説明

射撃ゲーム装置

【課題】低コストで、かつ簡易に射撃の成功の可否を検出することができる射撃ゲーム装置。
【解決手段】標的に向かって射撃を行う射撃ゲーム装置であってプレイヤが射撃信号を出力する射撃操作装置とガンコントローラに設けられ、表示装置に表示された前記標的をカメラ画像として出力する撮影装置と、前記標的のテンプレート画像を読み出し標的として出力する標的発生部と、カメラ画像と前記標的のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで座標を検出する画像処理部と予め前記ガンコントローラの照準点として設定された前記カメラ画像上での所定の座標と前記画像処理部によって検出された前記標的の座標とが一致するか一致しないかを検出し相対位置情報として生成する相対位置情報生成部と、前記相対位置情報生成部によって生成された相対位置情報と前記射撃操作装置により出力された射撃信号とに基いて射撃の可否の演出を前記表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置と、ガンコントローラとを有し、前記表示装置に表示された標的に向かって仮想射撃を行う射撃ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガンコントローラを使用して仮想射撃を行う射撃ゲームが知られている。これら射撃ゲームにおいては、モニタなどに表示された標的に向かってなされた射撃が成功したか否かを判定するために、ガンコントローラの照準点と前記標的との位置関係を正確に検出する必要がある。そのための手段として、例えば、特許文献1には、モニタの外枠の4隅に発光体を設け、これら4つの発光体をガンコントローラの銃身内に設けられたカメラで撮影することでガンコントローラのカーソル位置(照準点)を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−71252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1記載の発明は、前記4つの発光体の相対的な位置関係が前記カメラの撮影位置に対応して変化することを利用してガンコントローラのカーソル位置(照準点)を検出するものである。すなわち、この発明はガンコントローラ以外に少なくとも4つの発行体などを必要とすることで、その分、構成が複雑になっている。また、このような構成によれば、当然ながら前記4つの発光体や各発行体を固定するための固定具など用意すべき部品点数も多くなってしまう。
【0005】
さらに、例えば、プロジェクタを使用してスクリーンや壁などに投影するような場合には、上記発光体を設置できる外枠が存在しないため、そもそも発光体を設置することができない。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するため、ガンコントローラ以外の部品を不要とすることで構成が複雑になることなく、かつ簡易に、射撃が成功したか否かを検出することができる射撃ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の主要な観点によれば、表示装置と、ガンコントローラとを有し、前記表示装置に表示された標的に向かって仮想射撃を行う射撃ゲーム装置であって、前記ガンコントローラに設けられ、プレイヤの射撃操作に対応して射撃信号を出力する射撃操作装置と、前記ガンコントローラに設けられ、前記表示装置に表示された前記標的を撮影しこの撮影された画像をカメラ画像として出力する撮影装置と、前記標的のテンプレート画像を格納するデータ格納部と、このデータ格納部から前記標的のテンプレート画像を読み出し、この読み出された前記標的のテンプレート画像を標的として前記表示装置に出力する標的発生部と、前記撮影装置から出力されたカメラ画像と前記標的のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、前記カメラ画像から前記標的を抽出すると共に、この抽出された標的の前記カメラ画像上での座標を検出する画像処理部と、予め前記ガンコントローラの照準点として設定された前記カメラ画像上での所定の座標と前記画像処理部によって検出された前記標的の座標とが一致する若しくは一致しないことを検出し相対位置情報として生成する相対位置情報生成部と、前記相対位置情報生成部によって生成された相対位置情報と前記射撃操作装置により出力された射撃信号とに基いて射撃が成功した若しくは失敗した演出を前記表示装置に表示させる演出発生部とを有することを特徴とする射撃ゲーム装置が提供される。
