説明

差動符号化およびバイポーラ差動検出を有する波長多重光CDMA

本発明は、一般に、差動光符号化およびバイポーラ復号化を採用する光CDMA送信システムおよびその方法に関する。差動符号化およびバイポーラ復号化は、ビットレベルで実施することができ、この場合、差動位相符号化および復号化は、合成信号全体に対して生じる。差動符号化およびバイポーラ復号化は、チップレベルで実施することもでき、この場合、差動位相符号化および復号化は、所与の信号の個々のスペクトル成分に対して生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、光通信に関し、より詳細には、差動符号化および検出を採用する光符号分割多重アクセス(CDMA)に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に、データスループットの増大、エラーレートの減少、および一般的に通信チャネルの性能改善を目的として、多数の通信の仕組みが開発されてきた。周波数分割多重アクセス(FDMA)においては、異なるデータストリームは、送信帯域の異なる周波数における別個のチャネルに割当てられる。時分割多重アクセス(TDMA)においては、異なるデータストリームは、送信帯域の単一周波数における異なるタイムスロットに割当てられる。FDMAおよびTDMAは、所与の送信帯域に関して、サポート可能なユーザ数および/またはデータレートの点で非常に制限される可能性がある。
【0003】
多くの通信アーキテクチャにおいて、FDMAおよびTDMAに取って代わる特に効果的な通信の仕組みは、CDMAである。CDMAは、複数のデータストリームまたはチャネルが、同時に単一の送信帯域を共有することを可能とする、スペクトル拡散通信の1形態である。CDMA形式は、複数組の人々が、同じ部屋で同時に互いに会話するカクテルパーティに似ている。このような状況にある人は誰でも理解するように、同時に多数の会話が生ずる場合、会話の中で相手の話を聞くことは、非常に困難である可能性がある。例えば、1組の話し手の声が過度に大きい場合、彼らの会話は他の会話をかき消すであろう。異なる組の人々が同じ言語で話している場合、1つの会話が同じ言語の他の会話に入り込み、聞き違いの原因となる可能性もある。一般に、他の会話全てからの背景ノイズが蓄積すると、相手の話が聞きにくくなる。目標は、他の組の会話の「ノイズ」を最小化して、各組の会話、即ち「信号」が明瞭であるように、全員が同時に通信する方法を見出すことである。
【0004】
CDMAの多重化アプローチは公知であり、Andrew Viterbiによる「CDMA:スペクトル拡散通信の原理」という書籍で詳細に説明されている。この書籍は、Addison−Wesleyから1995年に出版されたものであり、本明細書に引用により明示的に組み込まれる。CDMAの動作の詳細はViterbiのテキストに委ねるのが最も賢明であるが、CDMAの基本概念のいくつかを理解することは重要である。CDMAにおいて、送信するデータ(ユーザデータ)の帯域幅は、送信帯域の帯域幅より遥かに狭い。一意な「擬似ノイズ」キーは、CDMAの送信帯域内のチャネルのそれぞれに割当てられる。擬似ノイズキーはガウスノイズ(例えば、「白色ノイズ」)を模倣するように選択され、また最大波長列であるように選択され、他のユーザ/チャネルからの干渉を削減する。1つの擬似ノイズキーは、所与のチャネルについてユーザデータを変調するために使用される。これは、パーティ参加者の各組に、異なる言語を割当てることと等価である。
【0005】
変調中は、ユーザデータは、CDMA帯域の帯域幅に渡って「拡散」する。即ち、全てのチャネルは、同じ周波数帯で同時に送信される。これは、パーティ参加者の全組が、同時に会話することと等価である。送信中のノイズの入り込み、及び他のユーザからの干渉は不可避である(集合的に「ノイズ」と称する)。擬似ノイズキーの性質により、ノイズは復調中に、ユーザの信号と比較して大幅に減少する。これは、選択したチャネルを受信機が復調するときに、チャネル内のデータが「逆拡散」され、ノイズは逆拡散されないからである。したがって、データが近似的に元の帯域幅に戻り、ノイズはさらに大きな送信帯域上に拡散したままである。また、それぞれのユーザに対する電力制御を、他のユーザからのノイズの削減に役立たせることもできる。電力制御は、声の大きいパーティ参加者の声を小さくすることと等価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CDMAは、無線電話(セルラー)および他の通信システムにおいて、長年に亘って商用的に利用されてきた。セルラーシステムは、一般的に800MHzおよび2GHzの間で動作するが、個々の周波数帯は、数メガヘルツ程度の幅でもよい。セルラーCDMAの魅力的な特徴の1つは、FDMAやTDMAと違い、所与の帯域幅内のユーザ数に、絶対的限界が理論的に存在しないということである。送信帯域に対してより多くのユーザを追加することは、単に競合するノイズが増えることを意味する。しかしながら、実際問題として、「信号対ノイズ」の比率が許容不能となるある閾値点がある。この信号対ノイズの閾値により、サポート可能な有料加入者数および/またはデータレートの点で、商用システムには現実的な制約がつけられる。したがって、技術者および科学者は、信号対ノイズ比の改善によるCDMAシステムの改善を継続的に模索している。
【0007】
