説明

対称形分流板

本発明は、電気化学セルにおける使用に適した分流板設計に関する。本発明の諸実施形態の態様に従うと、全く単一のプレートからなるバイポーラ分流板が提供される。また。本発明の諸実施形態のある態様に従うと、陽極及び陰極に各々対応する活性表面は互いに略同一であり、別の実施形態ではそれぞれの活性表面は鏡像化や180度回転等による変換後に同一となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮出願番号第60/470、869(2003年5月16日出願)について優先権を主張する。当該仮出願を、参照することを以って本明細書に援用するものとする。
【0002】
本発明は電気化学セルに関し、より詳しくは、電気化学セルにおける使用に適した分流板(flow field plate)設計に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書でいう電気化学セルとは、燃料電池あるいは電気分解(電解槽)セルとして構成できる電気化学反応器である。実際には、同一タイプの多数の電気化学セルを、プロセスガス/プロセス流体の供給、排出、電気接続、調節装置等の、共通機能を有する積層体として構成し得る。電気化学セルは、いずれのタイプにおいても、陽極電極及び陰極電極を含む。電極は分流板の形態をなすことがある。薄膜、すなわち別の固体電解質キャリアが2つの電極間に挟持される。通常、各電極と薄膜との界面に触媒層が塗布される。なお、以下の説明において、分流板の形態をなす陽極電極及び陰極電極に関して用いる指示語「前面」「後面」は、特定の分流板の薄膜に対する向きを表す。従って、「前面」は、薄膜と対向する活性面を指し、「後面」は薄膜に対向しない非活性面を指す。
【0004】
プロセスガス/プロセス流体(反応物質及び生成物質を含む)は、特定の分流板の前面における活性領域内に配置された流場構造を介して薄膜表面に対し供給・排出される。確実な動作を保証するため、陽極分流板のプロセスガス/プロセス流体と陰極分流板のプロセスガス/プロセス流体とは分離される必要がある。また、薄膜の表面領域の効率的な利用のため、反応プロセスガス/プロセス流体を活性領域全体に可能な限り均一に拡散させることが望ましい。こうした要求は、一般的に、活性領域全体にわたりガス/流体を効率よくシール・分配するフローチャネルパターンを含む流場構造の配置により満たされる。電気化学セルでは、必要に応じて、熱放散を補助する目的でいくつかの分流板の後面に冷却剤チャネルを設けている。
【0005】
また、通常、各分流板は多数のマニホルドもしくはオープニングを備える。マニホルドは、それぞれ燃料、酸素、冷却剤、排出物質のいずれかに用いる長尺分配チャネルの一部として機能する。かかる流場構造は、少なくとも1つ、多くの場合多数、の露出されたフローチャネルを介して、マニホルドと適宜流体連通する。電気化学セル積層体を組み立てると、分流板のマニホルドは位置合わせされ、分流板との直交方向に延在する長尺分配チャネルを形成する。
【0006】
様々な流場構造設計が知られている。公知の蛇行型流場構造は米国特許第4,988,583号、第6,099,984号、第6,309,773号に開示されている。これらの特許に開示された蛇行型流場構造では、分流板寸法を増大させることなくフローチャネルを延長できる。しかし、このような設計に特有の問題が数多く存在する。蛇行型フローチャネル構造では均一なガス/流体分配が行われず。分流板全体に大幅な圧力降下を招く。このため、比較的低い圧力下で動作する場合の電気化学セル性能が低下する。蛇行型流場構造においてはガス/流体の流れが乱流化しやすく、反応ガス/流体の流れ、圧力あるいは温度の制御が困難となる。更に、蛇行型流場構造には、水や汚染物質が蓄積する空間ができやすく、電気化学セルの浸水及び/又は中毒の発生リスクが高まる。
【0007】
また、多くの流場設計に関わる問題として、プレートの組立時において、陽極分流板上の流場構造を画定するリブ及びチャネルと、陰極分流板上の流場構造を画定するリブ及びチャネルとの間にオフセットが発生することが多い点が挙げられる。プレートには圧力がかかることが多く、プレート間の薄膜にせん断力がかかって薄膜の損傷を招くことがある。また、陽極流場構造と陰極流場構造との間に発生するオフセットによって分流板の活性領域全体における反応ガス/流体の分配が妨害され、効率低下を招く。
【0008】
更に、電気化学セル内において、陽極を陰極から密閉することは、多くの場合複雑なプロセスであるという問題がある。任意の1種類の反応ガス/流体について、流場構造全体、及び第一の分流板(例えば、陽極)の対応する前面上の反応ガス/流体のインレットマニホルド及びアウトレットマニホルドを完全に密封するシールを設けることができる。しかし、薄膜の反対側において、第一の分流板上の反応ガス/流体のインレットマニホルド及びアウトレットマニホルドに対応する第二の分流板(例えば、陰極)上のインレットマニホルド及びアウトレットマニホルドを完全に密封するシールを設けることが必要である。この構成では、薄膜の一部が適切に支持されず、陽極は陰極から十分に密閉されない。これにより陽極と陰極との間でガスの混合が発生する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態の第一態様によると、陽極分流板の活性表面及び陰極分流板の活性表面、並びにバイポーラ分流板の2つの活性表面の製造に適した単一の製造マスクが提供される。単一の製造マスクは、活性領域を含む第一の領域、第一のマニホルドを含む第二の領域、第二のマニホルドを含む第三の領域、及び第一、第二、第三の領域を相互に分離するシール面、を定義するための特徴を含み、第一、第二、第三の領域は前記活性表面上に対称的に配置されている。関連する諸実施形態では、シール面はガスケット溝を含む。
【0010】
ある実施形態において、単一の製造マスクは、第三の領域の一部にわたって第一のマニホルドと流体連通する第一の相補形活性表面供給フローアパーチュア、及び、第一の領域内に形成されると共に、第一の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第二の相補形活性表面供給フローアパーチュア、を定義するための特徴を更に含む。
【0011】
ある実施形態では、単一の製造マスクは、第三のマニホルドを含む第四の領域、及び、第四のマニホルドを含む第五の領域、を定義するための特徴を含み、第一、第二、第三、第四、第五の領域はシール面により相互に分離され、第一、 第二、 第三、 第四、第五の領域は、各々第一、 第三、 第二、 第五、第四の領域の像配置を180度回転させた配置に対応するよう配置され、これにより、第一、 第二、 第三、 第四、第五の領域に存在する特徴は、各々第一、 第三、 第二、 第五、第四の領域に存在する特徴の像と対応している。関連する諸実施形態において、単一の製造マスクは、第四の領域の一部にわたって第三のマニホルドと流体連通する第三の相補形活性表面供給フローアパーチュア、及び、第一の領域内に形成されると共に、第一の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第四の相補形活性表面供給フローアパーチュア、を定義するための特徴を更に含む。
【0012】
ある実施形態では、単一の製造マスクは、第一の領域内に形成されると共に、第一の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第一の背面供給フローアパーチュア、及び、第一の領域内に形成されると共に、第一の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第二の背面供給フローアパーチュア、を定義するための特徴を更に含む。
【0013】
ある実施形態では、単一の製造マスクは、インレット冷却剤マニホルド、及び、アウトレット冷却剤マニホルド、 を定義するための特徴を更に含み、シール面は、インレット冷却剤マニホルドとアウトレット冷却剤マニホルドを相互に、且つ第一、第二、第三の領域から分離すべく延在する。関連する諸実施形態では、単一の製造マスクに対応する第二の製造マスクが提供される。第二の製造マスクは、陽極分流板及び陰極分流板の両方の対向する非活性表面の製造に適しており、第二のマスクは、インレット冷却剤マニホルド及びアウトレット冷却剤マニホルドと流体連通する冷却剤チャネルを定義するための特徴を含む。
【0014】
ある実施形態では、活性表面の第一の領域の下に形成されると共に、第一のマニホルドと流体連通する第一の背面供給フローアパーチュアを定義する特徴を更に含む、単一の製造マスクに対応する第二の製造マスクが提供される。
【0015】
本発明の一実施形態の一態様によると、電気化学セルにおける使用に適した分流板が提供される。分流板は、第一の領域、第二の領域、第三の領域を有する活性表面、第一の領域内の活性領域、第一の領域内に形成されると共に、分流板の厚さ方向に延在し、且つ、第一の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第一の相補形活性表面供給フローアパーチュア、第二の領域内の第一のマニホルド、第三の領域内の第二のマニホルド、使用の際にプロセスガス及びプロセス流体の少なくとも一方が活性領域に導入されることなく活性表面の一部を横断するよう、第三の領域内に形成されると共に、分流板の厚さ方向に延在し、且つ、第三の領域の一部にわたって第二のマニホルドと流体連通する第二の相補形活性表面供給フローアパーチュア、及び、第一、第二、第三の領域を相互に分離するシール面を有する。関連する諸実施形態では、第一、第二、第三の領域は活性表面上に対称的に配置される。関連する諸実施形態では、活性領域はプロセスガス及びプロセス流体のいずれかを活性領域全体にわたって均一に分配するための流場構造を含む。関連する諸実施形態では、シール面はガスケット溝を含む。
【0016】
ある実施形態では、活性表面は、シール面によって第一、第二、第三の領域から分離された第四の領域、第四の領域内の第三のマニホルド、及び、第一の領域内に形成されると共に、分流板の厚さ方向に延在し、且つ、第一の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第二の相補形活性表面供給フローアパーチュアを更に含む。関連する諸実施形態では、活性表面は、シール面によって第一、第二、第三、第四の領域から分離された第五の領域、第五の領域内の第四のインレットマニホルド、及び、使用の際にプロセスガス及びプロセス流体の少なくとも一方が活性領域に導入されることなく活性表面の一部を横断するよう、第五の領域内に形成されると共に、分流板の厚さ方向に延在し、且つ、第五の領域の一部にわたって活性領域と流体連通する第四の相補形活性表面供給フローアパーチュアを更に含む。関連する諸実施形態では、第一、第二、第三、第四、第五の領域は活性表面上に対称的に配置される。
