説明

容器

容器(1)はカゴ体(5)と、カゴ体の中心面(24)と偏倚した位置にてカゴ体に取り付けられる取っ手(2)とを有する。使用時において、取っ手は起立位置及び倒置位置間にて移動自在であり、係合機構(6)は取っ手の起立位置を越えた移動を制限するように設けられる。取っ手は使用者にもたれかかるカゴ体の近位部(10)に平行に配向される。カゴ体の近位部(10)は使用者の身体の一部に対して適合するように形状を形成されている。カゴ体は情報を表示するための表示パネル(16,27)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に関する。より具体的には本発明は買い物技術を向上させるように構成される買い物用容器に関する。
(関連技術の説明)
本明細書において参照されるいかなる刊行物(又は刊行物から派生する情報)や周知の技術は、同刊行物(又は刊行物から派生する情報)や周知の技術が本明細書に関する技術分野における慣用技術の一部をなすものと認容したり示唆したりするものと解釈されるべきものでもない。
【背景技術】
【0002】
現在、食料品等の買い物の際に、使用者があまり買い物をしない場合は使用者はワゴン上の買い物カゴを選択するだろう。買い物カゴは通常買い物が少ない場合に好ましく、これにより使用者はより早くより効率的に買い物を完了できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、買い物カゴは通常搬送が快適なものではない。買い物カゴは通常カゴの幅部分を横断して延びる取っ手を有する。使用者はカゴを上下方向に並べる傾向にあり、これにより通常使用者は腕と手を不自然な角度に保持する必要があるため、カゴの搬送が困難となる。これらの短所は更にカゴが重心上に配置される取っ手を有する傾向にあることにより強調される。従って、使用の際使用者は歩行時にカゴが使用者の側部に衝突することを防止するために、使用者から離間してカゴを保持する必要がある。
【0004】
更に、買い物カゴは軽量化のために通常格子が設けられる。しかしながら、使用者はカゴを身体に近接して搬送する場合に、使用者の服装の一部等が格子やカゴから突出する物に引っかかる危険性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の広い態様において本発明は、a)カゴ体と、b)取っ手と、c)係合機構とを有する容器を提供する。取っ手はカゴ体の中心面とは偏倚した位置にてカゴ体に取り付けられる。取っ手は起立位置及び倒置位置間を移動自在である。係合機構は取っ手の起立位置を越えた移動を制限する。
【0006】
通常カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部を備え、取っ手は使用時に近位部に対して略平行である。
カゴ体は近位部を備え、近位部は容器が搬送される場合に使用者の近傍に位置される。近位部は使用者の身体の一部に対して適合するように形状を形成されている。
【0007】
通常近位部は略凹形を有する。
通常カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部を備え、近位部は略中実である。
通常取っ手は近位部及び中心面の間に配置される。
【0008】
通常カゴ体は情報を表示するための少なくとも1つの表示パネルを含む。
通常カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部と、近位部とは反対側に設けられる遠位部とを備える。少なくとも1つの表示パネルは遠位部に設けられる。
【0009】
通常カゴ体は開口部の周囲を延びるリムを備える。少なくとも1つの表示パネルはリムの少なくとも一部に設けられる。
通常カゴ体はカゴ体の底部に略直交する方向に指向するように構成される少なくとも1つの表示パネルと、カゴ体の底部に略平行に指向するように構成される少なくとも1つの表示パネルとを備える。
【0010】
通常カゴ体は開口部の周囲を少なくとも部分的に延びるリムを有する。
通常リムはフランジを有する。取っ手は容器を保管するために倒置位置にてフランジ上に置かれる。
【0011】
通常係合機構はa)リムの傾斜部とb)取っ手に設けられる先端部とのうち少なくともいずれか一方を含む。
通常係合機構はa)フランジとリムのうち少なくともいずれか一方に配置される係止部と、b)取っ手が起立位置に位置される場合に係止部と係合し、取っ手の更なる移動を制限する係止係合部とを含む。
【0012】
通常取っ手が使用時に持ち上げられた場合に、係合機構は取っ手を起立位置において取っ手が開放される場合に取っ手が倒置位置に戻るような角度にて保持する。
通常カゴ体は凹部を有するリムを含み、これにより使用時に容器の積載が可能となる。
【0013】
通常カゴ体は底部及び近位部を有し、近位部は底部に対して角度を持って傾斜される。
