屋上緑化プランターおよび屋上緑化システム
【課題】 材料の運搬および組立が容易で、全体の重量が抑えられ、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適した屋上緑化プランターを提供する。
【解決手段】 4枚の平板状の側板11で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠1と、この外枠1に囲まれた領域の底部に、外周を外枠1に近接させて設置されたトレイ2と、このトレイ2の角部でトレイ2と外枠1の互いに隣合う一対の側板11とを連結する連結金物6とを備える。連結金物6は、一対の側板11の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、トレイの角部の上面に形成された係合孔27に係合する係合部を有し、かつ一対の側板11に対してそれぞれビス止めするためのビス孔61を有する。
【解決手段】 4枚の平板状の側板11で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠1と、この外枠1に囲まれた領域の底部に、外周を外枠1に近接させて設置されたトレイ2と、このトレイ2の角部でトレイ2と外枠1の互いに隣合う一対の側板11とを連結する連結金物6とを備える。連結金物6は、一対の側板11の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、トレイの角部の上面に形成された係合孔27に係合する係合部を有し、かつ一対の側板11に対してそれぞれビス止めするためのビス孔61を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋上等の人工地盤の上に菜園や花壇を造るのに適した屋上緑化プランター、およびそれを用いた屋上緑化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉢やプランターを用いて、バルコニーで園芸を楽しむ人が多い。屋上のようにバルコニーよりも広いスペースがあり、もう少し本格的なものにしようとする場合、従来は、屋上等の床面に防水シートを敷き、その上にレンガやコンクリートブロックで囲いを作り、その囲いの中に土を入れて菜園や花壇としていた。しかし、この方法は、防水および根止めのための処理や囲いの施工が容易ではなく、また重量物であるレンガやコンクリートブロックを用いるため全体の重量が重くなるという問題があった。
【0003】
かかる問題に対して、人工地盤の上に比較的簡単に設置できる軽量な植栽設備が各種提案されている(例えば特許文献1,2)。
【特許文献1】特開2007−259716号公報
【特許文献2】特開2006−197865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば特許文献1は、折板屋根に植栽設備を設置する技術であり、平坦な屋上面には適用できない。また、特許文献2は、固化培土を用いて主に芝生等のマット状植物や根の浅い小さな草花を栽培するためのものであり、根菜類等のようにある程度の土壌深さを必要とする植物の栽培には適さない。他の提案も同様で、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適した技術は開示されていない。
【0005】
また、従来の植栽設備には、GRC(ガラスファイバー強化セメント)製プランター、FRP(繊維強化プラスチック)製プランター、木材等が使用されているが、これらの材料には以下の問題がある。すなわち、GRC製プランターは重量が重く、高価であり、施工が容易でない。FRP製プランターは、高価で、製造するのに型が必要である。木材は、劣化しやすい。
【0006】
この発明の目的は、材料の運搬および組立が容易で、全体の重量が抑えられ、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適した屋上緑化プランターを提供することである。
この発明の他の目的は、屋上緑化を促進できる屋上緑化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の屋上緑化プランターは、建物の屋上またはバルコニーに設置されるプランターであって、4枚の平板状の側板で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠と、この外枠に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイと、このトレイの角部でトレイと前記外枠の互いに隣合う一対の側板とを連結する連結金物とを備え、前記連結金物は、前記一対の側板の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、前記トレイの角部の上面に形成された係合孔に係合する係合部を有し、かつ前記一対の側板に対してそれぞれビス止めするためのビス孔を有することを特徴とする。
【0008】
