説明

実装装置、部品切れ判定方法及びプログラム

【課題】供給部の部品切れを正確に判定することができる技術を提供すること。
【解決手段】本技術の一形態に係る実装装置は、供給部と、保持部と、第1のセンサ及び第2のセンサと、制御部とを具備する。前記供給部は、電子部品を供給する。前記保持部は、前記供給部から供給される電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する。前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するためのセンサである。前記制御部は、前記第1のセンサからの出力に基づいて前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行し、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電子部品を基板上に実装する実装装置等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、抵抗やコンデンサ等の電子部品を実装基板上に実装する実装装置が広く知られている。
【0003】
このような実装装置では、まず、供給部から供給された電子部品が吸着ノズルにより吸着される。そして、電子部品を吸着した吸着ノズルが実装基板上に移動され、吸着ノズルが下降されることで、実装基板上に電子部品が実装される。
【0004】
供給部は、例えば、複数のテープフィーダが配列されて構成される。テープフィーダに電子部品がなくなった場合、オペレータに部品切れが通知される。この場合、オペレータは、電子部品がなくなったテープフィーダを新しいテープフィーダと交換する等の作業を行なう。
【0005】
部品切れを判定する方法としては、例えば、テープフィーダ毎に電子部品の残数を管理し、残数がゼロになったら部品切れとする方法や、吸着ノズルの電子部品の未吸着エラーが連続して発生した場合に部品切れとする方法が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−267800号公報(段落[0020])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
残数の管理によって部品切れを判定する方法では、使用途中のテープフィーダ(電子部品が幾つか使われたテープフィーダ)を使用する場合など、テープフィーダの残数を正確に管理できない場合が多い。従って、この方法で正確に部品切れの判定をすることは困難である。
【0008】
同様に、吸着ノズルによる未吸着エラーによって部品切れを判定する場合にも、部品切れを正確に判定することができない場合がある。例えば、ノズル詰まり等のノズル不良や、テープフィーダの動作不良が発生した場合、吸着ノズルの未吸着エラーが連続して発生する。
【0009】
このような場合、テープフィーダに実際には電子部品が残っているのにもかかわらず、実装装置が部品切れであると誤認識してしまい、部品切れがオペレータに通知されてしまう。この場合、オペレータは、テープフィーダに実際には電子部品が残っているのにもかかわらず、そのテープフィーダを新しいテープフィーダと交換してしまう等の問題が生じていた。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、供給部の部品切れを正確に判定することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の一形態に係る実装装置は、供給部と、保持部と、第1のセンサ及び第2のセンサと、制御部とを具備する。
前記供給部は、電子部品を供給する。
前記保持部は、前記供給部から供給される電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する。
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサは、前記供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するためのセンサである。
前記制御部は、前記第1のセンサからの出力に基づいて前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行し、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行する。
【0012】
この実装装置では、部品切れ判定処理が、少なくとも2回、実行される。従って、供給部から供給される電子部品の部品切れを正確に判定することができる。従って、オペレータが、テープフィーダに実際には電子部品が残っているのにもかかわらず、そのテープフィーダを新しいテープフィーダと交換してしまう等の問題を解消することができる。
【0013】
上記実装装置において、前記第2のセンサは、供給部を撮像するイメージセンサであってもよい。
この場合、前記制御部は、前記第2の部品切れ判定処理において、前記イメージセンサからの出力である前記供給部の画像情報に基づいて、部品切れが発生したかを判定してもよい。
【0014】
この実装装置では、2回目の部品切れ判定処理である第2の部品切れ判定処理が、供給部の画像情報に基づいて実行される。この場合、典型的には、供給部の画像に電子部品が存在する場合には、部品切れが発生していないと判定され、供給部の画像に電子部品が存在しない場合には、部品切れが発生したと判定される。このように、2回目の部品切れ判定処理において、供給部の画像に基づく部品切れの判定処理が実行されるので、さらに正確に電子部品の部品切れを判定することができる。
【0015】
上記実装装置において、前記第1のセンサは、前記電子部品が前記保持部に保持されたかを検出する保持検出センサであってもよい。
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理において、前記保持検出センサの出力に基づいて、前記電子部品が連続して前記保持部に保持されなかったかを判定し、保持されなかった場合、部品切れが発生したと判定してもよい。
【0016】
上記実装装置は、前記実装装置の異常をオペレータに通知する通知部をさらに具備していてもよい。
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記通知部により前記異常を通知してもよい。
【0017】
この実装装置では、実装装置に異常が発生していると判断された場合に、実装装置の異常が通知される。実装装置から実装装置の異常が通知されるので、オペレータは、電子部品の部品切れでなく、実装装置の異常であることを知ることができる。
【0018】
上記実装装置は、前記実装装置の異常の原因を特定するための異常検出センサをさらに具備していてもよい。
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常の原因を特定し、前記通知部により実装装置の異常原因を通知してもよい。
【0019】
これにより、オペレータは、実装装置の異常原因を容易に知ることができる。
【0020】