通常カゴ体は底部に対して角度を持って傾斜される開口部を有する。
第2の広い態様において本発明はa)カゴ体と、b)カゴ体に連結される取っ手部とを有する容器を提供する。カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部を有する。取っ手は使用時に近位部に対してほぼ平行である。
【0014】
通常容器は本発明の第1の広い態様による容器である。
第3の広い態様において本発明はカゴ体を有する容器を提供する。カゴ体は近位部を有する。使用時にカゴ体は近位部を有し、使用時に近位部はカゴが搬送される場合に使用者の近傍に位置される。近位部は使用者の身体の一部に対して適合するように形状を形成されている。
【0015】
通常容器は本発明の第1又は第2の広い態様による容器である。第4の広い態様において本発明はa)情報を表示するための第1の表示パネル及び第2の表示パネルとを含むカゴ体と、b)カゴ体に取り付けられる取っ手とを有する容器を提供する。第1の表示パネルはカゴ体の底部に略直交する方向に指向するように構成され、第2の表示パネルはカゴ体の底部に略平行に指向するように構成される。
【0016】
通常容器は本発明のその他の広い態様のいずれか1つによる容器である。
通常容器は買い物用の容器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1乃至6は買い物用容器等の容器1の例を示す。
容器1は近位部10と遠位部12を含むカゴ体5と、少なくとも2つの端部14A,14Bとを有する。端部14A,14Bは対向する端部にて近位部10及び遠位部12を連結し、これによりカゴ体5を形成する。カゴ体5は開口部20及び底部22も有し、内部に物を収容する。
【0018】
容器1はリム8に連結される取っ手2を有し、取っ手2は開口部20の周囲を少なくとも部分的に延びる。取っ手2は第1の取っ手端部3A及び第2の取っ手端部3Bを有し、参照符号15A,15Bにて示す各連結点にてリム8に連結される。実施例において、取っ手は取っ手2がカゴを搬送することに使用可能である持ち上げ位置と、取っ手2が遠位部12の上方のリム8の少なくとも一部の周囲を延びるフランジ18に置かれる倒置位置との間にて、連結点15A,15Bを枢動自在である。取っ手2はリム8に取り付けられ、カゴの中心を通過して上下方向及び長手方向に延びる面24(以下中心面という)とはずらして設けられる。これらのことからカゴ(取っ手を含まず)の重心は通常中心面上に位置するものといえる。
【0019】
通常底部22は矩形であり、矩形の底部22の短い方の側部に沿って設けられる端部14A,14Bを備える。従って、各連結点15A,15Bにて取り付けられる取っ手2を有することにより、容器1が搬送される場合に、近位部10は使用者の身体に隣接して位置され、取っ手は端部10,12とほぼ平行に並べられる。取っ手のこのような長手方向の配置により、取っ手は使用者の自然な腕及び手の位置に並べられるため、使用者の快適さの向上が補助される。
【0020】
近位部10及び中心面の間に配置される取っ手2を有することにより、取っ手が中心に配置される場合に遠位部12及び取っ手2の間の開口部は取っ手2及び近位部10の間の開口部より大きい。これらにより開口部へのアクセスが向上し、使用者が容器を搬送中に物を開口部を通じて容易に挿入できるようになる。
【0021】
中心軸からずれた取っ手2を有することにより、取っ手部3A,3Bは通常標準的なカゴより大きな長さを有し、これにより取っ手は倒置位置にある場合にフランジ18上に置かれる。従って、取っ手2は通常持ち上げられた場合に既存のカゴと比較してより大きな高さを有する。これらによりシリアルの箱や高さのある瓶等の大きくかさばるものが従来技術によるカゴに比較してより容易に収容できるものとなる。
【0022】
従って、取っ手構造体は物が容易に積載できるように大きな口や開口部を備える。これらは従来技術による手提げカゴのものの約2倍の開口部であってもよい。
取っ手の配置の更なる効果は使用者がカゴ体5内の遠位部12のより近傍に物を積載しようとする傾向にあることである。従って、取っ手2が僅かに中心からずれる場合において、使用者がカゴ体5を持ち上げると遠位部12の近傍における付加的な物の重量により、遠位部12は使用者から離間するように僅かに傾斜するように圧力がかけられる傾向にある。従って、近位部10は底部22に対して僅かに角度をなすように設けられ、これにより僅かに傾斜した場合に近位部10は使用者側により安定してもたれかかる。これらにより容器は重みのある物で満載である場合でも容易に搬送できる。
【0023】
別例において、近位部10は使用者の身体に安定してもたれかかることができるような形状に形成される。従って、例えば近位部10は少なくとも部分的に凹面状の湾曲部4を有し、これにより近位部10は使用者側に適合する。従って、使用者はより向上した快適さを得られる。
【0024】
