容器
【課題】
切り欠いた封止部を確実に保持でき、この切り欠いた封止部による口部の阻害を確実に防止できる構造のチューブ容器を提案する。
【解決手段】
未使用状態からリング5を取り除き、キャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させる。キャップ3に収容された中栓4の中栓刃47によって容器本体2の封止部28の一部が切り欠かれてから、容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42とが係合し、容器本体2の口部23へ中栓4の内筒部41が内嵌合され、フラップ状に切り欠かれた封止部28が中栓4にて口部23内へ押し込まれる。中栓4の中栓刃47で切り欠いた容器本体2の封止部28を中栓4にて確実に保持できる。切り欠いた封止部28による容器本体2の口部23の阻害を確実に防止できる。
切り欠いた封止部を確実に保持でき、この切り欠いた封止部による口部の阻害を確実に防止できる構造のチューブ容器を提案する。
【解決手段】
未使用状態からリング5を取り除き、キャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させる。キャップ3に収容された中栓4の中栓刃47によって容器本体2の封止部28の一部が切り欠かれてから、容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42とが係合し、容器本体2の口部23へ中栓4の内筒部41が内嵌合され、フラップ状に切り欠かれた封止部28が中栓4にて口部23内へ押し込まれる。中栓4の中栓刃47で切り欠いた容器本体2の封止部28を中栓4にて確実に保持できる。切り欠いた封止部28による容器本体2の口部23の阻害を確実に防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未使用状態で開封防止部材が用いられ開封手段を備える容器に関する。
【背景技術】
【0002】
未使用状態では、注入孔を封止状態に保ち、使用開始時に注入孔に設けられた破断可能なシールなどを開封して使用するキャップ構造を備えた容器が数多く提案されている。また、未使用状態で不用意に開封できないように不正開封防止機構を伴っているキャップ構造が多い。シール中栓を開封して使用するヒンジ付きキャップを設けた容器も提案されている。例えば、特許文献1(実公平6−3816号公報)、特許文献2(特開2001−171716号公報)、特許文献3(特表2005−533725号公報)等がある。
これらの従来例は、開封されたシールが容器内に落下して混入することや、シールの切り残りに対する配慮等は特になされていない。
特許文献1(実公平6−3816号公報)に開示された液体容器用注出栓は、キャップを回転させると、傾斜した案内部が摺接しているガイド部、すなわちそのガイド部を備える開封刃が下方に案内されて降下して、フィルムを破って注出孔を開封し、その後キャップを外すことによって、容器内の液体が注出できるようになるものであるから、開封刃によって破られたフィルムが注出孔に付着した状態となり、容器内の液体の注出を阻止してしまう等のおそれがある。
特許文献2(特開2001−171716号公報)に開示されたヒンジキャップは、中栓の外周壁とキャップ本体の内周面とにネジ部を設けて螺合させることによって、キャップ本体が中栓に上下方向に移動可能に固定され、また、キャップ本体には、その上面壁の下面より注出口へ挿入されるガイド筒を垂下させ、このガイド筒の下端縁の周方向の一部に、断面が鋭利な形状とした尖端部を設け、外装キャップを中栓に螺入する際に、この尖端部により薄膜が徐々に周方向に破断されるものであるから、破断された薄膜の基端部においては、ガイド筒の尖端部によって押え付けられるものの、この破断された薄膜の先端側については何ら押え付けられておらず保持等されないため、破断された薄膜が使用に応じて注出口側へ曲がる等して、容器内の化粧液等の内容物の注出を阻止してしまうおそれがある。
特許文献3(特表2005−533725号公報)に開示された自動オープナー密封装置は、回転キャップを開栓方向に初めて回転させた場合に、自動オープナースリーブが注ぎ口ノズル内で垂直方向下方に押されて下がった後、水平方向において、約360度にわたって回転し、自動オープナースリーブの下端部に設けられた穿孔および切断のための傾斜部材によって、フィルムまたはパッケージに確実に穴が開けられてから、円盤形がフィルムまたはパッケージからきれいに切り取られて下方に折り曲げられるものであるが、回転キャップおよび注ぎ口ノズルに加え、自動オープナースリーブを別個の独立した部材として設けなければならないため、構成が複雑であり、実用性に欠けるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−3816号公報
【特許文献2】特開2001−171716号公報
【特許文献3】特表2005−533725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、開封封止部材を取り外して容器本体にキャップを取り付けることによって、容器本体の口部の封止部の一部が開封手段にて切り欠かれて開口される構成の容器を提案する。特に、開封手段によって切り欠いた容器本体の封止部が確実に保持でき、この切り欠いた封止部による口部の阻害を確実に防止できる構造の容器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させる動作を行う構成であり、開封手段によって一部が切り欠かれた封止部が、中栓の内筒部によって保持される構成としたものである。
【0006】
本発明の主な解決手段は次のとおりである。
(1)少なくとも容器本体(A)、キャップ(B)、中栓(C)および開封防止部材(D)の4つの部材から構成された容器において、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、
容器本体(A)は、外周に雄螺旋が形成された円筒状の首部と、この首部の先端部に設けられ外周に雄ローレットが形成された口部と、この口部の端部を覆う封止部とから構成され、
キャップ(B)は、前記容器本体の首部の雄螺旋に螺合される雌螺旋と、容器本体との間に前記開封防止部材を介在させて前記雌螺旋に容器本体の雄螺旋を螺合させた状態で容器本体との間に中栓を収容させる中栓収容部とが形成され、
中栓(C)は、前記容器本体の口部に外嵌合される外嵌合部と、この外嵌合部を前記容器本体の口部に外嵌合させた状態で前記口部に内嵌合される円筒状の内筒部とを有し、容器本体の口部の雄ローレットに係合される雌ローレットが外嵌合部の内周に形成され、前記内筒部の外嵌合部側の端部には、前記容器本体の封止部の一部を切り欠いて前記口部を開口させる開封手段が設けられ、
開封防止部材(D)は、未使用状態において前記容器本体の封止部に前記中栓の開封手段が接触することを防止するスペーサとしての厚さを有し、中央部に開口部が形成されたプレート状の短円筒体であることを特徴とする容器。
(2)中栓(C)は、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、前記容器本体の封止部が中栓の開封手段によって開封され、この封止部が開封手段によって開封された位置において、前記中栓の雌ローレットが前記容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれる
ことを特徴とする(1)記載の容器。
(3)開封手段(D)は、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃であり、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって回転して、前記容器本体の口部の封止部を周方向に切り欠き、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きを完了させる
ことを特徴とする(1)または(2)記載の容器。
(4)キャップの中栓収容部の内側に収容されるパッキン(E)を有し、
前記キャップは、未使用状態では、中栓と前記パッキンとを圧接させず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態において、このキャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、前記中栓とパッキンとを圧接させる
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の容器。
(5)キャップの中栓収容部の内周に、第2の雌ローレットが設けられ、
この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットが、中栓の外周に設けられ、
これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さいものである
ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の容器。
(6)容器本体(A)は、チューブ容器である
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上述したような構成を備えることによって、以下のような本発明に特有の効果を奏するものである。
1.容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、中栓の開封手段にて容器本体の封止部の一部が切り欠かれ、容器本体の口部の雄ローレットと中栓の外嵌合部の雌ローレットとが係合して、容器本体の口部へ中栓の内筒部が内嵌合されて、切り欠かれた封止部が内筒部にて保持されるから、例えば、オープナー等の部材を別個設けることなく、開封手段にて切り欠いた容器本体の封止部を確実に保持でき、この切り欠いた封止部による口部の阻害を確実に防止できる。
2.キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させた場合に、封止部が開封手段によって開封された位置において、中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれるため、開封手段にて切り欠いた封止部がより確実に保持される。
3.キャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって切り欠き刃が回転して容器本体の封止部が周方向に切り欠かれ、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きが完了するため、この封止部が切り欠かれた後に、容器本体の口部に中栓の内筒部が内嵌合されることとなり、切り欠かれた封止部の内筒部による保持をより確実にできる。
4.未使用状態で、中栓とパッキンとが圧接されず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、キャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、中栓とパッキンとが圧接されるため、未使用状態での中栓とパッキンとの圧接によって生じ得るパッキンの変形等を防止できるから、このパッキンによる使用状態での気密性を向上できる。
5.未使用状態から開封防止部材を除いて容器本体の雄螺旋にキャップの螺旋を螺合させた際に、この容器本体の雄ローレットに中栓の雌ローレットが係合するまでにおいては、キャップの中栓収容部に収容されている中栓が、第2の雌ローレットと第2の雌ローレットとの係合によってキャップとともに確実に回転し、この中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合した後においては、これら雌ローレットと雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の第2の雌ローレットとキャップの第2の雌ローレットとの間の周方向の係合力より大きいことから、この中栓がキャップとともに回転しなくなり、これら中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットにて中栓が案内されて容器本体の口部へ嵌合されるため、中栓の開封手段にて容器本体の封止部を確実に切り欠くことができるとともに、この切り欠いた封止部を容器本体の口部内に確実に押し込むことができる。
6.容器本体の硬さ等の影響を受けにくいため、プラスチック製チューブ容器用に適している。チューブ容器は、内圧が高い状態に封入あるいは容器が外からの押圧により変形して内部圧力が高くなる。このため、注出口の封止は強度が要求される。この強度のために開封刃を用いることは困難であり、刺しピンによるピンホール状の穴の形成、あるいは開口部を別体のフィルムでシールしてパッキンを介して蓋天井面で押圧する構成などが採用されていた。粘性の高いクリームなどを収容する場合、ピンホール状の穴では注出が困難であり、フィルムシールではパッキンの変形が生じ、開封後の密閉不良が発生する等の問題がある。本発明は、未使用状態では、パッキンを圧接することなくフリーの状態を保つことができ、封止膜が容器口部の同材質で一体に形成されたチューブ容器本体に対して大きな開口径を設けることができ、クリーム状の内容物でも必要量を容易に取り出すことができるようにできたものである。なお、本発明はボトル状の容器にも適用できる。ボトル容器の場合は、容器本体の変形耐性が大きいので、封止膜の開封部分を薄くするなどの脆弱構造とすることで大開口の開封が可能であったが、本発明の適用により、脆弱構造は不要となる。また、その場合、切り刃が回転して進むだけでは、封止膜をきれいに折り曲げて流路を確保することが困難である。チューブ容器は柔らかいので回転を続けると、容器本体部がよじれ、開封刃の回転位置を規制することが困難であり、封止膜が切断されてしまうリスクがある。本発明では最初切り刃が回転して、封止膜を切り進み、切り残しを、残した状態で、切り刃が直進下降し、封止膜をしっかりと折り曲げることにより流路を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の容器を分解した断面図を示す。
【図2】実施例1の容器を分解した正面図を示す。
【図3】実施例1の容器の未使用状態での組み立て断面図を示す。
【図4】実施例1の容器の未使用状態から容器本体を外した状態の断面図を示す。
【図5】実施例1の開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
【図6】実施例1の容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の断面図を示す。
【図7】実施例1の容器本体および中栓からキャップを外した状態の断面図を示す。
【図8】実施例2の容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の概要図を示す。
【図9】実施例3の容器本体および中栓からキャップを外した状態の上面概略図を示す。
【図10】実施例4の容器を分解した断面図を示す。
【図11】実施例4の開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