この屋上緑化プランターは、4枚の側板、トレイ、連結金物等の各材料を現場で組立てるユニット構成であり、各材料は単独では軽量で嵩張らないため、組立前の各材料の運搬が容易である。外枠を構成する側板を軽量なものとすることにより、全体の軽量化を図ることができる。組立に際しては、連結金物の係合部をトレイの係合孔に係合させて、連結金具をトレイに取付け、この連結金具のビス孔に挿通したビスにより、互いに直角に保持された隣合う一対の側板をそれぞれ連結金物に固定する。これにより、トレイと一対の側板とが連結される。この連結をトレイの四隅それぞれについて行うことにより、屋上緑化プランターが組立てられる。この組立作業は、特別な工具類を必要とせず、高度な技術を要するものではないので、誰でも簡単に組立てられる。
【0009】
完成した屋上緑化プランターは、外枠に囲まれた領域のトレイ上側の空間に培土を入れることで、植物の栽培が可能となる。外枠の高さを高くすれば、土壌深さを深くすることができ、根菜類等の栽培も可能である。
【0010】
この発明において、前記連結金物の係合部に、前記係合孔に係合した状態で係合が外れるのを規制する返しを設けるとよい。
連結金物の係合部に返しが設けられていると、外力が加わっても連結金物がトレイから外れない。
【0011】
前記側板は人工木材製であり、前記トレイは合成樹脂製であってもよい。
側板を人工木材製、トレイを合成樹脂製とすると、耐久性向上と軽量化の両方を達成できる。
【0012】
また、前記側板は、この側板の端面に開口する空洞部を有し、互いに隣合う一対の側板の空洞部にわたって配置され前記連結金物に対向する補助金物を設け、この補助金物は、前記連結金物のビス孔に挿通したビスが螺着されるねじ孔を有する構成とすることができる。
連結金物を側板に固定するためのビスを、側板の空洞部に配した補助金物のねじ孔に螺着する構成とすれば、側板自体にねじ溝を形成する必要がないので、側板の素材の選択範囲が広がる。また、ビスの先端が側板の外周側に突出せず、美観上好ましい。
【0013】
さらに、前記トレイは、底板部と、この底板部から立ち上がり上下に連通する筒状部とを有し、前記底板部をプランター設置面に接触させて設置され、このプランター設置面に固定した固定用吸盤の一部を前記筒状部に挿通して抜け不能な状態にしてもよい。
これにより、屋上緑化プランター全体がプランター設置面に固定された状態となり、強風等による屋上緑化プランターの移動を防止できる。
【0014】
この発明の屋上緑化システムは、上記屋上緑化プランターを、建物の屋上に複数並設したものである。
屋上緑化プランターを建物の屋上に複数並設することで、屋上緑化を促進できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の屋上緑化プランターは、4枚の平板状の側板で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠と、この外枠に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイと、このトレイの角部でトレイと前記外枠の互いに隣合う一対の側板とを連結する連結金物とを備え、前記連結金物は、前記一対の側板の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、前記トレイの角部の上面に形成された係合孔に係合する係合部を有し、かつ前記一対の側板に対してそれぞれビス止めするためのビス孔を有するため、材料の運搬および組立が容易で、全体の重量が抑えられ、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適する。
【0016】
この発明の屋上緑化システムは、上記屋上緑化プランターを、建物の屋上に複数並設したものであり、これにより屋上緑化を促進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1〜図3は屋上緑化プランターの組立状態を示す。この屋上緑化プランターは、平面形状が正方形で上下に開口した外枠1と、この外枠1に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイ2とを備える。他に、これら外枠1およびトレイ2の固定用または連結用の部材として、固定用吸盤3、固定用ディスク4、固定用バンド5、第1、第2の連結金物6,7、補助金物8、反り防止金物9、およびビス10を有する。
【0018】
外枠1は、同寸法の4枚の側板11で構成されている。各側板11の端面は、側板の長手方向に対して平面形状45度の斜めになっており、この斜めの端面同士を突き合せて各側板11が互いに直角に交差させて接合される。側板11は、端面に開口する複数段、例えば4段の空洞部12を有する。側板11の内側面における端面の近傍には、上から1段目および3段目の空洞部12にそれぞれ連通するビス孔13が設けられている(図7)。側板11の材質は、例えば天然木材を模した人工木材とされる。人工木材は、例えば合成樹脂と木粉を混合して押出成型等で成型したものであり、その材料にはリサイクル品等が用いられる。人工木材は、天然木材よりも軽量で、腐食に対する耐久性に優れるという利点が得られる。
【0019】
トレイ2は、合成樹脂材料(例えばポリプロピレン)で成形されたものであって、平面形状正方形の底面部21と、この底面部21の四辺の外周縁から上方に立ち上がった立縁部22と、底面部21の中央部から上方に突出して上下に連通する筒状部23とでなる。
【0020】
