説明

容器の段ばらし装置

【課題】 容器を連続的且つ高速に段ばらしできる処理能力の高い容器の段ばらし装置を提供する。
【解決手段】 対向して回動する左右の無端チェーン2に取り付けた掛止部材6が容器B側を移動する途中でその掛止部材6を所定区間容器B方向へ突出させて容器Bを掛止するガイド溝8aを設け、段積みした容器Bの最下段を支持する支持部材10を容器B方向へ進退可能に設け、掛止部材6が最下段の容器Bの掛止した後に支持部材10を後退させ、その後掛止部材6が最下段の容器Bを掛止して持ち降ろした後に支持部材10を前進させて持ち降ろした最下段の容器Bの直上の容器Bを支持するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段積みされた複数の容器から下方の容器を1個ずつばらして搬送コンベヤへ払い出す容器の段ばらし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バケットの左右の把手に係合自在となり且つ所定方向に開閉自在な一対のハンガアームと、このハンガアームを上下動させるアーム昇降シリンダユニットと、ハンガアームが所定の高さ位置まで降下したタイミングでハンガアームを開かせるローラ機構と、このローラ機構によるハンガアームの開閉高さ位置を変えるローラタイミング変更手段を備えたバケットの払出し装置がある。
【0003】
ところで、この装置ではハンガアームを上下動させるアーム昇降シリンダユニットが段積みされた容器の上方に配設されているから、ばらし前の容器の段積み高さがハンガアームの長さ内に制限され、より多段の段積みされた容器をばらす場合はハンガアームを長く形成してアーム昇降シリンダユニットを高所に配設する必要があり、装置が大型化してしまう問題があった。また、ハンガアームが上下に往復動作して払い出すから、ハンガアームが降下する際は段ばらし作業が中断され、払い出しの速度が遅く処理能力が低いという問題もあった。
【特許文献1】特開平11−59907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、ばらし前の容器の段積み高さが装置の高さに依存せず、装置が小型でありながら任意の数に段積みされた容器をばらして払い出せ、しかも容器を連続的且つ高速に段ばらしできる処理能力の高い容器の段ばらし装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 段積みされた複数の容器を下方の容器から1個ずつばらして搬送コンベヤに払い出す容器の段ばらし装置であって、垂直方向に送る無端チェーン又は無端索体を搬送コンベヤに沿って所定間隔おいて前後一対設け、同前後一対の無端チェーン又は無端索体を搬送コンベヤを挟んで対向させて左右一組設け、左右それぞれの前後一対の無端チェーン又は無端索体間に容器を掛止する掛止部材を軸端に枢支点ローラを備えた枢支軸を介して容器高さの寸法より長い間隔で複数架設し、同枢支点ローラを嵌入して掛止部材の枢支軸位置を無端チェーン又は無端索体に沿うように規制しながら移動させる無端ガイドを設け、容器側に位置する対向する左右の掛止部材が同じ高さで且つ前後方向に傾かないように前後左右の無端チェーン又は無端索体を同期させて回動させる駆動手段を設け、掛止部材が容器側を移動する途中で支持部材で支持された段積みされた容器の最下段位置より少し高くなる位置から掛止部材で持ち降ろした容器を搬送コンベヤ上に移載する位置又はその少し下方位置までの区間において左右の掛止部材の掛止部を容器側に長く突出させて容器を突き出した左右の掛止部材の掛止部で掛止して容器を持ち降ろせるようにする掛止部突出手段を設け、段積みされた容器の最下段を支持する支持部材を垂直方向に移動する掛止部材と当たらない位置に配置するとともに容器方向に進退可能に設け、上記区間上端の手前で掛止部材が段積みされた最下段の容器を掛止して支持部材から離間させた時点で支持部材を容器側とは反対側へ一時後退しその後掛止部材で持ち降ろされている容器の最下段の容器が支持部材を通過すると支持部材を最下段から2段目の容器を支持する支持位置まで前進させるように支持部材を制御する支持部材制御手段を設け、掛止部材が上記区間の上端に移動した後から無端チェーン又は無端索体の下方向送りとともに掛止部材の掛止部を容器側へ突出させながら支持部材上の容器の最下段を掛止して一時的に支持部材の支持位置より高い位置まで持ち上げた後に下方向へ移動させて掛止部で掛止した最下段の容器を搬送コンベヤに移載するように掛止部材の掛止部を移動させる掛止部受渡し可動手段を設けたことを特徴とする、容器の段ばらし装置
