説明

小火器用の電子照準器およびその操作方法

【解決手段】
小火器用照準器は「要因」に関する情報を受信し、次にデジタルレチクルおよび観察部上の画像の相対位置を自動調整して発射体の弾道に対する前記要因の影響を補正する。別の機能は、前記画像に基づき前記レチクルの特性を自動調整する工程を含む。もう1つの機能は、前記画像を自動調整し、当該画像の前記レチクルと位置合わせされた部分とその隣接した部分を区別する工程を含む。更にもう1つの機能は、前記小火器用照準器に可聴音を発生させる工程を含む。更にもう1つの機能は、地球表面上における前記小火器用照準器の位置を表す情報を前記観察部上に提示する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に小火器の正確な照準を容易にする装置に関し、より具体的には小火器上に搭載され、ユーザーが潜在的な標的を観察するための小火器用照準器に関する。
【背景技術】
【0002】
個人がライフルやターゲットピストルなどの小火器を正確に照準するのを補助するために、種々の技術および装置が長年にわたって開発されている。一般的な方法として、小火器の銃身上に照準器またはスコープを搭載する方法があり、この照準器またはスコープを通して個人はレチクルの対象となる標的をある一定の倍率で見るものである。一般に従来の小火器用照準器はその意図された目的に対して適切であるが、全ての点において満足のいくものではない。
【0003】
例えば、照準器が最初に小火器の銃身に搭載された時、一般的には試行錯誤の過程を通して前記小火器の銃身との位置合わせ、または零位調整が必要となる。例えば、個人は既知の距離にある標的に対して1若しくはそれ以上の弾を撃ち、照準位置からどれだけオフセットした位置で弾が標的に当るかを特定し、次に前記オフセットを排除することを意図して、前記小火器に対して前記照準器の位置合わせを調整することが考えられる。個人が照準を定めている位置と実質的に同位置に弾が当るようになるまで、この手順が反復的に繰り返される。
【0004】
この手順によって、ある特定の条件の組み合わせにおける前記照準器および小火器の位置合わせがなされる。しかし、例えば狩猟中などその後の前記小火器および照準器の使用中に、様々な条件が位置合わせ若しくは零位調整の過程で存在した条件とは異なる可能性があり、従って弾の弾道に影響することが考えられる。これらの要因には温度、気圧、湿度、風速や風向などがあり、これら全てが空気密度、即ち弾に働く空気抵抗に影響し、結果として空気抵抗が弾道に影響する。更に、前記小火器の銃身の傾きが、弾の初期弾道に関連して弾に働く重力の方向に影響する可能性があり、その結果重力が弾の全体的な弾道にどのように作用するかに影響することが考えられる。更にもう1つの要因として、実際の射程若しくは標的までの距離は、通常前記位置合わせまたは零位調整の過程において存在する射程若しくは距離と異なることが挙げられる。
【0005】
その結果、既知の条件下で照準器を小火器に対して位置合わせしても、その後に異なる条件下で前記照準器を用いて前記小火器の照準を合わせる場合、適切な知的且つ視覚的な補正を行なう必要がある。このように、個人は概して前記照準器のレチクルを、前記標的上の弾の所望の着弾点からオフセットした点に照準しなければならない。例えば、前記標的までの射程が前記照準器の零位調整に用いられた射程よりもかなり長い場合、前記照準器のレチクルを前記標的の上に位置する点に照準する必要があると考えられる。同様に、左または右に風が吹いている場合、風が弾の弾道に与える影響を補正するために、前記照準器のレチクルを前記標的の左側若しくは右側にオフセットした点に照準する必要がある場合がある。適切なオフセットの設定を補助するために、既知の角度単位でレチクルにマークの入ったものもあるが、それでもかなりの知的推量が必要となる。
【0006】
初期設定から前記照準器の位置合わせをずらすように前記照準器上のつまみを調整して、現状状態を補正する場合もある。それぞれ異なる要因毎の適切な調整を決定するためには幾つかの異なるデータ表が必要と考えられ、2若しくはそれ以上の各つまみの回転数を決定するには、これら複数の表からの値を組み合わせる必要がある。しかしこの方法は複雑であり、面倒で時間がかかり、従って殆どの実際の状況では実用的ではない。例えば、標的の動物は普通、狩猟者がこの調整手順を実行する間じっと待ってはいない。更に、通常この方法でさえ、現在条件についてのかなりの知的推量を必要とする。
【0007】
弾の弾道に影響し得る様々な要因を考慮すると、このような知的且つ視覚的に実行する補正の試みはかなりの推定と推量を必要とし、往々にして弾が標的を完全に外れてしまったり、所望の着弾点から離れた位置に当ったりする。更に、従来の照準器は任意の時点において、色、形状、サイズ、および/または輝度などの種々の所定の特性を有するレチクルの中から選ばれたものを用いるという問題がある。従って、例えば、前記レチクルが暗い色であり前記標的もまた暗い色である場合、前記レチクルが前記標的に位置合わせされた時に前記レチクルを前記標的から識別することが非常に困難になると考えられる。
【0008】
更にもう1つの問題として、従来の照準器を通して見る時、前記照準器を通して見る光景の他の部分から潜在的な標的を特定、および/または区別することが困難な場合がある。更にもう1つの要因として、小火器および照準器を使用する狩猟者あるいはその他の個人がしばしば別途の器材をも携行しなければならないことが挙げられる。例としては、紙の地図、コンパス、レーザー距離計、自己完結型全地球測位システム(GPS)装置や、潜在的な標的である様々な種類の動物を呼び寄せるように作られた呼び子などがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の説明から、従来の照準器に関連する問題点の幾つか、または全てを回避する小火器用照準器の必要性が生じていることが理解されるであろう。
【0010】
本発明の1形態は小火器用照準器の動作に関し、デジタルレチクルの対象となる光景画像を観察部上に提供する工程と、発射体の弾道に影響し得る要因を表す情報を受信する工程と、前記要因が発射体の弾道に影響する程度を補正するように、前記観察部上に提示された画像に対して前記デジタルレチクルの位置を自動調整する工程とを伴う。
【0011】
本発明の別の形態は、デジタルレチクルの対象となる光景画像を観察部上にユーザーに提示する工程と、前記画像に応答して前記レチクルの特性を自動調整する工程とを含む。
【0012】
本発明の更に別の形態はレチクルの対象となる光景のデジタル画像を観察部上でユーザーに提示する工程と、前記レチクルと実質的に位置合わせされた前記画像の第1の部分と前記第1の部分に隣接した前記画像の第2の部分を区別するように前記デジタル画像を自動調整する工程とを含む。
【0013】
本発明の更に別の形態は、小火器用照準器から可聴音を発生させる工程を伴う。
【0014】
本発明の更に別の形態は、ディスプレイを有する小火器用照準器の動作に関し、電磁信号を受信する工程と、前記受信された電磁信号に応答して地球表面上における前記小火器用照準器の位置を決定する工程と、前記ディスプレイ上に地球表面上における前記小火器用照準器の位置を表す情報を提示する工程とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の態様を表すライフル用デジタル照準器10である装置の概略斜視図である。前記照準器10は本明細書の中で「ライフル用照準器」と呼ばれるが、実際にはライフルだけではなく、ターゲットピストルなど、他のタイプの小火器にも使用できる。前記照準器10は前記照準器10を小火器の受部または取り付けレール上に固着することができるレールマウント12を含む。
【0016】
前記照準器10は、その前端部に少なくとも1つのレンズ17を含む対物レンズ部16を有し、その後端部に接眼光学素子部18を有するハウジング14を含む。前記ハウジング14は、つまみねじ22によって取外し自在に保持されたアクセスパネル21を有する。前記アクセスパネル21は、詳細を後述するように、取り外しが可能であり、選択された部品類を含む内部区画へのアクセスを提供する。
【0017】
前記照準器10は、その片側に固着されたレーザー距離計26を有する。前記距離計26は既知のタイプの技術を使用し、レーザー光を伝送し、次に反射エネルギーを分析することで標的までの距離を決定する事ができる。前記ハウジング14の上部には全地球測位システム(GPS)アンテナ28が配置され、それにより前記照準器10はGPS衛星から放射される既知のタイプのGPS電磁信号を受信することが可能である。前記照準器10は、これらのGPS受信信号を使って、既知の方法で地球表面上の正確な位置を数フィートの精度で決定できる。
【0018】
前記照準器10のハウジング14の上部には、既知のタイプの風センサー31が取り付けられている。前記風センサー31は球状のシェルを有し、このシェルを貫通して複数の開口部が間隔を開けて配置されており、さらにこのシェルは内部にセンサー装置が配置されている。前記風センサー31は周囲の任意の風の速度および方向の両方を検出可能である。開示された実施形態では、前記風センサー31はバージニア州BlacksburgのAeroprobe Corporation社からOMNIPROBEという商品名で市販品として入手できる部品である。但し、前記風センサーは代替的にその他の任意の好適な機器を使って実行することもできる。
【0019】
図2は図1の前記ライフル用照準器10の反対側を示す概略部分斜視図である。前記照準器10は前記ハウジング14の内部に回路基板41を含む回路を有する。前記回路には電源を供給するための市販品として入手可能なタイプの取り外し可能な2つの電池42と43とが提供されている。前記アクセスパネル21(図1)は取り外し可能であり、これにより前記電池42および43にアクセスし、当該電池を交換することができる。開示された実施形態では前記電池42および43は使い捨て型となっているが、代替的に充電式電池を用いることも可能である。
【0020】
図2に概略示したように、前記照準器10は取り外し可能なメモリーカード46を含む。開示された実施形態において、前記メモリーカード46は、例えば一般にマルチメディアカード(MMC)、またはセキュアデジタル(SD)カードと呼ばれるタイプの業界標準カードのような、デジタルカメラに一般的に使用されるタイプのメモリーカードである。但し、前記取り外し可能なメモリーカード46には、代替的にその他任意の好適な装置を使用することもできる。前記アクセスパネル21(図1)は取り外し可能であり、これにより前記メモリーカード46へのアクセスし、交換することができる。
【0021】
