容器およびその製造方法
【課題】容器使用時には内容器と外容器とが外れ難く、容器使用後は両者を分離して外容器を再利用しやすい容器を提供する。
【解決手段】容器1は、有底かつ筒状に形成された内筒部20を備えた内容器2と、有底かつ筒状に形成され、内部に内容器2の内筒部20を収容する外容器3と、内容器2における内筒部20の外周面と外容器3の内周面との間の隙間4に配置され、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている弾性体層5とを有する。内容器2はプラスチックからなるとともに外容器3はセラミックスからなる。
【解決手段】容器1は、有底かつ筒状に形成された内筒部20を備えた内容器2と、有底かつ筒状に形成され、内部に内容器2の内筒部20を収容する外容器3と、内容器2における内筒部20の外周面と外容器3の内周面との間の隙間4に配置され、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている弾性体層5とを有する。内容器2はプラスチックからなるとともに外容器3はセラミックスからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料や薬等の物質を収容するために二重構造の容器が使用されている。例えば、特許文献1には、底部内側面に環状突部が立設された有底円筒状の外容器と、上記環状突部に嵌合できる突部を底部に設けた内容器とからなり、外容器の環状突部に内容器の突部を嵌合し両者を固定する二重構造のプラスチック容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3−3921号公報(図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来容器の構造は以下の点で問題がある。すなわち、従来容器は、外容器および内容器ともにプラスチックからなるため、両者を高い寸法精度で形成することができる。そのため、外容器の環状突部に内容器の突部を精度よく嵌合させて固定することが可能である。
【0005】
しかし、外容器および内容器のいずれか一方がセラミックスからなる場合、プラスチック品に比べ、寸法バラツキが大きくなる。そのため、特許文献1で開示されるような嵌合構造を採用することは困難である。したがって、この場合には、外容器と内容器とを他の方法により固定する必要がある。
【0006】
外容器と内容器とを固定する方法としては、例えば、接着剤を使用する方法が考えられる。しかし、異なる材質からなる外容器と内容器とを容器使用に耐えうる接着強度で接着するのは難易度が高い。さらに、仮に接着できたとしても、容器使用後に両者を分離したときに外容器の内側に接着剤が残る。そのため、外容器の再利用が妨げられる。
【0007】
外容器と内容器とを固定する他の方法としては、例えば、両面テープを使用する方法が考えられる。両面テープを用いる場合、接着剤を用いる場合に比べ、接着性を確保しやすい。しかし、両面テープの多くは厚みが一定である。そのため、上述の寸法バラツキや内容器の底部に環状突部などがある場合に、寸法バラツキや底部凹凸を吸収するのに適切な厚みを選択することが困難である。また、容器使用時にテープ基材が破壊してしまい、これにより外容器と内容器が外れてしまうおそれもある。さらに、接着剤を用いた場合と同様に、容器使用後に両者を分離したときに外容器の内側に両面テープが残る。そのため、やはり外容器の再利用が妨げられる。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、容器使用時には内容器と外容器とが外れ難く、容器使用後は両者を分離して外容器を再利用しやすい容器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、
有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容する外容器と、
上記内容器における内筒部の外周面と上記外容器の内周面との間の隙間に配置され、上記内筒部の外周面と上記外容器の内周面とにより挟持されている1または2以上の層から構成される弾性体層とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器にある(請求項1)。
【0010】
本発明の他の態様は、有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容可能な外容器と、1または2以上の層から構成される弾性体層とを準備する準備工程と、
上記外容器の内周面に沿って上記弾性体層を配置する、または、上記内容器における内筒部の外周面に沿って上記弾性体層を配置する配置工程と、
上記外容器内に配置された弾性体層の内側に上記内容器の内筒部を圧入する、または、上記弾性体層を配置した内容器の内筒部を上記外容器内に圧入する圧入工程とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器の製造方法にある(請求項9)。
【発明の効果】
【0011】
上記容器は、外容器および内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなる。つまり、内容器がプラスチックからなるとともに外容器がセラミックスからなる、または、内容器がセラミックスからなるとともに外容器がプラスチックからなる。そのため、セラミックスからなる外容器または内容器の寸法バラツキによって、従来のような嵌合構造により両者を固定することは困難である。しかし、上記容器は、内容器における内筒部の外周面と外容器の内周面との間の隙間に、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより挟持された1または2以上の層から構成される弾性体層を有している。そのため、内筒部の外周面および外容器の内周面と弾性体層との摩擦抵抗、および/または、内筒部の外周面および外容器の内周面に対して作用する弾性体層の弾発力により、内筒部の外周面に沿った回転トルク等、容器使用時における力によっては内容器と外容器とが外れ難くなる。
【0012】
一方、容器使用後は、上記摩擦抵抗および/または弾発力を打ち破る力を加えて容器軸方向に内容器と外容器とを引き離すことにより、両者を分離することができる。また上記分離後は、内筒部の外周面と外容器の内周面とによって挟持されていた弾性体層も分離することができる。そのため、接着剤や両面テープ等が内側に付着していない状態の外容器が得られる。したがって、別用途等に外容器をそのまま再利用することができる。
【0013】
また、上記容器は、従来容器のように、外容器の底部内側に内容器を固定するための固定部が不要である。そのため、固定部が邪魔にならず、別用途に外容器を再利用しやすい利点もある。特に、外容器がセラミックスである場合には、外容器がプラスチックである場合に比べ、意匠性、質感などに優れる。そのため、例えば、アロマランプ等の別用途で再利用しやすく、有用である。
【0014】
上記に加え、上記容器によれば、接着剤や両面テープ等が外側に付着していない状態の内容器や弾性体層も同時に得られるので、内容器や弾性体層も再利用しやすくなる。さらに、上記容器によれば、詰め替え用の新たな内容器(リフィル等)を上記容器構造となるように外容器に再び取り付け、再度、同じ用途に継続して容器を使用することも可能である。したがって、上記容器は、内容器の内部に化粧料や薬等の詰め替え需要がある物を収容することが多い、化粧品分野、薬剤分野等において好適に用いることができる。
【0015】
また、上記容器は、容器の構成部材を再資源化する前に、そのままの状態で再使用(リユース)しやすいことから、循環型社会の構築へいっそう貢献しやすい。
【0016】
上記容器の製造方法は、上記構成の内容器、外容器、および弾性体層を準備した後、外容器の内周面に沿って弾性体層を配置する、または、内容器における内筒部の外周面に沿って弾性体層を配置する。その後、外容器内に配置された弾性体層の内側に内容器の内筒部を圧入する、または、弾性体層を配置した内容器の内筒部を外容器内に圧入する。そのため、内容器における内筒部の外周面と外容器の内周面との間に形成される隙間において、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより弾性体層が挟持される。したがって、上記容器の製造方法によれば、上述した作用効果を奏する上記容器を簡単に得ることができる。
【0017】
特に、外容器の内周面に沿って弾性体層を配置した後、外容器内に配置された弾性体層の内側に内容器の内筒部を圧入する工程を経るようにした場合には、内容器における内筒部の外周面に沿って弾性体層を配置した後、弾性体層を配置した内容器の内筒部を外容器内に圧入する場合に比べ、圧入作業が簡単になる。そのため、上記容器の製造性に優れる。
【0018】
以上、本発明によれば、容器使用時には内容器と外容器とが外れ難く、容器使用後は両者を分離して外容器を再利用しやすい容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】実施例1に係る容器の一部を構成する内容器の正面図である。
【図4】実施例1に係る容器の一部を構成する内容器の平面図である。
【図5】図4におけるB−B断面図である。
【図6】実施例1に係る容器の一部を構成する外容器の正面図である。
【図7】実施例1に係る容器の一部を構成する外容器の平面図である。
【図8】図7におけるC−C断面図である。
【図9】実施例2に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【図10】図9におけるD−D断面図である。
【図11】実施例3に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【図12】実施例4に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述したように、上記容器は、上記内容器と、上記外容器と、上記弾性体層とを有している。先ず、上記内容器について説明する。上記内筒部は、有底かつ筒状に形成されている。つまり、上記内筒部は、底部とこの底部の周囲に立設された周壁から構成されているといえる。上記内筒部の筒状形状としては、具体的には例えば、略円筒状、略角筒状などを例示することができる。なお、「略円筒状」は、内筒部の軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状である場合のみならず、楕円形状等の完全に円形状ではない場合も含む。また、「略角筒状」は、内筒部の軸方向と垂直に切断したときの断面が略四角形状、略六角形状などの略多角形状である場合を含む。上記内筒部は、軸方向のいずれの箇所においても径が一定の形状とされていてもよいし、例えば、軸方向、かつ、底部と反対側の開口端側に向かって径が漸次拡径される形状等とすることもできる。
【0021】
