導光構造付きヘッドジンバルアセンブリおよび情報記録再生装置
【課題】動作時に、ヘッドを安定浮上させることが可能な導光構造付きヘッドジンバルアセンブリおよび情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】一定方向に回転する磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸のまわりを回動可能に形成された回動部材3と、回動部材の先端部に、磁気記録媒体の表面と対向するように取り付けられたスライダ2と、磁気記録媒体を加熱するための光をスライダに導入するための光導波路32と、を備えた導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ12において、光導波路が、回動部材に設けられた凸部50に支持されている。
【解決手段】一定方向に回転する磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸のまわりを回動可能に形成された回動部材3と、回動部材の先端部に、磁気記録媒体の表面と対向するように取り付けられたスライダ2と、磁気記録媒体を加熱するための光をスライダに導入するための光導波路32と、を備えた導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ12において、光導波路が、回動部材に設けられた凸部50に支持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を集光したスポット光を利用して磁気記録媒体に各種の情報を記録再生する導光構造付きヘッドジンバルアセンブリおよび情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ機器におけるハードディスク等の容量増加に伴い、単一記録面内における情報の記録密度が増加している。例えば、磁気ディスクの単位面積当たりの記録容量を多くするためには、面記録密度を高くする必要がある。ところが、記録密度が高くなるにつれて、記録媒体上で1ビット当たりの占める記録面積が小さくなっている。このビットサイズが小さくなると、1ビットの情報が持つエネルギーが、室温の熱エネルギーに近くなり、記録した情報が熱揺らぎ等のために反転したり、消えてしまったりする等の熱減磁の問題が生じてしまう。
【0003】
一般的に用いられてきた面内記録方式では、磁化の方向が記録媒体の面内方向に向くように磁気を記録する方式であるが、この方式では上述した熱減磁による記録情報の消失等が起こり易い。そこで、このような不具合を解消するために、記録媒体に対して垂直な方向に磁化信号を記録する垂直記録方式に移行しつつある。この方式は、記録媒体に対して、単磁極を近づける原理で磁気情報を記録する方式である。この方式によれば、記録磁界が記録膜に対してほぼ垂直な方向を向く。垂直な磁界で記録された情報は、記録膜面内においてN極とS極とがループを作り難いため、エネルギー的に安定を保ち易い。そのため、この垂直記録方式は、面内記録方式に対して熱減磁に強くなっている。
【0004】
しかしながら、近年の記録媒体は、より大量且つ高密度情報の記録再生を行いたい等のニーズを受けて、さらなる高密度化が求められている。そのため、隣り合う磁区同士の影響や、熱揺らぎを最小限に抑えるために、保磁力の強いものが記録媒体として採用され始めている。そのため、上述した垂直記録方式であっても、記録媒体に情報を記録することが困難になっていた。
【0005】
そこで、この不具合を解消するために、光を集光したスポット光、若しくは、光を集光した近接場光を利用して磁区を局所的に加熱して一時的に保磁力を低下させ、その間に書き込みを行うハイブリッド磁気記録方式が提供されている。特に、近接場光を利用する場合には、従来の光学系において限界とされていた光の波長以下となる領域における光学情報を扱うことが可能となる。よって、従来の光情報記録再生装置等を超える記録ビットの高密度化を図ることができる。
【0006】
近接場光を利用した記録再生装置の構成は、磁気ディスク装置と略同一であり、磁気ヘッドに代わり、近接場光利用ヘッドを用いる。近接場光利用ヘッドは、光学的微小開口やナノメートルサイズの突起などからなる近接場光発生素子を持つ。近接場光発生素子は空気浮上技術を用いたスライダに搭載される。スライダはサスペンションの先端に取り付けられ、動圧により記録媒体に対して一定の高さで浮上する。これにより、近接場光発生素子は記録媒体上に存在する任意のデータマークへアクセスする。高速回転する記録媒体にスライダを追従させるため、近接場光利用ヘッドには記録媒体のうねりに対応して姿勢を安定させるフレクシャ機能をもたせている。このような構成の近接場光利用ヘッドは、ヘッドに光を供給するために光導波路などからなる光導入部を必要とする。ここでの光導波路は光ファイバも含む。電気配線に比べて配線の自由度が低い光導波路を用いて、いかに効率よく光を近接場光発生素子および記録媒体に導くかが、近接場光を利用した記録再生技術の重要な点である。
【0007】
このような近接場光利用ヘッドにおいて、光導波路をスライダに接続し、メディア面に水平な方向に伝播している光導波路からの光を反射させて伝播方向を開口方向に向ける光反射面を用いて、微小なビームスポットを近接場光発生素子に入射させる手法が考慮されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0008】
図15に近接場光利用ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ)100を用いた情報記録再生装置の概略を示す。近接場光利用ヘッドアセンブリ100は、光ファイバ103、サスペンションアーム104、フレクシャ105、スライダ106、近接場光発生素子(不図示)から構成される。近接場光発生素子を搭載するスライダ106を、記録媒体107の表面に数nmから数十nm程度まで近接した状態で記録媒体107を高速に回転させ、スライダ106が記録媒体107と常に一定の相対配置で浮上するために、フレクシャ105をサスペンションアーム104の先端部に形成している。
【0009】
サスペンションアーム104は固定穴104aを介してボイスコイルモータ(不図示)に固定されており、ボイスコイルモータによって記録媒体107の半径方向に移動可能である。ここで、スライダ106は、記録媒体107に近接場光発光素子が対面するように配置されている。レーザ101からの光束をスライダ106まで導く光伝播部は、レンズ102とサスペンションアーム104に固定された光ファイバ103から構成されている。必要に応じて、レーザ101は回路系108により強度変調などをかけることもできる。
【0010】
上述した近接場光利用ヘッドアセンブリでは、サスペンションアーム104からフレクシャ105を介してスライダ106を記録媒体107に向かって押し付ける力と、記録媒体107の回転に伴う風圧によりスライダ106を浮上させる力とが釣り合うことによって、スライダ106は記録媒体107に対して数nmから数十nm程度の間隙をもって安定に浮上している。サスペンションアーム104は、スライダ106方向に予め湾曲させられており、そのバネ力によってスライダ106への押し付け力を発生させている。記録再生装置の動作時は、サスペンションアーム104の湾曲は、スライダ106への押し付け力の反力のために緩和されている。
【特許文献1】国際特許公開第00/28536号パンフレット
【特許文献2】特開2001−297463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した従来のヘッドジンバルアセンブリにあっては、比較的剛性の大きい光導波路(光ファイバ)を有し、その光導波路をサスペンションアームに直接固定していたため、スライダと光導波路との接続箇所からサスペンションアームと光導波路との接続箇所にかけて、光導波路が屈曲されて取り付けられている。そのため、スライダに光導波路の撓み力や張力がかかり、記録再生装置の動作時にスライダの動きを妨げ、スライダの動作姿勢(浮上時の状態)が不安定になるという問題があった。
【0012】
そこで本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、動作時に、ヘッドを安定浮上させることが可能な導光構造付きヘッドジンバルアセンブリおよび情報記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、一定方向に回転する磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸のまわりを回動可能に形成された回動部材と、該回動部材の先端部に、前記磁気記録媒体の表面と対向するように取り付けられたスライダと、前記磁気記録媒体を加熱するための光を前記スライダに導入するための光導波路と、を備えた導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいて、前記光導波路が、前記回動部材に設けられた凸部に支持されていることを特徴としている。
【0014】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、回動部材に設けられた凸部に光導波路を支持するため、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよび回動部材が姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0015】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記回動部材が、前記ピボット軸に回動可能に支持されたアーム部と、該アーム部の先端側に支持されるベースプレートと、該ベースプレートと連結されるとともに、前記ベースプレートの先端側に延出する延出部を有するヒンジプレートと、該ヒンジプレートの延出部と連結されるロードビームと、該ロードビームに連結されるフレクシャと、を有するサスペンションと、を備え、前記凸部が、前記サスペンションに設けられていることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、サスペンションに設けられた凸部に光導波路を支持するため、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。また、凸部をサスペンションに設けることによりスライダと凸部との距離を近接させることができる。したがって、スライダと凸部との間に配設される光導波路の長さを短くすることができるため、スライダに作用する光導波路からの力が小さくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記光導波路と前記フレクシャの表面とが平行になるように前記凸部の高さが設定されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、スライダと凸部との間に配設される光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0018】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記光導波路と前記凸部とが支持された位置の前記ピボット軸側において、前記光導波路と前記回動部材とが直接固定されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、スライダと凸部との間に配設される光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。また、光導波路と凸部とが支持固定された位置のピボット軸側において、光導波路と回動部材とを直接支持固定することにより、回動部材のトラッキングを安定させることができる。
【0019】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が、前記回動部材の表面に配された台座で構成されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、回動部材の表面に台座を設けるだけで、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダを安定して浮上させることができる。
【0020】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が、前記回動部材を加工して形成されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、回動部材の一部を加工して凸部を形成するだけで、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、部品点数を増やすことなく、簡易な構成で、スライダを安定して浮上させることができる。
【0021】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が、前記光導波路を長手方向に沿って移動可能に支持することを特徴としている。
さらに、前記凸部が、前記光導波路の長手方向に沿って形成された貫通孔を有し、前記光導波路が、前記貫通孔に挿通されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、凸部に光導波路を長手方向に沿って移動可能に支持するため、スライダと凸部との間に配設された光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよび回動部材が姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。また、凸部に貫通孔を形成し、光導波路を貫通孔に挿通することにより、光導波路を確実に支持することができる。