近年、CDMAは、光通信ネットワークにおいて益々利用されている。光CDMAは、セルラーCDMAと同じ汎用的原理を採用する。セルラーCDMAと異なり、光CDMA信号は、光周波数で変調される。それにも拘わらず、光CDMAに対する信号対ノイズ比は、セルラーCDMAの場合と同様に重要である。過去に、光CDMAは、オンオフキーイング(OOK)を符号化および復号化プロセスの一部として採用してきた。しかしながら、信号対ノイズ比を増大する新規の符号化および復号化技術を開発することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施態様により、光CDMA送信機(optical CDMA transmitter)が提供される。光CDMA送信機は、DPSK符号器(DPSK encoder)、パルス光源(optical pulse source)およびスペクトル符号器(spectral encoder)を備える。DPSK符号器は、入力メッセージをDPSK符号化するために存在する。パルス光源は、DPSK符号化した入力メッセージにより変調される、マルチキャリア信号を生成するために存在する。スペクトル符号器は、DPSK符号器およびパルス光源に動作可能に接続する。スペクトル符号器は、光学変調およびDPSK符号化した入力メッセージに対してスペクトル位相符号化を実施し、符号化信号を生成する。
【0009】
1つの代替方法において、スペクトル符号器は、光学変調およびDPSK符号化した入力メッセージのスペクトル成分に、位相シフトを適用することが望ましい。位相シフトは、固定するか、またはセキュリティを強化するために、いくつかの所定速度で動的に時間変化させてもよい。別の代替方法において、パルス源は、コヒーレント光波長多重パルス源(coherent optical multi-wavelength pulse source)を備えることが望ましい。
【0010】
さらに別の代替方法において、光CDMA送信機はさらに、スペクトル符号器に動作可能に接続した位相変調器(phase modulator)を備えてもよく、位相変調器は、入ってくる差動符号化したデータビット列に応じて、入力光信号を差動的に位相シフトする。この場合、位相変調器は、パルス源からのキャリア信号と、DPSK符号器からのDPSK符号化した入力メッセージとを受信し、光学変調およびDPSK符号化した入力メッセージに対し差動的位相シフトを実施して中間信号を生成し、中間信号をスペクトル符号器に供給することが望ましい。
【0011】
別の場合、位相変調器は、スペクトル符号器と一体であってもよい。ここで、DPSK符号化した入力メッセージは、複数のDPSK符号化した入力メッセージを含むことが望ましく、位相変調器は複数の位相変調器を含み、スペクトル符号器によるスペクトル位相符号化のために、それぞれの中間信号を生成することが望ましい。
【0012】
本発明の別の実施態様により、光CDMA送信機が提供される。送信機は、入力メッセージをDPSK符号化する手段と、DPSK符号化された入力メッセージにより変調されるキャリア信号を生成する手段と、光学変調およびDPSK符号化した入力メッセージに対してスペクトル位相符号化を実施して、符号化信号を生成する手段とを含む。
【0013】
本発明のさらに別の実施態様により、光CDMA受信機(optical CDMA receiver)が提供される。受信機は、スペクトル復号器(spectral decoder)、DPSK復調器(DPSK demodulator)および光サンプラ(optical sampler)を備える。スペクトル復号器は、送信機から符号化信号を受信するため、および符号化信号に対してスペクトル位相復号化を実施するために存在する。DPSK復調器は、スペクトル復号器に動作可能に接続し、符号化信号に対してDPSK復号化を実施する。光サンプラは、スペクトル復号器およびDPSK復調器に動作可能に接続し、スペクトル位相復号化の後に符号化信号から選択チャネルを抽出する。
【0014】
代替方法において、スペクトル復号器は、送信機のスペクトル位相符号器と適合する。別の代替方法において、DPSK復調器は、スペクトル復号器と一体であり、光サンプラは、DPSK複合化の後に選択チャネルを抽出する。この場合、スペクトル復号器は、選択されたデータチャネルに対する位相補正信号を生成するように、動作可能であることが望ましく、DPSK復号器は複数のDPSK復号器を含み、位相補正信号を処理して差動信号(differential signal)を生成する。
【0015】
別の代替方法において、受信機はさらに差動受光器(differential photoreceiver)を含むことが望ましい。この差動受光器は、選択されたチャネルに基づいて出力メッセージを生成するDPSK復調器に動作可能に接続する。この場合、出力メッセージは電気信号を含むことが望ましい。
【0016】
本発明の別の実施態様により、光CDMA受信機が提供される。受信機は、送信機から符号化信号を受信する手段と、符号化信号に対してスペクトル位相復号化を実施する手段と、符号化信号に対してDPSK復調を実施する手段と、スペクトル位相復号化の後に符号化信号から選択チャネルを抽出する手段とを含む。
【0017】
本発明のさらに別の実施態様により、光CDMA送信方法が提供される。前記送信方法は、ユーザデータを受信すること、DPSK符号化をユーザデータに対して実施し、DPSK符号化信号を生成すること、DPSK符号化信号を光学変調すること、およびスペクトル位相符号化をDPSK符号化信号に対して実施することを含む。
【0018】
