説明

導電性ローラおよびそれを用いた画像形成装置

【課題】 生産のための設備コストを抑制することのできる導電性ローラおよびそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 導電性ローラ1は、導電剤を含有した樹脂製の中空円筒体もしくは中実円柱体よりなるシャフト部材2の半径方向外側に、導電剤を含有するシリコーンゴムもしくはウレタンゴムよりなる弾性層3の一層以上を配設してなり、弾性層3は、導電剤を含有するシリコーンゴム材料もしくはウレタンゴム材料よりなる塗料をロールコータ81からシャフト部材2に転写して形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に用いられる導電性ローラと、この導電性ローラを用いた画像形成装置に関し、特に、導電性ローラを生産するためのコストを低減したものに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、種々の導電性ローラが用いられており、感光ドラム等の潜像保持体に電荷を付与するための帯電ローラ、潜像保持体上の潜像を可視化させるため非磁性現像剤(トナー)を潜像保持体に供給する現像ローラ、このトナーを現像ローラに供給するトナー供給ローラ、潜像保持体上のトナーを紙等の記録媒体に転写するのに用いられる転写ローラ、トナーの仲介を司る中間転写ローラ、潜像保持体上に残ったトナーを除去するクリーニングローラ、さらには、画像形成装置に用いられる導電性ベルトを走行可能に駆動もしくは従動支持するベルト駆動ローラ等がその例である。
【0003】
従来、これらの導電性ローラとしては、導電性のシャフト部材の外周に、導電剤を配合することにより導電性を付与した導電性のゴムや高分子エラストマー、高分子フォーム等からなる導電性弾性層を形成し、所望に応じその外周にさらに樹脂層などの塗膜を形成したものが使用されている。
【0004】
かかるシャフト部材としては、例えば、硫黄快削鋼やアルミニウム、ステンレス鋼等に、ニッケル、亜鉛めっき等を施したもののほか、ローラを軽量化するため、導電剤を含有した樹脂製の中空円筒体もしくは中実円柱体よりなるものも用いられ、また、導電性弾性層を構成する母材としては、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPDM)のほか、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム等が用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
そして、これらの公知の文献には、シリコーンゴムよりなる弾性層の場合として、液状シリコーンゴム配合物を、導電性ローラの最終形状を決定する金型内に射出して加硫させる、いわゆるLIM成型(liquidInjection Molding(リキッドインジェクションモールディング))、液状シリコーンゴム射出成型)の手法によって形成したものが示されており、また、ポリウレタンゴムよりなる弾性層の場合としては、導電性ローラの最終形状を決定する金型内に、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合射出して、反応、硬化させる、いわゆるウレタンRIM成型(Reaction Injection Molding(リアクションインジェクションモールディング、ウレタン反応射出成型))の手法を用いて形成したものが示されている。
【特許文献1】特開2004−150610号公報
【特許文献2】特開2004−151616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、弾性層にシリコーンゴムもしくはポリウレタンゴムよりなる弾性層を、LIM成型あるいはRIM成型の手法により形成した場合には、高価な金型を数多く必要とし、設備に要するコストが膨大なものとなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされてものであり、生産のための設備コストを抑制することのできる導電性ローラおよびそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
<1>は、導電剤を含有した樹脂製の中空円筒体もしくは中実円柱体よりなるシャフト部材の半径方向外側に、導電剤を含有するシリコーンゴムもしくはウレタンゴムよりなる弾性層の一層以上を配設した導電性ローラにおいて、
前記弾性層を、導電剤を含有するシリコーンゴム材料もしくはウレタンゴム材料よりなる塗料をロールコータから前記シャフト部材に転写して形成してなる導電性ローラである。
【0009】
<2>は、<1>において、前記弾性層の半径方向外側に樹脂層を配設し、この樹脂層を、塗料をロールコータから弾性層が形成済みのシャフト部材に転写して形成してなる導電性ローラである。
【0010】
<3>は、<1>もしくは<2>において、前記シャフト部材の長さ方向片側端部に、ギヤを一体的に形成してなる導電性ローラである。
【0011】
<4>は、<1>〜<3>のいずれかにおいて、前記シャフト部材を形成する前記樹脂は、汎用樹脂,汎用エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックよりなる群から選ばれた少なくとも一種の合成樹脂である導電性ローラである。
【0012】