【0022】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が複数備えられていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、光導波路の敷設距離が長くなっても光導波路を確実に支持することができるとともに、スライダと凸部との間に配設される光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0023】
そして、本発明に係る情報記録再生装置は、上述した導光構造付きヘッドジンバルアセンブリと、光導波路に対して光束を入射させる光源と、一定方向に回転する磁気記録媒体と、該磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、該ピボット軸のまわりを回動可能に形成されたアーム部と、該アーム部の基端側を支持すると共に、該アーム部を前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、前記スライダおよび前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る情報記録再生装置においては、動作時に光導波路からの力がスライダに作用しにくくなるため、スライダを安定して浮上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリによれば、回動部材に設けられた凸部に光導波路を支持するため、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよび回動部材が姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第一実施形態)
(情報記録再生装置)
以下、本発明に係る第一実施形態を、図1〜図9を用いて説明する。図1は、本発明に係る情報記録再生装置1の概略構成図である。なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、垂直記録方式で書き込みを行う装置である。
【0026】
図1に示すように、情報記録再生装置1は、キャリッジ11と、キャリッジ11の基端側から光導波路32を介して光束を供給するレーザ光源20と、キャリッジ11の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)12と、ヘッドジンバルアセンブリ12をディスク面D1(ディスクDの表面)に平行なXY面内方向にスキャン移動させるアクチュエータ6と、ディスクDを回転軸Lを中心に回転させるスピンドルモータ7と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアセンブリ12のスライダ2に対して供給する制御部5と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
【0027】
ハウジング9は、アルミニウム等の金属材料からなる上部開口部を有する箱型形状のものであり、上面視四角形状の底部9aと、底部9aの周縁において底部9aに対して鉛直方向に立設する周壁(不図示)とで構成されている。そして、周壁に囲まれた内側には、上述した各構成品を収容する凹部が形成される。なお、図1においては、説明を分かりやすくするため、ハウジング9の周囲を取り囲む周壁を省略している。
【0028】
このハウジング9には、ハウジング9の開口を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。また、底部9aの平面視略中央部には、上記スピンドルモータ7が取り付けられており、該スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定されている。
【0029】
ディスクDの外側で、底部9aの一つの隅角部には、上述したアクチュエータ6が取り付けられている。このアクチュエータ6には、ピボット軸10を中心にXY面内方向で回動可能なキャリッジ11が取り付けられている。このキャリッジ11は、基端部から先端部に向けて(ディスクD方向に向けて)延設されたアーム部14と、アーム部14を基端部を介して片持ち状に支持する基部15とが、削り出し加工等により一体形成されたものである。基部15は、略直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10を中心に回動可能に支持されている。つまり、基部15はピボット軸10を介してアクチュエータ6に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ11の回転中心となっている。
【0030】
アーム部14は、基部15におけるアクチュエータ6が取り付けられた側面15aと反対側の側面(隅角部の反対側の側面)15bにおいて、基部15の上面の面方向(XY方向)と平行に延出する平板状のものであり、基部15の高さ方向(Z方向)に沿って略等間隔に3枚延出している。具体的には、アーム部14は、基端部から先端部に向かうにつれ先細るテーパ形状に形成されており、各アーム部14,14間に、ディスクDが挟み込まれるように配置される。つまり、アーム部14とディスクDとが、交互に配置されており、アクチュエータ6の駆動によってアーム部14がディスクDの表面に平行な方向(XY面内方向)に移動可能になっている。
【0031】
なお、本実施形態では、キャリッジ11とヘッドジンバルアセンブリ12とで回動部材13を構成している。この回動部材13は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ6の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。また、回動部材は、ヘッドジンバルアセンブリ12のみで構成されていてもよい。
【0032】
ヘッドジンバルアセンブリ12は、図示しない近接場光発生素子を有するスライダ2に、レーザ光源20からの光束を導いて近接場光(スポット光)を発生させ、該近接場光を利用してディスクDに各種情報を記録再生させるものである。なお、近接場光発生素子は、例えば、光学的微小開口や、ナノメートルサイズに形成された突起部等により構成されている。
【0033】
図2は、スライダ2を上向きにした状態でヘッドジンバルアセンブリ12をスライダ2側から見た斜視図である。図3は、スライダ2を上向きにした状態でジンバル17を見た平面図である。図4は、図3のE−E線に沿う断面図であり、スライダ2を上向きにした状態におけるサスペンション3先端の断面図である。
【0034】
図2に示すように、ヘッドジンバルアセンブリ12は、上記スライダ2をディスクDから浮上させるサスペンションとして機能するものであり、スライダ2と、金属性材料により薄い板状に形成され、ディスク面D1に平行なXY方向に移動可能なサスペンション3と、各レーザ光源20から出射された光束をスライダ2の集光レンズまで導く光導波路32と、を備えている。なお、サスペンション3は、スライダ2をディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態、即ち、2軸を中心として捻れることができるようにサスペンション3の下面に固定させるジンバル手段16を備えている。
【0035】
まず上記スライダ2は、ディスクDとサスペンション3との間に配置された状態で、サスペンション3の下面に後述するジンバル17を挟んで支持されている。スライダ2は、先端側に固定された再生素子(不図示)と、該再生素子に隣接して固定された記録素子(不図示)とを備えている。また、スライダ2は、記録素子を間に挟んで再生素子の反対側に、レーザ光源20から出射された光束を集光させる図示しない集光レンズ(光学系)と、該集光レンズによって集光された光束から近接場光を発生させる上記近接場光発生素子とを有している。つまり、スライダ2には、先端部に再生素子、記録素子、近接場光発生素子が並んだ状態で配置されている。
【0036】
また、スライダ2の下面は、ディスク面D1に対向する浮上面2aとなっている。この浮上面2aは、回転するディスクDによって生じた空気流の粘性から、浮上するための圧力を発生させる面であり、ABS(Air Bearing Surface)と呼ばれている。具体的には、スライダ2をディスク面D1から離そうとする正圧とスライダ2をディスク面D1に引き付けようとする負圧とを調整して、スライダ2を最適な状態で浮上させるように設計されている。
【0037】
スライダ2は、この浮上面2aによってディスク面D1から浮上する力を受けているとともに、サスペンション3によってディスクD側に押さえ付けられる力を受けている。そしてスライダ2は、この両者の力のバランスによって、ディスク面D1から浮上するようになっている。
【0038】
サスペンション3は、平面視略四角状に形成されたベースプレート22と、ベースプレート22の裏面(下面)に取り付けられるとともに、先端部がベースプレート22から延出するように形成されたヒンジプレート23と、ヒンジプレート23の延出部に連結された平面視略三角状のロードビーム24と、で構成されている。
【0039】
ベースプレート22は、ステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、基端側には厚さ方向に貫通する開口22aが形成されている。そして、この開口22aを介してベースプレート22がアーム部14の先端に固定されるようになっている。ベースプレート22の下面には、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のヒンジプレート23が配置されている。このヒンジプレート23は、ベースプレート22の下面の全面に亘って形成された平板状のものであり、その先端部分はベースプレート22の先端からベースプレート22の長手方向に沿って延出する延出部23aが形成されている。延出部23aは、ヒンジプレート23の幅方向両端部から2本延出しており、その先端部分には幅方向内側、つまり互いの延出部23aに向かう方向に幅が拡大する拡大部23bが形成されている。この拡大部23bの上面には、ロードビーム24が連結されている。
【0040】
ロードビーム24は、ベースプレート22と同様にステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、その基端がベースプレート22の先端との間に間隙を有した状態でヒンジプレート23に連結されている。これにより、ヒンジプレート23はベースプレート22とロードビーム24との間で屈曲して、ディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓み易くなっている。つまり、ヒンジプレート23の延出部23aが湾曲するように構成されている。
【0041】
また、ロードビーム24の先端側には、フレクシャ25が設けられている。フレクシャ25は、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のものであり、シート状に形成されることで厚さ方向に撓み変形可能に構成されている。フレクシャ25は、ロードビーム24の先端側に固定され、外形が上面視略六角形状に形成されたジンバル17を有している。
【0042】
図3、図4に示すように、ジンバル17は、中間付近から先端にかけてディスク面D1に向けて厚さ方向に僅かながら反るように形成されている。そして、この反りが加わった先端側がロードビーム24に接触しないように、基端側から略中間付近にかけてロードビーム24に固定されている。
【0043】
また、この浮いた状態のジンバル17の先端側には、周囲がコ形状に刳り貫かれた切欠部26が形成されており、この切欠部26に囲まれた部分には連結部17aによって片持ち状に支持されたパッド部(舌片部)17bが形成されている。つまり、このパッド部17bは、連結部17aによってジンバル17の先端側から基端側に向けて張出し形成されており、その周囲に切欠部26を備えている。これにより、パッド部17bはジンバル17の厚さ方向に撓みやすくなっており、このパッド部17bのみがサスペンション3の下面と平行になるように角度調整されている。そして、このパッド部17bに上記スライダ2が載置固定されている。つまり、スライダ2は、パッド部17bを介してロードビーム24にぶら下がった状態となっている。
【0044】
また、ロードビーム24の先端には、パッド部17bおよびスライダ2の略中心に向かって突出する突起部19が形成されている。この突起部19の先端は、丸みを帯びた状態となっている。そして突起部19は、スライダ2がディスクDから受ける風圧によりロードビーム24側に浮上したときに、パッド部17bの表面(上面)に点接触するようになっている。この浮上する力は、突起部19からロードビーム24に伝わって、該ロードビーム24を撓ませるように作用する。また、ディスクDのうねり等により、スライダ2にXY方向に向かう風圧が加わったときに、スライダ2およびパッド部17bは、突起部19を中心としてX軸およびY軸の2軸回りに捩じれるようになっている。これにより、ディスクDのうねりによるZ方向の変位(ディスク面D1に略直交する方向への変位)を吸収することができ、スライダ2の姿勢が安定するようになっている。なお、これら突起部19とパッド部17bを有するジンバル17とが、ジンバル手段16を構成している。
【0045】
図5は、キャリッジ11の基部15の側面図である。
