容器内の液体体積を管理する装置及び方法
本発明は、容器内の液体体積を管理する装置及び方法を提案する。当該装置(100)は、第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出する検出器(101)、前記変化が所定の閾値未満であるか否かを決定する決定装置(102)、及び、前記変化が所定の閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を提供する情報提供装置(103)を有する。本発明において与えられた装置及び方法は、人間に、飲用可能な液体−たとえば水−を時間内に飲むことを促し、人間が、自分の飲料摂取を制御することを可能にし、かつ、自分の健康にとって有利である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の液体体積を管理する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、良好な健康状態であるためには、一日に十分な量の水を飲む必要がある。しかし多くの人々は、十分な量の水を飲んでいない。その理由は、十分な時間がない、乾きを感じない、飲むのを忘れてしまう等といったものである。多くの人々は軽度の脱水状態で生活していると報告されている。人々の中には、乾きを感じるまで飲まないという人もいる。しかし実際、乾きを感じるまで飲むのを待つというのは誤っている。というのは、血液中の水分レベルがあまりに低くなることで、水分は唾液腺から引き出されるからである。水分が唾液腺から引き出されことで、乾きが生じて、既にその時点ではその人の健康は悪影響を受ける。多くの慢性症状は実際脱水症状の兆候である。しかも年配者は乾きの感覚に依拠することができない。その理由は、乾きの感覚は年齢と共に衰えるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前段落に記載した問題の観点から、本発明の一の実施例によると、容器内の液体体積を管理する−つまり所定期間中に液体体積の変化を検出し、かつ対応する情報を利用者に知らせる−解決法が供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一の実施例によると、容器内の液体体積を管理する装置が供される。当該装置は、検出器、第1決定装置、及び情報提供装置を有する。前記検出器は、第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出するように備えられる。前記第1決定装置は、前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定するように備えられている。前記情報提供装置は、前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を提供するように備えられている。
【0005】
本発明の他の実施例によると、容器内の液体体積を管理する方法が供される。当該方法は、第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出する手順、前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定する手順、及び、前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を情報提供装置する手順を有する。
【0006】
本発明において供される装置及び方法によって、人間は、飲用可能な液体−たとえば水−を時間内に飲むように促され、かつ自分の飲料摂取を制御することを可能にする。このことは、その人の健康にとって有利である。
【0007】
本発明の上記及び他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を考慮しながら以降の詳細な説明を参照することで明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一の実施例による、容器内の液体体積を管理する装置100を図示している。
【図2】本発明の一の実施例による、図1の検出器101のブロック図を図示している。
【図3】本発明の他の実施例による、図1の検出器101のブロック図を図示している。
【図4】本発明の他の実施例による、図1の検出器101のブロック図を図示している。
【図5】容器が傾いたときの液体圧力を測定する圧力センサを図示している。
【図6】本発明の一の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図7】本発明の他の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図8】本発明の他の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図9】本発明の他の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図10】本発明の他の実施例による、容器内の液体体積を管理する装置100を図示している。
【図11】本発明の他の実施例による、容器内の液体体積を管理する方法のフローチャートを表している。
【図12】本発明の他の実施例による、容器内の液体体積を管理する方法のフローチャートを表している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
全図を通じて、同一又は同様の参照番号は、同一又は同様の特徴/装置(モジュール)を表すのに用いられている。
【0010】
図1は、本発明の一の実施例による、容器内の液体体積を管理する装置100を図示している。図1に図示されているように、装置100は、検出器101、第1決定装置102、及び情報提供装置103を有する。
【0011】
容器が様々な形状をとりうることは、当業者に理解されている。たとえば容器はカップで、かつ、装置100は、そのカップの底部に固定されるか、又は、そのカップが設けられた場所にあるクッション内に組み入れられても良い。検出器101が容器の特定の位置に配置される一方で、第1決定装置102と情報提供装置103はその容器内のどこかに配置されても良いことに留意して欲しい。
【0012】
以降、装置100の動作プロセスについて詳細に説明する。
【0013】
最初に、検出器101は、第1所定期間中に容器11内での液体体積の変化を検出する。続いて、第1決定装置102は、前記体積変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定する。前記液体体積変化が前記第1所定閾値未満である場合、情報提供装置103は、第1の迅速な情報を提供する。
【0014】
第1の迅速な情報は様々な方法で伝送されて良い。たとえば第1の迅速な情報は、「液体体積変化が第1所定閾値未満です」といったもので良い。容器が水のカップであるとき、第1の迅速な情報は、そのカップの持ち主に、水を飲むように促して良い。
【0015】