上記実装装置は、前記実装装置の異常を修復する修復部をさらに具備していてもよい。
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記修復部により前記異常を修復してもよい。
【0021】
この実装装置では、修復部により自動的に実装装置の異常が修復される。
【0022】
上記実装装置が、前記実装装置の異常原因を特定するための異常検出センサをさらに具備している場合、前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常原因を特定し、特定された実装装置の異常を前記修復部により修復してもよい。
【0023】
この実装装置では、実装装置の異常原因が自動的に特定され、自動的に実装装置の異常が修復される。
【0024】
上記実装装置が、前記実装装置の異常原因を特定するための異常検出センサをさらに具備している場合、前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常原因を特定してもよい。
【0025】
この実装装置では、自動的に実装装置の異常原因が特定される。
【0026】
上記実装装置が、前記通知部と、前記修復部とをさらに具備している場合、前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて特定された異常原因が前記修復部により修復可能であるかを判定し、修復可能である場合には、前記修復部により前記実装装置の異常を修復し、修復不能である場合には、前記通知部により前記異常原因を通知してもよい。
【0027】
本技術の一形態に係る部品切れ判定方法は、電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部に前記電子部品を供給する供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサからの出力に基づいて、前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行するステップを含む。
前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記電子部品の部品切れを検出するための前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理が実行される。
【0028】
本技術の一形態に係るプログラムは、実装装置に、電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部に前記電子部品を供給する供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサからの出力に基づいて、前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行するステップを実行させる。
前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記電子部品の部品切れを検出するための前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行するステップを実行させる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本技術によれば、供給部の部品切れを正確に判定することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本技術の一実施形態に係る実装装置を示す正面図である。
【図2】実装装置の平面図である。
【図3】実装装置の実装ヘッドを示す拡大図である。
【図4】実装装置の構成を示すブロック図である。
【図5】吸着ノズルによる電子部品の未吸着エラーが発生したときの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
[実装装置100の構成及び各部の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る実装装置100を示す正面図である。図2は、図1に示す実装装置100の平面図である。図3は、実装装置100の実装ヘッド30を示す拡大図である。
【0032】
これらの図に示すように、実装装置100は、フレーム10と、基板1を搬送するコンベア16と、コンベア16を挟んで両側に設けられ、電子部品2を供給する供給部20とを備える。実装装置100は、供給部20から供給される電子部品2を吸着して、この電子部品2を基板1上に実装する吸着ノズル31を有する実装ヘッド30と、実装ヘッド30を駆動するヘッド駆動機構40とを備える。
【0033】
また、実装装置100は、基板1上に設けられたアライメントマークを上方から撮像したり、供給部20を上方から撮像したりする第1の撮像部51を備える。実装装置100は、電子部品2を保持した状態の吸着ノズル31を側方から撮像する第2の撮像部52と、電子部品2を保持した状態の吸着ノズル31をミラー54を介して下方から撮像する第3の撮像部53とを備える。また、実装装置100は、供給部20とコンベア16との間に配置され、吸着ノズル31を交換するためのノズルチェンジャ61とを備える。
【0034】
図4は、実装装置100の構成を示すブロック図である。
【0035】
図4に示すように、実装装置100は、上記したコンベア16、ヘッド駆動機構40、第1の撮像部51、第2の撮像部52、第3の撮像部53等の他に、制御部5、記憶部6、表示部7、コンプレッサ55、圧力センサ56、ノズル駆動機構46等を備えている。
【0036】
以降では、主に、図1乃至図3を主に参照しつつ、適宜、図4を参照して実装装置100の構成について詳細に説明する。
【0037】
コンベア16は、X軸方向に沿って配設され、実装装置100の上流側に配置された他の装置から受け渡された基板1を所定の位置に搬送する。また、コンベア16は、基板1上に電子部品2が実装された後、その基板1を搬送して、下流側に配置された他の装置に基板1を受け渡す。
【0038】
供給部20は、X軸方向に沿って配列された複数のテープフィーダ21により構成される。テープフィーダ21は、電子部品2を内部に収納するキャリアテープが巻きつけられるリールと、キャリアテープをステップ送りで送り出す送り出し機構23(図4参照)とを含む。キャリアテープ内には、抵抗、コンデンサ、コイル等の電子部品2が種類ごとに収納される。テープフィーダ21の端部の上面には供給窓22が形成され、この供給窓22を介して電子部品2が供給される。
【0039】
フレーム10は、底部に設けられたベース11と、ベース11に固定された複数の支柱12とを有する。
【0040】
ヘッド駆動機構40は、複数の支柱12の上部にX軸方向に沿って架け渡された2本のXビーム41と、2本のXビーム41の間に、Y軸に沿って架け渡されたYビーム42とを含む。なお、図2では、図面を見やすく表示するため、手前側のXビーム41と、Yビーム42とを一点差線で表示している。
【0041】