上記内筒部の底部外側には、上記容器の外容器と異なる外容器の底部内側面に設けられた環状突部に嵌合可能な突部等が設けられていてもよい。このような突部を有する内容器は、従来知られているが、上記容器の構成によれば、上記突部の有無に関わらず、内容器と外容器とを外れ難くすることができる。そのため、上記容器の内容器として従来の内容器を流用することにより、新たに上記容器専用の内容器を製造する必要がなくなり、部品点数を削減することができる。また、低コスト化にも寄与することができる。
【0022】
上記内筒部は、底部と反対側の開口端側の外周面に径方向外方に突出するフランジ部を有していてもよい。上記フランジ部を有する場合には、上記隙間に挟持されている弾性体層の端面を上記フランジ部により覆い隠すことができる。そのため、上記容器の意匠性を向上させることができる。また、フランジ部の外周縁が外容器の内周面にほぼ当接することにより、内容器と外容器との軸合わせが容易になる。
【0023】
次に、上記外容器について説明する。上記外容器は、有底かつ筒状に形成されている。つまり、上記外容器は、底部とこの底部の周囲に立設された周壁から構成されているといえる。上記外容器の筒状形状としては、具体的には例えば、略円筒状、略角筒状などを例示することができる。なお、「略円筒状」は、外容器の軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状である場合のみならず、楕円形状等の完全に円形状ではない場合も含む。また、「略角筒状」は、外容器の軸方向と垂直に切断したときの断面が略四角形状、略六角形状などの略多角形状である場合を含む。但し、外容器の大きさは、内容器の内筒部を内部に収容可能な大きさに構成される。具体的には、外容器の大きさは、内容器の内筒部を内部に収容した際に、内容器における内筒部の外周面(底部除く)と外容器の内周面(底部除く)、つまり、内筒部の外側の筒面と外容器の内側の筒面とが接触することなくその間に隙間を形成可能な大きさに構成することができる。
【0024】
上記外容器は、軸方向のいずれの箇所においても径が一定の形状とされていてもよいし、例えば、軸方向、かつ、底部と反対側の開口端側に向かって径が漸次拡径される形状等とすることもできる。
【0025】
上記容器において、内容器はプラスチックまたはセラミックスから形成することができる。一方、外容器はセラミックスまたはプラスチックから形成することができる。つまり、上記容器において、内容器、外容器は、プラスチックまたはセラミックスのいずれか一方から形成することができるが、互いに相手方とは異なる材質から形成される。上記セラミックスとしては、例えば、ボーンチャイナ等の磁器質セラミックス、陶器質セラミックス、硝子などを例示することができる。上記プラスチックとしては、例えば、ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂、ポリエチレン等のエチレン系樹脂などといったオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂などを例示することができる。
【0026】
次に、上記弾性体層について説明する。上記弾性体層は、弾性材料から層状に形成されたものである。上記弾性体層は、1層から構成されていてもよいし、2層以上から構成されていてもよい。上記弾性体層を2層以上とした場合には、層間において摩擦抵抗が生じる。そのため、内容器と外容器とをいっそう外れ難くするのに有利である。上記弾性体層が2層以上から構成されている場合、各層は、同じ材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。さらに、各層は、同じ厚みから形成されていてもよいし、異なる厚みから形成されていてもよい。
【0027】
上記弾性体層は、基本的に、上記隙間に配置される前、つまり、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより挟持される前の段階では、上記隙間の径方向距離よりも層厚が厚く形成されているとよい。この場合には、上記隙間に弾性体層が配置された段階において、弾性体層は、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより径方向に圧縮した状態で確実に挟持される。したがって、上記隙間に寸法バラツキがある場合であっても、内筒部の外周面および外容器の内周面に対して確実に弾性体層の弾発力を作用させることができる。それ故、上記摩擦抵抗と弾発力とが相まって、内容器と外容器とがより強固に固定され、容器使用時における力によって内容器と外容器とがいっそう外れ難くなる。
【0028】
上記弾性体層は、各種の弾性材料から形成することが可能である。上記弾性材料としては、例えば、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂などといった各種樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどといった各種ゴム(エラストマーも含む)などを例示することができる。また、上記弾性材料は、発泡した材料であってもよいし、発泡していない材料であってもよい。
【0029】
ここで、上記弾性体層のうち、少なくとも1層は発泡した材料から形成することができる(請求項2)。この場合には、上記隙間における寸法バラツキを吸収しつつ、適度の弾発力を内筒部の外周面および外容器の内周面に対して作用させることができる。なお、上記弾性体層が2層以上からなる場合、発泡した材料からなる層は、いずれの層位置に配置されていてもよい。また、発泡した材料からなる層は、好ましくは、通気性のある多孔質とされているとよい。この場合には、外容器に内容器を組み付ける際に、外容器の内側と内容器の外側とにより囲まれた空間内の空気を発泡した材料からなる層を介して脱気しながら組み付けることができ、上記組み付け時に必要な力を小さくすることができる。
【0030】
上記弾性体層は、上記隙間のほぼ全てに配置されていてもよいし、上記隙間に部分的に配置されていてもよい。つまり、上記弾性体層は、上記隙間の周方向に連続的に存在していてもよいし、不連続に存在していてもよい。但し、上記弾性体層を部分的、不連続に配置する場合には、2以上の弾性体層を、内容器の軸方向と外容器の軸方向とが略同軸となるように考慮して上記隙間に配置することが好ましい。上記弾性体層を上記隙間のほぼ全てに配置するか部分的に配置するかは、容器使用時に加えられる力の大きさ、内容器と外容器との組み付け作業性等を考慮して決定することができる。また、上記弾性体層は、上記隙間の周方向において連続しておらず、内筒部の底部側から開口端側にかけて繋がる連通路を有する構成とすることもできる。この場合には、外容器に内容器を組み付ける際に、外容器の内側と内容器の外側とにより囲まれた空間内の空気を上記連通路を介して脱気しながら組み付けることができ、上記組み付け時に必要な力を小さくすることができる。
【0031】
上記弾性体層の形状は、特に限定されるものではない。上記弾性体層は、略円筒状、板状形状を丸めた(湾曲させた)形状等から構成することが可能である。
【0032】
上記弾性体層のうち、少なくとも1層は、板状形状よりなるとともに上記隙間に沿って丸められた状態で配置することができる(請求項3)。上記容器は、外容器、内容器のいずれか一方がセラミックスからなる。セラミックスからなる外(内)容器は寸法バラツキを有することが多いが、上記構成とした場合には、丸め具合を調節することによって寸法バラツキを吸収しやすくなる。上記構成は、例えば、セラミックスからなる外(内)容器のロット間における寸法バラツキがある場合等に特に有用である。また、汎用弾性材料を簡易に必要な板状形状に加工するだけで材料を準備することができるので、低コスト化にも寄与することができる。
【0033】
上記板状形状の弾性体層の配置は、板状形状の弾性体層の両端面どうしが接しないように配置することができる。この場合には、板状形状の弾性体層の両端面、内筒部の外周面、外容器の内周面とによって区画された領域により、内筒部の底部側から開口端側にかけて繋がる連通路が形成される。そのため、外容器に内容器を組み付ける際に、外容器の内側と内容器の外側とにより囲まれた空間内の空気を上記連通路を介して脱気しながら組み付けることができ、上記組み付け時に必要な力を小さくすることができる。なお、上記弾性体層が2層以上からなる場合には、全ての層が板状形状よりなるとともに上記隙間に沿って丸められた状態で配置されていてもよい。
【0034】
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層およびこの内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、内層は発泡した材料から形成され、外層は発泡していない材料から形成された構成とすることができる(請求項4)。この場合には、外層が発泡していない材料から形成されているので、外容器の内周面と外層の外側表面との接触面積が増大する。そのため、発泡した材料から形成された層が外容器の内周面に接している場合に比べ、外容器の内周面と外層の外側表面との間における摩擦抵抗をより大きくすることができる。したがって、例えば、容器使用時に容器周方向の回転トルクが加わる場合等であっても、外容器と内容器とがいっそう外れ難くなる。
【0035】
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層およびこの内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、外層と外容器の内周面との静止摩擦係数は、内層と外容器の内周面との静止摩擦係数よりも大きい構成とすることができる(請求項5)。この場合には、外容器の内周面との静止摩擦係数がより大きい層を外側に配置している。そのため、外容器の内周面と外層の外側表面との間における摩擦抵抗をより大きくすることができる。したがって、例えば、容器使用時に容器周方向の回転トルクが加わる場合等であっても、外容器と内容器とがいっそう外れ難くなる。
【0036】
なお、上記内層は、上述した各種樹脂材料から好適に形成することができる。また、上記外層は、上述した各種ゴム材料から好適に形成することができる。
【0037】
また、上記容器の用途としては、例えば、化粧料入れ、薬入れ、遺品入れ、アクセサリー入れなどを例示することができる。この際、上記容器において内容器がプラスチックからなり、外容器がセラミックスからなる場合には、容器の意匠性、質感等を向上させることができる。そのため、例えば、容器の意匠性、質感等が重視される化粧料の容器等として特に好適である。また、外容器の再利用時には、強度や耐熱性等に優れることも相まって、各種用途への適用を図りやすくなる。
【0038】
