説明

家庭用薄葉紙及びその製造方法

【課題】 柔軟で、手触り感がよく、かつ強度の高い家庭用薄葉紙、及びその製造方法を提洪する。
【解決手段】 構成パルプが針葉樹パルプ30〜70質量%と広葉樹パルプ材70〜30質量%とよりなり、該針葉樹パルプが、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹パルプを15質量%〜100質量%、好ましくは30質量%〜100質量%含有する針葉樹化学パルプであることを特徴とする家庭用薄葉紙。該針葉樹パルプはスギ材から製造されているパルプである。スギ材としては、樹齢40年以下のスギ間伐材等が好ましく使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄葉紙及びその製造方法に関する。特に、本発明は、従来パルプ原料として積極的に利用されることが少なかったスギ間伐材等に由来するパルプを原料パルプとして利用して製造されている手触り感のよい家庭用薄葉紙及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧用ティシュペーパー、トイレットペーパー、紙タオル等のいわゆる家庭用薄葉紙は、柔らかく、手触りが良く、強度も強く、伸縮性もあり、しかも吸収性に優れていることが望まれる。
従来から、家庭用薄葉紙用パルプとしては、広葉樹材、針葉樹材から得られる化学パルプ、新聞古紙、上質古紙、OA古紙等を脱墨処理して得られる脱墨古紙パルプ(DIP)が使用されており、化学パルプはスラリー状態のままで用いられる場合(スラッシュパルプ)とスラッシュパルプを一度脱水、乾燥させてドライパルプとし、このパルプを再度離解して使用する場合とがあり、これらのパルプはそれぞれ未漂白あるいは漂白パルプの状態で、また、未叩解あるいは叩解の状態で品質設計に応じて単独で、或いは混合されて使用されてきた。
【0003】
家庭用薄葉紙に用いられる前記パルプのうち、ドライパルプとDIPは、パルプ繊維が熱と機械的な圧縮作用を受けているためにパルプ繊維が収縮、カール、キンキング(kinking;繊維曲率半径の突然の変化)等の形状変化を受けており、しかも角質化を起こしていることから、これらのパルプを用いた場合には、手触り感が良く、柔らかく感じることはよく知られている(特許文献1)。しかしながら、これらのパルプを用いた場合には、パルプ繊維に角質化が生じていることもあって家庭用薄葉紙の強度が低くなるという問題があった。また、ドライパルプを製造するにはパルプを乾燥させる工程が必要であり、家庭用薄葉紙の製造工程が煩雑となり、かつ、コスト高になること、さらにDIPを使用する場合には、漂白後でもインクが残るなどの品質上の問題があった。
【0004】
一方、スラッシュパルプを使用する場合には、ドライパルプやDIPに較べて強度の点においては優れるが、家庭用薄葉紙の柔らかさや手触り感においては劣るという問題があった。スラッシュパルプを用いた家庭用薄葉紙の柔らかさや手触り感を向上させる方法として、20%以上の高濃度においてパルプに機械的混練を施して圧縮性を付与したり(例えば、特許文献2)、パルプ繊維をふるい分けして特定の繊維粗度を有する広葉樹パルプを用いたり(特許文献3)、あるいは紙用柔軟剤、例えば、脂肪酸エステル系柔軟化剤(特許文献4)、第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤(特許文献5)、ウレタンアルコール、あるいはその塩、又はカチオン化物(特許文献6)、ポリリン酸塩(特許文献7)、ポリシロキサン(特許文献8)等の薬品を添加する方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、前記の各方法では依然として製造工程が煩雑となったり、前記柔軟化剤を添加する場合には、良好な柔軟効果が得られても、抄紙の段階で起泡性が大きいために、抄紙作業そのものに支障をきたす恐れがあり、場合によっては紙力と吸水性の低下を招くという問題があった。
【0006】
また、使用するパルプを酵素処理により改質し、家庭用薄葉紙の手触り感を改善する方法も知られている。例えば、セルロース分解酵素を用いる方法(特許文献9)、キシラン分解酵素を用いる方法(特許文献10)が開示されている。しかしながら、これらの方法を用いても、パルプの繊維形態が劣悪な場合には家庭用薄葉紙の手触り感を改善しきれないことがあった。
【0007】