底面部21の上面には、貯水用の格子状溝24が形成されている。この格子状溝24における縦溝と横溝の交差部24aは溝幅が広く、かつ深さが深くなっている。また、縦溝および横溝のそれぞれの両端部24bも交差部24aと同じ深さになっている。格子状溝24以外の部分である凸部25には、それぞれ複数の水抜き孔26(図1(B)に図示)が設けられている。
【0021】
立縁部22は、詳しくは、底面部15の外周縁から若干外方に拡がりつつ上方に立ち上がる立縁部下部22aと、この立縁部下部22aの上端から外方に延びる水平部22bと、この水平部22bの外端から上方に延びる立縁部上部22cとでなる。水平部22bの角部の近傍に、第1の連結金物6の後記係合部63が係合する係合孔27が設けられている。筒状部23は、上端側ほど径が小さくなる先細り状である。
【0022】
図4に示すように、固定用吸盤3は、吸盤部31と、この吸盤部31から上方に延びる棒状部32とでなる。棒状部32には、水平方向に貫通するバンド挿通孔33が形成されている。固定用吸盤3は軟質塩化ビニール製であり、少なくとも吸盤部31は変形可能な柔軟性を有する。固定用ディスク4は、前記トレイ2の筒状部23の上端外径よりも直径の大きな円板で、大小2つバンド挿通孔41,42が形成されている。固定用バンド5は、自在に曲げられて結び目を作ることができる紐状であり、例えば針金、ゴム、繊維を拠り合せた紐等が用いられる。
【0023】
図5および図6に示すように、第1、第2の連結金物6,7は直角に折れ曲った板状の金物であって、角部の近傍にビス孔61,71が設けられている。第1の連結金物6は、角部に下方に張り出す張出部62が設けられ、両端に下方に延びる係合部63が設けられている。係合部63は、基端部よりも急激に幅が広くなった返し63aが設けられ、この返し63aよりも先端側は次第に幅が狭くなっている。第2の連結金物7は、第1の連結金物6よりも水平方向の長さが短く、前記張出部62および係合部63を有しない。
【0024】
補助金物8は、上記第1、第2の連結金物6,7と組み合わせて使用されるものであり、図7に示すように、第1、第2の連結金物6,7と同様に直角に折れ曲っている。角部の近傍には、ナットからなるねじ孔81が設けられている。反り防止金物9は、コ字状の断面形状をした長尺な金物である。
【0025】
この屋上緑化プランターの組立方法を説明する。
屋上等のように塩化ビニール製の防水シート101が敷かれたプランター設置面の場合、まず、図4に示す順で防水シート101の上にトレイ2を設置する。
その設置方法は、防水シート101の表面におけるプランター設置箇所の中心となる位置に塩化ビニール用の溶剤102を塗布し(同図(A))、その上から固定用吸盤3の吸盤部31を押し付けて、防水シート101と吸盤部31間の空間103を負圧状態にしながら、防水シート101と吸盤部31とを溶着する(同図(B))。前記空間103が負圧状態であることによる吸着効果との相乗作用により、固定用吸盤3が防水シート101に強固に固定される。
【0026】
そして、固定用吸盤3の一部である棒状部32をトレイ2の筒状部23に挿通させて、トレイ2を防水シート101上に設置する。このとき、予め固定用吸盤3のバンド挿通孔33に固定用バンド5を挿通し、その固定用バンド5の両端が筒状部23の上側に出る状態にしておく(同図(C))。固定用バンド5の両端を固定用ディスク4のバンド挿通孔41,42にそれぞれ挿通し、固定用バンド5の両端を結んで棒状部32が筒状部23から抜け不能な状態にする。これにより、トレイ2がプランター設置面である防水シート101に固定される。
【0027】
次に、トレイ2の周囲に外枠1を組み上げる。
図5に示すように、第1の連結金物6の係合部63をトレイ2の係合孔27に差し込んで、第1の連結金物6をトレイ2に取付ける。このとき、第1の連結金物6の張出部62が、トレイ2の立縁部水平部22bに当接する。係合部63は先端側ほど幅が狭くなっているため係合孔27への差し込みは容易であり、係合部63を係合孔27に差し込むと、係合部63の返し63aが係合孔27の縁部に引っ掛かって係合部63が抜けない状態になる。
【0028】
各側板11を、図7のように上から2番目の空洞部12に反り防止金物9を挿入して、反らないように補強する。このように補強した側板11を2枚直角に組み合わせ、これら一対の側板11にわたって、上から1番目および3番目の空洞部22に補助金物8をそれぞれ配置する。そして、第1の連結金物6のビス孔61に挿通したビス10を側板11の上から3番目の空洞部22に配置された補助金物8のねじ孔81に螺着すると共に、第2の連結金物7のビス孔71に挿通したビス10を側板11の上から1番目の空洞部22に配置された補助金物8のねじ孔81に螺着して、トレイ2と、互いに直角に保持された隣合う一対の側板11とを連結する。トレイ2の係合孔27は側板11の内面から少し離れた位置にあるため、ビス10を締め付けて第1の連結金物6を側板11に連結した場合、第1の連結金物6が図1にように撓んだ状態となる。この連結をトレイ2の四隅それぞれについて行うことにより、外枠1が組み上がり、屋上緑化プランターが完成する。
【0029】
