説明

容器、特に圧力容器

本発明は、蓋部(12)を固定可能な管状のハウジング部(10)を有する容器、特に圧力容器、であって、複数の接触セグメント(18)が、ハウジング部(10)の内側(16)の凹み(14)の少なくともいくつかの領域に挿入され、これらの接触セグメントは、蓋部(12)を、取り付けられているときに支持し、蓋部(12)と少なくとも1つの接触セグメント(18)との間の着脱可能な係合を確保する、少なくとも1つの固定手段(22)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋部を固定可能な管状ハウジング部を有する容器、特に圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
DE3904816C1は、オプションとして円板を介在させて、押圧デバイスによって容器の縁に封止的に押し付け可能な縁を有する蓋であって、圧力容器から出発して蓋を把持する端を含むクランプを有する蓋と、クランプに抗して軸方向に押圧する作動ピストンシリンダシステムとを備えた圧力容器、特に圧力フィルタ容器を開示する。従来技術の手法は、水圧又は油圧で作動する円環状ピストンを有する円環状シリンダを備えたピストンシリンダシステムを有し、円環状ピストンを蓋におけるクランプの端に抗して上方へ配置可能であり、その結果は公知の押圧デバイスを備えた圧力容器のフェイルセーフ構造になっている。しかしながら、圧力容器と、特にそれに関連する閉鎖システムは、複雑な設計になっている。したがって、固定クランプの操作は非常に時間がかかる。
【0003】
DE4215232C2は、フィルタ、特に航空機の燃料注入ユニットで使用可能な燃料フィルタの形式でフィルタを開示する。このフィルタは、少なくとも1つの入口と出口接続とを有するフィルタハウジングと、フィルタハウジングを2つの内部区画に分割する少なくとも1つのフィルタインサートを装着し除去するために、封止的に閉鎖可能な開口とを備える。この場合、フィルタインサートの一端は装着プレートに載置され、プレートはさらに変位エレメントを有し、フィルタインサートがない、又は正しく装着されていないときに、フィルタハウジングの開口が封止的に閉じることを防ぐ。フィルタコンパートメントの閉鎖カバーは、センタリングガイドを備え、閉鎖カバーが正しくない位置で嵌合されることを防ぐ。さらに、カバーは軸方向から見たとき、ねじで封止シートに押し付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に鑑み、本発明の目的は容器、特に圧力容器であって、蓋部をハウジング部にフェイルセーフな手法で固定することができ、同時に蓋部をハウジング内に着脱可能な態様で容易かつ速やかに固定するという目的を満たす圧力容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1で全体が定められる特徴を有する容器、特に圧力容器によって達成される。すなわち、請求項1の特徴部分によれば、複数の接触セグメントが、ハウジング部の内側の凹みの少なくともいくつかの領域に挿入され、これらの接触セグメントは、蓋部を、その取り付けられた状態で支持し、蓋部と少なくとも1つの接触セグメントとの間の着脱可能な係合を確保する、少なくとも1つの固定手段があり、蓋部が管状ハウジングの関連する凹みに挿入された後、上記複数の接触セグメントにより、蓋部をハウジング部に容易かつ速やかに固定することができる。その後は、ほんの少数の固定手段、場合によってはほんのひとつの固定手段を用いて必要な接触セグメントをすべてハウジング部に安全な手法で結合して蓋部もハウジング部内にフェイルセーフな手法で収容できるということは、このような容器を扱う当業者にとって驚きである。接触セグメントの構成とハウジング部への取付けは、組立者やオペレータにとっても明らかであり、容器は技術的に大がかりな説明なしで使用に供することができる。さらに、接触セグメントは、精密に決められた取付箇所でハウジング部に挿入する必要はなく、接触セグメントはハウジング部の周縁のどの箇所で取り付けることも可能である。ただし、蓋部と関連する接触セグメントとの間には、定められた組立順序があることに注意を払わなければならない。
【0006】
容器を速やかに開閉可能とするために、内側エンドストップの反対側にある外側エンドストップが、圧力容器壁の内側に径方向に伸びる凹みを設けることによって形成され、少なくとも2つの接触セグメントがこの凹みに係合する。これらの接触セグメントは、圧力容器が組み立てられた状態で、蓋外部とも接触する。複数の接触セグメントは、お互い別々にセットされるように配置され、蓋を軸方向に脱離しないで傾くことなく保持可能である。圧力容器を使用しているとき、生ずる内圧が蓋部を接触セグメントに押し付け、接触セグメントはこの点で解放エレメントとして設計され、結果として生ずる力は、複数の接触セグメントとハウジング部の内部の凹みによって、ハウジング部に安全に解放される。
【0007】