特に、上記容器は、上記内容器がプラスチックからなり、上記外容器がボーンチャイナからなるとよい(請求項6)。ボーンチャイナは乳白色で滑らかな面をもつ。そのため、容器の意匠性、質感等をいっそう向上させることができ、化粧料の容器等として特に好適である。また、ボーンチャイナは透光性がある。そのため、外容器の再利用時に、その透光性を活かした用途、例えば、アロマランプ等の用途への適用を図りやすくなる。
【0039】
上記容器において、上記内容器の内筒部の開口端側には、キャップを螺合するためのねじ部が設けられた構成とすることができる(請求項7)。そして、さらに、上記容器は、上記ねじ部にキャップが螺合されていてもよい(請求項8)。なお、上記キャップは、上記内容器のねじ部に螺合可能なねじ部を内側に設けた構成とすることができる。これらの場合には、容器使用時におけるキャップ開閉時に、内容器と外容器との間に頻繁に容器周方向の回転トルクがかかる。そのため、上記容器が奏する作用効果を十分に活用することができる。
【0040】
なお、上記容器は、他にも、上記内容器の内筒部の開口端側にねじ部を設けることなく、キャップを嵌着する構成とすることも可能である。さらには、上記内容器の内筒部の開口端側にヒンジ機構を設け、ねじ部を設けることなく、ヒンジ機構を介してキャップを開閉可能に構成することも可能である。
【0041】
また、上記キャップは、プラスチック、セラミックスから構成することができる。例えば、上記内容器がプラスチックからなる場合には、キャップもプラスチックから構成することができる。つまり、内容器の材質に合わせてキャップの材質を選択することができる。また、上記キャップは、内キャップと、この内キャップの外側面を覆い、かつ、内キャップに固定された外キャップとを有する二重構造とすることもできる。この場合、例えば、内キャップをプラスチックから構成し、外キャップをボーンチャイナ等のセラミックスから構成することができる。つまり、外容器の材質に合わせて外キャップの材質を選択することができる。
【0042】
内キャップと外キャップとは、例えば、上述した弾性体層を用い、内容器と外容器と同様の原理により固定することが可能である。具体的には、内キャップの外周面と外キャップの内周面との間の隙間に1または2以上の層から構成される弾性体層を配置し、内キャップの外周面と外キャップの内周面とによって上記弾性体層を挟持することにより、内キャップと外キャップとを固定することができる。このような構成とした場合には、外キャップ、内キャップともに接着剤等の汚れが付着しないため再利用しやすくなる。なお、内キャップの天板の外側および内キャップの天板の内側は、比較的広い面積を確保しやすい。そのため、必要に応じて両部位の間を両面テープ等で接着し、必要な固定力を得る構成としてもよい。
【0043】
上記容器の製造方法は、上述した容器の製造に好適な方法である。上記準備工程で準備する内容器、外容器、弾性体層は、上述した構成のものを採用することができる。また、上記配置工程では、例えば、板状形状よりなる弾性体層を外容器の内周面に沿って配置したり、上記内容器における内筒部の外周面に沿って板状形状よりなる弾性体層を巻きつけたりすることができる。また、上記弾性体層は、外容器の内周面または内筒部の外周面に沿って連続あるいは不連続に配置することができる。また、上記圧入工程では、内筒部を容器軸方向に押圧することにより圧入することができる。さらに、上記押圧時に容器周方向に回転力を加えるなどしてもよい。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
実施例1に係る容器およびその製造方法について図1〜図8を用いて説明する。なお、以下では適宜符号を使用する。本例の容器1は、図1および図2に示すように、有底かつ筒状に形成された内筒部20を備えた内容器2と、有底かつ筒状に形成され、内部に内容器2の内筒部20を収容する外容器3と、内容器2における内筒部20の外周面と外容器3の内周面との間の隙間4に配置され、1層から構成された弾性体層5とを有している。弾性体層5は、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている。内容器2はプラスチックからなるとともに外容器3はセラミックスからなる。
【0045】
以下、図1および図2に加え、図3〜図8を参照しつつ、本例の容器1について詳細に説明する。先ず、内容器2について説明する。図3〜図5に示すように、内容器2は、ポリプロピレンから形成されており、有底かつ円筒状に形成された内筒部20を備えている。内筒部20は、軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状であり、軸方向のいずれの箇所においても径がほぼ一定形状に構成されている。
【0046】
内筒部20の底部20aの外側面には、周方向に沿って突部20bが設けられている。この突部20bは、本例の容器1の外容器3とは異なる外容器の底部の内側面に設けられた環状突部(不図示)に嵌合可能な構造に構成されており、本例の容器1における外容器3との固定には何ら関係ないものである。つまり、本例で用いた内容器2は、突部20bを有する従来の内容器を流用したものであり、本例の容器専用の内容器を新たに製造したものではない。そのため、この点において容器1の低コスト化に寄与できる。
【0047】
内筒部20は、底部20aと反対側の開口端側の外周面に径方向外方に突出するフランジ部21を有している。フランジ部21は、外容器3の開口端における内径よりも僅かに小さな円板状に形成されている。そのため、このフランジ部21により、隙間4に挟持されている弾性体層5の端面を覆い隠して意匠性を向上させたり、内容器2と外容器3との軸合わせを容易にしたりすることができる。内筒部20の開口端側には、さらに、キャップ6(後述する)を螺合するための雄ねじ部22が開口端縁に沿って設けられている。そのため、この雄ねじ部22に、雄ねじ部22の形状に対応する雌ねじ部6aを内側に有するキャップ6を螺合したり、逆に螺合されたキャップ6を取り外したりすることができる。
【0048】
次に、外容器3について説明する。図6〜8に示すように、外容器3はボーンチャイナから形成されており、全体として、有底かつ円筒状に形成されている。外容器3は、軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状であり、軸方向のいずれの箇所においても径がほぼ一定形状となるように構成されている。外容器3の大きさは、内容器2の内筒部20を内部に収容可能な大きさに構成されている。本例においては、内容器2の内筒部20を外容器3の内部に収容した際に、内筒部20の外側の筒面と外容器3の内側の筒面と間に形成される隙間4の径方向距離が約4mmとなるように構成した。
【0049】
外容器3の開口端縁における内側には、肉厚を約半分程度にすることによって形成した段差部30が形成されている。この段差部30は、内容器2を内部に収容した際に内容器2のフランジ部21を嵌合させるためのものでる。
【0050】
次に、弾性体層5について説明する。図1および図2に示すように、本例において、弾性体層5は、1層から構成されており、発泡したポリエチレン材料からなっている。弾性体層5は、外容器3の内周よりも5〜20mm程度短い長さの長辺を有する長方形状の板状材料(厚み5mm)から構成されている。弾性体層5は、この板状材料が隙間に沿って丸められた状態で配置されたものである。
【0051】
また、弾性体層5は、板状材料の両端面どうしが接しないように配置されている。そのため、弾性体層5の両端面、内筒部20の外周面、外容器3の内周面とによって区画された領域5aが形成されている。この領域5aが、内筒部20の底部20a側から開口端側にかけて繋がる連通路とされる。この連通路5aは、外容器3に内容器2を組み付ける際に、外容器3の内側と内容器2の底部20a外側とにより囲まれた空間内の空気を抜くのに役立つ。
【0052】
本例の容器1によれば、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより弾性体層5が挟持されている。そのため、内筒部20の外周面および外容器3の内周面と弾性体層5との摩擦抵抗や、内筒部20の外周面および外容器3の内周面に対して作用する弾性体層5の弾発力により、内筒部20の外周面に沿った回転トルク等、容器使用時における力によっては内容器2と外容器3とが外れ難い。
【0053】
特に、本例の場合、弾性体層5は、隙間4に配置される前の段階では、隙間4の径方向距離よりも厚みが厚く形成されている。そのため、隙間4に弾性体層5が配置された段階において、弾性体層5は、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより径方向に圧縮した状態で確実に挟持される。したがって、隙間4に寸法バラツキがある場合であっても、内筒部20の外周面および外容器3の内周面に対して確実に弾性体層5の弾発力を作用させることができる。それ故、上記摩擦抵抗と弾発力とが相まって、内容器2と外容器3とがしっかりと固定されやすく、容器使用時における力によって内容器2と外容器3とがいっそう外れ難い。
【0054】
また、本例の容器1は、内容器2の底部20a外側や外容器3の底部30a内側の面積に比べ、内筒部20の外周面および外容器3の内周面の面積が大きい。そのため、上記摩擦抵抗や弾発力を内筒部20の外周面および外容器3の内周面に十分に作用させるのに有利である。
【0055】
また、内筒部20および外容器3が円筒状である場合には、通常、引っ掛かりがないので回転トルクにより回転しやすいが、本例は、上記構成を採用したことにより上記回転トルクによる内容器2と外容器3との位置ずれなども生じ難い。
【0056】
一方、容器使用後は、摩擦抵抗や弾発力を打ち破る力を加えて容器軸方向に内容器2と外容器3とを引き離すことにより、両者を容易に分離することができる。また分離後は、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とによって挟持されていた弾性体層5も分離することができる。そのため、接着剤や両面テープ等、外容器と内容器とを固定するための固定材料が付着していない状態の外容器、内容器、弾性体層を得ることができる。それ故、これらを再利用しやすい。
【0057】
なお、従来、ポリプロピレンからなる内容器2をセラミックスからなる外容器3に接着剤で固定しようとした場合、時間がかかる上、十分な接着力が得られなかった。なぜなら、ポリプロピレ用接着剤は、湿気硬化型であるため硬化に時間がかかり、内部が硬化していない状態が多く発生するからである。しかしながら、本例のように内容器2がポリプロピレンからなり、外容器3がセラミックスからなる場合であっても、上記構成によれば、十分な固定力で両者を固定することができる。
【0058】
次に、本例の容器1の製造方法について説明する。本例の容器1の製造方法は、有底かつ筒状に形成された内筒部20を備えたプラスチックからなる内容器2と、有底かつ筒状に形成され、内部に内容器2の内筒部20を収容可能なセラミックスからなる外容器3と、1層から構成される弾性体層5とを準備する準備工程と、外容器3の内周面に沿って弾性体層5を配置する配置工程と、外容器3内に配置された弾性体層5の内側に内容器2の内筒部20を圧入する圧入工程と有している。