2) 段ばらし開始時において、支持部材制御手段は支持部材を後退させ、掛止部材で段積みされた容器を搬送コンベヤから掛止して持ち上げて突出の区間の上端又はその前後まで移動して最下段から2段目の容器が支持部材で支持できる位置に来た時点で、支持部材制御手段は支持部材を前進させて最下段以外の容器を支持し、且つ駆動手段は上記時点後無端チェーン又は無端索体を逆転して下向き方向に送り、区間の下端付近で掛止部材上の最下段の容器を搬送コンベヤに移載する制御を備え、持ち上げた段積みされた容器の全段を支持部材で支持させることなく直ちに段ばらしを開始するようにした、前記1)記載の容器の段ばらし装置
3) 掛止部材は、前後一対の無端チェーン又は無端索体間に懸架した枢支軸の前後位置それぞれに枢支具をその中間で枢支するように取り付け、前後の対向する枢支具の容器側端部に前後方向へ伸びる掛止部となる掛止受材を架設し、枢支具の枢支軸下方にガイドローラを回転自在に設け、容器側とは反対側の枢支具の端部に案内ローラを取り付けた構造とし、前記ガイドローラを嵌入させる断面凹状の環状のガイド溝を無端チェーン又は無端索体の内側位置に設け、前記案内ローラを当接させるローラガイドを容器側の無端チェーン又は無端索体の内側近接位置に設け、掛止部突出手段は、前記ガイド溝の大部分を無端チェーン又は無端索体と所定間隔離して掛止受材を容器側に突出させずに内側に後退させた状態を維持するように枢支具の姿勢を規制する形状にするとともに、掛止受材を突出させる区間のガイド溝を容器方向に湾曲させてその部分をガイド溝の一面が分断されるように欠除し、同分断したガイド溝間にガイドローラが連続的に当接するように直線状のガイド板を設け、掛止受材の突出区間でガイドローラがガイド溝から外れてガイド板で拘束されながら移動するようにし、前記ローラガイドはガイド板に当接しているガイドローラを再度ガイド溝へ案内して嵌入させるように枢支具の姿勢を規制する形状にし、同ガイド溝の欠除区間で無端チェーン又は無端索体と無端ガイドと枢支点ローラとガイド板とガイドローラとで枢支具が枢支軸まわりに回転して掛止受材は起き上がって容器方向へ突出するように枢支具の姿勢を規制する構造とし、掛止部受渡し可動手段は、ガイド溝の欠除の部分の上端から上方に従ってガイド溝を無端チェーン又は無端索体から離間して前記の所定間隔の位置になるまで湾曲させることで掛止部材を下方向に送りながら回転させて掛止部となる掛止受材を規制するように運動させる構造とした、前記1)又は2)記載の容器の段ばらし装置
にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、段積みされた容器の直上に装置を配設させる必要がなく、搬送コンベヤ上方の空間が許す限り任意の数の段積みされた容器を支持してばらすことができ、装置を小型化できる。また、複数の掛止部材を一定のピッチで循環させる構造としたことで、支持部材と連動して段積みした複数の容器から下方の容器を1個ずつ搬送コンベヤへ連続的に持ち降ろし、従来のように往復動作させる装置と比較して高速で処理能力が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の掛止部材を取り付ける無端チェーン又は無端索体としては、常用のチェーン部材やベルト,ワイヤー等があり、リンク部分で掛止部材を揺動自在に枢支し易い無端チェーンが望ましい。段ばらし開始時において、段積みされた容器を持ち上げた後に最下段から2段目の容器を支持部材で支持し、最下段の容器は支持部材で支持させることなく直ちに下降して搬送コンベヤに払い出す場合や、段積みされた容器を一旦全て支持部材で支持した後に所定のタイミングで下降させて搬送コンベヤに払い出す場合がある。また、段積みされた容器はフォークリフト等で外部から運搬して支持部材に直接支持させてばらす場合もある。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は実施例の段ばらし装置の正面図、図2は実施例の段ばらし装置の側面図、図3は実施例の支持部材の説明図、図4は図2のA−A断面図、図5は図3のA−A断面図、図6は図3のB−B断面図、図7,8は実施例の掛止部材の動作の説明図、図9〜11は実施例の容器の段ばらしの工程図、図12は実施例の掛止部材の掛止受材の軌跡を示す説明図、図13は実施例の段ばらしのフローである。
【0009】