<5>は、<4>において、前記汎用エンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックが、ポリアセタール,ポリアミド6,ポリアミド6・6,ポリアミド12,ポリアミド4・6,ポリアミド6・10,ポリアミド6・12,ポリアミド11,ポリアミドMXD6,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェニレンオキサイド,ポリフェニレンサルファイド,ポリフェニレンエーテル,ポリエーテルスルホン,ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,ポリスルホン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエチレンテレフタレート,ポリアリレートポリテトラフルオロエチレン,又は液晶ポリマーである導電性ローラである。
【0013】
<6>は、<1>〜<5>のいずれかにおいて、シャフト部材を形成する樹脂に含有される導電剤が、カーボンブラック,グラファイト,酸化スズ,酸化チタン,酸化亜鉛,ニッケル,アルミニウム及び銅よりなる群から選ばれた少なくとも一種である導電性ローラである。
【0014】
<7>は、<1>〜<6>のいずれかにおいて、前記シャフト部材を中空円筒体よりなるものとし、中空円筒体に、その外周面から半径方向内側に向かって延在する補強用リブを設けてなる導電性ローラである。
【0015】
<8>は、<7>において、前記シャフト部材に、前記中空円筒体の半径方向中心に配置され中空円筒体を嵌通する金軸を設け、金軸を前記補強リブの半径方向内側端を支持するよう構成してなる導電性ローラである。
【0016】
<9>は、<8>において、前記中空円筒体を、複数の円筒部材を長さ方向に連結して構成してなる導電性ローラである。
【0017】
<10>は、<9>において、相互に隣接する前記円筒部材の結合を、長さ方向圧縮力の開放下でも保持させる結合手段を具えてなる導電性ローラである。
【0018】
<11>は、<1>〜<10>のいずれかにおいて、前記シャフト部材が、長手方向両端部から中央部に向かい径大となるクラウン形状を有する導電性ローラである。
【0019】
<12>は、<1>〜<11>のいずれかの導電性ローラを具えてなる画像形成装置である。
【発明の効果】
【0020】
<1>によれば、前記弾性層を、導電剤を含有するシリコーンゴム材料もしくはウレタンゴム材料よりなる塗料をロールコータから前記シャフト部材に転写して形成したので、高価な金型を多数用いる必要はなく、簡易なロールコータ塗装装置と乾燥装置とだけで、これらのローラを生産することができ、設備に要するコストを大幅に低減することができる。
【0021】
<2>によれば、樹脂層も、ロ−ルコータ塗装により形成されるので、弾性層の形成に用いる設備を共用することができ、設備コストをなお一層低減することができる。
【0022】
<3>によれば、シャフト部材の長さ方向片側端部に、ギヤを一体的に形成したので、電子写真装置に、導電性ローラを回転駆動するギヤを別途取り付ける必要がなく、電子写真装置としてのコストを低減することができる。
【0023】
<4>によれば、前記シャフト部材を形成する前記樹脂を、汎用樹脂,汎用エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックよりなる群から選ばれた少なくとも一種の合成樹脂からなるものとしたので、広く用いられている樹脂成型機により成形が可能なことにより安価に製造でき、また、成型品形状の自由度を高くすることができ、さらには、リサイクル性も高めることができる。
【0024】
<5>によれば、汎用エンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックを、ポリアセタール,ポリアミド6,ポリアミド6・6,ポリアミド12,ポリアミド4・6,ポリアミド6・10,ポリアミド6・12,ポリアミド11,ポリアミドMXD6,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェニレンオキサイド,ポリフェニレンサルファイド,ポリフェニレンエーテル,ポリエーテルスルホン,ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,ポリスルホン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエチレンテレフタレート,ポリアリレートポリテトラフルオロエチレン,又は液晶ポリマーから選ばれたものとしたので、これらの材料は、安価に、しかも簡易に材料を入手することができ、また、曲げ強さ、吸水変化が少ないこと、耐熱性等、導電性ローラに必要とされる特性を具えており、好ましい。
【0025】
<6>によれば、シャフト部材を形成する樹脂に含有される導電剤を、カーボンブラック,グラファイト,酸化スズ,酸化チタン,酸化亜鉛,ニッケル,アルミニウム及び銅よりなる群から選ばれた少なくとも一種であるとしたので、導電性ローラに必要とされる体積抵抗率を付与させることができ、またこれらの材料は、流動性や曲げ強さに優れ、シャフト部材を形成するさいに有利なものなる。
【0026】
<7>によれば、前記シャフト部材を中空円筒体よりなるものとし、中空円筒体に、その外周面から半径方向内側に向かって延在する補強用リブを設けて構成したので、感光ドラム等から受ける曲げに対する強度を上げ、その結果、印刷画像品質を向上させることができる。
【0027】
