説明

屋根設置物据付用かぶせボルト及びこれを用いた折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造

【課題】 新設又は既設のスレート屋根に太陽電池モジュール、緑化ベース等の屋根載置物を据付設置できるようにする。
【解決手段】 スレート屋根2上に突出している屋根材の葺設に用いたフックボルト21のボルト軸にかぶせボルト1を被嵌螺装して、このかぶせボルト1又はこれに螺装した重ねボルト3を固定ベースとして、支持部材5を屋根2上に設置し、これに屋根設置物を据付設置する。かぶせボルト1は、フックボルト21を受入れるボルト頭11からボルト軸12に貫通孔13を設けて、その内面にフックボルト21螺装用の雌ネジを配置してあり、また、既設の場合に見られるフックボルト21の発錆腐食に対応して被嵌螺装をなし得るようにボルト頭11からボルト軸12の長手方向中間位置に至るかぶせボルト1の拡開用に複数のスリット15を配置してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フックボルトによって屋根材を葺設した折板、スレート等の屋根に屋根設置物を設置するに用いる屋根設置物据付用かぶせボルトに関し、また該かぶせボルトを用いた折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
陸屋根、切妻屋根等の各種屋根に太陽電池モジュールや緑化ベース等の屋根設置物を設置することが一般的になされているところ、例えば工場や倉庫の建屋には、ボルトとナットの締着によって屋根材を葺設した折板屋根や、フックボルトとナットの締着によって屋根材を葺設したスレート屋根等の、一般に片流れ屋根が用いられることが多く、屋根面積が広く、従って、例えば太陽電池モジュールや緑化ベース等の設置に適しているが、このスレート等の屋根は、屋根材が一般に波板であって凹凸面をなしていること、屋根材はボルトとナットの締着、フックボルトとナットの締着によって屋根構造材に固定された単層のものであることから、屋根設置物の安定した据付には困難が予想され、このため、一般に折板、スレート等の屋根に対して屋根設置物を設置することは無理と考えられている。一方、下記特許文献1は、折板、スレート等の屋根、特にスレート屋根に太陽電池モジュールを据付するようにした、数少ない先行文献であるところ、これによると、幅方向両側に水切り脚片を有する支持材に太陽電池モジュールを固定するとともに支持材長手方向に複数のテンション材を固定垂下し、該テンション材をスレート屋根に透設した透孔を介して屋根構造材に固定して、支持材の水切り脚片をスレート屋根の波板谷間に載置するようにして、スレート屋根に太陽電池モジュールを据付するものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−131442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、折板、スレート等、特にスレートの屋根に太陽電池モジュールや緑化ベースの屋根設置物を据付設置することが一応可能になるものと認められるが、テンションを掛けて屋根設置物を据付設置するものとされるから、テンションの張力維持が必要であり、そのための構造が複雑化する可能性がある上、長期に亘る据付設置における耐久性を確保する上では不安が残ることになり、また、屋根設置物の据付設置のために上記スレート屋根に透孔を透設する必要があるから、そのための雨仕舞措置が必要となり、据付設置工事が煩雑化する可能性も残されている。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、この種の折板、スレート等の屋根に屋根設置物を可及的簡易に安定且つ確実に据付設置し得るようにした据付部材としてのかぶせボルトを提供するにあり、また、これを用いた折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に沿って本発明は、この種の折板、スレート等の屋根には、その葺設に用いたボルトやフックボルトのボルト軸が屋根材上に突出していることに着目し、この突出したボルト軸を屋根設置物を据付する屋根側設置部位として、該ボルト軸を被嵌螺装するかぶせボルトを配置し、このかぶせボルトによって支持部材を締着固定することによって、屋根設置物の据付設置を行うようにしたