容器蓋
【課題】中栓(4)から外蓋(6)を離脱せしめるために外蓋を開方向に回転せしめると、中栓の閉塞壁(12)に形成されている破断可能薄肉ライン(14)が破断されるように構成した容器蓋において、破断容易性、破断による除去領域の落下防止、除去領域の細長形状、製作容易及び中栓に外蓋を装着する際の破断可能薄肉ラインの破断防止を全て充足させる。
【解決手段】外蓋の天面壁(34)の下面には下方に突出する少なくとも1個の係止突起(42a、42b、44a、44b)が形成されている。中栓の係止壁(28)には被係合手段(30、32)が配設され、前記係止突起には係合手段(46)が配設されており、中栓に対して外蓋が開方向に回転せしめられると係合手段とが被係合手段とが協働して、係止突起に対して係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に係止突起が係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する。
【解決手段】外蓋の天面壁(34)の下面には下方に突出する少なくとも1個の係止突起(42a、42b、44a、44b)が形成されている。中栓の係止壁(28)には被係合手段(30、32)が配設され、前記係止突起には係合手段(46)が配設されており、中栓に対して外蓋が開方向に回転せしめられると係合手段とが被係合手段とが協働して、係止突起に対して係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に係止突起が係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に固着される中栓及びこの中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
醤油、食用油及びドレッシングの如き液体調味料のための容器蓋として、容器の口頸部に固着される中栓及びこの中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋が広く実用に供されている。中栓は略水平に延在する閉塞壁とこの閉塞壁の上面周縁部から上方に延出する円筒形装着壁とを有する。閉塞壁には破断可能薄肉ラインによって囲繞された除去領域が規定されており、装着壁の外周面には雄螺条が形成されている。外蓋は天面壁とこの天面壁から垂下する円筒形被装着壁とを有する。被装着壁の内周面には雌螺条が形成されている。中栓に外蓋が装着されると、中栓の雌螺条が外蓋の雄螺条に螺合せしめられる。
【0003】
上記形態の容器蓋の典型例においては、中栓の除去領域の上面には上方に延びる連結柱を介して引張リングが付設されている。容器の内容物を消費する際には、外蓋を開方向に回転せしめて外蓋の雌螺条と中栓の雄螺条との螺合を解除して中栓から外蓋を離脱し、引張リングを露呈せしめる。次いで、引張リングを引っ張って破断可能薄肉ラインを破断して除去領域を除去し、閉塞壁に排出口を生成する。かような形態の典型例においては、中栓から外蓋を離脱せしめた後に引張リングを引っ張って破断可能ラインを破断して除去領域を除去する操作が必要であり、使用勝手が必ずしも良好でない。
【0004】
上記典型例における上述したとおりの問題を解決するために、下記特許文献1乃至4には、中栓に装着されている外蓋を中栓から離脱するために外蓋を開方向に回転せしめると、外蓋から中栓の除去領域に力が伝達されて破断可能薄肉ラインが破断されるように構成した容器蓋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】昭和52年実用新案登録願第46029号の明細書及び図面
【特許文献2】特開2005−289389号公報
【特許文献3】特開2007−238140号公報
【特許文献4】特開2008−308218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
而して、中栓から外蓋を離脱せしめるために外蓋を開方向に回転せしめると破断可能薄肉ラインが破断されるように構成した容器蓋においては、(1)外蓋に過大な回転トルクを加える必要なくして破断可能薄肉ラインを充分容易に破断することができる、(2)破断可能薄肉ラインを破断することによって除去された除去領域は外蓋と共に中栓から離脱され、従って外蓋を除去した後に除去領域を指で摘んで排除する必要がない、(3)破断可能薄肉ラインによって規定されている除去領域の形状、従って除去領域を除去することによって形成される排出口の形状は、内容物の円滑な排出のために円形状ではなくて略楕円形状の如き細長形状である、(4)溶着等の煩雑な製作工程を必要とすることなく充分安価に製作することができる、(5)中栓に外蓋を所要とおりに装着する際に中栓に配設されている破断可能薄肉ラインが破断されてしまうことがない、という要件を充足することが望まれる。しかしながら、上記特許文献1乃至4に開示されている容器蓋は、いずれも上記5個の要件の全てを充足することができない。上記特許文献1に開示されている容器蓋は上記要件1、2及び5を充足することができず、上記特許文献2に開示されている容器蓋は上記要件4及び5の要件を充足することができず、上記特許文献3に開示されている容器蓋は上記要件1及び3の要件を充足することができず、上記特許文献4に開示されている容器蓋は上記要件3及び5を充足することができない。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、上記要件1乃至5の全てを充足する、容器に固着される中栓及びこの中栓に装着される外蓋を具備する形態の新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決する容器蓋として、容器の口頸部に固着される中栓、及び該中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋にして、
該中栓は閉塞壁と該閉塞壁の上面周縁部から上方に延出する円筒形装着壁とを有し、該閉塞壁には破断可能薄肉ラインによって囲繞された細長形状の除去領域が規定されており、該除去領域には該破断可能薄肉ラインに内接した下端縁から上方に突出する係止壁が配設されており、該装着壁の外周面には雄螺条が形成されており、
