射出成形機
【課題】 簡単な構造で、成形にかかるサイクルタイムを短縮することができる射出成形機を提供する。
【解決手段】 射出成形機は、成形品18を成形するための第1の金型25および第2の金型27と、第1の金型25に突き合わされた第1の位置P1と、第1の金型25から分離した第2の位置P2と、を通る軌道で第2の金型27を移動させる移動機構と、成形品18の表面を覆うための金属箔16を設けたインモールド成形用のフィルム14を保持する保持部と、除電機構と、を具備する。除電機構は、第2の金型27の近傍に設けられるとともに、第2の金型27の第1の位置P1から第2の位置P2への移動により成形品18の表面を覆っている金属箔16に接触した接触位置S1に移動し、第2の金型27の第2の位置P2から第1の位置P1への移動により第1の金型25と第2の金型27との間の間から退避した退避位置S2に移動する。
【解決手段】 射出成形機は、成形品18を成形するための第1の金型25および第2の金型27と、第1の金型25に突き合わされた第1の位置P1と、第1の金型25から分離した第2の位置P2と、を通る軌道で第2の金型27を移動させる移動機構と、成形品18の表面を覆うための金属箔16を設けたインモールド成形用のフィルム14を保持する保持部と、除電機構と、を具備する。除電機構は、第2の金型27の近傍に設けられるとともに、第2の金型27の第1の位置P1から第2の位置P2への移動により成形品18の表面を覆っている金属箔16に接触した接触位置S1に移動し、第2の金型27の第2の位置P2から第1の位置P1への移動により第1の金型25と第2の金型27との間の間から退避した退避位置S2に移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インモールド成形を行う射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
インモールド射出成形に用いられる金型が開示されている。この金型では、オーバレイフィルムを加熱軟化させた状態で凹型と凸型の間にセットした後、凹型の内外に通ずる小孔から凹型内の空気をバキュームでぬいてフィルムを凹型の内面に沿って密着させる。そして、凸型に設けられた湯口から溶融樹脂を金型内に射出する。この溶融樹脂が金型内で冷却固化するのと同時に、その表面にフィルムが上張りされ、プラスチックの成形品が完成する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−128787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インモールド成形品において、成形品の表面をコーティングするフィルムとして金属薄膜を用い、成形品に高級感を持たせることがある。しかし、フィルムとして金属薄膜を使用すると、この金属薄膜に静電気が帯電することがある。この静電気を除去しないでそのままにしておくと、成形品を金型から取り外す際に成形品から金型に向けて静電気を放電することがあり、金属薄膜に穴が空いてしまう不具合を生ずる。このため、成形品から静電気を除去する必要があるが、成形サイクルの途中で作業者が除電ガンや除電ブラシを用いて金属薄膜から除電することになるため、成形にかかるサイクルタイムが長くなり生産効率が悪くなっていた。
【0005】
本発明の目的は、簡単な構造で、成形にかかるサイクルタイムを短縮することができる射出成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る射出成形機は、成形品を成形するための第1の金型および第2の金型と、前記第1の金型に突き合わされた第1の位置と、前記第1の金型から分離した第2の位置と、を通る軌道で第2の金型を移動させる移動機構と、前記成形品の表面を覆うための金属箔を前記第2の金型に対向する面に設けたインモールド成形用のフィルムを、前記第1の金型と前記第2の金型との間に介在するように保持する保持部と、前記第2の金型の近傍に設けられるとともに、前記第2の金型の前記第1の位置から前記第2の位置への移動により前記成形品の表面を覆っている前記金属箔に接触した接触位置に移動し、前記第2の金型の前記第2の位置から前記第1の位置への移動により前記第1の金型と前記第2の金型との間の間から退避した退避位置に移動する除電機構と、を具備する。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、簡単な構造で、成形にかかるサイクルタイムを短縮することができる射出成形機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る射出成形機を示す正面図。
【図2】図1に示す射出成形機の要部を模式的に示した正面図。
【図3】図2に示す射出成形機の第2の金型を、第2の金型の正面方向から拡大して示した正面図。
【図4】図2に示す第1の金型、第2の金型、除電ブラシの動作を示す断面図。
【図5】図4に示す除電ブラシに第1の金型のピンが突き当たった状態を示した断面図。
【図6】図5に示す除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図7】図3に示すF7−F7線に沿った断面図であり、図6に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【図8】図7に示す第2の金型のイジェクタピンによって成形品を取り外した状態を示した断面図。
【図9】図8に示される成形品の金属箔を示した正面図。
【図10】図9に示される成形品の金属箔の第1の変形例を示した正面図。
【図11】図9に示される成形品の金属箔の第2の変形例を示した正面図。
【図12】第2の実施形態に係る射出成形機の除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図13】図12に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【図14】第3の実施形態に係る射出成形機の除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図15】図14に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【図16】第4の実施形態に係る射出成形機の除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図17】図16に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図1から図11を参照して、射出成形機の第1の実施形態について説明する。本実施形態の射出成形機は、樹脂の成形品の表面を金属箔等の転写フィルムなどでコーティングしたインモールド成形を行うものである。
【0010】
図1と図2に示すように、射出成形機11は、架台12と、架台12上に設けられた射出成形機構13と、射出成形機構13にインモールド成形用のフィルム14を供給するフィルム供給機構15と、を有している。フィルム14は、鉛直方向に張り渡された基材フィルム17と、基材フィルム17の表面に例えば等間隔で設けられた転写フィルムである金属箔16と、を含んでいる。金属箔16は、成形品18をコーティングするようにその表面を覆って、成形品18の質感を向上させる。
【0011】
フィルム供給機構15は、架台12上に設けられている。フィルム供給機構15は、フィルム14を保持するための保持部であり、第1の金型25と第2の金型27との間に介在するようにフィルム14を保持している。フィルム供給機構15は、射出成形機構13に基材フィルム17および転写フィルムである金属箔16を供給する供給部21と、射出成形機構13から基材フィルム17を回収する回収部22と、を有している。供給部21および回収部22は、それぞれフィルム14を送り方向に送るための複数のローラ23を有している。基材フィルム17は、後述する第2の金型27に対向する面と、その反対側の面を有し、金属箔16は、第2の金型27に対向する面に設けられている。
【0012】