【図12】実施例4の容器本体および中栓からキャップを外した状態の正面図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、少なくとも容器本体、キャップ、中栓および開封防止部材の4つの部材から構成された容器において、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、開封防止部材を取り外して容器本体にキャップを取り付けることによって、容器本体の口部の封止部の一部が開封手段にて切り欠かれて開口されるものである。容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させる動作を行うことによって、開封手段によって一部が切り欠かれた封止部が、内栓の内筒部によって保持される構成とされており、開封手段によって切り欠いた容器本体の封止部が確実に保持され、この切り欠いた封止部による口部の阻害が確実に防止される。例えば、容器本体の硬さ等の影響を受けにくいため、プラスチック製チューブ容器用として適している。
本発明の容器は、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、中栓の開封手段にて容器本体の封止部の一部が切り欠かれてから、容器本体の口部の雄ローレットと中栓の外嵌合部の雌ローレットとが係合して、容器本体の口部へ中栓の内筒部が内嵌合され、切り欠かれた封止部が内筒部にて保持される。例えば、オープナー等の部材を別個設けることなく、開封手段にて切り欠いた容器本体の封止部が確実に保持され、開封手段にて切り欠いた封止部による口部の阻害が確実に防止される。特に、容器本体の口部の封止部の一部のみを開封手段にて開封させるため、この開封手段にて封止部を切り取った場合に生じる容器本体内への封止部の混入等が防止される。
本発明の容器は、キャップ雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させた場合に、封止部の一部が開封手段によって開封された位置において、中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれるため、開封手段にて切り欠いた封止部がより確実に保持される。特に、開封手段が、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃とされていることから、キャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって切り欠き刃が回転して容器本体の封止部が周方向に切り欠かれ、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きが完了するため、この封止部が切り欠かれた後に、容器本体の口部に中栓の内筒部が内嵌合されることとなり、切り欠かれた封止部の内筒部による保持がより確実となる。
未使用状態において本発明の容器は、キャップの中栓収容部の内側に収容されたパッキンと中栓とが圧接されず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、キャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、中栓とパッキンとが圧接されるため、未使用状態での中栓とパッキンとの圧接によって生じ得るパッキンの変形等が防止され、このパッキンによる使用状態での気密性が確保される。
【0010】
本発明の容器は、キャップの中栓収容部の内周に第2の雌ローレットを設けるとともに、この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットを中栓の外周に設け、これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さいものとすることによって、未使用状態から開封防止部材を除いて容器本体の雄螺旋にキャップの螺旋を螺合させた際に、この容器本体の雄ローレットに中栓の雌ローレットが係合するまでにおいては、キャップの中栓収容部に収容されている中栓が、第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの係合によってキャップとともに確実に回転する。そして、この中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合した後においては、この中栓がキャップとともに回転しなくなり、これら中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットにて中栓が案内されて容器本体の口部へ嵌合されるため、中栓の開封手段にて容器本体の封止部が確実に切り欠かれるとともに、この切り欠いた封止部が容器本体の口部内に確実に押し込まれる。
【0011】
1.容器本体
容器本体は、対象収容物の形状や大きさに合わせて適宜決定することができる。容器本体には、内容物が収容される容器収容部が設けられている。この容器収容部の先端部に円筒状の首部が設けられ、この首部の外周に雄螺旋(雄ねじ)が形成されている。この首部の先端部に口部が設けられ、この口部の外周に雄ローレットが形成されている。口部の端部は封止部にて封止されて閉塞されている。容器本体の首部の基端側には、相対する位置に廻り止め用の廻り止め片が設けられ、キャップに対する取り付け時の廻り止めがなされる。
【0012】
2.キャップ
キャップは、容器本体の首部の雄螺旋に螺合される雌螺旋が設けられ、この雌螺旋の内側に中栓収容部が形成されている。中栓収容部は、容器本体との間に開封防止部材を介在させて雌螺旋に容器本体の雄螺旋を螺合させた状態において、この容器本体との間に中栓を収容させる。また、キャップの中栓収容部の内側には、平坦な円盤状のパッキン収容部が設けられている。このパッキン収容部は、未使用状態では、中栓とパッキンとが圧接されず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態において、キャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、中栓とパッキンとが圧接されるように構成されている。なお、このキャップの中栓収容部の内周には、第2の雌ローレットを設けることもできる。
【0013】
3.中栓
中栓は、容器本体に装着されてこの容器本体の内容物の注出口となるものであって、容器本体の口部に外嵌合される外嵌合部が設けられている。この外嵌合部内には、この外嵌合部を容器本体の口部に嵌合させた状態で、この口部に内嵌合される円筒状の内筒部が同心状に設けられ、この内筒部の外嵌合部側の端部に、容器本体の封止部の一部を切り欠いて口部を開口させる開封手段が設けられている。また、外嵌合部の内周に雌ローレットが形成され、この雌ローレットは、容器本体の口部の雄ローレットに係合可能に構成されている。開封手段は、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃である。なお、この中栓の外周には、キャップに設けられた第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットを設け、これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さくなるようにすることもできる。
【0014】
4.開封防止部材
開封防止部材は、未使用状態において容器本体の封止部に前記中栓の開封手段が接触することを防止するスペーサとしての厚さを有しており、中央部に開口部が形成されたプレート状の短円筒体である。この開封防止手段によって、パッキンをフリーにする空間を確保できる。蓋下周部に一体に設けられた開封帯の場合は、開封帯の除去に伴い切り離し痕部が残ること、この痕部は滑らかでなく肌触りが不快であることなどの問題があるが、本開封防止部材は蓋体とは別体であるので、このような不都合は無い。
【0015】
5.パッキン
パッキンは、弾性を有する円盤状の部材であって、キャップの中栓収容部の内側に設けられたパッキン収容部に収容されており、容器本体の口部を開口させた使用状態においてキャップを取り付けた状態で、容器本体の口部に連通した中栓の注出口の密閉性を確保するためのものである。なお、このパッキンが不要な場合には省略することもできる。
【0016】
6.使用方法
容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いてから、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させる。このとき、キャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって切り欠き刃が回転して容器本体の封止部の一部が周方向に切り欠かれ、この封止部が切り欠き刃によって開封された完了位置において、容器本体の口部の雄ローレットに中栓の外嵌合部の雌ローレットが係合して案内されて、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれ、容器本体の口部に中栓が取り付けられる。容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることにより、キャップの中栓収容部の内側に収容されているパッキンと中栓とが圧接される。キャップの雌螺旋と容器本体の首部の雄螺旋との螺合を解除させ、口部に中栓が取り付けられた容器本体からキャップを取り外すことにより、中栓の注出口から容器本体内の収容物を取り出すことができる状態となる。
ここで、キャップの中栓収容部の内周に第2の雌ローレットを設けるとともに、この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットを中栓の外周に設け、これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さくなるようにされている場合には、未使用状態から開封防止部材を除いて容器本体の雄螺旋にキャップの螺旋を螺合させた際に、この容器本体の雄ローレットに中栓の雌ローレットが係合するまでにおいては、キャップの中栓収容部に収容されている中栓が、キャップとともに確実に回転する。そして、この中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合した後においては、この中栓がキャップとともに回転しなくなり、これら中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットにて中栓が案内されて容器本体の口部へ嵌合される。
【実施例1】
【0017】
図1〜図7に本発明の実施例1を示す。具体的な容器の形状は、特にこれに限定されるものでは無いことはいうまでもない。
図1は、実施例1の容器を分解した断面図を示す。
図2は、容器を分解した正面図を示す。
図3は、容器の未使用状態での組み立て断面図を示す。
図4は、容器の未使用状態から容器本体を外した状態の断面図を示す。
図5は、開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
図6は、容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の断面図を示す。
図7は、容器本体および中栓からキャップを外した状態の断面図を示す。
【0018】
図1には、本実施例のチューブ容器1を分解した状態の断面が示されており、少なくとも容器本体2、キャップ3、中栓4および、開封防止部材としてのリング5の4つの部材から構成されている。図2は、このチューブ容器1の未使用状態(流通時)における、これら容器本体2、キャップ3、中栓4およびリング5を組み立てた状態の断面を示している。
容器本体2は、例えばポリエチレン(Polyethylene:PE)等のプラスチック製のチューブ容器であって、例えば高粘性の化粧用クリーム等の液状の収容物が内部に収容される容器収容部20の上端側にヘッド21が設けられている。このヘッド21は、基端側に位置する円筒状の首部22と、この首部22の先端側に同心状に連通して設けられた口部23とで構成されている。首部22の外周の先端側に雄螺旋としての雄ねじ24が形成され、この首部22の外周の基端側には、相対する方向に突出した一対の廻り止め片25が設けられている。これら廻り止め片25は、首部22の外周において周方向に180°の間隔を空けた位置に設けられ、首部22の径方向に突出している。また、首部22の内部には、容器収容部20に収容された収容物の逆流を防止するための逆止弁6が取り付けられている。なお、この逆止弁6が不要な場合には、省略してもよい。
容器本体2の口部23は、首部22より小径に形成されており、この口部23の外周の基端側に第1の雄ローレット26が形成されている。この雄ローレット26は、図2に示すように、口部23の外周において約90°間隔で所定の間隙を介して設けられており、これら間隙を空けた部分以外においては、図1における上下方向、すなわちヘッド21の軸方向に沿った溝部が等間隔に並べられて構成されている。また、この口部23の外周の先端寄りの位置には、この口部23の周方向に沿って断面凹溝状の係合凹部27が設けられている。さらに、この口部23の先端部は、肉薄な円盤状の内蓋である封止部28にて覆われて封止されており、この封止部28は、口部23に対して一体的に設けられており、この口部23の先端部をシールしている。また、この封止部28は、中央部が周縁部より肉薄に形成されて、この封止部26の先端側、すなわち表面側の中央部に断面凹状の切欠凹部29が形成されている。すなわち、この封止部28は、この封止部28の切欠凹部29の縁に沿って、この封止部28を切り欠くことによって、口部23が開封されて開口され、この切り欠かれた封止部28がフラップ状となり、この封止部28の切欠凹部29の外周に位置する肉厚な縁部29aにおいて、このフラップ状の封止部28が切り取られずに口部23の内側に折り曲げられるように構成されている。
【0019】
キャップ3は、例えばポリプロピレン(polypropylene:PP)等にて形成されており、図1に示すように、容器本体2の容器収容部20の先端側と略同様の外形寸法に形成されたキャップ本体30と、このキャップ本体30の内側に同心状に取り付けられた円筒状の筒状部31とから構成されている。キャップ本体30の先端側の開口縁には、キャップ3を容器本体2のヘッド21に取り付けた状態で、この容器本体2の容器収容部20の先端側の外周縁に嵌合して係止される嵌合部32が形成されている。次いで、筒状部31は、基端側がキャップ本体30に接続されて閉塞され、先端側が開口されており、この筒状部31の内周の先端側に、雌螺旋としての雌ねじ33が形成されている。この雌ねじ33は、容器本体2の首部22に形成されている雄ねじ24に螺合可能に設けられ、この容器本体2とキャップ3とを螺着させるためのものである。さらに、この筒状部31の先端側の開口縁には、相対する方向に突出した一対の廻り止め片34が設けられている。これら廻り止め片34は、筒状部31の内周において180°の間隔を空けた位置に設けられ、筒状部31の軸方向に突出している。すなわち、これら廻り止め片34は、筒状部31の雌ねじ33に容器本体2の雄ねじ24を螺合させて、この容器本体2のヘッド21にキャップ3が適確に取り付けられる所定位置、すなわち取付完了位置において、この容器本体2の首部22の基端縁に設けられた廻り止め片25に当接して、容器本体2に対してキャップ3を廻り止めさせるものである。
一方、筒状部31内の雌ねじ33が形成されている位置の基端側には、中栓4が収容される中栓収容部35が設けられている。この中栓収容部35は、容器本体2とキャップ3との間にリング5を介在させて、このキャップ3の雌ねじ33に容器本体2の雄ねじ24を螺合させた図3に示す状態(未使用時)で、このキャップ3の筒状部31内の容器本体2のヘッド21との間に中栓4を収容可能にさせるためのものである。そして、中栓収容部35には、筒状部31の周方向に沿った断面凸状の係止凸部36が形成されている。この係止凸部36は、中栓収容部35の内周面の先端側に設けられている。さらに、中栓収容部35の基端側には、円盤状のパッキン7を収容させるためのパッキン収容部37が設けられている。このパッキン収容部37は、パッキン7の厚さ寸法より若干大きな厚さ寸法に形成されており、中栓収容部35との間に周方向に沿って形成された係止片部38を介して中栓収容部35に同心状に連通して設けられている。
