説明

導電性組成物、導電体及びその形成法

【課題】 良好な塗布性を示し、下地基材への影響が少なく、透明性、平滑性、導電性等に優れた塗膜を形成し得る導電性組成物を提供する。
【解決手段】 スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマー、含窒素官能基及び末端疎水性基を有する水溶性高分子並びに溶剤を含んでなる導電性組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性組成物に関するものであり、更に詳しくは、高い導電性と良好な塗布性を示し、下地基材への腐食や溶解等の影響が少なく、透明性、平滑性、導電性等に優れた塗膜を形成し得る導電性組成物に関するものである。
【0002】本発明の導電性組成物及びこれを基材に塗布した導電体の具体的用途としては、各種帯電防止剤、電子線リソグラフィー時の帯電防止剤、コンデンサー、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、電気防食、包装材料、磁気カード、、磁気テープ、磁気ディスク、写真フィルム、印刷材料、離形フィルム、ヒートシールテープ・フィルム、ICトレイ、ICキャリアテープ、カバーテープ、電池の蓄電能力向上に適用可能である。特に、本発明の導電性組成物は、下地基材への影響が少なく、導電性の湿度依存性が少なく、且つ透明性が高いため、帯電防止剤への適用が優れている。
【0003】
【従来の技術】プラスチック類への静電気障害解消のための手段として、導電性プライマーや帯電防止剤等の導電成分を用いてプラスチック類に導電性を付与する方法が一般的に用いられている。従来からの導電成分として7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯塩、ポリアニリンなどの導電性ポリマー、金属系粉末やカーボン粉末、界面活性剤を用いたもの、及びこれらの成分と高分子化合物とを組み合わせたものなどが知られている。また、これらの導電成分を含む組成物からなる導電性塗料を基材上に塗布し、導電性塗膜を形成した導電体が知られている。例えば、導電性プライマーでは、非導電体表面を導電化するために、プライマー中に導電性のフィラーや導電性添加剤を添加している。上記導電性フィラーとして、導電性カーボン、銀、ニッケル、アルミニウム等を用いるプラスチック用導電性プライマー組成物(特開昭58−76266号公報、特開昭61−218639号公報、特開平2−120373号公報、特開平2−194071号公報)が提案されている。しかし、これらの組成物は導電性フィラーを分散させているため、貯蔵中に導電性フィラーと樹脂成分とが分離、凝集することがあり保存安定性が悪く、実用上の問題点となっていた。更に、これらの導電性フィラーを用いる方法は一般的に導電性フィラーが高価格であるうえ、充分な導電性を得るためには膜厚を厚くする必要もあり、工業的にはコスト面で大きな問題を有する。
【0004】導電性を付与する添加剤として安価な界面活性剤を用いる方法(特開平3−4970号公報)も提案されているが、環境によって導電性が変化し、特に湿度の低い環境下では導電性が大きく低下するという問題を有する。また、現在使用されている導電性プライマーや帯電防止剤の多くは有機溶剤系であり、環境、安全性などの問題から水系への代替も求められている。
【0005】このような状況下で、本発明者らは既に水溶性導電性ポリマーを導電成分とする導電性組成物(特開平8−041320号公報、特開平8−143662号公報)を提案している。この導電性組成物は、導電成分が水溶性のため、溶剤に水を用いることで環境安全性を大幅に向上させたが、基材によっては塗布性が充分でないという問題点があった。この場合も、界面活性剤等を添加し塗布性を向上することは可能であるが、アニオン系あるいはカチオン系界面活性剤を添加した組成物は、例えばアルミ、鉄、亜鉛のような比較的腐食性の高い基材に塗布した場合、下地基材の腐食を加速してしまう欠点がある。また、半導体の電子線リソグラフィー工程等の帯電防止剤に適用した場合には、界面活性剤の酸、塩基が基材表面に形成されたレジスト特性に悪影響を及ぼし、所定のパターンを得ることができない。また、非イオン性の界面活性剤を添加した場合は、界面活性剤の溶解力が悪影響を与え、基材表面にコーティングさせている物に重ね塗りした場合、コーティング層を溶解してしまう等の欠点がある。特に、電子線リソグラフィーに用いられるレジストの帯電防止に適用した場合は、レジスト層を溶解してしまい、パターンが形成できなくなってしまうことすらある。
【0006】更に、本発明者らは導電成分の水溶性導電性ポリマーとポリビニルアルコールを併用する架橋性導電組成物(WO97/07167号公報)に関しても提案している。ポリビニルアルコールの一種である部分縣化ポリビニルアルコールは、水酸基とエステル部分が共存することで、界面活性剤的に働き、表面張力を下げ、塗布性を向上させる効果を示す。しかし、部分縣化ポリビニルアルコールを含有する組成物は、未鹸化の酢酸エステル部分が加水分解を起こし、酢酸を発生しやすい。このため導電体を形成する際に腐食性が高い基材を用いると、腐食を加速してしまうという課題が残され、例えば、電子線リソグラフィーに用いた場合は、レジスト層を溶解若しくは架橋させてしまいパターン形成が不可能になることさえある。ポリビニルアルコールとして完全縣化ポリビニルアルコールを用いることで、加水分解による酢酸生成を防ぐことは可能であるが、この場合はエステル部分が無いため、界面活性能は示さず、塗布性向上効果は見られない。このように従来技術では、導電性、塗布性、基材への影響を共に満足し得る導電性組成物は得られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好な塗布性を示し、下地基材及び、下地基材に塗布されたレジスト等の積層物への影響が少なく、透明性、平滑性、導電性等に優れた塗膜を形成し得る導電性組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術の問題点に鑑み、導電性組成物について鋭意検討した結果、従来の代表的界面活性剤の代わりに含窒素官能基及び末端疎水性基を有する水溶性高分子を用いることで、下地基材への影響がなく、塗布性を向上させることができることを見出して本発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明の第一は、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマー(a)、含窒素官能基及び末端疎水性基を有する水溶性高分子(b)、並びに溶剤(c)を含んでなる導電性組成物を要旨とするものである。また、本発明の第二は基材の少なくとも一つの面上に前記導電性組成物を塗布することにより形成された透明導電性高分子膜を有する導電体を要旨とするものである。更に、本発明の第三は、基材の少なくとも一つの面上に前記導電性組成物を塗布し透明導電性高分子膜を形成した後、常温で放置あるいは加熱処理することを特徴とする導電体の形成方法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いる水溶性導電性ポリマー(a)は、スルホン酸及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマーであれば、特に限定されないが、具体的には、特開昭61−197633号公報、特開昭63−39916号公報、特開平1−301714号公報、特開平5−504153号公報、特開平5−503953号公報、特開平4−32848号公報、特開平4−328181号公報、特開平6−145386号公報、特開平6−56987号公報、特開平5−226238号公報、特開平5−178989号公報特開平6−293828号公報特開平7−118524号公報、特開平6−32845号公報、特開平6−87949号公報、特開平6−256516号公報、特開平7−41756号公報、特開平7−48436号公報、特開平4−268331号公報に示された水溶性導電性ポリマーなどが好ましく用いられる。
【0011】更に具体的には無置換または置換されたフェニレンビニレン、ビニレン、チエニレン、ピロリレン、フェニレン、イミノフェニレン、イソチアナフテン、フリレン、カルバゾリレンからなる群から選ばれた少なくとも1種を繰り返し単位として含むπ共役系高分子の骨格または該高分子中の窒素原子上に、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基、またはスルホン酸基及び/またはカルボキシル基で置換されたアルキル基若しくはエーテル結合含むアルキル基を有している水溶性導電性ポリマーが挙げられる。この中でも特にチエニレン、ピロリレン、イミノフェニレン、フェニレンビニレン、カルバゾリレン、イソチアナフテンを含む骨格を有する水溶性導電性ポリマーが好ましく用いられる。
【0012】好ましい水溶性導電性ポリマー(a)としては、
【化8】


