説明

容器及び食品容器

【課題】容器に収納された物が、液体などを切った状態で簡単にとり取り出すことが可能となる容器を提供すること。
【解決手段】 上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体20と、容器本体20内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に漬け液等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材30と、容器本体20の開口29を密封する蓋25とを備え、反転しても安定的に置くことが可能に上下の端部が設けられた食品容器10において、仕切部材30は容器本体20内へ上下方向にスライドさせて挿入及び取出し自在に設けられ、仕切部材30を容器本体20内の所定高さに位置されるように支持する支持手段50が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器及び食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
漬物用などの食品用のものをはじめとして容器は、一般的に、上面が開口した有底の容器本体と、その開口を塞ぐ蓋を有する。
また、食品の塩漬けをする際などには、野菜などの上に必要に応じておもり(以下、「重石」ともいう)を載置する。その漬物を取り出す際には、当然ながら先に重石を取り出す必要がある。また、その後に漬物を取り出すときには、通常、手作業でその漬物の水(漬け液)を切って、食器に盛りつけるなどしている。
【0003】
また、ピクルスのように、重石を用いない漬物の場合は、漬物用の液に野菜や果実を単純に漬け込むことになる。なお、この場合の容器は、一般的に容器本体の開口を蓋で密閉する構造となっている。また、野菜を瓶詰め状態で保存する場合も容器本体の開口を蓋で密閉する。
そして、漬けあがったピクルスを取り出す際などには、通常、箸やフォークなどの食器を用いて引き上げる。その度ごとに、箸やフォークなどは、容器本体内の液の中に浸かる状態になりやすい。
【0004】
ところで、野菜などを短時間でよく漬けるために、引っ繰り返すことを特徴とする食品収納容器が提案されている(特許文献1参照)。
その食品収納容器は、両端を開口した筒体と、その筒体の両端の開口をそれぞれ密封する蓋と、その各蓋に設けた支持脚とで構成される。また、前記筒体の中に複数の孔が設けられた仕切板を入れた場合、二種類の食品を混じり合うことなく漬けることができる。
【特許文献1】登録新案第3018418号公報(第1頁及び第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器及び食品容器に関して解決しようとする問題点は、例えば、液体等の流動の可能な物に浸かった被収納物を容器内から取り出す際に、その液体等を手作業によって切る必要があり、面倒な点にある。また、食品などの被収容物を取り出す度に、箸やフォークなどの取り出し用の器具が容器内の液などの中に浸かる状態となると、特に食品の場合は衛生的でないという問題点もある。さらに、容器内から適当な量の被収納物を好適に取り出せないという問題点もある。
そこで本発明の目的は、容器内に収納された物(被収納物)を、好適に取り出すことが可能となる容器等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる容器の一形態によれば、上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体と、該容器本体内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に液体等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材と、前記容器本体の開口を密封する蓋とを備える容器であって、前記仕切部材は、前記容器本体内へ上下方向にスライドさせて挿入及び取出し自在に設けられ、容器本体内の所定高さに位置されるように支持手段によって支持されていることを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体と、該容器本体内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に液体等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材と、前記容器本体の開口を密封する蓋とを備える容器であって、前記仕切部材は、前記容器本体内へ挿入され、容器本体内の所定高さに位置されるように固定手段によって固定されていることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記支持手段は、前記仕切部材に実質的に上下方向へ延びる状態に設けられ、少なくとも一つの先端部が前記容器本体の内底面又は蓋の内面に当接することで仕切部材を支持する支持部材であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記支持手段は、前記容器本体内で前記仕切部材の上下に延びると共に前記仕切部材の実質的に中央部に設けられた貫通孔に上下方向へ相対的にスライド可能に挿通された棒状部材と、該棒状部材の中途部に設けられ仕切部材が容器本体の内底面側へ所定以上移動することを阻止する係止部とを具備し、前記棒状部材の一端側が仕切部材をつまみ上げるための把持棒部であり、該棒状部材の他端側が先端部で容器本体の内底面に当接して仕切部材を支持する支持棒部であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記仕切部材の外縁に、少なくとも実質的に上下方向に延び、前記容器本体の内側面に沿ってスライドさせて挿入等される仕切部材の上下移動を安定化させる外縁ガイド部が設けられていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記仕切部材には、容器内に収納された固形状物が上下に移動可能に、所定の大きさ以上の開口部分が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記開口部分を開閉する開閉部材を具備することを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる食品容器の一形態によれば、上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体と、該容器本体内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に液体等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材と、前記容器本体の開口を密封する蓋とを備える食品容器において、前記仕切部材は、前記容器本体内へ上下方向にスライドさせて挿入及び取出し自在に設けられ、容器本体内の所定高さに位置されるように支持手段によって支持されていると共に、前記容器本体内で上下方向へ移動可能に設けられ、該仕切部材によって上下に仕切られた容器本体内の内底側に漬物用おもりが上下方向へ移動可能に配されたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる食品容器の一形態によれば、前記支持手段は、前記容器本体内で前記仕切部材の上下に延びると共に前記仕切部材及び前記漬物用おもりの実質的に中央部に設けられた貫通孔に上下方向へ相対的にスライド可能に挿通された棒状部材と、該棒状部材の中途部に設けられ漬物用おもりの上下方向の移動を許容するが仕切部材の漬物用おもり側への所定以上の移動を阻止する係止部とを具備し、前記棒状部材の一端側が仕切部材をつまみ上げるための把持棒部であり、該棒状部材の他端側が先端部で容器本体の内底面に当接して仕切部材を支持する支持棒部であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる食品容器の一形態によれば、前記仕切部材が上下方向に伸縮可能な蛇腹構造の有底容器であって、該有底容器の底部が前記容器本体内を上下に仕切る部分となっていることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、上部に開口を有する容器本体と、該容器本体の開口を閉じる蓋とを備える容器において、前記容器本体内の上下方向の中途部に、容器内に収納された物の上下の移動を制限しない開口部分を有しつつ、容器内を上下に分割するように仕切ることで該容器内に収納された物の上下の移動を制限すると共に容器内に収納された固形状物が載ることができる仕切部が設けられたことを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記容器本体は、底部を有する下側本体の上に、上下が開口された上側本体が重ねられて一体化されることで構成され、前記下側本体には上部に前記仕切部が設けられ、前記上側本体の上部の開口は前記蓋によって閉じられることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記上側本体が前記下側本体に対して着脱可能に設けられ、前記仕切部の開口部分は開封されることで形成される透孔であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記下側本体と前記上側本体との間がシールされ、前記上側本体の上部の開口は前記蓋によって密封されることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記容器本体の開口が、容器本体の上部の側部に設けられていることを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明にかかる重ね容器の一形態によれば、容器本体の上部に設けられた開口の上に重ねて取り付けられ、前記容器本体に収納された物の少なくとも一部を移すことのできる容積を備えると共に上部が開口された重ね本体を有し、前記容器本体と一体化して一つの容器を形成する重ね容器であって、前記重ね本体には、前記容器本体の開口に連結される連結部が設けられると共に、前記容器本体に取り付けられた際に、容器内に収納された物の上下の移動を制限しない開口部分を有しつつ、容器内を上下に分割するように仕切ることで該容器内に収納された物の上下の移動を制限すると共に容器内に収納された固形状物が載ることができる仕切部が設けられ、且つ前記重ね本体の開口を閉じる蓋を備えることを特徴とすることができる。