該外蓋は天面壁と該天面壁から垂下する円筒形被装着壁とを有し、該天面壁の下面における該被装着壁よりも内側の領域には下方に突出する少なくとも1個の係止突起が形成されており、該被装着壁の内周面には該雄螺条と協働する雌螺条が形成されており、
該係止壁には被係合手段が配設され該係止突起には係合手段が配設されており、該中栓に対して該外蓋が開方向に回転せしめられると該係合手段及び該被係合手段によって、該係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に該係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する、
ことを特徴とする容着蓋が提供される。
【0009】
好ましくは、該係止突起は一対の外側係止突起を含み、該一対の外側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられ、該一対の外側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられており、該被係合手段は該除去領域の長手方向片側及び他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に形成された溝或いは突条を含み、該係合手段は該外側係止突起の、該係止壁の該溝或いは該突条に対向する表面に形成されている突条或いは溝を含み、該外蓋が該開方向に回転せしめられると該外側係止突起の該突条或いは該溝が該係止壁の該溝或いは該突条に係合し、これによって該外側係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止する。該係止突起は一対の内側係止突起を含み、該内側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられ、該一対の内側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられており、該被係合手段は一対の係止片を含み、該係止片の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の内面に形成され、該係止片の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の内面に形成されており、該中栓に対して該外蓋が該開方向に回転せしめられると該内側係止突起が該係止片に係止せしめられ、これによって該内側係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止するのが好適である。該除去領域は該破断可能薄肉ラインの外側領域よりも上方に変位せしめられているのが好都合である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器蓋においては、中栓から外蓋を離脱せしめるために外蓋を開方向に回転せしめると、外蓋の係止突起が中栓の係止壁に係止して外蓋から破断可能薄肉ラインに力が伝達され、これによって破断可能ラインが充分容易に破断されて細長形状の排出口が生成される。外蓋が開方向に回転せしめられると、外蓋の係止突起に配設されている係合手段と中栓の係止壁に配設されている被係合手段とが協働して、係止突起に対して係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に該係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止し、従って破断可能薄肉ラインの破断によって除去された除去領域は外蓋から離脱されることなく外蓋に付随して中栓から離脱される。加えて、本発明の容器蓋は、溶着の如き煩雑な工程を遂行することなく充分安価に製作することができる。中栓に外蓋を所要とおりに装着する際に中栓の破断可能薄肉ラインに力が伝達されることはなく、破断可能薄肉ラインが破断されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す正面図。
【図2】図1の容器蓋における中栓の斜面図。
【図3】図1の容器蓋における中栓の正面図。
【図4】図1の容器蓋における中栓の断面図。
【図5】図1の容器蓋における中栓の平面図。
【図6】図1の容器蓋における外蓋を倒立状態で示す斜面図。
【図7】図1の容器蓋における外蓋の断面図。
【図8】図1の容器蓋を、中栓に外蓋が所要とおりに装着されている状態で示す断面図。
【図9】図8に示す状態における中栓の係止壁と外蓋の係止突起との関係を示す部分斜面図。
【図10】図1の容器蓋を、中栓から外蓋を離脱するために外蓋を開方向に幾分回転せしめた状態で示す断面図。
【図11】図10に示す状態における中栓の係止壁と外蓋の係止突起との関係を示す部分斜面図。
【図12】図1の容器蓋を、中栓から外蓋を離脱せしめた状態で示す断面図。
【図13】図12に示す状態における中栓の係止壁と外蓋の係止突起との関係を示す部分斜面図。
【図14】係止片の変形例を示す部分簡略図。
【図15】図14の係止片の作用状態を示す部分簡略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0013】
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された容器蓋は、二点鎖線で口頸部2のみを図示している容器の口頸部に固着される中栓4、及びこの中栓4に装着されている外蓋6を具備している。ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂、ガラス或いは金属薄板から形成することができる容器の口頸部2は全体として円筒形状であり、上面は開口されている。口頸部2の外周面には係止あご部8とこの係止あご部8よりも下方に位置するサポートリング10が形成されている。中栓4は軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から射出乃至圧縮成形することができ、同様に外蓋6もポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出乃至圧縮成形することができる。
【0014】