【0017】
ある実施形態において、分流板は、活性表面と反対側に対向すると共に、冷却剤チャネルを有する非活性後面、非活性後面の一部にわたって冷却剤チャネルと流体連通するインレット冷却剤マニホルド、非活性後面の一部にわたって冷却剤チャネルと流体連通するアウトレット冷却剤マニホルド、及び、分流板の活性表面において、シール面によって相互に、且つ第一、第二、第三の領域から分離されているインレット冷却剤マニホルド及びアウトレット冷却剤マニホルドを更に含む。
【0018】
ある実施形態において、活性表面は、シール面によって第一、第二、第三の領域から分離された第四の領域、第四の領域内の第三のマニホルド、及び、使用の際にプロセスガス及びプロセス流体の少なくとも一方が活性領域に導入されることなく活性表面の一部を横断するよう、第四の領域内に形成されると共に、分流板の厚さ方向に延在し、且つ、第四の領域の一部にわたって第三のマニホルドと流体連通する、第三の相補形活性表面供給フローアパーチュアを更に含む。
【0019】
関連する諸実施形態では、第一、第二、第三、第四のマニホルドは、それぞれ陽極インレットマニホルド、陰極インレットマニホルド、陽極アウトレットマニホルド及び陰極アウトレットマニホルドとして指定されている。
【0020】
関連する諸実施形態では、陽極インレットマニホルドは陰極インレットマニホルドよりも大きい。別の実施形態では、陰極インレットマニホルドは陽極インレットマニホルドよりも大きい。更に、ある実施形態では、陽極アウトレットマニホルドは陰極アウトレットマニホルドよりも大きい。あるいは、別の実施形態では、各マニホルドのサイズは等しい。
【0021】
関連する諸実施形態では、第一、第二、第三、第四のマニホルドは、それぞれ陰極インレットマニホルド、陽極インレットマニホルド、陰極アウトレットマニホルド及び陽極アウトレットマニホルドとして指定されている。
【0022】
本発明の別の実施形態の一態様によると、2つの隣接する電気化学セルを含む、電気化学セル積層体が提供される。2つの電気化学セルは、第一の活性表面と第二の活性表面を有するバイポーラ分流板を協同で共有する。第一の活性表面は2つの隣接する電気化学セルのうち一方の陽極として、第二の活性表面は2つの隣接する電気化学セルのうち他方の陰極として機能し、各活性表面はそれぞれ活性領域を有する。バイポーラ分流板は第一のマニホルドを有し、バイポーラ分流板は第一の相補形活性表面供給フローアパーチュアを有し、該第一の相補形活性表面供給フローアパーチュアは、バイポーラ分流板の厚さ方向に延在し、第二の活性表面の一部にわたって第一のマニホルドと流体連通し、且つ、第一の活性表面の一部にわたって第一の活性表面の活性領域と流体連通し、これにより、使用の際、第一の活性表面の活性領域から、もしくは第一の活性表面の活性領域へ流動するプロセスガス及びプロセス流体の少なくとも一方が、第二の活性表面の活性領域に導入されることなく第二の活性表面の一部を横断する。
【0023】
ある実施形態では、分流板は、第二のマニホルド、及び、バイポーラ分流板の厚さ方向に延在すると共に、第一の活性表面の一部にわたって第二のマニホルドと流体連通し、且つ、第一の活性表面の一部にわたって第一の活性表面の活性領域と流体連通し、これにより、使用の際、第二の活性表面の活性領域から、もしくは第二の活性表面の活性領域へ流動するプロセスガス及びプロセス流体の少なくとも一方が、第一の活性表面の活性領域に導入されることなく第一の活性表面の一部を横断する、第二の相補形活性表面供給フローアパーチュアを更に含む。
【0024】
ある実施形態では、バイポーラ分流板は、背面合わせに結合された2つの別々のプレートで構成されている。2つの別々のプレートは、第一の活性表面が一方のプレートに、第二の活性表面が他方のプレートに存在するよう製造される。
【0025】
本発明の一実施形態の別の態様によれば、電気化学セルにおける使用に適したバイポーラ分流板が提供される。バイポーラ分流板は、第一のシール面によってそれぞれ分離された第一、第二、第三の領域を有する第一の活性表面と、第一の活性表面と対向配置されると共に、第二のシール面によってそれぞれ分離された第四、第五、第六の領域を有する第二の活性表面と、第一の領域内の第一の活性領域と、第四の領域内の第二の活性領域と、第二の領域から第五の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在する第一のマニホルドと、第三の領域から第六の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在する第二のマニホルドと、第一の領域から第五の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在すると共に、第五の領域の一部にわたって第一のマニホルドと流体連通し、且つ、第一の領域の一部にわたって第一の活性領域と流体連通する第一の相補形活性表面供給フローアパーチュアと、第三の領域から第四の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在すると共に、第三の領域の一部にわたって第二のマニホルドと流体連通し、且つ、第四の領域の一部にわたって第二の活性領域と流体連通する第二の相補形活性表面供給フローアパーチュアと、を有する。関連する実施形態では、第一、第二、第三の領域は、それぞれ第四、第五、第六の領域の鏡像配置に相当するよう第一の活性表面上に配置され、これにより、第一、第二、第三の領域に存在する特徴は、それぞれ第四、第五、第六の領域の特徴の鏡像に相当する。
【0026】
ある実施形態では、 バイポーラ分流板は、第一のシール面によって第一、第二、第三の領域から分離された、第一の活性表面上の第七の領域、第二のシール面によって第四、第五、第六の領域から分離された、第二の活性表面上の第八の領域、第七の領域から第八の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在する第三のマニホルド、第一の領域から第八の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在すると共に、第八の領域の一部にわたって第三のマニホルドと流体連通し、且つ、第一の領域の一部にわたって第一の活性領域と流体連通する第三の相補形活性表面供給フローアパーチュア、を更に含む。関連する実施形態では、第一、第二、第三、第七の領域は、それぞれ第四、第五、第六、第八の領域の鏡像配置に相当するよう第一の活性表面上に配置され、これにより、第一、第二、第三、第七の領域に存在する特徴は、それぞれ第四、第五、第六、第八の領域の特徴の鏡像に相当する。
【0027】
ある実施形態では、バイポーラ分流板は、第一のシール面によって第一、第二、第三、第七の領域から分離された、第一の活性表面上の第九の領域、第二のシール面によって第四、第五、第六、第八の領域から分離された、第二の活性表面上の第十の領域、第九の領域から第十の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在する第四のマニホルド、第四の領域から第九の領域にかけてバイポーラ分流板内に延在すると共に、第九の領域の一部にわたって第四のマニホルドと流体連通し、且つ、第四の領域の一部にわたって第二の活性領域と流体連通する第四の相補形活性表面供給フローアパーチュア、を更に含む。関連する実施形態では、第一、第二、第三、第七、第九の領域は、それぞれ第四、第五、第六、第八、第十の領域の鏡像配置に相当するよう第一の活性表面上に配置され、これにより、第一、第二、第三、第七、第九の領域に存在する特徴は、それぞれ第四、第五、第六、第八、第十の領域の特徴の鏡像に相当する。
【0028】
ある実施形態では、第一、第二、第三、第七、第九の領域は、各々第一、 第四、第十、第八、第六、第五の領域の像配置を180度回転させた配置に対応するよう配置され、これにより、第一、第二、第三、第七、第九の領域に存在する特徴は、各々第四、第十、第八、第六、第五の領域の領域に存在する特徴の、180度回転された像と対応している。
【0029】
ある実施形態では、第一の活性表面と第二の活性表面は、単一のプレートの反対側の面に存在する。
【0030】
ある実施形態では、第一の活性表面は第一のプレート上に存在し、第二の活性表面は第二のプレート上に存在し、第一のプレートと第二のプレートとは、第一の活性表面と第二の活性表面とが反対側を向くよう接続可能である。関連する実施形態では、バイポーラ分流板は、第一のプレート及び第二のプレートの両方に延在するインレット冷却剤マニホルド、第一のプレート及び第二のプレートの両方に延在するアウトレット冷却剤マニホルドを更に含む。インレット冷却剤マニホルド及びアウトレット冷却剤マニホルドは、第一のプレートに存在する第一の活性表面上の第一のシールによって相互に、且つ第一、第二、第三の領域から分離されている。また、アウトレット冷却剤マニホルドは、第二のプレートに存在する第二の活性表面上の第二のシールによって相互に、且つ第四、第五、第六の領域から分離されている。第一のプレート及び第二のプレートの少なくとも一方は、第一の活性表面もしくは第二の活性表面のそれぞれ反対側に対向する非活性後面を更に含み、非活性表面は、非活性後面の各部分にわたってインレット冷却剤マニホルド及びアウトレット冷却剤マニホルドと流体連通する冷却剤チャネルを有する。
【0031】
ある実施形態では、第一の活性領域及び第二の活性領域上に含まれる流場構造は略同一であり、別の実施形態では略同一でない。
【0032】
ある実施形態では、第一、第二、第三の領域は第一の活性表面上に対称的に配置され、第四、第五、第六の領域は第二の活性表面上に対称的に配置される。
【0033】
ある実施形態では、第一、第二、第三、第七、第九の領域は第一の活性表面上に対称的に配置され、第四、第五、第六、第八、第十の領域は第二の活性表面上に対称的に配置される。
【0034】
本発明のその他の態様及び特徴は、以下に記載する本発明の特定の実施形態の説明より、当業者には明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明への理解を深め、本発明の実施方法を明確にする目的で、本発明の諸実施形態の態様を例示した添付図面を参照する。
【0036】