Yビーム42は、2本のXビーム41の下側において、Xビーム41に対してX軸方向に移動可能に取り付けられている。Xビーム41は、Yビーム42をX軸方向に沿って移動させるためのX軸駆動機構43(図4参照)を内部に有しており、このX軸駆動機構43の駆動により、Yビーム42は、Xビーム41の下側において、X軸方向に沿って移動される。
【0042】
Yビーム42の下側には、実装ヘッド30を保持するキャリッジ35が取り付けられている。キャリッジ35は、Yビーム42に対してY軸方向に移動可能に取り付けられている。Yビーム42は、キャリッジ35をY軸方向に沿って移動させるためのY軸駆動機構44(図4参照)を内部に有しており、このY軸駆動機構44の駆動により、キャリッジ35は、Yビーム42の下側において、Y軸方向に沿って移動される。
【0043】
X軸駆動機構43及びY軸駆動機構44の駆動により、キャリッジ35の下側に設けられた実装ヘッド30(吸着ノズル31)が、X軸及びY軸方向に沿って移動される。X軸駆動機構43及びY軸駆動機構44としては、例えば、ボールネジ駆動機構、ベルト駆動機構、リニアモータ駆動機構等が挙げられる。
【0044】
実装ヘッド30は、キャリッジ35に対して回転可能に取り付けられたターレット32と、ターレット32の周方向に沿って等間隔でターレット32に取り付けられた複数の吸着ノズル31とを有する。
【0045】
ターレット32は、斜め方向の軸を回転の中心軸として回転可能とされている。ターレット32は、ヘッド駆動機構40のターレット回転機構45(図4参照)の駆動により、前記軸を中心軸として回転される。
【0046】
吸着ノズル31は、吸着ノズル31の軸線がターレット32の回転軸に対してそれぞれ傾斜するように、ターレット32に取り付けられている。
【0047】
吸着ノズル31は、それぞれ、ターレット32に対して上記軸線方向に沿って移動可能に支持されている。また、吸着ノズル31は、ターレット32に対して回転可能に支持されている。吸着ノズル31は、ノズル駆動機構46のZ軸駆動機構47(図4参照)の駆動により、所定のタイミングで、軸線方向(上下方向)に沿って移動される。また、吸着ノズル31は、ノズル回転機構48(図4参照)の駆動により所定のタイミングで軸線回りに回転される。
【0048】
複数の吸着ノズル31のうち、最も低い位置に位置する吸着ノズル31(図1〜図3中、最も右側に位置する吸着ノズル31)は、その軸線が垂直方向を向いている。以降では、このように軸線が垂直方向を向く吸着ノズル31の位置を操作位置と呼ぶ。操作位置に位置する吸着ノズル31は、ターレット32の回転により順次切り換えられる。
【0049】
吸着ノズル31は、エアコンプレッサ55(図4参照)に接続されている。吸着ノズル31は、このエアコンプレッサ55の負圧及び正圧の切り換えに応じて、電子部品2を吸着したり、脱離したりすることができる。
【0050】
コンプレッサ55、あるいは、吸着ノズル31とコンプレッサ55との間の空気の流路には、圧力センサ56(図4参照)が設けられる。この圧力センサ56は、コンプレッサ55により吸着ノズル31が正圧とされたときの空気の圧力(ブロー圧)を検出する。
【0051】
キャリッジ35には、基板1上に設けられたアライメントマークを上方から撮像したり、供給部20を上方から撮像したりする第1の撮像部51が設けられている。第1の撮像部51は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ(第2のセンサ)を有している。
【0052】
第1の撮像部51は、キャリッジ35及び実装ヘッド30がX軸及びY軸方向に沿って移動されるときに、キャリッジ35及び実装ヘッド30と一体的に移動する。第1の撮像部51が供給部20を上方から撮像するとき、第1の撮像部51は、供給部20の供給窓の上方に移動されて、供給窓の位置を上方から撮像する。
【0053】
制御部5は、第1の撮像部51(イメージセンサ)によって撮像された供給部20の画像に基づいて、供給部20に実際に電子部品2の部品切れが発生したかを判定する(第2の部品切れ判定処理)。この意味で、第1の撮像部51(イメージセンサ)は、電子部品2の部品切れを検出するためのセンサとしての機能を有している。
【0054】
キャリッジ35には、第2の撮像部52、第3の撮像部53及びミラー54を支持する支持部36が取り付けられている。第2の撮像部52、第3の撮像部53及びミラー54は、キャリッジ35及び実装ヘッド30がX軸及びY軸方向に沿って移動されるときに、キャリッジ35及び実装ヘッド30と一体的に移動する。
【0055】
第2の撮像部52は、複数の吸着ノズル31のうち、最も高い位置に位置する吸着ノズル31(図1〜図3中、最も左側に位置する吸着ノズル31)を側方から撮像することが可能な位置に配置されている。第3の撮像部53は、複数の吸着ノズル31のうち、最も高い位置に位置する吸着ノズル31をミラー54を介して下側から撮像することが可能な位置に配置されている。
【0056】
なお、以降では、複数の吸着ノズル31のうち、第2の撮像部52及び第3の撮像部53によって撮像される位置に位置する吸着ノズル31を撮像位置に位置する吸着ノズル31と呼ぶ。
【0057】
第2の撮像部52及び第3の撮像部53は、例えばCCDセンサ、CMOSセンサ等のイメージセンサ(第1のセンサ)を有している。
【0058】
制御部5は、第2の撮像部52によって撮像された吸着ノズル31の側方からの画像に基づいて、電子部品2の側面が吸着ノズル31に吸着されてしまった不良吸着(立ち吸着と呼ばれる)を判定することができる。また、制御部5は、第3の撮像部53によって撮像された吸着ノズル31の下方からの画像に基づいて、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着位置等を判定することができる。制御部5は、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着位置に基づいて、電子部品2の基板1実装時において、基板1に対して吸着ノズル31の位置を補正する。
【0059】
また、制御部5は、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方によって撮像された画像に基づいて、電子部品2が吸着ノズル31に吸着されているかを判定することができる。すなわち、制御部5は、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方によって撮像された画像に基づいて、吸着ノズル31の未吸着エラーを判定することができる。
【0060】
典型的には、制御部5は、同じテープフィーダ21から供給される電子部品2の未吸着エラーが連続して複数回発生した場合に、そのテープフィーダ21が部品切れであると判定する(第1の部品切れ判定処理)。この意味で、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方は、電子部品2の部品切れを検出するためのセンサとしての機能を有している。
【0061】
