説明

容積型機械の複数シリンダの作動状態の弁別測定方法及び測定装置

【課題】 使用するセンサ数を少なくすることができ、信号処理についても装置の負担を軽減し、高速な処理が可能で自動用オンボード制御パネル等にも使用することができる複数シリンダの作動状態の弁別測定技術を提供すること。
【解決手段】 運転状態にある容積型機械における複数のシリンダを含むシリンダ構造物2の挙動を検出する挙動センサ7をシリンダ内の燃焼ガスとは非接触に前記シリンダ構造物2に取り付け、前記センサからの信号から弁別手段によりそれぞれのシリンダに対応したシリンダ毎の個別の信号を弁別し、前記個別の信号を用いてそれぞれのシリンダの作動状態を表わす信号を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は容積型機械の複数シリンダの作動状態を弁別して測定する測定方法に関するもので、特に各筒内圧を簡易的に計測する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体技術の飛躍的な発展に伴い、自動車用エンジンのコンピュータ制御が広く行われるようになっている。このようなコンピュータ制御の一つの目的は燃費効率を改善することにあり、そのためにはエンジンを稀薄限界になるべく近い状態で運転することが必要である。
【0003】
しかし、そのようなエンジン制御を行おうとするとき、制御目標である稀薄限界そのものが回転速度、負荷、大気状態などによって大きく左右されるため、制御が困難であるという問題がある。また、稀薄限界を超えると、燃焼変動や失火の増加によってドライバビリティや排気特性が急激に変化することも大きな問題である。したがって、従来のような空燃比のみに着目したエンジン制御では制御目標を稀薄限界よりも過濃側に設定しており、理想的な制御は行われていないことが多い。
【0004】
このため、ドライバビリティや排気特性をある水準に保ちながら、稀薄域での制御精度を上げるためには、エンジンの燃焼状態を直接示す、図示平均有効圧IMEPをエンジン制御情報として用いることができるようになれば有益であり、かつ望まれる。
【0005】
この図示平均有効圧IMEPは、Pをシリンダの筒内圧、Vをその容積、Vsを行程容積として以下のように定義される。
IMEP=(1/Vs)∫Pdv (1)
従来この筒内圧Pを計測するためには、複数シリンダの各シリンダ毎にシリンダ内に圧力センサを取り付けて計測を行うのが一般的であり、精度が得られない。この圧力センサはシリンダ構造物(シリンダブロックとシリンダヘッドの集合体をいう。この明細書において同じ)のシリンダヘッドに取り付けられ、シリンダ内に差し込まれて、燃焼ガスと接触状態に置かれる。
【0006】
また、IMEPは式(1)を離散化した式(2)により算出されている。
【0007】
【数1】


ここに、P(j)、V(j)は1サイクル間で等間隔にn個サンプリングされた、基準としたクランク角から数えてj番目の圧力と容積をそれぞれ表わす。
【0008】
前述の通り、従来一般に筒内圧力は圧力センサにより検知されるが、圧力センサを取り付けるシリンダヘッドはシリンダ毎に吸気弁、排気弁、プラグなどが多数取り付けられていて、複雑な構造になっているので、空間取合の点から特に多シリンダエンジンの場合は圧力センサをシリンダヘッドに取り付けるのは困難である。
【0009】
そこで、多シリンダエンジンにおいて圧力センサの数を減らすための工夫が開発されている(特許文献1、2参照)。
【0010】
これらの従来の技術は多シリンダエンジンにおいて、標準シリンダの筒内圧を圧力センサで測定し、これにシリンダ圧のクランク角の相対関係を利用して、他のシリンダの状態を決定するものである。
【0011】
しかしここで測定される信号は筒内圧センサを使用しているので、シリンダにそれを取り付けことの問題点は解決していない。
【0012】
一方圧力センサによりシリンダ内の作動状態を直接に測定するのではなく、シリンダ構造物の外側に力センサなどのシリンダ構造物の挙動を検出するセンサを取り付け、そのセンサからの行程サイクルに関連した信号を検出し前記信号を用いてシリンダの作動状態を間接的に測定する技術が開発されてきた(特許文献3、4参照)。
【0013】
