説明

局所投与用担体組成物およびそれを含む治療用配合物

【課題】活性成分組成物を人体に局所塗布したときに、全身浸透を生じやすいミノキシジルのような活性成分と蒸発損失を生じやすい溶媒とを含有する活性成分組成物の配合物における使用に好適な、水、グリセリンおよびポリソルベートを含む局所投与用担体組成物。
【解決手段】前記担体配合物は、本発明の担体組成物を含まない配合物に比して、溶媒成分の蒸発損失および活性成分組成物の全身移行損失を遅延させ、持続的な局所作用をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「局所投与用担体組成物及びそれを含む治療用配合物」について、Shane Malekの名において2005年12月16日に出願した、US特許出願11/305,647号の、部分継続出願である。前記米国特許出願11/305,647号の優先権を、35USC120条項に基づき主張する。
本発明は、人体の頭皮、皮膚および他の部分に投与するための、治療剤および他の活性成分を含む配合物を製造するのに使用する局所投与用担体組成物、ならびにそのような担体組成物を含む配合物(formulation)に関する。
【背景技術】
【0002】
治療剤および他の活性成分の局所投与用の担体の配合において、広範な配合成分が使用され、それらは多くの場合、適用される特定の活性成分に特異的に適合される。
【0003】
多くの活性成分組成物の局所投与における重要な問題は、それらは性質上、高度に揮発性であるということである。その結果、活性成分組成物からの溶媒の蒸発損失は顕著であり、そのような成分組成物の処置効能の低下をもたらす。活性成分組成物からの溶媒の蒸発損失は、したがって、配合物が局所投与された人体の部分への活性成分の治療効果および利益の持続期間を大幅に減少させうる。
【0004】
その結果、有益な効果を保証するためには、より多い量の局所用組成物を投与することが必要となりうる。このことは、活性成分組成物からの溶媒の蒸発損失を補償するように、過剰の物質を供することになるため、組成物の全体としての過剰使用をもたらしうる。
【0005】
局所用組成物、例えば、皮膚処置剤、毛髪処置剤、毛髪成長組成物、キューティクル処置剤等の使用においてしばしば生じる他の問題は、活性成分が非常に全身移行(systemic migration)を生じやすいということである。全身移行は、活性局所用剤が、皮膚、毛髪、爪などを通って使用者の全身に浸透して、その結果、活性成分の表面活性が損われることを意味する。蒸発損失の場合と同様に、全身移行は、溶媒の蒸発損失に関して上記したことと同様の結果を伴って、活性成分の有益な効果を減少させる。
【0006】
さらに、そのような全身移行は、皮膚、頭皮、毛髪等の表面に留まることを意図された活性成分が、にも拘らず、皮膚、毛包、および/または他の全身ポータル(systemic portal)を通って、活性成分が望ましくなく、実際に、悪い生理的副作用に寄与しうるような使用者の体内の内部局所に体内透過するために、この活性成分由来の全身性毒性効果を招来しうる。例えば、市販の5%ミノキシジル配合物の日常的使用者のかなりの割合の人が、使用10〜30分後の心臓の動悸および使用1〜2時間後の頭皮刺激を報告している。
【0007】
したがって、配合物からの溶媒の蒸発損失を遅延させ、活性成分の全身浸透を最少にする改良された組成物を開発するために、上記のような欠陥を受けやすい活性成分を含む局所用組成物の分野で引き続き検討がなされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、人体、例えば皮膚、毛髪等に局所投与するための活性成分の配合物を製造する上で有用に使用される局所投与用担体組成物に関する。
【0009】
本発明は、下記担体組成物が存在しない場合には、溶媒の蒸発損失を生じやすく人体に局所適用されたときに活性成分の全身移行を生じやすい活性成分組成物との使用に好適な局所投与用担体組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の局所投与用担体組成物は、成分として、水、グリセリンおよびポリソルベートを、そのような担体が存在しない場合に生じるであろう溶媒の蒸発損失および活性成分の全身移行を減少させる互いの相対的な割合で含有する。あるいは、局所投与用担体組成物は、種々の実施態様において、そのような水、グリセリン、およびポリソルベート成分より成るか、またはそれらより実質的に成るものであることができる。
【0011】
本発明は、一つの態様において、下記担体組成物が存在しない場合に全身移行を生じやすい活性成分および下記担体組成物が存在しない場合に蒸発損失を生じやすい溶媒を含む配合物中において(i)溶媒の揮散および(ii)局所的活性剤の全身移行を遅らせるような互いの相対的な割合で、水、グリセリンおよびポリソルベート−80を含有する担体組成物に関する。
【0012】
他の態様において、本発明は、
40〜70重量%の水、
20〜40重量%のグリセリン、および
5〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を含む担体組成物に関する。
【0013】
さらに他の態様において、本発明は、
55〜60重量%の水、
30〜35重量%のグリセリン、および
8〜12重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を含む担体組成物に関する。
【0014】
本発明の他の態様は、以下の成分:水、グリセリン、ポリソルベート80、レチノール、ノコギリヤシ(serenoa serrulata)の実抽出物、ベータシトステロール、パンテノール、シスチン、ビオチン、ポリソルベート−20、DMDMヒダントイン、メチルパラベンを含む担体組成物に関する。
【0015】
本発明のさらなる態様は、局所からの望ましくない全身浸透を生じやすい少なくとも一つの活性成分およびそのような局所からの蒸発損失を生じやすい溶媒を含有する局所用組成物の配合方法であって、活性成分を本発明の担体組成物を含む配合物に添加することを含む方法に関する。
