説明

小容量ボトルの製造方法及び小容量ボトル

【課題】指輪として携帯することができる小容量ボトルを提供する
【解決手段】金型31は、内容物を収容するためのリング状の収容部形成部32の内側周辺をパリソンを押し潰すコンプレッションゾーン形成部33とし、リング状の収容部32は、口形成部35と直接連通している。また、コンプレッションゾーン形成部23の外周には食い切り刃が形成され、コンプレッションゾーン形成部33によって押し潰された部分がそのまま切り取られた状態の成形品を製造することができる。この金型31では、コンプレッションゾーン形成部33の全体が食い切り部34となっている。この金型31を用いてダイレクトブロー成形を実施することにより、口部45と直接連通するリング状の収容部42の内側が貫通孔44となり、指輪の様な形状の小容量ボトル41が製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や液体等を収納して用いることのできる小容量のボトルに係り、特に、装飾性に優れ、携帯に便利な小容量ボトルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、試供品を提供する小容量の容器に関し、種々の提案がなされている(図参照)。これらは、サンプルボックス、台紙、冊子、郵便物等に試供品容器を嵌め込む方法を提案するもの(特許文献1〜7)、商品と共に包装する方法を提案するもの(特許文献8)、単体としての容器を提案するもの(特許文献9,10)である。
【特許文献1】実開平6−14069号(図1)
【特許文献2】特開2001−146259号(図1)
【特許文献3】実開平7−13759号(図1)
【特許文献4】特表2004−519390(図4)
【特許文献5】特開平10−236530号(図2,図3)
【特許文献6】特開2001−58672(図2,図9)
【特許文献7】特開平9−226830(図1)
【特許文献8】実用新案登録第3047737号(図1)
【特許文献9】特開平7−309370号(図1)
【特許文献10】特表平8−507231号(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこれら小容量の容器の多くは使い捨てのもので無駄が多かった。
【0004】
使い捨てではないタイプのものは、容器が小型であるが故に紛失し易く、その結果、再びサンプルボックスや台紙にはめ直すといった方法で保管する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、試供品等の提供に適する小容量ボトルであって、携帯に便利で、紛失し難い携帯方法をとることができる小容量ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の小容量ボトルの製造方法は、ブロー成形によって製造され、内容物を出し入れする口部に着脱可能なキャップを装着される小容量ボトルの製造方法であって、以下の構成からなる金型を用いることを特徴とする。
(1)内容物を収容するための収容部を形成する収容部形成部の内側において円形にパリソンを押し潰すコンプレッションゾーン形成部を備えたキャビティ形状の金型を用いること。
(2)前記コンプレッションゾーン形成部には、押し潰されたパリソンを食い切って貫通孔を形成するための食い切り刃が形成されていること。
(3)前記収容部形成部は、前記コンプレッションゾーン形成部の周縁を取り囲むリング状空間を構成し、該リング状空間の上端が口形成部と直接連通するキャビティ形状となっていること。
なお、さらに、以下の構成をも備えることが望ましい。
(1−1)前記金型は、前記コンプレッションゾーン形成部が前記収容部形成部のほぼ中央部においてパリソンを円形に押し潰す様に構成されていること。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の小容量ボトルは、ブロー成形によって製造され、内容物を出し入れする口部に着脱可能なキャップを装着される小容量ボトルであって、以下の構成を備えていることを特徴とする。
)内容物を収容するための収容部が、前記口部と連通するリング状空間によってに構成され、該リング状空間の内側はそのほぼ中央部が指を挿入して指輪として携帯できるサイズの貫通孔とされていること。
【発明の効果】
【0008】
本発明による小容量ボトルは、指輪の如く携帯することができ、携帯に便利で、紛失し難いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例の金型の平面図である。
【図2】実施例の小容量ボトルを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)右側面図、(D)は底面図、(E)はb−b断面図である。
【図3】実施例の小容量ボトルの具体的成形例を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は底面図である。
【図4】実施例の金型の平面図である。
【図5】実施例の小容量ボトルの具体的成形例を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は底面図である。
