説明

層状複合材およびその製造

本発明は、金属製の基質を含有する層状複合体および、下記の手順、即ち、a) 金属製のベース層の準備、b) 少なくとも一つのイオン溶液中でソルヴォサーマル合成法を用いてケイ酸塩・結晶及び/又はケイ酸塩・粒子を製造し、さらに、c) 金属製のベース層の表面の少なくとも一つをb)において準備されたケイ酸塩・結晶及び/又はケイ酸塩・粒子を用いて被覆するという手順のケイ酸塩被膜製造法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製のベース基質とケイ酸塩被膜からなる一つの層状複合材を製造する方法並びにヒートポンプ技術におけるこの種の層状複合材の利用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケイ酸塩はオルトケイ酸Si(OH)4の塩とその凝縮物である。これらはミネラルの最も豊富なクラスを形成しているのみならず、これらに技術的に大意義のある点において際立っている。ガラス、磁器、ほうろう、陶器類と並んでセメントおよび水ガラスは技術上重要とされる、ケイ酸塩製品である。
【0003】
ケイ酸塩はその構造に基づきa) ネソケイ酸塩(島状の・ケイ酸塩、陰イオン[SiO4
]4−を持つオルトケイ酸塩)、ソロケイ酸塩(グループ・ケイ酸塩、ここでは[SiO4]・四面体が最後のグループに結合されている)、シクロケイ酸塩(環・ケイ酸塩、ここでは[SiO4]・四面体が環に配置されている)のような不連続のアニオンを持つケイ酸塩、b)イノケイ酸塩(鎖状のケイ酸塩または帯状のケイ酸塩、ここでは[SiO4]・四面体が鎖、即ち、アニオン[SiO3]2-のポリマーとみなすことができる一次元的に無限の形成物に共有されており)、c)フィロケイ酸塩(葉状のケイ酸塩または層状のケイ酸塩、ここでは[SiO4]・四面体がその都度一つの面に一緒に鎖につながれていることから、従ってこれらは層状の格子を形成しており、さらにこれをアニオン[SiO10]4−のポリマーとみなすことができる)およびd)テクトケイ酸塩(骨組状のケイ酸塩であって、ここでは[SiO4]・四面体の鎖状の結合がすべての立体方向へ連続させられているので、立体的な網目構造が形成されている)に分類可能とされる。テクトケイ酸塩に加えられるのは、特に、技術上最重要なケイ酸塩にミネラルが属しているゼオライトと長石である。
【0004】
ゼオライトはケイ酸塩・ミネラルであって、特に、化学的に複合している構造を持つアルミニウムケイ酸塩であって、これは多孔性の四面体・網目構造により特徴付けられている。IZA(国際ゼオライト協会)の一般的な定義づけによると、ゼオライオトとは、1000Å当り19個以上の四面体・原子を持つ網目構造・密度の四面体・網目構造を持つその種のミネラルと理解されている。ゼオライトは内部空孔が空けられている構造を呈しており、その際、これらの空孔(のサイズ)は分子のサイズ規模となる。これにより、例えば、多量の水をゼオライトは貯蔵可能であるとか、加熱すると再び開放するというように、外部の原子や外部の分子をその超多孔性の構造中へ取り入れることのできるゼオライトの特性が裏付けられている。従って熱交換器と接触しているゼオライト・材料は、潜伏性の熱交換器の構造に特に適している。これに加えて、従来の技術によれば、山と積まれたゼオライト・材料もしくはゼオライトが使われ、これらは熱交換器と熱的に接触しているメタル海綿のような孔の空いている固体の中へ挿入されている。この後者については、例えば、特許文献1を参照のこととする。
【0005】
ゼオライトに熱が供給されるか、或いは、ゼオライト・材料から熱が抜き取られる適用には、ルーズに山と積まれたゼオライトは不適切とされる、なぜならば、隣り合う熱交換器構造と十分に熱的接触することができないからである。その上、とりわけ潜伏性の熱交換器には、通常Sorptivという名称を持つ作用液がゼオライトに溶剤材料として効果的に供給されなければならない。このことは溶剤・材料中の肉眼によるダクト構造を前提としている。このような理由によりこのような適用目的のためには粉末として合成されたペレット状のゼオライトが比較的多量の単位で結合材の助けを借りて注入される。大部分の結合材に起因してゼオライトの適用上重要とされる諸特性に影響が及ぼされ、ほとんどが不都合に変化させられることは欠点である。その上、ペレットを使用する際、隣接する熱交換器と十分な熱的接触が確保できなくなる。このような理由により、その上にゼオライト・被膜が被覆される熱交換器システムが提案されるのである。基質をゼオライトで被覆する公知の方法として典型的なものは、前述の合成方法であり、そこでは、最初にゼオライト・材料が作られる。このゼオライト・材料は例えば、小さくは破砕、または製粉のような機械的な事後処理が可能とされることから、粉末状のゼオライトが生まれる。これに続いて、このように予め合成されたゼオライト・材料は結合材と混合されてから、ベース基質上に被覆される。
【0006】
特に、複雑であって、立体的な構造の熱交換器の場合、熱交換器の表面全体を厚いゼオライト層により一様に被覆することが困難であるという点は、この種の手順における欠点である。その上、この種の後から合成する被覆法には多くの行程がある。さらに、大部分の結合材はゼオライトの諸特性を変化させる、なぜならば、結合されるべき分子にとってゼオライト粒子の超多孔性の内部構造への出入りの妨害されないことは無いからである。