本願と同一出願人になる同時係属中の米国特許出願第10/109,002号(2002年3月29日出願)に記載された実施形態に従った流場構造及びプレート配置の態様を利用して、薄膜にかかるせん断力の低減、及び分流板間のシールの簡素化を図ることができる。当該特許出願の全内容を、参照することを以って本明細書に援用するものとする。陽極分流板は、リブにより画定される多数の陽極流場チャネル(すなわち、陽極流場構造)を含む。同様に、陰極分流板は、リブにより画定される多数の陰極流場チャネル(すなわち、陰極流場構造)を含む。組み立てられた状態では、陽極流場チャネルと陰極流場チャネルの相当な部分が、薄膜を介して相互に対向配置される。従って、陽極分流板のリブの相当な部分が、陰極分流板のリブの対応する相当な部分と一致する。本明細書ではこのことを「リブ−リブ」パターンマッチングと呼ぶこととする。
【0037】
更に、本願と同一出願人になる同時係属中の米国特許出願第09/855,018号(2001年5月15日出願)に記載されている諸実施形態に従った分流板配置を利用して、両分流板と、その間に配置される薄膜との間を効果的に密閉することができる。当該特許出願の全内容を、参照することを以って本明細書に援用するものとする。この実施形態では、各マニホルドからの特定のプロセスガス/プロセス流体の流入は、分流板の前(活性)面全体にわたって直接発生するのではなく、プロセスガス/プロセス流体は、まず各マニホルドから分流板の後(非活性)面の一部に導かれ、その後、後面から前面にかけて延在する「背面送り」アパーチュアを通過する。組み立てられた電気化学セル積層体において、前面の一部は、前面全体にわたって各マニホルドから密閉状態で分離された活性領域を画定する。プロセスガス/プロセス流体の流入が発生する後面の一部は、各マニホルドと流体連通する露出されたガス/流体流場チャネルを有する。背面送りアパーチュアは後面から前面にかけて延在し、活性領域と、各マニホルドと流体連通する、露出されたガス/流体流場チャネルとの間に流体連通を確立する。背面送りアパーチュアは、分流板の前面の、分流板が薄膜と接触する活性領域から離れた箇所に配置される。このようにすると、例えば、薄膜と分流板との間のシールは、薄膜の周囲を囲む間断のない経路として形成される。従来技術の例では、分流板の前面上における、一般に薄膜の周囲を囲む、薄膜と活性領域との間のシールは、分流板の前面上の活性領域から各マニホルドに導かれる露出された流場チャネルによって遮られる。これに対し、前出の本願と同一出願人になる同時係属中の米国特許出願によれば、プロセスガス/プロセス流体は、背面送りアパーチュアと各マニホルドとを囲むようにシールが形成された各分流板の後面から、背面送りアパーチュアを通って、前面上の活性領域に送られる。流体を後(非活性)面から前(活性)面に流動させるこの方法を、本明細書では「背面送り」と呼ぶ。当業者には、ガス/流体は前面の活性領域から後面へ、そして同様にして別の各マニホルドへ退避させ得ることが理解されよう。
【0038】
それにも関わらず、ここで使用される分流板構造と薄膜アセンブリは、熟練の技術者でなければ電気化学セル積層体の組立てが行えないというような複雑な構造を全く有していない。例えば、正しいシーケンスのためには異なるバージョンの分流板(陽極もしくは陰極)を選択し、正しい向きに配置する必要がある。電気化学セル内で利用される必要な全プレート及び全表面を形成するために少なくとも3つの製造マスクが必要であるため、分流板の製造は極めて高価である。ゆえに、陽極分流板と陰極分流板との間の、薄膜を介した「背面送り」及び「リブ−リブ」パターンマッチングに関する上述の利点を提供しながら、電気化学セル積層体の製造と組立の簡素化が可能な分流板配置が求められている。
【0039】
本発明の諸実施形態の態様によると、「背面送り」及び「リブ−リブ」パターンマッチングに関する上述の利点を提供し、更に分流板の製造と、電気化学セル積層体への組付けを簡素化する流場構造とプレート配置が提供される。詳細には、本発明の諸実施形態の態様に従うと、分流板は1つのマスクのみで製造でき、全く単一のプレートによるバイポーラ分流板設計が可能となる。当業者には、製造マスクの代わりにダイやモールド、その他表面に物理的特性を付与もしくは形成するための任意の製造装置・方法を用いてもよいことが理解されよう。ある実施形態では、プレート製造の精密な装置及び方法は、製造するプレートの材料タイプに応じて選択される。分流板の製造においては、スタンピング、モールディング、キャスティング、ミリング、エッチングをそれぞれ単独もしくは適宜組み合わせて用いることができる。
【0040】
一般に、流場プレートは、各々が特定のプロセスガス/プロセス流体のための対応する長尺分配チャネルの一部として機能する多数のマニホルドを含む。ある実施形態では、電解槽セルの陰極にインプットプロセスガス/プロセス流体を供給する必要がなく、水素ガスと水のみを排出させる。このような電解槽セルでは、分流板に陰極用のインプットマニホルドは必要なく、アウトプットマニホルドのみ必要となる。対照的に、燃料電池の一般的な実施形態では、陽極と陰極の両方においてインプットマニホルドとアウトプットマニホルドを使用する。但し、燃料電池は、プロセス反応物質は燃料電池に供給されるが、燃料電池から循環しない、デッドエンドモードでも動作し得る。このような実施形態では、プロセス反応物質用のインプットマニホルドのみが設けられる。
【0041】
一般に、燃料電池もしくは電解槽セル設計に応じて、反応ガス/流体、冷却剤、排出物質の各々用に、分流板上に多数のインレットマニホルド及びアウトレットマニホルドを設けることができる。
【0042】
本発明の第一実施形態の態様に従った、組み立てられた状態における電気化学セル積層体100の斜視図が図1Aに、同図に対応する電気化学セル積層体100の分解斜視図が図2Aに示されている。同様に、本発明の第二実施形態の態様に従った、組み立てられた状態における電気化学セル積層体100’の斜視図が図1Bに、同図に対応する電気化学セル積層体100’の分解斜視図が図2Bに示されている。本発明の諸実施形態の態様に実質的影響を持たず、電気化学セル積層体100及び100’において実質上同一の共通要素及び特徴は、図1A、図1B、図2A、図2Bにおいて同一参照番号で示すものとする。
【0043】
図1A、図1B、図2A、図2Bを続けて参照すると、電気化学セル積層体100及び100’は、いずれも陽極端板102及び陰極端板104を含む。電気化学セル積層体100及び100’の各々の残りの要素は、両端板102、104間に配置される。端板102、104には、プロセスガス/プロセス流体の供給・排出用接続ポートが設けられている。電気化学セル積層体100及び100’の各々に設けられる接続ポートについては後述する。但し、当業者には、本発明の別の実施形態においては様々な接続ポート配置が可能であることが理解されよう。
【0044】
陽極端板102と陰極端板104の間に配置される要素には、陽極絶縁プレート112、陽極集電子プレート116、陰極集電子プレート118、陰極 絶縁プレート114がある。別の実施形態では、集電子プレート116と118との間に様々な数の電気化学セルが配置される。このような実施形態では、各電気化学セルを構成する要素は適宜順番に繰り返し配置され、所望のアウトプットを行う電気化学セル積層体となる。説明の簡略化のため、図1A、図1B、図2A、図2Bには1つの電気化学セルの要素のみを図示している。
【0045】
電気化学セル積層体100、100’の各々を保持するため、タイロッド133が設けられている。タイロッド133は、陽極端板102に設けられたねじ付きボアに螺合され(あるいは別の方法にて固定され)、陽極端板104に設けられた対応するプレーンボアを通過する。アセンブリ全体を固定し、電気化学セル100及び100’の各種要素を確実に保持すべく、ナット、ワッシャーその他の固定手段が設けられている。
【0046】
既述の如く、プロセスガス/プロセス流体、冷却剤等の供給・排出手段として電気化学セル積層体への各種接続ポートが設けられている。ある実施形態では、電気化学セル積層体への各種接続ポートは対で設けられる。接続ポートの各対の一方は陰極端板 (例えば、陰極端板104)上に配置され、他方は陽極端板(例えば、陽極端板102)上に適宜配置される。別の実施形態では、電気化学セル積層体はデッドエンドであり、各種接続ポートは陽極端板もしくは陰極端板のいずれかにのみ設けられる。電気化学セル積層体100及び100’の場合、各種接続ポートは対で設けられる。
【0047】
図1A及び図2Aに示される陰極端板104を参照すると、水接続ポートが参照番号106、111で、酸素/水排出接続ポートが参照番号107、110で、酸素排出接続ポートが参照番号108、109で、それぞれ表されている。なお、図示を省略したが、接続ポート109、111に対応する接続ポートが陽極端板102上に設けられている。各種接続ポート106乃至111は、電気化学積層体100内に延在する、後述する長尺分配チャネルもしくはダクトに接続される。
【0048】
図1B及び図2Bに示される陰極端板104を参照すると、水素接続ポートが参照番号106’、107’で、空気/水接続ポートが参照番号110’、111’で、それぞれ表されている。なお、図示を省略したが、接続ポート111’に対応する接続ポートが陽極端板102上に設けられている。各種接続ポート106’、107’、110’、111’は、電気化学積層体100’内に延在する、後述する長尺分配チャネルもしくはダクトに接続される。
【0049】
既述の如く、集電子プレート116と118との間に多数の電気化学セルが配置されている。一般に、各電気化学セルは、陽極分流板、陰極分流板、及び両分流板の間に配置される薄膜(もしくは薄膜アセンブリ)から構成される。本発明のある実施形態では、陽極分流板と陰極分流板のそれぞれの前面は略同一形状であり、別の実施形態では、各前面は鏡像あるいは相互に回転した形状となっている。あるいは、更に別の実施形態では、前面は実質上相互に異なる形状である。通常、ガス拡散層もしくはガス拡散媒体が各分流板と薄膜との間に設けられている。あるいは、別の実施形態では、ガス拡散層は薄膜アセンブリと適宜一体形成される。
【0050】
図2Aに例示される電気化学セル積層体100を参照すると、電気化学セルは、第一の(陽極)分流板120、130、陽極ガス拡散層もしくは陽極ガス拡散媒体123、薄膜長尺アセンブリ(MEA)124、陰極ガス拡散層126、第二の(陰極)分流板120、130で構成されている。ガスケット300は、分流板のシール面に沿った異なるプロセスガス/プロセス流体の流れを相互に分離状態に維持する目的で、分流板120、130のいずれかの側に密閉状態で配置される。各ガスケット300は、密閉する分流板の形状に応じた形状に形成される。
【0051】