本実施例の段積み装置1は、図1〜8に示すように垂直方向に送る無端チェーン2を搬送コンベヤCに沿って所定間隔をおいて前後一対配置して駆動スプロケット3と従動スプロケット4との間に回動自在に張り渡し、同前後一対の無端チェーン2を搬送コンベヤCを挟んで対向させて左右一組設け、左右それぞれの前後一対の無端チェーン2間に容器Bの底面を掛止する掛止部材6を軸端に枢支点ローラ6cを備えた枢支軸6fを介して容器Bの高さの寸法より長い間隔で4体架設し、駆動スプロケット3の駆動軸3aをサーボモータ5の出力軸に減速機5aを介装して接続している。サーボモータ5は、容器B側に位置する対向する左右の掛止部材6が同じ高さで且つ前後方向に傾かないように前後左右の無端チェーン2を同期して上方向又は下方向に回動させるように作動するものである。4aは従動軸である。
【0010】
掛止部材6は、前後一対の無端チェーン2間に懸架した枢支軸6fの前後位置それぞれに枢支具6bをその中間で枢支するように取り付け、前後の対向する枢支具6bの容器B側端部に前後方向へ伸びる掛止部となる掛止受材6aを架設し、枢支具6bの枢支軸6f下方にガイドローラ6dを回転自在に設け、容器B側とは反対側の枢支具6bの端部に案内ローラ6eを取り付けている。ガイドローラ6dの中心点は掛止受材6aの水平状態において案内ローラ6eより低い位置となるように構成されている。
【0011】
無端チェーン2の近接位置には、前記枢支点ローラ6cを嵌入させて掛止部材6の枢支軸6f位置を無端チェーン2に沿うように規制しながら移動させる無端ガイド7を設け、無端チェーン2の内側位置に前記ガイドローラ6dを嵌入させる断面凹状の環状のガイド溝8aを形成したガイド体8を設け、前記案内ローラ6eを当接させるローラガイド9を容器B側の無端チェーン2の内側近接位置に設けている。このガイド溝8aの大部分は無端チェーン2と所定間隔離して掛止受材6aを容器B側に突出させずに内側に後退させた状態を維持するように枢支具6bの姿勢を規制する形状にし、掛止受材6aを突出させる区間のガイド溝8aを容器B方向に湾曲させてその部分をガイド溝8aの一面が分断されるように欠除し、同分断したガイド溝8a間にガイドローラ6dが連続的に当接するように直線状のガイド板8bを設け、ガイド溝8aの欠除区間でガイドローラ6dがガイド溝8aから外れてガイド板8bで拘束されながら移動するようにしている。前記ローラガイド9はガイド板8bと当接しているガイドローラ6dを再度ガイド溝8aへ案内して嵌入させるように枢支具6bの姿勢を規制する形状にしている。
【0012】
また、掛止受材6aを突出させる区間にあるガイドローラ6dが当接するガイド板8bの部分を突出区間8cとしている。突出区間8cの下端から下方は、枢支具6bが枢支軸まわりに回転して掛止受材6aが水平状態から下向きに傾斜して容器B側とは反対側へ後退させる後退区間8eとしている。また、突出区間8cの上端から上方に従ってガイド溝8aを無端チェーン2から離間して前記所定間隔離した位置になるまで湾曲させることで掛止部材6を下方向に送りながら回転させて掛止受材6aを規制するように運動させる受渡し区間8dとしている。この受渡し区間8dの形状は、容器Bの形状,寸法等に応じてS字状,カム形状等の様々な形状が適宜選択される。
【0013】
無端チェーン2の外側近接位置それぞれには、段積みされた複数段の容器Bの最下段を支持する支持部材10を搬送コンベヤC方向へ進退可能に設けている。この支持部材10は、その支持面が突出区間8cの上端に移動した時点の掛止部材6が掛止した容器Bの凸部Baよりおよそ3mm下方に位置する高さに設けられ、その後方に配設したシリンダ11により容器Bの凸部Baの支持位置と凸部Baと接触しない後方位置との間を進退するようにしている。11aはシリンダロッドである。
【0014】
以下、図9〜13に基づいて容器Bの段ばらしを説明する。段ばらし装置1では支持部材10を後退させておく。容器Bが段ばらし装置1の下方に来ると図示しないセンサで検出し、搬送コンベヤCを減速停止して段ばらしが開始される。段ばらし装置1は、図9(a)に示すように駆動スプロケット3により無端チェーン2を上向き方向に送り、掛止部材6が一定の速度で左右同期しながら駆動スプロケット3を反転して後退区間8eの始端に移動する。
【0015】
掛止部材6は、案内ローラ6eがローラガイド9で拘束されて後退区間8eにより徐々に起き上がり、ガイドローラ6dがガイド溝8aから外れてガイド板8bと当接して水平となった掛止受材6aが最下段の容器Bの下方に来て突出区間8cに移行する。掛止受材6aは図9(b)に示すように無端ガイド7とガイド板8bで水平に保持された状態で最下段の容器Bの底面を下方から掛止して突出区間8cを上昇しながら持ち上げ、最下段から2段目の容器Bの凸部Baが支持部材10の上方まで移動すると、支持部材10を支持位置まで前進させる。