情報提供装置103はまた、様々な方法で第1の迅速な情報を提供して良い。様々な方法とはたとえば、ブザーを用いたビープ音の生成、「液体体積変化が第1所定閾値未満です」という警告音の生成、拡声器による曲の演奏、又は、画面上での「液体体積変化が第1所定閾値未満です」という警告の表示である。
【0016】
具体的には、検出器101は、様々な手段によって、第1所定期間中の容器内での液体体積変化を検出する。以降では、液体体積変化を検出する様々な手段について詳述する。
【0017】
本発明の一の実施例では、検出器101は、図2に図示されているように、重みセンサ10111及び第2決定装置10112を有する。重みセンサ10111は、容器内の液体の重さを測定する。重みセンサ10111によって測定された重さに従って、第2決定装置10112は、第1所定期間−たとえば30分間−での液体体積変化を決定する。重みセンサが、第1回目で、容器内の300gの液体を検出して、30分後の第2回目に300gの液体を検出する場合、第2決定装置10112は、30分間での液体体積変化が100gであると決定する。
【0018】
他の実施例では、検出器101は、図3に図示されているように、圧力センサ10121及び第3決定装置10122を有する。圧力センサ10121は、容器内の液体によって発生する圧力を測定する。圧力センサ10121によって測定される圧力に従って、決定装置10122は、第1所定期間−たとえば30分間−での液体体積変化を決定する。圧力センサ10121が、第1回目で容器内の液体によって発生する圧力P1を検出し、30分後の第2回目で圧力P2を検出する場合、第3決定装置10122は、30分間での液体体積変化が(P1-P2)×S/gであると決定する。ここでSはカップの底面積(容器は、どの高さでも同一の断面積を有するものとする)で、gは重力加速度である。たとえカップが不規則な形状を有するとしても、所与のカップ及び所与の液体高さについて、対応する液体体積が決定されることに留意して欲しい。従って、第3決定装置10122は依然として、圧力センサ10121によって測定される液体圧力に対応する液体高さに従って、液体体積変化を決定することができる。
【0019】
一般に、液体によって発生する圧力は液体高さに関連づけられる。容器が傾いている場合、液体体積を正確に測定することができるように、容器の傾斜によって圧力センサ10121によって測定される圧力値を制御する必要がある。そのような場合、検出器101は、図4に図示されているように傾斜センサ10123をさらに有する。傾斜センサは、容器と、水平面又は垂直方向とがなす傾斜角を検出するように備えられる。よって圧力値は、測定された傾斜角に従って制御される。
【0020】
一般性を失わないように、容器は、図5に図示されたように、底面に圧力センサ10121が固定された円筒形カップ11であるとする。カップが水平面に対して傾斜角αで傾斜している場合、圧力センサ10121によって測定される圧力は、容器が傾いていないときの液体高さがhであるとすると、液体高さhd=(h×cosα)によって発生する。従って、実際の高さは、容器が傾斜していないとすると、h=hd/cosαである。よって、測定された傾斜角及びカップが傾いているときの液体によって発生する圧力によって、第3決定装置10122は、カップ11が傾斜していない場合でのカップ11での対応する液体高さを決定することができる。それにより、第1所定期間での液体体積変化を決定することができる。
【0021】
前段落において、底部の中心に圧力センサ10121が固定された円筒形カップ形状の容器が、その容器が傾斜しているときの液体体積変化をどのように決定するかの例として取り上げられているが、たとえその容器が不規則な形状であっても、又は、圧力センサ10121がその容器底部のどこに固定されているとしても、ある位置で固定された圧力センサ10121に対してある角度で傾斜する、ある形状の容器については、第3決定装置10122は、圧力センサ10121によって測定される圧力に従って、液体の高さ又は重さを決定することができることは当業者に理解されていることに留意して欲しい。よって第1所定期間中での液体体積の変化を決定することができる。
【0022】
近赤外光−たとえばLEDによって生成される中心波長940nmのスペクトル線−については、その近赤外光が、純水からなる媒質内部で5cmの光路を進行するとき、少なくとも40%のエネルギーが吸収される。近赤外光が、紅茶、ジュース、又はコーヒーからなる媒質内部で5cmの光路を進行するとき、より多くのエネルギーが吸収される。よって液体−特に飲用可能な液体−によって吸収される近赤外光の係る特徴は、容器内の液体の高さを測定するのに利用することができる。これについては以降で詳述する。
【0023】
本発明の一の実施例によると、検出器101は、図6に図示されているように、近赤外光源10131、複数の近赤外センサ10132、及び第4決定装置10133を有する。図中、12は液体の高さを示す。近赤外光源10131は近赤外光を放出する。容器11内に液体が存在しないとき、その放出される近赤外光は、複数のセンサ10132の各々によって検出できる。複数の近赤外センサ10132は、近赤外光源10131によって放出される近赤外光の強度を検出するため、容器11内の各異なる高さに配置されている。第4決定装置10133は、複数の近赤外センサ10132によって検出される近赤外光強度に従って、容器11内での液体の高さを決定することで、前記第1所定期間での液体体積の変化を決定する。
【0024】
近赤外センサ10132が液体高さより下に配置されている場合、そのセンサが検出する光強度はかなり弱い。しかし近赤外センサが液体高さより上に配置されている場合には、そのセンサが検出する光強度は相対的に強くなる。よって第4決定装置10133は、近赤外センサによって検出される光強度に従って、近赤外センサの相対位置と液体レベルを決定することができる。換言すると、第4決定装置10133は、第2所定閾値よりも大きな光強度を検出するセンサが、液体レベルよりも高い位置に配置され、かつ、第3所定閾値よりも小さな光強度を検出するセンサが、液体レベルよりも低い位置に配置されていることを決定することができる。
【0025】
複数の近赤外センサ10132のうちのある一部によって検出される光強度が第2所定閾値よりも大きい一方で、複数の近赤外センサ10132のうちの別な一部によって検出される光強度が第3所定閾値よりも小さい場合、第4決定装置10133は、2つの隣接する近赤外センサ間の高さを、液体の高さとして決定する。ここで前記2つの隣接する近赤外センサのうちの一は前記第2所定閾値よりも高い光強度を検出し、かつ、前記2つの隣接する近赤外センサのうちの他は前記第3所定閾値よりも低い光強度を検出する。あるいはその代わりに、第4決定装置10133は、前記2つの隣接する近赤外センサ間の任意の高さを液体高さとして決定することができる。あるいはその代わりに、第4決定装置10133は、前記2つの隣接する近赤外センサ間の中間高さを液体高さとして決定することができる。
【0026】