図2Bに例示される電気化学セル積層体100’を参照すると、電気化学セルは、第一の(陽極)分流板120’、130’、陽極ガス拡散層もしくは陽極ガス拡散媒体123’、薄膜長尺アセンブリ(MEA)124、陰極ガス拡散層126’、第二の(陰極)分流板120’、130’で構成されている。ここでも、ガスケット300’は、分流板のシール面に沿った異なるプロセスガス/プロセス流体の流れを相互に分離状態に維持する目的で、分流板120’、130’のいずれかの側に密閉状態で配置される。各ガスケット300’は、密閉する分流板の形状に応じた形状に形成される。
【0052】
図3A及び図4Aを参照すると、図1Aに図示された電気化学セル積層体100における使用に適した第一のバイポーラ分流板120の2つの活性側が示されている。バイポーラ分流板120は2つの活性表面を有するため、同時に陽極及び陰極として使用することができる。詳細には、図3Aは、第一のバイポーラ分流板120の第一の活性表面121を、図4Aは、第一のバイポーラ分流板120の第二の活性表面122を図示している。
【0053】
図3Aを参照すると、第一のバイポーラ分流板120はその第一の活性表面121上に、多数のリブ160により画定される多数のプライマリチャネル150からなる、活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル150と図2AのMEA124内の間のプロセスガス/プロセス流体との露出を増加するパターンで配置されている。
【0054】
図4Aを参照すると、第一のバイポーラ分流板120はその第二の活性表面122上に、多数のリブ165により画定される多数のプライマリチャネル155からなる、活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル165と図2AのMEA124におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0055】
図3A及び図4Aを参照すると、第一のバイポーラ分流板120は、プロセスガス/プロセス流体の流動のための多数のマニホルドもしくはオープニングを有する。水インフローマニホルド201は、第一の活性表面121への水の供給用に設けられる。水/酸素排出マニホルド200は、第一の活性表面121からの水/酸素の排出用に設けられる。水素アウトフローマニホルド210は、第二の活性表面122からの水素の排出用に設けられる。水/酸素スルーマニホルド220及び水スルーマニホルド221は、対応するプロセスガス/プロセス流体を電気化学セルの別の分流板から、もしくは別の分流板に案内するために設けられる。更に図1A及び図2Aを参照すると、組み立てられた状態における電気化学セル積層体100において、マニホルド200、201、 210、211、 220、221は、それぞれプロセスガス/プロセス流体接続ポート106、 107、 108、 109、 110、 111と流体連通する。
【0056】
また、第一の分流板120は、第一の活性表面121において、水素排出用の露出されたチャネル235と流体連通する水素相補形活性表面供給フローアパーチュア230を有する。チャネル235は、水素相補形活性表面供給フローアパーチュア230を水素アウトフローマニホルド210に接続する。これにより、水素相補形活性表面供給フローアパーチュア230は、第一のバイポーラ分流板120の第二の活性表面122を水素アウトフローマニホルド210と流体連通させる。
【0057】
同様に、第一のバイポーラ分流板120は、第二の活性表面122において、水インフローマニホルド201と流体連通する、露出された水インフローチャネル255を有する。チャネル255は、第二の活性表面122から第一の活性表面121にかけて延在する水相補形活性表面供給フローアパーチュア250と流体連通し、そこにおいて、これらはプライマリチャネル150と流体連通する。これにより、相補形活性表面供給フローアパーチュア250は、第一の活性表面121上の活性領域内で、プライマリチャネル150を水インフローマニホルド201と流体連通させる。また、第一の分流板120は、第二の活性表面122において、水アウトフローマニホルド200と流体連通する、露出された水アウトフローチャネル240を有する。チャネル240は第一の活性表面121から第二の活性表面122にかけて延在する水相補形活性表面供給フローアパーチュア245と流体連通し、そこにおいて、これらはプライマリチャネル150と流体連通する。これにより、相補形活性表面供給フローアパーチュア245は、第一の活性表面121上の活性領域内で、プライマリチャネル150を水アウトフローマニホルド200と流体連通させる。
【0058】
作動中、流入する水は第二の活性表面122上に配置された水インフローチャネル255を介して水インフローマニホルド201と連通し、次いで相補形活性表面供給フローアパーチュア250を通って第一の活性表面121に到達する。流出する水と酸素は、第一の活性表面121から水/酸素 相補形活性表面供給フローアパーチュア245を介して、水/酸素アウトフローマニホルド200と連通する。水/酸素相補形活性表面供給フローアパーチュア245は、第二の活性表面122上に配置された水/酸素 アウトフローチャネル240と流体連通する。
【0059】
対応する相補形活性表面供給フローアパーチュアを介した様々なマニホルドへの流体連通は、前述した背面送りの基本原理に則って行われる。しかし、バイポーラ分流板の両側に活性表面が設けられており、これによって、単一プレートの両側を活性表面として利用し得る、全く単一のプレートからなるバイポーラ分流板設計が実施される。すなわち、プロセスガス/プロセス流体は、後向きの非活性表面と相互作用することなく、あるいはその存在を必要とすることすらなく、ある活性表面から別の活性表面へ連通するため、本発明の諸実施形態の態様に従ったバイポーラ分流板は、上述した背面送りの利点を提供するにあたり、対応する「非活性」面を必要としない。従って、当業者には、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル100)内では、第一の活性表面121に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第二の活性サービス122上のプライマリチャネル155から密閉状態で分離された第二の活性表面122の一部を横切ることが理解されよう。同様に、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル100)内では、第二の活性表面122に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第一の活性サービス121上のプライマリチャネル150から密閉状態で分離された第一の活性表面121の一部を横切る。
【0060】
図3B及び図4Bを参照すると、図1Bに図示された電気化学セル積層体100’における使用に適した第二のバイポーラ分流板120’の2つの活性側が示されている。バイポーラ分流板120’は2つの活性表面を有するため、積層体の2つの隣接する電気化学セルにおいて同時に陽極及び陰極として使用することができる。詳細には、図3Bは、第二のバイポーラ分流板120’の第一の活性表面121’を、図4Bは、第一のバイポーラ分流板120’の第二の活性表面122’を図示している。第二の活性表面122’の特徴構成は、第一の活性表面121’の特徴構成を180度回転させたものと概ね等しい。第二のバイポーラ分流板120’の両活性表面121’、122’の製造を1つの製造マスクで行うことができるため、このような構成により製造プロセスの簡略化が可能となる。これに対し、図3A及び図4Aに図示される第一のバイポーラ分流板120では、活性表面121、122が実質上互いに異なる形状であるため、2つの製造マスクが必要である。
【0061】
図3Bを参照すると、第二のバイポーラ分流板120’はその第一の活性表面121’上に、多数のリブ160’により画定される多数のプライマリチャネル150’からなる活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル150’と図2AのMEA124’におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0062】
図4Bを参照すると、第二のバイポーラ分流板120’はその第二の活性表面122’上に、多数のリブ165’により画定される多数のプライマリチャネル155’からなる活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル165’と図2AのMEA124’におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0063】
図3B及び図4Bの両図を参照すると、第二のバイポーラ分流板120’は、プロセスガス/プロセス流体の流動のための多数のマニホルドもしくはオープニングを含む。第二のバイポーラ分流板120’は、陽極インレットマニホルド260、陽極アウトレットマニホルド262、陰極インレットマニホルド264、陰極アウトレットマニホルド266を含む。更に図1B及び図2Bを参照すると、組み立てられた状態における電気化学セル積層体100’において、マニホルド260、262、264、266は、それぞれプロセスガス/プロセス流体接続ポート106’、107’、111’、110’と流体連通する。
【0064】
陽極インレットマニホルド260は、第一の活性表面121’上に配置された、露出されたチャネル271と流体連通する。露出されたチャネル271は、露出された供給チャネル271を第二の活性表面122’上のプライマリチャネル155’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア272と流体連通する。同様に、陽極アウトレットマニホルド262は、第一の活性側121’上に配置された露出された供給チャネル273と流体連通する。露出された供給チャネル273は、露出された供給チャネル273を第二の活性表面122’上のプライマリチャネル155’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア274と流体連通する。
【0065】
陰極インレットマニホルド264は、第二の活性表面122’上に配置された露出された供給チャネル276と流体連通する。露出された供給チャネル276は、露出された供給チャネル273を第一の活性表面121’上のプライマリチャネル150’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア275と流体連通する。同様に、陰極アウトレットマニホルド266は、第二の活性側122’上に配置された、露出された供給チャネル278と流体連通する。露出された供給チャネル278は、露出された供給チャネル278を第一の活性表面121’上のプライマリチャネル150’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア277と流体連通する。
