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導電性部材、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、並びに、プロセスカートリッジの製造方法
説明

導電性部材、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、並びに、プロセスカートリッジの製造方法

【課題】画像形成装置の組み立て時、あるいは、稼働初期に発生した樹脂粉(破片)等の影響を受けにくい画像形成装置用の導電性部材、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、並びに、そのようなプロセスカートリッジの製造方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置に用いられる導電性部材において、その表面に粉末の固体潤滑剤が塗布されていることを特徴とする導電性部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電部材として用いることができる導電性部材、この導電性部材を用いたプロセスカートリッジおよび画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式には、静電潜像担持体に対して帯電処理を行う帯電部材や、トナー担持体、静電潜像担持体上のトナーに対して転写処理を行う転写部材、転写処理を行う前に静電潜像担持体から一旦トナー像を担持する像担持体といった導電性部材が用いられている。
図1は電子写真方式の画像形成装置の概略図である。図1について説明すると、11は静電潜像が形成される静電潜像担持体、12は接触あるいは近接配置されて帯電処理を行う帯電部材、帯電部材表面をクリーニングするクリーニング部材12a、13は露光、14は像担持体上の静電潜像にトナー15を付着させるトナー担持体、16は静電潜像担持体上のトナー像を記録媒体17に転写処理する転写部材、18は転写処理後の静電潜像担持体をクリーニングするためのクリーニング部材である。なお、19は静電潜像担持体上に残留したトナーがクリーニング部材により除去された廃トナー、20は現像装置、21はクリーニング装置を示す。更に、静電潜像担持体の放電による摩耗の低減及び、トナークリーニング性向上のため、潤滑剤22が潤滑剤塗布部材23により静電潜像担持体上に塗布されている。
なお、図1では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本件では必要としないので省略してある。
【0003】
画像形成装置では次のような手段で、画像の形成を行う。
1.帯電部材が、静電潜像担持体の表面を所望の電位に帯電する。
【0004】
2.露光装置が、静電潜像担持体に画像光を投射して、所望の画像に対応する静電潜像を、像担持体上に形成する。
【0005】
3.トナー担持体が、静電潜像をトナーによって現像し、静電潜像担持体上にトナー像(顕像)を形成する。
【0006】
4.転写部材が、静電潜像担持体上のトナー像を、記録紙に転写する。
【0007】
5.クリーニング装置が、転写されず像担持体上に残留したトナーを清掃する。
【0008】
6.転写部材によって、トナー像を転写された記録紙は、不図示の定着装置へと搬送される。定着装置は、トナーを加熱及び加圧して記録紙上に定着する。
上記の1から6の手順を繰り返すことによって、記録紙上に所望の画像が形成されていく(特許第3753909号公報(特許文献1)等)。
【0009】
画像形成装置で用いられる導電性部材は、その表面特性上、低摩擦係数、高摩擦係数、低粘着性等の種々の物理特性が要求されている。潜像担持体周辺の導電性部材は、担持体表面に異物が付着した場合、通常、接触している清掃部材によって、その異物を除去できる場合が多い。
【0010】
このような導電性部材の表面要求特性として、低摩擦係数の場合は、異物は除去しやすいが、導電性部材によっては、表面の要求特性として、高摩擦係数が求められる場合がある。
【0011】
例えば、本発明者等に係る発明(特願2006−13557)では、導電性部材である帯電部材の表面の静止摩擦係数を1.0以上とすることにより、トナー、トナー外添剤、潤滑剤及びその分解物の帯電部材の表面への付着に起因する異常画像の発生を減少させる技術が提案されている。
【0012】
このような表面が高摩擦係数を有する導電性部材の場合、特に、一旦付着してしまった異物は除去しにくく、残留異物によって、画像不良を発生させる場合がある。
【0013】
特に問題となるのは製品(画像形成装置)が組み立てられてから初期の段階で、製品内部の部品等から発生する、樹脂粉(破片)等の異物が導電性部材表面に付着して発生する場合が多く、製品出荷前の製品テストでの、所定枚数の画像形成繰り返しによっても残留異物が除去されない結果、再調整・再組み立てが必要となり、歩留まりの低下が生じていた。
【0014】
また、従来の、表面の静止摩擦係数が高くはない帯電部材を用いた画像形成装置の場合においても、上記で明らかになった知見を元に調べてみると、静止摩擦係数が高い帯電部材を用いた画像形成装置を用いた場合程でないものの、製品出荷前の製品テストでの、所定枚数の画像形成繰り返しによっても上記同様の残留異物が除去されずに再調整・再組み立てが必要となるものの多くが、組み立て時に発生する樹脂粉等の異物が導電性部材表面に付着することによることが判り、これらへ対策が求められた。
【特許文献1】特許第3753909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置の組み立て時、あるいは、稼働初期に画像形成装置内で発生した樹脂粉(破片)等の影響を受けにくい画像形成装置用の導電性部材、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、並びに、そのようなプロセスカートリッジの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の導電性部材は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、画像形成装置に用いられる導電性部材において、その表面に粉末の固体潤滑剤が塗布されていることを特徴とする導電性部材である。
【0017】