上記組立作業は、特別な工具類を必要とせず、高度な技術を要するものではないので、誰でも簡単に組立てられる。また、解体も簡単に行えるので、防水改修時等の移設も容易である。この屋上緑化プランターは、各材料を現場で組立てるユニット構成であり、各材料は単独では軽量で嵩張らないため、組立前の各材料の運搬が容易である。外枠1を構成する側板11は、空洞部12を有する軽量なものであるため、屋上緑化プランター全体も比較的軽量である。軽量であっても、固定用吸盤3等によりトレイ2がプランター設置面である防水シート102に固定されているため、強風等により屋上緑化プランターが移動することがない。
【0030】
完成した屋上緑化プランターは、組立用の金物やビスが外枠1の外周側に出ていないので、この実施形態のように外枠1を人工木材とした場合でも雰囲気を損なわない。第1、第2の連結金物6,7を側板11に固定するためのビス10を、側板11の空洞部12に配した補助金物8のねじ孔81に螺着する構成としたため、側板11自体にねじ溝を形成する必要がなく、側板11の素材の選択範囲が広い。
【0031】
図8に示すように、トレイ2の底部に吸水マット104を敷き、その上に培土105を充填した後、種を撒くか苗を植え付けて菜園または花壇とする。トレイ2の底部に吸水マット104が敷かれているため、保水性に優れ、またトレイ2の底部に貯水用の格子状溝24が形成されているため、ある程度の水を貯えておくことができる。そのため、後の管理が容易である。背丈の高い外枠を使用すれば、土壌深さを深くすることができ、根菜類等の栽培も可能である。
【0032】
図1ないし図3に示す実施形態では、1つの外枠1に囲まれた領域内に1つのトレイ2を設置した構成としたが、図9および図10のように、1つの外枠1に囲まれた領域内の複数のトレイ2を設置した構成としてもよい。また、塩化ビニール製の防水シート101が敷かれていない人工地盤の場合、固定用吸盤3等によるトレイ2のプランター設置面への固定はしなくてもよい。
【0033】
この発明の屋上緑化プランターを用いた屋上緑化システムの例を図11に示す。この屋上緑化システムは、複数の屋上緑化プランターを並設したもので、屋上緑化プランター栽培する植物の種類に合わせて、外枠1の背丈が高い屋上緑化プランターAと、背丈が低い屋上緑化プランターBとを組み合わせて使用している。図例のように、水遣り設備106を併設しておくと、管理がし易い。
【0034】
図12のように、大きさが異なる屋上緑化プランターC,Dを組み合わせて並設してもよい。また、図13のように、1つの外枠1に囲まれた領域内の複数のトレイ2を設置した屋上緑化プランターEを複数並設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(A)はこの発明の実施形態にかかる屋上緑化プランターの平面図、(B)はそのIB部拡大図である。
【図2】(A)は図1(A)のIIA−IIA断面図で、(B)はIIB部拡大図である。
【図3】図1(A)のIII−III断面図である。
【図4】同屋上緑化プランターのトレイをプランター設置面に固定する方法を示す説明図である。
【図5】同屋上緑化プランターのトレイの一部および第1の連結金物の斜視図である。
【図6】同屋上緑化プランターの第2の連結金物の斜視図である。
【図7】同屋上緑化プランターの側板の一部、反り防止金物、および補助金物の斜視図である。
【図8】同屋上緑化プランターを用いた菜園の一例を示す破断側面図である。
【図9】この発明の異なる実施形態にかかる屋上緑化プランターの平面図である。
【図10】この発明のさらに異なる実施形態にかかる屋上緑化プランターの平面図である。
【図11】この発明の屋上緑化システムの一例の斜視図である。
【図12】この発明の屋上緑化システムの異なる例の平面図である。
【図13】この発明の屋上緑化システムのさらに異なる例の平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…外枠
2…トレイ
3…固定用吸盤
6…第1の連結金物
7…第2の連結金物
8…補助金物
10…ビス
11…側板
12…空洞部
21…底板部
22…立縁部
23…筒状部
31…吸盤部
32…棒状部(固定用吸盤の一部)
61…ビス挿通孔
63…係合部
63a…返し
71…ビス挿通孔
81…ねじ孔
101…防水シート(プランター設置面)
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋上等の人工地盤の上に菜園や花壇を造るのに適した屋上緑化プランター、およびそれを用いた屋上緑化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉢やプランターを用いて、バルコニーで園芸を楽しむ人が多い。屋上のようにバルコニーよりも広いスペースがあり、もう少し本格的なものにしようとする場合、従来は、屋上等の床面に防水シートを敷き、その上にレンガやコンクリートブロックで囲いを作り、その囲いの中に土を入れて菜園や花壇としていた。しかし、この方法は、防水および根止めのための処理や囲いの施工が容易ではなく、また重量物であるレンガやコンクリートブロックを用いるため全体の重量が重くなるという問題があった。
【0003】
かかる問題に対して、人工地盤の上に比較的簡単に設置できる軽量な植栽設備が各種提案されている(例えば特許文献1,2)。
【特許文献1】特開2007−259716号公報
