少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイス、システム、および方法
【課題】3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに関して、ユーザによって即時に会得されることが可能なナビゲーションデバイスの提供。
【解決手段】ユーザによって操作されることが可能なハウジング10を含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスであって、前記ハウジングは、ケーシングのピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に沿ったハウジング10の傾きを表す信号群を生成するための手段20を収容するとともに、前記空間の少なくとも1つの軸に沿った双方向の動きの制御信号を生成する少なくとも1つのアイソメトリックデバイス30も収容する。
【解決手段】ユーザによって操作されることが可能なハウジング10を含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスであって、前記ハウジングは、ケーシングのピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に沿ったハウジング10の傾きを表す信号群を生成するための手段20を収容するとともに、前記空間の少なくとも1つの軸に沿った双方向の動きの制御信号を生成する少なくとも1つのアイソメトリックデバイス30も収容する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスに関する。
【0002】
また、本発明は、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのナビゲーションシステムおよび方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
ナビゲーションという用語は、仮想空間における探索およびサーチも、複数の次元を有する空間における物体の検査および操作もともに包含する。その場合、空間は、仮想空間であっても、現実の空間であってもよく、仮想空間におけるナビゲーションは、より詳細には、カメラ、または無人タイプの飛行機の操作に関する。
【0004】
仮想空間において、ナビゲーションは、仮想空間に対して物体または視点を動かすことに存する。特に、仮想空間において移動物体を操作すること、または仮想空間において視点を動かすことの問題であることが可能である。このタイプのナビゲーションは、特に、3つの次元を有する仮想空間におけるビデオゲームにおいて、または地理データベースなどの、3つの次元を有するデータベースを探索するために使用される。
【0005】
3つの次元を有する空間におけるナビゲーションは、一般に、作業面上に置かれた周辺デバイスの助けを借りて実行される。
【0006】
3つの次元を有する空間において6つの自由度を有するナビゲーションを可能にするのに、2つのナビゲーションデバイスを独立に操作する両手の同時の使用を要求するシステムが、知られている。
【0007】
したがって、例えば、仮想空間におけるナビゲーションに関して、キーボードを、標準のマウスのように、平面で動ける周辺装置に、またはジョイスティックタイプの、空間で動ける周辺装置に関連付けることが、慣例的である。
【0008】
また、標準のマウスを、ジョイスティックタイプの第2のナビゲーションデバイスに関連付けることも、想定されることが可能である。
【0009】
ユーザの両手の同時の使用を要求する、それらの様々なナビゲーション方法は、ナビゲーションをそれほど直観的でないものにする。それらのナビゲーションデバイスを扱うことを習得することは、困難であり、長い時間を要し、多くのユーザに、大きな障害となる可能性がある。さらに、それらのナビゲーションデバイスは、一般に、デバイスが機能するのに、作業面の使用を要求する。
【0010】
このタイプのナビゲーション技術は、特に、米国特許出願公開第2002/140698号において説明されている。
【0011】
また、空間における3つの回転および3つの並進に対応する6つの自由度に敏感であるナビゲーションデバイスも、知られている。1つのそのようなデバイスが、例えば、米国特許第5923318号で説明されている。
【0012】
そのようなデバイスでは、ナビゲーションは、空間におけるデバイスの動きによって得られる。それはアイソトニックデバイスの問題である。次に、デバイスの動きは、現実のナビゲーション空間、または仮想ナビゲーション空間における様々な動きに変換される。
【0013】
しかし、同一のアイソトニックデバイス内における様々な自由度の結合のため、このタイプのナビゲーションデバイスは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/140698号明細書
【特許文献2】米国特許第5923318号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、前述した欠点を克服し、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに関して、ユーザによって即時に会得されることが可能なナビゲーションデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的で、本発明は、第1に、ユーザによって操作されるように構成されたケーシングを含み、ケーシングのピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシングの傾きを表す信号を生成するための手段を組み込んだ、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスを対象とする。
【0017】
本発明によれば、そのケーシングは、前記空間の少なくとも1つの軸に関する双方向の動きを制御するための信号を生成する少なくとも1つのアイソメトリックデバイスを組み込む。
【0018】
このため、この独立型のナビゲーションデバイスは、同一のケーシング内に一緒に集められた2つの切り離されたシステムから成る。第1のシステムは、そのシステムを組み込んだケーシングの、空間におけるアイソトニックな回転の動きに敏感であり、第2のシステムは、ナビゲーション空間においてアクションを生じさせるための少なくとも1つのアイソトニックデバイスから成る。
【0019】
ユーザによって操作される共通のケーシング内でそれらのアクションが切り離されているおかげで、ユーザは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションを直観的に会得することができる。
【0020】
アイソメトリックデバイスは、好ましくは、前記アイソメトリックデバイスの少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力に敏感であり、動き制御信号は、好ましくは、前記軸に沿ってかけられた力を表す信号である。
【0021】
そのようなアイソメトリックデバイスは、アイソメトリックデバイスの1つの軸に沿ってかけられた力に比例して、少なくとも3つの次元を有する空間における1つの自由度に関する漸進的なアクションを生じさせる。
【0022】
したがって、そのようなアイソメトリックデバイスは、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションのパフォーマンス、およびリアル感を向上させるために、ユーザによってデバイスにかけられた力を考慮に入れる。
【0023】
本発明の好ましい特徴によれば、アイソメトリックデバイスは、3つの軸に沿ってかけられた力に敏感であり、前記空間の3つの軸に関する双方向の動きを制御するための信号を生成するように構成される。
【0024】
アイソメトリックデバイスのおかげで、独立型のナビゲーションデバイスは、同一のケーシング内でアイソメトリックデバイスとアイソトニックデバイスの関連付けの相互の関連が解かれることを介して、少なくとも3つの次元を有する空間において6つの自由度を有するナビゲーションを可能にする。
【0025】
本発明の一実施形態では、ケーシングは、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイスは、ケーシングの上面に配置されて、前記ケーシングを片手に把持しているユーザの親指によって操作されるように構成される。
【0026】
代替として、そのケーシングは、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイスは、ケーシングの側面に配置されて、前記ケーシングを片手に把持しているユーザの指によって操作されるように構成される。
【0027】
そのような独立型のナビゲーションデバイスは、直観的なジェスチャ、および人間工学的な手の動きをユーザに提供する。片手だけで独立型のナビゲーションデバイスを操作することにより、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートすることが可能であり、あるいは、これと互いに関連して、少なくとも3つの次元を有する空間において物体を直観的に操作することが可能である。
【0028】
本発明の第2の態様は、本発明による独立型のナビゲーションデバイスと、ケーシングの傾きを表す信号、および少なくとも3つの次元を有する空間において少なくとも1つの動きを生じさせる制御信号を考慮に入れるように構成されたプロセッサ手段とを含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのシステムに関する。
【0029】
このナビゲーションシステムは、システムが使用するナビゲーションデバイスの特徴および利点と同様の特徴および利点を有する。
【0030】
また、このナビゲーションシステムは、以下の特徴も有する。すなわち、
ケーシングの傾きを表す信号は、ナビゲーション空間において3つの双方向の動きを生じさせるように構成され、
ケーシングの傾きを表す信号は、ナビゲーション空間における双方向の回転を制御するための信号を生成するように構成され、
制御信号は、前記ナビゲーション空間の3つの軸に関して双方向の動きを生成するように構成され、
制御信号は、独立型のナビゲーションデバイスのアイソメトリックデバイスの少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力を表す信号であり、制御信号は、その軸に沿ってかけられた力に応じて、空間において動きを生じさせるように構成され、
空間における動きは、その軸に沿ってかけられた力を表す信号と、所定の閾値との比較に応じ、
その軸に沿ってかけられた力を表す信号は、ナビゲーション空間において双方向の並進を生じさせるように構成される。
【0031】
最後に、本発明の第3の態様は、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートする方法に関する。
【0032】
本発明によれば、その方法は、以下のステップを含む。すなわち、
ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシングの傾きを表す信号を獲得するステップ、
前記ケーシングに組み込まれたアイソメトリックデバイスによって生成された、ナビゲーション空間における、その空間の少なくとも1つの軸に沿った双方向の動きを制御するための制御信号を獲得するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、ナビゲーション空間において少なくとも1つの双方向の動きを生じさせるステップ、および
前記制御信号から、前記ナビゲーション空間において少なくとも1つの第2の双方向の動きを生じさせるステップである。
【0033】
このナビゲーション方法は、特に、以下を含む。すなわち、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における双方向の回転を制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における双方向の並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における2つの双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における双方向の回転と、2つの双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における双方向の並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における3つの双方向の並進を制御するための信号を生成するステップである。
【0034】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の説明の過程でより明白となろう。
【0035】
添付の図面は、非限定的な例として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態による独立型のナビゲーションデバイスを示すブロック概略図である。
【図2】図1からのデバイスのアイソトニックセンサを示す概略図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図3B】本発明の第1の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図3C】本発明の第1の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図4A】本発明の第2の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図4B】本発明の第2の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図4C】本発明の第2の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図5】仮想空間に適用された本発明によるナビゲーションシステムを示すブロック概略図である。
【図6】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図7】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図8】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図9】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図10】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図11】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図12】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図13】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図14】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図15】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図16】仮想空間において3次元を有する物体を操作するために、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図17】仮想空間において3次元を有する物体を操作するために、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図18】遠隔制御される物体の制御に適用された本発明によるナビゲーションシステムを示すブロック概略図である。
【図19】無人タイプの遠隔制御される物体を操縦するために、図18からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図20】無人タイプの遠隔制御される物体を操縦するために、図18からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明による独立型のナビゲーションデバイスの一実施形態を、図1に関連して最初に説明する。
【0038】
そのデバイスは、ユーザによって操作されることが可能なケーシング10の形態をとる。
【0039】
このケーシングについては、後段で説明する。しかし、ケーシングは、ユーザによる良好な把持を可能にする外形を有することに留意されたい。
【0040】
このケーシングは、3つの自由度を有するアイソトニックセンサ20と、少なくとも1つのアイソメトリックセンサ30とを主に組み込む。
【0041】
アイソトニックセンサ20は、ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシングの傾きを表す信号を生成するように構成される。それらのアイソトニックセンサ20については、後段でより詳細に説明する。
【0042】
また、アイソメトリックセンサも、ナビゲーション空間におけるアクションを制御するための信号を生成するように構成される。
【0043】
アイソトニックセンサは、デバイスの動きに応じて、信号を生成するように構成されたデバイスであることを思い起こされたい。アイソメトリックデバイスは、圧力または力に敏感なデバイスである。アイソメトリックデバイスは、センサに印加された力を感知するが、知覚できるほど動かないように構成される。
【0044】
アイソトニックセンサおよびアイソメトリックセンサの例は、後段で与えられる。
【0045】
ナビゲーションデバイス10は、デバイス10のセンサ20、30の出力に接続された変換器40をさらに含み、変換器40は、信号を処理するためにアナログ信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号を処理手段に伝送するようにするように構成される。
【0046】
マイクロコントローラ41および無線周波数送信デバイス42が、変換器40にさらに結合される。
【0047】
また、バッテリシステム43も、ナビゲーションデバイス11のための搭載されたエネルギー供給装置として提供される。
【0048】
もちろん、送信システム42は、他の任意のタイプのデータ送信によって、場合により、ケーブル送信システムによってさえ置き換えられることが可能である。
【0049】
次に、3つの自由度を有するアイソトニックセンサの一例を、図2に関連して説明する。
【0050】
そのようなアイソトニックセンサの詳細な説明に関して、本出願者名義の仏国特許第2838185号を有利に参照することができる。
【0051】
特に、このセンサは、立方体の支持体21の形態をとる。この支持体は、位置決め基準の役割をし、3つの次元を有する基準系を構成する直交する軸X、Y、およびZの系を画定する。
【0052】
その実施形態では、センサは、3つの加速度計22と、3つの磁力計23とを含む。
