説明

崩壊性高強度球状粒子組成物

【課題】
医薬品、化粧品、食品等の顆粒製造の核剤などに用い、消化管内において溶媒との接触によって容易に崩壊して活性成分を放出し、活性成分との反応性が極めて少なく、真球度が高く、表面の凹凸が少なく、均一な活性成分積層やフィルム層を形成し易く、また良好なマスキング性を有し、顆粒の製造時に水の使用で変性しない核剤用の粒子を提供する。
【解決手段】
崩壊剤及び無機粒子、必要に応じて水溶性基剤/又は活性成分を水に懸濁させて噴霧乾燥することなどによって得られる崩壊性の球状粒子は、容易に崩壊して活性成分を放出し、真球度が高く、表面の凹凸が少なく、均一な活性成分積層やフィルム層を形成し易く、また良好なマスキング性を有し、顆粒の製造時に水の使用で変性しないため核剤用の粒子として好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、崩壊性と充分な強度を有して製剤用途などに用いられる粒子及びその製造法、並びにその粒子を核剤に用いる医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品では、活性成分の放出制御、腸溶化、安定性改善又は味のマスキング手段として、し核剤を中心にその周りに活性成分の含有層を有する多層構造の顆粒が用いられている。多層構造の顆粒を製造する場合、積層率を高め、層の厚さを均一に積層させるために、粒径が均一で真球度が高い粒子を核剤として用いることが好ましい。さらに核剤に要求される性質としては、造粒時に掛かる負荷により破損しない強度、噴霧溶液を吸収する吸収能、活性成分と反応しない安定性が求められる。また、活性成分の溶出率を高めるために、消化管内で被覆層溶解後、粒子自体が急速に崩壊する核剤用の粒子が求められている。
【0003】
これまで崩壊性の核剤として用いる球状粒子は、乳糖を95%以上含有し、長径/短径の比が1.2以下であり、カサ密度0.7g/ml以上、安息角35度以下、摩損度1.0%以下である球状粒(特許文献1)、糖アルコールや塩化ナトリウムなどの水溶性単一物質を95重量%以上含有し、長径/短径の比が1.2以下、カサ密度0.65g/ml以上、安息角35度以下、摩損度1.0%以下であり核剤として用いる球状粒(特許文献2)、平均重合度が60〜350である結晶セルロースを10%以上含有し、タッピング見掛け密度が0.60〜0.95g/mL、真球度が0.7以上、形状係数が1.10〜1.50、及び平均粒径が10〜400μmであるセルロース系製剤用粒子(特許文献3)が知られている。これらは、水中での崩壊性が十分ではない上に、粒子形状の真球度が低く、特に粒径が小さくなるほど真球度が低くなっており小さな顆粒を製造する場合、核剤の表面に均一な層を形成させる核剤用途には不適であった。
【0004】
また、本出願人は無機粉末を含み噴霧乾燥することによって得られる口腔内速崩壊錠用の組成物を開示している(特許文献4、5)。これらは、口腔内速崩壊錠用の賦形剤であるため、成形性や崩壊性は優れていたが、粒子の強度は活性成分との造粒工程を行うほど十分とは言えなかった。さらに、本出願人は鱗片状のリン酸水素カルシウムをナノサイズに粉砕し噴霧乾燥してなる強度の高い医薬品製造用の核剤の球状粒子を開示している(特許文献6)。これは水不溶性の無機物で構成されており、崩壊性を有してはいない。
【0005】
真球度が高く、製剤工程上で十分な強度を有し、しかも活性成分の溶出率を高めるために消化管内で急速に崩壊する核剤であって、崩壊剤及び無機粒子、必要に応じて水溶性基剤や活性成分を含有し、製剤に用いられる球状粒子は知られてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−173050号公報
【特許文献2】特開2004−067670号公報
【特許文献3】国際公開WO2002/036168号パンフレット
【特許文献4】特開2005−139168号公報
【特許文献5】国際公開WO2005/037254号パンフレット
【特許文献6】特開2009−120476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
顆粒の製造などの使用に十分な強度、及び口腔内で崩壊せずに消化管内で良好な崩壊性を有する医薬品、化粧品、食品等の顆粒及び錠剤製造の核剤に用いる真球度が高い球状粒子が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、球状粒子全体に対して無機粒子及び崩壊剤を溶媒に懸濁したのち噴霧乾燥することによって得られる崩壊性球状粒子組成物は、従来の核剤よりも良好な真球度、製造などの使用に十分な強度を有し、しかも溶媒と接触することで良好な崩壊性を有していることを見出した。
【発明の効果】
【0009】
本発明の崩壊性球状粒子組成物は、従来の核剤よりも極めて良好な真球度であるため、この粒子を用いて造粒した顆粒状組成物は、高い積層率と良好な積層性を有することができ、更には消化器官内で急速に崩壊するため良好な活性成分放出性を有する顆粒を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の噴霧乾燥した球状粒子のSEM写真(1メモリ5μm)である。
【図2】実施例1の水滴下試験の200倍光学写真である。
【図3】実施例3の活性成分積層顆粒のSEM写真(1メモリ10μm)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の崩壊性球状粒子組成物について以下に述べる。
本発明の崩壊性球状粒子組成物は、無機粒子及び崩壊剤、必要に応じて水溶性基剤を含有し、真球度が0.8〜1、粒子強度が100〜2000g/mm、平均粒子径が10〜500μmであり、水などの溶媒と接触することで良好な崩壊性を有する球状の粒子である。
【0012】
溶媒と接触することによる良好な崩壊性とは、10分以下、好ましくは6分以下、さらに好ましくは3分以下、最も好ましくは2分以下で崩壊することを意味する。ここで崩壊時間の測定は後述するが、粒子に水を滴下し、その崩壊時間を顕微鏡などで見ながら測定する。
【0013】
本発明の崩壊性球状粒子組成物は、平均粒子径が10〜500μmであり、好ましくは20〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。平均粒子径が10μm未満では、活性成分の積層化が困難で粒子同士の凝集が起こりやすくなるので好ましくない。また、平均粒子径が500μmを超えると積層化した顆粒の粒径が大きくなるため、口腔内崩壊錠に応用する場合、ざらつきを感じやすく、服用性が悪化すること、顆粒含有錠等に応用する場合の含量バラツキにつながるため好ましくない。
【0014】
本発明の崩壊性球状粒子組成物は、真球度が0.80〜1であり、好ましくは0.85〜1であり、より好ましくは0.90〜1であり、最も好ましくは0.95〜1である。真球度が0.80未満の場合、活性成分積層化後の顆粒の真球度が低くなり、活性成分の被覆や顆粒の形成に好ましくない。また、表面の凸凹が少ないのも特徴である。真球度は球の短径を長径で除した値である。
【0015】
本発明の崩壊性球状粒子組成物は、粒子強度が100〜2000g/mmであり、好ましくは200〜1000g/mmであり、より好ましくは300〜1000g/mmであり、さらに好ましくは400〜1000g/mmである。これらの強度を有することによって、本発明の崩壊性球状粒子組成物上に積層/被覆処理を行うときに割れや欠けが生じない十分な強度を有する。粒子強度が100g/mm以下の場合、造粒工程時に割れや欠けを生じ、核剤として不適当である。
さらには、本発明の崩壊性球状粒子組成物は、口腔や消化器官内での水分に接することによって急速に崩壊するが、積層/被覆処理として湿式造粒を行う程度の水分では破壊を生じないと言う特徴を持つ。
【0016】
本発明の崩壊性球状粒子組成物のBET比表面積は、粒子の給水能に関係し、球状粒子のコーティング時に適度な吸水性が必要であり、BET比表面積としては0.15〜500m/g、好ましくは2〜400m/g、より好ましくは5〜300m/gである。BET比表面積が500m/gを超えると吸水性が高くなるため、粒子の凝集につながり、顆粒の粒度分布が広く不均一になるので好ましくない。また、比表面積が2m/gを下回ると表面への固体や液体の付着力が弱まるので好ましくない。