【特許文献2】特開2006−197865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば特許文献1は、折板屋根に植栽設備を設置する技術であり、平坦な屋上面には適用できない。また、特許文献2は、固化培土を用いて主に芝生等のマット状植物や根の浅い小さな草花を栽培するためのものであり、根菜類等のようにある程度の土壌深さを必要とする植物の栽培には適さない。他の提案も同様で、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適した技術は開示されていない。
【0005】
また、従来の植栽設備には、GRC(ガラスファイバー強化セメント)製プランター、FRP(繊維強化プラスチック)製プランター、木材等が使用されているが、これらの材料には以下の問題がある。すなわち、GRC製プランターは重量が重く、高価であり、施工が容易でない。FRP製プランターは、高価で、製造するのに型が必要である。木材は、劣化しやすい。
【0006】
この発明の目的は、材料の運搬および組立が容易で、全体の重量が抑えられ、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適した屋上緑化プランターを提供することである。
この発明の他の目的は、屋上緑化を促進できる屋上緑化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の屋上緑化プランターは、建物の屋上またはバルコニーに設置されるプランターであって、4枚の平板状の側板で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠と、この外枠に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイと、このトレイの角部でトレイと前記外枠の互いに隣合う一対の側板とを連結する連結金物とを備え、前記連結金物は、前記一対の側板の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、前記トレイの角部の上面に形成された係合孔に係合する係合部を有し、かつ前記一対の側板に対してそれぞれビス止めするためのビス孔を有することを特徴とする。
【0008】
この屋上緑化プランターは、4枚の側板、トレイ、連結金物等の各材料を現場で組立てるユニット構成であり、各材料は単独では軽量で嵩張らないため、組立前の各材料の運搬が容易である。外枠を構成する側板を軽量なものとすることにより、全体の軽量化を図ることができる。組立に際しては、連結金物の係合部をトレイの係合孔に係合させて、連結金具をトレイに取付け、この連結金具のビス孔に挿通したビスにより、互いに直角に保持された隣合う一対の側板をそれぞれ連結金物に固定する。これにより、トレイと一対の側板とが連結される。この連結をトレイの四隅それぞれについて行うことにより、屋上緑化プランターが組立てられる。この組立作業は、特別な工具類を必要とせず、高度な技術を要するものではないので、誰でも簡単に組立てられる。
【0009】
完成した屋上緑化プランターは、外枠に囲まれた領域のトレイ上側の空間に培土を入れることで、植物の栽培が可能となる。外枠の高さを高くすれば、土壌深さを深くすることができ、根菜類等の栽培も可能である。
【0010】
この発明において、前記連結金物の係合部に、前記係合孔に係合した状態で係合が外れるのを規制する返しを設けるとよい。
連結金物の係合部に返しが設けられていると、外力が加わっても連結金物がトレイから外れない。
【0011】
前記側板は人工木材製であり、前記トレイは合成樹脂製であってもよい。
側板を人工木材製、トレイを合成樹脂製とすると、耐久性向上と軽量化の両方を達成できる。
【0012】
また、前記側板は、この側板の端面に開口する空洞部を有し、互いに隣合う一対の側板の空洞部にわたって配置され前記連結金物に対向する補助金物を設け、この補助金物は、前記連結金物のビス孔に挿通したビスが螺着されるねじ孔を有する構成とすることができる。
連結金物を側板に固定するためのビスを、側板の空洞部に配した補助金物のねじ孔に螺着する構成とすれば、側板自体にねじ溝を形成する必要がないので、側板の素材の選択範囲が広がる。また、ビスの先端が側板の外周側に突出せず、美観上好ましい。
【0013】
さらに、前記トレイは、底板部と、この底板部から立ち上がり上下に連通する筒状部とを有し、前記底板部をプランター設置面に接触させて設置され、このプランター設置面に固定した固定用吸盤の一部を前記筒状部に挿通して抜け不能な状態にしてもよい。
これにより、屋上緑化プランター全体がプランター設置面に固定された状態となり、強風等による屋上緑化プランターの移動を防止できる。
【0014】
この発明の屋上緑化システムは、上記屋上緑化プランターを、建物の屋上に複数並設したものである。
屋上緑化プランターを建物の屋上に複数並設することで、屋上緑化を促進できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の屋上緑化プランターは、4枚の平板状の側板で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠と、この外枠に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイと、このトレイの角部でトレイと前記外枠の互いに隣合う一対の側板とを連結する連結金物とを備え、前記連結金物は、前記一対の側板の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、前記トレイの角部の上面に形成された係合孔に係合する係合部を有し、かつ前記一対の側板に対してそれぞれビス止めするためのビス孔を有するため、材料の運搬および組立が容易で、全体の重量が抑えられ、屋上等の平坦な人工地盤の上に本格的な菜園や花壇を造るのに適する。