供給部20とコンベア16との間に配置されたノズルチェンジャ61は、吸着ノズル31を着脱可能な複数のノズル保持孔62を有している。このノズルチェンジャ61は、例えば、基板1の種類の変更に応じて吸着ノズル31を変更したり、吸着ノズル31の先端が欠けるなどのノズル不良に応じて吸着ノズル31を変更したりするときに使用される。
【0062】
制御部5は、例えば、CPU(Central processing Unit)により構成される。制御部5は、記憶部6に記憶された各種のプログラムに基づき種々の演算を実行し、実装装置100の各部を統括的に制御する。この制御部5の処理については、後に詳述する。
【0063】
記憶部6は、制御部5の制御に必要な各種のプログラムが記憶された不揮発性のメモリと、制御部5の作業領域として用いられる揮発性メモリとを有する。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られてもよい。
【0064】
表示部7は、液晶ディスプレイや、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部7は、制御部5の制御に基づき、実装装置100に異常が発生したことをオペレータに通知したり、異常原因をオペレータに通知したりする。実装装置100の異常とは、例えば、ノズル詰まり等のノズル不良や、吸着ノズル31の上下移動の動作不良、テープフィーダ21の動作不良、テープフィーダ21の位置ずれ等が挙げられる。
【0065】
[動作説明]
次に、本実施形態に係る実装装置100の動作について説明する。まず、実装装置100の基本的な動作について説明する。
【0066】
まず、制御部5は、コンベア16により基板1を搬入して基板1を所定の位置に位置決めする。次に、制御部5は、X軸駆動機構43及びY軸駆動機構44を駆動させて、第1の撮像部51を基板1上のアライメントマーク上に位置させる。そして、制御部5は、第1の撮像部51により基板1上に設けられたアライメントマークを撮像する。アライメントマークは、基板1上に複数箇所設けられているので、制御部5は、各アライメントマーク上に第1の撮像部51を移動させて、第1の撮像部51によりアライメントマークをそれぞれ撮像する。これにより、制御部5は、基板1の位置を認識することができる。
【0067】
次に、制御部5は、X軸駆動機構43及びY軸駆動機構44を駆動させて、操作位置に位置する吸着ノズル31を、テープフィーダ21の供給窓22の位置に移動せる。
【0068】
次に、制御部5は、Z軸駆動機構47を駆動させて、操作位置に位置する吸着ノズル31を下方に移動させ、エアコンプレッサ55により吸着ノズル31を負圧に切り換える。これにより、吸着ノズル31の先端部に電子部品2が吸着される。吸着ノズル31に電子部品2が吸着されると、制御部5は、Z軸駆動機構47により吸着ノズル31を上方に移動させる。
【0069】
次に、制御部5は、ターレット回転機構45を駆動させて、ターレット32を回転させ、操作位置に位置する吸着ノズル31を切り換える。操作位置に位置する吸着ノズル31が切り換えられると、制御部5は、Z軸駆動機構47を駆動させて、吸着ノズル31を下方へ移動させ、その吸着ノズル31の先端に電子部品2を吸着させる。このようにして、複数の吸着ノズル31に対してそれぞれ電子部品2が吸着される。
【0070】
ターレット32の回転により撮像位置(図1〜3中、最も左側の位置)に移動した、電子部品2を保持した吸着ノズル31は、第2の撮像部52及び第3の撮像部53により撮像される。撮像位置に位置する吸着ノズル31は、ターレット32の回転により順次切り換えられる。
【0071】
制御部5は、第2の撮像部52から吸着ノズル31の側方からの画像を取得すると、その画像に基づいて、電子部品2の側面が吸着ノズル31によって吸着されていないかを判定する。すなわち、制御部5は、立ち吸着が生じていないかを判定する。立ち吸着が生じている場合、その電子部品2は、ダストボックス(図示せず)に捨てられる。
【0072】
制御部5は、第3の撮像部53から吸着ノズル31の下方からの画像を取得すると、その画像に基づいて、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着位置等を判定する。
【0073】
また、制御部5は、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方から取得された画像情報に基づいて、電子部品2が吸着ノズル31に吸着されているかを判定する。すなわち、制御部5は、吸着ノズル31の未吸着エラーが発生したかを判定する。未吸着エラーが発生したときの処理については、後述する。
【0074】
吸着ノズル31に対して電子部品2が吸着されると、制御部5は、X軸駆動機構43及びY軸駆動機構44を駆動させ、実装ヘッド30(吸着ノズル31)を基板1上に移動させる。そして、制御部5は、操作位置に位置する吸着ノズル31の位置と、電子部品2が実装される基板1の位置とを位置合わせする。この位置合わせのとき、制御部5は、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着位置に基づいて、吸着ノズル31の位置を補正する。
【0075】
吸着ノズル31の位置と、基板1の位置とが位置合わせされると、制御部5は、吸着ノズル31を下方に移動させる。そして、制御部5は、エアコンプレッサ55により吸着ノズル31を負圧から正圧に切り換える。これにより、吸着ノズル31から電子部品2が離脱され、基板1上に電子部品2が実装される。
【0076】
次に、制御部5は、ターレット32を回転させて、操作位置に位置する吸着ノズル31を切り換える。そして、制御部5は、新たに操作位置に位置した吸着ノズル31の位置と、基板1上の位置とを位置合わせする。そして、操作位置に位置する吸着ノズル31が下方へ移動され、その吸着ノズル31の先端に吸着された電子部品2が基板1上に実装される。
【0077】
吸着ノズル31により吸着された全ての電子部品2が実装基板1上に実装されると、再び、実装ヘッド30が実装基板1上から供給部20上へ移動される。電子部品2の実装が終了すると、コンベア16により基板1が排出される。
【0078】
次に、吸着ノズル31による電子部品2の未吸着エラーが発生した場合の動作について説明する。図5は、吸着ノズル31による電子部品2の未吸着エラーが発生したときの動作を示すフローチャートである。
【0079】
まず、制御部5は、第2の撮像部52により撮像された吸着ノズル31の側方からの画像と、第3の撮像部53により撮像された吸着ノズル31の下方からの画像とのうち少なくとも一方の画像に基づいて、吸着ノズル31の未吸着エラーが発生したかを判定する(ステップ1)。吸着ノズル31に電子部品2が吸着されている場合(ステップ1のNO)、制御部5は、ステップ1へ戻り、再び、吸着ノズル31による電子部品2の未吸着エラーが発生したかを判定する。
【0080】
吸着ノズル31による電子部品2の未吸着エラーが発生した場合(ステップ1のYES)、制御部5は、連続未吸着エラー数が規定数以上であるかを判定する(ステップ2)。この連続未吸着エラー数は、同じテープフィーダ21で連続して未吸着エラーが発生した場合に、カウントされる。ステップ1、2では、制御部5は、同じテープフィーダ21で連続して吸着ノズル31による電子部品2の未吸着エラーが発生したかを判定することで、テープフィーダ21に部品切れが発生したかを判定している(第1の部品切れ判定処理)。