【0053】
加速度計22によって供給される出力値AX、AY、およびAZ、および磁力計23によって供給される出力値MX、MY、およびMZから、軸Xと軸Yが水平であり、軸Zが垂直である基準系において、ピッチ軸Xに関する仰角RXの値、ロール軸Yに関するねじれRZの値、およびヨー軸Zに関する方位角RZの値を、計算によって算出することが可能である。
【0054】
値RX、RY、およびRZの計算は、特に仏国特許第2838135号で詳細に説明されている。
【0055】
実際には、それらの値を、加速度計などの、重力に敏感な単一のセンサ、および磁力計などの、磁界に敏感な単一のセンサから割り出すことが可能である。
【0056】
しかし、測定の堅牢性の理由で、少なくとも2つの加速度計と、少なくとも2つの磁力計とを使用することが好ましく、この実施形態では、3つの加速度計22と、3つの磁力計23を使用することが好ましい。
【0057】
以上に関連して、このナビゲーションデバイスは、地球物理学上の基準系(重力ldまたは地球の磁界によって規定される)などの絶対基準系から、回転角RX、RY、RZを生成するのに必要な手段を含むという意味で、独立型のデバイスであることに留意されたい。
【0058】
したがって、ナビゲーションデバイスが使用される環境において、外部基準系(例えば、磁界発生器または光場発生器を使用する)からの角度を計算する機器を提供する必要がない。
【0059】
ナビゲーションデバイスの空間における角度位置を測定するための、したがって、傾きおよび/または角度の測定値をもたらすためのアイソトニックセンサは、1つまたは複数のアイソメトリックデバイス30に結合される。
【0060】
本発明の第1の実施形態では、このアイソメトリックデバイスは、作動させると、ナビゲーション空間におけるアクション、例えば、ナビゲーション空間のある軸に沿った単方向の並進などの、例えば、単方向の動きを命令する信号を生成する、単一の押しボタン作動から成ることが可能である。
【0061】
双方向のアクションが要求される場合、ナビゲーション空間において所定のアクション、およびそのアクションの逆を命令する信号を生成するタイプの、押しボタンの操作(クリックまたはダブルクリック)を提供することが可能であってもよい。
【0062】
より単純には、アクション、およびそのアクションの逆、例えば、ナビゲーション空間における双方向の動きを得るために、2つの押しボタンをアイソメトリックセンサとして提供することが可能である。
【0063】
もちろん、ナビゲーションデバイスの2つの押しボタンは、完全に異なり、単に互いの逆ではないアクションに関連付けられてもよいが、ただし、そのタイプのデバイスは、ユーザから見て、あまり人間工学的ではない。
【0064】
本発明の別の実施形態によれば、アイソメトリックデバイスは、そのアイソメトリックデバイスのある軸に沿ってかけられた力に敏感であり、そのデバイスによって生成された制御信号が、その軸に沿ってかけられた力を表す信号であるようになっていることが可能である。
【0065】
このため、そのようなアイソメトリックデバイスを使用して、ナビゲーション空間における漸進的なアクションを制御することが可能である。
【0066】
このアイソメトリックデバイスは、例えば、ポテンショメータから成ることが可能である。
【0067】
したがって、ポテンショメータは、それらの方向の1つにおける双方向の力に敏感であるので、アイソメトリックデバイスは、アイソメトリックデバイスにかけられた力の強度に応じて、漸進的な双方向のアクションを制御するための信号を生成することができる。
【0068】
そのような漸進的な双方向のアクションが、ナビゲーション空間の別の軸に関して要求される場合、ナビゲーションデバイスに第2のポテンショメータを備えることが可能である。
【0069】
本発明の第3の実施形態によれば、アイソメトリックデバイスは、3つの方向における力に敏感なセンサから直接に成ることが可能である。そのようなセンサは、例えば、欧州特許第1275949号に示されている。
【0070】
このタイプの力センサは、ユーザの指によって負荷をかけられるように意図される剛性のロッドと、そのロッドに接続されたヘッドとを含む。そのヘッドは、ホイートストーンブリッジ回路において接続されたひずみゲージタイプの測定手段を担持する変形可能な要素を含む。したがって、それらの測定手段は、剛性のロッドを介して変形可能な要素によって加えられた変形またはひずみに応じて、信号を生成する。
【0071】
この「ネイル」タイプと呼ばれるセンサは、3つの方向のうちの2つで、それらの軸に沿って加えられた双方向の力に敏感であり、第3の軸上では、一方向でかけられた力だけに敏感である。
【0072】
このため、そのようなアイソメトリックデバイスは、そのナビゲーション空間の3つの次元におけるアクションを制御するための信号を生成するように構成され、その空間の軸の1つに関するアクションは、単方向に限られる。
【0073】
それらのアクションは、アイソメトリックデバイスにかけられかつアイソメトリックデバイスにおいて測定される力に応じる場合、すべて漸進的なアクションである。
【0074】
このアイソメトリックデバイスを、前述したアイソトニックデバイスに結合することにより、ナビゲーションデバイスは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに必要な6つの自由度へのアクセスをもたらす。
【0075】
この空間の最後の軸上で双方向のアクションを得るのに、ネイルタイプの力センサに、押しボタンから成る前述したセンサを結合することが可能である。
【0076】
次に、図3Aないし図3C、および図4Aないし図4Cに関連して、ユーザの人間工学に特によく適合した、そのような独立型のナビゲーションデバイスの2つの実際的な実施形態を説明する。
【0077】
それらの図でよく示されるとおり、ケーシングは、上面12、底面13、および4つの側面14、15、16、および17を有する実質的に平行六面体の形状を有する。
【0078】
底面13は、好ましくは、デバイスが、自由空間において使用されるものの、作業面上に安定して置かれることを可能にする平らな面である。
【0079】
上面12は、特に、ユーザが、図4Cに示されるとおり、デバイスの上面12でデバイスを把持した場合に、ユーザが、上面12をユーザの手の中に保持することを容易にする、わずかにドーム形の形状であることが可能である。
【0080】
デバイス10の側部を構成する側面14および側面15は、例えば、図4Cに示されるとおり、把持すること、およびユーザの指を置くことを容易にするカットアウト11を特徴とすることが可能である。
【0081】
デバイス10の後面13は、実質的に平らである。それらの実施形態では、後面13は、オン/オフボタンを含む。
【0082】
その実施形態では、ケーシングは、複数のアイソメトリックデバイス31、32を含む。
【0083】
アイソメトリックデバイス31は、デバイス31の3つの軸に沿ってかけられた力に敏感なネイルタイプの力センサから成る。図3A、図3B、図4A、および図4Bにおいて矢印でよく示されるとおり、アイソメトリックデバイスは、アイソメトリックデバイス31の全体的な平面における2つの双方向の、互いに垂直なアクション、およびその平面に垂直な単方向のアクションに敏感である。
【0084】
図3Aないし図3Cに示される実施形態では、アイソメトリックデバイスは、ケーシングの上面12上に配置される。したがって、図3Cに示されるとおり、そのデバイスは、手の中にケーシングを把持するユーザの親指によって操作されるように構成される。力センサのロッドは、ケーシングの上面12に垂直に配置される。
【0085】
図4Aおよび図4Cに示される実施形態では、アイソメトリックデバイス31は、ケーシングの側面上に、この場合は、ケーシングの前面17上に配置される。
【0086】
図4Cに示されるとおり、このデバイスは、片手の中にケーシングを把持するユーザの指によって、例えば、人差し指または薬指によって操作されるように構成される。この場合、力センサのロッドは、ケーシングの前横面17に垂直に配置される。
【0087】
もちろん、ケーシング10の内部は、ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸の3つすべてを中心としたケーシングの傾きを検出するために、前述したアイソトニックデバイス20を組み込む。
【0088】
それらの実施形態では、独立型のナビゲーションデバイス10は、ナビゲーション空間におけるアクションを命令する信号も生成するための補助的なアイソメトリックデバイスを構成する2つの押しボタン32をさらに含む。
【0089】
それらの押しボタン32は、ケーシングを把持するユーザの指によって操作される。
【0090】
このようにして、直観的なジェスチャ、および人間工学的な手の動きをユーザに提供する、最適化されたナビゲーションデバイスが得られる。このデバイスは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションの豊かな可能性を提供するのと同時に、片手、およびその手の指だけで操作されることが可能である。
【0091】
次に、前述したナビゲーションデバイスを使用して、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのシステムの例を説明する。
【0092】
概して、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションのための本発明によるシステムは、前述した独立型のナビゲーションデバイスと、ケーシングの傾きを表す信号、およびアイソメトリックデバイスから来る制御信号を考慮に入れて、少なくとも3つの次元を有する空間において少なくとも1つのアクションを生じさせるように構成された処理手段とを含む。
【0093】
最初に、図5に関連して、仮想空間におけるナビゲーションのためのシステムを説明する。
【0094】
仮想空間は、現実の空間を表現するための2つより多くの次元を有するデータベースから成る。このタイプの仮想空間は、特に、ビデオゲームのために使用されるが、シミュレータのためにも使用される。また、このタイプの仮想空間は、地理データベースまたは地図データベースなどの、情報データベースを表現するのに使用されることも可能である。
【0095】
この仮想空間は、コンピュータ100の中に格納されたアプリケーションコンテキストに基づいて規定される。
【0096】
このため、ナビゲーションシステムは、無線周波数リンクをシリアルリンクに変換するように構成された変換器110を含む。この変換器110は、ナビゲーションデバイス10のアイソトニックの動きに由来する信号、およびナビゲーションデバイス10に実装されたアイソメトリックデバイス上のアクションに由来する信号を、コンピュータ100のシリアルリンク120を介して伝送する。このため、それらの信号は、アプリケーションコンテキストの中に格納されたデータと一緒に、処理手段130に伝送される。
【0097】
処理手段130は、センサによって供給されたデータをマージして、アプリケーションコンテキスト、特に、2つまたは3つの次元を有するコンテンツのタイプ、実行されるべきナビゲーションのタイプ、および、該当する場合、高度などの、いくつかの環境パラメータを解析するように構成される。
【0098】
処理手段は、センサによって供給されたデータから、ナビゲーションデバイス10の回転の角度を計算し、受信されたデータ、計算された回転角、コンテキストの、特に、実行されるべきナビゲーションのタイプの解析に応じて、実行されるべきアクションセットを割り出すように構成される。
【0099】
次に、それらのアクションが、仮想空間140内で実行されて、例えば、コンピュータ100のスクリーン上に表示された空間の仮想表現上で、視点の動き、または物体の動きの形態をとる。
【0100】
次に、図6ないし図17に関連して、仮想空間における、特に、3つの次元を有する仮想空間におけるナビゲーションの様々な例を説明する。
【0101】
後段で説明されるすべてのナビゲーション方法において、以下の規定および基準が、適用される。すなわち、
独立型のナビゲーションデバイス10に関して、処理手段の入力において、ナビゲーションデバイス10の現実の空間における基準位置に対応する基準値を考慮することが可能である。
【0102】
このため、加速度計22に関して、データAXref、AYref、およびAZrefが規定され、磁力計23に関して、基準値MXref、MYref、およびMZrefが規定される。
【0103】
加速度計および磁力計のそれらの基準値から、前段で説明したように、回転RXref、RYref、およびRZrefに対応する、空間における3つの軸に関するナビゲーションデバイスの傾きの値が、計算される。
【0104】
アイソメトリックセンサが、力に敏感である、例えば、ポテンショメータ、またはネイルタイプの力センサである場合、ポテンショメータに関する入力基準値VP1refおよびVP2ref、またはナビゲーションデバイス10の基準位置におけるネイルタイプの力センサの3つの軸X、Y、およびZに関して測定された力の大きさに対応する、ネイルタイプの力センサに関する入力基準値、CLXref、CLYref、およびCLZrefを割り出すことも可能である。
【0105】
処理手段に供給されるこの入力基準データには、仮想空間における基準位置が対応する。
【0106】
使用されるシステムがどのようなものであれ、3つの次元を有する仮想空間において、仮想空間の3つの次元を規定する軸X、Y、Zに関する3つの回転を表す角座標ROTX、ROTY、およびROTZが、使用され、アプリケーションによって規定される仮想空間において考慮されるべき物体の、3つの平面X、Y、およびZにおける位置POSX、POSY、およびPOSZが使用される。
【0107】
実際上、仮想空間におけるナビゲーションが、その空間を探索することに存する場合、ユーザは、仮想空間内部の観客として扱われる。処理手段の出力において、このように割り出される角座標および位置は、観客が仮想空間を眺めるカメラの位置を変更するのに使用される。
【0108】
仮想空間におけるナビゲーションが、その空間において仮想物体を観察すること、または操作することに存する場合、ユーザは、仮想空間自体の外部の観客として扱われる。その場合、出力データは、仮想空間に対する物体自体の位置に適用される。
【0109】
このため、出力値として、角位置出力値ROTXref、ROTYref、およびROTZref、ならびに位置出力値POXref、POSYref、およびPOSZrefに対応する、仮想空間におけるカメラの、または物体の基準位置が、規定される。
【0110】
さらに、以下の変数が、以下に規定される。すなわち、
DAX、測定された値と、軸Xに関する回転に敏感なアイソトニックセンサの1つに関するアプリケーションの初期設定時に格納された値との差。DAX=AX−AXref。
【0111】
差、MX−MXrefまたはRX−RXrefを使用することも同様に可能であることに留意されたい。堅牢性の理由で、それでも、加速度計から来る生の値を使用することが好ましい。
【0112】
DAY、測定された値と、軸Yに関する回転に敏感なセンサの1つに関するアプリケーションを初期設定した際に格納された値の差。DAY=AY−AYref。
【0113】
前述の場合と同様に、MY−MYrefまたはRY−RYrefも同様に使用されることが可能である。
【0114】
DRX、軸X上の角度の計算された瞬時値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0115】
DRY、軸Y上の角度の計算された瞬時値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0116】
DRZ、軸Z上の角度の計算された瞬時値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0117】
DPT、PTの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0118】
DCLX、CLXの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0119】
DCLY、CLYの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0120】
DCLZ、CLZの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0121】
KV、高度POSZに応じた、すなわち、仮想空間における垂直軸Z上の物体の位置に応じた、動きの速度に関する倍率係数。例えば、KV=POSZ/500。
【0122】
もちろん、高度と地面の高さがともに関与する、速度を計算するためのより高度な関数の他の倍率係数も、使用されることが可能である。
【0123】
KZ、高度の動きに関する速度倍率係数。例えば、KZ=POSZ/1000。
【0124】
KL、高度に応じた横方向の動きに関する速度倍率係数。例えば、KL=POSZ/2000。
【0125】
FLTSPD、飛行速度パラメータ。このパラメータは、アイソメトリックセンサが押しボタンである場合、固定であり、システムによって事前設定されることが可能である。このパラメータは、可変であり、ポテンショメータの出力値、またはネイルタイプの力センサの出力における値CLX、CLY、またはCLZの1つに応じることも可能である。このため、この飛行速度パラメータは、このケースでは、ユーザによってアイソメトリックデバイスにかけられた力の、その力の印加の軸に沿った強さに応じて変更されることが可能である。
【0126】
DeltaX、カメラの垂直方向の向き。多くのタイプのアプリケーションにおいて、コンピュータを前に座ったユーザの視覚的な快適さを向上させるため、カメラの位置は、約10度の下向きの傾きで固定されて、仮想空間における動きの間に、視界を大きくするようにする。この向きは、仮想空間のより良好な視覚化をもたらす。このケースでは、角座標ROTX=DeltaXである。
【0127】
DeltaY、カメラの水平方向の向き。いくつかのアプリケーションでは、視覚的快適さを高めるために、カメラが、水平方向のままであることが好ましい。このケースでは、飛行機の飛行などの、動きをシミュレートすることが問題なのではなく、視界の水平方向の変更につながる可能性がある現実の要因を考慮に入れることなしに、その動きをできる限り快適にすることが問題である。その場合、カメラの水平方向の向きは、カメラの角座標ROTY=DeltaYであるように固定される。他のタイプのアプリケーションでは、カメラの角座標ROTYによって規定されるカメラの傾きは、可変であることが可能である。
【0128】
ThresholdAx、ナビゲーションデバイスの軸Xに関する調整の閾値。この閾値は、ナビゲーションデバイスの小さい動きが、それらの動きが閾値未満に留まっているという条件付きで、無視されることを可能にして、仮想空間においてナビゲートしている際に、安定した位置を保ち、独立型のナビゲーションデバイスを操作しているユーザの意図的でない震えに反応しないようにする。
【0129】