【0007】
参考文献中にはケイ酸塩の合成に関する数多くの提案が出されている。ここではゾル・ゲル法による合成または熱水溶合成法を優先的に挙げている。ここでは熱水溶合成法は、一般に、高温に加熱された水溶液−100℃以上の温度および1バール以上の圧力のかかっている熱水溶液−から結晶化によりミネラルと化合物を合成する方法と理解されている。この熱水溶合成法は、たいてい加圧タンク内で実施される、なぜならば、適用される温度が水の沸点をはるかに超えており、大抵はその臨界温度Tk= 374℃を更にオーバーしているからである。臨界超過状態では水が数多くの、通常は水に溶けない物質を溶解する。この溶解能力の強化は、おそらく、隔たりが比較的少ない場合、その溶解される物質との相互作用を強化する働きのある圧縮の結果であると考えられる。従ってこの熱水溶合成法を利用すると基本的には、メゾ領域の無機コロイド、結晶または粉末を水溶性の体系の中で製造することが可能となる。この合成法では普通、工業的には、粒子直径が数μmの粒子を生み出すことになる。
【0008】
従来公知とされてきたこれらの方法と並んで、最近では、ケイ酸塩被膜を作るスピン・コーティング・法も同様に知られるようになって来ている。例えば、特許文献2中には、多孔性の被膜の形成、多孔性の被膜自体の形成およびこれらの被膜のマイクロ電子工学における利用について詳述されている。これらの被膜は定期的に孔が多く空けられているゼオライトの粒子でできており、その際、これらの粒子の粒子直径はナノメートル単位であり、また、被膜自体の厚みは30乃至1000nmである。詳述されている被膜はそこでは珪素の上に被覆される。
【0009】
ケイ酸塩の熱水溶合成法における主な問題点は核生成にあり、これが作られる粒子の形態学およびサイズ・分布を決定する。核および一般に、各結晶または粒子の形成は、そこでは、熱動力学の考察の中で位相を形成することから、その規則性の基礎をなしている。粒子が多数の粒子から形成されているので、自然発生的な粒子形成が行われることはエントロピー検査に基づくと全くありえない。このため、最初の核結晶を形成する誘導段階が必ず沈殿乃至粒子・、粉末・または核・生成に必要となる。誘導段階において核生成がゆっくり行われると、その結果として、比較的幅広いサイズ分布およびエネルゲティックに最小限の粒子表面を持つ粒子が形成されるのが通常である。これに反して、核生成が迅速に行われると、均質に成長することになり、比較的より小さい粒子であって、しかも狭いサイズ分布となる。
【0010】
熱水溶合成中に金属性の基質上に密度の高いケイ酸塩被膜を析出するには、溶液中及び/又は基質上に核を生成する過程、それらの核を表面上へ運搬する過程および、その基質表面においてできるだけ均質に側面から成長させる過程が必要条件となる。
【特許文献1】DE10159652 C2
【特許文献2】WO02/032589 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、短い被覆時間中に金属製のベースをケイ酸塩による一様且つ均質な被覆を可能にする一方法を提供することにある。さらにその他に本発明の目的は、ケイ酸塩を用いて被覆する方法であって、その際、これらの被膜はそこではサイズ分布が非常に狭い個々の粒子を含有している。これに加えて、一枚の金属性の基質上でケイ酸塩の厚い被膜を側面から均質に析出することが提供され、これが直接遂行可能である。本発明のその他の目的は、廉価な方法により製造可能な層状複合材を提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、金属製のベース基質を含む層状複合材および、下記の手順、即ち、a)
金属製のベース層の準備、b) 少なくとも一つのイオン溶液中でソルヴォサーマル合成法を用いてケイ酸塩・結晶及び/又はケイ酸塩・粒子を製造し、さらに、c) 金属製のベース層の表面の少なくとも一つをb)において準備されたケイ酸塩・結晶及び/又はケイ酸塩・粒子を用いて被覆するという手順のケイ酸塩層を製造する方法によって解決される。
【0013】
ソルヴォサーマル合成法とは、本発明において並びにこれ以降、水とは異なる溶剤を用いて行われる熱水溶合成に類似の一合成法であると理解することができ、そこにおいて、温度と圧力は各溶剤に合わせられる。一枚の被膜の下には、本発明のコンテクストによれば、一枚のベース被膜が貫通していると理解され、これは場合によっては起こり得る欠陥箇所を除いて全面的に覆っている。さらにその他に、イオン溶液というと、これは室温では液状であって、複合している無機のカチオンまたは窒素、酸素、硫黄、燐またはその他のハロゲンをヘテロ原子として含有している有機のカチオンと無機または有機のアニオンから合成されている塩と理解される。カチオンもアニオンも適切に誘導することにより合成可能となっていることから、それらが広く空間を必要とするようになっており、また、液体の存在範囲を拡大することになる。これらのイオン溶液は、塩の融点が非常に低いという点を特徴としている。さらにその他に、イオン溶液の熱の液体範囲は広く、熱に対して高い安定性を備えており、また、加水分解に安定している。これらの物理化学特性に基づき、融解された塩として、言い換えると、溶媒和の被覆がないカチオンとアニオンは相対的に可動であるので、イオン溶液は熱の安定領域内では自然に蒸発する圧力を持っていないのが普通である。対をなすイオンまたは個々のイオンが熱の刺激を受けて液体から気化して気体に変わるケースが稀な例としてあるかどうか、現段階では疑念のまったく無いようには解明されてはいない。このイオン溶液の種類と特性についてまとめたものは、P. ヴァッサーシャイド、T. ヴェルトンの“Ionic Liquids in Synthesis” Wiley VCH2003中に記載されている。