更に、買い物カゴは通常格子を設けられ、これらによりカゴの全重量は低減される。しかしながら、図3A,3Bから明らかなように、近位部10は格子が設けられていない。従って、近位部10が使用者の身体に対してもたれかかった場合に、使用者の服装等がカゴ体5やカゴ体5を貫通して延びる物に引っかかる危険性が減少される(通常カゴの全側面に格子が設けられる場合に生じる)。実施例において、リム8、特に連結点15A,15Bの領域におけるリム8の部分は通常参照符号6にて示される係合機構を含むように形成され、これにより取っ手が持ち上げられた場合に取っ手の動きを規制する。特に、取っ手2が上下方向の線と角度αを持って設けられ、これにより持ち上げ位置にある場合に重力により片側に傾斜するように構成される。これらには2つの主な効果がある。
【0025】
第1にカゴ1が取っ手2によって保持されるときに取っ手2のカゴ1に対する回転を制限し、これによりカゴからこぼれたりカゴがひっくり返ることが防止される。これらにより取っ手を重心からずらして設けることができカゴの中身をひっくり返す危険なくカゴが持ち上げられるものといえる。
【0026】
第2にこれらにより取っ手から手が離れた場合に取っ手が遠位部12に向かって確実に倒れて戻ることである。従って容器が積み重ねのために載置された場合に取っ手2は確実に自動的に倒置位置に戻る。従って開口部は妨害されないため別の容器を積み重ねて受承可能である。これらにより容器は入れ子状に重合するが、これらは(例えば図1Aに示すように)取っ手2、フランジ18、及びリム8の配置によっても補助される。
【0027】
係合機構6の形状は任意であるが、通常リム8の成形部として形成される。
図7にこれらの例を示す。係合機構6はリム8の成形部28と、取っ手部3Aに設けられる先端部9から部分的に形成される。傾斜部28は縦軸7(底部22に対して縦方向)に対して角度θを持って形成され、θは通常1°乃至5°である。先端部9は傾斜部28と共動するような形状に形成され、これにより取っ手の側面10への移動を阻止し、角度αを保持する。
【0028】
対応する先端部9が取っ手部3Bにも設けられるものといえる。先端部の両者は近位部10に面する取っ手2の側面に設けられることが求められる。即ち、取っ手はカゴ体5に対して正しい配向にて適合することが求められる。これらはリム8を成形部28のみが必要な係合手段として機能し、先端部9を不要とするような形状に形成することにより回避可能であるといえる。しかしながら、このため角度θは負である必要がある(これにより外方に向かって延びる成形部は縦線7を通過する)。これらは代わりに射出成形工程において「切れ込み(undercut)」と呼ばれるものをもたらす。具体的に、切れ込みによりカゴ体5を型枠から取り外すことが困難となる。これらは取っ手2を正しく配向することに要する労力の度合いと比較してより高い度合いにて製造工程を阻害する。
【0029】
しかしながら、好適な工具を使用することにより、リム8の成形にて望ましい角度αを得られるものといえる。従って、係合機構6はリム8の好適な構造から完全に形成可能である。従って、例えば、これらはリム8やカゴ1上に適切に配置されたノブやその他の好適な突出部を有し、上述した取っ手の運動を可能とすることにより得られるものである。
【0030】
リム8はフランジ18も有する。取っ手2が部分12に向かって倒されて倒置位置に位置される場合にフランジ18に取っ手2が置かれる。通常取っ手2はフランジ18と同一平面上に位置し、これにより使用されないときにカゴ体5の適切な収納を補助する。リム8のこれらの構成により、取っ手2は部分12に向かって僅かに傾斜し、取っ手が確実に遠位部12に向かって倒される。
【0031】
別の態様において、リム8は底部22に対して僅かに角度を持ってもよい。図4Aに角度φにて示すように、通常リム8は底部22に対して3°の角度をなす。従って、遠位部12は近位部12と比較して高さが低く、これによりカゴに容易に積載でき、カゴを快適に把持することができる。
【0032】
付加的に、リム8は凹部26も有し、これにより積載性能も向上する。図1A,1Bに示すように、例えば、凹部26はリム8を取り除き遠位部12から延びるフランジ18を有するものにおいても形成可能である。
【0033】
カゴ体5は第1の情報表示パネル16及び第2の情報表示パネル27の両者に広告等の情報を表示することもできる。これらは広告メッセージ、特別な買い物セールや、その他の買い物や店の情報を含んでもよい。カゴ体5は情報表示パネル16,27により独自のものにすることも可能である。
【0034】
情報表示パネル16はカゴのいずれの側面にあってもよいが、一例として、第1の情報表示パネル16は近位部10が使用者に配向されるため遠位部12上に設けられる。これにより使用時に他の買い物客は表示をみることができる。これらの構成において、第1の表示パネル16は底部22に直交する方向に設けられ、これにより使用時に第1の表示パネルは通常略上下方向に配置される。
