説明

対話形式講義支援システム

【目的】講師紹介等の情報配信と講師及び生徒間の双方向通話との円滑な連携を可能とする対話形式講義支援システムを提供する。
【構成】複数の生徒端末と複数の講師端末との間で双方向通話を可能とすることで、該端末間でなされる対話形式講義を支援する対話形式講義支援システムであり、該生徒端末に講師選択メニューを配信し、該生徒端末の1から発せられる講師選択指令に応じて、選択された講師に対応する講師端末と該生徒端末の1との間に、該双方向通話のための通話セッションを確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット英会話レッスンのように、インターネット等のネットワークを介して生徒端末と講師端末との間に双方向通話を可能とすることで、該端末間でなされる対話形式講義を支援する対話形式講義支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来のインターネット英会話レッスンを例にとると、利用者は、先ずWebサイトで講師の紹介情報を閲覧し希望する講師を指定して講義を申し込み、その後にソフトフォン等の通話手段を利用して当該講師との間でオンライン双方向通話による英会話受講を行うなどの複数段階からなる運用を行っていた。
【0003】
かかる運用が必要となる理由は、ホームページ配信を実現するHTTPプロトコルを用いたサーバクライアント構成であるWeb(World Wide Web)環境と、VoIP(Voice Over Internet Protocol)を実現するSIP(Session Initiation Protocol)プロトコルを用いたピアツーピア構成であるSIP環境との融合が図られていないことに起因する。英会話レッスンの場合においては、利用者に適切な講師を紹介するアプリケーションプログラム(AP:Application Program)はWeb環境で動作し、会話をオンラインで行う通話機能を提供するアプリケーションプログラムはSIP環境で動作していた。SIP環境におけるアプリケーションプログラムの動作を実現する方法としては、例えば、非特許文献1において公開されるJSR116:SipServletAPI(Application Program Interface)仕様が参照される。
【非特許文献1】http://jcp.org/aboutJava/communityprocess/final/jsr116/index.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、従来の構成では円滑な運用が行えないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、講師紹介等の情報配信と講師及び生徒間の双方向通話との円滑な連携を可能とする対話形式講義支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による対話形式講義支援システムは、複数の生徒端末と複数の講師端末との間で双方向通話を可能とすることで、該端末間でなされる対話形式講義を支援する対話形式講義支援システムであり、該生徒端末に講師選択メニューを配信する講師選択メニュー配信手段と、該生徒端末の1から発せられる講師選択指令に応じて、選択された講師に対応する講師端末と該生徒端末の1との間に、該双方向通話のための通話セッションを確立する通話セッション確立手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による対話形式講義支援システムによれば、講師紹介等の情報配信と講師及び生徒間の双方向通話との円滑な連携が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例を示し、英会話レッスン提供システムの全体構成を示している。英会話レッスン提供システム10は、本発明による対話形式講義支援システムであり、インターネット40を介して利用者、すなわち生徒に英会話レッスンを提供するシステムである。該システムにより、世界中に居住し英語を教える事が出来る講師と英会話を学びたい生徒とをWebサイト上でマッチングして、安全な英会話レッスンを提供するインターネット英会話サービスが実現される。
【0010】
本図を参照すると、生徒となるべき利用者は、クライアントAに含まれるWebブラウザ51を使用してWebサイト等から情報配信を受けると共に、クライアントAに含まれるソフトフォン52を使用して音声通信サービスの提供を受ける。一方、生徒にレッスンを提供する講師は、クライアントBに含まれるWebブラウザ61を使用してWebサイト等から情報配信を受けると共に、クライアントBに含まれるソフトフォン62を使用して音声通信サービスの提供を受ける。本実施例では、クライアントAを生徒端末とし且つクライントBを講師端末とする例が説明されるが、本発明にはかかる限定はなく、2つ以上のクライアントが存在して多数の生徒あるいは講師の使用に供されることが前提とされる。