図1と共に図2乃至図5を参照して説明を続けると、中栓4は全体として水平に延在する円形閉塞壁12を有している。この閉塞壁12の中央領域には細長形状の除去領域が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、閉塞壁12の中央領域に略楕円形状の破断可能薄肉ライン14が形成されており、略楕円形状の除去領域16が規定されている(特に図5を参照されたい)。図1及び図4を参照することによって明確に理解される如く、除去領域16は破断可能薄肉ライン14の外側領域よりも上方に変位せしめられており、除去領域16の下面は破断可能薄肉ライン14よりも外側の領域の上面と実質上同高或いはこれよりも幾分上方に位置せしめられているのが好適である。閉塞壁12の下面には、最外周縁部から垂下する円筒形垂下壁18と、この垂下壁18よりも半径方向内側に位置する環状シール片20とが形成されている。垂下壁18の内周面下端部には環状係止突条19が形成されている。閉塞壁12の上面には、その外周縁部から上方に延出する円筒形装着壁22と、装着壁22よりも半径方向内側に位置する略円筒形状の注出筒24が形成されている。装着壁22の外周面には雄螺条26が形成されている。注出筒24の上端部は半径方向外方に円弧状に湾曲せしめられている。閉塞壁12の上面には、更に、破断可能薄肉ライン14に内接した下端縁から上方に突出する係止壁28が形成されていることが重要である。係止壁28は実質上鉛直に上方に突出せしめられていて略楕円筒形状であるのが好都合である。係止壁28の、除去領域16の長手方向片側において外蓋6の開回転方向(図2において矢印Aで示す方向)上流側に位置する外面には、実質上水平に延びる溝30が形成されている。同様に、図2には図示していないが、係止壁28の、除去領域16の長手方向他側においても外蓋6の開回転方向上流側に位置する外面には、実質上水平に延びる溝30が形成されている。係止壁28には、更に、除去領域16の長手方向片側において外蓋6の開回転方向に見て下流側に位置する内面に係止片32が形成され、同様に除去領域16の長手方向他側においても外蓋6の開回転方向に見て下流側に位置する内面に係止片32が形成されている。係止片32は係止壁28の内面を実質上鉛直に延在し、略二等辺三角形状の横断面形状を有する。上記溝30及び係止片32は、後の説明から明らかになるとおり、被係合手段を構成する。
【0015】
図1と共に図6及び図7を参照して説明を続けると、図示の実施形態における外蓋6は円形天面壁34とこの天面壁34の外周縁から垂下する円筒形状のスカート壁36とを有する。図1に図示する如く、スカート壁36の外周面には掛けられる指の滑りを防止するためのナール(凹凸形状)38が形成されている。天面壁34の下面には、その外周縁部から下方に垂下する円筒形被装着壁40、及び被装着壁40よりも半径方向内側において下方に垂下する円筒形シール片41が配設されている。被装着壁40の内周面下部には雌螺条43が形成されている。図6に明確に図示する如く、天面壁34の下面には、更に、少なくとも1個の係止突起が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、天面壁34におけるシール片41よりも半径方向内側の中央領域に4個の係止突起、即ち一対の外側係止突起42a及び42bと一対の内側係止突起44a及び44bとが配設されている。直径方向に対向して位置する一対の外側係止突起42a及び42bの各々は略勾玉形状であり、使用材料量を低減するために3個の空所が形成されている。一対の外側係止突起42a及び42bの各々の、中栓4における係止壁28の溝30が形成されている面に対向して位置せしめられる面には、実質上水平に延びる突条46が形成されている。後に更に言及する如く、突条46は係合手段を構成し、中栓4における係止壁28に形成されている溝30と協働する。所望ならば、図示の実施形態の場合とは逆に、係止壁28に突条を形成し外側係止突起42a及び42bに溝を形成することもできる。直径方向に対向して位置する一対の内側突起44a及び44bの各々は、略台形状であり、使用材料量を低減するための2個の空所が形成されている。
【0016】
上述したとおりの中栓4と外蓋6とは、中栓4の係止壁28と外蓋6の外側係止突起42a及び42b並びに内側係止突起44a及び44bとを図9に図示するとおりの関係に位置付けて、外蓋6内に中栓4を図8に図示する状態、即ち中栓4の閉塞壁12の上面周縁部が外蓋6の被装着壁40の下端に当接する状態、まで軸線方向に強制的に押込むことによって相互に組み合わされる。かくすると、図8に明確に図示する如く、中栓4の装着壁22の外周面に形成されている雄螺条26が外蓋6の被装着壁40の内周面に形成されている雌螺条43を弾性的に乗り越え、雄螺条26と雌螺条43とが相互に螺合せしめられた状態が確立される。中栓4と外蓋6とを相互に組み合わせる際に、中栓4に対して外蓋6が回転せしめられることはない。中栓4と外蓋6とが図8に示す状態に組み合わされると、外蓋6のシール片41が中栓4の注出筒24の内周面上端部に密接せしめられる。図8に示すとおりに組み合わされた容器蓋は、容器の口頸部2に対して図8に示す状態まで強制的に下降せしめることによって容器の口頸部2に装着される。かくすると、中栓4における垂下壁18の内周面に形成されている係止突条19が口頸部2の外周面に形成されている係止あご部8を弾性的に乗り越えてこれに係止せしめられ、中栓4が口頸部2に固着される。また、中栓4のシール片20が口頸部2内に進入せしめられ、これによって口頸部2が密封される。
【0017】