【0008】
また、この場合、前記標的発生部は、前記データ格納部から読み出した前記標的のテンプレート画像を前記表示装置に出力すると共に前記画像処理部にも出力し、前記画像処理部は、前記標的発生部が出力した前記標的のテンプレート画像と、前記カメラ画像から抽出された前記標的とをパターンマッチングすることで、前記カメラ画像上での前記標的の座標を検出することが望ましい。
【0009】
さらに、この発明の別の実施形態によれば、前記照準点は、前記カメラ画像上の中心点から所望の位置及び所望の範囲にある座標に設定され、前記相対位置情報生成部は、前記照準点の座標と前記画像処理部により検出された前記標的の座標とが一致する若しくは一致しないことを検出し相対位置情報として生成することを特徴とする射撃ゲーム装置が提供される。
【0010】
また、この発明の別の実施形態によれば、前記演出発生部は、前記相対位置情報生成部によって生成された前記相対位置情報のみに対応して所定の演出を前記表示装置に表示させることを特徴とする射撃ゲーム装置が提供される。
【0011】
さらに、この発明の別の実施形態によれば、前記画像処理部は、前記射撃操作装置により出力された射撃信号のタイミングに対応してパターンマッチングを行なうことを特徴とする射撃ゲーム装置が提供される。
【0012】
また、この発明の別の実施形態によれば、前記撮影装置の撮影する位置によって変化する、前記表示装置の画面の輪郭のみを抽出する輪郭抽出部を有し、前記画像処理部は、前記輪郭抽出部によって抽出された前記表示装置の画面の輪郭内でパターンマッチングを行なうことを特徴とする射撃ゲーム装置が提供される。
【0013】
さらに、この発明の1実施形態によれば、表示装置と、ガンコントローラとを有し、前記表示装置に表示された標的に向かって仮想射撃を行う射撃ゲーム方法であって、前記標的のテンプレート画像を格納するデータ格納工程と、このデータ格納工程によって格納された前記標的のテンプレート画像を読み出し、この読み出された前記標的のテンプレート画像を標的として前記表示装置に出力する標的発生工程と、前記ガンコントローラに設けられた撮影装置によって前記表示装置に表示された前記標的を撮影しこの撮影された画像をカメラ画像として出力する撮影工程と、前記撮影工程によって出力されたカメラ画像と前記標的のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、前記カメラ画像から前記標的を抽出すると共に、この抽出された標的の前記カメラ画像上での座標を検出する画像処理工程と、予め前記ガンコントローラの照準点として設定された前記カメラ画像上での所定の座標と前記画像処理部によって検出された前記標的の座標とが一致する若しくは一致しないことを検出し相対位置情報として生成する相対位置情報生成工程と、前記ガンコントローラに設けられた射撃操作装置によってプレイヤの射撃操作に対応して射撃信号を出力する射撃信号出力工程と、前記相対位置情報生成工程によって生成された相対位置情報と前記射撃信号出力工程によって出力された射撃信号とに基いて射撃が成功した若しくは失敗した演出を前記表示装置に表示させる演出発生工程とを有することを特徴とする射撃ゲーム方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
構成が複雑になることなく、かつ簡易に、射撃が成功したか否かを検出することができる射撃ゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図2】図2は、テンプレート画像の流れを示した図である。
【図3】図3は、カメラ画像を示した図である。
【図4】図4は、カメラ画像上での原点及び照準点を示した図である。