図1,5に示すように、キャリッジ11の基部15における側面15cには、ターミナル基板30が配置されている。このターミナル基板30は、ハウジング9に設けられた制御部5とスライダ2とを電気的に接続する際の中継点となるものであり、その表面には、各種制御回路(不図示)が形成されている。制御部5とターミナル基板30とは可撓性を有するフラットケーブル4により電気的に接続されている一方、ターミナル基板30とスライダ2とは、電気配線(不図示)により接続されている。電気配線は、キャリッジ11毎に設けられたスライダ2の数に対応して設けられており、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号が、電気配線を介してスライダ2に出力されるようになっている。
【0046】
また、ターミナル基板30には、スライダ2の集光レンズに向けて光束を供給する上記レーザ光源20が配置されている。レーザ光源20は、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号を受信し、この信号に基づいて光束を出射するものであり、各アーム部14に設けられたスライダ2の数に対応して基部15の高さ方向(Z方向)に沿って略等間隔に3個配列されている。各レーザ光源20の出射側には、各レーザ光源20から出射された光束をスライダ2の集光レンズまで導く光導波路32が接続されている。
【0047】
ここで、光導波路32としては、コアとクラッドを有する光ファイバなどが用いられる。光導波路32として使用される材料の一例を記載すると、例えば、石英(SiO2)でコアを形成し、フッ素をドープした石英でクラッドを形成する組み合わせが考えられる。この場合には、光束の波長が400nmのときに、コアの屈折率が1.47となり、クラッドの屈折率が1.47未満となるため好ましい。また、ゲルマニウムをドープした石英でコアを形成し、石英でクラッドを形成する組み合わせも考えられる。この場合には、光束の波長が400nmのときに、コアの屈折率が1.47より大きくなり、クラッドの屈折率が1.47となるため、好ましい。特に、コアとクラッドとの屈折率差が大きいほど、コア内に光束を閉じ込める力が大きくなるため、コアに酸化タンタル(Ta2O5:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、クラッドに石英などを用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域の光束を利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4.0)でコアを形成することも有効である。
【0048】
図2に戻り、光導波路32は、スライダ2に接続されている。ここで、レーザ光源20とスライダ2との間のフレクシャ25の下面に台座50が設けられており、台座50において光導波路32が支持固定されている。なお、台座50は例えば樹脂製のブロック体で形成されており、フレクシャ25に接着剤などにより固定されている。
【0049】
また、台座50の高さH1(図4参照)は、スライダ2と台座50との間に配設される光導波路32とフレクシャ25の表面とが略平行になる高さに設定されている。このように構成することにより、ヘッドジンバルアセンブリ12(情報記録再生装置1)の動作時に光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0050】
さらに、光導波路32は、台座50に支持固定された位置のピボット軸10側において、フレクシャ25の表面に直接支持固定されている。このように構成することにより、回動部材13(ヘッドジンバルアセンブリ12)のトラッキング性能を安定させることができる。
【0051】
(ヘッドジンバルアセンブリの組立方法)
次に、ヘッドジンバルアセンブリ12の組立方法について説明する。
まず、ロードビーム24にスライダ2を取り付け、ロードビーム24とベースプレート22とを、ヒンジプレート23を介して連結する。
次に、フレクシャ25に台座50を接着剤などにより固定する。
そして、光導波路32をスライダ2に接続した後、光導波路32とフレクシャ25の表面とが略平行になるように架設した状態で光導波路32を台座50に接着剤などにより支持固定する。
その後、台座50よりピボット軸10側において、光導波路32をフレクシャ25の表面に接着剤などにより直接支持固定した後、光導波路32の他端をレーザ光源20に接続することによりヘッドジンバルアセンブリ12の組立が完了する。
【0052】
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する手順について以下に説明する。
まず、スピンドルモータ7を駆動させてディスクDを所定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ6を作動させて、ピボット軸10を回転中心としてキャリッジ11を回動させ、キャリッジ11を介してヘッドジンバルアセンブリ12をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置にスライダ2を位置させることができる。
【0053】
ここで、キャリッジ11の基部15が、ピボット軸10まわりを回動可能に構成されているため、アーム部14は、ピボット軸10を回転中心としてディスク面D1に平行な方向に移動する。この時、基部15のターミナル基板30上にレーザ光源20を設けることで、スライダ2にレーザ光源20を搭載した場合に比べて、スライダ2の移動時においてキャリッジ11に作用するモーメントが小さい。したがって、トラッキングの精度を維持することができる。また、ターミナル基板30は、制御部5とスライダ2とを電気的に接続する際の中継点となるものであり、電気配線はターミナル基板30を基点としてスライダ2に引き回される。
【0054】
次いで、レーザ光源20から光束を光導波路32に入射させて、光束をスライダ2に導く。スライダ2の集光レンズに光束を供給するレーザ光源20が、スライダ2の基部15におけるターミナル基板30上に設けられている。この場合、レーザ光源20から出射された光束は、光導波路32からスライダ2に向かって伝播される。この時、光導波路32の内部を伝播される光束は、スライダ2内で集光レンズによって集光され、スポットサイズが徐々に絞り込まれる。これにより、近接場光発生素子の周囲には、近接場光が滲み出るように発生する。
【0055】
そして、近接場光が入射されたディスクDは、この近接場光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。一方、制御部5によってスライダ2の記録素子に電流が供給されると、電磁石の原理によりディスクDに対して垂直方向の記録磁界を発生させることができる。その結果、近接場光と記録素子で発生した記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。
【0056】
これに対して、ディスクDに記録された情報を再生する場合には、記録素子に隣接して固定されている再生素子が、ディスクDから漏れ出ている磁界を受けて、その大きさに応じて電気抵抗が変化する。よって、再生素子の電圧が変化する。これにより制御部5は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することができる。そして制御部5は、この電圧の変化から信号の再生を行うことで、情報の再生を行うことができる。
このように、スライダ2を利用してディスクDに対して各種の情報を記録再生することができる。
【0057】
ここで、スライダ2は、サスペンション3によって支持されているとともに、所定の力でディスクD側に押さえ付けられている。また、これと同時にスライダ2は、浮上面2aがディスクDに対向しているので、回転するディスクDによって生じる風圧の影響を受けて浮上する力を受けている。この両者の力のバランスによって、スライダ2はディスクD上から離間した位置に浮遊している状態となっている。
【0058】
この際スライダ2は、風圧を受けてサスペンション3側に押されるため、スライダ2を固定するジンバル17のパッド部17bとサスペンション3に形成された突起部19とが、点接触した状態となる。そして、この浮上する力は、突起部19を介してサスペンション3に伝わり、該サスペンション3をディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓ませるように作用する。これにより、上述したようにスライダ2は浮上する。なお、サスペンション3には、ベースプレート22とロードビーム24とがヒンジプレート23を介して連結されているため、ベースプレート22とロードビーム24との間で撓み易くなっている。
【0059】
またスライダ2は、ディスクDのうねりに起因して発生する風圧(XY方向に向かう風圧)を受けたとしても、ジンバル手段16、即ち、突起部19の先端に点接触したパッド部17bを介してXY軸回りに捩じれるようになっている。そのため、うねりによるZ方向への変位を吸収することができ、浮上している際のスライダ2の姿勢を安定にすることができる。
【0060】
ここで、本実施形態においては、情報記録再生装置1の動作時に、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなるように構成した。具体的には、フレクシャ25の表面に台座50を設け、その台座50に光導波路32を固定した。また、スライダ2と台座50との間に配設される光導波路32が、フレクシャ25の表面と平行になるように台座50の高さH1を設定した。さらに、台座50よりピボット軸10側において、光導波路32をフレクシャ25の表面に接着剤などにより直接支持固定した。
【0061】
本実施形態によれば、フレクシャ25に設けられた台座50に光導波路32を支持固定したため、スライダ2と光導波路32との接続箇所から台座50と光導波路32との接続箇所にかけて、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。また、台座50をフレクシャ25に設けることによりスライダ2と台座50との距離を近接させることができる。したがって、スライダ2と台座50との間に配設される光導波路32の長さを短くすることができるため、スライダ2に作用する光導波路32からの力が小さくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0062】
また、光導波路32とフレクシャ25の表面とが平行になるように台座50の高さH1を設定したため、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0063】
また、光導波路32と台座50とが支持固定された位置のピボット軸10側において、光導波路32とフレクシャ25の表面とを直接支持固定したため、回動部材13のトラッキングを安定させることができる。
【0064】
さらに、フレクシャ25の表面に台座50を設けるだけで、スライダ2と光導波路32との接続箇所から台座50と光導波路32との接続箇所にかけて、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0065】
なお、本実施形態では、図6に示すように、光導波路32と台座50とが支持固定された位置のピボット軸10側において、光導波路32とフレクシャ25の表面とを直接支持固定しなくてもよい。
また、本実施形態では、図7、図8に示すように、台座50をロードビーム24の表面やヒンジプレート23の表面に設けてもよい。
さらに、図9に示すように、台座51はフレクシャ25を凸状に加工して形成してもよい。このように構成すれば、フレクシャ25の一部を加工するだけで台座51が形成されるため、部品点数を増やすことなく、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0066】
また、光導波路32として半導体プロセスにて製造されたものを用いてもよい。ここで、クラッドおよびコアとして使用される材料の組み合わせの一例を記載すると、例えばPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)により、厚さが3〜10μmでコアを形成し、フッ素含有重合体により、厚さが数十μmでクラッドを形成する組み合わせが考えられる。また、コアおよびクラッドをともにエポキシ樹脂(例えば、コア屈折率1.522〜1.523、クラッド屈折率1.518〜1.519)で構成したり、フッ素化ポリイミドで構成したりすることも可能である。また、コアとクラッドとの屈折率差が大きいほど、コア内に光束を閉じ込める力が大きくなるので、コアとクラッドとを構成する樹脂材料の配合等を調整して、両者の屈折率差を大きくすることが好ましい。例えば、フッ素化ポリイミドの場合、フッ素含有量を調整したり、放射光等のエネルギー照射によって、屈折率を制御することができる。
【0067】
(第二実施形態)
次に、本発明に係る第二実施形態を、図10、図11を用いて説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態と光導波路の支持方法が異なるだけであり、その他の構成については略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10、図11に示すように、光導波路32は、該光導波路32を長手方向に沿って移動可能に支持する支持部材55によって支持されている。支持部材55は複数(本実施形態では5箇所)設けられ、ヒンジプレート23、ロードビーム24およびフレクシャ25にそれぞれ接着剤などにより支持固定されている。
【0068】
ここで、フレクシャ25に取り付けられる支持部材55は、台座52上に配されている。なお、台座52は例えば樹脂製のブロック体で形成されており、フレクシャ25に接着剤などにより固定されている。また、台座52と支持部材55を樹脂や金属で一体形成してもよい。
【0069】
また、台座52の高さH2は、スライダ2と台座52との間に配設される光導波路32とフレクシャ25の表面とが平行になる高さに設定されている。このように構成することにより、ヘッドジンバルアセンブリ12(情報記録再生装置1)の動作時に光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0070】
