説明

容器を殺菌する装置

【課題】口の断面を有する容器の内部を洗浄する効率的な装置および方法を提供すること。
【解決手段】容器(10)を殺菌するための装置(1)であって、該装置(1)は、処理ヘッド(5)を備えており、該処理ヘッド(5)は、出口窓(8)を有し、該出口窓(8)を通って、電荷担体は進み得、該装置(1)は、電荷担体を生成する電荷担体生成源を備えており、そして該装置(1)は、加速デバイス(6)を備え、該加速デバイス(6)は、該出口窓(8)の方向に該電荷担体を加速させる、装置(1)であって、該処理ヘッド(5)が、該容器(10)の口を通って誘導され得るように、該処理ヘッド(5)の断面は、寸法を決められるということと、該出口窓(8)から出て行く該電荷担体が、該容器(10)の内壁(15)に向けられ得る方法で、該加速デバイス(6)は、該電荷担体を加速するということとを特徴とする、装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を殺菌する装置に関し、さらに詳細には、容器が充填される前に容器を殺菌する装置に関する。明確には、本発明に従った装置は、充填される容器の内壁を殺菌すること、特に、口を有するボトルの内壁を殺菌することを意図されている。
【背景技術】
【0002】
食料品が容器に充填されるとき、容器自体を殺菌することが必要である。例えば、蒸気または過酸化水素を使用して容器の内壁を殺菌することが公知である。しかしながら、かかる方法は、不利な点を付随する。なぜならば、例えば、過酸化水素を用いた処理は、材料の軟化をもたらし得るからである。従って、特に電子ビームのような電荷担体によって容器を殺菌することが、長い間、従来技術で公知となっている。
【0003】
特許文献1は、容器を殺菌するための装置を開示する。該文書において、放射線源が容器の外部に提供され、容器の内部に放射線を導く。特許文献2もまた、容器の内壁を殺菌するための対応する装置を開示しており、該装置においては、放射線源が、外部から容器の中に放射線を放射する。
【0004】
FR 2 815 769は、2つの電子ビームを放射する電子ビーム源を開示する。
【0005】
DE 198 82 252 T1は、電子による容器の内部を殺菌するための手法を記述する。ここでもやはり、電子ビーム源が提供されており、該電子ビーム源は、外部から容器の内部に放射線を導く。
【0006】
これらの上記の装置は、不利な点を有しており、その不利な点とは、放射線は、常に、外側から容器の口を通って容器の中に入るので、放射線ビームの方向は、容器の内部において、かろうじて変更され得るにすぎないということである。
【0007】
特許文献3は、流動可能品のためのパッケージングを殺菌する方法を開示する。これらは、特に、1つの側が開くパッケージングである。この方法においては、高い加速電圧は避けられなければならない。なぜならば、これらの高い加速電圧の望ましくない副作用として、X線が生成され、次には、該X線が鉛のスクリーンによって保護されなければならないからである。均一な内部の洗浄効果を達成するために、特許文献3は、電子ビームと接触するガス流を使用すること提案しており、このようにして、電子が容器の内壁に到達することを助ける。しかしながら、特許文献3に記述された方法は、ボトルの内部を洗浄すること、すなわち概して口の切断面を有する容器を洗浄することに適していない。なぜならば、特許文献3に記述された電子ビーム源は、この口を通過することができず、いずれの場合においても、特許文献3に記述された、容器の中で空気の流れを生成する空気チューブと共に、この容器の中に入り得ないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−255125号公報
【特許文献2】特開2001−225814号公報
【特許文献3】欧州特許第885142号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明の目的は、容器の断面よりも狭い口の断面を有する容器の内部を洗浄する効率的な装置および方法を提供することである。
【0010】
例えば、本発明は以下のものを提供する。
【0011】
(項目1)
容器(10)を殺菌するための装置(1)であって、該装置(1)は、処理ヘッド(5)を備えており、該処理ヘッド(5)は、出口窓(8)を有し、該出口窓(8)を通って、電荷担体は進み得、該装置(1)は、電荷担体を生成する電荷担体生成源を備えており、そして該装置(1)は、加速デバイス(6)を備え、該加速デバイス(6)は、該出口窓(8)の方向に該電荷担体を加速させる、装置(1)であって、該処理ヘッド(5)が、該容器(10)の口を通って誘導され得るように、該処理ヘッド(5)の断面は、寸法を決められるということと、該出口窓(8)から出て行く該電荷担体が、該容器(10)の内壁(15)に向けられ得る方法で、該加速デバイス(6)は、該電荷担体を加速するということとを特徴とする、装置(1)。
【0012】
(項目2)
上記出口窓(8)と上記加速デバイス(6)とは、外側筐体(16)の中に配置されており、該外側筐体(16)が、上記容器(10)の上記口を通って誘導され得るように、この筐体(16)は寸法を決められるということを特徴とする、項目1に記載の装置(1)。
【0013】
(項目3)
上記装置(1)は、保護デバイス(18)によって囲まれるということを特徴とする、項目1〜項目2のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0014】
(項目4)
上記装置(1)は、内側筐体(20)を備えており、該内側筐体(20)の中に、上記加速デバイス(6)が配置されるということと、上記外側筐体(16)は、この内側筐体(20)を囲むということとを特徴とする、項目1〜項目3のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0015】
(項目5)
上記処理ヘッド(5)まで延びるチャンバ(22)が、上記外側筐体(16)と上記内側筐体(20)との間に形成され、該チャンバ(22)を通って、媒体、特に、気体の媒体が誘導され得るということを特徴とする、項目4に記載の装置(1)。
【0016】
(項目6)
上記チャンバ(22)は、1つ以上のチャネル(22a、22b)を備えており、いずれの場合にも、該1つ以上のチャネル(22a、22b)を通って、気体の媒体または液体の媒体が進められ得るということを特徴とする、項目5に記載の装置(1)。
【0017】
(項目7)
上記気体の媒体は、ヘリウム、窒素、アルゴン、二酸化炭素、それらの混合物などを含む気体の媒体の群から選択されるということを特徴とする、項目5〜項目6のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0018】
(項目8)
上記液体の媒体は、水、油、液体窒素などを含む液体の媒体の群から選択されるということを特徴とする、項目6に記載の装置(1)。