【0059】
以下、本例の容器1の製造方法について詳細に説明する。本例の容器1の製造方法は、上述した本例の容器1を製造するための方法である。本例では、準備工程において、上述した構成の内容器2、外容器3、および、板状形状の弾性体層5を準備した。
【0060】
次いで、外容器3の内周面に板状形状の弾性体層5の一方面を当接させた状態で沿わせて配置した。ここで、板状形状の弾性体層5の長辺の長さは、外容器3の内周よりも短く形成されている。そのため、板状材料の弾性体層5の両端面どうしは互いに接しないように配置される。次いで、外容器3内に配置された弾性体層5の内側に、内容器2の内筒部20の底部20aを挿入するとともに軸方向上方から下方に向かって内筒部20を押圧することにより、内筒部20の底部20aが外容器3の底部30aにほぼ接するまで(フランジ部21の外周が外容器3の段差部30にほぼ接するまで)内筒部20を圧入した。上記圧入操作により、弾性体層5は、弾性変形し、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持された。以上のようにして、上記容器1を製造した。
【0061】
上記容器1の製造方法によれば、比較的簡単に上記容器1を製造することができる。また、内容器2の内筒部20に弾性体層5を保持することなく内筒部20だけを圧入することより組み付けを行うことがる。そのため、圧入作業が簡単であり、容器製造性に優れる。さらに、圧入作業時に、弾性体層5の両端面間に形成された連通路5aから内部空間の空気が流出する。そのため、低い押圧力により簡単に圧入を行うことができる。
【0062】
(実施例2)
本例は、図9および図10に示すように、実施例1の容器1において、弾性体層5を2層から構成したものである。
【0063】
具体的には、本例の容器1において、弾性体層5は、内筒部20側に配置された内層51と、この内層51の外容器3側に配置された外層52とが積層された2層構造から構成されている。内層51は、実施例1で用いた発泡した材料から形成された弾性体層5と同一のものを用いている。一方、外層52は、発泡していない天然ゴム材料から形成された層からなる。この外層52は、外容器3の内周よりも10mm程度短い長さの長辺を有する長方形状の板状材料(厚み1mm)から構成されている。なお、本例では、板状形状の外層52の短辺を板状形状の内層51の短辺より短く形成したが、これに限定されるものではない。両者の短辺をほぼ同じ長さとすることも可能である。また、本例において、内層51と外層52とは互いに接しているだけであり、両者は一体化されていない。内層51と外層52とが一体化された構成を採用することも可能である。本例の容器1における弾性体層5は、上記内層51、外層52を構成する板状材料が隙間4に沿って丸められた状態で配置されており、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている。その他の構成は、実施例1の容器1と同様である。
【0064】
なお、本例では、内層51および外層52の材料を上記通りとしたので、外層52と外容器3の内周面との静止摩擦係数は、内層51と外容器52の内周面との静止摩擦係数よりも大きくなっている。
【0065】
また、本例の容器1を製造するにあたっては、実施例1の容器1の製造方法において、準備工程にて準備する弾性体層5として、上記内層51および外層52とを準備する点、配置工程において、外容器3の内周面に板状形状の外層52の一方面を当接させた状態で沿わせて配置した後に、さらに、この外層52の他方面に板状形状の内層51の一方面を当接させた状態で沿わせて配置する点を変更すればよい。
【0066】
本例の容器1によれば、外容器3の内周面と外層52の外側表面との間における摩擦抵抗をより大きくすることができる。そのため、上記摩擦抵抗と、内筒部の外周面と外容器の内周面とに作用する弾発力とが相まって、内容器と外容器とが強固に固定される。それ故、例えば、容器使用時に容器周方向の回転トルクが加わる場合等であっても、外容器3と内容器2とがいっそう外れ難くなる。その他は、実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0067】
(実施例3)
本例は、図11に示すように、実施例2の容器1において、内容器2の雄ねじ部22に、雄ねじ部22の形状に対応する雌ねじ部6aを内側に有するプラスチック製のキャップ6を螺合したものである。その他の構成は、実施例2の容器と同様である。
【0068】
この場合には、容器使用時におけるキャップ6の開閉時に、内容器2と外容器3との間に頻繁に容器周方向の回転トルクがかかる。そのため、上記容器1が奏する作用効果を十分に活用することができる。その他は、実施例2と同様の作用効果を奏する。
【0069】
(実施例4)
本例は、図12に示すように、実施例3の容器1において、プラスチック製のキャップ6の外側面にボーンチャイナ製のキャップをさらに被せたものである。具体的には、本例の容器1は、実施例3の容器で用いたプラスチック製のキャップ6を内キャップ61とし、この内キャップ61の外側面を覆い、かつ、内キャップ61に両面テープ(不図示)により固定された外キャップ62とを有する二重構造のキャップを有している。なお、上記両面テープは、内キャップ61の天板の外側と外キャップ62の天板の内側との間に配置されている。本例の容器1は、外容器3がボーンチャイナ、外キャップ62がボーンチャイナからなる。その他の構成は、実施例3の容器1と同様である。
【0070】
この場合には、容器の意匠性、質感等をいっそう向上させることができ、化粧料の容器等として特に好適である。その他は、実施例3と同様の作用効果を奏する。
【0071】
(実施例5)
本例は、図示はしないが、実施例1の容器1において、弾性体層5を2層から構成したものである。この点において実施例2の容器1と同様であるといえるが、実施例5の容器1は、弾性体層5を構成する2層の材料を同種の材料で構成した点で、実施例2の容器1と異なっている。
【0072】
具体的には、本例の容器1において、弾性体層5は、内筒部20側に配置された内層51と、この内層51の外容器3側に配置された外層52とが積層された2層構造から構成されている。内層51および外層52は、ともに発泡していない天然ゴム材料から形成された層からなる。この内層51および外層52は、外容器3の内周よりも10mm程度短い長さの長辺を有する長方形状の板状材料(厚み2mm)からそれぞれ構成されている。なお、本例において、内層51と外層52とは互いに接しているだけであり、両者は一体化されていない。内層51と外層52とが一体化された構成を採用することも可能である。本例の容器1における弾性体層5は、上記内層51、外層52を構成する板状材料が隙間4に沿って丸められた状態で配置されており、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている。その他の構成は、実施例1の容器1と同様である。
【0073】
この場合には、主に、内筒部20の外周面および外容器3の内周面と弾性体層5との摩擦抵抗により、内筒部20の外周面に沿った回転トルク等、容器使用時における力によっては内容器2と外容器3とが外れ難くなる。その他は、実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0074】
以上、実施例について説明したが、本発明は、上記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能なものである。
【符号の説明】
【0075】
1 容器
2 内容器
20 内筒部
20a 底部
20b 突部
21 フランジ部
22 雄ねじ部
3 外容器
30a 底部
30 段差部
4 隙間
5 弾性体層
5a 連通路
51 内層
52 外層
6 キャップ
6a 雌ねじ部
61 内キャップ
62 外キャップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料や薬等の物質を収容するために二重構造の容器が使用されている。例えば、特許文献1には、底部内側面に環状突部が立設された有底円筒状の外容器と、上記環状突部に嵌合できる突部を底部に設けた内容器とからなり、外容器の環状突部に内容器の突部を嵌合し両者を固定する二重構造のプラスチック容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3−3921号公報(図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来容器の構造は以下の点で問題がある。すなわち、従来容器は、外容器および内容器ともにプラスチックからなるため、両者を高い寸法精度で形成することができる。そのため、外容器の環状突部に内容器の突部を精度よく嵌合させて固定することが可能である。
【0005】
しかし、外容器および内容器のいずれか一方がセラミックスからなる場合、プラスチック品に比べ、寸法バラツキが大きくなる。そのため、特許文献1で開示されるような嵌合構造を採用することは困難である。したがって、この場合には、外容器と内容器とを他の方法により固定する必要がある。
【0006】
外容器と内容器とを固定する方法としては、例えば、接着剤を使用する方法が考えられる。しかし、異なる材質からなる外容器と内容器とを容器使用に耐えうる接着強度で接着するのは難易度が高い。さらに、仮に接着できたとしても、容器使用後に両者を分離したときに外容器の内側に接着剤が残る。そのため、外容器の再利用が妨げられる。
【0007】
外容器と内容器とを固定する他の方法としては、例えば、両面テープを使用する方法が考えられる。両面テープを用いる場合、接着剤を用いる場合に比べ、接着性を確保しやすい。しかし、両面テープの多くは厚みが一定である。そのため、上述の寸法バラツキや内容器の底部に環状突部などがある場合に、寸法バラツキや底部凹凸を吸収するのに適切な厚みを選択することが困難である。また、容器使用時にテープ基材が破壊してしまい、これにより外容器と内容器が外れてしまうおそれもある。さらに、接着剤を用いた場合と同様に、容器使用後に両者を分離したときに外容器の内側に両面テープが残る。そのため、やはり外容器の再利用が妨げられる。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、容器使用時には内容器と外容器とが外れ難く、容器使用後は両者を分離して外容器を再利用しやすい容器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、
有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容する外容器と、