図1から図3に示すように、射出成形機構13は、キャビティブロック24と、キャビティブロック24に設けられるキャビティ金型である第1の金型25と、キャビティブロック24に対してフィルム14を間に挟んだ反対側に設けられるコアブロック26と、コアブロック26に設けられるコア金型である第2の金型27と、第1の金型25と第2の金型27との間の内部空間28(キャビティ)に合成樹脂を供給する樹脂供給部29と、成形品18から静電気を除去する除電機構である除電ブラシ31と、内部空間28に形成される成形品18と、を有している。第1の金型25と第2の金型27との間の位置には、フィルム14が介在されている。
【0013】
コアブロック26は、第2の金型27を移動可能にするトグル式の移動機構(型締装置)であり、第1の金型25に対して第2の金型27が突き合わされた第1の位置P1と、第1の金型25に対して第2の金型27を分離した第2の位置P2とを通る軌道で、第2の金型27を移動させることができる。キャビティブロック24は、第1の金型25を固定的に支持している。
【0014】
図3と図4に示すように、第2の金型27は、パーティングライン面33(PL面)から窪んで設けられた溝状の凹部34と、後述する除電ブラシ31の本体44が突き当てられるストッパ部35と、成形品18を第2の金型27から取り外すためのイジェクタピン36と、を有している。凹部34は、内部空間28よりも上流側に設けられている。凹部34は、除電ブラシ31が収容される第1の収容部37と、第1の収容部37よりも奥側の位置に形成される第2の収容部38と、を有する。第2の収容部38には、第1の金型25の後述するピン41が差し込まれる。図4に示すように、ストッパ部35は、これに突き当てられる除電ブラシ31の本体44を接触位置S1の近傍で保持するものである。
【0015】
第1の金型25は、凹部34内に差し込まれる円柱形のピン41を有している。ピン41は、前記内部空間28よりも外側で、内部空間28の角部に対応する位置に一対に設けられている。ピン41は、内部空間28よりもフィルム14の送り方向の上流側の位置に配置されている。また、第1の金型25は、図示しないが、溶融した合成樹脂を内部空間28に供給するための供給口であるノズルを有している。
【0016】
除電ブラシ31は、第2の金型27の肉厚内に設けられている。より具体的には、除電ブラシ31は、凹部34の内側に配置されている。除電ブラシ31は、凹部34内の固定部42に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体44と、支軸43の半径方向で本体44とは異なる方向に延びる受け部45と、を有している。本体44は、図3に示すように、例えば、成形品18の全幅に亘るように形成されている。本体44は、図3、図7に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図6に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転することができる。除電ブラシ31は、さらに、本体44を接触位置に向けて付勢するためのばね部材46を有している。
【0017】
本体44および受け部45は、略「L」字形をなして一体に形成されている。本体44及び受け部45は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂、または金属によって一体に成形されている。ばね部材46は、ねじりコイルばね(トーションばね)で構成されている。ばね部材46は、支軸43の周囲で、第1の収容部37の周壁部37Aと、受け部45との間の位置に設けられている。
【0018】
続いて、図4から図8を参照して、本実施形態の除電ブラシ31の動作について説明する。図4に示すように、第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ31は、ばね部材46の付勢によってストッパ部35に突き当てられた状態にあり、接触位置S1の近傍に配置している。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ31の受け部45の先端部に対して第1の金型25のピン41が当接する。そして、図5に示すように、ピン41の押し込みによって受け部45および本体44が回転し、さらに第2の金型27が第1の位置P1に移動すると、図6に示すように、本体44は、折り畳まれるように退避位置S2に移動される。このとき、ピン41は、奥部の第2の収容部38内に差し込まれる。
【0019】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。金属箔16は、例えば図9に示すように、表面に露出するように形成された装飾用の第1の導体パターン47と、上側に塗料が被せられて表面には露出しない第2の導体パターン48と、を有して形成されている。このとき、第2の導体パターン48は、帯状になった帯状部48Aを有し、帯状部48Aは、接触位置S1にある除電ブラシ31の本体44に対応する位置に形成されている。帯状部48Aは、例えば、成形品18の全幅に亘って形成されている。
【0020】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図7に示すように、受け部45からピン41が分離し、本体44は、退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ31の本体44が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、図8に示すように、イジェクタピン36が突き出されることによって、成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。その際、図8に示すように、除電ブラシ31は成形品18の帯状部48Aの表面を擦っており、この間も除電が行われる。
【0021】
なお、本実施形態では、成形品18の導体パターンは、図9に示すもののようになっているが、これに限定されるものではない。例えば、図10や図11に示すものなど、第2の導体パターン48の帯状部48Aが除電ブラシ31の本体44に対応する位置に形成されていれば、第1の導体パターン47および第2の導体パターン48がどのような形状をとっていてもよい。
【0022】
第1の実施形態によれば、射出成形機11は、成形品18を成形するための第1の金型25および第2の金型27と、第1の金型25に突き合わされた第1の位置P1と、第1の金型25から分離した第2の位置P2と、を通る軌道で第2の金型27を移動させる移動機構と、成形品18の表面を覆うための金属箔16を第2の金型27に対向する面に設けたインモールド成形用のフィルム14を、第1の金型25と第2の金型27との間に介在するように保持する保持部と、第2の金型27の近傍に設けられるとともに、第2の金型27の第1の位置P1から第2の位置P2への移動により成形品18の表面を覆っている金属箔16に接触した接触位置S1に移動し、第2の金型27の第2の位置P2から第1の位置P1への移動により第1の金型25と第2の金型27との間から退避した退避位置S2に移動する除電機構と、を具備する。
【0023】
この構成によれば、第1の金型25と第2の金型27とを分離させる際に成形品18の金属箔16に対して除電機構を接触させることができるため、金属箔16に帯電している静電気を確実に除去することができる。これによって、従来作業者が除電ガン等を用いて手動で行っていた作業を自動化することができ、作業者によって生じる除電のばらつきを防止できる。また、1回の成形にかかるサイクルタイムを短縮して、製造工程を効率化することができる。さらに、除電機構は、第2の金型27の移動によって接触位置S1と退避位置S2との間で移動可能であるため、除電機構を駆動するためのアクチュエータ等を別途に設ける必要がなく、除電機構の構成を簡略化することができる。
【0024】
この場合、除電機構は、第2の金型27の肉厚内に配置されている。この構成によれば、除電機構の設置に要するスペースを小さくして、射出成形機11全体としても省スペース化を図ることができる。
【0025】
第2の金型27は、パーティングライン面33から窪んだ凹部34を有し、除電機構は、凹部34内に配置される。この構成によれば、除電機構を第2の金型27の肉厚内に配置して省スペース化する構成を簡単に実現することができる。
【0026】
