について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う定着装置110の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例1に従う定着装置112の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例2に従う定着装置114の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例3に従う定着装置116の断面図である。
【図7】マイラーフィルムの構成を説明する図である。
【図8】回転部材34等の構成を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例6に従う定着装置118の断面図である。
【図10】本実施の形態の変形例7に従う加熱ローラ22と接触するマイラーフィルムの機構について説明する図である。
【図11】本実施の形態の変形例8に従う駆動部を制御するフローについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0025】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置の構成を説明する図である。
【0026】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置100は、装置本体部全体を覆うように外装カバー101が設けられており、装置本体部内でプリントされた記録部材が排出口108から搬出される。
【0027】
装置本体部として、本例においては一例として、カラー画像を形成するタンデム型のカラープリンタが示されている。
【0028】
具体的には、画像形成のために例えばそれぞれが回転する4つの感光体104と、感光体104のそれぞれの転写位置にて順次形成されるトナー像を順次に積層して転写する中間転写ベルト105と、中間転写ベルト105の移動面まわりに設定される転写位置に設けられた転写ローラ106とが示されている。そして、当該転写位置に給紙カセット102に格納されている記録部材を給紙ローラ103を用いて搬送する。
【0029】
画像形成装置100は、記録部材に印字する画像データに基づいて、感光体104に静電潜像を形成する。そして、感光体104に形成された静電潜像が中間転写ベルト105に順次に積層される。中間転写ベルト105上に静電転写され合成し終わったトナー像は、転写位置にて転写ローラ106からの静電的な吸引によって記録部材の上に静電的に一括して転写される。そして、転写後の転写紙(記録部材)を定着装置110を通して熱と圧力を加えて画像を定着させる。当該工程により画像形成が完了する。そして、排出口108から記録部材を排出する。
【0030】
また、定着装置110と転写ローラ106との間に搬送される記録部材を検知する用紙検知センサ107と、定着装置110と排出口108との間に搬送される記録部材を検知する用紙検知センサ109とを設ける。用紙検知センサ107は、転写ローラ106を通過した記録部材の先端部の通過を検知する。用紙検知センサ109は、定着装置110を通過した記録部材の後端部の通過を検知する。また、本例においては、画像形成装置100全体を制御する制御手段としてコントローラ10が示されており、当該コントローラ10は、メモリ12に格納されたアプリケーションプログラムを読み込むことにより後述するフローが実現される。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に従う定着装置110における熱対流および熱気流について説明する図である。
【0032】
図2を参照して、ここでは、定着装置110における筐体28と、加熱ローラ(加熱部材)22と、加圧ローラ(加圧部材)20とが設けられている場合が示されている。筐体28は、記録部材を搬入する搬入口26と、記録部材を搬出するための搬出口24とが設けられる。
【0033】
ここで示されているように、回転する加熱ローラ22および加圧ローラ20の周囲には熱に伴う上昇気流と回転に伴う熱対流とが生じることになる。さらに、搬入口26から記録部材が搬送されることに伴い記録部材の搬出方向へと熱気流が生じることになる。これらが筐体28の搬出口から定着装置110外に放出されることになる。そして、今度は、その熱気流のあとを埋めるために搬入口26から定着装置110外の冷えた空気が流入してくることになり、熱エネルギーを消費してしまうことになる。
【0034】
したがって、本発明の実施の形態においては、筐体28の搬出口に付設された筐体の温度を保温するための断熱部(閉塞機構)を設ける。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態に従う定着装置110の斜視図である。