上記内容器における内筒部の外周面と上記外容器の内周面との間の隙間に配置され、上記内筒部の外周面と上記外容器の内周面とにより挟持されている1または2以上の層から構成される弾性体層とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器にある(請求項1)。
【0010】
本発明の他の態様は、有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容可能な外容器と、1または2以上の層から構成される弾性体層とを準備する準備工程と、
上記外容器の内周面に沿って上記弾性体層を配置する、または、上記内容器における内筒部の外周面に沿って上記弾性体層を配置する配置工程と、
上記外容器内に配置された弾性体層の内側に上記内容器の内筒部を圧入する、または、上記弾性体層を配置した内容器の内筒部を上記外容器内に圧入する圧入工程とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器の製造方法にある(請求項9)。
【発明の効果】
【0011】
上記容器は、外容器および内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなる。つまり、内容器がプラスチックからなるとともに外容器がセラミックスからなる、または、内容器がセラミックスからなるとともに外容器がプラスチックからなる。そのため、セラミックスからなる外容器または内容器の寸法バラツキによって、従来のような嵌合構造により両者を固定することは困難である。しかし、上記容器は、内容器における内筒部の外周面と外容器の内周面との間の隙間に、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより挟持された1または2以上の層から構成される弾性体層を有している。そのため、内筒部の外周面および外容器の内周面と弾性体層との摩擦抵抗、および/または、内筒部の外周面および外容器の内周面に対して作用する弾性体層の弾発力により、内筒部の外周面に沿った回転トルク等、容器使用時における力によっては内容器と外容器とが外れ難くなる。
【0012】
一方、容器使用後は、上記摩擦抵抗および/または弾発力を打ち破る力を加えて容器軸方向に内容器と外容器とを引き離すことにより、両者を分離することができる。また上記分離後は、内筒部の外周面と外容器の内周面とによって挟持されていた弾性体層も分離することができる。そのため、接着剤や両面テープ等が内側に付着していない状態の外容器が得られる。したがって、別用途等に外容器をそのまま再利用することができる。
【0013】
また、上記容器は、従来容器のように、外容器の底部内側に内容器を固定するための固定部が不要である。そのため、固定部が邪魔にならず、別用途に外容器を再利用しやすい利点もある。特に、外容器がセラミックスである場合には、外容器がプラスチックである場合に比べ、意匠性、質感などに優れる。そのため、例えば、アロマランプ等の別用途で再利用しやすく、有用である。
【0014】
上記に加え、上記容器によれば、接着剤や両面テープ等が外側に付着していない状態の内容器や弾性体層も同時に得られるので、内容器や弾性体層も再利用しやすくなる。さらに、上記容器によれば、詰め替え用の新たな内容器(リフィル等)を上記容器構造となるように外容器に再び取り付け、再度、同じ用途に継続して容器を使用することも可能である。したがって、上記容器は、内容器の内部に化粧料や薬等の詰め替え需要がある物を収容することが多い、化粧品分野、薬剤分野等において好適に用いることができる。
【0015】
また、上記容器は、容器の構成部材を再資源化する前に、そのままの状態で再使用(リユース)しやすいことから、循環型社会の構築へいっそう貢献しやすい。
【0016】
上記容器の製造方法は、上記構成の内容器、外容器、および弾性体層を準備した後、外容器の内周面に沿って弾性体層を配置する、または、内容器における内筒部の外周面に沿って弾性体層を配置する。その後、外容器内に配置された弾性体層の内側に内容器の内筒部を圧入する、または、弾性体層を配置した内容器の内筒部を外容器内に圧入する。そのため、内容器における内筒部の外周面と外容器の内周面との間に形成される隙間において、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより弾性体層が挟持される。したがって、上記容器の製造方法によれば、上述した作用効果を奏する上記容器を簡単に得ることができる。
【0017】
特に、外容器の内周面に沿って弾性体層を配置した後、外容器内に配置された弾性体層の内側に内容器の内筒部を圧入する工程を経るようにした場合には、内容器における内筒部の外周面に沿って弾性体層を配置した後、弾性体層を配置した内容器の内筒部を外容器内に圧入する場合に比べ、圧入作業が簡単になる。そのため、上記容器の製造性に優れる。
【0018】
以上、本発明によれば、容器使用時には内容器と外容器とが外れ難く、容器使用後は両者を分離して外容器を再利用しやすい容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】実施例1に係る容器の一部を構成する内容器の正面図である。
【図4】実施例1に係る容器の一部を構成する内容器の平面図である。
【図5】図4におけるB−B断面図である。
【図6】実施例1に係る容器の一部を構成する外容器の正面図である。
【図7】実施例1に係る容器の一部を構成する外容器の平面図である。
【図8】図7におけるC−C断面図である。
【図9】実施例2に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【図10】図9におけるD−D断面図である。
【図11】実施例3に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【図12】実施例4に係る容器を示す一部切欠き断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述したように、上記容器は、上記内容器と、上記外容器と、上記弾性体層とを有している。先ず、上記内容器について説明する。上記内筒部は、有底かつ筒状に形成されている。つまり、上記内筒部は、底部とこの底部の周囲に立設された周壁から構成されているといえる。上記内筒部の筒状形状としては、具体的には例えば、略円筒状、略角筒状などを例示することができる。なお、「略円筒状」は、内筒部の軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状である場合のみならず、楕円形状等の完全に円形状ではない場合も含む。また、「略角筒状」は、内筒部の軸方向と垂直に切断したときの断面が略四角形状、略六角形状などの略多角形状である場合を含む。上記内筒部は、軸方向のいずれの箇所においても径が一定の形状とされていてもよいし、例えば、軸方向、かつ、底部と反対側の開口端側に向かって径が漸次拡径される形状等とすることもできる。
【0021】
上記内筒部の底部外側には、上記容器の外容器と異なる外容器の底部内側面に設けられた環状突部に嵌合可能な突部等が設けられていてもよい。このような突部を有する内容器は、従来知られているが、上記容器の構成によれば、上記突部の有無に関わらず、内容器と外容器とを外れ難くすることができる。そのため、上記容器の内容器として従来の内容器を流用することにより、新たに上記容器専用の内容器を製造する必要がなくなり、部品点数を削減することができる。また、低コスト化にも寄与することができる。
【0022】
上記内筒部は、底部と反対側の開口端側の外周面に径方向外方に突出するフランジ部を有していてもよい。上記フランジ部を有する場合には、上記隙間に挟持されている弾性体層の端面を上記フランジ部により覆い隠すことができる。そのため、上記容器の意匠性を向上させることができる。また、フランジ部の外周縁が外容器の内周面にほぼ当接することにより、内容器と外容器との軸合わせが容易になる。
【0023】
次に、上記外容器について説明する。上記外容器は、有底かつ筒状に形成されている。つまり、上記外容器は、底部とこの底部の周囲に立設された周壁から構成されているといえる。上記外容器の筒状形状としては、具体的には例えば、略円筒状、略角筒状などを例示することができる。なお、「略円筒状」は、外容器の軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状である場合のみならず、楕円形状等の完全に円形状ではない場合も含む。また、「略角筒状」は、外容器の軸方向と垂直に切断したときの断面が略四角形状、略六角形状などの略多角形状である場合を含む。但し、外容器の大きさは、内容器の内筒部を内部に収容可能な大きさに構成される。具体的には、外容器の大きさは、内容器の内筒部を内部に収容した際に、内容器における内筒部の外周面(底部除く)と外容器の内周面(底部除く)、つまり、内筒部の外側の筒面と外容器の内側の筒面とが接触することなくその間に隙間を形成可能な大きさに構成することができる。
【0024】
上記外容器は、軸方向のいずれの箇所においても径が一定の形状とされていてもよいし、例えば、軸方向、かつ、底部と反対側の開口端側に向かって径が漸次拡径される形状等とすることもできる。
【0025】
上記容器において、内容器はプラスチックまたはセラミックスから形成することができる。一方、外容器はセラミックスまたはプラスチックから形成することができる。つまり、上記容器において、内容器、外容器は、プラスチックまたはセラミックスのいずれか一方から形成することができるが、互いに相手方とは異なる材質から形成される。上記セラミックスとしては、例えば、ボーンチャイナ等の磁器質セラミックス、陶器質セラミックス、硝子などを例示することができる。上記プラスチックとしては、例えば、ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂、ポリエチレン等のエチレン系樹脂などといったオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂などを例示することができる。
【0026】
次に、上記弾性体層について説明する。上記弾性体層は、弾性材料から層状に形成されたものである。上記弾性体層は、1層から構成されていてもよいし、2層以上から構成されていてもよい。上記弾性体層を2層以上とした場合には、層間において摩擦抵抗が生じる。そのため、内容器と外容器とをいっそう外れ難くするのに有利である。上記弾性体層が2層以上から構成されている場合、各層は、同じ材料から形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。さらに、各層は、同じ厚みから形成されていてもよいし、異なる厚みから形成されていてもよい。
【0027】