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、ボルトナット締着によって屋根材を葺設した折板、スレート等の屋根上に太陽電池モジュール、緑化ベース等の屋根設置物を据付設置するに用いるかぶせボルトであって、上記ボルトナットの屋根材上突出のボルト軸を内周に雌ネジ配置の貫通孔に被嵌螺装し且つ外周配置の雄ネジによって屋根設置物の支持部材を締着固定自在としてなることを特徴とする屋根設置物据付用かぶせボルトとしたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記ボルトやフックボルトの突出したボルト軸に対する被嵌螺装を容易化し且つ上記支持部材の締着固定の確実化をなし得るようにボルト頭を備えて上記被嵌螺装に適したかぶせボルトとするように、これを、上記かぶせボルトを、ボルト頭とボルト軸を備えて形成し該ボルト頭とボルト軸に上記貫通孔を一連に配置してなることを特徴とする請求項1に記載の屋根設置物据付用かぶせボルトとしたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、ボルトやフックボルトの突出したボルト軸に発錆や部分腐食のある場合にも、該ボルトやフックボルトに対するかぶせボルトの被嵌螺装を容易且つ確実になし得るものとするように、これを、上記ボルト頭からボルト軸長手方向中間位置に至るように被嵌螺装の拡開用のスリットを配置してなることを特徴とする請求項2に記載の屋根設置物据付用かぶせボルトとしたものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ボルトやフックボルトの突出したボルト軸の状況如何に拘わらず、上記スリットによるかぶせボルトの被嵌螺装を可及的容易且つ確実になし得るものとするように、これを、上記スリットを、ボルト頭の周方向に複数配置してなることを特徴とする請求項3に記載の屋根設置物据付用かぶせボルトとしたものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記かぶせボルトを用いた折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造を提供するように、これを、 請求項1乃至請求項4のいずれかの屋根設置物据付用かぶせボルトを用い、該かぶせボルトを、その貫通孔に屋根材を葺設したボルトナット締着の屋根材上突出のボルト軸を被嵌螺装し且つ外周配置の雄ネジとこれに螺装した固定ナットによって支持部材を締着固定して、該支持部材に直接又は固定金具を介して屋根設置物を据付設置してなることを特徴とする折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造としたものである。
【0011】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として、上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、この種のスレート等の屋根におけるその葺設に用いて屋根材上に突出したボルトやフックボルトのボルト軸を屋根設置物を据付する屋根側設置部位として、該ボルト軸を被嵌螺装するかぶせボルトを配置し、このかぶせボルトによって支持部材を締着固定して、屋根設置物の据付を可能とすることにより、この種の折板、スレート等の屋根に屋根設置物を可及的簡易に安定且つ確実に据付設置し得るようにした据付部材としてのかぶせボルトを提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記ボルトやフックボルトの突出したボルト軸に対する被嵌螺装を容易化し且つ上記支持部材の締着固定の確実化をなし得るようにボルト頭を備えて上記被嵌螺装に適したかぶせボルトとすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、ボルトやフックボルトの突出したボルト軸に発錆や部分腐食のある場合にも、該ボルトやフックボルトに対するかぶせボルトの被嵌螺装を容易且つ確実になし得るものとすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記ボルトやフックボルトの突出したボルト軸の状況如何に拘わらず、上記スリットによるかぶせボルトの被嵌螺装を可及的容易且つ確実になし得るものとすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、上記かぶせボルトを用いた折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】かぶせボルトとフックボルトの関係を示す斜視図である。