また、使用するパルプ繊維の形態を限定し、かつ柔軟剤を内添し、さらには抄紙時に分散剤を添加することにより家庭用薄葉紙の手触り感を改善する方法も提案されている(特許文献11)。特許文献11には、針葉樹パルプの重量平均繊維長が2.20〜3.50mmの範囲にあり、繊維粗度が11.0mg/100m〜20.0mg/100mの範囲にあり、300メッシュ以下の微細繊維量が10%以下であり、広葉樹パルプの重量平均繊維長が0.70〜0.90mmの範囲にあり、繊維粗度が7.0〜13.0mg/100mの範囲にあり、300メッシュ以下の微細繊維量が10%以下であるものを使用し、かつ柔軟剤を内添し、さらには、抄紙時に分散剤を添加すれば、柔軟な風合いを有する家庭用薄葉紙が得られると記載されている。
【0008】
以上のように、一般的な針葉樹材であるスプルースやマツ材由来のパルプを使用する従来のティシュペーパーにおいては、柔軟剤等の使用により針葉樹パルプの剛直さを和らげる技術が主体であり、針葉樹パルプの種類等によって異なる特性に着目し、一定の特性、特に繊維壁厚が一定の数値範囲にあるパルプを選択して使用するだけで針葉樹パルプ固有の剛直さを排除する技術はほとんどない。
【特許文献1】特開平5−23262号公報
【特許文献2】特開平5−98597号公報
【特許文献3】特開平6−121753号公報
【特許文献4】特開平2−36288号公報
【特許文献5】特開平2−224626号公報
【特許文献6】特開2006−136351号公報
【特許文献7】特開平5−156596号公報
【特許文献8】特開平7−109693号公報
【特許文献9】特開平5−148794号公報
【特許文献10】特開平8−206030号公報
【特許文献11】特開2006−097191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、柔軟で、手触り感がよく、かつ強度の高い家庭用薄葉紙、及びその製造方法を提洪することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、柔軟で、手触り感がよく、かつ強度の高い家庭用薄葉紙、及びその製造方法について種々検討した結果、できる限り繊維壁が薄い針葉樹パルプを用いれば実現できることを見出した。さらに、このような形態を有する針葉樹材について調査した結果、スギ材から得られるパルプは、繊維壁が薄く家庭用薄葉紙用パルプとして適していることを見出した。
従来、スギは、心材部に着色成分が多く、蒸解性、漂白性が他の針葉樹に比べて劣るため、パルプ原料として用いられることが少なかった。しかし、若年齢のスギ材の心材部は着色成分が少なく、蒸解性や漂白性も他の材に比べて劣ることがないことに加えて、繊維壁も薄いことも判明した。
【0011】
スギ材は、間伐材等として比較的入手が容易であり、昨今では、スギは花粉症の問題等から、花粉の少ない品種への植え替えや、他の樹種への植え替えのために伐採されるものの量も増大しており、材木としての利用価値が低いこのようなスギ材の用途開発が急がれているため、リサイクル可能な紙の原料として利用することは非常に有効である。このように、パルプ原料としてのスギ材は、家庭用薄葉紙用のパルプに求められるソフト感、手触り感、引っ張り強度を合わせ有するパルプの供給源であり、しかも、そのパルプ化も容易であることがわかり、本発明を完成させるに至った。本発明は以下の各発明を包含する。
【0012】
(1)構成パルプが針葉樹パルプ30〜70質量%と広葉樹パルプ材70〜30質量%とよりなり、該針葉樹パルプが、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹パルプを15質量%〜100質量%、好ましくは30質量%〜100質量%含有する針葉樹化学パルプであることを特徴とする家庭用薄葉紙。
【0013】
(2)前記針葉樹化学パルプが漂白化学パルプであることを特徴とする(1)記載の家庭用薄葉紙。
【0014】
(3)前記針葉樹化学パルプが叩解されたパルプであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の家庭用薄葉紙。
【0015】
(4)前記長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹化学パルプがスギ材から製造されているパルプであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の家庭用薄葉紙。
【0016】
(5)前記スギ材から製造されているパルプは、50質量%以上が樹齢40年以下のスギ材から製造されている漂白化学パルプであることを特徴とする(4)記載の家庭用薄葉紙。
【0017】
(6)前記スギ材が、スギ間伐材であることを特徴とする(4)又は(5)に記載の家庭用薄葉紙。