【0016】
本発明の他の態様は、配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 1〜10%
グリセリン 18〜30%
ポリソルベート80 4〜16%
レチノールパルメテート 0.01〜0.1%
ベータ−シトステロール 0.0001〜0.001%
パンテノール 0.001〜0.01%
DMDM−ヒダントイン 0.02〜0.2%
メチルパラベン 0.01〜0.2%
エタノール 30〜50%
水 10〜25%
(ここで、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を有するミノキシジル配合物に関する。
【0017】
本発明の特定の態様は、配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 5%
グリセリン 24.5%
ポリソルベート80 7.6%
レチノールパルメテート 0.05%
ベータ−シトステロール 0.0004%
パンテノール 0.004%
DMDM−ヒダントイン 0.073%
メチルパラベン 0.09%
エタノール 44.2%
水 17%
を有するミノキシジル配合物に関する。
【0018】
本発明の他の特定の態様は、配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 2%
グリセリン 24.5%
ポリソルベート80 7.6%
レチノールパルメテート 0.05%
ベータ−シトステロール 0.0004%
パンテノール 0.004%
DMDM−ヒダントイン 0.073%
メチルパラベン 0.09%
エタノール 44.2%
水 20%
を有するミノキシジル配合物に関する。
【0019】
本発明の他の態様は、配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 1〜10%
グリセリン 15〜35%
ポリソルベート80 2〜20%
プロピレングリコール 0〜40%
エタノールまたは他のアルコール 10〜50%
水 5〜35%
任意的な追加の成分 0〜3%
(任意的な成分として、例えば、レチノールおよび/またはレチノイド化合物、ベータシトステロール、パンテノール、DMDM−ヒダントイン、ビオチン、シスチン、サーバル・セララタ(sabal seralata)の実抽出物または他のノコギリヤシ(saw palmetto)化合物、メチルパラベンまたは他の保存剤が挙げられる)
(ここで、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を有するミノキシジル配合物に関する。
【0020】
本発明のさらなる態様は、活性成分組成物である組成物Aおよび担体組成物である組成物Bを含む2パッケージ型毛髪成長用配合物であって、組成物Aが以下の重量組成:
組成物A
水 10〜22重量%
プロピレングリコールまたは他のグリコール 40〜60重量%
エタノールまたは他のアルコール 20〜30重量%
ミノキシジル 1〜10重量%
合計 100.00重量%
を有し、かつ組成物Bが以下の重量組成:
組成物B
水 40〜60重量%
グリセリン 20〜40重量%
ポリソルベート80 5〜15重量%
任意的な追加の成分 0〜3重量%
(任意的な成分として、例えば、レチノールおよび/またはレチノイド化合物、ベータシトステロール、パンテノール、DMDM−ヒダントイン、ビオチン、シスチン、サーバル・セララタの実抽出物または他のノコギリヤシ化合物、メチルパラベンまたは他の保存剤が挙げられる)
合計 100.00重量%
を有する配合物に関する。
【0021】
本発明の別のさらなる態様は、活性成分組成物である組成物Aおよび担体組成物である組成物Bを含む2パッケージ型毛髪成長用配合物であって、組成物Aが以下の重量組成:
組成物A
水 15.959重量%
プロピレングリコール 52.803重量%
エタノール 26.141重量%
ミノキシジル 5.097重量%
合計 100.00重量%
を有し、かつ組成物Bが以下の重量組成:
組成物B
水 56.227重量%
グリセリン 32.740重量%
メチルパラベン 0.250重量%
パンテノール 0.010重量%
DMDMヒダントイン 0.200重量%
サーバル・セララタの実抽出物 0.010重量%
ポリソルベート80 10.260重量%
ベータ−シトステロール 0.001重量%
ビオチン 0.001重量%
シスチン 0.001重量%
レチノール 0.300重量%
合計 100.00重量%
を有する配合物に関する。
【0022】
本発明の他の態様は、頭皮への局所塗布におけるアルコール性ミノキシジル組成物の効能を増大させる方法であって、前記アルコール性ミノキシジル組成物をグリセリンおよびポリソルベート−80を含有する水性担体組成物と共に配合することを含む方法に関する。
【0023】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、以下の記載から容易に明らかであり、本明細書中の記載に基づいて、過度の労力を必要とすることなく、実験的に決定することにより容易に導き出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(本発明の詳細な記載およびその好ましい実施態様)
本発明は、人体に局所塗布されたときに、溶媒の蒸発損失を生じやすく、また、活性成分の全身浸透を生じやすい活性成分組成物との使用に好適な、局所投与用担体組成物に関する。
【0025】
本発明の担体組成物は、そのような担体組成物が存在しない場合に生じるであろう蒸発損失および全身移行損失に関して、溶媒の蒸発損失の減少および活性成分の全身移行の減少を達成するために、そのような活性成分組成物と配合される。
【0026】
本発明の局所投与用担体組成物は、成分として、水、グリセリンおよびポリソルベートを、そのような担体が存在しない場合に生じるであろう溶媒の蒸発損失および活性成分の全身移行を減少させるような、互いの相対的な割合で含有する。