【0016】
次に、図9(c)に示すように駆動スプロケット3を直ちに逆転させて無端チェーン2を下向き方向に送り、最下段の容器Bを掛止した掛止部材6は突出区間8cを下方へ移動して最下段の容器Bを降下させるとともに、直上の2段目以降の容器Bが前進している支持部材10で支持されて最下段の容器Bと離間し、最下段の容器Bは降下して搬送コンベヤCへ移載され、掛止部材6はガイドローラ6dがガイド板8bからガイド溝8aに嵌入することで後退して駆動スプロケット3を反転する。
【0017】
続いて、図10(a)に示すように無端チェーン2の回動を維持し、従動スプロケット4を反転して受渡し区間8dの始端に移動した掛止部材6は、案内ローラ6eがローラガイド9で拘束されて図12に示すように掛止受材6aが矢印に沿って移行するように掛止部材6が揺動し、図10(b)に示すように容器Bの底面を下方からすくい上げるように掛止して残りの段積みされた容器Bの最下段の容器Bを若干持ち上げ、図10(c)に示すように最下段の容器Bが支持部材10から離間する。
【0018】
残りの段積みされた容器Bが支持部材10から離間後は、図11(a)に示すように最下段の容器Bを回避するように支持部材10を容器Bの外側へ一時的に後退させ、掛止部材6が突出区間8cを降下して最下段の容器Bが支持部材10の支持高さより下方へ移動すると、図11(b)に示すように支持部材10を支持位置まで前進させる。
【0019】
掛止部材6が最下段の容器Bを掛止した状態でさらに降下すると、図11(c)に示すように最下段から2段目の容器Bが支持部材10で支持され、同2段目の容器Bと最下段の容器Bが離間する。掛止部材6は突出区間8cの下端に来ると、最下段の容器Bが搬送コンベヤCに載置されて払い出され、掛止部材6は後退区間8eで下向きに傾斜して後退した状態で駆動スプロケット3で反転し、払い出された容器Bは搬送コンベヤCで搬送される。その後、図10(a)〜(c),図11(a)〜(c)に示す工程を繰り返すことで段積みされた容器Bを連続的にばらしながら搬送していく。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の容器の段ばらし装置は、従来と比較して多段で且つより高速に段ばらしが求められる用途に好ましく利用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例の段ばらし装置の正面図である。
【図2】実施例の段ばらし装置の側面図である。
【図3】実施例の支持部材の説明図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図3のB−B断面図である。
【図7】実施例の掛止部材の動作の説明図である。
【図8】実施例の掛止部材の動作の説明図である。
【図9】実施例の容器の段ばらしの工程図である。
【図10】実施例の容器の段ばらしの工程図である。
【図11】実施例の容器の段ばらしの工程図である。
【図12】実施例の掛止部材の掛止受材の軌跡を示す説明図である。
【図13】実施例の段ばらしのフローである。
【符号の説明】
【0022】
1 段ばらし装置
2 無端チェーン
3 駆動スプロケット
3a 駆動軸
4 従動スプロケット
4a 従動軸
5 サーボモータ
5a 減速機
6 掛止部材
6a 掛止受材
6b 枢支具
6c 枢支点ローラ
6d ガイドローラ
6e 案内ローラ
6f 枢支軸
7 無端ガイド
8 ガイド体
8a ガイド溝
8b ガイド板
8c 突出区間
8d 受渡し区間
8e 後退区間
9 ローラガイド
10 支持部材
11 シリンダ
11a シリンダロッド
B 容器
Ba 凸部
C 搬送コンベヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段積みされた複数の容器を下方の容器から1個ずつばらして搬送コンベヤに払い出す容器の段ばらし装置であって、垂直方向に送る無端チェーン又は無端索体を搬送コンベヤに沿って所定間隔おいて前後一対設け、同前後一対の無端チェーン又は無端索体を搬送コンベヤを挟んで対向させて左右一組設け、左右それぞれの前後一対の無端チェーン又は無端索体間に容器を掛止する掛止部材を軸端に枢支点ローラを備えた枢支軸を介して容器高さの寸法より長い間隔で複数架設し、同枢支点ローラを嵌入して掛止部材の枢支軸位置を無端チェーン又は無端索体に沿うように規制しながら移動させる無端ガイドを設け