【0016】
この発明の屋上緑化システムは、上記屋上緑化プランターを、建物の屋上に複数並設したものであり、これにより屋上緑化を促進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1〜図3は屋上緑化プランターの組立状態を示す。この屋上緑化プランターは、平面形状が正方形で上下に開口した外枠1と、この外枠1に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイ2とを備える。他に、これら外枠1およびトレイ2の固定用または連結用の部材として、固定用吸盤3、固定用ディスク4、固定用バンド5、第1、第2の連結金物6,7、補助金物8、反り防止金物9、およびビス10を有する。
【0018】
外枠1は、同寸法の4枚の側板11で構成されている。各側板11の端面は、側板の長手方向に対して平面形状45度の斜めになっており、この斜めの端面同士を突き合せて各側板11が互いに直角に交差させて接合される。側板11は、端面に開口する複数段、例えば4段の空洞部12を有する。側板11の内側面における端面の近傍には、上から1段目および3段目の空洞部12にそれぞれ連通するビス孔13が設けられている(図7)。側板11の材質は、例えば天然木材を模した人工木材とされる。人工木材は、例えば合成樹脂と木粉を混合して押出成型等で成型したものであり、その材料にはリサイクル品等が用いられる。人工木材は、天然木材よりも軽量で、腐食に対する耐久性に優れるという利点が得られる。
【0019】
トレイ2は、合成樹脂材料(例えばポリプロピレン)で成形されたものであって、平面形状正方形の底面部21と、この底面部21の四辺の外周縁から上方に立ち上がった立縁部22と、底面部21の中央部から上方に突出して上下に連通する筒状部23とでなる。
【0020】
底面部21の上面には、貯水用の格子状溝24が形成されている。この格子状溝24における縦溝と横溝の交差部24aは溝幅が広く、かつ深さが深くなっている。また、縦溝および横溝のそれぞれの両端部24bも交差部24aと同じ深さになっている。格子状溝24以外の部分である凸部25には、それぞれ複数の水抜き孔26(図1(B)に図示)が設けられている。
【0021】
立縁部22は、詳しくは、底面部15の外周縁から若干外方に拡がりつつ上方に立ち上がる立縁部下部22aと、この立縁部下部22aの上端から外方に延びる水平部22bと、この水平部22bの外端から上方に延びる立縁部上部22cとでなる。水平部22bの角部の近傍に、第1の連結金物6の後記係合部63が係合する係合孔27が設けられている。筒状部23は、上端側ほど径が小さくなる先細り状である。
【0022】
図4に示すように、固定用吸盤3は、吸盤部31と、この吸盤部31から上方に延びる棒状部32とでなる。棒状部32には、水平方向に貫通するバンド挿通孔33が形成されている。固定用吸盤3は軟質塩化ビニール製であり、少なくとも吸盤部31は変形可能な柔軟性を有する。固定用ディスク4は、前記トレイ2の筒状部23の上端外径よりも直径の大きな円板で、大小2つバンド挿通孔41,42が形成されている。固定用バンド5は、自在に曲げられて結び目を作ることができる紐状であり、例えば針金、ゴム、繊維を拠り合せた紐等が用いられる。
【0023】
図5および図6に示すように、第1、第2の連結金物6,7は直角に折れ曲った板状の金物であって、角部の近傍にビス孔61,71が設けられている。第1の連結金物6は、角部に下方に張り出す張出部62が設けられ、両端に下方に延びる係合部63が設けられている。係合部63は、基端部よりも急激に幅が広くなった返し63aが設けられ、この返し63aよりも先端側は次第に幅が狭くなっている。第2の連結金物7は、第1の連結金物6よりも水平方向の長さが短く、前記張出部62および係合部63を有しない。
【0024】
補助金物8は、上記第1、第2の連結金物6,7と組み合わせて使用されるものであり、図7に示すように、第1、第2の連結金物6,7と同様に直角に折れ曲っている。角部の近傍には、ナットからなるねじ孔81が設けられている。反り防止金物9は、コ字状の断面形状をした長尺な金物である。
【0025】
この屋上緑化プランターの組立方法を説明する。
屋上等のように塩化ビニール製の防水シート101が敷かれたプランター設置面の場合、まず、図4に示す順で防水シート101の上にトレイ2を設置する。
その設置方法は、防水シート101の表面におけるプランター設置箇所の中心となる位置に塩化ビニール用の溶剤102を塗布し(同図(A))、その上から固定用吸盤3の吸盤部31を押し付けて、防水シート101と吸盤部31間の空間103を負圧状態にしながら、防水シート101と吸盤部31とを溶着する(同図(B))。前記空間103が負圧状態であることによる吸着効果との相乗作用により、固定用吸盤3が防水シート101に強固に固定される。
【0026】