さらに、パッキン収容部37は、容器本体2のヘッド21にリング5を取り付けた状態で、この容器本体2のヘッド21の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた図3に示す未使用状態においては、このパッキン収容部37に収容させて取り付けられたパッキン7と中栓4とが圧接されず、容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除いた状態で、容器本体2のヘッド21の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた図6に示す使用状態(開封後)においては、パッキン7と中栓4とが圧接されるように構成されている。
【0020】
中栓4は、例えばABS樹脂やポアセタール(polyacetal:POM)等にて形成されており、容器本体2の口部23に外嵌合される略円環状の外嵌合部40と、この外嵌合部40を容器本体2の口部23に嵌合させた状態で、この口部23に内嵌合される円筒状の内筒部41とを有している。外嵌合部40の内周には、図1に示すように、容器本体2の口部23の雄ローレット26に係合される第1の雌ローレット42が設けられている。この雌ローレット42は、図1における上下方向、すなわち中栓4の軸方向に沿った溝部が等間隔に周方向に並べられて構成されており、容器本体2の口部23の雄ローレット26との係合によって、これら容器本体2と中栓4との間の相対的な移動を上下方向、すなわち軸方向に沿った垂直移動に案内させるためのものである。
一方、内筒部41は、外嵌合部40より小径に形成され、この内筒部41の先端側を外嵌合部40の基端側の端面から突出させた状態で、この外嵌合部40内に同心状に取り付けられている。この内筒部41は、この内筒部41の基端側の縁部が外嵌合部40の基端側の縁部より内側に位置するように設けられ、この外嵌合部40内に収容されている。さらに、この内筒部41の基端側は、容器本体2の封止部28の切欠凹部29の縁部29a間の径寸法より小さな外径寸法に形成されている。そして、この内筒部41の先端側の開口部は、中栓4を容器本体2のヘッド21に取り付けた使用状態で、この容器本体2内の収容物を注出させるための注出口43となり、この内筒部41の外嵌合部40が取り付けられている側の反対側である先端側の外周に、注出口43の外周部を構成するテーパ状の口頸部44が設けられている。この口頸部44と外嵌合部40との間には、周方向に沿った断面凹状の係止凹部45が設けられている。この係止凹部45は、口頸部44と外嵌合部40との間の外周に設けられており、中栓4をキャップ3の中栓収容部35に収容させた場合に、この中栓収容部35の係止凸部36に係止して仮止めし、この中栓4による軸方向への移動を防止するためのものである。そして、この係止凹部45の基端側に、係合段部45aが設けられ、この係合段部45aは、中栓4を容器本体2のヘッド21に取り付けた場合に、この容器本体2の係合凹部27に係合されて中栓4を容器本体2のヘッド21に固定させるものである。また、この係止凹部45には、廻り止めリブ46が設けられており、この廻り止めリブ46とキャップ3の係止凸部36との係合によって、このキャップ3の中栓収容部35に中栓4を収容させた場合における、この中栓4の周方向への回転ずれが防止されるように構成されている。
また、図1に示すように、内筒部41の基端側の端部には、容器本体2の口部23の封止部28の一部を切り欠いて、この口部23を開封して開口させるための開封手段としての中栓刃47が設けられている。この中栓刃47は、内筒部41の基端側の端部を周方向に向けて斜めに傾斜させて形成された切り欠き刃であって、未使用状態でキャップ3の中栓収容部35に中栓4が収容されている状態において、図3に示すように、正面視右側の位置が最も基端側に突出し、この位置から正面視左側の位置に向けて直線状に傾斜されて設けられている。さらに、中栓刃47の端縁部は、この中栓刃47の最も突出している先端部から基端部に向けて内周側がテーパ状に傾斜されて刃先部48が形成されている。
すなわち、中栓刃47は、図4に示すように、容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除いた状態(開封時)で、このキャップ3の雌ねじ33に容器本体2の雄ねじ24を螺合させた場合に、このキャップ3の中栓収容部35に中栓4が収容されて位置決めされた状態のまま、このキャップ3とともに中栓4が回転し、例えば30°(0.5mm)ほどキャップ3を回転させた状態で、この中栓刃47が容器本体2の口部23の封止部28に接触し、さらにこの状態から、例えば180°以上240°未満(3.1mm)ほどキャップ3を回転させた場合に、このキャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合が進行するに連れて、容器本体2の口部23の封止部28が、この封止部28の切欠凹部29の縁部29aに沿って切り欠かれていき、図5に示すように、中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合する位置において、容器本体2の口部23の封止部28の切欠凹部29の縁部29aに沿った切り欠きが完了し、この封止部28をフラップ状に切り残しできるような傾斜角度に形成されている。言い換えると、この中栓刃47の傾斜角度は、開封時において、キャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させることによって、容器本体2の口部23の封止部28を、この封止部28の切欠凹部29の縁部29aに沿って切り欠いて開封させていき、この封止部28がフラップ状に開封された位置において、中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26とが係合されるように調整されている。
さらに、切欠刃47は、開封時に、容器本体2の雄ローレット26に中栓4の雌ローレット42が係合した場合においては、これら雄ローレット26と雌ローレット42との係合によって、キャップ3の螺合に伴う中栓4の回転が規制され、容器本体2の首部23の雄ねじ24へのキャップ3の雌ねじ33の螺合が進行するに連れて、中栓4がキャップ3に押され、これら雄ローレット26と雌ローレット42とにて案内されて基端側に垂直移動していき、図6に示すように、フラップ状に切り欠かれた封止部28の口部23に連結されている切り残し部分を屈曲させて、このフラップ状の封止部28を容器本体2の口部23内へ押し込んで保持させた状態(開封終了時)とさせるものである。
【0021】
リング5は、図3に示す未使用状態において、キャップ3の中栓収容部35に収容された中栓4の中栓刃47の刃先部48の先端と容器本体2の封止部28との間に間隙を形成させ、これら中栓刃47の刃先部48の先端と封止部28とが接触することを防止するためのスペーサとしての厚さを有するプレート状の短円筒体であるリング本体50を有しており、このリング本体50の中央部に円形状の開口部51が形成されている。この開口部51は、中栓4が挿通可能な大きさに形成されており、この開口部51の基端側の縁部には、リング本体50の基端側を容器本体2のヘッド21に嵌合させた状態で、この容器本体2の廻り止め片25に当接して廻り止めさせる一対の廻り止めリブ52が設けられている。これら廻り止めリブ52は、リング本体50の基端側に向けて突出しており、開口部51の基端側の開口縁において180°の間隔を空けた位置に設けられている。また、リング本体50の先端側の開口外縁には、図3に示すように、このリング本体50の先端側をキャップ3の先端側に嵌合させた際に、このキャップ3のキャップ本体30の先端側の嵌合部32が外嵌合される被嵌合部としての嵌合段部53が設けられている。この嵌合段部53は、リング本体50の先願側の開口外縁において、この開口外縁の周方向に沿って設けられている。
【0022】
本実施例1の容器の未使用状態における係合関係について説明する。未使用状態(流通時の状態)においては、図3に示すように、キャップ3のパッキン収容部37にパッキン7が収容されており、このパッキン収容部37内において、このパッキン収容部37の係止片部38によって、パッキン7のキャップ3の先端側に位置する一側面の周縁部が係止されて保持されている。さらに、このキャップ3の中栓収容部35には、中栓4が収容されて保持されている。この中栓4は、この中栓4の先端側をキャップ3の基端側に向けて収容されており、この中栓4の係止凹部45にキャップ3の筒状部31の係止凸部36を係止させて軸方向の移動が規制されて抜け止め保持して仮止めされているとともに、この中栓4の廻り止めリブ46によるキャップ3の係止凸部36との係合によって、この中栓4の周方向の移動、すなわち回転が規制されて仮止めされている。このとき、この中栓4は、中栓刃47の先端部を、図3に示す正面視右側に向けた状態で、キャップ3の中栓収容部35内に収容されている。この状態において、中栓4の注出口43は、キャップ3のパッキン収容部37に収容させたパッキン7の一側面に接触しているものの、このパッキン7の一側面に圧接されていない状態となっている。
【0023】
また、未使用状態では、キャップ3の嵌合部32にリング5の嵌合段部53が内嵌合されて係止され、このキャップ3の先端側にリング5が取り付けられており、このリング5の開口部51に容器本体2のヘッド21が挿入され、この容器本体2の廻り止め片25がリング5の廻り止めリブ52に係止されて、この容器本体2のノズル21を覆うようにリング5を介してキャップ3が取り付けられている。このとき、図3に示すように、このキャップ3の雌ねじ33の先端側の一部、例えば軸方向の3分の1程度の部分が、容器本体2の雄ねじ24に螺合されて螺着されており、容器本体2の口部23の封止部28と、キャップ3の中栓収容部35に収容された中栓4の中栓刃47の先端部との間に、僅かな隙間を空けた状態で取り付けられている。また、容器本体2の廻り止め片25とリング5の廻り止めリブ52との係止によって、容器本体2に対するリング5の周方向の移動、すなわち回転が規制されて仮止めされている。
【0024】
本実施例1の容器の開封動作について説明する。図3に示す未使用状態のチューブ容器1のキャップ3を回転させて、このキャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合を解除させ、図4に示すように、容器本体2をキャップ3およびリング4から取り外す。この状態で、キャップ3からリング5を取り外し、このリング5が取り外されたキャップ3を容器本体2のノズル21に取り付けていく。このとき、キャップ3を回転させて、このキャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に徐々に螺合させていくと、キャップ3の中栓収容部35に中栓4が収容されて仮止めされた状態のまま、このキャップ3とともに中栓4が回転し、例えば30°ほどキャップ3を回転させることによって、この中栓4の中栓刃47が容器本体2の口部23の封止部28に接触する状態となる。
さらにこの状態から、例えば180°以上240°未満ほどキャップ3を回転させ、中栓4の中栓刃47の先端部が正面視右側に位置するまで回転させる間においては、図5に示すように、キャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合が進行するに連れ、中栓4の中栓刃47によって、封止部28の切欠凹部29の縁部29aが徐々に切り欠かれて開封されていき、最終的に、一部が切り残しされたフラップ状の封止部28となるまで切断される。
【0025】
そして、この封止部28が中栓刃47にてフラップ状に切り欠かれて開封された位置において、容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42とが係合する。この状態から、さらにキャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合を進行させると、容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42との係合によって、キャップ3の螺合の進行に伴う中栓4の回転が規制された状態で、この中栓4がキャップ3にて基端側に押され、この中栓4が雄ローレット26と雌ローレット42との係合にて案内されて基端側に垂直移動していく。このとき、容器本体2の口部23への中栓4の内筒部41の内嵌合によって、中栓4の中栓刃47の先端部にて、フラップ状に切り欠かれた封止部28の口部23に連結されている切り残し部分が基端側に押されて口部23内へと屈曲され、図6に示すように、このフラップ状の封止部28が容器本体2の口部23内へ押し込まれるとともに、この容器本体2の係合凹部27への中栓4の係合段部45aの係合によって、このフラップ状の封止部28が容器本体2の口部23内へ押し込まれた状態が保持される。この状態において、中栓4の注入口43は、キャップ3のパッキン収容部37に収容されているパッキン7の一側面に圧接された状態となり、このキャップ3のパッキン7による中栓4の注出口43の気密性を保持できる状態となる。また、容器本体2の廻り止め片25にキャップ3の廻り止め片34が係止され、このキャップ3による容器本体2への回転が廻り止めされて規制される。
この後、キャップ3を逆方向に回転させ、このキャップ3の雌ねじ33による容器本体2の雄ねじ24への螺合を解除させて、このキャップ3を中栓4および容器本体2から取り外すことによって、図7に示すように、中栓4の中栓刃47によって容器本体2の封止部28がフラップ状に切り欠かれて口部23内に押し込まれて保持され、この中栓4の注出口43から容器本体2の容器収容部20内の収容物が注出可能な使用可能状態となる。
【0026】
本実施例1は、図3に示す未使用状態のチューブ容器1の容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除き、このキャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させることにより、このキャップ3の中栓収容部35に収容させた中栓4の中栓刃47によって容器本体2の封止部28の一部が切り欠かれて開封されてから、この容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42とが係合し、容器本体2の口部23へ中栓4の内筒部41が内嵌合され、フラップ状に切り欠かれた封止部28が中栓4の内筒部41にて口部23内へ押し込まれて保持されるため、例えば、オープナー等の容器本体2の封止部28を開封させる部材を別個設けることなく、中栓4の中栓刃47にて切り欠いて開封させた容器本体2の封止部28を中栓4の内筒部41にて確実に保持でき、この切り欠いたフラップ状の封止部28による容器本体2の口部23の阻害、すなわち閉塞等を確実に防止できる。また、容器本体2の封止部28を中栓4の中栓刃47にて切り欠いて開封する構成としたことにより、容器本体2の口部23の肉厚を確保でき、この口部23の封止部28を切断する際に生じ得る口部23の膨らみを防止できる。
【0027】
また、中栓4の中栓刃47によって、容器本体2の封止部28の周方向の一部を切り残してフラップ状とし、このフラップ状の封止部28を容器本体2の口部23内へ押し込んで保持する構成としたことにより、このフラップ状の封止部28の基端側が容器本体2の口部23に連結された状態のまま、この口部23内へ押し込まれて保持されるため、この封止部28による容器本体2内への混入等を確実に防止できる。また、中栓4の中栓刃47にて容器本体2の封止部28を切り欠き、この切り欠いた封止部28を中栓4の内筒部41にて容器本体2の口部23内へ押し込んで保持させるため、この切り欠いたフラップ状の封止部28とともに中栓4の内筒部41が容器本体2の口部23に嵌合され、この容器本体2の口部23に対する中栓4の内筒部41の嵌合が強固なものとなる。