、容器側に位置する対向する左右の掛止部材が同じ高さで且つ前後方向に傾かないように前後左右の無端チェーン又は無端索体を同期させて回動させる駆動手段を設け、掛止部材が容器側を移動する途中で支持部材で支持された段積みされた容器の最下段位置より少し高くなる位置から掛止部材で持ち降ろした容器を搬送コンベヤ上に移載する位置又はその少し下方位置までの区間において左右の掛止部材の掛止部を容器側に長く突出させて容器を突き出した左右の掛止部材の掛止部で掛止して容器を持ち降ろせるようにする掛止部突出手段を設け、段積みされた容器の最下段を支持する支持部材を垂直方向に移動する掛止部材と当たらない位置に配置するとともに容器方向に進退可能に設け、上記区間上端の手前で掛止部材が段積みされた最下段の容器を掛止して支持部材から離間させた時点で支持部材を容器側とは反対側へ一時後退しその後掛止部材で持ち降ろされている容器の最下段の容器が支持部材を通過すると支持部材を最下段から2段目の容器を支持する支持位置まで前進させるように支持部材を制御する支持部材制御手段を設け、掛止部材が上記区間の上端に移動した後から無端チェーン又は無端索体の下方向送りとともに掛止部材の掛止部を容器側へ突出させながら支持部材上の容器の最下段を掛止して一時的に支持部材の支持位置より高い位置まで持ち上げた後に下方向へ移動させて掛止部で掛止した最下段の容器を搬送コンベヤに移載するように掛止部材の掛止部を移動させる掛止部受渡し可動手段を設けたことを特徴とする、容器の段ばらし装置。
【請求項2】
段ばらし開始時において、支持部材制御手段は支持部材を後退させ、掛止部材で段積みされた容器を搬送コンベヤから掛止して持ち上げて突出の区間の上端又はその前後まで移動して最下段から2段目の容器が支持部材で支持できる位置に来た時点で、支持部材制御手段は支持部材を前進させて最下段以外の容器を支持し、且つ駆動手段は上記時点後無端チェーン又は無端索体を逆転して下向き方向に送り、区間の下端付近で掛止部材上の最下段の容器を搬送コンベヤに移載する制御を備え、持ち上げた段積みされた容器の全段を支持部材で支持させることなく直ちに段ばらしを開始するようにした、請求項1記載の容器の段ばらし装置。
【請求項3】
掛止部材は、前後一対の無端チェーン又は無端索体間に懸架した枢支軸の前後位置それぞれに枢支具をその中間で枢支するように取り付け、前後の対向する枢支具の容器側端部に前後方向へ伸びる掛止部となる掛止受材を架設し、枢支具の枢支軸下方にガイドローラを回転自在に設け、容器側とは反対側の枢支具の端部に案内ローラを取り付けた構造とし、前記ガイドローラを嵌入させる断面凹状の環状のガイド溝を無端チェーン又は無端索体の内側位置に設け、前記案内ローラを当接させるローラガイドを容器側の無端チェーン又は無端索体の内側近接位置に設け、掛止部突出手段は、前記ガイド溝の大部分を無端チェーン又は無端索体と所定間隔離して掛止受材を容器側に突出させずに内側に後退させた状態を維持するように枢支具の姿勢を規制する形状にするとともに、掛止受材を突出させる区間のガイド溝を容器方向に湾曲させてその部分をガイド溝の一面が分断されるように欠除し、同分断したガイド溝間にガイドローラが連続的に当接するように直線状のガイド板を設け、掛止受材の突出区間でガイドローラがガイド溝から外れてガイド板で拘束されながら移動するようにし、前記ローラガイドはガイド板に当接しているガイドローラを再度ガイド溝へ案内して嵌入させるように枢支具の姿勢を規制する形状にし、同ガイド溝の欠除区間で無端チェーン又は無端索体と無端ガイドと枢支点ローラとガイド板とガイドローラとで枢支具が枢支軸まわりに回転して掛止受材は起き上がって容器方向へ突出するように枢支具の姿勢を規制する構造とし、掛止部受渡し可動手段は、ガイド溝の欠除の部分の上端から上方に従ってガイド溝を無端チェーン又は無端索体から離間して前記の所定間隔の位置になるまで湾曲させることで掛止部材を下方向に送りながら回転させて掛止部となる掛止受材を規制するように運動させる構造とした、請求項1又は2記載の容器の段ばらし装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−282335(P2006−282335A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104049(P2005−104049)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000196705)西部電機株式会社 (80)
【Fターム(参考)】