また、第1の金型25は、凹部34内に差し込まれるピン41を有し、除電機構は、支軸43と、この支軸43に対して回転可能である本体44と、本体44と一体をなすとともに本体44とは異なる方向に延びる受け部45と、を有し、受け部45は、ピン41が突き当てられることで回転し、本体44を退避位置S2に移動させる。
【0027】
この構成によれば、ピン41、本体44、受け部45を用いた簡単な構成によって除電機構を実現することができる。このため、除電機構の本体44を移動させるための駆動源を別途に設ける必要がなく、除電機構の構造を簡略化することができる。
【0028】
また、除電機構は、ばね部材46を有し、このばね部材46は、本体44を接触位置S1に向けて付勢する。この構成によれば、成形品18に対して除電機構の本体44を確実に接触させることができ、静電気除去の確実性を向上することができる。このとき、第2の金型27は、ストッパ部35を有し、このストッパ部35は、これに突き当てられる本体44を接触位置S1の近傍で保持する。この構成によれば、ばね部材46によって接触位置S1に付勢された本体44を一定の姿勢で待機させることができる。これによって、受け部45に対してピン41を確実に当てて、第2の金型27の移動と連動して除電機構を作動させることができる。
【0029】
このとき、金属箔16は、導体パターンを含み、この導体パターンは、接触位置S1にある本体44に対応する箇所に設けられる。この構成によれば、導体パターンに対して除電機構の本体44を確実に接触させることができ、成形品18からの静電気の除去の信頼性を向上することができる。
【0030】
続いて、図12、図13を参照して、射出成形機の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の射出成形機11は、除電ブラシ51にばね部材46が設けられていない点などで第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0031】
図12に示すように、除電ブラシ51は、第2の金型27の肉厚内に設けられている。除電ブラシ51は、凹部34内の固定部42に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体52と、支軸43の半径方向で本体52とは異なる方向に延びる受け部53と、を有している。本体52は、図13に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図12に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転することができる。
【0032】
本体52および受け部53は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂、または金属によって、略「L」字形をなして一体に形成されている。
【0033】
続いて、図12と図13を参照して、本実施形態の除電ブラシ51の動作について説明する。第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ51は、自重によってストッパ部35に突き当てられた状態にあり、接触位置S1の近傍に配置している。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ51の受け部53の先端部に対して第1の金型25のピン41が当接する。そして、図12に示すように、ピン41の押し込みによって受け部53および本体52が回転し、本体52は、退避位置S2に移動される。このとき、ピン41は、奥部の第2の収容部38内に差し込まれる。
【0034】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。成形品18は、例えば図9に示すように形成されている。
【0035】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図13に示すように、受け部53からピン41が分離し、本体52は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ51の本体52が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、イジェクタピン36が突き出されることによって、成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。
【0036】
第2の実施形態によれば、除電ブラシ51は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。このため、第1の実施形態と同様に、除電ブラシ51を駆動するためのアクチュエータを別途に設ける必要がなく、除電ブラシ51の構成をより一層簡略化することができる。
【0037】
続いて、図14、図15を参照して、射出成形機の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の射出成形機11は、除電ブラシ31が第2の金型27の外部に設けられる点などで第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0038】
第3の実施形態では、第2の金型27は、除電ブラシ31の本体44が突き当てられるストッパ部35と、成形品18を第2の金型27から取り外すためのイジェクタピン36と、を有している。
【0039】
第1の金型25は、除電ブラシ31に突き当たる円柱形のピン41を有している。ピン41は、第1の金型25よりも外側の位置に一対に設けられている。ピン41は、第1の金型25および第2の金型27の内部空間28よりもフィルム14の送り方向の上流側の位置に配置されている。
【0040】
図14、図15に示すように、除電機構である除電ブラシ31は、第2の金型27の上側の位置、すなわち第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。除電ブラシ31は、第2の金型27の上面に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体44と、支軸43の半径方向で本体44とは異なる方向に延びる受け部45と、を有している。本体44は、図15に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図14に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転することができる。除電ブラシ31は、さらに、本体44を接触位置S1に向けて付勢するためのばね部材46を有している。
【0041】
本体44および受け部45は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂、または金属によって略「L」字形をなして一体に形成されている。
【0042】
続いて、図14、図15を参照して、本実施形態の除電ブラシ31の動作について説明する。第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ31は、ばね部材46の付勢によってストッパ部35に突き当てられた状態で、接触位置S1の近傍に配置される。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ31の受け部45の先端部に対して第1の金型25のピン41が当接する。そして、図14に示すように、ピン41の押し込みによって受け部45および本体44が回転し、本体44は、退避位置S2に移動される。
【0043】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。成形品18は、例えば図9に示すように形成されている。
【0044】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図15に示すように、受け部45からピン41が分離し、本体44は、退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ31の本体44が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、イジェクタピン36によって成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。