【0014】
また、本発明にかかる重ね容器の一形態によれば、前記重ね本体の連結部は前記容器本体との間でシール可能に設けられ、前記重ね本体の開口は前記蓋によって密封されることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記重ね容器が、容器本体の上部に設けられた開口の上に重ねて取り付けられたことを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記開口部分を開閉する開閉部材を具備することを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、上部に開口を有する容器本体と、該容器本体の開口を閉じる蓋とを備える容器であって、前記容器本体内の上下方向の中途部に、容器内に収納された収納物を載せることができる棚部が設けられたことを特徴とするとすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記棚部が、前記収納物のうち所定の大きさ以下の物が好適に落下できるように線状の棚用部材によって形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記線状の棚用部材が、前記収納物の形状に対応してリング状に形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記棚部が、前記容器本体内の上下方向の中途部で且つ開口寄りに設けられたことを特徴とすることができる。
【0016】
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記棚部の上面には、該棚部に載った収納物の転落を防止すべく、凹部、凸部又は貫通孔のうち少なくともいずれかの一から成る転落防止部を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる容器の一形態によれば、前記棚部の上面には、該棚部に載った収納物が整列をすべく、平行に配列された複数の筋条、凹部、凸部又は貫通孔のうち少なくともいずれかの一から成る整列部を備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の容器及び食品容器によれば、被収納物を好適に取り出すことが可能になるという有利な効果を奏する。
また、本発明の重ね容器によれば、容器本体に連結することで、本発明にかかる容器及び食品容器を好適に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の食品容器に係る最良の形態の一例を添付図面(図1〜4)と共に詳細に説明する。図1は本発明に係る食品容器の一形態を示す断面図である。図2は図1の食品容器について蓋をした後に反転して置いた状態を示す断面図である。図3は図2の状態から再度反転させて蓋を外した状態を示す断面図である。図4は仕切部材を引き上げて食品(漬物)を取り出した状態を示す断面図である。
本形態の食品容器10は、基本的に、容器本体20と、蓋25と、仕切部材30及びその仕切部材を支持する支持手段50とから構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0019】
容器本体20は、本形態では筒体の一端が広口に開口し、他端が塞がれた有底の容器となっている。底部21は側壁部22と一体的に形成されている。例えば、梅酒漬け用の広口瓶に相当する形状となっている。なお、この容器本体20の形状は、円筒状に限らず、四角いものなど、他の形状でも良いのは勿論である。また、底部21を蓋で開閉可能且つ密閉状態に形成することも可能である。
【0020】
蓋25は、容器本体20の開口29を密封して閉じる。密封方法は、ねじ込みによるもの、押し込みによるもの、締め金具によるもの、バネ性の有る留め具によるものなど、パッキンなどと合わせて周知の方法を適宜選択的に用いればよい。なお、本形態では、ねじ込みによって密封する形態となっている。
また、この食品容器10は、反転しても安定的に置くことが可能に上下の端部が設けられている。つまり、容器本体20の底部(底面)だけでなく、蓋25の外端面(上面)も引っ繰り返して置いたときに倒れない形状となっている。本形態では、両端部とも単なる平面であるが、転倒防止の脚などを設けてもよい。
【0021】
仕切部材30は、容器本体20内の上下方向(高さ方向)の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に漬け液等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられている。
本形態の仕切部材30は、水平に設けられた仕切板部31が、格子状、すのこ状又は網目状などに形成されている。これにより、複数の孔(小孔32)が設けられた形態となっており、その小孔32より小さくて流動する物は流通できるが、その小孔32より大きな一定以上の大きさの固形状物は通過できない。本形態では多数の小孔32が設けられ、均一性のある流通性を備えている。
そして、この仕切部材30は、容器本体20内へ上下方向にスライドさせて挿入及び取出し自在に設けられている。このため、仕切部材30を容器本体20に対して簡単に着脱することができる。これにより、容器本体20内及び仕切部材30を容易に洗浄できる。なお、仕切部材30を必要としないときには、取り外しておけばよい。
ところで、この仕切部材30を、既製の容器に合わせて製作し、その既製の容器に用いれば、容易に本発明かかる食品容器を得ることができる。
【0022】
また、35は外縁ガイド部である。仕切部材30の外縁に、少なくとも上下方向に延び、容器本体20の内側面24に沿って仕切部材30の上下動を相対的に案内するように設けられている。この外縁ガイド部35の存在で、仕切部材30が傾くことを好適に防止できる。これにより、仕切部材30が引っ掛かることなく、上下方向に好適に移動できる。
本形態の外縁ガイド部35は、筒状に形成されており、容器本体20の筒体内に入れ子状態に挿入されている。すなわち、外縁ガイド部35は、容器本体20内に、二重管のように実質的に筒体の軸心を同じくする関係で摺動可能に挿入されている。
【0023】
また、36はスライド用突起であり、外縁ガイド部35の外側面に突起して複数設けられている。このスライド用突起36が容器本体20の内側面24に摺接し、摺動の際の摩擦抵抗を低減している。
また、この外縁ガイド部35は、仕切板部31から蓋25側へより長く延びた蓋側の筒体部37を有する。この蓋側の筒体部37と、仕切板部31から成る底材とによって、内部容器が構成されている。この内部容器内40に食品を入れることによって、食品をこぼさないように取り出すことができる。
本形態の筒体部37には孔を図示していないが、上下方向に漬け液等を流通させるための小孔を設けるようにしてもよい。
【0024】
支持手段50は、仕切部材30を容器本体20内の所定高さに位置されるように支持する。
この支持手段50としては、仕切部材30に実質的に上下方向へ延びる状態に設けられ、少なくとも一つの先端部が容器本体20の内底面23又は蓋25の内面26に当接することで仕切部材30を支持する支持部材を用いることができる。
なお、支持手段としてはこれに限らず、容器本体20側に仕切部材30を適宜支持する部分を設けるようにしてもよい。また、上記の支持部材による支持手段と、容器本体20側の支持手段とを合せて用いてもよい。
【0025】
本形態の支持手段50は、棒状部材51と係止部55とによって構成されている。
棒状部材51は、容器本体20内で仕切部材30の上下に延びると共に仕切部材30の実質的に中央部に設けられた貫通孔33に上下方向へ相対的にスライド可能に挿通されている。この棒状部材51の一端側が仕切部材30をつまみ上げるための把持棒部53となっている。そして、その棒状部材51の他端側が先端部で容器本体20の内底面23に当接して仕切部材30を支持する支持棒部52となっている。
また、55は係止部であり、棒状部材51の中途部に、仕切部材30が容器本体20の内底面23側へ所定以上移動することを阻止するように設けられている。つまり、貫通孔33は、棒状部材51の棒の太さよりも大きく、係止部55よりも小さく形成されている。この係止部55を、例えば雌ねじ状とし、雄ねじ状に設けた棒状部材51に螺合させて係止させてもよい。これによれば、係止部55の棒状部材51に対する上下方向の位置調整を好適できる。なお、これに限らず、棒状部材51に対する係止部55の係止方法は、周知の手段を適宜用いればよい。