【0017】
本発明の崩壊性球状粒子組成物の静的比容積は、1.5〜5.0ml/g、好ましくは1.5〜4.0ml/gである。1.5ml/g未満の場合は、重質であるため流動層造粒機内での流動が不充分となり、活性成分積層が不均一となる。5.0ml/gを超える場合は軽質であるため活性成分積層が不十分となるばかりか、造粒機内で粒子が凝集し歪な大粒子を形成する場合があり不適当である。
【0018】
本発明の崩壊性球状粒子組成物の吸水量は、溶媒や微粉末の適度な表面への付着を要することから、吸水量は0.1〜3.0ml/g、好ましくは0.3〜2.0ml/g、より好ましくは0.4〜1.5mlである。ここで吸水量は、水以外にも有機溶媒や油脂などの液体の吸収を示す値である。水以外の液体ではこれらの吸液量に記載吸水量範囲外の値が生じる可能性があるが、このような誤差も本発明の範囲内である。
【0019】
本発明の崩壊性球状粒子組成物の安息角は球状度が高いため良好であり20〜45度、好ましくは20〜40度、より好ましくは20〜35度である。このような安息角を有することにより、優れた流動性を示し、活性成分積層やコーティングが容易で均一に操作することができる。安息角は、JIS(日本工業規格)の測定方法に基づく。
【0020】
本発明の崩壊性球状粒子組成物において、崩壊剤の配合割合は、崩壊性球状粒子組成物全体に対して、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。
無機粒子の配合割合は、崩壊性球状粒子組成物全体に対して、5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜80重量%であり、最も好ましくは30〜70重量%である。
さらに必要に応じて、水溶性基剤を配合する場合、水溶性基剤の配合割合は、崩壊性球状粒子組成物全体に対して、5〜85重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜75重量%である。
【0021】
本発明の無機粒子としては、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムのいずれかが1種以上からなる医薬上許容される無機粒子を用いる。例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、炭酸マグネシウムなどから選ばれる少なくとも1種以上である。より好ましくは、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム及び乾燥水酸化アルミニウムゲルから選ばれる少なくとも1種以上であり、さらに好ましくは、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウムから選ばれる少なくとも1種以上である。以上のリン酸水素カルシウムの中でも、特許2700141の鱗片状のリン酸水素カルシウムが適している。
【0022】
これらの無機粒子の平均粒子径としては0.01〜20μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01〜5μmである。粒子径が小さいほど、粒子間の接触力が強く本発明の組成物の強度を高め、さらに真球度を高めるのに好ましい。所望の平均粒径を得るために、常法によって粉砕処理したものを用いることができる。
【0023】
本発明の崩壊剤としては、医薬品添加剤の分野で崩壊剤に該当するものであり、例えば、アジピン酸、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、エリスリトール、果糖、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、カンテン、キシリトール、グァーガム、クエン酸カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、酢酸フタル酸セルロース、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セスキオレイン酸ソルビタン、ゼラチン、セラック、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、デキストリン、デヒドロ酢酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、トラガント、トレハロース、乳糖、麦芽糖、白糖、ハイドロタルサイト、ハチミツ、パラチニット、パラチノース、バレイショデンプン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ブドウ糖、ベントナイト、部分アルファー化デンプン、フマル酸一ナトリウム、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・グリコール、ポリソルベート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、マルチトール、D−マンニトール、無水クエン酸、無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウムなどの1種以上であり、これらのいずれかを単独で用いてもよいが、2種以上を配合することができる。
好ましくはクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム及び澱粉からなる群より選ばれるものであり、さらに好ましくはクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。これらは1種又は2種以上配合することができる。
【0024】
これらの崩壊剤は、本発明の組成の真球度と粒子強度を高めるために、粒子径が小さい方が好ましい。平均粒子径としては0.1〜40μm、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜10μmである。
【0025】
本発明の水溶性基剤としては、一般に、医薬品添加剤の分野で賦形剤や結合剤として分類されているもののうち水に可能なものが該当する。
賦形剤としてのカテゴリに分類されているものには、例えば、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エリスリトール、塩化ナトリウム、オリブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸ニナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、微粒子結晶セルロース、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ(米粉)、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β−シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクワラン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、精製モンタンワックス、ゼイン、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、セッコウ、セトステアリルアルコール、セラック、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆油不けん化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシシロップ、トウモロコシデンプン、トレハロース、トラガント、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、ハイドロタルサイト、麦芽糖、白色セラック、白色ワセリン、ハクド、白糖、白糖デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、ハダカムギ緑葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラチニット、パラチノース、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水アメ、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、無水ケイ酸、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状石灰石、粒状トウモロコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウムがあり、
