説明

導波路コネクタ機能を有する表面実装型アンテナ装置のためのアダプタ、及び上記アンテナ装置を有する配置

【課題】ミリ波平面回路に直接接続されうる単純なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】平面アンテナ装置100は、好ましくは、ミリ波アプリケーションのための共通基板30に一体化されるのを目的としている。上記アンテナ装置100は、少なくとも部分的に金属化されている側壁12及びモード変換要素のフィードポイントのための側面口14を有する反射フレーム10を備える。上記モード変換要素は、上記反射フレーム10によって設けられる支持構造に取り付けられる。上記フィードポイントによって、モード変換要素は他の部品に接続されうる。上記アンテナ装置100の上側の水平口11に接続できるように設計される下側部分を有するアダプタは、様々なテスト及び調整装置に対応するように用いられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ、上記アンテナに基づく通信システム、上記アンテナに関連した使用のためのアダプタ、及び対応する配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマイクロ波及びミリ波無線アプリケーションは、共通の高周波基板又は回路基板上に個々に組み立てられた個別の受動及び能動部品から通常なっていて、結果として低い集積化のレベルを招く。
【0003】
特にミリ波周波数での、そのような無線アプリケーションの性能は、個別の部品間の許容できる連続的なインターフェース又は遷移部の数によって、通常は制限されている。それは、上述の共通の基板の品質および所定の反射係数を再現する相互接続技術の機能である。
【0004】
通信システム及びアプリケーションの全費用を大幅に下げる取り組みにおいて、高利得アンテナ、フィルタ、及びフロントエンドモジュールのような低価格の主要な部品が開発中である。
【0005】
より大量の市場への浸透のための主要な要件は、全般的なコストの大幅な減少である。典型的なコスト推進要因は、アンテナそれ自体である。
【0006】
現代的で、アンテナベースの無線通信システムの以下の主な特徴は、非常に望ましい。
−例えば、屋内や、2点間の屋外等の異なる適用状況におけるユニットの使用を許容するモジュール式で再現性のあるビルドアップなど。
−明確であり、再生産可能であって、遮蔽された信号導管を生み出すことによって、リンクテストに依存する伝搬の曖昧さを避けて、上記アンテナまで、かつ上記アンテナを含んで、完全に組み立てられたシステムのフルにテスト可能な送受信両側を供給できることである。
【0007】
適切な集積化の方法論を適用する新しいアプローチは、上述した想定される無線システムの良好な低コスト及び高機能の実現のための主要な要因であると信じられている。それは、最小マイクロ波技術を有するミリ波ユニットが用いられ、実質的に単純化された組立品を可能にする。理想的には、高価な高周波の共通基板担体が完全に排除されうる。また、可変パッケージ及び基板レベルの電波環境に対してほとんど反応を示さず、異なる製造及び組立設置に容易に転換可能な、アンテナと一体化された導波路遷移部との両方の設計を供給すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主な目的は、平面の(例えばミリ波の)回路に直接接続されうる単純なアンテナ装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、追加の導波路ベースの(例えばミリ波の)能動及び受動の部品に対する、信頼できて、再現性のあるインターフェースを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、平面の(例えばミリ波の)回路に対する、再現可能で、低損失で、完全に遮蔽されたテスト及び計測のインターフェースを提供することである。
【0011】
本発明は、高度に一体化された無線への適用のための、低コストの中間利得(5〜10dBi)モジュール式の表面実装型アンテナと、テスト及び調整状況において用いられる適切なアダプタとの構成へ向けられている。
【0012】
上記独創的な表面実装型アンテナは2つの主な機能を有している。第1の機能は、電磁エネルギーを自由空間中へ(外へ)放出する及び/又は受信するための通常のアンテナ機能である。第2の機能は、上記アンテナが平面回路−導波路遷移部の第1の部品を構成する、アダプタ機能である。したがって、上記アンテナはまた、いわゆるコネクタベース又はメス型アダプタ部品である。平面回路−導波路遷移部の第2の部品として、コネクタプラグ又はオス型アダプタ部品が用いられている。それは上記アンテナに繰り返し取り付けられうる。その結果、低損失で、広帯域かつ再現性のある平面回路−導波路遷移部を生み出す。
【0013】
ここで示されている上記アンテナは、一体化された導波路コネクタ機能を有する表面実装型の、準平面のアンテナである。
【0014】
本発明によると、上記独創的なアンテナの主な要素は、反射フレームと、能動(平面)回路への、少なくともわずかに曲げられる片持ち梁のインターフェースを有する放射要素とを備えている。上記ミリ波導波路アンテナ自体は、上記放射要素と2つの空洞、すなわち、背側の反射空洞及び開口空洞によって形成されている。上記放射要素は、上記反射フレームの内側に取り付けられて、これら2つの空洞の間の共通のインターフェースを提供している。全てのアンテナは、共通基板に配置されている導電面の表面に取り付けられており、基本的に電磁的に遮蔽された容量としての背側の反射空洞を生じさせている。
【0015】
上記独創的なアンテナ装置は、平面回路−導波路遷移部の第1の部品を構成し、次の主な特徴を有している。すなわち、
−「Z軸」寸法が「X軸」及び「Y軸」寸法よりもはるかに小さい準平面形状を有する。
−平面の能動回路(送受信)チップへの、可撓性の機械的及び電気的インターフェースを与える。
−上記放射要素のためにフレキシブルな高周波基板を用いてもよい。
−「導波路準備」、すなわち、上記アダプタ/コネクタの機能性をサポートする/受け入れるために設計される。
−アダプタへの機械的及び電磁的インターフェースを与える。
【0016】
上記独創的なアダプタは、平面回路−導波路遷移部の第2の部品を構成し、次の主な特徴を有する。すなわち、
−上記他の開口空洞の内側に、より高次のモード抑制を与えるように設計される。
−近接場の放射要素の修正をなす。
−上記平面回路−導波路遷移部のインピーダンス変換の役に立つ。
−上記アンテナ装置への機械的及び電磁的インターフェースを与える。
−導波路、又は、例えばアンテナやテスト及び計測装置といった導波路を有する他の部品への機械的及び電磁的インターフェースを与える。
【0017】
上記アダプタが上記アンテナ装置に接続される場合、平面回路と導波路との間の完全に遮蔽されたインターフェースを有する配置、又はアンテナが設けられる。
【0018】
ここに示されている上記アンテナ装置及び上記アダプタは、好ましくは、ミリ波の適用及び通信システムに使用されるように設計される。本発明は、モジュール式の費用効果の高い設計の採用によって、大幅なコスト削減を成し遂げる。
【0019】
除外されない他の周波数帯で動作して、特別に影響力のある1つの周波数帯は、世界的なライセンスが免除されている範囲である57〜66ギガヘルツ(上記対応する標準化された導波路帯はV−バンド(V−band)、50〜75ギガヘルツ)。他の商業的に影響力のある周波数帯は、71〜76ギガヘルツと81〜86ギガヘルツとの範囲の組み合わせである(上記対応する標準化された導波路帯はE−バンド(E−band)、60〜90ギガヘルツ)。上記第1の場合、上記アンテナ装置は、好ましくは、良好な調整特性及び放射効率を有する57〜66ギガヘルツをカバーすべきである一方、完全な平面回路−導波路遷移部の機能において、全てのV−バンド範囲であるのが望ましい。第2の場合、上記アンテナ装置は、好ましくは上記71〜86ギガヘルツの範囲をカバーするべきである一方、上記平面回路−導波路遷移部の機能において、全てのE−バンド範囲であるのが望ましい。
【0020】
本発明はまた、十分なテスト環境を与える、又は、上記アンテナ装置を、導波路インターフェースを有する適切な他の部品に接続するために用いられうる、上記アンテナ装置の反射フレームの表面に取り付けるように設計される上記アダプタにも取り組んでいる。
【0021】
ここで示されている上記アンテナは、低コスト、大量生産、及び組立技術を両立できるという有利な点を有する。他の有利な点は、準平面アンテナの小さな形状因子と、それがチップスケールサイズを有するという事実である。
【0022】
実際の実施に依存して、上記アンテナ装置は、毎秒ギガビットの無線データ通信のための十分に大きい入力インピーダンス帯域幅(相対的な帯域幅が20%より大きい)をサポートすることができる。