ThresholdAy、前述の場合と同様に、ユーザの意図的でない震えが無視されることを可能にする、独立型のナビゲーションデバイスの軸Yに関する調整の閾値。
【0130】
以上の調整閾値を使用することは、場合により、リアル感を犠牲にして、仮想空間においてナビゲートする際の快適さを優先させる。
【0131】
CoefAx、高度に比例するように垂直軸に関する動きを調整するための係数。後段で説明する応用例では、現実の高度が、使用される。代わりに、超えると現実の高度が考慮に入れられる閾値を条件として、地面に対する高さが、使用されてもよい。
【0132】
AzimuthStep、垂直軸Zを中心とする、水平平面における回転のケースにおける動きの単位ステップ。
【0133】
PIVOT、方向の即時の変化の実現を示すための変数。
【0134】
DeltaZ、水平平面において測定されたカメラの瞬時角位置と初期角位置の差。
【0135】
ResultAngleMax、計算された回転角がとることが可能な最大値、例えば、360度。
【0136】
ResultAngleMin、計算された回転角がとることが可能な最小値、例えば、0度。
【0137】
RotationDirection、任意の時点におけるカメラの回転の方向を規定する。
【0138】
最初に、図6に関連して、3つの次元を有する仮想空間においてナビゲートするための方法を説明する。この実施形態では、仮想環境を探索するために鳥の飛行タイプの動きをシミュレートすることが問題である。したがって、ユーザが、仮想空間を眺めるカメラの撮影ポイントおよび角度を変更することが問題である。
【0139】
この参照モードは、仮想空間において停止する、前進する、または後退する、旋回する、上昇する、または降下することを可能にしなければならない。
【0140】
この実施形態では、図6によく示されるとおり、ナビゲーションデバイス10上で実行されたアイソトニックのアクションにより、特に、上昇する、降下する、右に旋回する、または左に旋回するのに使用される入力値AXおよびRZが生成される。
【0141】
この実施形態では、アイソメトリックのアクションは、操作により、仮想空間において前進する、または後退するための制御信号が生成される、2つの押しボタンBP1およびBP2の仲介で実行される。
【0142】
押しボタンBP1およびBP2に関連する制御信号は、仮想空間の水平平面における前進または後退を生じさせる。押しボタンBP1またはBP2のいずれも、ユーザによって操作されなかった場合、仮想空間において全く動きはない。
【0143】
高度の変化は、軸Xを中心とする独立型のナビゲーションデバイス10の傾きを変更して、それによって値AXを変更することによってもたらされる。差DAXが、事前設定された閾値ThresholdAXと比較される。
【0144】
このため、高度の変化は、上昇するのにナビゲーションデバイス10の前部を上に傾け、降下するのにナビゲーションデバイス10の前部を下に傾けることによってもたらされる。第2の押しボタンBP2が、操作され、したがって、後退がもたらされた場合、高度軸上の動きの方向は、人間工学、および人間の論理の理由で逆転される。
【0145】
視覚化を容易にするのに、この実施形態では、カメラの垂直傾斜軸は、地面に対して15度に固定され、カメラの傾きは、0度に固定されて、仮想空間においてナビゲートする際の視覚的快適さを向上させるようにする。
【0146】
さらに、仮想空間における左旋回および右旋回は、方位角に応じて、すなわち、軸Zを中心とする回転RZに応じて命令される。このため、旋回は、ナビゲーションデバイス10を水平平面でコンパスのように回すことによってもたらされる。そのデバイスが、いわゆる静止エリアを離れた、すなわち、回転角RZの絶対値が、所定の閾値ThresholdRZを超えた場合、ナビゲーションデバイス10が、その静止位置に戻るまで、仮想空間において左に回転すること、または右に回転することを命令する信号が、印加される。
【0147】
水平平面における前進または後退の速度は、FLTSPDなどの、前もって決定されたパラメータに応じる。
【0148】
以下に、例として、ナビゲーションデバイスによって送出された入力信号を処理して、仮想空間においてナビゲートするための制御出力信号を生成するためのアルゴリズムを与える。
【表1】
【0149】
この実施形態は、図7に示されるとおり、わずかに変更されることが可能である。
【0150】
その場合、仮想空間における動きの同一の可能性を有する鳥の飛行タイプの動きをシミュレートすることが問題である。
【0151】
水平平面において右旋回および左旋回が、水平平面においてナビゲーションデバイス10を回すことによってもたらされる前述した実施形態とは異なり、この場合、旋回は、独立型のデバイス10を横に傾けることによって、すなわち、軸Yに関するデバイス10の傾きを変えることによってもたらされる。
【0152】
このため、アイソトニックのアクションのレベルにおける入力データとして、軸Yに関連する加速度計によって与えられた値AYが考慮される。差DAYの絶対値が、基準ThresholdAyを超えた場合、ナビゲーションデバイス10が、開始基準位置に近い、デバイス10の静止位置に戻るまで、右への回転、または左への回転が、カメラに加えられる。
【0153】
処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を以下に与える。すなわち、
【表2】
【0154】
前述した2つの実施形態を組み合わせることも、想定されることが可能である。
【0155】
視覚的快適さを向上させるのに、カメラの垂直方向の回転および傾きは、固定である。
【0156】
回転は、ナビゲーションデバイスを横に傾けること、すなわち、軸Yに関するデバイスの回転角を変更することと、ナビゲーションデバイスを、デバイスの平面において横に回転させること、すなわち、軸Zに関するデバイスの回転角を変更することを同時に行うことによってもたらされることが可能である。
【0157】
その実施形態で使用されるその処理アルゴリズムの例を以下に与える。すなわち、
【表3】
【0158】
このタイプの参照は、飛行機の飛行をシミュレートするために、図8に示されたようにさらに改良されることが可能である。
【0159】
この参照モードは、ユーザの視覚的快適さを向上させるためにカメラの向きが固定である、前述した2つの実施形態とは異なり、飛行中にカメラの向きを変更する特定の特徴を有する。
【0160】
逆に、この実施形態では、仮想空間におけるナビゲーションのリアル感を優先させることが要求される。
【0161】
さらに、飛行機の飛行をシミュレートすることが問題なので、カメラの後退は、望ましくない。そのアクションは、押しボタンの1つ、この場合は、BP2が、ユーザによって操作されてすぐの、カメラの、その場での半回転によって取って代わられなければならない。
【0162】
より良好な視覚的快適さのため、カメラの傾きの角度は、その傾きを、軸Xを中心としたナビゲーションデバイスの傾きの角度に直接に、ただし、例えば、1/2の比で結合することにより、変更されない。
【0163】
他方、Y軸に対するカメラの傾きに関して、ユーザの視覚的快適さを増進させるために、この角度を固定に保つことが好ましい。
【0164】
最後に、この実施形態では、右旋回および左旋回は、前述の場合と同様に、ナビゲーションデバイス10を、軸Yに関して右または左に傾けることによってもたらされ、仮想空間の軸Zを中心とする回転の速度は、ナビゲーションデバイス10の軸Yに関する、この傾きの大きさにさらに応じる。
【0165】
仮想空間におけるこのタイプの動きを制御するのに処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を、以下に与える。
【表4】
【0166】
前述した3つの実施形態では、ナビゲーションデバイスは、2つの押しボタンBP1、BP2の形態でアイソメトリックデバイスを含む。
【0167】
前述したとおり、他のタイプのアイソメトリックデバイス、特に、ポテンショメータPT、またはネイルタイプの力センサが、使用されてもよい。
【0168】
そのようなケースでは、図9に示されるとおり、図8に関連して前述した実施形態に関して、アイソメトリックデバイス上のアクションは、もはや、全か無かというタイプの2値アクションではなく、アナログアクションである。
【0169】
したがって、ポテンショメータによって生成された信号は、アイソトニックデバイスによって供給される信号と同じように解析される。特に、ポテンショメータの出力において測定された値の、システムの初期設定時に固定された基準値からの差が、所定の閾値ThresholdPTと比較されて、この比較の結果に応じて、仮想ナビゲーション空間において前進アクションまたは後退(または半回転)アクションが、実行されることになる。
【0170】
次に、図10に関連して、仮想空間におけるナビゲーションが、衛星の上空通過をシミュレートする、別の実施形態を説明する。
【0171】
このタイプの参照は、停止する、仮想空間のディスプレイスクリーンに関する4つの方角(東西南北)に向かって動く、旋回する、上昇する、または降下する可能性を与えなければならない。
【0172】
この実施形態では、ディスプレイスクリーン上の動きは、例えば、相対的北が、スクリーンの上側に対応し、相対的南が、スクリーンの下側に対応し、相対的西と相対的東が、スクリーンの左側と右側にそれぞれ対応するように、パラメータが設定されている。
【0173】
相対的北に向かう動きは、例えば、ナビゲーションデバイス10の前部を下向きに傾けることによってもたらされ、相対的南に向かう動きは、ナビゲーションデバイス10の後部を下向きに傾けることによってもたらされる。相対的西に向かう動きは、ナビゲーションデバイス10を左に向かって傾けることによってもたらされ、相対的東に向かう動きは、ナビゲーションデバイス10を右に向かって傾けることによってもたらされる。
【0174】
したがって、ナビゲーションデバイス10の水平軸XおよびYを中心とする傾きに応じて、4つの方角に向かう動きが、得られることが可能である。動きの速度を計算するのに、前段で規定した倍率係数KVが、使用され、倍率係数KVの値は、この実施形態では、KV=POSZ/2000であるように、したがって、高度における位置に応じるように設定されることが可能である。
【0175】
衛星の上空通過タイプの参照モードが問題となっているので、衛星は、地面の方を見ていると考えられる。したがって、カメラは、地面に向けられて、値ROTX=−90°であるようになっている。
【0176】
前述の場合と同様に、右への回転、または左への回転は、ナビゲーションデバイス10の軸Zを中心とする回転RZの値から得られることが可能である。
【0177】
さらに、ナビゲーションデバイス10が備える2つの押しボタンの1つ、この場合は、押しボタンBP1を押すことにより、ナビゲーションデバイス10の垂直方向の傾きに応じて、カメラの垂直方向の位置が変更される。実際上、ナビゲーションデバイス10の前部が、下向きに傾けられた場合、高度の降下がもたらされ、ナビゲーションデバイス10の前部が、上向きに傾けられた場合、高度の上昇がもたらされる。
【0178】
右に旋回するためのアクション、または左に旋回するためのアクションは、押しボタンBP2が同時に押された場合にだけ、もたらされる。
【0179】
したがって、ユーザの快適さが、様々な可能な動きの相互の関連を解くことによって最適化される。
【0180】
特に、このタイプのナビゲーションでは、2つの段階、サーチ段階と参照段階が区別されることが可能である。
【0181】
サーチ段階では、4つの方角に向かう動きが、主に使用される。他方、参照段階では、左への回転、および右への回転が、使用される。
【0182】
押しボタンBP1を押すことにより、方角による動きがロックされて、ユーザは、表示された地図を、ユーザが必要とするとおり正確に位置付けることができるようになる。
【0183】
垂直方向の動きに関して、したがって、参照の高さの選択に関して、ユーザは、段階のそれぞれにおいて、視覚的快適さを最適化するようにユーザの視点を変更する必要がある。したがって、押しボタンBP2によって、左への回転と右への回転、および水平の動きを阻止することが好ましい。
【0184】
以下に、例として、入力値から、仮想空間におけるナビゲーションのための出力制御信号を計算するのに、プロセッサ手段によって使用されるアルゴリズムを示す。
【表5】
【0185】
同一の応用例に関して、押しボタンBP1およびBP2が、ポテンショメータ、またはネイルタイプの力センサなどの、力に敏感なアイソメトリックデバイスによって取って代われた場合に使用される処理アルゴリズムが、図11に示されている。
【0186】
そのようなケースでは、高度の上昇のためのアクション、または高度の降下のためのアクションは、ポテンショメータの出力において測定された値、およびこの値と基準値の差の、所定の閾値ThresholdPTとの比較だけによって制御されることが可能である。同じことは、ポテンショメータが、ネイルタイプのセンサによって取って代わられた場合にも、例えば、ネイルの変形軸X上で測定された値CLXから始まって、当てはまる。
【0187】
次に、図12に関連して、仮想空間における動きが、ヘリコプタタイプである、本発明の別の実施形態を説明する。
【0188】
そのタイプの動きでは、停止する、前進する、または後退する、上昇する、または降下する、その場で回転する、動きながら回転する可能性を有することも必要である。また、特定のポイントを中心として回転することができる能力を有することも必要である。
【0189】
仮想空間の水平平面XYにおける横の動きに関して、動きの速度は、高度に応じ、これに関して、値が、KV=POSZ/1000に等しいことが可能な倍率係数KVが、使用される。
【0190】
前段で既に説明したとおり、上昇するアクション、および降下するアクションは、ナビゲーションデバイス10を、デバイス10の軸Xに対して動かすことによって得られることが可能であり、右に旋回するアクション、または左に旋回するアクションは、ナビゲーションデバイス10の軸Zを中心とする回転の動きに応答して得られることが可能であり、右にドリフトするアクション、または左にドリフトするアクションは、水平方向軸Yに関してデバイスを傾けることによって得られることが可能である。
【0191】
軸Zを中心としてナビゲーションデバイスの回転と、軸Yに関するナビゲーションデバイスの傾きを組み合わせることにより、右への回転と左へのドリフト、または左への回転と右へのドリフトを得ることが可能であり、あるポイントを中心とする回転が、そのポイントを仮想空間における十字線上に保ちながら可能になる。
【0192】
鳥の飛行をシミュレートするための前述した実施形態の場合と同様に、適宜、ポテンショメータタイプの力センサ、またはネイルタイプの力センサによって取って代わられる、押しボタンタイプのアイソメトリックデバイスBP1またはBP2上のアクションは、仮想空間において前進するアクション、または後退するアクションを生じさせる。
【0193】
この実施形態において処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表6】
【0194】
次に、図13に関連して、仮想空間におけるナビゲーションにより、ユーザによって操作される独立型のナビゲーションデバイスと同じようにカメラを向ける、本発明の別の実施形態を説明する。この向きは、磁北を基準として絶対的であり、ナビゲーションデバイスのアイソメトリックデバイスの1つにアクションが加えられた際に、ナビゲーションデバイスの向きに応じて、正確なポイントを向くことができるようにする。このようにして、ポインタのようなタイプのナビゲーションが、得られる。
【0195】
指向をより正確にするように、この応用例において、狙いを定めるための十字線を提供することが可能である。
【0196】
この実施形態では、回転角RX、RY、およびRZに対応する、ナビゲーションデバイス10の様々な軸X、Y、Zを中心として計算された角度値は、仮想空間におけるカメラの角度に直接に割り当てられる。
【0197】
このため、カメラの角座標ROTX、ROTY、およびROTZは、ナビゲーションデバイス10の仰角値RX、ねじれ値RY、および方位角値RZと等しい。
【0198】
押しボタンBP1またはBP2の一方または他方の操作に応じて、向いた方向の動きのアクション、および向いた方向とは逆の方向の動きの方向が、もたらされる。
【0199】
この実施形態において実行される処理アルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表7】
【0200】
同一のタイプの応用例において、図14は、アイソメトリックデバイスが力に敏感である場合に使用されるアルゴリズムを示す。その例では、アイソメトリックデバイスは、ポテンショメータである。他の実施形態において前段で説明したとおり、所定の閾値ThresholdPTに応じて、ポテンショメータに対するアクションは、向いた方向の動き、または向いた方向とは逆の方向の動きを生じさせる効果を有する。
【0201】
このコンパスタイプの動きのモードは、いくつかの変種があることが可能である。
【0202】
特に、以降、「gaz」として表される変数の助けを借りて、動きの速度を調整することが可能である。また、動きの方向も、押しボタンタイプBP1およびBP2のアイソメトリックデバイスによってではなく、デバイスの横への傾きの値、すなわち、軸Yを中心とするデバイスの回転で直接に与えられることが可能である。
【0203】
その場合、処理手段によって使用されるアルゴリズムは、以下の形態をとる。すなわち、
【表8】
【0204】
別の実施形態では、ナビゲーションは、ナビゲーションデバイスが、軸Zに関して、デバイスの静止位置から離された場合、右に旋回する、または左に旋回することを可能にする、1次元を有するコンパスとして、コンパスが振舞うように、単純化されることが可能である。軸Xに関するナビゲーションデバイスに対するアクションは、デバイスを前方に、または後方に傾けることにより、高度を上げる、または高度を下げる役割をする。また、ナビゲーションデバイス10の軸Yに関する横への傾きに比例した前進または後退が存在することも可能である。
【0205】
このタイプの実施形態では、高度に応じた横への動きの速度に関する倍率係数を、POSZ/5000タイプの値に固定することが有利である。
【0206】
その特定の実施形態を示すアルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表9】
【0207】
前述した方法では、軸X(AX)または軸Y(AY)に関して加速度計によって与えられる生の値の使用は、磁力計(MXまたはMY)の出力値の、あるいは軸X(RX)に関する、または軸Y(RY)に関する、計算された角度値の使用によって取って代わられることが可能であることに留意されたい。
【0208】
もちろん、使用される各タイプのセンサおよびデータに適切な閾値を使用することが必要である。
【0209】
前述した実施形態と同様の方法で、他のタイプの応用例も、仮想ナビゲーション空間において実施されることが可能である。
【0210】
特に、地表面上、または水面上におけるキャラクタまたは乗り物の動きが問題であることが可能である。
