定電圧回路
【課題】出力電圧の急激な変動を生じさせることなく、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧を適切に制御できる定電圧回路を提供する。
【解決手段】出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路11と、誤差増幅回路の出力に基づいて出力電圧を制御する出力トランジスタ12とを有する定電圧回路にて、モニター用トランジスタ14によって検出されたリーク電流に比例した電圧を発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aにより発生させて出力トランジスタのバックゲートに供給するようにして、出力トランジスタのバックゲート電圧をリニアに変化させて制御し、出力電圧の変動を抑制する。
【解決手段】出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路11と、誤差増幅回路の出力に基づいて出力電圧を制御する出力トランジスタ12とを有する定電圧回路にて、モニター用トランジスタ14によって検出されたリーク電流に比例した電圧を発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aにより発生させて出力トランジスタのバックゲートに供給するようにして、出力トランジスタのバックゲート電圧をリニアに変化させて制御し、出力電圧の変動を抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
供給される電源電圧(入力電圧)を降圧して所定の定電圧を生成し出力端子に接続された負荷に出力する定電圧回路として、LDO(Low Drop Out)回路等のリニアレギュレータ回路がある。図12は、従来のリニアレギュレータ回路の構成例を示した回路図である。図12において、101は誤差増幅回路、102はPチャネルトランジスタを用いた出力トランジスタ、103はリニアレギュレータ回路の出力端子に接続されている負荷である。また、Vrefは図示しない基準電圧回路から供給される一定の基準電圧であり、Voutはリニアレギュレータ回路の出力端子から出力される出力電圧である。
【0003】
図12に示したリニアレギュレータ回路において、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより低くなると、誤差増幅回路101の出力電圧、すなわち出力トランジスタ102のゲートに供給される電圧が低下する。その結果、出力トランジスタ102のオン抵抗が減少し、出力電圧Voutが上昇する。逆に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより高くなると、誤差増幅回路101の出力電圧が上昇する。その結果、出力トランジスタ102のオン抵抗が増大し、出力電圧Voutが低下する。このようにして、リニアレギュレータ回路の出力端子より出力される出力電圧Voutは、一定の電圧である基準電圧Vrefに保たれる。
【0004】
ここで、図12に示したリニアレギュレータ回路では、負荷に流れる電流が非常に小さいとき、高温時のように出力トランジスタ102のドレイン・ソース間を流れるリーク電流が大きくなると、出力電圧Voutは制御不能になり電源電圧レベルまで上昇してしまう。これは、誤差増幅回路101の出力に応じて出力トランジスタ102がオフ方向に作用しても、出力トランジスタ102に発生するリーク電流のために出力電圧Voutが上昇し続けてしまうからである。
【0005】
この問題を回避するために、出力トランジスタのバックゲート(サブストレートゲートとも称す)に高い電圧を与えることで、出力トランジスタのしきい値電圧を高くし出力トランジスタのリーク電流を削減する方法が提案されている(例えば、特許文献1、3参照)。下記特許文献1には、出力トランジスタのリーク電流を抑制するために、動作モードに応じて出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をスイッチにより切り替える構成が開示されている。特許文献1において、通常動作よりも負荷が低消費電流状態になるスタンバイモード時には、リーク電流を抑制するために、出力トランジスタのバックゲートに通常動作時の電圧LVccよりも高い電圧HVccが入力されるよう制御される。また、下記特許文献3には、ある温度以上になったときに出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をVDD1からVDD2(>VDD1)に切り替えることで、高温条件下での出力トランジスタのリーク電流を抑える構成が開示されている。また、出力トランジスタの駆動電流値に応じて、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をスイッチにより切り替える技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−206948号公報
【特許文献2】特開2002−116829号公報
【特許文献3】特開2004−94788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来の定電圧回路は、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をスイッチにより切り替えているが、切り替え動作においてスイッチングノイズにおける出力電圧の急激な変動が生じるという問題がある。この出力電圧の変動は、電源ノイズによるロジック回路やアナログ回路の誤動作や、耐圧以上のパルス電圧の発生による素子破壊等の原因となる。
【0008】
本発明の目的は、出力電圧の急激な変動を生じさせることなく、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧を適切に制御できる定電圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
定電圧回路の一態様は、出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、誤差増幅回路の出力に基づいて出力電圧を制御する出力トランジスタと、出力トランジスタのリーク電流を検出する検出回路と、検出回路により検出されたリーク電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有する。第1の電圧発生回路は、リーク電流の増加に応じて発生する電圧を上昇させ、第1の電圧発生回路の出力が出力トランジスタのバックゲートに接続される。
【発明の効果】
【0010】
開示の定電圧回路は、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態における発振回路の一例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるチャージポンプ回路の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態における定電圧回路の他の構成例を示す図である。
【図5】第2の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図6】第3の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図7】第4の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図8】第5の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態におけるバックゲート電圧制御時の波形例を示す図である。
【図10】PチャネルトランジスタのVgs−Ids特性の例を示す図である。
【図11】PチャネルトランジスタのVgs−Ids特性の例を示す図である。
【図12】従来の定電圧回路の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下に説明する各実施形態における定電圧回路は、入力される電源電圧VDDを降圧して所定の定電圧を生成し出力電圧Voutとして出力端子から負荷に出力する定電圧回路である。
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1(A)は、第1の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図1(A)において、11は誤差増幅回路、12は出力トランジスタ、13は負荷、14はモニター用トランジスタ、15Aは発振回路、16Aはチャージポンプ回路、R11、R12は抵抗である。
【0014】
誤差増幅回路11は、正側入力端に定電圧回路の出力端子から出力される出力電圧Voutが入力され、負側入力端に予め設定された基準電圧Vrefが入力される。基準電圧Vrefは、例えば図示しない基準電圧回路から供給される一定の電圧である。誤差増幅回路11は、出力電圧Voutと基準電圧Vrefとの差電圧を増幅して出力する。
【0015】
出力トランジスタ12は、例えばPチャネルトランジスタが用いられる。出力トランジスタ12は、ソースに電源電圧VDDが供給され、ゲートに誤差増幅回路11の出力電圧が供給される。また、出力トランジスタ12は、ドレインが定電圧回路の出力端子に接続されており、この定電圧回路の出力端子から出力電圧Voutが負荷13に供給される。すなわち、出力トランジスタ12は、ゲートに供給される誤差増幅回路11の出力電圧に応じてオン抵抗が変化し、出力電圧Voutを制御する。また、出力トランジスタ12のバックゲート(サブストレートゲートとも称す)は、チャージポンプ回路16Aの出力に接続されるとともに、直列接続された抵抗R11及びR12を介して電源電圧VDDに対して接続される。
【0016】
ここで、出力トランジスタ12に用いられるPチャネルトランジスタは、図10及び図11に示すようなVgs−Ids特性を有している。図10及び図11において、横軸はゲート・ソース間電圧Vgsであり、縦軸はドレイン・ソース間を流れる電流Idsである。なお、図11において電流Idsは対数スケールで示している。図10及び図11において、BGA、BGB、BGC、BGD、BGEはバックゲートに供給される電圧が異なり、BGA、BGB、BGC、BGD、BGEの順にバックゲートに供給される電圧が高くなる。すなわち、BGA、BGB、BGC、BGD、BGEのうち、BGAがバックゲートに供給される電圧が最も低く、BGEがバックゲートに供給される電圧が最も高い。
【0017】
図10に示されるグラフから、負荷13を駆動している状態(例えばVgs≧出力トランジスタ12のしきい値電圧Vth)では、トランジスタのバックゲートに供給する電圧を低下させることで、電流Idsが増加することがわかる。言い換えれば、同じ駆動能力を要求する場合には、バックゲートに供給する電圧を低下させることで、トランジスタサイズを小さくすることができる。また、図11に示されるグラフから、負荷13に流れる電流が非常に小さいとき(Vgsがほぼ0)には、トランジスタのバックゲートに供給する電圧を上昇させることで、電流Idsが小さくなる、すなわちリーク電流が減少することがわかる。
【0018】
図1に戻り、モニター用トランジスタ14は、リーク電流を検出するためのトランジスタである。モニター用トランジスタ14と出力トランジスタ12とは同じ種類のトランジスタであり、かつモニター用トランジスタ14の特性と出力トランジスタ12の特性とは相関を持つ。例えば、モニター用トランジスタ14及び出力トランジスタ12を構成する単位トランジスタのゲート幅W/ゲート長Lが等しい。また、例えばモニター用トランジスタ14には、出力トランジスタ12に流れるリーク電流と相関を有するリーク電流が流れる。本実施形態では、モニター用トランジスタ14は、例えば出力トランジスタ12と同じ種類のPチャネルトランジスタが用いられる。モニター用トランジスタ14は、ソース及びゲートに電源電圧VDDが供給され、ドレインが発振回路15Aに接続される。また、モニター用トランジスタ14のバックゲートには電源電圧VDDが供給される。
【0019】
発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aは電圧発生回路を構成する。発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aによる電圧発生回路は、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に応じた電圧を発生させバックゲート電圧BGVとして出力トランジスタ12のバックゲートに供給する。
【0020】
発振回路15Aは、モニター用トランジスタ14を流れるリーク電流I12が供給される。発振回路15Aは、供給される電流I12がしきい値を超えると動作し、電流I12に比例した発振周波数の発振信号を出力する。発振回路15Aとして適用可能なリングオシレータの一例を図2に示す。図2(A)は、発振回路15Aとしてのリングオシレータの構成例を示す回路図である。図2(A)に示すリングオシレータは、Pチャネルトランジスタ21、23、25、及びNチャネルトランジスタ22、24、26を有し、入力された電流に対応する電流I21に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する。
【0021】
