説明

容器による包装装置

【課題】加圧シール部、シーラ受けを容易に付け替えて大きさや形状が異なる容器に包装を行うことを可能とした容器による包装装置を提供する。
【解決手段】包装用容器の縁を受けるシーラ受け31の上で包装用容器の縁に蓋となるフィルムを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱する加圧シール部が形成されたシーラ2を有する容器による包装装置である。シーラ2は加熱部分と、同加熱部分の下部に保持部材によって着脱自在に取り付けられたシーラ板とで構成されている。また、シーラ受け31は台車に取付部材によって着脱自在に取り付けられており、取付部材はコイルバネで下方に付勢されて台車に出没可能に取り付けられていてコイルバネの付勢力に即して押し下げられ軸回りに回転された位置で台車に係合してシーラ受け31を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐などの食品類、その他の品物を所謂パックなどの容器に充填して包装する容器による包装装置に関し、更に詳しくは、大きさや形状が異なる容器を対象として種々の品物を容器で包装することを容易に切り替えて行うことを可能とした容器による包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パック入り豆腐に例をとると、近年の食生活の多様化に伴って、種々の大きさのパック入り豆腐や、切り離し自由に縁を連結した多連パック入り豆腐、または人目を引くよう種々の形状の容器に入れた豆腐などが市場に提供されている。このような容器入り商品は、包装用容器の縁を受けるシーラ受けと、同シーラ受けの上で前記包装用容器の縁と蓋になるフィルムとを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱する加圧シール部が形成されたシーラとを有する包装装置によって包装されるが、通常はそれらの商品毎に専用の包装装置が用いられる。
【0003】
しかしながら、同じ商品、例えば、豆腐を異なる大きさ、形状の容器に包装する必要がある場合などは、それら異なる大きさ、形状の容器毎に包装装置を設置することは無駄なので、複数種のパック入り商品を製造することができるように、包装用容器の縁を受けるシーラ受けと、同シーラ受けの上で前記包装用容器の縁に蓋となるフィルムを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱する加圧シール部を、複数組用意しておいて、包装する容器の変更に対応してシーラ受けと加圧シール部とを付け替えて対応することが行われる。しかしながら、包装用容器の縁を受けるシーラ受けを無端状に連結して走行させ、容器包装商品を連続して製造するようにした包装装置では、その無端状に連結された数10個のシーラ受けを取り外して製造対応のものに付け替える上でボルトの取り外し、締付けに相当の作業量を要していた。
【0004】
そのため、包装用容器の縁を受けるシーラ受けと加圧シール部を取り替えることなしに、異なる大きさや形状の容器に対して包装することができるように構成した容器による包装装置が提供されている。その例として、特許文献1に示す包装装置がある。これは、複数個の異なる径を持つシーラ受けとシーラをそれぞれ形成したシーラ受けとシーラを互いに切り替え可能に支持した構造にしたもので、シーラ受けとシーラを互いに回転して複数個の異なる径のシーラ受けとシーラの組合せに切り替えられる。しかしながら、このように複数種類のシーラ受けとシーラとを形成した構造にしたものは、シーラ受けとシーラの重量が増し、多くの駆動動力を必要とする上、あまり使用頻度が高くないシーラ受けとシーラとを具えたままの状態で不経済な操業を行うことになるという問題をもっている。
【特許文献1】特開平02−191107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、包装用容器に品物を充填し、その上をその容器の蓋となるフィルムなどのシートで覆い、その包装用容器の縁とフィルムの重ね合わせ部をシーラ受けの上で加圧シール部によって挟みつけてシールする容器による包装装置において、大きさや形状が異なる容器を対象として種々の品物を容器で包装することを工具の使用なしに容易に切り替えて行うことを可能とした容器による包装装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、前記した課題を解決するため、包装用容器の縁を受けるシーラ受けと、同シーラ受けの上で前記包装用容器の縁と蓋になるフィルムとを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱する加圧シール部が形成されたシーラとを有する容器による包装装置であって、前記シーラが加熱部分と、同加熱部分の下部に保持部材によって着脱自在に取り付けられ前記加圧シール部が形成されたシーラ板とで構成されている容器による包装装置を提供する。