【0019】
(項目9)
上記出口窓(8)は、チタン、石英ガラス、ダイヤモンド、それらの組み合わせなどを含む材料の群から選択された材料から作られるということを特徴とする、項目1〜項目8のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0020】
(項目10)
上記出口窓(8)は、3μmと30μmとの間の厚さ、好適には、4μmと25μmとの間の厚さ、特に好適には、5μmと20μmとの間の厚さを有するということを特徴とする、項目1〜項目9のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0021】
(項目11)
上記装置(1)は、上記電荷担体を偏向させるための偏向デバイス(7)を備えているということを特徴とする、項目1〜項目10のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0022】
(項目12)
上記処理ヘッド(5)は、上記容器(10)に対して該容器(10)の長手方向(L)に動かされ得るということを特徴とする、項目1〜項目11のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0023】
(項目13)
上記処理ヘッド(5)は、上記容器(10)に対して回転し得るということを特徴とする、項目1〜項目12のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0024】
(項目14)
上記処理ヘッド(5)は、上記容器(10)の半径方向に動かされ得るということを特徴とする、項目1〜項目13のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)。
【0025】
(項目15)
項目1〜項目14のうちの少なくとも1項に記載の装置(1)によって容器を処理する配置(30)。
【0026】
(項目16)
上記配置(30)は、上記容器(10)を充填するデバイス(32)を備えており、上記装置(1)は、このデバイス(32)の上流に配置されるということを特徴とする、項目15に記載の配置(30)。
【0027】
(項目17)
上記配置は、変位デバイス(36)を備えており、該変位デバイス(36)は、上記装置(1)に対して上記容器(10)の長手方向に該容器を変位させるということを特徴とする、項目15に記載の配置(30)。
【0028】
(項目18)
上記配置(30)は、上記容器に対する膨張デバイス(38)と、該容器(10)を充填するデバイス(32)との間に配置されるということを特徴とする、項目15〜項目17のうちの少なくとも1項に記載の配置(30)。
【0029】
(項目19)
上記配置(30)は、項目1〜項目14のうちの少なくとも1項に記載の、上記容器(10)を殺菌するための複数の装置(1)を備えており、これらの装置(1)は、円形の経路に沿って配置されるということを特徴とする、項目15〜項目18のうちの少なくとも1項に記載の配置(30)。
【0030】
(項目20)
上記配置は、上記容器(10)の外壁を殺菌するために、さらなる殺菌装置(1b)を備えているということを特徴とする、特に、項目15〜項目19のうちのすくなくとも1項に記載の配置。
【0031】
(項目21)
上記さらなる殺菌装置(1b)は、上記装置(1)の上流に配置されるということを特徴とする、項目20に記載の配置。
【0032】
(項目22)
上記さらなる殺菌装置(1b)は、固定するように配置されるということを特徴とする、項目20〜項目21のうちの少なくとも1項に記載の配置。
【0033】
(項目23)
上記配置は、輸送カルーセル(42)を備えており、該輸送カルーセル(42)は、上記さらなる殺菌装置(1b)を通過して上記容器(10)を運ぶということを特徴とする、項目20〜項目22のうちの少なくとも1項に記載の配置。
【0034】
(項目24)
上記輸送カルーセルは、回転デバイス(44)を備えており、該回転デバイス(44)は、上記容器(10)を、該容器(10)の長手方向軸の周りで回転させるということを特徴とする、項目23に記載の配置。
【0035】
(項目25)
容器(10)を殺菌する方法であって、電荷担体が、該容器(10)を殺菌するための、装置(1)において生成され、処理ヘッド(5)に配置された出口窓(8)の方向に加速させられる、方法であって、該装置(1)の該処理ヘッド(5)は、該容器(10)の口を通って該容器(10)の内部に導入され、該処理ヘッド(5)からの該加速された電荷担体は、該容器(10)の内壁に直接的に向けられ、該容器(10)は、該処理ヘッド(5)に対して動かされる、ということを特徴とする、方法。
【0036】
(項目26)
上記電荷担体は、上記出口窓(8)に到達する前に、上記容器(10)の半径方向に偏向させられるということを特徴とする、項目25に記載の方法。
【0037】
(項目27)
上記電荷担体は、上記出口窓(8)を通って出て行った後に、上記容器(10)の半径方向に偏向させられるということを特徴とする、項目25に記載の方法。
【0038】
(項目28)
上記出口窓(8)は、冷却されるということを特徴とする、項目25に記載の方法。
【0039】
(項目29)
気体の媒体および/または液体の媒体が、冷却媒体として使用されるということを特徴とする、項目28に記載の方法。
【0040】
(開示の要約)
容器(10)を殺菌するための装置(1)であって、該装置(1)は、処理ヘッド(5)を備えており、該処理ヘッド(5)は、出口窓(8)を有し、該出口窓(8)を通って、電荷担体は進み得、該装置(1)は、電荷担体を生成する電荷担体生成源を備えており、そして該装置(1)は、加速デバイス(6)を備え、該加速デバイス(6)は、該出口窓(8)の方向に該電荷担体を加速させる、装置(1)であって、該処理ヘッド(5)が、該容器(10)の口を通って誘導され得るように、該処理ヘッド(5)の断面は、寸法を決められるということと、該出口窓(8)から出て行く該電荷担体が、該容器(10)の内壁(15)に向けられ得る方法で、該加速デバイス(6)は、該電荷担体を加速するということとを特徴とする、装置(1)。
【0041】
(要旨)
本発明に従って、これは、請求項1に従った装置、請求項15に従った配置、および請求項20に従った方法によって達成される。有利な実施形態とさらなる発展とが、従属請求項の主題を形成する。
【0042】
容器を殺菌するための、本発明に従った装置は、処理ヘッドを備え、該装置は、出口窓も有しており、該出口窓を通って、電荷担体が進み得る。また提供されるものは、電荷担体を生成する電荷担体生成源と、電荷担体を出口窓の方向に加速させる加速デバイスとである。
【0043】
本発明に従って、処理ヘッドが容器の口を通って誘導され得るように、処理ヘッドの断面は寸法を決められ、そして出口窓から出て行く電荷担体が、好適には、容器の内壁に直接的に向けられ得るように、加速デバイスは電荷担体を加速させる。