【0045】
第3の実施形態によれば、除電機構は、第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。この構成によれば、除電機構を第2の金型27の外部に配置する場合であっても、除電機構を駆動するための特別なアクチュエータを設ける必要がなく、簡単な構成の除電機構を実現することができる。
【0046】
続いて、図16、図17を参照して、射出成形機の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の射出成形機11は、除電ブラシ51にばね部材46が設けられていない点、および除電ブラシ51が第2の金型27の外部に設けられる点などで第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0047】
第4の実施形態では、第2の金型27は、除電ブラシ51の本体44が突き当てられるストッパ部35と、成形品18を第2の金型27から取り外すためのイジェクタピン36と、を有している。
【0048】
第1の金型25は、除電ブラシ51に突き当たる円柱形のピン41を有している。ピン41は、第1の金型25よりも外側の位置に一対に設けられている。ピン41は、第1の金型25および第2の金型27の内部空間28よりもフィルム14の送り方向の上流側の位置に配置されている。
【0049】
図16、図17に示すように、除電機構である除電ブラシ51は、第2の金型27の上側の位置、すなわち第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。除電ブラシ51は、第2の金型27の上面に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体52と、支軸43の半径方向で本体52とは異なる方向に延びる受け部53と、を有している。本体52は、図17に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図16に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転する。
【0050】
図16と図17を参照して、本実施形態の除電ブラシ51の動作について説明する。第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ51は、自重によってストッパ部35に突き当てられて接触位置S1の近傍に配置する。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ51の受け部53の先端部に対して第1の金型のピン41が当接する。そして、図16に示すように、ピン41の押し込みによって受け部53および本体52が回転し、本体52は、退避位置S2に移動される。
【0051】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。成形品18は、例えば図9に示すように形成されている。
【0052】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図17に示すように、受け部53からピン41が分離し、本体52は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ51の本体52が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、イジェクタピン36によって、成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。
【0053】
第4の実施形態によれば、除電ブラシ51は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。このため、除電ブラシ51を駆動するためのアクチュエータを別途に設ける必要がなく、除電ブラシ51の構成をより一層簡略化できる。また、第4の実施形態では、除電機構は、第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。このため、除電機構を第2の金型27の外部に配置する場合であっても、簡単な構成の除電機構を実現できる。
【0054】
その他、射出成形機は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
11…射出成形機、14…フィルム、16…金属箔、18…成形品、25…第1の金型、26…コアブロック、27…第2の金型、31…除電ブラシ、33…パーティングライン面、34…凹部、35…ストッパ部、41…ピン、42…固定部、43…支軸、44…本体、45…受け部、46…ばね部材、47…第1の導体パターン、48…第2の導体パターン、51…除電ブラシ、52…本体、53…受け部、P1…第1の位置、P2…第2の位置、S1…接触位置、S2…退避位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、インモールド成形を行う射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
インモールド射出成形に用いられる金型が開示されている。この金型では、オーバレイフィルムを加熱軟化させた状態で凹型と凸型の間にセットした後、凹型の内外に通ずる小孔から凹型内の空気をバキュームでぬいてフィルムを凹型の内面に沿って密着させる。そして、凸型に設けられた湯口から溶融樹脂を金型内に射出する。この溶融樹脂が金型内で冷却固化するのと同時に、その表面にフィルムが上張りされ、プラスチックの成形品が完成する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−128787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インモールド成形品において、成形品の表面をコーティングするフィルムとして金属薄膜を用い、成形品に高級感を持たせることがある。しかし、フィルムとして金属薄膜を使用すると、この金属薄膜に静電気が帯電することがある。この静電気を除去しないでそのままにしておくと、成形品を金型から取り外す際に成形品から金型に向けて静電気を放電することがあり、金属薄膜に穴が空いてしまう不具合を生ずる。このため、成形品から静電気を除去する必要があるが、成形サイクルの途中で作業者が除電ガンや除電ブラシを用いて金属薄膜から除電することになるため、成形にかかるサイクルタイムが長くなり生産効率が悪くなっていた。
【0005】
本発明の目的は、簡単な構造で、成形にかかるサイクルタイムを短縮することができる射出成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る射出成形機は、成形品を成形するための第1の金型および第2の金型と、前記第1の金型に突き合わされた第1の位置と、前記第1の金型から分離した第2の位置と、を通る軌道で第2の金型を移動させる移動機構と、前記成形品の表面を覆うための金属箔を前記第2の金型に対向する面に設けたインモールド成形用のフィルムを、前記第1の金型と前記第2の金型との間に介在するように保持する保持部と、前記第2の金型の近傍に設けられるとともに、前記第2の金型の前記第1の位置から前記第2の位置への移動により前記成形品の表面を覆っている前記金属箔に接触した接触位置に移動し、前記第2の金型の前記第2の位置から前記第1の位置への移動により前記第1の金型と前記第2の金型との間の間から退避した退避位置に移動する除電機構と、を具備する。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、簡単な構造で、成形にかかるサイクルタイムを短縮することができる射出成形機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る射出成形機を示す正面図。
【図2】図1に示す射出成形機の要部を模式的に示した正面図。
【図3】図2に示す射出成形機の第2の金型を、第2の金型の正面方向から拡大して示した正面図。
【図4】図2に示す第1の金型、第2の金型、除電ブラシの動作を示す断面図。