【0026】
結合剤としてのカテゴリに分類されているものは、例えば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体乳濁液、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アミノエチルスルホン酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルファー化デンプン、エステルガムH、エチルセルロース、オウバク末、加水分解ゼラチン末、カゼインナトリウム、果糖、カラメル、カラヤガム末、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、カンテン、寒梅粉、キサンタンガム、牛脂硬化油、グァーガム、グリセリン、合成ケイ酸アルミニウム、軽質無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、硬化油、コポリビドン、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、コメコ(米粉)、コメデンプン、酢酸ビニル樹脂、酢酸フタル酸セルロース、サラシミツロウ、酸化デンプン、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、酒石酸ナトリウムカリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、ゼラチン、セラック、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、大豆レシチン、炭酸カルシウム、単シロップ、デキストリン、デンプン(溶性)、トウモロコシデンプン、トラガント、パラフィン、バレイショデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ピペロニルブトキシド、ブチルフタリルブチルグリコレート、ブドウ糖、部分アルファー化デンプン、フマル酸、プルラン、プロピレングリコール、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・グリコール、ポリソルベート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール(完全けん化物)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、ポリリン酸ナトリウム、D−マンニトール、水アメ、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムがあり、これらのいずれかを単独で用いてもよいが、2種以上を配合することができる。
好ましくは、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、トレハロース、パラチニット、パラチノースなどの糖類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンなどのアミノ酸及びそれらの塩などの1種以上であり、これらのいずれかを単独で用いてもよいが、2種以上を配合することができる。
【0027】
本発明の崩壊性球状粒子組成物には、真球度、粒子強度などに特に影響を与えない範囲内で活性成分やその他の添加成分を配合することができる。活性成分の量は、本発明の組成物全体に対して、0.1〜75重量%、好ましくは0.1〜50重量%であり、より好ましくは0.1〜30重量%である。その他の添加成分の量は、本発明の組成物全体に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0028】
活性成分を本発明の崩壊性粒子組成物に含む場合は、粒子強度が高いため、そのままコーティングすることができ、活性成分の積層処理を省くことができ、生産がより容易におこなうことができる。
これらの活性成分は、本発明の組成の真球度と粒子強度を高めるために、粒子径が小さい方が好ましい。平均粒子径としては0.1〜20μm、好ましくは0.1〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmである。これらの活性成分は、所望の平均粒子径を得るために、粉砕または気流噴霧法で製造したものを用いることができる。
【0029】
その他の添加成分としては、界面活性剤などがあげられる。医薬品の分野で通常用いられる界面活性剤を配合することによって、活性成分の放出・溶出速度を向上させることができる。配合の方法は情報に従って行うことができる。
【0030】
活性成分としては、特に限定されず、中枢神経系用薬、末梢神経系用薬、感覚器官用薬、循環器用薬、呼吸器官用薬、消化器官用薬、ホルモン剤、泌尿生殖器官薬、その他の個々の器官系用医薬品、ビタミン剤、滋養強壮薬、血液・体液用薬、その他の代謝性医薬品、細胞賦活用薬、腫瘍用薬、放射性医薬品、アレルギー用薬、その他の組織細胞機能用医薬品、生薬、漢方製剤、その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品、抗生物質製剤、化学療法剤、生物学的製剤、寄生動物に対する薬、その他の病原生物に対する医薬品、調剤用薬、診断用薬、公衆衛生用薬、体外診断用医薬品、その他治療を主目的としない医薬品、アルカロイド系麻薬(天然麻薬)、及び非アルカロイド系麻薬などが挙げられる(日本医薬品集医療用2008、じほう)。
【0031】
中枢神経系用薬のうち催眠鎮静剤・抗不安剤としては、アルプラゾラム、エスタゾラム、塩酸デクスメデトミジン、塩酸リルマザホン、オキサゾラム、クアゼパム、クエン酸タンドスピロン、クロキサゾラム、クロラゼプ酸二カリウム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化ナトリウム、酒石酸ゾルピデム、セコバルビタールナトリウム、ゾピクロン、トフィソパム、トリアゾラム、トリクロホスナトリウム、ニトラゼパム、ニメタゼパム、パッシフローラエキス、バルビタール、ハロキサゾラム、フェノバルビタール、プラゼパム、フルジアゼパム、フルタゾラム、フルトプラゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム塩酸塩、ブロチゾラム、ブロマゼパム、ブロモバレリル尿素、ペントバルビタール、抱水クロラール、ミダゾラム、メキサゾラム、メダゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、ロルメタゼパムなどが挙げられる。
抗てんかん剤として、アセチルフェネトライド、ガバペンチン、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロバザム、スルチアム、ゾニサミド、トリメタジオン、バルプロ酸ナトリウム、フェニトイン、プリミドンなどが挙げられる。
【0032】