前記ハウジング14は、前記ハウジング14の内部の一部をその内部の残りの部分から仕切る壁構造49を含む。具体的には、前記壁構造49は、前記ハウジング内部の残りの部分から封鎖された前記ハウジング14の内部の一部である区画51を画成する。前記ハウジング14はその後端部に小さな開口部群52を伴う壁部を有し、この開口部群52は当該壁部を貫通して、前記区画51の内部と前記照準器10の周囲の大気との間の流体流通を提供する。
【0022】
区画51内には更に回路基板56が提供されており、コネクター57によって壁49を通して回路基板41と電気的に接続されている。前記回路基板56上の回路は、前記照準器10の長軸周りの前記照準器の傾きまたは横揺れの程度、および前記長軸に対して直角に延びる水平軸周りの前記照準器10の傾きまたは勾配の程度を検出可能な傾きセンサー61を含む。開示された実施形態において、前記傾きセンサー61は、マサチューセッツ州NorwoodのAnalog Devices,Inc.社からADXL203という部品番号で市販されている部品を使って実装されている。但し、前記傾きセンサー61は代替的にその他任意の好適な装置を用いても実装できる。
【0023】
前記回路基板56上の回路はまた、前記照準器10近辺の周囲大気圧を感知可能な気圧センサー62も含む。開示された実施形態において、前記気圧センサー62は、イリノイ州Schaumburgのモトローラ(Motorola,Inc.)社から市販されている部品であるMPX4115A/MPXA4115Aシリーズの装置を使って実装されている。但し、前記気圧センサー62は代替的に、その他任意の好適な装置によっても実装できる。
【0024】
前記回路基板52上の回路は更に、前記照準器10の近辺の周囲温度および周囲湿度を検出可能なセンサー63を含む。開示された実施形態において、前記温湿度センサー63は、イリノイ州FreeportのHoneywell社、Sensing and Control事業部から部品番号HIH−3602−Cで市販されている装置を使って実装されている。
【0025】
前記回路基板56上の回路のもう1つの構成要素は加速度計66である。開示された実施形態において、前記加速度計66は、Analog Devices,Inc.社から部品番号ADXL105として市販されている装置である。但し、前記加速度計66は代替的に、その他任意の好適な装置によっても実装できる。前記加速度計66は、前記照準器10が搭載されている小火器内のカートリッジを前記撃針が撃つ時に発生する比較的小さな衝撃波を検出できる高感度のセンサーである。当然ながら、前記撃針が前記カートリッジを撃つと、当該カートリッジ内に配した火薬若しくはその他の発射薬の燃焼が誘発され、当該カートリッジおよび前記小火器から弾若しくはその他の発射体を発射する。
【0026】
前記撃針がカートリッジを撃つ場合、前記加速度計66からの出力は、前記カートリッジ内の物質の燃焼に応答して生成される振動数スペクトルとは異なる振動数スペクトルを有する。従って、前記照準器10内の回路は、前記撃針がカートリッジを撃つことを表す衝撃波と、カートリッジ内の燃焼など、その他の種類の事象を表す別の衝撃波から識別することができる。
【0027】
カートリッジ内の燃焼によって、前記撃針が前記カートリッジを打つ時に生じる衝撃波よりも格段に大きな衝撃波または反動が生じる。前記加速度計66は前記撃針がカートリッジを撃つ時に生じる比較的小さな衝撃波を検出するに必要な感度および帯域幅を有し、且つその後に続く前記カートリッジ内の燃焼によって生じる格段に大きな衝撃波または反動に耐えるに必要な耐久性を有する。
【0028】
前記回路基板56上の回路は更にジャイロスコープ67を含む(本明細書ではレートジャイロという)。開示された実施形態において、前記レートジャイロ67は、Analog Devices,Inc.社からそれぞれ部品番号ADXRS150として市販されている1対の既知の装置によって実装されている。但し、前記レートジャイロ67は代替的に、その他任意の好適な装置によっても実装できる。前記2つのADXRS150部品は、これらの部品が垂直軸および水平軸周りそれぞれの角運動を検出するように、一方がもう一方に対して直角に配置されている。その結果、前記レートジャイロ67は前記照準器10の垂直軸(図示せず)および水平軸(図示せず)周りの角運動量を検出可能である。換言すれば、前記レートジャイロ67は前記対物レンズ部16の中心線(図示せず)と交差する方向における前記照準器10の角運動量を検出することが事実上可能な高感度の装置である。
【0029】
前記回路基板56上には、前記ハウジング14を貫通する開口部52の付近に小型スピーカー68が支持されている。前記照準器10内の回路は、前記スピーカー68を使用することにより、一般に呼び子として知られ、前記照準器10を使用している狩猟者の方に潜在的標的を招き寄せるための種類の動物音などの選択された音響を前記開口部52を通して発することが可能である。
【0030】
開示された実施形態は前記ハウジング14の中の前記スピーカー68を使用しているが、代替的に、前記ハウジング14の外部に配置されたより大きなスピーカーを使用してより大きな音を発することが可能であり、それにより前記音がより遠くまで届くようになる。この点に関して、前記ハウジング14とは別の、例えば前記アクセスパネル21(図1)の裏側の区画内などの前記ハウジング14上の任意の場所に提供された、コネクター(図示せず)にケーブルによって接続されるもう1つの外部ハウジング内に、より大きなスピーカーを提供することもできる。このようにスピーカーが外部ハウジング内に提供されている場合、電池駆動の増幅器を備え、前記音響信号をスピーカーに供給する前にこれら信号を増幅することも可能である。
【0031】
スイッチパネル76が前記ハウジング14の上部に提供されており、幾つかの手動操作可能なスイッチを有する。図3は前記スイッチパネル76の拡大概略図である。前記スイッチパネル76は電源スイッチ78を含む。前記電源スイッチ78の手動操作によってオン状態およびオフ状態がトグルされ、前記電池42〜43から前記照準器10内部の回路への電力の流れをそれぞれ提供および遮断する。
【0032】
後述する目的のために、手動操作可能なメニュースイッチ81が前記スイッチパネル76の中央に提供されている。後述する種々の目的に使われる環状4方向スイッチ82が前記メニュースイッチ81を囲んでいる。前記スイッチ82の4方向86〜89のうちいずれかを押すと前記照準器10内にそれぞれ異なる電気信号が発生する。前記スイッチパネル76はまた、共に後述するシャッタースイッチ83と呼び子スイッチ84とを含む。
【0033】
図4は前記ライフル用照準器10のブロック図であり、図1〜図3の外観図では見えないその内部の特定部分を示す。既に上述した種々の要素が図4に概略示されており、上記と同じ参照番号で識別される。
【0034】
図4によれば、前記照準器10の対物レンズ部16は5(の視野(FOV)を有するが、代替的にそれ以外の視野を有してもよい。前記照準器10は画像検出器102を含み、前記対物レンズ部16は前記画像検出器102上に遠隔にある光景または標的101を撮像する事ができる。開示された実施形態において、前記画像検出器102は既知のタイプの相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor:CMOS)素子である。前記画像検出器102は2352列×1728行の2次元配列に配列された複数の検出素子を有する。各検出素子は前記画像検出器102によって生成される各画像のそれぞれの画素に対応し、従って前記画像検出器102は事実上4.1百万画素の検出器である。前記画像検出器102は、より多くの、またはより少ない検出素子を有する装置や、電荷結合素子(charge coupled device:CCD)アレイのようなCMOS画像検出器以外の装置など、その他任意の好適な装置を使って実装できる。
【0035】
前記画像検出器102は前記光景101の一連のデジタルカラー画像を生成し、この一連の画像は処理部106に供給される。開示された実施形態の前記画像検出器102はカラー画像を生成するが、前記画像は代替的に単色画像若しくは白黒画像であってもよい。前記処理部106は既知のタイプのプロセッサー107とメモリー108とを含む。
【0036】
図4の中のメモリー108は前記プロセッサー107に提供されるメモリーの概略表示であり、1以上のタイプのメモリーを含んでもよい。例えば、前記メモリー108は、前記プロセッサー107によって実行されるプログラムやプログラム実行中に変化しないデータを収容するための読み出し専用メモリー(ROM)を含んでもよい。また、前記メモリー108はランダムアクセスメモリー(RAM)を含んでもよく、このメモリーにおいては、前記プロセッサーはプログラム実行中に動的に変化するデータを保存することができる。また、前記メモリー108は、電力を消失しても保存された情報を維持するランダムアクセスメモリーである、一般に「フラッシュ」RAMとして知られるタイプの半導体メモリーを含んでもよい。このタイプのメモリーは一般的にデジタルカメラ用のメモリーカードのような装置に使用される。
【0037】
前記処理部106は更に、前記画像検出器102によって生成された画像を取り込み、前記画像検出器102よりも低い解像度のディスプレイ上での提示に好適な低解像度に画像を再フォーマットする事のできる既知のタイプのリフォーマッター111を含む。前記リフォーマッター111で処理された画像はカラーディスプレイ117を駆動するディスプレイ駆動回路116に供給される。開示された実施形態において、前記カラーディスプレイ117は既知のタイプの液晶ディスプレイ(LCD)であり、640列×480行の2次元配列に配列された複数の画素を有する。但し、前記ディスプレイ117はより多くの、またはよい少ない画素数を有してもよく、また有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)ディスプレイ、反射型液晶素子(liquid crystal on silicon:LCOS)ディスプレイ、または微小電子機械システム(micro−electro−mechanical system:MEMS)反射型ディスプレイなど、その他任意の好適なタイプのディスプレイ装置であってもよい。開示された実施形態において注目されるであろう点は、前記画像検出器102は前記ディスプレイ117の13倍以上の数の画素を有する事である。これにより後述する種々の機能が容易になる。
【0038】
前記接眼光学素子18は、小火器に伴って前記照準器10を使用している個人の眼123が前記ディスプレイ117を快適に見ることができるような既知のタイプの光学素子を含む。開示された実施形態において、接眼光学素子部18は15(のFOVを有するが、それ以外の好適なFOVを有してもよい。個人が約8インチよりも長い視距離で前記ディスプレイ117を直接観察することができるような用途では、前記眼の遠近調節をほとんど若しくは全く必要とせずに快適に観察することができるので、開示された実施形態の接眼光学素子部18は選択的に省略してもよい。