図3を参照して、定着装置110は、略全体が筐体28に覆われるとともに、筐体28の上部側(記録部材の搬送方向下流側)に搬出口24が設けられ、反対側の下部側(記録部材の搬送方向上流側)に搬入口26が設けられる。筐体28は、加熱ローラ22を覆うように設けられた筐体ユニット28Pと、加圧ローラ20を覆うように設けられた筐体ユニット28Qとで成型されているものとする。なお、筐体ユニット28P,28Qは、一体として成型されていても良いし、別体で成型されていても良い。なお、以下の変形例等の構成についても同様である。
【0036】
そして、筐体28には、図示しないハロゲンランプを内蔵する加熱ローラ22と、加圧ローラ20とが設けられる。
【0037】
筐体28の下部側の搬入口26から搬入された記録部材は、加熱ローラ22および加圧ローラ20により加熱および加圧されてトナー像を定着させて搬出口24から搬出する。
【0038】
本発明の実施の形態においては、搬出口24に付設された閉塞機構45を設ける。
具体的には、閉塞機構45は、閉塞部材であるシート状の弾性部材であるマイラーフィルム30,32を用いて熱対流の流れを堰き止める。
【0039】
本例においては、筐体ユニット28Pと加熱ローラ22との間の開口をマイラーフィルム30により塞ぐ。具体的には、マイラーフィルム30の一端側を筐体28、他端側を加熱ローラ22と接触させる。当該方式により、筐体28内の加熱ローラ側の熱対流を堰き止めることが可能となる。
【0040】
同様に、筐体ユニット28Qと加圧ローラ20との間の開口をマイラーフィルム32により塞ぐ。具体的には、マイラーフィルム32の一端側を筐体28、他端側を加圧ローラ20と接触させる。当該方式により筐体28内の加圧ローラ側の熱対流を堰き止めることが可能となる。
【0041】
そして、本例においては、マイラーフィルム30と加熱ローラ22とを接触させる地点を加熱ローラ22および加圧ローラ20で形成されるニップ領域の端部(記録部材の搬送方向下流側)の近傍とする。一例として、加熱ローラ22のローラ周距離でニップ領域の端部から10mm以内等でマイラーフィルム30を接触させるものとする。
【0042】
同様に、マイラーフィルム32と加圧ローラ20についても同様に設けることが可能である。
【0043】
ニップ領域の端部の近傍でマイラーフィルムを接触させることにより、記録部材を搬出する搬出口24の領域を可能な限りマイラーフィルムにより狭くすることが可能となる。すなわち、加熱ローラ22および加圧ローラ20から搬出口24に対して放熱する領域を狭くすることにより保温効果を高めることが可能となる。
【0044】
これにより、定着装置110内の温度上昇をさらに早めることが可能であるためウォームアップ時間の短縮や加熱ローラの温度低下を鈍らせる効果がありエネルギー効率改善により省エネ化,ランニングコスト低減を達成することができる。
【0045】
(変形例1)
図4は、本発明の実施の形態の変形例1に従う定着装置112の断面図である。
【0046】
図4を参照して、本発明の実施の形態の変形例1に従う定着装置112は、図3で説明した定着装置110と比較して、筐体ユニット28Pを筐体ユニット28Aに変更した点と、マイラーフィルム30を回転部材34に変更した点とが異なる。その他の点については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0047】
本変形例1においては、マイラーフィルム30の代わりの閉塞部材として回転部材34を設ける。
【0048】
具体的には、筐体ユニット28Aと加熱ローラ22との間の開口を回転部材34により塞ぐ。そして、回転部材34を加熱ローラ22と同一方向となるように回転させる。
【0049】
当該方式により、筐体ユニット28A内の加熱ローラ側の熱対流を堰き止めることが可能となる。なお、回転部材34は、加熱ローラ22の従動ローラとして配置するようにしても良い。
【0050】
また、本例においては、マイラーフィルム30の代わりに回転部材34を設けた構成とした。上記の図3の構成では、マイラーフィルム30と加熱ローラ22とが接触する部分において加熱ローラ22の表面の汚れ(紙紛やトナー等)が溜まるという可能性があり、その汚れにより定着光沢スジが画像に発生する可能性があったが回転部材34が回転することにより当該部分において汚れが溜まる現象を抑制して定着光沢スジが画像に発生しないようにすることが可能である。
【0051】
(変形例2)
図5は、本発明の実施の形態の変形例2に従う定着装置114の断面図である。
【0052】
図5を参照して、本発明の実施の形態の変形例2に従う定着装置114は、図3で説明した定着装置110と比較して、筐体ユニット28P,Qを筐体ユニット28A,28Bに置換した点と、マイラーフィルム30,32を回転部材34,36に変更した点とが異なる。その他の点については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0053】