【0007】
(2)また、本発明は前記した課題を解決するため、包装用容器の縁を受けるシーラ受けと、同シーラ受けの上で前記包装用容器の縁と蓋になるフィルムとを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱シールする加圧シール部が形成されたシーラとを有する容器による包装装置であって、前記シーラ受けは支持体に取付部材によって着脱自在に取り付けられており、同取付部材はばねで付勢されて前記支持体に出没可能に取り付けられていて押し下げられ軸回りに回転された位置で前記支持体に係合して前記シーラ受けを前記支持体に固定する構成となっている容器による包装装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
前記(1)の本発明の容器による包装装置によれば、加圧シール部が加熱部分と別体に構成されていて、その加圧シール部を保持部材によって加熱部分に着脱できるので、加熱部分に対し形状や寸法が異なる加圧シール部を工具の使用なしに保持部材で取り付けたり取り外したりして、所望の形状、寸法の加圧シール部を具えたシーラを有する包装装置として、所望の包装容器を使って包装を行うことができる。
【0009】
前記(1)の本発明の容器による包装装置における前記保持部材として、前記加熱部分に軸回りに回転可能に取り付けられた軸部材を有し、同軸部材と前記シーラ板には、同軸部材の軸周りの回転により両者の係合が着脱される係合部が形成されている構成とすることができ、この構成とすることによって、その軸部材を軸回りに回転させるだけで軸部材とシーラ板との間の係合部の着脱を瞬時に行う包装装置とすることができる。また、この場合、軸部材を複数本設け、その複数本の軸部材を連動して軸回りに回転させる軸部材回転リンク機構が設けられた構成とすることによって、シーラ板を加熱部分に複数本の軸部材でしっかり取り付け熱伝達を確保しながら、そのシーラ板を加熱部分に対して工具の使用なしに短時間で簡単に脱着させることができる。
【0010】
前記(2)の本発明の容器による包装装置によれば、シーラ受けが支持体に取付部材によって着脱自在に取り付けられているので、包装に使用する容器の形状や寸法に合わせて所望のシーラ受けを選択して支持体に取り付けることによって、異なった形状や寸法の容器を使って包装することができる。しかも、そのシーラ受けを支持体に取り付ける取付部材はばねで付勢されて支持体に出没可能に取り付けられていて、その取付部材を押し下げるとともに軸回りに回転させると取付部材は前記支持体に係合して前記シーラ受けを前記支持体に直ちに固定させることができ、また、その取付部材を軸回りに上記したと反対向きに回転させると支持体との係合から外れ、シーラ受けを支持体から簡単に取り外すことができるので、支持体に対するシーラ受けの着脱を工具の使用なしに迅速に行うことができる。
【0011】
前記(2)の本発明の容器による包装装置においては、前記取付部材に係合ピンを設けるとともに、前記支持体側に前記係合ピンの上下動を案内する溝を設け、その溝の下端における前記取付部材の軸回りの回転位置で前記係合ピンが前記支持体に係合して前記シーラ受けを前記支持体に固定し、前記取付部材を軸回りに反対に回転すると前記係合ピンと前記支持体との係合が外れ上昇される構成とすることができる。この構成とすることによって、シーラ受けを支持体に取り付けるときは、取付部材を押し下げるとともに軸回りに回転させると係合ピンが支持体に係合してシーラ受けを支持体に簡単に固定することができる。また、シーラ受けを取り外すときは取付部材を固定の場合と反対向きに軸回りに回転させることによって、係合ピンが支持体との係合から外れて取付部材は支持体に対するシーラ受けの固定を瞬時に解いてシーラ受けを容易に取り外すことができる。
【0012】
