説明

家族性大動脈瘤の遺伝子変異スクリーニング方法

【課題】家族性大動脈瘤の遺伝子変異をスクリーニングする方法、家族性大動脈瘤を遺伝子変異に基づいて検出する方法および検出するためのキットの提供。
【解決手段】家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子のエクソン断片を増幅し得るプライマー対を用いて上記遺伝子の変異を網羅的に検出する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家族性大動脈瘤の遺伝子変異に基づく検出に関する。さらに、本発明は家族性大動脈瘤の遺伝子変異スクリーニングおよび遺伝子診断に関する。
【背景技術】
【0002】
家族性大動脈瘤(血管型Ehlers-Danlos症候群(血管型EDS))は、3型プロコラーゲン(COL3A1)の遺伝子変異で発症する常染色体優性遺伝病である。
【0003】
家族性大動脈瘤の発症率は、数万〜数百万人に一人の割合と言われているが、残念ながらこれらの実態は十分に把握されておらず、突然死する人の数%は本疾患であることが疑われこれまでの研究から日本人における割合は欧米に比して高いことが推定される。
【0004】
本疾患は主に人間の血管や消化管などの管腔臓器に豊富に存在するCOL3A1に関わる結合組織成分の先天性代謝異常により、遺伝子変異を有する者は罹患者となり成人以降に血管破裂、消化管破裂、子宮破裂を合併する可能性が高く、時に突然死を起こすことが知られている。
【0005】
近年、COL3A1以外にも血管型EDS様症状を来す遺伝子として、transforming growth factor beta receptor 1、2(TGFBR1、TGFBR2)が同定され臨床症状が近似していることから、本発明者らはこれらの遺伝子異常で起きる疾患をまとめて家族性大動脈瘤と命名した(非特許文献1を参照)。最近の研究の成果で、変異遺伝子の違いにより治療方針が異なることが判明している。
【0006】
上記のように、家族性大動脈瘤の原因遺伝子は既に知られており、Col3A1遺伝子をターゲットとしたRNAによる診断は既に行われてきた(非特許文献2を参照)。しかし、この遺伝子解析に利用するCol3A1遺伝子は52エクソンからなる大きな遺伝子であり、さらに特定の変異部位は知られておらず、2/3はトリプルへリックス領域にみられる3アミノ酸ごとに繰り返すグリシンが他のアミノ酸に置換するミスセンス変異、残りはイントロン-エクソン接合部の変異でスプライシング異常を来す。遺伝子解析は、COL3A1 RNAが存在している皮膚の細胞を採取(皮膚生検)し培養して行う必要があった。皮膚生検は患者への侵襲性が高く、検査としてハードルが高かった。家族性大動脈瘤の場合、これまで遺伝子変異部位同定のためにすべてのエクソンをゲノムDNAからスクリーニングする方法は行われていなかった。
【0007】
一方、従来より、遺伝子の変異を解析する方法として、DNA結合色素を用いた融解温度曲線解析法が知られていた(特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2008-510698号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Watanabe A. et al, J Nippon Med Sch. 2008; 75:254-261.