本変形例2においては、マイラーフィルム30,32の代わりの閉塞部材として回転部材34,36を設ける。
【0054】
具体的には、筐体ユニット28Aと加熱ローラ22との間の開口を回転部材34により塞ぐ。また、そして、筐体ユニット28Bと加圧ローラ20との間の開口を回転部材36により塞ぐ。回転部材34,36を加熱ローラ22,20とそれぞれ同一方向となるように回転させる。
【0055】
当該方式においても上記と同様の効果を得ることが可能である。
(変形例3)
図6は、本発明の実施の形態の変形例3に従う定着装置116の断面図である。
【0056】
図6を参照して、本発明の実施の形態の変形例3に従う定着装置116は、図3で説明した定着装置112と比較して、筐体ユニット28Pを筐体ユニット28Cに変更した点と、回転部材34を回転部材38に変更した点と配置とが異なる。その他の点については、同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0057】
本変形例3においては、回転部材38を加熱ローラ22に接触させない場合について説明する。なお、回転部材38と加熱ローラ22との間は1mm以下の空隙が生じているものとする。
【0058】
回転部材38は、筐体ユニット28Cと加熱ローラ22との間に設けられ、筐体ユニット28Cとは接触しているが、加熱ローラ22とは接触していない。
【0059】
また、回転部材38の回転方向は、加熱ローラ22とカウンタ方向となる向きで回転する。
【0060】
回転部材38の回転方向は、加熱ローラ22とカウンタ方向であり、筐体ユニット28C内の空気はわずかな空隙を介して排出されるが、空隙はわずかであり、筐体ユニット28C内の加熱ローラ22側の熱対流の大部分は堰き止めることが可能である。
【0061】
また、当該構成において、加熱ローラ22および加圧ローラ20のニップ領域を通過した熱気流の一部の粘性流は加熱ローラ22の回転方向に従って加熱ローラ22の外周の表層に沿って回転部材38の方向に流れ込む。
【0062】
この加熱ローラ22の外周に沿って流れこむ粘性流と、回転部材38の回転に伴う排出気流とが空隙部分で衝突することになる。
【0063】
したがって、この空隙部分における衝突により筐体ユニット28C内に粘性流が流れ込むことを防止することが可能となる。また、筐体ユニット28Cの筐体ユニット内の加熱ローラ22側の熱気流が外部の搬出口から流れ出すことを抑制することが可能となる。
【0064】
さらに、当該構成は、回転部材38は、加熱ローラ22と接触していないため加熱ローラ22との接触に起因する磨耗を抑制することが可能となる。
【0065】
(変形例4)
本実施の形態の変形例4においては、閉塞部材の輻射による放熱を抑制する場合について説明する。
【0066】
図7は、マイラーフィルムの構成を説明する図である。
図7を参照して、マイラーフィルムは、加熱ローラ22と接触する側から基材701と、低輻射層702と、保護層703とで成型されているものとする。
【0067】
低輻射層702は、定着装置内部の熱を定着装置の外部に輻射放熱することを防ぐために設けられる。低輻射層702の赤外線輻射率は0.5以下であるものとする。一例としてアルミ層を挙げることができる。
【0068】
保護層703については、赤外線輻射率が低いものが望ましい。
また、基材701については、加熱ローラ22と接触するため離型性を有するものが望ましい。例えば、PFA層等を用いるようにしても良い。
【0069】
本例においては、外部への輻射熱704よりも内部への輻射熱706が大きい場合が示されている。
【0070】
当該構成により閉塞部材の輻射による放熱を抑制して熱エネルギーの損失をさらに抑えることが可能となる。
【0071】
(変形例5)
本実施の形態の変形例5においては、回転部材の輻射による放熱を抑制する場合について説明する。
【0072】
図8は、回転部材34等の構成を説明する図である。
図8を参照して、回転部材は、基材801と、低輻射層802と、保護層803とで成型されているものとする。
【0073】
低輻射層802は、定着装置内部の熱を定着装置の外部に輻射放熱することを防ぐために設けられる。低輻射層802の赤外線輻射率は0.5以下であるものとする。一例としてアルミ層を挙げることができる。
【0074】
そして、保護層803は、離型性を有するものが望ましい。また、保護層803についても赤外線輻射率が低いものが望ましい。具体的には、厚み30μm以下のPFA層等を使用することが可能である。
【0075】
当該構成により回転部材の輻射による放熱を抑制して熱エネルギーの損失をさらに抑えることが可能となる。
【0076】
(変形例6)
本実施の形態の変形例6においては、余剰熱流に適切に対処する方式について説明する。