さらに、光導波路32は、台座52に支持固定された位置のピボット軸10側において、ロードビーム24およびヒンジプレート23の表面に支持部材55を介して支持固定されている。このように構成することにより、回動部材13(ヘッドジンバルアセンブリ12)のトラッキング性能を安定させることができる。
【0071】
本実施形態によれば、フレクシャ25に設けられた台座52に光導波路32を長手方向に沿って移動可能に支持する支持部材55を取り付けるため、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。また、光導波路32が長手方向に移動できるように支持部材55を介してサスペンション3に支持している。したがって、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0072】
また、光導波路32とフレクシャ25の表面とが平行になるように台座52の高さH2を設定したため、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0073】
また、台座52が支持固定された位置のピボット軸10側において、支持部材55とロードビーム24およびヒンジプレート23の表面とを直接支持固定したため、回動部材13のトラッキングを安定させることができる。
【0074】
さらに、フレクシャ25の表面に台座52を設けるだけで、スライダ2と光導波路32との接続箇所から台座52と光導波路32との接続箇所にかけて、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0075】
(第三実施形態)
次に、本発明に係る第三実施形態を、図12〜図14を用いて説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態とフレクシャの構成および光導波路の支持方法が異なるだけであり、その他の構成については略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0076】
図12、図13に示すように、フレクシャ125には、基部15に向かって延設された支持体101が形成されている。つまり、支持体101は、ジンバル17に一体形成されたシート状のものであり、サスペンション3に沿って基部15に向かって延設されている。また、支持体101は、サスペンション3が変形した際に、サスペンション3の変形に追従するように構成されている。支持体101は、アーム部14上から側面に回りこんで、アーム部14の基部15に至るまで引き回されている。さらに、支持体101は、ベースプレート22の開口22a上を通過しないように一部屈曲しながら基部15方向へ延設されている。そして、支持体101には光導波路と電気配線とが一体になった複合配線103が支持されている。
【0077】
複合配線103は、フレクシャ125上において光導波路132と電気配線131とに分岐し、それぞれがスライダ2に接続されている。ここで、光導波路132は複合配線103からそのまま長手方向に延設されてスライダ2に接続されている。一方、電気配線131は、複合配線103から斜め方向に延設され、ジンバル17の周縁部に沿って配され、連結部17aの方向からスライダ2に接続されている。
【0078】
ここで、レーザ光源20とスライダ2との間のフレクシャ125の下面に台座53が設けられており、台座53において複合配線103から分岐した光導波路132が支持固定されている。なお、台座53は例えば樹脂製のブロック体で形成されており、フレクシャ125に接着剤などにより固定されている。
【0079】
また、図14に示すように、台座53の高さH3は、スライダ2と台座53との間に配設される光導波路132とフレクシャ125の表面とが平行になる高さに設定されている。このように構成することにより、ヘッドジンバルアセンブリ12(情報記録再生装置1)の動作時に光導波路132からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0080】
さらに、台座53に支持固定された位置のピボット軸10側において、複合配線103はフレクシャ125の表面に直接支持固定されている。このように構成することにより、回動部材13(ヘッドジンバルアセンブリ12)のトラッキング性能を安定させることができる。なお、台座53は、複合配線103とフレクシャ125との間に設けてもよい。
【0081】
本実施形態によれば、フレクシャ125に設けられた台座53に光導波路132を支持固定したため、スライダ2と光導波路132との接続箇所から台座53と光導波路132との接続箇所にかけて、光導波路132を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路132からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。また、台座53をフレクシャ125に設けることによりスライダ2と台座53との距離を近接させることができる。したがって、スライダ2と台座53との間に配設される光導波路132の長さを短くすることができるため、スライダ2に作用する光導波路132からの力が小さくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0082】
また、光導波路132とフレクシャ125の表面とが平行になるように台座53の高さH3を設定したため、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路132からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0083】
また、光導波路132と台座53とが支持固定された位置のピボット軸10側において、複合配線103とフレクシャ125の表面とを直接支持固定したため、回動部材13のトラッキングを安定させることができる。
【0084】
さらに、フレクシャ125の表面に台座53を設けるだけで、スライダ2と光導波路132との接続箇所から台座53と光導波路132との接続箇所にかけて、光導波路132を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0085】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成や形状等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、アーム部の片面側のみにヘッドジンバルアセンブリが設けられている構成について説明したが、各ディスク間に差し入れられるアーム部の両面に、各ディスクに対向するようにそれぞれヘッドジンバルアセンブリを設けるような構成も可能である。この場合、アーム部の両面側に設けられたヘッドジンバルアセンブリの各スライダにより、各スライダに対向するディスク面の情報の記録再生を行うことができる。つまり、1つのアーム部により2枚のディスクの情報を記録再生することができるため、情報記録再生装置の記録容量の増加および装置の小型化を図ることができる。
【0086】
また、上述の実施形態では、スライダを浮上させた空気浮上タイプの情報記録再生装置を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、ディスク面に対向配置されていればディスクとスライダとが接触していても構わない。つまり、本発明のスライダは、コンタクトスライダタイプのスライダであっても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本実施形態では近接場光を利用した情報記録再生装置の場合で説明したが、スポット光を利用した情報記録再生装置に採用してもよい。
そして、本実施形態では、光導波路をサスペンションに取り付けた台座により支持した場合の説明をしたが、アーム部に台座を取り付け、該台座により光導波路を支持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態における情報記録再生装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの斜視図(裏面)である。
【図3】本発明の第一実施形態におけるジンバルの平面図である。
【図4】図3のE−E線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施形態における基部の側面図である。
【図6】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの別の態様を示す断面図(図3のE−E線に相当)である。
【図7】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの別の態様を示す斜視図(裏面)である。
【図8】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリのさらに別の態様を示す斜視図(裏面)である。
【図9】本発明の実施形態における台座の別の態様を示す断面図(図3のE−E線に相当)である。
【図10】本発明の第二実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの斜視図(裏面)である。
【図11】本発明の第二実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの断面図(図3のE−E線に相当)である。
【図12】本発明の第三実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの斜視図(裏面)である。
【図13】本発明の第三実施形態におけるジンバルの平面図である。
【図14】図13のF−F線に沿う断面図である。
【図15】従来のヘッドジンバルアセンブリの概略構成図である。
【符号の説明】
【0088】
1…情報記録再生装置 2…スライダ 3…サスペンション 5…制御部 6…アクチュエータ 7…スピンドルモータ(回転駆動部) 10…ピボット軸 12…ヘッドジンバルアセンブリ 13…回動部材 14…アーム部 20…レーザ光源(光源) 22…ベースプレート 23…ヒンジプレート 23a…延出部 24…ロードビーム 25,125…フレクシャ 32,132…光導波路 50,51,52,53…台座(凸部) 55…支持部材 D…磁気記録媒体 D1…ディスク面(表面)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を集光したスポット光を利用して磁気記録媒体に各種の情報を記録再生する導光構造付きヘッドジンバルアセンブリおよび情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ機器におけるハードディスク等の容量増加に伴い、単一記録面内における情報の記録密度が増加している。例えば、磁気ディスクの単位面積当たりの記録容量を多くするためには、面記録密度を高くする必要がある。ところが、記録密度が高くなるにつれて、記録媒体上で1ビット当たりの占める記録面積が小さくなっている。このビットサイズが小さくなると、1ビットの情報が持つエネルギーが、室温の熱エネルギーに近くなり、記録した情報が熱揺らぎ等のために反転したり、消えてしまったりする等の熱減磁の問題が生じてしまう。
【0003】
一般的に用いられてきた面内記録方式では、磁化の方向が記録媒体の面内方向に向くように磁気を記録する方式であるが、この方式では上述した熱減磁による記録情報の消失等が起こり易い。そこで、このような不具合を解消するために、記録媒体に対して垂直な方向に磁化信号を記録する垂直記録方式に移行しつつある。この方式は、記録媒体に対して、単磁極を近づける原理で磁気情報を記録する方式である。この方式によれば、記録磁界が記録膜に対してほぼ垂直な方向を向く。垂直な磁界で記録された情報は、記録膜面内においてN極とS極とがループを作り難いため、エネルギー的に安定を保ち易い。そのため、この垂直記録方式は、面内記録方式に対して熱減磁に強くなっている。
【0004】
しかしながら、近年の記録媒体は、より大量且つ高密度情報の記録再生を行いたい等のニーズを受けて、さらなる高密度化が求められている。そのため、隣り合う磁区同士の影響や、熱揺らぎを最小限に抑えるために、保磁力の強いものが記録媒体として採用され始めている。そのため、上述した垂直記録方式であっても、記録媒体に情報を記録することが困難になっていた。
【0005】
そこで、この不具合を解消するために、光を集光したスポット光、若しくは、光を集光した近接場光を利用して磁区を局所的に加熱して一時的に保磁力を低下させ、その間に書き込みを行うハイブリッド磁気記録方式が提供されている。特に、近接場光を利用する場合には、従来の光学系において限界とされていた光の波長以下となる領域における光学情報を扱うことが可能となる。よって、従来の光情報記録再生装置等を超える記録ビットの高密度化を図ることができる。
【0006】
近接場光を利用した記録再生装置の構成は、磁気ディスク装置と略同一であり、磁気ヘッドに代わり、近接場光利用ヘッドを用いる。近接場光利用ヘッドは、光学的微小開口やナノメートルサイズの突起などからなる近接場光発生素子を持つ。近接場光発生素子は空気浮上技術を用いたスライダに搭載される。スライダはサスペンションの先端に取り付けられ、動圧により記録媒体に対して一定の高さで浮上する。これにより、近接場光発生素子は記録媒体上に存在する任意のデータマークへアクセスする。高速回転する記録媒体にスライダを追従させるため、近接場光利用ヘッドには記録媒体のうねりに対応して姿勢を安定させるフレクシャ機能をもたせている。このような構成の近接場光利用ヘッドは、ヘッドに光を供給するために光導波路などからなる光導入部を必要とする。ここでの光導波路は光ファイバも含む。電気配線に比べて配線の自由度が低い光導波路を用いて、いかに効率よく光を近接場光発生素子および記録媒体に導くかが、近接場光を利用した記録再生技術の重要な点である。