【0027】
局所投与用担体組成物は、あるいは、そのような水、グリセリンおよびポリソルベート成分を含むか、それらより成るか、またはそれらより実質的に成るものであることができる。
【0028】
本発明は、毛髪成長促進剤のような活性成分への適用が極めて有効であることが見出されている簡単で有効な担体組成物を提供する。
【0029】
そのような担体組成物は、そのような溶媒損失および全身移行を生じやすい従来技術のミノキシジル配合物に比して、配合物からの揮発溶媒損失および配合物が塗布された頭皮部分からの活性成分の全身移行を減少させるために、ミノキシジルのような活性成分に特別な適用可能性を有している。
【0030】
一つの実施態様において、本発明の担体組成物は、水、グリセリンおよびポリソルベート−80を、例えば、
40〜70重量%の水、
20〜40重量%のグリセリン、および
5〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものであり、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
の量で含有する。
【0031】
そのような担体組成物の特定の実施態様において、組成物は、例えばパンテノール、システイン、3−ベータシトステロール、4−レチノール、ビオチン、実の抽出物、シロップなど、保存剤(例えば、メチルパラベン)、DMDMヒダントイン、および(レチノールが組成物中に存在する場合、レチノールのアジュバント安定剤としての)ポリソルベート−20等を含む追加の任意的な成分と共に配合しうる。
【0032】
特定の実施態様において、局所用担体組成物は、以下の成分:
50〜60重量%の水、
28〜35重量%のグリセリン、および
7〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものであり、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を含む。
【0033】
本発明の他の担体組成物の実施態様において、水は55〜60重量%の量で存在し、グリセリンは30〜35重量%の量で存在し、ポリソルベート−80は8〜12重量%の量で存在する(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものであり、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)。
【0034】
本発明の組成物の必須成分は、互いに相対的な比率で変動することができ、また局所使用用の担体と共に用いられる特定の活性成分に適切な、種々の配合物が作製できることが理解されよう。
【0035】
記述したように、本発明の担体は、そのような担体組成物の必須成分として、上記の水、グリセリンおよびポリソルベート成分より成るか、またはそれらより実質的に成るものであることができる。
【0036】
本発明のさらに特別な実施態様において、水、グリセリンおよびポリソルベートの必須の成分には、上で例示的に述べたものを含むさらなる添加剤を、様々に追加することができる。一つの実施態様において、そのような添加剤として、パンテノール、システイン、ベータシトステロール、およびレチノールの一つ以上が挙げられる。さらなる実施態様において、そのような添加剤の二つ以上が担体組成物に加えられ、他の実施態様においては、そのような成分の少なくとも三つが存在し、さらに他の組成物は、そのような添加剤の四つすべてを含む。
【0037】
本発明の担体配合物は、活性成分組成物が本発明の担体組成物と配合されなかった場合には生じるであろう溶媒の蒸発損失および活性成分の全身移行の程度に応じて、多様な形態で構成されうる。
【0038】
したがって、活性成分組成物それ自体中ならびに活性成分組成物が本発明の担体組成物と混合された場合での、蒸発損失および全身移行損失を評定する簡単な実験的手法によって、本明細書中の開示に基づいて、過度の実験を必要とせずに、そのような蒸発様式および全身様式の損失を起こしやすい特定の活性成分組成物に対して、本発明の配合物を、容易に実験的に確定しうる。好適な実験手法として、本明細書の実施例中に、以下に例示的に記載するものが挙げられる。
【0039】
本発明の一つの例示的な実施態様において、担体組成物は、以下の成分を含む:

グリセリン
ポリソルベート80
レチノール
ノコギリヤシの実抽出物
ベータシトステロール
パンテノール
シスチン
ビオチン
ポリソルベート20
DMDMヒダントイン
メチルパラベン。
【0040】
担体が有用である活性成分として、多様な局所用剤が挙げられる。一つの好ましいクラスの活性成分は、毛髪成長促進剤、毛髪損傷回復剤、毛髪ケア化粧剤、頭皮処置製品、シャンプー、日焼け止め剤、およびサンブロック剤などを包含する毛髪ケア製品、頭皮ケア製品を含む。本発明の担体組成物の一つの好ましい適用は、ミノキシジルの配合用のビヒクルとしてであり、得られるミノキシジル配合物の毛髪成長促進剤としての頭皮への適用である。
【0041】
ミノキシジルの毛髪成長促進剤としての使用のためのそのような好ましい応用において、本発明の担体組成物は、ミノキシジル溶液のアルコール性特性を中和する働きをするため、全体としての配合物は、より長時間液体形態を維持し、アルコールまたは他の揮発性成分の速い損失を持続させず、そのため、活性成分ミノキシジルは、使用者の体内、(例えば血流中)に過剰な全身移行をすることなく、むしろ頭皮に留まって、その毛包で作用する。
【0042】
同様に、本発明の担体組成物は、活性成分組成物からの揮発性成分の蒸発損失を減少させ、かつ活性成分組成物の活性成分および/または他の成分の全身移行を減少させ、治療的介入、美容向上等の目的で、人体上での活性成分組成物の持続的存在/持続性を達成するために、アルコール性または他の揮発性成分を含有する他の活性成分組成物と共に使用することができる。
【0043】