複数の近赤外センサ10132の全てによって検出される光強度が第2所定値よりも高い場合、最低位置の近赤外センサ10132の高さ又は最低位置の近赤外センサ10132より下の任意の高さが、液体高さとして決定されて良い。
【0027】
複数の近赤外センサ10132の全てによって検出される光強度が第3所定値よりも低い場合、最高位置の近赤外センサ10132の高さ又は最高位置の近赤外センサ10132より上の任意の高さが、液体高さとして決定されて良い。
【0028】
上述の場合、検出精度は近赤外センサの数に関連することに留意すべきである。近赤外センサの数が多ければ多いほど、検出精度は上がる。複数の近赤外センサ10132は、均一又は不均一な高さ間隔で、容器11の側壁に配置されて良い。通常、複数の近赤外センサ10132及び近赤外光源10131は、図5に図示されているように、容器11の側壁でそれぞれ対向するように配置される。本発明の一の実施例によると、複数の近赤外センサ10132及び近赤外光源10131は、容器11の同一の側壁に配置される。そして図7に図示されているように、複数の近赤外センサ10132による近赤外光の検出を可能にするように、近赤外光源10131によって放出される光を反射するため、対向する側壁に反射体10134が供される。本実施例の利点は、近赤外光が通過する光路が増大する−つまりそれぞれの近赤外センサによって検出される光強度間のコントラストが増大する−ことである。このことは、第4決定装置10133が液体高さを決定する上で有利である。
【0029】
図6に図示されているように、近赤外光源10131から離れた近赤外センサによって検出される光強度は、近赤外光源10131に近い近赤外センサによって検出される光強度よりも弱い。加えて、1つの光源の光放出角が制限されているため、近赤外センサ10132のうちの一部が、近赤外光源によって生成される光を検出できない場合が存在する。従って、近赤外センサ10132の感度を増大させるため、図6の近赤外光源10131はまた、複数の独立した発光素子を採用しても良い。複数の独立した発光素子とはたとえば、複数の近赤外LEDである。図8に図示されているように、各近赤外LEDは、一の近赤外センサ10132に対応し、かつ対応するセンサと同一の高さで配置される。容器11内に液体が存在しないとき、各発光素子については、その発光素子が放出する光のほとんどが、対応する近赤外センサ10132によって検出されうる。
【0030】
任意で図8に図示された検出器101については、複数の独立した光源素子は、図9に図示されているように、導光手段10135と組み合わせられた単一光源10131によって置き換えられて良い。導光手段10135は、近赤外光源10131によって放出される近赤外光を取り出す。それにより複数の近赤外センサ10132は、近赤外光源10131によって放出される近赤外光を検出することができる。導光手段10135は導光板又は光ファイバであって良い。導光板又は光ファイバは、近赤外光源10131によって放出される近赤外光を受光し、その後、表面から受光した光を取り出して、複数の近赤外センサ10132へ入射させる。光路は図9で概略的に図示されている。
【0031】
任意で、図1の装置100は、図10に図示されているように加速度計104をさらに有して良い。加速度計104は容器11の加速度を検出する。加速度計104が、第2所定期間に容器11の加速度を検出しない場合、情報提供装置103が第2の迅速な情報を提供する。前記第2の迅速な情報は、たとえば「第2所定期間では加速度は検出されませんでした」等の情報であって良い。容器11が飲料用カップである場合、第2の迅速な情報は、ある人がある期間水を飲んでいないという事実をその人に伝えるため、たとえば「あなたはある期間水を飲んでいませんよ」という情報であって良い。上述したように、情報提供装置103は、様々な手段によって第2の迅速な情報を提供して良い。
【0032】
通常、重みセンサ10111又は近赤外センサ10131を利用する上述の検出器101によって検出される、容器11内での液体体積変化の検出結果は、その容器11が水平に設けられている−つまり垂直に配向する−場合には、より厳密になりうる。より厳密な測定結果を得るため、任意で加速度計104が、容器11と水平面とがなす第1傾斜角、又は容器11と垂直方向とがなす第2傾斜角を検出するのにも用いられて良い。前記第1傾斜角が第4所定閾値よりも大きい場合、又は前記第2傾斜角が第5所定閾値よりも大きい場合にのみ、検出器101は、液体の体積変化を検出する。換言すると、容器11が、前記第1傾斜角が約90°で前記第2傾斜角が約0°で(擬)水平状態に設けられている−つまり(擬)垂直に配向する−場合にのみ、重みセンサ10111又は近赤外センサ10131は検出作業を行う。前記第4所定閾値及び第5所定閾値は、現実の測定精度の必要性に従って調節可能である。
【0033】
特に、加速度計104が傾斜角を測定する方法は当技術分野において成熟した技術である。2005年にフリースケール社が公表したチップAN3107の応用についての書類Rev0.05には、次式で表される加速度計を用いた傾斜角の測定方法が開示されている。
【0034】
【数1】
ここで、θは加速度計と水平面とのなす角で、VOUTは加速度計の出力で、VOFFSETは、加速度計の加速度が0gのときのバイアス電圧で、ΔV/Δgは感度で、gは重力加速度である。より詳細な情報はAN3107の応用についての書類で見つけることができるので、ここでは繰り返さない。
【0035】
本発明の一の実施例によると、図11は、容器内の液体体積を管理する方法のフローチャートを表している。
【0036】
最初に、手順S1101では、第1所定期間での液体体積変化が検出される。液体体積変化は、第1所定期間での、液体の重さの変化、液体高さの変化、又は液体によって発生する圧力の変化を検出することによって決定されて良い。一の実施例によると、上述の検出器101は手順S1101を実行して良い。
【0037】
次に、手順S1102では、液体体積変化が第1所定閾値未満であるか否かが決定される。一の実施例によると、上述の第1決定装置102は手順S1102を実行して良い。
【0038】
最後に、手順S1103では、液体体積変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1迅速な情報が提供される。一の実施例によると、上述の情報提供装置103は手順S1103を実行して良い。
【0039】
任意で、図11に図示された方法は、図12に図示された手順をさらに有して良い。
【0040】
最初に、手順S1201では、前記容器の加速度が検出される。
【0041】
第2所定期間で前記容器の加速度が検出されない場合、手順S1202では、第2迅速な情報が提供される。
【0042】