解熱鎮痛消炎剤として、アクタリット、アスピリン、アセトアミノフェン、アンピロキシカム、イブプロフェン、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、エテンザミド、エトドラク、エピリゾール、エモルファゾン、塩酸トラマドール、塩酸ブプレノルフィン、オキサプロジン、ケトプロフェン、サリチル酸ナトリウム、ザルトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、スリンダク、スルピリン水和物、セレコキシブ、チアプロフェン酸、チアラミド塩酸塩、テノキシカム、ナプロキセン、ブコローム、ペンタゾシン、メフェナム酸、メロキシカム、モフェゾラク、ロキソプロフェンナトリウム水和物などが挙げられる。
【0033】
抗パーキンソン剤として、アマンタジン塩酸塩、塩酸セレギリン、塩酸タリペキソール、塩酸プロヘプチン、塩酸プラミペキソール水和物、塩酸マザチコール、塩酸メチキセン、エンタカポン、カベルゴリン、トリヘキシフェニジル塩酸塩、ドロキシドパ、ビペリデン、ブロモクリプチンメシル酸塩、メシル酸ペルゴリド、レボドパなどが挙げられる。
精神神経用剤として、アミトリプチリン塩酸塩、アモキサン、アリピプラゾール、イミプラミン塩酸塩、エチゾラム、塩酸スルトプリド、塩酸セルトラリン、塩酸トラゾドン、塩酸パロキセチン水和物、塩酸フロロピパミド、塩酸ペロスピロン水和物、塩酸ミアンセリン、塩酸ミルナシプラン、塩酸メチルフェニデート、塩酸モサプラミン、塩酸モペロン、塩酸ロフェプラミン、オキシペルチン、オランザピン、カルピプラミン、クロカプラミン塩酸塩水和物、クロチアゼパム、クロミプラミン塩酸塩、クロルプロマジン、スピペロン、スルピリド、ゾテピン、炭酸リチウム、チミペロン、デカン酸ハロペリドール、ネモナプリド、ノルトリプチリン塩酸塩、ハロペリドール、ヒドロキシジン塩酸塩、ヒドロキシジンパモ酸塩、ピモジド、フマル酸クエチアピン、フルフェナジン、プロクロルペラジン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ペルフェナジン、マプロチリン塩酸塩、マレイン酸セチプチリン、マレイン酸トリフロペラジン、マレイン酸トリミプラミン、マレイン酸フルボキサミン、モダフィニル、リスペリドン、レボメプロマジンなどが挙げられる。
その他の中枢神経系用薬として、塩酸チアプリド、塩酸ドネペジル、タルチレリン水和物、テルグリド、マジンドール、リルゾールなどが挙げられる。
【0034】
抹消神経系用薬のうち局所麻酔剤としては、アミノ安息香酸エチル、塩酸ブピバカイン、塩酸ロピバカイン水和物、オキセサゼイン、プロカイン塩酸塩、メピバカイン塩酸塩、リドカインなどが挙げられる。
自律神経剤としてアンベノニウム塩化物、オキサピウムヨウ化物、ジスチグミン臭化物、プロパンテリン臭化物、メペンゾラート臭化物などが挙げられる。
鎮けい剤としては、アフロクアロン、エペリゾン塩酸塩、塩酸ピペリドレート、チザニジン塩酸塩、チメピジウム臭化物水和物、トルペリゾン塩酸塩、バクロフェン、パパベリン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ブトロピウム臭化物、フロプロピオン、メチル硫酸N−メチルスコポラミンなどが挙げられる。
【0035】
感覚器官用薬の耳鼻科用剤としては、アンレキサノクス、塩酸ロメフロキサシン、オフロキサシン、クロラムフェニコールなどが挙げられる。鎮暈剤としては、塩酸イソプロテレノール、ジフェニドール塩酸塩、ベタヒスチンメシル酸塩などが挙げられる。
【0036】
循環器官用薬のうち強心剤としては、アミノフィリン水和物、エチレフリン塩酸塩、塩酸イソプロテレノール、コリンテオフィリン、ジギトキシン、ジゴキシン、デノパミン、ピモベンダン、プロキシフィリン、ベスナリノン、メチルジゴキシン、ユビデカレノンなどが挙げられる。
【0037】
不整脈用剤としては、アジマリン、アセブトロール塩酸塩、アテノロール、アルプレノロール塩酸塩、アロチノロール塩酸塩、塩酸アプリンジン、塩酸アミオダロン、塩酸ソタロール、塩酸ピルジカイニド、塩酸プロパフェノン、塩酸ベプリジル、オクスプレノロール塩酸塩、カルテオロール塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、コハク酸シベンゾリン、酢酸フレカイニド、ジソピラミド、ナドロール、ピンドロール、ブフェトロール塩酸塩、フマル酸ビソプロロール、プロカインアミド塩酸塩、プロプラノロール塩酸塩、ベラパミル塩酸塩、メキシレチン塩酸塩などが挙げられる。
【0038】
利尿剤としては、アゾセミド、クロルタリドン、スピロノラクトン、トラセミド、トリアムテレン、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド、ベンチルヒドロクロロチアジド、メフルシド、モザバプタン塩酸塩などが挙げられる。
血圧降下剤としては、アゼルニジピン、アラセプリル、アラニジピン、インダパミド、塩酸アモスラロール、塩酸イミダプリル、塩酸エホニジピン、塩酸キナプリル、塩酸セリプロロール、塩酸チリソロール、塩酸テモカプリル、塩酸テラゾシン、塩酸デラプリル、塩酸バルニジピン、塩酸プラゾシン、塩酸ベタキソロール、塩酸ベナゼプリル、塩酸ベバントロール、塩酸マニジピン、塩酸ラベタロール、オルメサルタンメドキソミル、カドララジン、カプトプリル、カルテオロール塩酸塩、カルベンジロール、カンデサルタンシレキセチル、グアナベンズ酢酸塩、クロニジン塩酸塩、シラザプリル、シルニジピン、テルミサルタン、トドララジン塩酸塩水和物、トランドラプリル、トリパミド、ニカルジピン塩酸塩、ニピラジロール、ニルバジピン、バルサルタン、ヒドララジン塩酸塩、ピンドロール、フェロジピン、ブドララジン、ブナゾシン塩酸塩、プロプラノロール塩酸塩、ペリンドプリルエルブミン、ベンブトロール硫酸塩、マレイン酸エナラプリル、マロン酸ボピンドロール、メシル酸ドキサゾシン、メチクラン、メチルドパ水和物、メトプロロール酒石酸塩、リシノプリル水和物、レシナミン、レセルピン、ロサルタンカリウムなどが挙げられる。
【0039】
血管収縮剤としては、安息香酸リザトリプタン、塩酸ミドドリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、臭化水素酸エレトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタンなどが挙げられる。
血管拡張剤としては、一硝酸イソソルビド、イノシトールヘキサニコチネート、塩酸イソクスプリン、ジピリダモール、硝酸イソソルビド、ジラゼプ塩酸塩水和物、ジルチアゼム塩酸塩、トラピジル、トリメタジジン塩酸塩、ニコランジル、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニトログリセリン、ニフェジピン、ベシル酸アムロジピン、ベニジピン塩酸塩、ヘプロニカート、ベラパミル塩酸塩などが挙げられる。
【0040】
高脂血症用剤としては、アトルバスタチンカルシウム水和物、エゼミチブ、エラスターゼES、クリノフィブラート、クロフィブラート、コレスチミド、シンバスタチン、ソイステロール、デキストラン硫酸ナトリウム、ニコモール、ニセリトロール、ピバスタチンカルシウム、フェノフィブラート、プラバスタチンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、プロブコール、ベザフィブラート、ポリエンホスファチジルコリン、ロスバスタチンカルシウムなどが挙げられる。
その他の循環器官用薬として、イフェンプロジル酒石酸塩、インドメタシン、塩酸セベラマー、塩酸ファスジル水和物、塩酸ロメリジン、ガンマ−アミノ酪酸、ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩、トコフェロールニコチン酸エステル、ニセルゴリン、ボセンタン水和物、メクロフェノキサート塩酸塩、メチル硫酸アメジニウムなどが挙げられる。
【0041】
呼吸器官用薬のうち鎮咳剤としては、エフェドリン塩酸塩、クロフェダノール塩酸塩、クロペラスチン、ジメモルファンリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ペントキシベリンクエン酸塩、リン酸ベンプロペリンなどが挙げられる。