【0023】
他の有利な点、すなわち、周波数に関する平坦な利得応答及び高い放射効率(通常80%より大きい)が得られている。上記アンテナ装置は、さらに、中間利得(5〜10dBi)を有していてもよく、近い範囲の2点間通信の適用には十分である。
【0024】
上述の、及び本発明の他の目的や有利な点は、次の詳細な説明から現れるだろう。詳細な説明において、参照記号は、添付図面に付されていて、図面の一部を形成する。図面において、例として、本発明の好ましい実施形態が示されている。そのような実施形態は、必ずしも本発明の全範囲を示す必要はないが、参照記号は、本発明の範囲を説明するために、ここでは請求項に付されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】本発明に従う、アンテナ装置の略ブロック図である。
【図1B】本発明に従う、能動装置及びアンテナ装置を有する第1の通信システムの略ブロック図である。
【図1C】本発明に従う、能動装置、アンテナ装置及びアダプタを有する第2の通信システムの略ブロック図である。
【図1D】本発明に従う、能動装置、アンテナ装置、アダプタ及び導波路要素を有する第3の通信システムの略ブロック図である。
【図1E】本発明に従う、能動装置、アンテナ装置、アダプタ及びアンテナを有する第4の通信システムの略ブロック図である。
【図2A】本発明に従う、第1の平面アンテナ装置の上面斜視図である。
【図2B】本発明に従う、第1の平面アンテナ装置の底面斜視図である。
【図2C】本発明に従う、共通基板に取り付けられている第1の平面アンテナ装置の側面図である。
【図2D】本発明に従う、第1の平面アンテナ装置に取り付けられるべき放射要素の斜視図である。
【図2E】上記放射要素のある程度の詳細を示す第1の平面アンテナ装置の上面図である。
【図2F】本発明の第1の平面アンテナ装置における反射フレームの半透明の斜視図である。
【図3】平面アンテナ装置と、フィードポイント部によって接続されているいくつかの電子部品とを備え、共通基板に取り付けられている第1の通信システムの斜視図である。
【図4】本発明に従う、平面アンテナ装置及びアダプタを備える第2の通信システム又は配置の半透明の斜視図である。
【図5A】本発明に従う、嵌め合い要素がはっきり見える平面アンテナ装置の表面に取り付けられているアダプタの上面図である。
【図5B】本発明に従う、機械的接点と電気的接点との両方を提供する、嵌め合い要素を示す平面アンテナ装置の表面に取り付けられている図5Aのアダプタの半透明の側面図である。
【図6A】ポートとしての平面アンテナ装置を有する第1の較正用標準器の略ブロック図である。
【図6B】ポートとしての平面アンテナ装置を有する第2の較正用標準器の略ブロック図である。
【図6C】ポートとしての平面アンテナ装置を有する第3の較正用標準器の略ブロック図である。
【図7A】本発明に従う、第2実施形態のもう一つの平面アンテナ装置の上面斜視図である。
【図7B】本発明の第2実施形態の底面斜視図である。
【図7C】本発明に従う、共通基板に取り付けられている第2実施形態の側面図である。
【図7D】本発明の第2実施形態の半透明の上面図である。
【図7E】本発明の第2実施形態に従う、放射要素の斜視図である。
【図7F】本発明の第2実施形態の上面図である。
【図8】本発明に従う、平面アンテナ及びアダプタを備えるもう一つの配置の斜視図である。
【図9A】本発明に従う、アンテナ装置に取り付けられているアダプタの側面図である。
【図9B】本発明に従う、図9Aの上記アダプタ及びアンテナ装置の断面図である。
【図9C】本発明に従う、図9Aの上記アダプタの断面図である。
【図9D】本発明の第3実施形態に従う、通信システムの斜視図である。
【図10】本発明の第4実施形態に従う、通信システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[用語]
次の複数の段落は、本発明の議論を容易にするために明細書及びクレームの全体にわたって用いられているいくつかの用語について記載する。
【0027】
次の文章において、「成形部分(cast part)」が議論されている。本発明によると、成形部分という用語は、(自動の)射出成形法か、その後の焼結工程を備える粉末射出成形(PIM)工程を用いて生産される部分として理解されるべきである。第1のケースにおいて、熱可塑性プラスチックが用いられてもよく、1ステップ工程における最終寸法をもたらす。
【0028】
本発明によると、様々なプラスチックの射出成形材料が、上記成形部分を生産するために用いられてもよい。適したプラスチックのいくつかの例が、以下に挙げられる。つまり、PA(ポリアミド)、POM(ポリオキシメチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ABS(アクリレートブタジエンスチレン)、PPE(ポリフェニルエーテル)、PP(ポリプロピレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート)、PAS(ポリアリーサルフォン)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PPS(ポリフエニレンサルファイド)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)である。
【0029】
また、高分子ブレンドが用いられてもよい。高分子ブレンドは、2以上の混合性高分子の組合せである。ブレンドは、改善された製品特性を得るため、2以上の高分子を処理し、混合し、又は反応させることである。
【0030】
また、フィラー粒子を有する改良プラスチックが用いられてもよい。これにより、強固に粘着する非電極又は電解被着金属のコーティングの構造をより容易にする。上記フィラー粒子は、導電性の金属(例えばパラジウム)か、非導電性の金属顔料からなっていてもよい。これらの金属顔料は、金属プライマコーティングの非電極被着のための触媒として用いられ、その後、電気的に補強されてもよい。スプレーラッカーは、限定された接着強さだけを得る。この強さは、上記プラスチック材料に強く依存する。上記プラスチック材料に上記粒子を埋め込むことによって、上記粒子が短い酸洗工程又はレーザー切断によって表面にのみ露出することにおいても上記接着強さが大幅に改善するが、さもなければ、それらの粒子は、上記プラスチック材料によって、封入されたままである。
【0031】
改良プラスチックの他の重要なグループは、熱膨張係数(CTE)を上記共通基板の1つに合わせるために、ガラス繊維と鉱物又はセラミックの粒子の組み合わせを採用する。
【0032】
プラスチックの代わりに、金属が上記成形部分の製造のために用いられてもよい。アルミニウムは、特に適しており、アルミニウムは、アルミニウム射出成形法で成形されてもよい。チタニウム又はステンレス鋼は、金属射出成形(MIM)工程を採用することによって用いられてもよい。金属射出成形(MIM)工程は、上述した粉末射出成形(PIM)工程の変形である。この方法の有利な点は、その後の金属メッキステップを単純化し、さらには金属メッキのステップを回避してもよいところである。
【0033】
上記成形部分は、後工程の経費が最小で済むことにおいて際だっている。このため、上記成形部分はまた、ここではプレキャストの、又は仕上がった部分として、言及される。上記成形部分の寸法は、非常に正確である。
【0034】
好ましくは、導電性の表面を有する反射体が用いられてもよい。この導電性の反射面は、グラウンドに接地されていてもよい。上記反射面は、平面又は曲面とされてもよい。好ましくは、共通基板の金属面が反射体として機能する。
【0035】
本発明の特定の実施形態を検討する前に、いくつかの基本的な特徴が、図1A〜1Eを参照することにより、検討され、また、説明される。
【0036】
本発明の1つの主要な要素は、図1Aに概略的に示されているように、いわゆる表面実装型アンテナ装置100である。このアンテナ装置100は、4つのインターフェースE1,M1,EM2及びM2を有し、図1Aの4つの水平線によって表されている。図1Aの左手側の2つのインターフェースE1及びM1は、能動回路40への結合を構築するように工夫されている(図1B参照)。第1のインターフェースは、電気的インターフェースE1であり、第2のインターフェースは、機械的インターフェースM1である。他の2つのインターフェースは、電磁的インターフェースEM2と、機械的インターフェースM2である。区別の方法として、我々は、電気的インターフェース(TEM又は準TEM伝送線の結合部である例)として、その平面にある電界と磁界との両者の横方向成分を主に示すインターフェースを示している。そして、我々は、電磁的インターフェース(長方形の導波路結合部である例)として、電界又は磁界の縦方向成分を示すインターフェースを示している。
【0037】
本発明に従う、能動装置40とアンテナ装置100とを有する第1の通信システム200は、図1Bに示されている。