【0028】
特に、リング5を取り除いてキャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させた場合に、容器本体2の封止部28が中栓4の中栓刃47によって切り欠かれて開封された位置において、この中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合し、これら雌ローレット42と雄ローレット26との係合によって、中栓4の移動が垂直方向に案内され、フラップ状に切り欠かれた封止部28が中栓4の内筒部41にて容器本体2の口部23内へ押し込まれるため、この中栓4の中栓刃47にてフラップ状に切り欠いた封止部28をより確実に保持できる。
【0029】
またこの場合に、キャップ3の雌ねじ33による容器本体2の雄ねじ24への螺合によって中栓4の中栓刃47が回転して容器本体2の封止部28が周方向に切り欠かれ、中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合する位置において、この中栓4の中栓刃47による容器本体2の封止部28のフラップ状の切り欠きが完了するようにしたことにより、この封止部28がフラップ状に切り欠かれた後に、容器本体2の口部23に中栓4の内筒部41が内嵌合されることとなり、フラップ状に切り欠かれた封止部28の内筒部41による保持をより確実できる。
【0030】
さらに、図3に示す未使用状態においては、キャップ3の中栓収容部35に収容された中栓4と、このキャップ3のパッキン収容部37に収容されたパッキン7とが圧接されない構成とし、容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除いた図6に示す開封状態においては、キャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させた場合に、これら中栓4とパッキン7とが圧接される構成としたことにより、容器本体2の封止部28を開封した後において、中栓4とパッキン7とが初めて圧接されて締め代が付くこととなるから、未使用状態での中栓4とパッキン7との圧接によって生じ得るパッキン7の変形や癖等の発生を防止でき、このパッキン7による使用状態での気密性、すなわち密封性を向上できる。
【0031】
以上から、ある程度の大きさの封止部28を有する容器本体2であっても、この容器本体2の封止部28を確実に切り欠いて開封して口部23内に折り曲げて押し込んで保持できるため、例えば高粘性の化粧用クリーム等の内容物においても対応でき、容器本体2のヘッド21に取り付けられた中栓4の注出口43から確実に内容物を注出させることができる。
【0032】
さらに、本実施例1の容器は、容器本体2の硬さ等の影響を受けにくいため、例えばポリエチレン等の比較的柔らかい材料が用いられるプラスチック製チューブ容器用の容器本体2に適しているが、例えばポリプロピレン等の比較的硬い材料が用いられるボトル容器等の容器本体2であっても用いることができる。
【実施例2】
【0033】
実施例2について図8を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図8は、実施例2の容器の容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の概要図を示す。
【0034】
実施例2は、実施例1と大きく異なる部分は、キャップ3の筒状部31内の中栓収容部35の基端側にパッキン7が取り付けられておらず、この筒状部31内の基端側の端面31aに円環状の当接環部としてのコンタクトリング60を設けてパッキンレスの構成としたことである。このコンタクトリング60は、図8に示すように、筒状部31の端面31aから、キャップ3の先端側に向けて突出しており、断面凸状に形成されている。また、このコンタクトリング60は、中栓4の注入口43の周縁部43aにほぼ等しい大きさの円環状に形成されており、キャップ3と容器本体2との間からリング5を取り除き、この容器本体2にキャップ3を取り付けた使用状態において、このキャップ3の中栓収容部35に収容されている中栓4の流出口43の周縁部43aに圧接され、この注出口43を周方向に亘って封止するためのものである。
【0035】
前述のように、キャップ3の筒状部31の端面31aにコンタクトリング90を形成した場合には、リング5を取り外して容器本体2のヘッド21にキャップ3を取り付けた際に、この容器本体2の口部23に取り付けられた中栓4の流出口43を封止するためのパッキン7が不要になるため、キャップ3の構成が簡略化され、部品点数を少なくできるから、チューブ容器1の構成をより簡略化でき、製造性を向上できる。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるため割愛する。
【実施例3】
【0036】
実施例3について図9を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図9は、実施例3の容器の容器本体および中栓からキャップを外した状態の上面概略図を示す。
【0037】
実施例3は、実施例1と大きく異なる部分は、中栓4に廻り止め片70を設けた構成としたことである。この廻り止め片70は、実施例1の容器本体2に設けられた廻り止め片25と同様の形状に形成されており、容器本体2の口部23に中栓4を取り付けた使用状態において、この容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた場合に、このキャップ3の廻り止め片34に係止され、容器本体2に対するキャップ3の回転を規制するためのものであって、中栓4の外嵌合部40の外周に設けられている。また、この廻り止め片70は、中栓4の外嵌合部40の外周において180°の間隔を空けた位置に設けられており、この外嵌合部40の径方向に突出している。
【0038】
前述のように、中栓4の外嵌合物40の外周に廻り止め片70を設けた場合には、容器本体2の口部23に中栓4が取り付けられた使用状態において、この容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させて、このキャップ3を容器本体2のヘッド21に取り付ける際に、この中栓4の廻り止め片70がキャップ3の廻り止め片34に係止され、容器本体2に対するキャップ3の回転が規制されるため、これらキャップ3と容器本体2のノズル21との間の廻り止めを不要にでき、この容器本体2の構成を簡略化できる。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるために割愛する。
【実施例4】
【0039】
実施例4について図10〜図12を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図10は、実施例4の容器を分解した断面図を示す。
図11は、開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
図12は、容器本体および中栓からキャップを外した状態の正面図を示す。
【0040】
実施例4は、実施例1と大きく異なる部分は、キャップ3の中栓収容部35の内周に第2の雌ローレット80を設けるとともに、この雌ローレット80に係合される第2の雄ローレット81を、中栓4の口頸部44の基端側の外周に設けた構成としたことである。雌ローレット80は、図10および図11に示すように、これら図10および図11における上下方向、すなわちキャップ4の軸方向に沿った溝部が等間隔に周方向に並べられて構成されており、これら溝部は、高さおよび幅のそれぞれにおいて中栓4の雌ローレット42の溝部より小さく形成されている。また、この雌ローレット80は、キャップ3の中栓収容部35に中栓4を収容させた状態で、この中栓4の雄ローレット81に係合される。
【0041】
そして、図10〜図12に示すように、雄ローレット81もまた、中栓4の軸方向に沿った溝部が、この中栓4の口頸部44の基端側の外周に等間隔に周方向に並べられて構成されており、これら溝部もまた、高さおよび幅のそれぞれにおいて容器本体2の雄ローレット26の溝部より小さく形成されている。具体的に、これらキャップ3の雌ローレット80と中栓4の雄ローレット81とは、これら雌ローレット80と雄ローレット81との周方向における係合力(係合度合)、すなわちこれら雌ローレット80および雄ローレット81に抗して周方向に回転させる際に必要な第1の力Aが、中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26との周方向における係合力(係合度合)、すなわちこれら雌ローレット42および雄ローレット26に抗して周方向に回転させる際に必要な第2の力Bより小さくなるように構成されている。
よって、これらキャップ3の雌ローレット80と中栓4の雄ローレット81とは、未使用状態からリング5を取り外して容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた場合に、このキャップ3の中栓収容部35に収容されている中栓4が、これら雌ローレット80と雄ローレット81との係合によって、キャップ3とともに確実に中栓4を回転させるとともに、この中栓4の雌ローレット42に容器本体2の雄ローレット26が係合した後においては、この中栓4がキャップ3とともに回転しなくなり、この中栓4が雌ローレット42および雄ローレット26にて確実に案内され垂直方向に移動させるものである。
【0042】
前述のように、キャップ3の中栓収容部35の内周に雌ローレット80を設けるとともに、中栓4の口頸部44の基端側の外周に雄ローレット81を設け、これら雌ローレット80と雄ローレット81とに抗して周方向に回転させる際に必要な第1の力Aが、中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26とに抗して周方向に回転させる際に必要な第2の力Bより小さくなるように構成した場合には、未使用状態からリング5を取り外して容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた際において、この容器本体2の雄ローレット24に中栓4の雌ローレット42が係合するまでにおいては、図11に示すように、このキャップ3の中栓収容部35に収容されている中栓4が、この中栓4の雄ローレット81とキャップ3の雌ローレット80との係合によってキャップ3とともに確実に回転していく。そして、この中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合した後においては、この中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26との間の第2の力Bが、中栓4の雄ローレット81とキャップ3の雌ローレット80との間の第1の力Aより大きいことから、この中栓4がキャップ3とともに回転しない状態となり、これら中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26にて中栓4が案内されて垂直移動し、容器本体2の口部23に嵌合されて取り付けられるため、この中栓4の中栓刃47にて容器本体2の封止部28を確実に切り欠くことができるとともに、この切り欠いたフラップ状の封止部28を中栓4の内筒部41にて容器本体2の口部23内に確実に押し込むことができる。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるために割愛する。
【符号の説明】
【0043】
1 チューブ容器(容器)
2 容器本体
20 容器収容部
21 ヘッド
22 首部
23 口部
24 雄ねじ(雄螺旋)
25 廻り止め片
26 雄ローレット(第1)
27 係合凹部
28 封止部
29 切欠凹部
29a 縁部
3 キャップ
30 キャップ本体
31 筒状部
31a 端面
32 嵌合部
33 雌ねじ(雌螺旋)
34 廻り止め片
35 中栓収容部
36 係止凸部
37 パッキン収容部
38 係止片部
4 中栓
40 外嵌合部
41 内筒部
42 雌ローレット(第1)
43 注出口
43a 周縁部
44 口頸部
45 係止凹部
45a 係合段部
46 廻り止めリブ
47 中栓刃(開封手段)
48 刃先部
5 リング(開封防止部材)
50 リング本体
51 開口部
52 廻り止めリブ
53 嵌合段部
6 逆止弁
60 コンタクトリング
7 パッキン
70 廻り止め片
80 雌ローレット(第2)
81 雄ローレット(第2)
90 コンタクトリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、未使用状態で開封防止部材が用いられ開封手段を備える容器に関する。
【背景技術】
【0002】
未使用状態では、注入孔を封止状態に保ち、使用開始時に注入孔に設けられた破断可能なシールなどを開封して使用するキャップ構造を備えた容器が数多く提案されている。また、未使用状態で不用意に開封できないように不正開封防止機構を伴っているキャップ構造が多い。シール中栓を開封して使用するヒンジ付きキャップを設けた容器も提案されている。例えば、特許文献1(実公平6−3816号公報)、特許文献2(特開2001−171716号公報)、特許文献3(特表2005−533725号公報)等がある。
これらの従来例は、開封されたシールが容器内に落下して混入することや、シールの切り残りに対する配慮等は特になされていない。
特許文献1(実公平6−3816号公報)に開示された液体容器用注出栓は、キャップを回転させると、傾斜した案内部が摺接しているガイド部、すなわちそのガイド部を備える開封刃が下方に案内されて降下して、フィルムを破って注出孔を開封し、その後キャップを外すことによって、容器内の液体が注出できるようになるものであるから、開封刃によって破られたフィルムが注出孔に付着した状態となり、容器内の液体の注出を阻止してしまう等のおそれがある。
特許文献2(特開2001−171716号公報)に開示されたヒンジキャップは、中栓の外周壁とキャップ本体の内周面とにネジ部を設けて螺合させることによって、キャップ本体が中栓に上下方向に移動可能に固定され、また、キャップ本体には、その上面壁の下面より注出口へ挿入されるガイド筒を垂下させ、このガイド筒の下端縁の周方向の一部に、断面が鋭利な形状とした尖端部を設け、外装キャップを中栓に螺入する際に、この尖端部により薄膜が徐々に周方向に破断されるものであるから、破断された薄膜の基端部においては、ガイド筒の尖端部によって押え付けられるものの、この破断された薄膜の先端側については何ら押え付けられておらず保持等されないため、破断された薄膜が使用に応じて注出口側へ曲がる等して、容器内の化粧液等の内容物の注出を阻止してしまうおそれがある。
特許文献3(特表2005−533725号公報)に開示された自動オープナー密封装置は、回転キャップを開栓方向に初めて回転させた場合に、自動オープナースリーブが注ぎ口ノズル内で垂直方向下方に押されて下がった後、水平方向において、約360度にわたって回転し、自動オープナースリーブの下端部に設けられた穿孔および切断のための傾斜部材によって、フィルムまたはパッケージに確実に穴が開けられてから、円盤形がフィルムまたはパッケージからきれいに切り取られて下方に折り曲げられるものであるが、回転キャップおよび注ぎ口ノズルに加え、自動オープナースリーブを別個の独立した部材として設けなければならないため、構成が複雑であり、実用性に欠けるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−3816号公報
【特許文献2】特開2001−171716号公報