【0081】
上記規定数は、テープフィーダ21での部品切れの判定の基準となる数である。この規定数は、例えば、4回〜5回程度とされるが、これに限定されない。この規定数は、電子部品2毎に異なっていてもよい。例えば、未吸着エラーが発生し易い電子部品2は、未吸着エラーが発生しにくい電子部品2に比べて、規定数が大きくされる。
【0082】
連続未吸着エラー数が規定数未満の場合(ステップ2のNO)、制御部5は、ステップ1へ戻って、再び、未吸着エラーが発生したかを判定する。
【0083】
一方、連続未吸着エラー数が規定数以上である場合(ステップ2のYES)、制御部5は、X軸駆動機構43及びY軸駆動機構を制御して、第1の撮像部51を連続未吸着エラー数が規定数を超えたテープフィーダ21の供給窓の上方に移動させる。そして、制御部5は、第1の撮像部51によりテープフィーダ21の上方から少なくともテープフィーダ21の供給窓を含む領域を撮像する(ステップ3)。
【0084】
第1の撮像部51は、供給窓の領域だけでなく、送り出し機構23により次に(あるいは、さらに次に)送り出される予定のキャリアテープ内の電子部品2を撮像可能なように構成されていてもよい。これにより、制御部5は、連続未吸着エラーが発生したテープフィーダ21に電子部品2が残っているかをさらに正確に判断することができる。
【0085】
制御部5は、第1の撮像部51によりテープフィーダ21を撮像すると、画像処理によりそのテープフィーダ21内に電子部品2が存在するかを判定する(ステップ4)。制御部5は、テープフィーダ21内に電子部品2が存在するかを判定することで、部品切れが実際に生じているかを判定している(第2の部品切れ判定処理)。
【0086】
本実施形態では、このように、部品切れ判定処理が2回実行されるので、正確に供給部20の部品切れ判定を行なうことができる。これにより、テープフィーダ21に実際には電子部品2が残っているのにもかかわらず、そのテープフィーダ21を新しいテープフィーダ21と交換してしまったり、部品切れにより実装装置100の稼動が停止してしまったりすることを防止することができる。
【0087】
さらに、本実施形態では、2回目の部品切れ判定処理が供給部20を実際に撮像した画像に基づいて実行されるので、部品切れ判定処理がさらに正確になる。
【0088】
テープフィーダ21内に電子部品2が存在しない場合(ステップ4のNO)、制御部5は、部品切れ処理を実行する(ステップ12)。部品切れ処理としては、例えば、表示部7により部品切れをオペレータに通知する処理や、実装装置100の稼動を停止させる処理などが挙げられる。
【0089】
また、部品切れが発生した電子部品2と同じ種類の電子部品2が収納されているテープフィーダ21が存在する場合には、制御部5は、部品切れ処理として、その同じ種類の電子部品2が収納されているテープフィーダ21から電子部品2を供給する処理を実行してもよい。あるいは、部品切れが発生した電子部品2と同じ種類の電子部品2が収納されているテープフィーダ21が存在しない場合、制御部5は、他の実装装置100にその電子部品2の実装を担当させる処理を実行してもよい。
【0090】
ステップ4において、テープフィーダ21の画像内に電子部品2が存在すると判定された場合(ステップ4のYES)、制御部5は、次のステップ5へ進む。
【0091】
ここで、連続未吸着エラーに基づく部品切れの判定処理で部品切れが発生していると判定され(ステップ2のYES)、かつ、テープフィーダ21の画像に基づく部品切れ判定で部品切れが発生していないと判定された場合(ステップ4のYES)について説明する。このような場合とは、つまり、同じテープフィーダ21で吸着ノズル31による電子部品2の未吸着エラーが連続して発生していて、かつ、実際にはそのテープフィーダ21に電子部品2が残っている場合である。
【0092】
このような場合には、例えば、ノズル詰まり等のノズル不良や、吸着ノズル31の上下移動の動作不良、テープフィーダ21の動作不良、テープフィーダ21の位置ずれに基づく電子部品2の吸着位置ずれなどの実装装置100の異常が発生していると推定される。この実装装置100では、この関係が利用される。つまり、連続未吸着エラーに基づく部品切れの判定処理で部品切れであると判定され、かつ、テープフィーダ21の画像に基づく部品切れ判定で部品切れでないと判定された場合、制御部5は実装装置100のどこかに異常が発生していると認識することができる。
【0093】
ステップ5では、制御部5は、異常判定処理(実装装置100に異常が生じているかを判定する処理)を実行する。制御部5は、異常判定処理として、例えば、以下の5つの処理を実行する。
【0094】
(1)制御部5は、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方の撮像部(異常検出センサ)により、撮像位置に位置する吸着ノズル31の先端部を撮像する。この場合、制御部5は、典型的には、複数の吸着ノズル31のうち未吸着エラーが発生した吸着ノズル31を撮像位置に位置させて、その吸着ノズル31の先端部を撮像部により撮像する。そして、制御部5は、撮像された吸着ノズル31の先端部の画像に基づいて、ノズルの先端部が欠けていないかを判定する。
【0095】
(2)制御部5は、撮像位置に位置する吸着ノズル31を上下方向に移動させ、吸着ノズル31が上下方向に移動したときの様子を第2の撮像部52(異常検出センサ)により撮像する。この場合、制御部5は、典型的には、複数の吸着ノズル31のうち未吸着エラーが発生した吸着ノズル31を撮像位置に位置させて、その吸着ノズル31の上下移動の様子を第2の撮像部52により撮像する。制御部5は、第2の撮像部52により撮像された画像に基づいて、吸着ノズル31が上下方向に正常に移動しているかを判定する。
【0096】
(3)制御部5は、コンプレッサ55により未吸着エラーが発生した吸着ノズル31の圧力を正圧として、そのときのブロー圧力を圧力センサ56(異常検出センサ)により測定する。制御部5は、圧力センサ56によって測定されたブロー圧力が正常値であるかを判定することで、吸着ノズル31にノズル詰まりが生じていないかを判定する。
【0097】
(4)制御部5は、第1の撮像部51により撮像されたテープフィーダ21の画像(ステップ3で既に取得済み)に基づいて、テープフィーダ21が正規の位置からずれていないかを判定することで、電子部品2の吸着位置がずれていないかを判定する。
【0098】
(5)制御部5は、テープフィーダ21の送り出し機構23により電子部品2をステップ送りで送り出す。そして、制御部5は、電子部品2を送り出す前後のテープフィーダ21を第1の撮像部51により撮像する。制御部5は、電子部品2を送り出す前後のテープフィーダ21の画像を比較することによって、電子部品2がテープフィーダ21から正確に供給されているかを判定する。
【0099】