【図5】図4に示す除電ブラシに第1の金型のピンが突き当たった状態を示した断面図。
【図6】図5に示す除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図7】図3に示すF7−F7線に沿った断面図であり、図6に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【図8】図7に示す第2の金型のイジェクタピンによって成形品を取り外した状態を示した断面図。
【図9】図8に示される成形品の金属箔を示した正面図。
【図10】図9に示される成形品の金属箔の第1の変形例を示した正面図。
【図11】図9に示される成形品の金属箔の第2の変形例を示した正面図。
【図12】第2の実施形態に係る射出成形機の除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図13】図12に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【図14】第3の実施形態に係る射出成形機の除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図15】図14に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【図16】第4の実施形態に係る射出成形機の除電ブラシが退避位置に移動した状態を示した断面図。
【図17】図16に示す除電ブラシが接触位置に移動した状態を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図1から図11を参照して、射出成形機の第1の実施形態について説明する。本実施形態の射出成形機は、樹脂の成形品の表面を金属箔等の転写フィルムなどでコーティングしたインモールド成形を行うものである。
【0010】
図1と図2に示すように、射出成形機11は、架台12と、架台12上に設けられた射出成形機構13と、射出成形機構13にインモールド成形用のフィルム14を供給するフィルム供給機構15と、を有している。フィルム14は、鉛直方向に張り渡された基材フィルム17と、基材フィルム17の表面に例えば等間隔で設けられた転写フィルムである金属箔16と、を含んでいる。金属箔16は、成形品18をコーティングするようにその表面を覆って、成形品18の質感を向上させる。
【0011】
フィルム供給機構15は、架台12上に設けられている。フィルム供給機構15は、フィルム14を保持するための保持部であり、第1の金型25と第2の金型27との間に介在するようにフィルム14を保持している。フィルム供給機構15は、射出成形機構13に基材フィルム17および転写フィルムである金属箔16を供給する供給部21と、射出成形機構13から基材フィルム17を回収する回収部22と、を有している。供給部21および回収部22は、それぞれフィルム14を送り方向に送るための複数のローラ23を有している。基材フィルム17は、後述する第2の金型27に対向する面と、その反対側の面を有し、金属箔16は、第2の金型27に対向する面に設けられている。
【0012】
図1から図3に示すように、射出成形機構13は、キャビティブロック24と、キャビティブロック24に設けられるキャビティ金型である第1の金型25と、キャビティブロック24に対してフィルム14を間に挟んだ反対側に設けられるコアブロック26と、コアブロック26に設けられるコア金型である第2の金型27と、第1の金型25と第2の金型27との間の内部空間28(キャビティ)に合成樹脂を供給する樹脂供給部29と、成形品18から静電気を除去する除電機構である除電ブラシ31と、内部空間28に形成される成形品18と、を有している。第1の金型25と第2の金型27との間の位置には、フィルム14が介在されている。
【0013】
コアブロック26は、第2の金型27を移動可能にするトグル式の移動機構(型締装置)であり、第1の金型25に対して第2の金型27が突き合わされた第1の位置P1と、第1の金型25に対して第2の金型27を分離した第2の位置P2とを通る軌道で、第2の金型27を移動させることができる。キャビティブロック24は、第1の金型25を固定的に支持している。
【0014】
図3と図4に示すように、第2の金型27は、パーティングライン面33(PL面)から窪んで設けられた溝状の凹部34と、後述する除電ブラシ31の本体44が突き当てられるストッパ部35と、成形品18を第2の金型27から取り外すためのイジェクタピン36と、を有している。凹部34は、内部空間28よりも上流側に設けられている。凹部34は、除電ブラシ31が収容される第1の収容部37と、第1の収容部37よりも奥側の位置に形成される第2の収容部38と、を有する。第2の収容部38には、第1の金型25の後述するピン41が差し込まれる。図4に示すように、ストッパ部35は、これに突き当てられる除電ブラシ31の本体44を接触位置S1の近傍で保持するものである。
【0015】
第1の金型25は、凹部34内に差し込まれる円柱形のピン41を有している。ピン41は、前記内部空間28よりも外側で、内部空間28の角部に対応する位置に一対に設けられている。ピン41は、内部空間28よりもフィルム14の送り方向の上流側の位置に配置されている。また、第1の金型25は、図示しないが、溶融した合成樹脂を内部空間28に供給するための供給口であるノズルを有している。
【0016】
除電ブラシ31は、第2の金型27の肉厚内に設けられている。より具体的には、除電ブラシ31は、凹部34の内側に配置されている。除電ブラシ31は、凹部34内の固定部42に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体44と、支軸43の半径方向で本体44とは異なる方向に延びる受け部45と、を有している。本体44は、図3に示すように、例えば、成形品18の全幅に亘るように形成されている。本体44は、図3、図7に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図6に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転することができる。除電ブラシ31は、さらに、本体44を接触位置に向けて付勢するためのばね部材46を有している。
【0017】
本体44および受け部45は、略「L」字形をなして一体に形成されている。本体44及び受け部45は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂、または金属によって一体に成形されている。ばね部材46は、ねじりコイルばね(トーションばね)で構成されている。ばね部材46は、支軸43の周囲で、第1の収容部37の周壁部37Aと、受け部45との間の位置に設けられている。
【0018】
続いて、図4から図8を参照して、本実施形態の除電ブラシ31の動作について説明する。図4に示すように、第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ31は、ばね部材46の付勢によってストッパ部35に突き当てられた状態にあり、接触位置S1の近傍に配置している。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ31の受け部45の先端部に対して第1の金型25のピン41が当接する。そして、図5に示すように、ピン41の押し込みによって受け部45および本体44が回転し、さらに第2の金型27が第1の位置P1に移動すると、図6に示すように、本体44は、折り畳まれるように退避位置S2に移動される。このとき、ピン41は、奥部の第2の収容部38内に差し込まれる。
【0019】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。金属箔16は、例えば図9に示すように、表面に露出するように形成された装飾用の第1の導体パターン47と、上側に塗料が被せられて表面には露出しない第2の導体パターン48と、を有して形成されている。このとき、第2の導体パターン48は、帯状になった帯状部48Aを有し、帯状部48Aは、接触位置S1にある除電ブラシ31の本体44に対応する位置に形成されている。帯状部48Aは、例えば、成形品18の全幅に亘って形成されている。