<8>によれば、前記シャフト部材に、前記中空円筒体の半径方向中心に配置され中空円筒体を嵌通する金軸を設け、金軸を前記補強リブの半径方向内側端を支持するよう構成したので、シャフト部材の曲げに対する強度をなお一層向上させることができる。
【0028】
<9>によれば、複数の円筒部材を長さ方向に連結して前記中空円筒体を構成したので、部材の長さが短くなることによって向上する加工精度と、加工の容易さにより、導電性ローラを高精度で低コストのものにすることができる。
【0029】
<10>によれば、長さ方向圧縮力の開放下でもそれらの円筒部材同士の結合を保持させる結合手段を具えるので、組立時や保守交換時にこれらがバラバラになることがなく、組立や保守の作業を容易なものにし、それに要する時間を短縮することができる。
【0030】
<11>によれば、シャフト部材を、長手方向両端部から中央部に向かい径大となるクラウン形状を有するよう構成したので、弾性層を一定の厚さで形成しても、中央部が径大のクラウン形状の導電性ローラを容易に形成することができる。導電性ローラをこのようなクラウン形状にした場合には、これを画像形成装置に装着し、例えば感光ドラムにその長さ方向両端部を押圧して接触させる際にも、長さ方向に均一な接触圧を得ることができ、もし導電性ローラを平坦な円筒面より成るものとした場合には、長さ方向中央部が浮いて接触圧が長さ方向中央で低くなってしまうのを防止することができる。
【0031】
<12>によれば、<1>〜<11>のいずれかの導電性ローラを具えるので、前述の通り、導電性ローラの生産にかかるコストを低減することができ、ひいては、画像形成装置のコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は、本実施形態の導電性ローラを示す断面図である。導電性ローラ1は、シャフト部材2の外周上に導電性の弾性層3を形成し、更にこの弾性層3上に導電性の樹脂層4を形成してなるが、樹脂層4は必須の構成ではない。シャフト部材2は、樹脂製の中実円柱体5、および、その両端に形成されたそれぞれの軸部6よりなり、これらの軸部6は、取付け状態において、図示していない、電子写真装置のローラ支持部に軸支される。
【0033】
シャフト部材2は、樹脂製であるので、これを金属等で形成する場合に比して、重量の大幅な増加を招くことなくシャフト部材2の径を大きくすることができ、また、樹脂は導電剤を含有するので、シャフト部材2は良好な導電性を有し、このことにより、導電性ローラ1の表面に所望の電位を付与することができる。
【0034】
シャフト部材2に用いる樹脂材料としては、適度の強度を有するとともに、射出成型等により成形可能なものであればよく、汎用樹脂やエンジニアリングプラスチックの中から適宜選定することができ、特に制限されるものではない。具体的には、エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド12、ポリアミド4・6、ポリアミド6・10、ポリアミド6・12、ポリアミド11、ポリアミドMXD6(メタキシレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド)等)、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレンなどを挙げることができる。また、汎用樹脂としては、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンなどが挙げられる。その他、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等を用いることもできる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
上記の中でも、特にエンジニアリングプラスチックが好ましく、さらに、ポリアセタール、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネートなどが、熱可塑性で成形性に優れ、かつ、機械的強度に優れる点より、好ましい。特に、ポリアミド6・6、ポリアミドMXD6、ポリアミド6・12、あるいはこれらの混合樹脂が好適である。なお、熱硬化性樹脂を用いることに差し支えはないが、リサイクル性を考慮すれば熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0036】
導電剤としては、樹脂材料中に均一に分散することができるものであれば各種のものを使用することが可能であるが、カーボンブラック粉末、グラファイト粉末、カーボンファイバーやアルミニウム、銅、ニッケルなどの金属粉末、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物粉末、導電性ガラス粉末などの粉末状導電剤が好ましく用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この導電剤の配合量は、目的とする導電ローラの用途や状況に応じて適当な抵抗値が得られるように選定すればよく、特に制限されるものではないが、通常はシャフト部材2の材料全体に対して5〜40重量%、特には、5〜20重量%とすることが好ましい。
【0037】
シャフト部材2の体積抵抗率については、上述のようにローラの用途等に応じて適宜設定すればよいが、通常は1×100〜1×1012Ω・cm、好ましくは1×102〜1×1010Ω・cm、より好ましくは1×105〜1×1010Ω・cmとする。
【0038】