【0026】
次に、以上の構成を有する食品容器10の使用方法について説明する。
先ず、図1に示すように容器本体20内に、漬け液16と支持手段50を備える仕切部材30とを入れ、内部容器内40に果実や野菜などの漬けたい食品18を入れる。
次に、図2に示すように、容器本体20に蓋25をして、食品容器10を反転した状態で置く。蓋25が下に位置して、容器本体20の閉塞端部(底)が上に位置する。これにより、食品18が蓋25によって設けられた底の上に溜まり、漬け液に浸った状態となる。この状態で適宜保存すれば、食品が好適に漬かる。例えば、梅、ラッキョウ或いは豆を好適に漬けることができる。なお、食品を液体に漬ける場合だけでなく、食品に粉状の物をまぶす場合などにも利用できる。
【0027】
次に、漬物などの食品18を取り出す際には、図3に示すように食品容器10を再度反転させる。蓋25が上になって、容器本体の底が下になる。これにより、漬け液16が仕切部材30の小孔32を通過して容器本体20の底に溜まる。漬物については、仕切部材30によって下方への移動が阻止されるから、その漬け液が切られることになる。
そして、蓋25を外す。漬け液が切られた状態となっているので、箸などを漬け液に浸すことなく食品18を衛生的に取り出すことができる。
さらに、図4に示すように、把持棒部53の先端部を指60でつまみ、仕切部材30を引き上げて漬物を取り出すことができる。漬け液16に指を浸すことなく、好適に漬物を取り出すことができる。
【0028】
次に、本発明の食品容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図5〜7)と共に詳細に説明する。図5は本発明にかかる仕切部材に開口部分が設けられた食品容器の一形態にかかる構成部材を示す断面図(分解図)である。図6は仕切部材の平面図である。図7は図5の食品容器の使用状態を示す断面図である。
本形態の食品容器110は、図1の形態と同様に、容器本体120と、蓋125と、仕切部材130及びその仕切部材を支持する支持手段150とから構成されている。
【0029】
容器本体120は、本形態では外形が円錐台を逆さまにした形状で、上端が広口に開口し、他端が塞がれた有底の容器となっている。底部121は側壁部122と一体的に形成されている。また、側壁部122は上方へ向かって広くなるテーパ状に形成されている。例えば、プラスチック素材によって容易且つ安価に成形できる。なお、この容器本体120の形状は、円形に限らず、四角いものなど、他の形状でも良いのは勿論である。
また、本形態では、容器本体120の上端近傍に、側壁部122の内側面がリング状の溝となるようにリング溝128が設けられている。
【0030】
蓋125は、容器本体120の開口129を密封して閉じる。本形態の密封方法は、押し込みによるものである。
また、本形態の蓋125は、外形が円錐台を逆さまにした形状で、下端が開口し、上端面が塞がれた断面略コの字状に形成されている。周縁側壁部126には、外側面がリング状の突起となるようにリング突起127が形成されている。このリング突起127が、前記リング溝128に圧入状態に嵌り、蓋125がその弾性で容器本体120を密封する形態となっている。
【0031】
仕切部材130は、容器本体120内の高さ方向の中途部に位置して上下に仕切り、漬け液等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に多数の小孔132設けられている。そして、仕切部材130の一部には、小孔132では上下に流通できない大きさ以上の物質が上下に流通可能に、少なくともその物質の大きさ以上の開口部分170が設けられている。なお、その物質がゲル状などの場合を考えれば、その開口部分170は、食品容器110に収納されたゲル状を含む固形物が上下に流通可能な大きさ以上の透孔(貫通孔)であればよい。
そして、仕切部材130の開口部分170を形成する端縁部133の表面が、断面弧状に反り上がった形状となっている。これにより、固形物が滑り落ちることを好適に止めることができ、且つ仕切板部131に載った流動可能な物などが引っ掛かることなく容器本体120の底側へ好適に移動できる。また、好適に水切りができる。なお、断面が平面と平面とが交差して形成される角部であっても、鈍角であれば同様の効果を奏する。また、前記端縁部の最も縁にあたる部分がRをとった状態の丸められた形状となっている。これによっても、好適に前記物質の移動ができる。
また、本形態の仕切部材130は、外形が円錐台を逆さまにした形状で、上端が全体に開口し、断面略コの字状に形成されている。周縁に、上方に向かってテーパ状に広くなる周縁立ち上げ部135を備えている。
【0032】
この仕切部材130は、容器本体120内へスライドされて挿入され、容器本体120内の側壁部122によるテーパによって受けられる。そして、周縁立ち上げ部135が当接する側壁部122の部分が、仕切部材130を支持する支持手段150となっている。
これにより、この仕切部材130は、容器本体120内の所定高さに位置される。さらに本形態では、仕切部材130がその高さに確実に位置するように固定手段によって固定されている。固定手段としては、接着剤による接合、熱溶着、嵌合構造、かしめ構造などを採用できる。
【0033】
次に、以上の構成を有する食品容器110の使用方法について説明する。
先ず、容器本体120内の仕切部材130よりも下側に、例えば豆などの漬けたい食品118と、漬け液116とを入れ、蓋125をする。これにより、食品118を漬ける。
次に、漬けられた食品118を取り出す際には、食品容器110を振るか、傾けるなどする。または、反転させて振るなどする。これにより、食品118が、開口部分170を通過し、図7に示すように仕切部材130の仕切板部131の上に載る。
このようにして食品118が仕切板部131の上に位置した状態の食品容器110を静かに置くと、食品118から漬け液が好適に切られる。そして、蓋125を外す。漬け液が切られた状態となっているので、箸などを漬け液に浸すことなく食品118を衛生的につまみ上げることができる。
また、本形態の食品容器110に、氷入りのジュースなどを入れても好適に利用できる。氷を仕切板部131の下側に位置させれば、ジュースなどが飲み易くなる。また、氷がほしいときは、仕切板部131の上へ適宜に移すことができる。従って、氷を仕切板部131の上下のどちらか所望する位置に置いてジュースなどを好適に味わうことができる。
【0034】
次に、本発明の食品容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図8〜13)と共に詳細に説明する。図8は仕切部材に開閉部材が設けられた本発明にかかる食品容器の一形態を示す断面図である。図9は図8の開閉部材を完全に開いて食品を仕切部材の上に載せるための動作を示す断面図である。図10は図9の状態で漬け液を切って蓋を外した状態を示す断面図である。図11は仕切部材を引き上げて食品(漬物)を取り出した状態を示す断面図である。図12は仕切部材の開閉部材が閉じた状態を示す平面図及び断面図である。また、図13は仕切部材の開閉部材が開いた状態を示す平面図及び断面図である。
本形態の食品容器11は、図1の形態とは仕切部材(30a)の構造が相違する。仕切部材30aの形態を中心に説明し、図1の形態と同等の構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】
70は開口部分であり、仕切部材30aの一部に設けられている。開口部分70は、容器本体20内に収納された所定の大きさ以上の食品18が上下に移動可能に一定の大きさ以上の孔として設けられている。また、本形態の開口部分70は、仕切部材30aの水平に設けられた仕切板部31aに略4分の1の円状に形成されている(図12、13を参照)。
この開口部分70の形態は特に限定されるものではないが、食品18が上下に移動できると共に、その食品18が載る仕切板部31aの面積を適宜確保するものであればよい。
【0036】
71は開閉部材である。開口部分70を開閉する開閉部材71として仕切部材30aに設けられている。本形態では、開き戸のように蝶番75を介して開閉する形態となっている(図12、13を参照)。
開口部分70を閉じた際には、仕切部材30aと一体となって仕切板部31aを構成する。本形態の開閉部材71も、前記仕切板部31と同様に、格子状、すのこ状又は網目状などに形成されている。これにより、複数の孔(小孔32)が設けられた形態となっており、流動する物は流通できるが、一定の大きさ以上の固形物は通過できない。
また、開閉部材71が開いた際には所定大きさ以上の食品18が上下に移動できる。
なお、仕切部材30aが中心軸に相当する棒状部材51を中心に容器本体20内で回転しないように、仕切部材30aと側壁部22に回転防止構造(図示せず)を設けてもよい。
【0037】
次に、以上の構成を有する食品容器11の使用方法について説明する。
先ず、図8に示すように容器本体20内に、果実や野菜などの漬けたい食品18と、漬け液16と、支持手段50を備える仕切部材30aとを入れ、蓋25をする。開閉部材71は、食器容器11を振ると蝶番75を支点に他端側76が上方へ回動して開く。反対に、下方へは外縁ガイド部35の内側面に形成されたストッパ部39に係止して回動しない。
次に、図9に示すように、食品容器11を強く振るか、傾けるなどすることによって開閉部材71が反転して開くと同時に、漬物などの食品18が仕切板部31aの上に載る。