1つの代替方法において、送信方法は、さらに位相変調をDPSK符号化信号に対して実施することを含む。1例において、スペクトル位相符号化が位相変調の後にDPSK符号化信号に対して実施される。別の例において、スペクトル位相符号化および位相変調は並行して実施される。
【0019】
本発明のさらなる実施態様により、光CDMAの受信方法が提供される。前記受信方法は、光CDMA符号化信号を受信すること、スペクトル位相復号化を光CDMA符号化信号に対して実施すること、DPSK復調を光CDMA符号化信号に対して実施すること、光CDMA符号化信号をサンプリングすること、および出力メッセージを生成することを含む。
【0020】
1つの代替方法において、スペクトル位相復号化およびDPSK復調は、並行して実施される。別の代替方法において、サンプリングは、スペクトル位相復号化の後、かつDPSK復調の前に実施される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の態様、特徴および利点は、以下の好適な実施態様の説明と添付図面を参照して考えると理解できるだろう。図面で示した本発明の好適な実施態様の説明において、明確にするために特定の専門用語を使用する。しかしながら、本発明はそのように選択された特定の用語に制限されることを意図しておらず、選択された各用語は、同様の目的を達成するように同様に動作する技術的に等価なもの全てを含むと理解されるべきである。
【0022】
図1は、光CDMA通信システム100を示す。メッセージ102は、送信機104に入力される。メッセージは例えば、音声通信、画像送信、グラフィカル情報またはその他のデータでもよい。以下で説明するように、メッセージ102は、送信機104により処理されて符号化メッセージが生成され、次に符号化メッセージは、通信チャネル106を通って受信機108に到達する。受信機108は、符号化メッセージを受信し、以下で説明するように、符号化メッセージを処理し、次に復号化メッセージ110を生成する。
【0023】
送信機104は、差動位相シフトキー(DPSK:differential phase shift key)符号器112、パルス源114、位相変調器116およびスペクトル位相符号器118を含むことが望ましい。DPSK符号器112は、メッセージ102を受信し、メッセージ102に対して差動位相シフトキーイング(differential phase shift keying)を実施して、差動符号化信号120を生成する。DPSK112は、従来の電子差動位相シフト符号器を含んでもよく、電子差動位相シフト符号器は、1つまたは複数の先行ビットに基づいてメッセージ内のビットそれぞれの位相を判定する。
【0024】
差動符号化信号120は、位相変調器116に供給される。また、キャリア信号122も、位相変調器116に供給される。キャリア信号122は、パルス源114により生成されることが望ましい。キャリア信号122は、波長多重光信号であることが望ましく、パルス源114は、コヒーレント波長多重光源(coherent multi-wavelength light source)であることが望ましい。
【0025】
例えば、パルス源114は、波長多重コム(comb)信号を与える能力のあるモードロックされたレーザでよく、コム間隔(comb spacing)はレーザ繰り返しレートに等しい。モードロックされたレーザは、半導体光増幅器、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium-doped fiber amplifier)、または固体状態の材料に基づいた他の光増幅器を使用して構築することができる。モードロックされた状態では、明確な位相関係が、スペクトル成分それぞれの間で維持される。図2は、周波数領域においてスペクトルモードをロックすることにより、時間領域において短パルスのストリームが生成されることを示す。
【0026】
図1に戻ると、位相変調器116は、位相変調器を通過する光の相対位相を、所与の波長で固定量だけシフトすることにより機能する。位相変調器116は、DPSK符号器112と連動して差動符号化信号120の2値光変調を実施し、キャリア信号122を使用して変調信号124を生成することが望ましい。単一のデータ信号は、変調器に適用されるのが望ましく、したがって、単一のユーザに対するデータ変調は、パルス源によって生成された全ての波長/モードに適用される。特に、差動位相符号化は、光パルスそれぞれに生じ、光パルスのそれぞれは、パルス源114を出て、変調信号124等のDPSK符号化光信号を生成することが望ましい。例えば、位相変調器116は、通過する光パルスのそれぞれの位相を、先行光パルスに応じて、0または180度のシフトを決定してもよく、光パルスのそれぞれは、データビットを表す。言い換えると、データビットのそれぞれの位相は、先行ビットの値に応じて0または180度シフトすることができる。本発明の態様にかかる差動光符号化の利点は、受信機108における信号対ノイズ比の増加であり、これはシステムの性能を大幅に向上することができる。
【0027】
DPSK符号器112および位相変調器116は、単一のコンポーネントであっても、または別個のコンポーネントを含んでもよい。位相変調器116は、データレートが最大で毎秒40ギガビットまでの場合、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)変調器でもよい。しかしながら、コスト、データレート、ビットエラーレート等のシステム上の制約条件全体に応じて、他の電気光学装置を採用してもよい。