前記(1)の発明に基づくシーラを設けて構成したシーラ部を上部に配置し、前記(2)の発明に基づくシーラ受けの複数個をエンドレスチェーンに取り付けて走行されるように構成したシーラ受け部を前記シーラ部の下方に配置し、前記シーラ部とシーラ受け部の間で連続して容器による包装を行う構成とした容器による包装装置とすることによって、異なる寸法や形状の包装容器を使用して連続して包装することができる容器による包装装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の容器による包装装置を図示した一実施例によって具体的に説明する。まず、この実施例による包装装置の全体構成を図1によって説明する。この装置は、シーラ部1、シーラ受け部30、容器供給部50、充填部60、制御部70などから成っている。
シーラ部1は、品物の充填後、フィルムで上部を覆った容器の縁の部分を上から押さえて容器の縁とフィルムを融着させてシールするシーラ2を有しており、図示した装置の場合、2個のシーラ2が後記するシーラ受け部30の走行方向に並べて配置され、搬送されて来るシーラ受け31上の容器の2個ずつをシールする構成となっている。シーラ受け部30は、シーラ部1の下方に配置され、容器供給部50から供給される包装容器を受け入れて搬送する多数のシーラ受け31を備え、シーラ受け31はそれぞれ互いに間隔を保って並置された2つのスプロケット90に掛け渡されて走行される2本の平行なエンドレスチェーン91の間に、チェーンの走行方向に並べて多数取り付けられていて、そのエンドレスチェーン91によって上方の走行路に沿って図1の左方向へ搬送される。充填部60は、シーラ受け31に載せられて搬送される容器内に包装する品物、例えば豆乳を充填する。80は、包装物を充填した後の容器の上を覆うフィルムを供給する原反ロールである。制御部70は操作パネルを具え、上記した各部の作動を制御する。
【0014】
図1に示された包装装置では、容器供給部50からシーラ受け部30に供給されてシーラ受け31に載せられた容器に包装物が充填部60で充填された後、原反ロール80から供給されたフィルム81が被せられ、シーラ部1において容器の縁部とフィルム81がシーラ受け31とシーラの間に挟まれてシールされた後、容器と容器の間でフィルムが切断されて包装済み容器が左端から搬出される。
【0015】
先ず、シーラ部1を構成しているシーラについて図2から図5によって説明する。図2において、シーラ2は加熱部分4とシーラ板20を有している。加熱部分4は内部に加熱ヒータ(図示していない)を具えていてその発熱により加熱され、その熱を下面に取り付けられたシーラ板20に伝えてシーラ板20をシール温度に保つ構成になっている。加熱部分4は、支持板5にボルト6によって取り付けられており、支持板5は、加圧板3にばね7を介して懸垂された状態で保持されている。加圧板3は図示していないエアシリンダなどによって上下動される。このばね7は加圧板3から押圧力を受け、後記するようにシーラ板20がシーラ受け31との間でシール動作を行うときにシーラ板20に対してシールに必要な所定のシール圧を与えるように働く。
【0016】
加熱部分4には2本の軸部材8が貫通しており、軸部材8の上部に形成されたねじ部9が支持板5と加熱部分4との間に取り付けられたナット部材10に螺合されて保持されている。軸部材8の下端にはワッシャ11を介してナット12によって円板状のロック板13が取り付けられている。ロック板13には、直径上の対向する円周から突出した2つの係合片14が形成されている。このロック板13は、軸部材8がその軸回りに90°回わされると、その係合片14の向きが図2の(b)の位置と図4の(b)の位置に変わる構成となっている。これら軸部材8、ロック板13、後記する係合部材24などが、本発明において、シーラ板20を加熱部分4に着脱自在に取り付けるための保持部材を構成する。
【0017】
一方、シーラ板20には、その下面にシーラ受け31との間で熱シールする包装容器の縁とその上に重ねられたフィルム81を挟んで加圧してシールするための加圧シール部21が形成されている。シーラ板20の中央部には円形の穴22が形成され、その穴22には円筒状の突出部23が形成された係合部材24が取り付けられていて、その円筒状の突出部23が円形の穴22に嵌まっている。係合部材24に形成された円筒状の突出部23の頂部には、円板状のロック板13が通過可能な大きさの円形の穴が開けられており、その穴には直径上の対向する箇所にロック板13の係合片14が通過可能な切り欠き25が設けられている。このように、ロック板13は係合片14が切り欠き25と一致した軸回りの回転位置では係合部材24の底の穴を通過可能で、そのときにシーラ板20は図4の(a)に示されているように加熱部分4から分離可能となるが、その位置から軸回りに90°回転した位置ではロック板13は、その係合片14が係合部材24と係合し、シーラ板20は軸部材8によって加熱部分4に結合された状態で保持される。なお、加熱部分4下面には、シーラ板20に取り付けられた係合部材24の円筒状の突出部23が嵌まり込む円形の穴15が設けられている。