一般に、本発明のミノキシジル含有配合物は、担体組成物を、任意の好適な比率で活性成分組成物に対して添加して、所望のミノキシジル濃度を得ることができる。典型的には、約0.1重量%〜約15重量%以上の範囲のミノキシジル濃度が、一般に有用であり、配合物中のミノキシジルの好ましい濃度は、例えば、配合物の重量に対して、約0.5重量%〜10重量%のオーダーであることができる。本発明の一般的範囲内の他の態様では、配合物の全重量に対して、例えば1〜7wt%、2〜6wt%、3〜6wt%、および4〜6wt%の範囲の、様々な範囲のミノキシジルを利用する。
【0044】
本発明のミノキシジル含有配合物は、ミノキシジル使用の継続的プログラムの一部として使用されることができ、そこでは、そのような配合物を、定期的に、例えば、毎日一日2回、1投与当たり組成物0.5〜2mLの量で頭皮に塗布される。
【0045】
例として、ミノキシジル配合物は、配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 1〜10%
グリセリン 15〜35%
ポリソルベート80 2〜20%
プロピレングリコール 0〜40%
エタノールまたは他のアルコール 10〜50%
水 5〜35%
任意的な追加の成分 0〜3%
(任意的な成分として、例えば、レチノールおよび/またはレチノイド化合物、ベータシトステロール、パンテノール、DMDM−ヒダントイン、ビオチン、シスチン、サーバル・セララタの実抽出物または他のノコギリヤシ化合物、メチルパラベンまたは他の保存剤が挙げられる)
(ここで、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を有する。
【0046】
本発明のミノキシジル配合物は、活性成分組成物である組成物Aおよび担体組成物である組成物Bを含む2パッケージ型毛髪成長用配合物であって、組成物Aが以下の重量組成:
組成物A
水 10〜22重量%
プロピレングリコールまたは他のグリコール 40〜60重量%
エタノールまたは他のアルコール 20〜30重量%
ミノキシジル 1〜10重量%
合計 100.00重量%
を有し、かつ組成物Bが以下の重量組成:
組成物B
水 40〜60重量%
グリセリン 20〜40重量%
ポリソルベート80 5〜15重量%
任意的な追加の成分 0〜3重量%
(任意的な成分として、例えば、レチノールおよび/またはレチノイド化合物、ベータシトステロール、パンテノール、DMDMヒダントイン、ビオチン、シスチン、サーバル・セララタの実抽出物または他のノコギリヤシ化合物、メチルパラベンまたは他の保存剤が挙げられる)
合計 100.00重量%
を有する配合物として提供されうる。
【0047】
本発明の一つの例示的なミノキシジル含有毛髪成長用組成物は、活性成分組成物である組成物Aおよび担体組成物である組成物Bを含む2パッケージ型毛髪成長用配合物であって、組成物Aが以下の構成:
組成物A
水 15.959重量%
プロピレングリコール 52.803重量%
エタノール 26.141重量%
ミノキシジル 5.097重量%
合計 100.00重量%
を有し、かつ組成物Bが以下の構成:
組成物B
水 56.227重量%
グリセリン 32.740重量%
メチルパラベン 0.250重量%
パンテノール 0.010重量%
DMDMヒダントイン 0.200重量%
サバール・セララタの実抽出物 0.010重量%
ポリソルベート80 10.260重量%
ベータシトステロール 0.001重量%
ビオチン 0.001重量%
シスチン 0.001重量%
レチノール 0.300重量%
合計 100.00重量%
を有する配合物として提供される。
【0048】
使用において、組成物Aおよび組成物Bは、2容量部の組成物A(活性成分組成物)に対し、1容量部の組成物B(担体組成物)の混合比で、一緒に混合される。
【0049】
この(2容量部の組成物A:1容量部の組成物B)配合物は、以下、ビタジル/ヌトリゾル(Vitadil/Nutrisol)配合物と称される。
【0050】
以下に、本発明の好ましい実施態様用の、組成物B成分および対応する商品名の一覧表を示す。
【表1】

【0051】
他の態様において、本発明は、以下の範囲の成分濃度:
ミノキシジル配合物(w/w)
ミノキシジル 1〜10%
グリセリン 18〜30%
レチノールパルメテート 0.01〜0.1%
ポリソルベート80 4〜16%
ベータシトステロール 0.0001〜0.001%
パンテノール 0.001〜0.01%
DMDM−ヒダントイン 0.02〜0.2%
メチルパラベン 0.01〜0.2%
エタノール 30〜50%
水 10〜25%
(ここで、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を有するミノキシジル配合物に関する。
【0052】
特定の実施態様において、本発明に係るミノキシジル配合物は、以下の組成:
ミノキシジル5%溶液(w/w)
ミノキシジル 5%
グリセリン 24.5%
ポリソルベート80 7.6%
レチノールパルメテート 0.05%
ベータシトステロール 0.0004%
パンテノール 0.004%
DMDM−ヒダントイン 0.073%
メチルパラベン 0.09%
エタノール 44.2%
水 17%
を有する。
【0053】
このような配合物は、例えば、男性型禿頭の処置のように、毛髪成長を求めている男性対象に特に好適でありうる。
【0054】
他の実施態様において、本発明に係るミノキシジル配合物は、5%のミノキシジルおよび17%の水の代わりに、2%のミノキシジルおよび20%の水を含むこと以外は同じ組成を有する。この配合物を、その成分について、以下に特定する。
【0055】
ミノキシジル2%溶液(w/w)
ミノキシジル 2%
グリセリン 24.5%
ポリソルベート80 7.6%
レチノールパルメテート 0.05%
ベータシトステロール 0.0004%
パンテノール 0.004%
DMDM−ヒダントイン 0.073%
メチルパラベン 0.09%
エタノール 44.2%
水 20%
【0056】
このような配合物は、例えば、女性禿頭の処置に使用しうる。
【0057】
