説明

小さく折りたためる包装箱

【課題】
使用後の包装箱の廃棄処分時、リサイクル時等において、胴部を折りたたんで箱体のサイズを小さくすることが出来るようにした段ボール製包装箱を提供する。
【解決手段】
箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち長辺側の対向側板と、その上下に連なる蓋板及び/又は底板とに、この側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折にできる3本の折り曲げ線を設けて、前記側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折り構造にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶テレビ、プラズマテレビ、或いはオーディオスピーカーのような大型の電化製品、その他書籍、食品等の被包装物を収納する包装箱に関するものであって、
特に箱の胴部をアコ−ディオン(蛇腹)構造にすることにより、使用後の包装箱の廃棄処分時、リサイクル時等において、胴部を折りたたんで箱体のサイズを小さくすることが出来るようにした段ボール製包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビやオーディオスピーカーのような大型の被包装物を収納する段ボール包装箱を最終的に廃棄処分する場合、手で破るなどして小さく切り刻み、合成樹脂製のごみ袋に入れるなどして棄てるか、あるいは無理やり小さくなるように折り畳み、テープや紐で折り畳み状態を保持して棄てているのが現状である。しかしながら、段ボールを手で破って小さく切り刻むのはかなりの力を要し、非常に手間であり、また段ボール製の包装箱を無理やり小さくなるように折り畳む場合、折り曲げ線のない部分で折り畳まなければならず、この場合も大きな力を要し、さらにこの折り畳み状態を保持しつつテープや紐を巻き付けるのに手間が掛かり、廃棄処分が煩わしいという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決すべく平面的に折り畳みができ、廃棄処分に便利な包装箱として、特許文献1(実開昭61−56226号)に開示されているように、フラップの折り曲げ線に沿ってミシン目状カット線が形成されており、ミシン目状カット線を切り開くことにより平面的に折り畳むことができるようにしたものが知られている。
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示されている包装箱は、通常「罫線」と呼ばれているフラップの折り曲げ線に沿って形成されたミシン目状カット線を切り開くことにより平面的に折り畳むことができるが、1枚の板部の途中の折り曲げ線のない部分で折り畳む場合は上記した廃棄処分の仕方と同様に大きな力を要し、1枚の板部の途中でコンパクトに折り畳むのに上記した廃棄処分の仕方と同様の手間が掛かるという問題があった。
【0005】
また、特許文献2(特開平9−132230号)は、段ボール包装箱であって、長辺側の1組の対向側板及びこの対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、この対向側板の上端に連設された蓋板形成用フラップに、この対向側板の幅方向の中央部で1本の連続する折り曲げ線を形成してなり、この対向側板の幅方向中央部の折り曲げ線部分で、側板中央部分を内側に折り込んで箱全体を薄くコンパクトに折り畳むことができるようした技術を提案している。
また出願人らは、上記のような段ボール箱体のサイズを小さく保持しておきたい時に、2組の対向側板のうち一方の側板に連設された内フラップを差込片として利用し、これを他の組の側板の内側に差し込むことにより、包装箱を廃棄のためにコンパクトに小さく折りたたんだ状態に保持させることができるようにした技術を提案している(特許文献3〜7)。
【0006】
【特許文献1】実開昭61−56226号公報
【特許文献2】特開平9−132230号公報
【特許文献3】特開2004−231192号公報
【特許文献4】特開2005−29176号公報
【特許文献5】特開2006−8156号公報
【特許文献6】特開2006−8157号公報
【特許文献7】特開2007−186265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで上記特許文献2〜7の包装箱の共通点(共通の構成)は、長辺側の1組の対向側板の幅方向中央部の折り曲げ線位置で、長辺側の側板中央部分を内側に折り込んで2つ折として、箱全体を薄くコンパクトに折り畳むことができるようした点である。これを図解すれば図20の通りである。図20の(a)及び(b)に示すように、長辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法をW、短辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法をDとしたとき、長辺側の対向側板の幅方向中央部の設ける折り曲げ線(罫線)の位置をAで表す。