【0018】
2本設けられた軸部材8のうち、図2の右側の軸部材8には、図5に示すように軸部材8を軸回りに回転させるためのハンドルレバー16が取り付けられている。2本の軸部材の上部にはそれぞれレバー17が軸部材8と相対回転しないように取り付けられており、両レバー17の他端同士はリンク18によって連結されている。従って、ハンドルレバー16により軸部材8の一方に与えられる軸回りの回転は、他方の軸部材へ同時に伝達され、2本の軸部材8はハンドルレバー16によって同時に軸回りに回転される構成になっている。ハンドルレバー16、レバー17、リンク18は、2つの軸部材8を連動して軸回りに回転させる軸部材回転リンク機構を構成している。ハンドルレバー16により軸部材8に対して90°の回転が与えられると、ロック板13の係合片14と係合部材24とが係合してシーラ板20が加熱部分4に結合保持される状態と、ロック板13の係合片14が係合部材24の穴の周囲に設けられた切り欠き25を通過して両者の係合を離脱してシーラ板20が加熱部分4から切り離される状態とに切り替えられる。以上説明したように、図示したシーラ2は、ハンドルレバー16を回転させることで加熱部分4に結合されるシーラ板20を、下方に分離し、また、下方から嵌め合わせて結合させることによって、使用される包装容器の形状や大きさに対応して簡単、迅速に付け替えることができる。
【0019】
次に、図6と図7に示されたシーラ受け31の構成について説明する。図6において、32はエンドレスチェーン91にボルトナット33によって取り付けられた複数個の台車を示しており、各台車32にはシーラ受け31が着脱可能に取付部材34によって取り付けられている。台車32は、シーラ受け31が取り付けられる支持体を構成する。取付部材34は上端部に形成された把持部35、丸棒状の軸部36、軸部36の下端部に取り付けられたピン37を有している。把持部35は指でつまんで軸部36の軸回りに回転させるためのものであり、ピン37は後記するように取付部材34が軸方向に回転しながら上下動されるときの動きを係合溝42に沿って案内するとともにシーラ受け31を台車32に固定した状態を保持させるための部材として機能する。
【0020】
取付部材34は台車32にボルト39によって取り付けられたフランジ付き円筒状のバネケース38に軸部36を挿入されていて、上下動自在である。軸部36の下端部にはバネ座40が取り付けられており、このバネ座40とバネケース38内部の天井部との間で軸部の周りにコイルバネ41が入れられており、取付部材34を下方に向けて付勢している。バネケース38の円筒部の互いに対向する2箇所に図8に示すような上下方向に傾斜した係合溝42が設けられており、この係合溝42に取付部材34のピン37の両端が嵌め込まれている。
【0021】
取付部材34は、そのピン37が傾斜した係合溝42に沿って変位することができる。すなわち、把持部35を指でつまんで取付部材34を軸回りに回わしながらコイルバネ41の付勢力に即して押し下げるとピン37が係合溝42に沿って変位し、取付部材34は下降されピン37が係合溝42の下端の水平になった水平溝部43に入った状態で固定される。この状態で取付部材34は、シーラ受け31を台車32に対し固定して取り付けた状態にする。このシーラ受け31を取り付けた状態になっている取付部材34の把持部35をつまんで押し下げ時と反対回りに回すとピン37が係合溝42の下端の水平になった水平溝部43の位置から外れて取付部材34はコイルバネ41の付勢力に抗して引き上げ状態で押し上げられ取付部材34はバネケース38に対して上方に飛び出し状態で変位する。取付部材34が上昇することによって、取付部材34によって台車32に対して固定されていたシーラ受け31は締付から開放され台車32から瞬時に分離可能となる。
なお、コイルバネ41の付勢力の大きさ及び係合溝42の傾斜角度を選定することによって、シーラ受け31を取り付けるときの取付部材34の押し下げ時に与える力や、シーラ受け31を取り外すときに取付部材34を解除状態にする時に取付部材34を上昇させるのに把持部35をつまんで引き上げ力を与えるか、或いはばね力による押し上げの状態にするかなど、取付部材34の作動態様を変えることができる。
【0022】