【0011】
Webブラウザ51及び61は、Webサーバ32と接続し、Web−AP35が提供する機能を利用するためのクライアント環境である。ソフトフォン52及び62は、SIP対応のIP電話端末であり、SIP環境20との間はインターネット40を介して接続される。
【0012】
英会話レッスン提供システム10は、第1通信環境であるSIP環境20と、第2通信環境であるWeb環境30とを含み、双方はLAN41を介して相互に接続されていると共にインターネット40に接続されている。SIP環境20とWeb環境30とは、LAN41を介することなくインターネット40に直接接続されても良い。すなわち、SIP環境20とWeb環境30とは、異なるネットワークドメインに属するネットワーク環境上に配置されても良いし、あるいはSIP環境20及びWeb環境30が同一のサーバ計算機装置内に配置されても良い。
【0013】
図2は、SIP環境20及びWeb環境30のより詳細の構成を示している。
<SIP環境20の構成>
先ず、SIP環境20の構成について説明すると、SIPサーバ22は、IETFで規定される、例えば、RFC3261に準拠したSIPをハンドリング及び管理するサーバであり、SIPプロキシサーバ機能、SIPレジストラサーバ機能、及びSIPロケーションサーバ機能を有する。SIPプロキシサーバ機能はクライアントの代理としてSIPメッセージの中継を行う機能である。SIPレジストラサーバ機能はクライアントの登録を管理する機能である。SIPロケーションサーバ機能は登録されたクライアントのアドレス情報等を管理する機能である。
【0014】
SIP−DB21は、SIPサーバ22が管理する情報、例えば、ユーザ情報、プレゼンス情報及び講師状態等の状態管理DBを格納するデータベースである(図8の(c)参照)。ここで、ユーザー情報とは生徒や講師等のクライアントのアドレス情報や認証を行うための情報である。プレゼンス情報とはクライアントが接続されているか否か、クライアントが起動或いは利用されているか否か、更には別のクライアントと接続中であるか否か等のクライアントの状態を表す情報である。講師状態とはマッチングAPが管理するSIP関連情報である。また、講師のプレゼンス及び講義履歴とは講師と利用者との接続状態や通信履歴の情報である。
【0015】
SIP−APサーバ23は、SIPサーバ22により管理されるSIPプロトコルを操作するAPを稼働するサーバである。SIPサーバ22で受信するSIPリクエスト、例えば、セッション確立、確認応答、通話終了及びプレゼンス変更等のリクエストを操作する機能を有し、更に、SIPサーバ22へのリクエストを発行する機能を有する。
【0016】
SIP−API24は、SIP−APサーバ23が提供するAPインターフェースであり、代表的には、JCP(Java Community Process)において標準化作業が進められているSIP Servlet APIを用いて実現される。SIP−AP25は、SIP−API24により構築され、SIP−APサーバ23上で稼働するSIP対応AP(Application Program)であり、例えば、IP電話、インスタントメッセージ、TV電話、プレゼンスコミュニケーション等を実現するAPを含む。
【0017】
Webアクセッサコンポーネント26は、SIP−AP25がWeb環境30と連携するためのコンポーネント群、すなわちライブラリソフトウェア部品の総称である。Webアクセッサコンポーネント26は、プレゼンス管理261と、シグナリング管理262と、コール管理263と、連携管理269とを含む。
【0018】
プレゼンス管理261は、SIP環境20内で管理するプレゼンス情報を操作管理するためのコンポーネントである。シグナリング管理262は、SIP環境20内の構成要素であるSIPサーバ22を利用して、SIPシグナリング操作管理するためのコンポーネントである。コール管理263は、SIP環境20内で管理するコール状態を操作管理するためのコンポーネントである。連携管理269は、Web環境30内の対応する機構と連携し、Web環境30側からSIP環境20にアクセスする、またはSIP環境20からWeb環境30側にアクセスするための通信環境であり、例えば、SOAP(Simple Object Access Protocol)やCORBA(Common Object Request Broker Architecture)を用いて実現され得る。
<Web環境30の構成>
次に、Web環境30の構成について説明すると、Webサーバ32は、HTTPをハンドリング及び管理するサーバである。Web−DB31は、Webサーバ32が管理する情報、例えば、利用ログ、マッチングAP用生徒情報、講師情報等の生徒DB及び講師DBを格納するデータベースである(図8の(a)及び(b)参照)。生徒DBは、生徒毎に当該生徒と講師による生徒評価とを対応付ける対応テーブルを構成する。一方、講師DBは、当該講師と生徒による講師評価とを対応付ける対応テーブルを構成する。