【0077】
図9は、本発明の実施の形態の変形例6に従う定着装置118の断面図である。
図9を参照して、本発明の実施の形態の変形例6に従う定着装置118は、図6の定着装置116と比較して、定着装置118の筐体ユニット28Cの外部に筐体ユニット28Cの外周との間で搬入口付近の余剰熱流を排出するための排出経路を形成するための経路部材29がさらに設けられた点で異なる。その他の点については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0078】
経路部材29は、筐体ユニット28Cとの間で排出経路を形成する。すなわち、搬入口26付近の余剰熱流が排出される経路が経路部材29により形成される。
【0079】
本例において、定着装置118の筐体ユニット28C内の空間容積によっては、定着装置118における加熱前後で定着装置118の筐体ユニット28C内の空気が膨張するため定着装置118から熱せられた空気が定着装置118から溢れ出ることになる。
【0080】
上述したように、搬出口24側(記録部材の搬送方向下流側)は閉塞されているため、熱せされた空気は、搬入口26側から溢れだすことになり、予期しない画像形成装置の部位に影響を与える可能性も考えられる。例えば、トナー貯蔵部の温度を上げてしまう等の問題が考えられる。
【0081】
したがって、溢れ出た熱せられた空気を誘導するための排出経路を形成することにより予期しない画像形成装置の部位に影響を与えない、有効な定着装置を実現することが可能である。
【0082】
本変形例6においては、変形例3の構成を用いて説明したが他の構成についても同様に適用可能である。また、1つの排出経路を設ける場合について説明したが、対向側に別の排出経路を設ける構成とすることも可能である。
【0083】
(変形例7)
本実施の形態7においては、定着装置のローラ端部の温度上昇に対応する構成について説明する。
【0084】
図10は、本実施の形態の変形例7に従う加熱ローラ22と接触するマイラーフィルムの機構について説明する図である。
【0085】
図10(A)を参照して、ここでは、加熱ローラ22と接触するマイラーフィルムとして3つに分離した構成が示されている。具体的には、固定のマイラーフィルム903と、固定のマイラーフィルムを間に挟んだ加熱ローラ22の両端部に対応する可動式のマイラーフィルム902,904とが示されている。
【0086】
マイラーフィルム902,904は可動式である。具体的には、マイラーフィルム902を軸支する部分がギア906と連結されているものとする。ギア906は、駆動部908からの指示に従って回転するものとする。
【0087】
図10(B)を参照して、ここでは、駆動部908からの指示に従ってギア906が回転する場合が示されている。ギア906の回転に伴い、ギア906と連結しているマイラーフィルムを軸支する部分が回転する。そして、軸支部分を中心にマイラーフィルムが上方に可動する。
【0088】
当該構成により、加熱ローラ22の端部に対応するマイラーフィルム902の接触/非接触を制御することが可能となる。
【0089】
本例においては、マイラーフィルム902の可動について説明したが、マイラーフィルム904についても同様の構成として可動するものとする。
【0090】
図11は、本実施の形態の変形例8に従う駆動部を制御するフローについて説明する図である。本例においては、駆動部は、コントローラ10からの指示にしたがって駆動するものとする。以下に示すフローは、メモリ12に格納されたプログラムをコントローラ10が読み込むことにより実行されるものとする。
【0091】
図11を参照して、まず、印刷が開始(スタート)されたかどうかを判断する(ステップS2)。具体的には、印刷ジョブが投入されたかどうかを判断する。印刷が開始されていない場合には、ステップS2を維持する。
【0092】
次に、印刷ジョブが投入された場合には、次に印刷用紙が小サイズであるかどうかを判断する(ステップS4)。具体的には、印刷ジョブの内容を確認して指示された印刷用紙(記録部材)のサイズが小サイズであるかどうかを判断する。例えば、B5サイズ、B6サイズ等が指定された場合に小サイズであると判断するようにしても良い。なお、印刷用紙が小サイズでないと判断された場合には、ステップS2に戻る。
【0093】
ステップS4において、印刷用紙のサイズが小サイズであると判断された場合(ステップS4においてYES)には、印刷枚数がM枚以上であるかどうかを判断する(ステップS6)。具体的には、印刷ジョブの内容を確認して、指示された印刷枚数がM枚以上であるかどうかを判断する。例えば、M枚の一例として10枚以上とするようにしても良い。なお、印刷枚数がM枚未満であると判断された場合には、ステップS2に戻る。
【0094】