また、本発明の導電性部材は請求項2に記載の通り、請求項1に記載の導電性部材において、上記粉末の固体潤滑剤が、金属石鹸、含フッ素樹脂、モリブデンを含む化合物、無機酸化物、及び、画像形成装置のトナーから選ばれる少なくとも1種の粉末の固体潤滑剤であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の導電性部材は請求項3に記載の通り、請求項2に記載の導電性部材において、上記金属石鹸が、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸リチウム、及び、ラウリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属石鹸であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の導電性部材は請求項4に記載の通り、請求項2または請求項3に記載の導電性部材において、上記含フッ素樹脂が、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフッ化エチレン、テトラフルオロエチレン―パーフルオロプロピルビニルエーテル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、及び、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種のフッ素樹脂であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の導電性部材は請求項5に記載の通り、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材において、上記モリブデンを含む化合物が、二硫化モリブデン、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び、硫化オキシモリブデン・ジアルキルジチオリン酸塩から選ばれる少なくとも1種のモリブデンを含む化合物であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の導電性部材は請求項6に記載の通り、請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の導電性部材において、上記無機酸化物が、二酸化ケイ素、酸化チタン、及び、酸化アルミニウム、から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の導電性部材は請求項7に記載の通り、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の導電性部材において、上記導電性部材が像担持体表面を帯電させる帯電部材であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のプロセスカートリッジは請求項8に記載の通り、請求項7の帯電部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0024】
また、本発明のプロセスカートリッジは請求項9に記載の通り、請求項8に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記帯電部材の表面に接触する清掃部材を有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明のプロセスカートリッジは請求項10に記載の通り、請求項8または請求項9に記載のプロセスカートリッジにおいて、上記帯電部材が回転体であることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の画像形成装置は、請求項11に記載の通り、請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0027】
また、本発明のプロセスカートリッジの製造方法は請求項12に記載の通り、請求項7に記載の帯電部材をプロセスカートリッジのハウジングに組み込むことを特徴とするプロセスカートリッジの製造方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明の導電性部材によれば、その表面に粉末の固体潤滑剤が塗布されているために、導電性部材の表面の粘着性が一時的に低減されており、その結果、画像形成装置に組み込まれたときに画像形成装置内で初期的に発生する異物の付着を防止し、あるいは、付着した異物の迅速な除去を可能とすることができる。
【0029】
請求項2の発明によれば、導電性部材の表面に金属石鹸、含フッ素樹脂、モリブデンを含む化合物、無機酸化物、及び、画像形成装置のトナーから選ばれる少なくとも1種の粉末の固体潤滑剤が塗布されているため、効果的に表面の粘着性を低減させ、異物の付着性を低減することができる。
【0030】
請求項3〜6の発明によれば、より効果的に表面の粘着性を低減させ、異物の付着性を低減することができる。
【0031】
請求項7の発明によれば、上記導電性部材が像担持体表面を帯電させる帯電部材であるので、帯電部材のように、充分な清掃機構(部材)がない導電性部材においても、表面に付着した異物除去効果を高めることができる。
【0032】
請求項8の発明によれば、上記の帯電部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジであるので、交換作業が容易でかつ、安定した画像を容易に得ることが可能なカートリッジとすることができる。
【0033】
請求項9の発明によれば、前記帯電部材の表面に接触する清掃部材を有するので、上記構成にかかわらず付着した異物を容易に、かつ、すぐに除去することができる。
【0034】
請求項10の発明によれば、上記帯電部材が回転体であるので、帯電部材の表面に接触する清掃部材を有する場合、高い異物除去効果を得ることができる。
【0035】
また、請求項11の発明によれば、製造直後、可動初期に画像形成装置内で発生した樹脂粉(破片)等の影響を受けにくく、良品率の高い画像形成装置となる。
【0036】
請求項12の発明によれば、組み立て時や、組み立てられてから初期の段階で、プロセスカートリッジや画像形成装置内部の部品等から発生する、樹脂粉(破片)等の帯電部材への異物の付着が防止され、付着した場合でも容易に除去されるプロセスカートリッジを得ることができるので、画像形成装置の製品完成テストでの合格率が高くなり、歩留まりが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の導電性部材を、帯電部材である帯電ローラとして組み込む画像形成装置について説明する。
【0038】
図2はフルカラー画像を形成できる画像形成装置の一例を示す垂直断面図である。ここに示した画像形成装置は、複数の支持ローラ204,205,206に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト203と、その中間転写ベルト203に対向配置された第1乃至第4のプロセスカートリッジ207Y,207C,207M,207BKを有している。各プロセスカートリッジ207Y乃至207BKは、それぞれ異なった色のトナー像が形成されるドラム状の感光体として構成された像担持体202Y,202C,202M,202BKを有し、その各像担持体上に異なった色のトナー像がそれぞれ形成され、その各トナー像が中間転写ベルト203上に重ねて転写される。中間転写ベルト203は、像担持体に形成されたトナー像が転写される転写材の一例を構成するものである。また、図2における符号201は、画像形成装置本体を示している。
【0039】
第1乃至第4のプロセスカートリッジ207Y乃至207BKの各像担持体202Y乃至202BK上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト203に転写する構成は、トナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一であるため、第1のプロセスカートリッジ207Yの像担持体202Yにトナー像を形成し、これを中間転写ベルト203に転写する構成だけを説明する。