図2(A)には、トランジスタ21及び22を有する第1のインバータ、トランジスタ23及び24を有する第2のインバータ、トランジスタ25及び26を有する第3のインバータ、を有するリングオシレータを一例として示している。図2(A)に示したリングオシレータは、各インバータの遅延時間をTdとすると、図2(B)に示すように遅延時間Td×6の周期で発振する発振信号を出力する。図2(B)において、SAは第1のインバータの入力を示し、SBは第2のインバータの入力を示し、SCは第3のインバータの入力を示すものとする。ここで、各インバータの遅延時間Tdは、トランジスタの相互コンダクタンスgmに反比例し、ゲート容量に比例する。また、トランジスタの相互コンダクタンスgmは、流れる電流値の平方根に比例する。したがって、図2(A)に示したリングオシレータは、電流値I21に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する。
【0022】
チャージポンプ回路16Aは、発振回路15Aから出力される発振信号をクロック入力として、そのクロック入力に応じた電圧を出力CPOとして出力する。図3(A)は、チャージポンプ回路16Aの構成例を示す回路図である。図3(A)に示すチャージポンプ回路16Aは、Pチャネルトランジスタ31、Nチャネルトランジスタ32、容量33、及びダイオード34、35を有する。トランジスタ31及び32を有するインバータは、電源電圧VDDで動作し、クロック入力CLKIが入力され、出力が容量33の一方の電極に接続される。容量33の他方の電極が、ダイオード34のカソードとダイオード35のアノードとの接続点に接続される。また、ダイオード34のアノードが電源電圧VDDに対して接続され、ダイオード35のカソードが出力CPOを出力する出力端に接続される。
【0023】
図3(A)に示したチャージポンプ回路に対して、図3(B)に示すようなクロックがクロック入力CLKIとして入力されると、CPIに示すような出力電流が流れる。なお、図3(B)において、CPIAは、出力電流CPIの平均を示している。ここで、チャージポンプ回路16Aの出力CPOとしての出力電圧は、チャージポンプ回路の出力端子の負荷と出力電流(平均)CPIAとを乗じたものである。なお、図3(B)に示すチャージポンプ回路の出力電圧の上限は、(電源電圧VDD×2−ダイオードの順方向降下電圧×2)で制限される。また、出力電流(平均)CPIAは、クロック入力CLKIとして入力されるクロック(発振信号)の周波数に比例する。
【0024】
すなわち、チャージポンプ回路16Aの出力CPOは、チャージポンプ回路の出力端子の負荷を一定とすれば、入力される発振回路15Aからの発振信号の発振周波数に比例する。前述したように、発振回路15Aからの発振信号の発振周波数は、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例する。したがって、チャージポンプ回路16Aの出力CPOは、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例する電圧であり、それがバックゲート電圧BGVとして出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。
【0025】
なお、図2及び図3に示した回路構成は一例であって、以下に説明する他の実施形態も含め各実施形態における発振回路及びチャージポンプ回路の構成は、図2及び図3に示した回路構成に限定されるものではない。
【0026】
次に、第1の実施形態における定電圧回路の動作について説明する。
図1(A)に示した第1の実施形態における定電圧回路の基本的な動作は、従来の定電圧回路と同様である。すなわち、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより低くなると、誤差増幅回路11の出力電圧、すなわち出力トランジスタ12のゲートに供給される電圧が低下する。その結果、出力トランジスタ12のオン抵抗が減少し、出力電圧Voutが上昇する。逆に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより高くなると、誤差増幅回路11の出力電圧が上昇する。その結果、出力トランジスタ12のオン抵抗が増大し、出力電圧Voutが低下する。このようにして、定電圧回路の出力端子より出力される出力電圧Voutは、一定の電圧である基準電圧Vrefに保たれる。
【0027】
次に、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧の制御について説明する。
モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12であるモニタ電流が小さいとき(例えば、0又はほぼ0であるとき)、発振回路15Aは動作せずに停止している。したがって、図1(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0028】
温度が変化する(高温になる)などしてモニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12がしきい値Ithより大きくなった場合には、発振回路15Aは動作してリーク電流I12に応じた発振周波数の発振信号を出力する。これにより、チャージポンプ回路16Aは、発振回路15Aから出力された発振信号の発振周波数に比例した出力電圧CPOを出力し、それが出力トランジスタ12のバックゲートにバックゲート電圧BGVとして供給される。すなわち、図1(B)に示すようにモニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12がしきい値Ithより大きい場合には、電源電圧VDD以上の電圧であって、リーク電流I12に比例した電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。このように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例して大きくなるように制御することで、出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。なお、図1(B)において、V11はチャージポンプ回路16Aの構成に応じて決まる電圧の上限値である。
【0029】
このように、第1の実施形態によれば、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例した電圧を発生させ、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する。これにより、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。例えば、高温時のように出力トランジスタ12のリーク電流が大きくなるような動作条件下でも、リーク電流を削減し出力電圧Voutの上昇を抑制することができる。また、リーク電流の削減により消費電流を低減することができる。
【0030】
また、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させるので、仮に出力電圧Voutが急激に変動したとしても、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が急激に変動することを防止できる。
【0031】
なお、図1(A)に示した例では、モニター用トランジスタ14のバックゲートに電源電圧VDDを供給するようにしているが、図4に示すようにチャージポンプ回路16Aの出力CPOをバックゲート電圧として供給するようにしても良い。図4は、第1の実施形態における定電圧回路の他の構成例を示す図である。図4において、図1(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図4に示したように構成した場合には、バックゲート電圧BGVに対して負帰還がかかることで、バックゲート電圧BGV、つまりチャージポンプ回路16Aの出力CPOが変動し得る電圧範囲を制限することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5(A)は、第2の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図5(A)において、図1(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。図5(A)において、51はモニター用トランジスタ、52、53はトランジスタ、54は定電流源、15Bは発振回路、16Bはチャージポンプ回路である。
【0033】
モニター用トランジスタ51は、出力トランジスタ12の駆動電流I51を検出するためのトランジスタである。モニター用トランジスタ51と出力トランジスタ12とは同じ種類のトランジスタであり、かつモニター用トランジスタ51の特性と出力トランジスタ12の特性とは相関を持つ。例えば、モニター用トランジスタ51及び出力トランジスタ12を構成する単位トランジスタのゲート幅W/ゲート長Lが等しい。また、例えばモニター用トランジスタ51には、出力トランジスタ12の駆動電流I51と相関を有する駆動電流I52が流れる。
【0034】
本実施形態では、モニター用トランジスタ51は、例えば出力トランジスタ12と同じ種類のPチャネルトランジスタが用いられ、誤差増幅回路11の出力電圧によって出力トランジスタ12と同様に制御される。モニター用トランジスタ51は、ソースに電源電圧VDDが供給され、ゲートに誤差増幅回路11の出力電圧が供給され、ドレインが定電流源54に接続される。また、モニター用トランジスタ51のバックゲートは、チャージポンプ回路16Bの出力に接続されるとともに、直列接続された抵抗R11及びR12を介して電源電圧VDDに対して接続される。
【0035】
トランジスタ52及び53は、例えばPチャネルトランジスタである。トランジスタ52及び53のソースに電源電圧VDDが供給される。トランジスタ52のゲートとトランジスタ53のゲートとが接続され、その接続点がトランジスタ52のドレインに接続される。すなわち、トランジスタ52及び53は、カレントミラー接続されている。また、トランジスタ52のドレインは、モニター用トランジスタ51のドレインと定電流源54との接続点に接続され、トランジスタ53のドレインは、発振回路15Bに接続される。また、トランジスタ52及び53のバックゲートには電源電圧VDDが供給される。
【0036】
発振回路15B及びチャージポンプ回路16Bは電圧発生回路を構成する。発振回路15Bは、第1の実施形態における発振回路15Aと同様に、入力される電流に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する。また、チャージポンプ回路16Bは、第1の実施形態におけるチャージポンプ回路16Aと同様に、発振回路15Bから出力される発振信号をクロック入力として、クロック入力に応じた電圧を出力CPOとして出力する。発振回路15Bは、例えば図2に示したように構成され、チャージポンプ回路16Bは、例えば図3に示したように構成される。
【0037】
次に、第2の実施形態における定電圧回路の動作について説明する。なお、第2の実施形態における定電圧回路の基本的な動作は、従来の定電圧回路と同様であるので、その説明は省略し、以下では出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧の制御について説明する。第2の実施形態における定電圧回路では、図5(A)に示したモニター用トランジスタ51に流れる電流I52と定電流源54の電流値であるIref1とを比較し、比較結果に基づいて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御する。電流値Iref1は、出力トランジスタ12を流れる電流によって出力電圧Voutが上昇するかしないかの境界レベルに対応する電流値である。負荷13に流れる電流が小さく、出力トランジスタ12を流れる電流I51によって出力電圧Voutが上昇する場合には、電流I52<電流値Iref1となり、そうでない場合には電流値Iref1<電流I52となる。
【0038】
負荷13が軽負荷であり電流I52<電流値Iref1であるときには、トランジスタ53には(Iref1−I52)に比例した電流I53が流れ、発振回路15Bは動作して電流I53に応じた発振周波数の発振信号を出力する。これにより、チャージポンプ回路16Bは、発振回路15Bから出力された発振信号の発振周波数に比例した出力電圧CPOを出力し、それがバックゲート電圧BGVとして出力トランジスタ12、モニター用トランジスタ51のバックゲートに供給される。すなわち、図5(B)に示すように、I52<Iref1である場合には、電源電圧VDD以上の電圧であって、電流I52、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I51に比例した電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。このように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を、駆動電流I51に比例して、駆動電流I51が小さくなるほど大きくなるように制御することで、負荷13に流れる電流が小さい状態での出力トランジスタ12のリーク電流を低減することができる。なお、図5(B)において、V51はチャージポンプ回路16Bの構成に応じて決まる電圧の上限値である。