上記弾性体層は、基本的に、上記隙間に配置される前、つまり、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより挟持される前の段階では、上記隙間の径方向距離よりも層厚が厚く形成されているとよい。この場合には、上記隙間に弾性体層が配置された段階において、弾性体層は、内筒部の外周面と外容器の内周面とにより径方向に圧縮した状態で確実に挟持される。したがって、上記隙間に寸法バラツキがある場合であっても、内筒部の外周面および外容器の内周面に対して確実に弾性体層の弾発力を作用させることができる。それ故、上記摩擦抵抗と弾発力とが相まって、内容器と外容器とがより強固に固定され、容器使用時における力によって内容器と外容器とがいっそう外れ難くなる。
【0028】
上記弾性体層は、各種の弾性材料から形成することが可能である。上記弾性材料としては、例えば、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂などといった各種樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどといった各種ゴム(エラストマーも含む)などを例示することができる。また、上記弾性材料は、発泡した材料であってもよいし、発泡していない材料であってもよい。
【0029】
ここで、上記弾性体層のうち、少なくとも1層は発泡した材料から形成することができる(請求項2)。この場合には、上記隙間における寸法バラツキを吸収しつつ、適度の弾発力を内筒部の外周面および外容器の内周面に対して作用させることができる。なお、上記弾性体層が2層以上からなる場合、発泡した材料からなる層は、いずれの層位置に配置されていてもよい。また、発泡した材料からなる層は、好ましくは、通気性のある多孔質とされているとよい。この場合には、外容器に内容器を組み付ける際に、外容器の内側と内容器の外側とにより囲まれた空間内の空気を発泡した材料からなる層を介して脱気しながら組み付けることができ、上記組み付け時に必要な力を小さくすることができる。
【0030】
上記弾性体層は、上記隙間のほぼ全てに配置されていてもよいし、上記隙間に部分的に配置されていてもよい。つまり、上記弾性体層は、上記隙間の周方向に連続的に存在していてもよいし、不連続に存在していてもよい。但し、上記弾性体層を部分的、不連続に配置する場合には、2以上の弾性体層を、内容器の軸方向と外容器の軸方向とが略同軸となるように考慮して上記隙間に配置することが好ましい。上記弾性体層を上記隙間のほぼ全てに配置するか部分的に配置するかは、容器使用時に加えられる力の大きさ、内容器と外容器との組み付け作業性等を考慮して決定することができる。また、上記弾性体層は、上記隙間の周方向において連続しておらず、内筒部の底部側から開口端側にかけて繋がる連通路を有する構成とすることもできる。この場合には、外容器に内容器を組み付ける際に、外容器の内側と内容器の外側とにより囲まれた空間内の空気を上記連通路を介して脱気しながら組み付けることができ、上記組み付け時に必要な力を小さくすることができる。
【0031】
上記弾性体層の形状は、特に限定されるものではない。上記弾性体層は、略円筒状、板状形状を丸めた(湾曲させた)形状等から構成することが可能である。
【0032】
上記弾性体層のうち、少なくとも1層は、板状形状よりなるとともに上記隙間に沿って丸められた状態で配置することができる(請求項3)。上記容器は、外容器、内容器のいずれか一方がセラミックスからなる。セラミックスからなる外(内)容器は寸法バラツキを有することが多いが、上記構成とした場合には、丸め具合を調節することによって寸法バラツキを吸収しやすくなる。上記構成は、例えば、セラミックスからなる外(内)容器のロット間における寸法バラツキがある場合等に特に有用である。また、汎用弾性材料を簡易に必要な板状形状に加工するだけで材料を準備することができるので、低コスト化にも寄与することができる。
【0033】
上記板状形状の弾性体層の配置は、板状形状の弾性体層の両端面どうしが接しないように配置することができる。この場合には、板状形状の弾性体層の両端面、内筒部の外周面、外容器の内周面とによって区画された領域により、内筒部の底部側から開口端側にかけて繋がる連通路が形成される。そのため、外容器に内容器を組み付ける際に、外容器の内側と内容器の外側とにより囲まれた空間内の空気を上記連通路を介して脱気しながら組み付けることができ、上記組み付け時に必要な力を小さくすることができる。なお、上記弾性体層が2層以上からなる場合には、全ての層が板状形状よりなるとともに上記隙間に沿って丸められた状態で配置されていてもよい。
【0034】
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層およびこの内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、内層は発泡した材料から形成され、外層は発泡していない材料から形成された構成とすることができる(請求項4)。この場合には、外層が発泡していない材料から形成されているので、外容器の内周面と外層の外側表面との接触面積が増大する。そのため、発泡した材料から形成された層が外容器の内周面に接している場合に比べ、外容器の内周面と外層の外側表面との間における摩擦抵抗をより大きくすることができる。したがって、例えば、容器使用時に容器周方向の回転トルクが加わる場合等であっても、外容器と内容器とがいっそう外れ難くなる。
【0035】
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層およびこの内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、外層と外容器の内周面との静止摩擦係数は、内層と外容器の内周面との静止摩擦係数よりも大きい構成とすることができる(請求項5)。この場合には、外容器の内周面との静止摩擦係数がより大きい層を外側に配置している。そのため、外容器の内周面と外層の外側表面との間における摩擦抵抗をより大きくすることができる。したがって、例えば、容器使用時に容器周方向の回転トルクが加わる場合等であっても、外容器と内容器とがいっそう外れ難くなる。
【0036】
なお、上記内層は、上述した各種樹脂材料から好適に形成することができる。また、上記外層は、上述した各種ゴム材料から好適に形成することができる。
【0037】
また、上記容器の用途としては、例えば、化粧料入れ、薬入れ、遺品入れ、アクセサリー入れなどを例示することができる。この際、上記容器において内容器がプラスチックからなり、外容器がセラミックスからなる場合には、容器の意匠性、質感等を向上させることができる。そのため、例えば、容器の意匠性、質感等が重視される化粧料の容器等として特に好適である。また、外容器の再利用時には、強度や耐熱性等に優れることも相まって、各種用途への適用を図りやすくなる。
【0038】
特に、上記容器は、上記内容器がプラスチックからなり、上記外容器がボーンチャイナからなるとよい(請求項6)。ボーンチャイナは乳白色で滑らかな面をもつ。そのため、容器の意匠性、質感等をいっそう向上させることができ、化粧料の容器等として特に好適である。また、ボーンチャイナは透光性がある。そのため、外容器の再利用時に、その透光性を活かした用途、例えば、アロマランプ等の用途への適用を図りやすくなる。
【0039】
上記容器において、上記内容器の内筒部の開口端側には、キャップを螺合するためのねじ部が設けられた構成とすることができる(請求項7)。そして、さらに、上記容器は、上記ねじ部にキャップが螺合されていてもよい(請求項8)。なお、上記キャップは、上記内容器のねじ部に螺合可能なねじ部を内側に設けた構成とすることができる。これらの場合には、容器使用時におけるキャップ開閉時に、内容器と外容器との間に頻繁に容器周方向の回転トルクがかかる。そのため、上記容器が奏する作用効果を十分に活用することができる。
【0040】
なお、上記容器は、他にも、上記内容器の内筒部の開口端側にねじ部を設けることなく、キャップを嵌着する構成とすることも可能である。さらには、上記内容器の内筒部の開口端側にヒンジ機構を設け、ねじ部を設けることなく、ヒンジ機構を介してキャップを開閉可能に構成することも可能である。
【0041】
また、上記キャップは、プラスチック、セラミックスから構成することができる。例えば、上記内容器がプラスチックからなる場合には、キャップもプラスチックから構成することができる。つまり、内容器の材質に合わせてキャップの材質を選択することができる。また、上記キャップは、内キャップと、この内キャップの外側面を覆い、かつ、内キャップに固定された外キャップとを有する二重構造とすることもできる。この場合、例えば、内キャップをプラスチックから構成し、外キャップをボーンチャイナ等のセラミックスから構成することができる。つまり、外容器の材質に合わせて外キャップの材質を選択することができる。
【0042】
内キャップと外キャップとは、例えば、上述した弾性体層を用い、内容器と外容器と同様の原理により固定することが可能である。具体的には、内キャップの外周面と外キャップの内周面との間の隙間に1または2以上の層から構成される弾性体層を配置し、内キャップの外周面と外キャップの内周面とによって上記弾性体層を挟持することにより、内キャップと外キャップとを固定することができる。このような構成とした場合には、外キャップ、内キャップともに接着剤等の汚れが付着しないため再利用しやすくなる。なお、内キャップの天板の外側および内キャップの天板の内側は、比較的広い面積を確保しやすい。そのため、必要に応じて両部位の間を両面テープ等で接着し、必要な固定力を得る構成としてもよい。
【0043】
上記容器の製造方法は、上述した容器の製造に好適な方法である。上記準備工程で準備する内容器、外容器、弾性体層は、上述した構成のものを採用することができる。また、上記配置工程では、例えば、板状形状よりなる弾性体層を外容器の内周面に沿って配置したり、上記内容器における内筒部の外周面に沿って板状形状よりなる弾性体層を巻きつけたりすることができる。また、上記弾性体層は、外容器の内周面または内筒部の外周面に沿って連続あるいは不連続に配置することができる。また、上記圧入工程では、内筒部を容器軸方向に押圧することにより圧入することができる。さらに、上記押圧時に容器周方向に回転力を加えるなどしてもよい。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
実施例1に係る容器およびその製造方法について図1〜図8を用いて説明する。なお、以下では適宜符号を使用する。本例の容器1は、図1および図2に示すように、有底かつ筒状に形成された内筒部20を備えた内容器2と、有底かつ筒状に形成され、内部に内容器2の内筒部20を収容する外容器3と、内容器2における内筒部20の外周面と外容器3の内周面との間の隙間4に配置され、1層から構成された弾性体層5とを有している。弾性体層5は、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている。内容器2はプラスチックからなるとともに外容器3はセラミックスからなる。
【0045】