【0211】
前述の実施形態とは異なり、高度は、変更されない。
【0212】
他方、キャラクタまたは物体は、仮想空間において、停止する、前進する、または後退する、その場で旋回する、物体を中心に旋回する、左側方に、または右側方に動く、または頭を上げる、または下げることによって視線の向きを変えることができなければならない。
【0213】
また、前述したナビゲーション方法のすべてが、高度の概念を使用する「上昇」アクションおよび「降下」アクションの割り当てを変更することによって、このタイプの応用例において使用されることも可能である。
【0214】
代わりに、そのタイプのアクションは、カメラの垂直方向の向きを変更して、すなわち、ユーザの視点を変更して、見上げること、または見下ろすことをシミュレートするために使用されることが可能である。
【0215】
図15は、建造物内、または都市における動きのタイプの、仮想空間においてキャラクタをナビゲートする一例の図である。
【0216】
処理手段によって使用されるアルゴリズムは、飛行機またはヘリコプタをシミュレートすることに関する前述した実施形態において使用されるアルゴリズムと同様であり、高度の調整だけが、除かれている。
【0217】
特に、ナビゲーションデバイス10の軸Xに関する仰角RXの値は、カメラを垂直方向に向けて、キャラクタの視線が、上方に、または下方に向けられるようにするために、角位置ROTXに比例するように直接に関連付けられる。
【0218】
軸Zを中心としてナビゲーションデバイスを回転させることは、右に旋回する、または左に旋回するためのアクションを生じさせ、軸Yを中心としてナビゲーションデバイスを傾けることも、右または左へのキャラクタのドリフトの動きを生じさせる。
【0219】
前述の場合と同様に、押しボタンの一方、または他方BP1を操作することは、キャラクタが、仮想空間において前進する、または後退することにそれぞれ対応する。
【0220】
仮想空間における、このタイプのナビゲーションにおいて処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表10】
【0221】
前述の実施形態の場合と同様に、アイソメトリックのアクションは、ポテンショメータ、またはネイルタイプの力センサを使用しても、同様にもたらされることが可能である。
【0222】
次に、図16および図17に関連して、ナビゲーションが、もはや、仮想空間において探索すること、または動き回ることに存するのではなく、代わりに、仮想空間における3次元の物体を操作し、検査することに存する、本発明の別のタイプの応用例を説明する。
【0223】
特に、ナビゲーションデバイス10を使用して、6つの自由度に従って物体を動かして、物体の全体を観察することができるようにすることが問題である。
【0224】
実際上、このタイプのナビゲーションでは、物体を自体で、すべての方向で回すこととともに、できる限り自然にかつ容易に、物体を動かすことが可能でなければならない。
【0225】
前述の場合と同様に、3つの自由度を有するアイソトニックセンサと、そのアイソトニックセンサから相互の関連が解かれた、3つの自由度を有するアイソメトリックセンサとを組み込んだナビゲーションデバイス10が、使用される。
【0226】
前述したとおり、3つの自由度を有するアイソメトリックセンサは、ナビゲーションデバイスに関連する3つの軸X、Y、およびZに沿ってかけられた力に敏感なネイルタイプの力センサを使用することによって得られることが可能である。
【0227】
前述したとおり、水平平面の軸Xと軸Yに沿ってかけられる力は、双方向であるのに対して、力センサ上の垂直軸Zに沿ってかけられる力は、単方向である。アイソメトリックセンサを補完し、3つの自由度を得るために、少なくとも1つの補完的押しボタンが、ネイルタイプの力センサに結合される。
【0228】
図16に示される第1の実施形態では、物体の視覚化は、小さい、いわゆる相対的な動きによってもたらされる。それは、瞬時である、物体の動きを規定する、瞬時位置と静止位置の差である。
【0229】
軸X、Y、およびZを中心とするナビゲーションデバイス10の、空間における変化が、視覚化されるべき物体を、それぞれ軸X、Y、およびZを中心として回転させるためのアクションを直接に制御する。
【0230】
仮想空間においてもたらされる、それら3つの回転に並行して、アイソメトリックデバイスは、その空間における3つの双方向の並進を制御する。
【0231】
図16に示されるとおり、方向Xで力センサに力が加えられることにより、例えば、右または左に向かう物体の動きが制御される。
【0232】
同様に、力センサ上における、垂直の軸Yに沿った動きにより、物体に向かう、または物体から離れることに存するズーム機能が制御される。
【0233】
空間の第3の次元における、下向きまたは上向きの最後の動きは、垂直軸Zに沿ってかけられ、かつ押しボタンに対するアクションの有無と結び付けられた、力センサに対するアクションによってもたらされる。
【0234】
このため、図示される実施形態では、ユーザが、押しボタンを操作し、同時に、方向Zでセンサに力をかけた場合、下向きの動きが、もたらされる。逆に、押しボタンが操作されず、軸Zに沿って力センサにアクションが加えられただけである場合、上向きの動きが、もたらされる。
【0235】
さらに、以上の動きのすべては、漸進的であり、3つの方向X、Y、およびZでセンサにかけられた力の強さに応じることが可能である。
【0236】
そのケースでは、前述した方法とは異なり、ユーザの視点に対応して、使用されかつ変更されるのは、視覚化される物体の位置座標および回転角座標であり、カメラの座標ではない。
【0237】
第2の実施形態が、図17に示されている。
【0238】
この場合、ナビゲーションデバイス10の動きの絶対的検査と相対的検査をともに実行することが問題である。この実施形態では、絶対的検査は、視覚化される物体に関連する回転角に対して実行され、相対的検査は、軸方向の動きに対して実行される。
【0239】
このため、物体の角度の向きは、ユーザによってナビゲーションデバイス10に与えられる向きと同様である。他方、アイソメトリックデバイスによって制御される並進の動きは、前述した動きと同一である。
【0240】
このタイプのナビゲーションにおいて、変形形態は、もはや、視覚化される物体に、動きの値および向きの値を適用せず、代わりに、物体を中心として動かされるように構成されたカメラに適用される。
【0241】
カメラの回転と、横への動きを同時に可能にする処理アルゴリズムは、カメラのドリフトと回転が同時に組み合わされる、ヘリコプタタイプのナビゲーションモードに関して前段で与えた処理アルゴリズムの例と同様である。
【0242】
もちろん、仮想空間におけるナビゲーションの以上の例は、限定的ではない例としてだけ与えられている。
【0243】
コンピュータ上で実行される仮想空間における以上のナビゲーションと並行して、例えば、本発明は、現実の空間における現実の物体の操作および検査にも同様に適用される。
【0244】
特に、本発明は、遠隔制御される飛行機またはボート、または無人タイプの飛行機を制御することに適用されてもよい。
【0245】
図18は、特に図1に関連して前段で説明し、ここで再び説明することはしないナビゲーションデバイス10を使用する、ナビゲーションシステムを示す。
【0246】
ナビゲーションデバイス10によって送信されるデータは、この応用例では、遠隔制御される無人機200の受信手段201に直接に送信される。
【0247】
搭載されたコンピュータ202が、処理アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサ手段203を含み、このアルゴリズムは、受信されかつマージされたデータから始めて、無人機の様々なコントロールに、もたらされるべきアクションを割り出すために、ナビゲーションデバイスの回転角RX、RY、およびRZを計算するように構成される。
【0248】
実際上、変換デバイス204が、プロセッサ手段203によって供給されたデジタル信号からアナログ制御信号を生成するために、搭載されたコンピュータに提供される。
【0249】
このため、概ね、安定装置、補助翼、垂直尾翼、およびエンジンから成る、無人機のコントロール205が、無人機の動き、特にピッチ、ロール、およびヨーを制御するため、および無人機が動く速度を制御するために、直接に制御されることが可能である。
【0250】
無人機は、図19および図20に示されるとおり、2つのタイプのコントロールによって操縦されることが可能である。
【0251】
第1のケースでは、初心者のユーザが、無人機を操縦することを可能にすることが問題である。
【0252】
特に、上昇するアクション、および降下するアクションが、軸Xに関するナビゲーションデバイス10の位置を変更することによって制御されることが可能である。安定装置の電圧は、ナビゲーションデバイス10に加えられるアクションに応じる比例関数に従って変更される。
【0253】
このため、安定装置の電圧は、例えば、入力データDeltaAXに応じる。
【0254】
同様に、無人機の右向きの回転、または左向きの回転をもたらすのに、軸Yを中心とするナビゲーションデバイス10の傾きに応じる比例関数が、右の補助翼の電圧、左の補助翼の電圧、および垂直尾翼の電圧が、それぞれ、入力データDeltaAYの比例関数となるように使用されることが可能である。
【0255】
ナビゲーションデバイス10の回転によって制御される以上のアクションと並行して、アイソメトリックデバイス、および、例えば、ポテンショメータPTに対するアクションが、値DeltaPTに応じる比例関数に従って、無人機の加速および速度を制御する。
【0256】
図20に示される別の実施形態では、無人機を操縦するモードは、ナビゲーションデバイス10に加えられるアクションが、特に、デバイスの傾斜角RX、RY、およびRZが、安定装置、補助翼、および垂直尾翼の制御に直接に適用されるという前提で、熟練者タイプであり、経験豊富なユーザのために取っておかれていることが可能である。
【0257】
特に、安定装置の電圧は、RXに応じる比例関数であることが可能であり、補助翼の電圧は、RYに応じる比例関数であることが可能であり、垂直尾翼の電圧は、RZに応じる比例関数であることが可能である。
【0258】
前述の場合と同様に、無人機の速度は、ポテンショメータの値に応じる比例関数によって制御されることが可能である。
【0259】
このため、本発明は、現実の空間において飛行機タイプの飛行物体を制御することができる。ナビゲーションデバイスは、水上のボートの動きを制御するのにも同様に使用されることが可能であり、その場合、高度を変更する「上昇」または「降下」の概念は、除かれる。
【0260】
もちろん、本発明の範囲を逸脱することなく、多数の変更が、前述した実施形態に加えられることが可能である。
【0261】
特に、以上に、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに専用のナビゲーションデバイスを説明してきたが、そのナビゲーションデバイスは、コンピュータマウスが備える標準の手段のような、2つの次元を有する仮想空間におけるポインティングのための手段をさらに含んでもよい。2位置ボタンタイプの切り換え手段が、ユーザによってデバイスが操作されて、ケーシングの傾きを検出し、したがって、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションする、動作モードから、デバイスが、例えば、作業面上で動かされる、2つの次元を有する仮想空間におけるポインタとして作用する第2の動作モードに切り換えるのに使用されてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスに関する。
【0002】
また、本発明は、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのナビゲーションシステムおよび方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
ナビゲーションという用語は、仮想空間における探索およびサーチも、複数の次元を有する空間における物体の検査および操作もともに包含する。その場合、空間は、仮想空間であっても、現実の空間であってもよく、仮想空間におけるナビゲーションは、より詳細には、カメラ、または無人タイプの飛行機の操作に関する。
【0004】
仮想空間において、ナビゲーションは、仮想空間に対して物体または視点を動かすことに存する。特に、仮想空間において移動物体を操作すること、または仮想空間において視点を動かすことの問題であることが可能である。このタイプのナビゲーションは、特に、3つの次元を有する仮想空間におけるビデオゲームにおいて、または地理データベースなどの、3つの次元を有するデータベースを探索するために使用される。
【0005】
3つの次元を有する空間におけるナビゲーションは、一般に、作業面上に置かれた周辺デバイスの助けを借りて実行される。
【0006】
3つの次元を有する空間において6つの自由度を有するナビゲーションを可能にするのに、2つのナビゲーションデバイスを独立に操作する両手の同時の使用を要求するシステムが、知られている。
【0007】
したがって、例えば、仮想空間におけるナビゲーションに関して、キーボードを、標準のマウスのように、平面で動ける周辺装置に、またはジョイスティックタイプの、空間で動ける周辺装置に関連付けることが、慣例的である。
【0008】
また、標準のマウスを、ジョイスティックタイプの第2のナビゲーションデバイスに関連付けることも、想定されることが可能である。
【0009】
ユーザの両手の同時の使用を要求する、それらの様々なナビゲーション方法は、ナビゲーションをそれほど直観的でないものにする。それらのナビゲーションデバイスを扱うことを習得することは、困難であり、長い時間を要し、多くのユーザに、大きな障害となる可能性がある。さらに、それらのナビゲーションデバイスは、一般に、デバイスが機能するのに、作業面の使用を要求する。
【0010】
このタイプのナビゲーション技術は、特に、米国特許出願公開第2002/140698号において説明されている。
【0011】
また、空間における3つの回転および3つの並進に対応する6つの自由度に敏感であるナビゲーションデバイスも、知られている。1つのそのようなデバイスが、例えば、米国特許第5923318号で説明されている。
【0012】
そのようなデバイスでは、ナビゲーションは、空間におけるデバイスの動きによって得られる。それはアイソトニックデバイスの問題である。次に、デバイスの動きは、現実のナビゲーション空間、または仮想ナビゲーション空間における様々な動きに変換される。
【0013】
しかし、同一のアイソトニックデバイス内における様々な自由度の結合のため、このタイプのナビゲーションデバイスは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/140698号明細書
【特許文献2】米国特許第5923318号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、前述した欠点を克服し、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに関して、ユーザによって即時に会得されることが可能なナビゲーションデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的で、本発明は、第1に、ユーザによって操作されるように構成されたケーシングを含み、ケーシングのピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシングの傾きを表す信号を生成するための手段を組み込んだ、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスを対象とする。
【0017】
本発明によれば、そのケーシングは、前記空間の少なくとも1つの軸に関する双方向の動きを制御するための信号を生成する少なくとも1つのアイソメトリックデバイスを組み込む。
【0018】
このため、この独立型のナビゲーションデバイスは、同一のケーシング内に一緒に集められた2つの切り離されたシステムから成る。第1のシステムは、そのシステムを組み込んだケーシングの、空間におけるアイソトニックな回転の動きに敏感であり、第2のシステムは、ナビゲーション空間においてアクションを生じさせるための少なくとも1つのアイソトニックデバイスから成る。
【0019】
ユーザによって操作される共通のケーシング内でそれらのアクションが切り離されているおかげで、ユーザは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションを直観的に会得することができる。
【0020】
アイソメトリックデバイスは、好ましくは、前記アイソメトリックデバイスの少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力に敏感であり、動き制御信号は、好ましくは、前記軸に沿ってかけられた力を表す信号である。
【0021】
そのようなアイソメトリックデバイスは、アイソメトリックデバイスの1つの軸に沿ってかけられた力に比例して、少なくとも3つの次元を有する空間における1つの自由度に関する漸進的なアクションを生じさせる。
【0022】
したがって、そのようなアイソメトリックデバイスは、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションのパフォーマンス、およびリアル感を向上させるために、ユーザによってデバイスにかけられた力を考慮に入れる。
【0023】
本発明の好ましい特徴によれば、アイソメトリックデバイスは、3つの軸に沿ってかけられた力に敏感であり、前記空間の3つの軸に関する双方向の動きを制御するための信号を生成するように構成される。
【0024】
アイソメトリックデバイスのおかげで、独立型のナビゲーションデバイスは、同一のケーシング内でアイソメトリックデバイスとアイソトニックデバイスの関連付けの相互の関連が解かれることを介して、少なくとも3つの次元を有する空間において6つの自由度を有するナビゲーションを可能にする。
【0025】
本発明の一実施形態では、ケーシングは、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイスは、ケーシングの上面に配置されて、前記ケーシングを片手に把持しているユーザの親指によって操作されるように構成される。
【0026】
代替として、そのケーシングは、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイスは、ケーシングの側面に配置されて、前記ケーシングを片手に把持しているユーザの指によって操作されるように構成される。
【0027】
そのような独立型のナビゲーションデバイスは、直観的なジェスチャ、および人間工学的な手の動きをユーザに提供する。片手だけで独立型のナビゲーションデバイスを操作することにより、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートすることが可能であり、あるいは、これと互いに関連して、少なくとも3つの次元を有する空間において物体を直観的に操作することが可能である。