(上記式中R、Rは各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR、Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【0013】
【化9】


(上記式中R、Rは各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR、Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【0014】
【化10】


(上記式中R〜Rは各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR〜Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【0015】
【化11】


(上記式中R〜R13は各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR〜Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−RSOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【0016】
【化12】


(上記式中R14は−SO、−SOH、−R36SO、−R36SOH、−COOH及び−R36COOH からなる群より選ばれ、ここで、Rは炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位をポリマー全体の繰り返し単位中に約20〜100%含み、且つ平均分子量が約2000以上の水溶性導電性ポリマーが挙げられる。
【0017】上記水溶性導電性ポリマーのうち、下記一般式(6)、
【化13】


(上記式中、yは0<y<1の任意の数を示し、R15〜R32は各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R15〜R32のうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)で表される繰り返し単位をポリマー全体の繰り返し単位の総数中に約20〜100%含む水溶性導電性ポリマーがより好ましく用いられる。
【0018】ここで、芳香環の総数に対するスルホン酸基及びカルボキシル基の含有量が50%以上の水溶性導電成ポリマーは、溶解性が非常に良好のため好ましく用いられ、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは100%のポリマーが用いられる。
【0019】また、芳香環に付く置換基は、導電性及び溶解性の面から電子供与性基が好ましく、具体的にはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等が好ましく、特にアルコキシ基を有する水溶性導電性ポリマーが最も好ましい。
【0020】これら組み合わせの中でも下記一般式(7)、
【化14】