【図5】図5は、パターンマッチングの流れを示した図である。
【図6】図6は、パターンマッチングにより検出された標的とカーソルの位置とを座標で示した図である。
【図7】図7は、カメラ画像上でのモニタの輪郭の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0017】
(構成)
図1は、この実施形態に係る射撃ゲーム装置の機能ブロック図である。このゲーム装置1は、ゲーム画像及び標的を表示するためのモニタ2と、仮想射撃を行うためのガンコントローラ3と、制御部5とを有している。
【0018】
前記モニタ2は前記制御部5に接続されゲーム画像を表示するようになっている。本実施形態では、ゲーム画像の一場面として、山の形状をした背景に標的A及びBが表示されている。
【0019】
前記ガンコントローラ3には、カメラ4と、射撃操作装置6とが設けられている。
【0020】
前記カメラ4は、前記ガンコントローラ3と一体的に設けられ前記ガンコントローラ3の銃口が向けられた方向にある物体を動画撮影できるようになっている。本実施形態では、前記カメラ4は前記ガンコントローラ3の銃身内に設けられている。そして前記ガンコントローラ3の銃口が前記モニタ2の方向に向けられると、前記カメラ4は前記モニタ2を含む所定範囲(例えば破線p、qで示す範囲)を動画撮影するようになっている。また、前記カメラ4は前記制御部5と接続され、前記撮影した画像をカメラ画像26として前記制御部5に出力するようになっている。なお、前記カメラ画像26とは、実際には静止画を、例えば、1秒間に15〜30フレームで連続撮影したものである。
【0021】
前記射撃操作装置6は、プレイヤの射撃操作に対応し射撃信号を前記制御部5に出力するように設けられている。
【0022】
前記制御部5は、CPU7、RAM8、通信IF9が夫々接続されたバス10に、さらにデータ格納部11及びプログラム格納部12が夫々接続されてなる。前記通信IF9には、前記モニタ2と、前記ガンコントローラ3に設けられた前記カメラ4及び前記射撃操作装置6とがそれぞれ接続されている。
【0023】
前記データ格納部11には、ゲームデータ13が格納されている。そして、このゲームデータ13には、テンプレート画像データ14と、図示しない背景データ、BGMデータ及びキャラクタデータなどゲーム進行に必要な各種データが格納されている。
【0024】
前記テンプレート画像データ14には、例えば、前記モニタ2に標的として発生させるべき標的Aのテンプレート画像25が含まれている。
【0025】
前記プログラム格納部12は、ゲームプログラム16と、標的発生部17と、画像処理部18と、相対位置情報生成部19と、演出発生部20と、射撃信号検出部21と、輪郭抽出部22とを有している。
【0026】
前記データ格納部11及びプログラム格納部12は、実際には、ハードディスク等の記憶媒体である。また、プログラム格納部12に格納された各構成要素16〜22はコンピュータ言語で記載された指令を含むコンピュータプログラムであり、上記CPU7や図示しないGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)によって適宜RAM8上に呼び出されて実行されることで、この発明の各構成要素として機能する。
【0027】
以下、上述した各構成の作用を図1〜7を参照して詳しく説明する。
【0028】
図1に示した前記ゲームプログラム16は前記データ格納部11から前記ゲームデータ13を適宜読み出しゲームを進行する。
【0029】
図2は、前記標的Aのテンプレート画像25の処理について示したフローチャートである。なお、この図2中の各符号S1〜6は、以下の説明中のS1〜6に対応するものである。
【0030】
まず、前記標的発生部17は、ゲーム進行に伴い前記データ格納部11に格納されている前記テンプレート画像データ14から標的Aのテンプレート画像25を読み出す(S1)。そして、前記標的発生部17は、この読み出した標的のテンプレート画像25を前記モニタ2に出力し標的として発生させる(S2)。また、このとき前記標的発生部17は、前記読み出した標的のテンプレート画像25を前記画像処理部18にも出力する(S3)。
