封書作成装置
【課題】エラーが発生した通の封書を確認用として識別可能とするとともに確認用の封書の中身を確認可能として誤発送などのミスを未然に防止する封書作成装置を提供する。
【解決手段】封筒となる封筒用紙100及び内容物となる内容物用紙50を収納した給紙部P1〜P4と、給紙部P1〜P4から給紙された各用紙100,50にそれぞれ印刷する印刷部2と、印刷部2で印刷された各用紙100,50をそれぞれ折り畳み封入封緘する封入封緘部3とを備え、封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせを通としてこの通ごとに封書作成処理を行う封書作成装置1において、n通目(nは正の整数)の封筒用紙100又は内容物用紙50に関するエラーが発生し、封書作成処理を停止し、その後、エラーが解除された場合に、n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うよう封入封緘部3を制御する制御部90を備えた。
【解決手段】封筒となる封筒用紙100及び内容物となる内容物用紙50を収納した給紙部P1〜P4と、給紙部P1〜P4から給紙された各用紙100,50にそれぞれ印刷する印刷部2と、印刷部2で印刷された各用紙100,50をそれぞれ折り畳み封入封緘する封入封緘部3とを備え、封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせを通としてこの通ごとに封書作成処理を行う封書作成装置1において、n通目(nは正の整数)の封筒用紙100又は内容物用紙50に関するエラーが発生し、封書作成処理を停止し、その後、エラーが解除された場合に、n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うよう封入封緘部3を制御する制御部90を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒となる封筒用紙と内容物となる内容物用紙に印刷を施し、封筒用紙を折り畳んで封筒を形成しながら、必要に応じて折りを加えた内容物用紙を内容物として封筒に封入封緘する作業を自動的に行える封書作成装置に係り、封書作成時には、封筒用紙と内容物用紙の組み合わせを通として、各通ごとに封筒用紙と内容物用紙を同一順序で処理するとともに、所定数の通を連続して処理する封書作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、印刷された書類をトレイ状の供給部から取り込み、折り畳んで封入封緘する封入封緘機があった。この封入封緘機は、書類を印刷機から直接封筒に封入封緘するため、内容証明郵便などのような内容の秘密保持性が要求される封書の作成に適している。
【0003】
ところが、上述した封入封緘機は、印刷機と組み合わせて用いる機構を備えていないため、封入される書類の秘密保持性が完全ではなかった。そこで、下記特許文献2などに開示されるような、高い秘密保持性を得るために、印刷機あるいは複合機と組み合わせることが可能な封入封緘機が提供されている。この封入封緘機は、印刷手段から排出された印刷済みの用紙を取り込む取込み手段と、取込み手段により取り込まれた用紙を折り畳む折畳み手段と、折畳み手段により折り畳まれた用紙を一枚乃至複数枚を単位として封筒に封入する封入手段と、用紙が封入された封筒を封緘する封緘手段と、各手段間にて用紙を搬送する搬送手段とを備えており、また、取込み手段が印刷手段の用紙排出口に着脱可能に構成されている。この封入封緘装置では、印刷機あるいは複合機と組み合わせて使用するため、用紙の印刷から封入封緘までの工程を一括して行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−25198号公報
【特許文献2】特開2001−96987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
封書作成において、印刷から封入封緘までを自動的に処理するときには、封筒となる封筒用紙と内容物となる単数又は複数枚の枚葉状の内容物用紙の組み合わせを「通」として、各通ごとに封筒用紙と内容物用紙を同一順序で処理するとともに、所定数の通を連続して処理する(これを「Job」という)。すなわち、「通」は封筒用紙と内容物用紙の組み合わせであり、「Job」は通の集まりで、一度に連続して封書作成処理を行うときの単位である。
【0006】
上記特許文献2に開示されるような、印刷機に接続されている封入封緘機では、印刷機は通の順序通りに封筒用紙と内容物用紙を封入封緘機に送り込む。例えば、1通が封筒と二枚の内容物の組み合わせからなる場合、印刷機から送り込まれる用紙の順序は、1通目の一枚目の内容物用紙、1通目の二枚目の内容物用紙、1通目の封筒用紙、2通目の一枚目の内容物用紙、2通目の二枚目の内容物用紙、2通目の封筒用紙、(以下、Jobとして設定された所定数の通まで)となり、封筒用紙と内容物用紙の組み合わせがズレることはない。
【0007】
ところが、紙詰まりなどのエラーが発生した場合、エラーが発生した用紙(封筒用紙又は内容物用紙)を含む通を印刷からやり直す必要がある。これにより、封筒用紙と内容物用紙の組み合わせにズレが生じる可能性が高まってしまう。特に窓が設けられていない封筒などは、開封して中身を確認しなければ正しい組み合わせかどうかを確認することが困難であり、例えば、ある通の封書において、封筒用紙に印刷された宛名と内容物用紙に印刷された内容の組み合わせがズレていると、この通より後の通の封書における封筒用紙と内容物用紙の組み合わせもズレることになる。そのため、正しい組み合わせではないなどの封書を発送してしまうなどの誤発送を防止するためにもエラーが発生した通の封書の中身を確認することは重要となる。
【0008】
なお、紙詰まりエラーは、印刷機から順次供給される用紙を、搬送経路の長さと搬送速度から算出される規定時間内にセンサが検出しないときに当該エラーとなる。用紙検出のためのセンサは、搬送経路上の複数箇所に設けられる。また、搬送経路は用紙の長さ(搬送方向の長さ)よりも十分に長いため、印刷中、機内には複数枚の用紙が存在しており、紙詰まりエラーの検出箇所より上流側の用紙は全て廃棄し、紙詰まりエラーの検出箇所より下流側で1通以上の用紙が揃っている通は、通常通り、印刷、封入封緘処理を行い封書として排出する。1通分の用紙が揃っていない通は廃棄する。
【0009】
また、上記特許文献2に開示されるような封入封緘機は、エラー後の通における封筒用紙と内容物用紙の組み合わせを確認する手段を備えておらず、エラーの都度封書を開封して中身を確認する作業も煩わしいため、紙詰まりなどのエラーが発生したときには、しばしば、エラーの通から印刷を再開せずに、Jobを最初からやり直すようにしていた。ところが、これでは用紙にかかるコストが嵩んでしまう。特に封筒用紙は高価であるため、無駄な廃棄は避けたいところである。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、ある通にエラーが発生してこのエラーが解除されると、エラーが発生した通の封書を確認用として、この封書が確認用であることを容易に識別可能とするとともに確認用の封書の中身を容易に確認可能とすることにより、誤発送などのミスを未然に防止し、さらに、用紙にかかるコストが低減可能な封書作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明に係る請求項1記載の封書作成装置は、封筒となる封筒用紙100及び内容物となる内容物用紙50を収納した給紙部P(P1〜P4)と、
前記給紙部P1〜P4から給紙された前記各用紙100,50にそれぞれ印刷する印刷部2と、
前記印刷部2で印刷された前記各用紙100,50をそれぞれ折り畳み封入封緘する封入封緘部3と、
を備え、
前記封筒用紙100と前記内容物用紙50の組み合わせを通として、該通ごとに封書作成処理を行う封書作成装置1において、
n通目(nは正の整数)の前記封筒用紙100又は前記内容物用紙50に関するエラーが発生し、前記封書作成処理を停止し、その後、該エラーが解除された場合に、前記n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うよう前記封入封緘部3を制御する制御部90を有することを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の封書作成装置は、請求項1記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、前記封筒用紙100から前記内容物用紙50の一部が突出された状態で封入するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の封書作成装置は、請求項1又は2記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第1廃棄モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の封書作成装置は、請求項1又は2記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより再利用モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の封書作成装置は、請求項3記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、ユーザに対し廃棄用であることが分かるように前記封筒用紙100に廃棄情報を印刷するよう前記印刷部2を制御することを特徴としている。
【0016】
請求項6記載の封書作成装置は、請求項1又は2記載の封書作成装置1であって、
前記給紙部P(P1)には、前記封筒用紙100よりも安価な用紙100aが収納されており、
前記制御部90は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第2廃棄モードが選択された場合、
該制御部90は、
前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、n通目の封筒用紙として前記安価な用紙100aを用いるよう前記給紙部P1を制御するとともに、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0017】