【0018】
(7)前記薄葉紙は、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹パルプを含有する針葉樹漂白化学パルプと広葉樹漂白化学パルプとを含有するパルプスラリーを抄紙してなる薄葉紙であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の家庭用薄葉紙。
【0019】
(8)前記薄葉紙は、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹化学パルプを含有する針葉樹化学パルプ含有スラリーからなる紙層と、前記広葉樹化学パルプ含有スラリーからなる紙層との抄き合わせて製造されている薄葉紙であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の家庭用薄葉紙。
【0020】
(9)前記抄き合わせて製造されている薄葉紙は、前記広葉樹化学パルプ層側をドライヤー面に接して乾燥された後、ドライクレープ加工が施されている薄葉紙であることを特徴とする(8)記載の家庭用薄葉紙。
【0021】
(10)J.TAPPI紙パルプ試験法No.34−2000で測定した薄葉紙の引っ張り強度が、横条件で0.5N〜3.0Nで、ソフトネスが15mN/10cm〜35mN/10cmであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の家庭用薄葉紙。
【0022】
(11)長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmであり、フリーネスが500mlC.S.F.〜700mlC.S.F.である針葉樹化学パルプを含有する針葉樹パルプスラリーと、広葉樹化学パルプを含有するパルプスラリーとを調製し、ツインワイヤータイプの2層抄き合わせ式ヤンキー抄紙機により抄き合わせして針葉樹パルプよりなる紙層と広葉樹パルプよりなる紙層とを積層一体化し、広葉樹パルプからなる紙層をヤンキードライヤーの鏡面に接して乾燥して坪量10.0g/m〜20.0g/mの抄き合わせ薄葉紙を抄造することからなる家庭用薄葉紙の製造方法。
【0023】
(12)前記針葉樹化学パルプは、前記の長さ加重平均繊維長が1.3mm〜2.1mm、繊維幅が25μm〜35μm、繊維壁厚が5.5μm〜7.5μmであるパルプを15質量%〜100質量%、好ましくは30質量%〜100質量%含有することを特徴とする(11)記載の家庭用薄葉紙の製造方法。
【0024】
(13)前記針葉樹化学パルプは、その50質量%以上が樹齢40年以下のスギ材から製造されされているパルプであることを特徴とする(11)又は(12)に記載の家庭用薄葉紙の製造方法。
【0025】
(14)製造される家庭用薄葉紙のJ.TAPPI紙パルプ試験法No.34−80で測定したソフトネスが15mN/10cm〜35mN/10cmであることを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに記載の家庭用薄葉紙の製造方法。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmである針葉樹パルプを針葉樹パルプ材として使用することで、強度があり、柔軟性に富み、かつ針葉樹パルプ材を含有する薄葉紙面の手触り感がよい家庭用薄葉紙が提供される。
上記の繊維特性を有する針葉樹パルプを得る方法としては、一般的な針葉樹パルプから該当する繊維形態のものを分画する方法もあるが、スギ材のように元々繊維形態が上記条件に合致している針葉樹材を原料として使用する方法が簡便であり、特に低樹齢の間伐スギ材を使用すれば、間伐材の有効利用という点からも好ましく、ひいては、間伐促進による森林環境の保全にも同時に寄与することとなるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の家庭用薄葉紙に用いられるパルプとしては、広葉樹材、針葉樹材、さらには非木材型のリグノセルロース材をクラフト蒸解、サルファイト蒸解、サルファイド蒸解、ソーダ蒸解等の蒸解法或いはその蒸解法と蒸解助剤の組み合わせた蒸解法で得られる未漂白化学パルプ、未漂白化学パルプをアルカリ酸素漂白した化学パルプ、さらにはアルカリ酸素漂白した化学パルプを公知の漂白シーケンスにしたがって多段漂白した漂白化学パルプを用いることができる。代表的には、未晒クラフトパルプ(UKP)、アルカリ酸素漂白後クラフトパルプ(OKP)及び晒しクラフトパルプ(BKP)を挙げることができる。
【0028】