去たん剤としては、L−エチルシステイン塩酸塩、L−塩酸メチルシステイン、L−カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、フドステイン、ブロムヘキシン塩酸塩などが挙げられる。
鎮咳去たん剤としては、塩酸エプラジノン、グアイフェネシン、コデインリン酸塩水和物、チペピジンヒベンズ酸塩などが挙げられる。
【0042】
気管支拡張剤としては、アミノフィリン水和物、塩酸イソプロテレノール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、塩酸メトキシフェナミン、オルシプレナリン硫酸塩、サルブタモール硫酸塩、臭化水素酸フェノテロール、ツロブテロール、テオフィリン、テルブタリン硫酸塩、トリメトキノール塩酸塩水和物、プロカテロール塩酸塩水和物、ホルモテロールフマル酸塩水和物などが挙げられる。
含嗽剤としては、アズレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0043】
消化器官用薬のうち止しゃ剤・整腸剤としては、塩酸ロペラミド、ジメチコン、耐性乳酸菌製剤、ビフィズス菌製剤、ベルベリン塩化物水和物、酪酸菌製剤などが挙げられる。
消化性潰瘍用剤としては、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、塩酸ベキサネートベータデクス、オメプラゾール、オルノプロスチル、ゲファルナート、シメチジン、スクラルファート水和物、スルピリド、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、テプレノン、トロキシピド、ニザチジン、ピレンゼピン塩酸塩水和物、ファモチジン、プラウノトール、プログルミド、ポラプレジンク、マレイン酸イルソグラジン、ミソプロストール、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ラニチジン塩酸塩、ラフチジン、ラベプラゾールナトリウム、ランソプラゾール、リンゴ酸クレボプリド、レバミピド、ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩などが挙げられる。
【0044】
制酸剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
下剤としては、センナエキス、センノシド、ピコスルファートナトリウム水和物などが挙げられる。
利胆剤としては、アネトールトリチオン、ウルソデオキシコール酸、トレピブトン、ニコチン酸・ナフチル酢酸などが挙げられる。
【0045】
その他の消化器官用薬としてアカメガシワエキス、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸アザセトロン、塩酸イトプリド、塩酸インジセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸セビメリン水和物、塩酸トロピセトロン、塩酸ラモセトロン、オンダンセトロン、キタサマイシン酢酸エステル、クエン酸モサプリド、、臭化ドミフェン、デキサメタゾン、トリメブチンマレイン酸塩、ドンペリドン、ピロカルピン塩酸塩、ポリカルボフィルカルシウム、メサラジン、メトクロプラミドなどが挙げられる。
【0046】
唾液腺ホルモン製剤、甲状腺、副甲状腺ホルモン剤としては、乾燥甲状腺、チアマゾール、プロピルチオウラシル、リオチロニンナトリウム、レボチロキシンナトリウム水和物などが挙げられる。
たん白同化ステロイド剤としては、メスタノロン、メテノロンなどが挙げられる。
副腎ホルモン剤としては、コルチゾン酢酸エステル、酢酸フルドロコルチゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ベタメゾン、メチルプレドニゾロンなどが挙げられる。
【0047】
男性ホルモン剤としては、メチルテストステロンなどが挙げられる。
卵胞ホルモン及び黄色ホルモン剤としては、アリルエストレノール、エストリオール、エチニルエストラジオール、クロルマジノン酢酸エステル、結合型エストロゲン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ノルエチステロン、プレグナンジオール、ホスフェストロールなどが挙げられる。
その他のホルモン剤としては、カリジノゲナーゼ、クロミフェンクエン酸塩、シクロフェニル、ダナゾール、トリロスタン、フィナステリドなどが挙げられる。
【0048】
泌尿生殖器官用薬のうち生殖器官用剤としては、エストリオール、クロトリマゾール、クロラムフェニコール、チニダゾール、メトロニダゾールなどが挙げられる。
子宮収縮剤としては、メチルエルゴメトリマレイン酸塩などが挙げられる。
避妊薬としてエチニルエストラジオール・ノルエチステロン、エチニルエストラジオール・レボノルゲストレイル、デソゲストレル・エチニルエストラジオールなどが挙げられる。
【0049】
痔疾患用剤としては、静脈血管叢エキス、トリベノシド、ブロメライン・トコフェロール酢酸エステル、メリロートエキスなどが挙げられる。
その他の泌尿生殖器官用薬としては、イミダフェナシン、ウラジロガシエキス、塩酸オキシブチニン、塩酸バルデナフィル水和物、塩酸プロピベリン、クエン酸シルデナフィル、コハク酸ソリフェナシン、酒石酸トルテロジン、シロドシン、セルニチンポーレンエキス、タムスロシン塩酸塩、ナフトピジル、フラボキサート塩酸塩、リトドリン塩酸塩などが挙げられる。
その他の個々の器官用医薬品としては、ガンマ−オリザノール、セファラチンなどが挙げられる。
【0050】
ビタミン剤のうちビタミンA及びD剤としては、アルファカルシドール、カルシトリオール、ビタミンA、ファレカルシトリオールなどが挙げられる。
ビタミンB1剤としては、塩酸ジセアミン、オクトチアミン、チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、ベンフォチアミンなどが挙げられる。
ビタミンB剤としては、コバマミド、ニコチン酸、パンテチン、ヒドロキソコバラミン酢酸塩、ピリドキシン塩酸塩、フラビンアデニンジヌクレオチド、メコバラミン、葉酸、リボフラビン酪酸エステル、リン酸ピリドキサールなどが挙げられる。
ビタミンC剤としては、アスコルビン酸、ビタミンE剤としては、トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステルなどが挙げられる。
ビタミンK剤としては、フィトナジオン、メナテトレノンなどが挙げられる。
その他のビタミン剤としては、アスタキサンチン、フコキサンチン、ルテインなどが挙げられる。
【0051】
滋養強壮薬のうちカルシウム剤としては、L−アスパラギン酸カルシウム、乳酸カルシウム水和物などが挙げられる。
無機質製剤としては、L−アスパラギン酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸カリウム、ヨウ素レシチン、硫酸鉄水和物などが挙げられる。
【0052】
血液・体液用薬のうち止血剤としては、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物、トラネキサム酸、メシル酸アドレノクロムモノアミノグアニジンなどが挙げられる。
血液凝固阻止剤としては、ワルファリンカリウムなどが挙げられる。
その他の血液・体液用薬としては、アスピリン、イコサペント酸エチル、塩酸サルポグレラート、シロスタゾール、チクロピジン塩酸塩、ベラプロストナトリウム、リマプロスト アルファデクス、硫酸クロピドグレルなどが挙げられる。
【0053】
その他の代謝性医薬品のうち肝臓疾患用剤としては、肝臓加水分解物、ジクロロ酢酸ジイソピルアミン、チオプロニン、プロトポルフィリン二ナトリウム、マロチラートなどが挙げられる。
解毒剤としては、エデト酸カルシウム二ナトリウム、グルタチオン、炭酸水素ナトリウム、ホリナートカルシウムなどが挙げられる。
痛風治療剤としては、アロプリノール、コルヒチン、プロベネシド、ベンズブロマロンなどが挙げられる。
【0054】
酵素製剤としては、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、プロナーゼ、ブロメライン、リゾチーム塩酸塩などが挙げられる。