【0040】
図3は、第1のプロセスカートリッジ207Yの拡大断面図である。ここに示したプロセスカートリッジ207Yの像担持体202Yは、ユニットケース(プロセスカートリッジのハウジング))208に回転自在に支持されていて、図示していない駆動装置によって時計方向に回転駆動される。このとき、ユニットケース208に回転自在に支持された帯電ローラ209に帯電電圧が印加され、これによって像担持体202Yの表面が所定の極性に帯電される。帯電後の像担持体202Yには、プロセスカートリッジ207Yとは別体の光書き込み装置から出射する光変調されたレーザ光が照射され、これによって像担持体202Yに静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置211によってイエロートナー像として可視像化される。
【0041】
現像装置211は、ユニットケース208の一部によって構成された現像ケース212を有し、この現像ケース212には、トナーとキャリアを有する二成分系の乾式現像剤Dが収容されている。また、この現像ケース212には、現像剤Dを撹拌する2本のスクリュー213,214と、図3における反時計方向に回転駆動される現像ローラ223とが配置され、その現像ローラ223の周面に汲み上げられた現像剤は、該現像ローラ223の周面に担持されて、当該現像ローラ223の回転方向に搬送され、ドクターブレード224を通過した現像剤Dが現像ローラ223と像担持体202Yの間の現像領域に運ばれる。このとき、その現像剤中のトナーが像担持体202Yに形成された静電潜像に静電的に移行して、その潜像がトナー像として可視像化される。現像領域を通過した現像剤Dは、現像ローラ223から分離され、スクリュー213,214によって撹拌される。このようにして、像担持体202Yにトナー像が形成されるのである。キャリアを有さない一成分系現像剤を用いる現像装置を採用することもできる。
【0042】
一方、中間転写ベルト203を挟んでプロセスカートリッジ207Yと反対側には一次転写ローラ225が配置され、この一次転写ローラ225に転写電圧が印加されることによって、像担持体202Y上のトナー像が、矢印A方向に回転駆動される中間転写ベルト203上に一次転写される。トナー像転写後の像担持体202Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置226によって除去される。本例のクリーニング装置226は、ユニットケース208の一部によって構成されたクリーニングケース227と、先端エッジ部が像担持体202Yの表面に圧接したクリーニングブレード228と、そのクリーニングブレード228を保持するブレードホルダ229と、クリーニングケース227内に配置されたトナー搬送スクリュー230とを有している。クリーニングブレード228は、像担持体202Yの表面移動方向に対してカウンタ向きに配置されている。かかるクリーニングブレード228は、ゴムなどの弾性体により構成され、そのクリーニングブレード228の基端側が、例えば接着剤によってブレードホルダ229に固定されている。かかるクリーニングブレード228の先端エッジ部が像担持体202Yの表面に圧接することによって、像担持体202Y上の転写残トナーが掻き取り除去される。除去されたトナーは、回転駆動されるトナー搬送スクリュー230によってクリーニングケース227外に搬送される。このようにして、クリーニングブレード228は、トナー像が転写材(これら例では中間転写ベルト203)に転写された後の像担持体202Yを清掃する用をなす。
【0043】
また、プロセスカートリッジ207Yには、像担持体202Yに潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置231と、像担持体202Yに塗布された潤滑剤を均す潤滑剤均し手段の一例である均しブレード232が設けられているが、これらについては後に詳しく説明する。
【0044】
上述したところと全く同様にして、図2に示した第2ないし第4の像担持体202C,202M,202BK上にシアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト203上に順次重ねて一次転写され、中間転写ベルト203上に合成トナー像が形成される。トナー像転写後の各像担持体202C,202M,202BK上の転写残トナーがクリーニング装置により除去されることも第1の像担持体202Yの場合と変わりはない。
【0045】
一方、図2に示すように、画像形成装置本体1内の下部には、例えば転写紙より成る記録媒体Pを収容した給紙カセット214と、給紙ローラ215を有する給紙装置216が配置され、給紙ローラ215の回転によって最上位の記録媒体Pが矢印200B方向に送り出される。送り出された記録媒体Pは、レジストローラ対217によって、所定のタイミングで支持ローラ204に巻き掛けられた中間転写ベルト203の部分と、これに対置された二次転写ローラ218との間に給送される。このとき、二次転写ローラ218には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト203上の合成トナー像が記録媒体Pに二次転写される。
【0046】
合成トナー像を二次転写された記録媒体Pは、さらに上方に搬送されて定着装置219を通り、このとき記録媒体P上のトナー像が熱と圧力の作用により定着される。定着装置219を通過した記録媒体Pは、画像形成装置本体201の上部の排紙部222に排出される。また、トナー像転写後の中間転写ベルト203上に付着する転写残トナーはクリーニング装置220によって除去される。
【0047】
ここで、図3に示したクリーニングブレード228と、像担持体202Yの摩耗を抑え、しかも小粒径の球形トナーを用いたときも、クリーニングブレード228による高いクリーニング性能が維持されるように、本例の画像形成装置201には、前述の潤滑剤塗布装置231が設けられている。かかる潤滑剤塗布装置231は、第2乃至第4のプロセスカートリッジ207C,207M,207BKにも設けられているが、その構成と作用は全て同一であるため、ここでも図3に示したプロセスカートリッジ207Yの潤滑剤塗布装置231だけを説明する。
【0048】
図3に示した潤滑剤塗布装置231は、像担持体202Yの表面に当接するブラシローラ233と、このブラシローラ233に対置された固形潤滑剤234と、その固形潤滑剤234を固定支持する潤滑剤ホルダ235と、その潤滑剤ホルダ235を介して固形潤滑剤234を案内するガイド236と、加圧手段の一例である圧縮コイルばね237とを有している。
【0049】
ブラシローラ233は、芯軸238と、その芯軸238に基端部が固定された多数のブラシ繊維239とを有している。かかるブラシローラ233は、像担持体202Yに対してほぼ平行に、しかもその像担持体202Yに沿って長く延びていて、ブラシローラ233の芯軸238の長手方向各端部が図示していない軸受を介して、ユニットケース208に対して回転自在に支持されている。画像形成動作時には、ブラシローラ233は図3における反時計方向に回転駆動される。
【0050】