図6から図8に示したシーラ受け31は以上説明した構成を有しており、包装に使用する容器の形状や寸法に応じて使用するシーラ受け31を工具なしに簡単に付け替えて包装することができる。シーラ2は、シーラ受け31の上に保持された包装容器の縁と、その上を覆っているフィルムとをシーラ受け31との間で挟んで加熱してシールする。シーラ2に対する押圧力は、図示していないエアシリンダによって押し下げられる加圧板3の下降がばね7と支持板5を介して加熱部分4に伝えられシーラ板20に伝えられる。シーラ板20への押圧力は、加圧板3からばね7の圧縮を介して一定になるよう伝えられる。このように加圧板3の上下動がシーラ2に伝達されてシーラ板20とシーラ受け31との間で、包装容器の縁と包装容器の受けを覆うフィルム81との重ね合わせ部のシールを行う。
【0023】
図9は、図6に示したシーラ受け31を他のシーラ受け44に付け替えた状態を示した図6と同様の平面図と側面図である。図9に示したシーラ受け44は、いわゆる2連パックと呼ばれる容器を使って包装するためのもので、品物を充填した容器部分を受ける2つの凹み部分45を有しており、両凹み部分45の間には容器部分の間の縁とその上を覆うフィルムシートとを押圧して融着させるときの受けとなるブリッジ部46が設けられている。そのブリッジ部46は(b)図に見られるように台車32の下面の位置まで伸びていて、シーラ受け44が受けるブリッジ部46を支える構造となっている。
【0024】
以上、本発明の容器による包装装置を図示した実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明はこの実施例に限定されないことはいうまでもない。
例えば、図示した実施例では、シーラ2におけるシーラ板20およびシーラ受け31の両方について本発明に従って着脱自在な構成にして、それを併せ備えた構成にした例を示しているが、シーラ2におけるシーラ板20およびシーラ受け31のいずれか一方に本発明を採用し、他方は本発明による構成と異なる構成を採用したものとしてよい。
また、図示した実施例では、無端状のチェーン91に取り付けられた台車32にシーラ受け31が取り付けられた連続式に構成されたものを示したが、本発明による容器による包装装置は、このように連続的な包装装置に限らず、支持体に簡単に着脱自在に構成された1個又は複数個の静置されたシーラ受けを使った容器による包装装置としてもよい。
【0025】
また、図示した実施例におけるシーラ2におけるシーラ板20を加熱部分4に着脱させる複数本の軸部材に対し軸回りの回転を同時に与えるように構成しているが、同時に軸部材を回転させることは不可欠ではない。また、加熱部分4に対しシーラ板20を着脱自在に取り付ける保持部材の構成も図示した軸部材8、ロック板13と係合部材24によるものに限らず他の適宜の構成のものを採用してよく、要は、加熱部分に対して着脱自在にシーラ板を取り付けた構造であればよい。更に、図示した実施例では、シーラ受けの搬送方向に2つシーラ2を並設してシーラ部1を構成しているが、シーラ2は1個でもよい。
【0026】
更に、前記した実施例では、取付部材34を下方に付勢するようコイルバネ41を配置した構成にしているが、取付部材34を上方に向けて付勢するように支持体である台車32と取付部材34の間にばねを配置した構成にしてよい。また、図示した実施例では、シーラ受け31を台車32に着脱自在に取り付ける取付部材34を下方に向けて付勢するバネとしてコイルバネ41を使用し、また、取付部材34にピン37を取り付けてバネケース38に傾斜して設けられた係合溝42によって案内されて取付部材34が上下動する構成としているが、係合溝42を設けることは不可欠でないし、取付部材34を下方に付勢するばねはコイルバネに限らず、ばねよって取付部材34を下方に付勢する構成もこれに限らず他の適宜の構成を採用してもよい。また、取付部材34が押し下げられて軸回りに回転された位置で支持体に係合させる構造も図示したものに限らず、他の適宜の構造のものを採用してよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例の容器による包装装置の全体構成を示す側面図。
【図2】図1に示された容器による包装装置におけるシーラの構成を示す図面で、(a)は正面図、(b)は(a)図の底面図。
【図3】図2(a)の右側面図。
【図4】図2、図3に示されたシーラにおける軸部材の構造を示す図面で、(a)は側面図、(b)はその底面図。
【図5】図2の平面図で、軸部材を回転させるリンク機構を示している。
【図6】図1の容器による包装装置におけるシーラ受けの構成を示す図面で、(a)は側面図、(b)は底面図。