糖尿病用剤としては、アカルボース、アセトヘキサミド、塩酸ピオグリタゾン、塩酸ブホルミン、グリクラジド、グリクロピラミド、グリブゾール、グリベンクラミド、グリメピリド、クロルプロパミド、トルブタミド、ナテグリニド、ボグリボース、ミグリトール、ミチグリニドカルシウム水和物、メトホルミン塩酸などが挙げられる。
その他の代謝性医薬品としては、アザチオプリン、アデノシン三リン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、イノシンプラノベクス、イプリフラボン、エチドロン酸二ナトリウム、エパルレスタット、エベロリムス、L−システイン、塩化レボカルニチン、塩酸ラロキシフェン、カモスタットメシル酸塩、シクロスポリン、タクロリムス、ミゾリビン、メトトレキサート、リセドロン酸ナトリウム水和物、レフルノミドなどが挙げられる。
【0055】
細胞賦活用薬としては、アデニンなどが挙げられる。
腫瘍用薬としては、シクロホスファミド水和物、メルファラン、リン酸エストラムスチンナトリウム、カペシタビン、カルモフール、テガフール、フルオロウラシル、メトトレキサート、リン酸フルダラビン、エトポシド、アセグラトン、アナストロゾール、エキセメスタン、塩酸ファドロゾール水和物、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、タミバロテン、ゲフィチニブ、タミバロテン、ビカルタミド、フルタミド、プロカルバジン塩酸塩、メシル酸イマチニブ、レトロゾールなどが挙げられる。
【0056】
アレルギー用薬としては、アリメマジン、塩酸トリプロリジン、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、シクロヘプタジン塩酸塩水和物、プロメタジン塩酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、オーラノフィン、ブシラミン、アンレキサノクス、イブジラスト、エバスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、塩酸オザグレル、塩酸オロパタジン、塩酸セチリジン、フェキソフェナジン塩酸塩、オキサトミド、ケトチフェンフマル酸塩、ザフィルルカスト、セラトロダスト、トシル酸スプラタスト、トラニラスト、フマル酸エメダスチン、プランルカスト水和物、ベシル酸ベポタスチン、ペミロラストカリウム、モンテルカストナトリウム、ラマトロバン、レピリナスト、ロラタジンなどが挙げられる。
【0057】
抗生物質製剤としては、バンコマイシン塩酸塩、アモキシシリン水和物、セファレキシン、セファクロル、セフィキシム、セフカペンピボキシル塩酸塩水和物、セフジニル、セフテラムピボキシル、セフポドキシムプロキセチル、アジスロマイシン、エノキサシン、クラリスロマイシン、シクラシリン、ジョサマイシン、ロキシスロマイシン、レボフロキサシンなどが挙げられる。
【0058】
合成抗菌剤としては、塩酸モキシフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、オフロキサシン、シポロフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、ピペミド酸水和物、フレロキサシンなどが挙げられる。
抗ウィルス剤としては、アシクロビル、アデホビルピボキシル、エファビレンツ、エムトリシタビン、塩酸バラシクロビル、エンテカビル水和、ザナミビル水和物、サニルブジン、ジダノシン、ジドブジン、ネビラピン、パリビズマブ、ホスアンプレナビルカルシウム、メシル酸サキナビル、メシル酸デラビルジン、ラミブジン、リトナビル、リバビリン、硫酸アバカビル、リン酸オセルタミビル、ロピナビル・リトナビルなどが挙げられる。
その他の化学療法剤としては、イトラコナゾール、塩酸テルビナフィン、フルコナゾールなどが挙げられる。
【0059】
その他の効用成分としては、例えば、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、グアニン、キサンチン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩などの核酸関連物質;血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリーなどの動物由来の抽出物;酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、霊芝抽出物などの微生物由来の抽出物;ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチンなどの植物由来の抽出物;α−又はγ−リノレイン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、コハク酸及びその誘導体並びにそれらの塩、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、ジクロフェナクナトリウム、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コラーゲン、アロエ抽出物、サルビア抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ抽出物、シラカバ抽出物、オトギリソウ抽出物、ユーカリ抽出物及びムクロジ抽出、チロシナーゼ活性阻害剤が、システイン及びその誘導体並びにその塩、センプクカ抽出物、ケイケットウ抽出物、サンペンズ抽出物、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物及びヨクイニン抽出物、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸並びにこれらの塩類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン及びこれらの誘導体並びにその塩類、海洋深層水、ヘチマ抽出物、センキュウ抽出物、パパイヤ末、亜鉛、高麗人参抽出物、ブルベリー抽出物、DHA、イチョウ葉抽出物、グルタチオン、フラボノイド、タンニン、エラグ酸、核酸類、漢方薬類、海草類、無機物など、並びにそれらの混合物からなる群から1種又は2種以上選択することができる。
【0060】
本発明の崩壊性球状粒子組成物の製造方法を以下に述べる。
本発明で用いる無機粒子は、微少な粒子を用いるのが特徴であり、粒子径が合致していれば市販のものでも合成したもので用いることができる。所望の粒径を得るため、粒子径の大きいものを粉砕して用いることができる。
【0061】
粉砕方法としては、湿式粉砕や乾式粉砕のいずれでもよく、湿式粉砕としてはナノマイザー(製品名、エス・ジーエンジニアリング株式会社製)、スターバースト(製品名、 株式会社スギノマシン製)、アルティマイザー(製品名、株式会社スギノマシン製、株式会社カワサワファイン)、マイクロフルイダイザー(製品名、みづほ工業株式会社製などの高圧ホモジナイザー、ビーズミル、ディスクミル、ホモミキサーなど、乾式粉砕としてはピンミル、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、カッターミルなどで行うことができるが、好ましくは高圧ホモジナイザー、ビーズミル、カッターミル、ハンマーミルであり、スラリーの取り扱いのしやすさから最も好ましくは高圧ホモジナイザーである。
【0062】
この粉砕によって、凝集粒子を形成している無機粒子はより小さく粉砕した方がよく、粉砕での平均粒子径は、0.01〜20μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01〜5μmである。この平均粒子径とすることで、凝集粒子が分散されて、乾燥時の凝集性が向上し、粒子強度と真球度の高い崩壊性粒子組成物とすることができる。
【0063】