【0014】
ケイ酸塩のソルヴォサーマル合成において少なくとも一つのイオン溶液を溶剤として使用することにより、公知の熱水溶合成の場合と比べて1000倍の迅速な核生成が達成されることが意外にも明らかになった。これと同時に、ケイ酸塩の結晶及び/又はケイ酸塩の粒子を合成する際に溶剤として一つのイオン溶液を使用すると、合成時間を顕著に短縮することが可能となり、それは水による合成時間の約二分の一に相当する。その上、溶剤として少なくとも一つのイオン溶液を使用することにより、公知とされる熱水溶合成と比較して、経費のかかる構造の機器を安全技術に則って用意する必要が無くなることになる。低目の総圧力となるので、高圧のために必要とされる安全技術は不必要である。さらに、水分を含んだ環境に置かれているか、或いは溶剤として水が使われる場合のように、不都合な種類の合成の行われる可能性を十分抑制可能であることが驚くべき効果として明らかにされた。ケイ酸塩のソルヴォサーマル合成において複数のイオン溶液を溶剤として使用する場合のその他の利点は、熱水溶合成の際には溶剤として水と溶解されたニュートラル分子または電解液を組み合わせることによってしか達成できなかった溶剤の諸特性が、イオン溶液のアニオンとカチオンを選択することによって達成される点にある。
【0015】
好都合とされる第2の方法によれば、ケイ酸塩の結晶及び/又はケイ酸塩の粒子の合成は少なくとも2種類の異なるイオン溶液からなる混合物の中で実施される。
【0016】
本発明に係る方法において使用されるイオン溶液または少なくとも2種類のイオン溶液の混合物は、親水性または疎水性の1個のアニオンX、特に、m=1,2または3を持つ親水性または疎水性の一価、二価または三価の1個のアニオンXm−およびカチオンとして5または6に分岐する芳香族、部分飽和または不飽和の、窒素を含有する複素環式・カチオン、アンモニウム・カチオンまたはグアニジン・カチオンからなる塩を少なくとも一つ都合なことに含有している。とりわけ、この塩は、下記の構造を持っているピロリウム(Pyrrolium)・塩[化学式(I)]、イミダゾリウム・塩[化学式(II)]、イミダゾリジニウム・塩[化学式(III)]、ピリジニウム・塩[化学式(IV)]、アンモニウム・塩[化学式(V)]またはグアニジン・塩[化学式(VI)]であることが可能である。
【化1】

そこにおいて、Xm−はm=1,2または3を持つ一価、二価または三価の1個のアニオンであり、その際、nはその塩の中の一価のカチオンの数を意味しており、そして、nは1,2または3の数値を持っており、また、nはアニオンの原子価に対応しており、
特に、R1は一つのアルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、
特に、R2とR3が同じ意義か、或いは異なる意義を持つことができ、さらに、少なくとも一個の残基R2或いはR3がアルキル-、アルケン-またはアリール基であるという条件の下に、R2とR3は水素と同じか或いは異なっているかのどちらかであり得、アルキル-、アルケン-またはアリール基であり得、
特に、R4、R5、R6、R7とR8の少なくとも一つの残基がアルキル-、アルケン-またはアリール基であり、さらに、R4、R5、R6、R7とR8が同一または異なる意義を持ち得るという条件の下にR4、R5、R6、R7とR8は水素と同一または異なっているかのどちらかであり得、アルキル-、アルケン-またはアリール基であり得る。
【0017】
イオン溶液または少なくとも2種類のイオン溶液からなる混合物は、本発明において、親水性または疎水性の1個のアニオンX、特に、m=1,2または3を持つ親水性または疎水性の一価、二価または三価の1個のアニオンXm−および、カチオンとして5または6に分岐する芳香族、部分飽和または不飽和の、窒素を含有する複素環式のカチオン、アルミニウム・カチオンまたはグアニジン・カチオンからなる塩を化学式I乃至VIに図示されている通り少なくとも一つ好都合なことに含有しており、
その際、nはその塩の中の一価のカチオンの数を意味しており、そして、nは1,2または3の数値を持っており、また、nはアニオンの原子価に対応しており、
特に、R1は一つのアルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、
特に、R2とR3が同じ意義か、或いは異なる意義を持つことができ、さらに、R2またはR3の少なくとも一個の残基がアルキル-、アルケン-またはアリール基であるという条件の下に、R2とR3は水素と同じか或いは異なっており、アルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、
特に、R4、R5、R6、R7とR8の少なくとも一つがアルキル-、アルケン-またはアリール基であり、さらに、R4、R5、R6、R7とR8が同一または異なる意義を持ち得るという条件の下にR4、R5、R6、R7とR8は水素と同一または異なる意義を持ち、アルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、さらに、