【0019】
利用ログとはWebアクセスの利用状況を表す情報である。生徒情報とは後述するマッチングAPで管理する情報であり、例えば、利用者の氏名及びTOEIC点数を含む基本情報と、受講目的、希望金額、性別、年齢及び国籍を含む検索条件と、講師、講師評価を含む受講履歴などの情報からなる。講師情報とはマッチングAPで管理する情報であり、講師の氏名、講義レベルやTOEIC点数を含む基本情報と、得意分野、希望金額、性別、年齢及び国籍を含む検索条件と、利用者及び評価結果を含む講義履歴とからなる。
【0020】
Web−APサーバ33は、Webサーバ32により管理されるWebプロトコル、すなわち、HTTPを操作するAP(Application Program)を稼働するサーバであり、例えば、オープンソースのTOMCAT及びBEA社が提供するWebLogicを用いて実現され得る。Web−API34は、Web−APサーバ33が提供するAPインターフェースであり、代表的には、J2EE(Java 2 Enterprise Edition)環境で規定されているHTTP Servlet APIやEJB(Enterprise Java Beans)を用いて実現される。
【0021】
Web−AP35は、Web−API34により構築され、Web−APサーバ217上で動作するWeb−APであり、マッチングAP226を含む。マッチングAP226の機能については後述する(図6の説明参照)。
【0022】
SIPアクセッサコンポーネント36は、Web−AP35がSIP環境20と連携するためのコンポーネント群の総称であり、Web−AP35がSIP環境20上の機能、すなわちWebアクセッサコンポーネント26と交信する際に利用される。SIPアクセッサコンポーネント36は、プレゼンス管理361と、シグナリング管理362と、コール管理363と、連携管理369とを含む。
【0023】
プレゼンス管理361は、SIP環境20内で管理されるプレゼンス情報をアクセスするためのWeb環境30内のコンポーネントである。シグナリング管理362は、SIP環境20内の構成要素であるSIPサーバ22を利用して、SIPシグナリングを利用するためのWeb環境30内のコンポーネントである。コール管理363は、SIP環境20内で管理されるコール状態をアクセスするためのWeb環境30内のコンポーネントである。
【0024】
連携管理369は、SIP環境20内の対応する機構と連携し、コール管理223を利用してWeb環境30からSIP環境20側にアクセスする、またはSIP環境20側からWeb環境30側にアクセスさせるための通信環境である。かかる通信環境は、SIP環境20内の連携管理269に対応して、SOAP(Simple Object Access Protocol)やCORBA(Common Object Request Broker Architecture)を用いて実現され得る。
【0025】
図3は、図2に示されたプレゼンス管理261及びプレゼンス管理361のより詳細の構成を示している。ここでは、プレゼンス管理261をSIP側プレゼンス管理261とし、プレゼンス管理361をWeb側プレゼンス管理361として以下説明する。コンポーネントAPI268は、プレゼンス管理261をSIP−AP25が利用するためのAPI(application program interface)であり、コンポーネントAPI368は、プレゼンス管理361をWeb−AP35が利用するためのAPIである。
【0026】
SIP側プレゼンス管理261は、SIP−DB21上で管理されるプレゼンス情報の操作管理を行うコンポーネントである。SIP側プレゼンス管理261は、プレゼンス情報を登録するプレゼンス情報登録2611と、登録されたプレゼンス情報を最新の情報に変更するプレゼンス情報変更2612と、登録されたプレゼンス情報を検索するプレゼンス情報検索2613と、SIPサーバ22を介して更新された最新のプレゼンス情報を、Web側プレゼンス管理モジュール222に通知するプレゼンス情報更新通知アクセスモジュール2614とからなる。
【0027】
Web側プレゼンス管理361は、上記したSIP側プレゼンス管理261内の各機能を、連携管理269と連携管理369との通信によりアクセスするためのモジュールから構成される。Web側プレゼンス管理361は、プレゼンス情報登録アクセスモジュール3611と、プレゼンス情報変更アクセスモジュール3612と、プレゼンス情報検索アクセスモジュール3613と、プレゼンス情報更新通知3614とからなる。これらは、SIP側プレゼンス管理261内の対応する機能と連携することでアクセス機能を実現する。
【0028】