一般に、針葉樹パルプは剛直なため、単独で薄葉紙用パルプとして使用すると柔らかさと手触り感の劣る薄葉紙が得られる。一方、広葉樹パルプは、細くしなやかで柔らかさと手触り感のよい薄葉紙となるが、繊維長が短かく引張り強度が不十分な薄葉紙となる。従って、引張り強度を有しながら柔らかさと手触り感のよさを有する薄葉紙とするためには、針葉樹パルプと広葉樹パルプを併用することが好ましく、場合によっては非木材パルプも併用される。
本発明の家庭用薄葉紙の場合は、強度、特に引張り強度と柔軟性を付与するために、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの針葉樹パルプを、全針葉樹パルプ中15〜100質量%、好ましくは30〜100質量%含有する針葉樹パルプを広葉樹パルプと組み合わせて使用する。
【0029】
本発明の家庭用薄葉紙で使用される針葉樹パルプは、長さ加重平均繊維長が1.3mm未満のものであると強度が低いことから好ましくなく、また、2.1mmを超えると手触り感が悪くなるので好ましくない。
また、繊維幅が25μm未満の針葉樹パルプでは強度が低くなるし、35μmを超えると柔らかさが損なわれ、手触り感も悪くなる。
また、針葉樹パルプの繊維壁厚が5.5μm未満では強度が低くなるし、7.5μmを超えると柔らかさが損なわれ、手触り感も悪くなる。
【0030】
前記繊維形態を有する針葉樹パルプを得る方法としては、針葉樹パルプを繊維形態をもとに分画する方法がある。しかし、スギ材のように元々繊維形態が前記条件に合致している針葉樹材を原料として使用するのが合理的でかつ簡便である。スギ材の場合、他の針葉樹材に較べて繊維壁が薄い傾向にあるので好ましい。スギ材は、心材部分に抽出成分が多く含まれており、パルプ化コストが高いという問題があるが、通常入手できる若齢の間伐材は心材部の抽出成分が少ないので、問題はないし、また、パルプの繊維壁が薄いという利点もある。樹齢20〜40年の低樹齢のスギ材は、間伐材として多量に入手可能であるので、間伐スギ材が好適に使用される。
【0031】
スギ材を原料としてクラフト蒸解する場合、クラフト蒸解液の硫化度は5〜75%、好ましくは15〜45%であり、有効アルカリ添加率は絶乾木材重量当り5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%であり、蒸解温度は130〜170℃である。蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッチ蒸解法のどちらでもよく、連続蒸解釜を用いる場合は、蒸解液を多点で添加する修正蒸解法でもよく、その方式は特に問わない。
【0032】
蒸解に際して、使用する蒸解液に蒸解助剤として公知の環状ケト化合物、例えばベンゾキノン、ナフトキノン、アントロン、フェナントロキノン及び前記キノン系化合物のアルキル基、アミノ基等の核置換体、あるいは前記キノン系化合物の還元型であるアントラヒドロキノンのようなヒドロキノン系化合物、さらには、ディールスアルダー法によるアントラキノン合成法の中間体として得られる安定な化合物である9,10−ジケトヒドロアントラセン化合物等から選ばれる1種もしくは2種以上が添加されてもよく、その添加率は木材チップの絶乾質量当り0.001〜1.0質量%である。
【0033】
本発明では、公知の蒸解法により得られた未漂白化学パルプは、洗浄、粗選及び精選工程を経て、公知のアルカリ酸素漂白により脱リグニンされる。本発明で使用されるアルカリ酸素漂白法は、公知の中濃度法あるいは高濃度法がそのまま適用できるが、現在、汎用されているパルプ濃度が8〜15質量%で行われる中濃度法が好ましい。
中濃度法によるアルカリ酸素漂白法において、アルカリとしては苛性ソーダあるいは酸化されたクラフト白液を使用することができ、酸素ガスとしては、深冷分離法からの酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、VSA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用できる。上記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサーにおいて中濃度のパルプスラリーに添加され、混合が十分に行われた後、加圧下でパルプ、酸素及びアルカリの混合物を一定時間保持できる反応塔に送られ、脱リグニンされる。
【0034】