従来技術を示す図7はシリンダ構造物に外付けした力センサからの信号によって導出したEquivalent(IMEP)forceとシリンダ内の圧力センサからの信号によって導出したIMEP(IMEP)との関係を示したグラフであるが両者が良好に相関(比例)していることが分かる。
【0014】
しかしながら、従来技術においては、シリンダ構造物に複数のシリンダが含まれる多シリンダエンジンとなっているため、各シリンダ毎に外付けのセンサで測定するのはセンサの数が多くなるし、信号処理についても演算装置の負担が大きくなって、速度も遅くなってオンボード制御装置などには適用が難しい場合もある。このようなことからより簡便に複数シリンダの作動状態を個別に測定することができる技術の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−138293号公報
【特許文献2】特開2008−138681号公報
【特許文献3】特公平8−20339号公報
【特許文献4】特開2005−133694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
この発明は、上記の如き問題点を解決するためになされたものであって、使用するセンサ数を少なくすることができ、信号処理についても装置の負担を軽減し、高速な処理が可能で自動用オンボード制御パネル等にも使用することができる複数シリンダの作動状態の弁別測定技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明の容積型機械の複数シリンダの作動状態の弁別測定方法は、運転状態にある容積型機械における複数のシリンダを含むシリンダ構造物の挙動を検出する挙動センサをシリンダ内の燃焼ガスとは非接触に前記シリンダ構造物に取り付け、前記センサからの信号から弁別手段によりそれぞれのシリンダに対応したシリンダ毎の個別の信号を弁別し、前記個別の信号を用いてそれぞれのシリンダの作動状態を表わす信号を導出することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、運転状態にある容積型機械における複数のシリンダを含むシリンダ構造物の挙動を検出する挙動センサを、シリンダ内の燃焼ガスとは非接触に、シリンダの数よりも少ない数、前記シリンダ構造物に取り付け、前記センサの信号から弁別手段により、それぞれのシリンダに対応したシリンダ毎の個別の信号を弁別し、前記個別の信号を用いてそれぞれのシリンダの作動状態を表わす信号を導出するようにしたので、取り付けたセンサの数以上のシリンダの作動状態を個別に導出することができる。
【0019】
また、弁別手段として、個別のシリンダの燃焼のTDC(上死点)を基準とするゲート幅の中で、センサからの信号をサンプリングするようにすれば、信号のシリンダ毎の弁別が容易である。
【0020】
さらにまた、作動状態を表わす信号として、シリンダの筒内圧瞬時値又は図示平均有効圧を用いれば、シリンダ毎の制御が容易になる。しかもこの場合の装置の構成も簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】構造物上のセンサの位置を示す平面説明図。
【図2】シリンダ構造物上のセンサによって検出される信号を示すグラフ。
【図3】信号処理装置を示すブロック図。
【図4】個別信号処理装置を示すブロック図。
【図5】IMEP0(No.2Cyl)とIMEPstrain(No.3Cyl−NB5)との相関を示すグラフ。
【図6】エンジンの仕様を示す表。
【図7】Equivalent(IMEP)forceと(IMEP)0の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の一実施の形態を図面をもって詳細に説明する。
【0023】
シリンダ構造物2上のセンサの位置を示す図1には容積型機械の複数のシリンダを含むシリンダ構造物2の1例として、3シリンダ中速ディーゼル機関のシリンダブロック3が示されている。このシリンダブロック3には第1シリンダ4、第2シリンダ5、第3シリンダ6の3個のシリンダが設けられている。
【0024】