図4は、図2に示されたシグナリング管理262及びシグナリング管理362のより詳細の構成を示している。ここでは、シグナリング管理262をSIP側シグナリング管理262とし、シグナリング管理362をWeb側シグナリング管理362として以下説明する。コンポーネントAPI268は、シグナリング管理262をSIP−AP25が利用するためのAPI(application program interface)であり、コンポーネントAPI368は、シグナリング管理362をWeb−AP35が利用するためのAPIである。
【0029】
SIP側シグナリング管理262は、SIPサーバ22を利用してSIPシグナリングの操作管理を行うコンポーネントであり、SIPサーバ22を利用して2者間のコミュニケーション機能を提供しClick To Dial等の操作を可能とする3PCC(3rd Party Call Control)管理2621と、2者間コミュニケーションを2つの分かれたSIPセッションとして実現するB2BUA(Back To Back User Agent)管理2622と、SIPサーバ22を介して実行された3PCCの完了をWeb側シグナリング管理362に通知する3PCC完了通知アクセスモジュール2623とからなる。
【0030】
Web側シグナリング管理362は、上記したSIP側シグナリング管理262内の各モジュールとの相互通信を、連携管理269と連携管理369との通信により実現するためのモジュールから構成される。Web側シグナリング管理362は、Web環境30内からSIP側シグナリング管理262内の3PCC管理にアクセスする3PCC管理アクセスモジュール3621と、Web環境30内からSIP側シグナリング管理262内のB2BUA管理にアクセスするB2BUA管理アクセスモジュール3622と、SIP側シグナリング管理262内の3PCC管理の実行完了の通知を受け取り、Web環境30内から要求された3PCCの実行が完了されたことを認識する3PCC完了通知3623とからなる。
【0031】
図5は、図2に示されたコール管理263及びコール管理363のより詳細の構成を示している。ここでは、コール管理263をSIP側コール管理263とし、コール管理363をWeb側コール管理363として以下説明する。コンポーネントAPI268は、コール管理263をSIP−AP25が利用するためのAPI(application program interface)であり、コンポーネントAPI368は、コール管理363をWeb−AP35が利用するためのAPIである。
【0032】
コール管理263は、SIP−DB21に含まれる状態管理DBに基づいてコール状態の操作管理を行うコンポーネントであり、コール状態を登録するコール状態登録2631と、登録されたコール状態を最新の情報に変更するコール状態更新2632と、登録されたコール状態を検索するコール状態検索2633と、登録されたコール状態を削除するコール状態削除2634とからなる。
【0033】
Web側コール管理363は、上記したコール管理263内の各モジュールを連携管理269と連携管理369との通信によりアクセスするためのモジュールから構成される。Web側コール管理363は、コール状態登録アクセスモジュール3631と、コール状態更新アクセスモジュール3632と、コール状態検索アクセスモジュール3633と、コール状態削除アクセスモジュール3634とを含み、これらは、コール管理263内の対応する機能と連携することでアクセス機能を実現する。
【0034】
図6は、マッチングAP351の構成を示している。マッチングAP351は、情報登録機能3511と、検索条件メニュー表示機能3512と、マッチング機能3513と、検索結果表示機能3514と、評価メニュー表示機能3515と、評価結果集計機能3516と、評価結果送信機能3517と、評価結果登録機能3518とを含む。マッチングAP351は、生徒DBと講師DBとを含むWeb−DB31と状態管理DBを含むSIP−DB21にアクセスする。
【0035】
情報登録機能3511は、Webブラウザに講師用の登録画面、利用者用の登録画面を表示し登録講師情報DBと登録利用者情報DBに情報を登録するためのモジュールである。検索条件メニュー表示機能3512は、利用者が検索条件を入力する画面を表示するためのモジュールである。
【0036】
マッチング機能3513は、マッチング優先順位設定機能を有するマッチング検索モジュールであり、利用者が登録したWeb−DBの生徒情報DBをもとに、登録された講師情報DBから、利用者が設定した優先順位で、講師をリストアップする。更にSIP−DBの講師情報DBから講師のプレゼンス情報を抽出し、講義可能なオンラインの講師のみをピックアップする検索機能を有する。また、サービス運用者側は必要に応じて優先順位を変更することができ、また、利用者側も自分の検索条件入力時に優先順位を設定できる(図7(a)参照)。
【0037】