このように構成された従来包装箱は、長辺側の対向側板の幅方向中央部の折り曲げ線部分で、その側板中央部分を内側に折り込んで箱胴部を2つ折りにする際、W/2<Dの場合には、その側板はほぼV字をなしながら折り曲がり、包装箱全体を小さく折おりたたむことができる。しかし、W/2>Dの場合には、対面する長辺側の対向側板(W面)同士がぶつかりあうことがあるために、その側面はV字状に折り曲がることが困難となる。従って、包装箱をコンパクトに小さく折りたたむことは難しい。この状況を図解すると図21の(a)及び(b)の通りである。
【0008】
本発明の目的は、このような従来の包装箱の課題を解決するものであり、特に箱の胴部を構成する対向側板をアコ−ディオンのように折たためるようにすることにより、使用後の包装箱の廃棄処分時、リサイクル時等において、胴部を小さく折りたたんで箱体のサイズを小さくすることが出来る段ボール製包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の包装箱は、平面形状が矩形の包装箱であって、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち、一組の対向側板とその上下で連なる蓋板及び/又は底板を、山折り(内折ということがある)と谷折り(外折ということがある)が繰り返えされた折り曲げ線(罫線)を備えるアコ−ディオン(蛇腹)構造にしたことを特徴とする包装箱である。
【0010】
請求項2に記載の包装箱は、平面形状が矩形の段ボール包装箱であって、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち長辺側の対向側板と、その上下に連なる蓋板及び/又は底板とに、この側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折にできる、3本の折り曲げ線(罫線)を設けて、前記側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折り構造にしたことを特徴とする包装箱である。
【0011】
請求項3に記載の包装箱は、長辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法がW、短辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法がDであるときに、長辺側の1組の対向側板上のW/2の位置に山折線Mを設ける一方、その中央の山折線Mを挟む両側の位置で、かつ短辺側の対向側板との境界線からD/2≧なる位置に、谷折線を設けることを特徴とする請求項2に記載の包装箱である。
【0012】
請求項4に記載の包装箱は、箱の胴部を構成する2組の対向側板を水平方向に環状に切断可能とするようにカットテープまたは胴部破断用ミシン目を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の包装箱の折りたたみ方法は、箱の胴部を構成する2組の対向側板と、この対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、この対向側板の上端に連設された蓋板形成用フラップとを備えてなる平面形状が矩形の包装箱の折りたたみ方法であって、
前記2組の対向側板のうち、1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、この対向側板の上端に連設された蓋板形成用フラップにはこの側板との連設線と平行に折り曲げ手段を形成して、この折り曲げ手段よりも先端側を、折りたたみ時の差し込みとして利用するように構成したことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6は、請求項2〜4の何れか一項に記載の段ボール製包装箱のブランク材に対する折り曲げ用罫線処理方法であって、少なくとも谷折線を形成する箇所に対し、罫線付与時に使用する押刃として通常の罫線付与用の押刃よりも幅の広い押刃を使用し、潰れる範囲を通常の押刃より広げることにより、罫線が入っている面の反対面から外力が加えられたときに罫線の沿って綺麗に逆折できるように、罫線折り曲げ強度を小さくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明の包装箱は、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち、少なくとも1組の対向側板とその上下に連なる蓋板及び/又は底板を、山折りと谷折りの繰り返し折り曲げ線を備えるアコ−ディオン(蛇腹)構造にしたので、廃棄処分やリサイクルのために、使用後の箱を容易且つコンパクトに折りたたむことができる。
【0016】
またこの発明の包装箱は、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち長辺側の対向側板と、その上下に連なる蓋板及び/又は底板とに、この側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折にできる3本の折り曲げ線を設けて、前記側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折り構造にした。しかも本発明では、長辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法がW、短辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法がDであるときに、長辺側の1組の対向側板上のW/2の位置に山折線Mを設ける一方、その中央の山折線Mを挟む両側の位置で、かつ短辺側の対向側板との境界線からD/2≧なる位置に、谷折線を設けるように構成したので、従来の箱が折りたたむ際に制約を受けていたW/2>Dの場合にあっても、対面する長辺側の対向側板(W面)同士がぶつかりあうことがなくなることがなり、対向側面が3つ折りに折り曲がり、包装箱全体を小さく折おりたたむことができる。その結果、大型段ボール製包装箱の廃棄のための折り畳みを容易に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図9に基づいて説明する。