【0031】
次に、前記カメラ4は、前記モニタ2の画面上に発生した標的を含む所定範囲を動画撮影する(S4)。そして、前記カメラ4は、この撮影された画像を前記カメラ画像26として前記画像処理部18に出力する(S5)。ここで、図3は、一例として、前記画像処理部18に入力された前記カメラ画像26を示したものである。本実施形態では、このカメラ画像26には前記モニタ2の他に、このモニタ2を載置する載置台や前記モニタ2の隣りに置かれた植木などが含まれている。なお、このカメラ画像26には、撮影された画像が当該カメラ画像26の枠に対して左回りに少し傾いているが、これは、前記ガンコントローラ3が前記モニタ2に向かって少し右回りに傾けられているからである。
【0032】
また、図4に示すように、前記画像処理部18に入力された前記カメラ画像26の中心点には原点27及び照準点28が設定されるようになっている。ここで、原点27とは、前記カメラ画像26上の所定の位置を座標で表わした場合の中心点のことを指す。すなわち前記原点の座標は(0、0)である。また、照準点28とは、前記ガンコントローラ3の狙いを定めたときの前記カメラ画像上でのある一点の座標を中心とした所定範囲のことを指す。本実施形態では、前記照準点28は、その中心の座標(0、0)から所定の範囲となっている。この照準点の座標設定及び範囲は、前記ガンコントローラ3と前記カメラ4との取り付け角度にずれがあった場合やゲームの難易度などに応じて適宜設定が可能である。なお、説明の便宜上、以下、前記照準点28の座標というときには、前記照準点28の中心の座標(0、0)を含んだ所定の範囲を指すものとする。
【0033】
図2において、次に前記画像処理部18は、前記カメラ4から入力された前記カメラ画像26と、上述した前記標的発生部18から入力された前記標的Aのテンプレート画像25とのパターンマッチングを開始する(S6)。
【0034】
以下、前記画像処理部18が行うパターンマッチングについて説明する。
【0035】
図5は、パターンマッチングの流れを一例として示したものである。なお、以下に説明するパターンマッチングは、前記カメラ4から入力された動画像の全てのフレームで行われるものであっても、所定のフレームを間引いて行われるものであってもよい。
【0036】
この図5において、符号25は前記標的発生部17によって前記モニタ2に出力された標的Aのテンプレート画像を示すものである。一方、符号26は前記画像処理部に入力されたカメラ画像を示すものである。なお、この図5中のS10〜21は、以下の説明S10〜21に対応するものである。
【0037】
まず、前記画像処理部18は、パターンマッチングの前処理として前記テンプレート画像25及びカメラ画像26に含まれているノイズの消去などを夫々施す。また、この図5に示すように、前記原点27の設定を行なう。
【0038】
次いで、前記画像処理部18は、前記カメラ画像26から前記テンプレート画像25に類似する図形の抽出処理を開始する。具体的には、前記画像処理部18は、前記テンプレート画像25と前記カメラ画像26とを合成し正規化相関(以下「第1の正規化相関」という)を施す(S10)。すると、前記標的Aと同時に前記モニタ2に表示されている他の標的(例えば標的B)や背景の一部など、前記テンプレート画像25に類似する複数の画像が候補として抽出される(S11)。また、前記画像処理部18は、このとき同時に、前記カメラ画像26に対する各候補の画像の大まかな座標も夫々検出する。以下、説明の便宜上、各候補の画像を「候補画像」と、そして候補の1つに挙げられた標的Aを「候補画像A」と称して説明する。
【0039】
前記画像処理部18は、候補に挙げられた各候補画像のうち、前記カメラ画像25の原点27に最も近い座標にある候補画像から順次パターンマッチングを行なう。本実施形態では、前記候補画像Aが前記カメラ画像25の原点27に最も近くなっている。すなわち、この状態では、前記画像処理部18は、まず候補画像Aと前記テンプレート画像25とのパターンマッチング処理を行う。
【0040】
