説明

密閉が容易な真空容器蓋

本発明に係る密閉が容易な真空容器蓋は、内容物を入れる空間が形成された容器本体の入口部を開閉し、一部にバルブ取付孔と少なくとも一つの空気出入孔及び枠の内側に下方に向かって開口された「コ」の字状のパッキン取付溝が形成されている蓋本体、前記空気出入孔を囲む本体部の底面に結合突起を備え前記バルブ取付孔に挿入結合され、前記空気出入孔を囲んで開閉することによって前記空気出入孔を通じて前記容器本体内部の空気を排出し外部からの空気流入を遮断するチェックバルブ、そして前記パッキン取付溝に収容取り付けられ、前記パッキン取付溝の上面に密着する上部密着部、前記容器本体の入口部に密着する下部密着部及び前記上部密着部と前記下部密着部の少なくとも一部に各々一端が連結されており、断面がジグザグ形状の中間密着部を有するパッキンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉が容易な真空容器蓋に関し、より詳細には容器本体に結合されるパッキンを備えた蓋を押して容器内部の空気をチェックバルブを介して排出して容器内部を真空密閉して内部に保管する食物等の内容物の腐敗を防いで新鮮度を維持できる真空容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
食物等の内容物の変質を防止して長期間保管するために、食物の冷蔵保管技術と共に食物等は真空状態で長く保管できるため、食物等を入れる容器内部を真空状態にして保管する真空容器が開発されて使われてきている。
【0003】
かかる真空容器に関する代表的な従来技術としては、図8乃至図12に示したように蓋に空気を抜き出せるチェックバルブが備えられた2006年8月11日付で出願人「Park Yunsik」により出願された大韓民国特許公開番号第2008−0014536号に記載された「多用途真空容器蓋」がある。
【0004】
かかる従来の真空容器蓋の使用方法は、図10に示したように容器本体10の内部に食物等の内容物を入れた状態で容器本体10の入口部12に蓋を被せてユーザが蓋本体20を下方向に押すとパッキン40の密着部44が、容器本体10の入口部12と接触し、その外側端部が上方に向く状態に曲がって蓋が下降して容器本体10内の空気は、空気出入孔24を通じてチェックバルブ30を持ち上げながら容器1から排出される。ユーザの押す作動力が取り除かれると、下降された蓋はパッキン40の弾性復元力によってやや上昇しながら容器内部の空気を膨張させて容器内を真空化する。この時、パッキン40は、図11に示したように容器本体10の入口部12の内面に合う形状に曲がって密着されて容器本体10の入口を閉鎖する。
【0005】
しかし、かかる従来の真空容器蓋は、パッキン40の密着部44が外側端部の方に行くほどその厚さが非常に薄くなる構成である。従って、入口部12の内面に密着する密着部44の外側端部が、非常に薄くてユーザが蓋本体20を下方向に強く押してもパッキン40の弾性復元力が微小で容器内を高真空化し難いため、密閉力が落ちる問題があった。
【0006】
また、前記パッキン40の構造によって容器内を高真空形成のためには、別の真空化装置を利用しなければならない問題があった。
【0007】
また、パッキン40の密着部44は、外側端部が入口部12の内面に合う形状に曲がって密着したまま容器本体10の入口を閉鎖するため、密着部44の密着部分が薄くて不安定な形状で密閉がなされ、時間が経つほど密着部44の外側端部から外部空気が容器内部に徐々に流入されて容器内部の真空力が減少する問題があった。
【0008】
また、空気出入孔24が、バルブ安着溝132に隣接設置されてパッキン40と完全に密着できないため、保管及び使用時の容器内の食物の汁等の液体が空気出入孔24を通じてパッキン40との間の空間に流出されて、真空容器や食物の汚染が生じ、容器内部の真空力が減少する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国特許公開番号第2008−0014536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ユーザが別の真空化装置を利用したり強い力を与えなくても容易に容器内部を高真空化することによって、容器の密閉が容易な真空容器蓋を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、初期の高真空状態を長時間持続させることによって、食物等の内容物の変質または腐敗を防止して新鮮度を長時間維持できる真空容器蓋を提供することである。
【0012】
さらに本発明の他の目的は、保管及び使用時に食物の汁等の液体が外部に流出されることを防いで容器及び食物の汚染を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋は、内容物を入れる空間が用意された容器本体の入口部を開閉し、一部にバルブ取付孔と少なくとも一つの空気出入孔及び枠の内側において下方に向かって開口された「コ」の字状のパッキン取付溝が形成された蓋本体、前記空気出入孔を囲む本体部の底面に結合突起を備え前記バルブ取付孔に挿入結合され、前記空気出入孔を囲んで開閉することによって前記空気出入孔を通じて前記容器本体内部の空気を排出する一方、外部からの空気流入を遮断するチェックバルブ、そして前記パッキン取付溝に収容取り付けられ、前記パッキン取付溝の上面に密着する上部密着部、前記容器本体の入口部に密着する下部密着部及び前記上部密着部と前記下部密着部の少なくとも一部に各々一端が連結されており、断面がジグザグ状の中間密着部を有するパッキンを含む。