一般に、本発明の組成物は、温和な混合条件下に室温で、成分を単に混合することによって、担体組成物とすることで実際に形成することができ、例えばバットまたは他の容器中でパドルミキサーを使用することにより、担体組成物製品を製造できる。
【0058】
本発明の配合物は、同様に、担体組成物および活性成分組成物を、温和な撹拌条件下に室温で混合することにより構成しうる。
【0059】
本発明の特徴および利点は、以下の非限定的な例からより完全に明らかなものとなるが、そこでは、すべての部およびパーセントは、他のように明示されない限り、重量によるものである。
【実施例】
【0060】
実施例1
繰返し損傷パッチ試験
ミノキシジルの市販組成物が、ほぼすべての使用者に、皮膚の掻痒感、乾燥、および鱗片状剥落を引き起こすことが知られているという事実に基づいて、本発明に係るミノキシジル配合物の皮膚刺激および感作可能性を判断するために研究を行った。
【0061】
前述の本発明のビタジル/ヌトリゾル配合物を、このようなミノキシジル配合物を含有する経皮パッチ(フレックスコン(Flexcon、登録商標)を伴う密閉ストリップ、TrueMed Technologies, Inc., Burnsville, Minnesota)中で試験対象者に投与した。
【0062】
試験対象者(男性および女性)は、以下の基準に基づいて選択した:年齢は18〜70歳;全体的に良好な健康;試験物質からの皮膚反応と混同しうる皮膚病を有しない;女性の場合には、妊娠または授乳していない試験対象者;そして次いで、いずれの全身性もしくは局所性コルチコステロイド、抗炎症薬、または抗ヒスタミン剤を現在使用していない対象者。
【0063】
試験対象者の皮膚にパッチを貼る前に、試験部分を70%イソプロピルアルコールで拭き、乾燥させた。各試験対象者の肩甲骨の間の背中上部に適用される試験物質は、24時間の間、皮膚に直接接触したままにした。
【0064】
パッチを、各対象者の同じ部位に、試験中の不訪問および休日を考慮してスケジュールを修正しながら、月曜日、水曜日、および金曜日に、誘発期間の間に合計9回の貼付で、適用した。試験対象者が指定された試験日に報告できなかった場合には、試験物質を誘発フェーズ中の連続する2日に貼付するか、および/または誘発フェーズの最後に穴埋め日を追加した。
【0065】
上記のようにパッチ貼りスケジュールが変更されない限り、火曜日および木曜日に対象者がパッチを取り除いたのち24時間後に、また土曜日にパッチを取り除いたのち48時間後に、その部位を皮膚刺激についてランク付けした。
【0066】
部位は、以下のスコア付けシステムに従ってランク付けした:
通常スコア付けスケール
0 眼に見える皮膚反応なし
± わずかに紅斑が認められる
1+ 軽い紅斑
2+ 明確な紅斑
3+ 紅斑および浮腫
4+ 紅斑および小嚢を伴う浮腫
【0067】
「2+」反応またはそれ以上が生じた場合、試験物質は隣接する未貼付部位に貼付した。新たな部位に「2+」反応またはそれ以上が生じた場合、対象者は誘発フェーズ中には再びパッチ処置はされなかったが、調査の適切な日にチャレンジした。研究の監督者の判断で、「2+」未満のスコアのパッチ部位は、新たな部位に変更された。
【0068】
およそ2週間の休止期間に続いて、各対象者の背中に、チャレンジパッチを、前回未処置の試験部位に貼付した。24時間後、パッチを取り除き、試験部位を通常反応について評価した。試験部位は、48時間および72時間に再評価した。調査のチャレンジフェーズ中に反応を示した対象者は、96時間評価のために戻るように求められうる。
【0069】
研究は、224人の対象者で開始した。14人の対象者は、試験物質に関係がないとの理由で研究への関与を中断した。1人の対象者は、試験物質に予備感作状態であるため、中断した。合計209人の対象者が、研究を完了した。
【0070】
209人の対象者の試験集団に基づくと、本発明の配合物は、皮膚刺激または感作を顕在化させる臨床的に有意な可能性を示さなかった。
【0071】
研究の試験データを以下に示す。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【0072】
試験結果は、本発明のミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)により引き起こされる刺激はほぼゼロであることを示す。これは、ほぼすべての使用者に、皮膚の掻痒感、乾燥、および鱗片状剥落をある程度引き起こすとして周知のミノキシジルの市販製剤とは全く対照的である。
【0073】
実施例2
ミノキシジル溶液の蒸発損失
この試験では、ミノキシジル配合物1mLを含有するペトリ皿を、37℃に維持した加熱チャンバーに入れて、経過時間に対する蒸発損失をモニターした。比較試験は、本発明に係るミノキシジル配合物(上記のビタジル/ニュートリゾル配合物)(試料A)および市販のミノキシジルロゲイン(Rogaine、登録商標)(試料B)について行った。
ミノキシジル配合物を含有する皿を、ペトリ皿をデジタル読み取りの電子的測定器上に置いて、体温(37℃±0.5℃)に維持した加熱チャンバーに入れた。
【0074】
ペトリ皿およびミノキシジル配合物の全重量を、試験の開始時、ならびに30秒、1分、2分、5分、10分および15分の間隔で記録した。ペトリ皿の風袋重量を全重量の値から差し引き、測定時のペトリ皿中のミノキシジル配合物の重量を得た。
【0075】
試験を3回繰り返した(試料A:最初の試験、S1−1;2回目の試験、S1−2;3回目の試験、S1−3;および、試料B:最初の試験、U1−1;2回目の試験、U1−2;3回目の試験、U1−3)
【0076】
結果を、以下の表2(試料A、本発明の配合物)および表3(試料B、ロゲイン(登録商標)配合物)中に示し、比較結果のグラフは図1に含まれる(ここで、曲線Aは、本発明の(試料A)配合物の曲線であり、曲線Bは、先行技術のロゲイン(登録商標)配合物の曲線である。
【表12】

【表13】

【0077】
結果は、本発明の配合物が、市販のロゲイン配合物に比して、実質的に減少した蒸発損失を示すことを表わす。
【0078】