通常、手順S1101において容器内での液体体積変化を決定するためには、前記容器が水平に設けられている場合にのみ、厳密な検出結果が、圧力センサ及び赤外センサの手段によって得ることができる。より厳密な結果を得るため、前記容器と水平面とがなす第1傾斜角又は前記容器と垂直方向とがなす第2傾斜角を測定するのは任意である。そして前記第1傾斜角が第4所定閾値よりも大きい場合、又は前記第2傾斜角が第5所定閾値よりも大きい場合にのみ、前記液体体積変化は検出される。換言すると、前記容器が、前記第1傾斜角が約90°で前記第2傾斜角が約0°で(擬)水平状態に設けられている場合にのみ、前記液体体積変化は検出される。前記第4所定閾値及び第5所定閾値は、現実の測定精度の必要性に従って調節可能である。
【0043】
本発明の様々な実施例が、本明細書において詳細に説明された。前記第1乃至第5の所定閾値は、実際の条件及び使用者が設定可能な条件に従って選ばれて良い。たとえば装置100は、使用者によって入力される各対応する所定閾値を受け取る相互作用ユニットをさらに有して良い。同様に、前記第1及び第2の所定期間もまた、検出器101により、又は前記相互作用ユニットを介して使用者により設定されても良い。
【0044】
上述の実施例は、単独で実行されて良い。あるいはその代わりに、上述の実施例のうちの一部は、互いに組み合わせて実行されても良い。たとえば検出器101が、図2乃至図4又は図6乃至図9のいずれかに図示されたように構築される条件下では、装置100は加速度計104をさらに有して良い。検出器101が、図4に図示されているように、圧力センサ10121、第3決定装置10122、及び傾斜センサ10123を有する条件下では、傾斜センサ10123の機能はまた、上述したように加速度計104によって実行されても良い。換言すると、加速度計104及び傾斜センサ10123は同一のハードウエアを共有して良い。さらに検出器101は、図6乃至図9に図示された構成をとるときには、反射体10134及び導光装置10135をさらに有して良い。
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の液体体積を管理する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、良好な健康状態であるためには、一日に十分な量の水を飲む必要がある。しかし多くの人々は、十分な量の水を飲んでいない。その理由は、十分な時間がない、乾きを感じない、飲むのを忘れてしまう等といったものである。多くの人々は軽度の脱水状態で生活していると報告されている。人々の中には、乾きを感じるまで飲まないという人もいる。しかし実際、乾きを感じるまで飲むのを待つというのは誤っている。というのは、血液中の水分レベルがあまりに低くなることで、水分は唾液腺から引き出されるからである。水分が唾液腺から引き出されことで、乾きが生じて、既にその時点ではその人の健康は悪影響を受ける。多くの慢性症状は実際脱水症状の兆候である。しかも年配者は乾きの感覚に依拠することができない。その理由は、乾きの感覚は年齢と共に衰えるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前段落に記載した問題の観点から、本発明の一の実施例によると、容器内の液体体積を管理する−つまり所定期間中に液体体積の変化を検出し、かつ対応する情報を利用者に知らせる−解決法が供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一の実施例によると、容器内の液体体積を管理する装置が供される。当該装置は、検出器、第1決定装置、及び情報提供装置を有する。前記検出器は、第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出するように備えられる。前記第1決定装置は、前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定するように備えられている。前記情報提供装置は、前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を提供するように備えられている。
【0005】
本発明の他の実施例によると、容器内の液体体積を管理する方法が供される。当該方法は、第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出する手順、前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定する手順、及び、前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を情報提供装置する手順を有する。
【0006】
本発明において供される装置及び方法によって、人間は、飲用可能な液体−たとえば水−を時間内に飲むように促され、かつ自分の飲料摂取を制御することを可能にする。このことは、その人の健康にとって有利である。
【0007】
本発明の上記及び他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を考慮しながら以降の詳細な説明を参照することで明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一の実施例による、容器内の液体体積を管理する装置100を図示している。
【図2】本発明の一の実施例による、図1の検出器101のブロック図を図示している。
【図3】本発明の他の実施例による、図1の検出器101のブロック図を図示している。
【図4】本発明の他の実施例による、図1の検出器101のブロック図を図示している。
【図5】容器が傾いたときの液体圧力を測定する圧力センサを図示している。
【図6】本発明の一の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図7】本発明の他の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図8】本発明の他の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図9】本発明の他の実施例による、近赤外センサを有する検出器101を図示している。
【図10】本発明の他の実施例による、容器内の液体体積を管理する装置100を図示している。
【図11】本発明の他の実施例による、容器内の液体体積を管理する方法のフローチャートを表している。
【図12】本発明の他の実施例による、容器内の液体体積を管理する方法のフローチャートを表している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
全図を通じて、同一又は同様の参照番号は、同一又は同様の特徴/装置(モジュール)を表すのに用いられている。
【0010】
図1は、本発明の一の実施例による、容器内の液体体積を管理する装置100を図示している。図1に図示されているように、装置100は、検出器101、第1決定装置102、及び情報提供装置103を有する。
【0011】
容器が様々な形状をとりうることは、当業者に理解されている。たとえば容器はカップで、かつ、装置100は、そのカップの底部に固定されるか、又は、そのカップが設けられた場所にあるクッション内に組み入れられても良い。検出器101が容器の特定の位置に配置される一方で、第1決定装置102と情報提供装置103はその容器内のどこかに配置されても良いことに留意して欲しい。