容器の内容物を消費する際には、外蓋6のスカート壁36に指を掛けて、中栓4に装着されている外蓋6を開方向(矢印Aで示す方向)に回転する。外蓋6が略25度程度の角度に渡って開方向に回転せしめられると、図10及び図11に図示する状態となり、図11を参照することによって明確に理解されるとおり、外側係止突起42a及び42bが係止壁28の外面に当接せしめられ、外側係止突起42a及び42bに係止されている突条46が係止壁28の外面に形成されている溝30に係合せしめられ、これによって外側係止突起42a及び42bに対して係止壁28が軸線方向に移動することが防止される。内側係止突起44a及び44bは係止壁28の内面に当接せしめられる。図9と図11とを比較参照することによって理解される如く、内側係止突起44a及び44bは係止壁28の内面に形成されている係止片32を弾性的に乗り越え、かくして内側係止突起44a及び44bが係止壁28に対して相対的に閉方向(矢印Aで示す方向に対して反対方向で、図9及び図11において上方から見て反時計方向)に回転することが防止される。外蓋6が更に開方向に回転せしめられると、図12及び図13に図示する如く、外側係止突起42a及び42b並びに内側係止突起44a及び44bを介して係止壁28に加えられる力によって破断可能薄肉ライン14が破断されて除去領域16が閉塞壁12から除去され、排出口が生成される。閉塞壁12から除去された、係止壁28を含む除去領域16は、外蓋6から落下することなく外蓋6と共に中栓4から離脱せしめられる。しかる後においては中栓4の閉塞壁12に生成された排出口を通して内容物を排出することができる。内容物の必要量の排出が終了した後においては、必要に応じて係止壁28を含む除去領域16を外蓋6から離脱して、外蓋6を中栓4に被嵌し、次いで閉方向に回転せしめて外蓋6の被装着壁40の内周面に形成されている雌螺条44を中栓4の装着壁22の外周面に形成されている雄螺条26に螺合せしめて中栓4に再び外蓋6を装着し、排出口を閉じることができる。外蓋6のシール41は中栓4の注出筒24の内周面上端部に密接せしめられる。
【0018】
図14及び図15は、係止壁28の内面に配設されている係止片の変形例を図示している。図14及び15に図示する変形例においては、係止片32は係止壁28の長手方向片端内面及び長手方向他端内面の各々から延出するフラップから構成されている。外蓋6が図14に図示する状態(図9に対応)から図15に図示する状態(図11に対応)まで開方向に回転せしめられると、内側係止突起44a及び44bは係止片32を弾性的に乗り越え、係止片32が内側係止突起44a及び44bの半径方向先端面に係止せしめられ、これによって内側係止突起44a及び44bが係止壁28に対して相対的に閉方向に回転せしめられることが防止される。
【0019】
以上、添付図面を参照して本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。例えば、図示の実施形態においては、被係合手段を構成する溝30を係止壁28の外面に配設し係合手段を構成する突条46を外側係止突起42a及び42bに配設しているが、被係合手段を構成する溝30を係止壁28の内面に配設し係合手段を構成する突条46を内側係止突起44a及び44bに配設することもできる。また、被係合手段を構成する係止片32を係止壁28の内面ではなくて外面に配設することもできる。更に、図示の実施形態においては容器蓋は、外周面には係止あご部が形成されている円筒形状の口頸部2を備えた容器に容器蓋を適用しているが、上記特許文献3に開示されている如く、所謂紙製容器の口頸部に容器蓋を適用することができる。この場合には、中栓における口頸部に溶着される部位の形態を上記特許文献3に開示されているとおりの形態に変更すればよい。
【符号の説明】
【0020】
2:容器の口頸部
4:中栓
6:外蓋
12:閉塞壁
14:破断可能薄肉ライン
16:除去領域
22:装着壁
26:雄螺条
28:係止壁
30:溝(被係合手段)
32:係止片(被係合手段)
34:天面壁
40:被装着壁
42a:外側係止突起
42b:外側係止突起
44a:内側係止突起
44b:内側係止突起
46:突条(係合手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に固着される中栓及びこの中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
醤油、食用油及びドレッシングの如き液体調味料のための容器蓋として、容器の口頸部に固着される中栓及びこの中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋が広く実用に供されている。中栓は略水平に延在する閉塞壁とこの閉塞壁の上面周縁部から上方に延出する円筒形装着壁とを有する。閉塞壁には破断可能薄肉ラインによって囲繞された除去領域が規定されており、装着壁の外周面には雄螺条が形成されている。外蓋は天面壁とこの天面壁から垂下する円筒形被装着壁とを有する。被装着壁の内周面には雌螺条が形成されている。中栓に外蓋が装着されると、中栓の雌螺条が外蓋の雄螺条に螺合せしめられる。
【0003】
上記形態の容器蓋の典型例においては、中栓の除去領域の上面には上方に延びる連結柱を介して引張リングが付設されている。容器の内容物を消費する際には、外蓋を開方向に回転せしめて外蓋の雌螺条と中栓の雄螺条との螺合を解除して中栓から外蓋を離脱し、引張リングを露呈せしめる。次いで、引張リングを引っ張って破断可能薄肉ラインを破断して除去領域を除去し、閉塞壁に排出口を生成する。かような形態の典型例においては、中栓から外蓋を離脱せしめた後に引張リングを引っ張って破断可能ラインを破断して除去領域を除去する操作が必要であり、使用勝手が必ずしも良好でない。
【0004】
上記典型例における上述したとおりの問題を解決するために、下記特許文献1乃至4には、中栓に装着されている外蓋を中栓から離脱するために外蓋を開方向に回転せしめると、外蓋から中栓の除去領域に力が伝達されて破断可能薄肉ラインが破断されるように構成した容器蓋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】昭和52年実用新案登録願第46029号の明細書及び図面
【特許文献2】特開2005−289389号公報
【特許文献3】特開2007−238140号公報
【特許文献4】特開2008−308218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