先ず、第1の実施の形態について説明する。符号1は一例として段ボールのブランクを材料として組み立てられる平面形状が矩形の包装箱である。
この段ボール包装箱1は、図1の展開図に示すように、2組の対向側板2,2、3,3と、この対向側板2,2、3,3の下端に連設された底板形成用フラップ4,4、5,5と、この対向側板2,2、3,3の上端に連設された蓋板形成用フラップ6,6、7,7とを備えている。
【0018】
組立てに際しては、ブランク材の一方の側板2の外側に連設した継代片8を用いて対向側板2,2、3,3を角筒状に連係する。2組の対向側板2,2、3,3の内、一方の対向側板2,2の幅は他方の対向側板3,3の幅に比べて短く設定されている。そして、短辺側の対向側板2,2の下端に連設した底板形成用フラップ4,4は内フラップとして使用し、長辺側の対向側板3,3の下端に連設された底板形成用フラップ5,5は外フラップとして、上下に重なるように折り曲げ使用される。その後、粘着テープ(図略)などの封緘材を使用して前記底板形成用フラップ4,5を押さえ固定する。
【0019】
なお、短辺側の対向側板2,2の下端に連設された底板形成用フラップには、この側板との連設線と平行にミシン目または折り曲げ線4aを形成して、このミシン目または折り曲げ線よりも先端側を、折りたたみ時の差し込み用フラップ4bとして利用するようになっている。
【0020】
次に、蓋板形成用フラップ6,6、7,7について説明する。
短辺側の対向側板2,2の上端に連設した蓋板形成用フラップ6,6は内フラップとして使用し、長辺側の対向側板3,3の上端に連設された蓋板形成用フラップ7,7は外フラップとして上下に重なるように使用される。また長辺側の対向側板3,3の上端に連設された2枚の蓋板形成用フラップ7,7は、一方の蓋板形成用フラップが先に折り曲げられ、続いて他方の蓋板形成用フラップをその上に折り曲げた後、蓋板形成用フラップの先端の差し込み8aの付け根に形成された差し込み孔8bに、対向側板3の上端に設けた爪片9を差し込むことにより、蓋板の閉塞状態を保持する構造にしている。
なお、本発明が適用できる包装箱の形式は、図1の形式のものに限るものではない。例えば日本工業規格(JIS Z 1507)に例示されているように、天面及び底面のフラップが糊つけタイプ、折り畳みタイプ、その他であっても差し支えはない。
【0021】
短辺側の対向側板2,2の上端に連設された蓋板形成用フラップ6,6には、この側板との連設線と平行にミシン目または折り曲げ線6aを形成して、このミシン目または折り曲げ線よりも先端側を、後述のように廃棄姿時の差し込み用フラップとして利用できるように構成されている。
【0022】
なお符号Lは、包装箱の胴部を構成する2組の対向側板2,2、3,3を水平方向に環状に切断可能とするカットテープであって、側板3の一端から継代片8の一端に至るように一方向に前記側板2,2、3,3上に貼設されている。なお上記のカットテープに代えて包装箱のブランクに対し切断用ミシン目を設けることも可能である
【0023】
ところで、本発明においては、廃棄処分やリサイクルのために、使用後の箱を容易且つコンパクトに折りたたむことができるよう、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち一組の対向側板と、その上下に連なる蓋板及び/又は底板とを、アコ−ディオン(蛇腹)のように折りたためる構造にした。この点を以下詳しく説明する。
【0024】
本発明の包装箱は、図1及び図2に示されるように、長辺側の1組の対向側板3の幅方向の寸法がW、短辺側の1組の対向側板2の幅方向の寸法がDであるときに、長辺側の1組の対向側板上のW/2の位置に山折線Mを設け、一方、その中央の山折線Mを挟む両側の位置で、かつ短辺側の対向側板7との境界線からD/2≧なる位置に、谷折線Nを設けることを特徴とする。そして、前記の山折線Mと谷折線Nは、何れも長辺側の対向側板と、その上下の蓋板7及び/又は底板5に連続するように形成されている。
【0025】
上記構成において、包装箱1を廃棄のためにコンパクトに小さく折りたたむ場合について説明する。
【0026】