【0038】
このようにして食品18が仕切板部31aの上に位置した状態の食品容器11を、図10に示すように静かに置くと、食品18から漬け液が好適に切られる。そして、蓋25を外す。漬け液が切られた状態となっているので、箸などを漬け液に浸すことなく食品を衛生的につまみ上げることができる。また、漬け液が上部まである場合でも、箸を容器本体20の奥深くまで入れることなく、食品を好適に取り出すことができる。なお、食品を液体に漬ける場合だけでなく、食品に粉状の物をまぶす場合にも利用できる。
さらに、図11に示すように、把持棒部53の先端部を指60でつまみ、仕切部材30aを引き上げて漬物を取り出すことができる。漬け液16に指を浸すことなく、好適に漬物を取り出すことができる。
【0039】
次に、図14及び15に基づいて開閉部材72を有する仕切部材(30b)の他の形態について説明する。本形態の開閉部材72は、スライド回転して開口部分70を開閉する。軸73を中心に回動する。図14は開閉部材72が開口部分70を閉じた状態を示す断面図である。また、図15は開閉部材72が回転して開口部分70を開いた際の状態を示す断面図である。
これによっても、図8の食器容器11と同様に、開口部分70が開いた状態のとき仕切板部31bの上に食品を好適に載せることができる。従って、その食品を好適に取り出すことができる。
【0040】
次に、本発明の食品容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図16〜20)と共に詳細に説明する。図16は本発明にかかる食品容器の他の形態を示す斜視図である。図17は図16の食器容器の断面図である。図18は図17の食品容器について蓋をした後に反転して置いた状態を示す断面図である。図19は図18の状態から再度反転させて蓋を外した状態を示す断面図である。図20は仕切部材を引き上げて食品(漬物)を取り出した状態を示す断面図である。
本形態の食品容器12は、図1の形態とは漬物用おもり80という構成が追加された点が相違する。漬物用おもり80を中心に説明し、図1の形態と同等の構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
漬物用おもり80は、仕切部材30によって上下に仕切られた容器本体20内の内底側に上下方向へ移動可能に配されている。本形態の漬物用おもり80は、重いもの81と軽いもの82とで2段に配されている。この2段のおもり81、82は、連結部83によって連結及び分離可能に設けられている。さらに多数段に設けることも可能である。これにより、重量の調整ができる。また、どちらのおもり81、82も、中央部に貫通孔85、86が設けられている。
また、仕切部材30は、本形態においても、容器本体20内で上下方向へ移動可能に設けられている。
【0042】
50は支持手段であり、図1の形態と同様に、仕切部材30を容器本体20内の所定高さに位置されるように支持する。また、棒状部材51と係止部55とによって構成されている。
51は棒状部材であり、容器本体20内で仕切部材30の上下に延びると共に仕切部材30及び漬物用おもり80の実質的に中央部に設けられた貫通孔85、86に上下方向へ相対的にスライド可能に挿通されている。この棒状部材51の一端側が仕切部材30をつまみ上げるための把持棒部53となっている。そして、その棒状部材51の他端側が先端部で容器本体20の内底面23に当接して仕切部材30を支持する支持棒部52となっている。
また、55は係止部であり、棒状部材51の中途部に設けられ漬物用おもり80の上下方向の移動を許容するが仕切部材30の漬物用おもり80側への所定以上の移動を阻止するように設けられている。
【0043】
次に、以上の構成を有する食品容器12の使用方法について説明する。
先ず、図17に示すように容器本体20内に、漬物用おもり80と支持手段50を備える仕切部材30とを入れる。この際、棒状部材51の支持棒部52が貫通孔85、86に挿通された状態になっている。そして、内部容器内40に塩などと共に果実や野菜などの漬けたい食品19を入れる。
次に、図18に示すように、容器本体20に蓋25をして、食品容器12を反転した状態で置く。蓋25が下に位置して、容器本体20の閉塞端部(底)が上に位置する。このとき、漬物用おもり80が下方へ移動して仕切部材30を介して食品19を押圧する。これにより、食品19を、重石をした状態で好適に漬けることができる。
【0044】
次に、漬物などの食品19を取り出す際には、図19に示すように食品容器12を再度反転させる。蓋25が上になって、容器本体の底が下になる。これにより、漬物用おもり80が下側に位置すると共に、漬け液(図示せず)が仕切部材30の小孔32を通過して容器本体20の底に溜まる。漬物については、仕切部材30によって下方への移動が阻止されるから、その漬け液が切られることになる。
そして、蓋25を外す。漬け液が切られた状態となっているので、箸などを漬け液に浸すことなく食品19を衛生的に取り出すことができる。
さらに、図20に示すように、把持棒部53の先端部を指60でつまみ、仕切部材30を引き上げて漬物を取り出すことができる。漬け液に指を浸すことなく、好適に漬物を取り出すことができる。
【0045】
次に、本発明の食品容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図21〜24)と共に詳細に説明する。図21は本発明にかかる食品容器の他の形態を示す断面図である。図22は図21の食品容器について蓋をした後に反転して置いた状態を示す断面図である。図23は図22の状態から再度反転させて蓋を外した状態を示す断面図である。図24は蛇腹構造の有底容器を引き上げて食品(漬物)を取り出した状態を示す断面図である。
本形態の食品容器13は、図16の形態とは蛇腹構造の有底容器90という構成が追加され、漬物用おもり80自体が支持手段50となっている点が相違する。これらの構成を中心に説明し、図16の形態と同等の構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
蛇腹構造の有底容器90は、蛇腹部91によって上下方向に伸縮可能となっており、底部92が容器本体20内を上下に仕切る部分となっている。また、蛇腹構造の有底容器90の開口93側の端部には切り欠き部94が設けられている。この切り欠き部94によって、漬け液等の流動の可能な物が上下方向に流通可能になっている。
従って、この蛇腹構造の有底容器90自体が、以上に説明した仕切部材30と同等の仕切部材としての機能を有する。このため、本形態のような仕切部材30を介在しなくとも、漬物用おもり80が支持手段50になって、食品19を好適に取り出すこともできる。
なお、漬け液等を流通させるには、本形態に限らず、蛇腹構造の有底容器90の他の部分に適宜な孔を設けることも可能である。
【0047】
次に、以上の構成を有する食品容器13の使用方法について説明する。
先ず、図21に示すように容器本体20内に、漬物用おもり80と仕切部材30及び蛇腹構造の有底容器90を入れる。そして、蛇腹構造の有底容器90内に塩などと共に果実や野菜などの漬けたい食品19を入れる。なお、食品19などを蛇腹構造の有底容器90に入れた後、それを容器本体20内に入れてもよい。
次に、図22に示すように、容器本体20に蓋25をして、食品容器13を反転した状態で置く。このとき、漬物用おもり80が下方へ移動して仕切部材30及び蛇腹構造の有底容器90を介して食品19を押圧する。これにより、食品19を、重石をした状態で好適に漬けることができる。
なお、本形態では、蛇腹構造の有底容器90が単数の場合を示したが、複数を並列させて同時に漬ける形態でも良い。
【0048】
次に、漬物などの食品19を取り出す際には、図23に示すように食品容器13を再度反転させる。蓋25が上になって、容器本体の底が下になる。これにより、漬物用おもり80が下側に位置すると共に、漬け液(図示せず)が仕切部材30の小孔32を通過して容器本体20の底に溜まる。
そして、蓋25を外す。蛇腹構造の有底容器90内に残るものを除いて漬け液が切られた状態となる。従って、図21に示すように、蛇腹構造の有底容器90ごと食品を好適に取り出すことができる。
【実施例1】
【0049】
本発明にかかる容器の一実施例について、添付図面(図25)に基づいて説明する。図25は、発明にかかる容器の仕切部材を容器本体に着脱可能に固定する一形態を示す断面図である。
220は容器本体であり、225は蓋である。また、230は仕切部材である。
250は容器本体の側壁部の内側面222に形成された凹状の被係合部250であり、仕切部材230を支持する支持手段として機能する。この被係合部250は、リング状の溝に形成されていてもよいし、断続的に凹んだ状態に形成されていてもよく、仕切部材230の周縁部235が嵌って好適に係止できる形態であればよい。また、この被係合部250は、内側面222の高さ方向に複数が設けられており、仕切部材230をスライドさせて挿入し、容器本体220内の所望の高さ位置に固定することができる。
また、仕切部材230は、樹脂材などで成形でき、その弾性によって被係合部250へ容易には離脱不能に好適に嵌ることができる。また、その弾性を利用してスライドさせて取り出し可能とすることもできる。
【実施例2】
【0050】
本発明にかかる容器の他の実施例について、添付図面(図26)に基づいて説明する。図26は、発明にかかる容器の仕切部材を容器本体に着脱可能に固定する他の形態を示す断面図である。
320は容器本体であり、325は蓋である。また、330は仕切部材である。