請求項7記載の封書作成装置は、請求項6記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、前記安価な用紙100aに折り位置見当線120を印刷するよう前記印刷部2を制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る請求項1記載の封書作成装置によれば、封書作成時に紙詰まりなどの所定のエラーが発生したときに、エラーが発生した用紙(封筒用紙又は内容物用紙)を含むn通目(nは正の整数)の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行うことにより、まず、この封書が確認用であることを容易に識別することができる。次に、この封書の中身を容易に確認することができる。具体的には、封筒用紙と内容物用紙が一致しているか否か、あるいは、内容物用紙の印刷が正しく行われているか否かなどを容易に確認することができる。特に、封筒用紙と内容物用紙が一致しているか否かを確認できることは、その後の通にもズレがないことが分かり、このズレに気付かずに封書作成を続けて用紙を無駄にするなどのミスがなくなり、また、ユーザも安心して作業を続けられるようになる。さらに、Jobの最初から封書作成処理をやり直さなくて済むようになる。
【0019】
請求項2記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を封筒用紙から内容物用紙が突出された状態とすることにより、この封書が確認用であることを容易に識別可能となる。
【0020】
請求項3記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開する第1廃棄モードを選択することにより、n通目の封書を廃棄してもJobにズレが生じることはなくなる。
【0021】
請求項4記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開する再利用モードを選択することにより、n通目の封書の再利用が可能となり、用紙の無駄を減らすことができる。これにより、用紙にかかるコストが低減可能となる。
【0022】
請求項5記載の封書作成装置によれば、第1廃棄モードにおいて、封筒用紙に廃棄情報を印刷することにより、この封筒(封書)が確認用であることをユーザは容易に認識することができる。
【0023】
請求項6記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を確認用として封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開するととともに、n通目の封筒用紙としてこの封筒用紙よりも安価な用紙を用いる第2廃棄モードを選択することにより、廃棄予定のn通目の封書に高価な封筒用紙を使用せずに済むため、封筒用紙を節約することができる。これにより、用紙にかかるコストが低減可能となる。
【0024】
請求項7記載の封書作成装置によれば、第2廃棄モードにおいて、封筒となるための折り位置見当線を印刷することにより、封筒が正しく形成されているか否かを確認することができる。これにより、折りのエラーなどで高価な封筒用紙を無駄にしないで済むようになり、用紙にかかるコストが低減可能となる。なお、折りのエラーは、搬送ローラはゴム製のものが多いことから、摩耗や膨潤などにより用紙搬送量が変化してしまうことがあり、用紙搬送量が変化して折り位置がズレることから発生する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)本発明の実施の形態で使用される封筒用紙の表面を示す図である。(b)同裏面を示す図である。
【図2】(a)〜(c)同実施の形態で使用される封筒用紙を折り畳みながら内容物用紙を包み込む折り順乃至工程を示す図である。
【図3】同実施の形態の構造を示す模式的な断面図である。
【図4】同実施の形態における制御機能を示すブロック図である。
【図5】同実施の形態における封書作成時の通とJobの関係を示す概念図である。
【図6】同実施の形態における封書作成時の紙詰まりエラーの再開イメージ図である。
【図7】同実施の形態が有する確認モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】同実施の形態が有する確認モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】廃棄処理において、廃棄情報を示す印刷例(誤発送防止の印刷例)を示す図である。
【図10】廃棄処理において、(a)は比較例としての通常作成された封書(封筒)を示す図、(b)は封筒用紙よりも安価な用紙を用いて作成された封筒を示す図である。
【図11】廃棄処理又は再利用処理において、(a)は比較例としての通常作成された封書を示す図、(b)は封筒用紙から内容物用紙の一部が突出するように作成された封書を示す図である。
【図12】図10(b)に示した封書が実際に適用された状態を示す図である。
【図13】通常処理における封入封緘工程を示す図である。
【図14】廃棄処理又は再利用処理における封入工程を示す図である。
【図15】廃棄処理又は再利用処理において、内容物確認後の再封緘工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
この実施の形態(封書作成装置1)は、作成すべき封書ごとに折り畳んで封筒となる封筒用紙100と、必要に応じて折りを加えて内容物となる単数又は複数枚の枚葉状の内容物用紙50に必要な印刷を施し、それぞれ異なる搬送経路で搬送しながら必要な折りを加えて最後に合流させて封筒用紙100に内容物用紙50を封入し、最終的に封筒を閉じて封緘された封書として装置上部に排出する装置である。
【0027】
まず、この実施の形態で使用する封筒用紙100の形状・構造と、これを折り畳んで封筒を形成するとともに、その内部に内容物用紙50を封入して封緘し、封書を作成する動作について説明する。なお、封筒用紙100及び内容物用紙50に対する印刷と、封筒用紙100によって内容物用紙50を包み込む動作は、実際には後に説明する封書作成装置1によって自動的に行われる。
【0028】
図1(a)は封筒用紙100の表面(宛名が印刷される側)を示す図であり、図1(b)は同裏面を示す図である。この封筒用紙100は、第1紙片101、第2紙片102、第3紙片103の三つの略同形の矩形の紙片が各折り線120により区画された矩形の用紙である。
【0029】
図1に示すように、第1紙片101の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名前・住所などが印刷される。第2紙片102の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。また、第3紙片103の表面には、その幅方向の両縁部よりも内側で、第2紙片102との折り線120に隣接する位置に、幅方向に沿った帯状のパターンのアラビア糊などの再湿糊110が二箇所に設けられている。再湿糊110は、封筒となるための接着部となる。
【0030】
図1に示すように、第1乃至第3紙片101〜103の各裏面には、封筒となるための他の接着部となる感圧接着剤111が幅方向の両縁部に沿って所定のパターンで帯状に設けられている。これらの感圧接着剤111の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤111が互いに同じ位置で当接するように考慮されている。
【0031】
封筒用紙100、すなわち、第1紙片101、第2紙片102及び第3紙片103には、その幅方向の両縁部に折り線120と直交する方向に延びた二本のミシン目104,104が開封部として設けられている。完成された封筒は、どちらかのミシン目104に沿って開封することができる。また、封筒用紙100において、感圧接着剤111と再湿糊110で囲まれた領域は、内容物用紙50が収納される領域となり、ミシン目104は感圧接着剤111及び再湿糊110を含まないように収納領域に設けられる。
【0032】
宛名や内容などを印刷した後、内容物用紙50を内包するように封筒用紙100を折り畳んで封筒を形成する。
まず、図2(a)に示すように、第2紙片102の裏面側に第3紙片103を重ね、両紙片102,103の感圧接着剤111を互いに接触させる。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、第3紙片103の表面の上に、内容物用紙50を載置する。このとき、内容物用紙50は、封筒の収納領域に収納可能な寸法となっている。すなわち、内容物用紙50の幅は、封筒用紙100の各紙片の両端部に印刷された感圧接着剤111の間隔よりも小さい。また、内容物用紙50の上下方向の寸法は、封筒用紙100の各紙片の上下方向の長さから再湿糊110の同方向の半分程度の長さを除いた寸法を最大としてこれよりも小さければよい。
このように、封筒に収納可能な寸法となるように内容物用紙50に折りを加える作業は、後述する封書作成装置1の折り手段において、内容物用紙50を適宜の位置(好ましくは、封筒150のサイズに適合するような位置)で折る制御を実行することで達成される。
【0034】
図2(c)において、後述する加水手段で再湿糊110に水を付けた後、第1紙片101の裏面と第3紙片の表面とをあわせて再湿糊110と第1紙片101の裏面を接触させるとともに、両紙片101,103の各感圧接着剤111を互いに接触させる。この状態で封筒用紙100は三つ折りの封筒の形状となるが、再湿糊110及び感圧接着剤111はまだ接着されていない。
【0035】
封筒の幅方向の両縁部の感圧接着剤111を挟むように後述する圧着ローラ80を通過させる工程を経て各紙片の両縁部が感圧接着剤111により接着される。また、封筒を挟持して搬送するなどの工程を経て第1紙片101と第3紙片103の上下方向における折りによって閉ざされていない側の縁部が再湿糊110により接着される。これにより、封筒に内容物が内包された封書となる。
【0036】
次に、図3を参照してこの実施の形態(封書作成装置1)の全体構成及び主要な機能の概要について説明する。
図3に示す封書作成装置1では、作成すべき封書ごとに処理を行う。すなわち、前記封筒用紙100と、枚葉状の用紙である内容物用紙50に対し、共通の印刷部2を用いて適当な順序で各用紙に必要な印刷を施す。そして、印刷後の封筒用紙100及び内容物用紙50を封入封緘部3に送り込み、それぞれ別系統の搬送経路で搬送しながら、封筒用紙100については封筒の形態となるように折り畳むとともに、内容物用紙50についても封筒の内容物となるように必要に応じて折りを加える。そして、最終的に両者を封入封緘手段で合流させ、封筒用紙100に内容物用紙50を封入・封緘して装置の上部に完成した封書として揃えて排出する。
【0037】
図4に示すように、封書作成装置1は、封筒用紙100及び内容物用紙50を印刷して排出する印刷部2を備えている。印刷部2は、装置の各部を収納する筐体4の内部又は側面などに複数種類の被印刷体(封筒用紙100や内容物用紙50)を収納可能な給紙部としての複数の給紙台P(P1〜P4)を備えている。この実施の形態では、筐体4の側面に取り付けられた給紙台P1に封筒用紙100が収納され、筐体4の内部に設けられた給紙台P2〜P4に内容物用紙50がサイズごとなどに分けて収納されている。