【特許文献3】特表2005−533725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、開封封止部材を取り外して容器本体にキャップを取り付けることによって、容器本体の口部の封止部の一部が開封手段にて切り欠かれて開口される構成の容器を提案する。特に、開封手段によって切り欠いた容器本体の封止部が確実に保持でき、この切り欠いた封止部による口部の阻害を確実に防止できる構造の容器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させる動作を行う構成であり、開封手段によって一部が切り欠かれた封止部が、中栓の内筒部によって保持される構成としたものである。
【0006】
本発明の主な解決手段は次のとおりである。
(1)少なくとも容器本体(A)、キャップ(B)、中栓(C)および開封防止部材(D)の4つの部材から構成された容器において、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、
容器本体(A)は、外周に雄螺旋が形成された円筒状の首部と、この首部の先端部に設けられ外周に雄ローレットが形成された口部と、この口部の端部を覆う封止部とから構成され、
キャップ(B)は、前記容器本体の首部の雄螺旋に螺合される雌螺旋と、容器本体との間に前記開封防止部材を介在させて前記雌螺旋に容器本体の雄螺旋を螺合させた状態で容器本体との間に中栓を収容させる中栓収容部とが形成され、
中栓(C)は、前記容器本体の口部に外嵌合される外嵌合部と、この外嵌合部を前記容器本体の口部に外嵌合させた状態で前記口部に内嵌合される円筒状の内筒部とを有し、容器本体の口部の雄ローレットに係合される雌ローレットが外嵌合部の内周に形成され、前記内筒部の外嵌合部側の端部には、前記容器本体の封止部の一部を切り欠いて前記口部を開口させる開封手段が設けられ、
開封防止部材(D)は、未使用状態において前記容器本体の封止部に前記中栓の開封手段が接触することを防止するスペーサとしての厚さを有し、中央部に開口部が形成されたプレート状の短円筒体であることを特徴とする容器。
(2)中栓(C)は、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、前記容器本体の封止部が中栓の開封手段によって開封され、この封止部が開封手段によって開封された位置において、前記中栓の雌ローレットが前記容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれる
ことを特徴とする(1)記載の容器。
(3)開封手段(D)は、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃であり、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって回転して、前記容器本体の口部の封止部を周方向に切り欠き、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きを完了させる
ことを特徴とする(1)または(2)記載の容器。
(4)キャップの中栓収容部の内側に収容されるパッキン(E)を有し、
前記キャップは、未使用状態では、中栓と前記パッキンとを圧接させず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態において、このキャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、前記中栓とパッキンとを圧接させる
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の容器。
(5)キャップの中栓収容部の内周に、第2の雌ローレットが設けられ、
この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットが、中栓の外周に設けられ、
これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さいものである
ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の容器。
(6)容器本体(A)は、チューブ容器である
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上述したような構成を備えることによって、以下のような本発明に特有の効果を奏するものである。
1.容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、中栓の開封手段にて容器本体の封止部の一部が切り欠かれ、容器本体の口部の雄ローレットと中栓の外嵌合部の雌ローレットとが係合して、容器本体の口部へ中栓の内筒部が内嵌合されて、切り欠かれた封止部が内筒部にて保持されるから、例えば、オープナー等の部材を別個設けることなく、開封手段にて切り欠いた容器本体の封止部を確実に保持でき、この切り欠いた封止部による口部の阻害を確実に防止できる。
2.キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させた場合に、封止部が開封手段によって開封された位置において、中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれるため、開封手段にて切り欠いた封止部がより確実に保持される。
3.キャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって切り欠き刃が回転して容器本体の封止部が周方向に切り欠かれ、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きが完了するため、この封止部が切り欠かれた後に、容器本体の口部に中栓の内筒部が内嵌合されることとなり、切り欠かれた封止部の内筒部による保持をより確実にできる。
4.未使用状態で、中栓とパッキンとが圧接されず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、キャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、中栓とパッキンとが圧接されるため、未使用状態での中栓とパッキンとの圧接によって生じ得るパッキンの変形等を防止できるから、このパッキンによる使用状態での気密性を向上できる。
5.未使用状態から開封防止部材を除いて容器本体の雄螺旋にキャップの螺旋を螺合させた際に、この容器本体の雄ローレットに中栓の雌ローレットが係合するまでにおいては、キャップの中栓収容部に収容されている中栓が、第2の雌ローレットと第2の雌ローレットとの係合によってキャップとともに確実に回転し、この中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合した後においては、これら雌ローレットと雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の第2の雌ローレットとキャップの第2の雌ローレットとの間の周方向の係合力より大きいことから、この中栓がキャップとともに回転しなくなり、これら中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットにて中栓が案内されて容器本体の口部へ嵌合されるため、中栓の開封手段にて容器本体の封止部を確実に切り欠くことができるとともに、この切り欠いた封止部を容器本体の口部内に確実に押し込むことができる。
6.容器本体の硬さ等の影響を受けにくいため、プラスチック製チューブ容器用に適している。チューブ容器は、内圧が高い状態に封入あるいは容器が外からの押圧により変形して内部圧力が高くなる。このため、注出口の封止は強度が要求される。この強度のために開封刃を用いることは困難であり、刺しピンによるピンホール状の穴の形成、あるいは開口部を別体のフィルムでシールしてパッキンを介して蓋天井面で押圧する構成などが採用されていた。粘性の高いクリームなどを収容する場合、ピンホール状の穴では注出が困難であり、フィルムシールではパッキンの変形が生じ、開封後の密閉不良が発生する等の問題がある。本発明は、未使用状態では、パッキンを圧接することなくフリーの状態を保つことができ、封止膜が容器口部の同材質で一体に形成されたチューブ容器本体に対して大きな開口径を設けることができ、クリーム状の内容物でも必要量を容易に取り出すことができるようにできたものである。なお、本発明はボトル状の容器にも適用できる。ボトル容器の場合は、容器本体の変形耐性が大きいので、封止膜の開封部分を薄くするなどの脆弱構造とすることで大開口の開封が可能であったが、本発明の適用により、脆弱構造は不要となる。また、その場合、切り刃が回転して進むだけでは、封止膜をきれいに折り曲げて流路を確保することが困難である。チューブ容器は柔らかいので回転を続けると、容器本体部がよじれ、開封刃の回転位置を規制することが困難であり、封止膜が切断されてしまうリスクがある。本発明では最初切り刃が回転して、封止膜を切り進み、切り残しを、残した状態で、切り刃が直進下降し、封止膜をしっかりと折り曲げることにより流路を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の容器を分解した断面図を示す。
【図2】実施例1の容器を分解した正面図を示す。
【図3】実施例1の容器の未使用状態での組み立て断面図を示す。
【図4】実施例1の容器の未使用状態から容器本体を外した状態の断面図を示す。
【図5】実施例1の開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
【図6】実施例1の容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の断面図を示す。
【図7】実施例1の容器本体および中栓からキャップを外した状態の断面図を示す。
【図8】実施例2の容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の概要図を示す。
【図9】実施例3の容器本体および中栓からキャップを外した状態の上面概略図を示す。
【図10】実施例4の容器を分解した断面図を示す。
【図11】実施例4の開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
【図12】実施例4の容器本体および中栓からキャップを外した状態の正面図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、少なくとも容器本体、キャップ、中栓および開封防止部材の4つの部材から構成された容器において、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、開封防止部材を取り外して容器本体にキャップを取り付けることによって、容器本体の口部の封止部の一部が開封手段にて切り欠かれて開口されるものである。容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させる動作を行うことによって、開封手段によって一部が切り欠かれた封止部が、内栓の内筒部によって保持される構成とされており、開封手段によって切り欠いた容器本体の封止部が確実に保持され、この切り欠いた封止部による口部の阻害が確実に防止される。例えば、容器本体の硬さ等の影響を受けにくいため、プラスチック製チューブ容器用として適している。
本発明の容器は、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いて、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、中栓の開封手段にて容器本体の封止部の一部が切り欠かれてから、容器本体の口部の雄ローレットと中栓の外嵌合部の雌ローレットとが係合して、容器本体の口部へ中栓の内筒部が内嵌合され、切り欠かれた封止部が内筒部にて保持される。例えば、オープナー等の部材を別個設けることなく、開封手段にて切り欠いた容器本体の封止部が確実に保持され、開封手段にて切り欠いた封止部による口部の阻害が確実に防止される。特に、容器本体の口部の封止部の一部のみを開封手段にて開封させるため、この開封手段にて封止部を切り取った場合に生じる容器本体内への封止部の混入等が防止される。
本発明の容器は、キャップ雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させた場合に、封止部の一部が開封手段によって開封された位置において、中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれるため、開封手段にて切り欠いた封止部がより確実に保持される。特に、開封手段が、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃とされていることから、キャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって切り欠き刃が回転して容器本体の封止部が周方向に切り欠かれ、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きが完了するため、この封止部が切り欠かれた後に、容器本体の口部に中栓の内筒部が内嵌合されることとなり、切り欠かれた封止部の内筒部による保持がより確実となる。
未使用状態において本発明の容器は、キャップの中栓収容部の内側に収容されたパッキンと中栓とが圧接されず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、キャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、中栓とパッキンとが圧接されるため、未使用状態での中栓とパッキンとの圧接によって生じ得るパッキンの変形等が防止され、このパッキンによる使用状態での気密性が確保される。
【0010】
本発明の容器は、キャップの中栓収容部の内周に第2の雌ローレットを設けるとともに、この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットを中栓の外周に設け、これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さいものとすることによって、未使用状態から開封防止部材を除いて容器本体の雄螺旋にキャップの螺旋を螺合させた際に、この容器本体の雄ローレットに中栓の雌ローレットが係合するまでにおいては、キャップの中栓収容部に収容されている中栓が、第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの係合によってキャップとともに確実に回転する。そして、この中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合した後においては、この中栓がキャップとともに回転しなくなり、これら中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットにて中栓が案内されて容器本体の口部へ嵌合されるため、中栓の開封手段にて容器本体の封止部が確実に切り欠かれるとともに、この切り欠いた封止部が容器本体の口部内に確実に押し込まれる。
【0011】
1.容器本体
容器本体は、対象収容物の形状や大きさに合わせて適宜決定することができる。容器本体には、内容物が収容される容器収容部が設けられている。この容器収容部の先端部に円筒状の首部が設けられ、この首部の外周に雄螺旋(雄ねじ)が形成されている。この首部の先端部に口部が設けられ、この口部の外周に雄ローレットが形成されている。口部の端部は封止部にて封止されて閉塞されている。容器本体の首部の基端側には、相対する位置に廻り止め用の廻り止め片が設けられ、キャップに対する取り付け時の廻り止めがなされる。