(上記式中R33は、スルホン酸基、カルボキシル基、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの基であり、R34はメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基、フルオロ基、クロロ基及びブロモ基からなる群より選ばれた1つの基を示し、Xは0<X<1の任意の数を示し、nは重合度を示し3以上である。)で表される水溶性導電性ポリマーが最も好ましく用いられる。
【0021】水溶性導電性ポリマー(a)の製造方法としては、既知の方法を用いればよく、特に限定はされないが、例えば、チエニレン、ピロリレン、イミノフェニレン等の骨格を有する複素環化合物、アニリン化合物等の重合性単量体を化学酸化法、電解酸化法などの各種合成法により重合させて得られるポリマーを用いることができる。例えば本発明者らが提案した特開平7−196791号公報、特開平7−324132号公報に記載の合成法などが適用される。
【0022】本発明で用いる水溶性導電性ポリマーに含有される酸性基は、導電性向上の観点から少なくともその一部が遊離酸型であことが望ましい。また、本発明で用いられる水溶性導電性ポリマーの質量平均分子量は、GPCのポリエチレングリコール換算で、約2000以上のものが導電性、成膜性及び膜強度が優れており好ましく用いられ、質量平均分子量3000以上、100万以下のものがより好ましく、5000以上、50万以下のものが更に好ましい。ここで、質量平均分子量が2000以下のポリマーは、溶解性には優れるが、導電性及び成膜性が不足する場合があり、質量平均分子量が100万以上のものは、導電性には優れているが、溶解性が不十分なことがある。
【0023】本発明で用いられる水溶性高分子(b)としては窒素含有官能基を有する水溶性高分子の末端に疎水性基が導入され、水溶性高分子の親水性基と末端の疎水性基によって、界面活性能を発現する高分子化合物であれば特に限定はされない。末端疎水性基としては、炭素数3〜100、好ましくは5〜50、特に好ましくは7〜30のアルキル基、アラルキル基及びアリール基から選ばれた少なくとも1種を含む基で有ればよい。具体的にはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、一級または二級のアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基等が挙げられ、好ましくはアルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基等である。
【0024】水溶性高分子(b)の末端疎水性基はどの様な方法で導入してもよいが、通常はビニル重合時の連鎖移動剤を選択することにより導入するのが簡便で好ましい。この場合連鎖移動剤としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基等を含む基が末端として入るもので有れば特に限定はされないが、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基等が容易に得られる対応する疎水性基を有するチオール、ジスルフィド、チオエーテルなどが好ましく用いられる。
【0025】水溶性高分子(b)の主鎖構造としては、含窒素官能基を有するビニルモノマーのホモポリマーまたはその他のビニルモノマーとのコポリマーで水溶性であれば特に限定されないが、好ましい含窒素官能基を有するモノマーとしては、アクリルアミド及びその誘導体、含窒素官能基を有する複素環状モノマーが挙げられ、その中でもアミド結合を持つものが特に好ましい.具体的には、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N‘−メチレンビスアクリルアミド、N−ビニル−N−メチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられ、更にこの中でもアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が特に好ましい。
【0026】水溶性高分子(b)の含窒素官能基を有する主鎖部分の繰り返し単位は2〜100000が好ましく、2〜1000がより好ましく、2〜200が特に好ましい。ここで、含窒素官能基を有する水溶性部分の繰り返し単位があまり大きすぎる場合は界面活性能が低下する傾向がある。含窒素官能基を有する水溶性部分の主鎖分子量と末端疎水性部分(アルキル基、アラルキル基、アリール基部分)の分子量の比(水溶性部分の分子量/疎水性部分の分子量)が0.3〜170程度になる水溶性高分子が特に好ましく用いられる。この含窒素官能基及び末端疎水性基を有する水溶性高分子は従来の界面活性剤とは異なり、含窒素官能基を有する水溶性高分子主鎖の親水性部分と、末端の疎水性基によって界面活性能を有する。また、この水溶性高分子は、酸、塩基を含まないうえ、加水分解により生じる副生物もないことから、下地基材や、基材に塗布されたレジストへの悪影響無く、また界面活性剤を添加することなく塗布性を向上させることができる。
【0027】本発明で用いる水溶性高分子(b)の使用量は溶剤(c)100質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは0.01〜15質量部である。
【0028】本発明に用いられる溶剤(c)としては特に限定はされないが、水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、エチルイソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル等のエチレングリコール類、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン、 N−エチルピロリドン等のピロリドン類等との混合系が好ましく用いられる。水との混合系で用いられる場合は、水/有機溶剤=1/100〜100/1が好ましい。また、本発明における溶剤(c)の使用量としては成分(a)1質量部に対して2〜10000、好ましくは50〜10000質量部である。