固定手段は、複数の接触セグメントを凹みの内側に固定するために用いられる。この点で、それぞれの固定手段は、蓋部の割り当てられた開口と少なくともいくつかの領域で係合する少なくとも1つの接触セグメントを貫通して延在する固定ピン又は固定ねじで構成できる。その他に、又はその代わりに、それぞれの固定手段を、少なくともいくつかの領域で、ハウジング部の内部の凹みによって構成できる。特に、凹みの内側に外側エンドストップの方向に内向きに傾いた接触表面が設けられると、それは固定手段として機能する追加的なサポートになる。
【0008】
本発明による特に好ましい実施形態では、複数の接触セグメントはくさび形片のセグメントとして設計され、全体として蓋部の対応する周縁の周囲に延在している。この場合、複数の接触セグメントは、ハウジング部の凹みの外周に沿って不均一な接線方向の広がりを占めるような有利な態様に設計される。この場合、接線方向の広がりが比較的小さい第三の接触セグメントに対して、接線方向の広がりが同じ2つの円弧状の接触セグメントがあることが好ましい。しかしながら、全体として、3つの接触セグメントを加え合わせると、接線方向の広がりは360度のラジアン角度になる。
【0009】
本発明の容器の別の好ましい実施形態は、接線方向の広がりが小さい接触セグメントを、ハウジング部の内部にただひとつの固定手段によって、好ましくは凹みの内側の2つの固定手段によって、固定するものである。その場合、他の2つの追加的な接触セグメントは、固定ピンや固定ねじの形の追加の固定手段なしで位置が決まり、容器の内側エッジのみによって凹みに固定される。その結果、それぞれの固定手段を有する接触セグメントを、上記固定手段から容易かつ速やかに解放して凹みから除去することができ、別の複数の接触セグメントを分解し、蓋部を取り外すことができる。例えば、容器に取り付けられたフィルタエレメントが消耗したとき、本発明による圧力容器が圧力フィルタ容器として設計されている場合、それを新しいエレメントと交換できる。容器が単なるタンクとして用いられる場合、固定ピンや固定ねじなどの固定手段を省略することができ、蓋部を、凹みに挿入した複数の接触セグメントのみによって正しい位置に保持できる。蓋部が接触セグメントによって取り付けられているとき、容器内部に周囲圧力を超える過剰圧力がない場合、又はわずかの過剰圧力しかない場合、そのような取付オプションがあり得る。
【0010】
本発明による容器の別の好ましい実施形態では、ハウジング部の凹みに複数の接触セグメントが少なくとも対になって挿入されたとき、最後に挿入される接触セグメントは、隣接する複数の接触セグメントの端面と平行に凹みに挿入することができ、容器が通常の向きにセットされたときには、水平方向の単純な横移動によって蓋部を固定および取り外すことができる。
【0011】
本発明による容器のさらに別の好ましい実施形態では、好ましくは薄板の金属片で作られる少なくとも1つのスペーサ及び/又は位置決めエレメントを、2つの当接する接触セグメントの隣接する端面の間に挿入することができる。このエレメントによって生産時の許容誤差を補償することができ、蓋部を含めて容器を作業として安全な手法で組み立ておよび分解することができる。
【0012】
さらに、本発明による容器の特に好ましい実施形態では、蓋部は少なくとも1つの圧力解放エレメントを有し、それぞれの固定ねじの少なくとも1つが存在するとき、該当する接触セグメントから、ハウジング内に広がっている周囲圧力に比べた過剰圧力を連続的に解放させる。
【0013】
この特徴は、操作及び組立にあたる作業員の操業の安全性を高め、作業員は、高圧下にある固定手段が、蓋部の取り外しの際に不所望に自分の方へ飛び出して来ることを怖れる必要がない。そのようにしないと、ある状況では相当の外傷のおそれがある。
【0014】
さらに、容器の蓋部は、ハウジング部と係合する蓋部の外周係合部の領域に、少なくとも1つの封止デバイスを有することが好ましい。この点で、ハウジング部の内側ショルダーに支持される蓋部を、ハウジング部の内周面に沿って封止的にガイドすることができる。
【0015】
該略図を参照するが、これは一律の縮尺に従わずに描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】接触セグメントを含む、蓋部が挿入された容器の上方からの斜視図である。
【図2】図1による容器の上面図である。
【図3】図2の切断線I-Iに沿った容器の上部の断面図である。
【図4】図2の切断線I-Iに沿った容器の上部の断面図である。
【図5】図2の切断線I-Iに沿った容器の上部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
容器、特に圧力容器は、蓋部12を固定可能な管状のハウジング部10を有する。この場合、複数の接触セグメント18が、ハウジング部10の内側16の円環状の凹み14に、少なくともいくつかの領域で挿入され(図3の断面図参照)、これらの接触セグメントは、蓋部12の取り付け状態(図3)で蓋部の上側20の部分で蓋部12を支持する。さらに、少なくともひとつの固定手段22があり、蓋部12と少なくとも1の接触セグメント18との間の脱着可能な係合を補償する。