【0012】
2.キャップ
キャップは、容器本体の首部の雄螺旋に螺合される雌螺旋が設けられ、この雌螺旋の内側に中栓収容部が形成されている。中栓収容部は、容器本体との間に開封防止部材を介在させて雌螺旋に容器本体の雄螺旋を螺合させた状態において、この容器本体との間に中栓を収容させる。また、キャップの中栓収容部の内側には、平坦な円盤状のパッキン収容部が設けられている。このパッキン収容部は、未使用状態では、中栓とパッキンとが圧接されず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態において、キャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、中栓とパッキンとが圧接されるように構成されている。なお、このキャップの中栓収容部の内周には、第2の雌ローレットを設けることもできる。
【0013】
3.中栓
中栓は、容器本体に装着されてこの容器本体の内容物の注出口となるものであって、容器本体の口部に外嵌合される外嵌合部が設けられている。この外嵌合部内には、この外嵌合部を容器本体の口部に嵌合させた状態で、この口部に内嵌合される円筒状の内筒部が同心状に設けられ、この内筒部の外嵌合部側の端部に、容器本体の封止部の一部を切り欠いて口部を開口させる開封手段が設けられている。また、外嵌合部の内周に雌ローレットが形成され、この雌ローレットは、容器本体の口部の雄ローレットに係合可能に構成されている。開封手段は、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃である。なお、この中栓の外周には、キャップに設けられた第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットを設け、これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さくなるようにすることもできる。
【0014】
4.開封防止部材
開封防止部材は、未使用状態において容器本体の封止部に前記中栓の開封手段が接触することを防止するスペーサとしての厚さを有しており、中央部に開口部が形成されたプレート状の短円筒体である。この開封防止手段によって、パッキンをフリーにする空間を確保できる。蓋下周部に一体に設けられた開封帯の場合は、開封帯の除去に伴い切り離し痕部が残ること、この痕部は滑らかでなく肌触りが不快であることなどの問題があるが、本開封防止部材は蓋体とは別体であるので、このような不都合は無い。
【0015】
5.パッキン
パッキンは、弾性を有する円盤状の部材であって、キャップの中栓収容部の内側に設けられたパッキン収容部に収容されており、容器本体の口部を開口させた使用状態においてキャップを取り付けた状態で、容器本体の口部に連通した中栓の注出口の密閉性を確保するためのものである。なお、このパッキンが不要な場合には省略することもできる。
【0016】
6.使用方法
容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いてから、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させる。このとき、キャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって切り欠き刃が回転して容器本体の封止部の一部が周方向に切り欠かれ、この封止部が切り欠き刃によって開封された完了位置において、容器本体の口部の雄ローレットに中栓の外嵌合部の雌ローレットが係合して案内されて、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれ、容器本体の口部に中栓が取り付けられる。容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、キャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることにより、キャップの中栓収容部の内側に収容されているパッキンと中栓とが圧接される。キャップの雌螺旋と容器本体の首部の雄螺旋との螺合を解除させ、口部に中栓が取り付けられた容器本体からキャップを取り外すことにより、中栓の注出口から容器本体内の収容物を取り出すことができる状態となる。
ここで、キャップの中栓収容部の内周に第2の雌ローレットを設けるとともに、この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットを中栓の外周に設け、これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さくなるようにされている場合には、未使用状態から開封防止部材を除いて容器本体の雄螺旋にキャップの螺旋を螺合させた際に、この容器本体の雄ローレットに中栓の雌ローレットが係合するまでにおいては、キャップの中栓収容部に収容されている中栓が、キャップとともに確実に回転する。そして、この中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合した後においては、この中栓がキャップとともに回転しなくなり、これら中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットにて中栓が案内されて容器本体の口部へ嵌合される。
【実施例1】
【0017】
図1〜図7に本発明の実施例1を示す。具体的な容器の形状は、特にこれに限定されるものでは無いことはいうまでもない。
図1は、実施例1の容器を分解した断面図を示す。
図2は、容器を分解した正面図を示す。
図3は、容器の未使用状態での組み立て断面図を示す。
図4は、容器の未使用状態から容器本体を外した状態の断面図を示す。
図5は、開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
図6は、容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の断面図を示す。
図7は、容器本体および中栓からキャップを外した状態の断面図を示す。
【0018】
図1には、本実施例のチューブ容器1を分解した状態の断面が示されており、少なくとも容器本体2、キャップ3、中栓4および、開封防止部材としてのリング5の4つの部材から構成されている。図2は、このチューブ容器1の未使用状態(流通時)における、これら容器本体2、キャップ3、中栓4およびリング5を組み立てた状態の断面を示している。
容器本体2は、例えばポリエチレン(Polyethylene:PE)等のプラスチック製のチューブ容器であって、例えば高粘性の化粧用クリーム等の液状の収容物が内部に収容される容器収容部20の上端側にヘッド21が設けられている。このヘッド21は、基端側に位置する円筒状の首部22と、この首部22の先端側に同心状に連通して設けられた口部23とで構成されている。首部22の外周の先端側に雄螺旋としての雄ねじ24が形成され、この首部22の外周の基端側には、相対する方向に突出した一対の廻り止め片25が設けられている。これら廻り止め片25は、首部22の外周において周方向に180°の間隔を空けた位置に設けられ、首部22の径方向に突出している。また、首部22の内部には、容器収容部20に収容された収容物の逆流を防止するための逆止弁6が取り付けられている。なお、この逆止弁6が不要な場合には、省略してもよい。
容器本体2の口部23は、首部22より小径に形成されており、この口部23の外周の基端側に第1の雄ローレット26が形成されている。この雄ローレット26は、図2に示すように、口部23の外周において約90°間隔で所定の間隙を介して設けられており、これら間隙を空けた部分以外においては、図1における上下方向、すなわちヘッド21の軸方向に沿った溝部が等間隔に並べられて構成されている。また、この口部23の外周の先端寄りの位置には、この口部23の周方向に沿って断面凹溝状の係合凹部27が設けられている。さらに、この口部23の先端部は、肉薄な円盤状の内蓋である封止部28にて覆われて封止されており、この封止部28は、口部23に対して一体的に設けられており、この口部23の先端部をシールしている。また、この封止部28は、中央部が周縁部より肉薄に形成されて、この封止部26の先端側、すなわち表面側の中央部に断面凹状の切欠凹部29が形成されている。すなわち、この封止部28は、この封止部28の切欠凹部29の縁に沿って、この封止部28を切り欠くことによって、口部23が開封されて開口され、この切り欠かれた封止部28がフラップ状となり、この封止部28の切欠凹部29の外周に位置する肉厚な縁部29aにおいて、このフラップ状の封止部28が切り取られずに口部23の内側に折り曲げられるように構成されている。
【0019】
キャップ3は、例えばポリプロピレン(polypropylene:PP)等にて形成されており、図1に示すように、容器本体2の容器収容部20の先端側と略同様の外形寸法に形成されたキャップ本体30と、このキャップ本体30の内側に同心状に取り付けられた円筒状の筒状部31とから構成されている。キャップ本体30の先端側の開口縁には、キャップ3を容器本体2のヘッド21に取り付けた状態で、この容器本体2の容器収容部20の先端側の外周縁に嵌合して係止される嵌合部32が形成されている。次いで、筒状部31は、基端側がキャップ本体30に接続されて閉塞され、先端側が開口されており、この筒状部31の内周の先端側に、雌螺旋としての雌ねじ33が形成されている。この雌ねじ33は、容器本体2の首部22に形成されている雄ねじ24に螺合可能に設けられ、この容器本体2とキャップ3とを螺着させるためのものである。さらに、この筒状部31の先端側の開口縁には、相対する方向に突出した一対の廻り止め片34が設けられている。これら廻り止め片34は、筒状部31の内周において180°の間隔を空けた位置に設けられ、筒状部31の軸方向に突出している。すなわち、これら廻り止め片34は、筒状部31の雌ねじ33に容器本体2の雄ねじ24を螺合させて、この容器本体2のヘッド21にキャップ3が適確に取り付けられる所定位置、すなわち取付完了位置において、この容器本体2の首部22の基端縁に設けられた廻り止め片25に当接して、容器本体2に対してキャップ3を廻り止めさせるものである。
一方、筒状部31内の雌ねじ33が形成されている位置の基端側には、中栓4が収容される中栓収容部35が設けられている。この中栓収容部35は、容器本体2とキャップ3との間にリング5を介在させて、このキャップ3の雌ねじ33に容器本体2の雄ねじ24を螺合させた図3に示す状態(未使用時)で、このキャップ3の筒状部31内の容器本体2のヘッド21との間に中栓4を収容可能にさせるためのものである。そして、中栓収容部35には、筒状部31の周方向に沿った断面凸状の係止凸部36が形成されている。この係止凸部36は、中栓収容部35の内周面の先端側に設けられている。さらに、中栓収容部35の基端側には、円盤状のパッキン7を収容させるためのパッキン収容部37が設けられている。このパッキン収容部37は、パッキン7の厚さ寸法より若干大きな厚さ寸法に形成されており、中栓収容部35との間に周方向に沿って形成された係止片部38を介して中栓収容部35に同心状に連通して設けられている。
さらに、パッキン収容部37は、容器本体2のヘッド21にリング5を取り付けた状態で、この容器本体2のヘッド21の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた図3に示す未使用状態においては、このパッキン収容部37に収容させて取り付けられたパッキン7と中栓4とが圧接されず、容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除いた状態で、容器本体2のヘッド21の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた図6に示す使用状態(開封後)においては、パッキン7と中栓4とが圧接されるように構成されている。
【0020】
中栓4は、例えばABS樹脂やポアセタール(polyacetal:POM)等にて形成されており、容器本体2の口部23に外嵌合される略円環状の外嵌合部40と、この外嵌合部40を容器本体2の口部23に嵌合させた状態で、この口部23に内嵌合される円筒状の内筒部41とを有している。外嵌合部40の内周には、図1に示すように、容器本体2の口部23の雄ローレット26に係合される第1の雌ローレット42が設けられている。この雌ローレット42は、図1における上下方向、すなわち中栓4の軸方向に沿った溝部が等間隔に周方向に並べられて構成されており、容器本体2の口部23の雄ローレット26との係合によって、これら容器本体2と中栓4との間の相対的な移動を上下方向、すなわち軸方向に沿った垂直移動に案内させるためのものである。
一方、内筒部41は、外嵌合部40より小径に形成され、この内筒部41の先端側を外嵌合部40の基端側の端面から突出させた状態で、この外嵌合部40内に同心状に取り付けられている。この内筒部41は、この内筒部41の基端側の縁部が外嵌合部40の基端側の縁部より内側に位置するように設けられ、この外嵌合部40内に収容されている。さらに、この内筒部41の基端側は、容器本体2の封止部28の切欠凹部29の縁部29a間の径寸法より小さな外径寸法に形成されている。そして、この内筒部41の先端側の開口部は、中栓4を容器本体2のヘッド21に取り付けた使用状態で、この容器本体2内の収容物を注出させるための注出口43となり、この内筒部41の外嵌合部40が取り付けられている側の反対側である先端側の外周に、注出口43の外周部を構成するテーパ状の口頸部44が設けられている。この口頸部44と外嵌合部40との間には、周方向に沿った断面凹状の係止凹部45が設けられている。この係止凹部45は、口頸部44と外嵌合部40との間の外周に設けられており、中栓4をキャップ3の中栓収容部35に収容させた場合に、この中栓収容部35の係止凸部36に係止して仮止めし、この中栓4による軸方向への移動を防止するためのものである。そして、この係止凹部45の基端側に、係合段部45aが設けられ、この係合段部45aは、中栓4を容器本体2のヘッド21に取り付けた場合に、この容器本体2の係合凹部27に係合されて中栓4を容器本体2のヘッド21に固定させるものである。また、この係止凹部45には、廻り止めリブ46が設けられており、この廻り止めリブ46とキャップ3の係止凸部36との係合によって、このキャップ3の中栓収容部35に中栓4を収容させた場合における、この中栓4の周方向への回転ずれが防止されるように構成されている。
また、図1に示すように、内筒部41の基端側の端部には、容器本体2の口部23の封止部28の一部を切り欠いて、この口部23を開封して開口させるための開封手段としての中栓刃47が設けられている。この中栓刃47は、内筒部41の基端側の端部を周方向に向けて斜めに傾斜させて形成された切り欠き刃であって、未使用状態でキャップ3の中栓収容部35に中栓4が収容されている状態において、図3に示すように、正面視右側の位置が最も基端側に突出し、この位置から正面視左側の位置に向けて直線状に傾斜されて設けられている。さらに、中栓刃47の端縁部は、この中栓刃47の最も突出している先端部から基端部に向けて内周側がテーパ状に傾斜されて刃先部48が形成されている。