この機関が運転状態にあるときは、3つのシリンダ4、5、6の作動状態によって、シリンダ構造物2に振動、歪、変形などの挙動が生ずるが、挙動検出センサの出力信号を複数のシリンダについて共通に使って、複数のシリンダのそれぞれについて個別のシリンダの作動状態を表わす信号を導出するようにしている。この実施例では測定の対象は第2シリンダ5と第3シリンダ6の2つのシリンダである。シリンダ構造物2を構成するシリンダブロック3にはシリンダ構造物2の挙動を検出する挙動センサ7が外付けられている。シリンダ構造物2に生ずる挙動の種類としては、例えば力の変化、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間のガスケットの隙間の変化、シリンダ構造物に作用する加速度の変化及びシリンダ構造物の変形があり、それぞれの検出対象に対応して力を検出するための力センサがシリンダブロック又はガスケット隙間、特に好ましくはシリンダブロックとシリンダヘッドとを締着するボルトに取り付けられ、ガスケットの隙間を検出するためのギャップセンサがガスケットの隙間に取り付けられ、加速度を検出するための加速度センサがシリンダブロックに取り付けられ、シリンダブロックの変形を検出するためにギャップセンサがシリンダブロックに取り付けられ、シリンダヘッドに作用する加速度を検出するために加速度センサがシリンダヘッドに取り付けられるようにしている。それぞれのセンサは単独で使用され、又は他のセンサと組み合わせて使用され、また必要に応じて選択して使用される。なお挙動センサ7の取り付け位置は、図1に示すものに限られない。
【0025】
挙動センサ7はシリンダ構造物2の挙動、すなわちシリンダ構造物2に作用する力、ギャップ、加速度又はシリンダ構造物の変形を検出する。エンジンの1サイクルの吸入、圧縮、爆発、排気の4行程において、シリンダ構造物2における力、ギャップ、加速度及び変形は、筒内圧と相関を持つので挙動センサ7の信号を元信号として後述する個別信号処理装置10A、10B、10C…で処理して行程サイクルに関連した信号を得、さらにそれを演算装置17で演算してシリンダの作動状態を表わす信号である筒内圧瞬時値又は図示平均有効圧を導出する。この実施例ではシリンダブロック3に第3シリンダ6の周囲の1本のヘッドボルト9に挙動センサ7の1例としてストレンゲージ8が装着されている。このような構成において3つのシリンダ4、5、6が作動するとシリンダブロック2の挙動としてヘッドボルト7に歪が生じ、この歪がストレンゲージ8に検出されてストレンゲージ8から挙動信号が出力される。この信号はシリンダの作動状態を表わす信号の元信号となる。
【0026】
第2図は実験として、ストレンゲージ8によるヘッドボルト9の歪の測定と圧力センサ(図示せず)による第2シリンダ5の筒内圧の測定と圧力センサ(図示せず)による第3シリンダ6の測定を同時に行なった結果を示しているが、第3シリンダ6の近傍のストレンゲージ8によって検出したシリンダブロック3の歪信号(3−HB5strain)には大きなピーク部分31の他に小さなピーク部分32を含んでいる。大きなピーク部分31は第3シリンダの圧力センサ(図示せず)によって測定した第3シリンダ6の筒内圧の信号(3−pressure)との対比から第3シリンダ6の筒内圧の影響によるものであることが分かる。
【0027】
また、小さなピーク部分32は第2シリンダ用の圧力センサ(図示せず)によって測定した第2シリンダの筒内圧の信号(2−pressure)との対比から第2シリンダ5の筒内圧の影響によるものであることが分かる。このように第3シリンダ6の近傍のストレンゲージ8によって検出したシリンダブロック3の歪信号(3−HB5strain)には第2シリンダの筒内圧の影響が重畳している。これを使って第3シリンダ6のIMEP等の測定の他に、第2シリンダ5のIMEP等も測定することができる。
【0028】
次にシリンダブロック3の歪信号(3−HB5strain)から第3シリンダ6の作動状態を表わす信号と第2シリンダ5の作動状態を表わす信号との両方を個別に導出する操作として、歪信号(3−HB5strain)を元信号として、ピーク部分31とピーク部分32とを切り分けて、第3シリンダ6用元信号33と第2シリンダ5用元信号34に弁別する処理と弁別されたそれぞれの元信号を演算する処理とをし、さらに必要に応じてその他の処理、例えばノイズ除去処理を行う。
【0029】
そのような処理を行う信号処理装置10の一例が図3に示されている。信号処理装置10は複数の個別信号処理装置10A、10B、10C…を並列に備えている。