【0028】
変調信号124は、スペクトル位相符号器118に供給される。スペクトル位相符号器118は、位相マスクを変調信号124に適用することにより、光パルスの合成信号全体に対し動作する。位相マスクは、所定の光CDMAコード(例えば、擬似ランダム直交コード)に対応することが望ましい。スペクトル位相符号器118は、光信号を独立したスペクトル成分に分割し、位相マスクに基づいてスペクトル成分それぞれに対する別個の光位相シフトを導入する。スペクトル成分のそれぞれは、パルス源114が生成する異なる波長/モードに対応することが望ましい。それぞれのユーザまたは特定ユーザからのメッセージには、任意の所定の時点で一意な位相コードを割当てることが望ましい。したがって、適切な位相マスクを含む受信機のみが、受信側において信号をスペクトル的に復号することができるように、スペクトル成分のそれぞれは周波数領域内で一意な方法で位相符号化する。位相シフトは、固定しても、または動的に時間変化させてもよい。固定した(静的)位相シフトは、単純な遅延成分を使用して作成してもよい。遅延は、わずかな波長であることが望ましく、採用した直交CDMAコードの特定集合により決定することが望ましい。可変位相シフトは、例えば、ニオブ酸リチウム、または同等な電気光学材料から構築された制御可能な位相成分を使用して生成された、プログラム可能な位相シフトでもよい。さらに、スペクトル成分のそれぞれは、それぞれに適用される異なる位相値を有してもよい。
【0029】
スペクトル符号器118を実装する方法は、多数ある。例えば、回折格子型のフーリエ変換システム(例えば、光パルス整形器)または超微細光フィルタ等の、自由空間装置(free space device)を使用してもよい。あるいは、ファイバブラッグ回折格子(fiber Bragg gratings)、またはアレイ導波路回折格子等の平面光波回路を採用してもよい。位相変調器116に関して上述したように、コスト、データレート、ビットエラーレート等のシステム上の制約条件全体に応じて、他の装置を採用してもよい。
【0030】
スペクトル位相符号器118は、符号化メッセージ126を出力し、符号化メッセージ126は、通信チャネル106を通って受信機108に到達する。1つの送信機104のみが示されているが、実際のマルチユーザ光CDMAシステムにおいては、複数の送信機を使用することが望ましく、光信号は、パッシブ光ファイバ、または自由空間結合器等のパッシブな光結合技術を使用して、1つの多重アクセス光チャネルに結合することが望ましい。通信チャネル106は、多重アクセスまたはマルチユーザチャネルであることが望ましく、例えば、自由空間であるかまたは少なくとも1つの光ファイバでもよい。符号化メッセージ126は、通信チャネル106を通る送信の前または送信中に、例えば信号群を多重化すること、および/または送信信号を光送信プロセスの一部として偏光すること、またはリピータとして動作する光増幅器により増幅されることにより、さらに処理されてもよい。
【0031】
受信機108は、スペクトル位相復号器128、光サンプリングゲート130、DPSK復調器132、および差動受光器134を含むことが望ましい。受信機108により符号化メッセージ126が受信されると、スペクトル位相復号器128は、その符号化メッセージ126を処理する。スペクトル位相復号器128は、逆の働きをすることを除けば、スペクトル位相符号器118と同様の一般的な方法で動作する。スペクトル位相復号器は、位相マスクを符号化メッセージ126に適用する。位相マスクは、送信側にあるのと同じ所定の光CDMAコードに対応しなければならない。こうして、スペクトル位相復号器128は、スペクトル成分のそれぞれについて正確な位相を復元する。スペクトル位相符号器118の場合のように、スペクトル位相復号器128での位相シフトは、固定でも可変でもよく、同様に実施することができる。
【0032】
スペクトル位相復号器128は、符号化メッセージ126から位相補正信号136を生成する。特定の信号/データチャネルを処理するこの時点において、他の位相補正信号136は一時的に拡散し、背景ノイズのように見える傾向がある。即ち、マッチング位相マスクを使用して符号化された信号のみが、スペクトル位相復号器128により復号される。
【0033】
光サンプリングゲート130は、スペクトル位相復号器128が適正にチャネルを復号してから、所望のデータチャネルを抽出する。光サンプリングゲート130は、位相補正信号136のそれぞれをサンプリングし、サンプリングウィンドウから外れる位相補正信号の部分を、制御信号または光サンプリングクロック信号138に基づいて抑制する。サンプリングウィンドウのサイズは、光サンプリングゲートにより判定する。光サンプリングクロック信号138は、データ繰り返しレートで生成した短光パルスの連続列を含むことが望ましい。クロック信号は、例えば、全ユーザに利用可能なネットワーク規模のグローバルクロック信号を使用するか、またはCDMA受信機108のそれぞれにおいて光クロック復元技術を使用することにより、生成することができる。位相補正信号136の抑制部分は、光CDMAシステム100の他のユーザ/信号により発生するノイズと、マルチユーザ干渉とを含む。光サンプリングウィンドウは、そのサイズが、送信帯域と抽出すべきデータパルスのサイズとに依存する、狭い一時ゲーティングウィンドウ(narrow temporal gating window)である。処理後、光サンプリングゲート130は、サンプリング信号(sampled signal)140を生成する。