【0007】
このような近接場光利用ヘッドにおいて、光導波路をスライダに接続し、メディア面に水平な方向に伝播している光導波路からの光を反射させて伝播方向を開口方向に向ける光反射面を用いて、微小なビームスポットを近接場光発生素子に入射させる手法が考慮されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0008】
図15に近接場光利用ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ)100を用いた情報記録再生装置の概略を示す。近接場光利用ヘッドアセンブリ100は、光ファイバ103、サスペンションアーム104、フレクシャ105、スライダ106、近接場光発生素子(不図示)から構成される。近接場光発生素子を搭載するスライダ106を、記録媒体107の表面に数nmから数十nm程度まで近接した状態で記録媒体107を高速に回転させ、スライダ106が記録媒体107と常に一定の相対配置で浮上するために、フレクシャ105をサスペンションアーム104の先端部に形成している。
【0009】
サスペンションアーム104は固定穴104aを介してボイスコイルモータ(不図示)に固定されており、ボイスコイルモータによって記録媒体107の半径方向に移動可能である。ここで、スライダ106は、記録媒体107に近接場光発光素子が対面するように配置されている。レーザ101からの光束をスライダ106まで導く光伝播部は、レンズ102とサスペンションアーム104に固定された光ファイバ103から構成されている。必要に応じて、レーザ101は回路系108により強度変調などをかけることもできる。
【0010】
上述した近接場光利用ヘッドアセンブリでは、サスペンションアーム104からフレクシャ105を介してスライダ106を記録媒体107に向かって押し付ける力と、記録媒体107の回転に伴う風圧によりスライダ106を浮上させる力とが釣り合うことによって、スライダ106は記録媒体107に対して数nmから数十nm程度の間隙をもって安定に浮上している。サスペンションアーム104は、スライダ106方向に予め湾曲させられており、そのバネ力によってスライダ106への押し付け力を発生させている。記録再生装置の動作時は、サスペンションアーム104の湾曲は、スライダ106への押し付け力の反力のために緩和されている。
【特許文献1】国際特許公開第00/28536号パンフレット
【特許文献2】特開2001−297463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した従来のヘッドジンバルアセンブリにあっては、比較的剛性の大きい光導波路(光ファイバ)を有し、その光導波路をサスペンションアームに直接固定していたため、スライダと光導波路との接続箇所からサスペンションアームと光導波路との接続箇所にかけて、光導波路が屈曲されて取り付けられている。そのため、スライダに光導波路の撓み力や張力がかかり、記録再生装置の動作時にスライダの動きを妨げ、スライダの動作姿勢(浮上時の状態)が不安定になるという問題があった。
【0012】
そこで本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、動作時に、ヘッドを安定浮上させることが可能な導光構造付きヘッドジンバルアセンブリおよび情報記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、一定方向に回転する磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸のまわりを回動可能に形成された回動部材と、該回動部材の先端部に、前記磁気記録媒体の表面と対向するように取り付けられたスライダと、前記磁気記録媒体を加熱するための光を前記スライダに導入するための光導波路と、を備えた導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいて、前記光導波路が、前記回動部材に設けられた凸部に支持されていることを特徴としている。
【0014】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、回動部材に設けられた凸部に光導波路を支持するため、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよび回動部材が姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0015】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記回動部材が、前記ピボット軸に回動可能に支持されたアーム部と、該アーム部の先端側に支持されるベースプレートと、該ベースプレートと連結されるとともに、前記ベースプレートの先端側に延出する延出部を有するヒンジプレートと、該ヒンジプレートの延出部と連結されるロードビームと、該ロードビームに連結されるフレクシャと、を有するサスペンションと、を備え、前記凸部が、前記サスペンションに設けられていることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、サスペンションに設けられた凸部に光導波路を支持するため、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。また、凸部をサスペンションに設けることによりスライダと凸部との距離を近接させることができる。したがって、スライダと凸部との間に配設される光導波路の長さを短くすることができるため、スライダに作用する光導波路からの力が小さくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記光導波路と前記フレクシャの表面とが平行になるように前記凸部の高さが設定されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、スライダと凸部との間に配設される光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0018】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記光導波路と前記凸部とが支持された位置の前記ピボット軸側において、前記光導波路と前記回動部材とが直接固定されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、スライダと凸部との間に配設される光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。また、光導波路と凸部とが支持固定された位置のピボット軸側において、光導波路と回動部材とを直接支持固定することにより、回動部材のトラッキングを安定させることができる。
【0019】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が、前記回動部材の表面に配された台座で構成されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、回動部材の表面に台座を設けるだけで、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダを安定して浮上させることができる。
【0020】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が、前記回動部材を加工して形成されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、回動部材の一部を加工して凸部を形成するだけで、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、部品点数を増やすことなく、簡易な構成で、スライダを安定して浮上させることができる。
【0021】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が、前記光導波路を長手方向に沿って移動可能に支持することを特徴としている。
さらに、前記凸部が、前記光導波路の長手方向に沿って形成された貫通孔を有し、前記光導波路が、前記貫通孔に挿通されていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、凸部に光導波路を長手方向に沿って移動可能に支持するため、スライダと凸部との間に配設された光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよび回動部材が姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。また、凸部に貫通孔を形成し、光導波路を貫通孔に挿通することにより、光導波路を確実に支持することができる。
【0022】
また、本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリは、前記凸部が複数備えられていることを特徴としている。
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいては、光導波路の敷設距離が長くなっても光導波路を確実に支持することができるとともに、スライダと凸部との間に配設される光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよびサスペンションが姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【0023】
そして、本発明に係る情報記録再生装置は、上述した導光構造付きヘッドジンバルアセンブリと、光導波路に対して光束を入射させる光源と、一定方向に回転する磁気記録媒体と、該磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、該ピボット軸のまわりを回動可能に形成されたアーム部と、該アーム部の基端側を支持すると共に、該アーム部を前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、前記スライダおよび前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る情報記録再生装置においては、動作時に光導波路からの力がスライダに作用しにくくなるため、スライダを安定して浮上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る導光構造付きヘッドジンバルアセンブリによれば、回動部材に設けられた凸部に光導波路を支持するため、スライダと光導波路との接続箇所から凸部と光導波路との接続箇所にかけて、光導波路を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダおよび回動部材が姿勢変動しても、光導波路からの力がスライダに作用しにくくなり、スライダを安定して浮上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第一実施形態)
(情報記録再生装置)
以下、本発明に係る第一実施形態を、図1〜図9を用いて説明する。図1は、本発明に係る情報記録再生装置1の概略構成図である。なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、垂直記録方式で書き込みを行う装置である。
【0026】
図1に示すように、情報記録再生装置1は、キャリッジ11と、キャリッジ11の基端側から光導波路32を介して光束を供給するレーザ光源20と、キャリッジ11の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)12と、ヘッドジンバルアセンブリ12をディスク面D1(ディスクDの表面)に平行なXY面内方向にスキャン移動させるアクチュエータ6と、ディスクDを回転軸Lを中心に回転させるスピンドルモータ7と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアセンブリ12のスライダ2に対して供給する制御部5と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
【0027】
ハウジング9は、アルミニウム等の金属材料からなる上部開口部を有する箱型形状のものであり、上面視四角形状の底部9aと、底部9aの周縁において底部9aに対して鉛直方向に立設する周壁(不図示)とで構成されている。そして、周壁に囲まれた内側には、上述した各構成品を収容する凹部が形成される。なお、図1においては、説明を分かりやすくするため、ハウジング9の周囲を取り囲む周壁を省略している。
【0028】
このハウジング9には、ハウジング9の開口を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。また、底部9aの平面視略中央部には、上記スピンドルモータ7が取り付けられており、該スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定されている。
【0029】