【0039】
一方、負荷13が十分に大きく電流値Iref1<電流I52である場合には、トランジスタ53には電流I53が流れず(0であり)、発振回路15Bは動作せずに停止している。したがって、図5(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0040】
第2の実施形態によれば、負荷13に流れる電流がしきい値より小さい場合には、出力トランジスタ12の駆動電流I51に比例した電圧を発生させ、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する。これにより、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。また、高温時のようにトランジスタのリーク電流が大きくなるような動作条件下でも、リーク電流を削減することができ、また消費電流を低減することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6(A)は、第3の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図6(A)において、図1(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。図6(A)において、61はモニター用トランジスタ、64は定電流源、65はダイオード、CMはカレントミラー回路である。
【0042】
モニター用トランジスタ61は、出力トランジスタ12の駆動電流I61を検出するためのトランジスタである。モニター用トランジスタ61と出力トランジスタ12とは同じ種類のトランジスタであり、かつモニター用トランジスタ61の特性と出力トランジスタ12の特性とは相関を持つ。例えば、モニター用トランジスタ61及び出力トランジスタ12を構成する単位トランジスタのゲート幅W/ゲート長Lが等しい。また、例えばモニター用トランジスタ61には、出力トランジスタ12の駆動電流I61と相関を有する駆動電流I62が流れる。
【0043】
モニター用トランジスタ61は、例えば出力トランジスタ12と同じ種類のPチャネルトランジスタが用いられ、誤差増幅回路11の出力電圧によって出力トランジスタ12と同様に制御される。モニター用トランジスタ61は、ソースに電源電圧VDDが供給され、ゲートに誤差増幅回路11の出力電圧が供給され、ドレインが定電流源64に接続される。また、モニター用トランジスタ61のバックゲートは、バックゲート電圧BGVの供給線に接続されるとともに、直列接続された抵抗R11及びR12を介して電源電圧VDDに対して接続される。
【0044】
カレントミラー回路CMは、Nチャネルトランジスタ62及び63を有する。Nチャネルトランジスタ62及び63のソースが基準電位に接続される。Nチャネルトランジスタ62のゲートとNチャネルトランジスタ63のゲートとが接続され、その接続点がNチャネルトランジスタ62のドレインに接続される。すなわち、Nチャネルトランジスタ62及び63は、カレントミラー接続されている。また、Nチャネルトランジスタ62のドレインは、モニター用トランジスタ61のドレインと定電流源64との接続点に接続され、Nチャネルトランジスタ63のドレインは、バックゲート電圧BGVの供給線に接続される。
【0045】
ダイオード65は、出力トランジスタ12のドレイン・バックゲート間で電流が逆流することを防止するために、バックゲート電圧BGVの供給線の電位が低下しすぎないようにクリップするためのものである。ダイオード65は、アノードが電源電圧VDDに対して接続され、カソードが抵抗R11とR12との接続点に接続される。
【0046】
次に、第3の実施形態における定電圧回路の動作について説明する。なお、第3の実施形態における定電圧回路の基本的な動作は、従来の定電圧回路と同様であるので、その説明は省略し、以下では出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧の制御について説明する。第3の実施形態における定電圧回路では、図6(A)に示したモニター用トランジスタ61に流れる電流I62と定電流源64の電流値であるIref2とを比較し、比較結果に基づいて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御する。電流値Iref2は、カレントミラー回路CMが安定動作する下限に対応する電流値を最小とし、出力トランジスタ12の駆動能力が飽和する直前に対応する電流値を最大とする範囲内の電流値である。なお、カレントミラー回路CMが安定動作するとは、モニター用トランジスタ61を流れる電流値I62が0であるときに、トランジスタ62及び63のゲート電圧が不定とならないことを指す。
【0047】
出力トランジスタ12の駆動電流I61が小さく、モニター用トランジスタ61に流れる電流I62が電流値Iref2より小さいときには、カレントミラー回路CMのトランジスタ63には電流I63が流れない(0である)。したがって、バックゲート電圧BGVの供給線の電位は変化することなく、図6(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0048】
また、出力トランジスタ12の駆動電流I62が大きく、モニター用トランジスタ61に流れる電流I62が電流値Iref2より大きいときには、カレントミラー回路CMのトランジスタ63には(I62−Iref2)に比例した電流I63が流れる。これにより、バックゲート電圧BGVの供給線の電位が下がり、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、図6(B)に示すように、電流I62の増加に伴って電源電圧VDD以下の電圧に低下していく。すなわち、Iref2<I62である場合には、電源電圧VDD以下の電圧であって、電流I62、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I61に比例して低下させた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。なお、図6(B)において、V61は回路におけるクリップ方式により決まる電圧の下限値である。
【0049】
第3の実施形態によれば、モニター用トランジスタ61に流れる電流I62がしきい値より大きい場合には、電流I62、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I61に比例して、駆動電流I61が大きくなるほど小さくなるように出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御する。これにより、出力電圧の変動を抑制しつつ、出力トランジスタ12のオン抵抗を小さくして駆動能力(電流供給能力)を増大させることができる。したがって、出力トランジスタ12のサイズを小さくしても、バックゲートに供給する電圧を制御することで所望の駆動能力(電流供給能力)を得ることが可能になり、出力トランジスタ12のサイズを小さくし、回路面積を低減することができる。また、出力トランジスタ12のサイズを小さくできることで、リーク電流を削減できる。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態における定電圧回路は、前述した第1の実施形態及び第3の実施形態における定電圧回路の機能を備えるものである。図7(A)は、第4の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図7(A)において、図1(A)、図6(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
第4の実施形態における定電圧回路では、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I73、及びモニター用トランジスタ61に流れる電流I72と電流値Iref2との比較結果に基づいて、出力トランジスタ12のバックゲート電圧を制御する。電流値Iref2は、出力トランジスタ12のオフリーク電流及びカレントミラー回路CMが安定動作する下限に対応する電流のうちの大きい電流値を最小とし、出力トランジスタ12の駆動能力が飽和する直前に対応する電流値を最大とする範囲内の電流値である。
【0052】
出力トランジスタ12においてリーク電流が発生しない、若しくは非常に小さい(電流I73<Ith)ときには、前述した第3の実施形態と同様にして、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、図7(B)のBG71に示すように制御される。すなわち、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、モニター用トランジスタ61に流れる電流I72に応じて制御され、I72<Iref2である場合には、電源電圧VDDとなる。また、Iref2<I72である場合には、カレントミラー回路CMに電流I74が流れることで、電源電圧VDDから電流I72、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I71に比例して低下させた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。なお、図7(B)において、V71は回路におけるクリップ方式により決まる電圧の下限値である。
【0053】
一方、出力トランジスタ12においてリーク電流が発生している(電流I73>Ith)ときには、前述した第1の実施形態と同様に、発生したリーク電流に応じた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。すなわち、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I73に比例した電圧が発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aで発生され、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。ここで、I72<Iref2である場合に、トランジスタのリーク電流に応じて出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧をV72(>電源電圧VDD)とする。なお、電圧V72の上限は、チャージポンプ回路16Aの構成に応じて決まる。さらに、前述した第3の実施形態と同様にして、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、モニター用トランジスタ61に流れる電流I72に応じて制御され、図7(B)のBG72に示すように制御される。すなわち、I72<Iref2である場合には、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電圧V72となる。また、Iref2<I72である場合には、カレントミラー回路CMに電流I74が流れることで、電圧V72から電流I72、つまり駆動電流I71に比例して低下させた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。
【0054】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態及び第3の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、モニター用トランジスタ14で検出されたリーク電流I73に応じて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。例えば、出力トランジスタ12のリーク電流が大きくなるような動作条件下でも、リーク電流を削減し出力電圧Voutの上昇を抑制することができる。また、モニター用トランジスタ61に流れる電流I72に応じて、電流I72に比例させて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御することで、出力電圧の変動を抑制しつつ、出力トランジスタ12の駆動能力を増大させることができる。これにより、出力トランジスタ12のサイズを小さくし、リーク電流を削減できるとともに回路面積を低減することができる。また、リーク電流の削減により消費電流を低減することができる。
【0055】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態における定電圧回路は、前述した第2の実施形態及び第3の実施形態における定電圧回路の機能を備えるものである。図8(A)は、第5の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図8(A)において、図1(A)、図5(A)、図6(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
第5の実施形態における定電圧回路では、モニター用トランジスタ51に流れる電流I82と電流値Iref1との比較結果、及びモニター用トランジスタ61に流れる電流I84と電流値Iref2との比較結果に基づいて、出力トランジスタ12のバックゲート電圧を制御する。電流値Iref1、Iref2は、Iref1<Iref2の関係を満たす任意の電流値である。ただし、電流値Iref1として設定し得る最小値は、カレントミラー回路CMが安定動作する下限に対応する電流値であり、電流値Iref2として設定し得る最大値は、出力トランジスタ12の駆動能力が飽和する直前に対応する電流値である。