【0039】
上述の傾きセンサー61、気圧センサー62、温湿度センサー63、加速度計66、レートジャイロ67、およびスピーカー68はそれぞれ前記コネクター57を介して前記処理部106に動作的に接続されている。上述のように、前記取り外し可能なアクセスパネル21は手動で取り外し可能であり、これにより前記電池42〜43、または前記メモリーカード46にアクセスが可能な区画へアクセスできるようになるため、当該電池またはメモリーカードの交換が可能になる。
【0040】
前記アクセスパネル21の裏側の区画はまた、交流(AC)を直流(DC)に変換するコンバーターのような外部電源と接続可能な外部電源コネクター141を含む。前記電池42〜43、および前記外部電源コネクターはそれぞれ前記電源スイッチ78に接続されている。前記電源スイッチ78がそれぞれオン/オフされる時、前記電池42〜43、および/または前記コネクター141から、前記照準器10内に配置され、作動のために電源を必要とする回路143への電流がそれぞれ通電および遮断される。
【0041】
前記アクセスパネル21の裏側の区画はまた、前記処理部106に接続されたコネクター146を含む。前記コネクター146および当該コネクターを通して伝送される信号は、一般にユニバーサルシリアルバス(USB)規格と呼ばれる周知の業界標準に準拠する。但し、代替的に標準シリアルコネクターおよび通信プロトコル、または標準パラレルコネクターおよび通信プロトコルのような、その他任意の好適なタイプのコネクターおよび通信プロトコルを使用することも可能である。前記コネクター146がコンピューター(図示せず)のUSBバスに接続されている時、前記照準器10は前記バスに接続されたことを自動的に検出し、前記USBバスに対するUSBマス・ストレージ・スレーブ装置として機能する。コネクター146は前記照準器10からの画像データ、またはビデオデータをコンピューター(図示せず)にアップロードするために使用できる。更に、前記コネクター146はコンピューターから前記照準器10に種々の情報をダウンロードするためにも使用できる。例えば、コンピューターからの情報は前記処理部106を通して前記取り外し可能なメモリーカード46にダウンロードできる。
【0042】
また、前記アクセスパネル21の裏側の区画は更に、前記照準器10から外部装置にビデオ情報を転送するために使用できるもう1つのコネクター148を含む。開示された実施形態において、前記コネクター148は一般にRCAジャックとして知られるタイプの標準部品であり、これを通して転送される情報は、一般に米国テレビジョン方式委員会(National Television Standards Committee:NTSC)プロトコルおよび走査線位相反転(Phase Alternating Line:PAL)プロトコルとして知られる2つのビデオ業界標準のいずれかに準拠する。但し、代替的に、その他の任意の好適なタイプのコネクターを使用することもでき、ビデオ情報はその他任意の好適なプロトコルに従って転送することができる。
【0043】
図4から注目されるであろう点は、風センサー31およびレーザー距離計26はそれぞれ前記処理部106に動作可能に接続されていることである。前記照準器10内の回路は、前記GPSアンテナ28および前記処理部106に接続されたGPS回路156を含む。前記GPS回路156は前記GPSアンテナ28を通してGPS無線信号を受信し、前記信号を既知の方法で前記処理部106による使用に好適な形態に変換するように構成されてる。
【0044】
図5は、前記照準器10の通常動作モードにおける、前記照準器10の接眼光学素子部18を通して見ている個人の眼123から見た前記カラーディスプレイ117の概略図である。前記通常動作モードにおいて、前記ディスプレイ117は前記対物レンズ部16を通して前記画像検出器102によって取り込まれた前記光景101の光景を提示する。図5の中で、前記光景101は破線で概略的に示されている。
【0045】
前記処理部106は、レチクル201〜205を前記光景101の画像上に重ねる。図5において、前記レチクルは小さな中心円201と、前記円201に対してそれぞれ放射状に延び、且つ90(の間隔でオフセットしている4つの線202〜205とを含む。前記レチクル201〜205は前記照準器10で使用可能な多種多様なレチクルの一例である。開示された実施形態において、前記照準器10は2つの既定のレチクルを含む。1つは「クロスヘアー」レチクルと呼ばれる、201〜205で示されるレチクルである。もう1つの既定のレチクルは「ミルドット」レチクルとして前記照準器10内で識別される軍規格レチクルである。
【0046】
更に、2つのカスタムレチクルの電子定義を、前記USBコネクター146を通して前記照準器10のメモリーカード46にダウンロードすることができる。これらカスタムレチクルは「カスタム1」および「カスタム2」と呼ばれ、ユーザーの所望する任意の形状の殆どを有することができる。具体的には、ユーザーは、事実上所望する任意の形状を別のコンピューターで作成することができ、または前記照準器の製造業者、若しくはインターネットなどのネットワークを通して第三者から入手することができる。そして、このような各カスタムレチクルは、前記コネクター146を通してデジタルの形態で前記メモリーカード46に選択的に電子的にダウンロードできる。
【0047】
このように、ある任意の時点において、前記照準器10は2つから4つのレチクルの定義を含む。前記ユーザーはこれらレチクルの定義の中から1つを選択し、前記選択されたレチクルは前記ユーザーが異なるレチクルの定義を選択するまで前記照準器10によって使用される。通常動作時において、前記処理部106は前記選択されたレチクルを取り込み、当該レクチルを前記ディスプレイ117に送られる画像上にデジタル的に重ねる。図5において、前記レチクル201〜205は、前記レチクルが前記ディスプレイ117上にセンタリングされるように前記画像上に重ねられている。しかし以下に詳述するように、前記ディスプレイ117上のレチクルの位置、従って前記光景101の画像に対する前記レチクルの位置がセンタリングされた位置からオフセットされているモードもある。
【0048】
図5に示すように、前記ディスプレイ117は前記通常動作モードにおける追加情報を提供する。この点について、前記ディスプレイ117の左下部は、後述するような前記レチクル201〜205の初期位置合わせ若しくは「零位調整」条件からの水平オフセットを表す正数または負数の風偏差の調整値あるいは方位角調整値211を含む。同様に、前記ディスプレイ117の右下部は、後述するような前記レチクル201〜205の初期位置合わせ若しくは「零位調整」条件からの垂直オフセットを表す正数または負数の仰角あるいは勾配調整値212を含む。通常動作中、前記「零位調整」条件から位置調整が全く行なわれていない場合、211および212に表示される前記風偏差の調整値および仰角の調整値はそれぞれゼロである。
【0049】
前記ディスプレイ117の右上部は電池充電表示部213を有し、この電池充電表示部は5つのセグメントに分割され、前記電池42〜43の状態を示すために使用される。具体的には、前記電池が新しい時には、前記充電表示部213の5つ全てのセグメントが強調表示される。その後、前記電池42〜43が徐々に放電するに従って、強調表示された前記電池充電表示部213のセグメントの数が徐々に減少する。
【0050】
前記ディスプレイ117の左上部はカウント表示部214を提示するが、この表示部は、後述するように、前記処理部106が単一画像、および/またはショートビデオクリップを前記取り外し可能なメモリーカード46に保存できるという事実に関連する。前記カウント表示部214は、現行の選択された解像度および圧縮設定(後述)で、前記メモリーカード46内の画像を保存するために利用できる残存空間に保存可能な追加画像またはビデオクリップの数の表示である。
【0051】
前記ディスプレイ117の中央上部はキャプチャーモード表示部215および解像度表示部216を有する。前記キャプチャーモード表示部215は2つのキャプチャーモードのうちのどちらが現在有効であるかを示す。具体的には、ユーザーは、特定のイベントによって、前記照準器10が前記メモリーカード46内に単一画像を保存するか、若しくは幾つかの連続した画像を含むショートビデオクリップを保存するかを選択できる。前記ユーザーが前記ビデオクリップモードを選択した場合、前記表示部215は「VID」を表示する。そうでなければ前記表示部215は「IMG」を表示する。
【0052】
前記ユーザーは、保存された画像若しくはビデオクリップに2つのうちのどちらの解像度を用いるかを選択することができる。前記ユーザーがより高い解像度を選択すると、前記表示部216は「HI RES」と表示し、それぞれの単一画像またはビデオクリップ画像は1920×1440画素を含む。一方、前記ユーザーが低い解像度を選択すると、前記表示部216は「LO RES」と表示し、それぞれの単一画像またはビデオクリップ画像は640×460画素を含む。若しくは、それぞれ異なる画素数の異なる解像度および/または異なる数の解像度選択を用いることもできる。
【0053】
前記ディスプレイ117の下部は撃針検出表示部217を有する。後述するように、前記表示部217は、付属するライフルの前記撃針がカートリッジを撃つイベントを検出するために、前記照準器10が有効であるかどうかを反映する。この機能が有効である場合、前記表示部217は「FP」と表示する。有効でない場合は、前記表示部217はブランクである。
【0054】
前記ディスプレイ117の中央下部は、前記照準器10が現在、標的または光景101までの距離として使用している値を表示する射程表示部218を含む。図5において、前記射程表示部218内の「M」の文字は前記表示された数値がメートルであることを意味する。但し、前記標的までの距離は代替的に、ヤードなどの、その他任意の所望の単位で提示できる。
【0055】
前記ディスプレイ32の中央部は、角度誤差表示部231を有する。前記表示部231は前記レチクル201〜205の中心にある円201と同心で且つそれよりも大きな円である。前記表示部231の直径は前記レートジャイロ67から受信する情報に応答して拡大および縮小する。具体的には、前記処理部107が前記レートジャイロ67の出力を監視する。一般に、前記ユーザーは、標的と考えられる前記光景101の一部に前記小火器を照準を合わせて、前記レチクルの中心201を正確にセンタリングし続けるように試みる。
【0056】