【非特許文献2】Watanabe A. et al., J. 2007; 71:261-265.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、家族性大動脈瘤の遺伝子変異をスクリーニングする方法、家族性大動脈瘤を遺伝子変異に基づいて検出する方法および検出するためのキットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、家族性大動脈瘤を末梢血に存在する家族性大動脈瘤に関連する遺伝子の変異に基づいて検出方法を開発しようと鋭意検討を行った。
【0012】
DNA配列における変異を分析する方法は、二つの一般的なカテゴリーに分類することができる。一つは、既知の配列変異の遺伝子型を特定することであり、二つ目は未知の変異を走査する(scanning)ことである。既知の配列変異の遺伝子型を特定するためには多くの方法が利用可能である。対照的に、未知の変異のための殆どの方法では、PCR後、ゲル電気泳動またはカラム分離が必要である。具体的には、既知の配列変異を遺伝子型特定するときには小さなアンプリコンまたは非標識化プローブを使用し、未知変異をスキャンするときには、大きなアンプリコンが必要となる。
【0013】
多くの遺伝病の遺伝子検査は、原因となっている変異が遺伝子の全体にわたって分散していることが多いため、困難なことがある。同時変異スキャニングおよび遺伝子型特定を使用してこれらの変異部分を検出することができる。具体的には、いずれかの特定の遺伝子に関しては、それぞれのエクソンを一般的なスプライス部位の外側でプライマーを使用して増幅する。高頻度で配列変化が見られる場合、最初に当該部位の遺伝子型を特定するか、追加のセットのプライマーを使用してこのより小さな遺伝子座を増幅することができる。特定の部位の変異スキャニングおよび遺伝子型特定は、別々の領域で実施することができるか、スキャニングが陽性の場合、産物を用いて塩基配列解析を行い、遺伝子変異部位を特定することができる。
【0014】
本発明者は、3型プロコラーゲン(COL3A1)、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)の3つの遺伝子のタンパク質合成領域すべてのエクソンを網羅し、ターゲットとするプライマーを作成した。被験者から採取した末梢血から抽出したゲノムDNAをサンプルとし、このプライマーを用いることで原因遺伝子のターゲット領域をPCR法で増幅することができることを見出した。PCR後のサンプルの融解温度曲線High resolution melting curve (HRM)をLight Scanner(Idaho Technology Inc.;http://www.jki.co.jp/product/LightScanner.htm)という遺伝子変異解析機器を用い測定することで、簡単に変異部位のスクリーニングが可能になり、家族性大動脈瘤の検出・診断が可能になった。PCR断片が300塩基対以下であれば、測定した領域の変異部位検出割合は100%と考えられている。
【0015】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 以下の44対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号9に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号13に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号15に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号17に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号18に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号19に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号20に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号21に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号22に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号23に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号24に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号25に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号26に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号27に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号28に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号29に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号30に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号32に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号33に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号34に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号35に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号36に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号37に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号38に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号39に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号40に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号41に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号42に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号43に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号44に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号45に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号46に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号47に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号48に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号49に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号50に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号51に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号52に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号53に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号54に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号55に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号56に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号57に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号58に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号59に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号60に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号61に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号62に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号63に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号64に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号65に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号66に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号67に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号68に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号69に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号70に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号71に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号72に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号73に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号74に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号75に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号76に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号77に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号78に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号79に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号80に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号81に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号82に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号83に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号84に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号85に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号86に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号87に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号88に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号89に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号90に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号91に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号92に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号93に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号94に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号95に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号96に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0016】
[2] 以下の8対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号1に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号5に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号7に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号97に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号98に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号99に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号100に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号101に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号102に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号103に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号104に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0017】
[3] 以下の9対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号105に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号106に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号107に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号108に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号109に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号110に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号111に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号112に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号113に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号114に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号115に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号116に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号117に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号118に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号119に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号120に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号121に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号122に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0018】