【0018】
特に図1,2から明らかなように、複数の接触セグメント18は矩形断面の円弧形状を有し、対応する隣接の接触セグメント18は、その端面で互いに当接する。さらに、図3から、管状ハウジング部10がその上方の自由縁の方向でエッジ拡大部24を有し、このエッジ拡大部が、エッジ拡大部以外では薄い壁として設計された円筒状のハウジング部10に、外側と内側とで隅肉溶接26によって封止的に結合されている。最も内側の隅肉溶接26の箇所とその真上で、エッジ拡大部24の内側は外向きに拡がるショルダー28を有し、ショルダーは、蓋部12の下側30の部分で蓋部12を支持する。さらに、エッジ拡大部24の内壁32と蓋部12の円筒状外壁34との間に封止デバイス36があり、この封止デバイスは、蓋部12の対応する受容溝に、好ましくは閉じこめられたシールリングであるO−リングとして、収容されている。
【0019】
図3による実施形態では、固定手段22は、取り付けられた状態で接触セグメント18の内側のねじ溝40を貫通して延在する一種の固定ピン又は固定ねじ38によって構成できる。いずれにしても、取り付けられた状態で固定ねじ38のねじ頭はエッジ拡大部24の上側42によって形成される上方エッジ境界の下にあって損傷しないように保護され、特に固定ねじ38が偶発的にゆるむことが防止される。図2の視線方向で見たとき、図を簡単にするために固定手段22は示されておらず、穿設された穴44と、対応する内側のねじ溝部分40だけが示されている。
【0020】
2つの外側接触セグメント18を円環状の凹み14に挿入して正しい位置に移動させると、中央の接触セグメント18を、中央移動軸46に沿って長手方向に動かすことによって最後に挿入できる。その結果、それぞれの接触セグメント18は、固定手段22の本質的な構成部分として自己保持的な態様で凹み14に配置される。しかしながら、その場合、それぞれの接触セグメント18の挿入前にすでに配置されていた蓋部12を、接触セグメント18に対してある位置まで移動させて、いずれにしても固定ねじ38又は固定ピンの形の固定手段22の下方自由端48が、図3に示すように、円環状の凹み50と整列して係合できるようにしなければならない。この凹み50は上記下方自由端よりも幅が広く、上方自由端が蓋部12から出ており、図3によれば蓋部12が取り付けられた状態にあるとき、対応する接触セグメント18の下方接触壁によって上方が画定される。
【0021】
この円環状の凹み50に保持エレメント52が挿入されるが、これは例えばスナップリングとして作られ、保持エレメント部を有する蓋部12によって保持され、区別できる突出部として円環状の凹み50に突出する。円環状の凹み50は、下方が接触プレート54によって閉じられている。接触プレート54は、好ましくは圧力解放エレメント56と一体になった部品であり、圧力解放エレメントを例えば図示されない六角ソケットねじによって接触プレート54の上方中央領域で蓋部12の内側ねじ溝58にねじインサートという形で螺合することができる。この場合、インサート状の圧力解放デバイス56の中央領域には周縁圧力ガイド溝60があって、ガイド溝60には少なくとも1つの圧力チャンネル62が開口しているが、その開口の場所を中間のウエブによって部分的に中断することもできる。
【0022】
蓋部12を取り外すと、上記圧力解除デバイス56を用いて容器内部64の圧力を周辺領域に対して低下させることができる。ただし、それぞれの固定ねじ38の形のそれぞれの固定手段22を取り外したときに、蓋部12を複数の接触セグメント18のみによって支持しなければならない。これに関連し、接触セグメント18は、残りの固定手段22としてのエッジ拡大部24の内側の凹み14によって保持される。この場合、上記六角ソケットねじは、隣接する係合ピンと共に接触プレート54を内側ねじ溝58から取り外す役目をする。その結果、容器内部64にゆき渡っている過剰圧力を、圧力チャンネル62と圧力ガイド溝60とを通って、接触セグメント18に穿設されたそれぞれの穴44を経由して外部環境に逃がすことができる。このような圧力ガイドのために、接触プレート54の直径は円環状の凹み50の直径よりも多少小さく選ばれる。
【0023】
圧力解放エレメント56の形のインサートが用いられる場合、固定ねじ38は固定ピン(詳しく図示しない)で置き換えることができ、固定ピンは接触セグメント18に穿設された穴44を経由して、ねじ溝と結合することなく蓋部12の円環状の凹み50と係合する。固定ねじ38を用いる場合、インサート状の圧力解放エレメント56は、いずれにしても保持エレメント52によって保持されるので、ねじ溝と係合することなく蓋部12に緩やかに配置することができる。こういった状況で容器内部64の圧力が低下するとすぐに、ハウジング部10の凹み14から複数の接触セグメント18を除去することが可能になり、その後、エッジ拡大部24を経由してハウジング部10から蓋部12を軸方向に除去する。
【0024】