前記ユーザーが前記小火器を非常に安定した状態に保持している時は、前記レートジャイロ67は前記照準器10および前記小火器の角運動を殆ど検出しない。即ち、前記対物レンズ部16の中心線と交差する当該照準器10および小火器の動きは殆ど若しくは全くない。その結果、前記処理部107は、前記小火器が前記選択された標的に対して比較的正確に保持されていることを前記ユーザーに示すために、前記表示部231を比較的小さな直径として提示する。一方、前記ユーザーが小火器を安定的に保持することが困難な場合は、前記レートジャイロ67は前記小火器および照準器のより大きな角運動を検出する。従って、前記処理部107は前記表示部231をより大きな直径で表示することで、前記レチクルの中心201が前記標的上に、望ましい正確さでは保持されていないことを示す。
【0057】
開示された実施形態において、前記表示部231の直径の変化は連続的である。即ち、前記小火器および照準器の角運動量が連続的に増加すると、前記表示部231の直径が連続的に増加する結果になる。反対に、前記小火器および照準器の角運動量が連続的に減少すると、前記表示部231の直径が連続的に減少する結果になる。このように、前記ユーザーは前記レチクルの中心201が前記標的にセンタリングされており、前記表示部231の直径が比較的小さく、前記小火器が現在非常に安定的に保持されていることを示す時に前記小火器の引き金を絞るように試みるものである。
【0058】
前記通常動作モードにおいて、前記4方向スイッチ82の部分88または89(図3)を押すことにより前記ディスプレイ117の輝度が増加または減少する。更に前記通常動作モードにおいて、前記4方向スイッチ82の部分86または87(図3)を押すことにより、ズーム効果が生じる。具体的には、1つの部分を押すことによって前記ズーム比が増加し、もう1つの部分を押すことによって前記ズーム比が減少する。開示された実施形態において、前記ズームは連続的であり、1倍から4倍まで変化可能であるが、代替的に、数段階の不連続なズームおよび/またはその他のズーム範囲を用いることも可能である。
【0059】
上述のように、前記画像検出器102は前記ディスプレイ117よりも多くの画素を有する。前記照準器10が4倍のズーム比で動作している時、前記画像検出器102によって生成された各画像から一部が640×480画素のサイズで抽出される。次に、この部分は前記抽出された部分の各画素が直接一対一に対応して前記ディスプレイ117のそれぞれの画素にマッピングされて、前記カラーディスプレイ117上に表示される。
【0060】
前記ズーム比が1倍である時、前記リフォーマッター111は、実質的に前記画像検出器102から全体画像を取り込み、その画像の画素をそれぞれ4×4のフォーマットに配列された16画素を有する相互に排他的なグループに分割し、各グループの16画素を計算された単一画素に平均または補間し、その後、前記計算された各画素を前記ディスプレイ117のそれぞれ対応する画素にマッピングする。同様に、前記ズーム比が3倍の時、前記リフォーマッター111が実質的に前記画像検出器102から画像を取り込み、約1920×1440画素のサイズを有する部分を抽出し、この部分の画素をそれぞれ3×3のフォーマットに配列された9画素を有する相互に排他的なグループに分割し、前記各グループの9画素を計算された単一画素に平均または補間し、その後、前記計算された各画素を前記ディスプレイ117のそれぞれ対応する画素にマッピングする。更に別の例として、前記ズーム比が2倍の時、前記リフォーマッター111が実質的に前記画像検出器102から画像を取り込み、約1280画素×960画素のサイズを有する部分を抽出し、この中央部分の画素をそれぞれ2×2のフォーマットに配列された4画素を有する相互に排他的なグループに分割し、前記各グループの4画素を計算された単一画素に平均または補間し、その後、前記計算された画素を前記ディスプレイ117のそれぞれ対応する画素にマッピングする。
【0061】
開示された実施形態において、1倍から4倍のズームは連続的である。このように、前記ズーム比が1倍および2倍の間、2倍および3倍の間、若しくは3倍および4倍の間である時、前記リフォーマッター111は前記検出器102から画像の対応する部分を取り込み、次にこの部分の画素をグループ化し、補間して前記ディスプレイの画素に上述に類似した方法でマッピングする。開示された実施形態の中のズームは連続的であるが、代替的に前記ズーム比を1倍、2倍、3倍、および4倍の4つの不連続なズームレベルのような不連続なズームレベル間を移動させることも可能である。
【0062】
前記通常動作モード中、前記ユーザーが前記メニューボタン81(図3)を押すと、前記照準器10がメニューモードに入る。このモードにおいて、図5に示すタイプの情報は前記ディスプレイ117から除去され、図6に示す実施例のようなメニューに替わる。図6において、前記ディスプレイ117の左側がメニュー選択のリストを提示し、これらメニュー選択の1つが強調表示される。前記ディスプレイの右側は前記メニュー選択の殆どについて、種々の許容オプションを示す。前記ディスプレイの右側には、各オプション群内で、現在選択されているオプションが強調表示される。
【0063】
前記メニューモードにおいて、前記ユーザーは前記4方向スイッチ82(図3)の部分86または部分87のいずれかを押すことにより前記ディスプレイの左側のメニュー選択をスクロールする事ができ、前記現在選択されているメニュー選択が強調表示される。前記強調表示された選択がその右側に表示されるオプションを有する場合、前記ユーザーは、前記4方向スイッチ82の部分88または部分89のいずれかを押すことによりこれらオプションをスクロールする事ができ、このスクロール操作が生じるに従って前記強調表示がこれらオプション間を移動する。
【0064】
ここで、図6の左側に示す前記各メニュー選択について更に詳細に説明する。第1のメニュー選択は、特定のイベントが前記照準器10に単一画像およびビデオクリップのどちらを保存させるかを、前記ユーザーが選択することを可能にする「録画モード(RECORD MODE)」である。これらのオプションは図6の中では「画像(IMAGE)」若しくは「ビデオ(VIDEO)」であり、前記選択されたオプションは図5のキャプチャーモード表示部215に「IMG」または「VID」として反映される。
【0065】
図6の中の第2のメニュー選択は「録画解像度(RECORD RESOLUTION)」である。上述のように、ユーザーは保存された各画像またはビデオクリップを高解像度で保存するか、若しくは低解像度で保存するかを選択でき、これらの解像度は、図6ではそれぞれ「高(HI)」または「低(LOW)」のオプションである。前記選択されたオプションは図5の解像度表示部216に「HI RES」または「LO RES」として反映される。
【0066】
図6の中の第3のメニュー選択は「圧縮(COMPRESSION)」である。これにより、前記ユーザーは前記メモリーカード46内に保存される各画像またはビデオクリップに適用される圧縮量を選択することが可能になり、これはまた画像またはビデオクリップを保存するために必要なメモリー空間の量に影響を与える。前記照準器10はジョイント・フォトグラフィック・エキスパート・グループ(JPEG)によって公表された圧縮技術などの当該技術分野において既知の圧縮技術を用いる。図6に示すように、前記ユーザーは、それぞれ「高(HI)」、「中(MED)」、および「低(LOW)」によって示される高、中、および低圧縮のオプションから選択が可能である。
【0067】
図6の中の次のメニュー選択は「レチクル録画(RECORD RETICLE)」選択である。このオプションにより、前記ユーザーはそれぞれの保存された画像またはビデオクリップに前記現在選択されたレチクルを含むか、若しくは除外するかを選択できる。前記オプションは「はい(YES)」か「いいえ(NO)」である。前記ユーザーが「はい」を選択すると、前記レチクルが前記保存された情報と共に含まれる。前記ユーザーが「いいえ」を選択すると、前記レチクルは前記保存された情報から除外される。
【0068】
次のメニュー選択は「撃針検出(FIRING PIN DETECTION)」である。このオプションにより前記ユーザーは、前記照準器10が前記加速度計66(図2および図4)を使って前記付属するライフル内で撃針がカートリッジを撃つ時を検出する機能を有効および無効にすることが可能になる。具体的には、前記ユーザーは前記「オン(ON)」オプションを選択してこの機能を有効にし、前記「オフ(OFF)」オプションを選択してこの機能を無効にする。この機能が有効であると図5の中の撃針検出表示部217が「FP」を表示するのに対して、このオプションが無効であると前記表示部217はブランクとなる。
【0069】
この機能が有効である時、前記照準器10が前記撃針がカートリッジを撃つことによって生じる衝撃波を検出する度に、当該照準器10は、前記「録画モード」のメニュー選択がそれぞれ「画像」または「ビデオ」のいずれに設定されているかによって、単一画像若しくはビデオクリップのいずれかを前記メモリーカード46に保存する。ビデオクリップは幾つかの一連の画像であるので、ビデオクリップの前記メモリーカード46への保存は単一画像を保存するのに必要な記憶空間の数倍を要することが認識されるであろう。画像またはビデオクリップの保存後、前記処理部106が前記ディスプレイ(図5)上に提示されたカウント表示部214を調整する。
【0070】
具体的には、前記「画像」モード時に単一画像が保存されると、次に現在選択された解像度および圧縮での残存記憶空間に保存できる追加画像の数を反映するように前記カウント表示部214が減少する。一方、「ビデオ」モード時にビデオクリップが保存されると、次に前記ビデオクリップ内の画像の数に対応する量だけ前記表示部214の値が減少し、当該表示部214が現在選択された解像度および圧縮での残存記憶空間に保存できる追加ビデオクリップの数を反映するようになる。
【0071】
前記「撃針検出」のメニュー選択が「オフ」に設定されると、前記照準器10は前記撃針がカートリッジを撃つイベントを検出しないため、画像またはビデオクリップを自動的に保存しない。但し、代替的に、前記ユーザーが前記スイッチパネル76(図3)上のシャッタースイッチ83を手動で押す度に、前記照準器10は、前記ユーザーが前記「録画モード」メニュー選択内のいずれのオプションを現在選択しているかに従って、単一画像またはビデオクリップのいずれかを保存する。
【0072】