335は装着手段であり、仕切部材330の周縁部に適宜複数が設けられている。この装着手段335によれば、半径方向外側へ付勢される弾性力を利用して容器本体320の内側面322に当接し、容器本体320内に仕切部材330を固定する。弾性力を付勢する手段としては、バネ、素材自体の弾性を利用することができる。
これにより、仕切部材330をスライドさせて挿入し、容器本体220内の所望の高さ位置に固定することができる。また、仕切部材330をスライドさせて取り出すこともできる。
【実施例3】
【0051】
本発明にかかる容器の他の実施例について、添付図面(図27)に基づいて説明する。図27は、発明にかかる容器の仕切部材を容器本体に着脱可能に支持する形態を示す断面図である。
20cは容器本体であり、25は蓋である。また、30cは仕切部材である。
30cはかご状に形成されており、仕切板部31cと外縁ガイド部35cのどちらにも多数の小孔32が設けられている。外縁ガイド部35cは、かごの側壁部に相当する部分となっており、蓋25の内面26に当接することで仕切部材30cを支持する支持部材となって支持手段の一部を構成する。
また、24cは係止部であり、容器本体20cの内側面に設けられている。これも仕切部材30cを支持する支持手段の一部を構成する。これにより、仕切板部31cが容器本体20cの高さ方向の中途部に好適に位置されることになる。
なお、70は開口部分であり、71は開閉部材であって、図8の本発明の一形態について説明したものと同様に機能する。
この構成によっても、食品18を仕切板部31cの上に好適に載せることができ、食品18から漬け液を切ることができる。従って、箸などを漬け液に浸すことなく食品を衛生的につまみ上げることができるなどの効果がある。
さらに、図28に示すように、外縁ガイド部35cの先端部を指60でつまみ、仕切部材30cを引き上げて漬物(食品18)を好適に取り出すことができる。
【0052】
次に、本発明の食品容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図29)と共に詳細に説明する。図29は本発明にかかる食品容器の一形態を示す正面断面図、及び蓋を外した状態の平面図である。
本形態の食品容器500は、基本的に、容器本体510と、蓋550と、仕切部530とから構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0053】
容器本体510上部に開口511を有する。この容器本体510の開口511は蓋550によって閉じられる。
仕切部530は、容器本体510内の上下方向の中途部に、内部(容器内)に収納された物の上下の移動を制限しない開口部分535を残しつつ、容器内を上下に分割するように仕切ることでその容器内に収納された物の上下の移動を制限すると共に容器内に収納された固形状物65が載ることができるように設けられている。開口部分535の大きさ及び形状は、収納される物に応じて適宜確保及び設定されればよい。また、開口部分535は、所定の大きさ以上の固形物が上下に移動できる開放部のことであり、仕切部530の一部が切り欠かれて設けられる切り欠き部分であっても良い。
なお、容器内に収納された物の上下の移動を制限しないとは、容器内の固形状物65などが実質的に上下に移動できることである。いわゆるグミのようなゲル状などの柔軟性のある固形状物65は、比較的小さな開口部分535であっても上下に移動できる。
また、容器内に収納された物の上下の移動を制限するとは、小孔などがない形態で液体等の流通までも遮断する状態や、小孔などが設けられて比較的大きな物(固形状物)の流通が阻止される状態を含むことを意味する。
【0054】
また、図29に示した食品容器は、具体的に以下のように構成されている。
前記容器本体510は、底部512を有する下側本体515の上に、上下が開口された上側本体520が重ねられて一体化されることで構成され、下側本体515には上部に前記仕切部530が設けられ、上側本体520の上部の開口511は蓋550によって閉じられる。
また、本形態の食品容器は、上側本体520が下側本体515に対して着脱可能に設けられ、仕切部530の開口部分535は開封されることで形成される透孔である。本形態の開口部分535は、爪部536をてこの原理で缶上面へ押し込むことで開封する缶の開封手段によって開口されている。
また、下側本体515と上側本体520との間がシールされ、上側本体520の上部の開口511は蓋550によって密封されている。これにより、漬け液に漬けられた食品等を収納する容器として好適に用いることができる。
【0055】
本形態によれば、上側本体520と蓋550によって下側本体515の上部を覆うことになる。これにより、開封されて形成される開口部分535及び固形状物65が載る仕切部530の表面を衛生的に保護できる。
また、上側本体520が下側本体515の上部に着脱可能に嵌る形態となっている。従って、上側本体520を外した状態において、缶状に形成された下側本体515の開封を好適に行うことができる。
さらに、開封手段の爪部536に水平方向の両側に棒状に突起させた水平延設部537を形成してある。この水平延設部537は、一旦仕切部530の上に載った固形状物65が落下しないように阻止する転がり防止手段となっている。この転がり防止手段は本形態に限らず、同様の機能を奏するのであれば例えばリング状に形成するなどしても良い。
【実施例4】
【0056】
次に、仕切部530に係る他の実施例について、図30に基づいて説明する。
仕切部530は、図に示すように複数の支持片531が外周縁から内向き且つ放射状に延出された形態のものとしてもよい。なお、複数の支持片531以外の部分が開口部分535となる。各支持片531は、上方へ回動又は湾曲することを許容し、下方へ回動又は湾曲することを制限できるものであるとよい。これによれば、比較的大きな固形状物65を好適に載せることができ、その固形状物を容易に取り出すことが可能となる。
【実施例5】
【0057】
また、仕切部530は、図31に示すように、開口部分535に複数の支持片531が差し渡された形態としてもよい。本形態では、各支持片531が両持ち状態になって、一旦仕切部530の上に載った固形状物65が落下しないように好適に阻止することができる。
【実施例6】
【0058】
次に、容器の全体形状に係る他の実施例について、図32に基づいて説明する。
本形状の容器は、容器本体510の開口511が、容器本体510の上部の側部に設けられている形態となっており、他の角度から言えば、容器本体510の下部の容量を大きく形成した形態となっている。
この仕切部530の仕切板部532は、大部分には孔があいていない。これにより、図32のように容器を大きく傾けても、漬け液等がこぼれることがない。そして、仕切板部532上に載った固形状物65を、その仕切板部532の上から好適に取り出すことができる。図のように蓋550の内側へ固形状物65を振り出して好適に移すことができる。
【0059】
次に、本発明の重ね容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図33)と共に詳細に説明する。図33は本発明にかかる重ね容器の一形態を示す正面断面図、及び容器本体に連結する状態を説明する正面断面図である。
この重ね容器521は、容器本体510の上部に設けられた開口511の上に重ねて取り付けられ、容器本体510に収納された物の少なくとも一部を移すことのできる容積を備えると共に上部が開口された重ね本体522を有し、容器本体510と一体化して一つの容器501を形成するものである。
【0060】
523は連結部であり、容器本体510の開口511に連結される部分として、重ね本体522の下部に設けられている。
そして、その連結部523の上側には、容器本体510に取り付けられた際に、容器内に収納された物の上下の移動を制限しない開口部分535を残しつつ、容器内を上下に分割するように仕切ることでその容器内に収納された物の上下の移動を制限すると共に容器内に収納された固形状物65が載ることができる仕切部530が設けられている。
550は蓋であり、重ね本体522の開口524を閉じる。
また、本形態では、重ね本体522の連結部523は容器本体510の開口511との間でシール可能に設けられ、重ね本体522の開口524は蓋550によって密封される。このようにシール及び密封することで、液体を含む被収納物に好適に対応できる。なお、固形状の物質のみを被収納物とする場合は、必ずしもシールや密封は要しない。
【0061】
この重ね容器521が、容器本体510の上部に設けられた開口511の上に重ねて取り付けられることで、仕切部530を有する容器501を容易且つ好適に構成できる。
既存の容器本体510を好適に使用することができ、互換性が生じる。
【実施例7】
【0062】
次に、重ね容器521の実施例について、図34に基づいて説明する。
図34は容器本体510に重ね容器521が連結された状態を示している。仕切部530の仕切板部532が傾斜して形成されている。これにより、小孔は形成されていないが、漬け液等が好適に流れ、その漬け液等を好適に切ることができる。
容器本体510の形状は限定されるものではなく、図に示すように、重ね容器521と比較して大きく形成されたものでもよい。この実施例では、重ね本体522の連結部523と容器本体510の開口511との間のシールは、O−リング状のパッキン525によってなされている。
なお、容器本体510の開口511の部分は、重ね容器521が連結されるまでは、保護シートを兼ねた密封材で覆われていれば、衛生上の安全性も確保できる。