【0038】
本発明に従う、能動装置40、アンテナ装置100及びアダプタ50を有する第2の通信システム200は、図1Cに示されている。アンテナ装置100及びアダプタ50は一緒に配置300と呼ばれている。上記アダプタ50は、4つのインターフェース(2つの電磁的インターフェースと2つの機械的インターフェース)を有している。EM2及びM2は、上記アンテナ装置100へ、好ましくは取り外し可能な結合を構築する一方、インターフェースEM3及びM3が、追加の部品を取り付けるために用いられてもよい。
【0039】
本発明に従う、能動装置40、アンテナ装置100、アダプタ50及び導波路要素400を有する第3の通信システム200は、図1Dに示されている。上記アダプタ50は、4つのインターフェース(2つの電磁的インターフェースと2つの機械的インターフェース)を有している。EM2及びM2は、上記アンテナ装置100へ、好ましくは取り外し可能な結合を構築する一方、インターフェースEM3及びM3は、上記導波路要素400に接続される。この導波路要素400は、インターフェースEM3,M3に接続されている少なくとも二つのインターフェース(電磁的インターフェース及び機械的インターフェース)を有している。導波路要素400は、明確さのための内部的特徴として取り扱われる追加のインターフェースを有していてもよい。
【0040】
本発明に従う、能動装置40、アンテナ装置100、アダプタ50及びアンテナ500を有する第4の通信システム200は、図1Eに示されている。上記アダプタ50は、4つのインターフェース(2つの電磁的インターフェースと2つの機械的インターフェース)を有している。2つのインターフェースは、上記アンテナ装置100のインターフェースEM2,M2に接続されている。残りの2つのインターフェースEM3,M3は、上記アンテナ500に接続されている。このアンテナ500は、インターフェースEM3,M3に接続されている少なくとも二つのインターフェース(電磁的インターフェース及び機械的インターフェース)を有している。自由空間に放射状に広がる開口によって構成されている電磁的インターフェースは、さらに部品を取り付けることを通常想定していないので、明確さのためにこの場合も省略されている。
【0041】
第1の平面アンテナ100は、図2A〜2Fに示されている。本発明に従う、上記アンテナ装置100は、少なくとも反射フレーム10と放射要素20(図2B参照)を有する。この反射フレーム10は、内側部分又は空洞16(図2C参照)の側面を形成する環状の側壁12を有している。側面口14は、上記側壁12の1つに設けられている。上記内側部分16の上側の水平口11は、図1Aの電磁気的インターフェースEM2を形成し、又はその部分である電磁的な開口として機能する。上記内側部分のこの部分は、開口空洞16.2(図2B参照)と呼ばれている。上記内側部分16の下側の水平口17は、金属面31(図2C参照)の表面に取り付けられ、又は配置されるように設計されている。上記金属面31の表面に取り付けられ、又は配置されている場合、上記アンテナ装置10の電磁的な背側の反射構造又は背側の反射空洞16.1が形成されている。
【0042】
上記反射フレーム10は、さらに支持構造13(図2C参照)を有している。この支持構造13は、反射フレーム10の一体的な部分である。ステップ又はリッジは、支持構造13としての役目を果たす。
【0043】
上記放射要素20は、平面の、水平面指向のアンテナ基板21を有している。このアンテナ基板21は、長方形のモード変換領域23.1と、原則的に水平方向において上記モード変換領域23.1(図2D参照)から突出している片持ち梁形状のフィードポイント部24とを有している。上記フィードポイント部24は、電気的インターフェースE1(図1A参照)の代わりにもなり、上記アンテナ装置100を能動装置40に接続する。本発明の好ましい実施形態において、フィードポイント部24は、フィードポイント部24の長い方の縁のうちの1つの略中心部で上記長方形のモード変換領域23.1に入るコプレーナ導波路27を特徴付けている。上記コプレーナ導波路27は、上記基板21のより大きい表面のうちの1つに接着されている薄い導電シート26における2つの平行なスロットによって形成され、結果として、中心導体28と2つの接地導体29とを生じている。上記長方形のモード変換領域23.1において、上記導電シート26は、コプレーナ導波路27に対して直角に延び、少なくとも1つのスロット71を有している。上記中心導体28は、スロット71の遠い方の縁に電気的に接続され、上記接地導体29は、近い方の縁に電気的に接続されている。このスロット71は、好ましくは、領域23.1の中央に配置されている。上記スロット71の長さは、設計した周波数帯の中央での波長の略半分と等しくなるように選ばれている。
【0044】
さらに改善された実施形態において、1又は2組のスロット72,73は、スロット71に隣接するように配置され、上記設計した周波数帯の中央における波長の略半分の長さに対応するために折り畳まれている。好ましくは、スロット72か73のどちらか少なくとも1つの短い端部は、スロット71に対して平行かつ近いところに延びていて、それによって、71と72、73とのそれぞれの間の電磁的な結合がなされている。
【0045】
本発明に従う、上記放射要素20は、上記内側部分16の内側の上記支持構造13によって取り付けられている。その結果、上記内側部分16は、上述した背側の反射空洞16.1及び開口空洞16.2(図2C参照)に分けられている。上記フィードポイント部24は、能動回路40への接続(電気的インターフェースE1)を有するために、側面口14を通って上記内側部分16から延在している。
【0046】
本発明に従う、上記反射フレーム10は、金属を有するか、又は少なくとも部分的に金属化されている。
【0047】
上記平面アンテナ装置100は、例えば、低周波ボード、回路基板又は類似の支持構造(例えば、図2C又は3参照)のような共通基板30に集積化されるように、設計によって構成されている。上記反射フレーム10を収容するのに適するための全ての共通の要求は、放射要素20の背側の反射体として作用する水平の金属面31を特徴付けることである。
【0048】
上記アンテナ装置100の反射フレーム10は、「z軸」寸法が「x軸」及び「y軸」寸法よりも小さい準平面レイアウトを有している。上記z軸は、上記x−y平面に対して直交し、上記(アンテナ)基板21は、上記x−y平面にある。好ましくは、上記フレーム10の(z方向における)高さは、上記平面回路40の高さの1〜5倍の間である。もし500μm厚さの平面のシリコンゲルマニウムチップ40が用いられると、上記背側の反射空洞16.1の高さもまた、約500μmとなる。
【0049】
本発明のアンテナ装置100の回路40の高さと、上記フィードポイント部24(図2C参照)の高さDとの間の小さな違いは、後述されるように、(僅かに又は完全に)曲げられる片持ち梁によって架橋されてもよい。
【0050】
好適な実施形態において、上記反射フレーム10は、放射要素20に対応するように設計されている支持構造13を有し、上記支持構造13は、上記放射要素のアンテナ基板21の形状と一致する。つまり、上記反射フレーム10は、上記アンテナ基板21を支持するための機械的支持構造としての役目を果たす。上記反射フレーム10は、上記アンテナ装置100の3次元の構成要素であり、(共通の)基板30の全アンテナ装置100に取り付けるための機械的インターフェースM1の部分である。上記反射フレーム10はまた、アダプタ50を受けるように設計されているので、機械的インターフェースM2としての役目も果たす。
【0051】
上記反射フレーム10の下側部分16.1の寸法は、上記放射要素20が、この下側部分16.1を通って内側部分16の中へ挿入されうるように、選ばれている。このため、上記下側部分16.1の水平方向の寸法は、上記放射要素20の水平方向の寸法よりもいくらか大きく、また、フレーム10又は開口空洞16.2の上側部分よりもいくらか大きい水平方向の寸法を示している。
【0052】
上記放射要素20(その形状及び詳細は後述される)を収容するため、上記反射フレーム10の側壁12のうちの1つは、放射要素20のフィードポイント部24が反射フレームの内側部分16の外に延在しうる側面口14を有する。好ましい実施形態においては、平面回路40への、曲げられる片持ち梁のインターフェース(図1A中の電気的インターフェースE1)を有する。
【0053】
好適な実施形態において、上記内側部分16に面する反射フレーム10の少なくとも側壁12は、上記反射フレーム10が開口タイプのアンテナとして用いられうるように金属化されている。このため、上記側壁12は、金属コーティングを有していてもよい。もしくは、上記成形された反射フレーム部分は、成形部分が少なくとも表面部分において導電性を有するような方法で、母材に埋め込まれた導電性の粒子を含んでいてもよい。このことは、上記放射要素20のためのアンテナ開口として、及び、以下でさらに説明するように、適したアダプタ50に連結した、十分に画定され、遮蔽されている筐体を提供するために、上記内側部分16の使用を容易にするために必要である。