【0038】
これらの給紙台Pから給紙された用紙は、導入路からループ状の搬送路5に送り込まれて搬送され、搬送路5の下半部に沿って下向きに所定間隔で配置された印刷手段によって画像が形成される。この実施の形態では、印刷手段として、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ吐出する四つのインクジェットヘッドC,K,M,Yが配置されている。
【0039】
ループ状の搬送路5には、上述した印刷手段の下流の隣部に、略水平な方向で用紙をループ外に排出する第1の排出路6が分岐して設けられている。また、ループ状の搬送路5の上半部には、用紙をループ外に排出する第2の排出路7が分岐して設けられるとともに、給紙台Pからの導入路との間にスイッチバック路8が分岐して設けられている。スイッチバック路8は、搬送路5を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路5に戻すことにより、搬送路5中における用紙の上下を反転させる手段であり、用紙の面を逆転させて搬送路5を二回通過させれば、インクジェットヘッドC,K,M,Yで用紙の両面にカラー画像を形成するカラー画像印刷を行うことができる。
【0040】
印刷部2の隣部には、印刷部2の第1の排出路6から送られた封筒用紙100や内容物用紙50を受け入れて処理し、封筒用紙100に内容物用紙50を封入して封緘するための封入封緘部3が設けられている。
【0041】
印刷部2の第1の排出路6は水平に延設された外部に突出しており、隣にある封入封緘部3の筐体9内に導入されている。筐体9内では、この排出路6から、第2の搬送経路20が斜め下方に分岐しており、そのさらに下流は第1の搬送経路10の一方の経路11となって斜め下方に延設されている。
【0042】
第1の搬送経路10の一方の経路11は、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行に配置されている。第1の搬送経路10の一方の経路11は、封筒用紙100を折り手段に搬送する案内路であり、第2の搬送経路20の一方の経路21は、内容物用紙50を折り手段に搬送する案内路であり、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の切り替えは、第1の排出路6と第2の搬送経路20の分岐点に設けられた切替えフラップ15にて行う。
【0043】
第1の搬送経路10の一方の経路11の終端には、封筒用紙100を折り畳んで封筒を形成するために第1の折り手段が設けられている。第1の折り手段には、回動自在の主折りローラA’と、これに接して回動する用紙搬送ローラD’及び第1折りローラB’が設けられている。これらのローラはゴム製であり、その幅方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0044】
第1の搬送経路10の第1の折り手段の主折りローラA’と第1折りローラB’の間からは、第1の搬送経路10の他方の経路13が、上方に凸となる形状に湾曲しながら略水平方向に延設されている。封筒用紙100を搬送する第1の搬送経路10の他方の経路13の終端は、後述する封入封緘手段へと導かれている。
【0045】
封入封緘部3の筐体9の内部には、印刷部2で印刷された内容物用紙50を搬送する第2の搬送経路20が設けられている。第2の搬送経路20は、第1の搬送経路10よりも下方にあり、印刷部2の第1の排出路6から略水平方向に送られた用紙を斜め下方に送る一方の経路21を備えている。
【0046】
この経路21の途中には、用紙搬送ローラと22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送される用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙に折りを加えるための折り手段が設けられている。折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び一つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触している。これらのローラはゴム製であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0047】
封入封緘部3の筐体9の内部において、第2の搬送経路20は、折り手段で折られた内容物用紙50を搬送する他方の経路26を備えている。他方の経路26は、封入封緘手段において、第1の搬送経路10の他方の経路13と合流している。
【0048】
また、第1の排出路6、第1及び第2の搬送経路10,20の分岐点、及び各経路11,13,21,26には複数箇所に用紙通過検出センサ27が配設されている。
【0049】
次に、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の合流点にある封入封緘手段について説明する。
封入封緘手段は、封筒用紙100を必要に応じて更に折り畳む第2の折り手段としての機能を備えている。封入封緘手段は、折られた封筒用紙100に内容物用紙50を整合させた後に折りを加えることにより、内容物用紙50を封筒用紙100に包み込ませる封入手段であるとともに、この封筒用紙100を封緘する封緘手段も備えている。
【0050】
封入封緘手段には、第2の折り手段である回動自在の主折りローラA”と、これに接して回動する用紙搬送ローラD”及び第1及び第2折りローラB”,C”が設けられている。これらのローラはゴム製であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。封筒用紙100は、必要に応じて上述した第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’などによって折られた後に、更に第2の折り手段である主折りローラA”などに送られ、ここで封入前後の更なる折りが必要に応じて実行される。
【0051】
封入封緘手段の主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間には、下方に向いた経路46が配置されている。この経路46の近傍には、封筒用紙100の再湿糊110に水を付けて接着力を発揮させ、封筒用紙100を接着して封筒にするための接着手段としての加水手段60が設けられている。
【0052】
封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、斜め上前方に向けて傾斜した経路47が配置されている。この経路47には、封筒用紙100の搬送方向に沿って、搬送ローラと封入封緘手段の一部を構成する封緘手段としての圧着ローラ80が設けられている。圧着ローラ80は、上下一組で左右二対が設けられており、内容物用紙50が封入された封筒用紙100の幅方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤111による封緘を行うことができる。封緘が完了して作成された封書は、経路47を経て、筐体9の上面に設けられた排出トレイ48に排出される。
【0053】
また、図4に示すように、封書作成装置1は、以上説明した印刷部2、封入封緘部3に加えて、第1及び第2の搬送経路10,20を含めた装置全体を統括して制御する制御部90を備えている。制御部90では、封筒用紙100や内容物用紙50の折り位置や、封筒用紙100に内包されるときの内容物用紙50の位置などを制御する。
【0054】
また、図5に示すように、この実施の形態では、封書作成において、印刷から封入封緘までを自動的に処理するときには、上述したように、封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせを「通」として、各通ごとに封書作成処理を行う。封書作成処理では、封筒用紙100と内容物用紙50を同一順序で処理するとともに、所定数の通を連続して処理する。これを「Job」という。すなわち、「通」は封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせであり、「Job」は通の集まりで、一度に連続して封書作成処理を行うときの単位である。
【0055】
図6に示すように、例えば、1通が封筒用紙100と二枚の内容物用紙50の組み合わせからなる場合、後述する印刷部2から送り込まれる用紙の順序は、1通目の一枚目の内容物用紙50、1通目の二枚目の内容物用紙50、1通目の封筒用紙100、2通目の一枚目の内容物用紙50、2通目の二枚目の内容物用紙50、2通目の封筒用紙100、(以下、Jobとして設定された所定数の通まで)となり、通常は封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせがズレることはない。
【0056】
ところが、図6に示すように、n通目(図6の例では2通目)の二枚目の内容物用紙50に紙詰まり(Jam)などのエラーが発生すると、一旦装置を停止して封書作成処理を停止し、エラーが解除された後に、エラーが発生した通から封書作成処理を行う必要がある。なお、nは正の整数である。この実施の形態では、封書作成時において、紙詰まりなどの所定のエラーが発生した場合に、制御手段(制御部90)は、n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うように封入封緘部3を制御する。
【0057】
制御部90は、エラー解除後に、封筒用紙100と内容物用紙50が正しく組み合わされているかなどをユーザが確認するための確認方法(確認モード)を選択可能とした確認モード選択手段を有している。なお、確認モードの設定などは、図4に示すように、設定パネル28から行う。設定パネル28は印刷部2に設けられている。
【0058】
封入封緘部3における各経路に搬送されている用紙の通過を用紙通過検知センサ27が検出しないときに、このセンサ27から制御部90に信号が出力される。制御部90は、センサ27から出力信号が送られると、上述した確認モードを実行する。なお、紙詰まりエラーは、印刷部2から順次供給される用紙を、搬送経路の長さと搬送速度から算出される規定時間内にセンサ27がその通過を検出しないときにエラーとなる。
【0059】
以下、図7及び図8を参照して制御部90による確認モードに至るまでの処理手順及び確認モード選択手段により選択された確認モードの処理手順を具体的に説明する。
図7に示すように、制御部90は、封書作成時にはJobとして設定された所定数の通に達するまで封書作成、つまり、印刷・封入・封緘する処理をカウントする(S1,S2)。このとき、封書として正常に排出されると(S3)、封書としてカウントアップしていき(S4)、このカウント値がJobとして設定された所定通数に達すれば(S5)、処理を終了する。なお、S5において、所定通数に達していなければ所定通数になるまで上記処理を繰り返す。