ここでの例では、(1)〜(5)までの全ての異常判定処理が実行される場合について説明するが、これらのうち、少なくとも1つが実行されてもよい。あるいは、(1)から(5)のうち、例えば、実装装置100の構造上、異常が生じ易いものが優先的に選択されてもよい。
【0100】
制御部5は、異常判定処理を実行すると、異常判定処理により特定された異常原因が実装装置100により修復可能な異常かを判定する(ステップ6)。実装装置100の異常原因が実装装置100により修復可能であるか否かは、あらかじめ記憶部6に記憶されている。
【0101】
例えば、実装装置100の異常原因が、(1)のノズルの先端部欠けであったり、(3)のノズル詰まりであったり、(4)の電子部品2の吸着位置ずれであったりする場合、制御部5は、修復可能な異常であると判定する(ステップ6のYES)。一方、実装装置100の異常原因が、(2)の吸着ノズル31の上下方向の動作不良であったり、(5)のテープフィーダ21の動作不良である場合、制御部5は、修復可能な異常ではないと判定する(ステップ6のNO)。
【0102】
実装装置100により修復可能な異常ではない場合(ステップ6のNO)、制御部5は、異常原因(例えば、(2)の吸着ノズル31の上下方向の動作不良、(5)のテープフィーダ21の動作不良)を表示部7に表示する(ステップ11)。これにより異常原因がオペレータに通知される。このとき、制御部5は、実装装置100の稼動を停止させる。異常原因を通知する方法としては、表示部7に異常原因を表示させる方法の他に、音声により異常原因をオペレータに通知する方法が挙げられる。
【0103】
本実施形態では、このように、実装装置100から実装装置100の異常原因が何なのかがオペレータに通知されるので、オペレータは、容易に異常原因を知ることができる。これにより、修復の対応が容易になる。なお、必ずしも異常原因が何であるかを通知する必要はなく、例えば、単純にブザーなどにより異常が生じたことを通知する方法が用いられても構わない。
【0104】
ステップ6において、異常原因が実装装置100により修復可能な異常原因であると判定された場合(例えば、(1)のノズルの先端部欠け、(3)のノズル詰まり(4)の電子部品2の吸着位置ずれ)(ステップ6のYES)、制御部5は、次のステップ7へ進む。ステップ7では、制御部5は、実装装置100の異常を修復する処理を実行する。
【0105】
例えば、異常原因が(1)のノズル先端部欠けである場合、制御部5は、実装ヘッド30を移動させて、実装ヘッド30をノズルチェンジャ61(修復部)の上方に位置させる。そして、制御部5は、ノズル先端が欠けている吸着ノズル31を操作位置に位置させて、その吸着ノズル31を下方に移動させ、ノズルチェンジャ61のノズル保持孔62に挿入する。そして、制御部5は、吸着ノズル31を回転させてその吸着ノズル31をターレット32から取り外す。そして、制御部5は、新たな吸着ノズル31が用意されているノズル保持孔62の位置で新たな吸着ノズル31をターレット32に取り付ける。これにより、ノズル先端部の欠けが自動的に修復される。
【0106】
また、例えば、異常原因が(3)のノズル詰まりである場合、制御部5は、コンプレッサ55(修復部)によりノズル詰まりが発生した吸着ノズル31のブロー圧を大きくする。これにより、吸着ノズル31に詰まっている異物が取り除かれ、ノズル詰まりが自動的に修復される。
【0107】
また、例えば、異常原因が(4)の電子部品2の吸着位置ずれである場合、制御部5(修復部)は、第1の撮像部51により撮像された画像に基づいて、吸着ノズル31の吸着位置に対する電子部品2の位置ずれ量を判定する。そして、制御部5は、判定された電子部品2の位置ずれ量に基づいて、吸着ノズル31の吸着位置を補正する。これにより、電子部品2の吸着位置ずれが自動的に修正される。
【0108】
このように、本実施形態では、実装装置100に異常が生じた場合に、自動的に異常原因が特定され、実装装置100により自動的に異常が修復される。これにより、実装装置100に異常が生じた場合に、オペレータが異常原因を特定して、その異常を修復する煩わしさを解消することができる。
【0109】
異常修復処理が実行されると、次に、制御部5は、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着状態を確認する(ステップ8)。
【0110】
例えば、異常原因が(1)のノズル先端部欠けである場合、制御部5は、新たにターレット32に取り付けられた吸着ノズル31を操作位置に位置させて、その吸着ノズル31により電子部品2を吸着する。そして、制御部5は、電子部品2を吸着した吸着ノズル31を撮像位置に位置させて、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方により撮像する。制御部5は、撮像部により撮像された吸着ノズル31の画像に基づいて、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着状態を確認する。
【0111】
例えば、異常原因が(3)のノズル詰まりである場合、ノズル詰まりが発生した吸着ノズル31を操作位置に位置させて、その吸着ノズル31により電子部品2を吸着する。そして、制御部5は、電子部品2を吸着した吸着ノズル31を撮像位置に位置させて、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方により撮像し、撮像された吸着ノズル31の画像に基づいて、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着状態を確認する。
【0112】
例えば、異常原因が(4)の電子部品2の吸着位置ずれである場合、吸着ノズル31の吸着位置を補正した上で、吸着ノズル31により電子部品2を吸着する。そして、制御部5は、電子部品2を吸着した吸着ノズル31を撮像位置に位置させて、第2の撮像部52及び第3の撮像部53のうち少なくとも一方により撮像し、撮像された吸着ノズル31の画像に基づいて、吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着状態を確認する。
【0113】
吸着ノズル31に対する電子部品2の吸着状態を確認すると、次に、制御部5は、吸着ノズル31に正常に電子部品2が吸着されたかを判定する(ステップ9)。
【0114】
吸着ノズル31に対して電子部品2が正常に吸着されている場合(ステップ9のYES)、制御部5は、ステップ1へ戻る。一方、吸着ノズル31に対して電子部品2が正常に吸着されていない場合(ステップ9のNO)、制御部5は、異常原因を通知する。すなわち、実装装置100の異常の修復処理によっても、吸着ノズル31に対して電子部品2が正常に吸着されていない場合、制御部5は、その異常原因を通知する。
【0115】
この場合、制御部5は、異常原因(例えば、(1)のノズル先端部欠け、(3)のノズル詰まり、(4)の電子部品2の吸着位置ずれ)を表示部7に表示する(ステップ11)。これにより異常原因がオペレータに通知される。このとき、制御部5は、実装装置100の稼動を停止させる。異常原因を通知する方法としては、表示部7に異常原因を表示させる方法の他に、音声により異常原因をオペレータに通知する方法が挙げられる。