【0066】
ゆえに、図3B及び図4Bに示す、第二のバイポーラ分流板120’に関する相補形活性表面供給フロー構成は、図3A及び図4Aに示す、第一のバイポーラ分流板120に関連して説明した構成と同様である。従って、第一の活性表面121’と第二の活性表面122’に対するプロセスガス/プロセス流体のインフロー及びアウトフローは、それぞれ上述の第一の活性表面121と第二の活性表面122に対するプロセスガス/プロセス流体のインフロー及びアウトフローと実質上等しい。よって、当業者には、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル 100’)内では、第一の活性表面121’に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第二の活性サービス122’上のプライマリチャネル155’から密閉状態で分離された第二の活性表面122の一部を横切ることが理解されよう。同様に、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル 100’)内では、第二の活性表面122’に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第一の活性サービス121’上のプライマリチャネル150’から密閉状態で分離された第一の活性表面121’の一部を横切る。
【0067】
図5A及び図6Aを参照すると、図1Aに図示された電気化学セル積層体100における使用に適した第三のバイポーラ分流板130の2つの活性側が示されている。バイポーラ分流板130は2つの活性表面を有するため、積層体の2つの隣接する電気化学セルにおいて同時に陽極及び陰極として使用することができる。詳細には、図5Aは、第三のバイポーラ分流板130の第一の活性表面131を、図6Aは、第三のバイポーラ分流板130の第二の活性表面132を図示している。
【0068】
第三の分流板130の第一の活性表面131及び第二の活性表面132は、各々、図3A及び図4Aにそれぞれ図示した第一の活性表面121及び第二の活性表面122の鏡像である。図5Aに示す構成を得るために使用される第一の対称軸は、図3Aに示す軸対称主軸190である。図6Aに示す構成を得るために使用される第二の対称軸は、図4Aに示す軸対称主軸195である。1つの詳細なパターンマスク(あるいはダイ、モールド等)のみを作成すればよいため(「鏡像」パターンマスク/ダイ/モールド等は第一のマスクに使用したデータから製造できるため)、1つの分流板の2つの面の鏡像を用いて、もう1つの分流板の2つの面からの構成を形成することによって、分流板の製造コストを抑制できる。また、適切な薄膜と組み合わせて2枚のプレートを組み立てて電気化学セルを構成する際には、一方の分流板のリブの相当な部分が他方の分流板の対応するリブの前に位置する。
【0069】
図5Aを参照すると、第三のバイポーラ分流板130はその第一の活性表面131上に、多数のリブ180により画定される多数のプライマリチャネル170からなる活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル170と図2AのMEA124におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0070】
図6Aを参照すると、第三のバイポーラ分流板130はその第二の活性表面132上に、多数のリブ185により画定される多数のプライマリチャネル175からなる活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル175と図2AのMEA124におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0071】
図5A及び図6Aの両図を参照すると、第三のバイポーラ分流板130は、プロセスガス/プロセス流体の流動のための多数のマニホルドもしくはオープニングを含む。水インフローマニホルド221’は、第一の活性表面131への水の供給用に設けられる。水/酸素排出マニホルド220’は、第一の活性表面131からの水/酸素の排出用に設けられる。水素アウトフローマニホルド211’は、第二の活性領域132からの水素の排出用に設けられる。水素スルーマニホルド210’、水/酸素スルーマニホルド200’、水スルーマニホルド201’は、対応するプロセスガス/プロセス流体を電気化学セルの第二の分流板から、もしくは第二の分流板に案内するために設けられる。更に図1A及び図2Aを参照すると、組み立てられた状態における電気化学セル積層体100において、マニホルド200、201、 210、211、 220、221は、それぞれプロセスガス/プロセス流体接続ポート106、107、 108、109、 110、 111の各々と流体連通する。
【0072】
また、第三の分流板130は、第一の活性表面131において、水素排出用の露出されたチャネル235’と流体連通する水素相補形活性表面供給フローアパーチュア230’を有する。チャネル235’は、相補形活性表面供給フローアパーチュア230’を水素アウトフローマニホルド211’に接続する。これにより、水素相補形活性表面供給フローアパーチュア230’は、第三のバイポーラ分流板130の第二の活性表面132を水素 アウトフローマニホルド211’と流体連通させる。
【0073】
同様に、第三のバイポーラ分流板130は、第二の活性表面132において、水インフローマニホルド221’と流体連通する、露出された水インフローチャネル255’を有する。チャネル255’は、第二の活性表面132から第一の活性表面131にかけて延在する水相補形活性表面供給フローアパーチュア250’と流体連通し、そこにおいて、これらはプライマリチャネル170と流体連通する。これにより、相補形活性表面供給フローアパーチュア250’は、第一の活性表面131上の活性領域内で、プライマリチャネル170を水インフローマニホルド221’と流体連通させる。また、第二の活性表面132において、水アウトフローマニホルド220’と流体連通する、露出された水アウトフローチャネル240’を有する。チャネル240’は第二の活性表面132から第一の活性表面131にかけて延在する水相補形活性表面供給フローアパーチュア245’と流体連通し、そこにおいて、これらはプライマリチャネル170と流体連通する。これにより、相補形活性表面供給フローアパーチュア245’は、第一の活性表面131上の活性領域内で、プライマリチャネル170を水アウトフローマニホルド220’と流体連通させる。
【0074】
図5A及び図6Aに示す、第三のバイポーラ分流板130’に関する相補形活性表面供給フロー構成は、図3A及び図4Aに示す、第一のバイポーラ分流板120に関連して説明した構成と同様である。従って、第一の活性表面131と第二の活性表面132に対するプロセスガス/プロセス流体のインフロー及びアウトフローは、それぞれ相補形活性表面供給フローチャネルに関して説明した上述の第一の活性表面121及び第二の活性表面122に対するプロセスガス/プロセス流体のインフロー及びアウトフローと実質上等しい。よって、当業者は、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル 100)内では、第一の活性表面131に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第二の活性サービス132上のプライマリチャネル175から密閉状態で分離された第二の活性表面132の一部を横切ることを理解されよう。同様に、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル 100)内では、第二の活性表面132に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第一の活性サービス131上のプライマリチャネル170から密閉状態で分離された第一の活性表面131の一部を横切る。
【0075】
図5B及び図6Bを参照すると、図1Bに図示された電気化学セル積層体100’における使用に適した第四のバイポーラ分流板130’の2つの活性側が示されている。第四のバイポーラ分流板130’は2つの活性表面を有するため、積層体の2つの隣接する電気化学セルにおいて同時に陽極及び陰極として使用することができる。詳細には、図5Bは、第四のバイポーラ分流板130’の第一の活性表面131’を、図6Bは、第四のバイポーラ分流板130’の第二の活性表面132’を図示している。第二の活性表面132’の特徴構成は、第一の活性表面131’の特徴構成を180度回転させたものと概ね等しい。第二のバイポーラ分流板120’の両活性表面131’、132’の製造を1つの製造マスクで行うことができるため、このような構成により製造プロセスの簡略化が可能となる。同様に、図3B及び図4Bにそれぞれ図示した2つの活性表面121’及び122’の製造では、両活性表面121’、122’が略同一形状を呈することから、1つの製造マスクのみで製造できる。これに対し、図5A及び図6Aに図示される第三のバイポーラ分流板130では、活性表面131、132が実質上互いに異なる形状であるため、2つの製造マスクが必要である。
【0076】
図5Bを参照すると、第四のバイポーラ分流板130’はその第一の活性表面131’上に、多数のリブ180’により画定される多数のプライマリチャネル170’からなる活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル170’と図2AのMEA124’におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0077】
図6Bを参照すると、第四のバイポーラ分流板130’はその第二の活性表面132’上に、多数のリブ185’により画定される多数のプライマリチャネル175’からなる活性領域における流場構造を含む。ある実施形態では、流場構造は、プライマリチャネル175’と図2AのMEA124’におけるプロセスガス/プロセス流体間の暴露を増加するパターンで配置されている。
【0078】