図6の中の次のメニュー選択は「自動スタンバイ(AUTO STANDBY)」メニュー選択である。前記ユーザーはこの機能を「オン(ON)」または「オフ(OFF)」のいずれかに設定できる。この機能がオンであり、且つ前記照準器10がオンである場合、前記照準器10は、任意のスイッチ、または特定のセンサーからの、選択された閾値を超える任意の出力の手動による起動を含む、ある特定タイプの活動を継続的に検出する。その一例としては、前記加速度計66による前記撃針のカートリッジへの衝撃の検出がある。2.5分以内の任意の時点において活動が検出されない場合、前記照準器10は前記表示されたレチクル201〜205の点滅を開始する。その後、次の30秒間に活動が検出されない場合、前記照準器10は、その30秒間後に節電スタンバイ状態に自動的に移行する。前記スタンバイ状態において、前記照準器10が前記スイッチおよび選択されたセンサーを監視し、任意のスイッチまたは選択されたセンサーによる任意の活動を検出した時に自動的にオン状態に移行する。若しくは、前記レチクルが点滅している30秒間の間に任意の活動が検出されると、前記照準器10は自動的に前記レチクルの点滅を停止し、前記スタンバイ状態に移行せずに前記オン状態を維持する。
【0073】
一方、前記「自動スタンバイ」メニュー選択が前記「オフ」オプションに設定されると、前記照準器10がオンである場合、スイッチまたはセンサーの活動の有無に拘らず、前記照準器10は常に完全動作モードを維持し、前記節電スタンバイモードへの、あるいは当該モードからの移行は行われない。
【0074】
図6の次のメニュー選択は「ビデオ出力フォーマット(VIDEO OUT FORMAT)」メニュー選択である。この選択によって、前記ユーザーは前記照準器10が前記コネクター148を通して出力するビデオ情報が「NTSC」フォーマットであるか、「PAL」フォーマットであるかを指定できる。
【0075】
次のメニュー選択は「自動弾道補正(AUTOMATIC BALLISTIC COMPENSATION)」であり、この機能が有効であるかどうかを決定するものである。具体的には、前記ユーザーは「イエス(YES)」を選択してこの機能を有効にし、あるいは「ノー(NO)」を選択してこの機能を無効にする。前記自動弾道補正機能の動作については後に詳細に説明する。
【0076】
図6の中の次のメニュー選択は「レチクル選択(RETICLE SELECTION)」である。注目されるであろうことは、このメニュー選択は図6内の右側にいかなるオプション表示もないことである。前記ユーザーが前記「レチクル選択」のメニュー選択にスクロールし、次に前記メニューボタン81(図3)を押すと、前記照準器10は図6のメニューをレチクル選択画面に切り替える。図7は前記レチクル選択画面の概略図である。
【0077】
図7において、現在選択されているレチクルが前記ディスプレイ117の中央に示され、前記画面のそれぞれの隅に使用可能な前記2つから4つのレチクルの名前がそれぞれ提示されており、前記現在選択されているレチクルが強調表示される。図7で示す情報は、前記画像検出器102によって現在検出されている光景101の画像上に重ねられている。前記ユーザーは前記4方向スイッチ82を使って前記強調表示を前記現在選択されているレチクルから任意の他の使用可能なレチクルに切り替えることができ、その場合、その他の使用可能なレチクルが表示される。次に、前記ユーザーが前記メニューボタン81を押すと、前記現在選択されているレチクルが前記選択されたレチクルとなり、前記照準器10は図6のメニュー画面に戻る。
【0078】
あるいは、引き続き図7を参照すると、前記ユーザーはまた前記4方向スイッチ82を使って前記ディスプレイの中央上部にある「仰角および風偏差の調整値ゼロ(Zero Elevation and Windage)」オプションを強調表示することもできる。次に,前記ユーザーは、前記メニューボタン81を押して、前記ディスプレイを図7の画面から、図8に概略的に示した、現在選択されているレチクルの仰角および風偏差の修正量のオフセットを設定するために使用される画面に切り替えることができる。
【0079】
具体的には、前記4方向スイッチ82の部分88または部分89を押すことにより、前記ディスプレイ117上に提示された画像に対して前記レチクルの位置が左方向または右方向に移動し、風偏差、即ち、前記画面の左下部に示された移動量を調整する。同様に、前記4方向スイッチ82の部分86または87を押すことにより、前記ディスプレイ117に対して前記レチクルが上方または下方に移動し、仰角調整の機能を果たす。前記仰角の調整量は前記画面右下部に表示される。前記画面の下部には、「零位調整にはメニューを押してください(PRESS MENU TO ZERO)」の表示が常に強調表示されている。前記メニューボタン81(図3)を押すと、「ここで零位調整を行いますか?」(図示せず)という確認要求を行う。「いいえ」を選択し、前記メニューボタン81を押すことによって、図8の画面で行なわれた前記風偏差および仰角の調整値が棄却され、前記風偏差および仰角の調整値は調整前の値のままに保たれる。一方、「はい」を押すことにより、図8の画面で行なった調整値が新しい風偏差および仰角の「零位」値として保存され、次に前記照準器10は図5に示した動作ディスプレイに直接戻る(但し、211および212に表示される前記風偏差および仰角のオフセットはそれぞれゼロとなる)。図5において、前記レチクルは前記画面の中央に表示され、前記光景101の画像は前記選択された風偏差および仰角のオフセットの量だけ前記レチクルに対してオフセットされる。
【0080】
再び図6に示すメニューを参照すると、次のメニュー選択は「レビュー(REVIEW)」選択である。前記ユーザーはこの選択を使って前記照準器10のメモリーカード46の保存された画像またはビデオクリップをレビューすることができる。具体的には、前記ユーザーが前記「レビュー」選択を選択し、次に前記メニューボタン81を押すと、図6のメニューは図9に概略的に示す画像表示画面に切り替わる。
【0081】
図9を参照すると、画像またはビデオクリップを保存したファイルが存在しない場合、「保存された画像はありません」(図示せず)というフレーズがディスプレイ上に表示される。そうでない場合は、251で概略的に示すように、最後に保存されたファイルの画像が前記ディスプレイ117の中央に提示される。前記最後に保存されたファイルが単一画像ではなくビデオクリップを含む場合、前記ビデオクリップの第1の画像またはフレームが表示される。前記最後のファイルの名前は前記ディスプレイの中央上部に示される。1以上の保存されたファイルが存在する場合、三角形のアイコン253および254が前記ファイル名の両側に提示され、前記4方向スイッチ82の部分88および部分89を使って前記ファイルを前方向あるいは後方向に逐次スクロールすることができることを示す。
【0082】
「メニューを押してオプションを選んでください(PRESS MENU FOR OPTIONS)」という表示が図9の画面の下部に現れる。前記ユーザーが前記メニューボタン81を押すと、図10に概略的に示すように前記画像251の上にオプションのメニューがオーバーレイされる。前記ユーザーは前記4方向スイッチ82の部分86および87を使ってスクロールし、これらメニューオプションの1つを強調表示して、さらに前記メニューボタン81を押して強調表示されたオプションを選択することができる。第1のオプションは「スコープ表示(SCOPE DISPLAY)」であり、前記照準器10を速やかに通常動作モード(前記ディスプレイ117によって図5の画面が提示される)に戻す。図10において、第2のオプションは「ビデオ再生(PLAY VIDEO)」であり、このオプションはレビューされるファイルがビデオクリップである場合のみに表示され、前記ユーザーのために前記ビデオクリップを再生する。前記ビデオクリップが終了すると、前記照準器10は図9の画面に戻り、再び前記現在のビデオクリップの第1の画像を表示する。
【0083】
図10のメニュー内の第3のオプションは「現在の画像の削除(DELETE CURRENT IMAGE)である。これにより前記ユーザーは前記現在の画像またはビデオクリップを含むファイルを削除できる。前記ユーザーがこのオプションを選択すると、前記照準器10は、前記現在のファイルが削除されるべきことを確認するよう前記ユーザーに求めるプロンプト(図示せず)を前記ディスプレイ117上に提示する。前記ユーザーが前記ファイルが削除されるべきことを確認すると、前記照準器10は次に当該ファイルを削除する。
【0084】
図10のメニューの最後の選択は「全ての画像の削除(DELETE ALL IMAGES)」である。前記ユーザーがこのオプションを選択すると、前記照準器10は、保存されたファイル全てが削除されるべきであることを確認するよう前記ユーザーに求めるプロンプト(図示せず)を前記ディスプレイ117上に提示する。前記ユーザーが全ての当該ファイルが削除されるべきであると確認すると、前記照準器10は次にそれらファイルを削除する。前記ユーザーが図10のメニュー内の最後の2つのオプションのいずれかを選択すると、前記ユーザーが1若しくはそれ以上のファイルを実際に削除するか否かに拘らず、前記照準器10は前記ユーザーを図9の画面に戻し、前記現在の画像が削除されていない場合は当該画像、若しくは削除されていない、次に使用可能な画像のいずれかを表示する。
【0085】
再び図6を参照すると、前記図示されたメニュー内の次の使用可能な選択は「GPSモード(GPS MODE)」選択である。前記ユーザーがこの選択を強調表示し、次に前記「メニュー」ボタン81を押すと、前記照準器10が前記GPSアンテナ28および前記GPS回路156を通して受信した情報を使って当該照準器10の地球表面上の現在位置を決定する。次に、前記照準器10は前記照準器10のメモリーカード46に保存された、地図データの適切な部分を前記ディスプレイ117上に提示し、この地図上にアイコンを重ねて前記照準器10の現在位置を示す。これはGPS装置の技術分野で既知の技術を用いて実行される。このGPS機能に使用される地図データは前記コネクター(図4)を通して前記照準器10のメモリーカード46にダウンロードできる。前記ユーザーは前記メニューボタン81を押して前記GPSモードを終了し、前記通常動作モードに戻ることができる。この通常動作モードでは、前記ディスプレイ117は図5に示すタイプの画面を提示する。
【0086】
再び図6を参照すると、最後のメニュー選択は「呼び子(GAME CALL)」選択である。前記ユーザーは、一般に呼び子として知られるタイプの、通常個別の動物音である音響を表す情報をそれぞれ含む1若しくはそれ以上のファイルを、前記コネクター146を通して前記メモリーカード46にダウンロードできる。場合によっては、この音響は、同種類の他の動物を招き寄せる傾向のある求愛鳴きなどのある種類の動物が発する音であってもよい。別の状況では、この音響は、第1の種類の動物の捕食動物である別の種類の動物を招き寄せる傾向のある苦痛の鳴き声など、ある種類の動物が発する音であってもよい。
【0087】