【0012】
以降、装置100の動作プロセスについて詳細に説明する。
【0013】
最初に、検出器101は、第1所定期間中に容器11内での液体体積の変化を検出する。続いて、第1決定装置102は、前記体積変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定する。前記液体体積変化が前記第1所定閾値未満である場合、情報提供装置103は、第1の迅速な情報を提供する。
【0014】
第1の迅速な情報は様々な方法で伝送されて良い。たとえば第1の迅速な情報は、「液体体積変化が第1所定閾値未満です」といったもので良い。容器が水のカップであるとき、第1の迅速な情報は、そのカップの持ち主に、水を飲むように促して良い。
【0015】
情報提供装置103はまた、様々な方法で第1の迅速な情報を提供して良い。様々な方法とはたとえば、ブザーを用いたビープ音の生成、「液体体積変化が第1所定閾値未満です」という警告音の生成、拡声器による曲の演奏、又は、画面上での「液体体積変化が第1所定閾値未満です」という警告の表示である。
【0016】
具体的には、検出器101は、様々な手段によって、第1所定期間中の容器内での液体体積変化を検出する。以降では、液体体積変化を検出する様々な手段について詳述する。
【0017】
本発明の一の実施例では、検出器101は、図2に図示されているように、重みセンサ10111及び第2決定装置10112を有する。重みセンサ10111は、容器内の液体の重さを測定する。重みセンサ10111によって測定された重さに従って、第2決定装置10112は、第1所定期間−たとえば30分間−での液体体積変化を決定する。重みセンサが、第1回目で、容器内の300gの液体を検出して、30分後の第2回目に300gの液体を検出する場合、第2決定装置10112は、30分間での液体体積変化が100gであると決定する。
【0018】
他の実施例では、検出器101は、図3に図示されているように、圧力センサ10121及び第3決定装置10122を有する。圧力センサ10121は、容器内の液体によって発生する圧力を測定する。圧力センサ10121によって測定される圧力に従って、決定装置10122は、第1所定期間−たとえば30分間−での液体体積変化を決定する。圧力センサ10121が、第1回目で容器内の液体によって発生する圧力P1を検出し、30分後の第2回目で圧力P2を検出する場合、第3決定装置10122は、30分間での液体体積変化が(P1-P2)×S/gであると決定する。ここでSはカップの底面積(容器は、どの高さでも同一の断面積を有するものとする)で、gは重力加速度である。たとえカップが不規則な形状を有するとしても、所与のカップ及び所与の液体高さについて、対応する液体体積が決定されることに留意して欲しい。従って、第3決定装置10122は依然として、圧力センサ10121によって測定される液体圧力に対応する液体高さに従って、液体体積変化を決定することができる。
【0019】
一般に、液体によって発生する圧力は液体高さに関連づけられる。容器が傾いている場合、液体体積を正確に測定することができるように、容器の傾斜によって圧力センサ10121によって測定される圧力値を制御する必要がある。そのような場合、検出器101は、図4に図示されているように傾斜センサ10123をさらに有する。傾斜センサは、容器と、水平面又は垂直方向とがなす傾斜角を検出するように備えられる。よって圧力値は、測定された傾斜角に従って制御される。
【0020】
一般性を失わないように、容器は、図5に図示されたように、底面に圧力センサ10121が固定された円筒形カップ11であるとする。カップが水平面に対して傾斜角αで傾斜している場合、圧力センサ10121によって測定される圧力は、容器が傾いていないときの液体高さがhであるとすると、液体高さhd=(h×cosα)によって発生する。従って、実際の高さは、容器が傾斜していないとすると、h=hd/cosαである。よって、測定された傾斜角及びカップが傾いているときの液体によって発生する圧力によって、第3決定装置10122は、カップ11が傾斜していない場合でのカップ11での対応する液体高さを決定することができる。それにより、第1所定期間での液体体積変化を決定することができる。
【0021】
前段落において、底部の中心に圧力センサ10121が固定された円筒形カップ形状の容器が、その容器が傾斜しているときの液体体積変化をどのように決定するかの例として取り上げられているが、たとえその容器が不規則な形状であっても、又は、圧力センサ10121がその容器底部のどこに固定されているとしても、ある位置で固定された圧力センサ10121に対してある角度で傾斜する、ある形状の容器については、第3決定装置10122は、圧力センサ10121によって測定される圧力に従って、液体の高さ又は重さを決定することができることは当業者に理解されていることに留意して欲しい。よって第1所定期間中での液体体積の変化を決定することができる。
【0022】
近赤外光−たとえばLEDによって生成される中心波長940nmのスペクトル線−については、その近赤外光が、純水からなる媒質内部で5cmの光路を進行するとき、少なくとも40%のエネルギーが吸収される。近赤外光が、紅茶、ジュース、又はコーヒーからなる媒質内部で5cmの光路を進行するとき、より多くのエネルギーが吸収される。よって液体−特に飲用可能な液体−によって吸収される近赤外光の係る特徴は、容器内の液体の高さを測定するのに利用することができる。これについては以降で詳述する。
【0023】
本発明の一の実施例によると、検出器101は、図6に図示されているように、近赤外光源10131、複数の近赤外センサ10132、及び第4決定装置10133を有する。図中、12は液体の高さを示す。近赤外光源10131は近赤外光を放出する。容器11内に液体が存在しないとき、その放出される近赤外光は、複数のセンサ10132の各々によって検出できる。複数の近赤外センサ10132は、近赤外光源10131によって放出される近赤外光の強度を検出するため、容器11内の各異なる高さに配置されている。第4決定装置10133は、複数の近赤外センサ10132によって検出される近赤外光強度に従って、容器11内での液体の高さを決定することで、前記第1所定期間での液体体積の変化を決定する。
【0024】
近赤外センサ10132が液体高さより下に配置されている場合、そのセンサが検出する光強度はかなり弱い。しかし近赤外センサが液体高さより上に配置されている場合には、そのセンサが検出する光強度は相対的に強くなる。よって第4決定装置10133は、近赤外センサによって検出される光強度に従って、近赤外センサの相対位置と液体レベルを決定することができる。換言すると、第4決定装置10133は、第2所定閾値よりも大きな光強度を検出するセンサが、液体レベルよりも高い位置に配置され、かつ、第3所定閾値よりも小さな光強度を検出するセンサが、液体レベルよりも低い位置に配置されていることを決定することができる。