【実施例8】
【0063】
図35に示す実施例8は、実施例7とシール方法以外は同一の構成となっている。この実施例では、重ね本体522の連結部523と容器本体510の開口511との間のシールは、接着剤526によってなされている。
【実施例9】
【0064】
図36に示す実施例9は、実施例7とシール方法以外は同一の構成となっている。この実施例では、重ね本体522の連結部523と容器本体510の開口511との間のシールは、ねじ込み式527によってなされている。
【実施例10】
【0065】
図37に示す実施例10は、容器本体510の開口511が、容器本体510の上部の側部に設けられている形態の容器である。そして、その側部の開口511に、重ね容器521が連結されて、一つの容器を形成している。また、容器本体510自体の高さ方向の中途部に仕切板部532が設けられている。
この実施例によれば、容器を大きく傾けても、漬け液がこぼれることがない。このため、実施例6と同様に、固形状物65を重ね容器521の仕切部530の上に載せて好適に振り出すことができる。
【実施例11】
【0066】
図38に示す実施例11は、重ね容器521に設けられた仕切部530の開口部分535が、開閉部材540によって開閉自在に形成された容器である。図38は、容器の要部を示す正面断面図と、蓋550を外した状態の平面図を示している。
蓋550の内側中央に六角レンチ状の棒551が下方へ延びている。この棒551の先端が、蓋550を重ね容器521に嵌めたとき、開閉部材540に固定された六角形の凹部541に嵌る。このため、蓋550を回すことで、開閉部材540を回動させることができ、仕切部530の開口部分535を開閉できる。
【実施例12】
【0067】
図39に示す実施例12は、容器本体510に設けられた仕切部530の開口部分535が開閉部材545によって開閉自在に形成された容器の他の一例である。図39は、容器の正面断面図と、蓋550を外した状態の平面図を示している。
この実施例の開閉部材545は、開き戸式に開閉するもので、フック部546に指を掛けて開閉することが可能に設けられている。
なお、仕切部530の仕切板部532は傾斜して設けられており、漬け液等を好適に切ることができる。また、本実施例では、筋条533が形成されており、これも漬け液等の液体を好適に流すように作用する。また、534は突起であり、複数が開口部分535の縁部に設けられている。この突起534により、仕切部530の上に載った固形状物65が滑り落ちてしまうことを好適に阻止できる。これにより、固形状物65を取り出し易くすることができる。
【0068】
次に、本発明の食品容器に係る最良の形態の他の例を添付図面(図40〜43)と共に詳細に説明する。図40は本発明にかかる食品容器の一形態を示す側面断面図、及び蓋と棚部を外した状態の側面断面図である。図41は図40の棚部の固定状態を説明する断面図である。図42は図40の食品容器の外観を示す平面図及び側面図である。また、図43は棚部を示す平面図である。
本形態の食品容器700は、基本的に、容器本体710と、蓋750と、棚部730とから構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
容器本体710は上部に開口711を有する。蓋750は、容器本体710の開口711を閉じる。なお、本形態の蓋750は、開口711を二つに分割して開閉できる形態となっている。
【0069】
730は棚部であり、容器本体710内の上下方向の中途部で且つ開口711寄りに設けられ、食品容器700内に収納された収納物65を載せることができる。
ここで棚部730とは、容器本体710内の上下方向の中途部における断面空間の一部分を占めるものである。その棚部730以外の他の断面空間は、収納物65が制限を受けないで通ることのできる空きスペースとなっている。また、棚部730とは、一定の傾斜角度の範囲内であれば、載せられた収納物65が落下しないように保持できる保持部となっている。
この棚部730は、容器本体710の上下方向の中途部の少なくとも半分より上側に設けられている。本形態では、開口711の面から収納物の厚さの2倍長さ程度下方に固定されている。
このように上側に棚部730を設けたため、利用者は容易に収納物を取り出すことができる。箸などを奥まで突っ込むことを要しない。また、棚部730を上側に設けたことで棚部730より上側の容積が限定されるため、棚部730に載る収納物65の量を一定量以下に制限できる。この点からも、棚部730の位置は、容器本体710の上方に位置することが望ましい。
また、収納物65が、常時は棚部730の下側(容器本体710内の下側)に収納される。このため、収納物65が漬け物の場合、常時は漬け液に漬かる状態となり、その酸化を好適に防止できる。
【0070】
棚部730の容器本体710内への固定方法は適宜選択的の周知の固定手段を用いればよい。例えば、吸盤を利用して容器内面に貼り付けることもできる。また、容器本体710と一体的に形成しても良いのは勿論である。
本形態では図40及び41に示すように、容器本体710の内側面に設けられた突起713に、棚部730の側部(立ち上げ部)に設けた凹部731が嵌まることで、棚部730が固定される。棚部730と容器本体710の弾性変形を利用して固定状態が好適に保持されるように設けられている。また、突起713が複数段に形成されているため、棚部730の高さ位置を適宜調整できる。なお、本形態の各段の突起713の数は、容器本体710の左右の内側面にそれぞれ2個ずつとなっている。この突起713の数や形態は、棚部730が落下又は回転することのないように、適宜設定すればよい。
【0071】
棚部730の形状は、図43に示すような三方に立ち上げ部のある形態、図44に示すような左右両端に立ち上げ部を備えて全体的には単なる帯状の形態、図45に示すように部分的でコーナー部に固定されるものや、片持ち状に固定されるものなど種々考えられる。
従って、例えば、箱状若しくはポケット状、或いは上面が凹面に湾曲したものなど、収納物65に対応して適宜選択的に設計すればよい。
また、棚部730の上面には、棚部730に載った収納物65の転落を防止すべく、凹部、凸部又は貫通孔のうち少なくともいずれかの一から成る転落防止部を設けても良い。
図40〜41及び43〜45の形態においては、貫通孔732が転落防止部として機能している。なお、図40に示すように棚部730の縁部も落下防止部として作用する。
さらに、図46及び47に示すように、棚部730に収納物65に合わせて一定の大きさの貫通孔732を設けても良い。これによれば、収納物65を貫通孔732の開いた所定の位置に繰り返し載せることができる。従って、利用者は収納物65を繰り返し一定の位置から好適に取り出すことができる。
【0072】
また、棚部730の上面には、棚部730に載った収納物65が整列をすべく、平行に配列された複数の筋条、凹部、凸部又は貫通孔のうち少なくともいずれかの一から成る整列部を設けても良い。
図48及び49に示すような棚部730が断面波形で複数の平行な溝733が形成された形態や、図50に示すような複数の筋を平行に配すことで複数の平行な溝733が形成された形態などを採用できる。これによれば図49及び50に示すように、ごぼう765のような細長い食品について食品容器700を適宜振るなどするだけで好適に整列させることができる。
【0073】
また、棚部の形態としては、図51に示すように収納物のうち所定の大きさ以下の物が好適に落下できるように線状の棚用部材901によって形成されていてもよい。なお、図51(a)は収納物65が載っていない状態を示し、図51(b)は収納物65が載っている状態を示す断面図である。図51の形態では直線状の棚用部材901が平行に2本配設されて棚部を構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、図52のように一本の直線状の棚用部材901のみが設けられている場合でも、直線状の棚用部材901と容器本体の内壁面とによって収納物65が保持される棚部が構成される。さらに、図53のように3本以上の複数本の直線状の棚用部材901を配設してもよい。また、図54に示すように直線状の棚用部材901を容器のコーナーに配設してもよい。
【0074】
さらに、線状の棚用部材902としては、図55に示すように収納物65の形状に対応してリング状に形成されていてもよい。なお、図55(a)は収納物65が載っていない状態を示す平面図及び断面図であり、図55(b)は収納物65が載っている状態を示す断面図である。
また、図56のように容器本体の内壁面に上下方向に延びる溝条部905を設ければ、収納物65が案内されて容易にリング状の線状の棚用部材902に載ることがきる。さらに溝条部905が形成された場合はリング状に限らず、図57のように、一本のレール状の棚用部材903を設けるだけで、棚部が構成される。なお、図57(a)は収納物65が載っていない状態を示す平面図であり、図57(b)は収納物65が載っている状態を示す側面図である。
以上のように線状の棚用部材901、902、903によれば、ピクルスや梅漬け等の収納物を好適に載せることができると共に漬け液を好適に落下させることができる。従って、ピクルスや梅漬け等の収納物を取り出す際、液垂れを防止する上で効果的である。なお、線状の棚用部材としては、対象となる収納物が好適に載るものであれば、すのこ状、格子状、網目状等であってもよい。
【0075】