この状態で、まず前記画像処理部18は、前記テンプレート画像25に2次元離散フーリエ変換(DFT)を施すことで、前記テンプレート画像25を振幅及び位相に分解する(S12)。同様に、候補画像Aにも2次元離散フーリエ変換(DFT)を施し、振幅及び位相に分解する(S13)。
【0041】
そして前記画像処理部18は前記得られたテンプレート画像25の振幅を極座標変換しスケール情報と角度情報を検出する(S14)。同様に、前記画像処理部18は、前記候補画像Aの振幅も極座標変換しスケール情報と角度情報を検出する(S15)。次いで、前記画像処理部18は得られた前記テンプレート画像25及びカメラ画像26の各スケール情報及び角度情報を合成し正規化相関をすることで、前記テンプレート画像25と候補画像Aとの相対的なスケール及び角度の比率を算出する(S16)。そして、この算出されたスケール及び角度の比率に基づいて前記候補画像Aを補正する(S17)。
【0042】
ここで、各標的のテンプレート画像の振幅情報(スケール情報、角度情報を含む)及び位相情報は、予め各テンプレート画像にそれぞれ関連づけて前記データ格納部11に格納しておき、適宜読み出しパターンマッチングに使用してもよい。
【0043】
次に、前記画像処理部18は、補正された候補画像Aと前記テンプレート画像Aとの一致率が、予め設定された判定基準となる一致率(例えば70%)を満たすか否かを判定する(S18)。そして、前記一致率が基準となる一致率以上である場合には、前記候補画像Aが前記標的Aであることを認識する(S19)。このとき、例えば、候補に挙げられた画像と前記テンプレート画像との一致率が判定基準となる一致率に満たなかった場合には、判定基準となる一致率を超える候補画像が検出されるまで、順次、他の候補画像についてパターンマッチングを行なっていく。
【0044】
前記画像処理部18は、前記候補画像Aが標的Aであることを認識すると、前記テンプレート画像25と前記標的(候補画像)Aとの各位相情報を合成し正規化相関を施す。そして前記テンプレート画像25と前記標的(候補画像)Aとの位置ずれ量を検出する(S20)。ここで、この位置ずれ量は、前記第1の正規化相関で得られた大まかな位置とは異なり、前記標的(候補画像)Aの前記カメラ画像26上での中心位置からの距離を正確に示すものである。前記画像処理部18は、前記得られた位置ずれ量から前記標的Aの前記カメラ画像上での座標を検出する(S21)。
【0045】
図6は、前記照準点28と各標的A,Bとの座標を示したものである。前記相対位置情報生成部19は、上記得られた前記標的Aの座標と、前記照準点28の座標とが一致するか否かを検出する。上述したように、前記照準点28の座標は(0、0)を含む所定の範囲である。そして、前記標的Aの座標は(0、0)である。このとき、前記相対位置情報生成部19は、前記標的Aの座標と前記照準点28の座標とが座標(0、0)で一致していることを検出する。
【0046】
同様にして、前記相対位置情報生成部19は、標的Bのテンプレート画像(図示せず)についても前記カメラ画像25とのパターンマッチングを行ない前記標的Bの座標(X,Y)を検出する。本実施形態では、この図6に示すように、前記照準点28の座標は前記標的Bの座標(X、Y)とは一致しない。すると、前記相対位置情報生成部19は、前記照準点28の座標と前記標的Bの座標とは一致しないことを検出する。
【0047】
そして、前記相対位置情報生成部19は、前記照準点28の座標と前記標的Aの座標とが一致し前記照準点28の座標と前記標的Bとの座標が一致しないことを相対位置情報として生成する。
【0048】
前記演出発生部20は、前記相対位置情報生成部19からの相対位置情報を受け取ると、前記標的Aに前記照準点28が合っていることを示す演出効果を前記モニタ2に施す。例えば、前記標的Aをハイライト表示したり、前記標的Aが点滅したりするように演出する。なお、この演出効果を施すか否か、及び施す場合にどのように施すかは、ゲームの進行具合や難易度によって適宜設定することが望ましい。
【0049】
前記射撃信号検出部21は、前記射撃操作装置6から出力された射撃信号を受け取ると、当該射撃信号を受け取った瞬間のフレームについて、前記演出発生部20に射撃が成功したか否かの演出を施すように指示する。すなわち本実施形態では、前記射撃信号検出部21からの指示を受けた前記演出発生部20は、標的Aに対する射撃が成功したことを示す演出効果を前記モニタ2に施す。なお、このとき前記演出発生部20は、標的Bに対する射撃が失敗したことを示す演出効果を前記モニタ2に施しても良い。