【0044】
電荷担体は、特に、電子であるが、イオンなどの他の電荷担体を使用することも想定される。
【0045】
従って、引用された従来技術とは対照的に、加速電圧が使用され、該加速電圧は、殺菌効果のための電子ビームによって起こされる気体の流れを介在することなく、出て行く電子ビームが容器の内壁に直接的に当たるように充分に高いものである。出口窓は、装置の内部を気密に封鎖する、すなわち、電荷担体生成源と出口窓との間のエリアを気密に封鎖するが、それにもかかわらず、該出口窓を通って、電荷担体、特に、電子が進み得るデバイスを意味することを理解される。出口窓から出て行く電子は、かなり減速され、それによりEP 0 885 142 B1で公知の装置と比較して、非常に高いエネルギーと加速電圧とが使用されるということに留意されたい。
【0046】
電子ビームを生成するために、好適には、放射フィンガを有する小型電子ビームユニットが使用され、上で述べられたように、該放射フィンガがボトルの中に入り、それにより可能な最も低いエネルギーを有する電子雲を(ペット)ボトルの内面に適用し得るように、該放射フィンガは、寸法を決められる。回転する配置の場合、例えば、電子ビーム生成器のための変圧器または電源ユニットなどの、装置のための動作ユニットが、カルーセルの上で回転することも可能であり、その結果として、高い電圧の供給が、同時に簡素化される。1つの好適な実施形態において、出口窓と加速デバイスとが外側筐体の中に配置され、該外側筐体が容器の口を通って誘導され得るように、この外側筐体は寸法を決められる。このようにして、処理ヘッドは、この外側筐体の下端に提供され、処理ヘッドが、外側筐体と一体となって形成されることも可能である。従って、好適には、処理ヘッドを含む外側筐体全体が、容器の口を通って導入されることが可能である断面を有する。処理ヘッドの断面は、任意の形状であり得る。特定の選択により、装置は、40mm未満の直径、好適には、30mm未満の直径、特に好適には、25mm未満の直径を有する円の断面を有する。
【0047】
好適には、装置全体が、X線放射のあらゆる漏れを防止し、それによりユーザへの有害な影響を防止するために、保護デバイス、特に、鉛のスクリーンによって囲まれる。
【0048】
さらに好適な実施形態において、装置は、内側筐体を備えており、該内側筐体の中に、加速デバイスは配置され、外側筐体が、この内側筐体を囲む。個々の選択によって、内側筐体の内部に真空が適用され、好適には、該内側筐体の中に、電荷担体生成源と加速デバイスとが提供される。特に好適には、処理ヘッドまで延びるチャンバが、外側筐体と内側筐体との間に形成され、該チャンバを通って、媒体、特に気体の媒体が誘導され得る。この気体の媒体は、特に、出口窓を冷却するために働き、この目的のために、気体の媒体が内側筐体に沿って処理ヘッドまで、そして出口窓も通過して誘導され得る。従って、好適には、1つのチャネルまたは複数のチャネルの形式のチャンバが、外側筐体と内側筐体との間に形成され、気体の流れはまた、例えば、装置の半径方向に、そして出口窓も通過して誘導されるように、外側筐体の下端の区画は形成される。気体の媒体の流れは、容器の内壁に到達しないか、または少なくとも直接的には到達しないが、その代わりに、既に述べたように、特に、出口窓を通過して伝わるように働くということが示される。
【0049】
有利にも、気体の媒体は、ヘリウム、窒素、アルゴン、二酸化炭素、それらの混合物などを含む気体の媒体の群から選択される。
【0050】
個々の選択によって、出口窓は、チタン、石英ガラス、ダイヤモンド、それらの組み合わせなどを含む材料の群から選択された材料から作られる。
【0051】
従って、この実施形態においては、装置の少なくとも一部分が、二重壁の設計であり、鉄のチューブを冷却するために、すなわち、内壁と窓とを冷却するために、気体または空気が、外側筐体と内側筐体との間に提供される。既に述べたように、内側筐体の内部は空にされ、好適には、端部にチタンの窓を出口窓として有する。さらに好適な実施形態において、出口窓は、3μmと30μmとの間の厚さ、好適には、4μmと25μmとの間の厚さ、特に好適には、5μmと20μmとの間の厚さを有する。従って、出口窓のために、例えば、8μm、10μm、13μmまたは15μmの厚さを有するチタンから作られる窓フィルムを使用することが可能である。しかしながら、別の適切な材料を使用することも可能である。この出口窓または窓フィルムは、真空気密で内側筐体に溶接され、該内側筐体は、同様に、(例えば、またチタンなどの)適切な材料で作られる。この場合、出口窓が、支持されずに内側筐体の開口部を覆って配置されることが可能であるが、例えば、穿孔プレートなどの支持構造が使用されることも可能であり、該支持構造は、出口窓を担持する。出口窓に対する支持構造を使用する場合、支持構造が、適切な液体によって冷却されることも想定され、該適切な液体は、内側筐体と外側筐体との間の1つ以上のチャネルを通って、支持構造に向かって、そして支持構造から離れるように運ばれる。
【0052】
1つの好適な実施形態において、出口窓は、表面全体にわたって均一な厚さを有する。しかしながら、特定の用途に依存して、厚さが変化すること、例えば、外側から内側に向けて増加させることも可能である。例えば、窓フィルムが、表面全体にわたって様々な厚さを有することも可能であり、例えば、4μmと13μmの間で変化すること、または線または点での厚い穿孔の形式でさえも可能である。このようにして、様々な速度において、雰囲気、すなわち、出口窓の外側に到達する電子を獲得することが可能となり、故に、従来の散乱領域とは異なる散乱領域を獲得することが可能となる。
【0053】
上記のように、様々な気体が、冷却する気体として使用され得る。このようにして、気体の熱伝導の改善が、特に、ヘリウムを用いて達成され得る。しかしながら、雰囲気における電子の状態に影響を与えること、すなわち、出口窓から出た後の電子の状態に影響を与えることも可能である。例えば、雰囲気としてのヘリウムの使用は、より長い飛程の電子をもたらす。なぜならば、ヘリウムは、空気よりも低い密度を有するからである。さらに、処理チャンバ、すなわち、容器の内部はまた、気体を供給することを介して不活性にされ得、次に、このことが、オゾンの生成を減少させる。
【0054】
ビーム生成器として、開いた電子ビームユニットまたは閉じた電子ビームユニットのいずれかが使用され得、該開いた電子ビームユニットまたは閉じた電子ビームユニットは、例えば、X線チューブなどで知られている。電子源自体は、先端タイプまたは面積タイプの電子源で形成され、該電子源に、内側筐体または放射フィンガが直接的に取り付けられる。
【0055】
本発明に従った装置は、以下で、放射フィンガとも呼ばれる。
【0056】