前記ユーザーが図6のメニュー内の「呼び子」選択を選択し、次に前記メニューボタン81を押すと、前記照準器10は図6のメニューを、前記ユーザーが前記照準器10にダウンロードした各呼び子ファイルを一覧表示するメニュー(図示せず)に切り替える。次に、前記ユーザーは前記4方向スイッチ82を使ってスクロールしてこれら呼び子の1つを選択し、その後、前記メニューボタン81を押して、この特定の呼び子を選択し、前記照準器10を通常動作モードに戻すことができる。この通常動作モードでは、前記ディスプレイ117は図5に示すタイプの画面を提示する。その以後、前記ユーザーが前記呼び子ボタン84(図3)を押す度に前記照準器10内の回路が前記スピーカー68を使って現在選択されている呼び子の音響を生成する。
【0088】
上述のように、図6のメニュー内の選択肢の1つは「自動弾道補正」選択である。この機能はまた自動照準点調整と呼ばれることもある。この機能を詳細に説明する前に、ある程度の背景情報が必要とされる。
【0089】
弾あるいはその他発射体の弾道は運動の法則によって決定される。弾は前記ライフルの特性および前記カートリッジの特性などの要因によって決定される銃口速度で、砲軸線に沿って小火器の銃身を発射する。カートリッジの特性は前記カートリッジ内の火薬の量などの要因を含み得る。一旦弾が前記ライフルを離れた後、弾に作用する外力が弾が飛行する弾道に変化を及ぼし得る。弾に影響を及ぼす主な力は重力、風、および空気抵抗である。
【0090】
真空中では、弾が水平に発射される時、水平速度成分は抵抗を一切受けず一定であるが、一方、重力の定荷重によって弾は垂直に落下し、全体的には、弾が周知の放物線軌道を辿るという効果を有する。しかし真空外では、空気によって弾の速度の水平成分および垂直成分の両方を減速させる空気抵抗力が発生する。前記速度が減速するに従って、所定の射程に達するに必要な飛行時間が増加する。より長い飛行時間は重力による更なる落下を許すこととなる。風力もまた弾の弾道に影響を及し得る。
【0091】
空気抵抗に更に詳細に注目すると、弾にかかる空気抵抗力は弾の表面に作用する圧力と、弾の表面に沿った空気摩擦との差に起因する。これらの力は弾の形状、速度、および前記周囲大気の密度を含む多くの要因に依存する。温度、気圧、または湿度の変化によって大気密度は基本水準面の状態から変化し、その結果、弾に作用する空気抵抗力に影響を与える。例えば、前記大気密度はより高い温度ではより低く、空気抵抗を減少させる。もう1つの例として、前記大気密度は、大気圧がより高いとより高くなり、空気抵抗を増加させる。
【0092】
弾速度の関数としての空気抵抗係数は、基本水準面の大気条件での異なる形状因子に関して標準弾について実験的に決定されている。空気抵抗による因子に起因する前記標準弾の速度抑制を予測する数学的モデルが開発されてきた。弾薬製造者は自社弾を試験し、自社弾の速度抑制を標準弾の速度抑制に関連付ける弾道係数を公表している。前記銃口速度、前記弾道係数、重力、並びに風、気圧、温度、および湿度のような一般的な環境条件などの種々の要因に基づいて弾の弾道を予測するコンピュータープログラムが開発されている。これらのタイプの計算を実行することが可能なソフトウェアプログラムの一例は、テキサス州HouostonのW.Square Enterprises社から市販されている「Load from a Disk」という名前のプログラムである。
【0093】
上述のように、開示されたライフル用照準器10は弾道に関連する情報を提供する種々のセンサーを含む。前記風センサー31は任意の通常の風の方向および速度に関する情報を提供し、前記傾きセンサー61は、前記ライフルの2つの異なる軸周りの傾き度に関する情報を提供し、前記センサー62は周囲大気圧に関する情報を提供し、前記センサー63は周囲温度および湿度に関する情報を提供し、前記距離計26は前記標的までの実際の射程に関する情報を提供する。
【0094】
更に、前記照準器10のメモリー108は弾道の計算に関連する表および/またはその他の弾道データを保存する。開示された実施形態において、また本発明の説明の簡略化のために、前記ユーザーが使用している特定の弾およびライフルに特有の表、およびその他の弾道データは、前記ユーザーがダウンロードしたものと仮定する。但し、代替的に、前記照準器10は特定の標準データを含み、且つ、前記ユーザーは上述のメニューシステムの変形形態を使用して2若しくはそれ以上のタイプの弾から係数情報を選択するようすることもできる。前記プロセッサー107によって実行されるプログラムには、方程式、またはその他既知のタイプの情報が含まれ、これにより前記プロセッサー107は、当該メモリーに保存されているデータのみならず前記照準器10の種々の異なるセンサーから現在受信している情報をも含む、利用可能な情報から弾の弾道を計算することが可能になる。
【0095】
任意の照準器が任意の小火器に初めて搭載される場合は、当該照準器を前記小火器に対して最初に位置合わせを行い、前記照準用レチクルが標的上に位置合わせされた時に弾が既知の射程にある標的を正確に撃つようする必要がある。これは通常、試行錯誤の手動手順を通して達成される。例えば、個人が既知の距離にある標的に向けて1若しくはそれ以上の弾を撃ち、個人が照準を定めた位置からオフセットした位置で弾が前記標的に当る程度を特定し、次に前記オフセットを排除するように、前記照準器の前記小火器に対する位置合わせを調整することが考えられる。個人が照準を定めている場所と実質的に同一の場所で弾が前記標的撃つようになるまでこの順序だった工程が反復的に繰り返される。
【0096】
一旦従来の照準器が前記既知の射程でこのように位置合わせされ、あるいは「零位調整」された後、それ以後前記小火器および照準器を使う個人は、より遠い、またはより近い射程や、空気抵抗に影響し得る種々の大気条件を含む、前記初期位置合わせ中に存在した条件とは異なり得る種々の要因を考慮した知的且つ視覚的な調節をする必要がある。これとは対照的に、図6のメニュー内の「自動弾道補正(AUTOMATIC BALLISTIC COMPENSATION)」選択が有効である場合、前記照準器10はそのセンサー類および保存された弾道データを自動的に使って、前記現在条件下で弾が通るであろう弾道を正確に計算し、次に前記照準点に必要な適切な調整値を計算する。次に、前記照準器10は前記ディスプレイ117上に表示されたレチクルおよび光景の相対的位置を自動的に調整する。そのため、前記ユーザーが前記標的上に前記レチクルをセンタリングする時に、前記種々の周囲条件を補正する試みとして前記ユーザーが前記標的に対して前記レチクルを手動で且つ視覚的にオフセットする試みを一切必要とせずに、弾が前記標的を撃つことが想定できる。
【0097】
この機能が有効である時に、前記照準器10が自動弾道補正、即ち自動照準点調整を実行する方法の理解を容易にするために、ここで幾つかの具体的な例を説明する。先ず、前記自動弾道補正機能が有効ではないと仮定する。この点について、図11は、参照番号301が前記画像検出器102(図4)によって検出される全体画像を表し、参照番号302がこの画像の前記カラーディスプレイ117上に現在提示されている部分を表す概略図である。前述のように、前記照準器10は、前記ディスプレイ117上に提示するために前記画像301の特定部分を選択する機能を有する。図11において、前記ディスプレイ117は牡羊などの動物である標的306を含む画像を示す。現在選択されている前記レチクル307が前記表示された画像上に重ねられる。
【0098】
前記ディスプレイは、前記照準器10が200メートルの射程に零位調整されていることを308に示し、前記照準器が風偏差の修正量および仰角の両方に零位調整された設定を使っていることを311および312に示す。但し、前記標的306までの実際の距離は200メートルではなく400メートルであると仮定する。前記自動弾道補正機能が有効ではないため、前記ライフルを使用する個人が図11に示すように単純に前記レチクル307を前記標的306上にセンタリングすると、前記弾は前記標的の手前に落下する。
【0099】
ここで同様の状況下で、前記自動弾道補正機能が有効であると仮定する。前記照準器10はその種々のセンサーを使って現在の温度、気圧、湿度、風速、風向、標的までの射程、および前記照準器およびライフルの2次元における傾きを決定する。次に既知の方程式、および使用されている特定タイプの弾およびライフルに関する保存された弾道情報と伴にこの情報が使用して、前記照準器10は前記標的306までの弾道を計算し、前記想定される標的着弾点に前記レチクル307を表示する。
【0100】
この点について、図12は図11と同様の概略図であるが、前記レチクル307が前記検出された光景内の弾の想定される着弾点を特定するように、前記照準器10が前記検出画像301に対して前記表示画像302を自動的にシフトしたことを示す。注目されるであろう点は、前記表示部308は前記標的までの実際の射程が400メートルであることを示すように自動的に調整され、前記表示部312は前記較正された射程と実際の射程との差を補正するように、前記仰角設定が自動的に調整されたことを示すことである。
【0101】
前記ライフルおよび照準器の使用者がここで前記ライフルの銃身の外端部を上方に向けると、前記標的306は、前記レチクル307が前記標的306上にセンタリングされるまで、前記検出画像301内を下向きに移動する。この点において、図13は図12と同様な概略図であるが、前記レチクル307が前記標的上にセンタリングされた様子を示す。弾の想定される着弾点はここで前記標的306上にセンタリングされ、弾は前記標的に正確に命中するものである。注目されるであろう点は、前記ライフルおよび照準器の使用者は周囲温度、気圧、湿度、風、および標的までの射程などの種々の要因を補正するためのレチクルのオフセットを知的に推定する努力を一切必要とせず、前記レチクル307を前記実際の標的306からこの推定量だけ視覚的にオフセットする必要もない点である。
【0102】
別の例として、前記ライフルおよび照準器の使用者が照準合わせする時に、前記ライフルおよび照準器を前記銃身の長軸周りに数度傾ける必要を感じると仮定する。図14はこのような状況下における前記検出画像301を示し、この画像の、自動弾道補正が無効である時に表示される部分302を示す概略図である。図14において、321は前記ライフルの砲軸線を表し、322は前記ライフルおよび照準器の長軸周りの傾きまたは横揺れの角度αを表し、323は重力の方向を表し、326は前記検出された光景内の弾の想定される実際の着弾点を表す。この特定の例において注目されるであろう点は、前記想定される着弾点は、前記検出画像301の表示された部分302の中に入ってさえいないことである。前記標的に命中するよう試みるため、前記ライフルおよび照準器の使用者は必要とされるレチクルのオフセット量を知的に推定しなければならず、次にこの推定量だけ前記レチクルを視覚的にオフセットするよう試みなければならず、このような状況下ではこの試みは非常に困難である。