【0034】
光CDMAシステムの一般的な帯域幅は、およそ数十ギガヘルツでよく、データパルスは非常に狭く、例えば、およそ数十ピコ秒以下でよい。光サンプリングゲート130は、様々な方法で実施することができる。ほんの1例であるが、適切な技術は、非線形ファイバ型干渉計、非線形半導体光増幅器型干渉計、四光波混合に基づいた非線形装置、および電界吸収型光変調器ゲートを含む。
【0035】
DPSK復調器132は、サンプリング信号140に対し、バイポーラ復号化(bipolar decoding)を実施する光DPSK復調器であることが望ましい。このDPSK復調器132は、2つの隣接データビットを光学干渉して2つの差動光信号142aおよび142bをもたらすことで、光復号化/復調を実施することが望ましい。差動光信号142aおよび142bは、互いの補完信号であることが望ましい。即ち、全ての光電力が信号142aに関連付けられたポートから出る場合、信号142aは信号142bに関連付けられたポートには存在しない(逆も真である)。この光干渉は、アームの1つに1ビットの光学遅延を有する2アーム光干渉計構成を使用して実施することができる。例えば、マッハツェンダ光干渉計またはミケルソン光干渉計を使用してもよい。
【0036】
差動受光器134は、2つの差動光信号142aと142bを受信し、その光信号から復号化メッセージ110を生成する。次に、復号化メッセージ110は、受信者(図示せず)に直接送信可能であるが、さらなる処理および/または送信技術を施してもよい。
【0037】
上述の実施態様から分かるように、差動符号化およびバイポーラ復号化を、ビットレベルで実施することが可能であり、差動位相符号化および復号化は、特定の光パルスの信号全体において複合的に生ずる。送信側においては、メッセージはDPSK符号化され、次に波長多重光源を使用して光学変調される。光学変調された合成信号は、位相変調され、次にスペクトル位相符号化を受ける。受信側においては、符号化メッセージは、スペクトル的に位相復号化される。次に、制御信号に応じて光サンプリングが実施される。サンプリング信号は、光学的にDPSK復号化され、復号化信号を得るために処理可能な差動信号が生成される。
【0038】
差動符号化およびバイポーラ復号化は、チップレベルで実施することも可能である。ここでは、差動位相符号化および復号化は、合成信号全体に対してではなく、波長多重源の個々のスペクトル成分に対して実施される。
【0039】
図3は、チップレベルの差動位相符号化および復号化用の、光CDMA通信システム300を示す。図示されるように、メッセージ302は、送信機304に対して入力される。メッセージは、例えば、音声通信、映像送信、グラフィカル情報またはその他のデータとすることができる。メッセージ302は、送信機304により処理され、以下で説明するように、符号化メッセージが生成され、次にその符号化メッセージは通信チャネル306を通って受信機308に到達する。受信機308は、符号化メッセージを受信し、以下で説明するように符号化メッセージを処理し、次に復号化メッセージ310を生成する。
【0040】
送信機304は、DPSK符号器312、パルス源314、およびスペクトル位相符号器316を含むことが好ましく、複数の位相変調器318l〜318Nを含むことが望ましい。DPSK符号器312は、メッセージ302を受信し、そのメッセージ302に差動位相シフトキーイングを実施して、差動符号化光信号320を生成する。前述のように、本発明の態様にかかる差動光符号化の利点は、受信機308での信号対ノイズ比の増加であり、そのことでシステムの性能を大幅に向上することができる。
【0041】
差動符号化信号320は、スペクトル位相符号器316に供給される。また、キャリア信号322も、スペクトル位相符号器316に供給される。キャリア信号322は、パルス源314により生成される。キャリア信号322は、波長多重光信号であることが望ましく、パルス源314は、パルス源114に関して上述したようにコヒーレント波長多重パルス光源であることが望ましい。
【0042】
スペクトル位相符号器316は、位相マスクをチップレベルで、差動符号化信号320のそれぞれに適用する。また、差動符号化信号320l〜320Nのそれぞれも、位相変調器318l〜318Nのそれぞれにより、個別に位相変更される。位相マスクは、所定の光CDMAコードに対応することが望ましい。スペクトル位相符号器316は、異なる光位相シフトを、差動符号化信号320のそれぞれに対して導入する。スペクトル位相成分は、特定の光CDMAコードに対応し、それぞれのユーザまたはメッセージには、任意の時点で一意な位相コードが割当てられることが望ましい。位相シフトは、固定しても、または動的に時間変化させてもよい。固定(静的)位相シフトは、単純な遅延成分を使用して生成してもよい。この遅延は、わずかな波長であることが望ましい。可変位相シフトは、ニオブ酸リチウム、または同等な電気光学材料で構成した、制御可能な位相成分を使用して生成されたプログラム可能な位相シフトでよい。チップレベルの符号化処理は、前述のビットレベル符号化処理と比較して、他のユーザ(他のメッセージ302)からのノイズの抑制をさらに向上させることができる。
【0043】