【0020】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図7に示すように、受け部45からピン41が分離し、本体44は、退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ31の本体44が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、図8に示すように、イジェクタピン36が突き出されることによって、成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。その際、図8に示すように、除電ブラシ31は成形品18の帯状部48Aの表面を擦っており、この間も除電が行われる。
【0021】
なお、本実施形態では、成形品18の導体パターンは、図9に示すもののようになっているが、これに限定されるものではない。例えば、図10や図11に示すものなど、第2の導体パターン48の帯状部48Aが除電ブラシ31の本体44に対応する位置に形成されていれば、第1の導体パターン47および第2の導体パターン48がどのような形状をとっていてもよい。
【0022】
第1の実施形態によれば、射出成形機11は、成形品18を成形するための第1の金型25および第2の金型27と、第1の金型25に突き合わされた第1の位置P1と、第1の金型25から分離した第2の位置P2と、を通る軌道で第2の金型27を移動させる移動機構と、成形品18の表面を覆うための金属箔16を第2の金型27に対向する面に設けたインモールド成形用のフィルム14を、第1の金型25と第2の金型27との間に介在するように保持する保持部と、第2の金型27の近傍に設けられるとともに、第2の金型27の第1の位置P1から第2の位置P2への移動により成形品18の表面を覆っている金属箔16に接触した接触位置S1に移動し、第2の金型27の第2の位置P2から第1の位置P1への移動により第1の金型25と第2の金型27との間から退避した退避位置S2に移動する除電機構と、を具備する。
【0023】
この構成によれば、第1の金型25と第2の金型27とを分離させる際に成形品18の金属箔16に対して除電機構を接触させることができるため、金属箔16に帯電している静電気を確実に除去することができる。これによって、従来作業者が除電ガン等を用いて手動で行っていた作業を自動化することができ、作業者によって生じる除電のばらつきを防止できる。また、1回の成形にかかるサイクルタイムを短縮して、製造工程を効率化することができる。さらに、除電機構は、第2の金型27の移動によって接触位置S1と退避位置S2との間で移動可能であるため、除電機構を駆動するためのアクチュエータ等を別途に設ける必要がなく、除電機構の構成を簡略化することができる。
【0024】
この場合、除電機構は、第2の金型27の肉厚内に配置されている。この構成によれば、除電機構の設置に要するスペースを小さくして、射出成形機11全体としても省スペース化を図ることができる。
【0025】
第2の金型27は、パーティングライン面33から窪んだ凹部34を有し、除電機構は、凹部34内に配置される。この構成によれば、除電機構を第2の金型27の肉厚内に配置して省スペース化する構成を簡単に実現することができる。
【0026】
また、第1の金型25は、凹部34内に差し込まれるピン41を有し、除電機構は、支軸43と、この支軸43に対して回転可能である本体44と、本体44と一体をなすとともに本体44とは異なる方向に延びる受け部45と、を有し、受け部45は、ピン41が突き当てられることで回転し、本体44を退避位置S2に移動させる。
【0027】
この構成によれば、ピン41、本体44、受け部45を用いた簡単な構成によって除電機構を実現することができる。このため、除電機構の本体44を移動させるための駆動源を別途に設ける必要がなく、除電機構の構造を簡略化することができる。
【0028】
また、除電機構は、ばね部材46を有し、このばね部材46は、本体44を接触位置S1に向けて付勢する。この構成によれば、成形品18に対して除電機構の本体44を確実に接触させることができ、静電気除去の確実性を向上することができる。このとき、第2の金型27は、ストッパ部35を有し、このストッパ部35は、これに突き当てられる本体44を接触位置S1の近傍で保持する。この構成によれば、ばね部材46によって接触位置S1に付勢された本体44を一定の姿勢で待機させることができる。これによって、受け部45に対してピン41を確実に当てて、第2の金型27の移動と連動して除電機構を作動させることができる。
【0029】
このとき、金属箔16は、導体パターンを含み、この導体パターンは、接触位置S1にある本体44に対応する箇所に設けられる。この構成によれば、導体パターンに対して除電機構の本体44を確実に接触させることができ、成形品18からの静電気の除去の信頼性を向上することができる。
【0030】
続いて、図12、図13を参照して、射出成形機の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の射出成形機11は、除電ブラシ51にばね部材46が設けられていない点などで第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0031】
図12に示すように、除電ブラシ51は、第2の金型27の肉厚内に設けられている。除電ブラシ51は、凹部34内の固定部42に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体52と、支軸43の半径方向で本体52とは異なる方向に延びる受け部53と、を有している。本体52は、図13に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図12に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転することができる。
【0032】
本体52および受け部53は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂、または金属によって、略「L」字形をなして一体に形成されている。
【0033】
続いて、図12と図13を参照して、本実施形態の除電ブラシ51の動作について説明する。第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ51は、自重によってストッパ部35に突き当てられた状態にあり、接触位置S1の近傍に配置している。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ51の受け部53の先端部に対して第1の金型25のピン41が当接する。そして、図12に示すように、ピン41の押し込みによって受け部53および本体52が回転し、本体52は、退避位置S2に移動される。このとき、ピン41は、奥部の第2の収容部38内に差し込まれる。
【0034】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。成形品18は、例えば図9に示すように形成されている。
【0035】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図13に示すように、受け部53からピン41が分離し、本体52は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ51の本体52が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、イジェクタピン36が突き出されることによって、成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。
【0036】
第2の実施形態によれば、除電ブラシ51は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。このため、第1の実施形態と同様に、除電ブラシ51を駆動するためのアクチュエータを別途に設ける必要がなく、除電ブラシ51の構成をより一層簡略化することができる。
【0037】