シャフト部材2の材料中には、必要に応じ補強や増量等を目的として各種導電性または非導電性の繊維状物やウィスカー、フェライトなどを配合することができる。繊維状物としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維などの繊維を挙げることができ、また、ウィスカーとしては、チタン酸カリウムなどの無機ウィスカーを挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの配合量は、用いる繊維状物やウィスカーの長さおよび径、主体となる樹脂材料の種類や目的とするローラ強度等に応じて適宜選定することができるが、通常は材料全体の5〜70重量%、特には10〜20重量%である。
【0039】
シャフト部材2は、導電性ローラ1の芯部を構成するものであるため、ローラとして良好な性能を安定的に発揮させるために十分な強度が必要であり、通常、JIS K 7171に準拠した曲げ強度で80MPa以上、特に130MPa以上の強度を有することが好ましく、これにより良好な性能を長期にわたって確実に発揮することができる。なお、曲げ強度の上限については特に制限はないが、一般的には500MPa以下程度である。
【0040】
図1には、シャフト部材2として中実円柱体5よりなるものを示したが、シャフト部材2に代えて、中空円筒体13よりなるシャフト部材12を用いることもでき、図2は、シャフト部材12を用いた導電性ローラ11を示す断面図である。導電性ローラ11は、シャフト部材12の外側に弾性層3、樹脂層4をこの順に形成してなる点については導電性ローラ1と同様である。シャフト部材12は、中空円筒体13とキャップ部材12とを接着等により接合して形成され、中空円筒体13は、円筒部13a、底部13bおよび軸部6よりなり、また、キャップ部材14は蓋部14aと軸部6とよりなる。両方の軸部6は、取付け状態において、図示しない、電子写真装置のローラ支持部に軸支される。
【0041】
シャフト部材2に代えて、中空のシャフト部材12を用いることによりシャフト部材をより一層軽量にすることができ、特に導電性ローラの外径が12mmを越える場合には、中空の構造とするのが好ましい。
【0042】
図3は、さらに、シャフト部材12に代えてシャフト部材22を用いた導電性ローラ21を示す断面図であり、図4はその斜視図である。シャフト部材22は、中空円筒体23とキャップ部材22とを接着等により接合して形成され、中空円筒体23は、円筒部23a、底部23b、ギヤ部7および軸穴部8よりなり、一方、キャップ部材24は、導電性ローラ11と同様に、蓋部24aと軸部6とよりなる。
【0043】
軸部6と軸穴部8とが、図示しない、電子写真装置のローラ支持部に軸支され、また、導電性ローラの回転駆動力は、ギヤ部7を介して直接シャフト部材に伝達される。このようなギヤ部7を有する中空円筒体23であっても、シャフト部材22を樹脂製としたので、これを射出成形等により一体的に成型することができ、シャフト部材22を金属よりなるものとした場合には、ギヤ部を別部材としなければならないのに対比して、シャフト部材のコストを低減することができる。なお、ギヤ部7は、平歯車であってもハズバ歯車であっても、一体的に成型することができる。
【0044】
また、中空円筒部13a、または23aの肉厚は、強度的に十分であるかぎり、軽量化の点で薄い方が好ましく、例えば、0.3〜3mmとすることができるが、一層好ましくは、1〜2mmとするのがよい。
【0045】
上記樹脂材料および導電剤等からなる配合材料を用いてシャフト部材2、12、22を形成するための方法としては、特に制限はなく、樹脂材料の種類などに応じて、公知の成形法の中から適宜選定することができるが、一般的には金型を用いる射出成形法が適用される。
【0046】
図5は、中空円筒体23を成形する金型30を、閉止した状態において示す断面図であり、金型30は筒型31、コア型32、およびランナ型33よりなり、これらの型を、筒型31の長さ方向に相互に離隔接近させることにより、金型の開放および閉止を行うよう構成される。金型30を閉止した状態において、筒型31とコア型32とで形成されるキャビティ35に、第一スプルー36から、ランナ37および第二スプルー34を介して樹脂を注入し、その後、金型30内でこれを冷却固化させることによって中空円筒体23を成形することができる。また、ホットランナ方式を用いることによりランナ37中の材料を無駄なく利用することもできる。
【0047】
ここで、筒型31、コア型32は周方向に分割されることのない構造を有するので、中空円筒体23を周方向に均一なものとすることができる。また、コア型32を用いる代りに、不活性ガスを導入し、このガスの圧力によって中空部を形成することもできる。
【0048】
図6は、端部構造の異なるシャフト部材を示す側面図であり、図6(a)、図6(b)は、端部の両方を軸部6で構成した例、図6(c)は、端部の両方を軸穴部8で構成した例、図6(d)、図6(e)は、両端部の一方を軸部6で、他方を軸穴部8で構成した例をそれぞれ示す。また、図6(b)〜図6(e)の例は、一方の端部にギヤ部7を設けた例を示す。このほか、端部の両側にギヤ部7を設けることもでき、この場合、シャフト部材が動力伝達を仲介する機能を担うことになる。いずれの場合も、ギヤ部7は円筒部もしくは円柱部と一体的に形成することができる。
【0049】
ここで、図6(a)に示したものは、シャフト部材2もしくは12に対応し、図6(d)に示したものはシャフト部材22に対応する。
【0050】
また、図6に示したシャフト部材2、12の軸部6は、図7(a)に斜視図で示すように、最も単純な形状の円柱状をなすが、この代わりに、例えば、図7(b)に示すテーパ部を有するもの、図7(c)に示すDカット加工を施したもの、図7(d)に示す角柱状