検索結果表示機能3514は、利用者のWebブラウザへマッチングAPによる検索結果を表示するモジュールである。評価メニュー表示機能3515は、利用者と講師のセッションが切断された時に、利用者は講師の評価を、講師は利用者の評価をできる評価シートの入力画面をそれぞれのWebブラウザに表示するモジュールである。
【0038】
評価結果集計機能3516は、利用者による講師の評価結果、及び講師による利用者の評価結果を集計するモジュールであり、例えば、個別の評価結果をもとに様々な基準で総合判定を行うことができる(図7(b)参照)。
【0039】
評価結果送信機能3517は、利用者による講師の評価結果を講師に、また、講師による利用者の評価結果を生徒に通知するモジュールである。評価結果登録機能3518は、利用者と講師が評価シートに記入及び登録に応じて、それぞれの情報をWeb−DBに登録するモジュールである。
【0040】
図9は、講師選択のための検索依頼から検索結果表示に至る動作シーケンスを示している。
【0041】
先ず、WebブラウザAは、利用者の操作に応じてマッチングAPの入力画面表示要求をWebサーバ/Web−APサーバに向けて依頼する(ステップS101)。これに応じて、Webサーバ/Web−APサーバは、マッチングAPに入力画面表示要求を送信する(ステップS102)。次に、マッチングAPは要求された入力画面を送信する(ステップS103)。次に、Webサーバ/Web−APサーバはWebブラウザAに入力画面を表示する(ステップS104)。ここで、図12に示す如く、入力画面70には、利用者のTOEIC点数、受講目的、講義料金、講師の性別、年齢及び国籍などの検索条件を入力する入力欄71や検索ボタン72が実装されている。なお、好ましくは入力画面は優先順位が指定できる。
【0042】
次に、WebブラウザAは、利用者の操作に応じて講師の情報検索を依頼する(ステップS105)。ここで、検索対象となる情報は、講師の講義レベル(TOEICの点数に換算)得意分野、講師料金、性別、年齢、国籍及び講師のプレゼンス情報などの情報が含まれる。
【0043】
次に、マッチングAPはWebサーバ/Web−APサーバから情報検索依頼を受信する(ステップS106)。次に、マッチングAPは利用者の入力情報をWeb−DBに含まれる生徒DBに登録する(ステップS107)。次に、生徒DBは登録完了結果を送信する(ステップS108)。マッチングAPは、マッチングAP内の優先順位設定機能により利用者の入力情報をもとに、優先項目順にWeb−DBに含まれる講師DBに検索を依頼する(ステップS109)。検索終了に応じて、講師DBは検索結果をマッチングAPへ送信する(ステップS110)。以上のステップS109〜S110を優先項目の数だけ実行することにより最終的に講師一覧が抽出される。
【0044】
次に、マッチングAPは、検索結果として抽出された講師一覧の中からオンラインである講師を抽出するためプレゼンスの“検索依頼”をWeb側プレゼンス管理に発行する(ステップS111)。これに応じて、Web側プレゼンス管理は、SIP側プレゼンス管理との間で連携を行うことで、SIP側にプレゼンスの検索依頼を転送する(ステップS112)。
【0045】
これに応じて、SIP側プレゼンス管理はSIP−APサーバ/SIPサーバへ検索依頼を送信する(ステップS113)。SIP−APサーバ/SIPサーバはSIP−DBへ検索依頼を発行する(ステップS114)。SIP−DBに含まれる状態管理DBは、登録された講師のプレゼンス情報を抽出する検索を行い、その検索結果をSIP−APサーバ/SIPサーバへ送信する(ステップS115)。SIP−APサーバ/SIPサーバは、該検索結果をSIP側プレゼンス管理に通知する(ステップS116)。SIP側プレゼンス管理は、Web側プレゼンス管理との間で連携を行うことで、Web側に該検索結果を転送する(ステップS117)。該検索結果はオンライン状態の講師一覧が含まれている。
【0046】
以上の結果、上記した“検索依頼”に対応する検索結果がWeb側プレゼンス管理にて受信される。次いで、Webプレゼンス管理は該検索結果をマッチングAPに返却する(ステップS118)。マッチングAPは、検索結果の表示をWeb−APサーバ/Webサーバへ要求する(ステップS119)。次いで、Web−APサーバ/Webサーバは、利用者のWebブラウザAに、当該利用者にマッチしたオンライン状態の講師の検索結果を講師選択メニューとして表示する(ステップS120)。この状態で、図12に示す如く、利用者が検索結果73の講師一覧を選択肢とする講師のうちの1つに対応する発信依頼ボタン74をクリックすることにより当該講師に向けた発信依頼を発行することができる。発信依頼ボタン74をクリックすることに替えて、表示される講師の写真や名前をクリックすることで発信依頼が入力されるようにしても良い。
【0047】
図10は、検索結果を基にした講師選択から講義のための通話セッション開始に至る動作シーケンスを示している。
【0048】