【0035】
一例において、第2の情報表示パネル27は凹部26から形成される。これらの構成において、第2の表示パネル27は底部22に平行に設けられ、これにより使用時に第1の表示パネルは通常略平行に設けられる。従って、第2の情報パネルはカゴ1の使用者がカゴに物を積載する場合に使用者及び他の買い物客は容易に目視可能である。また、第2の情報表示パネルはカゴ1の遠位部12の上方に設けられる。情報表示パネル16,27はいかなる態様であってもよく、デジタルディスプレイ、ポスター、ラベル、ホログラム、ステッカー等を含む。
【0036】
連結点15A,15Bの構成は好ましい実施例により代えてもよく、また、これらは係合機構の性質に影響を有する。図8乃至10に連結点の具体的な例がより詳細に示される。
【0037】
これらの例において、連結点15Aはリム8に設けられる開口部40と、取っ手2をカゴに連結される成形部42とを含む。成形部42は先端部9に隣接して上述したように取っ手2の起立位置における可動範囲を制限する傾斜部28を含む。
【0038】
これらの例において、リム8は開口部40を包囲する領域に隆起面44を含む。
これらに加え、図9に示すリム8の背面はパッド46を含む。パッド46及び隆起面44は開口部に付加的な圧力をもたらす他、開口部の周囲にてリム8の厚みを増し、取っ手2とカゴ1の間の連結を高める。
【0039】
図10に、図8の連結点15Aの使用に好適である取っ手2の端部の例が示される。この例において、取っ手2は取っ手2から外方に向かって延びる軸50を含む。軸は肩部52と、軸50のベース部にて取っ手2に設けられる円形のボス54とを含む。
【0040】
使用の際に、取っ手2は開口部40内に軸50及び肩部52を挿入することによりカゴ1に連結される。軸50は開口部40を通過して延びこれにより肩部52は開口部40及びパッド46を通過する。肩部52は方形の端部に形成されるため、開口部40に挿入されると、肩部52の端部はパッド46に隣接する。これにより軸50は開口部40内に保持される。通常軸50及び開口部40は軸50が開口部40から望ましくなく取り除かれることを防止するように設けられるが、軸50は開口部40に対して自由に回動自在である。
【0041】
取っ手2は成形部42内に設けられるように構成される湾曲端部56を含み、これにより取っ手は倒置位置及び起立位置間にて枢動自在となる。湾曲端部52は傾斜部28と共動し、所望の起立位置を越える取っ手の運動の制限を補助する先端部9を画定もする。
【0042】
位置において、ボス54は隆起面44に隣接するように調整される。好適な材料を使用することにより取っ手2は円滑に枢動自在となり、これにより取っ手2は妨害されることなく延伸位置及び後退位置間を略妨害されることなく移動可能となるが、連結点15Aの圧力はなお保持される。
【0043】
上述した連結点及び関連する連結構造は例示のためにのみ示されたものであり、これらに限定することを意図したものではないものといえる。従って、隆起面44、パッド46、肩部52、及びボス54の使用は任意である。
【0044】
図11乃至14に連結点の第2の例がより詳細に示される。
この例において、係合要素6は通常傾斜部28から形成され、先端部9はフランジ18上に設けられる(或いはこれに代えてリム8の一部に設けられる)係止部60も含む。係止部60は対向端部62及び摺動端部64を有する。この例において、対向端部62は開口部40の下方に設けられ、略上下方向に配置される。摺動端部は成形部42及び対向端部62と離間して下方に傾斜する。
【0045】
図12に、図11の連結点の使用に好適な取っ手2の端部の例を示す。図示のように取っ手2は係止係合部66を含む。係止係合部66は取っ手が使用時に起立位置に位置される場合に係止部60の対向端部62と係合する。取っ手2が倒置位置に位置される場合に、傾斜面68は摺動端部64と係合するように設けられる。
【0046】
図13,14に倒置位置及び起立位置における取っ手の例をそれぞれ示す。図から明らかなように、倒置位置にある場合に取っ手2の傾斜面68は係止部60の摺動端部64の頂部に置かれ、これにより取っ手2はフランジ18の同一平面上に位置される。しかしながら、取っ手が起立位置に持ち上げられた場合に傾斜部28及び係合部9が係合し、同様に係止係合部66及び係止部60の対向端部62が係合する。これらは取っ手2が更に回動することを防止するように作用し、これにより取っ手が持ち上げられた場合に角度αを確実に保持する。必須ではないが付加的な係止部60を使用することにより、リム8及び傾斜部28の過度の摩耗の減少を補助する。これらの摩耗は取っ手が起立位置に保持される性能に影響を付与し、これによりカゴの寿命を減少させる。
【0047】