ディスクDの外側で、底部9aの一つの隅角部には、上述したアクチュエータ6が取り付けられている。このアクチュエータ6には、ピボット軸10を中心にXY面内方向で回動可能なキャリッジ11が取り付けられている。このキャリッジ11は、基端部から先端部に向けて(ディスクD方向に向けて)延設されたアーム部14と、アーム部14を基端部を介して片持ち状に支持する基部15とが、削り出し加工等により一体形成されたものである。基部15は、略直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10を中心に回動可能に支持されている。つまり、基部15はピボット軸10を介してアクチュエータ6に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ11の回転中心となっている。
【0030】
アーム部14は、基部15におけるアクチュエータ6が取り付けられた側面15aと反対側の側面(隅角部の反対側の側面)15bにおいて、基部15の上面の面方向(XY方向)と平行に延出する平板状のものであり、基部15の高さ方向(Z方向)に沿って略等間隔に3枚延出している。具体的には、アーム部14は、基端部から先端部に向かうにつれ先細るテーパ形状に形成されており、各アーム部14,14間に、ディスクDが挟み込まれるように配置される。つまり、アーム部14とディスクDとが、交互に配置されており、アクチュエータ6の駆動によってアーム部14がディスクDの表面に平行な方向(XY面内方向)に移動可能になっている。
【0031】
なお、本実施形態では、キャリッジ11とヘッドジンバルアセンブリ12とで回動部材13を構成している。この回動部材13は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ6の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。また、回動部材は、ヘッドジンバルアセンブリ12のみで構成されていてもよい。
【0032】
ヘッドジンバルアセンブリ12は、図示しない近接場光発生素子を有するスライダ2に、レーザ光源20からの光束を導いて近接場光(スポット光)を発生させ、該近接場光を利用してディスクDに各種情報を記録再生させるものである。なお、近接場光発生素子は、例えば、光学的微小開口や、ナノメートルサイズに形成された突起部等により構成されている。
【0033】
図2は、スライダ2を上向きにした状態でヘッドジンバルアセンブリ12をスライダ2側から見た斜視図である。図3は、スライダ2を上向きにした状態でジンバル17を見た平面図である。図4は、図3のE−E線に沿う断面図であり、スライダ2を上向きにした状態におけるサスペンション3先端の断面図である。
【0034】
図2に示すように、ヘッドジンバルアセンブリ12は、上記スライダ2をディスクDから浮上させるサスペンションとして機能するものであり、スライダ2と、金属性材料により薄い板状に形成され、ディスク面D1に平行なXY方向に移動可能なサスペンション3と、各レーザ光源20から出射された光束をスライダ2の集光レンズまで導く光導波路32と、を備えている。なお、サスペンション3は、スライダ2をディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態、即ち、2軸を中心として捻れることができるようにサスペンション3の下面に固定させるジンバル手段16を備えている。
【0035】
まず上記スライダ2は、ディスクDとサスペンション3との間に配置された状態で、サスペンション3の下面に後述するジンバル17を挟んで支持されている。スライダ2は、先端側に固定された再生素子(不図示)と、該再生素子に隣接して固定された記録素子(不図示)とを備えている。また、スライダ2は、記録素子を間に挟んで再生素子の反対側に、レーザ光源20から出射された光束を集光させる図示しない集光レンズ(光学系)と、該集光レンズによって集光された光束から近接場光を発生させる上記近接場光発生素子とを有している。つまり、スライダ2には、先端部に再生素子、記録素子、近接場光発生素子が並んだ状態で配置されている。
【0036】
また、スライダ2の下面は、ディスク面D1に対向する浮上面2aとなっている。この浮上面2aは、回転するディスクDによって生じた空気流の粘性から、浮上するための圧力を発生させる面であり、ABS(Air Bearing Surface)と呼ばれている。具体的には、スライダ2をディスク面D1から離そうとする正圧とスライダ2をディスク面D1に引き付けようとする負圧とを調整して、スライダ2を最適な状態で浮上させるように設計されている。
【0037】
スライダ2は、この浮上面2aによってディスク面D1から浮上する力を受けているとともに、サスペンション3によってディスクD側に押さえ付けられる力を受けている。そしてスライダ2は、この両者の力のバランスによって、ディスク面D1から浮上するようになっている。
【0038】
サスペンション3は、平面視略四角状に形成されたベースプレート22と、ベースプレート22の裏面(下面)に取り付けられるとともに、先端部がベースプレート22から延出するように形成されたヒンジプレート23と、ヒンジプレート23の延出部に連結された平面視略三角状のロードビーム24と、で構成されている。
【0039】
ベースプレート22は、ステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、基端側には厚さ方向に貫通する開口22aが形成されている。そして、この開口22aを介してベースプレート22がアーム部14の先端に固定されるようになっている。ベースプレート22の下面には、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のヒンジプレート23が配置されている。このヒンジプレート23は、ベースプレート22の下面の全面に亘って形成された平板状のものであり、その先端部分はベースプレート22の先端からベースプレート22の長手方向に沿って延出する延出部23aが形成されている。延出部23aは、ヒンジプレート23の幅方向両端部から2本延出しており、その先端部分には幅方向内側、つまり互いの延出部23aに向かう方向に幅が拡大する拡大部23bが形成されている。この拡大部23bの上面には、ロードビーム24が連結されている。
【0040】
ロードビーム24は、ベースプレート22と同様にステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、その基端がベースプレート22の先端との間に間隙を有した状態でヒンジプレート23に連結されている。これにより、ヒンジプレート23はベースプレート22とロードビーム24との間で屈曲して、ディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓み易くなっている。つまり、ヒンジプレート23の延出部23aが湾曲するように構成されている。
【0041】
また、ロードビーム24の先端側には、フレクシャ25が設けられている。フレクシャ25は、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のものであり、シート状に形成されることで厚さ方向に撓み変形可能に構成されている。フレクシャ25は、ロードビーム24の先端側に固定され、外形が上面視略六角形状に形成されたジンバル17を有している。
【0042】
図3、図4に示すように、ジンバル17は、中間付近から先端にかけてディスク面D1に向けて厚さ方向に僅かながら反るように形成されている。そして、この反りが加わった先端側がロードビーム24に接触しないように、基端側から略中間付近にかけてロードビーム24に固定されている。
【0043】
また、この浮いた状態のジンバル17の先端側には、周囲がコ形状に刳り貫かれた切欠部26が形成されており、この切欠部26に囲まれた部分には連結部17aによって片持ち状に支持されたパッド部(舌片部)17bが形成されている。つまり、このパッド部17bは、連結部17aによってジンバル17の先端側から基端側に向けて張出し形成されており、その周囲に切欠部26を備えている。これにより、パッド部17bはジンバル17の厚さ方向に撓みやすくなっており、このパッド部17bのみがサスペンション3の下面と平行になるように角度調整されている。そして、このパッド部17bに上記スライダ2が載置固定されている。つまり、スライダ2は、パッド部17bを介してロードビーム24にぶら下がった状態となっている。
【0044】
また、ロードビーム24の先端には、パッド部17bおよびスライダ2の略中心に向かって突出する突起部19が形成されている。この突起部19の先端は、丸みを帯びた状態となっている。そして突起部19は、スライダ2がディスクDから受ける風圧によりロードビーム24側に浮上したときに、パッド部17bの表面(上面)に点接触するようになっている。この浮上する力は、突起部19からロードビーム24に伝わって、該ロードビーム24を撓ませるように作用する。また、ディスクDのうねり等により、スライダ2にXY方向に向かう風圧が加わったときに、スライダ2およびパッド部17bは、突起部19を中心としてX軸およびY軸の2軸回りに捩じれるようになっている。これにより、ディスクDのうねりによるZ方向の変位(ディスク面D1に略直交する方向への変位)を吸収することができ、スライダ2の姿勢が安定するようになっている。なお、これら突起部19とパッド部17bを有するジンバル17とが、ジンバル手段16を構成している。
【0045】
図5は、キャリッジ11の基部15の側面図である。
図1,5に示すように、キャリッジ11の基部15における側面15cには、ターミナル基板30が配置されている。このターミナル基板30は、ハウジング9に設けられた制御部5とスライダ2とを電気的に接続する際の中継点となるものであり、その表面には、各種制御回路(不図示)が形成されている。制御部5とターミナル基板30とは可撓性を有するフラットケーブル4により電気的に接続されている一方、ターミナル基板30とスライダ2とは、電気配線(不図示)により接続されている。電気配線は、キャリッジ11毎に設けられたスライダ2の数に対応して設けられており、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号が、電気配線を介してスライダ2に出力されるようになっている。
【0046】
また、ターミナル基板30には、スライダ2の集光レンズに向けて光束を供給する上記レーザ光源20が配置されている。レーザ光源20は、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号を受信し、この信号に基づいて光束を出射するものであり、各アーム部14に設けられたスライダ2の数に対応して基部15の高さ方向(Z方向)に沿って略等間隔に3個配列されている。各レーザ光源20の出射側には、各レーザ光源20から出射された光束をスライダ2の集光レンズまで導く光導波路32が接続されている。
【0047】
ここで、光導波路32としては、コアとクラッドを有する光ファイバなどが用いられる。光導波路32として使用される材料の一例を記載すると、例えば、石英(SiO2)でコアを形成し、フッ素をドープした石英でクラッドを形成する組み合わせが考えられる。この場合には、光束の波長が400nmのときに、コアの屈折率が1.47となり、クラッドの屈折率が1.47未満となるため好ましい。また、ゲルマニウムをドープした石英でコアを形成し、石英でクラッドを形成する組み合わせも考えられる。この場合には、光束の波長が400nmのときに、コアの屈折率が1.47より大きくなり、クラッドの屈折率が1.47となるため、好ましい。特に、コアとクラッドとの屈折率差が大きいほど、コア内に光束を閉じ込める力が大きくなるため、コアに酸化タンタル(Ta2O5:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、クラッドに石英などを用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域の光束を利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4.0)でコアを形成することも有効である。
【0048】
図2に戻り、光導波路32は、スライダ2に接続されている。ここで、レーザ光源20とスライダ2との間のフレクシャ25の下面に台座50が設けられており、台座50において光導波路32が支持固定されている。なお、台座50は例えば樹脂製のブロック体で形成されており、フレクシャ25に接着剤などにより固定されている。
【0049】
また、台座50の高さH1(図4参照)は、スライダ2と台座50との間に配設される光導波路32とフレクシャ25の表面とが略平行になる高さに設定されている。このように構成することにより、ヘッドジンバルアセンブリ12(情報記録再生装置1)の動作時に光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0050】
さらに、光導波路32は、台座50に支持固定された位置のピボット軸10側において、フレクシャ25の表面に直接支持固定されている。このように構成することにより、回動部材13(ヘッドジンバルアセンブリ12)のトラッキング性能を安定させることができる。
【0051】
(ヘッドジンバルアセンブリの組立方法)
次に、ヘッドジンバルアセンブリ12の組立方法について説明する。
まず、ロードビーム24にスライダ2を取り付け、ロードビーム24とベースプレート22とを、ヒンジプレート23を介して連結する。
次に、フレクシャ25に台座50を接着剤などにより固定する。
そして、光導波路32をスライダ2に接続した後、光導波路32とフレクシャ25の表面とが略平行になるように架設した状態で光導波路32を台座50に接着剤などにより支持固定する。
その後、台座50よりピボット軸10側において、光導波路32をフレクシャ25の表面に接着剤などにより直接支持固定した後、光導波路32の他端をレーザ光源20に接続することによりヘッドジンバルアセンブリ12の組立が完了する。
【0052】
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する手順について以下に説明する。