【0116】
本実施形態では、このように、実装装置100から実装装置100の異常原因が何なのかがオペレータに通知されるので、オペレータは、容易に異常原因を知ることができる。これにより、修復の対応が容易になる。なお、必ずしも異常原因が何であるかを通知する必要はなく、例えば、単純にブザーなどにより異常が生じたことを通知する方法が用いられても構わない。
【0117】
図5の説明では、異常判定処理により特定された異常原因が実装装置100により修復可能な異常かが判定され(ステップ6)、修復可能である場合には自動的に異常が修復される場合について説明した(ステップ7)。しかし、自動修復処理は、必ずしも実行されなくてもよい。この場合、異常原因が実装装置100により修復可能な異常かは判定されず(ステップ6参照)、異常判定処理(ステップ5参照)により特定された異常原因((1)〜(5)のいずれか)が表示部7に表示される(ステップ11参照)。あるいは、異常原因が音声部から通知される。
【0118】
ステップ3、4において、テープフィーダ21が撮像されて電子部品2が存在するかが判定されるとき、制御部5は、送り出し機構23により電子部品2を複数回送り出して、電子部品2が送り出される度にテープフィーダ21を撮像してもよい。これにより、部品切れ判定処理(第2の部品切れ判定処理)の精度を向上させることができる。
【0119】
ステップ4で電子部品2が存在すると判定された場合、再度、吸着ノズル31による電子部品2の吸着動作が実行されてもよい。そして、再度、吸着ノズル31によって電子部品2を吸着しようとしてもなお吸着ノズル31で電子部品2を吸着することができなかった場合に、異常判定処理が実行されてもよい。
【0120】
図5の説明では、複数のテープフィーダ21のうち、1つでも連続未吸着エラー数が規定数を超えた場合に、ステップ3以降の処理が実行される場合について説明した。一方、連続未吸着エラー数が規定数を超えたテープフィーダ21の数が所定数を超えた場合に、連続未吸着エラー数が規定数を超えたテープフィーダ21についてまとめてステップ3以降の処理が実行されてもよい。
【0121】
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1)電子部品を供給する供給部と、
前記供給部から供給される電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部と、
前記供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサ及び第2のセンサと、
前記第1のセンサからの出力に基づいて前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行し、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行する制御部と
を具備する実装装置。
(2) 上記(1)に記載の実装装置であって、
前記第2のセンサは、供給部を撮像するイメージセンサであり、
前記制御部は、前記第2の部品切れ判定処理において、前記イメージセンサからの出力である前記供給部の画像情報に基づいて、部品切れが発生したかを判定する
実装装置。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の実装装置であって、
前記第1のセンサは、前記電子部品が前記保持部に保持されたかを検出する保持検出センサであり、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理において、保持検出センサの出力に基づいて、前記電子部品が連続して保持部に保持されなかったかを判定し、保持されなかった場合、部品切れが発生したと判定する
実装装置。
(4) 上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常をオペレータに通知する通知部をさらに具備し、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記通知部により前記異常を通知する
(5) 上記(4)に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常の原因を特定するための異常検出センサをさらに具備し、
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常の原因を特定し、前記通知部により実装装置の異常原因を通知する
実装装置。
(6) 上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常を修復する修復部をさらに具備し、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記修復部により前記異常を修復する
実装装置。
(7) 上記(6)に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常原因を特定するための異常検出センサをさらに具備し、
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常原因を特定し、特定された前記実装装置の異常を前記修復部により修復する
実装装置。
(8) 上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常原因を特定するための異常検出センサをさらに具備し、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常原因を特定する
実装装置。
(9) 上記(8)に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常をオペレータに通知する通知部と、
前記実装装置の異常を修復する修復部と
をさらに具備し、
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて特定された異常原因が前記修復部により修復可能であるかを判定し、修復可能である場合には、前記修復部により前記実装装置の異常を修復し、修復不能である場合には、前記通知部により前記異常原因を通知する
実装装置。
(10)電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部に前記電子部品を供給する供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサからの出力に基づいて、前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行し、
前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記電子部品の部品切れを検出するための前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行する
部品切れ判定方法。