上述のように、スペクトル位相符号器316を実装する方法は、多数ある。例えば、回折格子型のフーリエ変換システム(例えば、光パルス整形器)または超微細光フィルタ等の、自由空間装置を使用してもよい。あるいは、ファイバブラッググテーチング、またはアレイ導波路格子などの平面光波回路を採用してもよい。コスト、データレート、ビットエラーレート等の、システムの制約条件全体に応じて他の装置を採用してもよい。
【0044】
位相変調器318l〜318Nのそれぞれは、変調器自体を通過する光の相対位相を、所与の波長で固定量だけシフトすることにより機能する。例えば、それぞれのデータビットの位相は、先行ビットの値に依存して0または180度シフトすることができる。スペクトル位相符号器316および位相変調器318l〜318Nは、1つのコンポーネントであっても、別個のコンポーネントを備えてもよい。データレートが最大で毎秒40ギガビットまでの場合、位相変調器318のそれぞれは、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)変調器を備えてもよい。しかしながら、コスト、データレート、ビットエラーレート等のシステム上の制約条件全体に応じて、他の電気光学装置を採用してもよい。
【0045】
スペクトル位相符号器316および位相変調器318の組み合わせにより、符号化メッセージ324を出力し、符号化メッセージ324は、通信チャネル306を通って受信機308に到達する。1つの送信機304のみが示されているが、実際のマルチユーザ光CDMAシステムにおいては、複数の送信機を使用するのが好適であり、光信号は、パッシブ光ファイバ結合器または自由空間結合器等のパッシブな光結合技術を使用して、1つの多重アクセス光チャネルに結合されることが好適であるのは当然である。通信チャネル306は、多重アクセスまたはマルチユーザチャネルであることが望ましく、それらは例えば、自由空間であるか、1つまたは複数の光ファイバでもよい。符号化メッセージ324は、通信チャネル306を通って送信の前または送信中に、さらに処理されてもよい。例えば、その送信処理の一部として、信号群を多重化すること、および/または送信信号を偏光することにより処理されてもよい。
【0046】
受信機308は、スペクトル位相復号器326、複数のDPSK復調器328lか〜328N、光サンプリングゲート330、および差動受光器332を含むことが望ましい。受信機308が符号化メッセージ324を受信すると、スペクトル位相復号器326は、DPSK復調器328l〜328Nと連動して、その符号化メッセージ324を好適に処理する。スペクトル位相復号器326は、前述のスペクトル位相復号器128と同様の一般的な方法で動作する。スペクトル位相復号器326は、位相マスクを符号化メッセージ324に適用する。位相マスクは、送信機側と同じ所定の光CDMAコードに対応していなければならない。このようにして、スペクトル位相復号器326は、符号化メッセージのそれぞれの個別スペクトル成分に対して、適正な位相を復元する。
【0047】
スペクトル位相符号器316と同様に、スペクトル位相復号器326における位相シフトは、固定しても、または動的に時間変化させてもよく、同様に実施してもよい。スペクトル位相符号器316および位相復調器318l〜318Nは、1つのコンポーネントでも、または別個のコンポーネントを含んでもよい。DPSK復調器328l〜328Nは、スペクトル位相復号器326と一体であることが望ましい。
【0048】
本実施態様は、複数のDPSK復調器328l〜328Nを備える。DPSK復調器328l〜328Nのそれぞれは、符号化メッセージ324内の選択されたデータストリームに対し、バイポーラ復号化を実施する光DPSK復調器であることが望ましい。DPSK復調器328l〜328Nは、所与のデータストリーム内の隣接する2つのデータビットを光学干渉して、2つの差動光信号を与えることにより、光復号化/復調を実施することが望ましい。この光学干渉は、2アーム光干渉計構成を使用して、2つのアームのうちの1つに1ビットだけ光学遅延させて実施することができる。例えば、マッハツェンダ光干渉計、またはミケルソン光干渉計を使用してもよい。スペクトル復号化およびDPSK復調に、優先順位はない。実際、スペクトル復号化およびDPSK復調は、DPSK復調に使用した2アーム光干渉計の、一方のアームに静的スペクトル位相成分または動的に時間変化するスペクトル位相成分を配置することにより、同時に実施することもできる。
【0049】
1対の位相補正差動光信号334aおよび334bは、スペクトル位相復号器326およびDPSK復調器328l〜328Nの組み合わせにより出力される。単一信号の処理において、この時点では、その他の位相補正信号334は、一時的に拡張し、背景ノイズのように見える傾向がある。
【0050】
光サンプリングゲート330は、差動光位相補正信号334aおよび334bを処理する。光サンプリングゲート330は、差動光位相補正信号334aおよび334bの両方をサンプリングし、サンプリングウィンドウから外れる位相補正信号の部分を、制御信号または光サンプリングクロック336に基づいて抑制する。位相補正信号334a‐bの抑制された部分は、光CDMAシステム300の他のユーザ/データストリームにより発生するノイズとマルチユーザ干渉とを含む。このサンプリングウィンドウは、狭い一時的なゲーティングウィンドウであり、そのサイズは、システムの帯域幅と、抽出されるデータパルスのサイズとに依存する。処理後、光サンプリングゲート330は、サンプリングした信号338を生成するが、位相補正信号334a‐bに対応する1対の差動サンプリングした信号338aおよび338bの形をとることが望ましい。