【0028】
本発明の第2の態様は、本発明による独立型のナビゲーションデバイスと、ケーシングの傾きを表す信号、および少なくとも3つの次元を有する空間において少なくとも1つの動きを生じさせる制御信号を考慮に入れるように構成されたプロセッサ手段とを含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのシステムに関する。
【0029】
このナビゲーションシステムは、システムが使用するナビゲーションデバイスの特徴および利点と同様の特徴および利点を有する。
【0030】
また、このナビゲーションシステムは、以下の特徴も有する。すなわち、
ケーシングの傾きを表す信号は、ナビゲーション空間において3つの双方向の動きを生じさせるように構成され、
ケーシングの傾きを表す信号は、ナビゲーション空間における双方向の回転を制御するための信号を生成するように構成され、
制御信号は、前記ナビゲーション空間の3つの軸に関して双方向の動きを生成するように構成され、
制御信号は、独立型のナビゲーションデバイスのアイソメトリックデバイスの少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力を表す信号であり、制御信号は、その軸に沿ってかけられた力に応じて、空間において動きを生じさせるように構成され、
空間における動きは、その軸に沿ってかけられた力を表す信号と、所定の閾値との比較に応じ、
その軸に沿ってかけられた力を表す信号は、ナビゲーション空間において双方向の並進を生じさせるように構成される。
【0031】
最後に、本発明の第3の態様は、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートする方法に関する。
【0032】
本発明によれば、その方法は、以下のステップを含む。すなわち、
ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシングの傾きを表す信号を獲得するステップ、
前記ケーシングに組み込まれたアイソメトリックデバイスによって生成された、ナビゲーション空間における、その空間の少なくとも1つの軸に沿った双方向の動きを制御するための制御信号を獲得するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、ナビゲーション空間において少なくとも1つの双方向の動きを生じさせるステップ、および
前記制御信号から、前記ナビゲーション空間において少なくとも1つの第2の双方向の動きを生じさせるステップである。
【0033】
このナビゲーション方法は、特に、以下を含む。すなわち、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における双方向の回転を制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における双方向の並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における2つの双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における双方向の回転と、2つの双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における双方向の並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における並進を制御するための信号を生成するステップ、
ケーシングの傾きを表す信号から、空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップ、およびアイソメトリックデバイスによって生成された制御信号から、空間における3つの双方向の並進を制御するための信号を生成するステップである。
【0034】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の説明の過程でより明白となろう。
【0035】
添付の図面は、非限定的な例として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態による独立型のナビゲーションデバイスを示すブロック概略図である。
【図2】図1からのデバイスのアイソトニックセンサを示す概略図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図3B】本発明の第1の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図3C】本発明の第1の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図4A】本発明の第2の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図4B】本発明の第2の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図4C】本発明の第2の実施形態による独立型のナビゲーションデバイスのケーシングの一実施形態を示す図である。
【図5】仮想空間に適用された本発明によるナビゲーションシステムを示すブロック概略図である。
【図6】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図7】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図8】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図9】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図10】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図11】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図12】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図13】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図14】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図15】仮想空間の探索のために、本発明の様々な実施形態による、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図16】仮想空間において3次元を有する物体を操作するために、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図17】仮想空間において3次元を有する物体を操作するために、図5からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図18】遠隔制御される物体の制御に適用された本発明によるナビゲーションシステムを示すブロック概略図である。
【図19】無人タイプの遠隔制御される物体を操縦するために、図18からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【図20】無人タイプの遠隔制御される物体を操縦するために、図18からのナビゲーションシステムの処理手段によって使用される処理アルゴリズムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明による独立型のナビゲーションデバイスの一実施形態を、図1に関連して最初に説明する。
【0038】
そのデバイスは、ユーザによって操作されることが可能なケーシング10の形態をとる。
【0039】
このケーシングについては、後段で説明する。しかし、ケーシングは、ユーザによる良好な把持を可能にする外形を有することに留意されたい。
【0040】
このケーシングは、3つの自由度を有するアイソトニックセンサ20と、少なくとも1つのアイソメトリックセンサ30とを主に組み込む。
【0041】
アイソトニックセンサ20は、ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシングの傾きを表す信号を生成するように構成される。それらのアイソトニックセンサ20については、後段でより詳細に説明する。
【0042】
また、アイソメトリックセンサも、ナビゲーション空間におけるアクションを制御するための信号を生成するように構成される。
【0043】
アイソトニックセンサは、デバイスの動きに応じて、信号を生成するように構成されたデバイスであることを思い起こされたい。アイソメトリックデバイスは、圧力または力に敏感なデバイスである。アイソメトリックデバイスは、センサに印加された力を感知するが、知覚できるほど動かないように構成される。
【0044】
アイソトニックセンサおよびアイソメトリックセンサの例は、後段で与えられる。
【0045】
ナビゲーションデバイス10は、デバイス10のセンサ20、30の出力に接続された変換器40をさらに含み、変換器40は、信号を処理するためにアナログ信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号を処理手段に伝送するようにするように構成される。
【0046】
マイクロコントローラ41および無線周波数送信デバイス42が、変換器40にさらに結合される。
【0047】
また、バッテリシステム43も、ナビゲーションデバイス11のための搭載されたエネルギー供給装置として提供される。
【0048】
もちろん、送信システム42は、他の任意のタイプのデータ送信によって、場合により、ケーブル送信システムによってさえ置き換えられることが可能である。
【0049】
次に、3つの自由度を有するアイソトニックセンサの一例を、図2に関連して説明する。
【0050】
そのようなアイソトニックセンサの詳細な説明に関して、本出願者名義の仏国特許第2838185号を有利に参照することができる。
【0051】
特に、このセンサは、立方体の支持体21の形態をとる。この支持体は、位置決め基準の役割をし、3つの次元を有する基準系を構成する直交する軸X、Y、およびZの系を画定する。
【0052】
その実施形態では、センサは、3つの加速度計22と、3つの磁力計23とを含む。
【0053】
加速度計22によって供給される出力値AX、AY、およびAZ、および磁力計23によって供給される出力値MX、MY、およびMZから、軸Xと軸Yが水平であり、軸Zが垂直である基準系において、ピッチ軸Xに関する仰角RXの値、ロール軸Yに関するねじれRZの値、およびヨー軸Zに関する方位角RZの値を、計算によって算出することが可能である。
【0054】
値RX、RY、およびRZの計算は、特に仏国特許第2838135号で詳細に説明されている。
【0055】
実際には、それらの値を、加速度計などの、重力に敏感な単一のセンサ、および磁力計などの、磁界に敏感な単一のセンサから割り出すことが可能である。
【0056】
しかし、測定の堅牢性の理由で、少なくとも2つの加速度計と、少なくとも2つの磁力計とを使用することが好ましく、この実施形態では、3つの加速度計22と、3つの磁力計23を使用することが好ましい。
【0057】
以上に関連して、このナビゲーションデバイスは、地球物理学上の基準系(重力ldまたは地球の磁界によって規定される)などの絶対基準系から、回転角RX、RY、RZを生成するのに必要な手段を含むという意味で、独立型のデバイスであることに留意されたい。
【0058】
したがって、ナビゲーションデバイスが使用される環境において、外部基準系(例えば、磁界発生器または光場発生器を使用する)からの角度を計算する機器を提供する必要がない。
【0059】
ナビゲーションデバイスの空間における角度位置を測定するための、したがって、傾きおよび/または角度の測定値をもたらすためのアイソトニックセンサは、1つまたは複数のアイソメトリックデバイス30に結合される。
【0060】
本発明の第1の実施形態では、このアイソメトリックデバイスは、作動させると、ナビゲーション空間におけるアクション、例えば、ナビゲーション空間のある軸に沿った単方向の並進などの、例えば、単方向の動きを命令する信号を生成する、単一の押しボタン作動から成ることが可能である。
【0061】
双方向のアクションが要求される場合、ナビゲーション空間において所定のアクション、およびそのアクションの逆を命令する信号を生成するタイプの、押しボタンの操作(クリックまたはダブルクリック)を提供することが可能であってもよい。
【0062】
より単純には、アクション、およびそのアクションの逆、例えば、ナビゲーション空間における双方向の動きを得るために、2つの押しボタンをアイソメトリックセンサとして提供することが可能である。
【0063】
もちろん、ナビゲーションデバイスの2つの押しボタンは、完全に異なり、単に互いの逆ではないアクションに関連付けられてもよいが、ただし、そのタイプのデバイスは、ユーザから見て、あまり人間工学的ではない。
【0064】
本発明の別の実施形態によれば、アイソメトリックデバイスは、そのアイソメトリックデバイスのある軸に沿ってかけられた力に敏感であり、そのデバイスによって生成された制御信号が、その軸に沿ってかけられた力を表す信号であるようになっていることが可能である。
【0065】
このため、そのようなアイソメトリックデバイスを使用して、ナビゲーション空間における漸進的なアクションを制御することが可能である。
【0066】
このアイソメトリックデバイスは、例えば、ポテンショメータから成ることが可能である。
【0067】
したがって、ポテンショメータは、それらの方向の1つにおける双方向の力に敏感であるので、アイソメトリックデバイスは、アイソメトリックデバイスにかけられた力の強度に応じて、漸進的な双方向のアクションを制御するための信号を生成することができる。
【0068】
そのような漸進的な双方向のアクションが、ナビゲーション空間の別の軸に関して要求される場合、ナビゲーションデバイスに第2のポテンショメータを備えることが可能である。
【0069】
本発明の第3の実施形態によれば、アイソメトリックデバイスは、3つの方向における力に敏感なセンサから直接に成ることが可能である。そのようなセンサは、例えば、欧州特許第1275949号に示されている。
【0070】
このタイプの力センサは、ユーザの指によって負荷をかけられるように意図される剛性のロッドと、そのロッドに接続されたヘッドとを含む。そのヘッドは、ホイートストーンブリッジ回路において接続されたひずみゲージタイプの測定手段を担持する変形可能な要素を含む。したがって、それらの測定手段は、剛性のロッドを介して変形可能な要素によって加えられた変形またはひずみに応じて、信号を生成する。
【0071】
この「ネイル」タイプと呼ばれるセンサは、3つの方向のうちの2つで、それらの軸に沿って加えられた双方向の力に敏感であり、第3の軸上では、一方向でかけられた力だけに敏感である。
【0072】
このため、そのようなアイソメトリックデバイスは、そのナビゲーション空間の3つの次元におけるアクションを制御するための信号を生成するように構成され、その空間の軸の1つに関するアクションは、単方向に限られる。
【0073】
それらのアクションは、アイソメトリックデバイスにかけられかつアイソメトリックデバイスにおいて測定される力に応じる場合、すべて漸進的なアクションである。
【0074】
このアイソメトリックデバイスを、前述したアイソトニックデバイスに結合することにより、ナビゲーションデバイスは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに必要な6つの自由度へのアクセスをもたらす。
【0075】
この空間の最後の軸上で双方向のアクションを得るのに、ネイルタイプの力センサに、押しボタンから成る前述したセンサを結合することが可能である。
【0076】
次に、図3Aないし図3C、および図4Aないし図4Cに関連して、ユーザの人間工学に特によく適合した、そのような独立型のナビゲーションデバイスの2つの実際的な実施形態を説明する。
【0077】
それらの図でよく示されるとおり、ケーシングは、上面12、底面13、および4つの側面14、15、16、および17を有する実質的に平行六面体の形状を有する。
【0078】
底面13は、好ましくは、デバイスが、自由空間において使用されるものの、作業面上に安定して置かれることを可能にする平らな面である。
【0079】
上面12は、特に、ユーザが、図4Cに示されるとおり、デバイスの上面12でデバイスを把持した場合に、ユーザが、上面12をユーザの手の中に保持することを容易にする、わずかにドーム形の形状であることが可能である。
【0080】
デバイス10の側部を構成する側面14および側面15は、例えば、図4Cに示されるとおり、把持すること、およびユーザの指を置くことを容易にするカットアウト11を特徴とすることが可能である。
【0081】
デバイス10の後面13は、実質的に平らである。それらの実施形態では、後面13は、オン/オフボタンを含む。
【0082】
その実施形態では、ケーシングは、複数のアイソメトリックデバイス31、32を含む。
【0083】
アイソメトリックデバイス31は、デバイス31の3つの軸に沿ってかけられた力に敏感なネイルタイプの力センサから成る。図3A、図3B、図4A、および図4Bにおいて矢印でよく示されるとおり、アイソメトリックデバイスは、アイソメトリックデバイス31の全体的な平面における2つの双方向の、互いに垂直なアクション、およびその平面に垂直な単方向のアクションに敏感である。
【0084】
図3Aないし図3Cに示される実施形態では、アイソメトリックデバイスは、ケーシングの上面12上に配置される。したがって、図3Cに示されるとおり、そのデバイスは、手の中にケーシングを把持するユーザの親指によって操作されるように構成される。力センサのロッドは、ケーシングの上面12に垂直に配置される。
【0085】
図4Aおよび図4Cに示される実施形態では、アイソメトリックデバイス31は、ケーシングの側面上に、この場合は、ケーシングの前面17上に配置される。
【0086】
図4Cに示されるとおり、このデバイスは、片手の中にケーシングを把持するユーザの指によって、例えば、人差し指または薬指によって操作されるように構成される。この場合、力センサのロッドは、ケーシングの前横面17に垂直に配置される。
【0087】
もちろん、ケーシング10の内部は、ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸の3つすべてを中心としたケーシングの傾きを検出するために、前述したアイソトニックデバイス20を組み込む。
【0088】
それらの実施形態では、独立型のナビゲーションデバイス10は、ナビゲーション空間におけるアクションを命令する信号も生成するための補助的なアイソメトリックデバイスを構成する2つの押しボタン32をさらに含む。
【0089】
それらの押しボタン32は、ケーシングを把持するユーザの指によって操作される。