【0054】
上記環状の壁12によって囲まれている反射フレーム10は、上側の水平口11と金属面31に面している下側の水平口17との2つの開口を有する。図2Aから、また、図2Aに続く図から、側壁12によって囲まれている内側部分16が、支持構造13によって分割され、放射要素20が2つの分離した空洞である上側の開口空洞16.2と背側の反射空洞16.1(図2C参照)とに分割されていることが分かる。本発明の好適な実施形態(同一のものに限定されず)として上述したように、コプレーナ導波路27と開口11の断面に対応する基本的な導波路モードとの間の電磁的なエネルギーを効率的に交換するために、導電シート26内のスロットの配置、又は等価な平面構造が、領域23.1内のモード変換を提供するのに用いられてもよい。上記平面構造とともに上記背側の反射空洞16.1は、有効なインピーダンス整合帯域幅の中央に略調整されている共振周波数を有するハイブリッド共振器を構成している。上記スロット配置は、基本的な導波路モードの励起及び上記放射開口11における不要な方向成分の抑制を考慮して最適化されている。上記上側の開口空洞16.2は非常に狭くてもよい。この場合、上記放射要素20は、フリースペースに直接連結されている。しかしながら、開口空洞16.2の或る最小高さは、広くて有効な周波数帯域幅及び上記アンテナ利得の平坦な周波数応答を得るための追加の自由度を与える。また、開口空洞16.2の或る最小高さは、上記アダプタ50が正しい位置にある場合、遮蔽され、また、再現性のある相互接続(図1CのEM2及びM2)の配置をより良くサポートする。好ましくは、成形された反射フレーム10が用いられているという事実のため、上記背側の反射部16.1は、上記開口部16.2の1つと異なる大きさ及び形状を有しうる。この開口部16.2の寸法及び形状は、上記アンテナ全体の放射パターンに影響する。したがって、所望の放射パターンに従う、開口部16.2のパラメータが、例えば、全波電磁シミュレーション法に基づく構造的な最適化を行うことによって、調整されうる。
【0055】
図2Bは、上記アンテナ装置100の底面の斜視図を示している。ここで、上記下側の水平口17と、放射要素20のアンテナ基板21の底面とが、はっきりと見える。この図は、さらに、アンテナ100が金属面31に取り付けられる前に、上記下側の水平口17を通って放射要素20を挿入することで、放射要素20が反射フレーム10に取り付けられる方法を示している。この図はまた、前の段落で議論された(背側の反射部16.1及び開口部16.2の)上記内側部分16の2つの部分への分離を示している。
【0056】
上記共通基板30に取り付けられている場合の上記平面アンテナ装置100の側面図が、図2Cに示されている。この図は、組立品の構造部品を示している。第1に、上記水平の金属面31が取り付けられている共通基板30は、好ましくは、低周波数の基板であってもよい。この金属面31は、電磁的な背側の反射構造の部品であり、上記反射フレーム10の背側の反射部16.1を囲むために設けられている。この金属面31上で、反射フレーム10には、今度は予めその中に収まっている放射要素20が取り付けられている。好ましくは、導電接続部が、反射フレーム10の側壁12と金属面31との間に設けられている。本発明の上述の実施形態において、放射要素20のアンテナ基板21は、金属面31から所定の距離Dにある支持構造13によって吊されている。
【0057】
図2Cは、また、上記放射要素20の上記フィードポイント部24(好ましくは曲げられる片持ち梁)が、垂直の側壁12のうちの1つの側面口14を通って上記反射フレーム10から延在している状況を示している。
【0058】
図2Eは、上記平面アンテナ装置100の好適な実施形態の底面図を示している。上述した基本的な導波路モードの励起及び不要な領域の部品の抑制は、図2EのS1−S1によって描かれているように、フィードポイント部24とモード変換領域23.1に共通するように、少なくとも1つの対称面を包含することによって、最もよく得られうる。さらなる改善が、領域23.1のもう一つの局地的な対称面S2−S2の導入によって達成されうる。このことは、同一のスロットの組72及び73にそれぞれ対応している。
【0059】
本発明のモジュラーアンテナ装置100に用いられている上記放射要素20は、図2Dに示されている。この要素20は、アンテナ基板21に設けられている。好適な実施形態において、この基板21は、フレキシブルな、誘電性の材料からなっている。それは、例えば、高精細液晶高分子(LCP)のフレックス基板である。上述した実施形態において、上記アンテナ基板21は、フィードポイント部24とモード変換領域23.1とを有するT字形状である。上述したスロット71,72及び73、コプレーナ導波路27、中心導体28及び接地導体29を越えて、図2Dは、導電フレーム形状のシート74を示している。このシート74は、導電シート26を有する面とは反対側の面に配置されている。両シート26,74は、好ましくは、複数の導電を用いることによって接続部75を介して結合されている。この配置は、シート26が金属面31へ向けられていて、したがって、平面回路40の上面へ向けられている場合に特に有効である。このことは、上記基板21の反対側同士のコプレーナ導波路間の致命的な遷移を避けるために望ましい。この場合、シート26は、個々の位置公差の影響を平均化する接続部75及びフレーム形状のシート74を介して、複数の導電の助けにより間接的に支持構造13に取り付けられている。側面口14から突出しているフィードポイント部24は、改善した遮蔽及び増加した伝送線のインピーダンス範囲を与えるための、コプレーナ導波路27とは反対の基板面に付着している導電シート76を有していてもよい。導電シート76と同一平面上の接地導体29との間の接続部79を介して導電性の2本の線は、上記フィード線25の適切な遮蔽を与え、好ましくは、対称面S1−S1に対して等距離に配置されている。
【0060】
図2Fは、図2A〜2Eに示された実施形態と関係して用いられうる反射フレーム10の1つの適した実施形態を示している。
【0061】
上記フィードポイント部24は、側面口14を通って上記反射フレーム10から延在するように設計されており、フィード線25を介して他の部品への、上記放射要素20の機械的及び電気的接続(インターフェースE1及びM1)を可能にする役割を有している。フィードポイント部24は片持ち梁として実現され、フィードポイント部24の外側の縁近くのフリップチップ接点を特徴付けてもよい。好ましくは、曲げられる片持ち梁は、上記平面回路40(図3参照)に対応したインターフェースを与えるために、フィードポイント部24として機能する。上記片持ち梁又は曲げられる片持ち梁は、全ての実施形態に関係して用いられうる。
【0062】
他の好適な実施形態において、(片持ち梁部だけではない)上記全基板21は、フレキシブル基板である。この場合、上記反射フレーム10は、いわゆるマイクロホニィ(音響学上誘発された周期的な変位による電気信号の変調)及び/又は熱によって誘発された曲げ又はゆがみに対して、十分な機械的安定性を与える。上記フレキシブル基板は、あらゆる実施形態に関連して用いられうる。
【0063】
上記導電面31は、背側の反射空洞16.1の一部であり、接地の代わりになってもよい。上記導電面31は、より良い再現性のために、平面アンテナ装置100の一部であるか、より低コストのために基板30の一部であってもよい。もし上記導電面31が基板30の一部であれば、導電面31はまた、平面アンテナ装置100のための機械的サポートの代わりである。
【0064】
通信システム200の典型的な第1の実施形態は、平面アンテナ装置100を備え、共通基板30に取り付けられたままで、図3に示されている。平面アンテナ装置100に加えて、共通基板30は、この図に示されているように、集積化された回路40(平面回路又は能動回路40)のような他の電子部品を通常収容している。多くの周囲の表面接点41は、回路基板又は例えばボンドワイヤを用いた共通基板30に接続されている。本発明に従う、回路40のミリ波ポートを構成する(周囲の)ボンドパッド41.1は、フィードポイント部24の外側の縁で、フィード線25(図2D参照)を介してフィードポイント部24に直接接続されている。そのような直接の結合を構築するために好適な工程は、金メッキされた、又は機械的に打ち当てられた表面接点41へのフィード線25の熱音響(thermosonic)溶接を含む逆のフリップチップボンディングである。
【0065】