実施例3
本発明のミノキシジル配合物および先行技術のミノキシジル配合物の投与後の血液中のミノキシジル濃度レベル
3人の健康な男性対象者がこの実験に関与した。対象者は、少なくとも8ヶ月間、本発明の配合物(上記のビタジル/ニュートリゾル配合物)を毎日使用した。
【0079】
すべての対象者は、局所配合物を頭皮に簡単にマッサージしながら、活性ミノキシジル成分を一日30mgの量で、配合物を頭皮に局所塗布した。
【0080】
全身浸透を測定するために、血液試料を各対象者から採り、血液を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、市販の分析機器(NMS Labs, Willow Grove, Pennsylvania)により分析して、ミノキシジルの血中レベルを測定した。
【0081】
市販の従来技術のミノキシジル配合物を使用すると、以下のことが報告され、降圧剤的プロフィールが一般に認められる:
【表14】

【0082】
ピーク値を得るために、配合物の最も近い投与後1時間に採取した、本発明の配合物を使用した試験対象者の血液試料を、8.0ナノグラム/ミリリットルの検出限界を有するクロマトグラフィー機器を用いるHPLC分析にかけた。
【0083】
従来技術の市販ミノキシジル配合物の毎日使用者の250ng/mLのピークレベルに比べて、本発明の配合物の最も近い投与後1時間に採取した3人の試験対象者の血液試料では、ミノキシジルの存在が検出されなかった。
【0084】
したがって、本発明のミノキシジル配合物は、従来技術の市販ミノキシジル配合物の使用者の250ng/mLのレベルの濃度特性とは対照的に、HPLC機器の8.0ng/MLの検出限界より低い血中レベル濃度で実証されるように、全身浸透の予期されない著しい減少を示した。
【0085】
実施例4
心臓動悸および頭皮刺激実験
この調査では、使用後10〜30分で対象者に心臓動悸が発生することおよび使用後1〜2時間で頭皮刺激が発生することを判断するために、市販の局所用ミノキシジル配合物(ロゲイン(登録商標))および本発明のミノキシジル配合物(上記のビタジル/ニュートリゾル配合物)を、比較して試験した。
【0086】
この調査は、頭皮への配合物の投与の30分以内にかなりの数の使用者で心臓動悸が発生することおよび頭皮への配合物の投与の1〜2時間以内に有意な頭皮刺激が発生することを含む、市販のミノキシジル配合物の文書で十分に立証された副作用の観点から、着手した。
【0087】
各々の例において、試験対象者は、頭皮への配合物のマッサージを含む、通常の方法で頭皮へ配合物1ccを投与した。
【0088】
結果は、ロゲイン(登録商標)ミノキシジル配合物については以下の表4に、また本発明のビタジル/ニュートリゾル配合物については以下の表5に示した。
【表15】

【表16】

【0089】
結果は、本発明のミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)は、試験集団において、ロゲイン(登録商標)配合物に対して、かなりの改善を達成したことを示した。頭皮にロゲイン(登録商標)配合物を投与した試験対象者のかなりの部分は、心臓動悸および/または頭皮刺激を経験したが、本発明の配合物を投与した試験対象者は、心臓動悸または頭皮刺激の発生を経験しなかった。
【0090】
実施例5
投与された配合物の頭皮保持実験
この調査において、市販の局所用ミノキシジル配合物(ロゲイン(登録商標))および本発明のミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)について、それぞれの試験対象者が配合物を塗布した頭皮部分をビデオテープに録画することにより調査して、頭皮に配合物が保持されることを判断するために、比較して試験した。
【0091】
市販の局所用ミノキシジル配合物(ロゲイン(登録商標))1ccを試験対象者の頭皮に投与し、頭皮を9秒間ビデオテープに録画し、塗布した配合物からの溶媒の蒸発の結果、配合物が液体状態のままで留まっているか否かを判断した。
【0092】
同様の試験を、本発明の局所用ミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)1ccを試験対象者の頭皮に投与して行い、頭皮を9秒間ビデオテープに録画し、塗布した配合物からの溶媒の蒸発の結果、配合物が液体状態のままで留まっているかどうかを判断した。
【0093】
7人を市販の局所用ミノキシジル配合物(ロゲイン(登録商標))の試験対象者として用い、10人を本発明の局所用ミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)の試験対象者として用いた。
【0094】
配合物を特定の使用者の頭皮に塗布するとすぐに、頭皮部分の拡大ビデオテープ録画を開始し、9秒間続けた。
【0095】
投与された市販のミノキシジル配合物(ロゲイン(登録商標))のビデオテープを見ると、塗布された配合物は、最初は液状であるが、9秒間のビデオテープの最後までに配合物が乾燥した、粉末状外観となることを示した。
【0096】
投与された本発明のミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)のビデオテープを見ると、塗布された配合物は、9秒間のビデオテープの間中、そのまま湿ったままであることを示した。
【0097】
このように、本発明の担体組成物を含む本発明の配合物は、ビデオテープ録画の一区切りの間中、液状外観を示したが、従来技術のミノキシジル配合物は、同じ観察期間の間に、乾燥への急速な進行を示した。
【0098】
これらの結果は、従来技術の配合物に対して、蒸発損失は、本発明の配合物において実質的に減少したことを示した。ミノキシジル配合物が乾燥状態に到達すると、活性なミノキシジル成分が毛包に浸透する能力はほとんどあるいは全くなくなるので、このことは重要である。したがって、ミノキシジル含有配合物を使用者の頭皮上に液体状態で維持することにより、本発明の担体組成物を含有するミノキシジル配合物は、ミノキシジルの増強された効能を達成する。