【0014】
前記下部密着部及び中間密着部は、前記上部密着部より幅が小さく設けられており、前記容器本体の入口部を前記下部密着部に密着させて前記容器内部を真空化する場合、前記中間密着部及び前記下部密着部の側面を通じて前記パッキン取付溝内の空気が外部に排出される。
【0015】
前記上部密着部の上面には長手方向に沿って少なくとも一つの上部接触突起が形成されてもよい。
【0016】
前記下部密着部の下面には長手方向に沿って少なくとも一つの下部接触突起が形成されてもよい。
【0017】
前記パッキンは、マイクロ放電処理によって表面腐食処理されてもよい。
【0018】
前記パッキンは、硬度が50乃至70度であってもよい。
【0019】
前記パッキン取付溝は、側面に前記上部密着部を収容して結合する係止部がさらに形成されていることが好ましい。
【0020】
前記パッキンは、全体高さが10乃至20mmであり、前記上部密着部及び前記下部密着部の厚さは、各々1乃至3mmであり、前記中間密着部の厚さは、0.5乃至2mmであり、高さに対する最大収縮率が、40乃至70%であることが好ましい。
【0021】
前記空気出入孔は、前記バルブ安着溝の周縁に形成されて前記本体部の周縁と接触し囲まれることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る密閉が容易な真空容器蓋によると、優秀な弾性復元力を有するパッキン構造によって、ユーザが別の真空化装置を利用したり強い力を与えなくても容器内部を高真空化することによって容器の密閉が容易な有利な効果がある。
【0023】
また、本発明に係る密閉が容易な真空容器蓋によると、外部空気の流入遮断のために容器本体の入口部と密着するパッキンが十分な厚さを有するだけでなく、パッキン取付溝内で安定した状態を維持して密閉されるため、初期の高真空状態を長時間持続することができ、保管及び使用時に食物の汁等の液体が外部に流出されることを防止できて、食物等の内容物の変質または腐敗を防止して新鮮度を長時間維持できる有利な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の組立斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の組立の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋の底面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉前後の状態を示すために、図1のB−B線に沿って切断して示した断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉前後の状態を示すために、図1のB−B線に沿って切断して示した断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉時の動作を説明するための図4の「A」領域の拡大図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋の断面図である。
【図8】従来の真空容器蓋が適用された真空容器の組立斜視図である。
【図9】従来の真空容器蓋が適用された真空容器の分解斜視図である。
【図10】図8のA−A線に沿って切断して示した真空容器の断面図である。
【図11】従来の真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉時の動作を説明するための断面図である。
【図12】従来の真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉時の動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の利点及び特徴、及びそれらを達成する方法は、添付図面と詳述される実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は下記で開示される多様な実施形態に限定されず、互いに異なる多様な形態で具現でき、単に本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によって定義されるのみである。
【0026】
明細書全体に亘り同一参照符号は、同一構成要素を示す。本明細書の記述する実施形態は、本発明の理想的な斜視図及び断面図等を参照して説明する。
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の多様な実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋及びその作動方法に関して説明する。
【0028】
但し、本発明の多様な実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋及びその作動方法は、大韓民国特許公開番号第2008−0014536号に記載された「真空容器蓋」を改善したものであるため、当分野の通常の知識を有する者が容易に実施できるようにするために必要な範囲内で真空容器蓋の改善構成の部分及びこれに係る作動方法の相違点を中心に説明し、同一構成の部分及び作動方法は大韓民国特許公開番号第2008−0014536号によって容易に確認できるため、これに関する説明は省略する。