而して、中栓から外蓋を離脱せしめるために外蓋を開方向に回転せしめると破断可能薄肉ラインが破断されるように構成した容器蓋においては、(1)外蓋に過大な回転トルクを加える必要なくして破断可能薄肉ラインを充分容易に破断することができる、(2)破断可能薄肉ラインを破断することによって除去された除去領域は外蓋と共に中栓から離脱され、従って外蓋を除去した後に除去領域を指で摘んで排除する必要がない、(3)破断可能薄肉ラインによって規定されている除去領域の形状、従って除去領域を除去することによって形成される排出口の形状は、内容物の円滑な排出のために円形状ではなくて略楕円形状の如き細長形状である、(4)溶着等の煩雑な製作工程を必要とすることなく充分安価に製作することができる、(5)中栓に外蓋を所要とおりに装着する際に中栓に配設されている破断可能薄肉ラインが破断されてしまうことがない、という要件を充足することが望まれる。しかしながら、上記特許文献1乃至4に開示されている容器蓋は、いずれも上記5個の要件の全てを充足することができない。上記特許文献1に開示されている容器蓋は上記要件1、2及び5を充足することができず、上記特許文献2に開示されている容器蓋は上記要件4及び5の要件を充足することができず、上記特許文献3に開示されている容器蓋は上記要件1及び3の要件を充足することができず、上記特許文献4に開示されている容器蓋は上記要件3及び5を充足することができない。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、上記要件1乃至5の全てを充足する、容器に固着される中栓及びこの中栓に装着される外蓋を具備する形態の新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決する容器蓋として、容器の口頸部に固着される中栓、及び該中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋にして、
該中栓は閉塞壁と該閉塞壁の上面周縁部から上方に延出する円筒形装着壁とを有し、該閉塞壁には破断可能薄肉ラインによって囲繞された細長形状の除去領域が規定されており、該除去領域には該破断可能薄肉ラインに内接した下端縁から上方に突出する係止壁が配設されており、該装着壁の外周面には雄螺条が形成されており、
該外蓋は天面壁と該天面壁から垂下する円筒形被装着壁とを有し、該天面壁の下面における該被装着壁よりも内側の領域には下方に突出する少なくとも1個の係止突起が形成されており、該被装着壁の内周面には該雄螺条と協働する雌螺条が形成されており、
該係止壁には被係合手段が配設され該係止突起には係合手段が配設されており、該中栓に対して該外蓋が開方向に回転せしめられると該係合手段及び該被係合手段によって、該係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に該係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する、
ことを特徴とする容着蓋が提供される。
【0009】
好ましくは、該係止突起は一対の外側係止突起を含み、該一対の外側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられ、該一対の外側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられており、該被係合手段は該除去領域の長手方向片側及び他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に形成された溝或いは突条を含み、該係合手段は該外側係止突起の、該係止壁の該溝或いは該突条に対向する表面に形成されている突条或いは溝を含み、該外蓋が該開方向に回転せしめられると該外側係止突起の該突条或いは該溝が該係止壁の該溝或いは該突条に係合し、これによって該外側係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止する。該係止突起は一対の内側係止突起を含み、該内側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられ、該一対の内側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられており、該被係合手段は一対の係止片を含み、該係止片の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の内面に形成され、該係止片の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の内面に形成されており、該中栓に対して該外蓋が該開方向に回転せしめられると該内側係止突起が該係止片に係止せしめられ、これによって該内側係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止するのが好適である。該除去領域は該破断可能薄肉ラインの外側領域よりも上方に変位せしめられているのが好都合である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器蓋においては、中栓から外蓋を離脱せしめるために外蓋を開方向に回転せしめると、外蓋の係止突起が中栓の係止壁に係止して外蓋から破断可能薄肉ラインに力が伝達され、これによって破断可能ラインが充分容易に破断されて細長形状の排出口が生成される。外蓋が開方向に回転せしめられると、外蓋の係止突起に配設されている係合手段と中栓の係止壁に配設されている被係合手段とが協働して、係止突起に対して係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に該係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止し、従って破断可能薄肉ラインの破断によって除去された除去領域は外蓋から離脱されることなく外蓋に付随して中栓から離脱される。加えて、本発明の容器蓋は、溶着の如き煩雑な工程を遂行することなく充分安価に製作することができる。中栓に外蓋を所要とおりに装着する際に中栓の破断可能薄肉ラインに力が伝達されることはなく、破断可能薄肉ラインが破断されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す正面図。
【図2】図1の容器蓋における中栓の斜面図。
【図3】図1の容器蓋における中栓の正面図。
【図4】図1の容器蓋における中栓の断面図。
【図5】図1の容器蓋における中栓の平面図。
【図6】図1の容器蓋における外蓋を倒立状態で示す斜面図。
【図7】図1の容器蓋における外蓋の断面図。