【0103】
ここで、前記照準器10の使用者が前記自動弾道補正機能を有効にすると仮定する。前記傾きセンサー61(図4)は、前記照準器10に前記傾きまたは横揺れ角度322を含む情報を提供する。前記照準器10は標準三角関数の相関を使って、前記レチクル307が前記想定される着弾点326上にセンタリングされるように、前記画像301に対して前記部分302を再配置するために必要な前記水平および垂直オフセット、331および332を計算することができる。
【0104】
図15は図14と同様な概略図であるが、前記照準器10が前記検出画像301の表示された部分302を、前記オフセット331および332(図14)分だけ自動的に再配置した様子を示しており、これにより前記レチクル307は前記想定される着弾点326上にセンタリングされる。次に、前記ライフルおよび照準器の使用者は、前記レチクル307が前記標的306上にセンタリングされるまで、前記画像301内を前記標的306が移動するように前記ライフルの位置を調整することができる。図16は図15と同様な概略図であるが、前記ユーザーが前記調整されたレチクル307を前記標的306上にセンタリングした様子を示している。この図では、弾の想定される着弾点が前記標的と一致し、弾は前記標的に正確に命中すると想定できる。このように、前記自動弾道補正機能によって提供される自動照準点調整機能を用いて、前記ライフルおよび照準器の使用者は、種々の異なる環境要因を補正するに必要な量を推量することによって前記レチクルを前記標的から知的且つ視覚的にオフセットする試みを一切必要とせずに、前記レチクルを前記標的の真上に位置合わせすることができる。
【0105】
前記照準器10が図5に対応する通常動作モードにある時、前記メニューボタン81を2度素早く押すことにより、すなわちこのボタンを「ダブルクリック」することにより、前記照準器の使用者は前記4方向スイッチ(図3)を使って幾つかの手動調整を実行できる。実行される手動調整のタイプは、前記自動弾道補正機能が現在有効となっているかどうかに依存する。
【0106】
前記自動弾道補正機能が現在有効となっていない場合、前記4方向スイッチ82の操作は、前記ディスプレイ117上の前記選択されたレチクル201〜205と、前記表示された画像との間のオフセットの一時的調整を実行する。具体的には、前記4方向スイッチの部分86または87を押すことにより、前記レチクル201〜205および前記表示された画像の相対的な垂直移動が実行され、前記仰角表示部212の値が前記手動調整の量を反映するように調整される。同様に、前記4方向スイッチ82の部分88または89を押すことにより、前記レチクル201〜205および前記表示された画像の相対的な水平移動が実行され、前記風偏差の修正量表示部211の値がこの手動調整の量を反映するように調整される。前記ユーザーが前記メニューボタン81を再度押すと、前記照準器10はこれら一時的調整を棄却し、前記メニューボタンがダブルクリックされた以前に有効であった仰角および風偏差の設定を使った通常動作モードに戻る。具体的には、前記風偏差および仰角の調整値211および212はそれぞれゼロの値を表示し、前記射程表示部308は前記小火器および照準器が零位調整された射程を表示する。
【0107】
一方、前記メニューボタン81がダブルクリックされた時に、前記自動弾道補正機能が有効である場合、前記4方向スイッチ82の操作すると前記自動弾道補正に使用される射程設定の一時調整が実行される。具体的には、前記4方向スイッチ82の部分86または87を押すことにより前記射程設定が手動で増加または減少し、自動弾道補正を実行するための前記距離計26からの射程情報の代わりに前記手動の値が使用される。前記射程が手動で調整されるに伴い、前記射程表示部218(図5)が前記手動で指定された射程の現在値を示すように調整される。前記ユーザーが前記メニューボタン81を再度押すと、前記照準器10はこの手動で入力された射程値を破棄し、前記距離計26によって提供される射程情報を使する通常動作モードに戻る。
【0108】
再び図11を参照すると、前記照準器10の追加機能は、前記レチクル307の1若しくはそれ以上の特性を自動的に調整して、当該レチクルの視認度を改善することである。開示された実施形態において、前記レチクル307が前記標的306上にセンタリングされており、前記標的306が比較的暗い色である場合、前記照準器10は前記レチクル307に対して補足的な明色を自動的に選択および使用して、当該レチクル307が目立つようにする。反対に、前記レチクル307が比較的明るい色の標的306上にセンタリングされている場合、前記照準器10は前記レチクル307に対して補足的な暗色を自動的に選択および使用して、当該レチクル307が目立つようにする。同様の方法で、代替的に、前記照準器10が、前記レチクル307のサイズ、輝度、および/または形状を含む(これに限定されるものではない)1若しくはそれ以上のタイプの当該レチクルの他の特性を調整することも可能である。
【0109】
更にもう1つの機能は、前記照準器10が標的の視認性を改善することが可能な技術を使うことである。この点について、図11を参照すると、標的306などの標的上に前記レチクル307がセンタリングされる時、前記照準器10は既知の画像処理および画像強調技術を使い、具体的には、前記標的306をその背景に対してよりよく視認できるように、色、輝度、および/またはコントラストなどの前記表示された画像の1若しくはそれ以上の特性を調整することで、前記検出画像の前記標的306の部分を前記検出画像の前記標的306に直接隣接した他の部分から区別する。
【0110】
更に、前記照準器10は、前記光景の検出画像の連続した一組のそれぞれを比較する機能を有し、これにより動きを表す可変画素を特定化する。このように、例えば、予想される標的306である対象物または動物が前記検出された光景内で動いている場合、前記照準器10は既知の画像分析技術を使ってこの動きを検出可能であり、次に前記検出された光景の動きのないその他の部分に対して前記検出された動きを強調表示するために、色、輝度、および/またはコントラストなどの1若しくはそれ以上の特性を調整できる。
【0111】
本発明は多くの利点を提供する。このような利点の1つは、1若しくはそれ以上の現在条件を表す情報を取り込み、この情報を使って発射体の想定される着弾点を自動的に決定し、次に前記想定される着弾点と一致するようにレチクルまたは照準点を自動的に調整する機能から得られる。関連する1利点は、現在条件に関する情報の一部、若しくは全てを1若しくはそれ以上のセンサーを使って自動的に取得することで実現される。
【0112】
追加的な1利点は、小火器用照準器が、レチクルの少なくとも1つの特性を当該レチクルが重ねられる光景に対して自動的に調整する機能を有することで実現される。例えば、前記レチクルの色、形状、サイズ、および/または輝度の1若しくはそれ以上を当該レチクルが現在重ねられている画像の部分の関数としての調整する方法などがある。
【0113】
更に別の利点は、画像処理および強調技術を使って、光景の一部の視認度をその周囲の部分に対して改善する機能を提供することによって得られる。例えば、レチクルがセンタリングされている1光景の部分をその他の隣接部分に対して強調することができる。若しくは、動きを表す画素の変化を検出するために連続検出された画像を比較し、次に前記光景の検出された動きに対応する部分を強調表示することができる。
【0114】
更に別の利点は、ライフル用照準器が全地球測位システム(GPS)信号を受信し、地図上に小火器用照準器の現在位置の表示を伴う当該地図の1部分を表示する機能を提供することにより得られる。関連する1利点は、前記小火器用照準器に選択された地図情報をダウンロードする機能により実現される。
【0115】
別の利点は、ライフル用照準器が一般に呼び子などとして知られる音響を選択的に生成する機能を有する実現される。更なる利点は、1若しくはそれ以上の呼び子のセットをコンピューター内で選択し、次に前記ライフル用照準器にダウンロードすることで実現される。
【0116】
1実施形態を図示し、詳細に説明してきたが、以下の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに種々の代替形態および変更形態が可能であることが理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
本発明は、以下の添付の図面と伴に後述の詳細な説明によってより良く理解されるものである。
【図1】図1は、本発明の態様を表すライフル用デジタル照準器である装置の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1のライフル用照準器の反対側を示す概略部分斜視図である。
【図3】図3は、図1のライフル用照準器のスイッチパネルの拡大概略図である。
【図4A】図4は、図1のライフル用照準器のブロック図であり、図1〜図3の図面では見えない特定の部分を示すものである。
【図4B】図4は、図1のライフル用照準器のブロック図であり、図1〜図3の図面では見えない特定の部分を示すものである。
【図5】図5は、通常動作モードにある図1のライフル用照準器の構成要素であるカラーディスプレイの概略図である。
【図6】図6は、メニューモードにある前記ディスプレイの概略図であり、メニュー選択の一覧を示すものである。
【図7】図7は、レチクルの選択画面を示す前記ディスプレイの概略図である。
【図8】図8は、現在選択されているレチクルの仰角および風偏差のオフセット設定に使用する画面を示す前記ディスプレイの概略図である。
【図9】図9は、ライフル用照準器のメモリーに保存された画像および/またはビデオクリップを表示するために使用されるモードにあるディスプレイの概略図である。
【図10】図10は、オプションメニューを示すディスプレイの概略図である。
【図11】図11は、ライフル用照準器の画像検出器によって検出された全体画像およびディスプレイ上に現在提示されているこの画像の一部を示す概略図である。
【図12】図12は、図11と同様の概略図であるが、レチクルが検出された光景内の弾の想定着弾点を示すように、前記照準器が検出画像に対して表示された画像を自動的にシフトした様子を示すものである。
【図13】図13は、図12と同様の概略図であるが、標的上にセンタリングされたレチクルを示すものである。
【図14】図14は、ライフルおよび照準器が長軸周りに数度傾いた状況下で、自動弾道補正機能が無効である時の検出画像およびこの画像の表示部分を示す概略図である。
【図15】図15は、図14と同様の概略図であるが、レチクルが想定着弾点上にセンタリングされるように、照準器が検出画像の表示部分を自動的に再配置した様子を示すものである。