【0029】
まず、本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋について、図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1及び図2は、各々本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の組立斜視図及び分解斜視図であり、図3は本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋の底面図であり、図4及び図5は各々本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉前後の状態を示すために、図1のB−B線に沿って各々切断して示した断面図、そして図6は本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋が適用された真空容器の真空密閉時の動作を説明するための図4の「A」領域の拡大図である。
【0031】
本実施形態において概略円筒状の真空容器1を例示しており、真空容器の形状は本実施形態に例示された円筒状以外にも三角筒、四角筒、六角筒、八角筒等の多角筒状で具現され、本発明はその形状によって限定されない。但し、従来の真空容器とは異なって、食物等の内容物を入れる空間が用意されている容器本体10の入口部12が加圧の便宜のために底から垂直上部に向かってラウンド形の接触部12aを有するように設計変更された点で相違点があることを明らかにしておく。接触部12aはラウンド形でない平面形でもよい。
【0032】
図1乃至図6に示したように、本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空蓋は、蓋本体100、チェックバルブ200及びパッキン300を含む。
【0033】
蓋本体100は、容器本体10の開口された入口部12に取り付けられて入口部12を開閉する。このために蓋本体100は、中央部に形成されたバルブ取付孔122と周縁に形成された複数の空気出入孔124で構成されたバルブ安着溝120が形成される。蓋本体100の枠130は、図4の断面図に示したように断面から見ると、容器本体10の入口部12の一定部分を覆えるように下方に向かって折曲開口された「コ」の字状のパッキン取付溝132が形成される。即ち、パッキン取付溝132は、下方に向かって開口された部分を除いて上面134と側面136で閉鎖された部分で形成された形状である。
【0034】
チェックバルブ200は、空気出入孔124を完全に囲む本体部210の中央底面に形成された結合突起220によってバルブ取付孔122に挿入結合され、空気出入孔124を囲んで開閉することによって空気出入孔124を通じて容器本体10の内部の空気を排出する一方、外部からの空気流入を遮断する。また、本体部230の上部一側に用意された取手部230を引っ張ると空気出入孔124を通じて内部に空気が流入されて真空容器1内の真空状態が解除される。
【0035】
パッキン300は、蓋密閉時に下降する蓋本体100によって圧着され、ユーザが蓋を押す状態では圧縮されておりユーザが押す力を除去すると若干復元しながら下降した蓋を若干上昇させて容器内部の空気を膨張させて容器内部を真空化する。パッキン300は、全体的には密着される容器本体10の入口部12に相応する形状の原形帯形状であり、側面から見ると断面が全体的にジグザグ(zigzag)形状である上部密着部310、中間密着部320、そして下部密着部330を含むように形成されてパッキン取付溝132に収容取り付けられる。このためにパッキン300は天然ゴム、合成ゴム、またはシリコンゴム材質を利用して射出成型等の方法によってその形状加工を経た後、マイクロ放電処理によって表面が微細粗度を持つように表面を腐食して製造することによって、パッキン取付溝132における収容取付時の装着力と密着力が増大する長所を有する。
【0036】
上部密着部310は、パッキン取付溝132の上面134に密着し、上面134には密着時にパッキン取付溝132との密着力の増大と脱着時のパッキン取付溝132との脱着の便宜のために別に長手方向に沿って上部接触突起312が形成される。上部接触突起312は、その高さが0.1乃至0.5mmであることが好ましいが、高さが0.1mmより低いと脱着作業時にパッキン取付溝132から脱着し難いためであり、高さが0.5mmより高いとパッキン取付溝132との密着時に密着力が減少する恐れがあるためである。一方、上面134と上部密着部310との間の密着程度に応じて本実施形態とは異なり上部接触突起312は省略してもよい。
【0037】
下部密着部330は、容器本体10の入口部12の接触部12aに密着して真空容器1内部を真空化し、密着時の接触部12aとの密着力の増大と脱着時の外部空気の流入による接触部12aとの脱着の便宜のために、別に長手方向に沿って下部接触突起332が形成される。下部接触突起332も上部接触突起312と同様にその高さが0.1乃至0.5mmであることが好ましいが、高さが0.1mmより低いと脱着作業時に接触部12aから脱着し難いためであり、高さが0.5mmより高いと接触部12aとの密着時に密着力が減少する恐れがあるためである。