【0029】本発明の導電性組成物は、下記の高分子化合物を混合して用いることで、塗膜強度や平滑性を向上あるいは調整することができる。具体的には、ポリビニールホルマール、ポリビニールブチラール等のポリビニールアルコール誘導体類、ポリアクリルアミド、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のポリアクリルアミド類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸類、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルスチレン共重合体樹脂、水溶性酢酸ビニルアクリル共重合体樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性スチレンマレイン酸共重合樹脂、水溶性フッ素樹脂及びこれらの共重合体が挙げられる。
【0030】更に、本発明の導電性組成物は、必要に応じて顔料、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、防腐剤等の各種添加剤を含んでもよい。
【0031】本発明の導電体は本発明の導電性組成物を、基材の少なくとも一つの面上に塗布することで簡単に形成される。塗布方法としては特に限定はされないが、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法等の簡便な手法が挙げられる。
【0032】導電体を形成する基材としては特に限定されないが、PET、PBT等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂、塩化ビニル、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン、ポリイミド、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコン樹脂、合成紙等の各種高分子化合物の成型品及びフィルム、紙、鉄、ガラス、石英ガラス、各種ウエハ、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼等及びこれらの基材表面に各種塗料や感光性樹脂、レジスト等がコーティングされているものなどを例示することができる。塗布工程はこれら基材の製造工程、例えば一軸延伸法、二軸延伸法、成形加工、エンボス加工等の工程前、または工程中に行っても良く、これら処理工程が完了した基材に対して行うこともできる。また、本発明の組成物は下地基材への影響が少なく、塗布性が良好であるので、上記基材上に各種塗料や、感光性材料をコーティングした物に重ね塗りすることも可能である。
【0033】本発明の導電体の形成方法としては、本発明の組成物を、基材の少なくとも一つの面上に塗布し、常温で放置、もしくは加熱処理を行うことで形成される。加熱温度としては40℃〜250℃の温度範囲で行うことが好ましく、導電性が良好な導電体が形成される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない
【0035】。(製造例1、導電性重合体(A−1))
ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)(A−1)の合成2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを25℃で4mol/Lのアンモニア水溶液に攪拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、重合体粉末15gを得た。この重合体の体積抵抗値は9.0Ω・cmであった。
【0036】(製造例2、導電性重合体(A−2))
スルホン化ポリアニリン(A−2)の合成スルホン化ポリアニリンを既知の方法「J.Am.Chem.Soc.,(1991),113,2665−2666」に従って合成した。得られた重合体のスルホン酸含有量は、芳香環に対して52%であり、体積抵抗値は50Ω・cmであった。
【0037】(製造例3、導電性重合体(A−3))
ポリ(アニリンプロパンスルホン酸)(A−3)の合成ポリ(アニリンプロパンスルホン酸)を既知の方法「J. Chem.Soc.,Chem.Commun.,(1990),180」に従って合成した。
【0038】(製造例4、導電性重合体(A−4))
ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)(A−4)の合成ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)を既知の方法「第39回高分子学会予稿集,1990,561」に従って合成した。
【0039】(製造例5、疎水性基末端水溶性高分子(B−1))
オクチル基末端ポリアクリルアミド(B−1)の合成モノマーであるアクリルアミド55g、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル1.5g、連鎖移動剤であるn−オクチルメルカプタン1gを溶剤であるイソプロピルアルコールに攪拌溶解し、予め80℃に加熱しておいたイソプロピルアルコールに80℃の温度を保ちながらゆっくり滴下し、滴下重合を行なった。滴下終了後、80℃で更に2時間熟成を行ったのち、放冷し、得られた白色沈殿を濾別、洗浄後、乾燥することで、53gの白色重合体を得た。この白色重合体1質量部を水100質量部に溶解し、25℃の表面張力を測定した結果42dyn/cmであった。
【0040】(製造例6、疎水性基末端水溶性高分子(B−2))