また、固形潤滑剤234は、ブラシローラ233に対して平行に長く延びた直方体状に形成され、そのブラシローラ233を向いた側の先端面がブラシローラ233のブラシ繊維239に当接し、これとは反対の基端側の面が潤滑剤ホルダ235に固定されている。本例のガイド236は、互いに平行に間隔をあけて対向配置された一対のガイド板240,241を有し、これらのガイド板240,241は連結板242によって一体化されている。一対のガイド板240,241と連結板242は、ユニットケース208の一部によって構成されている。
【0051】
潤滑剤ホルダ235は、一対のガイド板240,241の間に配置され、その各ガイド板240,241の互いに対向した面に潤滑剤ホルダ235が摺動可能に当接する。
【0052】
潤滑剤をブラシローラ233へ押圧する方法は、バネ等の手段によって達成でき、潤滑剤ホルダ235を介して、固形潤滑剤234をブラシローラ233に対して加圧する。図3には、この加圧方向を矢印Cで示してある。圧縮コイルばね237に代えて、ねじりコイルばねや板ばねなどから成る加圧手段を用いることもできる。
【0053】
上述のようにして、固形潤滑剤234がブラシローラ233のブラシ繊維239に圧接すると共に、そのブラシ繊維239が像担持体202Yの表面に圧接し、このときブラシローラ233が回転するので、固形潤滑剤234の潤滑剤がブラシ繊維239によって削り取られ、その削り取られた粉体状の潤滑剤が像担持体202Yの表面に塗布される。このように、ブラシローラ233は、固形潤滑剤234から削り取られた粉体状の潤滑剤を像担持体202Y表面に供給する潤滑剤供給部材の一例を構成している。
【0054】
固形潤滑剤234はブラシローラ233によって削り取られて消費され、経時的にその厚みが減少するが、固形潤滑剤234は圧縮コイルばね237によって加圧されているので、その固形潤滑剤234は常時ブラシローラ233のブラシ繊維239に当接することができる。
【0055】
上述のように像担持体202Yの表面には、潤滑剤が塗布されるので、像担持体202Y表面の摩擦係数を低く抑えることができ、これによって像担持体202Yとクリーニングブレード228の摩耗を抑え、その寿命を伸ばすことができる。しかも、トナーとして後述するように、小粒径で球形のトナーを用いたときも、クリーニングブレード228による像担持体202Yのクリーニング性能が大きく低下することを阻止できる。
【0056】
しかも、本例の潤滑剤塗布装置231には、ガイド236が設けられ、そのガイド236によって、潤滑剤ホルダ235と固形潤滑剤234が、実質的に、ブラシローラ233に対して接近又は離間する方向、すなわち圧縮コイルばね237による加圧方向Cと、その逆の方向にだけ移動できるように、その潤滑剤ホルダ235と固形潤滑剤234が案内される。このため、固形潤滑剤234が、この方向と直交する方向Eに大きく振れ動くことはない。これによって、固形潤滑剤234は常にほぼ同じ面積でブラシローラ233に当接することができ、常にほぼ一定量の潤滑剤が、ブラシローラ233を介して、像担持体202Y表面に供給され、像担持体202Y表面への潤滑剤の塗布むらを防止できる。
【0057】
図3に示した画像形成装置201においては、潤滑剤ホルダ235が一対のガイド板240、241に当接し、その潤滑剤ホルダ235を介して、固形潤滑剤234がガイド236によって案内されるように構成されているが、固形潤滑剤234をガイド236によって直に案内するように構成することもできる。また、固形潤滑剤234が、実質的に、ブラシローラ233に対して接近又は離間する方向Cにだけ移動できるように、固形潤滑剤234がガイド236により案内されるとは、固形潤滑剤234が、この方向Cに対して直交する方向Eに、多少の遊び分だけ遊動してもよいことを示している。
【0058】
以上のように、本例の潤滑剤塗布装置231は、回転しながら像担持体202Yに当接するブラシローラ233より成る潤滑剤供給部材と、その潤滑剤供給部材に対置された固形潤滑剤234と、該固形潤滑剤234が、実質的に、潤滑剤供給部材に対して接近又は離間する方向にだけ移動できるように、該固形潤滑剤234を案内するガイド236と、該固形潤滑剤234を潤滑剤供給部材に対して加圧する加圧手段とを有している。
【0059】
また、図3に示した画像形成装置201は、均しブレード232として構成された潤滑剤均し手段を有しており、この均しブレード232は、ゴムなどの弾性体より成り、その先端エッジ部が像担持体202Yの表面に当接し、その基端側がホルダ245に固定されている。均しブレード232は像担持体表面の移動方向に対してトレーリング向きに配置されている。一方、前述のブラシローラ233より成る潤滑剤供給部材は、図2から明らかなように、クリーニングブレード228よりも像担持体202Y表面移動方向下流側に配置されている。
【0060】
上述した構成によれば、トナー像転写後の像担持体202Y表面に付着する転写残トナーはクリーニングブレード228により除去され、これによってクリーンな状態となった像担持体202Yの表面に、ブラシローラ233によって潤滑剤が塗布される。次いでその塗布された潤滑剤は、像担持体202Y表面に当接した均しブレード232を通過するとき、像担持体202Yの表面に一様に押し広げられて均一に均される。これにより、像担持体202Y上に厚みの均一な潤滑剤層が形成される。このように、像担持体202Yを清掃した直後に、潤滑剤を塗布し、その潤滑剤を均すことによって、像担持体202Y表面への潤滑剤塗布量の偏りやその表面の摩擦係数の偏りが生じることを防止でき、記録媒体上に形成された画像の画質を高めることができる。しかも、均しブレード232は、像担持体表面の移動方向に対してトレーリング向きに配置されているので、像担持体202Yの駆動トルクが過度に大きくなることを阻止できる。
【0061】
潤滑剤塗布装置231のブラシローラ233のブラシ繊維239の太さは、3〜8デニールが好ましく、ブラシ繊維239の密度は2万〜10万本/inch(2.54cm)が好ましい。ブラシ繊維の太さが細すぎると、ブラシローラ233が像担持体表面に当接したときに毛倒れを起こしやすくなり、逆にブラシ繊維が太すぎると繊維の密度を高くすることができなくなる。また、ブラシ繊維の密度が低いと像担持体202Y表面に当接するブラシ繊維の本数が少なくなるため、潤滑剤を均一に塗布することができず、逆にブラシ繊維の密度が高すぎると繊維と繊維の隙間が小さくなり、掻き取った潤滑剤の粉体の付着量が減るため、塗布量が不足してしまう。
【0062】
固形潤滑剤234としては、乾燥した固体疎水性潤滑剤を用いることが可能であり、ステアリン酸亜鉛の他にも、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸基を持つものを用いることができる。また、同じ脂肪酸基であるオレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、や、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウムを用いてもよい。他にも、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウム等の脂肪酸、脂肪酸の金属塩なども使用できる。さらに、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、オオバ油、みつろう、ラノリンなどのワックス等も使用できる。