【0051】
光CDMAシステムの典型的な帯域幅は、およそ数十ギガヘルツでよく、データパルスは非常に狭く、例えば、およそ数十ピコ秒以下でよい。光サンプリングゲート330は、様々な方法で実施することができる。ほんの一例であるが、適切な技術には、非線形ファイバ型干渉計、非線形半導体光増幅器型干渉計、四光波混合に基づく非線形装置、および電界吸収型光変調器ゲートを含む。
【0052】
差動受光器332は、サンプリングした信号338(例えば、1対の差動サンプリングした信号338aおよび338b)を受信し、サンプリングした信号338から復号化メッセージ310を生成する。復号化メッセージ310は、光信号のままでもよいし、差動受光器332により電気信号として出力してもよい。復号化メッセージ310は、次に受信者(図示せず)に直接送信されてもよいし、さらに処理および/または送信技術を施されてもよい。
【0053】
上述の実施態様から理解できるように、差動符号化およびバイポーラ復号化をチップレベルで実施することが可能である。メッセージは、送信側でDPSK符号化する。DPSK符号化メッセージのそれぞれは、個別に位相変調され、波長多重光源を使用して光変調され、スペクトル位相符号化を受ける。多重化/合成信号は、光送信媒体を通して送信される。受信側では、符号化メッセージは、DPSK復号化され、スペクトル位相復号化を受ける。次に、光サンプリングクロック信号に応じて光サンプリングが実施される。サンプリングした信号が処理され、1つまたは複数の復号化メッセージを得ることができる。
【0054】
図4および図5は、本発明の態様にかかるデータ符号化および復号化処理のフロー図を示す。図4は、本発明の態様にかかるスペクトル位相符号化処理を示すフロー図400である。図4において、送信機は、ステップ402でユーザデータを受信する。DPSK符号器は、ステップ404においてユーザデータに対しDPSK符号化を実施する。位相変調は、ステップ406において実施される。スペクトル位相符号化は、ステップ408において実施される。スペクトル位相符号化は、上述したように、ビットレベルまたはチップレベルで実施することができる。データ符号化処理は、ステップ410において終了する。
【0055】
図5は、本発明の態様にかかるスペクトル位相復号化処理を示すフロー図である。スペクトル位相復号化は、ステップ502において実施される。ステップ504において、光サンプリングは、例えば光サンプリングゲート130または330により実施される。DPSK復調は、ステップ506において実施される。ステップ508において、例えば、差動信号を受信して復号化メッセージを含む電気信号を生成することにより、データ変換を実施してもよい。図4−5におけるステップを一定の順序で示したが、その順序は固定的なものではなく、特定のシステム構成に応じて、異なるステップを異なる順序で、または並行して実施してもよいことが理解できるだろう。ほんの一例であるが、ステップ506におけるDPSK復調は、サンプリングステップの前または後で実施することができる。さらに、位相変調およびスペクトル位相符号化のステップ、および/またはスペクトル位相復号化およびDPSK復調のステップは、並行して実施してもよい。
【0056】
本発明を特定の実施態様を参照して説明してきたが、これらの実施態様は、単に本発明の原理と応用の例であることが理解できるだろう。従って、添付の特許請求の範囲が定義する本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、例示的な実施態様には多数の修正を加えることが可能であり、その他の手順を考案することができることが理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施態様にかかる通信システムを示す図である。
【図2】波長多重源についての時間および周波数領域変換を示す図である。
【図3】本発明の別の実施態様にかかる通信システムを示す図である。
【図4】本発明の態様にかかる送信方法のフロー図である。
【図5】本発明の態様にかかる受信方法のフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力メッセージをDPSK符号化するDPSK符号器、
前記DPSK符号化した入力メッセージにより変調されるキャリア信号を生成するパルス光源、および、
前記DPSK符号器および前記パルス光源に動作可能に接続したスペクトル符号器であって、前記スペクトル符号器は、前記光変調およびDPSK符号化した入力メッセージに対して、スペクトル位相符号化を実施して、符号化信号を生成するスペクトル符号器を備えることを特徴とする光CDMA送信機。
【請求項2】
前記スペクトル符号器は、前記光変調およびDPSK符号化した入力メッセージのスペクトル成分に、位相シフトを適用することを特徴とする請求項1に記載の光CDMA送信機。
【請求項3】
前記位相シフトは、固定されていることを特徴とする請求項2に記載の光CDMA送信機。
【請求項4】
前記位相シフトは、動的に時間変化することを特徴とする請求項2に記載の光CDMA送信機。
【請求項5】
前記スペクトル符号器に動作可能に接続された位相変調器をさらに備え、前記位相変調器は、前記DPSK符号化した入力メッセージに基づいて、入力された光信号を差動位相シフトすることを特徴とする請求項1に記載の光CDMA送信機。
【請求項6】