[4] 以下の10対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号123に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号124に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号125に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号126に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号127に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号128に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号129に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号130に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号131に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号132に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号133に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号134に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号135に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号136に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号137に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号138に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号139に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号140に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号141に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号142に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0019】
[5] 以下の71対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号1に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号5に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号7に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号9に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号13に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号15に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号17に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号18に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号19に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号20に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号21に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号22に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号23に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号24に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号25に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号26に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号27に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号28に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号29に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号30に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号32に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号33に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号34に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号35に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号36に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号37に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号38に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号39に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号40に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号41に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号42に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号43に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号44に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号45に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号46に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号47に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号48に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号49に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号50に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号51に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号52に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号53に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号54に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号55に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号56に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号57に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号58に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号59に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号60に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号61に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号62に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号63に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号64に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号65に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号66に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号67に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号68に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号69に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号70に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号71に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号72に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号73に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号74に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号75に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号76に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号77に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号78に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号79に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号80に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号81に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号82に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号83に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号84に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号85に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号86に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号87に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号88に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号89に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号90に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号91に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号92に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号93に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号94に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号95に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号96に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号97に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号98に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号99に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号100に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号101に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号102に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号103に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号104に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号105に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号106に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号107に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号108に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号109に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号110に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号111に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号112に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号113に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号114に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号115に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号116に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号117に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号118に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号119に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号120に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号121に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号122に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号123に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号124に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号125に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号126に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号127に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号128に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号129に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号130に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号131に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号132に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号133に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号134に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号135に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号136に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号137に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号138に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号139に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号140に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号141に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号142に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0020】