【0063】
以上説明した画像形成装置においては、像担持体がドラム状に形成され、中間転写体が中間転写ベルトによって構成されているが、像担持体が無端ベルトにより構成され、中間転写体がドラム状に構成されているときも、本発明に係る構成を採用することができる。また、本発明にかかる各構成は、トナー像が形成される像担持体が中間転写体より成り、その像担持体に形成されたトナー像が転写される転写材が記録媒体より成るときにも適用できる。この場合には、トナー像転写後の中間転写体上に付着する転写残トナーを除去するクリーニングブレードと、その中間転写体上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置が設けられ、これらに前述の各構成がそれぞれ採用される。さらに、本発明は、感光体より成る1つの像担持体上に形成したトナー像を、記録媒体より成る転写材に直に転写する形式の画像形成装置などにも支障なく適用することができる。
【0064】
このような画像形成装置の帯電装置について詳細に説明する。
【0065】
<帯電装置について>
帯電装置(図3の太い破線で囲まれた部分)は、帯電ローラ209の表面に接触してその汚染を除去するための清掃部材(クリーニング部材)280を備えている。クリーニング部材280の形状は、ローラ状、パッド形状でもよいが、この例でローラ形状とした。クリーニング部材280は、帯電装置の図示しないハウジングに設けられる軸受に嵌合され、回転可能に軸支される。このクリーニング部材288は、回転体である帯電部材表面に当接して、外周面をクリーニングする。また、帯電装置は、帯電ローラ209に電圧を印加する図示しない電源を備える。
【0066】
電圧としては、直流電圧だけでも良いが、直流電圧と交流電圧とを重畳することが好ましい。特に、非接触方式の場合、感光体と帯電ローラの空隙(ギャップ)の変動により帯電ムラが生じやすく、直流電圧のみを印加すると像担持体の表面電位が不均一になることがある。交流電圧を重畳した電圧では、帯電ローラ9表面が等電位となり、放電が安定して像担持体を均一に帯電させることができる。重畳する電圧における交流電圧は、ピ−ク間電圧を像担持体の帯電開始電圧の2倍以上にすることが好ましい。帯電開始電圧とは、帯電ローラ9に直流のみを印加した場合に像担持体が帯電され始めるときの電圧の絶対値である。これにより、像担持体から帯電ローラ9への逆放電が生じ、そのならし効果で像担持体をより安定した状態で均一に帯電させることができる。また、交流電圧の周波数は像担持体の周速度(プロセススピード)の7倍以上であることが望ましい。7倍以上の周波数にすることにより、モアレ画像が(目視)認識できなくなる。
【0067】
図4は、導電性部材である帯電ローラ209と、像担持体202Yの感光層領域及び、画像領域、非画像領域の位置関係を示す概略図である。
【0068】
図4に示した例では導電部材(導電ローラ)209の形状は円柱状形状であるが、特に限定されず、ベルト状、ブレード(板)状、半円柱状で固定されて配設されていても良い。また、帯電部材209の形状が図4に示すように円柱状で、両端をギア又は軸受で回転可能に支持されていても良い。このように、帯電部材209は、像担持体202Yへの最近接部から、像担持体202Y移動方向の上下流に漸次離間する曲面で形成されていると、像担持体202Yをより均一に帯電させることができる。像担持体202Yに対向する帯電部材209に、先鋭な部分があると、その部分の電位が高くなるために優先的に放電が開始され、像担持体202Yの均一な帯電が困難になる。従って、円柱状の形状で、曲面を有することで均一な像担持体202Yの帯電が可能になる。また、帯電部材209の放電している表面は強いストレスを受ける。放電が常に同じ面で発生するので、その劣化が促進され、さらに、削り落ちることがある。そのために、帯電部材209の全面を放電する面として使用できるのであれば、回転させることで、早期の劣化を防止することで、長期にわたって使用することができる。このことは、非接触、接触に関わらず同じである。
【0069】
帯電部材209は、図4に示すように、像担持体202Yに微少間隙Gを持たせて対向して配設される。帯電部材209と像担持体209Yの間隙Gは、空隙保持部材103を帯電部材209の非画像形成領域に当接させて形成する。感光層領域に空隙保持部材を当接させることにより、感光層の塗布厚がばらついても、空隙のばらつきを防止することができる。
【0070】
上記図5は非接触方式の帯電ローラの一例の断面をモデル的に示してある。導電性支持体106上に形成された、電気抵抗調整層104の両端に、空隙保持部材103を配置する。更に、電気抵抗調整層104上にはトナー及び、トナー添加剤が付着しにくいように、表面に保護層105が形成されている。
【0071】
<近接配置方法・・・空隙及び、空隙形成方法>
近接配置方法の場合、帯電部材(帯電ローラ)209と像担持体202Yとの間隙Gは、空隙保持部材103により100μm以下、特に、5〜70μm程度の範囲にすることが好ましい。これにより、帯電装置の作動時における異常画像の形成を抑えることができる。間隙Gが、100μm以上では、像担持体202Yに到達するまでの距離も長くなることで、パッシェンの法則の放電開始電圧が大きくなり、さらに、像担持体202Yまでの放電空間が大きくなることで、像担持体202Yを所定の帯電をさせるためには放電による放電生成物が多量に必要となり、これが画像形成後も放電空間に多量に残留し、像担持体202Yに付着して、像担持体202Yの経時劣化を促進する原因になる。また、この間隙Gが小さいと、像担持体202Yまでの到達距離も短く、放電エネルギーも小さくても像担持体202Yを帯電させることができる。しかし、帯電部材209と像担持体202Yにより形成される空間が狭くなり、空気の流れが悪くなってしまう。そのために、放電空間で形成された放電生成物はこの空間内に滞留するために、間隙Gが大きい場合と同様に、画像形成後も放電空間に多量に残留し、像担持体202Yに付着して、像担持体202Yの経時劣化を促進する原因になる。従って、放電エネルギーを小さくして放電生成物の生成を少なくし、かつ、空気が滞留しない程度の空間を形成することが好ましい。そのために、間隙Gは、100μm以下であって、5〜70μmの範囲にすることが好ましい。これにより、ストリーマ放電の発生を防止し、放電生成物の生成を少なくして像担持体202Yに堆積する量を少なくして、斑点状の画像ムラ・像流れを防止することができる。
【0072】
また、帯電部材209は、図3及び図4に示すように、帯電装置の図示しないハウジングの側板に設けられる軸受に嵌合され、軸受には従動しない摩擦係数の低い樹脂による軸受107に設ける圧縮バネ106により像担持体202Y表面方向に押圧されている。これにより、機械的振動、芯金の偏位があっても一定の間隙Gを形成することができる。押圧する荷重は、4〜25Nにする。好ましくは、6〜15Nにする。帯電部材209は、軸受107で固定されていても、回転するときの振動、帯電部材209の偏心、その表面の凹凸により間隙Gの大きさが変動し、間隙Gが適正な範囲からはずれる場合があり、このために、経時的には像担持体202Yの劣化を促進することになる。
【0073】