ドデシル末端ポリ(N−ビニルピロリドン)(B−2)の合成モノマーであるN−ビニルピロリドン55g、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル3g、連鎖移動剤であるn−ドデシルメルカプタン1gを溶剤であるイソプロピルアルコールに攪拌溶解し、予め80℃に加熱しておいたイソプロピルアルコールに80℃の温度を保ちながらゆっくり滴下し、滴下重合を行なった。滴下終了後、80℃で更に2時間熟成を行ったのち、放冷、減圧濃縮し、少量のアセトンに再溶解した.この重合体のアセトン溶液を過剰のn−ヘキサンに滴下することで得られる白色沈殿を、濾別、洗浄後、乾燥することで、45gの白色重合体を得た。この白色重合体1質量部を水100質量部に溶解し、25℃の表面張力を測定した結果38dyn/cmであった。
【0041】導電性組成物の調製(導電性組成物1)上記合成例A−1の重合体3質量部、上記合成例B−1の重合体0.5質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物2)上記合成例A−1の重合体3質量部、上記合成例B−2の重合体0.5質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物3)上記合成例A−1の重合体3質量部、上記合成例B−2の重合体0.2質量部を、水/イソプロピルアルコール=9/1の混合溶媒100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物4)上記合成例A−2の重合体2質量部、上記合成例B−2の重合体0.3質量部を、水/イソプロピルアルコール=9/1の混合溶媒100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物5)上記合成例A−3の重合体5質量部、上記合成例B−2の重合体1質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物6)上記合成例A−4の重合体5質量部、上記合成例B−2の重合体0.3質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物7)上記合成例A−1の重合体3質量部を水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物8)上記合成例A−1の重合体3質量部、上記合成例B−2の重合体0.2質量部を、水/イソプロピルアルコール=9/1の混合溶媒100質量部に高分子化合物としてポリビニルピロリドン(和光純薬製K-15)5質量部を室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物9)上記合成例A−1の重合体3質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.3質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物10)上記合成例A−1の重合体3質量部、エマール20T(花王株式会社製)0.5質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物11)上記合成例A−2の重合体3質量部、エマルゲン810(花王株式会社製)0.5質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物12)上記合成例A−3の重合体3質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.5質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
(導電性組成物13)上記合成例A−4の重合体3質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸1質量部を、水100質量部に室温にて溶解して導電性組成物を調製した。
【0042】評価方法1(塗布性)
4インチシリコンウェハに上記導電性組成物2mlを滴下した後に、スピンコート塗布(500rpm×5sec+2000rpm×60sec)し、透明導電性高分子膜を形成した。形成された透明導電性高分子膜の塗布面積を目視にて観察した。
○:全面にムラなく塗布×:未塗布部分有り評価方法2(導電性)
ガラス基材に上記導電性組成物をスピンコート塗布(500rpm×5sec+2000rpm×60sec)し、透明導電性高分子膜を形成後、ホットプレートにて加熱処理を行った。加熱処理温度は表−1に示す。上記方法で得られたガラス基板を2端子法(電極間距離20mm)にて導電性を測定した。
評価方法3(基材状態)
(金属基材での評価)金属基材に上記導電性組成物をスピンコート塗布(500rpm×5sec+2000rpm×60sec)し、透明導電性高分子膜を形成後、ホットプレートにて加熱処理を行った。加熱処理温度は表−1に示す。10日室温にて放置後に形成された導電体を室温の水に浸漬し導電体を溶解剥離した後に表面状態を目視にて観察した。
○:変化無し×:表面白化(レジストでの評価)化学増幅型電子線レジストが塗布されたシリコンウエハのレジスト塗布面に上記導電性組成物をスピンコート塗布(500rpm×5sec+2000rpm×60sec)し、透明導電性高分子膜を形成後、ホットプレートにて加熱処理を行った。加熱処理温度は表1に示した。加熱後10分放置した後に所定の現像を行った後の表面状態を目視にて観察した。
化学増幅ネガレジストでの評価:○:速やかに導電体、レジスト層が溶解×:レジスト層が残存化学増幅ポジレジストでの評価○:レジスト層が残り、表面あれを生じていない×:レジスト層が溶解
【0043】実施例1〜9導電性組成物1〜6を用いて上記の評価方法1〜3の塗布性評価、導電性評価、基材状態評価をそれぞれ行った。結果は表1に示した。
【0044】比較例1〜5導電性組成物7〜13を用いて上記の評価方法1〜3の塗布性評価、導電性評価、基材状態評価をそれぞれ行った。結果は表2に示した。
【0045】
【表1】