図5B及び図6Bの両図を参照すると、第四のバイポーラ分流板130’は、プロセスガス/プロセス流体の流動のための多数のマニホルドもしくはオープニングを含む。第四のバイポーラ分流板130’は、陽極インレットマニホルド260’、陽極アウトレットマニホルド262’、陰極インレットマニホルド264’、陰極アウトレットマニホルド266’を含む。更に図1B及び図2Bを参照すると、組み立てられた状態における電気化学セル積層体100’において、マニホルド260’、262’、264’、266’は、それぞれプロセスガス/プロセス流体接続ポート106’、107’、111’、110’の各々と流体連通する。
【0079】
陽極インレットマニホルド260’は、第一の活性表面121’上に配置された、露出されたチャネル271’と流体連通する。露出されたチャネル271’は、露出された供給チャネル271’を第二の活性表面132’上のプライマリチャネル175’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア272’と流体連通する。同様に、陽極アウトレットマニホルド262’は、第一の活性側121’上に配置された露出された供給チャネル273’と流体連通する。露出された供給チャネル273’は、露出された供給チャネル273を第二の活性表面132’上のプライマリチャネル175’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア274’と流体連通する。
【0080】
陰極インレットマニホルド264’は、第二の活性表面132’上に配置された露出された供給チャネル276’と流体連通する。露出された供給チャネル276’は、露出された供給チャネル276’を第一の活性表面131’上のプライマリチャネル170’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア275’と流体連通する。同様に、陰極アウトレットマニホルド266’は、第二の活性側132’上に配置された露出された供給チャネル278’と流体連通する。露出された供給チャネル278は、露出された供給チャネル278’を第一の活性表面131’上のプライマリチャネル170’と流体連通させる、相補形活性表面供給フローアパーチュア277’と流体連通する。
【0081】
ゆえに、図5B及び図6Bに示す、第四のバイポーラ分流板130’に関する相補形活性表面供給フロー構成は、図3A及び図4Aに示す、第一のバイポーラ分流板120に関連して説明した構成と同様である。従って、第一の活性表面131’及び第二の活性表面132’に対するプロセスガス/プロセス流体のインフロー及びアウトフローは、それぞれ相補形活性表面供給フローチャネルに関して説明した上述の第一の活性表面121及び第二の活性表面122に対するプロセスガス/プロセス流体のインフロー及びアウトフローと実質上等しい。従って、当業者は、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル 100’)内では、第一の活性表面131’に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第二の活性サービス132’上のプライマリチャネル175’から密閉状態で分離された第二の活性表面132’の一部を横切ることを理解されよう。同様に、作動上、組み立てられた状態の電気化学セル(例えば、電気化学セル 100’)内では、第二の活性表面132’に対し供給・排出される特定のプロセスガス/プロセス流体は、第一の活性サービス131’上のプライマリチャネル170’から密閉状態で分離された第一の活性表面131’の一部を横切る。
【0082】
既述の如く、ある実施形態においては、第一の領域、 第二の領域、 第三の領域、第七の領域、第九の領域が第一の活性表面上に配置され、これにより、これらの領域は、180度回転した第四の領域、第十の領域、第八の領域、第六の領域、第五の領域と対応する。このため、第一の領域、 第二の領域、 第三の領域、第七の領域、第九の領域に存在する特徴は、第四の領域、第十の領域、第八の領域、第六の領域、第五の領域に存在する特徴の像とそれぞれ対応する。この例は、図3B、図4B、図5B、図6Bにそれぞれ図示した各活性表面121’、122’、131’、132’の特徴構成の比較に示されている。
【0083】
詳細には、図3B、図4B、図5B、図6Bにそれぞれ図示した各活性表面121’、122’、131’、132’の特徴構成の比較より、各々が相互に他方と略同一であることがわかる。各バイポーラ分流板120’、 130’の場合、第一の活性表面121’、 131’は、表面の平面上で、第二の活性表面122’、 132’に対し180度回転(半回転)されている。また、実際上、バイポーラ分流板120’と131’とは相互に略同一である。作動上の相違としては、各分流板120’、 130’の第一の活性表面121’、 131’が陰極として使用される場合、隣接する分流板は、対応する第二の活性表面が、陰極と対向する陽極として使用される向きに配置される点が挙げられる。ある実施形態では、本明細書に説明した本発明の態様に従ったバイポーラ分流板は、その両側に2つの活性表面の特徴を付与すべく機械加工及び/又は化学的処理を施した単一のプレートで構成される。あるいは、他の実施形態では、バイポーラ分流板は、各プレートの前面に2つの活性表面のうちいずれか一方の特徴を付与し、2枚を貼り合わせることで本発明の一実施形態の態様に従ったバイポーラ分流板を形成すべくそれぞれ機械的、化学的処理を施した2枚のプレートで構成される。本発明のこれらの実施形態において、相補形活性表面供給フローチャネルに関する態様では後面は使用されない。
【0084】
図3B、図4B、図5B、図6Bに図示するような分流板を利用する電気化学セル積層体のある実施形態では、積層体において特定の電気化学セルを構成する2枚のプレート間の協同関係は、組立工程において確立される。より詳しくは、例えば、多数の電気化学セルを隣接させて構成された電気化学セル積層体の場合、各電気化学セルがバイポーラ分流板を隣接する他のセルと共有することで、積層体端部のセルのみが隣接するセルを相互に共有し、積層体端部以外のセルは2つのバイポーラ分流板を2つの隣接するセルとそれぞれ共有する。各バイポーラ分流板は第一の活性表面及び第二の活性表面を有する。第一の活性表面は1つのセルでは陽極として使用され、第二の活性表面は隣接するセルでは陰極として使用される。図面に関連させて説明したように、第一の活性表面は、第二の活性表面と同様に多数の特徴を有する。
【0085】
ゆえに、積層体の任意の電気化学セルにおいて、第一のバイポーラ分流板の第一の活性表面は第二のバイポーラ分流板の第二の活性表面と対向する。プレートが図3B、図4B、図5B、図6Bに図示したものと同様である場合、両プレートの開始位置が第一のバイポーラプレート及び第二のバイポーラプレートのそれぞれ当該第一の活性表面及び第二の活性表面が相互に同一であるならば、第一のバイポーラ分流板及び第二のバイポーラ分流板は、第二のバイポーラ分流板の第二の活性表面が第一のバイポーラ分流板の第一の活性表面に対し180度回転(半回転)された向きとなるよう配置される。すなわち、各セルの第一のバイポーラ分流板は第一の向きに配置され、各セルの第二のバイポーラ分流板は、第一のバイポーラ分流板及び第二のバイポーラ分流板が同一の向きである状態から第二の分流板が第二の分流板の長手軸周りに180度回転され、次いで第二の分流板の通常平面と直交する軸周りに180度回転した向きに配置される。
【0086】
ある実施形態では、分流板の端部に多数のタブを設けることができる。タブは接触手段として、またそれらのタブが設けられた分流板の方向付け手段として機能する。すなわち、タブは、例えば、何らかの他のポイント(例えばアース、別の分流板等)に対するその分流板の電位を測定するための、特定の分流板への電気接点として使用できる。更に、1つ以上のタブを、電気化学セル構成要素である分流板を組み立てる際の補助として使用できる。これにより、分流板の特徴が相互に正確に位置合わせされる。別の実施形態では、分流板に多数のタブを設け、そのうちいくつかのタブを折り取っておく。これにより、電気化学セルを構成する第一の分流板及び第二の分流板の特定の分流板構成を第一の分流板もしくは第二の分流板として交互に識別する補助とすることができる。当業者には、本発明の多数の実施形態の範囲内でタブ配置、形状、数には多数の組合せが可能であることを認識されたい。
【0087】
更に、ある実施形態の分流板は単一のタブを含む。例えば、図3A、図4A、図5A、図6Aを参照すると、図示されたバイポーラ分流板120、130は単一のタブ400を含む。電気化学セル積層体を構成する構成分流板の全てにバイポーラ分流板120、130の一方を使用して電気化学セル積層体を組み立てる際、全ての構成分流板が同一であり、個々のタブ400の配置も同じであることから、構成分流板の各々に設けられた全てのタブ400は電気化学セル積層体の同一側に存在し、互いに隣接する。
【0088】
別の実施形態では、分流板に複数のタブを設ける。このような実施形態では、特定のタブ上への各タブの配置は、特定の分流板への他の全てのタブの配置と異なっている。また、このような実施形態では、タブ形状及び分流板上における配置からタブを相互に容易に識別できるよう、分流板に設けられる各タブの形状を、当該分流板に設けられる他の全てのタブの形状と異ならせることもある。例えば、図3B、図4B、図5B、図6Bを参照すると、バイポーラ分流板120’、130’は各々第一のタブ400と第二のタブ401を含む。両バイポーラ分流板120’、130’において、第二のタブ401は第一のタブ400の位置から斜めに対向する位置に配置される。別の実施形態では、タブ400、401はバイポーラ分流板120’、130’の同一側に配置してもよい(図示を省略)。また、電気化学積層体の組立ての際、タブ400、401は電気化学セル積層体を構成する構成分流板を適切に配置するために使用される。更に、積層体の動作及びテストの際、タブ400、401を特定の構成分流板への電気接点として利用できる。
【0089】
ある実施形態では、分流板の活性表面は、電気化学セル積層体の組立て時にガスケットが密閉状態で嵌め込まれるガスケット溝を含む。ガスケット溝は、活性領域に対するプロセスガス/プロセス流体の供給・排出に使用されるマニホルドを明確に分離する。すなわち、ガスケット溝に嵌め込まれたガスケットは上述のようにマニホルドから薄膜を密閉する。図3A乃至図6Bを参照すると、図示されたバイポーラ分流板に、(両活性表面に、必要に応じて)ガスケット溝305、305’が適宜設けられている。ここで図7Aを参照すると、図3A、図4A、図5A、図6Aに示されたバイポーラ分流板120、130における使用に適したガスケット300が図示されている。同様に、図7Bには、図3B、図4B、図5B、図6Bに示されたバイポーラ分流板120’、130’における使用に適したガスケット300’が図示されている。
【0090】