【0038】
一方、接触部12aと下部密着部330との間の密着程度に応じて本実施形態とは異なり下部接触突起332は省略してもよい。
【0039】
中間密着部320は、一端は上部密着部310の外側下部と連結されており、他端は下部密着部320の外側上部と連結され、中央部は断面が鋸の刃端部形状、即ちジグザグ形状をしている。本実施形態において中間密着部320は、断面が二つの鋸の刃端部形状で形成されるが、これとは異なって一つまたは三つ以上の鋸の刃端部形状で形成されてもよい。
【0040】
中間密着部320及び下部密着部330は、横方向を基準に図4に示したようにその幅(W2)が上部密着部310の幅(W1)の0.5倍乃至0.9倍になるように形成され、本実施形態では0.85倍を最適条件とした。中間密着部320及び下部密着部330の幅(W2)が、上部密着部310の幅(W1)に対して0.5倍より小さいと接触部12aとの接触面積が減少して密着力が落ちる問題があり、逆に中間密着部320の幅(W2)が上部密着部310の幅(W1)に対して0.9倍より大きいとパッキン取付溝132内の空気排出が容易に行えず真空形成が難しい問題が生じる可能性があるためである。
【0041】
図4に示したように、パッキン300は収縮による容器蓋と容器本体10相互間の結合の容易性及びパッキン取付溝132の深さを考慮して全体高さ(L1)が、10乃至20mmであることが好ましい。また、上部密着部310の厚さ(T1)及び下部密着部330の厚さ(T3)は、1乃至3mmが好ましく、中間密着部320の厚さ(T2)は、縦方向への収縮の便宜性を考慮して0.5乃至2mmであることが好ましい。
【0042】
また、図5で示したように、パッキン300は、真空密閉に係る最大収縮時の高さ(L2)が密閉の容易性と適正真空度確保のために加圧に必要な伸縮性を考慮して、収縮前の全体高さ(L1)に対して収縮率が40乃至70%になるようにすることが好ましい。このために、パッキン300は、硬度(hardness)が50乃至70度であることが好ましいが、硬度が50度より小さいと収縮率が非常に高くパッキン300の形状が変形し過ぎて密着力が落ちる問題があり、硬度が70度より高いと収縮率が低過ぎて密着力が落ちる問題が生じるためである。本実施形態においては、硬度が55度であることを最適条件とした。
【0043】
以下では図4乃至図6を参照して本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋についてその作動方法を中心に再度説明する。
【0044】
容器本体10の内部に内容物、例えば食物(図示せず)を入れた状態で容器本体10の入口部12にパッキン300の下部密着部330が対応するように蓋を覆って容器1内部を真空化させるためにユーザが蓋本体100を下方に加圧して押すと図6に示したように中間密着部320及び下部密着部330の側面を通じてパッキン取付溝132内の空気が外部に排出されて、真空容器1の内部は真空状態となる。ユーザが加圧力を取り除いても上部密着部310が上面134に完全密着して下部密着部318が入口部12と完全に密着し、空気出入孔124もパッキン210の本体部210の周縁と完全に密着されるため、真空容器1の内部と外部との間の気圧差によって真空容器1の内部は、持続的に真空状態を維持することができ、食物等の内容物の中に含まれた液体は外部に流出できなくなる。
【0045】
以下では本発明の他の実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋について図7を参照して本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋との相違点を中心に説明する。
【0046】
図7は、本発明の他の実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋の断面図である。
【0047】
本発明の他の実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋は、蓋本体101の枠131に設けられたパッキン取付溝133がその側面136に上部密着部310を収容して結合する係止部138がさらに形成されていることを除いては、本発明の一実施形態に係る密閉が容易な真空容器蓋と同様である。
【0048】
従って、パッキン300をパッキン取付溝132に進入させて完全に挿入すると上部密着部310がパッキン取付溝132の上面134に完全に真空密着しながら堅固な結合力を維持するようになる。これにより、パッキン300が真空容器1の密閉過程においてはさらに密閉力を増大させ、一方チェックバルブ200の取っ手部230をユーザが手で引っ張って真空状態を解除させた後、パッキン取付溝132からパッキン300を少しずつ分離すると簡単に分離できる。従って、容器本体10に蓋を閉じたり開く平常的な作動ではパッキン300の全区間にさらに均一な圧力が働いて分離されず、クリーニングの際等のユーザがパッキンを分離する必要がある場合にはパッキン取付溝132からパッキン300を簡単に分離した後にクリーニングできる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る密閉が容易な真空容器蓋は、優秀な弾性復元力を有するパッキン構造によってユーザが別の真空化装置を利用したり強い力を与えなくても真空容器内部を高真空化することによって真空容器の密閉が容易である産業上に有用な発明である。