さらに有利な実施形態において、装置は、電荷担体を偏向させる偏向デバイスを備えている。特定の選択によって、この偏向デバイスは、電荷担体生成源と出口窓との間に配置される。このようにして、ボトルの壁の方向で、好ましい方向を電子にさらに課すように、電子の電磁偏向は、出口窓の手前で行われ得る。このようにして、容器の内面全体にわたってより均一に放射線の線量を分散させることが可能である。このようにして、出口窓の出口面全体にわたって均一に電子ビームを誘導し、それにより出口窓において全体的により均一な量を達成し、それにより窓における所謂ホットスポットを防止することも可能である。しかしながら、偏向ユニットが、電子ビームの方向で出口窓の後方に配置されることも想定される。
【0057】
好適には、内側筐体は、この上記の電荷担体の偏向を容易にするために、処理ヘッドの領域において直径を増加される。
【0058】
さらに、個々の選択によって、処理ヘッドは、容器に対して、容器の長手方向に動き得る。このようにして、一工程において、容器の内壁のより広い表面積が殺菌され得る。
【0059】
さらに有利な実施形態において、処理ヘッドは、容器に対して回転し得る。これは、電荷担体がまた、処理ヘッドに対して、好ましい半径方向に出て行くときに、特に有利である。さらに有利な実施形態において、処理ヘッドは、容器に対して、容器の半径方向に動き得る。このようにして、例えば、処理ヘッド自体または装置が、殺菌プロセスの間に所定の旋回軸の周りを旋回させられるか、または容器自体が、処理ヘッドに対して旋回させられることが可能である。個々の選択によって、この場合、旋回軸は、容器の口の領域に提供されるか、または容器の口の少し上に提供される。このようにして、処理ヘッドは、容器の内壁の周辺にもたらされ得る。
【0060】
本発明はまた、上に記述されたタイプのうちの少なくとも1つの装置によって容器を処理するための配置にも関連する。好適には、複数の上で記述された装置が、複数の容器を同時に殺菌することができるように、互いに隣り合って配置されるか、または1つずつ後に配置される。例えば、回転ユニットまたは直線状のユニットとして配置全体を形成することが可能であり、該回転ユニットまたは直線状のユニットにおいては、電子ビームによって飲料のボトルの内部を殺菌するために働く処理チャンバが提供される。従って、引き伸ばし吹込み器または充填デバイス内に、本発明に従った装置を統合することか、または既存のラインまたは配置を組み込むことを可能にするために、スタンドアロンのユニットとして本発明に従った装置を配置することが可能でもある。
【0061】
好適には、配置は、容器を充填するデバイスを備えており、本発明に従ったデバイスは、このデバイスの上流に配置されている。
【0062】
さらに、配置は、変位デバイスを備え得、該変位デバイスは、装置に対して容器の長手方向に容器を変位する。原則的に、容器の高い位置を維持することと、容器の長手方向に装置だけを変位することとがまた、可能である。しかしながら、装置または放射フィンガは、比較的に複雑な設計であり、通常、高い電圧も供給されるので、該装置を固定して維持し、その代わりに装置に対して容器を変位することが望ましい。
【0063】
さらに、装置は、容器に対する膨張デバイスと容器を充填するデバイスとの間に配置されることが好ましい。従って、この配置の殺菌は、容器の膨張または容器の吹込みの後に行われる。
【0064】
有利にも、配置は、複数の上に記述されたタイプの装置を備えており、これらの個々の装置は、円形の経路に沿って配置されることが特に好ましい。しかしながら、実質的に真っ直ぐな経路に沿って、例えば、直線方向に走っているコンベアベルトに平行に複数の装置を配置することがまた可能である。
【0065】
さらに有利な実施形態において、配置は、容器の外壁を殺菌するさらなる殺菌装置を備えている。このようにして、容器の内部の殺菌だけでなく、容器の外部の殺菌も行うことが可能である。
【0066】
この場合、個々の選択によって、さらなる殺菌装置は、容器の輸送方向で、上記の殺菌装置の上流に配置される。これは、好適には、最初に、容器の外部の殺菌が行われ、次に内部の殺菌が行われるということを意味する。好適には、さらなる殺菌装置は、容器を電荷担体で照射する装置である。しかしながら、殺菌の他の原理もまた、さらに可能である。
【0067】
好適には、さらなる殺菌装置は、固定するように配置されている。これは、容器がこの固定の殺菌装置を通過して動かされるということを意味する。好適には、特に、容器の周囲の壁と、任意的ではあるが、容器の首の領域も、さらなる殺菌装置によって殺菌される。
【0068】
さらに有利な実施形態において、さらなる殺菌装置は、殺菌チャンバに配置される。
【0069】
さらに好適な実施形態において、配置は、輸送カルーセルを備えており、該輸送カルーセルは、さらなる殺菌装置を通過して容器を運ぶ。従って、容器は円形の経路に沿って誘導される。さらに詳細には、好適には、複数の輸送カルーセルが提供され、該複数の輸送カルーセルは、互いに容器を移送する。好適には、この輸送カルーセルは、回転デバイスを備えており、該回転デバイスは、長手方向軸の周りで容器を回転させる。これらの回転デバイスを提供することによって、容器のより広い周囲の面積を殺菌することが可能である。
【0070】
本発明はまた、容器を殺菌する方法に関し、電荷担体が、容器を殺菌するために、装置において生成され、かつ、出口窓の方向に加速させられ、この出口窓は、処理ヘッドに配置されている。本発明に従って、装置の処理ヘッドは、容器の口を通って容器の内部に導入され、処理ヘッドからの加速された電荷担体は、容器の内壁に直接的に向けられ、容器は、好適には、処理ヘッドに対して動かされる。
【0071】
好適には、電荷担体は、出口窓に到達する前に、容器または装置の半径方向に偏向させられる。この偏向のために、コイルなどが使用され得る。
【0072】
さらなる利点と実施形態とが、添付の図面において見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1a】図1aは、容器を殺菌するための、本発明に従った装置の部分図を示す。
【図1b】図1bは、図1aの装置のための外側筐体を示す。
【図1c】図1cは、図1aの装置のための内側筐体を示す。
【図1d】図1dは、図1aの装置のための、出口窓を有する支持体を示す。
【図1e】図1eは、図1dの支持窓の平面図を示す。
【図1f】図1fは、図1aの出口窓の平面図を示す。
【図1g】図1gは、支持窓のさらなる実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明に従った装置のさらなる実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明に従った装置のさらなる実施形態を示す。
【図4】図4は、容器を処理するための配置を示す。
【図5】図5は、容器を処理するための配置のさらなる例を示す。