前記位相変調器は、前記パルス源から前記キャリア信号を受信し、前記DPSK符号器から前記DPSK符号化した入力メッセージを受信して、前記光変調およびDPSK符号化した入力メッセージに対して、差動位相シフトを実施して中間信号を生成し、前記中間信号を前記スペクトル符号器に供給することを特徴とする請求項5に記載の光CDMA送信機。
【請求項7】
前記位相変調器は、前記スペクトル符号器と一体であることを特徴とする請求項5に記載の光CDMA送信機。
【請求項8】
前記DPSK符号化した入力メッセージは、複数のDPSK符号化した入力メッセージを含み、前記位相変調器は、複数の位相変調器を含み、前記スペクトル符号器によりスペクトル位相符号化するための、それぞれの中間信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の光CDMA送信機。
【請求項9】
前記パルス源は、コヒーレント波長多重パルス光源を含むことを特徴とする請求項1に記載の光CDMA送信機。
【請求項10】
入力メッセージをDPSK符号化する手段、
前記DPSK符号化した入力メッセージにより変調されるキャリア信号を生成する手段、および、
前記光変調およびDPSK符号化した入力メッセージに対して、スペクトル位相符号化を実施して符号化信号を生成する手段を備えることを特徴とする光CDMA送信機。
【請求項11】
送信機から符号化信号を受信し、前記符号化信号に対してスペクトル位相復号化を実施するスペクトル復号器、

前記スペクトル復号器に動作可能に接続され、前記符号化信号に対してDPSK復号化を実施するDPSK復調器、および、
前記スペクトル復号器および前記DPSK復調器に動作可能に接続され、前記スペクトル位相復号化の後に、前記符号化信号から選択チャネルを抽出する光サンプラを備えることを特徴とする光CDMA受信機。
【請求項12】
前記スペクトル復号器は、前記送信機のスペクトル位相符号器に適合することを特徴とする請求項11に記載の光CDMA受信機。
【請求項13】
前記DPSK復調器は、前記スペクトル復号器と一体であり、前記光サンプラは、前記DPSK復号化の後に、前記選択チャネルを抽出することを特徴とする請求項11に記載の光CDMA受信機。
【請求項14】
前記スペクトル復号器は、選択したデータチャネルに関する位相補正信号を生成するように動作可能であり、前記DPSK復調器は、複数のDPSK復調器を備えて前記位相補正信号を処理し、差動信号を生成することを特徴とする請求項13に記載の光CDMA受信機。
【請求項15】
前記DPSK復調器に、動作可能に接続され、出力メッセージを生成する差動受光機をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の光CDMA受信機。
【請求項16】
前記出力メッセージは、電気信号を含むことを特徴とする請求項15に記載の光CDMA受信機。
【請求項17】
送信機から符号化信号を受信し、前記符号化信号に対してスペクトル位相復号化を実施する手段、
前記符号化信号に対してDPSK復調を実施する手段、および、
前記スペクトル位相復号化の後に、前記符号化信号から選択チャネルを抽出する手段を備えることを特徴とする光CDMA受信機。
【請求項18】
ユーザデータを受信すること、
前記ユーザデータに対してDPSK符号化を実施して、DPSK符号化信号を生成すること、
前記DPSK符号化信号を光変調すること、および、
前記DPSK符号化信号に対してスペクトル位相符号化を実施することを含むことを特徴とする光CDMA送信方法。
【請求項19】
前記DPSK符号化信号に対して、位相変調を実施することをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の光CDMA送信方法。
【請求項20】
前記スペクトル位相符号化は、前記位相変調の後に前記DPSK符号化信号に対して実施されることを特徴とする請求項19に記載の光CDMA送信方法。
【請求項21】
前記スペクトル位相符号化および前記位相変調は、並行して実施されることを特徴とする請求項19に記載の光CDMA送信方法。
【請求項22】
光CDMA符号化信号を受信すること、
前記光CDMA符号化信号に対してスペクトル位相復号化を実施すること、
前記光CDMA符号化信号に対してDPSK復調を実施すること、
前記光CDMA符号化信号をサンプリングすること、および、

出力メッセージを生成することを含むことを特徴とする光CDMA受信方法。
【請求項23】
前記スペクトル位相復号化および前記DPSK復調は、並行して実施されることを特徴とする請求項22に記載の光CDMA受信方法。
【請求項24】
前記サンプリングは、前記スペクトル位相復号化の後、かつ前記DPSK復調の前に実施されることを特徴とする請求項22に記載の光CDMA受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529422(P2008−529422A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553347(P2007−553347)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/003335
【国際公開番号】WO2006/083822
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(399047921)テルコーディア テクノロジーズ インコーポレイテッド (61)
【Fターム(参考)】