カゴ体5の別の特徴は底部22のモールド成形である。上述したようにカゴ体5は通常射出成形工程により形成される。これらを補助するために、底部22は注入点30、突き出し点34、及びランナ32を含んでもよい。注入点30は通常底部22の中心から僅かにずれた部分に位置される。ランナ32は注入点30から突き出し点34に向かって延びる。
【0048】
成形工程において、これらにより材料(プラスチック等)は注入点30にて型枠内に注入される。材料の流れはランナ32を通じて型枠全体に分配される。突き出し点34は成形された容器1を型枠から取り出すために使用され、容易に清掃できるように形成される。
【0049】
付加的に、側壁及び前面の壁部の格子パターンは非常に僅かな切れ込みを有し、モールド成形工程において型枠のコアが引き抜かれる場合に成型したカゴ体5が外れることを防止する。新たに成型されたカゴ体5は突き出し点34及びリム8の周囲のうち少なくともいずれか一方にて突き出しピンを使用して開口から「飛び」出される。
【0050】
これらにより望ましく、且つ容易に清潔な構成が得られるが、更に単純な製造が確実に維持される。
上記の例はずらした取っ手2、長尺状の取っ手の構造体、密着部(又は湾曲部4)、広告又は情報表示パネル、積載が容易である性能を含む多くの様々な特徴を開示するものといえる。従って、容器1は買い物にのみ使用される必要はなく物をある地点から別の地点へ搬送することに使用される。更に、上述した各特徴は単独にて、或いは組み合わせて使用可能であり、例として組み合わせのみを示したに過ぎない。
【0051】
当業者は様々な別例及び変形例が自明であると認識するだろう。当業者に自明であるこれら全ての別例及び変形例は前述したように発明が広く示す精神及び範囲内にあるものといえる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1A】容器の一例を示す斜視図。
【図1B】取っ手を持ち上げた図1Aに示す容器の斜視図。
【図2A】取っ手を置いた図1Aに示す容器の遠位部側側面図。
【図2B】取っ手を持ち上げた図1Aに示す容器の遠位部側側面図。
【図3A】取っ手を置いた図1Aに示す容器の近位部側側面図。
【図3B】取っ手を持ち上げた図1Aに示す容器の近位部側側面図。
【図4A】取っ手を置いた図1Aに示す容器の端面図。
【図4B】取っ手を持ち上げた図1Aに示す容器の端面図。
【図5A】取っ手を置いた図1Aに示す容器の上面図。
【図5B】取っ手を持ち上げた図1Aに示す容器の上面図。
【図6】図1Aに示す容器の底部斜視図。
【図7】図4Bの係合機構の一例を示すカゴ及び取っ手の拡大側面図。
【図8】連結点の一例を示すカゴの拡大斜視図。
【図9】図8の連結点の拡大底面図。
【図10】図8のカゴに使用される取っ手を示す拡大斜視図。
【図11】連結点の第2の例を示すカゴの拡大斜視図。
【図12】図11のカゴに使用される取っ手を示す拡大斜視図。
【図13】倒置位置における図8の取っ手の端部を示す拡大側面図。
【図14】起立位置における図8の取っ手の端部を示す拡大側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)カゴ体と、
b)カゴの中心面から偏倚した位置にてカゴ体に取り付けられる取っ手と、同取っ手は起立位置及び倒置位置間を移動できることと、
c)取っ手の起立位置を越えた移動を制限する係合機構とを備えることを特徴とする容器。
【請求項2】
カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部を備えることと、取っ手は使用時に近位部に対して略平行であることとを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
カゴ体は近位部を備え、同近位部は容器が搬送される場合に使用者の近傍に位置されることと、近位部は使用者の身体の一部に対して適合するような形状を形成されていることとを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記近位部は略凹形を有することを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部を備えることと、同近位部は略中実であることとを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記取っ手は近位部及び中心面の間に配置されることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記カゴ体は情報を表示する少なくとも1つの表示パネルを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部と、近位部とは反対側に設けられる遠位部とを備えることと、前記少なくとも1つの表示パネルは遠位部に設けられることとを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記カゴ体は開口部の周囲を延びるリムを備え、前記少なくとも1つの表示パネルは同リムの少なくとも一部に設けられることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項10】