酸素ガスの添加率は、絶乾パルプ質量当り0.5〜3質量%、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、反応温度は80〜120℃、反応時間は15〜100分、パルプ濃度は8〜15質量%であり、このほかの条件は公知の条件が適用できる。本発明では、アルカリ酸素漂白工程において、上記アルカリ酸素漂白を連続して複数回行い、できる限り脱リグニンをすすめるのが好ましい実施形態である。アルカリ酸素漂白が施されたパルプは、次いで洗浄工程に送られる。パルプは洗浄後、多段漂白工程に送られる。
【0035】
本発明の多段漂白工程で使用される漂白薬品としては、二酸化塩素(D)、アルカリ(E)、酸素(O)、過酸化水素(P)、オゾン(Z)、有機過酸等の公知の漂白剤とエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)等のキレート剤を含む漂白助剤を挙げることができる。また、本発明の多段漂白工程で使用される漂白段は、特に限定されるものではないが、初段は二酸化塩素漂白段(D)、あるいはオゾン漂白段(Z)、あるいはオゾン漂白と二酸化塩素漂白を連続して組み合わせた漂白段(Z/D)等が好適に用いられ、二段目にはアルカリ抽出段(E)、あるいは酸素添加アルカリ漂白段(E/O)、あるいは過酸化水素添加アルカリ抽出段(E/P)、あるいは酸素、過酸化水素添加アルカリ抽出段(E/OP)が用いられ、三段目以降には、二酸化塩素、過酸化水素等の組合せが好適に用いられる。本発明の多段漂白工程で使用される各漂白段の漂白薬品の添加率、処理時間、温度、パルプ濃度、pH等の漂白条件は特に限定されるものではなく、公知の条件を適用することができる。
【0036】
漂白パルプは、次いで、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、壁厚が5.5〜7.5μmである針葉樹パルプを主として含むように、必要に応じて叩解される。
漂白パルプの叩解は、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ビーター等で行われる。叩解の度合いは、カナダ標準ロ水度(C.S.F.)で示される値で450ml〜600mlの範囲が好ましい。
【0037】
上記漂白処理された針葉樹漂白化学パルプは、広葉樹漂白化学パルプと組み合わせて家庭用薄葉紙の製造に使用される。前記針葉樹パルプと組み合わせて使用される広葉樹パルプとしては、ユーカリグロブラス、ユーカリグランディス、ユーカリユーロフィラ、ユーカリユーログランディス、ユーカリカマルドレンシス、アカシアマンギューム、アカシアアウリカルフォルミス、アカシアメランシーのように、繊維幅が小さく、かつ繊維壁の薄い材を原料としたものが好適に用いられる。しかしながら、広葉樹パルプだけでは所望の強度を得ることが難しく、無理に強度を得るために強叩解したり、紙力材を過剰に添加すると薄葉紙の柔らかさが損なわれるため、前記長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmである針葉樹パルプのように強度が高く、柔らかさのある針葉樹パルプと組み合わせて使用することが好ましい。
【0038】
針葉樹パルプと広葉樹パルプは、次いで、抄紙機で抄造されて薄葉紙が形成される。抄紙方法としては、針葉樹パルプと広葉樹パルプを混合したパルプスラリーを抄紙して均一な1つの層として抄紙する方法、及び、針葉樹パルプ層と広葉樹パルプ層を抄き合わせて1枚の薄葉紙とする抄紙方法のいずれも適用することができるが、後者の抄紙方法が一般的である。
【0039】
全パルプを混合して均一な1つの層として抄紙する方法の場合の針葉樹パルプと広葉樹パルプの配合割合は、特に限定されるものではなく、一般的には、全パルプ材中、針葉樹パルプ70質量%〜30質量%、広葉樹パルプ30質量%〜70質量%の範囲である。
針葉樹パルプの配合割合が30質量%未満であると引っ張り強度が低くなるし、70質量%を超えて多くなると柔軟さ、手触り感のいずれも劣るものとなるので、いずれの場合も好ましくない。
また、2層抄き合わせ薄葉紙の針葉樹パルプ層と広葉樹パルプ層の質量比は、特に限定されるものではなく、一般的には、針葉樹パルプ層/広葉樹パルプ層=40/60〜60/40の範囲である。
針葉樹パルプの使用割合が上記範囲を逸脱して多くなると、柔軟さが劣ることとなり好ましくないし、上記範囲より少なくなると引っ張り強度が不足して好ましくない。
【0040】
2層を抄き合わせて一枚の薄葉紙とする抄紙方法の場合、ツインワイヤータイプの2層抄きのヤンキー抄紙機により抄紙して広葉樹パルプの層と針葉樹パルプの層を抄き合わせ、広葉樹パルプの層がヤンキードライヤーの鏡面に接するようにして乾燥して1枚のティシュペーパーが製造される。