まず、スピンドルモータ7を駆動させてディスクDを所定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ6を作動させて、ピボット軸10を回転中心としてキャリッジ11を回動させ、キャリッジ11を介してヘッドジンバルアセンブリ12をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置にスライダ2を位置させることができる。
【0053】
ここで、キャリッジ11の基部15が、ピボット軸10まわりを回動可能に構成されているため、アーム部14は、ピボット軸10を回転中心としてディスク面D1に平行な方向に移動する。この時、基部15のターミナル基板30上にレーザ光源20を設けることで、スライダ2にレーザ光源20を搭載した場合に比べて、スライダ2の移動時においてキャリッジ11に作用するモーメントが小さい。したがって、トラッキングの精度を維持することができる。また、ターミナル基板30は、制御部5とスライダ2とを電気的に接続する際の中継点となるものであり、電気配線はターミナル基板30を基点としてスライダ2に引き回される。
【0054】
次いで、レーザ光源20から光束を光導波路32に入射させて、光束をスライダ2に導く。スライダ2の集光レンズに光束を供給するレーザ光源20が、スライダ2の基部15におけるターミナル基板30上に設けられている。この場合、レーザ光源20から出射された光束は、光導波路32からスライダ2に向かって伝播される。この時、光導波路32の内部を伝播される光束は、スライダ2内で集光レンズによって集光され、スポットサイズが徐々に絞り込まれる。これにより、近接場光発生素子の周囲には、近接場光が滲み出るように発生する。
【0055】
そして、近接場光が入射されたディスクDは、この近接場光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。一方、制御部5によってスライダ2の記録素子に電流が供給されると、電磁石の原理によりディスクDに対して垂直方向の記録磁界を発生させることができる。その結果、近接場光と記録素子で発生した記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。
【0056】
これに対して、ディスクDに記録された情報を再生する場合には、記録素子に隣接して固定されている再生素子が、ディスクDから漏れ出ている磁界を受けて、その大きさに応じて電気抵抗が変化する。よって、再生素子の電圧が変化する。これにより制御部5は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することができる。そして制御部5は、この電圧の変化から信号の再生を行うことで、情報の再生を行うことができる。
このように、スライダ2を利用してディスクDに対して各種の情報を記録再生することができる。
【0057】
ここで、スライダ2は、サスペンション3によって支持されているとともに、所定の力でディスクD側に押さえ付けられている。また、これと同時にスライダ2は、浮上面2aがディスクDに対向しているので、回転するディスクDによって生じる風圧の影響を受けて浮上する力を受けている。この両者の力のバランスによって、スライダ2はディスクD上から離間した位置に浮遊している状態となっている。
【0058】
この際スライダ2は、風圧を受けてサスペンション3側に押されるため、スライダ2を固定するジンバル17のパッド部17bとサスペンション3に形成された突起部19とが、点接触した状態となる。そして、この浮上する力は、突起部19を介してサスペンション3に伝わり、該サスペンション3をディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓ませるように作用する。これにより、上述したようにスライダ2は浮上する。なお、サスペンション3には、ベースプレート22とロードビーム24とがヒンジプレート23を介して連結されているため、ベースプレート22とロードビーム24との間で撓み易くなっている。
【0059】
またスライダ2は、ディスクDのうねりに起因して発生する風圧(XY方向に向かう風圧)を受けたとしても、ジンバル手段16、即ち、突起部19の先端に点接触したパッド部17bを介してXY軸回りに捩じれるようになっている。そのため、うねりによるZ方向への変位を吸収することができ、浮上している際のスライダ2の姿勢を安定にすることができる。
【0060】
ここで、本実施形態においては、情報記録再生装置1の動作時に、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなるように構成した。具体的には、フレクシャ25の表面に台座50を設け、その台座50に光導波路32を固定した。また、スライダ2と台座50との間に配設される光導波路32が、フレクシャ25の表面と平行になるように台座50の高さH1を設定した。さらに、台座50よりピボット軸10側において、光導波路32をフレクシャ25の表面に接着剤などにより直接支持固定した。
【0061】
本実施形態によれば、フレクシャ25に設けられた台座50に光導波路32を支持固定したため、スライダ2と光導波路32との接続箇所から台座50と光導波路32との接続箇所にかけて、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。また、台座50をフレクシャ25に設けることによりスライダ2と台座50との距離を近接させることができる。したがって、スライダ2と台座50との間に配設される光導波路32の長さを短くすることができるため、スライダ2に作用する光導波路32からの力が小さくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0062】
また、光導波路32とフレクシャ25の表面とが平行になるように台座50の高さH1を設定したため、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0063】
また、光導波路32と台座50とが支持固定された位置のピボット軸10側において、光導波路32とフレクシャ25の表面とを直接支持固定したため、回動部材13のトラッキングを安定させることができる。
【0064】
さらに、フレクシャ25の表面に台座50を設けるだけで、スライダ2と光導波路32との接続箇所から台座50と光導波路32との接続箇所にかけて、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0065】
なお、本実施形態では、図6に示すように、光導波路32と台座50とが支持固定された位置のピボット軸10側において、光導波路32とフレクシャ25の表面とを直接支持固定しなくてもよい。
また、本実施形態では、図7、図8に示すように、台座50をロードビーム24の表面やヒンジプレート23の表面に設けてもよい。
さらに、図9に示すように、台座51はフレクシャ25を凸状に加工して形成してもよい。このように構成すれば、フレクシャ25の一部を加工するだけで台座51が形成されるため、部品点数を増やすことなく、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0066】
また、光導波路32として半導体プロセスにて製造されたものを用いてもよい。ここで、クラッドおよびコアとして使用される材料の組み合わせの一例を記載すると、例えばPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)により、厚さが3〜10μmでコアを形成し、フッ素含有重合体により、厚さが数十μmでクラッドを形成する組み合わせが考えられる。また、コアおよびクラッドをともにエポキシ樹脂(例えば、コア屈折率1.522〜1.523、クラッド屈折率1.518〜1.519)で構成したり、フッ素化ポリイミドで構成したりすることも可能である。また、コアとクラッドとの屈折率差が大きいほど、コア内に光束を閉じ込める力が大きくなるので、コアとクラッドとを構成する樹脂材料の配合等を調整して、両者の屈折率差を大きくすることが好ましい。例えば、フッ素化ポリイミドの場合、フッ素含有量を調整したり、放射光等のエネルギー照射によって、屈折率を制御することができる。
【0067】
(第二実施形態)
次に、本発明に係る第二実施形態を、図10、図11を用いて説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態と光導波路の支持方法が異なるだけであり、その他の構成については略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10、図11に示すように、光導波路32は、該光導波路32を長手方向に沿って移動可能に支持する支持部材55によって支持されている。支持部材55は複数(本実施形態では5箇所)設けられ、ヒンジプレート23、ロードビーム24およびフレクシャ25にそれぞれ接着剤などにより支持固定されている。
【0068】
ここで、フレクシャ25に取り付けられる支持部材55は、台座52上に配されている。なお、台座52は例えば樹脂製のブロック体で形成されており、フレクシャ25に接着剤などにより固定されている。また、台座52と支持部材55を樹脂や金属で一体形成してもよい。
【0069】
また、台座52の高さH2は、スライダ2と台座52との間に配設される光導波路32とフレクシャ25の表面とが平行になる高さに設定されている。このように構成することにより、ヘッドジンバルアセンブリ12(情報記録再生装置1)の動作時に光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0070】
さらに、光導波路32は、台座52に支持固定された位置のピボット軸10側において、ロードビーム24およびヒンジプレート23の表面に支持部材55を介して支持固定されている。このように構成することにより、回動部材13(ヘッドジンバルアセンブリ12)のトラッキング性能を安定させることができる。
【0071】
本実施形態によれば、フレクシャ25に設けられた台座52に光導波路32を長手方向に沿って移動可能に支持する支持部材55を取り付けるため、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。また、光導波路32が長手方向に移動できるように支持部材55を介してサスペンション3に支持している。したがって、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0072】
また、光導波路32とフレクシャ25の表面とが平行になるように台座52の高さH2を設定したため、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路32からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0073】
また、台座52が支持固定された位置のピボット軸10側において、支持部材55とロードビーム24およびヒンジプレート23の表面とを直接支持固定したため、回動部材13のトラッキングを安定させることができる。
【0074】
さらに、フレクシャ25の表面に台座52を設けるだけで、スライダ2と光導波路32との接続箇所から台座52と光導波路32との接続箇所にかけて、光導波路32を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0075】
(第三実施形態)
次に、本発明に係る第三実施形態を、図12〜図14を用いて説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態とフレクシャの構成および光導波路の支持方法が異なるだけであり、その他の構成については略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0076】
図12、図13に示すように、フレクシャ125には、基部15に向かって延設された支持体101が形成されている。つまり、支持体101は、ジンバル17に一体形成されたシート状のものであり、サスペンション3に沿って基部15に向かって延設されている。また、支持体101は、サスペンション3が変形した際に、サスペンション3の変形に追従するように構成されている。支持体101は、アーム部14上から側面に回りこんで、アーム部14の基部15に至るまで引き回されている。さらに、支持体101は、ベースプレート22の開口22a上を通過しないように一部屈曲しながら基部15方向へ延設されている。そして、支持体101には光導波路と電気配線とが一体になった複合配線103が支持されている。
【0077】
複合配線103は、フレクシャ125上において光導波路132と電気配線131とに分岐し、それぞれがスライダ2に接続されている。ここで、光導波路132は複合配線103からそのまま長手方向に延設されてスライダ2に接続されている。一方、電気配線131は、複合配線103から斜め方向に延設され、ジンバル17の周縁部に沿って配され、連結部17aの方向からスライダ2に接続されている。
【0078】
ここで、レーザ光源20とスライダ2との間のフレクシャ125の下面に台座53が設けられており、台座53において複合配線103から分岐した光導波路132が支持固定されている。なお、台座53は例えば樹脂製のブロック体で形成されており、フレクシャ125に接着剤などにより固定されている。
【0079】
また、図14に示すように、台座53の高さH3は、スライダ2と台座53との間に配設される光導波路132とフレクシャ125の表面とが平行になる高さに設定されている。このように構成することにより、ヘッドジンバルアセンブリ12(情報記録再生装置1)の動作時に光導波路132からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0080】