【0090】
このようにして、直観的なジェスチャ、および人間工学的な手の動きをユーザに提供する、最適化されたナビゲーションデバイスが得られる。このデバイスは、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションの豊かな可能性を提供するのと同時に、片手、およびその手の指だけで操作されることが可能である。
【0091】
次に、前述したナビゲーションデバイスを使用して、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのシステムの例を説明する。
【0092】
概して、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションのための本発明によるシステムは、前述した独立型のナビゲーションデバイスと、ケーシングの傾きを表す信号、およびアイソメトリックデバイスから来る制御信号を考慮に入れて、少なくとも3つの次元を有する空間において少なくとも1つのアクションを生じさせるように構成された処理手段とを含む。
【0093】
最初に、図5に関連して、仮想空間におけるナビゲーションのためのシステムを説明する。
【0094】
仮想空間は、現実の空間を表現するための2つより多くの次元を有するデータベースから成る。このタイプの仮想空間は、特に、ビデオゲームのために使用されるが、シミュレータのためにも使用される。また、このタイプの仮想空間は、地理データベースまたは地図データベースなどの、情報データベースを表現するのに使用されることも可能である。
【0095】
この仮想空間は、コンピュータ100の中に格納されたアプリケーションコンテキストに基づいて規定される。
【0096】
このため、ナビゲーションシステムは、無線周波数リンクをシリアルリンクに変換するように構成された変換器110を含む。この変換器110は、ナビゲーションデバイス10のアイソトニックの動きに由来する信号、およびナビゲーションデバイス10に実装されたアイソメトリックデバイス上のアクションに由来する信号を、コンピュータ100のシリアルリンク120を介して伝送する。このため、それらの信号は、アプリケーションコンテキストの中に格納されたデータと一緒に、処理手段130に伝送される。
【0097】
処理手段130は、センサによって供給されたデータをマージして、アプリケーションコンテキスト、特に、2つまたは3つの次元を有するコンテンツのタイプ、実行されるべきナビゲーションのタイプ、および、該当する場合、高度などの、いくつかの環境パラメータを解析するように構成される。
【0098】
処理手段は、センサによって供給されたデータから、ナビゲーションデバイス10の回転の角度を計算し、受信されたデータ、計算された回転角、コンテキストの、特に、実行されるべきナビゲーションのタイプの解析に応じて、実行されるべきアクションセットを割り出すように構成される。
【0099】
次に、それらのアクションが、仮想空間140内で実行されて、例えば、コンピュータ100のスクリーン上に表示された空間の仮想表現上で、視点の動き、または物体の動きの形態をとる。
【0100】
次に、図6ないし図17に関連して、仮想空間における、特に、3つの次元を有する仮想空間におけるナビゲーションの様々な例を説明する。
【0101】
後段で説明されるすべてのナビゲーション方法において、以下の規定および基準が、適用される。すなわち、
独立型のナビゲーションデバイス10に関して、処理手段の入力において、ナビゲーションデバイス10の現実の空間における基準位置に対応する基準値を考慮することが可能である。
【0102】
このため、加速度計22に関して、データAXref、AYref、およびAZrefが規定され、磁力計23に関して、基準値MXref、MYref、およびMZrefが規定される。
【0103】
加速度計および磁力計のそれらの基準値から、前段で説明したように、回転RXref、RYref、およびRZrefに対応する、空間における3つの軸に関するナビゲーションデバイスの傾きの値が、計算される。
【0104】
アイソメトリックセンサが、力に敏感である、例えば、ポテンショメータ、またはネイルタイプの力センサである場合、ポテンショメータに関する入力基準値VP1refおよびVP2ref、またはナビゲーションデバイス10の基準位置におけるネイルタイプの力センサの3つの軸X、Y、およびZに関して測定された力の大きさに対応する、ネイルタイプの力センサに関する入力基準値、CLXref、CLYref、およびCLZrefを割り出すことも可能である。
【0105】
処理手段に供給されるこの入力基準データには、仮想空間における基準位置が対応する。
【0106】
使用されるシステムがどのようなものであれ、3つの次元を有する仮想空間において、仮想空間の3つの次元を規定する軸X、Y、Zに関する3つの回転を表す角座標ROTX、ROTY、およびROTZが、使用され、アプリケーションによって規定される仮想空間において考慮されるべき物体の、3つの平面X、Y、およびZにおける位置POSX、POSY、およびPOSZが使用される。
【0107】
実際上、仮想空間におけるナビゲーションが、その空間を探索することに存する場合、ユーザは、仮想空間内部の観客として扱われる。処理手段の出力において、このように割り出される角座標および位置は、観客が仮想空間を眺めるカメラの位置を変更するのに使用される。
【0108】
仮想空間におけるナビゲーションが、その空間において仮想物体を観察すること、または操作することに存する場合、ユーザは、仮想空間自体の外部の観客として扱われる。その場合、出力データは、仮想空間に対する物体自体の位置に適用される。
【0109】
このため、出力値として、角位置出力値ROTXref、ROTYref、およびROTZref、ならびに位置出力値POXref、POSYref、およびPOSZrefに対応する、仮想空間におけるカメラの、または物体の基準位置が、規定される。
【0110】
さらに、以下の変数が、以下に規定される。すなわち、
DAX、測定された値と、軸Xに関する回転に敏感なアイソトニックセンサの1つに関するアプリケーションの初期設定時に格納された値との差。DAX=AX−AXref。
【0111】
差、MX−MXrefまたはRX−RXrefを使用することも同様に可能であることに留意されたい。堅牢性の理由で、それでも、加速度計から来る生の値を使用することが好ましい。
【0112】
DAY、測定された値と、軸Yに関する回転に敏感なセンサの1つに関するアプリケーションを初期設定した際に格納された値の差。DAY=AY−AYref。
【0113】
前述の場合と同様に、MY−MYrefまたはRY−RYrefも同様に使用されることが可能である。
【0114】
DRX、軸X上の角度の計算された瞬時値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0115】
DRY、軸Y上の角度の計算された瞬時値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0116】
DRZ、軸Z上の角度の計算された瞬時値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0117】
DPT、PTの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0118】
DCLX、CLXの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0119】
DCLY、CLYの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0120】
DCLZ、CLZの測定された値と、アプリケーションの初期設定時に格納された値との差。
【0121】
KV、高度POSZに応じた、すなわち、仮想空間における垂直軸Z上の物体の位置に応じた、動きの速度に関する倍率係数。例えば、KV=POSZ/500。
【0122】
もちろん、高度と地面の高さがともに関与する、速度を計算するためのより高度な関数の他の倍率係数も、使用されることが可能である。
【0123】
KZ、高度の動きに関する速度倍率係数。例えば、KZ=POSZ/1000。
【0124】
KL、高度に応じた横方向の動きに関する速度倍率係数。例えば、KL=POSZ/2000。
【0125】
FLTSPD、飛行速度パラメータ。このパラメータは、アイソメトリックセンサが押しボタンである場合、固定であり、システムによって事前設定されることが可能である。このパラメータは、可変であり、ポテンショメータの出力値、またはネイルタイプの力センサの出力における値CLX、CLY、またはCLZの1つに応じることも可能である。このため、この飛行速度パラメータは、このケースでは、ユーザによってアイソメトリックデバイスにかけられた力の、その力の印加の軸に沿った強さに応じて変更されることが可能である。
【0126】
DeltaX、カメラの垂直方向の向き。多くのタイプのアプリケーションにおいて、コンピュータを前に座ったユーザの視覚的な快適さを向上させるため、カメラの位置は、約10度の下向きの傾きで固定されて、仮想空間における動きの間に、視界を大きくするようにする。この向きは、仮想空間のより良好な視覚化をもたらす。このケースでは、角座標ROTX=DeltaXである。
【0127】
DeltaY、カメラの水平方向の向き。いくつかのアプリケーションでは、視覚的快適さを高めるために、カメラが、水平方向のままであることが好ましい。このケースでは、飛行機の飛行などの、動きをシミュレートすることが問題なのではなく、視界の水平方向の変更につながる可能性がある現実の要因を考慮に入れることなしに、その動きをできる限り快適にすることが問題である。その場合、カメラの水平方向の向きは、カメラの角座標ROTY=DeltaYであるように固定される。他のタイプのアプリケーションでは、カメラの角座標ROTYによって規定されるカメラの傾きは、可変であることが可能である。
【0128】
ThresholdAx、ナビゲーションデバイスの軸Xに関する調整の閾値。この閾値は、ナビゲーションデバイスの小さい動きが、それらの動きが閾値未満に留まっているという条件付きで、無視されることを可能にして、仮想空間においてナビゲートしている際に、安定した位置を保ち、独立型のナビゲーションデバイスを操作しているユーザの意図的でない震えに反応しないようにする。
【0129】
ThresholdAy、前述の場合と同様に、ユーザの意図的でない震えが無視されることを可能にする、独立型のナビゲーションデバイスの軸Yに関する調整の閾値。
【0130】
以上の調整閾値を使用することは、場合により、リアル感を犠牲にして、仮想空間においてナビゲートする際の快適さを優先させる。
【0131】
CoefAx、高度に比例するように垂直軸に関する動きを調整するための係数。後段で説明する応用例では、現実の高度が、使用される。代わりに、超えると現実の高度が考慮に入れられる閾値を条件として、地面に対する高さが、使用されてもよい。
【0132】
AzimuthStep、垂直軸Zを中心とする、水平平面における回転のケースにおける動きの単位ステップ。
【0133】
PIVOT、方向の即時の変化の実現を示すための変数。
【0134】
DeltaZ、水平平面において測定されたカメラの瞬時角位置と初期角位置の差。
【0135】
ResultAngleMax、計算された回転角がとることが可能な最大値、例えば、360度。
【0136】
ResultAngleMin、計算された回転角がとることが可能な最小値、例えば、0度。
【0137】
RotationDirection、任意の時点におけるカメラの回転の方向を規定する。
【0138】
最初に、図6に関連して、3つの次元を有する仮想空間においてナビゲートするための方法を説明する。この実施形態では、仮想環境を探索するために鳥の飛行タイプの動きをシミュレートすることが問題である。したがって、ユーザが、仮想空間を眺めるカメラの撮影ポイントおよび角度を変更することが問題である。
【0139】
この参照モードは、仮想空間において停止する、前進する、または後退する、旋回する、上昇する、または降下することを可能にしなければならない。
【0140】
この実施形態では、図6によく示されるとおり、ナビゲーションデバイス10上で実行されたアイソトニックのアクションにより、特に、上昇する、降下する、右に旋回する、または左に旋回するのに使用される入力値AXおよびRZが生成される。
【0141】
この実施形態では、アイソメトリックのアクションは、操作により、仮想空間において前進する、または後退するための制御信号が生成される、2つの押しボタンBP1およびBP2の仲介で実行される。
【0142】
押しボタンBP1およびBP2に関連する制御信号は、仮想空間の水平平面における前進または後退を生じさせる。押しボタンBP1またはBP2のいずれも、ユーザによって操作されなかった場合、仮想空間において全く動きはない。
【0143】
高度の変化は、軸Xを中心とする独立型のナビゲーションデバイス10の傾きを変更して、それによって値AXを変更することによってもたらされる。差DAXが、事前設定された閾値ThresholdAXと比較される。
【0144】
このため、高度の変化は、上昇するのにナビゲーションデバイス10の前部を上に傾け、降下するのにナビゲーションデバイス10の前部を下に傾けることによってもたらされる。第2の押しボタンBP2が、操作され、したがって、後退がもたらされた場合、高度軸上の動きの方向は、人間工学、および人間の論理の理由で逆転される。
【0145】
視覚化を容易にするのに、この実施形態では、カメラの垂直傾斜軸は、地面に対して15度に固定され、カメラの傾きは、0度に固定されて、仮想空間においてナビゲートする際の視覚的快適さを向上させるようにする。
【0146】
さらに、仮想空間における左旋回および右旋回は、方位角に応じて、すなわち、軸Zを中心とする回転RZに応じて命令される。このため、旋回は、ナビゲーションデバイス10を水平平面でコンパスのように回すことによってもたらされる。そのデバイスが、いわゆる静止エリアを離れた、すなわち、回転角RZの絶対値が、所定の閾値ThresholdRZを超えた場合、ナビゲーションデバイス10が、その静止位置に戻るまで、仮想空間において左に回転すること、または右に回転することを命令する信号が、印加される。
【0147】
水平平面における前進または後退の速度は、FLTSPDなどの、前もって決定されたパラメータに応じる。
【0148】
以下に、例として、ナビゲーションデバイスによって送出された入力信号を処理して、仮想空間においてナビゲートするための制御出力信号を生成するためのアルゴリズムを与える。
【表1】
【0149】
この実施形態は、図7に示されるとおり、わずかに変更されることが可能である。
【0150】
その場合、仮想空間における動きの同一の可能性を有する鳥の飛行タイプの動きをシミュレートすることが問題である。
【0151】
水平平面において右旋回および左旋回が、水平平面においてナビゲーションデバイス10を回すことによってもたらされる前述した実施形態とは異なり、この場合、旋回は、独立型のデバイス10を横に傾けることによって、すなわち、軸Yに関するデバイス10の傾きを変えることによってもたらされる。
【0152】
このため、アイソトニックのアクションのレベルにおける入力データとして、軸Yに関連する加速度計によって与えられた値AYが考慮される。差DAYの絶対値が、基準ThresholdAyを超えた場合、ナビゲーションデバイス10が、開始基準位置に近い、デバイス10の静止位置に戻るまで、右への回転、または左への回転が、カメラに加えられる。
【0153】
処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を以下に与える。すなわち、
【表2】
【0154】
前述した2つの実施形態を組み合わせることも、想定されることが可能である。
【0155】
視覚的快適さを向上させるのに、カメラの垂直方向の回転および傾きは、固定である。
【0156】
回転は、ナビゲーションデバイスを横に傾けること、すなわち、軸Yに関するデバイスの回転角を変更することと、ナビゲーションデバイスを、デバイスの平面において横に回転させること、すなわち、軸Zに関するデバイスの回転角を変更することを同時に行うことによってもたらされることが可能である。
【0157】
その実施形態で使用されるその処理アルゴリズムの例を以下に与える。すなわち、
【表3】
【0158】
このタイプの参照は、飛行機の飛行をシミュレートするために、図8に示されたようにさらに改良されることが可能である。
【0159】
この参照モードは、ユーザの視覚的快適さを向上させるためにカメラの向きが固定である、前述した2つの実施形態とは異なり、飛行中にカメラの向きを変更する特定の特徴を有する。
【0160】
逆に、この実施形態では、仮想空間におけるナビゲーションのリアル感を優先させることが要求される。
【0161】
さらに、飛行機の飛行をシミュレートすることが問題なので、カメラの後退は、望ましくない。そのアクションは、押しボタンの1つ、この場合は、BP2が、ユーザによって操作されてすぐの、カメラの、その場での半回転によって取って代わられなければならない。
【0162】
より良好な視覚的快適さのため、カメラの傾きの角度は、その傾きを、軸Xを中心としたナビゲーションデバイスの傾きの角度に直接に、ただし、例えば、1/2の比で結合することにより、変更されない。
【0163】
他方、Y軸に対するカメラの傾きに関して、ユーザの視覚的快適さを増進させるために、この角度を固定に保つことが好ましい。
【0164】
最後に、この実施形態では、右旋回および左旋回は、前述の場合と同様に、ナビゲーションデバイス10を、軸Yに関して右または左に傾けることによってもたらされ、仮想空間の軸Zを中心とする回転の速度は、ナビゲーションデバイス10の軸Yに関する、この傾きの大きさにさらに応じる。
【0165】
仮想空間におけるこのタイプの動きを制御するのに処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を、以下に与える。
【表4】
【0166】
前述した3つの実施形態では、ナビゲーションデバイスは、2つの押しボタンBP1、BP2の形態でアイソメトリックデバイスを含む。
【0167】
前述したとおり、他のタイプのアイソメトリックデバイス、特に、ポテンショメータPT、またはネイルタイプの力センサが、使用されてもよい。
【0168】
そのようなケースでは、図9に示されるとおり、図8に関連して前述した実施形態に関して、アイソメトリックデバイス上のアクションは、もはや、全か無かというタイプの2値アクションではなく、アナログアクションである。
【0169】
したがって、ポテンショメータによって生成された信号は、アイソトニックデバイスによって供給される信号と同じように解析される。特に、ポテンショメータの出力において測定された値の、システムの初期設定時に固定された基準値からの差が、所定の閾値ThresholdPTと比較されて、この比較の結果に応じて、仮想ナビゲーション空間において前進アクションまたは後退(または半回転)アクションが、実行されることになる。
【0170】