また、該ティシュペーパー2枚をその針葉樹パルプ層面同士が対面し、両表面側が広葉樹パルプ層となるように重ね合わせて一組のティシュペーパーとすることもでき、このような重ね合わせティシュペーパーが一般的となってきている。
【0041】
本発明において、家庭用薄葉紙の抄紙機としては、円網、短網、ツインワイヤー等のヤンキーマシンが利用できる。ヤンキードライヤー上でウエットクレープ又はドライクレープをつけるか、若しくはウエットクレープをつけ、更にドライクレープをつけることによって家庭用薄葉紙の原紙が得られる。例えば、ボックス入りの化粧用ティシュペーパーの場合、上記したように、抄き合わせティシュペーパーを2枚重ねて上下1対の金属ロールからなるカレンダーで処理してティシュペーパーが製造される。
【0042】
抄き合わせティシュペーパーは、3層以上を積層すると地合いが悪くなって品質が低下する可能性があるので、2層からなるティシュペーパーが現在主流である。ティシュペーパーを2層とし、その1層が広葉樹パルプを含み、該広葉樹パルプを含む層をヤンキードライヤーの鏡面に接して乾燥させ、次いで該ヤンキードライヤーの鏡面に接した広葉樹パルプを含む層が外側に、即ち使用者が手に触れる面が外側になるように2枚の抄き合わせティシュペーパーを配置すると手触り感が一層向上する。
積層ティシュペーパーは、J.TAPPI紙パルプ試験法No.34−80で測定したソフトネスが35mN/10cm以下、好ましくは26mN/10cm以下の数値範囲に調節される。
【実施例】
【0043】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらによって何等限定されるものでない。また、各実施例及び比較例で得られたティシュペーパーについて行なった評価及び評価法は下記の通りである。なお、各実施例及び比較例中、部、%は、特に断らない限り、質量部、質量%を意味する。
【0044】
<繊維形態の測定>
カヤニーファイバーラボ(MestoAutomation社製)を用いて、パルプの繊椎形態(長さ加重平均繊維長、繊維幅、繊維壁厚)を測定した。
【0045】
<引張強度>
JIS P 8113に従い、引張強度を測定した。
【0046】
<ソフトネス>
J.TAPPI 紙パルプ試験法 No.34−2000「紙−柔らかさ試験方法」に従い、測定した。すなわち、ティシュペーパーのシート(200×200mm)を一定の隙間(6.35mm)に押し入れるのに必要な仕事量をHandle−0−Meter(熊谷理機工業社製)により測定し、測定値に0.5を乗じて、g/10cmで表示した。なお、試料片の押し入れは、試料の流れに対し直角(縦方向)に折り曲げて行った。
【0047】
<手触り感>
男性10人、女性10人で官能評価し、次の区分で表示した。
○○○:非常に良い
○○:とても良い
○:良い
△:普通
×:悪い
【0048】
実施例1
原料パルプとしては、市販の未叩解広葉樹晒クラフトパルプ〔セニブラ社製、フリーネス600ml(CSF)〕60部とフリーネス600m1(CSF)まで叩解した自製針葉樹晒クラフトパルプ40部の割合で使用した。自製針葉樹晒クラフトパルプとしては、樹齢40年のスギ間伐材をクラフト蒸解後、アルカリ酸素晒に続き、D−E/0−P−Dの漂白シーケンスで漂白した白色度84.5%のスギパルプを使用した。なお、スギパルプの長さ加重平均繊維長、繊維幅、繊維壁厚は、それぞれ1.49mm、29.6μm、6.2μmであった。各々の原料パルプのスラリーに湿潤紙力増強剤(商品名:アラフィックス255、荒川化学工業製)を絶乾パルプ質量当たり0.1質量%添加し、次いで、得られる製品ティシュペーパーの抽出pHが6.6〜7.4の範囲になるように抄紙系のpHを水酸化ナトリウム溶液で調整した紙料を調製し、ツインワイヤータイプの2層抄き合せ式のヤンキー抄紙機により1700m/分の速度で抄紙して広葉樹晒クラフトパルプの層と針葉樹晒クラフトパルプの層を積層し、広葉樹晒クラフトパルプの層がヤンキードライヤーの鏡面に接するようにして乾燥して、坪量が11.3g/m、広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹晒クラフトパルプの使用比率が絶乾質量で60:40の2層抄き合わせティシュペーパーを抄造した。得られた2層抄き合わせティシュペーパーをクレーピングドクターによりドライヤー面から剥がし、巻き取りリールとに速度差を設けることにより、30%のドライクレープを付与し、次いで、2層抄き合わせティシュペーパーのヤンキードライヤーの鏡面に接した広葉樹晒クラフトパルプ層が外側になるようにして2枚重ね合わせて坪量22.6g/mの化粧用ティシュペーパーを製造した。