【0060】
また、S3において、封書として正常に排出されないと、印刷をはじめとする封書作成処理動作を停止し(S6)、エラー表示する(S7)。その後、印刷部2及び封入封緘部3に残存する全ての用紙を排出するが、用紙が残存していると(S8)、エラー表示を継続する。用紙が残存していなければ(S8)、確認用プリントを実施するか否かを選択する(S9)。S9において、確認用プリントを実施しない場合には、上記S2から再度処理を行う。
【0061】
S9において、確認用プリントを実施する場合は、確認モード(S10)が実行される。図8に示すように、確認モード選択手段により、廃棄処理(第1及び第2廃棄モード)、再利用処理(再利用モード)から処理を選択することができる。第1廃棄モードは、エラーが発生した通の封書を廃棄するモードであり、第2廃棄モードは、エラーが発生した通の封筒用紙を普通紙などの封筒用紙よりも安価な用紙100aに変えて封筒形成するモードであり、再利用モードは、エラーが発生した通の封書を再利用するモードである。
【0062】
確認モード選択手段において、第1廃棄モードが選択された場合、制御部90は、エラーが発生したn通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開するように封入封緘部3を制御する。制御部90は、封筒用紙100にユーザに対して廃棄用であることが分かるように廃棄情報を印刷するように印刷部2を制御する。
【0063】
第1廃棄モードでは、廃棄情報、例えば誤発送防止印刷を付加して印刷した後、封入処理を行う(S11)。なお、誤発送防止印刷として、図9に示すような例が考えられる。図9(a)には郵便切手を貼り付ける部分を塗りつぶすように印刷する例、図9(b)には住所と宛名に消し線を付加して印刷する例、図9(c)には「SAMPL」などのデザインを付加して印刷する例である。上記S11の処理が終了すると、封書作成処理を一時停止する(S12)。このとき、確認用の封書が正しく印刷されていれば、エラーが発生したn通目からの封書作成処理を再開し(S14)、上記S2から処理を行う。また、確認用の封書が正しく印刷されていなければ(S12)、印刷を中止する。この場合には印刷部2などに別の問題が発生している可能性がある。
【0064】
確認モード選択手段において、第2廃棄モードが選択された場合、制御部90は、n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、n通目の封筒用紙として普通紙などの封筒用紙100よりも安価な用紙100aを用いるよう給紙部Pを制御する。また、制御部90は、エラーが発生したn通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開するように封入封緘部3を制御する。この場合、例えば、給紙部P2〜P4のうちいずれか一つを用紙100aを収納するための給紙部に設定しておくことで実現することができる。また、制御部90は、封筒用紙として用いる普通紙100aに折り位置見当線120を印刷するように印刷部2を制御する。
【0065】
第2廃棄モードでは、封筒用紙100を普通紙100aに変えて印刷する処理を行う。同時に、印刷時には、図10(b)に示すように、封筒用紙100として用いる普通紙100aに封筒となるための折り位置見当線120を付加する(S21)。なお、図10(a)には通常作成した封書(封筒150)を比較例として示している。上記S21の処理が終了すると、封書作成処理を一時停止する(S22)。このとき、確認用の封書が正しく印刷されていれば、エラーが発生したn通目から封書作成処理を再開し(S24)、上記S2から処理を行う。また、確認用の封書が正しく印刷されていなければ(S23)、印刷を中止する。この場合には印刷部2などに別の問題が発生している可能性がある。
【0066】
確認モード選択手段において、再利用モードが選択された場合、制御部90は、n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開するよう封入封緘部3を制御する。
【0067】
再利用モードでは、印刷部2で印刷した後、封入封緘部3で内容物用紙50の封入処理を行う(S31)。このとき、封書は封緘されていないため、未封緘であることを警告表示する(S32)。これにより、未封緘の封書の誤発送を防止することができる。その後、封書作成処理を一時停止する(S33)。このとき、確認用の封書が正しく印刷されていれば(S34)、この封書を正常な封書としてカウントアップした後(S35)、エラーが発生したn通目の次のn+1通目から封書作成処理を再開する(S36)。また、確認用の封書が正しく印刷されていなければ(S34)、印刷を中止する。この場合には印刷部2などに別の問題が発生している可能性がある。
【0068】
また、この実施の形態では、各確認モードのときに、確認用の封書として容易に識別可能なように、封筒用紙100から内容物用紙50の一部を突出させた状態として排出する構成を備えている。図11(b)に示すように、封筒用紙100から内容物用紙50の一部を突出させた封書には、封筒の幅方向に設けられた感圧接着剤111による接着がなされていない。なお、図11(a)には通常作成した封書、すなわち、封筒用紙100に内容物用紙50が完全に封入された封書を比較例として示している。封筒用紙100から内容物用紙50を突出させていれば、図12に示すように、正常な封書に混入していても容易に認識することができ、確認用の封書(未封緘の封書)の更に確実な誤発送防止となる。
【0069】
図13〜図14を参照して封書作成時に、封筒用紙100に内容物用紙50の一部を突出させるように封入するための構成及び工程を説明する。
図13には、通常の封書作成における内容物用紙50の封入封緘工程を示している。通常の封書作成では、まず、第2の搬送経路を搬送されてきた枚葉状の内容物用紙50に第2折り手段にて必要な折りを加える。なお、ここでは、内容物用紙50を三つ折りにする。次に、三つ折りされた内容物用紙50を挟持ローラ30で挟み込み、搬送中心線Lが正しい位置となるように、内容物用紙50を幅方向に移動させて位置合わせする。この位置合わせは、内容物用紙50の幅方向のいずれか一方の端縁をセンサ31が検出することにより行う。次に、封入封緘部3において、位置合わせされた内容物50と第1の搬送経路を搬送されてきた封筒用紙100とを合流させ、封筒用紙100を、内容物用紙50を内包するように折り畳んで封筒を形成する。また、このとき、加水手段60により水が付いた再湿糊110は接着され、封筒用紙100は幅方向の両縁部が開放された状態で内容物用紙50を内包する。最後に、封筒用紙100が圧着ローラ80で挟持搬送されることにより、幅方向の両縁部に設けられた感圧接着剤111が接着され、封書が完成する。
【0070】
図14には、確認モード(第1、第2廃棄モード及び再利用モード)のときの確認用の封書作成における内容物用紙50の封入工程を示している。確認用の封書作成では、まず、第2の搬送経路を搬送されてきた枚葉状の内容物用紙50に第2折り手段にて必要な折りを加える。ここでは、内容物用紙50を三つ折りにする。次に、三つ折りされた内容物用紙50を挟持ローラ30で挟み込み、搬送中心線Lが正しい位置から幅方向のいずれかに所定量だけ外れた線L’となるように内容物用紙50を移動させる。なお、このときの移動は厳密に行う必要はない。次に、封入封緘部3において、位置をずらされた内容物用紙50と第1の搬送経路を搬送されてきた封筒用紙100とを合流させ、封筒用紙100を、内容物用紙50を内包するように折り畳んで封筒を形成する。また、このとき、加水手段60により水が付いた再湿糊110は接着され、封筒用紙100は、幅方向の両縁部が開放された状態で、いずれか一方の縁部から内容物用紙50の一部を突出させてこの内容物用紙50を内包する。最後に、封筒用紙100が圧着ローラ80を幅方向のいずれかに移動させた状態で挟持搬送されることにより、幅方向の両縁部に設けられた感圧接着剤111は接着されず、内容物用紙50の一部を突出させた確認用の封書が完成する。
【0071】
図15には、図14にて示した確認用の封書の中身を確認した後に、この封書を再封緘する工程を示している。この再封緘による封書作成では、内容物用紙50の一部を突出させた封書から内容物用紙50を抜き出すなどしてその内容を確認し、内容が正しい場合に、内容物用紙50を手作業で幅方向の両縁部が開放された封筒用紙100の中央部へ戻し、図3に示すような再封緘給紙口へ投入する。そして、封筒用紙100が圧着ローラ80で挟持搬送されることにより、幅方向の両縁部に設けられた感圧接着剤111が接着され、封書が完成する。
【0072】
なお、上述した実施の形態では、内容物用紙50及び封筒用紙100には枚葉紙を使用しているが、例えばロール状の用紙を使用し、使用の都度、必要な長さに切断して供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…封書作成装置
2…印刷部
3…封入封緘部
50…内容物用紙
90…制御部
100…封筒用紙
100a…封筒用紙として用いる封筒用紙よりも安価な用紙(普通紙)
120…折り位置見当線
P…給紙部(給紙台)
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒となる封筒用紙と内容物となる内容物用紙に印刷を施し、封筒用紙を折り畳んで封筒を形成しながら、必要に応じて折りを加えた内容物用紙を内容物として封筒に封入封緘する作業を自動的に行える封書作成装置に係り、封書作成時には、封筒用紙と内容物用紙の組み合わせを通として、各通ごとに封筒用紙と内容物用紙を同一順序で処理するとともに、所定数の通を連続して処理する封書作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、印刷された書類をトレイ状の供給部から取り込み、折り畳んで封入封緘する封入封緘機があった。この封入封緘機は、書類を印刷機から直接封筒に封入封緘するため、内容証明郵便などのような内容の秘密保持性が要求される封書の作成に適している。
【0003】
ところが、上述した封入封緘機は、印刷機と組み合わせて用いる機構を備えていないため、封入される書類の秘密保持性が完全ではなかった。そこで、下記特許文献2などに開示されるような、高い秘密保持性を得るために、印刷機あるいは複合機と組み合わせることが可能な封入封緘機が提供されている。この封入封緘機は、印刷手段から排出された印刷済みの用紙を取り込む取込み手段と、取込み手段により取り込まれた用紙を折り畳む折畳み手段と、折畳み手段により折り畳まれた用紙を一枚乃至複数枚を単位として封筒に封入する封入手段と、用紙が封入された封筒を封緘する封緘手段と、各手段間にて用紙を搬送する搬送手段とを備えており、また、取込み手段が印刷手段の用紙排出口に着脱可能に構成されている。この封入封緘装置では、印刷機あるいは複合機と組み合わせて使用するため、用紙の印刷から封入封緘までの工程を一括して行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−25198号公報