先ず、図2のように蓋板形成用フラップ6,6、7,7を開いた状態で包装箱1から被包装物(図略)を取り出す。次に、箱の胴部を構成する2組の対向側板2,2、3,3に、胴部を破断可能なカットテープLが設けられている場合は、箱の胴部を水平方向にカットテープTで2分割する。続いて底の封緘テープを剥がし、2組の対向側板2,2、3,3に対して底板形成用フラップ4,4、5,5および蓋板形成用フラップ6,6、7,7を面一状になるように開き、包装箱1を筒状にした状態で、前記底板形成用フラップ4,5の一方の底板形成用フラップ4および蓋板形成用フラップ6,7の一方の蓋板形成用フラップ6を除く残りの全ての底板形成用フラップおよび蓋板形成用フラップをそれらが連設された各側板2、3,3に重なるように折り畳む。具体的には、前記一方の底板形成用フラップ4に対向する他方の底板形成用フラップ5をそれが連設された短辺側の側板2の内面に重なるように内側に折り畳み、長辺側の対向側板3,3の下端に連設された底板形成用フラップ5,5をそれらが連設された長辺側の対向側板3,3の内面に重なるように内側に折り畳むとともに、一方の蓋板形成用フラップ6に対向する他方の蓋板形成用フラップ6をそれが連設された短辺側の側板2の内面に重なるように内側に折り畳み、長辺側の対向側板3,3の上端に連設された蓋板形成用フラップ7,7をそれらが連設された長辺側の対向側板3,3の内面に重なるように内側に折り畳む(図4参照)。
【0027】
かかる状態で長辺側の1組の対向側板上のW/2の位置に山折線Mが設けられ、一方、その中央の山折線Mを挟む両側の位置で、かつ短辺側の対向側板7との境界線からD/2≧なる位置に、谷折線Nが設けられているので、その山折線Mと谷折線Nに沿って前記長辺側の対向側板3,3とこれに繋がる底板形成用フラップ5及び蓋板形成用フラップ7を図6、図7に示すように蛇腹状に折り曲げるように、包装箱を押しつぶすのである。
その後、かかる状態で前記一方の底板形成用フラップ4および一方の蓋板形成用フラップ6の前記折り曲げ線4aおよび6aよりも先端側の差し込み用フラップ(4bおよび6b)を他方の短辺側の側板2の内側、詳しく述べると他方の短辺側の側板2の内面に重なるように折り畳まれた他方の底板形成用フラップ4および他方の蓋板形成用フラップ6の内側に重なるように差し込む(図8参照)のである。これにより、包装箱1の胴部はコンパクトに折り畳まれた状態となり(図9参照)、廃棄処分が容易に行なえるものとなる。
【0028】
図10〜図17はこの発明の第2の実施の形態を示したものであって、第1の実施の形態と異なる点は、箱の胴体部分を上下にカットテープで2分割した点である。2分割した後、上下の各部を第1の実施例と同様に小さく折りたたむものであるが、折りたたみ状態の図面のみを示して、重複する説明は省略した。
【0029】
以上の説明からも分かるように、本発明の包装箱の特徴は、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち、一組の対向側板とその上下に連なる蓋板及び/又は底板を、アコ−ディオン(蛇腹)構造にすることである。換言すれば、箱胴部の一組の側板とこれに連なる蓋板及び/又は底板とにこれを少なくとも三つ折にできる3本の折り曲げ線を設けて、前記側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折り構造にしたことが特徴である。
具体的なブランク材に対する罫線処理方法について述べると、前記前記長辺側の対向側板3,3とこれに繋がる底板形成用フラップ5及び蓋板形成用フラップ7とに対して、図6、図7に示すように山折線Mと谷折線Nとを設け、山折線Mの部分はその山折線に沿って対向側板3,3を順方向に折り曲げ、また谷折線Nの部分は同じように逆方向に折り曲げる、すなわち、山折線と谷折線に沿い夫々の側板を蛇腹状に折り曲げることができるようにしたのである。
この場合において、谷折線Nは、包装箱の裏面に罫線が入っており、表面から罫線は見えない。包装箱の裏面は見えない状態で廃棄のための折り畳みをするので、箱表面には、指標として谷折位置を示す印(マークなど)をあらかじめ印刷しておくことが好ましい。そして、ブランク材に押刃を押し付けて罫線を入れる場合、図18に示すように通常のやり方でブランク材に谷折の罫線を入れる場合には、この谷折位置で折り曲げるときに鋭角な折線からなる罫線に沿って意識して谷折りをしなければならない。しかし、図19に示すように幅の厚い押刃を使用して、段ボールの段がつぶれる範囲を若干広げる処理をすることにより、罫線折り曲げ強さ(罫線強度)を弱くし、罫線に沿って綺麗に逆折ができるように、逆折罫線のための罫線をブランク材に入れる罫線処理をすることが望ましい。
具体的な罫線処理方法につき述べると、谷折線N(逆折罫線)は、例えば、通常の押刃aの両側にスポンジ押刃bを配置することで、通常の押刃で形成する罫線を中心にその両側をなだらかに潰して、ブランク材に入れる罫線の範囲を通常の押刃より広げることにより、段ボールの段がつぶれる範囲を若干広げる処理をする。こうすると、谷折線Nは、その罫線付近に反対側から不確定な力がかかっても、罫線に沿って綺麗に逆折ができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態における包装箱の展開図である。
【図2】同包装箱を廃棄するために天フラップを開いた状態を示す斜視図である。
【図3】同包装箱の蓋と底フラップを開き、箱を横に寝かせた状態を示す斜視図である。
【図4】同包装箱の蓋と底フラップを箱内側に折りたたむ前の状態を示す斜視図である。
【図5】同包装箱の短側面のフラップ1辺を残した状態を示す斜視図である。
【図6】同包装箱の胴部を蛇腹状に押しつぶす状態を示す斜視図である。
【図7】同包装箱の胴部を押しつぶした状態を示す斜視図である。
【図8】同包装箱の蓋と底板形成用フラップを内側に折り曲げる状態を示す斜視図である。