のもの、図7(e)に示す先尖端部を有するもの、図7(f)に示す環状溝を有するもの、図7(g)に示す段付部を有するもの、図7(h)に示す、外周面にスプラインもしくはギヤ用外歯部が形成されたもの等を用いることができ、同様に、軸穴部8として、図7(i)に斜視図で示した単純な丸穴形状のものの外、図7(j)に示すD型断面形状のもの、図7(k)に示す小判状断面形状のもの、図7(l)に示す角穴形状のもの、図7(m)に示す、内周面にスプラインもしくはギヤ用内歯部が形成されたもの、図7(n)に示すテーパ穴部を有するもの、図7(o)に示すキー溝付丸穴のものなども用いることができる。
【0051】
さらに、図7(r)に斜視図で示したギヤ部7に代えて、図7(p)に示す段付部や、図7(q)に示すやフランジ部等を用いることもできる。
【0052】
図8は、図2に示したシャフト部材12に代えて、シャフト部材52を用いた導電性ローラ51を示す斜視図であり、図は、シャフト部材52を示す斜視図である。シャフト部材52は中空円筒体53と金軸56とよりなり、中空円筒体53には、その外周面から半径方向内側に向かって延在する補強用リブ55が設けられ、また、中空円筒体53は、その長さ方向に、複数の円筒部材54を連結して構成される。このように、中空円筒体53を複数の円筒部材54からなるものとし、いわば長さ方向に分割したことで、従来の金属パイプや樹脂一体成形品の場合に比し部材の長さが短くなるため、加工の精度を向上することができるとともに、個々の部材の加工が容易になり、これにより生産性の向上にも寄与することができる。
【0053】
中空円筒体53の半径方向中心に、中空円筒体を嵌通する金軸56が配置され、金軸56はそれらの補強リブ55の半径方向内側端を支持するよう構成され、この構成により、ローラの剛性を向上して、曲げに対する強度を高めることができる。
【0054】
円筒部材54同士の連結手段としては、特に制限されるものではないが、例えば、図10に示すような構造を例示することができ、その端部同士の嵌合により結合可能とすることができる。図示する円筒部材54は、一方の端部61A側に凸部62および回転止めピン63を有し(図中の(a))、他方の端部61B側に凹部65および回転止め穴66を有している(図中の(b))。図中の(c)は円筒部材54の断面図である。このような構造を有する円筒部材54同士を、端部61Aと端部61Bとを対向させた状態で回転させながら嵌め合わせることで、凸部62が凹部65と、回転止めピン63が回転止め穴66と夫々嵌合して、互いに強固に結合することが可能となる。ローラは回転させて使用するものであるため、部材間の連結手段は、回転防止機構を備えていることが好適である。なお、図示する円筒部材54においては、凸部62および凹部65において、芯出し用のテーパ加工が施されている。
【0055】
上記の例を変形した、円筒部材同士の連結手段の変形例を以下に例示する。第一の変形例は、隣り合う円筒部材54D同士を圧入することによりこれらを結合する結合手段であり、図11(a)に示すように、部材54Dの外筒75の端部に段差周面75c、75dを設け、一方の端部で半径方向内側が凸に、他方の端部で半径方向外側が凸になるよう構成し、外周面となる一方側の段差周面75cの径d1を、内周面となる他方側の段差周面75dの径d2より大きくすることにより、図11(b)に示すようにこれらの円筒部材54Dを相互に圧入して固着することができる。
【0056】
第二の変形例は、図12に示すように、円筒部材54Eの端面同士を当接させてそれらの結合部を含む外周面に接着テープ78を巻き付け、接着テープ78を介して円筒部材54E同士を結合するものである。
【0057】
図13は、第三の変形例を示すローラ本体の断面図であり、隣り合う円筒部材54同士を螺合することによりこれらを結合する。部材54Fの外筒76の一方側の端に雄ねじ部76fを設け、他方側の端にめねじ部を設ける。そして、これらを螺合可能に構成すればよい。
【0058】
本発明においては、シャフト部材52自体の形状については特に制限されるものではなく、適宜所望の形状とすることができる。例えば、長手方向端部に当たる部材にギヤ部57(図14参照)やDカット形状等の適宜形状の軸部などを形成しておくか、または、ギヤ部のみの部材をローラ本体形成後の端部に接合することで、シャフト部材52の長さ方向端部に所望に応じこれら機能部品の形状を持たせることができる。これにより、軸を別途使用し、または、軸に複雑な加工をする必要がなくなり、また、機能部品の芯出しを行うことが容易となるメリットも得られる。
【0059】
また、シャフト部材52の外形は、図9等に示す円筒形状には限られず、図15に示すような、長手方向両端部から中央部に向かい径大となるクラウン形状を有するものとすることもできる。従来のような金属パイプや樹脂一体成形品の場合、ローラ本体の外形はストレートな円柱形状とすることが一般的であり、中央部が両端部よりも径大であるクラウン形状などの対応は困難で、高額な金型製作による成形や、弾性層3の研磨、樹脂層4の塗工(ディップ等)の際の膜厚制御等が必要であった。本実施形態においては、中空円筒体53を長さ方向に分割することにより、個々の部材の加工難易度を低くしているため、クラウン形状などにも容易に対応が可能となり、また、加工精度も良好に確保することが可能となる。なお、本実施形態において、ローラ本体を形成する部材の個数には特に制限はなく、強度やコスト性の観点から適宜定めればよい。
【0060】