崩壊剤及び無機粒子、必要に応じて水溶性基剤を、本発明の組成物の成分比で所望の物性を示すものであればいずれの製法でも行うことができるが、好ましくは湿式造粒である。湿式造粒は、凍結乾燥、転動層造粒、攪拌造粒、噴霧乾燥、流動層造粒、混練造粒のいずれでもよいが、好ましくは球状粒子の形成度が最も容易な噴霧乾燥である。
【0064】
上記湿式造粒の溶媒としては、組成物の特性に影響を及ぼさず、医薬的に許容される溶媒であればよく、例えば水、エタノール、メタノール、アセトン、THF、エーテル、ヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などがあげられる、好ましくは水溶性溶媒である水、エタノール、メタノールである。
【0065】
湿式造粒の具体的な製造法として、噴霧乾燥について詳細に記載する。
崩壊剤及び無機粒子、必要に応じて水溶性基剤及び/又は活性成分を、溶媒に懸濁させて、噴霧乾燥を行う。懸濁液の濃度としては、噴霧乾燥できる範囲であればよく、すなわち固形分は1〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。活性成分、水溶性基剤、界面活性剤、結合剤、被覆剤、賦形剤、崩壊剤などの成分を添加する場合は、懸濁液の調整時に配合し、同時に噴霧乾燥を行う。
【0066】
噴霧乾燥の条件は特に限定されないが、噴霧乾燥機としては、円盤式又はノズル式の噴霧乾燥機を用いるのが好ましい。そして、噴霧乾燥の際の温度としては、入口温度が約120〜400℃であり、出口温度が約80〜300℃が好ましい。
【0067】
本発明の崩壊性球状粒子組成物を用いた顆粒状組成物、顆粒状組成物の製造方法について述べる。
本発明の顆粒状組成物は、本発明の崩壊性球状粒子組成物を中心に活性成分層よりなる。必要に応じて、活性成分層の外側に被覆層を作ることができる。顆粒状組成物は、本発明の崩壊性球状粒子組成物100重量部に対して、活性成分0.01〜500重量部、好ましくは0.1〜200重量部からなる。活性成分層には、活性成分のほかに、結合剤、賦形剤、界面活性剤、被覆剤などを配合することができる。活性成分は、賦形剤などに担持、結合剤などで造粒したものでもよい。被覆成分の配合量は、本発明の崩壊性球状粒子組成物100重量部に対して、被覆成分0.01〜100重量部である。
【0068】
活性成分層及び/又は被覆層には、結合剤、被覆剤、賦形剤などを配合することができる。また、溶出速度調節のための水溶性物質、可塑剤、安定化剤、着色料、界面活性剤、流動化剤などを必要に応じて加えてもよい。これらは前述記載のものを用いることができる。
【0069】
被覆剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、澱粉糊、アルファー化澱粉、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、糖シロップ、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、アクリル系共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、シェラック、シリコン樹脂などが挙げられる。
【0070】
界面活性剤としては、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
流動化剤としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
【0071】
本発明の顆粒状組成物は、本発明の崩壊性球状粒子組成物を核剤として、流動層造粒、攪拌造粒、転動層造粒、噴霧乾燥造粒、押出造粒など公知の湿式造粒方法で行うことができ、これらの条件は常法によって行うことができる。
【0072】
本発明の崩壊性球状粒子組成物を湿式造粒装置中で転動させながら、結合剤含有溶液を連続的に噴霧し、同時に活性成分と必要ならば賦形剤とから成る粉体を供給し、崩壊性球状粒子組成物に溶液/粉体を被覆し、乾燥して顆粒とする。あるいは崩壊性球状粒子組成物を湿式造粒機中で流動させながら、結合剤含有溶液中に活性成分を溶解あるいは懸濁させた液を噴霧し、崩壊性球状粒子組成物に活性成分を含む粉体を被覆し、乾燥して顆粒とする。続いて顆粒を流動させながら被覆剤の溶液又は被覆剤の懸濁液を噴霧し、乾燥させて防湿、苦味マスキング、腸溶性、徐放性、持続性などを目的とした皮膜層を形成させ、顆粒とする。また、活性成分を含む粉体を被覆する際、被覆剤含有溶液あるいは被覆剤の懸濁液を同時に噴霧してもよい。これらの造粒順番は、活性成分の種類などに応じて適宜選ぶことができる。
上記溶液の溶媒としては、これらの物性に影響を及ぼさず、医薬的に許容される溶媒であればよく、例えば水、エタノール、メタノールなどが挙げられる。
【0073】
本発明の医薬製剤は、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投薬形態、懸濁液の液状製剤などの製剤形状とすることができる。
錠剤の製造方法は、顆粒状組成物を医薬品に配合可能な添加成分と乾式混合や湿式混合などの方法で混合したのち、圧縮成型する。このとき、F−MELT〔商標 富士化学工業(株)製〕、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、澱粉などの崩壊剤を添加することによって、口腔内速崩壊剤とすることができる。
【0074】
本発明の医薬製剤に配合可能な添加成分としては、結合剤(例えばカルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、部分α化澱粉、ポピドン、アラビアガム、プルラン、デキストリンなど)、賦形剤(例えば、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、コメ澱粉、粉糖、乳糖、D−マンニトール、トレハロース、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ハイドロタルサイト、無水ケイ酸等)、界面活性剤(例えばポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、脂肪酸グリセリンエステル、ラウリル硫酸ナトリウム等)、滑沢剤(ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムなど)、酸味料(例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸など)、発泡剤(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、甘味剤(サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなど)、香料(例えばレモン油、オレンジ油、メントールなど)、着色剤(例えば食用赤色2号、食用青色2号、食用黄色5号、食用レーキ色素、三二酸化鉄など)、安定化剤(例えばエデト酸ナトリウム、トコフェロール、シクロデキストリンなど)、矯味剤、着香剤などが挙げられる。
【0075】
本発明の崩壊性球状粒子組成物、及び本発明の顆粒組成物は、医薬品の他に食品、化粧などに使用することができる。特に、機能性食品の体内吸収性を制御するのに好適である。
【実施例】
【0076】
以下に、本発明を実施例により説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[真球度]
SEM(走査型顕微鏡)(S−3000N、日立製作所(株)製)を用いて撮影した映像から、各粒子の短径と長径を測定し、短径/長径の比より数値を導いた。
[粒子強度]
粒子硬度測定装置(グラノ、岡田精工(株)製)を用いて測定した。
[粒子径測定方法]
懸濁液中の粒子の平均粒子径は、湿式粒度分布測定器(SALD−2000J、島津製作所(株)製)で屈折率1.7−0.20iの条件で平均粒子径を測定した。
乾式粉末の平均粒子径は、乾式粒度分布測定器(LA−920、(株)堀場製作所製)で平均粒子径を測定した。
[吸水量]
吸水量はJISK5101に基づき、アマニ油の代わりに水を用いて行った。
[静的比容積]