【図8】図1の容器蓋を、中栓に外蓋が所要とおりに装着されている状態で示す断面図。
【図9】図8に示す状態における中栓の係止壁と外蓋の係止突起との関係を示す部分斜面図。
【図10】図1の容器蓋を、中栓から外蓋を離脱するために外蓋を開方向に幾分回転せしめた状態で示す断面図。
【図11】図10に示す状態における中栓の係止壁と外蓋の係止突起との関係を示す部分斜面図。
【図12】図1の容器蓋を、中栓から外蓋を離脱せしめた状態で示す断面図。
【図13】図12に示す状態における中栓の係止壁と外蓋の係止突起との関係を示す部分斜面図。
【図14】係止片の変形例を示す部分簡略図。
【図15】図14の係止片の作用状態を示す部分簡略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0013】
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された容器蓋は、二点鎖線で口頸部2のみを図示している容器の口頸部に固着される中栓4、及びこの中栓4に装着されている外蓋6を具備している。ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂、ガラス或いは金属薄板から形成することができる容器の口頸部2は全体として円筒形状であり、上面は開口されている。口頸部2の外周面には係止あご部8とこの係止あご部8よりも下方に位置するサポートリング10が形成されている。中栓4は軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から射出乃至圧縮成形することができ、同様に外蓋6もポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出乃至圧縮成形することができる。
【0014】
図1と共に図2乃至図5を参照して説明を続けると、中栓4は全体として水平に延在する円形閉塞壁12を有している。この閉塞壁12の中央領域には細長形状の除去領域が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、閉塞壁12の中央領域に略楕円形状の破断可能薄肉ライン14が形成されており、略楕円形状の除去領域16が規定されている(特に図5を参照されたい)。図1及び図4を参照することによって明確に理解される如く、除去領域16は破断可能薄肉ライン14の外側領域よりも上方に変位せしめられており、除去領域16の下面は破断可能薄肉ライン14よりも外側の領域の上面と実質上同高或いはこれよりも幾分上方に位置せしめられているのが好適である。閉塞壁12の下面には、最外周縁部から垂下する円筒形垂下壁18と、この垂下壁18よりも半径方向内側に位置する環状シール片20とが形成されている。垂下壁18の内周面下端部には環状係止突条19が形成されている。閉塞壁12の上面には、その外周縁部から上方に延出する円筒形装着壁22と、装着壁22よりも半径方向内側に位置する略円筒形状の注出筒24が形成されている。装着壁22の外周面には雄螺条26が形成されている。注出筒24の上端部は半径方向外方に円弧状に湾曲せしめられている。閉塞壁12の上面には、更に、破断可能薄肉ライン14に内接した下端縁から上方に突出する係止壁28が形成されていることが重要である。係止壁28は実質上鉛直に上方に突出せしめられていて略楕円筒形状であるのが好都合である。係止壁28の、除去領域16の長手方向片側において外蓋6の開回転方向(図2において矢印Aで示す方向)上流側に位置する外面には、実質上水平に延びる溝30が形成されている。同様に、図2には図示していないが、係止壁28の、除去領域16の長手方向他側においても外蓋6の開回転方向上流側に位置する外面には、実質上水平に延びる溝30が形成されている。係止壁28には、更に、除去領域16の長手方向片側において外蓋6の開回転方向に見て下流側に位置する内面に係止片32が形成され、同様に除去領域16の長手方向他側においても外蓋6の開回転方向に見て下流側に位置する内面に係止片32が形成されている。係止片32は係止壁28の内面を実質上鉛直に延在し、略二等辺三角形状の横断面形状を有する。上記溝30及び係止片32は、後の説明から明らかになるとおり、被係合手段を構成する。
【0015】
図1と共に図6及び図7を参照して説明を続けると、図示の実施形態における外蓋6は円形天面壁34とこの天面壁34の外周縁から垂下する円筒形状のスカート壁36とを有する。図1に図示する如く、スカート壁36の外周面には掛けられる指の滑りを防止するためのナール(凹凸形状)38が形成されている。天面壁34の下面には、その外周縁部から下方に垂下する円筒形被装着壁40、及び被装着壁40よりも半径方向内側において下方に垂下する円筒形シール片41が配設されている。被装着壁40の内周面下部には雌螺条43が形成されている。図6に明確に図示する如く、天面壁34の下面には、更に、少なくとも1個の係止突起が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、天面壁34におけるシール片41よりも半径方向内側の中央領域に4個の係止突起、即ち一対の外側係止突起42a及び42bと一対の内側係止突起44a及び44bとが配設されている。直径方向に対向して位置する一対の外側係止突起42a及び42bの各々は略勾玉形状であり、使用材料量を低減するために3個の空所が形成されている。一対の外側係止突起42a及び42bの各々の、中栓4における係止壁28の溝30が形成されている面に対向して位置せしめられる面には、実質上水平に延びる突条46が形成されている。後に更に言及する如く、突条46は係合手段を構成し、中栓4における係止壁28に形成されている溝30と協働する。所望ならば、図示の実施形態の場合とは逆に、係止壁28に突条を形成し外側係止突起42a及び42bに溝を形成することもできる。直径方向に対向して位置する一対の内側突起44a及び44bの各々は、略台形状であり、使用材料量を低減するための2個の空所が形成されている。
【0016】