(11)実装装置に、
電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部に前記電子部品を供給する供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサからの出力に基づいて、前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行するステップと、
前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記電子部品の部品切れを検出するための前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行するステップと
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0122】
1…基板
2…電子部品
5…制御部
6…記憶部
7…表示部
16…コンベア
20…供給部
21…テープフィーダ
22…供給窓
30…実装ヘッド
31…吸着ノズル
32…ターレット
51…第1の撮像部
52…第2の撮像部
53…第3の撮像部
54…ミラー
55…コンプレッサ
61…ノズルチェンジャ
62…ノズル保持孔
100…実装装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を供給する供給部と、
前記供給部から供給される電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部と、
前記供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサ及び第2のセンサと、
前記第1のセンサからの出力に基づいて前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行し、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行する制御部と
を具備する実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の実装装置であって、
前記第2のセンサは、供給部を撮像するイメージセンサであり、
前記制御部は、前記第2の部品切れ判定処理において、前記イメージセンサからの出力である前記供給部の画像情報に基づいて、部品切れが発生したかを判定する
実装装置。
【請求項3】
請求項1に記載の実装装置であって、
前記第1のセンサは、前記電子部品が前記保持部に保持されたかを検出する保持検出センサであり、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理において、保持検出センサの出力に基づいて、前記電子部品が連続して保持部に保持されなかったかを判定し、保持されなかった場合、部品切れが発生したと判定する
実装装置。
【請求項4】
請求項1に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常をオペレータに通知する通知部をさらに具備し、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記通知部により前記異常を通知する
実装装置。
【請求項5】
請求項4に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常の原因を特定するための異常検出センサをさらに具備し、
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常の原因を特定し、前記通知部により実装装置の異常原因を通知する
実装装置。
【請求項6】
請求項1に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常を修復する修復部をさらに具備し、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記修復部により前記異常を修復する
実装装置。
【請求項7】
請求項6に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常原因を特定するための異常検出センサをさらに具備し、
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常原因を特定し、特定された前記実装装置の異常を前記修復部により修復する
実装装置。
【請求項8】
請求項1に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常原因を特定するための異常検出センサをさらに具備し、
前記制御部は、前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定され、前記第2の部品切れ判定処理で部品切れが発生していないと判定された場合、前記実装装置に異常があると判断して、前記異常検出センサからの出力に基づいて、前記実装装置の異常原因を特定する
実装装置。
【請求項9】
請求項8に記載の実装装置であって、
前記実装装置の異常をオペレータに通知する通知部と、
前記実装装置の異常を修復する修復部と
をさらに具備し、
前記制御部は、前記異常検出センサからの出力に基づいて特定された異常原因が前記修復部により修復可能であるかを判定し、修復可能である場合には、前記修復部により前記実装装置の異常を修復し、修復不能である場合には、前記通知部により前記異常原因を通知する
実装装置。
【請求項10】
電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部に前記電子部品を供給する供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサからの出力に基づいて、前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行し、
前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記電子部品の部品切れを検出するための前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行する
部品切れ判定方法。
【請求項11】
実装装置に、
電子部品を保持して前記電子部品を基板上に実装する保持部に前記電子部品を供給する供給部から供給される前記電子部品の部品切れを検出するための第1のセンサからの出力に基づいて、前記電子部品の部品切れが発生したかを判定する第1の部品切れ判定処理を実行するステップと、
前記第1の部品切れ判定処理で部品切れが発生したと判定された場合に、前記電子部品の部品切れを検出するための前記第2のセンサからの出力に基づいて前記部品切れが発生したかを判定する第2の部品切れ判定処理を実行するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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