静的比容積は100mlのメスシリンダーにガラス管を挿入し、90〜100mlの容量となるようにロートで試料をガラス管内に入れ、ガラス管を静かに引き抜き、試料の表面を平らにしたときの容積(Vml)と試料の重量(Wg)をV/Wにより求めた。
【0077】
[実施例1]
クロスポビドン(コリドンCL−SF、BASF社製)2.22kgとマンニトール(マンニットP、東和化成工業社製)10kgを水30Lに懸濁させ、更に鱗片状リン酸水素カルシウム(フジカリン、富士化学工業社製)の粉砕懸濁液(固形分濃度16.2%、平均粒子径1.12μm)61.73kgを加えて均一にした。この混濁液を遠心式アトマイザーを用いて9000rpmの回転数で、入熱温度165℃、出口温度110℃の条件で噴霧乾燥し、崩壊性球状粒子組成物を得た。図1にSEM写真を示す。
この崩壊性球状組成物に水を滴下し、滴下前と水滴下3分後の光学写真を撮り、水に対する崩壊性を確認した。この結果を図2に示す。本発明の組成物は完全に崩壊していることが分かる。
【0078】
[実施例2]
クロスポビドン2.46kgとマンニトール11.07kgを水14Lに懸濁させ、更にメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2、富士化学工業社製)の粉砕懸濁液(固形分濃度11.3%、平均粒子径1.04μm)98kgを加えて均一な懸濁液にした。この混濁液を遠心式アトマイザーを用いて9000rpmの回転数で、入熱温度165℃、出口温度110℃の条件で噴霧乾燥し、崩壊性球状粒子組成物を得た。図1にSEM写真を示す。
【0079】
[比較例1]
鱗片状リン酸水素カルシウム(フジカリン、富士化学工業社製)の粉砕懸濁液(スラリー濃度16.2%、平均粒子径1.12μm)61.73kgに水30Lを加えて均一にし、この懸濁液を遠心式アトマイザーを用いて9000rpmの回転数で、入熱温度165℃、出口温度110℃の条件で噴霧乾燥し、崩壊性球状粒子組成物を得た。
【0080】
[比較例2]
特開2005−139168の実施例1−4に従い、マンニトール650g、キシリトール50g、結晶セルロース150g、クロスポビドン80g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム70gを水1.5Lを加えて均一に分散させた後、噴霧乾燥して、流動性の良い白色の粉末を得た。粒子強度を測定したが測定可能な下限(50g/mm)を下回っていた。
【0081】
[表1]分析値

【0082】
本発明の崩壊性球状粒子組成物(実施例1、2)は、真球度が0.99と球に極めて近く、十分な強度、小さな静的比容積、及び適度な吸水能を有している。更に比較例1の粒子と比較して、速やかな崩壊性を兼ね備えていることがわかる。
【0083】
[実施例3] 顆粒の製造
実施例1の崩壊性球状粒子組成物140gを流動造粒乾燥機〔フロイント産業(株)製、フロー・コーター・ミニ FL〕に仕込み、精製水440gにヒドキシプロピルセルロース10g及び粉砕アセトアミノフェン(200mesh篩過品)50gを溶解懸濁した液を噴霧速度1〜4g/minで噴霧し、活性成分積層顆粒を得た。図4にSEM写真を示す。
【0084】
[実施例4] 顆粒の製造
実施例2の崩壊性球状粒子組成物500gを流動造粒乾燥機〔パウレック(株)製、マルチプレックスMP−01〕に仕込み、ヒドキシプロピルセルロース10g及び粉砕アセトアミノフェン(200mesh篩過品)50gを精製水440gに溶解懸濁した溶液を、噴霧速度〜5g/minで噴霧し、活性成分積層粒子を形成した。その活性成分積層粒子に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSM−04、信越化学工業(株)製)30.43gを水に溶解させ、次いでタルク150.82g、メタアクリル酸・アクリル酸エチル・コポリマー(オイドラギットNE30D、デグサ社製)500gを溶解懸濁させた溶液を、噴霧速度3〜5g/minで噴霧し、コーティング粒子を得た。この粒子を経口に入れ味を確認した。最初の1分間は苦みを感じなかった。
【0085】
[実施例5]錠剤の製造
実施例4のコーティング粒子30重量部、口腔内速崩壊錠用賦形剤F−MELT TypeC(富士化学工業(株)製)69.5重量部、ステアリン酸マグネシウム0.5重量部の割合で混合し、タブレッティングテスター(三協パイオテク社製)により、重量450mgを設定圧力300kgfとして打錠し口腔内速崩壊錠を得た。口腔内での崩壊時間は18秒であり、その後舌下するまで苦みを感じなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
崩壊性球状粒子組成物全体に対して、無機粒子10〜90重量%及び崩壊剤1〜50重量%を含有し、真球度が0.8〜1、粒子強度が100〜2000g/mm、平均粒子径が10〜500μm、静的比容積が1.5〜5.0mL/g、比表面積が0.15〜500m/g、水に接したときの崩壊時間が10分以下であることを特徴とする崩壊性球状粒子組成物。
【請求項2】
真球度が0.85〜1、粒子強度が200〜1000g/mm、平均粒子径が20〜300μm、静的比容積が1.5〜4.0mL/g、比表面積が0.20〜400m/gである請求項1に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項3】
無機粒子のみかけの平均粒子径が0.01〜20μmである請求項1〜2のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項4】
無機粒子が、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドリキシアパタイト、タルク、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒組成物。
【請求項5】
崩壊剤が、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム及びデンプンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項6】
崩壊性球状粒子組成物全体に対して、無機粒子が20〜80重量%、崩壊剤が2〜40重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項7】
水溶性基剤を、崩壊性球状粒子全体に対して5〜85重量%配合してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項8】
水溶性基剤が、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、トレハロース、パラチニット、パラチノース、グリシン、アラニン、グルタミン酸である請求項1〜7のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項9】
活性成分を、崩壊性球状粒子全体に対して0.1〜75重量%配合してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物の周囲に、活性成分層、必要に応じて被覆層を有してなる崩壊性球状粒子組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物を含有してなる圧縮成型物。
【請求項12】
崩壊剤及び無機粒子、必要に応じて水溶性基剤及び又は活性成分を、水に懸濁させた後、噴霧乾燥する工程を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の崩壊性球状粒子組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−157348(P2011−157348A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−767(P2011−767)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(390011877)富士化学工業株式会社 (53)
【Fターム(参考)】