印刷枚数がM枚以上であると判断した場合(ステップS6においてYES)には、駆動部908に指示する(ステップS8)。具体的には、マイラーフィルム902が加熱ローラ22と非接触となるように指示する。駆動部908は、指示に応答してギア906を回転させてマイラーフィルム902を上方に可動して、加熱ローラ22と非接触状態とする。マイラーフィルム904についても同様である。
【0095】
そして、次に、印刷が終了したかどうかを判断する(ステップS10)。
ステップS10において、印刷が終了したと判断した場合には、駆動部908に指示する(ステップS12)。具体的には、マイラーフィルム902が加熱ローラ22と接触となるように指示する。駆動部908は、指示に応答してギア906を回転させてマイラーフィルム902を下方に可動して、加熱ローラ22と接触状態とする。マイラーフィルム904についても同様である。そして、再び、ステップS2に戻る。
【0096】
上記のフローにおいては、印刷ジョブにおいて、印刷用紙が小サイズで印刷枚数がM枚以上の連続印刷の場合には、駆動部908に指示してマイラーフィルム902,904を可動して加熱ローラ22と非接触状態とする場合について説明した。印刷用紙が小サイズである場合には、加熱ローラ22の端部からは熱は奪われないため加熱ローラ22の端部の温度が中央部と比べて上昇してしまう可能性がある。特に連続印刷の場合には、加熱ローラ22の端部の温度と、印刷用紙が通過する中央部との温度差に開きが大きくなる可能性が高い。
【0097】
そこで、本実施の形態の変形例8においては、印刷ジョブにおいて、印刷用紙が小サイズで印刷枚数がM枚以上の連続印刷の場合には、駆動部908に指示してマイラーフィルム902,904を可動して加熱ローラ22と非接触状態(開放状態)とすることにより、加熱ローラ22の端部の温度上昇を抑制することが可能となり、有効な定着装置を実現することが可能である。
【0098】
なお、本例においては加熱ローラ22側のマイラーフィルムについて説明したが加圧ローラ20側のマイラーフィルムについても同様に適用することが可能であり、組み合わせることも当然に可能である。
【0099】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
20 加圧ローラ、22 加熱ローラ、24 搬出口、26 搬入口、28,28A〜28C 筐体、29 経路部材、34,36,38 回転部材、110,112,114,116,118 定着装置、906 ギア、908 駆動部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を記録部材に定着させる定着装置において、
前記記録部材を加熱するための加熱部材と、
前記加熱部材との圧接により加圧する加圧部材と、
前記加熱部材および前記加圧部材が収納され、かつ、前記記録部材を搬入する搬入口および前記記録部材を搬出する搬出口がそれぞれ形成された筐体と、
前記搬出口に付設された前記筐体の温度を保温するために設けられた断熱部とを備え、
前記筐体は、前記加熱部材および前記加圧部材をそれぞれ覆うように設けられた第1および第2の筐体ユニットを含み、
前記断熱部は、
前記搬出口における前記加熱部材と前記第1の筐体ユニットとの間の開口を塞ぐために設けられた第1の閉塞部材と、
前記搬出口における前記加圧部材と前記第2の筐体ユニットとの間の開口を塞ぐために設けられた第2の閉塞部材とを有する、定着装置。
【請求項2】
前記第1および第2の閉塞部材は、前記加熱部材と前記加圧部材とにより形成されるニップ領域の前記記録部材の搬送方向下流側の端部近傍に設けられる、請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記第1および第2の閉塞部材は、前記加熱部材および前記加圧部材にそれぞれ接触する弾性部材に相当する、請求項1または2記載の定着装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記搬出口側の前記弾性部材の赤外線輻射率が0.5以下となる材料で成型される、請求項3記載の定着装置。
【請求項5】
前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、前記加熱部材および前記加圧部材のうちの対応する部材と接触する回転部材に相当する、請求項1記載の定着装置。
【請求項6】
前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、前記加熱部材および前記加圧部材のうちの対応する部材に対向して設けられた回転部材に相当し、
前記回転部材は、前記対応する部材と非接触状態を維持しつつ、前記対応する部材の回転方向と逆方向に回転する、請求項1記載の定着装置。
【請求項7】
前記回転部材は、赤外線輻射率が0.5以下の低輻射層と、前記低輻射層の外周側に設けられた離型層とで成型される、請求項5または6記載の定着装置。
【請求項8】