【図6】図6は、容器を処理するための配置の詳細な図を示す。
【図7】図7は、容器を処理するための配置の概略的側面図の一部分を示す。
【図8】図8は、本発明に従った装置のさらなる実施形態を示す。
【図9】図9は、本発明に従った配置の斜視図を示す。
【図10】図10は、図9の配置の平面図を示す。
【図11】図11は、図9の装置の詳細な図を示す。
【図12】図12は、図9の装置のさらなる詳細な図を示す。
【図13】図13は、図9の装置の斜視図を示す。
【図14】図14は、筐体を有する、図13の装置を示す。
【図15】図15は、さらなる実施形態における、本発明に従った配置の平面図を示す。
【図16】図16は、図15の装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1aは、容器を殺菌するための、本発明に従った装置の一部分を示す。この装置は、下端において、処理ヘッド5を備え、該処理ヘッド5の上に、出口窓8を提供され、該出口窓8を通って、電子ビームは出て行くことができる。ここで、従来技術においては習慣的であるように、最初に、電子が、例えば、タングステンカソードによって生成される。次に、これらの電子は、加速デバイス6(詳細には示されていない)を介して加速される。電子生成源として、先端タイプまたは面積タイプの電子源が使用され得る。
【0075】
容器を殺菌するための装置1は、外側筐体16と内側筐体20とを備えており、従って、二重壁の設計である。間隙22が、外側筐体16と内側筐体20との間に形成され、その間隙に沿って、空気、別の気体媒体、または液体媒体さえもが、誘導されることが可能となる。この空隙22は、円周方向に延びるように設計され得るが、複数のチャネル22が提供されることも可能である。原則的に、気体の噴出物は、装置1の動作の間、出口窓8を通って半径方向Rに誘導されることが可能であるが、装置1が作動していない、および/または放射源が作動していない間に、気体の流れが出口窓8を通って誘導されることも可能である。このようにして、出て行く電子ビームが、空気の流れに影響されることを防止することが可能となる。気体の流れは、専ら出口窓を冷却するために働くが、電子ビームを誘導するためには働かないということが示される。
【0076】
原則的に、任意に選択された加速電圧の場合における放射線の流れは、可能な最も短い時間で容器内にそれぞれ必要とされる線量を生成するための重要な要素である。しかしながら、出口窓8において、この放射線の流れは、この出口窓8の設計に依存して、遅かれ早かれ、電子ビームユニットまたは装置1の最大放射能力も制限する損失をもたらす。しかしながら、記述された空気、気体、または液体の冷却に関して、出口窓の必要な冷却もまた、確実にされ得る。言い換えると、可能な最大の放射線の流れを達成するために、すなわち、可能な最大のスループットを達成するために、放射ユニットの数は、最小化されるべきであり、および/またはサイクルの時間は、増加されるべきである。雰囲気、すなわち、出口窓8の外側における拡散の幾何形状を改善することも可能である。
【0077】
電子は、100keV〜200keV、好適には、120keVと180keVとの間、さらに好適には、130keVと170keVとの間の範囲にあるエネルギーに加速される。
【0078】
図1bは、本発明に従った装置1に対する外側筐体20を示す。放射状に内側に突出している壁11が、外側筐体20の下端に提供されるということが理解され得る。これらの壁11は、空気または気体を導くために働き、すなわち、気体のうちの少なくとも一部がまた、出口窓8を通って誘導されるということを、壁11がもたらす。これらの壁11はまた、開口部15を形成し、該開口部15を通って、生成された電子ビームは外に進み得る。
【0079】
しかしながら、内側筐体20の一方の側に気体を供給し、該内側筐体20の他方の側に離れていくようにさらに気体を運ぶことも可能である。
【0080】
図1cは、内側筐体20を示す。この内側筐体20は、下端または処理ヘッド5に、出口窓8または出口窓8の支持体26を受け取るためのリセス24を有する。
【0081】
図1dは、支持体26を示しており、該支持体26は、図1fに示された実際の出口窓8を支持するために働く。この実施形態において、この支持体26は、複数のチャネル26aを形成し、該複数のチャネル26aを通って、電子ビームは進み得る。さらに、支持体26は、チャネルを有し、該チャネルを通って、冷却流体または冷却気体が誘導され得る。
【0082】
図1fに示された実際の出口窓8は、例えば、支持体26に溶接される。
【0083】
全体として、内側筐体20と装置1とに対して、様々な実施形態が想定可能である。例えば、石英ガラスから装置を生成すること、すなわち、特に、石英ガラスから内側チューブ20を生成することが、可能である。この場合、例えば、薄い石英ガラスのフィルムが、出口窓8として融合させられる。20μmの厚さを有するかかるフィルムが従来技術で既に公知である。かかる窓の密度は、ほぼ2.2g/cmであり、44g/cmに相当する。これは、10μmの厚さを有するチタンフィルムの表面密度に相当する。
【0084】
かかる石英ガラスのフィルムは、1000℃までの動作温度を可能にし、すなわち、冷却目的のために、高い温度勾配も可能である。石英ガラスから作られるかかるガラスフィルムの別の利点は、この厚さの石英ガラスのフィルムは、可撓性があるということである。
【0085】
別の可能性は、石英ガラスから装置1または内側筐体20を生成し、ダイヤモンドから出口窓8を生成することである。ここでもまた、10μmの厚さを有するフィルムは既に公知である。かかるフィルムは、約3.5g/cm、すなわち約35g/cmの密度を有する。ダイヤモンドから作られるかかるフィルムの利点は、さらに改善された熱伝導性であり、該改善された熱伝導性は、例えば、銅の熱伝導性を係数5だけ優れている。
【0086】
さらに、装置1、すなわち、特に、内側チューブまたは内側筐体20を金属(例えば、チタン)から生成し、上で述べたように、上記の特性を有するダイヤモンドから出口窓8を生成することもまた可能である。この場合、出口窓8がハンダ付けまたは融合によって適用されることを可能にする。ガラスチューブが使用される場合、ガラスチューブは、有利にも、金属化されるはずである。なぜならば、放電が比較的長い距離にわたって生じ得るからである。
【0087】
図2は、本発明に従った装置1のさらなる実施形態を示す。この場合、内側筐体20または内側チューブは、上側領域においては、比較的小さい内側断面を有し、該比較的小さい内側断面は、処理ヘッド5の領域において広がる。このようにして、比較的大きいチャンバ22が、内側筐体20と外側筐体16との間に形成される。処理ヘッド5の領域において、内側筐体は、円錐形状に広がる端部21を有する。この端部21によって、比較的広い角度に電子ビームを偏向させることが可能となる。電子ビームを偏向させるために、例えば、偏向コイル7が使用され得る。さらなる垂直なコイルの対が、図2に示されたコイルの対に加えて提供されるので、電子ビームは、原則的に、あらゆる方向の空間に放射され得る。図2に示された実施形態において、チタンフィルムの形式の出口窓8だけが、提供される。しかしながら、ここで、図1aおよび図1eに示されたような支持体26を提供することも可能である。