他の周波数帯域で動作することは除外されず、本発明は、特に、57〜66GHz又は、71〜86GHz周波数範囲で、それぞれ動作するのに特に適している。それと同時に、上記平面アンテナ装置100は、室内通信用に主に用いられるように作られている。また、いわゆる「全二重」の同時2方向通信は、平面アンテナ100を用いることができ、追加のダイプレクサが一方のアンテナ装置10と、回路40の各送受信ポートとの間に採用されている。
【0066】
上記アンテナ装置100の放射効率は、90%をかなり越えていてもよく、導波路遷移部の低損失動作(十数分の1dBの挿入損失)と同時に起こる。また、設計によって、装置100は非常に頑丈であり、製造公差に対してあまり敏感ではなく、追加の導体構造を必要とする薄膜工程の代わりの、比較的低コストの除去エッチング工程を用いることができる。
【0067】
本発明の反射フレーム部10は、図4に示されているように、アダプタ50が取り付けられうるように設計されている。アダプタ50の取り付けを容易にするため、反射フレーム及び/又はアンテナ装置100は、インターフェースEM2及びM2(図1C参照)を有している。
【0068】
このアダプタ50は、アンテナ装置100の上側の水平口11に接続可能に設計されている。アダプタ50の目的は、様々なテスト及び調整装置をモジュラーアンテナ装置100に(例えば、図1Dに示されているように、導波路要素400を介して)接続する、又はアンテナ500に(図1Eに示されているように)接続する可能性を与えることである。アダプタ50と共にアンテナ100は、各平面回路−導波路遷移部を与える。部品100と50との両者は、共に接続された場合、平面回路(例えば平面回路40)と導波路(例えば導波路要素400)との間の完全に遮蔽されたインターフェースを形成する。
【0069】
このため、アダプタ50の上側部分52は、使用されている特有のテスト又は調整装置に適合する形状を有している。アダプタ50の下側部分(オス部分)は、オス部分がアンテナ100にはまるように形状因子を有する。はめ込みのオス部分は、アンテナフレーム10への機械的接点を有するように設計されている(この機械的接続はインターフェースM2と表現されている)。好ましくは、電気接点は、アダプタ50がアンテナ100に差し込まれている場合、部品10と50との間に形成されていて、それによって、完全な電磁遮蔽を与えている。
【0070】
アダプタ50の本体は、一方側でのフレーム10への機械的接続(インターフェースM2)と、他方側での(テスト装置)導波路要素400への機械的接続(インターフェースM3)とを与えている。上記本体は、さらに、電磁波が反射フレーム10から導波路要素400へ伝わる場合に、他方の開口空洞16.2(インターフェースEM2)の内側で近接場修正を確実にする特徴/要素を有する。上記はめ込み面の少なくとも一部は導体である。本発明との関連で、近接場修正は、モード変換領域23.1(又は23.2)近くの十分に定義された電磁境界条件の動作を意味している。近接場修正は、アダプタ50がフレーム10に結合されている場合には再生産可能に導入され、アンテナ100が通常動作中の場合には導入されない。
【0071】
本発明に従う、アダプタ50は、適切なテスト環境のために求められ、反射フレーム10とアダプタ50との間の接続の頑丈さ及び許容範囲がないことによっても保証される導波路遷移部(例えば、Vバンド場合の標準WR−15導波路、インターフェースEM3)を与える。上記所望の遷移部を与えることを可能にするために、導波路インターフェース(EM3)への高効率で広いバンド幅結合が、アンテナ近接場の修正によって可能になる。
【0072】
上記反射フレーム10と同様に、上記アダプタ50は、また、(事前)成形部品であってもよく、アダプタ50は、また、フライス加工、ドリル加工及び他の従来の工程によって形成されてもよい。成形方法及びその代替手段の詳細のために、成形部品についての上述の記載を参照して欲しい。成形アダプタ50と一緒に成形された反射フレーム10は、平面回路40と導波路インターフェースとの間の直接接続を与えている。両部品100,50は、協力して所望のインピーダンス変換を与えている。
【0073】
例えば、導波路ベースの高利得アンテナ500又はフィルタを有する通信製品又はシステム200の内側の遷移部として用いられるように設計されている場合、本発明に従って、低コストと両立できる大量生産技術が採用される。しかしながら、それらの採用は、少数で必要な取付テスト及び計測アダプタのために必須ではない。
【0074】
図4において、上記第1の実施形態におけるモード変換領域23.1(図2E参照)の近接場を修正するのに適した要素が描かれ、この要素は電導性の横断リッジ又はロッド54の形状を成す。この要素は、アダプタ50、すなわち、その一体的な部分に永久に取り付けられる。ギャップ77(図5B参照)は、第1のスロット71の直接の短絡回路を避けるために、(基板21に面する)要素54の下側の面と導電シート26(図2D参照)との間に設けられている。シート26の位置(基板21の上面又は背面)に依存して、ギャップ77は、空気又は誘電基板との空気の組み合わせで満たされていてもよい。有利な実施形態において、要素54は、平面S2−S2(図2E参照)に関して対称な形状をなすと共に位置している。より好ましい実施形態において、要素54は、平面S1−S1(図2E参照)に関して対称な形状である。要素54の形状及び配置は、好ましくは、残りの開口(図5A参照)の区分78A及び78Bの内側の基本的な導波路モード(例えばTE10モード)をサポートするために選ばれている。これらの区分78A,78Bの縦及び横の寸法は、望まないモードの電磁場が、所望の動作の帯域幅の外へ対応する共振周波数をシフトさせるために十分に変位させられるのと同時に、所望のインピーダンス変換をサポートするために設計されている。
【0075】
アダプタ50及び反射フレーム10の適切な機械的配置を確実にするため、バネ接点、面接点、ボルトナット結合等が機械的インターフェースM2として採用されてもよい。同じ要素が、反射フレーム10とアダプタ50との間の電磁的接点(インターフェースM2)を与えるために用いられていてもよい。機械的及び電磁的接続のために、異なる要素をそれぞれ採用することも考えられる。
【0076】
導波路要素400への遷移部を設けるため、アダプタ50は、標準の導波路フランジ(例えば、Vバンドの内側での動作の場合におけるWR−15)を有していてもよい。
【0077】
好ましい実施形態において、図5Bに示されているように、アダプタ50及びフレーム10は、接続されている場合に、電気的、機械的双方の接点55を形成している。反射フレーム10及びアダプタ50の上側の水平口11は、例えば、開口11を取り囲むフレーム10の水平面において、電気的に接続されうる。従って、全体が遮蔽された導波路遷移部を創出する。接点領域55の水平部分は、正確な垂直の停止位置を与える一方、垂直部分は、反射フレーム10とアダプタ50との間の正確な水平の(x,y,シータ)位置合わせを与えてもよい。図5Bにおいて、上述したギャップ77がまた、示されている。要素54は、背側の反射フレーム10における内側の側壁12への、水平の機械的及び/又は電気的接点を有していても有していなくてもよい。
【0078】
アダプタ50が取り付けられている平面アンテナ100は、製造者に完全に較正されたテスト環境をサポートする。上記製造者は、装置、すなわち平面回路40を信頼できる再現性のある方法でテストして、微調整する必要がある者である。
【0079】
アンテナとアダプタとの結合の高度な再現性のため、較正キットが構成されうる。図6Aは、第1のアンテナ装置100A、第1の較正用標準器60A及び逆の第2のアンテナ装置100Bの配置を示している。上記較正用標準器60Aは、好ましくは、図6Aに示されている製品適用配置における平面回路40と同一の電気的及び機械的ポート構成E1,M1を有する。上記較正用標準器60Aは、例えば、直通接続を示してもよい。図6Aのはしごネットワークはまた、取り外し可能なポートとしてのアンテナ装置100を有する較正用標準器400Aと呼ばれてもよい。
【0080】
図6Bは、上記第1の較正用標準器60Aを第2の較正用標準器60Bで置き換えたものと同等の配置を示している。上記較正用標準器60Bは、例えば、アンテナ装置100Aと100Bとの間の相互接続伝送線の明確な余長を有する、いわゆる「線(LINE)」基準を示してもよい。図6Bのはしごネットワークはまた、較正用標準器400Bと呼ばれてもよい。
【0081】