【0057】
モニター用トランジスタ51に流れる電流I82が電流値Iref1より小さいときには、前述した第2の実施形態に対応する回路が動作し、第3の実施形態に対応する回路は動作せずに停止している。つまり、第2の実施形態に対応する回路であるトランジスタ51〜53、定電流源54、発振回路15B、及びチャージポンプ回路16Bを含む回路によって、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。すなわち、I82<Iref1である場合には、図8(B)に示すように、電流I82、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I81に比例して、駆動電流I81が小さくなるほど大きくなるように出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。なお、図8(B)において、V81はチャージポンプ回路16Bの構成に応じて決まる電圧の上限値である。
【0058】
モニター用トランジスタ51に流れる電流I82が電流値Iref1より大きく、かつモニター用トランジスタ61に流れる電流I84が電流値Iref2より小さいときには、第2の実施形態及び第3の実施形態にそれぞれ対応する回路は動作せずに停止している。このとき、図8(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0059】
モニター用トランジスタ61に流れる電流I84が電流値Iref2より大きいときには、前述した第2の実施形態に対応する回路は動作せずに停止しており、第3の実施形態に対応する回路が動作する。つまり、第3の実施形態に対応する回路であるモニター用トランジスタ61、定電流源64、及びカレントミラー回路CMを含む回路によって、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。すなわち、Iref2<I84である場合には、カレントミラー回路CMに電流I85が流れることで、図8(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。電流I84、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I81に比例して、駆動電流I81が大きくなるほど小さくなるように出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。なお、図8(B)において、V82は回路におけるクリップ方式により決まる電圧の下限値である。
【0060】
第5の実施形態によれば、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、モニター用トランジスタ51に流れる電流I82に応じて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。また、モニター用トランジスタ61に流れる電流I84に応じて、電流I84に比例させて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御することで、出力電圧の変動を抑制しつつ、出力トランジスタ12の駆動能力を増大させることができる。これにより、出力トランジスタ12のサイズを小さくし、リーク電流を削減できるとともに回路面積を低減することができる。また、リーク電流の削減により消費電流を低減することができる。
【0061】
図9は、本実施形態におけるバックゲート電圧制御時の波形例を示す図である。図9(A)に示す定電圧回路において、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧を制御したときのシミュレーション波形例を、図9(B)〜図9(E)に示す。図9(A)において、91は誤差増幅回路、92は出力トランジスタ、93は負荷である。また、VDDは電源電圧、Vrefは基準電圧、Voutは出力電圧、BGはバックゲート電圧である。
【0062】
出力トランジスタのバックゲートに供給するバックゲート電圧を図9(B)に示し、出力端子から出力される出力電圧Voutを図9(C)に示している。また、出力トランジスタのドレイン・ソース間を流れる電流を図9(D)に示し、出力トランジスタのバックゲートを流れるバックゲート電流を図9(E)に示している。なお、図9(B)〜図9(E)においては、本実施形態におけるシミュレーション波形例を実線により示し、比較参考のために従来のスイッチによるバックゲート電圧制御でのシミュレーション波形例を破線により合わせて示している。
【0063】
従来のように出力トランジスタのバックゲート電圧をスイッチにより切り替えると、出力電圧Voutが急峻に切り替わる。このとき、出力トランジスタのドレイン・ソース間に流れる電流の変動も急激であり、バックゲート電流も大きく変化する。
【0064】
それに対して、本実施形態では、出力トランジスタのバックゲート電圧がリニアに変化するので、出力電圧Voutがなだらかに切り替わる。また、出力トランジスタのドレイン・ソース間に流れる電流の変動もなだらかであり、バックゲート電流も大きな変動はなくほぼ一定である。したがって、本実施形態によれば、ロジック回路やアナログ回路の誤動作や、耐圧以上のパルス電圧の発生による素子破壊等の原因となる電源ノイズの発生を抑止することができる。
【0065】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の諸態様を付記として以下に示す。
【0066】
(付記1)
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記出力トランジスタのリーク電流を検出する検出回路と、
前記検出回路により検出された前記リーク電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記リーク電流の増加に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
(付記2)
前記検出回路は、ゲート及びソースに電源電圧が供給され、ドレインが前記第1の電圧発生回路の入力に接続された第1のトランジスタを有することを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記3)
前記第1の電圧発生回路は、
入力される電流に応じた発振周波数の発振信号を出力する発振回路と、
前記発振回路から出力された前記発振信号を受けて、前記発振信号の発振周波数に応じた電圧を出力するチャージポンプ回路とを有することを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記4)
前記第1の電圧発生回路は、前記検出回路により検出された前記リーク電流が第1のしきい値より大きいときに動作し、前記リーク電流が前記第1のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記5)
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記6)
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする付記5記載の定電圧回路。
(付記7)
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記5記載の定電圧回路。
(付記8)
前記第1のトランジスタのバックゲートに電源電圧が供給されることを特徴とする付記2記載の定電圧回路。
(付記9)
前記第1のトランジスタのバックゲートが前記第1の電圧発生回路の出力に接続されることを特徴とする付記2記載の定電圧回路。
(付記10)
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのドレインに接続された第2の定電流源と、
前記第5のトランジスタのドレインと前記第2の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第6のトランジスタと、
前記第6のトランジスタとカレントミラー接続された第7のトランジスタと、
前記第7のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流の減少に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
(付記11)
前記第1の電圧発生回路は、
入力される電流に応じた発振周波数の発振信号を出力する発振回路と、
前記発振回路から出力された前記発振信号を受けて、前記発振信号の発振周波数に応じた電圧を出力するチャージポンプ回路とを有することを特徴とする付記10記載の定電圧回路。
(付記12)
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流が第3のしきい値より小さいときに動作し、前記第7のトランジスタの電流が前記第3のしきい値より大きいときに停止することを特徴とする付記10記載の定電圧回路。
(付記13)
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする付記10記載の定電圧回路。
(付記14)
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする付記13記載の定電圧回路。
(付記15)
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記13記載の定電圧回路。
(付記16)
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
(付記17)
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする付記16記載の定電圧回路。
(付記18)
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記16記載の定電圧回路。
【符号の説明】
【0067】
11 誤差増幅回路
12 出力トランジスタ
13 負荷
14、51、61 モニター用トランジスタ
15A、15B 発振回路
16A、16B チャージポンプ回路
52、53、62、63 トランジスタ
54、64 定電流源
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
供給される電源電圧(入力電圧)を降圧して所定の定電圧を生成し出力端子に接続された負荷に出力する定電圧回路として、LDO(Low Drop Out)回路等のリニアレギュレータ回路がある。図12は、従来のリニアレギュレータ回路の構成例を示した回路図である。図12において、101は誤差増幅回路、102はPチャネルトランジスタを用いた出力トランジスタ、103はリニアレギュレータ回路の出力端子に接続されている負荷である。また、Vrefは図示しない基準電圧回路から供給される一定の基準電圧であり、Voutはリニアレギュレータ回路の出力端子から出力される出力電圧である。
【0003】
図12に示したリニアレギュレータ回路において、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより低くなると、誤差増幅回路101の出力電圧、すなわち出力トランジスタ102のゲートに供給される電圧が低下する。その結果、出力トランジスタ102のオン抵抗が減少し、出力電圧Voutが上昇する。逆に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより高くなると、誤差増幅回路101の出力電圧が上昇する。その結果、出力トランジスタ102のオン抵抗が増大し、出力電圧Voutが低下する。このようにして、リニアレギュレータ回路の出力端子より出力される出力電圧Voutは、一定の電圧である基準電圧Vrefに保たれる。
【0004】
ここで、図12に示したリニアレギュレータ回路では、負荷に流れる電流が非常に小さいとき、高温時のように出力トランジスタ102のドレイン・ソース間を流れるリーク電流が大きくなると、出力電圧Voutは制御不能になり電源電圧レベルまで上昇してしまう。これは、誤差増幅回路101の出力に応じて出力トランジスタ102がオフ方向に作用しても、出力トランジスタ102に発生するリーク電流のために出力電圧Voutが上昇し続けてしまうからである。
【0005】
この問題を回避するために、出力トランジスタのバックゲート(サブストレートゲートとも称す)に高い電圧を与えることで、出力トランジスタのしきい値電圧を高くし出力トランジスタのリーク電流を削減する方法が提案されている(例えば、特許文献1、3参照)。下記特許文献1には、出力トランジスタのリーク電流を抑制するために、動作モードに応じて出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をスイッチにより切り替える構成が開示されている。特許文献1において、通常動作よりも負荷が低消費電流状態になるスタンバイモード時には、リーク電流を抑制するために、出力トランジスタのバックゲートに通常動作時の電圧LVccよりも高い電圧HVccが入力されるよう制御される。また、下記特許文献3には、ある温度以上になったときに出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をVDD1からVDD2(>VDD1)に切り替えることで、高温条件下での出力トランジスタのリーク電流を抑える構成が開示されている。また、出力トランジスタの駆動電流値に応じて、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をスイッチにより切り替える技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−206948号公報