【0088】
しかしながら、図2に示された円錐状の広がりの代わりに、下側領域21は、半球形の形状にも形成され得る。しかしながら、偏向コイルが外側筐体16の外側に配置されることも可能である。さらに、装置1のすぐ下に偏向コイルが配置することも可能である。図2に示された実施形態において、内側筐体20は、チタンでも形成される。
【0089】
図3は、本発明に従ったさらなる実施形態を示す。この装置において、比較的薄い空隙22が、内側筐体20と外側筐体16との間に提供される。内側筐体20と外側筐体16との間の接触を防止するために、2つの筐体16と筐体20との間にスペーサ17を配置することが可能であり、該スペーサ17は、有利にも、電気絶縁されている。図2に示された実施形態におけるように、電子ビームを偏向させるための偏向コイル7もまた、図3に示された実施形態に提供される。
【0090】
図4は、容器を処理するための、本発明に従った配置を示す。この配置は、予備形成品に対する整理デバイス40を備え、好適には、整理デバイス40は、回転ディスクとして設計されており、そしてまた、この配置は、加熱経路またはオーブン35を備え、該加熱経路またはオーブン35において、予備形成品が加熱される。この加熱経路は、吹込み形成デバイス38に隣接しており、該吹込み形成デバイス38は、容器を形成するために予備形成品に吹込み形成を施す。この吹込み形成デバイス38の後に位置されているものは、既に吹込み形成された容器を殺菌するための、本発明に従った複数の装置1である。ここで、参照番号18は、鉛のスクリーンなどの保護デバイスを示し、該保護デバイスは、X線のあらゆる漏れを防止するために、装置1全体を囲んでいる。
【0091】
参照番号19は、輸送要素を示し、該輸送要素は、吹込み形成デバイス38から充填デバイス32に容器を輸送する。従って、容器の動く方向で分かるように、最初に、吹込み形成デバイス38があり、次に、充填デバイス32があり、そしておそらくは、次に、ラベル付け器具がある。しかしながら、吹込み形成デバイス38に、まずラベル付け器具が続き、そして次に、充填デバイス32が続くこともまた可能である。本発明に従った配置において、装置1は、いずれの場合にも、吹込み形成デバイス38のすぐ後に配置される。
【0092】
本発明に従った装置1に加えて、さらに、同様なタイプの他の殺菌装置を提供することも可能であり、該同様なタイプの他の殺菌装置は、外部の洗浄、すなわち、容器の外壁を殺菌するために働く。内部の殺菌に関しては、個々の容器が、回転ユニットに誘導され得、次に、本発明に従った装置が容器の中に入れられ得る。この場合、上で述べられたように、個々の装置または放射フィンガを一定の高さのレベルに保ち、装置または放射フィンガに対して容器を動かすことが有利である。
【0093】
言い換えると、内部の殺菌のための放射フィンガ1が、容器の中に入れられる。特定の選択によって、個々の容器が、回転している間に、本発明に従った個々の装置を通過して誘導される。しかしながら、一定の電子ビームを通過して個々の容器を誘導し、それにより外部の殺菌を達成することも可能である。
【0094】
図5は、装置に対する、本発明に従ったさらなる配置の詳細な図を示す。
【0095】
原則的に、容器が、処理チャンバに、チェーンを介して輸送されるか、またはチェーンによって誘導されることが可能であり、かつ、放射フィンガが、持ち上げる動きを介して処理チャンバにおけるボトルの中に入ることが可能である。しかしながら、スターホイールを経由して殺菌デバイスに容器を移送することも可能であり、該スターホイールは、容器の首を掴み、持ち上げる動きによって、該殺菌デバイスにおける放射フィンガの上に容器を動かすことも可能である。
【0096】
図5に示された実施形態において、最初に、容器の外部の照射が、好適には、容器が回転している間に、照射デバイス1bによって行われる。この場合、約150keVに加速された電子ビームが、照射のために使用される。容器の内部の照射は、次に、上に記述された方法で、装置1aによって実行される。
【0097】
図6は、容器10の内部の殺菌のための、本発明に従った方法の概略的な例示を示す。容器10は、コンベアベルト19を介して矢印Pの方向に輸送され、入口スターホイール27を経由して殺菌配置にもたらされる。第1セクタIにおいて、最初に、放射フィンガが、135°の振れ角度で容器10の内部に下げられるか、または容器10が上げられる。さらに遠くのセクタIIにおいて、放射フィンガが、再び引き抜かれるか、または容器10が、再び下げられる。放射フィンガが容器10から抜き取られている間に、装置1が作動され、このようにして、容器10の内部殺菌が実行される。
【0098】
次に、容器は、出口スターホイール28を経由して離れていくように輸送される。
【0099】
図7は、回転ホイール31の概略図である。この回転ホイール31は、本発明に従った複数の装置1を備えており、該複数の装置1は、いずれの場合にも、同じ高さに配置されるが、いずれの場合にも、個々の容器10が最も高い位置に上げられ、このようにして、装置1または放射フィンガが、回転位置に依存して様々な深度で容器10の中に入れられるということが理解され得る。この全プロセスの間に、本発明に従った装置1が作動され、このようにして、容器10の内壁が、容器1の高さ全体にわたって殺菌される。ここで、放射フィンガの長さは、容器10の底の効果的な殺菌までも可能であるように選択される。
【0100】
図8は、本発明に従った装置のさらなる実施形態を示す。この装置において、内側筐体20と外側筐体16との間のエリアが、2つの気体チャネル22aおよび気体チャネル22bが形成されるような方法で設計される。気体の流れが、2つのチャネルのうちの一方のチャネル22aを介して供給され、出口窓8を横切って横方向に均一に進む。気体の流れは、他方のチャネル22bを介して再び離れていくように運ばれ得る。
【0101】
図9は、本発明に従った配置の斜視図を示す。本発明に従った複数の装置1の上流に提供されるものは、さらなる輸送カルーセル42であり、該輸送カルーセル42の上に、容器が輸送される。ここで、容器は、容器のためのさらなる殺菌装置1bを通過して誘導され、容器の外壁は、このさらなる殺菌装置1bによって殺菌される。次に、上に述べられたように、容器10の内部が殺菌される。
【0102】
参照番号44は、回転プレートなどの回転デバイスを示しており、該回転デバイスによって、容器10は、容器の長手方向(すなわち、長手方向軸)の周りで回転させられる。この回転によって、容器10の外側周囲のより広い面積が殺菌され得る。容器10の輸送方向に1つずつ後に複数の殺菌装置1bを提供することも可能である。