図6Cは、挿入された第3の標準器60Cを有する第3の配置を示している。上記較正用標準器60Cは、例えば、アンテナ装置100A及び100Bに等しい大きな反射体を与える、いわゆる「反射(REFLECT)」基準を示していてもよく、一方で、アンテナ装置100Aと100Bとの間の高度な電気信号の分離を与えている。図6Cのはしごネットワークはまた、較正用標準器400Cと呼ばれてもよい。2ポートのベクトルネットワークアナライザ(VNA)は、完全に較正された計測に用いられてもよい。VNAの測定ポートは、1つの適切なアダプタ50をそれぞれ備えうる。較正用標準器400A,400B及び400Cの逐次計測は、例えば、よく知られた12項エラーモデルのエラー係数を計算できる一連の計測データを与える。この12項エラーモデルは、S.Rehnmark、「自動ネットワークアナライザーシステムの較正工程について」,IEEE trans.マイクロ波理論及び技術、1974年4月、457〜458頁、及びJ.Fitzpatric、「システム計測のエラーモデル」、マイクロ波ジャーナル、1978年5月、63〜66頁に記載されているように、インターフェースE1,M1への遷移部を含む物理的な計測設定の不完全さを数学的に除去するために用いられうる。
【0082】
その他によく知られた方法が、上述したエラー係数、及び標準導波路ポートでのVNAの較正から得られる対応する係数を用いることによって、配置300(図1C参照)の散乱行列を決定するために適用されうる。この配置300は、標準導波路(インターフェースEM3,M3)と平面装置ポート(インターフェースE1,M1)との間の複合アダプタを構成しているので、この散乱行列の知識は、標準導波路ポートに関する既知の特性を有する装置による正しい計測に大変役立つが、非標準ポートの較正には役立たない。
【0083】
好適な実施形態において、上記アダプタ50及び上記反射フレーム10は、アダプタ50が手動で取り付けられたり外されたりしうるように設計されている。したがって、機械的なクランプ機構が好適である。
【0084】
さらに好適な実施形態において、増加された開口サイズを有し、それによって増加されたアンテナ利得能力を有する平面アンテナ装置100の放射要素20として機能する代替モード変換領域23.2(図7D参照)を有する開口空洞アンテナが考案されてもよい。各実施形態は図7A〜7Fに示されている。同一の参照番号は、同一の要素の他、多かれ少なかれ同じ機能を有する要素にも用いられている。各要素は、簡単に検討されているだけである。より詳細は、図2Aから2Fの記載から導き出されうる。
【0085】
この実施形態は、上側の開口空洞16.2(図7D参照)と下側の背側の反射空洞16.1とが、好ましくは、反射フレーム10の一体的な部分である水平の遮蔽壁16.3(図7A参照)によって分けられているという事実によって特徴付けられている。上記遮蔽壁16.3は、上側の開口空洞16.2内に中心が置かれている2つ折りの鏡面対称の開口81を有する。上記遮蔽壁16.3は、放射要素20を受けるように、又は、固定するように設計されているので、ここでは支持構造とも呼ばれている。上記背側の反射空洞16.1(図7D参照)はまた、好ましくは、上側の開口空洞16.2よりも、はるかに小さい領域をカバーし、それによって、動作の周波数の範囲内での共振モードの数を減らす。上記放射要素20(図7B参照)は、遮蔽壁16.3の下側の面に配置され、実質的に開口81(図7A参照)に閉じこめられたモード変換領域23.2を有する。
【0086】
好適な実施形態において、上記開口81は、動作の周波数の範囲内での1つの基本的な共振モードだけをサポートするために寸法が決まっている。
【0087】
有利な実施形態は、基本的に長方形の開口81を有する。モード変換領域23.2は、修正されたE−プローブ(E−probe)の形状をしている。背側の反射空洞16.1の高さは、回路40(例えば、シリコンゲルマニウムチップ)によって与えられるので、背側の反射空洞16.1の高さは、自由な電気的設計パラメータとして用いることができない。60GHzの範囲において、典型的なチップ高さ500μmは、平面回路から導波路への遷移部に基づくE‐プローブにおける、バックショート部分の通常の深さの約30%を表し、約4分の1波長である。例えば、S.Hirsch,K.Duwe, and R.Judaschke、「長方形の導波路から薄膜上のコプレーナ導波路への遷移部」、Infrared and Millimeter Waves, 2000. Conference Digest. 2000 25th International Conference.を参照のこと。
【0088】
上記修正されたE‐プローブは、中心導体28によって与えられ、中心導体28自体は、上述した実施形態(図2A〜2F、図7C参照)との類似において、フィードポイント部24に含まれるフィード線25によって与えられている。明瞭さのため、フィードポイント部24は、図7A,7B及び図7D〜7Fにおいて省略されている。中心導体28は、大きな領域である導電シート26の反対側の基板21の一面に取り付けられ、電気接地層として機能する。開口81の形状及び大きさと対応して、開口82が、シート26内に設けられている。この開口82は、好ましくは、開口16.3の周辺と似ているが、僅かに小さい寸法を有する。結果として突出する導体のフレームは、フレーム10と放射要素20との間の位置公差の影響を低減するのに役立つ。
【0089】
好適な実施形態において、リング形状の導電シート74は、上記中心導体28と同じ基板21の表面に設けられると共に配置されている。リング形状の導電シート74は、開口82内に全体がすっぽり入る、2つ折りの鏡面対称形状の開口83を有している。平面アンテナ装置100の第1の実施形態に対する類似において、接続部75を介して多数の導電体は、シート26及び74の同一の電位を確保するために用いられてもよい。中心導体28は、電気接地層から開口82へ突出する。ここで、中心導体28は、好ましくは、幅狭のストリップ85(図7D参照)の形態をとる。この領域における接地層の欠如のため、このストリップは、一連の接続された誘導性リアクタンスを表している。ストリップ85は、より幅広のパッチ86に接続されていて、ストリップ85自体と開口83の反対側の縁との間のギャップ87(図7F参照)を残す。基板21の同じ側の導電シート74及びパッチ86の両方の位置のおかげで、ギャップ87によって生成された浮遊容量は、放射要素20のフォトリソグラフィ生産工程の間の連続的な露光に起因する位置決め公差(僅かな位置エラー)とほとんど関係ない。設けられた開口83は、開口82内にある。さらに、開口81に及ぶ放射要素20の位置決め公差に対する感度の減少は、開口82を囲む導体の縁と開口81の周辺との間の十分な水平の空間を与えることによって得られる。
【0090】
モード変換領域23.2の好ましい実施形態は、鏡面対称に配置され、導電性を有する横ストリップ88を与える。この横ストリップ88は、パッチ86の両側に接続され、開口82の導体に対して略平行に延びる。中心導体28の近くの縁までの距離は、中心導体28の遠い方の縁までの距離よりもはるかに小さい。よく知られているE−プローブ配置についてのこの修正は、背側の反射空洞16.1の並外れて小さな高さを補い、上記アンテナと導波路遷移部との両方の動作モードのための、良好かつ広帯域のインピーダンス整合を再び成す。ギャップ87及び89によって成された浮遊容量を有する配置は、それぞれ、準集中要素のコンデンサ型分圧器を構成する。この単純かつコンパクトな構造によって、ギガビットモジュール式のRF波形及び、導波路遷移部の全導波路帯(例えば、Vバンド50〜75GHz)動作、つまりテスト及び計測動作モードを十分に満たすインピーダンス整合帯域を可能にしている。平面のフィードポイント部におけるネットワークに適合する平面のリアクタンスを無くすことが、上記ミリ波の挿入ロスを減らしている。
【0091】
開口空洞16.2の有利な実施形態において、2つの台15が設けられ、これらの台15は、それぞれ、モード変換領域23.2と同じくS1−S1について鏡面対称を有する。これらの台15はまた、同一で、それ自体は第2の、局所的な鏡対称面を形成する。台15の高さは、空洞16.2の高さ以下である。また、台15の幅及び長さは、上記アンテナモード動作のために最適化された広帯域のインピーダンス整合の特性を得るために調整されている。空洞16.2の内側の側壁12と開口81の縁との間の距離の50%〜90%の台の長さに合うように最適化されるために、台の幅を調整することは有益である。台15の助けにより、上側の開口11からの放出のための良好な開口効率が達成されうる。つまり、帯域幅の調整と略単一の孔の領域との間のまずまずの妥協が見つけられうる。
【0092】
再現性のあるアダプタ50への高周波接点を与えるため、上側の空洞16.2の少なくとも遮蔽壁16及び内側の側壁12は、例えば、薄い金属層でコーティングすることにより、導電性を有する。
【0093】
さらに好適な実施形態において、上側の空洞16の前面91はまた、内側の側壁12への環状の接点を有する導電体であり、基本的に平らな面を示している。
【0094】