【図2】かぶせボルトの側面図である。
【図3】かぶせボルトのボルト頭側の平面図である。
【図4】かぶせボルトの使用状態を示す屋根断面図である。
【図5】支持部材の底面図である。
【図6】支持部材の正面図である。
【図7】支持部材の側面図である。
【図8】図1に支持部材を追加した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、1はかぶせボルトであり、該かぶせボルト1は、ボルトナット締着、本例にあってはフックボルト21とナットの締着によって屋根材を葺設した折板、スレート等屋根、本例にあってはスレート屋根2上に太陽電池モジュール、緑化ベース等の屋根設置物を据付設置するに用いるものとして、上記フックボルト21の屋根材上突出のボルト軸を内周に雌ネジ配置の貫通孔13に被嵌螺装し且つ外周配置の雄ネジ14によって屋根設置物の支持部材5を締着固定自在としたものとしてある。
【0019】
本例にあって、上記かぶせボルト1は、これを、ボルト頭11とボルト軸12を備えて形成し該ボルト頭11とボルト軸12に上記貫通孔13を一連に配置したものとしてあり、このとき、上記ボルト頭11からボルト軸12長手方向中間位置に至るように被嵌螺装の拡開用のスリット15を配置したものとしてある。
【0020】
本例のかぶせボルト1は、ボルト頭11とボルト軸12を備えるとともに、上記ボルト頭11をリング状とし、ボルト軸12を中空とするように、かぶせボルト1の長手方向に貫通孔13を透設するとともに該貫通孔13の内面に、フックボルト21のボルト軸の雄ネジに応じた雌ネジを配置したものとしてあり、本例の雌ネジは、例えばボルト頭11からボルト軸12の全長に至るように配置してあり、これによって本例のかぶせボルト1は、例えば、ボルト頭11の径を2cm程度、厚さを0.5cm程度、ボルト頭11からボルト軸12先端まで長さを3cm程度、ボルト軸12をM12、即ち、雄ネジ径を1.2cmとした鋼材の鍛造一体のものとし、ボルト頭11からボルト軸12の先端に至る貫通孔13内面の雌ネジの内径を0.6cm、即ち、一般にこの種のスレート屋根に用いられるフックボルト21の雄ネジ径に合せたものとしてある。
【0021】
かぶせボルト1の上記スリット15は、これを、ボルト頭11の周方向に複数配置してあり、本例にあって該スリット15は、ボルト頭11の平面を4等分するように1/4円の角度に4条配置してあり、該スリット15は、例えば2mm幅で、ボルト頭11からボルト軸12における中間位置、本例にあってはボルト軸12の2/3程度の長さに至るように4条を同形同長のものとして、これを配置してある。
【0022】
かぶせボルト1は、ボルト頭11をリング状とするように全長に貫通孔13を配置してその内面の長手方向全長乃至部分的、本例にあっては全長に雌ネジを配置したことによって、フックボルト21のボルト軸を被嵌するとともに該ボルト軸の雄ネジに対して雌ネジによる螺装をなし得るようにしてあり、また、該かぶせボルト1は、上記スリット15、本例にあっては4条のスリットを配置したことによって、フックボルト21のボルト軸の被嵌螺装に際してかぶせボルト1を拡開して、その被嵌螺装を容易に行うことができる。
【0023】
即ち、新築に際してそのスレート屋根に屋根設置物を据付設置する場合は問題ないとしても、既設のスレート屋根に屋根設置物を後付的に据付設置する場合には、フックボルト21の屋根2上に突出したボルト軸が発錆乃至腐食していることも多く、この場合、該発錆したボルト軸は、例えばワイヤーブラシで発錆や腐食の部位の除去を行うものとするも、フックボルト21の屋根締着用の固定ナット近傍のようにフックボルト21長手方向に錆や腐食を完全に除去し得ないことによって軸径が径大化した部位が残ったとしても、かぶせボルト1のボルト頭11を屋根2上に突出したフックボルト21の先端、即ち、上端からフックボルト21の、例えば固定ナット上乃至その近傍に向けて、圧入するように被嵌することによって、そのスリット15を強制的に拡開して、該径大化した部位の被嵌をなし得るようにするとともに発錆や腐食の除去を行った部位やこれらのない部位のフックボルト21の雄ネジに対して雌ネジによる螺装を行って、フックボルト21の固定ナットにボルト頭11を下向きに、ボルト軸12を上向きにして、該フックボルト21に対してかぶせボルト1の植立固定を行うものとしてある。