【0030】
個別信号処理装置10Aは第1シリンダ4用の信号を第1シリンダ用の処理条件で弁別処理する個別信号処理装置であり、個別信号処理装置10B、10Cもそれぞれ第2シリンダ5用、第3シリンダ6用の信号を個別の処理条件で個別に弁別処理する個別信号処理装置である。これらの個別信号処理装置10A、10B、10C…のハードウェアは図4に示されている。
【0031】
次に個別信号処理演算装置10A、10B、10C…について詳細に説明する。
【0032】
個別信号処理装置10A、10B、10C…は、それぞれ入力部12と出力部13との間にアナログスイッチ15、ローパスフィルタ14、A/D変換器16を順に備え、さらに個別信号処理装置10A、10B、10C…の下流に演算装置17を備える。
【0033】
アナログスイッチ15はそれぞれのシリンダに固有のTDCを用いて元信号を所定の幅でゲート処理して元信号からそれぞれのシリンダ毎に固有の信号をサンプリングするものである。
【0034】
アナログスイッチ15にはゲートセット(Gate Set)コントローラ22が接続している。ゲートセット(Gate Set)コントローラ22はTDC信号とクロック(ECU)信号を受けてアナログスイッチ15におけるゲート幅を決定してアナログスイッチ15に入力する。ゲート幅は例えばTDCを基準とした前後の所定の角度(ゲート角)で定められる。
【0035】
ローパスフィルタ14にはローパスフィルタ14のカットオフを制御するカットオフコントローラ18が接続し、カットオフコントローラ18にはF/Vコンバータ21が接続する。
【0036】
F/Vコンバータ21はクロック(ECU)信号によりローパスフィルタ14のカットオフを決定してローパスフィルタ14に入力する。このローパスフィルタ14のカットオフはエンジンの回転速度に応じて決定することも可能である。
【0037】
TDCはそれぞれのシリンダ毎に異なっていて、図2に示す元信号の場合は第3シリンダ6のTDCは600degの位置であり、第2シリンダ5のTDCは360degの位置である。ゲート幅は、図2に示す元信号の場合はそれぞれのTDCの前後35degである。A/D変換器16はローパスフィルタスイッチ14の出力信号をTDC信号又はクロック(ECU)信号に基づいてA/D変換して出力する。演算装置17はA/D変換器16の出力を演算して筒内圧力瞬時値及びエンジンシリンダのIMEPを導出し出力する。
【0038】
このように構成された信号処理装置10におけるIMEP導出操作は次の通りである。
外付けの挙動センサ7で検出された元信号は信号処理装置に入り、それぞれの入力部12から個別信号処理装置10A,10B,10C…に入り、アナログスイッチ15で所定のゲート角だけで信号をサンプリングして取り入れ、ついでローパスフィルタ14を通してノイズを低減させ、この信号をA/D変換器16でA/D変換して行程サイクルに関連した信号を得、次にこれを演算装置17で演算してシリンダの作動状態を表わす信号、例えばIMEPを導出する。この処理は各個別信号処理装置10A、10B、10C…ごとに行う。この図示平均有効圧については、本発明では行程サイクルに関連した角度でサンプリングした行程サイクルに関連した信号の上述の筒内圧瞬時値内の基本波(振幅C1、位相φ1)、第2高調波((振幅C2、 位相φ2)を取り出して、式(3)又は式(4)により演算装置17で演算して求めている。
【0039】
【数2】


ここに、K、hはエンジン諸元より定まる定数、nを1サイクル間のサンプルデータ数としてm=n/2である。またP(360j/nh)、P(−360j/nh)は、燃焼のTDCを基準として前後360j/nh度における上述の筒内圧瞬時値を表わす。
【0040】
図3は現在行われている筒内圧力センサからの信号により式(2)により求めた図示平均有効圧(IMEP)0と上述の筒内圧瞬時値(力センサ)より式(3)から計算したEquivalent(IMEP)force(添字forceは力センサを表わす)との関係を示している。両者は比例関係にあることが分かる。
【0041】
図5には実験例としてこの発明により定常運転時に第3シリンダ6の近傍に配置したストレンゲージ8の検出信号(図2のピーク32)を使用して第2シリンダ5のIMEPをモニタした場合の精度・相関が示されている。なお、図5にはアイドリング(idling)〜75%ロード(load)まで、各負荷で300個のデータがプロットされている。