上述したとおりの中栓4と外蓋6とは、中栓4の係止壁28と外蓋6の外側係止突起42a及び42b並びに内側係止突起44a及び44bとを図9に図示するとおりの関係に位置付けて、外蓋6内に中栓4を図8に図示する状態、即ち中栓4の閉塞壁12の上面周縁部が外蓋6の被装着壁40の下端に当接する状態、まで軸線方向に強制的に押込むことによって相互に組み合わされる。かくすると、図8に明確に図示する如く、中栓4の装着壁22の外周面に形成されている雄螺条26が外蓋6の被装着壁40の内周面に形成されている雌螺条43を弾性的に乗り越え、雄螺条26と雌螺条43とが相互に螺合せしめられた状態が確立される。中栓4と外蓋6とを相互に組み合わせる際に、中栓4に対して外蓋6が回転せしめられることはない。中栓4と外蓋6とが図8に示す状態に組み合わされると、外蓋6のシール片41が中栓4の注出筒24の内周面上端部に密接せしめられる。図8に示すとおりに組み合わされた容器蓋は、容器の口頸部2に対して図8に示す状態まで強制的に下降せしめることによって容器の口頸部2に装着される。かくすると、中栓4における垂下壁18の内周面に形成されている係止突条19が口頸部2の外周面に形成されている係止あご部8を弾性的に乗り越えてこれに係止せしめられ、中栓4が口頸部2に固着される。また、中栓4のシール片20が口頸部2内に進入せしめられ、これによって口頸部2が密封される。
【0017】
容器の内容物を消費する際には、外蓋6のスカート壁36に指を掛けて、中栓4に装着されている外蓋6を開方向(矢印Aで示す方向)に回転する。外蓋6が略25度程度の角度に渡って開方向に回転せしめられると、図10及び図11に図示する状態となり、図11を参照することによって明確に理解されるとおり、外側係止突起42a及び42bが係止壁28の外面に当接せしめられ、外側係止突起42a及び42bに係止されている突条46が係止壁28の外面に形成されている溝30に係合せしめられ、これによって外側係止突起42a及び42bに対して係止壁28が軸線方向に移動することが防止される。内側係止突起44a及び44bは係止壁28の内面に当接せしめられる。図9と図11とを比較参照することによって理解される如く、内側係止突起44a及び44bは係止壁28の内面に形成されている係止片32を弾性的に乗り越え、かくして内側係止突起44a及び44bが係止壁28に対して相対的に閉方向(矢印Aで示す方向に対して反対方向で、図9及び図11において上方から見て反時計方向)に回転することが防止される。外蓋6が更に開方向に回転せしめられると、図12及び図13に図示する如く、外側係止突起42a及び42b並びに内側係止突起44a及び44bを介して係止壁28に加えられる力によって破断可能薄肉ライン14が破断されて除去領域16が閉塞壁12から除去され、排出口が生成される。閉塞壁12から除去された、係止壁28を含む除去領域16は、外蓋6から落下することなく外蓋6と共に中栓4から離脱せしめられる。しかる後においては中栓4の閉塞壁12に生成された排出口を通して内容物を排出することができる。内容物の必要量の排出が終了した後においては、必要に応じて係止壁28を含む除去領域16を外蓋6から離脱して、外蓋6を中栓4に被嵌し、次いで閉方向に回転せしめて外蓋6の被装着壁40の内周面に形成されている雌螺条44を中栓4の装着壁22の外周面に形成されている雄螺条26に螺合せしめて中栓4に再び外蓋6を装着し、排出口を閉じることができる。外蓋6のシール41は中栓4の注出筒24の内周面上端部に密接せしめられる。
【0018】
図14及び図15は、係止壁28の内面に配設されている係止片の変形例を図示している。図14及び15に図示する変形例においては、係止片32は係止壁28の長手方向片端内面及び長手方向他端内面の各々から延出するフラップから構成されている。外蓋6が図14に図示する状態(図9に対応)から図15に図示する状態(図11に対応)まで開方向に回転せしめられると、内側係止突起44a及び44bは係止片32を弾性的に乗り越え、係止片32が内側係止突起44a及び44bの半径方向先端面に係止せしめられ、これによって内側係止突起44a及び44bが係止壁28に対して相対的に閉方向に回転せしめられることが防止される。
【0019】
以上、添付図面を参照して本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。例えば、図示の実施形態においては、被係合手段を構成する溝30を係止壁28の外面に配設し係合手段を構成する突条46を外側係止突起42a及び42bに配設しているが、被係合手段を構成する溝30を係止壁28の内面に配設し係合手段を構成する突条46を内側係止突起44a及び44bに配設することもできる。また、被係合手段を構成する係止片32を係止壁28の内面ではなくて外面に配設することもできる。更に、図示の実施形態においては容器蓋は、外周面には係止あご部が形成されている円筒形状の口頸部2を備えた容器に容器蓋を適用しているが、上記特許文献3に開示されている如く、所謂紙製容器の口頸部に容器蓋を適用することができる。この場合には、中栓における口頸部に溶着される部位の形態を上記特許文献3に開示されているとおりの形態に変更すればよい。
【符号の説明】
【0020】
2:容器の口頸部
4:中栓
6:外蓋
12:閉塞壁
14:破断可能薄肉ライン
16:除去領域
22:装着壁
26:雄螺条
28:係止壁
30:溝(被係合手段)
32:係止片(被係合手段)
34:天面壁
40:被装着壁
42a:外側係止突起
42b:外側係止突起
44a:内側係止突起
44b:内側係止突起
46:突条(係合手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口頸部に固着される中栓、及び該中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋にして、
該中栓は閉塞壁と該閉塞壁の上面周縁部から上方に延出する円筒形装着壁とを有し、該閉塞壁には破断可能薄肉ラインによって囲繞された細長形状の除去領域が規定されており、該除去領域には該破断可能薄肉ラインに内接した下端縁から上方に突出する係止壁が配設されており、該装着壁の外周面には雄螺条が形成されており、
該外蓋は天面壁と該天面壁から垂下する円筒形被装着壁とを有し、該天面壁の下面における該被装着壁よりも内側の領域には下方に突出する少なくとも1個の係止突起が形成されており、該被装着壁の内周面には該雄螺条と協働する雌螺条が形成されており、