以下、図1および図2に加え、図3〜図8を参照しつつ、本例の容器1について詳細に説明する。先ず、内容器2について説明する。図3〜図5に示すように、内容器2は、ポリプロピレンから形成されており、有底かつ円筒状に形成された内筒部20を備えている。内筒部20は、軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状であり、軸方向のいずれの箇所においても径がほぼ一定形状に構成されている。
【0046】
内筒部20の底部20aの外側面には、周方向に沿って突部20bが設けられている。この突部20bは、本例の容器1の外容器3とは異なる外容器の底部の内側面に設けられた環状突部(不図示)に嵌合可能な構造に構成されており、本例の容器1における外容器3との固定には何ら関係ないものである。つまり、本例で用いた内容器2は、突部20bを有する従来の内容器を流用したものであり、本例の容器専用の内容器を新たに製造したものではない。そのため、この点において容器1の低コスト化に寄与できる。
【0047】
内筒部20は、底部20aと反対側の開口端側の外周面に径方向外方に突出するフランジ部21を有している。フランジ部21は、外容器3の開口端における内径よりも僅かに小さな円板状に形成されている。そのため、このフランジ部21により、隙間4に挟持されている弾性体層5の端面を覆い隠して意匠性を向上させたり、内容器2と外容器3との軸合わせを容易にしたりすることができる。内筒部20の開口端側には、さらに、キャップ6(後述する)を螺合するための雄ねじ部22が開口端縁に沿って設けられている。そのため、この雄ねじ部22に、雄ねじ部22の形状に対応する雌ねじ部6aを内側に有するキャップ6を螺合したり、逆に螺合されたキャップ6を取り外したりすることができる。
【0048】
次に、外容器3について説明する。図6〜8に示すように、外容器3はボーンチャイナから形成されており、全体として、有底かつ円筒状に形成されている。外容器3は、軸方向と垂直に切断したときの断面が円形状であり、軸方向のいずれの箇所においても径がほぼ一定形状となるように構成されている。外容器3の大きさは、内容器2の内筒部20を内部に収容可能な大きさに構成されている。本例においては、内容器2の内筒部20を外容器3の内部に収容した際に、内筒部20の外側の筒面と外容器3の内側の筒面と間に形成される隙間4の径方向距離が約4mmとなるように構成した。
【0049】
外容器3の開口端縁における内側には、肉厚を約半分程度にすることによって形成した段差部30が形成されている。この段差部30は、内容器2を内部に収容した際に内容器2のフランジ部21を嵌合させるためのものでる。
【0050】
次に、弾性体層5について説明する。図1および図2に示すように、本例において、弾性体層5は、1層から構成されており、発泡したポリエチレン材料からなっている。弾性体層5は、外容器3の内周よりも5〜20mm程度短い長さの長辺を有する長方形状の板状材料(厚み5mm)から構成されている。弾性体層5は、この板状材料が隙間に沿って丸められた状態で配置されたものである。
【0051】
また、弾性体層5は、板状材料の両端面どうしが接しないように配置されている。そのため、弾性体層5の両端面、内筒部20の外周面、外容器3の内周面とによって区画された領域5aが形成されている。この領域5aが、内筒部20の底部20a側から開口端側にかけて繋がる連通路とされる。この連通路5aは、外容器3に内容器2を組み付ける際に、外容器3の内側と内容器2の底部20a外側とにより囲まれた空間内の空気を抜くのに役立つ。
【0052】
本例の容器1によれば、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより弾性体層5が挟持されている。そのため、内筒部20の外周面および外容器3の内周面と弾性体層5との摩擦抵抗や、内筒部20の外周面および外容器3の内周面に対して作用する弾性体層5の弾発力により、内筒部20の外周面に沿った回転トルク等、容器使用時における力によっては内容器2と外容器3とが外れ難い。
【0053】
特に、本例の場合、弾性体層5は、隙間4に配置される前の段階では、隙間4の径方向距離よりも厚みが厚く形成されている。そのため、隙間4に弾性体層5が配置された段階において、弾性体層5は、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより径方向に圧縮した状態で確実に挟持される。したがって、隙間4に寸法バラツキがある場合であっても、内筒部20の外周面および外容器3の内周面に対して確実に弾性体層5の弾発力を作用させることができる。それ故、上記摩擦抵抗と弾発力とが相まって、内容器2と外容器3とがしっかりと固定されやすく、容器使用時における力によって内容器2と外容器3とがいっそう外れ難い。
【0054】
また、本例の容器1は、内容器2の底部20a外側や外容器3の底部30a内側の面積に比べ、内筒部20の外周面および外容器3の内周面の面積が大きい。そのため、上記摩擦抵抗や弾発力を内筒部20の外周面および外容器3の内周面に十分に作用させるのに有利である。
【0055】
また、内筒部20および外容器3が円筒状である場合には、通常、引っ掛かりがないので回転トルクにより回転しやすいが、本例は、上記構成を採用したことにより上記回転トルクによる内容器2と外容器3との位置ずれなども生じ難い。
【0056】
一方、容器使用後は、摩擦抵抗や弾発力を打ち破る力を加えて容器軸方向に内容器2と外容器3とを引き離すことにより、両者を容易に分離することができる。また分離後は、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とによって挟持されていた弾性体層5も分離することができる。そのため、接着剤や両面テープ等、外容器と内容器とを固定するための固定材料が付着していない状態の外容器、内容器、弾性体層を得ることができる。それ故、これらを再利用しやすい。
【0057】
なお、従来、ポリプロピレンからなる内容器2をセラミックスからなる外容器3に接着剤で固定しようとした場合、時間がかかる上、十分な接着力が得られなかった。なぜなら、ポリプロピレ用接着剤は、湿気硬化型であるため硬化に時間がかかり、内部が硬化していない状態が多く発生するからである。しかしながら、本例のように内容器2がポリプロピレンからなり、外容器3がセラミックスからなる場合であっても、上記構成によれば、十分な固定力で両者を固定することができる。
【0058】
次に、本例の容器1の製造方法について説明する。本例の容器1の製造方法は、有底かつ筒状に形成された内筒部20を備えたプラスチックからなる内容器2と、有底かつ筒状に形成され、内部に内容器2の内筒部20を収容可能なセラミックスからなる外容器3と、1層から構成される弾性体層5とを準備する準備工程と、外容器3の内周面に沿って弾性体層5を配置する配置工程と、外容器3内に配置された弾性体層5の内側に内容器2の内筒部20を圧入する圧入工程と有している。
【0059】
以下、本例の容器1の製造方法について詳細に説明する。本例の容器1の製造方法は、上述した本例の容器1を製造するための方法である。本例では、準備工程において、上述した構成の内容器2、外容器3、および、板状形状の弾性体層5を準備した。
【0060】
次いで、外容器3の内周面に板状形状の弾性体層5の一方面を当接させた状態で沿わせて配置した。ここで、板状形状の弾性体層5の長辺の長さは、外容器3の内周よりも短く形成されている。そのため、板状材料の弾性体層5の両端面どうしは互いに接しないように配置される。次いで、外容器3内に配置された弾性体層5の内側に、内容器2の内筒部20の底部20aを挿入するとともに軸方向上方から下方に向かって内筒部20を押圧することにより、内筒部20の底部20aが外容器3の底部30aにほぼ接するまで(フランジ部21の外周が外容器3の段差部30にほぼ接するまで)内筒部20を圧入した。上記圧入操作により、弾性体層5は、弾性変形し、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持された。以上のようにして、上記容器1を製造した。
【0061】
上記容器1の製造方法によれば、比較的簡単に上記容器1を製造することができる。また、内容器2の内筒部20に弾性体層5を保持することなく内筒部20だけを圧入することより組み付けを行うことがる。そのため、圧入作業が簡単であり、容器製造性に優れる。さらに、圧入作業時に、弾性体層5の両端面間に形成された連通路5aから内部空間の空気が流出する。そのため、低い押圧力により簡単に圧入を行うことができる。
【0062】
(実施例2)
本例は、図9および図10に示すように、実施例1の容器1において、弾性体層5を2層から構成したものである。
【0063】
具体的には、本例の容器1において、弾性体層5は、内筒部20側に配置された内層51と、この内層51の外容器3側に配置された外層52とが積層された2層構造から構成されている。内層51は、実施例1で用いた発泡した材料から形成された弾性体層5と同一のものを用いている。一方、外層52は、発泡していない天然ゴム材料から形成された層からなる。この外層52は、外容器3の内周よりも10mm程度短い長さの長辺を有する長方形状の板状材料(厚み1mm)から構成されている。なお、本例では、板状形状の外層52の短辺を板状形状の内層51の短辺より短く形成したが、これに限定されるものではない。両者の短辺をほぼ同じ長さとすることも可能である。また、本例において、内層51と外層52とは互いに接しているだけであり、両者は一体化されていない。内層51と外層52とが一体化された構成を採用することも可能である。本例の容器1における弾性体層5は、上記内層51、外層52を構成する板状材料が隙間4に沿って丸められた状態で配置されており、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている。その他の構成は、実施例1の容器1と同様である。
【0064】
なお、本例では、内層51および外層52の材料を上記通りとしたので、外層52と外容器3の内周面との静止摩擦係数は、内層51と外容器52の内周面との静止摩擦係数よりも大きくなっている。
【0065】
また、本例の容器1を製造するにあたっては、実施例1の容器1の製造方法において、準備工程にて準備する弾性体層5として、上記内層51および外層52とを準備する点、配置工程において、外容器3の内周面に板状形状の外層52の一方面を当接させた状態で沿わせて配置した後に、さらに、この外層52の他方面に板状形状の内層51の一方面を当接させた状態で沿わせて配置する点を変更すればよい。
【0066】
本例の容器1によれば、外容器3の内周面と外層52の外側表面との間における摩擦抵抗をより大きくすることができる。そのため、上記摩擦抵抗と、内筒部の外周面と外容器の内周面とに作用する弾発力とが相まって、内容器と外容器とが強固に固定される。それ故、例えば、容器使用時に容器周方向の回転トルクが加わる場合等であっても、外容器3と内容器2とがいっそう外れ難くなる。その他は、実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0067】