図8において、本発明に従う、平面アンテナ装置100及びアダプタ50を備える配置の斜視図が示されている。この図は、アダプタ50が、どのようにアンテナ10に差し込まれうるかを示している。反射フレーム10は、上述したように完全に又は部分的に金属化されていてもよい。一方で、アダプタ(フレーム)50は完全に金属化されている。取り付けられる場合、2つの部品10,50は、電気的に接続されると共に完全に遮蔽された導波路遷移部が生み出される。電気的接点は、好ましくは、次の2つの方法のいずれかにより形成されている。フレーム10の上側の空洞16.2の内側の側壁12が、十分な表面平坦性、十分に正確な寸法及び導体の耐摩耗性を有している場合、アダプタ50の外側壁92の側面の接点が形成される。この場合、少なくともフレーム10の側壁は、ある機械的な適合性及び弾性を有していなければならない。そうでなければ、アダプタ50の下側の突出した管状の前面93が、上記フランジの周辺に沿って金属化された前面91との電気接点を形成するために用いられうる。図8に示したように、対称的に配置された導電ポスト18は、アンテナ装置100の現在の実施形態の独創的な近接場修正を形成するため、及び上記導波路遷移部の動作モードにおける適切なインピーダンス変換を与えるために設けられていてもよい。好ましくは、導電ポスト18は、機械的な曖昧さを避けると共に、導電ポストの高精度な表面への不慮の損傷を緩和するために、内側の側壁12及び遮蔽壁16に触れていない。
【0095】
図9A〜9Dは、平面アンテナ装置10及び取付アダプタ50の第一の好ましい実施形態を構成する配置300を示している。アライメントピン94を有する標準的な導波路フランジは、機械的なインターフェースM3及び電磁的なインターフェースEM3として、それぞれ実装されている。図9Aは側面図を示す一方、図9Bは、中心を外れた上記配置の断面を示している。接点領域55(図5B参照)は、明確に認識されうる。図9Cは、アダプタ50の中心面を通る断面だけを示している。複合された独創的な近接場修正及びインピーダンス整合機能を構築する上記横断リッジ54がまた、図9Cに示されている。図9Dにおいて、上記アンテナ装置100が能動装置40に接続されている、通信システム200が示されている。機械的支持構造501が、ねじの助けによって上記アダプタ50を上記共通基板30に機械的に固定するのに用いられうることが示されている。この方法で、実験室環境において、計測目的のためにテスト導波路を取り付ける、安全で省スペースな方法が与えられる。機械的支持構造501は、この特別な構成において、機械的インターフェースM2の一部である。機械的支持構造501は、共通基板30の表面に接着され、はんだ付けされ又はねじ止めされうる。生産テスト環境において、機械的支持構造501は、正確な配置及び自動プローブ搬送システムに対する十分な接触力を与えることによって、省略されうる。
【0096】
さらに、通信システム200の他の実施形態(修正されたE−プローブ設計を有するもの)が、図10に示されている。ここで、機械的インターフェースM2の一部である機械的支持構造は、3つの各部品502.1(2x)及び502.2に分けられている。それらの部品は、表面取り付け技術(SMT)及びリフローはんだ付け工程のために最適化された材料からなると共に、表面メッキが施されている。この方法で、例えば、高利得アンテナ500のような追加の部品を永久に取り付けるのに必要な部品は、自動製造工程を用いて費用対効果の高い取り付けがなされうる。ねじを用いる代わりに、バネ作用のクランプ、バイオネット継手又は他の方法が、適切な形状をした機械的支持部品と共に用いられうる。
【0097】
本発明に従って、アンテナ100は、回路40に取り付けられうるし、アダプタ50に取り付けられることなく単独で用いられうるし、または、アダプタ50に取り付けられうる。
【0098】
非接続の構成において、上記アンテナ100は、中間ゲインを有する通信システム200の低損失、広帯域、高効率な部品であって、容易に標準基板30に取り付けられると共に、回路40に接続される。
【0099】
接続された構成において、上記導波路インターフェースEM3,M3は、能動及び受動部品を回路40に加える可能性を与える。この回路40は、フィルタ、高利得アンテナ及びアンプモジュールを含むが、これらに限定されない。上記アダプタ50は、好ましくは、導波路400又はアンテナ500をアンテナ装置100に接続できる場の修正(例えば、望まない共振モードの抑制のため)を提供する。
【0100】
また、接続された構成において、上記導波路インターフェースEM3,M3は、標準の導波路部品400の全動作の帯域幅内の回路40のための、低損失で、全体的に遮蔽され、再現性のあるテスト及び計測環境を可能にしている。
【0101】
独創性のあるアンテナ装置100及びアダプタ50は、接続及び非接続の両構成において、特定の機能を同時に実現するために協調設計がされている。
【0102】
全ての要素、特にアンテナ装置100は、標準の、低コスト材料を使用して製造されるように設計されており、大量生産工程を構築している。CNC機械加工のような少量生産技術は排除されず、成形は、大量生産を別にすれば好ましい技術である。
【0103】
結果として、本発明のアンテナ装置100を有する費用対効果の高いモジュールを作るのを許容する、モジュール式の非常に柔軟な解決法が利用可能であり、生産及び設計のシーケンスにおいて、テスト及び計測のために適用されている。モジュール式の非常に柔軟な解決法は、能動及び受動部品に導波路インターフェースを与えるのに等しくて、よく適合している。この種の結合されたインターフェースは、必要なモジュールのバージョンの数の最小化、物流の努力の減少及び在庫回転の増加によって、全体の製造コストをさらに減少できる。
【0104】
従来の解決法に比べて、本発明は、特に、ミリ波の送受信回路及びモジュールのコストをかなり減少させている。
【符号の説明】
【0105】
10 反射フレーム
11 上側の水平口
12 環状の側壁
13 支持構造
14 側面口
15 台
16 内側部分
16.1 背側の反射部/背側の反射空洞
16.2 開口部/開口空洞
16.3 遮蔽壁
17 下側の水平口
18 スタブ
20 放射要素/モード変換要素
21 (アンテナ)基板
22 放射パターン
23.1 モード変換領域(能動領域)
23.2 代わりのモード変換領域
24 フィードポイント(部)
25 フィード線
26 導電シート
27 コプレーナ導波路
28 中心導体
29 接地導体
30 共通基板
31 水平金属面
40 集積回路
41 接点(ボンドワイヤ)/表面接点
41.1 ボンドパッド
50 アダプタ
51 下側部分
52 上側部分
54 第2の結合要素(リッジ又はロッド)
60A 第1の較正用標準器
60B 第2の較正用標準器
60C 第3の較正用標準器
71 (第1の)スロット
72 スロット
73 スロット
74 フレーム形状のシート
75 接続部
76 導電シート
77 ギャップ
78A 区分
78B 区分
79 接続部
81 鏡面対称開口
82 開口
83 開口
85 幅狭のストリップ
86 より幅広のパッチ
87 ギャップ
88 横ストリップ
89 ギャップ
91 前面
92 外側壁
93 環状前面
94 アライメントピン
100 モジュラーアンテナ装置
100A 第1のアンテナ装置
100B 逆の第2のアンテナ装置
300 配置
400 導波路部品
400A 較正用標準器
400B 較正用標準器
400C 較正用標準器
500 アンテナ
501 機械的支持構造
502.1 個別部品
502.2 個別部品
EM2 インターフェース/電磁接点
EM2A 電磁的インターフェース
EM2B 電磁的インターフェース
EM3 インターフェース/導波路インターフェース
E1 電気的インターフェース
E1A 電気的インターフェース
E1B 電気的インターフェース
M1 機械的インターフェース
M1A 機械的インターフェース
M1B 機械的インターフェース
M2 機械的インターフェース
M2A 機械的インターフェース
M2B 機械的インターフェース
M3 機械的インターフェース
S1 対称線
S2 対称線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射フレーム(10)と、放射要素(20)とを備えた表面実装型アンテナ装置(100;100A;100B)であって、
上記反射フレーム(10)は、
内側部分(16)の側面を形成する環状の側壁(12)と、
上記側壁(12)のうちの1つにおける側面口(14)と、
電磁的な開口として機能する上側の水平口(11)と、
下側の水平口(17)と、
上記反射フレーム(10)の一体的な部分である支持構造(13;16.3)と
を有し、
上記放射要素(20)は、
モード変換領域(23.1;23.2)と、実質的に水平方向において上記モード変換領域(23.1;23.2)から突出している片持ち梁形状のフィードポイント(24)とを有する、平面の、水平面指向アンテナ基板(21)を有し、
上記放射要素(20)は、上記内側部分(16)が背側の反射部(16.1)及び開口部(16.2)に分けられるように上記内側部分(16)の内側に上記支持構造(13;16.3)によって取り付けられ、
上記フィードポイント(24)は、能動回路(40)へ接続されうるように上記内側部分(16)から上記側面口(14)を通って延在し、