次に、図10に関連して、仮想空間におけるナビゲーションが、衛星の上空通過をシミュレートする、別の実施形態を説明する。
【0171】
このタイプの参照は、停止する、仮想空間のディスプレイスクリーンに関する4つの方角(東西南北)に向かって動く、旋回する、上昇する、または降下する可能性を与えなければならない。
【0172】
この実施形態では、ディスプレイスクリーン上の動きは、例えば、相対的北が、スクリーンの上側に対応し、相対的南が、スクリーンの下側に対応し、相対的西と相対的東が、スクリーンの左側と右側にそれぞれ対応するように、パラメータが設定されている。
【0173】
相対的北に向かう動きは、例えば、ナビゲーションデバイス10の前部を下向きに傾けることによってもたらされ、相対的南に向かう動きは、ナビゲーションデバイス10の後部を下向きに傾けることによってもたらされる。相対的西に向かう動きは、ナビゲーションデバイス10を左に向かって傾けることによってもたらされ、相対的東に向かう動きは、ナビゲーションデバイス10を右に向かって傾けることによってもたらされる。
【0174】
したがって、ナビゲーションデバイス10の水平軸XおよびYを中心とする傾きに応じて、4つの方角に向かう動きが、得られることが可能である。動きの速度を計算するのに、前段で規定した倍率係数KVが、使用され、倍率係数KVの値は、この実施形態では、KV=POSZ/2000であるように、したがって、高度における位置に応じるように設定されることが可能である。
【0175】
衛星の上空通過タイプの参照モードが問題となっているので、衛星は、地面の方を見ていると考えられる。したがって、カメラは、地面に向けられて、値ROTX=−90°であるようになっている。
【0176】
前述の場合と同様に、右への回転、または左への回転は、ナビゲーションデバイス10の軸Zを中心とする回転RZの値から得られることが可能である。
【0177】
さらに、ナビゲーションデバイス10が備える2つの押しボタンの1つ、この場合は、押しボタンBP1を押すことにより、ナビゲーションデバイス10の垂直方向の傾きに応じて、カメラの垂直方向の位置が変更される。実際上、ナビゲーションデバイス10の前部が、下向きに傾けられた場合、高度の降下がもたらされ、ナビゲーションデバイス10の前部が、上向きに傾けられた場合、高度の上昇がもたらされる。
【0178】
右に旋回するためのアクション、または左に旋回するためのアクションは、押しボタンBP2が同時に押された場合にだけ、もたらされる。
【0179】
したがって、ユーザの快適さが、様々な可能な動きの相互の関連を解くことによって最適化される。
【0180】
特に、このタイプのナビゲーションでは、2つの段階、サーチ段階と参照段階が区別されることが可能である。
【0181】
サーチ段階では、4つの方角に向かう動きが、主に使用される。他方、参照段階では、左への回転、および右への回転が、使用される。
【0182】
押しボタンBP1を押すことにより、方角による動きがロックされて、ユーザは、表示された地図を、ユーザが必要とするとおり正確に位置付けることができるようになる。
【0183】
垂直方向の動きに関して、したがって、参照の高さの選択に関して、ユーザは、段階のそれぞれにおいて、視覚的快適さを最適化するようにユーザの視点を変更する必要がある。したがって、押しボタンBP2によって、左への回転と右への回転、および水平の動きを阻止することが好ましい。
【0184】
以下に、例として、入力値から、仮想空間におけるナビゲーションのための出力制御信号を計算するのに、プロセッサ手段によって使用されるアルゴリズムを示す。
【表5】
【0185】
同一の応用例に関して、押しボタンBP1およびBP2が、ポテンショメータ、またはネイルタイプの力センサなどの、力に敏感なアイソメトリックデバイスによって取って代われた場合に使用される処理アルゴリズムが、図11に示されている。
【0186】
そのようなケースでは、高度の上昇のためのアクション、または高度の降下のためのアクションは、ポテンショメータの出力において測定された値、およびこの値と基準値の差の、所定の閾値ThresholdPTとの比較だけによって制御されることが可能である。同じことは、ポテンショメータが、ネイルタイプのセンサによって取って代わられた場合にも、例えば、ネイルの変形軸X上で測定された値CLXから始まって、当てはまる。
【0187】
次に、図12に関連して、仮想空間における動きが、ヘリコプタタイプである、本発明の別の実施形態を説明する。
【0188】
そのタイプの動きでは、停止する、前進する、または後退する、上昇する、または降下する、その場で回転する、動きながら回転する可能性を有することも必要である。また、特定のポイントを中心として回転することができる能力を有することも必要である。
【0189】
仮想空間の水平平面XYにおける横の動きに関して、動きの速度は、高度に応じ、これに関して、値が、KV=POSZ/1000に等しいことが可能な倍率係数KVが、使用される。
【0190】
前段で既に説明したとおり、上昇するアクション、および降下するアクションは、ナビゲーションデバイス10を、デバイス10の軸Xに対して動かすことによって得られることが可能であり、右に旋回するアクション、または左に旋回するアクションは、ナビゲーションデバイス10の軸Zを中心とする回転の動きに応答して得られることが可能であり、右にドリフトするアクション、または左にドリフトするアクションは、水平方向軸Yに関してデバイスを傾けることによって得られることが可能である。
【0191】
軸Zを中心としてナビゲーションデバイスの回転と、軸Yに関するナビゲーションデバイスの傾きを組み合わせることにより、右への回転と左へのドリフト、または左への回転と右へのドリフトを得ることが可能であり、あるポイントを中心とする回転が、そのポイントを仮想空間における十字線上に保ちながら可能になる。
【0192】
鳥の飛行をシミュレートするための前述した実施形態の場合と同様に、適宜、ポテンショメータタイプの力センサ、またはネイルタイプの力センサによって取って代わられる、押しボタンタイプのアイソメトリックデバイスBP1またはBP2上のアクションは、仮想空間において前進するアクション、または後退するアクションを生じさせる。
【0193】
この実施形態において処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表6】
【0194】
次に、図13に関連して、仮想空間におけるナビゲーションにより、ユーザによって操作される独立型のナビゲーションデバイスと同じようにカメラを向ける、本発明の別の実施形態を説明する。この向きは、磁北を基準として絶対的であり、ナビゲーションデバイスのアイソメトリックデバイスの1つにアクションが加えられた際に、ナビゲーションデバイスの向きに応じて、正確なポイントを向くことができるようにする。このようにして、ポインタのようなタイプのナビゲーションが、得られる。
【0195】
指向をより正確にするように、この応用例において、狙いを定めるための十字線を提供することが可能である。
【0196】
この実施形態では、回転角RX、RY、およびRZに対応する、ナビゲーションデバイス10の様々な軸X、Y、Zを中心として計算された角度値は、仮想空間におけるカメラの角度に直接に割り当てられる。
【0197】
このため、カメラの角座標ROTX、ROTY、およびROTZは、ナビゲーションデバイス10の仰角値RX、ねじれ値RY、および方位角値RZと等しい。
【0198】
押しボタンBP1またはBP2の一方または他方の操作に応じて、向いた方向の動きのアクション、および向いた方向とは逆の方向の動きの方向が、もたらされる。
【0199】
この実施形態において実行される処理アルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表7】
【0200】
同一のタイプの応用例において、図14は、アイソメトリックデバイスが力に敏感である場合に使用されるアルゴリズムを示す。その例では、アイソメトリックデバイスは、ポテンショメータである。他の実施形態において前段で説明したとおり、所定の閾値ThresholdPTに応じて、ポテンショメータに対するアクションは、向いた方向の動き、または向いた方向とは逆の方向の動きを生じさせる効果を有する。
【0201】
このコンパスタイプの動きのモードは、いくつかの変種があることが可能である。
【0202】
特に、以降、「gaz」として表される変数の助けを借りて、動きの速度を調整することが可能である。また、動きの方向も、押しボタンタイプBP1およびBP2のアイソメトリックデバイスによってではなく、デバイスの横への傾きの値、すなわち、軸Yを中心とするデバイスの回転で直接に与えられることが可能である。
【0203】
その場合、処理手段によって使用されるアルゴリズムは、以下の形態をとる。すなわち、
【表8】
【0204】
別の実施形態では、ナビゲーションは、ナビゲーションデバイスが、軸Zに関して、デバイスの静止位置から離された場合、右に旋回する、または左に旋回することを可能にする、1次元を有するコンパスとして、コンパスが振舞うように、単純化されることが可能である。軸Xに関するナビゲーションデバイスに対するアクションは、デバイスを前方に、または後方に傾けることにより、高度を上げる、または高度を下げる役割をする。また、ナビゲーションデバイス10の軸Yに関する横への傾きに比例した前進または後退が存在することも可能である。
【0205】
このタイプの実施形態では、高度に応じた横への動きの速度に関する倍率係数を、POSZ/5000タイプの値に固定することが有利である。
【0206】
その特定の実施形態を示すアルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表9】
【0207】
前述した方法では、軸X(AX)または軸Y(AY)に関して加速度計によって与えられる生の値の使用は、磁力計(MXまたはMY)の出力値の、あるいは軸X(RX)に関する、または軸Y(RY)に関する、計算された角度値の使用によって取って代わられることが可能であることに留意されたい。
【0208】
もちろん、使用される各タイプのセンサおよびデータに適切な閾値を使用することが必要である。
【0209】
前述した実施形態と同様の方法で、他のタイプの応用例も、仮想ナビゲーション空間において実施されることが可能である。
【0210】
特に、地表面上、または水面上におけるキャラクタまたは乗り物の動きが問題であることが可能である。
【0211】
前述の実施形態とは異なり、高度は、変更されない。
【0212】
他方、キャラクタまたは物体は、仮想空間において、停止する、前進する、または後退する、その場で旋回する、物体を中心に旋回する、左側方に、または右側方に動く、または頭を上げる、または下げることによって視線の向きを変えることができなければならない。
【0213】
また、前述したナビゲーション方法のすべてが、高度の概念を使用する「上昇」アクションおよび「降下」アクションの割り当てを変更することによって、このタイプの応用例において使用されることも可能である。
【0214】
代わりに、そのタイプのアクションは、カメラの垂直方向の向きを変更して、すなわち、ユーザの視点を変更して、見上げること、または見下ろすことをシミュレートするために使用されることが可能である。
【0215】
図15は、建造物内、または都市における動きのタイプの、仮想空間においてキャラクタをナビゲートする一例の図である。
【0216】
処理手段によって使用されるアルゴリズムは、飛行機またはヘリコプタをシミュレートすることに関する前述した実施形態において使用されるアルゴリズムと同様であり、高度の調整だけが、除かれている。
【0217】
特に、ナビゲーションデバイス10の軸Xに関する仰角RXの値は、カメラを垂直方向に向けて、キャラクタの視線が、上方に、または下方に向けられるようにするために、角位置ROTXに比例するように直接に関連付けられる。
【0218】
軸Zを中心としてナビゲーションデバイスを回転させることは、右に旋回する、または左に旋回するためのアクションを生じさせ、軸Yを中心としてナビゲーションデバイスを傾けることも、右または左へのキャラクタのドリフトの動きを生じさせる。
【0219】
前述の場合と同様に、押しボタンの一方、または他方BP1を操作することは、キャラクタが、仮想空間において前進する、または後退することにそれぞれ対応する。
【0220】
仮想空間における、このタイプのナビゲーションにおいて処理手段によって使用されるアルゴリズムの例を、以下に与える。すなわち、
【表10】
【0221】
前述の実施形態の場合と同様に、アイソメトリックのアクションは、ポテンショメータ、またはネイルタイプの力センサを使用しても、同様にもたらされることが可能である。
【0222】
次に、図16および図17に関連して、ナビゲーションが、もはや、仮想空間において探索すること、または動き回ることに存するのではなく、代わりに、仮想空間における3次元の物体を操作し、検査することに存する、本発明の別のタイプの応用例を説明する。
【0223】
特に、ナビゲーションデバイス10を使用して、6つの自由度に従って物体を動かして、物体の全体を観察することができるようにすることが問題である。
【0224】
実際上、このタイプのナビゲーションでは、物体を自体で、すべての方向で回すこととともに、できる限り自然にかつ容易に、物体を動かすことが可能でなければならない。
【0225】
前述の場合と同様に、3つの自由度を有するアイソトニックセンサと、そのアイソトニックセンサから相互の関連が解かれた、3つの自由度を有するアイソメトリックセンサとを組み込んだナビゲーションデバイス10が、使用される。
【0226】
前述したとおり、3つの自由度を有するアイソメトリックセンサは、ナビゲーションデバイスに関連する3つの軸X、Y、およびZに沿ってかけられた力に敏感なネイルタイプの力センサを使用することによって得られることが可能である。
【0227】
前述したとおり、水平平面の軸Xと軸Yに沿ってかけられる力は、双方向であるのに対して、力センサ上の垂直軸Zに沿ってかけられる力は、単方向である。アイソメトリックセンサを補完し、3つの自由度を得るために、少なくとも1つの補完的押しボタンが、ネイルタイプの力センサに結合される。
【0228】
図16に示される第1の実施形態では、物体の視覚化は、小さい、いわゆる相対的な動きによってもたらされる。それは、瞬時である、物体の動きを規定する、瞬時位置と静止位置の差である。
【0229】
軸X、Y、およびZを中心とするナビゲーションデバイス10の、空間における変化が、視覚化されるべき物体を、それぞれ軸X、Y、およびZを中心として回転させるためのアクションを直接に制御する。
【0230】
仮想空間においてもたらされる、それら3つの回転に並行して、アイソメトリックデバイスは、その空間における3つの双方向の並進を制御する。
【0231】
図16に示されるとおり、方向Xで力センサに力が加えられることにより、例えば、右または左に向かう物体の動きが制御される。
【0232】
同様に、力センサ上における、垂直の軸Yに沿った動きにより、物体に向かう、または物体から離れることに存するズーム機能が制御される。
【0233】
空間の第3の次元における、下向きまたは上向きの最後の動きは、垂直軸Zに沿ってかけられ、かつ押しボタンに対するアクションの有無と結び付けられた、力センサに対するアクションによってもたらされる。
【0234】
このため、図示される実施形態では、ユーザが、押しボタンを操作し、同時に、方向Zでセンサに力をかけた場合、下向きの動きが、もたらされる。逆に、押しボタンが操作されず、軸Zに沿って力センサにアクションが加えられただけである場合、上向きの動きが、もたらされる。
【0235】
さらに、以上の動きのすべては、漸進的であり、3つの方向X、Y、およびZでセンサにかけられた力の強さに応じることが可能である。
【0236】
そのケースでは、前述した方法とは異なり、ユーザの視点に対応して、使用されかつ変更されるのは、視覚化される物体の位置座標および回転角座標であり、カメラの座標ではない。
【0237】
第2の実施形態が、図17に示されている。
【0238】
この場合、ナビゲーションデバイス10の動きの絶対的検査と相対的検査をともに実行することが問題である。この実施形態では、絶対的検査は、視覚化される物体に関連する回転角に対して実行され、相対的検査は、軸方向の動きに対して実行される。
【0239】
このため、物体の角度の向きは、ユーザによってナビゲーションデバイス10に与えられる向きと同様である。他方、アイソメトリックデバイスによって制御される並進の動きは、前述した動きと同一である。
【0240】
このタイプのナビゲーションにおいて、変形形態は、もはや、視覚化される物体に、動きの値および向きの値を適用せず、代わりに、物体を中心として動かされるように構成されたカメラに適用される。
【0241】
カメラの回転と、横への動きを同時に可能にする処理アルゴリズムは、カメラのドリフトと回転が同時に組み合わされる、ヘリコプタタイプのナビゲーションモードに関して前段で与えた処理アルゴリズムの例と同様である。
【0242】
もちろん、仮想空間におけるナビゲーションの以上の例は、限定的ではない例としてだけ与えられている。
【0243】
コンピュータ上で実行される仮想空間における以上のナビゲーションと並行して、例えば、本発明は、現実の空間における現実の物体の操作および検査にも同様に適用される。
【0244】
特に、本発明は、遠隔制御される飛行機またはボート、または無人タイプの飛行機を制御することに適用されてもよい。
【0245】
図18は、特に図1に関連して前段で説明し、ここで再び説明することはしないナビゲーションデバイス10を使用する、ナビゲーションシステムを示す。
【0246】
ナビゲーションデバイス10によって送信されるデータは、この応用例では、遠隔制御される無人機200の受信手段201に直接に送信される。
【0247】
搭載されたコンピュータ202が、処理アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサ手段203を含み、このアルゴリズムは、受信されかつマージされたデータから始めて、無人機の様々なコントロールに、もたらされるべきアクションを割り出すために、ナビゲーションデバイスの回転角RX、RY、およびRZを計算するように構成される。
【0248】
実際上、変換デバイス204が、プロセッサ手段203によって供給されたデジタル信号からアナログ制御信号を生成するために、搭載されたコンピュータに提供される。
【0249】
このため、概ね、安定装置、補助翼、垂直尾翼、およびエンジンから成る、無人機のコントロール205が、無人機の動き、特にピッチ、ロール、およびヨーを制御するため、および無人機が動く速度を制御するために、直接に制御されることが可能である。
【0250】
無人機は、図19および図20に示されるとおり、2つのタイプのコントロールによって操縦されることが可能である。
【0251】
第1のケースでは、初心者のユーザが、無人機を操縦することを可能にすることが問題である。
【0252】