【特許文献2】特開2002−116829号公報
【特許文献3】特開2004−94788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来の定電圧回路は、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をスイッチにより切り替えているが、切り替え動作においてスイッチングノイズにおける出力電圧の急激な変動が生じるという問題がある。この出力電圧の変動は、電源ノイズによるロジック回路やアナログ回路の誤動作や、耐圧以上のパルス電圧の発生による素子破壊等の原因となる。
【0008】
本発明の目的は、出力電圧の急激な変動を生じさせることなく、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧を適切に制御できる定電圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
定電圧回路の一態様は、出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、誤差増幅回路の出力に基づいて出力電圧を制御する出力トランジスタと、出力トランジスタのリーク電流を検出する検出回路と、検出回路により検出されたリーク電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有する。第1の電圧発生回路は、リーク電流の増加に応じて発生する電圧を上昇させ、第1の電圧発生回路の出力が出力トランジスタのバックゲートに接続される。
【発明の効果】
【0010】
開示の定電圧回路は、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態における発振回路の一例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるチャージポンプ回路の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態における定電圧回路の他の構成例を示す図である。
【図5】第2の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図6】第3の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図7】第4の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図8】第5の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態におけるバックゲート電圧制御時の波形例を示す図である。
【図10】PチャネルトランジスタのVgs−Ids特性の例を示す図である。
【図11】PチャネルトランジスタのVgs−Ids特性の例を示す図である。
【図12】従来の定電圧回路の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下に説明する各実施形態における定電圧回路は、入力される電源電圧VDDを降圧して所定の定電圧を生成し出力電圧Voutとして出力端子から負荷に出力する定電圧回路である。
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1(A)は、第1の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図1(A)において、11は誤差増幅回路、12は出力トランジスタ、13は負荷、14はモニター用トランジスタ、15Aは発振回路、16Aはチャージポンプ回路、R11、R12は抵抗である。
【0014】
誤差増幅回路11は、正側入力端に定電圧回路の出力端子から出力される出力電圧Voutが入力され、負側入力端に予め設定された基準電圧Vrefが入力される。基準電圧Vrefは、例えば図示しない基準電圧回路から供給される一定の電圧である。誤差増幅回路11は、出力電圧Voutと基準電圧Vrefとの差電圧を増幅して出力する。
【0015】
出力トランジスタ12は、例えばPチャネルトランジスタが用いられる。出力トランジスタ12は、ソースに電源電圧VDDが供給され、ゲートに誤差増幅回路11の出力電圧が供給される。また、出力トランジスタ12は、ドレインが定電圧回路の出力端子に接続されており、この定電圧回路の出力端子から出力電圧Voutが負荷13に供給される。すなわち、出力トランジスタ12は、ゲートに供給される誤差増幅回路11の出力電圧に応じてオン抵抗が変化し、出力電圧Voutを制御する。また、出力トランジスタ12のバックゲート(サブストレートゲートとも称す)は、チャージポンプ回路16Aの出力に接続されるとともに、直列接続された抵抗R11及びR12を介して電源電圧VDDに対して接続される。
【0016】
ここで、出力トランジスタ12に用いられるPチャネルトランジスタは、図10及び図11に示すようなVgs−Ids特性を有している。図10及び図11において、横軸はゲート・ソース間電圧Vgsであり、縦軸はドレイン・ソース間を流れる電流Idsである。なお、図11において電流Idsは対数スケールで示している。図10及び図11において、BGA、BGB、BGC、BGD、BGEはバックゲートに供給される電圧が異なり、BGA、BGB、BGC、BGD、BGEの順にバックゲートに供給される電圧が高くなる。すなわち、BGA、BGB、BGC、BGD、BGEのうち、BGAがバックゲートに供給される電圧が最も低く、BGEがバックゲートに供給される電圧が最も高い。
【0017】
図10に示されるグラフから、負荷13を駆動している状態(例えばVgs≧出力トランジスタ12のしきい値電圧Vth)では、トランジスタのバックゲートに供給する電圧を低下させることで、電流Idsが増加することがわかる。言い換えれば、同じ駆動能力を要求する場合には、バックゲートに供給する電圧を低下させることで、トランジスタサイズを小さくすることができる。また、図11に示されるグラフから、負荷13に流れる電流が非常に小さいとき(Vgsがほぼ0)には、トランジスタのバックゲートに供給する電圧を上昇させることで、電流Idsが小さくなる、すなわちリーク電流が減少することがわかる。
【0018】
図1に戻り、モニター用トランジスタ14は、リーク電流を検出するためのトランジスタである。モニター用トランジスタ14と出力トランジスタ12とは同じ種類のトランジスタであり、かつモニター用トランジスタ14の特性と出力トランジスタ12の特性とは相関を持つ。例えば、モニター用トランジスタ14及び出力トランジスタ12を構成する単位トランジスタのゲート幅W/ゲート長Lが等しい。また、例えばモニター用トランジスタ14には、出力トランジスタ12に流れるリーク電流と相関を有するリーク電流が流れる。本実施形態では、モニター用トランジスタ14は、例えば出力トランジスタ12と同じ種類のPチャネルトランジスタが用いられる。モニター用トランジスタ14は、ソース及びゲートに電源電圧VDDが供給され、ドレインが発振回路15Aに接続される。また、モニター用トランジスタ14のバックゲートには電源電圧VDDが供給される。
【0019】
発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aは電圧発生回路を構成する。発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aによる電圧発生回路は、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に応じた電圧を発生させバックゲート電圧BGVとして出力トランジスタ12のバックゲートに供給する。
【0020】
発振回路15Aは、モニター用トランジスタ14を流れるリーク電流I12が供給される。発振回路15Aは、供給される電流I12がしきい値を超えると動作し、電流I12に比例した発振周波数の発振信号を出力する。発振回路15Aとして適用可能なリングオシレータの一例を図2に示す。図2(A)は、発振回路15Aとしてのリングオシレータの構成例を示す回路図である。図2(A)に示すリングオシレータは、Pチャネルトランジスタ21、23、25、及びNチャネルトランジスタ22、24、26を有し、入力された電流に対応する電流I21に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する。
【0021】
図2(A)には、トランジスタ21及び22を有する第1のインバータ、トランジスタ23及び24を有する第2のインバータ、トランジスタ25及び26を有する第3のインバータ、を有するリングオシレータを一例として示している。図2(A)に示したリングオシレータは、各インバータの遅延時間をTdとすると、図2(B)に示すように遅延時間Td×6の周期で発振する発振信号を出力する。図2(B)において、SAは第1のインバータの入力を示し、SBは第2のインバータの入力を示し、SCは第3のインバータの入力を示すものとする。ここで、各インバータの遅延時間Tdは、トランジスタの相互コンダクタンスgmに反比例し、ゲート容量に比例する。また、トランジスタの相互コンダクタンスgmは、流れる電流値の平方根に比例する。したがって、図2(A)に示したリングオシレータは、電流値I21に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する。
【0022】
チャージポンプ回路16Aは、発振回路15Aから出力される発振信号をクロック入力として、そのクロック入力に応じた電圧を出力CPOとして出力する。図3(A)は、チャージポンプ回路16Aの構成例を示す回路図である。図3(A)に示すチャージポンプ回路16Aは、Pチャネルトランジスタ31、Nチャネルトランジスタ32、容量33、及びダイオード34、35を有する。トランジスタ31及び32を有するインバータは、電源電圧VDDで動作し、クロック入力CLKIが入力され、出力が容量33の一方の電極に接続される。容量33の他方の電極が、ダイオード34のカソードとダイオード35のアノードとの接続点に接続される。また、ダイオード34のアノードが電源電圧VDDに対して接続され、ダイオード35のカソードが出力CPOを出力する出力端に接続される。
【0023】
図3(A)に示したチャージポンプ回路に対して、図3(B)に示すようなクロックがクロック入力CLKIとして入力されると、CPIに示すような出力電流が流れる。なお、図3(B)において、CPIAは、出力電流CPIの平均を示している。ここで、チャージポンプ回路16Aの出力CPOとしての出力電圧は、チャージポンプ回路の出力端子の負荷と出力電流(平均)CPIAとを乗じたものである。なお、図3(B)に示すチャージポンプ回路の出力電圧の上限は、(電源電圧VDD×2−ダイオードの順方向降下電圧×2)で制限される。また、出力電流(平均)CPIAは、クロック入力CLKIとして入力されるクロック(発振信号)の周波数に比例する。
【0024】
すなわち、チャージポンプ回路16Aの出力CPOは、チャージポンプ回路の出力端子の負荷を一定とすれば、入力される発振回路15Aからの発振信号の発振周波数に比例する。前述したように、発振回路15Aからの発振信号の発振周波数は、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例する。したがって、チャージポンプ回路16Aの出力CPOは、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例する電圧であり、それがバックゲート電圧BGVとして出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。
【0025】
なお、図2及び図3に示した回路構成は一例であって、以下に説明する他の実施形態も含め各実施形態における発振回路及びチャージポンプ回路の構成は、図2及び図3に示した回路構成に限定されるものではない。
【0026】
次に、第1の実施形態における定電圧回路の動作について説明する。
図1(A)に示した第1の実施形態における定電圧回路の基本的な動作は、従来の定電圧回路と同様である。すなわち、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより低くなると、誤差増幅回路11の出力電圧、すなわち出力トランジスタ12のゲートに供給される電圧が低下する。その結果、出力トランジスタ12のオン抵抗が減少し、出力電圧Voutが上昇する。逆に、出力電圧Voutが基準電圧Vrefより高くなると、誤差増幅回路11の出力電圧が上昇する。その結果、出力トランジスタ12のオン抵抗が増大し、出力電圧Voutが低下する。このようにして、定電圧回路の出力端子より出力される出力電圧Voutは、一定の電圧である基準電圧Vrefに保たれる。
【0027】
次に、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧の制御について説明する。
モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12であるモニタ電流が小さいとき(例えば、0又はほぼ0であるとき)、発振回路15Aは動作せずに停止している。したがって、図1(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0028】
温度が変化する(高温になる)などしてモニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12がしきい値Ithより大きくなった場合には、発振回路15Aは動作してリーク電流I12に応じた発振周波数の発振信号を出力する。これにより、チャージポンプ回路16Aは、発振回路15Aから出力された発振信号の発振周波数に比例した出力電圧CPOを出力し、それが出力トランジスタ12のバックゲートにバックゲート電圧BGVとして供給される。すなわち、図1(B)に示すようにモニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12がしきい値Ithより大きい場合には、電源電圧VDD以上の電圧であって、リーク電流I12に比例した電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。このように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例して大きくなるように制御することで、出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。なお、図1(B)において、V11はチャージポンプ回路16Aの構成に応じて決まる電圧の上限値である。
【0029】
このように、第1の実施形態によれば、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I12に比例した電圧を発生させ、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する。これにより、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。例えば、高温時のように出力トランジスタ12のリーク電流が大きくなるような動作条件下でも、リーク電流を削減し出力電圧Voutの上昇を抑制することができる。また、リーク電流の削減により消費電流を低減することができる。
【0030】
また、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させるので、仮に出力電圧Voutが急激に変動したとしても、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が急激に変動することを防止できる。
【0031】
なお、図1(A)に示した例では、モニター用トランジスタ14のバックゲートに電源電圧VDDを供給するようにしているが、図4に示すようにチャージポンプ回路16Aの出力CPOをバックゲート電圧として供給するようにしても良い。図4は、第1の実施形態における定電圧回路の他の構成例を示す図である。図4において、図1(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図4に示したように構成した場合には、バックゲート電圧BGVに対して負帰還がかかることで、バックゲート電圧BGV、つまりチャージポンプ回路16Aの出力CPOが変動し得る電圧範囲を制限することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5(A)は、第2の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図5(A)において、図1(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。図5(A)において、51はモニター用トランジスタ、52、53はトランジスタ、54は定電流源、15Bは発振回路、16Bはチャージポンプ回路である。
【0033】
モニター用トランジスタ51は、出力トランジスタ12の駆動電流I51を検出するためのトランジスタである。モニター用トランジスタ51と出力トランジスタ12とは同じ種類のトランジスタであり、かつモニター用トランジスタ51の特性と出力トランジスタ12の特性とは相関を持つ。例えば、モニター用トランジスタ51及び出力トランジスタ12を構成する単位トランジスタのゲート幅W/ゲート長Lが等しい。また、例えばモニター用トランジスタ51には、出力トランジスタ12の駆動電流I51と相関を有する駆動電流I52が流れる。
【0034】
本実施形態では、モニター用トランジスタ51は、例えば出力トランジスタ12と同じ種類のPチャネルトランジスタが用いられ、誤差増幅回路11の出力電圧によって出力トランジスタ12と同様に制御される。モニター用トランジスタ51は、ソースに電源電圧VDDが供給され、ゲートに誤差増幅回路11の出力電圧が供給され、ドレインが定電流源54に接続される。また、モニター用トランジスタ51のバックゲートは、チャージポンプ回路16Bの出力に接続されるとともに、直列接続された抵抗R11及びR12を介して電源電圧VDDに対して接続される。
【0035】
トランジスタ52及び53は、例えばPチャネルトランジスタである。トランジスタ52及び53のソースに電源電圧VDDが供給される。トランジスタ52のゲートとトランジスタ53のゲートとが接続され、その接続点がトランジスタ52のドレインに接続される。すなわち、トランジスタ52及び53は、カレントミラー接続されている。また、トランジスタ52のドレインは、モニター用トランジスタ51のドレインと定電流源54との接続点に接続され、トランジスタ53のドレインは、発振回路15Bに接続される。また、トランジスタ52及び53のバックゲートには電源電圧VDDが供給される。
【0036】
発振回路15B及びチャージポンプ回路16Bは電圧発生回路を構成する。発振回路15Bは、第1の実施形態における発振回路15Aと同様に、入力される電流に応じた発振周波数を有する発振信号を出力する。また、チャージポンプ回路16Bは、第1の実施形態におけるチャージポンプ回路16Aと同様に、発振回路15Bから出力される発振信号をクロック入力として、クロック入力に応じた電圧を出力CPOとして出力する。発振回路15Bは、例えば図2に示したように構成され、チャージポンプ回路16Bは、例えば図3に示したように構成される。
【0037】
次に、第2の実施形態における定電圧回路の動作について説明する。なお、第2の実施形態における定電圧回路の基本的な動作は、従来の定電圧回路と同様であるので、その説明は省略し、以下では出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧の制御について説明する。第2の実施形態における定電圧回路では、図5(A)に示したモニター用トランジスタ51に流れる電流I52と定電流源54の電流値であるIref1とを比較し、比較結果に基づいて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御する。電流値Iref1は、出力トランジスタ12を流れる電流によって出力電圧Voutが上昇するかしないかの境界レベルに対応する電流値である。負荷13に流れる電流が小さく、出力トランジスタ12を流れる電流I51によって出力電圧Voutが上昇する場合には、電流I52<電流値Iref1となり、そうでない場合には電流値Iref1<電流I52となる。
【0038】
負荷13が軽負荷であり電流I52<電流値Iref1であるときには、トランジスタ53には(Iref1−I52)に比例した電流I53が流れ、発振回路15Bは動作して電流I53に応じた発振周波数の発振信号を出力する。これにより、チャージポンプ回路16Bは、発振回路15Bから出力された発振信号の発振周波数に比例した出力電圧CPOを出力し、それがバックゲート電圧BGVとして出力トランジスタ12、モニター用トランジスタ51のバックゲートに供給される。すなわち、図5(B)に示すように、I52<Iref1である場合には、電源電圧VDD以上の電圧であって、電流I52、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I51に比例した電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。このように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を、駆動電流I51に比例して、駆動電流I51が小さくなるほど大きくなるように制御することで、負荷13に流れる電流が小さい状態での出力トランジスタ12のリーク電流を低減することができる。なお、図5(B)において、V51はチャージポンプ回路16Bの構成に応じて決まる電圧の上限値である。
【0039】
一方、負荷13が十分に大きく電流値Iref1<電流I52である場合には、トランジスタ53には電流I53が流れず(0であり)、発振回路15Bは動作せずに停止している。したがって、図5(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0040】
第2の実施形態によれば、負荷13に流れる電流がしきい値より小さい場合には、出力トランジスタ12の駆動電流I51に比例した電圧を発生させ、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する。これにより、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。また、高温時のようにトランジスタのリーク電流が大きくなるような動作条件下でも、リーク電流を削減することができ、また消費電流を低減することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6(A)は、第3の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図6(A)において、図1(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。図6(A)において、61はモニター用トランジスタ、64は定電流源、65はダイオード、CMはカレントミラー回路である。
【0042】
モニター用トランジスタ61は、出力トランジスタ12の駆動電流I61を検出するためのトランジスタである。モニター用トランジスタ61と出力トランジスタ12とは同じ種類のトランジスタであり、かつモニター用トランジスタ61の特性と出力トランジスタ12の特性とは相関を持つ。例えば、モニター用トランジスタ61及び出力トランジスタ12を構成する単位トランジスタのゲート幅W/ゲート長Lが等しい。また、例えばモニター用トランジスタ61には、出力トランジスタ12の駆動電流I61と相関を有する駆動電流I62が流れる。
【0043】
モニター用トランジスタ61は、例えば出力トランジスタ12と同じ種類のPチャネルトランジスタが用いられ、誤差増幅回路11の出力電圧によって出力トランジスタ12と同様に制御される。モニター用トランジスタ61は、ソースに電源電圧VDDが供給され、ゲートに誤差増幅回路11の出力電圧が供給され、ドレインが定電流源64に接続される。また、モニター用トランジスタ61のバックゲートは、バックゲート電圧BGVの供給線に接続されるとともに、直列接続された抵抗R11及びR12を介して電源電圧VDDに対して接続される。
【0044】
カレントミラー回路CMは、Nチャネルトランジスタ62及び63を有する。Nチャネルトランジスタ62及び63のソースが基準電位に接続される。Nチャネルトランジスタ62のゲートとNチャネルトランジスタ63のゲートとが接続され、その接続点がNチャネルトランジスタ62のドレインに接続される。すなわち、Nチャネルトランジスタ62及び63は、カレントミラー接続されている。また、Nチャネルトランジスタ62のドレインは、モニター用トランジスタ61のドレインと定電流源64との接続点に接続され、Nチャネルトランジスタ63のドレインは、バックゲート電圧BGVの供給線に接続される。
【0045】
ダイオード65は、出力トランジスタ12のドレイン・バックゲート間で電流が逆流することを防止するために、バックゲート電圧BGVの供給線の電位が低下しすぎないようにクリップするためのものである。ダイオード65は、アノードが電源電圧VDDに対して接続され、カソードが抵抗R11とR12との接続点に接続される。
【0046】
次に、第3の実施形態における定電圧回路の動作について説明する。なお、第3の実施形態における定電圧回路の基本的な動作は、従来の定電圧回路と同様であるので、その説明は省略し、以下では出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧の制御について説明する。第3の実施形態における定電圧回路では、図6(A)に示したモニター用トランジスタ61に流れる電流I62と定電流源64の電流値であるIref2とを比較し、比較結果に基づいて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御する。電流値Iref2は、カレントミラー回路CMが安定動作する下限に対応する電流値を最小とし、出力トランジスタ12の駆動能力が飽和する直前に対応する電流値を最大とする範囲内の電流値である。なお、カレントミラー回路CMが安定動作するとは、モニター用トランジスタ61を流れる電流値I62が0であるときに、トランジスタ62及び63のゲート電圧が不定とならないことを指す。