また、図58は以上に説明した線状の棚用部材901に棚用アタッチメント907を取り付ける状態を示す断面図である。線状の棚用部材901のみによっても棚部を構成できるが、本形態例のように着脱可能な棚用アタッチメント907を線状の棚用部材901に取り付けることで、所望の形態の棚部を得ることができる。この棚用アタッチメント907の形状は、以上に説明した棚部の形態等となるように適宜選択的に設計すればよい。なお、なお、図58(a)は棚用アタッチメント907が装着されていない状態を示す側面図であり、図58(b)は棚用アタッチメント907が装着されている状態を示す平面図及び側面図である。また、図59(a)は棚用アタッチメント907が線状の棚用部材901に装着される前の状態を示す斜視図であり、図59(b)は棚用アタッチメント907が線状の棚用部材901に装着された後の状態を示す斜視図である。この装着方法は、公知の技術を用いればよく、本形態例では圧入によって線状の棚用部材901へ棚用アタッチメント907が嵌る形状となっている。
【0076】
以上、図40〜59に基づいて説明した食品容器によれば、使用者が所望する量の収納物65(765)を棚部730の上に載せて好適に取り出すことができる。このとき、使用者は、食品容器700を適宜振ること、反転すること或いは傾けることで収納物65(765)を棚部730の上に簡単に載せることができる。これによれば、簡単な構造で、菓子などの通常の固形の食品、漬け液に漬かった食品或いは粉にまぶされた食品など簡単に取り出すことができる。
また、この食品容器700は、図1に基づいて示した実施の形態とは違って常時は反転して置くことを要しない。このため、水密性を要求される場合であっても、蓋750をシールする水密度は、反転されて置かれる容器に比べて低くても良い。従って、そのような場合は製造コストを低減できる。
【実施例13】
【0077】
図60に示す実施例13は、容器本体としての袋770に、重ね容器521をアタッチメント771で取り付ける形態の一例である。図60は、重ね容器521と、その重ね容器521が袋770に取り付けられた状態を示す断面図である。
このように容器本体は柔軟性のある袋状でもよく、取り付け方法として適宜なアタッチメントなどで連結されれば、図33〜図38で示した重ね容器521を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
【実施例14】
【0078】
図61に示す実施例14は、以上に説明した仕切部材或いは棚部に代えて掬い部材780を内蔵する形態の一例である。図61は、蓋と、掬い部材780が内蔵された食品容器示す断面図である。
掬い部材780は、漬け液中の食品(収納物65)のみを好適に掬うことができるように、回動可能に一端が軸着された状態に設けられている。また、漬け液が通過できるように、適宜に孔が開いた状態となっている。掬い部材780の回動は、外部に設けられたレバー(図示せず)を用いて動作させるようにしてもよい。
この掬い部材780は、図61に示すように上方へ回動された状態で、前述した仕切部材或いは棚部と同等の効果を奏する。また、収納物65を掬い上げることができるので、収納物65を掬い部材780上に載せて好適に上方位置へ移動させることができる。
【実施例15】
【0079】
次に、図62に基づいて、本発明かかる食品容器の使用方法について説明する。
図62(a)は、容器本体を通常の状態に立て、蓋を開けた状態を示している。次に、図62(b)は、蓋を閉じて食器容器全体を振って、収納物である具材を仕切部材の上へ載せた状態を示している。また、図62(c)は、必要量の具材を仕切部材の上に残して液体等を切っている状態を示している。そして、図62(d)は、蓋を開けて具材を取り出している状態を示している。これによれば、簡単な操作で所要の具材を好適に取り出すことができる。
【実施例16】
【0080】
次に、図63に基づいて、本発明かかる食品容器の使用方法について説明する。実施例16の食品容器は実施例15と比較して蓋が側部にある点で相違するが、使用方法はほぼ同一である。
図62(a)は、容器本体を通常の状態に立て、蓋を閉じた状態を示している。次に、図62(b)は、食器容器全体を傾けて収納物である具材を仕切部材の蓋側へ移動するようにした状態を示している。また、図62(c)は、必要量の具材を仕切部材の上に残して液体等を切っている状態を示している。そして、図62(d)は、蓋を開けて具材を取り出している状態を示している。これによれば、簡単な操作で所要の具材を好適に取り出すことができる。
【0081】
以上、本発明につき好適な実施の形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施の形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明にかかる容器は食品用に限らず、他の用途にも利用できる。例えば、工業製品等を洗浄又はコーティングするための工業用の容器として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明にかかる食品容器の一形態を示す断面図である。
【図2】図1の食品容器について蓋をした後に反転した状態を示す断面図である。
【図3】再度反転させて蓋を外した状態を示す断面図である。
【図4】仕切部材を引き上げて食品を取り出した状態を示す断面図である。
【図5】仕切部材に開口部分が設けられた食品容器の一形態を示す断面図である。
【図6】図5に示した仕切部材の平面図である。
【図7】図5の食品容器の使用状態を示す断面図である。
【図8】仕切部材に開閉部材が設けられた食品容器の一形態を示す断面図である。
【図9】開閉部材を開いて食品を仕切部材の上に載せる動作を示す断面図である。
【図10】漬け液を切って蓋を外した状態を示す断面図である。
【図11】仕切部材を引き上げて食品を取り出した状態を示す断面図である。
【図12】仕切部材の開閉部材が閉じた状態を示す平面図及び断面図である。
【図13】仕切部材の開閉部材が開いた状態を示す平面図及び断面図である。
【図14】開閉部材が開口部分を閉じた状態を示す断面図である。
【図15】開閉部材が回転して開口部分が開いた状態の断面図である。
【図16】本発明にかかる食品容器の他の形態を示す斜視図である。
【図17】図16の食器容器の断面図である。
【図18】食品容器について蓋をした後に反転して置いた状態を示す断面図である。
【図19】再度反転させて蓋を外した状態を示す断面図である。
【図20】仕切部材を引き上げて食品を取り出した状態を示す断面図である。
【図21】本発明にかかる食品容器の他の形態を示す断面図である。
【図22】食品容器について蓋をした後に反転して置いた状態を示す断面図である。
【図23】再度反転させて蓋を外した状態を示す断面図である。
【図24】蛇腹構造の有底容器を引き上げて食品を取り出した状態の断面図である。
【図25】仕切部材を容器本体に固定する容器の一形態を示す断面図である。
【図26】仕切部材を容器本体に固定する容器の他の形態を示す断面図である。
【図27】仕切部材を容器本体の中途部に位置させる一形態を示す断面図である。
【図28】仕切部材を引き上げて食品を取り出した状態を示す断面図である。
【図29】本発明にかかる食品容器の一形態を示す断面図及び平面図である。
【図30】第4実施例を示す断面図および平面図である。
【図31】第5実施例を示す断面図および平面図である。
【図32】第6実施例を示す断面図である。
【図33】本発明にかかる重ね容器の一形態を説明する断面図である。
【図34】第7実施例を示す断面図である。
【図35】第8実施例を示す断面図である。
【図36】第9実施例を示す断面図である。
【図37】第10実施例を示す断面図である。
【図38】第11実施例を示す断面図および平面図である。
【図39】第12実施例を示す断面図および平面図である。
【図40】本発明にかかる食品容器の一形態を示す断面図である。
【図41】図40の棚部の固定状態を説明する断面図である。
【図42】図40の食品容器の外観を平面図及び側面図である。
【図43】本発明にかかる棚部の一形態を示す平面図である。
【図44】本発明にかかる棚部の他の形態を示す平面図である。
【図45】本発明にかかる棚部の他の形態を示す平面図である。
【図46】本発明にかかる棚部の一形態を示す斜視図である。
【図47】図46の棚部の断面図である。
【図48】本発明にかかる棚部の一形態を示す斜視図である。
【図49】図48の棚部の使用状態を示す斜視図である。
【図50】本発明にかかる棚部の一形態の使用状態を示す斜視図である。
【図51】本発明にかかる食品容器の一形態を示す断面図である。
【図52】本発明にかかる棚部の他の形態を示す断面図である。
【図53】本発明にかかる棚部の他の形態を示す断面図である。
【図54】本発明にかかる棚部の他の形態を示す平面図である。
【図55】本発明にかかる食品容器の他の形態を示す平面図及び断面図である。
【図56】本発明にかかる棚部の他の形態を示す平面図である。
【図57】本発明にかかる棚部の他の形態を示す平面図及び側面図である。
【図58】本発明にかかる食品容器の他の形態を示す側面図及び平面図である。
【図59】図58の棚部アタッチメントの装着状態を示す斜視図である。
【図60】第13実施例を示す断面図である。
【図61】第14実施例を示す断面図である。
【図62】本発明にかかる食品容器の使用方法を説明する断面図である。
【図63】本発明にかかる食品容器の使用方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0084】
10 食品容器
11 食品容器