【0042】
ストレンゲージ8を使用したIMEP(IMEPstrain)と第2シリンダ5の筒内圧力を圧力センサで測定したIMEP(IMEP(2−pressure))の相関が良好であることが分かる。
【0043】
第3シリンダ6のストレンゲージ8からの歪み信号(3−HBstrain)(図2)から第3シリンダ6(相関係数ρ=0.9988)および第2シリンダ5のIMEPモニタが実現することが分かる。
【0044】
第6図にこの実験例に用いたエンジン(MATSUI MU323DGSC Three cylinder diesel engine)の仕様及び運転条件を示す。
【0045】
以上説明した実施例はこの発明を3シリンダエンジンに適用したものであるが、この発明の原理はそのまま6シリンダ、12シリンダ等の多シリンダエンジンにも適用することができる。しかも使用するセンサの構成を簡単にしても高価な筒内圧センサを使用した場合と同等の測定精度を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明によれば容積型機械の複数シリンダ構造に外付けしたセンサからのシリンダ構造物挙動を示す信号を各シリンダについて共通に使用するので、使用するセンサの数を少なくすることによってコストを削減することができ、信号処理についても装置の負担を軽減して高速な処理を行うことができるため、簡易なオンボードのエンジン制御システムなどに利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
2 シリンダ構造物
3 シリンダブロック
4 第1シリンダ
5 第2シリンダ
6 第3シリンダ
7 挙動センサ
8 ストレンゲージ
9 ヘッドボルト
10 信号処理装置
10A、10B、10C…個別信号処理装置
12 入力部
13 出力部
14 ローパスフィルタ
15 アナログスイッチ
16 A/D変換器
17 演算装置
18 カットオフコントローラ
19 LPF補正値算出手段
21 F/Vコンバータ
22 ゲートセットコントローラ
31 ピーク部分
32 ピーク部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転状態にある容積型機械における複数のシリンダを含むシリンダ構造物の挙動を検出する挙動センサを、シリンダ内の燃焼ガスとは非接触に、シリンダの数よりも少ない数、前記シリンダ構造物に取り付け、前記センサの信号から弁別手段により、それぞれのシリンダに対応したシリンダ毎の個別の信号を弁別し、前記個別の信号を用いてそれぞれのシリンダの作動状態を表わす信号を導出することを特徴とする容積型機械の複数シリンダの作動状態を弁別測定する方法。
【請求項2】
前記弁別手段は、前記それぞれのシリンダの燃焼のTDCを基準とするゲート幅の中で前記センサからの信号をサンプリングすることによって行うことを特徴とする請求項1記載の容積型機械の複数シリンダの作動状態を弁別測定する方法。
【請求項3】
前記作動状態を表わす信号は、シリンダの筒内圧瞬時値又は図示平均有効圧であることを特徴とする請求項1又は2記載の容積型機械の複数シリンダの作動状態を弁別測定する方法。
【請求項4】
運転状態にある容積型機械における複数のシリンダを含むシリンダ構造物の挙動を検出する手段、前記センサの信号をそれぞれのシリンダに対応したシリンダ毎の個別の信号に弁別する手段、及び、前記個別の信号を用いてそれぞれのシリンダの作動状態を表わす信号を導出する手段、を設け、前記挙動を検出する手段は、シリンダ内の燃焼ガスと非接触状態とされていることを特徴とする容積型機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−185778(P2011−185778A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51941(P2010−51941)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(801000027)学校法人明治大学 (161)
【Fターム(参考)】