【0051】
また、本発明に係る密閉が容易な真空容器蓋は、外部空気の流入遮断のために容器本体の入口部と密着するパッキンが十分な厚さを有するだけでなく、パッキン取付溝内で安定した状態を維持したまま密閉できて初期の高真空状態を長時間持続させることができ、保管及び使用時に食物の汁等の液体がパッキン取付溝や空気出入孔から外部に流出されることを防止できて、食物等の内容物の変質、または腐敗を防止して新鮮度を長時間維持できる産業上有用な発明である。
【符号の説明】
【0052】
1 真空容器
10 容器本体
12 入口部
12a 接触部
100、101 蓋本体
120 バルブ安着溝
122 バルブ取付孔
124 空気出入孔
130、131 枠
132 パッキン取付溝
134 上面
136 側面
138 係止部
200 チェックバルブ
210 本体部
220 結合突起
230 取っ手部
300 パッキン
310 上部密着部
312 上部接触突起
320 中間密着部
330 下部密着部
332 下部接触突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を入れる空間が用意された容器本体の入口部を開閉し、一部にバルブ取付孔と少なくとも一つの空気出入孔及び枠の内側で下方に向かって開口された「コ」の字状のパッキン取付溝が形成された蓋本体、
前記空気出入孔を囲む本体部の底面に結合突起を備え、前記バルブ取付孔に挿入されて結合され、前記空気出入孔を囲んで開閉することによって前記空気出入孔を通じて前記容器本体内部の空気を排出し、外部からの空気流入を遮断するチェックバルブ、及び
前記パッキン取付溝に収容装着され、前記パッキン取付溝の上面に密着する上部密着部、前記容器本体の入口部に密着する下部密着部及び前記上部密着部と前記下部密着部の少なくとも一部に各々一端が連結されており断面がジグザグ形状である中間密着部を有するパッキンを含むことを特徴とする、密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項2】
前記下部密着部及び中間密着部は、前記上部密着部より幅が小さく設けられており、
前記容器本体の入口部を前記下部密着部に密着させて前記容器内部を真空化する場合、前記中間密着部及び前記下部密着部の側面を通じて前記パッキン取付溝内の空気が外部に排出されることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項3】
前記上部密着部の上面には長手方向に沿って少なくとも一つの上部接触突起が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項4】
前記下部密着部の下面には長手方向に沿って少なくとも一つの下部接触突起が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項5】
前記パッキンは、マイクロ放電処理によって表面腐食処理されたことを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項6】
前記パッキンは、硬度が50乃至70度であることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項7】
前記パッキン取付溝は、
側面に前記上部密着部を収容結合する係止部がさらに形成されることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項8】
前記パッキンは、
全体高さが10乃至20mmであり、
前記上部密着部及び前記下部密着部の厚さは、各々1乃至3mmであり、
前記中間密着部の厚さは、0.5乃至2mmであり、
高さに対する最大収縮率が、40乃至70%であることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。
【請求項9】
前記空気出入孔は、前記バルブ安着溝の周縁に形成されて前記本体部の周縁と接触し囲まれることを特徴とする、請求項1に記載の密閉が容易な真空容器蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−512753(P2013−512753A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543007(P2012−543007)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006291
【国際公開番号】WO2011/090249
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512137854)コデックス カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】KODAECS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】507,Sinpyung−dong,Saha−gu,Busan 604−030,Republic of Korea
【Fターム(参考)】