【0047】
出力トランジスタ12の駆動電流I61が小さく、モニター用トランジスタ61に流れる電流I62が電流値Iref2より小さいときには、カレントミラー回路CMのトランジスタ63には電流I63が流れない(0である)。したがって、バックゲート電圧BGVの供給線の電位は変化することなく、図6(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0048】
また、出力トランジスタ12の駆動電流I62が大きく、モニター用トランジスタ61に流れる電流I62が電流値Iref2より大きいときには、カレントミラー回路CMのトランジスタ63には(I62−Iref2)に比例した電流I63が流れる。これにより、バックゲート電圧BGVの供給線の電位が下がり、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、図6(B)に示すように、電流I62の増加に伴って電源電圧VDD以下の電圧に低下していく。すなわち、Iref2<I62である場合には、電源電圧VDD以下の電圧であって、電流I62、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I61に比例して低下させた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。なお、図6(B)において、V61は回路におけるクリップ方式により決まる電圧の下限値である。
【0049】
第3の実施形態によれば、モニター用トランジスタ61に流れる電流I62がしきい値より大きい場合には、電流I62、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I61に比例して、駆動電流I61が大きくなるほど小さくなるように出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御する。これにより、出力電圧の変動を抑制しつつ、出力トランジスタ12のオン抵抗を小さくして駆動能力(電流供給能力)を増大させることができる。したがって、出力トランジスタ12のサイズを小さくしても、バックゲートに供給する電圧を制御することで所望の駆動能力(電流供給能力)を得ることが可能になり、出力トランジスタ12のサイズを小さくし、回路面積を低減することができる。また、出力トランジスタ12のサイズを小さくできることで、リーク電流を削減できる。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態における定電圧回路は、前述した第1の実施形態及び第3の実施形態における定電圧回路の機能を備えるものである。図7(A)は、第4の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図7(A)において、図1(A)、図6(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
第4の実施形態における定電圧回路では、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I73、及びモニター用トランジスタ61に流れる電流I72と電流値Iref2との比較結果に基づいて、出力トランジスタ12のバックゲート電圧を制御する。電流値Iref2は、出力トランジスタ12のオフリーク電流及びカレントミラー回路CMが安定動作する下限に対応する電流のうちの大きい電流値を最小とし、出力トランジスタ12の駆動能力が飽和する直前に対応する電流値を最大とする範囲内の電流値である。
【0052】
出力トランジスタ12においてリーク電流が発生しない、若しくは非常に小さい(電流I73<Ith)ときには、前述した第3の実施形態と同様にして、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、図7(B)のBG71に示すように制御される。すなわち、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、モニター用トランジスタ61に流れる電流I72に応じて制御され、I72<Iref2である場合には、電源電圧VDDとなる。また、Iref2<I72である場合には、カレントミラー回路CMに電流I74が流れることで、電源電圧VDDから電流I72、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I71に比例して低下させた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。なお、図7(B)において、V71は回路におけるクリップ方式により決まる電圧の下限値である。
【0053】
一方、出力トランジスタ12においてリーク電流が発生している(電流I73>Ith)ときには、前述した第1の実施形態と同様に、発生したリーク電流に応じた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。すなわち、モニター用トランジスタ14により検出されたリーク電流I73に比例した電圧が発振回路15A及びチャージポンプ回路16Aで発生され、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。ここで、I72<Iref2である場合に、トランジスタのリーク電流に応じて出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧をV72(>電源電圧VDD)とする。なお、電圧V72の上限は、チャージポンプ回路16Aの構成に応じて決まる。さらに、前述した第3の実施形態と同様にして、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、モニター用トランジスタ61に流れる電流I72に応じて制御され、図7(B)のBG72に示すように制御される。すなわち、I72<Iref2である場合には、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電圧V72となる。また、Iref2<I72である場合には、カレントミラー回路CMに電流I74が流れることで、電圧V72から電流I72、つまり駆動電流I71に比例して低下させた電圧が出力トランジスタ12のバックゲートに供給される。
【0054】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態及び第3の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、モニター用トランジスタ14で検出されたリーク電流I73に応じて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。例えば、出力トランジスタ12のリーク電流が大きくなるような動作条件下でも、リーク電流を削減し出力電圧Voutの上昇を抑制することができる。また、モニター用トランジスタ61に流れる電流I72に応じて、電流I72に比例させて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御することで、出力電圧の変動を抑制しつつ、出力トランジスタ12の駆動能力を増大させることができる。これにより、出力トランジスタ12のサイズを小さくし、リーク電流を削減できるとともに回路面積を低減することができる。また、リーク電流の削減により消費電流を低減することができる。
【0055】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態における定電圧回路は、前述した第2の実施形態及び第3の実施形態における定電圧回路の機能を備えるものである。図8(A)は、第5の実施形態における定電圧回路の構成例を示す図である。図8(A)において、図1(A)、図5(A)、図6(A)に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
第5の実施形態における定電圧回路では、モニター用トランジスタ51に流れる電流I82と電流値Iref1との比較結果、及びモニター用トランジスタ61に流れる電流I84と電流値Iref2との比較結果に基づいて、出力トランジスタ12のバックゲート電圧を制御する。電流値Iref1、Iref2は、Iref1<Iref2の関係を満たす任意の電流値である。ただし、電流値Iref1として設定し得る最小値は、カレントミラー回路CMが安定動作する下限に対応する電流値であり、電流値Iref2として設定し得る最大値は、出力トランジスタ12の駆動能力が飽和する直前に対応する電流値である。
【0057】
モニター用トランジスタ51に流れる電流I82が電流値Iref1より小さいときには、前述した第2の実施形態に対応する回路が動作し、第3の実施形態に対応する回路は動作せずに停止している。つまり、第2の実施形態に対応する回路であるトランジスタ51〜53、定電流源54、発振回路15B、及びチャージポンプ回路16Bを含む回路によって、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。すなわち、I82<Iref1である場合には、図8(B)に示すように、電流I82、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I81に比例して、駆動電流I81が小さくなるほど大きくなるように出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。なお、図8(B)において、V81はチャージポンプ回路16Bの構成に応じて決まる電圧の上限値である。
【0058】
モニター用トランジスタ51に流れる電流I82が電流値Iref1より大きく、かつモニター用トランジスタ61に流れる電流I84が電流値Iref2より小さいときには、第2の実施形態及び第3の実施形態にそれぞれ対応する回路は動作せずに停止している。このとき、図8(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給される電圧は、電源電圧VDDとなる。
【0059】
モニター用トランジスタ61に流れる電流I84が電流値Iref2より大きいときには、前述した第2の実施形態に対応する回路は動作せずに停止しており、第3の実施形態に対応する回路が動作する。つまり、第3の実施形態に対応する回路であるモニター用トランジスタ61、定電流源64、及びカレントミラー回路CMを含む回路によって、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。すなわち、Iref2<I84である場合には、カレントミラー回路CMに電流I85が流れることで、図8(B)に示すように、出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。電流I84、つまり出力トランジスタ12の駆動電流I81に比例して、駆動電流I81が大きくなるほど小さくなるように出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧が制御される。なお、図8(B)において、V82は回路におけるクリップ方式により決まる電圧の下限値である。
【0060】
第5の実施形態によれば、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、モニター用トランジスタ51に流れる電流I82に応じて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧をリニアに変化させて制御することができ、出力電圧の変動を抑制しつつ出力トランジスタ12のリーク電流を削減することができる。また、モニター用トランジスタ61に流れる電流I84に応じて、電流I84に比例させて出力トランジスタ12のバックゲートに供給する電圧を制御することで、出力電圧の変動を抑制しつつ、出力トランジスタ12の駆動能力を増大させることができる。これにより、出力トランジスタ12のサイズを小さくし、リーク電流を削減できるとともに回路面積を低減することができる。また、リーク電流の削減により消費電流を低減することができる。
【0061】
図9は、本実施形態におけるバックゲート電圧制御時の波形例を示す図である。図9(A)に示す定電圧回路において、出力トランジスタのバックゲートに供給する電圧を制御したときのシミュレーション波形例を、図9(B)〜図9(E)に示す。図9(A)において、91は誤差増幅回路、92は出力トランジスタ、93は負荷である。また、VDDは電源電圧、Vrefは基準電圧、Voutは出力電圧、BGはバックゲート電圧である。
【0062】
出力トランジスタのバックゲートに供給するバックゲート電圧を図9(B)に示し、出力端子から出力される出力電圧Voutを図9(C)に示している。また、出力トランジスタのドレイン・ソース間を流れる電流を図9(D)に示し、出力トランジスタのバックゲートを流れるバックゲート電流を図9(E)に示している。なお、図9(B)〜図9(E)においては、本実施形態におけるシミュレーション波形例を実線により示し、比較参考のために従来のスイッチによるバックゲート電圧制御でのシミュレーション波形例を破線により合わせて示している。
【0063】
従来のように出力トランジスタのバックゲート電圧をスイッチにより切り替えると、出力電圧Voutが急峻に切り替わる。このとき、出力トランジスタのドレイン・ソース間に流れる電流の変動も急激であり、バックゲート電流も大きく変化する。