【0046】
【表2】


【0047】
【発明の効果】本発明の導電性組成物は、良好な塗布性を示し、下地基材への影響、特に化学増幅型電子線レジストへの影響が少なく、透明性、平滑性、導電性等に優れた塗膜を形成し得る、工業上非常に有益なものである。また、本発明の導電性組成物は、導電体形成後、加熱温度を制御することで、不溶性、もしくは剥離可能な可溶性の透明導電性高分子膜を有する導電体を形成することが出来るので、永久帯電防止膜、及びプロセス上の一時的帯電防止膜の両面での適用が可能となる利点を有す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマー(a)、含窒素官能基及び末端疎水性基を有する水溶性高分子(b)並びに溶剤(c)を含んでなる導電性組成物。
【請求項2】 水溶性高分子(b)の含窒素官能基がアミド基であることを特徴とする請求項1記載の導電性組成物。
【請求項3】 水溶性高分子(b)の末端疎水性基が炭素数3〜100のアルキル基、アラルキル基及びアリール基から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2記載の導電性組成物。
【請求項4】 水溶性導電性ポリマー(a)が
【化1】


(上記式中R、Rは各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR、Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【化2】


(上記式中R、Rは各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR、Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【化3】


(上記式中R〜Rは各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR〜Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)
【化4】


(上記式中R〜R13は各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、且つR〜Rのうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−RSOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)及び
【化5】


(上記式中R14は−SO、−SOH、−R36SO、−R36SOH、−COOH及び−R36COOH からなる群より選ばれ、ここで、Rは炭素数1〜24のアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基である)からなるより群より選ばれる少なくとも1種以上の繰り返し単位をポリマー全体の繰り返し単位中に20〜100%含み、且つ平均分子量が2000以上の水溶性導電性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の導電性組成物。
【請求項5】 スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマー(a)が、
【化6】


(上記式中、yは0<y<1の任意の数を示し、R15〜R32は各々独立に、H、−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−OCH、−CH、−C、−F、−Cl、−Br、−I、−N(R35、−NHCOR35、−OH、−O、−SR35、−OR35、−OCOR35、−NO、−COOH、−R35COOH、−COOR35、−COR35、−CHO及び−CNからなる群より選ばれ、ここで、R35は炭素数1〜24のアルキル、アリールまたはアラルキル基あるいはアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基であり、R15〜R32のうち少なくとも一つが−SO、−SOH、−R35SO、−R35SOH、−COOH及び−R35COOHからなる群より選ばれる基である。)で表される繰り返し単位をポリマー全体の繰り返し単位の総数中に20〜100%含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の導電性組成物。
【請求項6】 スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマー(a)が
【化7】


(上記式中R33は、スルホン酸基、カルボキシル基、及びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩からなる群より選ばれた1つの基であり、R34はメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基からなる群より選ばれた1つの基を示し、Xは0<X<1の任意の数を示し、nは重合度を示し3以上である。)である請求項1〜3記載の何れか1項記載の導電性組成物。
【請求項7】 基材の少なくとも一つの面上に、請求項1〜6の何れか1項に記載の導電性組成物を塗布することにより形成される透明導電性高分子膜を有する導電体。
【請求項8】 基材の少なくとも一つの面上に請求項1〜6の何れか1項に記載の導電性組成物を塗布し透明導電性高分子膜を形成した後、常温で放置あるいは加熱処理することを特徴とする導電体の形成方法。
【請求項9】 加熱処理温度が40〜250℃の温度範囲であることを特徴とする請求項8記載の導電体の形成方法

【公開番号】特開2002−226721(P2002−226721A)
【公開日】平成14年8月14日(2002.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−20026(P2001−20026)
【出願日】平成13年1月29日(2001.1.29)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】