すなわち、中栓刃47は、図4に示すように、容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除いた状態(開封時)で、このキャップ3の雌ねじ33に容器本体2の雄ねじ24を螺合させた場合に、このキャップ3の中栓収容部35に中栓4が収容されて位置決めされた状態のまま、このキャップ3とともに中栓4が回転し、例えば30°(0.5mm)ほどキャップ3を回転させた状態で、この中栓刃47が容器本体2の口部23の封止部28に接触し、さらにこの状態から、例えば180°以上240°未満(3.1mm)ほどキャップ3を回転させた場合に、このキャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合が進行するに連れて、容器本体2の口部23の封止部28が、この封止部28の切欠凹部29の縁部29aに沿って切り欠かれていき、図5に示すように、中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合する位置において、容器本体2の口部23の封止部28の切欠凹部29の縁部29aに沿った切り欠きが完了し、この封止部28をフラップ状に切り残しできるような傾斜角度に形成されている。言い換えると、この中栓刃47の傾斜角度は、開封時において、キャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させることによって、容器本体2の口部23の封止部28を、この封止部28の切欠凹部29の縁部29aに沿って切り欠いて開封させていき、この封止部28がフラップ状に開封された位置において、中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26とが係合されるように調整されている。
さらに、切欠刃47は、開封時に、容器本体2の雄ローレット26に中栓4の雌ローレット42が係合した場合においては、これら雄ローレット26と雌ローレット42との係合によって、キャップ3の螺合に伴う中栓4の回転が規制され、容器本体2の首部23の雄ねじ24へのキャップ3の雌ねじ33の螺合が進行するに連れて、中栓4がキャップ3に押され、これら雄ローレット26と雌ローレット42とにて案内されて基端側に垂直移動していき、図6に示すように、フラップ状に切り欠かれた封止部28の口部23に連結されている切り残し部分を屈曲させて、このフラップ状の封止部28を容器本体2の口部23内へ押し込んで保持させた状態(開封終了時)とさせるものである。
【0021】
リング5は、図3に示す未使用状態において、キャップ3の中栓収容部35に収容された中栓4の中栓刃47の刃先部48の先端と容器本体2の封止部28との間に間隙を形成させ、これら中栓刃47の刃先部48の先端と封止部28とが接触することを防止するためのスペーサとしての厚さを有するプレート状の短円筒体であるリング本体50を有しており、このリング本体50の中央部に円形状の開口部51が形成されている。この開口部51は、中栓4が挿通可能な大きさに形成されており、この開口部51の基端側の縁部には、リング本体50の基端側を容器本体2のヘッド21に嵌合させた状態で、この容器本体2の廻り止め片25に当接して廻り止めさせる一対の廻り止めリブ52が設けられている。これら廻り止めリブ52は、リング本体50の基端側に向けて突出しており、開口部51の基端側の開口縁において180°の間隔を空けた位置に設けられている。また、リング本体50の先端側の開口外縁には、図3に示すように、このリング本体50の先端側をキャップ3の先端側に嵌合させた際に、このキャップ3のキャップ本体30の先端側の嵌合部32が外嵌合される被嵌合部としての嵌合段部53が設けられている。この嵌合段部53は、リング本体50の先願側の開口外縁において、この開口外縁の周方向に沿って設けられている。
【0022】
本実施例1の容器の未使用状態における係合関係について説明する。未使用状態(流通時の状態)においては、図3に示すように、キャップ3のパッキン収容部37にパッキン7が収容されており、このパッキン収容部37内において、このパッキン収容部37の係止片部38によって、パッキン7のキャップ3の先端側に位置する一側面の周縁部が係止されて保持されている。さらに、このキャップ3の中栓収容部35には、中栓4が収容されて保持されている。この中栓4は、この中栓4の先端側をキャップ3の基端側に向けて収容されており、この中栓4の係止凹部45にキャップ3の筒状部31の係止凸部36を係止させて軸方向の移動が規制されて抜け止め保持して仮止めされているとともに、この中栓4の廻り止めリブ46によるキャップ3の係止凸部36との係合によって、この中栓4の周方向の移動、すなわち回転が規制されて仮止めされている。このとき、この中栓4は、中栓刃47の先端部を、図3に示す正面視右側に向けた状態で、キャップ3の中栓収容部35内に収容されている。この状態において、中栓4の注出口43は、キャップ3のパッキン収容部37に収容させたパッキン7の一側面に接触しているものの、このパッキン7の一側面に圧接されていない状態となっている。
【0023】
また、未使用状態では、キャップ3の嵌合部32にリング5の嵌合段部53が内嵌合されて係止され、このキャップ3の先端側にリング5が取り付けられており、このリング5の開口部51に容器本体2のヘッド21が挿入され、この容器本体2の廻り止め片25がリング5の廻り止めリブ52に係止されて、この容器本体2のノズル21を覆うようにリング5を介してキャップ3が取り付けられている。このとき、図3に示すように、このキャップ3の雌ねじ33の先端側の一部、例えば軸方向の3分の1程度の部分が、容器本体2の雄ねじ24に螺合されて螺着されており、容器本体2の口部23の封止部28と、キャップ3の中栓収容部35に収容された中栓4の中栓刃47の先端部との間に、僅かな隙間を空けた状態で取り付けられている。また、容器本体2の廻り止め片25とリング5の廻り止めリブ52との係止によって、容器本体2に対するリング5の周方向の移動、すなわち回転が規制されて仮止めされている。
【0024】
本実施例1の容器の開封動作について説明する。図3に示す未使用状態のチューブ容器1のキャップ3を回転させて、このキャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合を解除させ、図4に示すように、容器本体2をキャップ3およびリング4から取り外す。この状態で、キャップ3からリング5を取り外し、このリング5が取り外されたキャップ3を容器本体2のノズル21に取り付けていく。このとき、キャップ3を回転させて、このキャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に徐々に螺合させていくと、キャップ3の中栓収容部35に中栓4が収容されて仮止めされた状態のまま、このキャップ3とともに中栓4が回転し、例えば30°ほどキャップ3を回転させることによって、この中栓4の中栓刃47が容器本体2の口部23の封止部28に接触する状態となる。
さらにこの状態から、例えば180°以上240°未満ほどキャップ3を回転させ、中栓4の中栓刃47の先端部が正面視右側に位置するまで回転させる間においては、図5に示すように、キャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合が進行するに連れ、中栓4の中栓刃47によって、封止部28の切欠凹部29の縁部29aが徐々に切り欠かれて開封されていき、最終的に、一部が切り残しされたフラップ状の封止部28となるまで切断される。
【0025】
そして、この封止部28が中栓刃47にてフラップ状に切り欠かれて開封された位置において、容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42とが係合する。この状態から、さらにキャップ3の雌ねじ33と容器本体2の雄ねじ24との螺合を進行させると、容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42との係合によって、キャップ3の螺合の進行に伴う中栓4の回転が規制された状態で、この中栓4がキャップ3にて基端側に押され、この中栓4が雄ローレット26と雌ローレット42との係合にて案内されて基端側に垂直移動していく。このとき、容器本体2の口部23への中栓4の内筒部41の内嵌合によって、中栓4の中栓刃47の先端部にて、フラップ状に切り欠かれた封止部28の口部23に連結されている切り残し部分が基端側に押されて口部23内へと屈曲され、図6に示すように、このフラップ状の封止部28が容器本体2の口部23内へ押し込まれるとともに、この容器本体2の係合凹部27への中栓4の係合段部45aの係合によって、このフラップ状の封止部28が容器本体2の口部23内へ押し込まれた状態が保持される。この状態において、中栓4の注入口43は、キャップ3のパッキン収容部37に収容されているパッキン7の一側面に圧接された状態となり、このキャップ3のパッキン7による中栓4の注出口43の気密性を保持できる状態となる。また、容器本体2の廻り止め片25にキャップ3の廻り止め片34が係止され、このキャップ3による容器本体2への回転が廻り止めされて規制される。
この後、キャップ3を逆方向に回転させ、このキャップ3の雌ねじ33による容器本体2の雄ねじ24への螺合を解除させて、このキャップ3を中栓4および容器本体2から取り外すことによって、図7に示すように、中栓4の中栓刃47によって容器本体2の封止部28がフラップ状に切り欠かれて口部23内に押し込まれて保持され、この中栓4の注出口43から容器本体2の容器収容部20内の収容物が注出可能な使用可能状態となる。
【0026】
本実施例1は、図3に示す未使用状態のチューブ容器1の容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除き、このキャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させることにより、このキャップ3の中栓収容部35に収容させた中栓4の中栓刃47によって容器本体2の封止部28の一部が切り欠かれて開封されてから、この容器本体2の雄ローレット26と中栓4の雌ローレット42とが係合し、容器本体2の口部23へ中栓4の内筒部41が内嵌合され、フラップ状に切り欠かれた封止部28が中栓4の内筒部41にて口部23内へ押し込まれて保持されるため、例えば、オープナー等の容器本体2の封止部28を開封させる部材を別個設けることなく、中栓4の中栓刃47にて切り欠いて開封させた容器本体2の封止部28を中栓4の内筒部41にて確実に保持でき、この切り欠いたフラップ状の封止部28による容器本体2の口部23の阻害、すなわち閉塞等を確実に防止できる。また、容器本体2の封止部28を中栓4の中栓刃47にて切り欠いて開封する構成としたことにより、容器本体2の口部23の肉厚を確保でき、この口部23の封止部28を切断する際に生じ得る口部23の膨らみを防止できる。
【0027】
また、中栓4の中栓刃47によって、容器本体2の封止部28の周方向の一部を切り残してフラップ状とし、このフラップ状の封止部28を容器本体2の口部23内へ押し込んで保持する構成としたことにより、このフラップ状の封止部28の基端側が容器本体2の口部23に連結された状態のまま、この口部23内へ押し込まれて保持されるため、この封止部28による容器本体2内への混入等を確実に防止できる。また、中栓4の中栓刃47にて容器本体2の封止部28を切り欠き、この切り欠いた封止部28を中栓4の内筒部41にて容器本体2の口部23内へ押し込んで保持させるため、この切り欠いたフラップ状の封止部28とともに中栓4の内筒部41が容器本体2の口部23に嵌合され、この容器本体2の口部23に対する中栓4の内筒部41の嵌合が強固なものとなる。
【0028】
特に、リング5を取り除いてキャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させた場合に、容器本体2の封止部28が中栓4の中栓刃47によって切り欠かれて開封された位置において、この中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合し、これら雌ローレット42と雄ローレット26との係合によって、中栓4の移動が垂直方向に案内され、フラップ状に切り欠かれた封止部28が中栓4の内筒部41にて容器本体2の口部23内へ押し込まれるため、この中栓4の中栓刃47にてフラップ状に切り欠いた封止部28をより確実に保持できる。
【0029】
またこの場合に、キャップ3の雌ねじ33による容器本体2の雄ねじ24への螺合によって中栓4の中栓刃47が回転して容器本体2の封止部28が周方向に切り欠かれ、中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合する位置において、この中栓4の中栓刃47による容器本体2の封止部28のフラップ状の切り欠きが完了するようにしたことにより、この封止部28がフラップ状に切り欠かれた後に、容器本体2の口部23に中栓4の内筒部41が内嵌合されることとなり、フラップ状に切り欠かれた封止部28の内筒部41による保持をより確実できる。
【0030】
さらに、図3に示す未使用状態においては、キャップ3の中栓収容部35に収容された中栓4と、このキャップ3のパッキン収容部37に収容されたパッキン7とが圧接されない構成とし、容器本体2とキャップ3との間からリング5を取り除いた図6に示す開封状態においては、キャップ3の雌ねじ33を容器本体2の雄ねじ24に螺合させた場合に、これら中栓4とパッキン7とが圧接される構成としたことにより、容器本体2の封止部28を開封した後において、中栓4とパッキン7とが初めて圧接されて締め代が付くこととなるから、未使用状態での中栓4とパッキン7との圧接によって生じ得るパッキン7の変形や癖等の発生を防止でき、このパッキン7による使用状態での気密性、すなわち密封性を向上できる。
【0031】
以上から、ある程度の大きさの封止部28を有する容器本体2であっても、この容器本体2の封止部28を確実に切り欠いて開封して口部23内に折り曲げて押し込んで保持できるため、例えば高粘性の化粧用クリーム等の内容物においても対応でき、容器本体2のヘッド21に取り付けられた中栓4の注出口43から確実に内容物を注出させることができる。
【0032】
さらに、本実施例1の容器は、容器本体2の硬さ等の影響を受けにくいため、例えばポリエチレン等の比較的柔らかい材料が用いられるプラスチック製チューブ容器用の容器本体2に適しているが、例えばポリプロピレン等の比較的硬い材料が用いられるボトル容器等の容器本体2であっても用いることができる。
【実施例2】
【0033】
実施例2について図8を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図8は、実施例2の容器の容器本体の封止部を開封して中栓を取り付けた状態の概要図を示す。
【0034】
実施例2は、実施例1と大きく異なる部分は、キャップ3の筒状部31内の中栓収容部35の基端側にパッキン7が取り付けられておらず、この筒状部31内の基端側の端面31aに円環状の当接環部としてのコンタクトリング60を設けてパッキンレスの構成としたことである。このコンタクトリング60は、図8に示すように、筒状部31の端面31aから、キャップ3の先端側に向けて突出しており、断面凸状に形成されている。また、このコンタクトリング60は、中栓4の注入口43の周縁部43aにほぼ等しい大きさの円環状に形成されており、キャップ3と容器本体2との間からリング5を取り除き、この容器本体2にキャップ3を取り付けた使用状態において、このキャップ3の中栓収容部35に収容されている中栓4の流出口43の周縁部43aに圧接され、この注出口43を周方向に亘って封止するためのものである。
【0035】
前述のように、キャップ3の筒状部31の端面31aにコンタクトリング90を形成した場合には、リング5を取り外して容器本体2のヘッド21にキャップ3を取り付けた際に、この容器本体2の口部23に取り付けられた中栓4の流出口43を封止するためのパッキン7が不要になるため、キャップ3の構成が簡略化され、部品点数を少なくできるから、チューブ容器1の構成をより簡略化でき、製造性を向上できる。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるため割愛する。