【0025】
複数の近赤外センサ10132のうちのある一部によって検出される光強度が第2所定閾値よりも大きい一方で、複数の近赤外センサ10132のうちの別な一部によって検出される光強度が第3所定閾値よりも小さい場合、第4決定装置10133は、2つの隣接する近赤外センサ間の高さを、液体の高さとして決定する。ここで前記2つの隣接する近赤外センサのうちの一は前記第2所定閾値よりも高い光強度を検出し、かつ、前記2つの隣接する近赤外センサのうちの他は前記第3所定閾値よりも低い光強度を検出する。あるいはその代わりに、第4決定装置10133は、前記2つの隣接する近赤外センサ間の任意の高さを液体高さとして決定することができる。あるいはその代わりに、第4決定装置10133は、前記2つの隣接する近赤外センサ間の中間高さを液体高さとして決定することができる。
【0026】
複数の近赤外センサ10132の全てによって検出される光強度が第2所定値よりも高い場合、最低位置の近赤外センサ10132の高さ又は最低位置の近赤外センサ10132より下の任意の高さが、液体高さとして決定されて良い。
【0027】
複数の近赤外センサ10132の全てによって検出される光強度が第3所定値よりも低い場合、最高位置の近赤外センサ10132の高さ又は最高位置の近赤外センサ10132より上の任意の高さが、液体高さとして決定されて良い。
【0028】
上述の場合、検出精度は近赤外センサの数に関連することに留意すべきである。近赤外センサの数が多ければ多いほど、検出精度は上がる。複数の近赤外センサ10132は、均一又は不均一な高さ間隔で、容器11の側壁に配置されて良い。通常、複数の近赤外センサ10132及び近赤外光源10131は、図5に図示されているように、容器11の側壁でそれぞれ対向するように配置される。本発明の一の実施例によると、複数の近赤外センサ10132及び近赤外光源10131は、容器11の同一の側壁に配置される。そして図7に図示されているように、複数の近赤外センサ10132による近赤外光の検出を可能にするように、近赤外光源10131によって放出される光を反射するため、対向する側壁に反射体10134が供される。本実施例の利点は、近赤外光が通過する光路が増大する−つまりそれぞれの近赤外センサによって検出される光強度間のコントラストが増大する−ことである。このことは、第4決定装置10133が液体高さを決定する上で有利である。
【0029】
図6に図示されているように、近赤外光源10131から離れた近赤外センサによって検出される光強度は、近赤外光源10131に近い近赤外センサによって検出される光強度よりも弱い。加えて、1つの光源の光放出角が制限されているため、近赤外センサ10132のうちの一部が、近赤外光源によって生成される光を検出できない場合が存在する。従って、近赤外センサ10132の感度を増大させるため、図6の近赤外光源10131はまた、複数の独立した発光素子を採用しても良い。複数の独立した発光素子とはたとえば、複数の近赤外LEDである。図8に図示されているように、各近赤外LEDは、一の近赤外センサ10132に対応し、かつ対応するセンサと同一の高さで配置される。容器11内に液体が存在しないとき、各発光素子については、その発光素子が放出する光のほとんどが、対応する近赤外センサ10132によって検出されうる。
【0030】
任意で図8に図示された検出器101については、複数の独立した光源素子は、図9に図示されているように、導光手段10135と組み合わせられた単一光源10131によって置き換えられて良い。導光手段10135は、近赤外光源10131によって放出される近赤外光を取り出す。それにより複数の近赤外センサ10132は、近赤外光源10131によって放出される近赤外光を検出することができる。導光手段10135は導光板又は光ファイバであって良い。導光板又は光ファイバは、近赤外光源10131によって放出される近赤外光を受光し、その後、表面から受光した光を取り出して、複数の近赤外センサ10132へ入射させる。光路は図9で概略的に図示されている。
【0031】
任意で、図1の装置100は、図10に図示されているように加速度計104をさらに有して良い。加速度計104は容器11の加速度を検出する。加速度計104が、第2所定期間に容器11の加速度を検出しない場合、情報提供装置103が第2の迅速な情報を提供する。前記第2の迅速な情報は、たとえば「第2所定期間では加速度は検出されませんでした」等の情報であって良い。容器11が飲料用カップである場合、第2の迅速な情報は、ある人がある期間水を飲んでいないという事実をその人に伝えるため、たとえば「あなたはある期間水を飲んでいませんよ」という情報であって良い。上述したように、情報提供装置103は、様々な手段によって第2の迅速な情報を提供して良い。
【0032】
通常、重みセンサ10111又は近赤外センサ10131を利用する上述の検出器101によって検出される、容器11内での液体体積変化の検出結果は、その容器11が水平に設けられている−つまり垂直に配向する−場合には、より厳密になりうる。より厳密な測定結果を得るため、任意で加速度計104が、容器11と水平面とがなす第1傾斜角、又は容器11と垂直方向とがなす第2傾斜角を検出するのにも用いられて良い。前記第1傾斜角が第4所定閾値よりも大きい場合、又は前記第2傾斜角が第5所定閾値よりも大きい場合にのみ、検出器101は、液体の体積変化を検出する。換言すると、容器11が、前記第1傾斜角が約90°で前記第2傾斜角が約0°で(擬)水平状態に設けられている−つまり(擬)垂直に配向する−場合にのみ、重みセンサ10111又は近赤外センサ10131は検出作業を行う。前記第4所定閾値及び第5所定閾値は、現実の測定精度の必要性に従って調節可能である。
【0033】
特に、加速度計104が傾斜角を測定する方法は当技術分野において成熟した技術である。2005年にフリースケール社が公表したチップAN3107の応用についての書類Rev0.05には、次式で表される加速度計を用いた傾斜角の測定方法が開示されている。
【0034】
【数1】
ここで、θは加速度計と水平面とのなす角で、VOUTは加速度計の出力で、VOFFSETは、加速度計の加速度が0gのときのバイアス電圧で、ΔV/Δgは感度で、gは重力加速度である。より詳細な情報はAN3107の応用についての書類で見つけることができるので、ここでは繰り返さない。
【0035】
本発明の一の実施例によると、図11は、容器内の液体体積を管理する方法のフローチャートを表している。
【0036】
最初に、手順S1101では、第1所定期間での液体体積変化が検出される。液体体積変化は、第1所定期間での、液体の重さの変化、液体高さの変化、又は液体によって発生する圧力の変化を検出することによって決定されて良い。一の実施例によると、上述の検出器101は手順S1101を実行して良い。
【0037】
次に、手順S1102では、液体体積変化が第1所定閾値未満であるか否かが決定される。一の実施例によると、上述の第1決定装置102は手順S1102を実行して良い。
【0038】