使用した針葉樹晒クラフトパルプのうちの、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹晒クラフトパルプの割合、及び製造したティシュペーパーの引っ張り強度、ソフトネスの測定結果及びティシュペーパーの手触り感の官能評価結果を表1に示した。
【0049】
実施例2
実施例1の自製針葉樹晒クラフトパルプの原料をスギ材100%から実施例1のスギ材50%、カラマツ材50%に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量22.6g/mのティシュペーパーを製造した。なお、カラマツパルプの長さ加重平均繊維長、繊維幅、繊維壁厚は、それぞれ2.60mm、36.1μm、9.4μmであった。
使用した針葉樹晒クラフトパルプのうちの、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹晒クラフトパルプの割合、及び製造したティシュペーパーの引っ張り強度、ソフトネスの測定結果及びティシュペーパーの手触り感の官能評価結果を表1に示した。
【0050】
比較例1
実施例1の自社製針葉樹晒クラフトパルプの原料をスギ材100%からカラマツ100%に変更した以外は実施例1と同様にして坪量22.6g/mのティシュペーパーを製造した。
使用した針葉樹晒クラフトパルプの長さ加重平均繊維長、繊維幅、繊維壁厚及び製造したティシュペーパーの引っ張り強度、ソフトネスの測定結果、手触り感の官能評価結果を表1に示した。
【0051】
実施例3
原料パルプとしては、市販の未叩解広葉樹晒クラフトパルプ〔セニブラ社製、フリーネス600ml(CSF)〕60部とフリーネス600m1(CSF)まで叩解した自製針葉樹晒クラフトパルプ40部の割合で使用した。自製針葉樹晒クラフトパルプとしては、樹齢35年のスギ間伐材をクラフト蒸解後、アルカリ酸素晒に続き、D−E/0−P−Dの漂白シーケンスで漂白した白色度84.5%のスギパルプを使用した。各々の原料パルプのスラリーに湿潤紙力増強剤(商品名:アラフィックス255、荒川化学工業製)を絶乾パルプ質量当たり0.1質量%添加し、次いで、得られる製品ティシュペーパーの抽出pHが6.6〜7.4の範囲になるように抄紙系のpHを水酸化ナトリウム溶液で調整したパルプスラリーを調製し、ツインワイヤータイプの2層抄き合せ式のヤンキー抄紙機により1700m/分の速度で抄紙して広葉樹晒クラフトパルプの層と針葉樹晒クラフトパルプの層を積層し、広葉樹晒クラフトパルプの層がヤンキードライヤーの鏡面に接するようにして乾燥して、坪量が22.6g/m、広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹晒クラフトパルプの使用比率が絶乾質量で60:40の2層抄き合わせティシュペーパーを抄造した。得られた2層抄き合わせティシュペーパーをクレーピングドクターによりドライヤー面から剥がし、巻き取りリールとに速度差を設けることにより、30%のドライクレープを付与して化粧用ティシュペーパーを製造した。
使用した針葉樹晒クラフトパルプのうちの、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹晒クラフトパルプの割合、及び製造したティシュペーパーの引っ張り強度、ソフトネスの測定結果及びティシュペーパーの手触り感の官能評価結果を表1に示した。
【0052】
比較例2
実施例3の自社製針葉樹晒クラフトパルプの原料をスギ材100%からカラマツ100%に変更した以外は実施例3と同様にして坪量22.6g/mのティシュペーパーを製造した。
使用した針葉樹晒クラフトパルプのうちの、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹晒クラフトパルプの割合、及び製造したティシュペーパーの引っ張り強度、ソフトネスの測定結果、手触り感の官能評価結果を表1に示した。
【0053】
【表1】

【0054】
表1から明らかなように、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmである針葉樹パルプを使用することにより、引っ張り強度が高く、柔軟性に富み、手触り感のよい家庭用薄葉紙が得られることが分かる。特に、上記パルプ特性を備えたスギ材由来の針葉樹パルプを多用することが好ましいことも分かる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmである針葉樹パルプ、特にスギ材由来のパルプを配合することにより、強度が高く、柔軟性に富み、手触り感のよい家庭用薄葉紙を提供することができる。