先ず、利用者がWebブラウザBに表示される発信依頼ボタンをクリックすることにより、WebブラウザBは電話の発信依頼をWebサーバ/Web−APサーバに向けて送信する(ステップS201)。次に、マッチングAPはWebサーバ/Web−APサーバから当該発信依頼を受信する(ステップS202)。次いで、マッチングAPは、Web側シグナリング管理に“発信依頼”を発行する(ステップS203)。Web側シグナリング管理は、SIP側シグナリング管理との間で連携を行うことで、SIP側に該“発信依頼”を転送する(ステップS204)。
【0049】
これに応じて、SIP側シグナリング管理は、SIP−APサーバ/SIPサーバに向けて、電話を繋ぐべき2者の電話番号の検索要求を送信する(ステップS205)。SIP−APサーバ/SIPサーバは、SIP−DB25に含まれる状態管理DBに検索依頼を送信する(ステップS206)。状態管理DBは当該2者の電話番号を検索し、その検索結果をSIP−APサーバ/SIPサーバに返却する(ステップS207)。
【0050】
次に、SIP−APサーバ/SIPサーバは、状態管理DBからの検索結果に基づき、まず、利用者が利用するソフトフォンAに向けて発信し(ステップS208)、次いで、ソフトフォンAから応答通知を受信する(ステップS209)。次に、SIP−APサーバ/SIPサーバは、講師が使用するソフトフォンBに向けて発信し(ステップS210)、次いで、ソフトフォンBから応答通知を受信する(ステップS211)。これにより、ソフトフォンAとソフトフォンBとの間で双方向通話のための通話セッションが確立される(ステップS212)。これにより、利用者は生徒として講師との間で英会話レッスンのための音声通話を行うことができる。
【0051】
一方、SIP−APサーバ/SIPサーバは、ソフトフォンAとソフトフォンBとの間のセッション状態を状態管理DBへ登録する(ステップS213)。この後、ステップS214〜S218を経て、該セッション状態はWebサーバ/Web−APサーバにより認識される。
【0052】
図11は、講義終了に伴う通話セッション切断から評価結果登録に至る動作シーケンスを示している。ここで、上記した動作シーケンスにより確立された通話セッションを介して英会話レッスンの如き講義が行われ、その後に講義が終了したものとする。
【0053】
先ず、SIP−APサーバ/SIPサーバは、利用者が使用するソフトフォンAから切断通知を受信する(ステップS301)。これに応じて、SIP−APサーバ/SIPサーバは、SIP−DBに含まれる状態管理DBに状態変更を依頼する(ステップS302)。状態管理DBは登録していたセッション状態を切断状態に変更し、変更完了通知をSIP−APサーバ/SIPサーバに向けて発行する(ステップS303)。SIP−APサーバ/SIPサーバは、状態管理DBの変更結果に基づき、SIP側コール管理に“状態変更”の通知を送信する(ステップS304)。SIP側コール状態管理は、Web側コール管理と連携して、Web側に該“状態変更”を転送する(ステップS305)。
【0054】
これに応じて、Web側コール管理は、該“状態変更”をマッチングAPに送信する(ステップS306)。これに応じて、マッチングAPは、例えば、講師に対する評価アンケート等の表示依頼をWeb−APサーバ/Webサーバに要求する(ステップS307)。Web−APサーバ/Webサーバは、WebブラウザAの表示を該表示依頼に応じて変更する(ステップS308)。
【0055】
変更された表示内容に応じて、利用者がWebブラウザAに表示された評価アンケートを記入して送信ボタンを押下することにより、WebブラウザAは、Web−APサーバ/Webサーバに向けて該評価アンケートに基づく評価結果の登録要求を送信する(ステップS309)。Web−APサーバ/WebサーバはマッチングAPへ該登録要求を発行する(ステップS310)。マッチングAPは利用者DBと講師DBに該評価結果の登録要求をなす(ステップS311)。利用者DBと講師DBは、要求された登録を行い登録完了通知をマッチングAPに発行する(ステップS312)。
【0056】
次に、マッチングAPは、Web−APサーバ/Webサーバに向けて能力判定シート等の表示依頼を要求する(ステップS313)。Web−APサーバ/Webサーバは、WebブラウザBの表示を能力判定シート等の表示に変更する(ステップS314)。これに応じて、講師がWebブラウザBに表示される能力判定シートに記入して送信ボタンを押下することにより、WebブラウザBは、Web−APサーバ/Webサーバに向けて該能力判定シートに基づく評価結果の登録要求を送信する(ステップS315)。Web−APサーバ/WebサーバはマッチングAPへ該登録要求を発行する(ステップS316)。
【0057】