【図9】同包装箱の蓋と底板形成用フラップを内側に折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図10】第2の実施の形態における、蓋フラップを開いた状態を示す包装箱の斜視図である。
【図11】同包装箱の蓋フラップを箱内側に折りたたむ前の状態を示す斜視図である。
【図12】同包装箱の短側面のフラップ1辺を残した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における包装箱の展開図である。
【図14】同包装箱の胴部を蛇腹状に押しつぶす状態を示す斜視図である。
【図15】同包装箱の胴部を押しつぶした状態を示す斜視図である。
【図16】同包装箱の蓋板形成用フラップを内側に折り曲げる状態を示す斜視図である。
【図17】同包装箱の蓋板形成用フラップを内側に折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図18】通常の折線(山折線M)の押罫処理方法示す説明図である。
【図19】逆折罫線(谷折線N)の押罫処理方法示す説明図であり、押罫aの両側にスポンジ等弾性部材bを配置した幅広の押罫を使用して、つぶれる範囲を通常の押罫より広げる処理方法を示す説明図である。
【図20】(a)及び(b)は従来の包装箱の構成図である。
【図21】(a)及び(b)は従来の包装箱の胴部中央をV形に折り曲げるときの説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 包装箱
2,3 側板
4,5,底板形成用フラップ
6,7 蓋板形成用フラップ
4a 折り曲げ線
4b 差し込みフラップ
6a 折り曲げ線
6b 差し込み片
8a 差し込み8a
8b 差し込み孔
L カットテープ
M 山折線
N 谷折線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が矩形の包装箱であって、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち、一組の対向側板とその上下で連なる蓋板及び/又は底板を、山折りと谷折りが繰り返えされた折り曲げ線を備えるアコ−ディオン(蛇腹)構造にしたことを特徴とする小さく折りたためる包装箱。
【請求項2】
平面形状が矩形の段ボール包装箱であって、箱の胴部を構成する2組の対向側板のうち長辺側の対向側板と、その上下に連なる蓋板及び/又は底板とに、この側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折にできる3本の折り曲げ線を設けて、前記側板と蓋板及び/又は底板を少なくとも三つ折り構造にしたことを特徴とする小さく折りたためる包装箱。
【請求項3】
長辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法がW、短辺側の1組の対向側板の幅方向の寸法がDであるときに、長辺側の1組の対向側板上のW/2の位置に山折線Mを設ける一方、その中央の山折線Mを挟む両側の位置で、かつ短辺側の対向側板との境界線からD/2≧なる位置に、谷折線を設けることを特徴とする請求項2に記載の小さく折りたためる包装箱。
【請求項4】
箱の胴部を構成する2組の対向側板を水平方向に環状に切断可能とするようにカットテープまたは胴部破断用ミシン目を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の小さく折りたためる包装箱。
【請求項5】
箱の胴部を構成する2組の対向側板と、この対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、この対向側板の上端に連設された蓋板形成用フラップとを備えてなる請求項2〜4の何れか一項に記載の平面形状が矩形の包装箱の折りたたみ方法であって、
前記2組の対向側板のうち、1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、この対向側板の上端に連設された蓋板形成用フラップにはこの側板との連設線と平行に折り曲げ手段を形成して、この折り曲げ手段よりも先端側を、折りたたみ時の差し込みとして利用するように構成したことを特徴とする平面形状が矩形の包装箱の折りたたみ方法。
【請求項6】
請求項2〜4の何れか一項に記載の段ボール製包装箱のブランク材に対する折り曲げ用罫線処理方法であって、少なくとも谷折線を形成する箇所に対し、罫線付与時に使用する押刃として通常の罫線付与用の押刃よりも幅の広い押刃を使用し、潰れる範囲を通常の押刃より広げることにより、罫線折り曲げ強度を小さくすることによって、罫線が入っている面の反対面から外力が加えられたときに罫線に沿って綺麗に逆折できるようにすることを特徴とする段ボール製包装箱に対する折り曲げ用罫線処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−137625(P2009−137625A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316883(P2007−316883)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(502356517)王子チヨダコンテナー株式会社 (66)
【Fターム(参考)】