【0103】
図10は、図9の配置の平面図を示す。内部の殺菌のための複数の装置1が提供される輸送ホイール3の下流に提供されるものは、2つのさらなる輸送ホイール49aおよび輸送ホイール49bであり、該2つのさらなる輸送ホイール49aおよび輸送ホイール49bは、配置から容器を輸送する。
【0104】
図11は、本発明に従った装置の詳細な図を示す。ここでは、複数のキャリア52を見ることが可能であり、いずれの場合にも、該複数のキャリア52に、容器10が配置される。これらのキャリア52は、次に、誘導ロッド62に配置され、このようにして、容器10は、容器の長手方向に動かされ得る。容器10が持ち上げられたときに、固定するように配置された装置1は、容器の中にさらに入り込む。参照番号63は、誘導ロッドを示しており、該誘導ロッドは、キャリア52の動きを誘導する。これらの誘導ロッド63は、有利にも、固定するように配置されている。
【0105】
図12は、本発明に従った配置のさらなる詳細を示す。ここでは、さらなる殺菌装置54を見ることが可能であり、該殺菌装置54は、容器の下に配置され、容器10の底面を殺菌する。この場合、この殺菌デバイス54はまた、ロッド状の要素56を有し、ロッド状の要素56の端部から電荷担体ビームが出て行くことができる。容器が、この殺菌装置54によって照射された後、容器10は、長手方向に再び下げられる。
【0106】
図13は、本発明に従った配置の斜視図を示す。ここでは、上記の底面殺菌が、内部の殺菌の後に、実行されるということが理解され得る。参照番号45は支持を示し、該支持の上に、配置全体が配置される。
【0107】
図14は、本発明に従った配置のさらなる図を示す。ここでは、個々の輸送装置および殺菌装置が、筐体、または3つの筐体部品65、筐体部品66、筐体部品67に配置されるということが理解され得る。このようにして、殺菌チャンバの内側に装置全体を保つことが可能である。妨害放射線はまた、筐体部品65〜67によって遮蔽され得る。
【0108】
図15は、本発明に従った配置のさらなる実施形態を示す。ここでは、2つの殺菌装置1bが提供され、該2つの殺菌措置1bは、容器の外部の殺菌を行うということが理解され得る。上に示された実施形態とは異なり、ここでは、2つの殺菌装置1bは、容器の内部の殺菌が行われる輸送デバイス3の上流には配置されておらず、むしろ該輸送デバイス3の周りに配置されている。
【0109】
さらに詳細には、図15に示された実施形態において、外壁の殺菌は、内壁の殺菌の(直)前と、内壁の殺菌の(直)後との両方において行われる。参照番号41aと参照番号41bとは、容器10を輸送デバイス3に供給する輸送スターホイールを示しており、参照番号49aと参照番号49bとは、容器10を再び離れていくように輸送する輸送スターホイールを示している。
【0110】
図16は、図15に示された装置の斜視図を示す。最初に、容器の外面の殺菌が、左側に示された殺菌装置1bによって実行され、容器は、好適には、この領域において、約180°回転させられるということが理解され得る。容器は、次に、内部の殺菌を実行するために上げられる。その後、容器は再び下げられ、外周が、右側に示された殺菌装置によって、もう一度殺菌され、容器は、好適には、さらに180°だけ回転させられる。内部の殺菌の間にも、容器10を回転させることがまた可能である。
【0111】
従って、好適には、2つの殺菌装置1bが、容器10の外部の完全な殺菌を行うように、対応する回転デバイスが、互いに適合されている。結果として、ここでは、1つのカルーセルだけが、外部/内部の殺菌のために使用されている。2つの殺菌装置1bを提供することによって、外部の殺菌のために必要とされる、容器10の回転速度が低下され得る。このようにして、図15および図16に示された配置は、さらに際立った空間の節約を可能にする。
【0112】
本出願文書において開示された全ての特徴は、それらが、従来技術を鑑みて、個々にまたは組み合わせで新たなものである限り、本発明にとって本質的なものとして主張される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(10)を殺菌するための装置(1)であって、該装置(1)は、処理ヘッド(5)を備えており、該処理ヘッド(5)は、出口窓(8)を有し、該出口窓(8)を通って、電荷担体は進み得、該装置(1)は、電荷担体を生成する電荷担体生成源を備えており、そして該装置(1)は、加速デバイス(6)を備え、該加速デバイス(6)は、該出口窓(8)の方向に該電荷担体を加速させる、装置(1)であって、該処理ヘッド(5)が、該容器(10)の口を通って誘導されるように、該処理ヘッド(5)の断面は、寸法を決められるということと、該出口窓(8)から出て行く該電荷担体が、該容器(10)の内壁(15)に向けられている方法で、該加速デバイス(6)は、該電荷担体を加速するということとを特徴とし、
該装置(1)は、内側筐体(20)を備えており、該内側筐体(20)内に、該加速デバイス(6)が配置されており、外側筐体(16)が、該内側筐体(20)を囲み、該処理ヘッド(5)に対して遠くに延びているチャンバ(22)が、該外側筐体(16)と該内側筐体(20)との間に形成されており、該チャンバ(22)を通して、媒体、特に気体の媒体が誘導され得る、装置(1)。
【請求項2】
前記出口窓(8)と前記加速デバイス(6)とは、外側筐体(16)の中に配置されており、該外側筐体(16)が、前記容器(10)の前記口を通って誘導され得るように、この筐体(16)は寸法を決められるということを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記装置(1)は、保護デバイス(18)によって囲まれるということを特徴とする、請求項1〜請求項2のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記装置(1)は、内側筐体(20)を備えており、該内側筐体(20)の中に、前記加速デバイス(6)が配置されるということと、前記外側筐体(16)は、この内側筐体(20)を囲むということとを特徴とする、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記処理ヘッド(5)まで延びるチャンバ(22)が、前記外側筐体(16)と前記内側筐体(20)との間に形成され、該チャンバ(22)を通って、媒体、特に、気体の媒体が誘導され得るということを特徴とする、請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記チャンバ(22)は、1つ以上のチャネル(22a、22b)を備えており、いずれの場合にも、該1つ以上のチャネル(22a、22b)を通って、気体の媒体または液体の媒体が通過され得るということを