蓋部をこのように取り外すことは、例えば容器内部64を検査するために必要になることがあり、又は容器がフィルタ(図示せず)を収容している場合、つまり汚れたときに必要に応じて新しいエレメントと交換しなければならないフィルタを収容している場合に必要になることがある。しかしながら、単一のタンクユニットとして設計された図示の容器も、蓋部12を取り外して汚れの洗浄をすることができる。それにもかかわらず、容器内部64が圧力下にある場合、例えばハウジング部10に注ぎ込む流入物と流出物によって(詳しく図示しない)圧力が高まっている場合、蓋部12は容器内部64から接触セグメント18に向けて下側から押され、容器内部64の外部環境に対する封止的な閉鎖が係合部の領域で達成され、そのために前述の封止デバイス36も寄与する。
【0025】
凹み14の内側における接触セグメント18の対応する良好なセンタリングを達成するために、ハウジング部12のエッジ拡大部24は、エッジ拡大部24が大気に開いている領域に導入スロープ66を備え、さらに接触セグメント18がこの領域で挿入可能になっている。上記導入スロープは、中心位置合わせガイド及び支持部として機能し、一種の固定チャンネルを規定して、容器内部64が適当に加圧されたとき、接触セグメント18が不所望にその凹み14から持ち上げられることを防止する。
【0026】
個々の接触セグメント18が、ハウジング部10の内側で蓋部12を支持する共通の端部停止制限部を形成することができるようにするため、本発明は、接触セグメント18の端面68が蓋部12の移動軸46としての中心軸の1つと平行になるようにしている。この移動軸は、ハウジング部10の長手軸70に対して直角方向に配置されている。過剰な決定(overdetermination)を回避するとともに、超精密な許容誤差によってシステム的に互換性のある接触セグメント18の凹み14への取付を確実に妨げるため、本発明は、好ましくは板状の金属片からなるばね部品の形(図2参照)のスペーサ及び/又は位置決めエレメントを、少なくとも2つの接触セグメント18の間に挿入するようにしている。
【0027】
図4、5による実施形態は、上述の図による実施形態と明らかに異なる点に限って説明する。この場合、同一の構成には同一の参照符号を付し、この点に関する説明は図4,5による変更された実施形態にもあてはまる。
【0028】
図4,5による実施形態では、固定ねじ38として貫通ねじを有し、この場合、固定ねじは、割り当てられた接触セグメント18の内側ねじ溝ではなく、穿設された穴44を貫通して延在し、固定ねじ38は、蓋部12の内側ねじ溝58に沿って自由端48でガイドされ、圧力解放デバイス56として、この場合には蓋部12の円環状の凹み50に保持される一種の逆止めボール弁74として機能する。ここで、それぞれの圧力チャンネル62は、固定ねじ38の長手軸部の内側を通る。固定ねじ38は、分解操作では逆に回される。逆止めボールバルブ74は、円環状の凹み50およびそれぞれの圧力チャンネル62を経由して外部環境に対して容器内部64を、大気に不所望に放出可能とせずに解放する。
【0029】
図5の実施形態は、図4の実施形態を変更したものであり、圧力解放デバイス56として設けられた逆止めボールバルブ74を、図3でインサートとして設計されている圧力解放エレメント56に置き換えている。この場合、圧力解放エレメントの上側は、固定ねじ38の下方自由端48に直接一体に結合されているが、接触プレート54はない。このように変更された実施形態の場合においても、固定ねじをゆるめると、インサートの圧力チャンネル62は、圧力ガイド溝60としての円環状チャンネルを経由して固定ねじの内側で軸方向に延びる別の圧力チャンネル62に媒質を導くようにして接続され、それによって外部環境に対する容器内部64の圧力の低下を達成する。
【0030】
図5のものと合わせ、図3によるインサート状の解放エレメント56は、蓋部12とねじ溝によって結合されなくてもよい。接触プレート54を有するそのような圧力解放エレメント56は、固定ネジ38の下側48に圧力をブロックする形で支持されれば十分である。ただし、このねじは隣接する接触セグメント18にねじ込まれなければならない。圧力解放エレメント56がこのように圧力に誘発されて持ち上げられる状況では、圧力ガイド溝60と圧力チャンネル62は、容器内部64で圧力が不所望に低下しないように操作されなければならない。もしも、逆に、圧力解放デバイス56が、説明されたように蓋部12にねじ込まれる場合、例えば蓋部12に取り付けられた圧力解放デバイス56の位置をオペレータに示すように、固定ねじ38の代わりに簡単な固定ピンを取り付けることでも十分である。本発明による容器のある好ましい実施形態は、間違った組立の可能性がないように、各接触セグメント18が少なくともひとつの固定ねじ38を有しており、きわめて厳しい安全性の観点での圧力容器の迅速動作の閉鎖にとってこの特徴は特に重要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部(12)を固定可能な管状のハウジング部(10)を有する容器、特に圧力容器、であって、