上記反射フレーム(10)は、金属からなり、又は少なくとも部分的に金属化されていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ装置(100;100A;100B)は、
金属面(31)を有する共通基板(30)と、
上記能動回路(40)と、
上記能動回路(40)と、上記フィードポイント(24)との間の電気的接続(E1)と
を備え、
上記放射要素(20)を内側に持つ上記反射フレーム(10)は、上記水平の金属面(31)の上に取り付けられていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ装置(100;100A;100B)は、アダプタ(50)への結合を構築するための電磁的インターフェース(EM2)及び機械的インターフェース(M2)を備えることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項4】
請求項3に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記機械的インターフェース(M2)は、上記アダプタ(50)への差し込み式接続を与えることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項5】
請求項3に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ装置(100;100A;100B)は、上記アダプタ(50)との機械的結合のための少なくとも1つの嵌め合い要素(15)を備えることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項6】
請求項3に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ装置(100;100A;100B)は、アダプタ(50)を備えることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ装置(100;100A;100B)は、平面回路−導波路遷移部の一部であることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記内側部分(16)に面する上記反射フレーム(10)の少なくとも上記側壁(12)は、金属化されていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項9】
請求項2に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記側壁(12)と上記金属面(31)との間に、導電接続部が設けられていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記上側の水平口(11)は、上記放射要素(20)の上記モード変換領域(23.1;23.2)によって放出された電磁波の放出のための開口として設計されていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項11】
請求項1又は2に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ基板(21)と上記金属面(31)との間の上記内側部分(16)の一部(16.1)は、上記電磁波のための背側の反射部(16.1)として機能するように設計されていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項12】
請求項2に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ基板(21)は、上記支持構造(13;16.3)によって、上記金属面(31)から或る距離(D)に浮かされていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記アンテナ基板(21)は、フレキシブルな、誘電性の材料からなっていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
高精細液晶高分子のフレックス基板が、上記アンテナ基板(21)として用いられていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記下側の水平口(17)及び上記アンテナ基板(21)は、上記アンテナ基板(21)が上記下側の水平口(17)を通って上記内側部分(16)の中へ挿入されるのを許容する寸法を有していることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記モード変換領域(23.1)は、長方形形状を有し、
少なくとも一つのスロット(71)を有する導電シート(26)を備え、このスロット(71)は好ましくは上記モード変換領域(23.1)の中央に配置され、上記スロット(71)の長さは、設計された周波数帯の中央での波長の略半分に等しくなるように選ばれており、
上記フィードポイント(24)は、
上記モード変換領域の広い方の縁のうちの1つの略中心部で上記モード変換領域(23.1)に入っているコプレーナ導波路(27)を備え、上記コプレーナ導波路(27)は、薄い導電シート(26)内の2つの平行なスロットによって形成されて、中心導体(28)と2つの接地導体(29)とを有することを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)において、
上記モード変換領域(23.2)は、修正されたE−プローブ形状をしていることを特徴とするアンテナ装置(100;100A;100B)。
【請求項18】
請求項1から5のうちの1つ以上に記載のアンテナ装置(100;100A;100B)と、少なくとも一つの能動回路(40)および共通基板(30)を備え、上記能動回路(40)および上記アンテナ装置(100;100A;100B)は上記共通基板(30)に配置されており、上記能動回路(40)は上記フィードポイント(24)のフィード線(25)を経由して上記モード変換領域(23.1;23.2)に接続されていることを特徴とする通信システム(200)。
【請求項19】
請求項18に記載の通信システム(200)において、
上記フィードポイント(24)は、上記能動回路(40)と上記モード変換領域(23.1;23.2)との間にフレキシブルな遷移部を与えることを特徴とする通信システム(200)。
【請求項20】
請求項1から5のいずれか1つに記載のアンテナ装置(100;100A;100B)の上側の水平口(11)に接続可能に設計されている下側部分(51)と、テスト又は調整装置の導波路(400)を収容するように設計されている上側部分(52)とを有することを特徴とするアダプタ(50)。
【請求項21】
請求項20に記載のアダプタ(50)において、
上記アンテナ装置(100)の第1の嵌め合い要素(15)に機械的に嵌まるように設計されている、少なくとも一つの嵌め合い要素(18)をさらに備えることを特徴とするアダプタ(50)。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のアダプタ(50)において、
上記アダプタ(50)が上記アンテナ装置(100)に差し込まれる場合に、モード抑制及びインピーダンス変換を与える要素(18;54)をさらに備えることを特徴とするアダプタ(50)。
【請求項23】
請求項1から5のいずれか1つに記載の上記アンテナ装置(100;100A;100B)と、請求項20、21又は22の上記アダプタ(50)とを備え、
上記嵌め合い要素(15,18)は、上記反射フレーム(10)と上記アダプタ(50)との間の機械的接続(M2)を形成するために与えられており、好ましくは、オス/メスタイプの嵌め合いペアが上記嵌め合い要素(15,18)として採用されていることを特徴とする配置(300)。
【請求項24】
請求項23に記載の配置(300)において、
接続されている状態で、電気的及び機械的接点(55)は、上記反射フレーム(10)と上記アダプタ(50)との間に設けられていることを特徴とする配置(300)。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−165453(P2012−165453A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−101499(P2012−101499)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2011−504402(P2011−504402)の分割
【原出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(303026752)フーバー ウント ズーナー アーゲー (4)
【Fターム(参考)】