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記気体の媒体は、ヘリウム、窒素、アルゴン、二酸化炭素、それらの混合物などを含む気体の媒体の群から選択されるということを特徴とする、請求項5〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記液体の媒体は、水、油、液体窒素などを含む液体の媒体の群から選択されるということを特徴とする、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記出口窓(8)は、チタン、石英ガラス、ダイヤモンド、それらの組み合わせなどを含む材料の群から選択された材料から作られるということを特徴とする、請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記出口窓(8)は、3μmと30μmとの間の厚さ、好適には、4μmと25μmとの間の厚さ、特に好適には、5μmと20μmとの間の厚さを有するということを特徴とする、請求項1〜請求項9のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記装置(1)は、前記電荷担体を偏向させるための偏向デバイス(7)を備えているということを特徴とする、請求項1〜請求項10のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記処理ヘッド(5)は、前記容器(10)に対して該容器(10)の長手方向(L)に動かされ得るということを特徴とする、請求項1〜請求項11のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記処理ヘッド(5)は、前記容器(10)に対して回転し得るということを特徴とする、請求項1〜請求項12のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記処理ヘッド(5)は、前記容器(10)の半径方向に動かされ得るということを特徴とする、請求項1〜請求項13のうちのいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項15】
請求項1〜請求項14のうちのいずれか一項に記載の装置(1)の手段によって容器を処理する配置(30)。
【請求項16】
前記配置(30)は、前記容器(10)を充填するデバイス(32)を備えており、前記装置(1)は、このデバイス(32)の上流に配置されるということを特徴とする、請求項15に記載の配置(30)。
【請求項17】
前記配置は、変位デバイス(36)を備えており、該変位デバイス(36)は、前記装置(1)に対して前記容器(10)の長手方向に該容器を変位させるということを特徴とする、請求項15に記載の配置(30)。
【請求項18】
前記配置(30)は、前記容器に対する膨張デバイス(38)と、該容器(10)を充填するデバイス(32)との間に配置されるということを特徴とする、請求項15〜請求項17のうちのいずれか一項に記載の配置(30)。
【請求項19】
前記配置(30)は、請求項1〜請求項14のうちのいずれか一項に記載の、前記容器(10)を殺菌するための複数の装置(1)を備えており、これらの装置(1)は、円形の経路に沿って配置されるということを特徴とする、請求項15〜請求項18のうちのいずれか一項に記載の配置(30)。
【請求項20】
前記配置は、前記容器(10)の外壁を殺菌するために、さらなる殺菌装置(1b)を備えているということを特徴とする、特に、請求項15〜請求項19のうちのいずれか一項に記載の配置。
【請求項21】
前記さらなる殺菌装置(1b)は、他の殺菌装置(1)の上流に配置されるということを特徴とする、請求項20に記載の配置。
【請求項22】
前記さらなる殺菌装置(1b)は、固定するように配置されるということを特徴とする、請求項20〜請求項21のうちのいずれか一項に記載の配置。
【請求項23】
前記配置は、輸送カルーセル(42)を備えており、該輸送カルーセル(42)は、前記さらなる殺菌装置(1b)を通過して前記容器(10)を運ぶということを特徴とする、請求項20〜請求項22のうちのいずれか一項に記載の配置。
【請求項24】
前記輸送カルーセルは、回転デバイス(44)を備えており、該回転デバイス(44)は、前記容器(10)を、該容器(10)の長手方向軸の周りで回転させるということを特徴とする、請求項23に記載の配置。
【請求項25】
容器(10)を殺菌する方法であって、電荷担体が、該容器(10)を殺菌するための、装置(1)において生成され、処理ヘッド(5)に配置された出口窓(8)の方向に加速させられる、方法であって、該装置(1)の該処理ヘッド(5)は、該容器(10)の口を通って該容器(10)の内部に導入され、該処理ヘッド(5)からの該加速された電荷担体は、該容器(10)の内壁に直接的に向けられ、該容器(10)は、該処理ヘッド(5)に対して動かされる、ということを特徴とし、
該装置(1)は、内側筐体(20)を備えており、該内側筐体(20)内に、該加速デバイス(6)が配置されており、外側筐体(16)が、該内側筐体(20)を囲み、該処理ヘッド(5)に対して遠くに延びているがチャンバ(22)が、該外側筐体(16)と該内側筐体(20)との間に形成されており、該チャンバ(22)を通して、媒体、特に気体の媒体が誘導され得る、方法。
【請求項26】
前記電荷担体は、前記出口窓(8)に到達する前に、前記容器(10)の半径方向に偏向させられるということを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記電荷担体は、前記出口窓(8)を通って出て行った後に、前記容器(10)の半径方向に偏向させられるということを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記出口窓(8)は、冷却されるということを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
気体の媒体または液体の媒体が、冷却媒体として使用されるということを特徴とする、請求項28に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−6664(P2012−6664A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−209853(P2011−209853)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2008−109617(P2008−109617)の分割
【原出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(508120916)クロネス アーゲー (65)
【Fターム(参考)】