その際、アルキル基またはアルケン基はC-1 乃至C-30 の長さの炭素鎖を持つ線形、分岐の飽和及び/又は不飽和アルキル残基を意味し、さらに、特に好都合なことに、メチル-、エチル-、n-プロピル-、1-メチルエチル-、n-ブチル-、1-メチルプロピル-、2-メチルプロピル-、1,1-ジメチルエチル-、n-ペンチル-、1-メチルブチル-、2-メチルブチル-、3-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、2-エチルプロピル-、1,1-ジメチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル-、2,2-ジメチルプロピル-、n-へキシル-、2-エチルヘキシル-、n-ヘプチル-、n-オクチル-、n-ノニル-、n-デシル-、n-ウンデシル-またはn-ドデシル・残基を意味する。
【0018】
本発明に係る方法においてさらに好都合なことに使用されるイオン溶液または少なくとも2種類のイオン溶液の混合物は、そこにおいてm=1,2または3を持つ一価、二価または三価の1個のアニオンXm−およびカチオンとして5分岐または6分岐の芳香族、部分飽和または不飽和の、窒素を含有する複素環式・カチオン、アンモニウム・カチオンまたはグアニジン・カチオンからなる塩を少なくとも一つ化学式I乃至VI中に図示されている通り含有しており、
その際、nはその塩の中の一価のカチオンの数を意味しており、そしてn=1,2または3の数値を持っており、またnはアニオンの原子価に対応しており、
特に、R1は一つのアルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、
特に、R2とR3が同じ意義か、或いは異なる意義を持つことができ、さらに、少なくとも一個の残基R2或いはR3がアルキル-、アルケン-またはアリール基であるという条件の下に、R2とR3は水素と同じか或いは異なっており、アルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、
特に、R4、R5、R6、R7とR8の残基少なくとも一つがアルキル-、アルケン-またはアリール基であり、さらに、R4、R5、R6、R7とR8が同一または異なる意義を持ち得るという条件の下にR4、R5、R6、R7とR8は水素と同一または異なる意義を持ち、アルキル-、アルケン-またはアリール基のいずれかであり得、さらに、
特に、Xm−はテトラフルオロホウ素(BF4)、アルキルホウ素、特に、テトラアルキルホウ素(R=アルキルのB(OR) 4)、きわめて特に、トリエチルヘキシルホウ素(CHO)(C6H12O)B)、リン酸塩(PO 43−)、ハロゲノ・リン酸塩、特に、ヘキサフルオロリン酸塩(PF)、有機リン酸塩、特に、アルキルリン酸塩またはアリールリン酸塩(R=アルキルまたはアリールのRO-PO)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO 42−)、有機硫酸塩、特に、アルキル硫酸塩またはアリール硫酸塩(R=アルキルまたはアリールのRO-SO)、有機スルホナート、特に、アルキルスルホナートまたはアリールスルホナート(R=アルキルまたはアリールのRO-SO)きわめて特に、トルオルスルホニル(p-CH3(C6H4)- SO)、カルボキシラト(R=アルキルのR-COO)、メタニド(Methanid)(R8、R9、R10=CN、NOまたはNOである[HCR8R9]と[CR8R9R10]であって、特に、R8、R9、R10は同一又は異なっていることがあり得る)、ハロゲン、特にフッ化物(F)、塩化物(Cl)、または臭化物(Br)、または擬ハロゲン化物、特に、アジ化物(N)、シアン化物(CN)、シアン酸塩(OCN)、雷酸塩(R=アルキルまたはアリールのRCNO)、またはチオシアン酸塩(SCN)を意味している族に基づくアニオンであり、さらに、その際、特に、アニオンXm−の各アルキル基Rは、或いは2つのアルキル基Rが用意されている場合、アニオンXm−の各アルキル基Rは同一または互いに異なっており、C1乃至C30 の長さの炭素鎖を持っている線形、分岐の、飽和または不飽和のアルキル残基を意味しており、さらに、特に好都合なことに、メチル-、エチル-、n-プロピル-、1-メチルエチル-、n-ブチル-、1-メチルプロピル-、2-メチルプロピル-、1,1-ジメチルエチル-、n-ペンチル-、1-メチルブチル-、2-メチルブチル-、3-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、2-エチルプロピル-、1,1-ジメチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル-、2,2-ジメチルプロピル-、n-へキシル-、2-エチルヘキシル-、n-ヘプチル-、n-オクチル-、n-ノニル-、n-デシル-、n-ウンデシル-またはn-ドデシル・残基を意味する。
【0019】
さらに好都合なことに、イオン溶液には1,3-ジアルキルイミダゾリウム・カチオンと親水性および疎水性のアニオンX、特に、m=1,2または3を持つ一価、二価または三価の1個のアニオンXm−を化学式IIに図示されている通りに含有しており、
【化2】

その際、nはその塩の中の一価のカチオンの数を意味しており、そして、n=1,2または3の数値を持っており、また、nはアニオンの原子価に対応しており、