[6] [1]の44対のプライマー対を用いて3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域の44の断片を増幅し、得られた増幅物を用いて融解曲線解析により変異を検出する、[1]の変異を網羅的に検出する方法。
【0021】
[7] [2]の8対のプライマー対を用いて3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域の8の断片を増幅し、得られた増幅物を用いて融解曲線解析により変異を検出する、[2]の変異を網羅的に検出する方法。
【0022】
[8] [3]の9対のプライマー対を用いてtransforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子の9の断片を増幅し、得られた増幅物を用いて融解曲線解析により変異を検出する、[3]の変異を網羅的に検出する方法。
【0023】
[9] [4]の10対のプライマー対を用いてtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の10の断片を増幅し、得られた増幅物を用いて融解曲線解析により変異を検出する、[4]の変異を網羅的に検出する方法。
【0024】
[10] [5]の71対のプライマー対を用いて3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の71の断片を増幅し、得られた増幅物を用いて融解曲線解析により変異を検出する、[5]の変異を網羅的に検出する方法。
【0025】
[11] 被験体から得た試料を用いて、[1]〜[10]のいずれかの方法により家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出し、遺伝子変異が存在する場合に、被験体が家族性大動脈瘤を有しているか、家族性大動脈瘤に罹患するリスクが高いと判定するための検査方法。
【0026】
[12] 以下の44対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域の変異を網羅的に検出するためのキット:
配列番号9に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号13に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号15に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号17に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号18に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号19に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号20に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号21に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号22に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号23に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号24に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号25に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号26に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号27に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号28に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号29に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号30に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号32に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号33に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号34に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号35に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号36に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号37に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号38に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号39に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号40に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号41に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号42に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号43に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号44に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号45に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号46に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号47に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号48に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号49に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号50に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号51に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号52に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号53に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号54に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号55に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号56に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号57に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号58に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号59に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号60に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号61に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号62に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号63に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号64に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号65に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号66に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号67に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号68に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号69に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号70に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号71に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号72に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号73に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号74に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号75に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号76に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号77に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号78に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号79に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号80に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号81に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号82に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号83に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号84に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号85に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号86に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号87に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号88に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号89に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号90に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号91に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号92に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号93に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号94に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号95に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号96に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0027】
[13] 以下の8対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域の変異を網羅的に検出するためのキット:
配列番号1に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号5に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号7に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号97に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号98に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号99に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号100に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号101に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号102に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号103に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号104に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0028】
[14] 以下の9対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子の変異を網羅的に検出するためのキット:
配列番号105に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号106に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号107に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号108に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号109に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号110に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号111に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号112に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号113に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号114に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号115に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号116に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号117に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号118に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号119に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号120に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号121に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号122に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0029】
[15] 以下の10対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出するためのキット:
配列番号123に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号124に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号125に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号126に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号127に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号128に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号129に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号130に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号131に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号132に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号133に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号134に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号135に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号136に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号137に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号138に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号139に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号140に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号141に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号142に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0030】