前記カゴ体は同カゴ体の底部に略直交する方向に指向するように構成される少なくとも1つの表示パネルと、カゴ体の底部に略平行に指向するように構成される少なくとも1つの表示パネルとを備えることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項11】
前記カゴ体は開口部の周囲を少なくとも部分的に延びるリムを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の容器。
【請求項12】
前記リムはフランジを有することと、前記取っ手は容器を保管するために倒置位置にてフランジ上に置かれることとを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記係合機構は、
a)前記リムの傾斜部と、
b)取っ手上に設けられる先端部とのうち少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の容器。
【請求項14】
前記係合機構は、
a)フランジ及びリムの少なくともいずれか一方に配置される係止部と、
b)前記取っ手が起立位置に位置される場合に前記係止部に係合して取っ手の更なる運動を制限する係止係合部との少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の容器。
【請求項15】
前記取っ手が使用に際して持ち上げられた場合に、係合機構は取っ手を起立位置において取っ手が開放される場合に取っ手が倒置位置に倒れるような角度にて保持することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の容器。
【請求項16】
前記カゴ体は凹部を有するリムを有し、これにより使用時に容器の積載を可能とすることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の容器。
【請求項17】
前記カゴ体は底部と近位部とを有し、同近位部は底部に対して角度を持って傾斜されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の容器。
【請求項18】
前記カゴ体は底部に対して角度を持って傾斜される開口部を有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の容器。
【請求項19】
a)カゴ体と、
b)カゴ体に連結される取っ手とを有し、カゴ体は使用時に使用者にもたれかかる近位部を有することと、取っ手は使用時に近位部に対して略平行であることとを特徴とする容器。
【請求項20】
前記容器は請求項1乃至18のいずれか一項に記載の容器であることを特徴とする請求項19に記載の容器。
【請求項21】
カゴ体と、同カゴ体は近位部を有することと、使用時に同カゴ体は近位部を有し、使用時に同近位部はカゴが搬送される場合に使用者の近傍に位置されることと、同近位部は使用者の身体の一部に対して適合するように形状を形成されていることとを特徴とする容器。
【請求項22】
前記容器は請求項1乃至20のいずれか一項に記載の容器であることを特徴とする請求項21に記載の容器。
【請求項23】
a)情報を表示するための第1の表示パネル及び第2の表示パネルを含むカゴ体と、第1の表示パネルはカゴ体の底部に略直交する方向に指向するように構成され、第2の表示パネルはカゴ体の底部に略平行に指向するように構成されることと、
b)取っ手とを有し、同取っ手はカゴ体に取り付けられることとを特徴とする容器。
【請求項24】
前記容器は請求項1乃至22のいずれか一項に記載の容器であることを特徴とする請求項23に記載の容器。
【請求項25】
前記容器は買い物用の容器であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載の容器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−530195(P2009−530195A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500665(P2009−500665)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000346
【国際公開番号】WO2007/106940
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508285433)
【氏名又は名称原語表記】DRURY,Peter
【Fターム(参考)】