【0050】
この発明は、上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0051】
例えば、前記画像処理部28は、前記射撃信号検出部20によって射撃信号が検出されたときにはじめてパターンマッチングを開始するものであってもよい。
【0052】
更なる変形例として、以下に示すように、前記カメラ画像26から前記モニタ2の画面の輪郭のみを抽出することで、前記パターンマッチングを行なう範囲を限定することもできる。
【0053】
図7は、前記カメラ画像26上での前記モニタ2の輪郭の例を示した図である。
【0054】
前記輪郭抽出部21は、前記カメラ画像26から前記モニタ2の輪郭のみを抽出する(例えば、符号41〜49の輪郭)。そして、前記輪郭抽出部15は、前記抽出された輪郭内を、パターンマッチングをすべき範囲として前記画像処理部18に指示する。そして前記画像処理部18は、当該指示された範囲内で上記パターンマッチングを行う。
【0055】
さらにこの場合、例えば、前記画像処理部18は、前記輪郭抽出部22によって抽出された前記モニタ2の輪郭と前記照準点28とのそれぞれの座標を検出し、これらの座標から、前記モニタ2の輪郭を基準とした前記照準点28の座標を算出するようにしてもよい。このようにすることで、前記モニタ2の輪郭内の何れに前記照準点28が位置するかが常に検出できるようになる。そして、前記演出発生部20は、この算出された照準点28の前記モニタ2を基準とした座標に基づいて前記モニタ2の輪郭内にある前記照準点28の位置を示すマークを前記モニタ2上に常に表示するようにしてもよい。
【0056】
また、前記輪郭抽出部22は、前記照準点28が前記モニタ2の輪郭から外れた位置にあることを検出した場合(例えば、符号50および51の輪郭)、前記画像処理部18にパターンマッチングの処理を一時中止するように要請してもよい。すなわち、例えば、前記輪郭50の場合、前記輪郭抽出部22は前記照準点28が前記輪郭50内から外れていることを検出する。そして前記輪郭検出部22は、前記画像処理部18にパターンマッチングの処理を一時中止するように要請する。この要請を受け取った前記画像処理部18はパターンマッチングを一時中止する。そして再び、前記照準点28が前記輪郭50内に位置することが前記輪郭抽出部22によって検出された場合、前記輪郭抽出部22は、パターンマッチングの処理を再開するよう前記画像処理部18に要請する。すると前記画像処理部18は、この要請に基づきパターンマッチングを再開する。
【符号の説明】
【0057】
1…射撃ゲーム装置
2…モニタ
3…ガンコントローラ
4…カメラ
5…制御部
6…射撃操作装置
7…CPU
8…RAM
9…通信IF
10…バス
11…データ格納部
12…プログラム格納部
13…ゲームデータ
14…テンプレート画像データ
16…ゲームプログラム
17…標的発生部
18…画像処理部
19…相対位置情報生成部
20…演出発生部
21…射撃信号検出部
22…輪郭抽出部
25…標的のテンプレート画像
26…カメラ画像
27…原点(カメラ画像の中心点)
28…照準点
41〜51…カメラ画像上でのモニタの輪郭の例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、ガンコントローラとを有し、前記表示装置に表示された標的に向かって仮想射撃を行う射撃ゲーム装置であって、
前記ガンコントローラに設けられ、プレイヤの射撃操作に対応して射撃信号を出力する射撃操作装置と、
前記ガンコントローラに設けられ、前記表示装置に表示された前記標的を撮影しこの撮影された画像をカメラ画像として出力する撮影装置と、
前記標的のテンプレート画像を格納するデータ格納部と、
このデータ格納部から前記標的のテンプレート画像を読み出し、この読み出された前記標的のテンプレート画像を標的として前記表示装置に出力する標的発生部と、