[16] 以下の71対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出するためのキット:
配列番号1に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号5に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号7に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号9に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号13に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号15に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号17に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号18に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号19に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号20に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号21に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号22に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号23に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号24に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号25に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号26に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号27に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号28に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号29に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号30に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号32に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号33に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号34に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号35に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号36に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号37に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号38に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号39に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号40に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号41に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号42に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号43に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号44に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号45に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号46に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号47に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号48に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号49に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号50に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号51に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号52に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号53に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号54に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号55に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号56に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号57に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号58に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号59に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号60に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号61に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号62に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号63に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号64に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号65に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号66に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号67に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号68に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号69に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号70に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号71に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号72に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号73に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号74に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号75に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号76に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号77に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号78に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号79に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号80に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号81に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号82に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号83に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号84に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号85に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号86に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号87に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号88に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号89に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号90に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号91に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号92に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号93に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号94に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号95に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号96に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号97に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号98に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号99に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号100に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号101に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号102に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号103に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号104に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号105に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号106に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号107に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号108に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号109に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号110に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号111に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号112に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号113に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号114に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号115に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号116に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号117に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号118に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号119に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号120に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号121に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号122に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号123に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号124に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号125に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号126に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号127に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号128に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号129に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号130に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号131に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号132に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号133に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号134に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号135に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号136に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号137に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号138に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号139に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号140に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号141に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号142に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【0031】
[17] [12]の44対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン遺伝子のトリプルヘリックス領域の変異を網羅的に検出し、被験体における家族性大動脈瘤を検出し、または家族性大動脈瘤に罹患するリスクを判定するためのキット。
【0032】
[18] [13]の8対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域の変異を網羅的に検出し、被験体における家族性大動脈瘤を検出し、または家族性大動脈瘤に罹患するリスクを判定するためのキット。