複数の接触セグメント(18)が、前記ハウジング部(10)の内側(16)の凹み(14)の少なくともいくつかの領域に挿入され、これらの接触セグメントは、前記蓋部(12)を、その取り付けられた状態で支持し、
前記蓋部(12)と少なくとも1つの前記接触セグメント(18)との間の着脱可能な係合を確保する、少なくとも1つの固定手段(22)があることを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、
前記複数の接触セグメント(18)が円弧形状を有することを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の容器において、
隣接する前記複数の接触セグメント(18)がその端面で互いに当接することを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器において、
それぞれの固定手段(22)は、少なくとも1つの前記接触セグメント(18)を貫通して延在するとともに、少なくともいくつかの領域で、前記蓋部(12)の割り当てられた開口(50)に係合する固定ピン又は固定ねじ(38)からなる、及び/又は、それぞれの固定手段(22)は、少なくともいくつかの領域で、前記ハウジング部(10)の内側(16)の前記凹み(14)からなることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器において、
前記複数の接触セグメント(18)は、前記ハウジング部(10)の内側で前記蓋部(12)を支持する共通の端部停止制限部を形成することを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器において、
前記複数の接触セグメント(18)の端面(68)は、前記蓋部(12)の複数の中心軸(46)の1つと平行に延び、これらの中心軸は、前記ハウジング部(10)の長手軸(70)に対して直角に配置されていることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項6に記載の容器において、
前記複数の接触セグメント(18)が少なくとも対になって前記ハウジング部(10)の前記凹み(14)に挿入されるとき、最後に挿入される前記接触セグメント(18)は、隣接する前記接触セグメント(18)の端面(68)と平行に前記凹み(14)に挿入可能であることを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器において、
前記ハウジング部(10)の前記凹み(14)に挿入される前記複数の接触セグメント(18)は、前記蓋部(12)の前記係合のための実質的に閉じた接触リングを形成することを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれか1項に記載の容器において、
好ましくは薄板の金属片で作られる少なくとも1つのスペーサ及び/又は位置決めエレメント(72)が、2つの当接する接触セグメント(18)の隣接する端面(68)の間に挿入可能であることを特徴とする容器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器において、
前記ハウジング部(10)が大気に開口する領域で、前記凹み(14)及び/又は挿入可能なそれぞれの前記接触セグメント(18)が、センタリング用ガイド及び支持部として機能する導入スロープを備えることを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器において、
前記蓋部(12)は、少なくとも1つの圧力解放エレメント(56)を有し、該圧力解放エレメントは、それぞれの該固定ねじ(38)の少なくとも1つが存在するときに、該当する前記接触セグメント(18)から、前記ハウジング部(10)内に広がっている周囲圧力に比べた過剰圧力を連続的に解放させることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の容器において、
前記蓋部(12)は、前記ハウジング部(10)と係合する前記蓋部の外周係合部(34)の領域に、少なくとも1つの封止デバイス(36)を有することを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−504016(P2013−504016A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527212(P2012−527212)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004894
【国際公開番号】WO2011/026554
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(500563201)ハイダック プロセス テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】