【特許文献2】特開2001−96987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
封書作成において、印刷から封入封緘までを自動的に処理するときには、封筒となる封筒用紙と内容物となる単数又は複数枚の枚葉状の内容物用紙の組み合わせを「通」として、各通ごとに封筒用紙と内容物用紙を同一順序で処理するとともに、所定数の通を連続して処理する(これを「Job」という)。すなわち、「通」は封筒用紙と内容物用紙の組み合わせであり、「Job」は通の集まりで、一度に連続して封書作成処理を行うときの単位である。
【0006】
上記特許文献2に開示されるような、印刷機に接続されている封入封緘機では、印刷機は通の順序通りに封筒用紙と内容物用紙を封入封緘機に送り込む。例えば、1通が封筒と二枚の内容物の組み合わせからなる場合、印刷機から送り込まれる用紙の順序は、1通目の一枚目の内容物用紙、1通目の二枚目の内容物用紙、1通目の封筒用紙、2通目の一枚目の内容物用紙、2通目の二枚目の内容物用紙、2通目の封筒用紙、(以下、Jobとして設定された所定数の通まで)となり、封筒用紙と内容物用紙の組み合わせがズレることはない。
【0007】
ところが、紙詰まりなどのエラーが発生した場合、エラーが発生した用紙(封筒用紙又は内容物用紙)を含む通を印刷からやり直す必要がある。これにより、封筒用紙と内容物用紙の組み合わせにズレが生じる可能性が高まってしまう。特に窓が設けられていない封筒などは、開封して中身を確認しなければ正しい組み合わせかどうかを確認することが困難であり、例えば、ある通の封書において、封筒用紙に印刷された宛名と内容物用紙に印刷された内容の組み合わせがズレていると、この通より後の通の封書における封筒用紙と内容物用紙の組み合わせもズレることになる。そのため、正しい組み合わせではないなどの封書を発送してしまうなどの誤発送を防止するためにもエラーが発生した通の封書の中身を確認することは重要となる。
【0008】
なお、紙詰まりエラーは、印刷機から順次供給される用紙を、搬送経路の長さと搬送速度から算出される規定時間内にセンサが検出しないときに当該エラーとなる。用紙検出のためのセンサは、搬送経路上の複数箇所に設けられる。また、搬送経路は用紙の長さ(搬送方向の長さ)よりも十分に長いため、印刷中、機内には複数枚の用紙が存在しており、紙詰まりエラーの検出箇所より上流側の用紙は全て廃棄し、紙詰まりエラーの検出箇所より下流側で1通以上の用紙が揃っている通は、通常通り、印刷、封入封緘処理を行い封書として排出する。1通分の用紙が揃っていない通は廃棄する。
【0009】
また、上記特許文献2に開示されるような封入封緘機は、エラー後の通における封筒用紙と内容物用紙の組み合わせを確認する手段を備えておらず、エラーの都度封書を開封して中身を確認する作業も煩わしいため、紙詰まりなどのエラーが発生したときには、しばしば、エラーの通から印刷を再開せずに、Jobを最初からやり直すようにしていた。ところが、これでは用紙にかかるコストが嵩んでしまう。特に封筒用紙は高価であるため、無駄な廃棄は避けたいところである。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、ある通にエラーが発生してこのエラーが解除されると、エラーが発生した通の封書を確認用として、この封書が確認用であることを容易に識別可能とするとともに確認用の封書の中身を容易に確認可能とすることにより、誤発送などのミスを未然に防止し、さらに、用紙にかかるコストが低減可能な封書作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明に係る請求項1記載の封書作成装置は、封筒となる封筒用紙100及び内容物となる内容物用紙50を収納した給紙部P(P1〜P4)と、
前記給紙部P1〜P4から給紙された前記各用紙100,50にそれぞれ印刷する印刷部2と、
前記印刷部2で印刷された前記各用紙100,50をそれぞれ折り畳み封入封緘する封入封緘部3と、
を備え、
前記封筒用紙100と前記内容物用紙50の組み合わせを通として、該通ごとに封書作成処理を行う封書作成装置1において、
n通目(nは正の整数)の前記封筒用紙100又は前記内容物用紙50に関するエラーが発生し、前記封書作成処理を停止し、その後、該エラーが解除された場合に、前記n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うよう前記封入封緘部3を制御する制御部90を有することを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の封書作成装置は、請求項1記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、前記封筒用紙100から前記内容物用紙50の一部が突出された状態で封入するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の封書作成装置は、請求項1又は2記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第1廃棄モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の封書作成装置は、請求項1又は2記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより再利用モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の封書作成装置は、請求項3記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、ユーザに対し廃棄用であることが分かるように前記封筒用紙100に廃棄情報を印刷するよう前記印刷部2を制御することを特徴としている。
【0016】
請求項6記載の封書作成装置は、請求項1又は2記載の封書作成装置1であって、
前記給紙部P(P1)には、前記封筒用紙100よりも安価な用紙100aが収納されており、
前記制御部90は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第2廃棄モードが選択された場合、
該制御部90は、
前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、n通目の封筒用紙として前記安価な用紙100aを用いるよう前記給紙部P1を制御するとともに、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部3を制御することを特徴としている。
【0017】
請求項7記載の封書作成装置は、請求項6記載の封書作成装置1であって、
前記制御部90は、前記安価な用紙100aに折り位置見当線120を印刷するよう前記印刷部2を制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る請求項1記載の封書作成装置によれば、封書作成時に紙詰まりなどの所定のエラーが発生したときに、エラーが発生した用紙(封筒用紙又は内容物用紙)を含むn通目(nは正の整数)の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行うことにより、まず、この封書が確認用であることを容易に識別することができる。次に、この封書の中身を容易に確認することができる。具体的には、封筒用紙と内容物用紙が一致しているか否か、あるいは、内容物用紙の印刷が正しく行われているか否かなどを容易に確認することができる。特に、封筒用紙と内容物用紙が一致しているか否かを確認できることは、その後の通にもズレがないことが分かり、このズレに気付かずに封書作成を続けて用紙を無駄にするなどのミスがなくなり、また、ユーザも安心して作業を続けられるようになる。さらに、Jobの最初から封書作成処理をやり直さなくて済むようになる。
【0019】
請求項2記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を封筒用紙から内容物用紙が突出された状態とすることにより、この封書が確認用であることを容易に識別可能となる。
【0020】
請求項3記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開する第1廃棄モードを選択することにより、n通目の封書を廃棄してもJobにズレが生じることはなくなる。
【0021】
請求項4記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開する再利用モードを選択することにより、n通目の封書の再利用が可能となり、用紙の無駄を減らすことができる。これにより、用紙にかかるコストが低減可能となる。
【0022】
請求項5記載の封書作成装置によれば、第1廃棄モードにおいて、封筒用紙に廃棄情報を印刷することにより、この封筒(封書)が確認用であることをユーザは容易に認識することができる。
【0023】
請求項6記載の封書作成装置によれば、n通目の封書を確認用として封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開するととともに、n通目の封筒用紙としてこの封筒用紙よりも安価な用紙を用いる第2廃棄モードを選択することにより、廃棄予定のn通目の封書に高価な封筒用紙を使用せずに済むため、封筒用紙を節約することができる。これにより、用紙にかかるコストが低減可能となる。
【0024】
請求項7記載の封書作成装置によれば、第2廃棄モードにおいて、封筒となるための折り位置見当線を印刷することにより、封筒が正しく形成されているか否かを確認することができる。これにより、折りのエラーなどで高価な封筒用紙を無駄にしないで済むようになり、用紙にかかるコストが低減可能となる。なお、折りのエラーは、搬送ローラはゴム製のものが多いことから、摩耗や膨潤などにより用紙搬送量が変化してしまうことがあり、用紙搬送量が変化して折り位置がズレることから発生する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)本発明の実施の形態で使用される封筒用紙の表面を示す図である。(b)同裏面を示す図である。
【図2】(a)〜(c)同実施の形態で使用される封筒用紙を折り畳みながら内容物用紙を包み込む折り順乃至工程を示す図である。
【図3】同実施の形態の構造を示す模式的な断面図である。
【図4】同実施の形態における制御機能を示すブロック図である。
【図5】同実施の形態における封書作成時の通とJobの関係を示す概念図である。