中空円筒体53を形成する材料としては、先にシャフト部材2について説明したと同様のものを用いることができ、また、金軸56としては、例えば、硫黄快削鋼やアルミニウム、ステンレス鋼等に、ニッケル、亜鉛めっき等を施したものを用いることができる。
【0061】
中空円筒体53と金軸56との間の結合は、通常、慣用の接着剤等により行えばよく、特に制限されないが、例えば、円筒部材54をオーブン等で加熱した状態で金軸56を通し、その後冷却することにより、円筒部材54の樹脂材料を収縮させて金軸56に対し固定する方法を用いることもできる。また、この結合手段として、金軸56に溝やDカット等を設けることも好ましい(図示せず)。この場合の結合手段も、前述した部材の場合と同様に回転防止機構を備えていることが好ましく、これにより使用時における金軸56の空転を防止することができる。
【0062】
本実施形態の導電性ローラ51は、複数の円筒部材54を長さ方向に結合してシャフト部材52を形成した後、その外周に弾性層3を設けることにより製造することができる。ここで、本実施形態に係る円筒部材54により中空円筒体53を形成する手順としては、特に制限されるものではないが、例えば、図10に示すような嵌合構造を有する円筒部材54の場合には、部材同士を直接結合して中空円筒体53とすることもでき、また、嵌合構造を有しない場合には、図16(a)〜(c)に示すように、金軸56を個々の円筒部材54に順次挿通した後、接着剤等により互いに固定してローラ形状とする方法を用いてもよい。
【0063】
弾性層3は、導電剤を含有するシリコーンゴムもしくはウレタンゴムよりなり、これらのゴムは、導電剤を含有するシリコーンゴム材料もしくはウレタンゴム材料よりなる塗料を、ロールコータからシャフト部材2に転写して形成されていることが本発明の特徴である。
【0064】
導電剤は、弾性層3の導電性を制御する目的で配合される。導電剤として電子導電剤およびイオン導電剤のいずれを用いてもよく、電子導電剤の場合、カーボン系導電剤は、少量の添加で高い導電性を得ることができる点において好ましい。カーボン系導電剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックを用いるのが好ましいが、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボンブラック、酸化カーボンブラック等のインク用カーボンブラック,熱分解カーボンブラック、グラファイト等も用いることができる。
【0065】
カーボン系以外の電子導電剤としては、ITO、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物の微粒子;、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属の酸化物;導電性酸化チタンウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカーのような透明なウィスカー;などを例示することができる。
【0066】
イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンミニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等のアンモニウムの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などの有機イオン導電剤;リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などの無機イオン導電剤を例示することができる。
【0067】
導電剤として、2種類以上のものを混合して用いてもよく、この場合、印可される電圧の変動や環境の変化に対しても安定して導電性を発現することができる。混合例としては、カーボン系導電剤に、カーボン系以外の電子導電剤やイオン導電剤を混合したものをあげることができる。
【0068】
弾性層3の硬度は、特に制限されるものではないが、導電性ローラ1を現像ローラとして用いた場合、アスカーC硬度で80度以下、特に30〜70度とすることが好ましい。この場合、硬度が80度を超えると、導電性ローラやトナーに加わる応力を緩和するという、弾性層本来の機能を発現しえなくなり、例えば、導電性ローラと潜像保持体との接触面積が小さくなり、良好な現像が行えなくなるおそれがある。更に、トナーに損傷を与え感光体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して画像不良となりやすい。逆に、あまり低硬度にすると感光体や成層ブレードとの摩擦力が大きくなり、ジッターなどの画像不良が発生する虞がある。
【0069】
この弾性層3は、感光体や成層ブレードなどに当接して使用されるため、硬度を低硬度に設定する場合でも、圧縮永久歪をなるべく小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
【0070】
弾性層3の表面粗さは、特に制限されるものではないが、導電性ローラ1を、樹脂層4を具えない現像ローラとして用いた場合、JIS10点平均粗さで15μmRz以下、特に1〜10μmRzとすることが好ましい。表面粗さが15μmRzを超えると一成分現像剤(トナー)のトナー層の層厚や帯電の均一性が損なわれる場合があるが、15μmRz以下とすることにより、トナーの付着性を向上させることができると共に、長期使用時でのローラの摩耗による画像劣化をより確実に防止し得る。
【0071】