【0099】
実施例6
発育相毛髪試験
この試験では、発育相毛髪(Anagen hair)成長のトリコスキャン(TrichoScan)を実施して(発育相は、毛根の細胞が迅速に分裂し、毛幹に付加する、毛包の活発な成長相である)、発育相毛髪の成長促進における本発明の毛髪成長用配合物の効能を調査した。
【0100】
トリコスキャン法は、Hoffman, R., "TrichpScan: a novel tool for the analysis of hair growth in vivo," J. Investg. Dermatol. Symp. Proc., 2003 June, 8(1): 109-15に記載の方法で実施した。
【0101】
試験調査における対象者は、本発明のミノキシジル配合物(ビタジル/ニュートリゾル配合物)を使用し、これを一日2回、1ccの量で塗布した。以下の表において、基準線区間は、試験の開始を表し、その時点での48時間読み取りは、ミノキシジル配合物のいずれの投与にも先立つものである。
【0102】
表8は、その時点での試験部分における発育相毛髪の数、ならびに2ヶ月区間後の48時間で測定された発育相毛髪の数(ミノキシジル配合物の毎日使用の開始後2ヶ月)、4ヶ月区間後の48時間で測定された発育相毛髪の数(ミノキシジル配合物の毎日使用の開始後4ヶ月)、および6ヶ月区間後の48時間で測定された発育相毛髪の数(ミノキシジル配合物の毎日使用の開始後6ヶ月)を示す。
【表17】

【表18】

【表19】

【0103】
表9は、表8からのデータを複合した表であり、発育相毛髪カウントで改善された対象者の数とパーセンテージ、2ヶ月、4ヶ月、および6ヶ月での変化%、ならびにこれらの測定値のP値を特定しており、本発明のミノキシジル配合物により達成された統計的に有意な改善を示している。
【表20】

【0104】
本発明を、特定の態様、特徴および実施態様に関して記述したが、本発明は、このように限定されるものではなく、本明細書中での具体的な記述を超えて、さらなる組成物、配合物、および配合方法および使用方法が包含されるものである。したがって、本発明は、本明細書中の開示に基づいて、当業者に容易に示唆されうるそのような変形、改変、および代替実施態様を含んで、広く解釈されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】実施例2の蒸発損失試験における、試料Aおよび試料Bの比較結果のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記担体組成物が存在しない場合に全身移行を生じやすい活性成分および下記担体組成物が存在しない場合に蒸発損失を生じやすい溶媒を含む配合物中において、下記担体組成物が(i)溶媒の揮散および(ii)局所的活性剤の全身移行を遅らせるような互いの相対的な割合で水、グリセリンおよびポリソルベート−80を含有する担体組成物。
【請求項2】
さらにパンテノールを含む、請求項1記載の担体組成物。
【請求項3】
さらにシステインを含む、請求項1記載の担体組成物。
【請求項4】
さらにベータシトステロールを含む、請求項1記載の担体組成物。
【請求項5】
水、グリセリン、およびポリソルベート−80が、以下の重量濃度:
40〜70重量%の水、
20〜40重量%のグリセリン、および
5〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を有する、請求項1記載の担体組成物。
【請求項6】
さらにレチノールおよびポリソルベート−20を含む、請求項1記載の担体組成物。
【請求項7】
水、グリセリン、ポリソルベート−80、パンテノール、およびベータシトステロールを含む、請求項1記載の担体組成物。
【請求項8】
水、グリセリン、およびポリソルベート−80が、以下の重量濃度:
50〜60重量%の水、
28〜35重量%のグリセリン、および
7〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を有する、請求項1記載の担体組成物。
【請求項9】
さらに保存剤を含む、請求項1記載の担体組成物。
【請求項10】
55〜60重量%の水、
30〜35重量%のグリセリン、および
8〜12重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を含む、担体組成物。
【請求項11】
局所部位からの望ましくない全身浸透を生じやすい少なくとも一つの活性成分およびそのような局所部位からの蒸発損失を生じやすい溶媒を含有する局所用組成物の配合方法であって、請求項1記載の担体組成物を含む配合物に前記活性成分を添加することを含む、前記方法。
【請求項12】
前記活性成分がミノキシジルを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項1記載の局所投与用担体組成物およびミノキシジルを含む、毛髪成長用配合物。
【請求項14】
前記局所投与用担体組成物が、
40〜70重量%の水、
20〜40重量%のグリセリン、および
5〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を含有する、請求項13記載の毛髪成長用配合物。
【請求項15】
前記配合物が、さらに、パンテノール、システイン、3−ベータシトステロール、4−レチノール、ビオチン、保存剤、DMDMヒダントイン、およびポリソルベート−20よりなる群から選択される少なくとも一つの添加剤を含む、請求項13記載の毛髪成長用配合物。
【請求項16】
前記局所投与用担体組成物が、
50〜60重量%の水、
28〜35重量%のグリセリン、および
7〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を含有する、請求項13記載の毛髪成長用配合物。
【請求項17】
前記配合物が、さらに、パンテノール、システイン、ベータシトステロール、およびレチノールの少なくとも一つを含む、請求項16記載の毛髪成長用配合物。