最後に、手順S1103では、液体体積変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1迅速な情報が提供される。一の実施例によると、上述の情報提供装置103は手順S1103を実行して良い。
【0039】
任意で、図11に図示された方法は、図12に図示された手順をさらに有して良い。
【0040】
最初に、手順S1201では、前記容器の加速度が検出される。
【0041】
第2所定期間で前記容器の加速度が検出されない場合、手順S1202では、第2迅速な情報が提供される。
【0042】
通常、手順S1101において容器内での液体体積変化を決定するためには、前記容器が水平に設けられている場合にのみ、厳密な検出結果が、圧力センサ及び赤外センサの手段によって得ることができる。より厳密な結果を得るため、前記容器と水平面とがなす第1傾斜角又は前記容器と垂直方向とがなす第2傾斜角を測定するのは任意である。そして前記第1傾斜角が第4所定閾値よりも大きい場合、又は前記第2傾斜角が第5所定閾値よりも大きい場合にのみ、前記液体体積変化は検出される。換言すると、前記容器が、前記第1傾斜角が約90°で前記第2傾斜角が約0°で(擬)水平状態に設けられている場合にのみ、前記液体体積変化は検出される。前記第4所定閾値及び第5所定閾値は、現実の測定精度の必要性に従って調節可能である。
【0043】
本発明の様々な実施例が、本明細書において詳細に説明された。前記第1乃至第5の所定閾値は、実際の条件及び使用者が設定可能な条件に従って選ばれて良い。たとえば装置100は、使用者によって入力される各対応する所定閾値を受け取る相互作用ユニットをさらに有して良い。同様に、前記第1及び第2の所定期間もまた、検出器101により、又は前記相互作用ユニットを介して使用者により設定されても良い。
【0044】
上述の実施例は、単独で実行されて良い。あるいはその代わりに、上述の実施例のうちの一部は、互いに組み合わせて実行されても良い。たとえば検出器101が、図2乃至図4又は図6乃至図9のいずれかに図示されたように構築される条件下では、装置100は加速度計104をさらに有して良い。検出器101が、図4に図示されているように、圧力センサ10121、第3決定装置10122、及び傾斜センサ10123を有する条件下では、傾斜センサ10123の機能はまた、上述したように加速度計104によって実行されても良い。換言すると、加速度計104及び傾斜センサ10123は同一のハードウエアを共有して良い。さらに検出器101は、図6乃至図9に図示された構成をとるときには、反射体10134及び導光装置10135をさらに有して良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の液体体積を管理する装置であって:
第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出するように備えられた検出器;
前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定するように備えられた第1決定装置;及び
前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を提供するように備えられた情報提供装置;
を有する装置。
【請求項2】
前記検出器が:
前記容器内での液体の重さを測定するように備えられた重みセンサ;及び
前記重みセンサによって測定された重さに従って、前記第1所定期間での前記液体体積の変化を決定する第2決定装置;
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出器が:
前記容器内の液体によって発生する圧力を測定するように備えられた圧力センサ;及び
前記圧力センサによって測定される圧力に従って、前記第1所定期間での前記液体体積変化を決定するように備えられた第3決定装置;
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記検出器が、前記容器の傾斜角を測定するように備えられた傾斜センサをさらに有し、
前記第3決定装置はさらに、前記傾斜センサによって測定された傾斜角及び前記圧力センサによって測定された圧力に従って、前記第1所定期間での前記液体体積変化を決定するように備えられた、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記検出器が:
近赤外光を放出するように備えられた近赤外光源;
前記近赤外光源によって放出される近赤外光の強度を検出するように備えられ、前記容器内の各異なる高さに配置されている複数の近赤外センサ;及び
前記複数の近赤外センサによって検出される近赤外光強度に従って、前記容器内での液体の高さを決定することで、前記第1所定期間での前記液体体積の変化を決定するように備えられた第4決定装置;
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記近赤外光源及び前記複数の近赤外センサは、前記容器の第1側壁に配置され、
前記検出器はさらに、前記第1側壁に対向する側壁に配置され、かつ、前記複数の近赤外センサが前記近赤外光源によって放出される近赤外光を検出できるように、前記近赤外光源によって放出される光を反射するように備えられた反射体10134を有する、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記近赤外光源が複数の独立した発光素子を有し、
前記複数の独立した発光素子の各々は、前記複数の近赤外センサの各々に対応し、かつ対応する前記近赤外センサと同一の高さで配置される、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器が、前記近赤外光源によって放出される近赤外光を取り出すように備えられた導光手段をさらに有し、
前記導光手段が前記近赤外光源によって放出される近赤外光を取り出すように備えられることにより、前記複数の近赤外センサは、前記近赤外光源によって放出される近赤外光を検出することができる、
請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記容器の加速度を検出するように備えられた加速度計をさらに有する請求項1に記載の装置であって、
前記情報提供装置は、第2所定期間に前記容器の加速度が前記加速度計によって検出されない場合に、第2の迅速な情報を提供するように備えられた、
装置。
【請求項10】
前記加速度計がさらに、前記容器と前記水平面とがなす第1傾斜角、又は前記容器と前記垂直方向とがなす第2傾斜角を検出するように備えられ、かつ、
前記検出器はさらに、前記第1傾斜角が第4所定閾値よりも大きい場合、又は前記第2傾斜角が第5所定閾値よりも大きい場合に、前記液体体積の変化を検出するように備えられる、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の装置を有するカップ。
【請求項12】
容器内の液体体積を管理する方法であって:
第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出する手順;
前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定する手順;及び、
前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を情報提供装置する手順;
を有する方法。
【請求項13】
前記の検出する手順が、前記第1所定期間での、前記液体の重さの変化、前記液体の圧力の変化、又は前記液体高さの変化を検出することによって、前記液体体積の変化を決定する手順を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の検出する手順の前に:
前記容器の加速度を検出する手順;及び、
第2所定期間で前記容器の加速度が検出されない場合、第2迅速な情報を提供する手順;
をさらに有する、請求項12に記載の方法。
【請求項1】
容器内の液体体積を管理する装置であって:
第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出するように備えられた検出器;
前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定するように備えられた第1決定装置;及び
前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を提供するように備えられた情報提供装置;
を有する装置。
【請求項2】
前記検出器が:
前記容器内での液体の重さを測定するように備えられた重みセンサ;及び
前記重みセンサによって測定された重さに従って、前記第1所定期間での前記液体体積の変化を決定する第2決定装置;
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出器が:
前記容器内の液体によって発生する圧力を測定するように備えられた圧力センサ;及び
前記圧力センサによって測定される圧力に従って、前記第1所定期間での前記液体体積変化を決定するように備えられた第3決定装置;
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記検出器が、前記容器の傾斜角を測定するように備えられた傾斜センサをさらに有し、
前記第3決定装置はさらに、前記傾斜センサによって測定された傾斜角及び前記圧力センサによって測定された圧力に従って、前記第1所定期間での前記液体体積変化を決定するように備えられた、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記検出器が:
近赤外光を放出するように備えられた近赤外光源;
前記近赤外光源によって放出される近赤外光の強度を検出するように備えられ、前記容器内の各異なる高さに配置されている複数の近赤外センサ;及び
前記複数の近赤外センサによって検出される近赤外光強度に従って、前記容器内での液体の高さを決定することで、前記第1所定期間での前記液体体積の変化を決定するように備えられた第4決定装置;
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記近赤外光源及び前記複数の近赤外センサは、前記容器の第1側壁に配置され、
前記検出器はさらに、前記第1側壁に対向する側壁に配置され、かつ、前記複数の近赤外センサが前記近赤外光源によって放出される近赤外光を検出できるように、前記近赤外光源によって放出される光を反射するように備えられた反射体10134を有する、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記近赤外光源が複数の独立した発光素子を有し、
前記複数の独立した発光素子の各々は、前記複数の近赤外センサの各々に対応し、かつ対応する前記近赤外センサと同一の高さで配置される、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器が、前記近赤外光源によって放出される近赤外光を取り出すように備えられた導光手段をさらに有し、
前記導光手段が前記近赤外光源によって放出される近赤外光を取り出すように備えられることにより、前記複数の近赤外センサは、前記近赤外光源によって放出される近赤外光を検出することができる、
請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記容器の加速度を検出するように備えられた加速度計をさらに有する請求項1に記載の装置であって、
前記情報提供装置は、第2所定期間に前記容器の加速度が前記加速度計によって検出されない場合に、第2の迅速な情報を提供するように備えられた、
装置。
【請求項10】
前記加速度計がさらに、前記容器と前記水平面とがなす第1傾斜角、又は前記容器と前記垂直方向とがなす第2傾斜角を検出するように備えられ、かつ、
前記検出器はさらに、前記第1傾斜角が第4所定閾値よりも大きい場合、又は前記第2傾斜角が第5所定閾値よりも大きい場合に、前記液体体積の変化を検出するように備えられる、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の装置を有するカップ。
【請求項12】
容器内の液体体積を管理する方法であって:
第1所定期間中での前記容器内での液体体積変化を検出する手順;
前記変化が第1所定閾値未満であるか否かを決定する手順;及び、
前記変化が前記第1所定閾値未満である場合に、第1の迅速な情報を情報提供装置する手順;
を有する方法。
【請求項13】
前記の検出する手順が、前記第1所定期間での、前記液体の重さの変化、前記液体の圧力の変化、又は前記液体高さの変化を検出することによって、前記液体体積の変化を決定する手順を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の検出する手順の前に:
前記容器の加速度を検出する手順;及び、
第2所定期間で前記容器の加速度が検出されない場合、第2迅速な情報を提供する手順;
をさらに有する、請求項12に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−533061(P2012−533061A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519101(P2012−519101)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053083
【国際公開番号】WO2011/004319
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053083
【国際公開番号】WO2011/004319
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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