弾性層3の半径方向外側に、導電性ローラの表面性状改質や耐久性向上のために樹脂層4を設けることができ、弾性層3と樹脂層4との相溶性を増加させるため、弾性層3にシリコーンゴムを用いた場合、樹脂層4の主剤をウレタン変性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アルキッドメラミン樹脂で構成することが好ましく、また、弾性層3としてウレタンゴムを用いた場合には、樹脂層4の主剤をポリウレタン樹脂とするのが好ましく、このことによって、弾性層3中の未反応物質と樹脂層4との反応、例えば未反応のイソシアネート等との反応等が起こり易くなるために、樹脂層4の成長を促進することができる。
【0072】
樹脂層4に配合される導電剤としては、弾性層3に配合される導電剤と同じものを用いることができる。
【0073】
次に、導電性ローラ1の製造方法について説明する。図17は、導電性ローラ1を製造するための工程を示す工程図であり、まず、シャフト部材準備工程91で、外注先等から入手したシャフト部材を検査してこれを準備し、次いで、弾性層塗装工程92で、シャフト部材2の半径方向外側に、弾性層3となる塗料をロールコータを用いて塗装したあと、これを乾燥させる。(弾性層乾燥工程93)
【0074】
導電性ローラ1に樹脂層4を設ける場合には、弾性層乾燥工程93に続いて、樹脂層塗装工程94にて、樹脂層4をロールコータ塗装して形成したあと、樹脂層乾燥工程95でこれを乾燥させ、導電性ローラ1の製造工程を完了する。
【0075】
弾性層塗装工程92における塗装の概要を、図18に示すロールコータの模式図を参照して説明する。弾性層3を形成するロールコータ81は、導電性ローラ1のシャフト部材2と平行に配置され、シャフト部材2の周面に当接して回転して周上の塗料をシャフト部材2の周面に塗布するアプリケーションロール82と、この塗料を収容する塗料用パン83と、塗料パン83内の塗料P0に周面を接触させるとともにアプリケーションロール82と周面同士を当接させて回転し、前記塗料P0を塗料パン3から汲み上げてアプリケーションロール82に供給するピックアップロール84とを具える。
【0076】
このロールコータ81において、塗料用パン83に収容された塗料P0は、回転するピックアップロール84の表面に付着して汲み上げられる。ピックアップロール84上に汲み上げられた塗料P1は、ピックアップロール84に当接して回転するアプリケーションロール82にその一部が供給され、アプリケーションロール82上に供給された塗料P2は、同様にして、シャフト部材2の周面に塗装されて、弾性層3となる塗膜が形成される。
【0077】
弾性層塗装工程92で用いる塗料としては、導電剤を含有するシリコーンゴム材料もしくはウレタンゴム材料を溶剤に溶解したものを用いるが、このための溶媒としては、トルエン、MEK(メチルエチルケトン)を例示することができる。
【0078】
ここで、シャフト部材2と弾性層3との接着性を向上させるため、シャフト部材2の表面にプライマを塗布しておくことが好ましく、プライマとしては、例えば、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シリコーンレジン系等の各種プライマを1種もしくは2種以上混合して用いることができる。
【0079】
樹脂層4を弾性層3の外側に形成する場合、ロールコータ塗装ではない方法によっても形成することができるが、弾性層3を形成する設備をそのまま樹脂層4の形成にも用いることができる点において、これをロールコータ塗装によって形成するのが好ましい。この場合、図18に示すところにおいて、シャフト部材2の代わりに、弾性層3を形成済みのシャフト部材2を浸漬すればよく、また、この場合の塗料としては、導電剤を含有するポリウレタン樹脂やウレタン変成アクリル樹脂等を、MEK、MIBK(メチルイソブチルケトン)等の溶剤に溶解したものを用いればよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る導電性ローラは、普通紙複写機、普通紙ファクシミリ機、レーザビームプリンタ、カラーレーザビームプリンタ、トナージェットプリンタなどの画像形成装置に、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、現像ローラ、中間転写ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングローラ、ベルト駆動ローラ、給紙ローラ等として装着して好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る実施形態の導電性ローラを示す断面図である。
【図2】他の実施形態の導電性ローラを示す断面図である。
【図3】さらなる他の実施形態の導電性ローラを示す断面図である。
【図4】さらなる他の実施形態の導電性ローラを示す斜視図である。
【図5】異なる構造の端部を有するシャフト部材を示す側面図である。
【図6】中空円筒体を形成する金型を示す断面図である。
【図7】軸部、軸穴部、ギヤ部の形状変形例を示す斜視図である。
【図8】さらなる他の実施形態の導電性ローラを示す斜視図である。
【図9】図8に示した導電性ローラのシャフト部材を示す斜視図である。
【図10】円筒部材を示す斜視図および断面図である。
【図11】円筒部材同士の連結手段の第一の変形例を示す断面図である。
【図12】円筒部材同士の連結手段の第二の変形例を示す断面図である。
【図13】円筒部材同士の連結手段の第三の変形例を示す断面図である。
【図14】図9に示したシャフト部材の変形例を示す斜視図である。