【0024】
このようにボルト頭11を下向きに、ボルト軸12を上向きに植立固定することによって、かぶせボルト1のボルト頭11は、これを、直接に又はこれに重合するようにボルト軸12に螺装した重ねボルト3を屋根設置物の据付設置に使用する支持部材5の固定ベースとして、該支持部材5を載置し、ボルト軸12に螺装した固定ナット16によって該支持部材5を締着挟持してその固定を行うものとしてあり、このとき、本例にあっては、該支持部材5とともに該支持部材5上に、屋根設置物、例えば太陽電池モジュールの架台を固定するためのアングル材乃至チャンネル材4を載置して、支持部材5と該アングル材乃至チャンネル材4を上記固定ナット16によって同時に締着挟持して、その固定を行うものとしてある。
【0025】
このように構成し且つ用いるようにしたかぶせボルト1による屋根設置物の据付構造は、該かぶせボルト1を、その貫通孔13に屋根材を葺設したフックボルト21の屋根材上突出のボルト軸を被嵌螺装し且つ外周配置の雄ネジとこれに螺装した固定ナット16によって支持部材5を締着固定して、該支持部材5に直接又は固定金具を介して屋根設置物を据付設置して行ったものとしてあり、本例にあって該据付設置は、例えば、屋根2突出のフックボルト21に対して、屋根面側から上記かぶせボルト1、重ねボルト3、支持部材5、アングル材乃至チャンネル材4、ワッシャー6、かぶせボルト1の固定ナット16の順に屋根面上方に向けて順次配置し、該アングル材乃至チャンネル材4に、本例にあって図示省略の架台、例えば傾斜架台を固定し、該架台に同じく図示省略の屋根設置物として太陽電池モジュールを載置固定して、その据付設置を行うようにしたものとしてある。
【0026】
屋根設置物の据付設置に用いる本例の支持部材5は、例えばスレート屋根における波板の凹凸に応じてその凸部を被嵌するように該凸部に載置する一対の対向脚片51と、該対向脚片51を連結し上記かぶせボルト1のボルト軸12を挿通する該ボルト軸12より幾分径大の挿通孔53を透設した天板52と、上記対向脚片51間に配置した上記波板の突部上に下端を載置乃至弾発的に載置して上記対向脚片51と前後左右の4ヶ所で支持部材5を支承するようにした突部載置脚54を備えたものとしてあり、本例にあって該支持部材5は、例えば肉厚2mmの鋼材に折曲、穿孔等の加工を加えて形成した、例えば上記対向脚片の長さを10cm程度、幅を波板の突部幅より僅かに幅広の4cm程度の鋼製の支持金具としてあり、このとき、該支持部材5の上記突部載置脚54は、これを、上記加工に際して天板52に長手方向両側から一対に切込みを入れ、該切込み部位を対向脚片側、即ち屋根側に切起しすることによって形成し、例えば幅を1cmとした切起し形成の脚片としてある。該切起し形成の突部載置脚54は、上記一対の対向脚片51の高さより、その波板の突部の数mm乃至それ以下の呑込み寸法分を短寸化して対向脚片より幾分短寸とするとともに必要に応じて先端に対接片を配置したものとしてある。
【0027】
従って、該支持部材5の上記かぶせボルト1による屋根2上への設置は、ボルト軸12を天板52の挿通孔53に挿通するようにフックボルト21に螺装したかぶせボルト1のボルト頭11、本例にあっては該ボルト頭11上に配置した重ねボルト3に天板52下面を載置し、かぶせボルト1の固定ナット16によって締着挟持してその屋根2上における固定を行ったものとしてある。
【0028】
上記アングル材乃至チャンネル材4は、本例にあってこれを、上記かぶせボルト1のボルト軸12より幾分径大の挿通孔43を透設した基壁41と、その一端から垂直に起立し、同じく連結用のボルトナット44のボルト軸より幾分径大の挿通孔43を透設した起立壁42を備えてL字状としたアングル材を用い、起立壁42同士を対接して連結用のボルトナット44によってチャンネル材のようにC字状としたものを用い、下位のチャンネル材4の基壁41の挿通孔43にかぶせボルト1のボルト軸12を挿通し、該基壁41上で固定ナット16を該ボルト軸12に螺装することによって、上記支持部材5とともにその固定を行ったものとしてある。
【0029】