空隙保持部材103は空隙保持部材の一部が電気抵抗調整層104と高低差を有している。空隙の形成する方法としては、電気抵抗調整層104と空隙保持部材103を切削、研削等の除去加工により同時加工することにより形成することができる。空隙保持部材103と電気抵抗調整層104を同時加工することにより、空隙を高精度に形成することが可能となる。
【0074】
空隙保持部材103の電気抵抗調整層1004と隣接する部分の高さを、電気抵抗調整層104の高さと同一、もしくは低く形成することで、空隙保持部材103と感光体との接触幅が低減され、導電性部材と感光体との空隙を高精度にすることができる。このようにすることで、空隙保持部材103の電気抵抗調整層104側端部の外表面が像担持体に当接することを防止することができ、この端部を介して隣接する電気抵抗調整層103が像担持体202Yに接触してリーク電流が発生してしまうことを防止することが可能となる。また、空隙保持部材103の電気抵抗調整層104側の端部を低く加工することによって、この部分を、除去加工を行う際の切削刃等の逃げ代(逃げ加工)とすることができる。なお、逃げ代(逃げ加工)の形状は、空隙保持部材103の端部の外表面が像担持体202Tに当接しないような形状であるならばどのような形状であっても良い。
【0075】
更に、表面層をコーティングする際のマスキングを電気抵抗調整層104と空隙保持部材との境界で行うことは、ばらつきを考慮すると制御が難しく、段差を形成する際に、電気抵抗調整層と同一もしくは、低く形成された空隙保持部材103まで表面層を形成することで、電気抵抗調整層104上に確実に表面層を形成することができる。
【0076】
<空隙保持部材について>
空隙保持部材103の必要な特性としては、感光体との空隙を環境及び、長期(経時)に渡って安定して形成することであり、そのためには、吸湿性、耐摩耗性が小さい材料が望ましい。また、トナー及び、トナー添加剤が付着しにくいことや、感光体と当接し、摺動するために、感光体を摩耗させないということも重要であり、種々の条件に応じて、適宜選択されるものである。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂、ポリカーボネート(PC)、ウレタン、フッ素(PTFE)等があげられる。特に空隙保持部材を確実に固定するためには、接着剤を塗布して接着することができる。また、空隙保持部材は絶縁性材料が好ましく、体積固有抵抗で1013Ωcm以上であることが好ましい。絶縁性が必要である理由は、感光体とのリーク電流の発生を無くすためである。空隙保持部材は、成型加工により成形されたものである。
【0077】
<電気抵抗調整層について>
電気抵抗調整層は高分子型イオン導電材料が分散された熱可塑性樹脂組成物により形成されている。電気抵抗調整層の体積固有抵抗は10〜10Ωcmであることが望ましい。10Ωcmを越えると、帯電能力や転写能力が不足してしまい、10Ωcmよりも体積固有抵抗が低いと、感光体全体への電流集中によるリークが生じてしまう。
【0078】
電気抵抗調整層に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)、ポリアミド、ポリカーボーネート(PC)等の汎用樹脂であれば、成形加工が容易であり好ましい。
その熱可塑性樹脂に分散させる高分子型イオン導電材料としては、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する高分子化合物が好ましい。ポリエーテルエステルアミドはイオン導電性の高分子材料であり、マトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化される。したがって、金属酸化物、カーボンブラック等の電子伝導系導電剤を分散した組成物に見られるような分散不良に伴う抵抗値のばらつきが生じない。また、導電性部材として、高い印加電圧を掛ける際には、電子伝導系導電剤の場合、局所的に電気の流れやすい経路が形成さるため、像担持体へのリーク電流が発生し、帯電部材の場合、異常画像である白・黒ポチ画像が発生する。ポリエーテルエステルアミドは、高分子材料であるため、ブリードアウトが生じ難い。配合量については、抵抗値を所望の値にする必要があることから、熱可塑性樹脂が20〜70重量%、高分子型イオン導電剤が80〜20重量%とする必要がある。
更に、抵抗値を調整するために、電解質(塩)を添加することも可能である。塩としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等のアルカリ金属塩、リチウムビスイミド、リチウムトリスメチド等のリチウムイミド塩、エチルトリフェニルホスホニウム・テトラフルオロボレート、テトラフェニルホスホニウム・ブロマイド等の四級ホスホニウム塩が挙げられる。導電剤は物性を損なわない範囲で、単独若しくは、複数をブレンドして用いても構わない。
【0079】
導電材料をマトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散させるためには、相溶化剤を添加することにより、導電材料のミクロ分散が可能になるため、相溶化剤を適宜使用しても構わない。相溶化剤としては、反応基であるグリシジルメタクリレート基を有するものが挙げられる。その他、物性を損なわない範囲において、酸化防止剤等の添加剤を使用しても構わない。
【0080】
樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はなく、各材料を混合し二軸混練機、ニーダー等で溶融混練することによって、容易に製造できる。
【0081】
電気抵抗調整層としての導電性支持体上への形成は、押出成形や射出成形等の手段で導電性支持体に前記、導電性樹脂組成物を被覆することによって、容易に行うことができる。
【0082】
導電性支持体上に電気抵抗調整層のみを形成して導電性部材を構成すると、電気抵抗調整層にトナー及び、トナーの添加剤等が固着して性能低下する場合がある。このような不具合は、電気抵抗調整層に表面層を形成することで、防止すことができる。
また、接触方式とする場合は、帯電部材は、弾性体にする必要があるが、その場合、シリコーン、NBR、エピクロルヒドリン、EPDM等のゴム材料に種々の導電剤を添加することで弾性のある電気抵抗調整層を形成することができる。ゴム材料の加工方法は、従来より用いられている工法を使用することができる。
【0083】
<表面層について>
表面層上へのトナー、トナー添加剤等の付着防止のためには、帯電ローラ表面に当接したクリーニング部材のスリップを防止する必要があり、帯電ローラ表面は摩擦係数である。表面層は、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物や、イオン導電剤等の導電剤を用いて導電性を付与している。
【0084】
表面層の形成方法としては、スプレー塗装、ディッピング、ロールコート等の公知のコーティング方法を用いて行うことができる。
【0085】
ここで、本発明者等に係る発明(特願2006−13557(特許文献2))のように、導電性部材である帯電部材の表面の静止摩擦係数を1.0以上とし、トナー、トナー外添剤、潤滑剤及びその分解物の帯電部材の表面への付着に起因する異常画像の発生を減少させる場合に、本発明は、特に好適に応用でき、そのときの効果は絶大であるが、従来の一般的な表面層を有する導電体においても、高い効果が得られる。