そして、固定用吸盤3の一部である棒状部32をトレイ2の筒状部23に挿通させて、トレイ2を防水シート101上に設置する。このとき、予め固定用吸盤3のバンド挿通孔33に固定用バンド5を挿通し、その固定用バンド5の両端が筒状部23の上側に出る状態にしておく(同図(C))。固定用バンド5の両端を固定用ディスク4のバンド挿通孔41,42にそれぞれ挿通し、固定用バンド5の両端を結んで棒状部32が筒状部23から抜け不能な状態にする。これにより、トレイ2がプランター設置面である防水シート101に固定される。
【0027】
次に、トレイ2の周囲に外枠1を組み上げる。
図5に示すように、第1の連結金物6の係合部63をトレイ2の係合孔27に差し込んで、第1の連結金物6をトレイ2に取付ける。このとき、第1の連結金物6の張出部62が、トレイ2の立縁部水平部22bに当接する。係合部63は先端側ほど幅が狭くなっているため係合孔27への差し込みは容易であり、係合部63を係合孔27に差し込むと、係合部63の返し63aが係合孔27の縁部に引っ掛かって係合部63が抜けない状態になる。
【0028】
各側板11を、図7のように上から2番目の空洞部12に反り防止金物9を挿入して、反らないように補強する。このように補強した側板11を2枚直角に組み合わせ、これら一対の側板11にわたって、上から1番目および3番目の空洞部22に補助金物8をそれぞれ配置する。そして、第1の連結金物6のビス孔61に挿通したビス10を側板11の上から3番目の空洞部22に配置された補助金物8のねじ孔81に螺着すると共に、第2の連結金物7のビス孔71に挿通したビス10を側板11の上から1番目の空洞部22に配置された補助金物8のねじ孔81に螺着して、トレイ2と、互いに直角に保持された隣合う一対の側板11とを連結する。トレイ2の係合孔27は側板11の内面から少し離れた位置にあるため、ビス10を締め付けて第1の連結金物6を側板11に連結した場合、第1の連結金物6が図1にように撓んだ状態となる。この連結をトレイ2の四隅それぞれについて行うことにより、外枠1が組み上がり、屋上緑化プランターが完成する。
【0029】
上記組立作業は、特別な工具類を必要とせず、高度な技術を要するものではないので、誰でも簡単に組立てられる。また、解体も簡単に行えるので、防水改修時等の移設も容易である。この屋上緑化プランターは、各材料を現場で組立てるユニット構成であり、各材料は単独では軽量で嵩張らないため、組立前の各材料の運搬が容易である。外枠1を構成する側板11は、空洞部12を有する軽量なものであるため、屋上緑化プランター全体も比較的軽量である。軽量であっても、固定用吸盤3等によりトレイ2がプランター設置面である防水シート102に固定されているため、強風等により屋上緑化プランターが移動することがない。
【0030】
完成した屋上緑化プランターは、組立用の金物やビスが外枠1の外周側に出ていないので、この実施形態のように外枠1を人工木材とした場合でも雰囲気を損なわない。第1、第2の連結金物6,7を側板11に固定するためのビス10を、側板11の空洞部12に配した補助金物8のねじ孔81に螺着する構成としたため、側板11自体にねじ溝を形成する必要がなく、側板11の素材の選択範囲が広い。
【0031】
図8に示すように、トレイ2の底部に吸水マット104を敷き、その上に培土105を充填した後、種を撒くか苗を植え付けて菜園または花壇とする。トレイ2の底部に吸水マット104が敷かれているため、保水性に優れ、またトレイ2の底部に貯水用の格子状溝24が形成されているため、ある程度の水を貯えておくことができる。そのため、後の管理が容易である。背丈の高い外枠を使用すれば、土壌深さを深くすることができ、根菜類等の栽培も可能である。
【0032】
図1ないし図3に示す実施形態では、1つの外枠1に囲まれた領域内に1つのトレイ2を設置した構成としたが、図9および図10のように、1つの外枠1に囲まれた領域内の複数のトレイ2を設置した構成としてもよい。また、塩化ビニール製の防水シート101が敷かれていない人工地盤の場合、固定用吸盤3等によるトレイ2のプランター設置面への固定はしなくてもよい。
【0033】
この発明の屋上緑化プランターを用いた屋上緑化システムの例を図11に示す。この屋上緑化システムは、複数の屋上緑化プランターを並設したもので、屋上緑化プランター栽培する植物の種類に合わせて、外枠1の背丈が高い屋上緑化プランターAと、背丈が低い屋上緑化プランターBとを組み合わせて使用している。図例のように、水遣り設備106を併設しておくと、管理がし易い。
【0034】
図12のように、大きさが異なる屋上緑化プランターC,Dを組み合わせて並設してもよい。また、図13のように、1つの外枠1に囲まれた領域内の複数のトレイ2を設置した屋上緑化プランターEを複数並設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(A)はこの発明の実施形態にかかる屋上緑化プランターの平面図、(B)はそのIB部拡大図である。
【図2】(A)は図1(A)のIIA−IIA断面図で、(B)はIIB部拡大図である。
【図3】図1(A)のIII−III断面図である。
【図4】同屋上緑化プランターのトレイをプランター設置面に固定する方法を示す説明図である。
【図5】同屋上緑化プランターのトレイの一部および第1の連結金物の斜視図である。
【図6】同屋上緑化プランターの第2の連結金物の斜視図である。