【図15】図9に示したシャフト部材の他の変形例を示す斜視図である。
【図16】円筒部材の連結方法を例示する斜視図である。
【図17】本発明の導電ローラを製造する工程を示す工程図である。
【図18】ロールコータ塗装方法を示すロールコータ式塗装装置の模式図である。
【符号の説明】
【0082】
1 導電性ローラ
2 シャフト部材
3 弾性層
4 樹脂層
5 中実円柱体
5a 金属製パイプの凸部
6 軸部
6a 軸部
6b 軸付きキャップの凹部
7 ギア部
8 軸穴部
11 導電性ローラ
12 シャフト部材
13 中空円筒体
13a 円筒部
13b 底部
14 キャップ部材
14a 蓋部
21 導電性ローラ
22 シャフト部材
23 中空円筒体
23a 円筒部
23b 底部
24 キャップ部材
24a 蓋部
30 金型
31 筒型
32 コア型
33 ランナ型
34 第二スプルー
35 キャビティ
36 第一スプルー
37 ランナ
51 導電性ローラ
52 シャフト部材
53 中空円筒体
54、54D、54E、54F 円筒部材
55 補強用リブ
56 金軸
57 ギヤ部
61A 円筒部材の一方の端部
61B 円筒部材の他方の端部
62 凸部
63 回転止めピン
65 凹部
66 回転止め穴
75 外筒
75c、75d 外筒の段差周面
76 外筒
76f 雄ねじ部
78 接着テープ
91 シャフト部材準備工程
92 弾性層塗装工程
93 弾性層乾燥工程
94 樹脂層塗装工程
95 樹脂層乾燥工程
81 ロールコータ
82 アプリケーションロール
83 塗料用パン
84 ピックアップロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電剤を含有した樹脂製の中空円筒体もしくは中実円柱体よりなるシャフト部材の半径方向外側に、導電剤を含有するシリコーンゴムもしくはウレタンゴムよりなる弾性層の一層以上を配設した導電性ローラにおいて、
前記弾性層を、導電剤を含有するシリコーンゴム材料もしくはウレタンゴム材料よりなる塗料をロールコータから前記シャフト部材に転写して形成してなる導電性ローラ。
【請求項2】
前記弾性層の半径方向外側に樹脂層を配設し、この樹脂層を、塗料をロールコータから弾性層が形成済みのシャフト部材に転写して形成してなる請求項1に記載の導電性ローラ。
【請求項3】
前記シャフト部材の長さ方向片側端部に、ギヤを一体的に形成してなる請求項1もしくは2に記載の導電性ローラ。
【請求項4】
前記シャフト部材を形成する前記樹脂は、汎用樹脂,汎用エンジニアリングプラスチック及びスーパーエンジニアリングプラスチックよりなる群から選ばれた少なくとも一種の合成樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
【請求項5】
前記汎用エンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックが、ポリアセタール,ポリアミド6,ポリアミド6・6,ポリアミド12,ポリアミド4・6,ポリアミド6・10,ポリアミド6・12,ポリアミド11,ポリアミドMXD6,ポリブチレンテレフタレート,ポリフェニレンオキサイド,ポリフェニレンサルファイド,ポリフェニレンエーテル,ポリエーテルスルホン,ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,ポリスルホン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエチレンテレフタレート,ポリアリレートポリテトラフルオロエチレン,又は液晶ポリマーである請求項4に記載の導電性ローラ。
【請求項6】
シャフト部材を形成する樹脂に含有される導電剤が、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、アルミニウム及び銅よりなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ローラ。
【請求項7】
前記シャフト部材を中空円筒体よりなるものとし、中空円筒体に、その外周面から半径方向内側に向かって延在する補強用リブを設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ローラ。
【請求項8】
前記シャフト部材に、前記中空円筒体の半径方向中心に配置され中空円筒体を嵌通する金軸を設け、金軸を前記補強リブの半径方向内側端を支持するよう構成してなる請求項7に記載の導電性ローラ。
【請求項9】
前記中空円筒体を、複数の円筒部材を長さ方向に連結して構成してなる請求項8に記載の導電性ローラ。
【請求項10】
相互に隣接する前記円筒部材の結合を、長さ方向圧縮力の開放下でも保持させる結合手段を具えてなる請求項9に記載の導電性ローラ。
【請求項11】
前記シャフト部材が、長手方向両端部から中央部に向かい径大となるクラウン形状を有する請求項1〜10のいずれかに記載の導電性ローラ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の導電性ローラを具えてなる画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−285209(P2006−285209A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27426(P2006−27426)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】