(実施例3)
本例は、図11に示すように、実施例2の容器1において、内容器2の雄ねじ部22に、雄ねじ部22の形状に対応する雌ねじ部6aを内側に有するプラスチック製のキャップ6を螺合したものである。その他の構成は、実施例2の容器と同様である。
【0068】
この場合には、容器使用時におけるキャップ6の開閉時に、内容器2と外容器3との間に頻繁に容器周方向の回転トルクがかかる。そのため、上記容器1が奏する作用効果を十分に活用することができる。その他は、実施例2と同様の作用効果を奏する。
【0069】
(実施例4)
本例は、図12に示すように、実施例3の容器1において、プラスチック製のキャップ6の外側面にボーンチャイナ製のキャップをさらに被せたものである。具体的には、本例の容器1は、実施例3の容器で用いたプラスチック製のキャップ6を内キャップ61とし、この内キャップ61の外側面を覆い、かつ、内キャップ61に両面テープ(不図示)により固定された外キャップ62とを有する二重構造のキャップを有している。なお、上記両面テープは、内キャップ61の天板の外側と外キャップ62の天板の内側との間に配置されている。本例の容器1は、外容器3がボーンチャイナ、外キャップ62がボーンチャイナからなる。その他の構成は、実施例3の容器1と同様である。
【0070】
この場合には、容器の意匠性、質感等をいっそう向上させることができ、化粧料の容器等として特に好適である。その他は、実施例3と同様の作用効果を奏する。
【0071】
(実施例5)
本例は、図示はしないが、実施例1の容器1において、弾性体層5を2層から構成したものである。この点において実施例2の容器1と同様であるといえるが、実施例5の容器1は、弾性体層5を構成する2層の材料を同種の材料で構成した点で、実施例2の容器1と異なっている。
【0072】
具体的には、本例の容器1において、弾性体層5は、内筒部20側に配置された内層51と、この内層51の外容器3側に配置された外層52とが積層された2層構造から構成されている。内層51および外層52は、ともに発泡していない天然ゴム材料から形成された層からなる。この内層51および外層52は、外容器3の内周よりも10mm程度短い長さの長辺を有する長方形状の板状材料(厚み2mm)からそれぞれ構成されている。なお、本例において、内層51と外層52とは互いに接しているだけであり、両者は一体化されていない。内層51と外層52とが一体化された構成を採用することも可能である。本例の容器1における弾性体層5は、上記内層51、外層52を構成する板状材料が隙間4に沿って丸められた状態で配置されており、内筒部20の外周面と外容器3の内周面とにより挟持されている。その他の構成は、実施例1の容器1と同様である。
【0073】
この場合には、主に、内筒部20の外周面および外容器3の内周面と弾性体層5との摩擦抵抗により、内筒部20の外周面に沿った回転トルク等、容器使用時における力によっては内容器2と外容器3とが外れ難くなる。その他は、実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0074】
以上、実施例について説明したが、本発明は、上記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能なものである。
【符号の説明】
【0075】
1 容器
2 内容器
20 内筒部
20a 底部
20b 突部
21 フランジ部
22 雄ねじ部
3 外容器
30a 底部
30 段差部
4 隙間
5 弾性体層
5a 連通路
51 内層
52 外層
6 キャップ
6a 雌ねじ部
61 内キャップ
62 外キャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、
有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容する外容器と、
上記内容器における内筒部の外周面と上記外容器の内周面との間の隙間に配置され、上記内筒部の外周面と上記外容器の内周面とにより挟持されている1または2以上の層から構成される弾性体層とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、
上記弾性体層のうち、少なくとも1層は、発泡した材料からなることを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の容器において、
上記弾性体層のうち、少なくとも1層は、板状形状よりなるとともに上記隙間に沿って丸められた状態で配置されていることを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器において、
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層および該内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、上記内層は発泡した材料から形成され、上記外層は発泡していない材料から形成されていることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器において、
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層および該内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、上記外層と上記外容器の内周面との静止摩擦係数は、上記内層と上記外容器の内周面との静止摩擦係数よりも大きいことを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器において、
上記内容器はプラスチックからなり、上記外容器はボーンチャイナからなることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の容器において、
上記内容器の内筒部の開口端側には、キャップを螺合するためのねじ部が設けられていることを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器において、
上記ねじ部にキャップが螺合されていることを特徴とする容器。
【請求項9】
有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容可能な外容器と、1または2以上の層から構成される弾性体層とを準備する準備工程と、
上記外容器の内周面に沿って上記弾性体層を配置する、または、上記内容器における内筒部の外周面に沿って上記弾性体層を配置する配置工程と、
上記外容器内に配置された弾性体層の内側に上記内容器の内筒部を圧入する、または、上記弾性体層を配置した内容器の内筒部を上記外容器内に圧入する圧入工程とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器の製造方法。
【請求項1】
有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、
有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容する外容器と、
上記内容器における内筒部の外周面と上記外容器の内周面との間の隙間に配置され、上記内筒部の外周面と上記外容器の内周面とにより挟持されている1または2以上の層から構成される弾性体層とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、
上記弾性体層のうち、少なくとも1層は、発泡した材料からなることを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の容器において、
上記弾性体層のうち、少なくとも1層は、板状形状よりなるとともに上記隙間に沿って丸められた状態で配置されていることを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器において、
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層および該内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、上記内層は発泡した材料から形成され、上記外層は発泡していない材料から形成されていることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器において、
上記弾性体層は、上記内筒部側に配置された内層および該内層の上記外容器側に配置された外層の2層を有し、上記外層と上記外容器の内周面との静止摩擦係数は、上記内層と上記外容器の内周面との静止摩擦係数よりも大きいことを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器において、
上記内容器はプラスチックからなり、上記外容器はボーンチャイナからなることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の容器において、
上記内容器の内筒部の開口端側には、キャップを螺合するためのねじ部が設けられていることを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器において、
上記ねじ部にキャップが螺合されていることを特徴とする容器。
【請求項9】
有底かつ筒状に形成された内筒部を備えた内容器と、有底かつ筒状に形成され、内部に上記内容器の内筒部を収容可能な外容器と、1または2以上の層から構成される弾性体層とを準備する準備工程と、
上記外容器の内周面に沿って上記弾性体層を配置する、または、上記内容器における内筒部の外周面に沿って上記弾性体層を配置する配置工程と、
上記外容器内に配置された弾性体層の内側に上記内容器の内筒部を圧入する、または、上記弾性体層を配置した内容器の内筒部を上記外容器内に圧入する圧入工程とを有し、
上記外容器および上記内容器のいずれか一方がセラミックスからなるとともに他方がプラスチックからなることを特徴とする容器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−250733(P2012−250733A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123920(P2011−123920)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000244305)鳴海製陶株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000244305)鳴海製陶株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
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