前記第1および第2の筐体ユニットの少なくとも一方の筐体ユニットの外周との間で前記搬入口付近の余剰熱流を排出するための排出経路を形成する排出経路部材をさらに備える、請求項1〜7のいずれか記載の定着装置。
【請求項9】
前記断熱部は、前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する離間機構をさらに含む、請求項1記載の定着装置。
【請求項10】
前記離間機構は、前記記録部材のサイズが小さいサイズである場合に連続印刷が実行される場合に、前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する、請求項9記載の定着装置。
【請求項11】
トナー像を形成する画像形成手段と、
形成されたトナー像を記録部材に定着させる請求項1〜10のいずれか記載の定着装置とを備えた、画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を記録部材に定着させる定着装置において、
前記記録部材を加熱するための加熱部材と、
前記加熱部材との圧接により加圧する加圧部材と、
前記加熱部材および前記加圧部材が収納され、かつ、前記記録部材を搬入する搬入口および前記記録部材を搬出する搬出口がそれぞれ形成された筐体と、
前記搬出口に付設された前記筐体の温度を保温するために設けられた断熱部とを備え、
前記筐体は、前記加熱部材および前記加圧部材をそれぞれ覆うように設けられた第1および第2の筐体ユニットを含み、
前記断熱部は、
前記搬出口における前記加熱部材と前記第1の筐体ユニットとの間の開口を塞ぐために設けられた第1の閉塞部材と、
前記搬出口における前記加圧部材と前記第2の筐体ユニットとの間の開口を塞ぐために設けられた第2の閉塞部材とを有する、定着装置。
【請求項2】
前記第1および第2の閉塞部材は、前記加熱部材と前記加圧部材とにより形成されるニップ領域の前記記録部材の搬送方向下流側の端部近傍に設けられる、請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記第1および第2の閉塞部材は、前記加熱部材および前記加圧部材にそれぞれ接触する弾性部材に相当する、請求項1または2記載の定着装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記搬出口側の前記弾性部材の赤外線輻射率が0.5以下となる材料で成型される、請求項3記載の定着装置。
【請求項5】
前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、前記加熱部材および前記加圧部材のうちの対応する部材と接触する回転部材に相当する、請求項1記載の定着装置。
【請求項6】
前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方は、前記加熱部材および前記加圧部材のうちの対応する部材に対向して設けられた回転部材に相当し、
前記回転部材は、前記対応する部材と非接触状態を維持しつつ、前記対応する部材の回転方向と逆方向に回転する、請求項1記載の定着装置。
【請求項7】
前記回転部材は、赤外線輻射率が0.5以下の低輻射層と、前記低輻射層の外周側に設けられた離型層とで成型される、請求項5または6記載の定着装置。
【請求項8】
前記第1および第2の筐体ユニットの少なくとも一方の筐体ユニットの外周との間で前記搬入口付近の余剰熱流を排出するための排出経路を形成する排出経路部材をさらに備える、請求項1〜7のいずれか記載の定着装置。
【請求項9】
前記断熱部は、前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一方の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する離間機構をさらに含む、請求項1記載の定着装置。
【請求項10】
前記離間機構は、前記記録部材のサイズが小さいサイズである場合に連続印刷が実行される場合に、前記第1および第2の閉塞部材の少なくとも一部を閉塞状態から開放状態に設定する、請求項9記載の定着装置。
【請求項11】
トナー像を形成する画像形成手段と、
形成されたトナー像を記録部材に定着させる請求項1〜10のいずれか記載の定着装置とを備えた、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−8206(P2012−8206A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141778(P2010−141778)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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