【図6】実施例の斜視図である。
【図7】実施例の斜視図である。
【図8】従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態を、いくつかの実施例に基づいて説明する
【実施例1】
【0011】
図1の金型31は、内容物を収容するためのリング状の収容部形成部32の内側周辺をパリソンを押し潰すコンプレッションゾーン形成部33としている。黒く塗り潰した部分である。リング状の収容部32は、口形成部35と直接連通している。また、コンプレッションゾーン形成部33の外周には食い切り刃が形成されている。従って、この金型31では、コンプレッションゾーン形成部23によって押し潰された部分がそのまま切り取られた状態の成形品を製造することができる。この金型31では、コンプレッションゾーン形成部33の全体が食い切り部34となっている。
【0012】
この金型31を用いてダイレクトブロー成形を実施することにより、図に示す様な小容量ボトル41を製造することができる。即ち、図示の様に、口部45と直接連通するリング状の収容部42の内側が貫通孔44となり、指輪の様な形状の小容量ボトル41が製造される。
【0013】
は、実施例の小容量ボトルの具体的な成形例にキャップを装着した状態を示している。なお、背面図は正面図と対称に表れ、左側面図は右側面図と対称に表れる。
【実施例2】
【0014】
の金型51は、金型31とほぼ同じ構成であるが、収容部形成部52の外周が花びら形状にされている。なお、55は口形成部、53は食い切り部54と重なるコンプレッションゾーン形成部である。
【0015】
は、実施例の小容量ボトルの具体的な成形例にキャップを装着した状態を示している。なお、背面図は正面図と対称に表れ、左側面図は右側面図と対称に表れる
【実施例3】
【0016】
施例は、指輪としたものである。図は、実施例において具体的に成形した小容量ボトルを指に装着した状態を示す。また、図に示す様に、キャップを種々に装飾されたものにすることで、より一層指輪として身に付けたいという気持ちを高めて紛失防止に役立たせることもできる。
【0017】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
試供品等を提供するための小容量ボトル、小分けして持ち歩く携帯用の小容量ボトルとして利用することができ、単なる容器としての利用に留まらず、アクセサリとしての用途にも適するものである。
【符号の説明】
【0019】
1・・・金型
32・・・収容部形成部
33・・・コンプレッションゾーン形成部
34・・・食い切り部
35・・・口形成部
41・・・小容量ボトル
42・・・収容部
44・・・貫通孔
45・・・口部
51・・・金型
52・・・収容部形成部
53・・・コンプレッションゾーン形成部
54・・・食い切り部
55・・・口形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形によって製造され、内容物を出し入れする口部に着脱可能なキャップを装着される小容量ボトルの製造方法であって、以下の構成からなる金型を用いることを特徴とする小容量ボトルの製造方法。
(1)内容物を収容するための収容部を形成する収容部形成部の内側において円形にパリソンを押し潰すコンプレッションゾーン形成部を備えたキャビティ形状の金型を用いること。
(2)前記コンプレッションゾーン形成部には、押し潰されたパリソンを食い切って貫通孔を形成するための食い切り刃が形成されていること。
(3)前記収容部形成部は、前記コンプレッションゾーン形成部の周縁を取り囲むリング状空間を構成し、該リング状空間の上端が口形成部と直接連通するキャビティ形状となっていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1記載の小容量ボトルの製造方法。
(1−1)前記金型は、前記コンプレッションゾーン形成部が前記収容部形成部のほぼ中央部においてパリソンを円形に押し潰す様に構成されていること。
【請求項3】
ブロー成形によって製造され、内容物を出し入れする口部に着脱可能なキャップを装着される小容量ボトルであって、以下の構成を備えていることを特徴とする小容量ボトル。
)内容物を収容するための収容部が、前記口部と連通するリング状空間によってに構成され、該リング状空間の内側はそのほぼ中央部が指を挿入して指輪として携帯できるサイズの貫通孔とされていること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−173436(P2011−173436A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133861(P2011−133861)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【分割の表示】特願2009−49977(P2009−49977)の分割
【原出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(591029149)本多プラス株式会社 (18)
【Fターム(参考)】