次に、マッチングAPは、その評価結果集計機能により、利用者による講師の評価結果と講師による利用者の評価結果とを、それぞれ様々な方法で集計する(ステップS317)。講師による生徒の評価結果は、例えば、ボキャブラリ、発音、伝達力、交渉力及び流暢さなどの点数から、ある基準をベースにA、BまたはCなどの総合評価点をつけることによりなされる。また、生徒による講師の評価結果は、例えば、親しみ易い、楽しかった、態度が悪かった、話題が豊富及び教え方が上手などの点数からある基準をベースにA、BまたはCなどの総合評価点を付けることでなされる。さらに、この講師のレッスンは受けたくない場合は、チェックボックスを設けて、この結果が次回の検索条件に反映できるようにしても良い。
【0058】
次に、マッチングAPは、集計された評価結果をWebブラウザAに表示するようにWeb−APサーバ/Webサーバに依頼する(ステップS318)。Web−APサーバ/Webサーバは、生徒の使用するWebブラウザAに当該評価結果を表示する(ステップS319)。同様にして、マッチングAPは、集計された評価結果をWebブラウザBに表示するようWeb−APサーバ/Webサーバに依頼する(ステップS320)。Web−APサーバ/Webサーバは、講師の使用するWebブラウザBに当該評価結果を表示する(ステップS321)。一方、マッチングAPは、生徒DBに向けて該評価結果の登録を要求する(ステップS322)。生徒DBは該評価結果を登録して、登録完了通知をマッチングAPに発行する(ステップS323)。
【0059】
登録された生徒や講師の評価結果は、次回の検索における検索条件に反映されると共に講師選択メニューにおける表示情報となる。
【0060】
以上の実施例において、Web環境上に構築されるAPと、SIP環境上に構築されるAPとが相互に連携可能となり、WebとVoIPとの融合型APの構築、実行及び運用が容易に実現される。本発明の適用は多面の利点をもたらす。
【0061】
第1に、利便性向上としては情報漏洩防止がなされる。3PCC(3rd Party Call Control)技術を利用することにより、利用者はWeb画面をクリックするだけで、講師とインターネット英会話が出来る。講師と利用者はお互いに電話番号を教えあわなくても良いので、両者間のトラブル、個人情報の漏洩を防止できる。
【0062】
第2に、新サービスの実現として、登録された講師のプレゼンスと講師の情報と利用者の情報やリクエストを照合し、システムが現時点でレッスンが可能な最適な講師一覧を、利用者に対して提示するため、利用者は現時点で自分に合った先生を容易に探す事ができる。
【0063】
第3に、新サービスの実現として、講義の終了後、講師と利用者がお互いを評価し、その結果がデータベースへ反映される仕組みを自動化することで、利用者が利用すればするほど、マッチングの精度が向上されて自分により合った講師の一覧が表示されるサービスが実現される。
【0064】
また、講師の評価機能を組み込む事により、講師が自分で設定した講義料に対して生徒が評価を行うことになる。これは講義価格の市場原理を取り入れることになる。つまり、講師が良い講義をすれば、高い講義料でも生徒がつくことになる仕組みになる。例えば、オークション型個人英会話教室が実現できる利点がある。
【0065】
第4に、生産性向上として、企業競争力が強化される。例えば、日時や時間などの講師と利用者の通信利用状況の情報をSIPサーバで管理できるので、時期や時間に応じた講師の取り揃えや最適雇用人数の推測が可能となり雇用の最適化が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上の実施例では、SIP−APとWeb−APの融合方法の例に関して説明したが、本発明を利用することにより、様々な異なるプロトコル間の融合に適用することも可能である。また、本発明を利用することにより、インターネット英会話サービス以外にも、インターネット家庭教師、インターネットピアノ教室など、世界中で特定のスキルをもった人と、それらのスキルを身につけたい人をマッチングして、双方を音声や画像で繋げるといった新しいサービスが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例を示し、本発明による対話形式講義支援システムである英会話レッスン提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】SIP環境及びWeb環境のより詳細の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示されたプレゼンス管理のより詳細の構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示されたシグナリング管理のより詳細の構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示されたコール管理のより詳細の構成を示すブロック図である。
【図6】図2に示されたマッチングAPの構成を示すブロック図である。