【図7】図6に示されたシーラ受けにおける取付部材の作動を示す図面で、(a)はシーラ受けを固定した状態、(b)はシーラ受けの固定を解除した状態を示している。
【図8】図6、図7に示されているシーラ受けを台車に着脱自在に取り付けるのに用いられているバネケースの構造を示す図面で、(a)図は垂直断面図を、(b)図はバネケースに設けられた係合溝の構成を示す展開図。
【図9】他のシーラ受けを台車に取付けた状態を示す図6と同様の図面で、(a)は側面図、(b)は底面図。
【符号の説明】
【0028】
1 シーラ部
2 シーラ
3 加圧板
4 加熱部分
5 支持板
6 ボルト
7 ばね
8 軸部材
9 ねじ部
10 ナット部材
11 ワッシャ
12 ナット
13 ロック板
14 係合片
15 円形の穴
16 ハンドルレバー
17 レバー
18 リンク
20 シーラ板
21 加圧シール部
22 円形の穴
23 円筒状の突出部
24 係合部材
25 切り欠き
30 シーラ受け部
31 シーラ受け
32 台車
33 ボルトナット
34 取付部材
35 把持部
36 軸部
37 ピン
38 バネケース
39 ボルト
40 バネ座
41 コイルバネ
42 係合溝
43 水平溝部
44 シーラ受け
45 凹み部分
46 ブリッジ部
50 容器供給部
60 充填部
70 制御部
80 原反ロール
81 フィルム
90 スプロケット
91 エンドレスチェーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装用容器の縁を受けるシーラ受けと、同シーラ受けの上で前記包装用容器の縁と蓋になるフィルムとを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱する加圧シール部が形成されたシーラとを有する容器による包装装置であって、前記シーラが加熱部分と、同加熱部分の下部に保持部材によって着脱自在に取り付けられ前記加圧シール部が形成されたシーラ板とで構成されていることを特徴とする容器による包装装置。
【請求項2】
前記保持部材が前記加熱部分に軸回りに回転可能に取り付けられた軸部材を有し、同軸部材と前記シーラ板には、同軸部材の軸回りの回転により両者の係合が着脱される係合部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器による包装装置。
【請求項3】
前記軸部材が複数本設けられ、その複数本の軸部材を連動して軸回りに回転させる軸部材回転リンク機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の容器による包装装置。
【請求項4】
包装用容器の縁を受けるシーラ受けと、同シーラ受けの上で前記包装用容器の縁と蓋になるフィルムとを重ね合わせ状態で挟みつけて加熱シールする加圧シール部が形成されたシーラとを有する容器による包装装置であって、前記シーラ受けは支持体に取付部材によって着脱自在に取り付けられており、同取付部材はばねで付勢されて前記支持体に出没可能に取り付けられていて押し下げられ軸回りに回転された位置で前記支持体に係合して前記シーラ受けを前記支持体に固定する構成となっていることを特徴とする容器による包装装置。
【請求項5】
前記取付部材に係合ピンが設けられ、前記支持体側に前記係合ピンの上下動を案内する溝が設けられており、その溝の下端における前記取付部材の軸回りの回転位置で前記係合ピンが前記支持体に係合して前記シーラ受けを前記支持体に固定するとともに、前記取付部材を軸回りに反対向きに回転すると前記係合ピンと前記支持体との係合が外れる構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の容器による包装装置。
【請求項6】
請求項1から3の1つに記載のシーラを設けて構成したシーラ部を上部に配置し、請求項4又は5に記載のシーラ受けの複数個をエンドレスチェーンに取り付けて走行されるように構成したシーラ受け部を前記シーラ部の下方に配置し、前記シーラ部とシーラ受け部の間で連続して容器による包装を行う構成としたことを特徴とする容器による包装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−126534(P2009−126534A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301254(P2007−301254)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000149273)株式会社大生機械 (35)
【Fターム(参考)】