続いて、図14、図15を参照して、射出成形機の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の射出成形機11は、除電ブラシ31が第2の金型27の外部に設けられる点などで第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0038】
第3の実施形態では、第2の金型27は、除電ブラシ31の本体44が突き当てられるストッパ部35と、成形品18を第2の金型27から取り外すためのイジェクタピン36と、を有している。
【0039】
第1の金型25は、除電ブラシ31に突き当たる円柱形のピン41を有している。ピン41は、第1の金型25よりも外側の位置に一対に設けられている。ピン41は、第1の金型25および第2の金型27の内部空間28よりもフィルム14の送り方向の上流側の位置に配置されている。
【0040】
図14、図15に示すように、除電機構である除電ブラシ31は、第2の金型27の上側の位置、すなわち第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。除電ブラシ31は、第2の金型27の上面に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体44と、支軸43の半径方向で本体44とは異なる方向に延びる受け部45と、を有している。本体44は、図15に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図14に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転することができる。除電ブラシ31は、さらに、本体44を接触位置S1に向けて付勢するためのばね部材46を有している。
【0041】
本体44および受け部45は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂、または金属によって略「L」字形をなして一体に形成されている。
【0042】
続いて、図14、図15を参照して、本実施形態の除電ブラシ31の動作について説明する。第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ31は、ばね部材46の付勢によってストッパ部35に突き当てられた状態で、接触位置S1の近傍に配置される。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ31の受け部45の先端部に対して第1の金型25のピン41が当接する。そして、図14に示すように、ピン41の押し込みによって受け部45および本体44が回転し、本体44は、退避位置S2に移動される。
【0043】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。成形品18は、例えば図9に示すように形成されている。
【0044】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図15に示すように、受け部45からピン41が分離し、本体44は、退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ31の本体44が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、イジェクタピン36によって成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。
【0045】
第3の実施形態によれば、除電機構は、第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。この構成によれば、除電機構を第2の金型27の外部に配置する場合であっても、除電機構を駆動するための特別なアクチュエータを設ける必要がなく、簡単な構成の除電機構を実現することができる。
【0046】
続いて、図16、図17を参照して、射出成形機の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の射出成形機11は、除電ブラシ51にばね部材46が設けられていない点、および除電ブラシ51が第2の金型27の外部に設けられる点などで第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0047】
第4の実施形態では、第2の金型27は、除電ブラシ51の本体44が突き当てられるストッパ部35と、成形品18を第2の金型27から取り外すためのイジェクタピン36と、を有している。
【0048】
第1の金型25は、除電ブラシ51に突き当たる円柱形のピン41を有している。ピン41は、第1の金型25よりも外側の位置に一対に設けられている。ピン41は、第1の金型25および第2の金型27の内部空間28よりもフィルム14の送り方向の上流側の位置に配置されている。
【0049】
図16、図17に示すように、除電機構である除電ブラシ51は、第2の金型27の上側の位置、すなわち第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。除電ブラシ51は、第2の金型27の上面に取り付けられた支軸43と、支軸43の半径方向に延びるとともに支軸43に対して回転可能である本体52と、支軸43の半径方向で本体52とは異なる方向に延びる受け部53と、を有している。本体52は、図17に示すように、成形品18の金属箔16に対して接触した接触位置S1と、図16に示すように、第1の金型25と第2の金型27の間の位置から退避した退避位置S2との間で回転する。
【0050】
図16と図17を参照して、本実施形態の除電ブラシ51の動作について説明する。第2の金型27が第2の位置P2にある状態において、除電ブラシ51は、自重によってストッパ部35に突き当てられて接触位置S1の近傍に配置する。そして、第2の位置P2にある第2の金型27が第1の位置P1に向けて移動すると、除電ブラシ51の受け部53の先端部に対して第1の金型のピン41が当接する。そして、図16に示すように、ピン41の押し込みによって受け部53および本体52が回転し、本体52は、退避位置S2に移動される。
【0051】
内部空間28に溶融した合成樹脂が供給され、その表面に金属箔16を設けた成形品18が形成される。成形品18は、例えば図9に示すように形成されている。
【0052】
第2の金型27が第1の位置P1から第2の位置P2に向けて移動すると、図17に示すように、受け部53からピン41が分離し、本体52は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。こうして、成形品18の帯状部48Aに除電ブラシ51の本体52が接触して、成形品18から静電気が除去される。さらに、イジェクタピン36によって、成形品18が第2の金型27から分離されて回収される。
【0053】
第4の実施形態によれば、除電ブラシ51は、自重によって退避位置S2から接触位置S1に移動する。このため、除電ブラシ51を駆動するためのアクチュエータを別途に設ける必要がなく、除電ブラシ51の構成をより一層簡略化できる。また、第4の実施形態では、除電機構は、第2の金型27よりも外側の位置に配置されている。このため、除電機構を第2の金型27の外部に配置する場合であっても、簡単な構成の除電機構を実現できる。
【0054】
その他、射出成形機は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
11…射出成形機、14…フィルム、16…金属箔、18…成形品、25…第1の金型、26…コアブロック、27…第2の金型、31…除電ブラシ、33…パーティングライン面、34…凹部、35…ストッパ部、41…ピン、42…固定部、43…支軸、44…本体、45…受け部、46…ばね部材、47…第1の導体パターン、48…第2の導体パターン、51…除電ブラシ、52…本体、53…受け部、P1…第1の位置、P2…第2の位置、S1…接触位置、S2…退避位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形品を成形するための第1の金型および第2の金型と、
前記第1の金型に突き合わされた第1の位置と、前記第1の金型から分離した第2の位置と、を通る軌道で第2の金型を移動させる移動機構と、