このとき、屋根設置物、本例にあっては太陽電池モジュールを載置固定する架台、特に傾斜架台は、上位に配置したアングル材4の基壁41に架台フレームの下枠を載置し、該上位のアングル材4の基壁41の挿通孔43にボルトを挿通し、該ボルトのボルト軸にナットを螺装することによって、アングル材4に対してボルト固定するようにしたものとしてある。
【0030】
図中22は、フックボルト21の屋根2の突出部位を覆うように配置した既設屋根の防錆キャップを示す。
【0031】
図示した例は以上のとおりとしたが、屋根設置物を据付設置する屋根を、既設建造物の既設屋根とし、また、新設建造物の新設屋根とすること、このとき該屋根を、上記スレート屋根に加えて、折板屋根、即ち、折板屋根材を端部で重合し、該重合部位の下面にタイトフレームを配置し、該折板屋根材とタイトフレームを、ボルト頭付きボルトを用いて、タイトフレームの下面にボルト頭を位置するようにボルト軸を貫通し、重合した折板屋根上に突出したボルト軸にナットを締着して葺設するように形成した折板屋根とし、該折板屋根を屋根設置物を据付設置する屋根として、ナットを締着した該ナット上に突出したボルト軸にかぶせボルトを被嵌螺装したものとすること、かぶせボルトをスリットのないものとすること、かぶせボルトにスリットを配置するとき、該スリットを単一のものとし、また、2乃至3ヶ所のように複数のものとすること、同じくスリットを配置するとき、スリットの長さ、幅をその数に合せたものとして、スリット配置による拡開程度をかぶせボルトの被嵌螺装に適したものとすること、かぶせボルトを、ボルト頭を省略して貫通孔を有するすりわり付きや六角穴付きの止めネジ状の形状のものとすること、同じくかぶせボルトを、長手方向中間に六角外形等のレンチによる回転部を有する植え込みボルト状の形状のものとすること、折板、スレート等屋根に据付設置する屋根設置物を、上記太陽電池モジュールの他、例えば緑化ベースとして屋根植栽用のものとすること等を含めて、本発明の実施に当って、屋根、屋根設置物、かぶせボルト、支持部材、必要に応じて用いるボルト頭、スリット、固定ナット、該かぶせボルトを用いた屋根設置物据付構造等の各具体的形状、構造、材質、数、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 かぶせボルト
11 ボルト頭
12 ボルト軸
13 貫通孔
14 雄ネジ
15 スリット
16 固定ナット
2 屋根
21 フックボルト
22 防錆キャップ
3 重ねボルト
4 アングル材
41 基壁
42 起立壁
43 挿通孔
44 ボルトナット
5 支持部材
51 対向脚片
52 天板
53 挿通孔
54 突部載置脚
6 ワッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトナット締着によって屋根材を葺設した折板、スレート等の屋根上に太陽電池モジュール、緑化ベース等の屋根設置物を据付設置するに用いるかぶせボルトであって、上記ボルトナットの屋根材上突出のボルト軸を内周に雌ネジ配置の貫通孔に被嵌螺装し且つ外周配置の雄ネジによって屋根設置物の支持部材を締着固定自在としてなることを特徴とする屋根設置物据付用かぶせボルト。
【請求項2】
上記かぶせボルトを、ボルト頭とボルト軸を備えて形成し該ボルト頭とボルト軸に上記貫通孔を一連に配置してなることを特徴とする請求項1に記載の屋根設置物据付用かぶせボルト。
【請求項3】
上記ボルト頭からボルト軸長手方向中間位置に至るように被嵌螺装の拡開用のスリットを配置してなることを特徴とする請求項2に記載の屋根設置物据付用かぶせボルト。
【請求項4】
上記スリットを、ボルト頭の周方向に複数配置してなることを特徴とする請求項3に記載の屋根設置物据付用かぶせボルト。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかの屋根設置物据付用かぶせボルトを用い、該かぶせボルトを、その貫通孔に屋根材を葺設したボルトナット締着の屋根材上突出のボルト軸を被嵌螺装し且つ外周配置の雄ネジとこれに螺装した固定ナットによって支持部材を締着固定して、該支持部材に直接又は固定金具を介して屋根設置物を据付設置してなることを特徴とする折板、スレート等屋根の屋根設置物据付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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