特に、R2とR3は互いに独立して、C1乃至C30 の長さの炭素鎖を持っている線形、分岐の、飽和及び/又は不飽和のアルキル残基を意味しており、そして、
特に、Xm−はテトラフルオロホウ素(BF4)、アルキルホウ素(R=アルキルのB(OR) 4)、リン酸塩(PO 43−)、ハロゲノ・リン酸塩(Y=ハロゲンのPY6)、アルキル-またはアリールリン酸塩((R=アルキルまたはアリールのRO-PO)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO 42−)、アルキル硫酸塩またはアリール硫酸塩(R=アルキルまたはアリールのRO-SO)、アルキルスルホナートまたはアリールスルホナート(R=アルキルまたはアリールのRO-SO)、カルボキシラト(R=アルキルのR-COO)、メタニド(R8、R9、R10=CN、NOあるいはNOである[HCR8R9]と[CR8R9R10]であって、特に、R8、R9、R10は同一又は異なっていることがあり得る)、フッ化物(F)、塩化物(Cl)、臭化物(Br)、アジ化物(N)、シアン化物(CN)、シアン酸塩(OCN)、雷酸塩(R=アルキルまたはアリールの(RCNO)、またはチオシアン酸塩(SCN)を意味している族に基づく1個のアニオンであり、さらに、その際、アニオンXm−の各アルキル基Rは、或いは2つのアルキル基Rが用意されている場合、アニオンXm−の各アルキル基Rは互いに同一もしくは異なっており、C-1乃至C-30 の長さの炭素鎖を持っている線形、分岐の、飽和及び/又は不飽和のアルキル残基を意味する。
【0020】
イオン溶液または少なくとも2種類のイオン溶液の混合物が1,3-ジアルキルイミダゾリウム・カチオン(化学式II、そこにおいてR2、R3は独立しているアルキルを意味しており)および親水性または疎水性のアニオンX、特に、m=1,2または3を持つ一価、二価または三価の1個のアニオンXm−を含有していることは同じく好都合であり、
その際、アルキルは互いに独立して、C-1乃至C-30 の長さの炭素鎖を持っている線形、分岐の、飽和及び/又は不飽和のアルキル残基を意味しており、特に、メチル-、エチル-、n-プロピル-、1-メチルエチル-、n-ブチル-、1-メチルプロピル-、2-メチルプロピル-、1,1-ジメチルエチル-、n-ペンチル-、1-メチルブチル-、2-メチルブチル-、3-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、2-エチルプロピル-、1,1-ジメチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル-、2,2-ジメチルプロピル-、n-へキシル-、2-エチルヘキシル-、n-ヘプチル-、n-オクチル-、n-ノニル-、n-デシル-、n-ウンデシル-またはn-ドデシル・残基を意味しており、そして、
特に、Xm−はテトラフルオロホウ素(BF4)、アルキルホウ素、特に、テトラアルキルホウ素(R=アルキルのB(OR) 4)、きわめて特に、トリエチルヘキシルホウ素(CHO)(C6H12O)B)、リン酸塩(PO 43−)、ハロゲノ・リン酸塩、特に、ヘキサフルオロリン酸塩(PF)、有機リン酸塩、特に、アルキルリン酸塩またはアリールリン酸塩(R=アルキルまたはアリールのRO-PO)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO 42−)、有機硫酸塩、特に、アルキル硫酸塩またはアリール硫酸塩(R=アルキルまたはアリールのRO-SO)、有機スルホナート、特に、アルキルスルホナートまたはアリールスルホナート(R=アルキルまたはアリールのRO-SO)きわめて特に、トルオルスルホニル(p-CH3(C6H4)- SO)、カルボキシラト(R=アルキルのR-COO)、R8、R9、R10=CN、NOまたはNOであるメタニド([HCR8R9]と[CR8R9R10]であって、その際R8、R9、R10は同一又は異なっていることがあり得る)、ハロゲン、特にフッ化物(F)、塩化物(Cl)、または臭化物(Br)、または 擬ハロゲン化物、特に、アジ化物(N)、シアン化物(CN)、シアン酸塩(OCN)、雷酸塩(R=アルキルまたはアリールの(RCNO)、またはチオシアン酸塩(SCN)を意味している族に基づく1個のアニオンであり、さらに、その際、特に、アニオンXm−の各アルキル基Rは、或いは2つのアルキル基Rが用意されている場合、アニオンXm−の各アルキル基Rは同一または互いに異なっており、C-1乃至C-30 の長さの炭素鎖を持っている線形、分岐の、飽和または不飽和のアルキル残基を意味しており、さらに、特に好都合なことに、メチル-、エチル-、n-プロピル-、1-メチルエチル-、n-ブチル-、1-メチルプロピル-、2-メチルプロピル-、1,1-ジメチルエチル-、n-ペンチル-、1-メチルブチル-、2-メチルブチル-、3-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、2-エチルプロピル-、1,1-ジメチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル-、2,2-ジメチルプロピル-、n-へキシル-、2-エチルヘキシル-、n-ヘプチル-、n-オクチル-、n-ノニル-、n-デシル-、n-ウンデシル-またはn-ドデシル・残基を意味する。
【0021】