前記撮影装置から出力されたカメラ画像と前記標的のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、前記カメラ画像から前記標的を抽出すると共に、この抽出された標的の前記カメラ画像上での座標を検出する画像処理部と、
予め前記ガンコントローラの照準点として設定された前記カメラ画像上での所定の座標と前記画像処理部によって検出された前記標的の座標とが一致する若しくは一致しないことを検出し相対位置情報として生成する相対位置情報生成部と、
前記相対位置情報生成部によって生成された相対位置情報と前記射撃操作装置により出力された射撃信号とに基いて射撃が成功した若しくは失敗した演出を前記表示装置に表示させる演出発生部と
を有することを特徴とする射撃ゲーム装置
【請求項2】
請求項1記載の射撃ゲーム装置であって、
前記標的発生部は、前記データ格納部から読み出した前記標的のテンプレート画像を前記表示装置に出力すると共に前記画像処理部にも出力し、
前記画像処理部は、前記標的発生部が出力した前記標的のテンプレート画像と、前記カメラ画像から抽出された前記標的とをパターンマッチングすることで、前記カメラ画像上での前記標的の座標を検出する
ことを特徴とする射撃ゲーム装置。
【請求項3】
請求項1記載の射撃ゲーム装置であって、
前記照準点は、前記カメラ画像上の中心点から所望の位置及び所望の範囲にある座標に設定され、
前記相対位置情報生成部は、前記照準点の座標と前記画像処理部により検出された前記標的の座標とが一致する若しくは一致しないことを検出し相対位置情報をとして生成する
ことを特徴とする射撃ゲーム装置。
【請求項4】
請求項1記載のゲーム装置であって、
前記演出発生部は、前記相対位置情報生成部によって生成された前記相対位置情報のみに対応して所定の演出を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする射撃ゲーム装置。
【請求項5】
請求項1記載の射撃ゲーム装置であって、
前記画像処理部は、前記射撃操作装置により出力された射撃信号のタイミングに対応してパターンマッチングを行なう
ことを特徴とする射撃ゲーム装置。
【請求項6】
請求項1記載の射撃ゲーム装置であって、
前記撮影装置の撮影する位置によって変化する、前記表示装置の画面の輪郭のみを抽出する輪郭抽出部を有し、
前記画像処理部は、前記輪郭抽出部によって抽出された前記表示装置の画面の輪郭内でパターンマッチングを行なう
ことを特徴とする射撃ゲーム装置。
【請求項7】
表示装置と、ガンコントローラとを有し、前記表示装置に表示された標的に向かって仮想射撃を行う射撃ゲーム方法であって、
前記標的のテンプレート画像を格納するデータ格納工程と、
このデータ格納工程によって格納された前記標的のテンプレート画像を読み出し、この読み出された前記標的のテンプレート画像を標的として前記表示装置に出力する標的発生工程と、
前記ガンコントローラに設けられた撮影装置によって前記表示装置に表示された前記標的を撮影しこの撮影された画像をカメラ画像として出力する撮影工程と、
前記撮影工程によって出力されたカメラ画像と前記標的のテンプレート画像とをパターンマッチングすることで、前記カメラ画像から前記標的を抽出すると共に、この抽出された標的の前記カメラ画像上での座標を検出する画像処理工程と、
予め前記ガンコントローラの照準点として設定された前記カメラ画像上での所定の座標と前記画像処理部によって検出された前記標的の座標とが一致する若しくは一致しないことを検出し相対位置情報として生成する相対位置情報生成工程と、
前記ガンコントローラに設けられた射撃操作装置によってプレイヤの射撃操作に対応して射撃信号を出力する射撃信号出力工程と、
前記相対位置情報生成工程によって生成された相対位置情報と前記射撃信号出力工程によって出力された射撃信号とに基いて射撃が成功した若しくは失敗した演出を前記表示装置に表示させる演出発生工程と
を有することを特徴とする射撃ゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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