【図6】同実施の形態における封書作成時の紙詰まりエラーの再開イメージ図である。
【図7】同実施の形態が有する確認モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】同実施の形態が有する確認モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】廃棄処理において、廃棄情報を示す印刷例(誤発送防止の印刷例)を示す図である。
【図10】廃棄処理において、(a)は比較例としての通常作成された封書(封筒)を示す図、(b)は封筒用紙よりも安価な用紙を用いて作成された封筒を示す図である。
【図11】廃棄処理又は再利用処理において、(a)は比較例としての通常作成された封書を示す図、(b)は封筒用紙から内容物用紙の一部が突出するように作成された封書を示す図である。
【図12】図10(b)に示した封書が実際に適用された状態を示す図である。
【図13】通常処理における封入封緘工程を示す図である。
【図14】廃棄処理又は再利用処理における封入工程を示す図である。
【図15】廃棄処理又は再利用処理において、内容物確認後の再封緘工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
この実施の形態(封書作成装置1)は、作成すべき封書ごとに折り畳んで封筒となる封筒用紙100と、必要に応じて折りを加えて内容物となる単数又は複数枚の枚葉状の内容物用紙50に必要な印刷を施し、それぞれ異なる搬送経路で搬送しながら必要な折りを加えて最後に合流させて封筒用紙100に内容物用紙50を封入し、最終的に封筒を閉じて封緘された封書として装置上部に排出する装置である。
【0027】
まず、この実施の形態で使用する封筒用紙100の形状・構造と、これを折り畳んで封筒を形成するとともに、その内部に内容物用紙50を封入して封緘し、封書を作成する動作について説明する。なお、封筒用紙100及び内容物用紙50に対する印刷と、封筒用紙100によって内容物用紙50を包み込む動作は、実際には後に説明する封書作成装置1によって自動的に行われる。
【0028】
図1(a)は封筒用紙100の表面(宛名が印刷される側)を示す図であり、図1(b)は同裏面を示す図である。この封筒用紙100は、第1紙片101、第2紙片102、第3紙片103の三つの略同形の矩形の紙片が各折り線120により区画された矩形の用紙である。
【0029】
図1に示すように、第1紙片101の表面は封筒の裏に相当し、発送者の名前・住所などが印刷される。第2紙片102の表面は封筒の表に相当し、宛名が印刷される。また、第3紙片103の表面には、その幅方向の両縁部よりも内側で、第2紙片102との折り線120に隣接する位置に、幅方向に沿った帯状のパターンのアラビア糊などの再湿糊110が二箇所に設けられている。再湿糊110は、封筒となるための接着部となる。
【0030】
図1に示すように、第1乃至第3紙片101〜103の各裏面には、封筒となるための他の接着部となる感圧接着剤111が幅方向の両縁部に沿って所定のパターンで帯状に設けられている。これらの感圧接着剤111の配置パターンは、各紙片を折って封筒の形状に組み立てた場合に、対応する紙片同士の感圧接着剤111が互いに同じ位置で当接するように考慮されている。
【0031】
封筒用紙100、すなわち、第1紙片101、第2紙片102及び第3紙片103には、その幅方向の両縁部に折り線120と直交する方向に延びた二本のミシン目104,104が開封部として設けられている。完成された封筒は、どちらかのミシン目104に沿って開封することができる。また、封筒用紙100において、感圧接着剤111と再湿糊110で囲まれた領域は、内容物用紙50が収納される領域となり、ミシン目104は感圧接着剤111及び再湿糊110を含まないように収納領域に設けられる。
【0032】
宛名や内容などを印刷した後、内容物用紙50を内包するように封筒用紙100を折り畳んで封筒を形成する。
まず、図2(a)に示すように、第2紙片102の裏面側に第3紙片103を重ね、両紙片102,103の感圧接着剤111を互いに接触させる。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、第3紙片103の表面の上に、内容物用紙50を載置する。このとき、内容物用紙50は、封筒の収納領域に収納可能な寸法となっている。すなわち、内容物用紙50の幅は、封筒用紙100の各紙片の両端部に印刷された感圧接着剤111の間隔よりも小さい。また、内容物用紙50の上下方向の寸法は、封筒用紙100の各紙片の上下方向の長さから再湿糊110の同方向の半分程度の長さを除いた寸法を最大としてこれよりも小さければよい。
このように、封筒に収納可能な寸法となるように内容物用紙50に折りを加える作業は、後述する封書作成装置1の折り手段において、内容物用紙50を適宜の位置(好ましくは、封筒150のサイズに適合するような位置)で折る制御を実行することで達成される。
【0034】
図2(c)において、後述する加水手段で再湿糊110に水を付けた後、第1紙片101の裏面と第3紙片の表面とをあわせて再湿糊110と第1紙片101の裏面を接触させるとともに、両紙片101,103の各感圧接着剤111を互いに接触させる。この状態で封筒用紙100は三つ折りの封筒の形状となるが、再湿糊110及び感圧接着剤111はまだ接着されていない。
【0035】
封筒の幅方向の両縁部の感圧接着剤111を挟むように後述する圧着ローラ80を通過させる工程を経て各紙片の両縁部が感圧接着剤111により接着される。また、封筒を挟持して搬送するなどの工程を経て第1紙片101と第3紙片103の上下方向における折りによって閉ざされていない側の縁部が再湿糊110により接着される。これにより、封筒に内容物が内包された封書となる。
【0036】
次に、図3を参照してこの実施の形態(封書作成装置1)の全体構成及び主要な機能の概要について説明する。
図3に示す封書作成装置1では、作成すべき封書ごとに処理を行う。すなわち、前記封筒用紙100と、枚葉状の用紙である内容物用紙50に対し、共通の印刷部2を用いて適当な順序で各用紙に必要な印刷を施す。そして、印刷後の封筒用紙100及び内容物用紙50を封入封緘部3に送り込み、それぞれ別系統の搬送経路で搬送しながら、封筒用紙100については封筒の形態となるように折り畳むとともに、内容物用紙50についても封筒の内容物となるように必要に応じて折りを加える。そして、最終的に両者を封入封緘手段で合流させ、封筒用紙100に内容物用紙50を封入・封緘して装置の上部に完成した封書として揃えて排出する。
【0037】
図4に示すように、封書作成装置1は、封筒用紙100及び内容物用紙50を印刷して排出する印刷部2を備えている。印刷部2は、装置の各部を収納する筐体4の内部又は側面などに複数種類の被印刷体(封筒用紙100や内容物用紙50)を収納可能な給紙部としての複数の給紙台P(P1〜P4)を備えている。この実施の形態では、筐体4の側面に取り付けられた給紙台P1に封筒用紙100が収納され、筐体4の内部に設けられた給紙台P2〜P4に内容物用紙50がサイズごとなどに分けて収納されている。
【0038】
これらの給紙台Pから給紙された用紙は、導入路からループ状の搬送路5に送り込まれて搬送され、搬送路5の下半部に沿って下向きに所定間隔で配置された印刷手段によって画像が形成される。この実施の形態では、印刷手段として、シアン、ブラック、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ吐出する四つのインクジェットヘッドC,K,M,Yが配置されている。
【0039】
ループ状の搬送路5には、上述した印刷手段の下流の隣部に、略水平な方向で用紙をループ外に排出する第1の排出路6が分岐して設けられている。また、ループ状の搬送路5の上半部には、用紙をループ外に排出する第2の排出路7が分岐して設けられるとともに、給紙台Pからの導入路との間にスイッチバック路8が分岐して設けられている。スイッチバック路8は、搬送路5を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路5に戻すことにより、搬送路5中における用紙の上下を反転させる手段であり、用紙の面を逆転させて搬送路5を二回通過させれば、インクジェットヘッドC,K,M,Yで用紙の両面にカラー画像を形成するカラー画像印刷を行うことができる。
【0040】
印刷部2の隣部には、印刷部2の第1の排出路6から送られた封筒用紙100や内容物用紙50を受け入れて処理し、封筒用紙100に内容物用紙50を封入して封緘するための封入封緘部3が設けられている。
【0041】
印刷部2の第1の排出路6は水平に延設された外部に突出しており、隣にある封入封緘部3の筐体9内に導入されている。筐体9内では、この排出路6から、第2の搬送経路20が斜め下方に分岐しており、そのさらに下流は第1の搬送経路10の一方の経路11となって斜め下方に延設されている。
【0042】
第1の搬送経路10の一方の経路11は、第2の搬送経路20の一方の経路21と略平行に配置されている。第1の搬送経路10の一方の経路11は、封筒用紙100を折り手段に搬送する案内路であり、第2の搬送経路20の一方の経路21は、内容物用紙50を折り手段に搬送する案内路であり、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の切り替えは、第1の排出路6と第2の搬送経路20の分岐点に設けられた切替えフラップ15にて行う。
【0043】
第1の搬送経路10の一方の経路11の終端には、封筒用紙100を折り畳んで封筒を形成するために第1の折り手段が設けられている。第1の折り手段には、回動自在の主折りローラA’と、これに接して回動する用紙搬送ローラD’及び第1折りローラB’が設けられている。これらのローラはゴム製であり、その幅方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0044】
第1の搬送経路10の第1の折り手段の主折りローラA’と第1折りローラB’の間からは、第1の搬送経路10の他方の経路13が、上方に凸となる形状に湾曲しながら略水平方向に延設されている。封筒用紙100を搬送する第1の搬送経路10の他方の経路13の終端は、後述する封入封緘手段へと導かれている。
【0045】
封入封緘部3の筐体9の内部には、印刷部2で印刷された内容物用紙50を搬送する第2の搬送経路20が設けられている。第2の搬送経路20は、第1の搬送経路10よりも下方にあり、印刷部2の第1の排出路6から略水平方向に送られた用紙を斜め下方に送る一方の経路21を備えている。
【0046】