【0086】
<表面塗布粉体について>
導電性部材(帯電ローラ)表面の摩擦係数を低減して粘着性を低減させる粉末の固体潤滑剤を導電性部材の表面に塗布する。このようなものとしては、金属石鹸、含フッ素樹脂、モリブデンを含む化合物、無機酸化物、及び、画像形成装置用の一般的なトナーが挙げられ、これらから少なくとも1種選択する。
【0087】
上記金属石鹸としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸リチウム、及び、ラウリン酸亜鉛等が挙げられ、これらから少なくとも1種選択する。
【0088】
含フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフッ化エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン―パーフルオロプロピルビニルエーテル(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、及び、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられ、これらから少なくとも1種選択する。
【0089】
モリブデンを含む化合物としては、二硫化モリブデン、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び、硫化オキシモリブデン・ジアルキルジチオリン酸塩等が挙げられ、これらから少なくとも1種選択する。
【0090】
無機酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化チタン、及び、酸化アルミニウム等が挙げられ、これらから少なくとも1種選択する。なお、酸化チタンは触媒能を有するものがあるが、本発明で用いた場合にその触媒能が何らかの障害を起こす可能性がある場合には触媒能のない酸化チタンを選択する。
【0091】
本発明においては上記例示した粉末の固体潤滑剤の他、画像形成装置内で用いた場合に障害を引き起こさないものも使用することができる。
【0092】
さらに、電子写真装置等の画像形成装置で静電潜像を顕在化させるトナー(樹脂からなる核体の表面に無機酸化物が配されてなる粉体)を用いることも可能である。
【0093】
トナーは粉砕法によるもの、あるいは、重合法によるもののどちらでも使用可能である。トナーは、ポリエステル等の母体樹脂の外部にSiO、TiO等の無機酸化物微粒子が外部添加されている複合粉末粒子であり、凝集性が低く、粉体の流動性が非常に高いために、ハンドリングが良好であるために本発明においても好適に用い得る。
【0094】
これら、本発明で用いる粉体の粒径の大きさとしては、0.1μm以上100μm以下が取り扱い性の点で好ましい。
【0095】
導電性部材の表面への粉体の塗布方法は特に限定されない。例えば、粉体を導電性部材にふりかけて塗布してもよく、また、粉体を空気と共に吹き付けて塗布しても良い。過剰に付いた粉体が画像形成装置内で障害を引き起こす懸念がある場合、本発明の効果が失われない程度に、圧搾空気で吹き飛ばす、あるいは、布等で軽く拭き取るなどの方法で除去しても良い。
【0096】
本発明における、粉体の塗布は、あくまで導電性部材の画像形成装置への組み付け時、及び、初運転直後の初期的な粘着性を低減することが目的であり、経時に関してはこの限りではない。表面に塗布された粉体は、初期的に作用すれば良く、画像形成装置が実際に用いられた後の、経時においては、自然に、あるいは、クリーニング機構により除去されて、導電性部材の表面の本来の特性を発現するように一時的に付着していればよい。
【0097】
なお、本発明は、上述のような近接配置方法の画像形成装置、すなわち、帯電部材と像担持体との間に間隙が形成されている場合のみならず、帯電部材309と像担持体202Yとが直接接触している接触方式の画像形成装置にも応用でできる。ここで図6及び図7には接触方式の帯電ローラの一例309をモデル的に示してある。導電性支持体上306に形成された、電気抵抗調整層304上にはトナー及び、トナー添加剤が付着しにくいように、表面に保護層305が形成されている。この保護層305の表面に上述の粉体が塗布される。
【実施例】
【0098】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0099】
<導電性部材A(近接配置方法の画像形成装置用の非接触タイプの帯電ローラ)>
ABS樹脂(GR3000、電気化学工業製)40重量%、ポリエーテルエステルアミド(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)60重量%のベース樹脂100重量部に対して、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーC L440−G、日本油脂製)を4重量部添加して溶融混練した樹脂組成物を、ステンレス表面にニッケルめっきを施した支持体(外径10mmの円柱体)上に、射出成形により円筒形の電気抵抗調整層を成形した。その後、この電気抵抗調整層のゲートカット及び、長さ調整を行った後、電気抵抗調整層の両端部にリング状の空隙保持部材(高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックPP HY540、日本ポリケム社製)からなる)を圧入した。次に、切削加工によって、空隙保持部材の外径を12.5mm、抵抗調整部の外径を12.4mmとなるように同時加工により仕上げた(このものは従来技術に係る一般的な帯電ローラであり、その表面の静止摩擦係数は1.0未満である)。
【0100】
このような電気抵抗調整層上に、アクリル変性シリコーン樹脂(ムキコート3000VH、川上塗料社製)、イオン導電剤(PEL20A、日本カーリット社製)、及び、イソシアネート樹脂(T4硬化剤、川上塗料社製)の混合物からなる塗料を酢酸ブチル、トルエン、MEK(メチルエチルケトン)からなる希釈溶剤で希釈後、スプレー塗装により膜厚約10μmの表面層を形成しその後、熱風炉で105℃、60分間、加熱硬化させて、空隙保持部材と表面層の間に約40μmの段差が形成されたローラ状の導電性部材Aを得た。
【0101】
<導電性部材B (接触方法の画像形成装置用の接触タイプの帯電ローラ>
ステンレスからなる芯軸(外径8mm)に、電気抵抗調整層としてエピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG、ダイソー社製)100重量部に過塩素酸アンモニウム3重量部を配合したゴム組成物を、押出成形、加硫工程を経て被覆し、研削により外径12mmに仕上げた。このような電気抵抗調整層上に、フッ素系樹脂(ルミフロン601C、旭硝子社製)とエピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG、ダイソー社製)をトルエン溶液に溶解させた樹脂溶液、イソシアネート樹脂(ルミフロン601C硬化剤、旭硝子社製)の混合物からなる塗料をトルエン、キシレンからなる希釈溶剤で希釈後、スプレー塗装により膜厚約10μmの表面層を形成し、熱風炉で105℃、60分間の加熱処理により硬化させて導電性部材Bを得た。
【0102】
これらの導電性部材A及びBの表面に、表1に示す粉体を塗布し、試験を行った。