該係止壁には被係合手段が配設され該係止突起には係合手段が配設されており、該中栓に対して該外蓋が開方向に回転せしめられると該係合手段及び該被係合手段によって、該係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に該係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する、
ことを特徴とする容着蓋。
【請求項2】
該係止突起は一対の外側係止突起を含み、該一対の外側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられ、該一対の外側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられており、
該被係合手段は該除去領域の長手方向片側及び他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に形成された溝或いは突条を含み、該係合手段は該外側係止突起の、該係止壁の該溝或いは該突条に対向する表面に形成されている突条或いは溝を含み、該外蓋が該開方向に回転せしめられると該外側係止突起の該突条或いは該溝が該係止壁の該溝或いは該突条に係合し、これによって該外側係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止する、請求項1記載の容器蓋。
【請求項3】
該係止突起は一対の内側係止突起を含み、該内側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられ、該一対の内側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられており、
該被係合手段は一対の係止片を含み、該係止片の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の内面に形成され、該係止片の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の内面に形成されており、該中栓に対して該外蓋が該開方向に回転せしめられると該内側係止突起が該係止片に係止せしめられ、これによって該内側係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する、請求項1又は2記載の容器蓋。
【請求項4】
該除去領域は該破断可能薄肉ラインの外側領域よりも上方に変位せしめられている、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
【請求項1】
容器の口頸部に固着される中栓、及び該中栓に装着される外蓋を具備する容器蓋にして、
該中栓は閉塞壁と該閉塞壁の上面周縁部から上方に延出する円筒形装着壁とを有し、該閉塞壁には破断可能薄肉ラインによって囲繞された細長形状の除去領域が規定されており、該除去領域には該破断可能薄肉ラインに内接した下端縁から上方に突出する係止壁が配設されており、該装着壁の外周面には雄螺条が形成されており、
該外蓋は天面壁と該天面壁から垂下する円筒形被装着壁とを有し、該天面壁の下面における該被装着壁よりも内側の領域には下方に突出する少なくとも1個の係止突起が形成されており、該被装着壁の内周面には該雄螺条と協働する雌螺条が形成されており、
該係止壁には被係合手段が配設され該係止突起には係合手段が配設されており、該中栓に対して該外蓋が開方向に回転せしめられると該係合手段及び該被係合手段によって、該係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止すると共に該係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する、
ことを特徴とする容着蓋。
【請求項2】
該係止突起は一対の外側係止突起を含み、該一対の外側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられ、該一対の外側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に対向して位置せしめられており、
該被係合手段は該除去領域の長手方向片側及び他側において該係止壁の、該開方向に見て上流側に位置する外面に形成された溝或いは突条を含み、該係合手段は該外側係止突起の、該係止壁の該溝或いは該突条に対向する表面に形成されている突条或いは溝を含み、該外蓋が該開方向に回転せしめられると該外側係止突起の該突条或いは該溝が該係止壁の該溝或いは該突条に係合し、これによって該外側係止突起に対して該係止壁が中心軸線方向に移動するのを防止する、請求項1記載の容器蓋。
【請求項3】
該係止突起は一対の内側係止突起を含み、該内側係止突起の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられ、該一対の内側係止突起の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の、該開方向に見て下流側に位置する内面に対向して位置せしめられており、
該被係合手段は一対の係止片を含み、該係止片の一方は該除去領域の長手方向片側において該係止壁の内面に形成され、該係止片の他方は該除去領域の長手方向他側において該係止壁の内面に形成されており、該中栓に対して該外蓋が該開方向に回転せしめられると該内側係止突起が該係止片に係止せしめられ、これによって該内側係止突起が該係止壁に対して閉方向に相対的に回転するのを防止する、請求項1又は2記載の容器蓋。
【請求項4】
該除去領域は該破断可能薄肉ラインの外側領域よりも上方に変位せしめられている、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−210973(P2012−210973A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78740(P2011−78740)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】
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