特に好都合とされる1方法によれば、1つのイオン溶液または少なくとも2種類のイオン溶液の混合物には、1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムハロゲン化物[化学式(II)、そこにおいてR3はメチルを、そしてR2はアルキルを意味している]が含有されており、そこにおいて、アルキルはC-1乃至C-30 の長さの炭素鎖を持っている線形または分岐の、飽和状態の炭化水素及び、特に、メチル-、エチル-、n-プロピル-、1-メチルエチル-、n-ブチル-、1-メチルプロピル-、2-メチルプロピル-、1,1-ジメチルエチル-、n-ペンチル-、1-メチルブチル-、2-メチルブチル-、3-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、2-エチルプロピル-、1,1-ジメチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル-、2,2-ジメチルプロピル-、n-へキシル-、2-エチルヘキシル-、n-ヘプチル-、n-オクチル-、n-ノニル-、n-デシル-、n-ウンデシル-またはn-ドデシルを意味しており、そして、特に、ハロゲン化物は塩化物または臭化物のいずれかを意味している。
【0022】
イオン溶液に適しているとされるアニオンとカチオンを組み合わせるその他の方法がある。特に、アニオンとカチオン塩をシステマティックに組み合わせることにより、融点および熱に対する安定性のような所定の諸特性を備えたイオン溶液をソルヴォサーマルの溶剤・相として作り出すことができる。本発明の特に好都合とされる変形では、イオン溶液自体がブレーンステズ酸乃至その塩を呈していることから、プロトン-/カチオン-源として役立つか、或いは、プロトン/カチオン-源として使われるブレーンステズ酸乃至その塩を含有している。
【0023】
さらにその他に、イオン溶液または少なくとも2種類のイオン溶液の混合物には、プロモータ・イオンを補足的に含有することが企図されており、その際、これは下記の基から選択される、即ち、リン酸塩(PO 43−)、有機リン酸塩(RO-PO)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO 42−)、有機硫酸塩(RO-SO)、カルボキシラト(R-COO)、メタニド([HCR8R9]又は、特に、R8、R9、R10がCN、NOまたはNOである[CR8R9R10]であって、その際、R8、R9、R10は同一又は異なっていることがあり得)、フッ化物(F)、塩化物(Cl)、臭化物(Br)、アジ化物(N)、シアン化物(CN)、シアン酸塩(OCN)、雷酸塩(RCNO)またはチオシアン酸塩(SCN)を意味している。特に、有機の残基Rは1個のアルキル残基となり得る。これらのプロモータ・イオンは、イオン溶液の添加剤としてそれぞれのフォームで、即ち、付属の対イオンとは無関係に添加可能とされる。
【0024】
イオン溶液の中では無機の合成、特に、ケイ酸塩・合成を、限定された構造ユニットによるケイ酸塩の合成を目的として実施するための比較的厳格ではない条件の下に実施することができる。この合成は、一方では、所定の数値を下回っている温度において実施可能であり、この合成は、ベストは50℃ないし150℃であり、200℃以下でも特に好ましいとされるが、とりわけ、250℃以下の温度で遂行可能とされる。この合成は、他方、水無し、或いは、水分含有量の管理付きの環境において実施され、その際、水量はその都度のケイ酸塩の合成に必要とされる量に基づき、化学量の持分のせいぜい2倍となる。この種の反応溶媒中では、熱水溶性の合成時にはシステムに起因して起こる副次的反応を抑えることができることから、合成目的に合わせてほぼ最適な反応条件を提供することができる。従って、本発明に係る特に好都合とされる方法において、ケイ酸塩の合成は、約50℃ないし150℃のオートクレープ内で実施されるとベストであり、50℃ないし150℃で行われるのも好都合であるが、最高150℃以下で実施される。オートクレープ内でのケイ酸塩の合成は、特に、50℃ないし150℃で、その合成されるケイ酸塩に基づいて、二倍の化学量の水を用いて実施される。オートクレープの場合、全反応時間において密閉されている密閉容器であるので、調整された温度まで高められた総圧力が維持されている。このためソルヴォサーマル条件はいとも簡単に調整される。イオン溶液を溶剤として、さらに、管理された量の水を使用することにより、熱水溶性の合成には必須の高圧オークレープを使用する必要がなくなる。
【0025】
さらに強制循環付きのオートクレープ内でソルヴォサーマル合成の遂行を企図することが可能である。この強制循環により金属製のベース基質の表面上に一つの層流が生み出される。これにより表面には特に均質な濃度の合成ケイ酸塩が供給されるか、或いは、その層流によって調整された溶解させられた成分における一様な濃度により、金属表面上にケイ酸塩を特別均質に成長させることになる。このことは、内部の拡販装置によりいたるところで支援されている、重力フィールドにおける対流のみにより物質の運搬が確保されており、その場合には基質の表面上に層流が生まれることはない、従来の熱水溶性合成法とは著しく異なっている。従って、特に手順b)およびc)を同時に遂行することができる一つの方法を提供している。