なお、粉体の塗布領域は、画像形成領域である。すなわち、非接触タイプの帯電ローラの場合(図4参照)は、空隙保持部材より内側の表面層塗装部であり、接触タイプの場合(図6)は、表面層塗装部である。
【0103】
塗布は、導電性部材A及びBの表面全面に上記粉体の固体潤滑剤を振りかけ、過剰の粉末の固体潤滑剤を圧搾空気で除去した。過剰の固体潤滑剤は、プロセスカートリッジや画像形成装置に組み込んだ場合に障害を起こすおそれがあるので好ましくない。
【0104】
なお、過剰の粉末の固体潤滑剤の除去後も個体潤滑剤が表面に残留していることは、塗布前後の表面の走査型電子顕微鏡写真で確認でき、また、有色の粉体の場合には表面をティッシュペーパーで拭くことによっても確認できた。
【0105】
すなわち、図8には塗布前の表面の走査型電子顕微鏡写真を、図9には二酸化ケイ素粉末を塗布した後に過剰の粉末を圧搾空気で除去後の表面の走査型電子顕微鏡写真を示す。これらより、帯電ローラの表面の過剰の粉末を圧搾空気で除去した後にも粉末が残留していることが判る。
【0106】
【表1】

【0107】
<評価試験>
上記ローラ状の導電性部材を、帯電ローラとして、そのローラ表面にφ2mm以下の樹脂粉末(プロセスカートリッジや画像形成装置内で多用されるABS樹脂の粉末)を付着させ(付着数は数百個オーダー)、その後、図3に示すプロセスカートリッジに搭載し、図2に示した画像形成装置(リコー社製imagioMP C3000)を用いて、600dpiの1×1ハーフトーン画像(A3)を、画像形成装置製造後の製品完成テストを想定し、連続10枚画像出力を行い、ハーフトーン上の濃いローラピッチ斑点の発生状況を目視で確認した。斑点の発生状況は図10にモデル的に示した。)
【0108】
評価指標としては、斑点が10枚以内で消失した場合を充分であるとして「◎」、10枚目にローラピッチの斑点が4個以下残留している場合を充分であるとして「○」、10枚目にローラピッチの斑点が5個以上残留している場合には不充分であるとして「×」として評価した。結果を表1に示す。
【0109】
表1により本発明に係る表面に粉体が塗布されている帯電ローラを組み込んだ画像形成装置は、実際の装置完成直後の運転開始時に想定されるよりも、遙かに樹脂粉末付着が多い状態でテストをおこなったにもかかわらず、10枚程度の画像形成でその全部ないしほとんどが除去されることが確認された。また、上記粉末による不都合は生じなかった。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】電子写真方式の画像形成装置の概略図である。
【図2】フルカラー画像を形成できる画像形成装置の一例を示す垂直断面図である。
【図3】第1のプロセスカートリッジの拡大断面図である。
【図4】導電性部材である帯電ローラと、像担持体の感光層領域及び、画像領域、非画像領域の位置関係を示す概略図である。
【図5】導電性部材である帯電ローラのモデル断面図である。
【図6】接触方式の帯電ローラを用いた帯電装置のモデル図である。
【図7】接触方式の帯電ローラのモデル断面図である。
【図8】粉末塗布前の帯電ローラ表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】二酸化ケイ素粉末を塗布した後に過剰の粉末を圧搾空気で除去後の帯電ローラ表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】ローラピッチ斑点の発生状況を示すモデル図である。
【符号の説明】
【0111】
207Y プロセスカートリッジ
202Y 像担持体
208 ユニットケース(プロセスカートリッジのハウジング))
209 帯電ローラ(帯電部材)
280 清掃部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられる導電性部材において、その表面に粉末の固体潤滑剤が塗布されていることを特徴とする導電性部材。
【請求項2】
上記粉末の固体潤滑剤が、金属石鹸、含フッ素樹脂、モリブデンを含む化合物、無機酸化物、及び、画像形成装置のトナーから選ばれる少なくとも1種の粉末の固体潤滑剤であることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
【請求項3】
上記金属石鹸が、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸リチウム、及び、ラウリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属石鹸であることを特徴とする請求項2に記載の導電性部材。
【請求項4】
上記含フッ素樹脂が、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフッ化エチレン、テトラフルオロエチレン―パーフルオロプロピルビニルエーテル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、及び、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種のフッ素樹脂であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の導電性部材。
【請求項5】
上記モリブデンを含む化合物が、二硫化モリブデン、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び、硫化オキシモリブデン・ジアルキルジチオリン酸塩から選ばれる少なくとも1種のモリブデンを含む化合物であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項6】
上記無機酸化物が、二酸化ケイ素、酸化チタン、及び、酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の無機酸化物であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項7】
上記導電性部材が像担持体表面を帯電させる帯電部材であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項8】
請求項7の帯電部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記帯電部材の表面に接触する清掃部材を有することを特徴とする請求項8に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
上記帯電部材が回転体であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項7に記載の帯電部材をプロセスカートリッジのハウジングに組み込むことを特徴とするプロセスカートリッジの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−42550(P2009−42550A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208086(P2007−208086)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】