【図7】同屋上緑化プランターの側板の一部、反り防止金物、および補助金物の斜視図である。
【図8】同屋上緑化プランターを用いた菜園の一例を示す破断側面図である。
【図9】この発明の異なる実施形態にかかる屋上緑化プランターの平面図である。
【図10】この発明のさらに異なる実施形態にかかる屋上緑化プランターの平面図である。
【図11】この発明の屋上緑化システムの一例の斜視図である。
【図12】この発明の屋上緑化システムの異なる例の平面図である。
【図13】この発明の屋上緑化システムのさらに異なる例の平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…外枠
2…トレイ
3…固定用吸盤
6…第1の連結金物
7…第2の連結金物
8…補助金物
10…ビス
11…側板
12…空洞部
21…底板部
22…立縁部
23…筒状部
31…吸盤部
32…棒状部(固定用吸盤の一部)
61…ビス挿通孔
63…係合部
63a…返し
71…ビス挿通孔
81…ねじ孔
101…防水シート(プランター設置面)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋上またはバルコニーに設置されるプランターであって、
4枚の平板状の側板で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠と、この外枠に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイと、このトレイの角部でトレイと前記外枠の互いに隣合う一対の側板とを連結する連結金物とを備え、
前記連結金物は、前記一対の側板の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、前記トレイの角部の上面に形成された係合孔に係合する係合部を有し、かつ前記一対の側板に対してそれぞれビス止めするためのビス孔を有することを特徴とする屋上緑化プランター。
【請求項2】
請求項1において、前記側板は人工木材製であり、前記トレイは合成樹脂製である屋上緑化プランター。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記側板は、この側板の端面に開口する空洞部を有し、互いに隣合う一対の側板の空洞部にわたって配置され前記連結金物に対向する補助金物を設け、この補助金物は、前記連結金物のビス孔に挿通したビスが螺着されるねじ孔を有する屋上緑化プランター。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記トレイは、底板部と、この底板部から立ち上がり上下に連通する筒状部とを有し、前記底板部をプランター設置面に接触させて設置され、このプランター設置面に固定した固定用吸盤の一部を前記筒状部に挿通して抜け不能な状態にした屋上緑化プランター。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の屋上緑化プランターを、建物の屋上に複数並設した屋上緑化システム。
【請求項1】
建物の屋上またはバルコニーに設置されるプランターであって、
4枚の平板状の側板で構成され平面形状が長方形で上下に開口した外枠と、この外枠に囲まれた領域の底部に、外周を前記外枠に近接させて設置されたトレイと、このトレイの角部でトレイと前記外枠の互いに隣合う一対の側板とを連結する連結金物とを備え、
前記連結金物は、前記一対の側板の内周面に沿う直角に折れ曲った板状で、前記トレイの角部の上面に形成された係合孔に係合する係合部を有し、かつ前記一対の側板に対してそれぞれビス止めするためのビス孔を有することを特徴とする屋上緑化プランター。
【請求項2】
請求項1において、前記側板は人工木材製であり、前記トレイは合成樹脂製である屋上緑化プランター。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記側板は、この側板の端面に開口する空洞部を有し、互いに隣合う一対の側板の空洞部にわたって配置され前記連結金物に対向する補助金物を設け、この補助金物は、前記連結金物のビス孔に挿通したビスが螺着されるねじ孔を有する屋上緑化プランター。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記トレイは、底板部と、この底板部から立ち上がり上下に連通する筒状部とを有し、前記底板部をプランター設置面に接触させて設置され、このプランター設置面に固定した固定用吸盤の一部を前記筒状部に挿通して抜け不能な状態にした屋上緑化プランター。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の屋上緑化プランターを、建物の屋上に複数並設した屋上緑化システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−291074(P2009−291074A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144488(P2008−144488)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】
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