【0064】
それに対して、本実施形態では、出力トランジスタのバックゲート電圧がリニアに変化するので、出力電圧Voutがなだらかに切り替わる。また、出力トランジスタのドレイン・ソース間に流れる電流の変動もなだらかであり、バックゲート電流も大きな変動はなくほぼ一定である。したがって、本実施形態によれば、ロジック回路やアナログ回路の誤動作や、耐圧以上のパルス電圧の発生による素子破壊等の原因となる電源ノイズの発生を抑止することができる。
【0065】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の諸態様を付記として以下に示す。
【0066】
(付記1)
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記出力トランジスタのリーク電流を検出する検出回路と、
前記検出回路により検出された前記リーク電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記リーク電流の増加に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
(付記2)
前記検出回路は、ゲート及びソースに電源電圧が供給され、ドレインが前記第1の電圧発生回路の入力に接続された第1のトランジスタを有することを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記3)
前記第1の電圧発生回路は、
入力される電流に応じた発振周波数の発振信号を出力する発振回路と、
前記発振回路から出力された前記発振信号を受けて、前記発振信号の発振周波数に応じた電圧を出力するチャージポンプ回路とを有することを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記4)
前記第1の電圧発生回路は、前記検出回路により検出された前記リーク電流が第1のしきい値より大きいときに動作し、前記リーク電流が前記第1のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記5)
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする付記1記載の定電圧回路。
(付記6)
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする付記5記載の定電圧回路。
(付記7)
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記5記載の定電圧回路。
(付記8)
前記第1のトランジスタのバックゲートに電源電圧が供給されることを特徴とする付記2記載の定電圧回路。
(付記9)
前記第1のトランジスタのバックゲートが前記第1の電圧発生回路の出力に接続されることを特徴とする付記2記載の定電圧回路。
(付記10)
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのドレインに接続された第2の定電流源と、
前記第5のトランジスタのドレインと前記第2の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第6のトランジスタと、
前記第6のトランジスタとカレントミラー接続された第7のトランジスタと、
前記第7のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流の減少に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
(付記11)
前記第1の電圧発生回路は、
入力される電流に応じた発振周波数の発振信号を出力する発振回路と、
前記発振回路から出力された前記発振信号を受けて、前記発振信号の発振周波数に応じた電圧を出力するチャージポンプ回路とを有することを特徴とする付記10記載の定電圧回路。
(付記12)
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流が第3のしきい値より小さいときに動作し、前記第7のトランジスタの電流が前記第3のしきい値より大きいときに停止することを特徴とする付記10記載の定電圧回路。
(付記13)
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする付記10記載の定電圧回路。
(付記14)
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする付記13記載の定電圧回路。
(付記15)
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記13記載の定電圧回路。
(付記16)
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
(付記17)
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする付記16記載の定電圧回路。
(付記18)
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする付記16記載の定電圧回路。
【符号の説明】
【0067】
11 誤差増幅回路
12 出力トランジスタ
13 負荷
14、51、61 モニター用トランジスタ
15A、15B 発振回路
16A、16B チャージポンプ回路
52、53、62、63 トランジスタ
54、64 定電流源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記出力トランジスタのリーク電流を検出する検出回路と、
前記検出回路により検出された前記リーク電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記リーク電流の増加に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
【請求項2】
前記検出回路は、ゲート及びソースに電源電圧が供給され、ドレインが前記第1の電圧発生回路の入力に接続された第1のトランジスタを有することを特徴とする請求項1記載の定電圧回路。
【請求項3】
前記第1の電圧発生回路は、前記検出回路により検出された前記リーク電流が第1のしきい値より大きいときに動作し、前記リーク電流が前記第1のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする請求項1又は2記載の定電圧回路。
【請求項4】
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのドレインに接続された第2の定電流源と、
前記第5のトランジスタのドレインと前記第2の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第6のトランジスタと、
前記第6のトランジスタとカレントミラー接続された第7のトランジスタと、
前記第7のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流の減少に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
【請求項5】
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流が第3のしきい値より小さいときに動作し、前記第7のトランジスタの電流が前記第3のしきい値より大きいときに停止することを特徴とする請求項4記載の定電圧回路。
【請求項6】
前記第1の電圧発生回路は、
入力される電流に応じた発振周波数の発振信号を出力する発振回路と、
前記発振回路から出力された前記発振信号を受けて、前記発振信号の発振周波数に応じた電圧を出力するチャージポンプ回路とを有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の定電圧回路。
【請求項7】
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の定電圧回路。
【請求項8】
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
【請求項9】
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする請求項7又は8記載の定電圧回路。
【請求項10】
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の定電圧回路。
【請求項1】
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記出力トランジスタのリーク電流を検出する検出回路と、
前記検出回路により検出された前記リーク電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記リーク電流の増加に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
【請求項2】
前記検出回路は、ゲート及びソースに電源電圧が供給され、ドレインが前記第1の電圧発生回路の入力に接続された第1のトランジスタを有することを特徴とする請求項1記載の定電圧回路。
【請求項3】
前記第1の電圧発生回路は、前記検出回路により検出された前記リーク電流が第1のしきい値より大きいときに動作し、前記リーク電流が前記第1のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする請求項1又は2記載の定電圧回路。
【請求項4】
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのドレインに接続された第2の定電流源と、
前記第5のトランジスタのドレインと前記第2の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第6のトランジスタと、
前記第6のトランジスタとカレントミラー接続された第7のトランジスタと、
前記第7のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第1の電圧発生回路とを有し、
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流の減少に応じて発生する電圧を上昇させ、
前記第1の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
【請求項5】
前記第1の電圧発生回路は、前記第7のトランジスタの電流が第3のしきい値より小さいときに動作し、前記第7のトランジスタの電流が前記第3のしきい値より大きいときに停止することを特徴とする請求項4記載の定電圧回路。
【請求項6】
前記第1の電圧発生回路は、
入力される電流に応じた発振周波数の発振信号を出力する発振回路と、
前記発振回路から出力された前記発振信号を受けて、前記発振信号の発振周波数に応じた電圧を出力するチャージポンプ回路とを有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の定電圧回路。
【請求項7】
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の定電圧回路。
【請求項8】
出力電圧と基準電圧との差電圧を増幅する誤差増幅回路と、
前記誤差増幅回路の出力に基づいて前記出力電圧を制御する出力トランジスタと、
前記誤差増幅回路の出力にゲートが接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタの電流に比例した電圧を発生する第2の電圧発生回路とを有し、
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流の増加に応じて発生する電圧を低下させ、
前記第2の電圧発生回路の出力が前記出力トランジスタ及び前記第2のトランジスタのバックゲートに接続されることを特徴とする定電圧回路。
【請求項9】
前記第2の電圧発生回路は、
前記第2のトランジスタのドレインに接続された第1の定電流源と、
前記第2のトランジスタのドレインと前記第1の定電流源との接続点に、ドレイン及びゲートが接続された第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタとカレントミラー接続され、ドレインを前記第2の電圧発生回路の出力とする第4のトランジスタとを有することを特徴とする請求項7又は8記載の定電圧回路。
【請求項10】
前記第2の電圧発生回路は、前記第2のトランジスタの電流が第2のしきい値より大きいときに動作し、前記第2のトランジスタの電流が前記第2のしきい値より小さいときに停止することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の定電圧回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−109699(P2013−109699A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256044(P2011−256044)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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