前記成形品の表面を覆うための金属箔を前記第2の金型に対向する面に設けたインモールド成形用のフィルムを、前記第1の金型と前記第2の金型との間に介在するように保持する保持部と、
前記第2の金型の近傍に設けられるとともに、前記第2の金型の前記第1の位置から前記第2の位置への移動により前記成形品の表面を覆っている前記金属箔に接触した接触位置に移動し、前記第2の金型の前記第2の位置から前記第1の位置への移動により前記第1の金型と前記第2の金型との間の間から退避した退避位置に移動する除電機構と、
を具備することを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記除電機構は、前記第2の金型の肉厚内に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記第2の金型は、パーティングライン面から窪んだ凹部を有し、
前記除電機構は、前記凹部内に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記第1の金型は、前記凹部内に差し込まれるピンを有し、
前記除電機構は、支軸と、この支軸に対して回転可能である本体と、前記本体と一体をなすとともに前記本体とは異なる方向に延びる受け部と、を有し、
前記受け部は、前記ピンが突き当てられることで回転し、前記本体を前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項3に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記除電機構は、ばね部材を有し、このばね部材は、前記本体を前記接触位置に向けて付勢することを特徴とする請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記第2の金型は、ストッパ部を有し、このストッパ部は、これに突き当てられる前記本体を前記接触位置の近傍で保持することを特徴とする請求項5に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記金属箔は、導体パターンを含み、この導体パターンは、前記接触位置にある前記本体に対応する箇所に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記除電機構は、前記第2の金型よりも外側の位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記第1の金型は、前記除電機構に突き当てられるピンを有し、
前記除電機構は、支軸と、この支軸に対して回転可能である本体と、前記本体と一体をなすとともに前記本体とは異なる方向に延びる受け部と、を有し、
前記受け部は、前記ピンが突き当てられることで回転し、前記本体を前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項8に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記除電機構は、ばね部材を有し、このばね部材は、前記本体を前記接触位置に向けて付勢することを特徴とする請求項9に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記第2の金型は、ストッパ部を有し、このストッパ部は、これに突き当てられる前記本体を前記接触位置の近傍で保持することを特徴とする請求項10に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記金属箔は、導体パターンを含み、この導体パターンは、前記接触位置にある前記本体に対応する箇所に設けられたことを特徴とする請求項11に記載の射出成形機。
【請求項1】
成形品を成形するための第1の金型および第2の金型と、
前記第1の金型に突き合わされた第1の位置と、前記第1の金型から分離した第2の位置と、を通る軌道で第2の金型を移動させる移動機構と、
前記成形品の表面を覆うための金属箔を前記第2の金型に対向する面に設けたインモールド成形用のフィルムを、前記第1の金型と前記第2の金型との間に介在するように保持する保持部と、
前記第2の金型の近傍に設けられるとともに、前記第2の金型の前記第1の位置から前記第2の位置への移動により前記成形品の表面を覆っている前記金属箔に接触した接触位置に移動し、前記第2の金型の前記第2の位置から前記第1の位置への移動により前記第1の金型と前記第2の金型との間の間から退避した退避位置に移動する除電機構と、
を具備することを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記除電機構は、前記第2の金型の肉厚内に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記第2の金型は、パーティングライン面から窪んだ凹部を有し、
前記除電機構は、前記凹部内に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記第1の金型は、前記凹部内に差し込まれるピンを有し、
前記除電機構は、支軸と、この支軸に対して回転可能である本体と、前記本体と一体をなすとともに前記本体とは異なる方向に延びる受け部と、を有し、
前記受け部は、前記ピンが突き当てられることで回転し、前記本体を前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項3に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記除電機構は、ばね部材を有し、このばね部材は、前記本体を前記接触位置に向けて付勢することを特徴とする請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記第2の金型は、ストッパ部を有し、このストッパ部は、これに突き当てられる前記本体を前記接触位置の近傍で保持することを特徴とする請求項5に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記金属箔は、導体パターンを含み、この導体パターンは、前記接触位置にある前記本体に対応する箇所に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記除電機構は、前記第2の金型よりも外側の位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記第1の金型は、前記除電機構に突き当てられるピンを有し、
前記除電機構は、支軸と、この支軸に対して回転可能である本体と、前記本体と一体をなすとともに前記本体とは異なる方向に延びる受け部と、を有し、
前記受け部は、前記ピンが突き当てられることで回転し、前記本体を前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項8に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記除電機構は、ばね部材を有し、このばね部材は、前記本体を前記接触位置に向けて付勢することを特徴とする請求項9に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記第2の金型は、ストッパ部を有し、このストッパ部は、これに突き当てられる前記本体を前記接触位置の近傍で保持することを特徴とする請求項10に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記金属箔は、導体パターンを含み、この導体パターンは、前記接触位置にある前記本体に対応する箇所に設けられたことを特徴とする請求項11に記載の射出成形機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−179605(P2010−179605A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26266(P2009−26266)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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