さらに、台座53に支持固定された位置のピボット軸10側において、複合配線103はフレクシャ125の表面に直接支持固定されている。このように構成することにより、回動部材13(ヘッドジンバルアセンブリ12)のトラッキング性能を安定させることができる。なお、台座53は、複合配線103とフレクシャ125との間に設けてもよい。
【0081】
本実施形態によれば、フレクシャ125に設けられた台座53に光導波路132を支持固定したため、スライダ2と光導波路132との接続箇所から台座53と光導波路132との接続箇所にかけて、光導波路132を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路132からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。また、台座53をフレクシャ125に設けることによりスライダ2と台座53との距離を近接させることができる。したがって、スライダ2と台座53との間に配設される光導波路132の長さを短くすることができるため、スライダ2に作用する光導波路132からの力が小さくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0082】
また、光導波路132とフレクシャ125の表面とが平行になるように台座53の高さH3を設定したため、浮上時(動作時)にスライダ2およびサスペンション3が姿勢変動しても、光導波路132からの力がスライダ2に作用しにくくなり、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0083】
また、光導波路132と台座53とが支持固定された位置のピボット軸10側において、複合配線103とフレクシャ125の表面とを直接支持固定したため、回動部材13のトラッキングを安定させることができる。
【0084】
さらに、フレクシャ125の表面に台座53を設けるだけで、スライダ2と光導波路132との接続箇所から台座53と光導波路132との接続箇所にかけて、光導波路132を屈曲させることなく略直線的に配設することができる。したがって、簡易な構成で、スライダ2を安定して浮上させることができる。
【0085】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成や形状等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、アーム部の片面側のみにヘッドジンバルアセンブリが設けられている構成について説明したが、各ディスク間に差し入れられるアーム部の両面に、各ディスクに対向するようにそれぞれヘッドジンバルアセンブリを設けるような構成も可能である。この場合、アーム部の両面側に設けられたヘッドジンバルアセンブリの各スライダにより、各スライダに対向するディスク面の情報の記録再生を行うことができる。つまり、1つのアーム部により2枚のディスクの情報を記録再生することができるため、情報記録再生装置の記録容量の増加および装置の小型化を図ることができる。
【0086】
また、上述の実施形態では、スライダを浮上させた空気浮上タイプの情報記録再生装置を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、ディスク面に対向配置されていればディスクとスライダとが接触していても構わない。つまり、本発明のスライダは、コンタクトスライダタイプのスライダであっても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本実施形態では近接場光を利用した情報記録再生装置の場合で説明したが、スポット光を利用した情報記録再生装置に採用してもよい。
そして、本実施形態では、光導波路をサスペンションに取り付けた台座により支持した場合の説明をしたが、アーム部に台座を取り付け、該台座により光導波路を支持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態における情報記録再生装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの斜視図(裏面)である。
【図3】本発明の第一実施形態におけるジンバルの平面図である。
【図4】図3のE−E線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施形態における基部の側面図である。
【図6】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの別の態様を示す断面図(図3のE−E線に相当)である。
【図7】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの別の態様を示す斜視図(裏面)である。
【図8】本発明の第一実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリのさらに別の態様を示す斜視図(裏面)である。
【図9】本発明の実施形態における台座の別の態様を示す断面図(図3のE−E線に相当)である。
【図10】本発明の第二実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの斜視図(裏面)である。
【図11】本発明の第二実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの断面図(図3のE−E線に相当)である。
【図12】本発明の第三実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの斜視図(裏面)である。
【図13】本発明の第三実施形態におけるジンバルの平面図である。
【図14】図13のF−F線に沿う断面図である。
【図15】従来のヘッドジンバルアセンブリの概略構成図である。
【符号の説明】
【0088】
1…情報記録再生装置 2…スライダ 3…サスペンション 5…制御部 6…アクチュエータ 7…スピンドルモータ(回転駆動部) 10…ピボット軸 12…ヘッドジンバルアセンブリ 13…回動部材 14…アーム部 20…レーザ光源(光源) 22…ベースプレート 23…ヒンジプレート 23a…延出部 24…ロードビーム 25,125…フレクシャ 32,132…光導波路 50,51,52,53…台座(凸部) 55…支持部材 D…磁気記録媒体 D1…ディスク面(表面)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に回転する磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸のまわりを回動可能に形成された回動部材と、
該回動部材の先端部に、前記磁気記録媒体の表面と対向するように取り付けられたスライダと、
前記磁気記録媒体を加熱するための光を前記スライダに導入するための光導波路と、を備えた導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいて、
前記光導波路が、前記回動部材に設けられた凸部に支持されていることを特徴とする導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記回動部材が、
前記ピボット軸に回動可能に支持されたアーム部と、
該アーム部の先端側に支持されるベースプレートと、該ベースプレートと連結されるとともに、前記ベースプレートの先端側に延出する延出部を有するヒンジプレートと、該ヒンジプレートの延出部と連結されるロードビームと、該ロードビームに連結されるフレクシャと、を有するサスペンションと、を備え、
前記凸部が、前記サスペンションに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項3】
前記光導波路と前記フレクシャの表面とが平行になるように前記凸部の高さが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項4】
前記光導波路と前記凸部とが支持された位置の前記ピボット軸側において、前記光導波路と前記回動部材とが直接固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項5】
前記凸部が、前記回動部材の表面に配された台座で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項6】
前記凸部が、前記回動部材を加工して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項7】
前記凸部が、前記光導波路を長手方向に沿って移動可能に支持することを特徴とする請求項1に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項8】
前記凸部が、前記光導波路の長手方向に沿って形成された貫通孔を有し、
前記光導波路が、前記貫通孔に挿通されていることを特徴とする請求項7に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項9】
前記凸部が複数備えられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項10】
前記1〜9のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリと、
光導波路に対して光束を入射させる光源と、
一定方向に回転する磁気記録媒体と、
該磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、
該ピボット軸のまわりを回動可能に形成されたアーム部と、
該アーム部の基端側を支持すると共に、該アーム部を前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、
前記スライダおよび前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項1】
一定方向に回転する磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸のまわりを回動可能に形成された回動部材と、
該回動部材の先端部に、前記磁気記録媒体の表面と対向するように取り付けられたスライダと、
前記磁気記録媒体を加熱するための光を前記スライダに導入するための光導波路と、を備えた導光構造付きヘッドジンバルアセンブリにおいて、
前記光導波路が、前記回動部材に設けられた凸部に支持されていることを特徴とする導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記回動部材が、
前記ピボット軸に回動可能に支持されたアーム部と、
該アーム部の先端側に支持されるベースプレートと、該ベースプレートと連結されるとともに、前記ベースプレートの先端側に延出する延出部を有するヒンジプレートと、該ヒンジプレートの延出部と連結されるロードビームと、該ロードビームに連結されるフレクシャと、を有するサスペンションと、を備え、
前記凸部が、前記サスペンションに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項3】
前記光導波路と前記フレクシャの表面とが平行になるように前記凸部の高さが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項4】
前記光導波路と前記凸部とが支持された位置の前記ピボット軸側において、前記光導波路と前記回動部材とが直接固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項5】
前記凸部が、前記回動部材の表面に配された台座で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項6】
前記凸部が、前記回動部材を加工して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項7】
前記凸部が、前記光導波路を長手方向に沿って移動可能に支持することを特徴とする請求項1に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項8】
前記凸部が、前記光導波路の長手方向に沿って形成された貫通孔を有し、
前記光導波路が、前記貫通孔に挿通されていることを特徴とする請求項7に記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項9】
前記凸部が複数備えられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項10】
前記1〜9のいずれかに記載の導光構造付きヘッドジンバルアセンブリと、
光導波路に対して光束を入射させる光源と、
一定方向に回転する磁気記録媒体と、
該磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、
該ピボット軸のまわりを回動可能に形成されたアーム部と、
該アーム部の基端側を支持すると共に、該アーム部を前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、
前記スライダおよび前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−86624(P2010−86624A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256271(P2008−256271)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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