【0033】
[19] [14]の9対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子の変異を網羅的に検出し、被験体における家族性大動脈瘤を検出し、または家族性大動脈瘤に罹患するリスクを判定するためのキット。
【0034】
[20] [15]の10対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出し、被験体における家族性大動脈瘤を検出し、または家族性大動脈瘤に罹患するリスクを判定するためのキット。
【0035】
[21] [16]の71対のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出し、被験体における家族性大動脈瘤を検出し、または家族性大動脈瘤に罹患するリスクを判定するためのキット。
【発明の効果】
【0036】
実施例に記載のように本発明のプライマーを用いることにより、家族性大動脈瘤(血管型Ehlers-Danlos症候群(血管型EDS))の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)の3つの遺伝子のタンパク質合成領域すべてのエクソンに存在する変異を網羅的に解析することができる。これらの遺伝子の変異の存在は、家族性大動脈瘤の罹患または発症のリスクが高いことを示し、遺伝子変異を有する被験体は、種々の方法により家族性大動脈瘤の罹患または発症のリスクを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1−1】Col3A1遺伝子のエクソン7のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図1−2】Col3A1遺伝子のエクソン33のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図1−3】Col3A1遺伝子のエクソン49のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図1−4】Col3A1遺伝子のエクソン12のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図1−5】Col3A1遺伝子のエクソン19のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図1−6】Col3A1遺伝子のエクソン28のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図2】Gly置換変異(Gly substitution mutation)ヘテロ接合体の検出の結果を示す図である(エクソン18、27および42))。
【図3】スプライシング変異(splicing mutation)ヘテロ接合体の結果を示す図である(エクソン20および24)。
【図4−1】TGFBR2遺伝子のエクソン2のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【図4−2】TGFBR2遺伝子のエクソン4のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、家族性大動脈瘤(血管型Ehlers-Danlos症候群(血管型EDS))の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)の3つの遺伝子のすべてのエクソンの変異をスクリーニングする。3型プロコラーゲン(COL3A1)はトリプルヘリックス領域とそれ以外の領域のそれぞれについてスクリーニングしてもよい。家族が異なれば、上記3つの遺伝子の変異部位も異なるためすべての領域を同時にスクリーニングする必要があり、本発明の方法により、すべての変異を同時にスクリーニングすることが可能になる。本発明でいう変異は、野生型正常遺伝子を変異遺伝子のミスマッチが生じるすべての変異が含まれ、1つまたは複数の塩基の欠失、置換、付加、挿入等が挙げられ、一塩基多型(SNP)も含む。
【0039】
Col3A1遺伝子は52個のエクソンを有し、そのうち44個がトリプルヘリックス領域に存在し、8個がトリプルヘリックス領域以外の領域に存在する。また、TGFBR1遺伝子は9個のエクソンを有し、TGFBR2遺伝子は7個のエクソンを有する。
【0040】
本発明においては、これらの各エクソンの変異をそれぞれのエクソンの断片に特異的なプライマー対を用いて増幅し、増幅産物を得て変異を検出し、スクリーニングを行う。この際、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、TGFBR1遺伝子、TGFBR2遺伝子の各エクソンについて別々に変異をスクリーニングしてもよいし、複数の遺伝子(領域)について変異をスクリーニングしてもよいし、すべてについて変異をスクリーニングしてもよい。
【0041】
用いる各エクソンに対応したプライマー対セットは、表1から表3に示される(配列番号1〜142)。これらのプライマー対を用いることによりCol3A1遺伝子についてはトリプルへリックス領域の44エクソンに対する44断片とそれ以外の8エクソンに対する8断片の52断片、TGFBR1遺伝子については9断片、TGFBR2遺伝子については10断片のトータル71断片の遺伝子増幅物を一度に得ることができる。続けてこれらの増幅物を用いて遺伝子の変異を網羅的なスクリーニングすることができる。表1から表3には、エクソン番号とそれぞれのエクソンにおける変異の検出に用いられるフォワードプライマーとリバースプライマーからなるプライマー対、増幅産物の大きさ並びにアニーリング温度が示されている。表1において、エクソン6からエクソン49がトリプルヘリックス領域のエクソンであり、エクソン1からエクソン4&5およびエクソン49-2からエクソン52がトリプルヘリックス領域以外の領域のエクソンである。
【0042】
Col3A1 LS Final Primers
【表1】


【0043】
TGFBR 1 LS Final Primers
【表2】

【0044】
TGFBR 2 LS Final Primers
【表3】

【0045】
本発明は上記のプライマー対の少なくとも1対を含み、さらに上記のプライマー対の少なくとも1対、好ましくは5対、好ましくは10対、好ましくは15対、好ましくは20対、好ましくは25対、好ましくは30対、好ましくは35対、好ましくは40対、好ましくは45対、好ましくは50対、好ましくは55対、好ましくは60対、好ましくは65対、好ましくは70対、さらに好ましくは71対すべてを含むプライマー対を含む遺伝子変異検出のためのキットを包含する。キットに含まれるプライマー対は、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域のエクソンに対応するプライマー対のセット、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域のエクソンに対応するプライマー対のセット、TGFBR1遺伝子のエクソンに対応するプライマー対のセット、TGFBR2遺伝子のエクソンに対応するプライマー対のセットのいずれかであってもよいし、上記複数のセットのプライマー対を併せて含むものであってもよいし、すべてのプライマー対を含むものであってもよい。
【0046】
該キットはさらに、遺伝子増幅を行うための耐熱性ポリメラーゼや融解曲線解析を行うためのDNA結合色素を含んでいてもよい。前記キットは、家族性大動脈瘤の遺伝子診断キットとして用いることができる。
【0047】
上記のプライマーセットを用いた遺伝子の増幅は、PCR等の公知の遺伝子増幅方法で行うことができる。PCR以外の遺伝子増幅法として、鎖置換増幅法(strand displacement amplification:SDA法)、等温キメラプライマー核酸増幅法(isothermal and chimeric primer-initiated amplification of nucleic acids:ICAN法)、NASBA法、カスケードローリングサークル増幅法(cascade rolling circle amplification:CRCA法)、Qベータレプリカーゼ媒介増幅法(Q beta replicase mediated amplification)、LAMP法、転写媒介性増幅法(transcription-mediated amplification:TMA法)等が挙げられる。
【0048】
変異の検出は、一度に広範囲の領域の変異を検出する必要があるという理由から融解温度曲線(High resolution melting curve)解析法で行うのが望ましい。ただし、Direct sequencing method、Cel1 method、TGCE method等の他の変異検出法を用いることもできる。
【0049】
融解曲線解析は、DNAプローブをターゲットDNAにハイブリダイズさせた後、徐々に温度を上昇させ、この昇温中に、ハイブリッドの融解により変化するシグナルを測定し、シグナルの変化により、DNAプローブとターゲットDNAとのハイブリッドの融解曲線を解析する方法である。融解曲線の解析により得られる融解温度は、DNAプローブとターゲットDNAとの相同性を反映するため、この融解温度の決定により、ターゲットDNAの同一性が判別でき、その結果変異をスクリーニングすることができる。融解の過程は二本鎖DNAに特異的に結合する蛍光色素によって追跡することができる。二本鎖DNAの融解に伴い蛍光色素が解離するため、蛍光強度が減少するので、温度に対して蛍光強度をプロットすることで二本鎖DNAの融解過程を示す融解温度曲線が得られる。この温度上昇に伴う蛍光強度の変化により解析を行うことができ、DNAに欠失、置換、付加、挿入等の変異があるDNAの融解温度曲線は、野生型の融解温度曲線とは異なるので、解析機器を用いて融解温度曲線の差を識別し、変異をスクリーニングすることができる。
【0050】
融解曲線解析は、例えば、Reed G et al., Clin Chem., 50 (2004) 1748-54や特表2008-51098号公報に記載の方法に従って行うことができ、解析は、例えば高分解能変異解析装置として知られているLightScannerやLS32/LightScanner (Idaho Technology社)を用いて行うことができる。後者の装置の場合、PCRから融解曲線解析までを一貫して行うことができる。融解曲線解析に用いる蛍光色素としては、二本鎖DNAに飽和して結合する色素(飽和dsDNA結合色素)が挙げられる。飽和して結合する色素とは、色素の非存在下でPCRにより通常、産生されるdsDNAの量、具体的には約10ng/μLに関して最大蛍光シグナルを与える濃度で存在するとき、有意にPCRを阻害しない色素をいう。本発明に用いられる好適な色素として、窒素を含む二個の複素環を結合する鎖の中に配置された一つ以上の二価部分 -C(R)= を含むシアニン色素が挙げられる。ここで、Rは水素もしくは任意の炭素置換基であり、置換されていてもよいC1-6アルキルを含むアルキルが挙げられる。シアニン色素中に2個以上の -C(R)= が存在する場合、Rはそれぞれ独立して選択されてもよい。そのようなシアニン色素は、本明細書中に記載する代表的な一般式より詳細に定義されるようなモノマーまたはダイマーであってもよい。このようなシアニン色素として、LCGreenPlus(商標)が挙げられる(特表2008-510698号公報)。ただし、SNPおよび他の小さな変化の検出が必要でない方法では、他の色素を使用できると考えられる。シアニン色素以外の色素としては、アクリジン-ベースの色素、フェナントリジニウムインターカレーター、フェナントロリン-ベースの金属インターカレーター(metallointercalator)等が挙げられ、例えばSYBR(登録商標)Green等がある。
【0051】
サンプルとしては、被験体の末梢血、皮膚生検サンプル等、被験体のDNAが含まれるサンプルならば、いずれも用いることができるが、非侵襲性という点で、末梢血の利用が望ましい。被験体から得たサンプルを96ウェルや384ウェルのマイクロプレートに分注し、上記のプライマーセットを用いてそれぞれのウェル中のサンプルのDNAを増幅し、ウェル中で増幅したDNA(アンプリコン)を上記のLight Scanner等の解析装置を用いて融解曲線を解析し、データ解析を行えばよい。データ解析は、上記の融解曲線解析に用いる装置の附属しているCall-IT等のソフトウェアを用いて融解曲線を解析すればよい。
【0052】
例えば、COl3A1遺伝子の遺伝子異常は150例以上報告されているが、ほとんどが塩基置換型の遺伝子変異である。3型プロコラーゲン(COL3A1)のヘテロ遺伝子変異を呈し発症し、2/3はトリプルへリックス領域にみられる3アミノ酸ごとに繰り返すグリシンが置換するミスセンス変異、残りはスプライシング異常を来す。上記の高解像度アンプリコン融解解析は、Col3A1遺伝子内で活性化している変異を迅速にスクリーニングするための改良法として使用することができる。高解像度融解法により検出された配列変異は、場合によりさらにDNAシークエンシングによりキャラクタリゼーションすることができる。
【0053】
本発明の蛍光色素を使用する高解像度融解分析は、アンプリコンのサイズが大きくなるにつれてより困難となる。場合により、スキャニング感度をほぼ100%に維持するために、500塩基よりも大きなエクソンを二つ以上のアンプリコンを使用してスキャニングすることができる。具体的には、一般的なサーマルサイクリングパラメーターを使用して、一度に全てのエクソンが増幅できるようにする。
【0054】
本発明の方法によって、家族性大動脈瘤における遺伝子変異を網羅的に同定することができる。本発明の方法によって変異を同定することにより、家族性大動脈瘤を有する被験体をスクリーニングすることができる。すなわち、被験体における家族性大動脈瘤を検出することができる。さらに、本発明の方法によって、家族性大動脈瘤に対する素因、例えば家族性大動脈瘤に罹患するリスクを検出することができる。すなわち、3型プロコラーゲン(COL3A1)、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)の3つの遺伝子に変異がある被験体は、将来的に家族性大動脈瘤に罹患するリスクが高いと判定でき、あるいは、手術等を行った場合に、血管が裂けるリスクが高いと判定することがおきる。すなわち、本発明の方法はこのようなリスクを判定、評価するための検査方法である。家族性大動脈瘤は、現在は対症療法のみで、根治療法については見つかっていないが、定期検診や、的確な治療により、血管や臓器の破裂などを予防することが可能である。従って、本発明の方法により遺伝子に変異が発見された被験体は血管等の破裂のリスクを回避することが可能である。例えば、遺伝子に変異を有する被験体は、手術等を行うと侵襲によりさらに血管等が裂ける可能性があるため、カテーテル等を用いた治療を行う必要があるなど、実際に大動脈瘤を起こしたときの治療方法等も異なってくる。そのため、大動脈瘤の手術を行う前に術前診断を行う際に本発明の方法により予め変異をスクリーニングしておくとよい。さらに、本発明の方法で遺伝子変異の同定頻度が高くなることで、変異部位の症状の重症度の違いが明確となり、検査を受けた被験体の中には具体的な注意喚起の程度を伝達することも可能となり、被験体によっては突然死に対する不安程度の軽減も期待される。
【実施例】
【0055】
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0056】
患者から採取した末梢血より抽出したゲノムDNAをサンプルとし、サンプルを10 mMのTris-HCl(pH7.5)、0.1 mMのEDTA中に希釈して、表1〜3に示す遺伝子各エクソンに特異的プライマーで蛍光色素を加えポリメラーゼ連鎖反応(PCR)にかけた。プライマーは各断片に対応するように、全部で71ペア作成した。内訳はCol3A1遺伝子に対しては52ペア、TGFBR 1遺伝子に対しては9ペア、TGFBR 2遺伝子に対しては10ペアであった。PCR後のサンプルの融解温度曲線High resolution melting curve (HRM)をLight Scanner(Idaho Technology Inc.;http://www.jki.co.jp/product/LightScanner.htm)を用い測定した。
【0057】
PCRは、各エクソン96ウェルプレートの1ウェルに対し全容積10μlで実施した。反応混合物は、10xExPCR buffer、それぞれ200μMのdATP、dGTP dCTP、およびdTTP、0.3 μMのプライマー(Forward, Reverse)、1μlのExTaqポリメラーゼ、および色素(10×LCGreen Plusを1/10)を含んでいた。ポリメラーゼ連鎖反応は、PCR機器中、最初の変性を95℃で2分、続いて94℃で30秒、20℃/秒でエクソンごとの(アニーリング)温度(60℃〜72℃)まで冷却して30秒加熱するサイクルを45サイクルにより実施した。アンプリコンのサイズはエクソンごとに異なるが400bp以下とした。PCR後、サンプルを、94℃に30秒加熱し、次いで25℃に冷却した。
【0058】
次いでサンプルを高解像度DNA融解分析装置 Light Scanner(http://www.jki.co.jp/product/LightScanner.htm)(Idaho Technology、ソルトレークシティ、UT)に移し96ウェルの融解曲線を同時に解析した。
【0059】
具体的な結果を図1から図4に示す。
【0060】
図1〜図3はCol3A1遺伝子についての結果である。図1−1〜図1−6は、それぞれエクソン7、33、49、12、19および28のSNPの位置、ならびに検出に用いた増幅断片の融解曲線を示す。すべてのプライマー対において、PCR産物は単一バンドを示し、融解曲線も蛍光強度を来していることが確認できた。
【0061】
また、Gly置換変異(Gly substitution mutation)ヘテロ接合体、スプライシング変異(splicing mutation)ヘテロ接合体を、高解像度融解分析から検出した。Gly置換変異ヘテロ接合体の検出の結果を図2に、スプライシング変異ヘテロ接合体の結果を図3に示す。本発明の方法によって、従来変異RNA産物ができない(mRNA decay)遺伝子変異(nonsense termination codon)も同定することが可能となった。
【0062】