図7A及び図7Bに別々に示すガスケット300、300’は、組み立てられた状態の電気化学セル積層体において、異なる分流板と薄膜との間、あるいは第一の分流板と最後の分流板と、バスバー(母線)との間に必要なシールを行う。例えば、図3A及び図4Aを参照すると、水素排出用の露出されたチャネル253はガスケット300によりシールされ、これにより、特定の電気化学セルを構成するのに使用される別のバイポーラ分流板に配置された同様にシールされた平らな面236と合わせて、シールされた空間が画定される。同様に、図5A及び図6Aを参照すると、水素排出用の露出されたチャネル235’はガスケット300によりシールされ、これにより、特定の電気化学セルを構成するのに使用される別のバイポーラ分流板に配置された同様にシールされた平らな面236’と合わせて、シールされた空間が画定される。同様に、図3B及び図7Bを参照すると、プレートを組み立てて積層体を構成する際、ガスケット300(図7B)は、1つのマニホルド(例えば、マニホルド260)領域から別のマニホルド(例えば、マニホルド266)領域へ、また、相補形活性表面供給フローアパーチュア領域(例えば、相補形活性表面供給フローアパーチュア272)へのプロセスガスのクロスオーバーを防止すべく、プライマリチャネル150’を効果的にシールする。
【0091】
既述の如く、ある実施形態では、電気化学セル積層体を構成する全ての分流板は略同一である。すなわち、2つの活性表面の一方に存在する特徴構成は、他方に存在する特徴構成と同一である。2つの活性表面が同一であるため、1つの製造マスク、モールドもしくはスタンプのみを用いてプレートを製造できる。
【0092】
例えば、図3B及び図4Bを参照すると、第一の分流板と第二の分流板を用いてバイポーラ分流板120’を製造する際、第一の分流板及び第二の分流板の各々に第一の活性表面及び第二の活性表面121’、122’の特徴を付与すべく、製造用フォトマスクを用いて第一の分流板及び第二の分流板にケミカルエッチング処理を施す。2つの活性表面121’、122’が相互に対向しない向きとなるよう第一の分流板及び第二の分流板の背面を相互に貼り合わせ、バイポーラ分流板120’を形成する。活性表面121’、122’によって識別される、第一のプレートと第二のプレートとを接続するプロセスを、図8A,図8B、図8Cに例示する。製造プロセスの一部を説明するため、図8A乃至図8Cでは、第一の活性表面121’及び第二の活性表面122’を簡略化した形態で図示する。
【0093】
図8Aを参照すると、第二の分流板が、第一の活性表面121’と第二の活性表面122’とが同一方向に、同一の向きとされた第一の位置から、同じ向きのままで180度回転され、図8Bに示す第二の位置をとる。第二の分流板はそこで図8Cに示すように反転されて(第一の分流板に対し鏡像となり)、2つの活性表面121’、122’は相互に反対側を向く。2つの分流板は背面を合わせて結合され、図3B及び図4Bに図示するバイポーラ分流板120’が形成される。第一の分流板及び第二の分流板は、ロウ付け、レーザー溶接、導電接着塗布、当該電気化学セルの腐食性環境に適した結合を提供するその他の結合プロセス等、適切な結合プロセスを用いて結合される。
【0094】
他の実施形態によると、背面合わせに2つの面を有する単一のプレートを用いてバイポーラ分流板を製造してもよい。一方の面に第一の活性表面のための流場構造の特徴を、他方の面に第二の活性表面のための流場構造の特徴を付与する。このようなバイポーラ分流板の製造方法により、必要な材料の量を低減でき、バイポーラ分流板と、多数のこのようなプレートで構成される電気化学セル積層体の重量を減ずることができる。
【0095】
更に、ある実施形態では、電気化学セル積層体に用いるのに適したガス拡散媒体(GDM)(図示を省略)も対称型に構成されており、従って、単一のタイプのGDMのみを用いて電気化学セル積層体を組み立てることができる。別の実施形態では、製造されるGDMは、組立工程において、活性表面の活性領域において適切な分流板パターンに適合するよう、対応する活性表面に対して回転もしくは反転される(鏡像とされる)。ここでは、流場パターンに対するGDMの向きのみが比較的重要である。但し、GDM上のパターンは分流板の対応する活性表面の活性領域上のパターンと大きな相違はない。これにより、製造工程と製造コストが低減される。
【0096】
既述の如く、本発明のある実施形態の態様によれば、後面を有する分流板では、後面に冷却剤チャネルが設けられている。なお、「後面」は、組み立てられた状態の電気化学セル積層体において、薄膜と直接的もしくは間接的に接触しないことから、「非活性」表面である。図9A乃至図10Dは、非活性表面上に冷却剤チャネルを含む分流板を例示した概略図である。冷却剤は分流板上のマニホルドによって冷却剤チャネルに対し供給・排出される。
【0097】
図9Aを参照すると、図1Aに図示した電気化学セル積層体100における使用に適した第一の分流板120’’の前(活性)面121’’を概略図で示している。図9Bは,図9Aに図示した第一の分流板120’’の後(非活性/冷却)面を概略図で示した図である。図9Aに図示した第一の分流板120’’の前面121’’は、図3Bに図示した第一の活性表面121’と概ね同一であり、陽極インレットマニホルド260と陰極アウトレットマニホルド266の間に配置された第一の冷却剤マニホルド280、及び、陰極インレットマニホルド264と陽極インレットマニホルド262の間に配置された第二の冷却剤マニホルド282が更に設けられている。その他の特徴は全て図3Bに示したものと同一であり、同一の参照番号が用いられている。
【0098】
図9Bは、分流板120’’の後面に配置された第一の分流板120’’の冷却領域を図示している。第一の冷却剤マニホルド280は、第一の冷却剤フローチャネル286を介して、チャネル290とリッジ295からなる冷却流場パターンに接続されている。第二の冷却剤マニホルド282は、第二の冷却剤フローチャネル284を介して、冷却流場パターンに接続されている。
【0099】
同様に、図9Cを参照すると、図1Aに図示した電気化学セル積層体100における使用に適した第二の分流板120’’’の前(活性)面122’’を概略図で示している。図9Dは,図9Cに図示した第二の分流板120’’’の後(非活性/冷却)面を概略図で示した図である。図9Cに図示した第二の分流板120’’’の前面122’’は、図4Bに図示した第二の活性表面122’と概ね同一であり、陽極インレットマニホルド260と陰極アウトレットマニホルド266の間に配置された第一の冷却剤マニホルド280’、及び、陰極インレットマニホルド264と陽極インレットマニホルド262の間に配置された第二の冷却剤マニホルド282’が更に設けられている。その他の特徴は全て図4Bに示したものと同一であり、同一の参照番号が用いられている。
【0100】
図9Dは、活性領域 122’’と反対側の表面に配置された第二の分流板120’’’の冷却領域を図示している。第一の冷却剤マニホルド280’は、第一の冷却剤フローチャネル286’を介して、チャネル290’とリッジ295’からなる冷却流場パターンに接続されている。第二の冷却剤マニホルド282’は、第二の冷却剤フローチャネル284’を介して、冷却流場パターンに接続されている。
【0101】
図9A乃至図9Dに図示された分流板120’’及び120’’’は、背面同士を結合させて、図3B及び図4Bに図示したバイポーラ分流板120’と同様のバイポーラ分流板を形成し得る。これらのバイポーラ分流板の相違点は、分流板120’’及び120’’’を用いて形成されたバイポーラ分流板は個々の分流板120’’及び120’’’の間に冷却剤チャネルを有する点である。
【0102】
図10Aを参照すると、図1Aに図示した電気化学セル積層体100における使用に適した第三の分流板130’’の前(活性)面131’’を概略図で示している。図10Bは,図10Aに図示した第三の分流板130’’の後(非活性/冷却)面を概略図で示した図である。図10Aに図示した第三の分流板130’’の前面131’は、図5Bに図示した第一の活性表面131’と概ね同一であり、陽極インレットマニホルド260’と陰極アウトレットマニホルド266’ の間に配置された第一の冷却剤マニホルド280’’、及び、陰極インレットマニホルド264’ と陽極インレットマニホルド262’の間に配置された第二の冷却剤マニホルド282’’が更に設けられている。その他の特徴は全て図5Bに示したものと同一であり、同一の参照番号が用いられている。
【0103】
図10Bは、分流板130’’の後面に配置された第三の分流板130’’の冷却領域を図示している。第一の冷却剤マニホルド280’’は、第一の冷却剤フローチャネル286’’を介して、290’’とリッジ295’’からなる冷却流場パターンに接続されている。第二の冷却剤マニホルド282’’は、第二の冷却剤フローチャネル284’’を介して、冷却流場パターンに接続されている。
【0104】
同様に、図10Cを参照すると、図1Aに図示した電気化学セル積層体100における使用に適した第四の分流板130’’’の前(活性)面132’’を概略図で示している。図10Dは,図10Cに図示した第四の分流板130’’’の後(非活性/冷却)面を概略図で示した図である。 図10Cに図示した第四の分流板130’’’の前面132’’は、図6Bに図示した第二の活性表面132’と概ね同一であり、陽極インレットマニホルド260’と陰極アウトレットマニホルド266’の間に配置された第一の冷却剤マニホルド280’’’、及び、陰極インレットマニホルド264’と陽極インレットマニホルド262’の間に配置された第二の冷却剤マニホルド282’’’が更に設けられている。その他の特徴は全て図6Bに示したものと同一であり、同一の参照番号が用いられている。
【0105】
図10Dは、活性領域 132’’と反対側の表面に配置された第四の分流板130’’’の冷却領域を図示している。第一の冷却剤マニホルド280’’’は、第一の冷却剤フローチャネル286’’’を介して、290’’’とリッジ295’’’からなる冷却流場パターンに接続されている。第二の冷却剤マニホルド282’’’は、第二の冷却剤フローチャネルs 284’’’を介して、冷却流場パターンに接続されている。
【0106】
図10A乃至図10Dに図示された分流板130’’及び130’’’を結合させて、図5B及び図6Bに図示したバイポーラ分流板130’と同様のバイポーラ分流板を形成し得る。これらのバイポーラ分流板の相違点は、分流板130’’及び130’’’を用いて形成されたバイポーラ分流板は個々の分流板130’’及び130’’’の間に冷却剤チャネルを有する点である。
【0107】