【図16】図16は、図15と同様の概略図であるが、使用者が調整済みレチクルを前記標的上にセンタリングした様子を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小火器用照準器を有する装置であって、
ユーザーがデジタルレチクルの対象となる光景画像を観察することを可能にする観察部と、
発射体の弾道に影響する可能性のある要因を表す情報を前記小火器用照準器へ入力することを容易にする構造と、
前記情報に応答し、且つ前記観察部と協動して、当該観察部によって提示される前記画像に対して前記デジタルレチクルの位置を自動調整することにより、前記要因が発射体の弾道に影響する程度を補正する回路と
を含む装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記構造は前記要因を自動検出するセンサーを含むものである。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記要因は、標的までの射程、前記小火器用照準器の傾きの程度、前記小火器用照準器の横揺れの程度、周囲温度、周囲湿度、周囲気圧、周囲風速、および周囲風向のうちの1つである。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、
前記構造は発射体の弾道に影響する可能性のある追加的要因を表す情報を前記小火器用照準器へ入力することを容易にし、
前記回路は前記各要因を表す情報に応答して前記デジタルレチクルの前記位置を自動調整する工程を実施することにより、前記各要因が発射体の弾道に影響をする程度を補正するものである。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、前記構造は前記各要因を自動検出するセンサー構造を含むものである。
【請求項6】
請求項4記載の装置において、前記各要因はそれぞれ、標的までの射程、前記小火器用照準器の傾きの程度、前記小火器用照準器の横揺れの程度、周囲温度、周囲湿度、周囲気圧、周囲風速、および周囲風向のそれぞれのうちの1つである。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記小火器用照準器は、発射体の弾道に関する情報を当該小火器用照準器の外部から前記回路に電子的に導入可能なポートを含むものである。
【請求項8】
装置であって、
ユーザーがデジタルレチクルの対象となる光景画像を観察することを可能にする観察部と、
前記画像に応答して前記レチクルの特性を自動調整するための構造と
を有する装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、前記レチクルの前記特性は、当該レチクルの色、輝度、サイズ、または形状のうちの少なくとも1つを含むものである。
【請求項10】
請求項8記載の装置において、前記構造は前記レチクルを調整する工程を実施して、当該レチクルと当該レチクルの領域部分における前記画像の一部との間のコントラストを改善するものである。
【請求項11】
請求項8記載の装置において、前記構造は前記レチクルの領域部分における前記画像一部に応答して、当該レチクルの特性を調整する工程を実施するものである。
【請求項12】
請求項8記載の装置において、この装置は小火器用照準器と、前記小火器用照準器の各部分である前記観察部と、前記構造とを含むものである。
【請求項13】
装置であって、
ユーザーがレチクルの対象となる光景のデジタル画像を観察することを可能にする観察部と、
前記デジタル画像を自動調整して、前記レチクルと実質的に位置合わせされた前記画像の第1の部分を当該第1の部分の画像と隣接した前記画像の第2の部分と区別するための構造と
を有する装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置において、前記構造は前記画像の前記第1の部分および第2の部分のコントラストを調整することによって、前記デジタル画像を調整する工程を実施するものである。
【請求項15】
請求項13記載の装置において、この装置は小火器用照準器と、前記小火器用照準器の各部分である前記観察部と、前記構造とを含むものである。
【請求項16】
装置であって、
可聴音を生成可能な構造を有する小火器用照準器を有する装置。
【請求項17】
請求項16記載の装置において、前記可聴音は動物の発する音の模倣である。
【請求項18】
請求項16記載の装置において、
前記構造はそれぞれ異なる動物が発する音のそれぞれの模倣である複数の可聴音の定義を含み、
前記構造は前記定義のうちの選択された1つから可聴音を生成するものである。
【請求項19】
小火器用照準器を有する装置であって、
電磁信号を受信する受信機と、
前記受信電磁信号に応答して地球表面上における前記小火器用照準器の位置を決定するための回路と、
ディスプレイであって、前記回路が当該ディスプレイ上に地球表面上における前記小火器用照準器の位置を表す情報を提示するものである、ディスプレイと
を有する装置。
【請求項20】
請求項19記載の装置において、前記受信機は全地球測位システム(GPS)受信機であり、前記受信機によって受信される前記電磁信号はGPS信号である。
【請求項21】
請求項19記載の装置において、
前記回路は地図情報を有し、
前記回路によって前記ディスプレイ上に提示された前記情報は前記地図情報の選択された部分を含み、
前記回路は、前記小火器用照準器のディスプレイ上における前記地図情報の前記選択された部分の適切な位置に提示を行うものである。
【請求項22】
小火器用照準器の操作方法であって、
デジタルレチクルの対象となる光景画像を観察部上に提供する工程と、
発射体の弾道に影響する可能性のある要因を表す情報を受信する工程と、
前記観察部上に提示された前記画像に対して前記デジタルレチクルの位置を自動調整することにより、前記要因が発射体の弾道に影響する程度を補正する工程と
を有する方法。
【請求項23】
請求項22記載の装置において、この装置は前記要因を自動検出するセンサーを使用する工程を含むものである。
【請求項24】
請求項22記載の装置において、この装置は、標的までの射程、前記小火器用照準器の傾きの程度、前記小火器用照準器の横揺れの程度、周囲温度、周囲湿度、周囲気圧、周囲風速、および周囲風向のうちの1つを前記要因として使用するために選択する工程を含むものである。
【請求項25】
請求項22記載の装置において、この装置は、
発射体の弾道に影響する可能性のある追加的要因を表す情報を受信する工程を含み、
自動調整する工程が実行されて、前記各要因が発射体の弾道に影響する程度を補正するものである。
【請求項26】
請求項25記載の装置において、この装置は前記各要因を自動検出するためのセンサー装置を使用する工程を含むものである。
【請求項27】
請求項25記載の装置において、この装置は、
標的までの射程、前記小火器用照準器の傾きの程度、前記小火器用照準器の横揺れの程度、周囲温度、周囲湿度、周囲気圧、周囲風速、および周囲風向のそれぞれのうちの1つを前記各要因として使用するために選択する工程を含むものである。
【請求項28】
請求項22記載の装置において、この装置は、
発射体の弾道に関する情報を前記小火器用照準器の外部からポートを通して電子的に受信する工程を含むものである。
【請求項29】
方法であって、
デジタルレチクルの対象となる光景画像をユーザーのために観察部上に提示する工程と、
前記画像に応答して前記レチクルの特性を自動調整する工程と
を有する方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、この方法は、前記レチクルの特性として、色、輝度、サイズ、または形状のうちの少なくとも1つを選択する工程を含むものである。
【請求項31】
請求項29記載の方法において、前記自動調整する工程は、前記レチクルと当該レチクルの領域部分における前記画像の一部との間のコントラストを改善する工程を含むものである。
【請求項32】
請求項29記載の方法において、前記自動調整する工程は、前記レチクルの領域部分における前記画像の一部の関数として実行されるものである。
【請求項33】
方法であって、
レチクルの対象となる光景のデジタル画像をユーザーのために観察部に提示する工程と、
前記レチクルと実質的に位置合わせされた前記画像の第1の部分と当該第1の部分に隣接した前記画像の第2の部分を区別するように前記画像を自動調整する工程と
を有する方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、前記自動調整する工程は、前記画像の前記第1の部分と前記画像の第2の部分との間のコントラストを調整する工程を含むものである。
【請求項35】
方法であって、
小火器用照準器から可聴音を生成する工程を有する方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、この方法は、動物の発する音の模倣を前記可聴音として選択する工程を含むものである。
【請求項37】
請求項35記載の方法において、この方法は、
それぞれ異なる動物の発する音のそれぞれの模倣である複数の可聴音の定義を提供する工程と、
前記定義のうちの1つを選択する工程と、
前記選択された定義を用いて前記可聴音を生成する工程を実行する工程と
を含むものである。
【請求項38】
ディスプレイを有する小火器用照準器を操作する方法であって、
電磁信号を受信する工程と、
前記受信電磁信号に応答して地球表面上における前記小火器用照準器の位置を決定する工程と、
地球表面上における前記小火器用照準器の位置を表す情報を、前記ディスプレイ上に提示する工程と
を有する方法。
【請求項39】
請求項38記載の方法において、前記受信する工程は、全地球測位システム(GPS)信号を前記電磁信号として使用することにより実行されるものである。
【請求項40】
請求項38記載の方法において、この方法は、
前記小火器用照準器内に地図情報を提示する工程を含み、
前記提示する工程は、地球表面上における前記小火器用照準器の位置を前記選択された地図情報上に示す、前記地図情報の選択された部分を前記ディスプレイ上に提示する工程を含むものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2008−501932(P2008−501932A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527618(P2007−527618)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/019782
【国際公開番号】WO2006/096189
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】