【実施例3】
【0036】
実施例3について図9を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図9は、実施例3の容器の容器本体および中栓からキャップを外した状態の上面概略図を示す。
【0037】
実施例3は、実施例1と大きく異なる部分は、中栓4に廻り止め片70を設けた構成としたことである。この廻り止め片70は、実施例1の容器本体2に設けられた廻り止め片25と同様の形状に形成されており、容器本体2の口部23に中栓4を取り付けた使用状態において、この容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた場合に、このキャップ3の廻り止め片34に係止され、容器本体2に対するキャップ3の回転を規制するためのものであって、中栓4の外嵌合部40の外周に設けられている。また、この廻り止め片70は、中栓4の外嵌合部40の外周において180°の間隔を空けた位置に設けられており、この外嵌合部40の径方向に突出している。
【0038】
前述のように、中栓4の外嵌合物40の外周に廻り止め片70を設けた場合には、容器本体2の口部23に中栓4が取り付けられた使用状態において、この容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させて、このキャップ3を容器本体2のヘッド21に取り付ける際に、この中栓4の廻り止め片70がキャップ3の廻り止め片34に係止され、容器本体2に対するキャップ3の回転が規制されるため、これらキャップ3と容器本体2のノズル21との間の廻り止めを不要にでき、この容器本体2の構成を簡略化できる。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるために割愛する。
【実施例4】
【0039】
実施例4について図10〜図12を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図10は、実施例4の容器を分解した断面図を示す。
図11は、開封防止部材を除いた状態で容器本体にキャップを螺合させている状態の断面図を示す。
図12は、容器本体および中栓からキャップを外した状態の正面図を示す。
【0040】
実施例4は、実施例1と大きく異なる部分は、キャップ3の中栓収容部35の内周に第2の雌ローレット80を設けるとともに、この雌ローレット80に係合される第2の雄ローレット81を、中栓4の口頸部44の基端側の外周に設けた構成としたことである。雌ローレット80は、図10および図11に示すように、これら図10および図11における上下方向、すなわちキャップ4の軸方向に沿った溝部が等間隔に周方向に並べられて構成されており、これら溝部は、高さおよび幅のそれぞれにおいて中栓4の雌ローレット42の溝部より小さく形成されている。また、この雌ローレット80は、キャップ3の中栓収容部35に中栓4を収容させた状態で、この中栓4の雄ローレット81に係合される。
【0041】
そして、図10〜図12に示すように、雄ローレット81もまた、中栓4の軸方向に沿った溝部が、この中栓4の口頸部44の基端側の外周に等間隔に周方向に並べられて構成されており、これら溝部もまた、高さおよび幅のそれぞれにおいて容器本体2の雄ローレット26の溝部より小さく形成されている。具体的に、これらキャップ3の雌ローレット80と中栓4の雄ローレット81とは、これら雌ローレット80と雄ローレット81との周方向における係合力(係合度合)、すなわちこれら雌ローレット80および雄ローレット81に抗して周方向に回転させる際に必要な第1の力Aが、中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26との周方向における係合力(係合度合)、すなわちこれら雌ローレット42および雄ローレット26に抗して周方向に回転させる際に必要な第2の力Bより小さくなるように構成されている。
よって、これらキャップ3の雌ローレット80と中栓4の雄ローレット81とは、未使用状態からリング5を取り外して容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた場合に、このキャップ3の中栓収容部35に収容されている中栓4が、これら雌ローレット80と雄ローレット81との係合によって、キャップ3とともに確実に中栓4を回転させるとともに、この中栓4の雌ローレット42に容器本体2の雄ローレット26が係合した後においては、この中栓4がキャップ3とともに回転しなくなり、この中栓4が雌ローレット42および雄ローレット26にて確実に案内され垂直方向に移動させるものである。
【0042】
前述のように、キャップ3の中栓収容部35の内周に雌ローレット80を設けるとともに、中栓4の口頸部44の基端側の外周に雄ローレット81を設け、これら雌ローレット80と雄ローレット81とに抗して周方向に回転させる際に必要な第1の力Aが、中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26とに抗して周方向に回転させる際に必要な第2の力Bより小さくなるように構成した場合には、未使用状態からリング5を取り外して容器本体2の雄ねじ24にキャップ3の雌ねじ33を螺合させた際において、この容器本体2の雄ローレット24に中栓4の雌ローレット42が係合するまでにおいては、図11に示すように、このキャップ3の中栓収容部35に収容されている中栓4が、この中栓4の雄ローレット81とキャップ3の雌ローレット80との係合によってキャップ3とともに確実に回転していく。そして、この中栓4の雌ローレット42が容器本体2の雄ローレット26に係合した後においては、この中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26との間の第2の力Bが、中栓4の雄ローレット81とキャップ3の雌ローレット80との間の第1の力Aより大きいことから、この中栓4がキャップ3とともに回転しない状態となり、これら中栓4の雌ローレット42と容器本体2の雄ローレット26にて中栓4が案内されて垂直移動し、容器本体2の口部23に嵌合されて取り付けられるため、この中栓4の中栓刃47にて容器本体2の封止部28を確実に切り欠くことができるとともに、この切り欠いたフラップ状の封止部28を中栓4の内筒部41にて容器本体2の口部23内に確実に押し込むことができる。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるために割愛する。
【符号の説明】
【0043】
1 チューブ容器(容器)
2 容器本体
20 容器収容部
21 ヘッド
22 首部
23 口部
24 雄ねじ(雄螺旋)
25 廻り止め片
26 雄ローレット(第1)
27 係合凹部
28 封止部
29 切欠凹部
29a 縁部
3 キャップ
30 キャップ本体
31 筒状部
31a 端面
32 嵌合部
33 雌ねじ(雌螺旋)
34 廻り止め片
35 中栓収容部
36 係止凸部
37 パッキン収容部
38 係止片部
4 中栓
40 外嵌合部
41 内筒部
42 雌ローレット(第1)
43 注出口
43a 周縁部
44 口頸部
45 係止凹部
45a 係合段部
46 廻り止めリブ
47 中栓刃(開封手段)
48 刃先部
5 リング(開封防止部材)
50 リング本体
51 開口部
52 廻り止めリブ
53 嵌合段部
6 逆止弁
60 コンタクトリング
7 パッキン
70 廻り止め片
80 雌ローレット(第2)
81 雄ローレット(第2)
90 コンタクトリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも容器本体(A)、キャップ(B)、中栓(C)および開封防止部材(D)の4つの部材から構成された容器において、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、
容器本体(A)は、外周に雄螺旋が形成された円筒状の首部と、この首部の先端部に設けられ外周に雄ローレットが形成された口部と、この口部の端部を覆う封止部とから構成され、
キャップ(B)は、前記容器本体の首部の雄螺旋に螺合される雌螺旋と、容器本体との間に前記開封防止部材を介在させて前記雌螺旋に容器本体の雄螺旋を螺合させた状態で容器本体との間に中栓を収容させる中栓収容部とが形成され、
中栓(C)は、前記容器本体の口部に外嵌合される外嵌合部と、この外嵌合部を前記容器本体の口部に外嵌合させた状態で前記口部に内嵌合される円筒状の内筒部とを有し、容器本体の口部の雄ローレットに係合される雌ローレットが外嵌合部の内周に形成され、前記内筒部の外嵌合部側の端部には、前記容器本体の封止部の一部を切り欠いて前記口部を開口させる開封手段が設けられ、
開封防止部材(D)は、未使用状態において前記容器本体の封止部に前記中栓の開封手段が接触することを防止するスペーサとしての厚さを有し、中央部に開口部が形成されたプレート状の短円筒体であることを特徴とする容器。
【請求項2】
中栓(C)は、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、前記容器本体の封止部が中栓の開封手段によって接続片が残された状態で開封され、この封止部が開封手段によって開封された位置において、前記中栓の雌ローレットが前記容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれる
ことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
開封手段(D)は、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃であり、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって回転して、前記容器本体の口部の封止部を周方向に切り欠き、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きを完了させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器。
【請求項4】
キャップの中栓収容部の内側に収容されるパッキン(E)を有し、
前記キャップは、未使用状態では、中栓と前記パッキンとを圧接せず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態において、このキャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、前記中栓とパッキンとを圧接させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
キャップの中栓収容部の内周に、第2の雌ローレットが設けられ、
この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットが、中栓の外周に設けられ、
これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さいものである
ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の容器。
【請求項6】
容器本体(A)は、チューブ容器である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器。
【請求項1】
少なくとも容器本体(A)、キャップ(B)、中栓(C)および開封防止部材(D)の4つの部材から構成された容器において、未使用状態ではキャップに中栓が取り付けられ、開封防止部材を介して容器本体に螺着されている構成の容器であって、
容器本体(A)は、外周に雄螺旋が形成された円筒状の首部と、この首部の先端部に設けられ外周に雄ローレットが形成された口部と、この口部の端部を覆う封止部とから構成され、
キャップ(B)は、前記容器本体の首部の雄螺旋に螺合される雌螺旋と、容器本体との間に前記開封防止部材を介在させて前記雌螺旋に容器本体の雄螺旋を螺合させた状態で容器本体との間に中栓を収容させる中栓収容部とが形成され、
中栓(C)は、前記容器本体の口部に外嵌合される外嵌合部と、この外嵌合部を前記容器本体の口部に外嵌合させた状態で前記口部に内嵌合される円筒状の内筒部とを有し、容器本体の口部の雄ローレットに係合される雌ローレットが外嵌合部の内周に形成され、前記内筒部の外嵌合部側の端部には、前記容器本体の封止部の一部を切り欠いて前記口部を開口させる開封手段が設けられ、
開封防止部材(D)は、未使用状態において前記容器本体の封止部に前記中栓の開封手段が接触することを防止するスペーサとしての厚さを有し、中央部に開口部が形成されたプレート状の短円筒体であることを特徴とする容器。
【請求項2】
中栓(C)は、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋を容器本体の首部の雄螺旋に螺合させることによって、前記容器本体の封止部が中栓の開封手段によって接続片が残された状態で開封され、この封止部が開封手段によって開封された位置において、前記中栓の雌ローレットが前記容器本体の雄ローレットに係合して案内され、開封されてフラップ状となった封止部が中栓の内筒部によって口部内へ押し込まれる
ことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
開封手段(D)は、内筒部の端部を傾斜させて形成された切り欠き刃であり、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態で、このキャップの雌螺旋による容器本体の首部の雄螺旋への螺合によって回転して、前記容器本体の口部の封止部を周方向に切り欠き、少なくとも中栓の雌ローレットが容器本体の雄ローレットに係合する位置において、容器本体の口部の封止部の切り欠きを完了させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器。
【請求項4】
キャップの中栓収容部の内側に収容されるパッキン(E)を有し、
前記キャップは、未使用状態では、中栓と前記パッキンとを圧接せず、容器本体とキャップとの間から開封防止部材を除いた状態において、このキャップの雌螺旋を容器本体の雄螺旋に螺合させた場合に、前記中栓とパッキンとを圧接させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
キャップの中栓収容部の内周に、第2の雌ローレットが設けられ、
この第2の雌ローレットに係合される第2の雄ローレットが、中栓の外周に設けられ、
これら第2の雌ローレットと第2の雄ローレットとの間の周方向の係合力が、中栓の雌ローレットと容器本体の雄ローレットとの間の周方向の係合力より小さいものである
ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の容器。
【請求項6】
容器本体(A)は、チューブ容器である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−162197(P2011−162197A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23345(P2010−23345)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(593106918)株式会社ファンケル (310)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(593106918)株式会社ファンケル (310)
【Fターム(参考)】
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