ある実施形態では、図9A乃至図10Dを参照して上述した2つの分流板(すなわち構成分流板)からなるバイポーラ分流板は、2つの分流板の両方には冷却剤チャネルを設けていない。冷却剤チャネルはバイポーラ分流板を構成する2つの分流板のうちいずれか一方にのみ設けてもよい。すなわち、ある実施形態では、分流板は1枚おきに冷却剤チャネルを有する。あるいは、ある実施形態では、電気化学セル積層体は、奇数番号のセルのみが2つの活性表面の間に冷却剤チャネルを有する(例えば、冷却チャネルを設けない分流板と冷却剤チャネルを設けた分流板とを組み合わせる)、交互のタイプの電気化学セルで構成される。あるいは、交互ではない組合せ(例えば、3つに1つ、もしくは4つに1つのセル)も可能である。スタンピングされたプレートは2枚のスタンピングされた半分を結合する必要があることから、この点はスタンピングされたプレートに関してはそれほど重要な製造上の利点ではない。しかし、両活性表面のための特徴を、単一の複合基体、グリーンプレス(green pressed)焼結体、あるいは単一の金属基体に化学エッチング処理を施したものにインポートすることができるため、この点は、複合プレート、焼結プレート、化学エッチング処理されたプレートには利点となる。
【0108】
上述した説明は、本発明の諸実施形態の態様の応用をあくまで例として示したものである。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく他の構成も実施できよう。
【0109】
例えば、本発明はPEM電気化学セルに関して説明したが、当業者には、本発明がアルカリセルのような他のタイプの電気化学セルにも応用できることが理解されよう。
【0110】
また、本願と同一出願人になる同時係属中の米国特許出願第09/854,362号に記載された「所定位置に設けるシール(seal-in-place)」技術を、本発明の諸実施形態の態様と組み合わせて用いることができる。当該特許出願の全内容を、参照することを以って本明細書に援用するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1A】本発明の第一実施形態の態様に従った電気化学セル積層体を組み立てた状態で示す斜視図である。
【図1B】本発明の第二実施形態の態様に従った電気化学セル積層体を組み立てた状態で示す斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1Aに示す電気化学セル積層体の分解斜視図である。
【図2B】図1Bに示す電気化学セル積層体の分解斜視図である。
【図3A】図1Aに示す電気化学セル積層体における使用に適した第一のバイポーラ分流板の第一の活性表面の概略図である。
【図3B】図1Bに示す電気化学セル積層体における使用に適した第二のバイポーラ分流板の第一の活性表面の概略図である。
【図4A】図3Aに示す第一のバイポーラ分流板の第二の活性表面の概略図である。
【図4B】図3Bに示す第二のバイポーラ分流板の第二の活性表面の概略図である。
【図5A】図1Aに示す電気化学セル積層体における使用に適した第三のバイポーラ分流板の第一の活性表面の概略図である。
【図5B】図1Bに示す電気化学セル積層体における使用に適した第四のバイポーラ分流板の第一の活性表面の概略図である。
【図6A】図5Aに示す第三のバイポーラ分流板の第二の活性表面の概略図である。
【図6B】図5Bに示す第四のバイポーラ分流板の第二の活性表面の概略図である。
【図7A】図3A、図4A、図5A、図6Aに示すバイポーラ分流板の両活性表面における使用に適したガスケットの概略図である。
【図7B】図3B、図4B、図5B、図6Bに示すバイポーラ分流板の両活性表面における使用に適したガスケットの概略図である。
【図8A】図1Bに示す電気化学セル積層体における使用に適した分流板の例示的組み立て手順における第一のステップを図示したものである。
【図8B】図8Aに続く、例示的組み立て手順における第二のステップを図示したものである。
【図8C】図8Bに続く、例示的組み立て手順における第三のステップを図示したものである。
【図9A】図1Aに示す電気化学セル積層体における使用に適した第一の分流板の前(活性)面の概略図である。
【図9B】図9Aに示す第三の分流板の後(非活性/冷却)面の概略図である。
【図9C】図1Aに示す電気化学セル積層体における使用に適した第二の分流板の前(活性)面の概略図である。
【図9D】図9Cに示す第二の分流板の後(非活性/冷却)面の概略図である。
【図10A】図1Aに示す電気化学セル積層体における使用に適した第三の分流板の前(活性)面の概略図である。
【図10B】図10Aに示す第三の分流板の後(非活性/冷却)面の概略図である。
【図10C】図1Aに示す電気化学セル積層体における使用に適した第四の分流板の前(活性)面の概略図である。
【図10D】図10Cに示す第四の分流板の後(非活性/冷却)面の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極分流板の活性表面及び陰極分流板の活性表面、並びにバイポーラ分流板の2つの活性表面の製造に適した単一の製造マスクであって、前記単一の製造マスクは、
活性領域を含む第一の領域、
第一のマニホルドを含む第二の領域、
第二のマニホルドを含む第三の領域、及び
前記第一、第二、第三の領域を相互に分離するシール面、
を定義するための特徴を含み、
前記第一、第二、第三の領域は前記活性表面上に対称的に配置されている、
単一の製造マスク。
【請求項2】
前記シール面はガスケット溝を含む、請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項3】
前記第三の領域の一部にわたって前記第一のマニホルドと流体連通する第一の相補形活性表面供給フローアパーチュア、及び
前記第一の領域内に形成されると共に、前記第一の領域の一部にわたって前記活性領域と流体連通する第二の相補形活性表面供給フローアパーチュア、
を定義するための特徴を更に含む、
請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項4】
第三のマニホルドを含む第四の領域、及び
第四のマニホルドを含む第五の領域、
を定義するための特徴を含み、
前記第一、第二、第三、第四、第五の領域は前記シール面により相互に分離され、
前記第一、 第二、 第三、 第四、第五の領域は、各々前記第一、 第三、 第二、 第五、第四の領域の像配置を180度回転させた配置に対応するよう配置され、これにより、前記第一、 第二、 第三、 第四、第五の領域に存在する特徴は、各々前記第一、 第三、 第二、 第五、第四の領域に存在する特徴の像と対応している、
請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項5】
前記第四の領域の一部にわたって前記第三のマニホルドと流体連通する第三の相補形活性表面供給フローアパーチュア、及び
前記第一の領域内に形成されると共に、前記第一の領域の一部にわたって前記活性領域と流体連通する第四の相補形活性表面供給フローアパーチュア、
を定義するための特徴を更に含む、
請求項4に記載の単一の製造マスク。
【請求項6】
前記活性領域内に前記活性流場構造を定義するための特徴を更に含む、請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項7】
前記流場構造は、前記活性領域の表面にわたって略対称形である、請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項8】
前記第一の領域内に形成されると共に、前記第一の領域の一部にわたって前記活性領域と流体連通する第一の背面供給フローアパーチュア、及び
前記第一の領域内に形成されると共に、前記第一の領域の一部にわたって前記活性領域と流体連通する第二の背面供給フローアパーチュア、
を定義するための特徴を更に含む、
請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項9】
インレット冷却剤マニホルド、及び
アウトレット冷却剤マニホルド、
を定義するための特徴を更に含み、
前記シール面は、前記インレット冷却剤マニホルドと前記アウトレット冷却剤マニホルドを相互に、且つ前記第一、第二、第三の領域を分離すべく延在する、
請求項1に記載の単一の製造マスク。
【請求項10】
請求項9に記載の単一の製造マスクに対応する第二の製造マスクであって、
前記第二の製造マスクは、陽極分流板及び陰極分流板の両方の対向する非活性表面の製造に適しており、前記第二のマスクは、前記インレット冷却剤マニホルド及びアウトレット冷却剤マニホルドと流体連通する冷却剤チャネルを定義するための特徴を含む、
第二の製造マスク。
【請求項11】
請求項9に記載の単一の製造マスクに対応する第二の製造マスクであって、前記活性表面の前記第一の領域の下に形成されると共に、前記第一のマニホルドと流体連通する第一の背面供給フローアパーチュアを定義する特徴を更に含む、第二の製造マスク。
【請求項12】
請求項1に記載の単一の製造マスクを用いて製造される分流板。
【請求項13】
請求項1に記載の単一の製造マスクを用いて製造されるバイポーラ分流板。
【請求項14】
請求項3に記載の単一の製造マスクを用いて製造される分流板。
【請求項15】
請求項3に記載の単一の製造マスクを用いて製造されるバイポーラ分流板。
【請求項16】
請求項4に記載の単一の製造マスクを用いて製造される分流板。
【請求項17】
請求項4に記載の単一の製造マスクを用いて製造されるバイポーラ分流板。
【請求項18】
請求項5に記載の単一の製造マスクを用いて製造される分流板。
【請求項19】
請求項5に記載の単一の製造マスクを用いて製造されるバイポーラ分流板。
【請求項20】
請求項6に記載の単一の製造マスクを用いて製造される分流板。
【請求項21】
請求項6に記載の単一の製造マスクを用いて製造されるバイポーラ分流板。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate


【公表番号】特表2007−511664(P2007−511664A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529487(P2006−529487)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000721
【国際公開番号】WO2004/102710
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(502451258)ハイドロジェニクス コーポレイション (21)
【Fターム(参考)】