また、上記特性を備えた針葉樹パルプ原料としてスギ材、特に若樹齢のスギ材が好適であることから、建材等に直接利用することが困難なスギ間伐材の有効利用を図ることができると共に、昨今、スギ花粉症の問題から、花粉の少ない品種への植え替えや、他の樹種への植え替えのために樹齢に拘わらず伐採されている、スギ材をリサイクル可能な紙の原料として利用することで森林環境の保全をも同時に達成することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成パルプ材が針葉樹パルプ材30〜70質量%と広葉樹パルプ材70〜30質量%とよりなり、該針葉樹パルプ材が、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹パルプを15質量%〜100質量%含有する針葉樹化学パルプであることを特徴とする家庭用薄葉紙。
【請求項2】
前記長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹パルプがスギ材から製造されている針葉樹漂白化学パルプであることを特徴とする請求項1記載の家庭用薄葉紙。
【請求項3】
前記スギ材から製造されている針葉樹漂白化学パルプは、50質量%以上が樹齢40年以下のスギ材から製造されているパルプであることを特徴とする請求項2に記載の家庭用薄葉紙。
【請求項4】
前記樹齢40年以下のスギ材が、スギ間伐材であることを特徴とする請求項2又は3記載の家庭用薄葉紙。
【請求項5】
前記薄葉紙は、長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmの条件を満たす針葉樹パルプをパルプ材として含有する紙料から抄紙される紙層と、前記広葉樹パルプをパルプ材として含有する紙料から調製される紙層との抄き合わせ薄葉紙であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の家庭用薄葉紙。
【請求項6】
前記抄き合わせ薄葉紙は、前記広葉樹パルプ層側をドライヤー面に接して乾燥されている抄き合わせ薄葉紙にドライクレープ加工が施されている薄葉紙であることを特徴とする請求項5に記載の家庭用薄葉紙。
【請求項7】
J.TAPPI紙パルプ試験法No.34−80で測定した薄葉紙の引っ張り強度が横条件で0.5N〜3.0Nで、ソフトネスが15mN/10cm〜35mN/10cmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の家庭用薄葉紙。
【請求項8】
長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmであり、フリーネスが500mlC.S.F.〜700mlC.S.F.である針葉樹化学パルプをパルプ材として含有する針葉樹パルプスラリーと、広葉樹化学パルプをパルプ材として含有するパルプスラリーとを調製し、ツインワイヤータイプの2層抄き合わせ式ヤンキー抄紙機により抄き合わせして針葉樹パルプ層と広葉樹パルプ層とを積層一体化し、広葉樹パルプ層をヤンキードライヤーの鏡面に接して乾燥して坪量10.0g/m〜20.0g/mの抄き合わせ薄葉紙を抄造することからなる家庭用薄葉紙の製造方法。
【請求項9】
前記針葉樹パルプスラリーは、全針葉樹パルプ中、前記の長さ加重平均繊維長が1.3〜2.1mm、繊維幅が25〜35μm、繊維壁厚が5.5〜7.5μmである針葉樹化学パルプを15〜100質量%含有することを特徴とする請求項8に記載の家庭用薄葉紙の製造方法。
【請求項10】
前記針葉樹化学パルプは、その50質量%以上が樹齢40年以下のスギ材から製造されているパルプであることを特徴とする請求項8又は9に記載の家庭用薄葉紙の製造方法。
【請求項11】
製造される家庭用薄葉紙のJ.TAPPI紙パルプ試験法No.34−80で測定したソフトネスが15mN/10cm〜35mN/10cm以下であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の家庭用薄葉紙の製造方法。


【公開番号】特開2008−88612(P2008−88612A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272948(P2006−272948)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【Fターム(参考)】