【請求項18】
以下の成分:水、グリセリン、ポリソルベート−80、レチノール、ノコギリヤシ(serenoa serrulata)の実抽出物、ベータシトステロール、パンテノール、シスチン、ビオチン、ポリソルベート−20、DMDMヒダントイン、メチルパラベンを含む担体組成物。
【請求項19】
請求項18記載の担体組成物およびミノキシジルを含む、毛髪成長用配合物。
【請求項20】
配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 1〜10%
グリセリン 18〜30%
ポリソルベート80 4〜16%
レチノールパルメテート 0.01〜0.1%
ベータ−シトステロール 0.0001〜0.001%
パンテノール 0.001〜0.01%
DMDM−ヒダントイン 0.02〜0.2%
メチルパラベン 0.01〜0.2%
エタノール 30〜50%
水 10〜25%
(ここで、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を有するミノキシジル配合物。
【請求項21】
配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 5%
グリセリン 24.5%
ポリソルベート80 7.6%
レチノールパルメテート 0.05%
ベータ−シトステロール 0.0004%
パンテノール 0.004%
DMDM−ヒダントイン 0.073%
メチルパラベン 0.09%
エタノール 44.2%
水 17%
を有するミノキシジル配合物。
【請求項22】
配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 2%
グリセリン 24.5%
ポリソルベート80 7.6%
レチノールパルメテート 0.05%
ベータシトステロール 0.0004%
パンテノール 0.004%
DMDM−ヒダントイン 0.073%
メチルパラベン 0.09%
エタノール 44.2%
水 20%
を有するミノキシジル配合物。
【請求項23】
配合物の全重量に対して、以下の重量組成:
ミノキシジル 1〜10%
グリセリン 15〜35%
ポリソルベート80 2〜20%
プロピレングリコール 0〜40%
エタノールまたは他のアルコール 10〜50%
水 5〜35%
(ここで、すべての成分の重量%は、合わせて100%である)
を有するミノキシジル配合物。
【請求項24】
レチノール、レチノイド化合物、ベータシトステロール、パンテノール、DMDMヒダントイン、ビオチン、シスチン、サーバル・セララタの実抽出物、およびメチルパラベンよりなる群から選択されるさらなる成分の少なくとも一つを、配合物の全重量に対して0〜3重量%さらに含む、請求項23記載のミノキシジル配合物。
【請求項25】
活性成分組成物である組成物Aおよび担体組成物である組成物Bを含む2パッケージ型毛髪成長用配合物であって、組成物Aが以下の重量組成:
組成物A
水 10〜22重量%
プロピレングリコールまたは他のグリコール 40〜60重量%
エタノールまたは他のアルコール 20〜30重量%
ミノキシジル 1〜10重量%
合計 100.00重量%
を有し、かつ組成物Bが以下の重量組成:
組成物B
水 40〜60重量%
グリセリン 20〜40重量%
ポリソルベート80 5〜15重量%
任意的な追加の成分 0〜3重量%
合計 100.00重量%
(ここで、前記任意的な追加の成分は、レチノール、レチノイド化合物、ベータシトステロール、パンテノール、DMDM−ヒダントイン、ビオチン、シスチン、サーバル・セララタの実抽出物、およびメチルパラベンよりなる群から選択される)
を有する、前記配合物。
【請求項26】
活性成分組成物である組成物Aおよび担体組成物である組成物Bを含む2パッケージ型毛髪成長用配合物であって、組成物Aが以下の重量組成:
組成物A
水 15.959重量%
プロピレングリコール 52.803重量%
エタノール 26.141重量%
ミノキシジル 5.097重量%
合計 100.00重量%
を有し、かつ組成物Bが以下の重量組成:
組成物B
水 56.227重量%
グリセリン 32.740重量%
メチルパラベン 0.250重量%
パンテノール 0.010重量%
DMDMヒダントイン 0.200重量%
サーバル・セララタの実抽出物 0.010重量%
ポリソルベート80 10.260重量%
ベータシトステロール 0.001重量%
ビオチン 0.001重量%
シスチン 0.001重量%
レチノール 0.300重量%
合計 100.00重量%
を有する、前記配合物。
【請求項27】
請求項23に記載の組成物Aおよび組成物Bが、2容量部の組成物Aに対し1容量部の組成物Bの混合比で、一緒に混合される、毛髪成長用配合物。
【請求項28】
頭皮への局所塗布におけるアルコール性ミノキシジル組成物の効能を増大させる方法であって、前記アルコール性ミノキシジル組成物をグリセリンおよびポリソルベート−80を含有する水性担体組成物と共に配合することを含む、前記方法。
【請求項29】
前記水性担体組成物が、
40〜70重量%の水、
20〜40重量%のグリセリン、および
5〜15重量%のポリソルベート−80
(ここで、そのような成分の重量%は、水性担体組成物中の水、グリセリンおよびポリソルベート−80の全重量に対するものである)
を含む、請求項28記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−519936(P2009−519936A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545781(P2008−545781)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/047615
【国際公開番号】WO2007/078796
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(308036941)
【Fターム(参考)】