この経路21の途中には、用紙搬送ローラと22と、開閉自在なゲートである整合部23が設けられており、搬送される用紙を、経路21を閉止した整合部23に留めることにより、用紙を経路21内で重ねて貯留することができるようになっている。また、この経路21の終端には、用紙に折りを加えるための折り手段が設けられている。折り手段には、回動自在な中央の主折りローラAが設けられ、さらに、第1折りローラB、第2折りローラC及び一つの用紙搬送ローラDが主折りローラAにそれぞれ回動自在に接触している。これらのローラはゴム製であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。
【0047】
封入封緘部3の筐体9の内部において、第2の搬送経路20は、折り手段で折られた内容物用紙50を搬送する他方の経路26を備えている。他方の経路26は、封入封緘手段において、第1の搬送経路10の他方の経路13と合流している。
【0048】
また、第1の排出路6、第1及び第2の搬送経路10,20の分岐点、及び各経路11,13,21,26には複数箇所に用紙通過検出センサ27が配設されている。
【0049】
次に、第1の搬送経路10と第2の搬送経路20の合流点にある封入封緘手段について説明する。
封入封緘手段は、封筒用紙100を必要に応じて更に折り畳む第2の折り手段としての機能を備えている。封入封緘手段は、折られた封筒用紙100に内容物用紙50を整合させた後に折りを加えることにより、内容物用紙50を封筒用紙100に包み込ませる封入手段であるとともに、この封筒用紙100を封緘する封緘手段も備えている。
【0050】
封入封緘手段には、第2の折り手段である回動自在の主折りローラA”と、これに接して回動する用紙搬送ローラD”及び第1及び第2折りローラB”,C”が設けられている。これらのローラはゴム製であり、その軸方向の長さは封筒用紙100の幅よりも大きい。封筒用紙100は、必要に応じて上述した第1の折り手段である主折りローラA’及び第1折りローラB’などによって折られた後に、更に第2の折り手段である主折りローラA”などに送られ、ここで封入前後の更なる折りが必要に応じて実行される。
【0051】
封入封緘手段の主折りローラA”と用紙搬送ローラD”の間には、下方に向いた経路46が配置されている。この経路46の近傍には、封筒用紙100の再湿糊110に水を付けて接着力を発揮させ、封筒用紙100を接着して封筒にするための接着手段としての加水手段60が設けられている。
【0052】
封入封緘手段の主折りローラA”と第2折りローラC”の間には、斜め上前方に向けて傾斜した経路47が配置されている。この経路47には、封筒用紙100の搬送方向に沿って、搬送ローラと封入封緘手段の一部を構成する封緘手段としての圧着ローラ80が設けられている。圧着ローラ80は、上下一組で左右二対が設けられており、内容物用紙50が封入された封筒用紙100の幅方向の両縁部を、それぞれ上下から挟持して圧力を加え、感圧接着剤111による封緘を行うことができる。封緘が完了して作成された封書は、経路47を経て、筐体9の上面に設けられた排出トレイ48に排出される。
【0053】
また、図4に示すように、封書作成装置1は、以上説明した印刷部2、封入封緘部3に加えて、第1及び第2の搬送経路10,20を含めた装置全体を統括して制御する制御部90を備えている。制御部90では、封筒用紙100や内容物用紙50の折り位置や、封筒用紙100に内包されるときの内容物用紙50の位置などを制御する。
【0054】
また、図5に示すように、この実施の形態では、封書作成において、印刷から封入封緘までを自動的に処理するときには、上述したように、封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせを「通」として、各通ごとに封書作成処理を行う。封書作成処理では、封筒用紙100と内容物用紙50を同一順序で処理するとともに、所定数の通を連続して処理する。これを「Job」という。すなわち、「通」は封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせであり、「Job」は通の集まりで、一度に連続して封書作成処理を行うときの単位である。
【0055】
図6に示すように、例えば、1通が封筒用紙100と二枚の内容物用紙50の組み合わせからなる場合、後述する印刷部2から送り込まれる用紙の順序は、1通目の一枚目の内容物用紙50、1通目の二枚目の内容物用紙50、1通目の封筒用紙100、2通目の一枚目の内容物用紙50、2通目の二枚目の内容物用紙50、2通目の封筒用紙100、(以下、Jobとして設定された所定数の通まで)となり、通常は封筒用紙100と内容物用紙50の組み合わせがズレることはない。
【0056】
ところが、図6に示すように、n通目(図6の例では2通目)の二枚目の内容物用紙50に紙詰まり(Jam)などのエラーが発生すると、一旦装置を停止して封書作成処理を停止し、エラーが解除された後に、エラーが発生した通から封書作成処理を行う必要がある。なお、nは正の整数である。この実施の形態では、封書作成時において、紙詰まりなどの所定のエラーが発生した場合に、制御手段(制御部90)は、n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うように封入封緘部3を制御する。
【0057】
制御部90は、エラー解除後に、封筒用紙100と内容物用紙50が正しく組み合わされているかなどをユーザが確認するための確認方法(確認モード)を選択可能とした確認モード選択手段を有している。なお、確認モードの設定などは、図4に示すように、設定パネル28から行う。設定パネル28は印刷部2に設けられている。
【0058】
封入封緘部3における各経路に搬送されている用紙の通過を用紙通過検知センサ27が検出しないときに、このセンサ27から制御部90に信号が出力される。制御部90は、センサ27から出力信号が送られると、上述した確認モードを実行する。なお、紙詰まりエラーは、印刷部2から順次供給される用紙を、搬送経路の長さと搬送速度から算出される規定時間内にセンサ27がその通過を検出しないときにエラーとなる。
【0059】
以下、図7及び図8を参照して制御部90による確認モードに至るまでの処理手順及び確認モード選択手段により選択された確認モードの処理手順を具体的に説明する。
図7に示すように、制御部90は、封書作成時にはJobとして設定された所定数の通に達するまで封書作成、つまり、印刷・封入・封緘する処理をカウントする(S1,S2)。このとき、封書として正常に排出されると(S3)、封書としてカウントアップしていき(S4)、このカウント値がJobとして設定された所定通数に達すれば(S5)、処理を終了する。なお、S5において、所定通数に達していなければ所定通数になるまで上記処理を繰り返す。
【0060】
また、S3において、封書として正常に排出されないと、印刷をはじめとする封書作成処理動作を停止し(S6)、エラー表示する(S7)。その後、印刷部2及び封入封緘部3に残存する全ての用紙を排出するが、用紙が残存していると(S8)、エラー表示を継続する。用紙が残存していなければ(S8)、確認用プリントを実施するか否かを選択する(S9)。S9において、確認用プリントを実施しない場合には、上記S2から再度処理を行う。
【0061】
S9において、確認用プリントを実施する場合は、確認モード(S10)が実行される。図8に示すように、確認モード選択手段により、廃棄処理(第1及び第2廃棄モード)、再利用処理(再利用モード)から処理を選択することができる。第1廃棄モードは、エラーが発生した通の封書を廃棄するモードであり、第2廃棄モードは、エラーが発生した通の封筒用紙を普通紙などの封筒用紙よりも安価な用紙100aに変えて封筒形成するモードであり、再利用モードは、エラーが発生した通の封書を再利用するモードである。
【0062】
確認モード選択手段において、第1廃棄モードが選択された場合、制御部90は、エラーが発生したn通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開するように封入封緘部3を制御する。制御部90は、封筒用紙100にユーザに対して廃棄用であることが分かるように廃棄情報を印刷するように印刷部2を制御する。
【0063】
第1廃棄モードでは、廃棄情報、例えば誤発送防止印刷を付加して印刷した後、封入処理を行う(S11)。なお、誤発送防止印刷として、図9に示すような例が考えられる。図9(a)には郵便切手を貼り付ける部分を塗りつぶすように印刷する例、図9(b)には住所と宛名に消し線を付加して印刷する例、図9(c)には「SAMPL」などのデザインを付加して印刷する例である。上記S11の処理が終了すると、封書作成処理を一時停止する(S12)。このとき、確認用の封書が正しく印刷されていれば、エラーが発生したn通目からの封書作成処理を再開し(S14)、上記S2から処理を行う。また、確認用の封書が正しく印刷されていなければ(S12)、印刷を中止する。この場合には印刷部2などに別の問題が発生している可能性がある。
【0064】
確認モード選択手段において、第2廃棄モードが選択された場合、制御部90は、n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、n通目の封筒用紙として普通紙などの封筒用紙100よりも安価な用紙100aを用いるよう給紙部Pを制御する。また、制御部90は、エラーが発生したn通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n通目から封書作成処理を再開するように封入封緘部3を制御する。この場合、例えば、給紙部P2〜P4のうちいずれか一つを用紙100aを収納するための給紙部に設定しておくことで実現することができる。また、制御部90は、封筒用紙として用いる普通紙100aに折り位置見当線120を印刷するように印刷部2を制御する。
【0065】
第2廃棄モードでは、封筒用紙100を普通紙100aに変えて印刷する処理を行う。同時に、印刷時には、図10(b)に示すように、封筒用紙100として用いる普通紙100aに封筒となるための折り位置見当線120を付加する(S21)。なお、図10(a)には通常作成した封書(封筒150)を比較例として示している。上記S21の処理が終了すると、封書作成処理を一時停止する(S22)。このとき、確認用の封書が正しく印刷されていれば、エラーが発生したn通目から封書作成処理を再開し(S24)、上記S2から処理を行う。また、確認用の封書が正しく印刷されていなければ(S23)、印刷を中止する。この場合には印刷部2などに別の問題が発生している可能性がある。
【0066】
確認モード選択手段において、再利用モードが選択された場合、制御部90は、n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開するよう封入封緘部3を制御する。
【0067】