特に好都合とされる1方法においては、b)手順に従ってケイ酸塩の合成を行い、さらに被覆を手順c)に従って多室オートクレープの中で行うことから、手順b)とc)を同時に遂行することができることになる。本発明において、多室オートクレープとは、少なくとも2つの区画から構成されている一つのその種の圧力容器と理解され、そこにおいて、各区画はその他の区画と等温である。最初の区画の中へ金属製のベース基質が挿入されると、それに対して、少なくとも第2の区画内では強制循環が起こることにより、金属製のベース基質の表面に層流が生み出される。このようにしてイオン溶液中のいたるところにイオン溶液に起因する迅速に核が生成され、これらの核は非常に均質な濃度で金属表面へ塗布及び/又は非常に均質な核生成をその金属表面に生み出すことになる。イオン溶液中及び/又はベース基質の金属表面上における一様な核生成はその金属表面上で均質にケイ酸塩被膜を成長させる働きがある。
【0026】
粒子、結晶またはこれらから出来ているか、或いは本来の場所で形成される被膜を製造する際、イオン溶液はさらに、形成中の粒子の表面上での安定化剤の働きをすることができる。アニオンまたはカチオンを構成する構成要素は、本発明において、安定化剤の働きを引き受けることができ、これは従来のシステムでは分子の添加剤の添加により遂行されていた。ソルヴォサーマル・システムの構造はこの通りであり、これにより従来の水に基づくシステムの特性スペクトル並びに適用スペクトルはずば抜けて拡張可能とされる。
【0027】
ここに提案の方法を利用すると、層状複合体のケイ酸塩被膜がその層状複合体のいずれの箇所においてもその被膜の厚みに関して特別均質であるだけではなく、さらにその他に、それからケイ酸塩被膜が作られる個々の粒子に関しても特別均質とされる一枚の層状複合体を作ることができる。従来の熱水溶性合成法との比較において比較的迅速に核を生成することにより、核生成は粒子の成長または結晶の成長と釣り合って促進させられる。このため、提案されている方法に基づくと、特別密な粒子サイズ分布の粒子乃至結晶及び被膜が生み出される。このような密なサイズ分布は、またもや金属製のベース基質上にその場で均質なケイ酸塩被膜を生み出すことを保証する。ばらばらにならずに保たれているケイ酸塩被膜は、本発明では、金属製のベース基質上の既存の核の上で新しく形成された核が成長することにより作られる。
【0028】
従って特に好都合とされる1方法において、最小で10μmと最大で200μmであるとより好都合であり、特別に好都合とされるのは最小50μmと最大150μmを持っている場合であるが、少なくとも10μmの厚みの被膜を持つことができる。さらに、特に好都合とされる1方法において、ケイ酸塩被膜は、最高200nmの粒子直径、特に10乃至150nmの粒子直径を持っている粒子もしくは結晶を含有している。
【0029】
ケイ酸塩と、特にゼオライトの従来の合成法に対応して、ケイ酸塩・構造乃至ゼオライト・構造の形成に必要とされる出発物質を水溶液または懸濁液中へ入れる。この種の水を含む懸濁液には周期系の第1と第2の主要族に基づくカチオンの源である最初の成分および水が含有されている。さらに、第2の成分が用意されており、これは周期系の第3、第4と第5の主要族に基づく少なくとも1個の網目構造を形成している元素の源として役立っている。溶液または懸濁液中の水量は、本発明において、合成されるケイ酸塩に対応する最高で二倍の化学量となるように選択される。
【0030】
提示されている新方法を利用すると、下記の化学式、即ち、
2/zO・Al・xSiO・yH
のアルミニウムケイ酸塩と、特にゼオライトを合成することができ、
その際、Mはアルカリ-又はアルカリ土元素に基づくカチオンとして一個または一個以上の水素及び/又はアンモニウムを、
zはそのカチオンの価またはカチオンの価の総数を、
xは1,8乃至12を、そして、
yは0乃至8を意味している。
【0031】
金属製のベース基質上で耐久性のあるケイ酸塩被膜乃至ゼオライト被膜を形成するためのその他の合成条件は、その道の専門家の判断の範囲において従来のケイ酸塩合成法に対応させて選択可能とされている。本発明において金属製のベース基質として、銅、アルミニウム、鉄またはこれらの合金或いは特殊鋼から選択することができる。
【0032】
本発明を利用すると、さらに、上記方法により作られる層状複合体を提供することができる。この層状複合体は特に熱交換器の中で使用可能である。これにより本発明により上記方法の一つを利用することによって製造される熱交換器も同様に提案される。これらの層状複合体は、特に、熱交換器内で熱の伝達が効果的行われるという点において際立っている。
【0033】
特に本発明を利用すると、一枚の金属製のベース基質と一枚のケイ酸塩被膜を含有する熱交換器が同様に提案され、この場合、これは特別好都合な粒子サイズは50乃至150nmであり、最大で150mnであると好都合であるが、最大で200mnの粒子サイズを持っているケイ酸塩粒子又はケイ酸塩結晶を含有している。
【実施例】
【0034】
下記には一つの実施例に基づき本方法を詳述することにする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの金属製のベース基質および、下記の手順、即ち、
a) この金属製のベース基質を準備し、
b) ケイ酸塩・結晶及び/又はケイ酸塩・粒子をソルヴォサーマル法に従って合成し、さらに、
c) この金属製のベース層の少なくとも一つの表面をb)の項において合成されたケイ酸塩・結晶及び/又はケイ酸塩・粒子を用いて被覆する