12 食品容器
13 食品容器
16 漬け液
18 食品
19 食品
20 容器本体
23 内底面
24 内側面
25 蓋
26 内面
30 仕切部材
30a 仕切部材
30b 仕切部材
31 仕切板部
32 小孔
33 貫通孔
50 支持手段
51 棒状部材
52 支持棒部
53 把持棒部
55 係止部
65 固形状部
70 開口部分
71 開閉部材
72 開閉部材
80 漬物用おもり
85 貫通孔
86 貫通孔
90 蛇腹構造の有底容器
91 蛇腹部
92 底部
500 食器容器
501 容器
510 容器本体
511 開口
515 下側本体
520 上側本体
521 重ね容器
522 重ね本体
523 連結部
524 開口
530 仕切部
535 開口部分
540 開閉部材
550 蓋
700 食器容器
710 容器本体
711 開口
730 棚部
732 貫通孔
733 溝
750 蓋
901 線状の棚用部材
902 線状の棚用部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体と、該容器本体内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に液体等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材と、前記容器本体の開口を密封する蓋とを備える容器であって、
前記仕切部材は、前記容器本体内へ上下方向にスライドさせて挿入及び取出し自在に設けられ、容器本体内の所定高さに位置されるように支持手段によって支持されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体と、該容器本体内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に液体等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材と、前記容器本体の開口を密封する蓋とを備える容器であって、
前記仕切部材は、前記容器本体内へ挿入され、容器本体内の所定高さに位置されるように固定手段によって固定されていることを特徴とする容器。
【請求項3】
前記支持手段は、前記仕切部材に実質的に上下方向へ延びる状態に設けられ、少なくとも一つの先端部が前記容器本体の内底面又は蓋の内面に当接することで仕切部材を支持する支持部材であることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項4】
前記支持手段は、前記容器本体内で前記仕切部材の上下に延びると共に前記仕切部材の実質的に中央部に設けられた貫通孔に上下方向へ相対的にスライド可能に挿通された棒状部材と、該棒状部材の中途部に設けられ仕切部材が容器本体の内底面側へ所定以上移動することを阻止する係止部とを具備し、前記棒状部材の一端側が仕切部材をつまみ上げるための把持棒部であり、該棒状部材の他端側が先端部で容器本体の内底面に当接して仕切部材を支持する支持棒部であることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項5】
前記仕切部材の外縁に、少なくとも実質的に上下方向に延び、前記容器本体の内側面に沿ってスライドさせて挿入等される仕切部材の上下移動を安定化させる外縁ガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の容器。
【請求項6】
前記仕切部材には、容器内に収納された固形状物が上下に移動可能に、所定の大きさ以上の開口部分が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の容器。
【請求項7】
前記開口部分を開閉する開閉部材を具備することを特徴とする請求項6記載の容器。
【請求項8】
上下の少なくとも一方の端部に開口を有する容器本体と、該容器本体内の上下方向の中途部に位置して上下に分割するように仕切ると共に液体等の流動の可能な物が上下方向に流通可能に設けられた仕切部材と、前記容器本体の開口を密封する蓋とを備える食品容器であって、
前記仕切部材は、前記容器本体内へ上下方向にスライドさせて挿入及び取出し自在に設けられ、容器本体内の所定高さに位置されるように支持手段によって支持されていると共に、前記容器本体内で上下方向へ移動可能に設けられ、該仕切部材によって上下に仕切られた容器本体内の内底側に漬物用おもりが上下方向へ移動可能に配されたことを特徴とする食品容器。
【請求項9】
前記支持手段は、前記容器本体内で前記仕切部材の上下に延びると共に前記仕切部材及び前記漬物用おもりの実質的に中央部に設けられた貫通孔に上下方向へ相対的にスライド可能に挿通された棒状部材と、該棒状部材の中途部に設けられ漬物用おもりの上下方向の移動を許容するが仕切部材の漬物用おもり側への所定以上の移動を阻止する係止部とを具備し、前記棒状部材の一端側が仕切部材をつまみ上げるための把持棒部であり、該棒状部材の他端側が先端部で容器本体の内底面に当接して仕切部材を支持する支持棒部であることを特徴とする請求項8記載の食品容器。
【請求項10】
前記仕切部材が上下方向に伸縮可能な蛇腹構造の有底容器であって、該有底容器の底部が前記容器本体内を上下に仕切る部分となっていることを特徴とする請求項8記載の食品容器。
【請求項11】
上部に開口を有する容器本体と、該容器本体の開口を閉じる蓋とを備える容器であって、
前記容器本体内の上下方向の中途部に、容器内に収納された物の上下の移動を制限しない開口部分を残しつつ、容器内を上下に分割するように仕切ることで該容器内に収納された物の上下の移動を制限すると共に容器内に収納された固形状物が載ることができる仕切部が設けられたことを特徴とする容器。
【請求項12】
前記容器本体は、底部を有する下側本体の上に、上下が開口された上側本体が重ねられて一体化されることで構成され、
前記下側本体には上部に前記仕切部が設けられ、前記上側本体の上部の開口は前記蓋によって閉じられることを特徴とする請求項11記載の容器。
【請求項13】
前記上側本体が前記下側本体に対して着脱可能に設けられ、前記仕切部の開口部分は開封されることで形成される透孔であることを特徴とする請求項12記載の容器。
【請求項14】
前記下側本体と前記上側本体との間がシールされ、前記上側本体の上部の開口は前記蓋によって密封されることを特徴とする請求項12又は13記載の容器。
【請求項15】
前記容器本体の開口が、容器本体の上部の側部に設けられていることを特徴とする請求項11、12、13又は14記載の容器。
【請求項16】
容器本体の上部に設けられた開口の上に重ねて取り付けられ、前記容器本体に収納された物の少なくとも一部を移すことのできる容積を備えると共に上部が開口された重ね本体を有し、前記容器本体と一体化して一つの容器を形成する重ね容器であって、
前記重ね本体には、前記容器本体の開口に連結される連結部が設けられると共に、前記容器本体に取り付けられた際に、容器内に収納された物の上下の移動を制限しない開口部分を残しつつ、容器内を上下に分割するように仕切ることで該容器内に収納された物の上下の移動を制限すると共に容器内に収納された固形状物が載ることができる仕切部が設けられ、
且つ前記重ね本体の開口を閉じる蓋を備えることを特徴とする重ね容器。
【請求項17】
前記重ね本体の連結部は前記容器本体との間でシール可能に設けられ、前記重ね本体の開口は前記蓋によって密封されることを特徴とする請求項16記載の重ね容器。
【請求項18】
請求項16又は17記載の重ね容器が、容器本体の上部に設けられた開口の上に重ねて取り付けられたことを特徴とする容器。
【請求項19】
前記開口部分を開閉する開閉部材を具備することを特徴とする請求項11、12、13、14、15又は18記載の容器。
【請求項20】
上部に開口を有する容器本体と、該容器本体の開口を閉じる蓋とを備える容器であって、
前記容器本体内の上下方向の中途部に、容器内に収納された収納物を載せることができる棚部が設けられたことを特徴とする容器。
【請求項21】
前記棚部が、前記収納物のうち所定の大きさ以下の物が好適に落下できるように線状の棚用部材によって形成されていることを特徴とする請求項20記載の容器。
【請求項22】
前記線状の棚用部材が、前記収納物の形状に対応してリング状に形成されていることを特徴とする請求項21記載の容器。
【請求項23】
前記棚部が、前記容器本体内の上下方向の中途部で且つ開口寄りに設けられたことを特徴とする請求項20、21又は22記載の容器。
【請求項24】
前記棚部の上面には、該棚部に載った収納物の転落を防止すべく、凹部、凸部又は貫通孔のうち少なくともいずれかの一から成る転落防止部を備えることを特徴とする請求項20、21、22又は23記載の容器。
【請求項25】
前記棚部の上面には、該棚部に載った収納物が整列をすべく、平行に配列された複数の筋条、凹部、凸部又は貫通孔のうち少なくともいずれかの一から成る整列部を備えることを特徴とする請求項20、21、22、23又は24記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2006−199372(P2006−199372A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170570(P2005−170570)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(391064603)株式会社櫻井武久建築設計研究所 (1)
【Fターム(参考)】