再利用モードでは、印刷部2で印刷した後、封入封緘部3で内容物用紙50の封入処理を行う(S31)。このとき、封書は封緘されていないため、未封緘であることを警告表示する(S32)。これにより、未封緘の封書の誤発送を防止することができる。その後、封書作成処理を一時停止する(S33)。このとき、確認用の封書が正しく印刷されていれば(S34)、この封書を正常な封書としてカウントアップした後(S35)、エラーが発生したn通目の次のn+1通目から封書作成処理を再開する(S36)。また、確認用の封書が正しく印刷されていなければ(S34)、印刷を中止する。この場合には印刷部2などに別の問題が発生している可能性がある。
【0068】
また、この実施の形態では、各確認モードのときに、確認用の封書として容易に識別可能なように、封筒用紙100から内容物用紙50の一部を突出させた状態として排出する構成を備えている。図11(b)に示すように、封筒用紙100から内容物用紙50の一部を突出させた封書には、封筒の幅方向に設けられた感圧接着剤111による接着がなされていない。なお、図11(a)には通常作成した封書、すなわち、封筒用紙100に内容物用紙50が完全に封入された封書を比較例として示している。封筒用紙100から内容物用紙50を突出させていれば、図12に示すように、正常な封書に混入していても容易に認識することができ、確認用の封書(未封緘の封書)の更に確実な誤発送防止となる。
【0069】
図13〜図14を参照して封書作成時に、封筒用紙100に内容物用紙50の一部を突出させるように封入するための構成及び工程を説明する。
図13には、通常の封書作成における内容物用紙50の封入封緘工程を示している。通常の封書作成では、まず、第2の搬送経路を搬送されてきた枚葉状の内容物用紙50に第2折り手段にて必要な折りを加える。なお、ここでは、内容物用紙50を三つ折りにする。次に、三つ折りされた内容物用紙50を挟持ローラ30で挟み込み、搬送中心線Lが正しい位置となるように、内容物用紙50を幅方向に移動させて位置合わせする。この位置合わせは、内容物用紙50の幅方向のいずれか一方の端縁をセンサ31が検出することにより行う。次に、封入封緘部3において、位置合わせされた内容物50と第1の搬送経路を搬送されてきた封筒用紙100とを合流させ、封筒用紙100を、内容物用紙50を内包するように折り畳んで封筒を形成する。また、このとき、加水手段60により水が付いた再湿糊110は接着され、封筒用紙100は幅方向の両縁部が開放された状態で内容物用紙50を内包する。最後に、封筒用紙100が圧着ローラ80で挟持搬送されることにより、幅方向の両縁部に設けられた感圧接着剤111が接着され、封書が完成する。
【0070】
図14には、確認モード(第1、第2廃棄モード及び再利用モード)のときの確認用の封書作成における内容物用紙50の封入工程を示している。確認用の封書作成では、まず、第2の搬送経路を搬送されてきた枚葉状の内容物用紙50に第2折り手段にて必要な折りを加える。ここでは、内容物用紙50を三つ折りにする。次に、三つ折りされた内容物用紙50を挟持ローラ30で挟み込み、搬送中心線Lが正しい位置から幅方向のいずれかに所定量だけ外れた線L’となるように内容物用紙50を移動させる。なお、このときの移動は厳密に行う必要はない。次に、封入封緘部3において、位置をずらされた内容物用紙50と第1の搬送経路を搬送されてきた封筒用紙100とを合流させ、封筒用紙100を、内容物用紙50を内包するように折り畳んで封筒を形成する。また、このとき、加水手段60により水が付いた再湿糊110は接着され、封筒用紙100は、幅方向の両縁部が開放された状態で、いずれか一方の縁部から内容物用紙50の一部を突出させてこの内容物用紙50を内包する。最後に、封筒用紙100が圧着ローラ80を幅方向のいずれかに移動させた状態で挟持搬送されることにより、幅方向の両縁部に設けられた感圧接着剤111は接着されず、内容物用紙50の一部を突出させた確認用の封書が完成する。
【0071】
図15には、図14にて示した確認用の封書の中身を確認した後に、この封書を再封緘する工程を示している。この再封緘による封書作成では、内容物用紙50の一部を突出させた封書から内容物用紙50を抜き出すなどしてその内容を確認し、内容が正しい場合に、内容物用紙50を手作業で幅方向の両縁部が開放された封筒用紙100の中央部へ戻し、図3に示すような再封緘給紙口へ投入する。そして、封筒用紙100が圧着ローラ80で挟持搬送されることにより、幅方向の両縁部に設けられた感圧接着剤111が接着され、封書が完成する。
【0072】
なお、上述した実施の形態では、内容物用紙50及び封筒用紙100には枚葉紙を使用しているが、例えばロール状の用紙を使用し、使用の都度、必要な長さに切断して供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…封書作成装置
2…印刷部
3…封入封緘部
50…内容物用紙
90…制御部
100…封筒用紙
100a…封筒用紙として用いる封筒用紙よりも安価な用紙(普通紙)
120…折り位置見当線
P…給紙部(給紙台)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒となる封筒用紙及び内容物となる内容物用紙を収納した給紙部と、
前記給紙部から給紙された前記各用紙にそれぞれ印刷する印刷部と、
前記印刷部で印刷された前記各用紙をそれぞれ折り畳み封入封緘する封入封緘部と、
を備え、
前記封筒用紙と前記内容物用紙の組み合わせを通として、該通ごとに封書作成処理を行う封書作成装置において、
n通目(nは正の整数)の前記封筒用紙又は前記内容物用紙に関するエラーが発生し、前記封書作成処理を停止し、その後、該エラーが解除された場合に、前記n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うよう前記封入封緘部を制御する制御部を有することを特徴とする封書作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、前記封筒用紙から前記内容物用紙の一部が突出された状態で封入するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第1廃棄モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより再利用モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項5】
請求項3記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、ユーザに対し廃棄用であることが分かるように前記封筒用紙に廃棄情報を印刷するよう前記印刷部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の封書作成装置であって、
前記給紙部には、前記封筒用紙よりも安価な用紙が収納されており、
前記制御部は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第2廃棄モードが選択された場合、
該制御部は、
前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、n通目の封筒用紙として前記安価な用紙を用いるよう前記給紙部を制御するとともに、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項7】
請求項6記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、前記安価な用紙に折り位置見当線を印刷するよう前記印刷部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項1】
封筒となる封筒用紙及び内容物となる内容物用紙を収納した給紙部と、
前記給紙部から給紙された前記各用紙にそれぞれ印刷する印刷部と、
前記印刷部で印刷された前記各用紙をそれぞれ折り畳み封入封緘する封入封緘部と、
を備え、
前記封筒用紙と前記内容物用紙の組み合わせを通として、該通ごとに封書作成処理を行う封書作成装置において、
n通目(nは正の整数)の前記封筒用紙又は前記内容物用紙に関するエラーが発生し、前記封書作成処理を停止し、その後、該エラーが解除された場合に、前記n通目の封書をユーザによる確認用として封緘しないで封書作成処理を行うよう前記封入封緘部を制御する制御部を有することを特徴とする封書作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、前記封筒用紙から前記内容物用紙の一部が突出された状態で封入するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第1廃棄モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより再利用モードが選択された場合、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、n+1通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項5】
請求項3記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、ユーザに対し廃棄用であることが分かるように前記封筒用紙に廃棄情報を印刷するよう前記印刷部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の封書作成装置であって、
前記給紙部には、前記封筒用紙よりも安価な用紙が収納されており、
前記制御部は、
前記エラー解除後の確認方法を選択できる確認モード選択手段を有し、
前記確認モード選択手段において、ユーザにより第2廃棄モードが選択された場合、
該制御部は、
前記n通目の封書を封緘しないで封書作成処理を行う際に、n通目の封筒用紙として前記安価な用紙を用いるよう前記給紙部を制御するとともに、
前記n通目の封書を確認用として封緘しないで封書作成処理を行った後に、前記n通目から封書作成処理を再開するよう前記封入封緘部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【請求項7】
請求項6記載の封書作成装置であって、
前記制御部は、前記安価な用紙に折り位置見当線を印刷するよう前記印刷部を制御することを特徴とする封書作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−223916(P2012−223916A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91269(P2011−91269)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】
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