という手順によって形成されるケイ酸塩被膜からなる一つの層状複合材を製造する方法において、
前記ソルヴォサーマル合成は少なくとも1つのイオン溶液中で遂行されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記合成は少なくとも2種類の異なるイオン溶液に基づく混合物の中で実施されることを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオン溶液は1,3-ジアルキルイミダゾリウム・カチオン及び親水性または疎水性のアニオンX、特に、m=1,2または3を持つ一価、二価または三価の1個の陽イオンXm−を含有しており、その際、アルキルは互いに独立してC-1乃至C-30 の長さの炭素鎖を持っている一つの線形、分岐、飽和及び/又は不飽和のアルキル残基を意味していることを更に特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記イオン溶液には少なくとも1個の1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムハロゲン化物が含有されており、その際、アルキルはC-1乃至C-30 の長さの炭素鎖を持っている線形または分岐及び/又は飽和又は不飽和の炭化水素を意味しており、そして、その際、該ハロゲン化物は塩化物または臭化物のいずれかを意味していることを更に特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記イオン溶液には、さらに、該イオン溶液のアニオンとは異なっているプロモータ・イオンが含有されており、そして、該プロモータ・イオンはリン酸塩(PO 43−)、有機リン酸塩(RO-PO)、硝酸塩(NO)、硫酸塩(SO 42−)、有機硫酸塩(RO-SO)、カルボキシラト(R-COO)、メタニド([HCR8R9]及び特に、R8、R9、R10がCN、NOまたはNOである[CR8R9R10]、その際、R8、R9、R10は同一又は異なっていることがあり得る)、フッ化物(F)、塩化物(Cl)、または臭化物(Br)、アジ化物(N)、シアン化物(CN)、シアン酸塩(OCN)、雷酸塩(RCNO)、またはチオシアン酸塩(SCN)を意味している族(Gruppe)から選択されることを更に特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ酸塩結晶および/又はケイ酸塩粒子の合成は最高で約150℃の温度時にオートクレープ内、特に、強制循環付きのオートクレープ内でソルヴォサーマル合成の形式で実施されることを更に特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
下記手順、即ち、
b)前記ケイ酸塩結晶および/又はケイ酸塩粒子を合成すると同時にc)前記ベース基質の被覆を行うことを更に特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記金属製のベース基質が銅、アルミニウム、鉄またはこれらの合金或いは特殊鋼から作られていることを更に特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ケイ酸塩被膜は、アルミニウムケイ酸塩、特に、下記の化学式、即ち、
2/zO・Al・xSiO・yH
中に記載のゼオライトからできており、
その際、Mは前記アルカリ-またはアルカリ土-元素の族、水素及び/又はアンモニウムに基づくカチオンとして1個または複数個を、
zはそのカチオンの価またはカチオンの価の総数を、
xは1,8乃至12を、そして、
yは0乃至8を意味していることを更に特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ケイ酸塩被膜にはケイ酸塩結晶及び/又はケイ酸塩粒子が含有されており、これらの粒子直径は最大で200nm及び、特に10乃至150nmであることを更に特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ケイ酸塩被膜の厚みは、最小で10μm、最大で200μm であると好都合であって、最小で50μm、最大で150μmであると特別好都合であるが、少なくとも10μmであることを更に特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法に従って製造されるケイ酸塩被膜。
【請求項13】
請求項12に記載の層状複合材を含有している熱交換器。
【請求項14】
熱交換器の中でエネルギを伝達するための請求項12に記載の層状複合材の使用。

【公表番号】特表2009−504904(P2009−504904A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525405(P2008−525405)
【出願日】平成18年7月1日(2006.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006417
【国際公開番号】WO2007/017015
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(504387355)ゾルテッヒ アーゲー (3)
【氏名又は名称原語表記】SORTECH AG
【Fターム(参考)】