図4−1および図4−2は、TGFBR2遺伝子についての結果を示す。すべてのプライマー対において、PCR産物は単一バンドを示し、融解曲線も蛍光強度を来していることが確認できた。ここで、ヘテロ接合体SNPは、高解像度融解分析から検出した。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の方法により、被験体の家族性大動脈瘤(血管型Ehlers-Danlos症候群(血管型EDS))の遺伝子変異をスクリーニングすることができ、変異の存在により発症リスクを判定、評価することができる。
【配列表フリーテキスト】
【0064】
配列番号1〜142 プライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の44対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号9に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号13に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号15に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号17に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号18に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号19に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号20に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号21に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号22に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号23に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号24に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号25に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号26に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号27に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号28に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号29に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号30に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号32に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号33に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号34に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号35に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号36に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号37に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号38に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号39に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号40に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号41に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号42に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号43に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号44に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号45に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号46に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号47に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号48に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号49に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号50に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号51に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号52に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号53に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号54に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号55に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号56に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号57に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号58に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号59に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号60に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号61に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号62に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号63に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号64に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号65に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号66に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号67に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号68に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号69に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号70に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号71に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号72に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号73に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号74に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号75に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号76に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号77に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号78に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号79に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号80に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号81に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号82に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号83に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号84に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号85に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号86に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号87に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号88に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号89に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号90に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号91に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号92に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号93に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号94に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号95に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号96に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【請求項2】
以下の8対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号1に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号5に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号7に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号97に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号98に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号99に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号100に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号101に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号102に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号103に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号104に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【請求項3】
以下の9対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号105に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号106に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号107に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号108に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号109に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号110に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号111に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号112に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号113に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号114に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号115に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号116に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号117に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号118に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号119に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号120に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号121に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号122に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【請求項4】
以下の10対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子であるtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号123に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号124に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号125に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号126に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号127に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号128に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号129に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号130に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号131に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号132に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号133に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号134に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号135に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号136に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号137に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号138に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号139に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号140に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号141に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号142に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【請求項5】
以下の71対のプライマー対を用いて家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子の変異を網羅的に検出する方法:
配列番号1に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号2に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号3に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号4に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号5に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号6に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号7に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号9に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号12に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号13に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号14に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号15に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号17に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号18に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号19に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号20に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号21に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号22に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号23に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号24に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号25に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号26に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号27に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号28に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号29に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号30に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号32に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号33に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号34に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号35に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号36に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号37に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号38に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号39に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号40に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号41に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号42に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号43に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号44に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号45に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号46に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号47に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号48に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号49に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号50に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号51に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号52に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号53に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号54に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号55に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号56に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号57に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号58に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号59に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号60に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号61に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号62に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号63に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号64に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号65に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号66に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号67に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号68に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号69に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号70に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号71に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号72に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号73に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号74に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号75に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号76に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号77に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号78に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号79に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号80に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号81に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号82に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号83に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号84に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号85に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号86に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号87に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号88に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号89に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号90に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号91に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号92に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号93に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号94に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号95に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号96に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号97に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号98に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号99に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号100に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号101に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号102に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号103に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号104に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号105に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号106に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号107に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号108に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号109に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号110に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号111に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号112に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号113に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号114に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号115に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号116に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号117に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号118に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号119に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号120に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号121に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号122に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号123に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号124に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号125に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号126に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号127に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号128に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号129に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号130に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号131に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号132に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号133に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号134に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号135に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号136に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号137に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号138に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号139に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号140に示す塩基配列からなるプライマーの対;
配列番号141に示す塩基配列からなるプライマーおよび配列番号142に示す塩基配列からなるプライマーの対。
【請求項6】
被験体から得た試料を用いて、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の変異を網羅的に検出し、遺伝子変異が存在する場合に、被験体が家族性大動脈瘤を有しているか、家族性大動脈瘤に罹患するリスクが高いと判定するための検査方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のプライマー対を含む、家族性大動脈瘤の原因遺伝子である3型プロコラーゲン(COL3A1)遺伝子のトリプルへリックス領域、Col3A1遺伝子のトリプルヘリックス領域以外の領域、transforming growth factor beta receptor 1(TGFBR1)遺伝子およびtransforming growth factor beta receptor 2(TGFBR2)遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の変異を網羅的に検出し、被験体における家族性大動脈瘤を検出し、または家族性大動脈瘤に罹患するリスクを判定するためのキット。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【公開番号】特開2011−50284(P2011−50284A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200768(P2009−200768)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(500557048)学校法人日本医科大学 (20)
【Fターム(参考)】