【図7】運用者が設定する優先順位と、生徒が設定する優先順位との関係を説明している説明図である。
【図8】生徒DB、講師DB及び状態管理DBの内容例を示している図である。
【図9】講師選択のための検索依頼から検索結果表示に至る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
【図10】検索結果を基にした講師選択から講義のための通話セッション開始に至る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
【図11】講義終了に伴う通話セッション切断から評価結果登録に至る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
【図12】生徒となる利用者のWebブラウザに表示される画面表示例を示している図である。
【符号の説明】
【0068】
10 英会話レッスン提供システム
20 SIP環境
21 SIP−DB
22 SIPサーバ
24 SIP−API
25 SIP−AP
26 Webアクセッサコンポーネント
30 Web環境
31 Web−DB
32 Webサーバ
33 Web−APサーバ
34 Web−API
35 Web−AP
36 SIPアクセッサコンポーネント
40 インターネット
41 LAN
51、61 Webブラウザ
52、62 ソフトフォン
261、361 プレゼンス管理
262、362 シグナリング管理
263、363 コール管理
269、369 連携管理
351 マッチングAP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の生徒端末と複数の講師端末との間で双方向通話を可能とすることで、前記端末間でなされる対話形式講義を支援する対話形式講義支援システムであって、
前記生徒端末に講師選択メニューを配信する講師選択メニュー配信手段と、
前記生徒端末の1から発せられる講師選択指令に応じて、選択された講師に対応する講師端末と前記生徒端末の1との間に、前記双方向通話のための通話セッションを確立する通話セッション確立手段と、
を含むことを特徴とする対話形式講義支援システム。
【請求項2】
前記講師選択メニュー配信手段は、前記講師端末うちから講義可能な講師に対応する講師端末を抽出し、抽出した講師端末に対応する講師を選択肢とする講師選択メニューを配信することを特徴とする請求項1記載の対話形式講義支援システム。
【請求項3】
前記講師選択メニュー配信手段は、前記生徒端末から供給される検索条件に適合する少なくとも1人の講師を検索し、検索した講師を選択肢とする講師選択メニューを配信することを特徴とする請求項1記載の対話形式講義支援システム。
【請求項4】
前記講師選択メニュー配信手段は、前記検索条件に適合すると共に予め登録された優先条件に従って少なくとも1人の講師を他に優先して検索することを特徴とする請求項3記載の対話形式講義支援システム。
【請求項5】
前記講師端末から供給される生徒評価を生徒毎に集計する生徒評価集計手段と、
集計された生徒評価により更新される前記講師と前記生徒評価との対応テーブルと、
を含み、
前記講師選択メニュー配信手段は、当該生徒端末に対応する生徒に適合する少なくとも1人の講師を前記対応テーブルから検索し、検索した講師を選択肢とする講師選択メニューを配信することを特徴とする請求項1記載の対話形式講義支援システム。
【請求項6】
前記生徒端末から供給される講師評価を講師毎に集計する講師評価集計手段と、
集計された講師評価により更新される前記生徒と前記講師評価との対応テーブルと、
を含み、
前記講師選択メニュー配信手段は、当該生徒端末に対応する生徒に適合する少なくとも1人の講師を前記対応テーブルから検索し、検索した講師を選択肢とする講師選択メニューを配信することを特徴とする請求項1記載の対話形式講義支援システム。
【請求項7】
前記講師選択メニュー配信手段は、サーバクライアント型の第1通信環境において前記選択メニューを配信し、前記通話セッション確立手段は、前記第1通信環境において供給された講師選択指令に連携して、ピアツゥピア型の第2の通信環境において前記通話セッションを確立することを特徴とする請求項1記載の対話形式講義支援システム。
【請求項8】
前記通話セッション確立手段は、前記生徒端末と前記講師端末の双方に発信をなすことで前記通信セッションを確立することを特徴とする請求項1記載の対話形式講義支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−129081(P2008−129081A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310537(P2006−310537)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】