特に、上昇するアクション、および降下するアクションが、軸Xに関するナビゲーションデバイス10の位置を変更することによって制御されることが可能である。安定装置の電圧は、ナビゲーションデバイス10に加えられるアクションに応じる比例関数に従って変更される。
【0253】
このため、安定装置の電圧は、例えば、入力データDeltaAXに応じる。
【0254】
同様に、無人機の右向きの回転、または左向きの回転をもたらすのに、軸Yを中心とするナビゲーションデバイス10の傾きに応じる比例関数が、右の補助翼の電圧、左の補助翼の電圧、および垂直尾翼の電圧が、それぞれ、入力データDeltaAYの比例関数となるように使用されることが可能である。
【0255】
ナビゲーションデバイス10の回転によって制御される以上のアクションと並行して、アイソメトリックデバイス、および、例えば、ポテンショメータPTに対するアクションが、値DeltaPTに応じる比例関数に従って、無人機の加速および速度を制御する。
【0256】
図20に示される別の実施形態では、無人機を操縦するモードは、ナビゲーションデバイス10に加えられるアクションが、特に、デバイスの傾斜角RX、RY、およびRZが、安定装置、補助翼、および垂直尾翼の制御に直接に適用されるという前提で、熟練者タイプであり、経験豊富なユーザのために取っておかれていることが可能である。
【0257】
特に、安定装置の電圧は、RXに応じる比例関数であることが可能であり、補助翼の電圧は、RYに応じる比例関数であることが可能であり、垂直尾翼の電圧は、RZに応じる比例関数であることが可能である。
【0258】
前述の場合と同様に、無人機の速度は、ポテンショメータの値に応じる比例関数によって制御されることが可能である。
【0259】
このため、本発明は、現実の空間において飛行機タイプの飛行物体を制御することができる。ナビゲーションデバイスは、水上のボートの動きを制御するのにも同様に使用されることが可能であり、その場合、高度を変更する「上昇」または「降下」の概念は、除かれる。
【0260】
もちろん、本発明の範囲を逸脱することなく、多数の変更が、前述した実施形態に加えられることが可能である。
【0261】
特に、以上に、3つの次元を有する空間におけるナビゲーションに専用のナビゲーションデバイスを説明してきたが、そのナビゲーションデバイスは、コンピュータマウスが備える標準の手段のような、2つの次元を有する仮想空間におけるポインティングのための手段をさらに含んでもよい。2位置ボタンタイプの切り換え手段が、ユーザによってデバイスが操作されて、ケーシングの傾きを検出し、したがって、少なくとも3つの次元を有する空間におけるナビゲーションする、動作モードから、デバイスが、例えば、作業面上で動かされる、2つの次元を有する仮想空間におけるポインタとして作用する第2の動作モードに切り換えるのに使用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(10)のピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシング(10)の傾きを表す信号を生成するための手段(20)を組み込んだ、ユーザによって操作されるように構成されたケーシング(10)を含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスであって、
前記ケーシングが、前記空間の少なくとも1つの軸に関する双方向の動きを制御するための制御信号を生成する少なくとも1つのアイソメトリックデバイス(30)を組み込むことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記アイソメトリックデバイス(30)が、前記アイソメトリックデバイス(30)の少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力に敏感であること、および動き制御信号が、前記軸に沿ってかけられた力を表す信号であることを特徴とする、請求項1に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項3】
アイソメトリックデバイス(30)が、前記アイソメトリックデバイス(30)の3つの軸に沿ってかけられた力に敏感であり、前記空間の3つの軸に関する双方向の動きを制御するための制御信号を生成するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項4】
ケーシング(10)の傾きを表す信号を生成するための前記手段(20)が、少なくとも2つの加速度計(22)と、2つの磁力計(23)とを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項5】
一方で、2つの次元を有する仮想空間においてポインティングするための手段をさらに含み、他方で、第1のモードと第2のモードとの間で動作モードを切り換えるための手段をさらに含み、第1のモードにおいて、デバイスが、ユーザによって操作されて、ケーシングの傾きを検出し、第2のモードにおいて、デバイスが、2つの次元を有する仮想空間におけるポインタとして作用することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項6】
ケーシング(10)が、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイス(30)が、ケーシングの上面(12)に配置されて、前記ケーシング(10)を片手に把持しているユーザの親指によって操作されるように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項7】
ケーシングが、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイス(30)が、前記ケーシングの側面(17)に配置されて、前記ケーシングを片手に把持しているユーザの指によって操作されるように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(10)と、
ケーシングの傾きを表す信号、および少なくとも3つの次元を有する空間において少なくとも1つの動きを生じさせる制御信号を考慮に入れるように構成されたプロセッサ手段(130、203)とを含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのナビゲーションシステム。
【請求項9】
ケーシングの傾きを表す信号が、前記空間において3つの双方向の動きを生じさせるように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
ケーシングの傾きを表す前記信号が、前記空間における双方向の回転を制御する信号を生成するように構成されることを特徴とする、請求項9に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
制御信号が、前記空間の3つの軸に関する双方向の動きを生成するように構成されることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
制御信号が、独立型のナビゲーションデバイスのアイソメトリックデバイスの少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力を表す信号であること、および制御信号は、前記軸に沿ってかけられた前記力に応じて、前記空間において動きを生じさせるように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
空間における動きが、前記軸に沿ってかけられた力を表す前記信号と、所定の閾値との比較に応じることを特徴とする、請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記軸に沿ってかけられた力を表す信号が、前記空間において双方向の並進を生じさせるように構成されることを特徴とする、請求項13に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートする方法であって、
ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシング(10)の傾きを表す信号を獲得するステップと、
前記ケーシング(10)に組み込まれたアイソメトリックデバイス(30)によって生成された、前記空間の少なくとも1つの軸に沿った空間における双方向の動きを制御するための制御信号を獲得するステップと、
ケーシングの傾きを表す信号から、前記空間において少なくとも1つの双方向の動きを生じさせるステップと、
前記制御信号から、前記空間において少なくとも1つの第2の双方向の動きを生じさせるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における双方向の回転を制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項17】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項18】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における2つの双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項19】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における双方向の回転と、2つの双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における双方向の並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項20】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項21】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における3つの双方向の並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項1】
ケーシング(10)のピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシング(10)の傾きを表す信号を生成するための手段(20)を組み込んだ、ユーザによって操作されるように構成されたケーシング(10)を含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするための独立型のデバイスであって、
前記ケーシングが、前記空間の少なくとも1つの軸に関する双方向の動きを制御するための制御信号を生成する少なくとも1つのアイソメトリックデバイス(30)を組み込むことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記アイソメトリックデバイス(30)が、前記アイソメトリックデバイス(30)の少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力に敏感であること、および動き制御信号が、前記軸に沿ってかけられた力を表す信号であることを特徴とする、請求項1に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項3】
アイソメトリックデバイス(30)が、前記アイソメトリックデバイス(30)の3つの軸に沿ってかけられた力に敏感であり、前記空間の3つの軸に関する双方向の動きを制御するための制御信号を生成するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項4】
ケーシング(10)の傾きを表す信号を生成するための前記手段(20)が、少なくとも2つの加速度計(22)と、2つの磁力計(23)とを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項5】
一方で、2つの次元を有する仮想空間においてポインティングするための手段をさらに含み、他方で、第1のモードと第2のモードとの間で動作モードを切り換えるための手段をさらに含み、第1のモードにおいて、デバイスが、ユーザによって操作されて、ケーシングの傾きを検出し、第2のモードにおいて、デバイスが、2つの次元を有する仮想空間におけるポインタとして作用することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項6】
ケーシング(10)が、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイス(30)が、ケーシングの上面(12)に配置されて、前記ケーシング(10)を片手に把持しているユーザの親指によって操作されるように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項7】
ケーシングが、実質的に平行六面体の形状を有し、アイソメトリックデバイス(30)が、前記ケーシングの側面(17)に配置されて、前記ケーシングを片手に把持しているユーザの指によって操作されるように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の独立型のナビゲーションデバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(10)と、
ケーシングの傾きを表す信号、および少なくとも3つの次元を有する空間において少なくとも1つの動きを生じさせる制御信号を考慮に入れるように構成されたプロセッサ手段(130、203)とを含む、少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートするためのナビゲーションシステム。
【請求項9】
ケーシングの傾きを表す信号が、前記空間において3つの双方向の動きを生じさせるように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
ケーシングの傾きを表す前記信号が、前記空間における双方向の回転を制御する信号を生成するように構成されることを特徴とする、請求項9に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
制御信号が、前記空間の3つの軸に関する双方向の動きを生成するように構成されることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
制御信号が、独立型のナビゲーションデバイスのアイソメトリックデバイスの少なくとも1つの軸に沿ってかけられた力を表す信号であること、および制御信号は、前記軸に沿ってかけられた前記力に応じて、前記空間において動きを生じさせるように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
空間における動きが、前記軸に沿ってかけられた力を表す前記信号と、所定の閾値との比較に応じることを特徴とする、請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記軸に沿ってかけられた力を表す信号が、前記空間において双方向の並進を生じさせるように構成されることを特徴とする、請求項13に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
少なくとも3つの次元を有する空間においてナビゲートする方法であって、
ピッチ軸、ロール軸、およびヨー軸に関するケーシング(10)の傾きを表す信号を獲得するステップと、
前記ケーシング(10)に組み込まれたアイソメトリックデバイス(30)によって生成された、前記空間の少なくとも1つの軸に沿った空間における双方向の動きを制御するための制御信号を獲得するステップと、
ケーシングの傾きを表す信号から、前記空間において少なくとも1つの双方向の動きを生じさせるステップと、
前記制御信号から、前記空間において少なくとも1つの第2の双方向の動きを生じさせるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における双方向の回転を制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項17】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項18】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における2つの双方向の回転と、双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項19】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における双方向の回転と、2つの双方向の並進とを制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における双方向の並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項20】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【請求項21】
ケーシングの傾きを表す前記信号から、前記空間における3つの双方向の回転を制御するための信号を生成するステップと、
アイソメトリックデバイスによって生成された前記制御信号から、前記空間における3つの双方向の並進を制御するための信号を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のナビゲーション方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−53897(P2012−53897A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−234643(P2011−234643)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2007−537340(P2007−537340)の分割
【原出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(596048569)コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク (53)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234643(P2011−234643)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2007−537340(P2007−537340)の分割
【原出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(596048569)コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク (53)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]